(1)概要
以下の実施形態は、本発明の様々な実施形態の一つに過ぎない。以下の実施形態は、本発明の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、以下の実施形態において説明する図1~図12Cは模式的な図であり、図1~図12C中の各構成要素の大きさや厚さそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
また以下では、本実施形態の光源ユニットA1及び照明器具の上下、左右、前後の方向を、図1~図4に図示されている上下、左右、前後の矢印を用いて規定して説明する。これらの矢印は、単に説明を補助する目的で記載しているに過ぎず、実体を伴わない。また、これらの方向は、光源ユニットA1及び照明器具の使用方向を限定する趣旨ではない。
本実施形態の光源ユニットA1は、図1に示すように、1又は複数(ここでは複数)の固体光源と、(一例として2枚の)実装基板11(プリント配線板)と、収容体5と、を備える。
複数の固体光源は、一例として、複数の発光ダイオード(以下、LED(Light Emitting Diode)と呼ぶ)10である。各実装基板11には、複数のLED10が実装される。ただし、各実装基板11に実装される固体光源は、発光ダイオードに限定されず、例えば有機EL(Electro-Luminescence)素子等であってもよい。また、実装基板11には、複数のLED10(固体光源)に加えて、その他の回路部品(例えばチップ抵抗器等)が実装されてもよい。
収容体5は、実装基板11を収容するように構成されている。実装基板11は、図2A及び図2Bに示すように、絶縁基板110と、スルーホール113と、金属めっき層114(図3参照)と、配線用の第1導体115と、配線用の第2導体116と、を有している。スルーホール113は、絶縁基板110の厚み方向における第1面(上面)111から第1面111とは反対側の第2面(下面)112に貫通する。なお、図示例では、各実装基板11に2つのスルーホール113が設けられている。
絶縁基板110は、少なくとも樹脂を含む。絶縁基板110は、一例として、ガラス繊維にエポキシ樹脂を滲みこませて形成されている。ここでは実装基板11は、例えば、ガラスコンポジット基板(CEM-3:Composite epoxy material-3)、又はガラスエポキシ基板(FR-4:Flame Retardant Type 4)等を想定する。
金属めっき層114は、スルーホール113の壁面1130(図3参照)に設けられている。第1導体115は、第1面111に形成されている。第2導体116は、第2面112に形成されて、金属めっき層114を介して第1導体115と導通する。すなわち、実装基板11は、第1導体115と第2導体116とがスルーホールメッキ接続された両面プリント配線板であり、複数のLED10を含む回路部品が、第1面111及び第2面112の両面側に実装され得る。
収容体5は、図3に示すように、絶縁基板110の縁部(前縁部110A)が挿入されて当該縁部を支持する溝部50を有する。ここで、スルーホール113は、図2A及び図6Aに示すように、その貫通方向に沿って見た時に、スルーホール113の開口領域OP1の少なくとも一部(ここでは全部)が絶縁基板110に対する溝部50の投影領域R1と重なる位置に設けられている。スルーホール113は、その貫通方向に沿って見た時に、開口領域OP1が投影領域R1と隣り合う位置に設けられてもよい(図6C参照)。
ここで言う「隣り合う位置」とは、開口領域OP1が、図6Cに示すように、投影領域R1の境界線L1から補助線L2までの領域R1X内に収まる位置として規定される。補助線L2は、例えば、境界線L1から、絶縁基板110の内側(前後方向の中央)に向かってスルーホール113の直径の2倍分の距離だけ離れている。
この構成によれば、スルーホール113は、開口領域OP1の少なくとも一部が投影領域R1と重なる位置、又は開口領域OP1が投影領域R1と隣り合う位置に、設けられている。そのため、実装基板11におけるスルーホール113の周辺の部位の変形(例えば熱による膨張)が溝部50により規制される。その結果、スルーホール113における金属めっき層114に亀裂等が生じて実装基板11の両面間の電気導通性が不良になる可能性を低減できる。したがって、実装基板11の両面間における電気的信頼性の低下の抑制を図ることができる。
ところで、例えば周囲温度が15℃~25℃の常温のとき、第1面111及び第2面112の両面は、溝部50の内側面(上側の第1内側面501及び下側の第2内側面502)と接触していてもよい。あるいは、周囲温度が常温のとき、第2面112と第2内側面502とは接触し、第1面111と第1内側面501とは僅かに離れた非接触状態であってもよい。ただし、少なくとも「特定の条件下」においては、第1面111及び第2面112の両面が、溝部50の内側面と接触した状態となるように、溝部50等の寸法関係が規定されている。ここで言う「特定の条件下」とは、周囲温度が15℃~25℃の常温に比べて高温(例えば、樹脂製の実装基板11の厚みが熱膨張により増し始めるような温度以上)にあることを想定する。
以下では、実装基板11の変形が、一例として、熱に起因する場合を想定して説明する。しかし、実装基板11の変形は、熱以外にも、振動又は衝撃に起因するものであってもよい。また、実装基板11の変形の種類としては、実装基板11の厚み方向に沿って生じる膨張収縮、長手方向及び幅方向(平面方向)に沿って生じる膨張収縮、並びに、厚み方向と交差する方向に沿って生じる捻じれ等が想定される。
(2)詳細
(2.1)全体構成
以下、本実施形態の光源ユニットA1、及び光源ユニットA1が適用される照明器具の全体構成を詳しく説明する。
照明器具は、図4に示すように、光源ユニットA1と、光源ユニットA1を保持する器具本体6とを備えている。以下の説明においては、照明器具が、一例として、冷蔵ショーケース7(図5参照)等の内部に設置されることを想定する。ただし、照明器具は、建物等の造営材である壁や、天井、床等に設置されてもよい。
(2.2)光源ユニット
光源ユニットA1は、図1に示すように、例えば、2つのLEDモジュール1と、収容体5と、接続装置X1と、電源ケーブルY1と、を備えている。なお、本実施形態では、一例としてLEDモジュール1の数が2つであるが、特に限定されない。また、接続装置X1は、2つのLEDモジュール1を接続するための装置であるが、LEDモジュール1の数が1つである場合、光源ユニットA1は、接続装置X1を備えなくてもよい。
(2.2.1)LEDモジュール
2つのLEDモジュール1は、左右方向に沿って並んで配置される。以下では、2つのLEDモジュール1のうち左側のLEDモジュール1を「第1LEDモジュール1A」と呼び、右側のLEDモジュール1を「第2LEDモジュール1B」と呼ぶこともある(図1参照)。
各LEDモジュール1は、表面実装型の複数のLED10と、複数のLED10が下面に表面実装された実装基板11と、を有している。第1LEDモジュール1Aは、電源ケーブルY1を接続するためのコネクタ13(図1参照)を有している。コネクタ13は、複数のLED10が実装される実装基板11の下面(実装面)とは反対側の上面における左隅に表面実装されている。コネクタ13は、後述する接続装置X1の第1実装基板側コネクタ91及び第2実装基板側コネクタ92と同じ構造を有しているため、ここでは説明は省略する。
複数のLED10の各々は、例えば、照明用白色LEDである。各LED10は、平板状の実装基板の実装面の中央に少なくとも1個のLEDチップが実装された、パッケージ型のLEDとして構成される。LEDチップは、例えば、発光面から青色光を放射する青色発光ダイオードであることが好ましい。また、LEDチップを含む基板の実装面は、LEDチップから放射される青色光を波長変換する蛍光物質が混入された封止樹脂で被われている。さらに、LED10の実装基板の実装面とは反対側の面には、カソード電極とアノード電極とが形成されている。各LED10は、アノード電極とカソード電極との間に直流電圧が印加されることにより、白色の照明光を発光面から放射するように構成されている。
2枚の実装基板11の各々は、上の「(1)概要」の欄でも説明した通りCEM-3又はFR-4等により、左右方向を長手方向とする長尺の矩形平板状に形成されている。複数のLED10は、各実装基板11の短手方向(前後方向)の中央において、実装基板11の長手方向(左右方向)に沿って等間隔に1列に並ぶように実装されている(図1参照)。2枚の実装基板11は、収容体5内において、互いに隣り合うように配置されている。以下では、左側の実装基板11を第1実装基板11Aと呼び、右側の実装基板11を第2実装基板11Bと呼ぶこともある(図1参照)。第1実装基板11Aの右縁14は、第2実装基板11Bの左縁15と対向している(図2A及び図2B参照)。ここでは、一例として、2枚の実装基板11の長手方向の寸法は、互いに同じであるが、特に限定されず、互いの長手方向の寸法は、異なっていてもよい。
各実装基板11は、図2A及び図2Bに示すように、絶縁基板110と、2つのスルーホール113と、各スルーホール113に対応する金属めっき層114(図3参照)と、を備える。また、各実装基板11は、配線用の第1導体115と、配線用の第2導体116と、を更に備える(図2A及び図2B参照)。なお、図示は省略するが、絶縁基板110、及び第1導体115及び第2導体116等は、例えば白色樹脂材料で形成された白色レジスト層によって適宜に覆われていることが好ましい。
絶縁基板110は、左右方向を長手方向とし、前後方向を幅方向とする長尺の矩形平板状の樹脂製の基板である。絶縁基板110の厚み方向は、実装基板11の厚み方向であり、上下方向に平行する。
第1導体(例えば銅はく)115は、図2Aに示すように、絶縁基板110の第1面(上面)111にパターン形成されている。コネクタ13、接続装置X1の第1及び第2実装基板側コネクタ91、92(図2A参照)、及びチップ抵抗器(不図示)等は、絶縁基板110の第1面111において、第1導体115にはんだ接合により表面実装されている。なお、第1実装基板側コネクタ91は、第1実装基板11Aの右縁14近傍に配置され、第2実装基板側コネクタ92は、第2実装基板11Bの左縁15近傍に配置されている。
第2導体(例えば銅はく)116は、図2Bに示すように、絶縁基板110の第2面(下面)112にパターン形成されている。複数のLED10は、絶縁基板110の第2面112において、第2導体116にはんだ接合により表面実装されている。隣り合う2つのLED10のうち一方のLED10のカソード電極は、第1導体115を介して、他方のLED10のアノード電極と電気的に導通している。
本実施形態の各実装基板11は、第1導体115と第2導体116とがスルーホールメッキ接続された両面プリント配線板である。すなわち、第1導体115と第2導体116とは、各スルーホール113の壁面1130に設けられた金属めっき層114(図3参照)を介して導通している。各スルーホール113は、絶縁基板110、第1導体115及び第2導体116を、第1面111から第2面112に(厚み方向に)貫通している。金属めっき層114は、スルーホール113の上下の開口縁の周囲にある第1導体115及び第2導体116をそれぞれ覆うランド1140(図6A参照)を有している。金属めっき層114は、例えば、銅又は銅合金により形成されている。
第1実装基板11Aの2つのスルーホール113(113A、113B)は、絶縁基板110の長手方向の両縁付近にそれぞれ設けられている。スルーホール113Aは、コネクタ13の右横に位置する。スルーホール113Bは、第1実装基板側コネクタ91の左横に位置する。また、第2実装基板11Bの2つのスルーホール113(113C、113D)は、絶縁基板110の長手方向の両縁付近にそれぞれ設けられている。スルーホール113Cは、第2実装基板側コネクタ92の右横に位置する。スルーホール113Dは、最も右端にあるLED10の右横に位置する。
ここで、スルーホール113A~113Dの全ては、一例として、絶縁基板110の幅方向(前後方向)において、前縁部110A(縁部)寄りに配置されている。なお、スルーホール113A~113Dの全てが、後縁部110B(縁部)寄りに配置されてもよいし、前縁部110A寄りと後縁部110B寄りとに分かれて配置されてもよい。すなわち、スルーホール113A~113Dの位置が、前縁部110A寄りか後縁部110B寄りかについては、特に限定されない。
ただし、スルーホール113A~113Dは、図2A、図2B及び図6Aに示すように、その貫通方向(上下方向)に沿って見た時に、各スルーホール113の開口領域OP1の全領域が、投影領域R1と重なる位置に設けられている。また、スルーホール113A~113Dがそのような配置となるように、第1導体115及び第2導体116のパターン形状が規定されている。
ここで言う投影領域R1は、(後述する収容体5の)溝部50が絶縁基板110に対して投影された領域である。図2A及び図2Bにおいて二点鎖線で図示されている投影領域R1の境界線L1は、溝部50の開口端504(図3参照)に相当する。なお、図2A及び図2Bは、4つのスルーホール113A~113Dのうち、3つのスルーホール113A~113C及びその周辺を図示しており、スルーホール113Dは不図示である。
各スルーホール113の開口領域OP1は、全領域ではなく、図6Bに示すように、一部の領域のみ(図示例では約半分)が、投影領域R1と重なる位置に設けられてもよい。
あるいは、各スルーホール113の開口領域OP1が、図6Cに示すように、投影領域R1と隣り合う位置に設けられてもよい。すなわち、上の「(1)概要」の欄でも説明した通り、開口領域OP1が、投影領域R1の境界線L1から、補助線L2までの領域R1X内に収まるように設けられてもよい。補助線L2は、例えば、境界線L1から、絶縁基板110の内側(前後方向の中央)に向かってスルーホール113の直径の2倍分の距離だけ離れている。
各実装基板11に対する上述したスルーホール113の数は、単なる一例であって、特に限定されない。スルーホール113の数は、第1導体115及び第2導体116のパターン形状に応じて適宜に設定されてよい。
(2.2.2)電源ケーブル及び直流電源装置
電源ケーブルY1は、図1に示すように、2本の被覆電線と、これら2本の被覆電線を覆って保護する保護チューブY10と、2本の被覆電線の一端(左端)に設けられるプラグコネクタY11と、他端に設けられているコネクタ部Y12と、を有している。保護チューブY10は、筒状の熱収縮チューブで構成される。プラグコネクタY11は、直流電源装置(不図示)の出力ケーブルの先端に設けられるレセプタクルコネクタと挿抜可能に接続される。コネクタ部Y12は、第1実装基板11Aに実装されているコネクタ13と抜差可能に接続される。なお、コネクタ部Y12は、後述する接続装置X1のコネクタ部93、94と同じ構造を有しているため、ここでは説明は省略する。
直流電源装置は、外部の電源(例えば、商用の電力系統)から供給される交流電力を直流電力に変換する電力変換回路等を有している。電力変換回路は、例えば、力率改善回路と、降圧チョッパ回路(バックコンバータ)とを有している。ただし、このような直流電源装置の回路構成は従来周知であるから詳細な回路構成の図示及び説明は省略する。直流電源装置で生成された直流電力が、電源ケーブルY1を介して、第1LEDモジュール1A及び第2LEDモジュール1Bに供給されることで、各LEDモジュール1のLED10を発光(点灯)させる。
(2.2.3)収容体
収容体5は、2枚の実装基板11を、それらの縁同士(右縁14と左縁15)が互いに対向するように隣り合って並べて収容するように構成されている。収容体5内において、2枚の実装基板11は、図1に示すように、それらの長手方向が左右方向に一致するように、一列に並んで収容され得る。
収容体5は、ケース3と一対のエンドキャップ4とで構成されている。
ケース3は、透光性を有する合成樹脂材料によって長尺の筒状に形成されている。ケース3は、一例として、1つの成形部材として形成されている。ケース3の内部には、2つのLEDモジュール1が収容される。ケース3は、図3に示すように、下壁30、上壁31、及び一対の側壁32を有している。ケース3の左右両端面は、開放されており、一対のエンドキャップ4が装着され得る。
下壁30は、左右方向に長尺の矩形の板状に形成されている。下壁30は、複数のLED10が実装されている各実装基板11の実装面(下面)と対向する。各LEDモジュール1から放射される光(光束)は、主に下壁30から外部に出射する。
上壁31は、図3に示すように、左右方向から見たとき、その断面が上方に凸となるように形成されている。上壁31は、本体部310と一対のフランジ部311とを有している。
本体部310は、下面が開放された樋状に形成されていて、実装基板11から離れる方向に凹んだ収容凹所312を有している。本体部310の上部310Aは、実装基板11の上面と対向する。収容凹所312には、接続装置X1が収容され得る。収容凹所312は、ケース3の左右両端にわたって形成されている。
更に、本体部310の前後の側部310Bの外面には、それぞれ互いに離れる方向に突出する一対の支持突起314が設けられている。
一対のフランジ部311は、それぞれ、左右方向に長尺の矩形の板状に形成されている。一対のフランジ部311は、本体部310の前後両端における下端部から、前後方向に互いに離れる方向に突出する。
一対の側壁32は、左右方向に長尺の矩形の板状に形成されている。一対の側壁32は、その厚み方向が前後方向に沿うように、下壁30の前後両端から、それぞれ上方に突出している。一対の側壁32の上端は、一対のフランジ部311の先端と繋がっている。一対の側壁32は、その内側面の上部近傍に、互いに近づく方向に突出する一対の突起320を有している。各突起320は、その上に配置されたフランジ部311と共に、各実装基板11の絶縁基板110の幅方向における両縁部(すなわち、前縁部110A及び後縁部110B)の一方が挿入される溝部50(図3参照)を構成している。
すなわち、収容体5は、絶縁基板110の前縁部110A及び後縁部110Bがそれぞれ挿入されてこれらの縁部を支持する一対の溝部50を有している。各溝部50は、実装基板11から離れる方向に矩形状に凹んでいる。
各溝部50は、図3に示すように、絶縁基板110の前縁部110A及び後縁部110Bのうち対応する縁部における第1面111と対向する第1内側面501を有している。また、各溝部50は、絶縁基板110の上記対応する縁部における第2面112と対向する第2内側面502を有している。また、各溝部50は、底面503を有している。絶縁基板110の前端面117及び後端面118は、図3に示すように、底面503と接触せずに僅かに離れた位置にあるが、接触していてもよい。
本実施形態の各溝部50の溝幅(第1内側面501及び第2内側面502間の距離)は、一例として、常温時において、実装基板11の厚みと略等しい。具体的には、常温時において、第2面112は第2内側面502に面接触し、第1面111は第1内側面501から僅かに離れる(非接触)ように、各溝部50の寸法関係が規定されている。なお、常温時において、第1面111も第1内側面501に面接触していてもよい。ただし、上の「(1)概要」の欄で説明した通り、少なくとも「特定の条件下」では、第1面111及び第2面112の両方が溝部50に接触するように、溝部50の寸法関係が規定されている。ここでは、各溝部50は、ケース3の左右両端にわたって形成されており、前縁部110A及び後縁部110Bは、その左右方向の両端にわたって全体的に各溝部50に挿入されている。
上述の通り、本実施形態では、実装基板11の各スルーホール113の開口領域OP1の全領域が、溝部50の投影領域R1と重なる位置に設けられている。すなわち、各スルーホール113の上下の開口が、溝部50の第1内側面501及び第2内側面502により覆われている(図3参照)。
一対のエンドキャップ4は、シリコーンゴム等の可とう性を有する材料によって、有底筒状に形成される。一対のエンドキャップ4は、ケース3における開放された左右の両端部に装着されて、ケース3内を密閉するように構成される(図1参照)。なお、一対のエンドキャップ4のうち、片方(左側)のエンドキャップ4には、電源ケーブルY1の保護チューブY10が挿通される孔が、左右方向に貫通している。
(2.2.4)接続装置
接続装置X1は、2枚の実装基板11にある第1導体115、115同士を、電気的に接続するように構成されている。
接続装置X1は、図2Aに示すように、第1実装基板側コネクタ91、第2実装基板側コネクタ92、一対のリード線8、第1コネクタ部93、及び第2コネクタ部94を有している。一対のリード線8は、例えば、それぞれ往きと戻りの電路に対応しており、前後方向に並んで配置されている。なお、ここではリード線8の数が一例として2本であるが、特に限定されない。多極(RGB、グランド)用のコネクタに対応してリード線8の数も例えば4本であってもよい。
第1及び第2実装基板側コネクタ91、92の各々は、互いに同じ構造を有した表面実装型の雌型コネクタである。第1実装基板側コネクタ91は、第1実装基板11AにおけるLED10が実装されている下面とは反対側の上面の右縁14近傍における前後方向の中央に実装されている(図2A参照)。第2実装基板側コネクタ92は、第2実装基板11BにおけるLED10が実装されている下面とは反対側の上面の左縁15近傍における前後方向の中央に実装されている(図2A参照)。
第1実装基板側コネクタ91は、へん平な略矩形箱状に形成されていて、その上面、及び第2実装基板11Bと対向する右面が開放されている。また、第2実装基板側コネクタ92は、へん平な略矩形箱状に形成されていて、その上面、及び第1実装基板11Aと対向する左面が開放されている。
第1及び第2実装基板側コネクタ91、92の各々の内底面には、端子部(不図示)が突出している。当該端子部は、はんだ接合等によって対応する実装基板11の第1導体115と電気的に接続されている。
なお、上述した通り、電源ケーブルY1を接続するためのコネクタ13も、第1及び第2実装基板側コネクタ91、92と同じ構造を有している。
第1コネクタ部93及び第2コネクタ部94の各々は、互いに同じ構造を有した雄型のコネクタであり、へん平な略矩形箱状に形成されている。第1コネクタ部93は、一対のリード線8の第1端(左端)に設けられて、第1実装基板側コネクタ91に対して、実装基板11の厚み方向に沿って、抜差可能に接続されるように構成されている。第2コネクタ部94は、一対のリード線8の第2端(右端)に設けられて、第2実装基板側コネクタ92に対して、実装基板11の厚み方向に沿って、抜差可能に接続されるように構成されている。
第1及び第2コネクタ部93、94の各々の内部には、例えば圧着端子(不図示)が収容されていて、一対のリード線8の第1端及び第2端は、それらの圧着端子にそれぞれ固定されて圧着端子と電気的に導通している。第1及び第2コネクタ部93、94の各々は、その下面から圧着端子の先端を露出するように構成されていて、対応する基板側コネクタ(91又は92)内に嵌め込まれることで、圧着端子の先端が当該基板側コネクタの端子部と接触する。
なお、上述した通り、電源ケーブルY1のコネクタ部Y12も、第1コネクタ部93及び第2コネクタ部94と同じ構造を有している。
直流電源装置から電源ケーブルY1を介して供給される直流電流は、例えば、第1実装基板11Aの上面(絶縁基板110の第1面111)において、コネクタ13から第1導体115を通じて左端のスルーホール113Aにおける金属めっき層114を通る。そして、直流電流は、当該金属めっき層114から、第1実装基板11Aの下面(絶縁基板110の第2面112)において、第2導体116を通じて複数のLED10を流れ、右端のスルーホール113Bにおける金属めっき層114を通る。その後、直流電流は、当該金属めっき層114から第1実装基板11Aの上面における第1導体115を流れ、接続装置X1に到達する。そして、直流電流は、接続装置X1を介して第2実装基板11Bに送り渡されて、第2実装基板11Bの下面の複数のLED10を流れる。なお、上述した直流電流の経路は、単なる一例であり、特に限定されない。
(2.3)器具本体
上述した光源ユニットA1は、図4に示すように、器具本体6によって保持される。なお、以下に説明する器具本体6の構造は、単なる一例であり、特に限定されない。
器具本体6は、左右方向に長尺で、かつ、下面と左右の両端面とが開放された筒状となっている。器具本体6は、固定板60と一対の側板61とを備える。固定板60は、矩形平板状に形成されている。固定板60の中央には、円形のねじ挿通孔が貫通している。一対の側板61は、固定板60の前後両端から下方に突出していて、更に各側板61の下端部には、互いに近づく方向に突出する係止片62が設けられている。
光源ユニットA1は、ケース3の上壁31が器具本体6内に収容されるように取り付けられる。具体的には、光源ユニットA1は、上壁31を例えば器具本体6の左右両端の一方側から他方に向かってスライド移動させることで、器具本体6に取り付けられる。このとき、上壁31の本体部310に設けられている一対の支持突起314が、一対の側板61の係止片62にそれぞれ係止することで、光源ユニットA1の下方への脱落が規制される。
本実施形態の照明器具は、例えば、図5に示す冷蔵ショーケース7に用いられてもよい。冷蔵ショーケース7は、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の店舗に設置され、商品を陳列しながら冷蔵するように構成されている。冷蔵ショーケース7は、前方に開放された陳列室70を有する。陳列室70には、商品を陳列するための陳列棚71が、上下方向に間隔を空けて複数段(図示例では4段)設けられている。器具本体6は、各段の陳列棚71における前方の下面側にねじ63(図5参照)等で取り付けられる。つまり、照明器具は、各陳列棚71に陳列されている商品を、それぞれの上段の陳列棚71の前方かつ上方から照明するように設置される。このように本実施形態の照明器具が冷蔵ショーケース7の照明に用いられれば、陳列棚71に陳列された商品を均一に照明することができる。
(2.4)実装基板の収容
以下、複数のLED10が実装された2枚の実装基板11を、収容体5内に収容する作業手順について説明する。以下の作業手順は、単なる一例であり、特に限定されるものではない。なお、2枚の実装基板11は、予め接続装置X1によって互いに接続されていることを想定する。
作業者は、まず、一対のエンドキャップ4のうち、片方(右側)のエンドキャップ4をケース3の右端部の開口に装着する。そして、作業者は、第2実装基板11Bの右端部をケース3の左端部の開口より内部に挿入する。このとき、第2実装基板11Bの前縁部110A及び後縁部110Bを、ケース3内の前後両側にある一対の溝部50内に挿入し、右方向にスライド移動させる。
第2実装基板11Bを概ねケース3内に収容させて接続装置X1がケース3の左端部の開口に到達すると、作業者は、リード線8の位置調整を行いながら、第1実装基板11Aをケース3の左端部の開口より内部に挿入する。このとき、第1実装基板11Aの前縁部110A及び後縁部110Bを、一対の溝部50内に挿入し、右方向にスライド移動させる。
第1実装基板11Aの左縁部がケース3の左端部の開口に到達するまで第1実装基板11Aを挿入すると、最後にもう片側(左側)のエンドキャップ4を、ケース3の左端部の開口に装着する。その結果、収容体5に対する2枚の実装基板11の収容作業が完了する。
ところで、本実施形態では、上述した通り、周囲温度が常温のとき、第1面111が第1内側面501から僅かに離れるように、各溝部50の寸法関係が規定されている。そのため、各実装基板11を、ケース3の左端部の開口から一対の溝部50内にスライド挿入する際に、実装基板11がケース3から受ける摩擦力を抑えることができ、挿入作業の作業性が向上される。
(2.5)スルーホールめっきの保護
絶縁基板110のように樹脂製の基板においては、周囲温度が比較的広範囲にわたって繰り返し変化し得るような環境下で使用されると、基板が熱による膨張と収縮とを繰り返す可能性がある。特に、樹脂製の基板の熱による変形量(膨張量)は、例えばセラミック基板等の熱による変形量に比べて大きい。
この膨張と収縮は、基板の長手方向及び幅方向(平面方向)に沿っても生じ得るが、とりわけ基板の厚み方向に沿って生じ易い。例えば、基板にガラス繊維が使用されていれば、周囲温度がガラス転移温度を超えると、比較的大きな熱膨張が基板の厚み方向に沿って起きる可能性が高くなる。このような変形は、スルーホールにおけるめっきに亀裂等を生じさせる原因となり、めっきが断ち切れると両面間の電気導通性が不良になる可能性がある。また、基板の膨張と収縮(特に平面方向の変形)は、基板にパターン形成された導体と実装部品とを接合するはんだ部分に割れ(クラック)を引き起こす要因となる。
一方、本実施形態の光源ユニットA1では、上述した通り、実装基板11の各スルーホール113の開口領域OP1が、収容体5の溝部50の投影領域R1と重なる位置(又は投影領域R1と隣り合う位置)に設けられている。そのため、周囲温度が繰り返し変化する環境下で実装基板11が使用されたとき、スルーホール113の周辺の部位における厚み方向の変形(例えば熱による膨張)が、溝部50の第1内側面501及び第2内側面502によって規制され得る。その結果、スルーホール113における金属めっき層114に亀裂等が生じて実装基板11の両面間の電気導通性が不良になる可能性を低減できる。したがって、実装基板11の両面間における電気的信頼性の低下の抑制を図ることができる。
また、実装基板11の膨張と収縮時に、溝部50の第1内側面501及び第2内側面502が、実装基板11を厚み方向に押さえ込むため、結果として横方向(平面方向)への膨張と収縮も規制できる。したがって、はんだ割れ(クラック)の発生も抑制することができる。
特に、本実施形態では、実装基板11を支持する収容体5の溝部50が、金属めっき層114を保護する機能も担っている。そのため、金属めっき層114を保護するための機構を、収容体5とは別に設ける場合に比べて、製造コストを削減することができる。
ところで、収容体5のケース3の材質は、一例として、合成樹脂材(例えばポリカーボネート樹脂やアクリル樹脂等)である。しかし、ケース3は、その一部又は全てが線膨張率10×10-6/℃以下の材料により形成されてもよい。線膨張率10×10-6/℃以下の材料の例としては、ガラス材(硬質ガラスやパイレックス(登録商標)ガラス等)、及びファインセラミックス等が挙げられる。
この場合、周囲温度が、樹脂製の実装基板11の厚みが熱膨張により増し始めるような温度以上(特定の条件下)になっても、収容体5は変形し難い。すなわち、樹脂製の実装基板11に比べて、熱に起因する収容体5の変形量(膨張量)を抑えることができる。したがって、収容体5は、特定の条件下において、溝部50の第1内側面501及び第2内側面502で、より安定的に実装基板11を押さえ込むことができる。
(3)変形例
以下に、いくつかの変形例について列記する。以下では上述した実施形態を「基本例」と呼ぶ。以下に説明する変形例の各々は、上述した基本例や他の変形例と適宜組み合わせて適用可能である。
(3.1)変形例1
図7Aは、光源ユニットA1の変形例1を図示する。基本例の光源ユニットA1では、収容体5のケース3が1つの成形部材として形成されている。一方、この変形例1は、収容体5が2つの成形部材が互いに組み付けられて構成されるケース3Aを備える点で基本例と異なる。具体的には、ケース3Aは、図7Aに示すように、第1ブロックB1(下側のブロック)と、第1ブロックB1とは別体の第2ブロックB2(上側のブロック)と、から構成される。
第1ブロックB1は、例えば、基本例のケース3の突起320の上面よりも下側に位置する部位と同じ構造を有している。また第2ブロックB2は、例えば、基本例のケース3の突起320の上面よりも上側に位置する部位と同じ構造を有している。第1ブロックB1は、2枚の実装基板11(図7Aでは不図示)を、上下方向において第2ブロックB2との間に挟み込むように保持する。第1ブロックB1と第2ブロックB2は、例えば、ねじ止め、熱溶着、接着剤(接着シートを含む)等により互いに固定される。
この変形例1では、溝部50が、第1ブロックB1及び第2ブロックB2のうちのいずれか一方に形成されているのではなく、第1ブロックB1と第2ブロックB2とが互いに組み付けられることで構成される。すなわち、第1ブロックB1の突起320の上面が、溝部50の第2内側面502に相当し、第2ブロックB2のフランジ部311の下面が、溝部50の第1内側面501に相当する。
したがって、実装基板11を収容体5内に収容する際に、基本例のようにケース3の左端部の開口から一対の溝部50内にスライド挿入しなくてもよい。例えば、実装基板11を、第1ブロックB1又は第2ブロックB2の上に載せ置き、その状態で、他方のブロックを上から被せて、ねじ止めや熱溶着等によりブロック同士を固定してもよい。この場合、基本例とは異なり、スライド挿入時に実装基板11又はケース3が擦れて傷が付くといった事態を低減できる。
ここで、第1ブロックB1及び第2ブロックB2の両方が、基本例のケース3と同様に、透光性を有する材料(例えば、アクリル樹脂や、硬質ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、ファインセラミックス等)によって形成されてもよい。ただし、上側の第2ブロックB2は、LED10が実装されていない絶縁基板110の第1面111と対向する部位であるため、第2ブロックB2の材質は、特に限定されない。第2ブロックB2は、例えば亜鉛鋼板等の金属板によって形成されていてもよい。一方、下側の第1ブロックB1は、LED10から放射される光が、外部に出射する際に通る部位であるため、透光性を有する材料によって形成されることが好ましい。
変形例1の構成によれば、第1ブロックB1と第2ブロックB2とで材質を異ならせることができ、収容体5に対する設計の自由度を向上させることができる。特に、実装基板11を、スライド挿入ではなく、第1ブロックB1及び第2ブロックB2で挟み込むように溝部50内に収めることができる。そのため、常温時においても、絶縁基板110の第1面111及び第2面112の両面を、溝部50を形成する第1内側面501及び第2内側面502に接触させた状態で収容可能となる。要するに、基本例のように、スライド挿入可能な構造を提供するために、第1面111と第1内側面501との間に僅かな隙間を設けるといったことが不要となる。そのため、実装基板11の膨張時に、溝部50の第1内側面501及び第2内側面502が、実装基板11をより確実に押さえ込むため、実装基板11の両面間の電気導通性が不良になる可能性を更に低減できる。
なお、第1ブロックB1は、第2ブロックB2に対して着脱可能に取り付けられることが好ましい。この点を考慮すると、第1ブロックB1及び第2ブロックB2は、ねじ止めにより固定される構造を有していることが好ましい。この場合、例えば使用用途に応じて、第1ブロックB1又は第2ブロックB2の取り替えが容易となる。また、実装基板11を収容体5に収容する作業の作業性が向上する。
(3.2)変形例2
図7Bは、光源ユニットA1の変形例2を図示する。変形例1では、ケース3Aの第1ブロックB1及び第2ブロックB2が、ねじ止めや熱溶着等により互いに固定される構造である。しかし、この変形例2のケース3Bは、第1ブロックB1が第2ブロックB2に対してスライド挿入により組み付けられるように構成されている。
具体的には、ケース3Bは、複数種類(ここでは2種類)の第1ブロックB1(B10、B11)と、これらの第1ブロックB1のうちのいずれか1つが選択的にスライド挿入可能な第2ブロックB2とを、有している。
第1ブロックB10は、例えば、実装基板11に実装されるLED10から離れる向きに凸となるように湾曲した湾曲部B101と、湾曲部B101の前後両端から互いに近づく向きに突出した一対の突起部B102と、を有している。
第1ブロックB11は、例えば、矩形の板状の底部B111と、底部B111の前後両端からそれぞれ上方に突出した一対の側部B112と、各側部B112の上端から互いに近づく向きに突出した突起部B113と、を有している。底部B111の下面には、LED10の配光制御を考慮して、微細な凹凸の形成(表面処理)が施されていてもよい。
一方、第2ブロックB2は、これらの第1ブロックB10、B11の突起部B102、B113を係止するための一対の係止部B201を有している。各係止部B201は、突起部B102、B113が左右方向に沿ってスライド挿入されるガイド溝B202を有している。なお、この変形例2では、溝部50が第2ブロックB2に設けられている。
このように、第1ブロックB10及び第1ブロックB11の各々は、ねじ等を用いることなく、第2ブロックB2に対して着脱可能に取り付けられる。
変形例2の構成によれば、例えば使用用途に応じて、第1ブロックB1の取り替えが容易となる。特に、複数種類の第1ブロックB1の中から適宜に1つを選択して第2ブロックB2に取り付けることができる。また、第2ブロックB2の部品共通化を図ることができる。更に、ねじ等を用いる場合に比べて、第2ブロックB2に対する第1ブロックB1の取付けが容易となる。
(3.3)変形例3~6(押付部)
基本例の光源ユニットA1では、実装基板11の膨張時に、溝部50の第1内側面501及び第2内側面502が、絶縁基板110の前縁部110A及び後縁部110Bにおける第1面111及び第2面112を概ね全体にわたって押す(面接触)構成である。
一方、以下に説明する光源ユニットA1の変形例3~6の各々は、第1面111及び第1内側面501のうち少なくとも一方から他方に向かって突出し、当該他方における一部の領域(被押圧領域R2)に圧力を与える押圧部2を備える点で基本例と異なる。
(3.3.1)変形例3
図8A及び図8Bは、光源ユニットA1の変形例3を図示する。この変形例3は、押圧部2として複数のねじ20を備えている。具体的には、図8Bに示すように、収容体5のケース3におけるフランジ部311は、その厚み方向(上下方向)に沿って貫通する貫通孔3110を、複数有している。なお、図8Bは、代表的な1つの貫通孔3110の断面を示す。複数の貫通孔3110は、前側のフランジ部311と後ろ側のフランジ部311の各々において、左右方向に沿って等間隔に設けられている。
各ねじ20は、フランジ部311の上から貫通孔3110に挿入されて、その先端が、第1内側面501から第1面111における被押圧領域R2(図8A参照)に向かって突出する。そして、各ねじ20の先端は、絶縁基板110の第1面111における、対応する被押圧領域R2を押さえ込む。
変形例3の構成によれば、複数のねじ20を通じて、熱に起因する実装基板11の厚み方向に沿った膨張量を、局所的に抑えることができる。また、スライド挿入可能な構造を提供するために、第1面111と第1内側面501との間に僅かな隙間を設けつつも、溝部50の第2内側面502と複数のねじ20とが、実装基板11をより確実に押さえ込むことができる。そのため、実装基板11を収容体5内に収容する作業の作業性を向上しつつ、実装基板11の両面間の電気導通性が不良になる可能性を更に低減できる。
複数のねじ20は、金属ねじではなく樹脂ねじであってもよい。この場合、例えば、常温時には複数のねじ20の先端が被押圧領域R2と非接触状態であり、周囲温度が上昇した時のみねじ20が膨張して被押圧領域R2に圧力を与えるように設定することが容易となる。要するに、収容体5の溝部50に対する実装基板11の挿入作業の作業性が更に向上される。
ところで、図示例では、被押圧領域R2が第1面111におけるスルーホール113から離れた位置となるように、貫通孔3110の配置等が規定されている。しかし、被押圧領域R2は、スルーホール113の近傍の領域、すなわちスルーホール113の開口縁1131又は開口縁1131の周囲の領域R3を含むことが好ましい。この場合、スルーホール113の周辺の部位における厚み方向の熱膨張を、より効果的に抑えられる。
(3.3.2)変形例4
図9は、光源ユニットA1の変形例4を図示する。この変形例4は、押圧部2として複数の凸部21を備えている。なお、図9は、代表的な1つの凸部21の断面を示す。
複数の凸部21は、ケース3と一体となって形成されている。複数の凸部21は、フランジ部311の下面、すなわち溝部50の第1内側面501から、絶縁基板110の第1面111における被押圧領域R2に向かって突出する。複数の凸部21は、第1内側面501において、左右方向に沿って等間隔に設けられている。
なお、ケース3の一部(フランジ部311)が金属板で形成されている場合には、凸部21は、プレス加工等により形成されてもよい。プレス加工処理は、実装基板11が溝部50内に収容された後で、行われることが望ましい。
変形例4の構成によれば、複数の凸部21を通じて、熱に起因する実装基板11の厚み方向に沿った膨張量を、局所的に抑えることができる。また、スライド挿入可能な構造を提供するために、第1面111と第1内側面501との間に僅かな隙間を設けつつも、溝部50の第2内側面502と複数の凸部21とが、実装基板11をより確実に押さえ込むことができる。そのため、実装基板11を収容体5内に収容する作業の作業性を向上しつつ、実装基板11の両面間の電気導通性が不良になる可能性を更に低減できる。
複数の凸部21は、金属製の部位ではなく樹脂製の部位であってもよい。この場合、例えば、常温時には複数の凸部21の先端が被押圧領域R2と非接触状態であり、周囲温度が上昇した時のみ凸部21が膨張して被押圧領域R2に圧力を与えるように設定することが容易となる。要するに、収容体5の溝部50に対する実装基板11の挿入作業の作業性が更に向上される。
この変形例4においても、被押圧領域R2が、スルーホール113の開口縁1131、又は開口縁1131の周囲の領域R3を含むことが好ましい。
(3.3.3)変形例5
図10A及び図10Bは、光源ユニットA1の変形例5を図示する。この変形例5は、押圧部2として膜状に設けられた複数の塗膜部22を備えている。なお、図10Bは、代表的な1つの塗膜部22の断面を示す。
複数の塗膜部22は、絶縁基板110の前縁部110A及び後縁部110Bの各々における第1面111上に、左右方向に沿って等間隔に設けられている。すなわち、この変形例5では、上述した変形例3及び4と異なり、被押圧領域R2が、絶縁基板110の第1面111ではなく、溝部50の第1内側面501にある(図10B参照)。塗膜部22の材質は、例えば、収容体5の材質よりも線膨張率の高いシリコーンゴム等が好ましい。塗膜部22は、例えば、絶縁基板110上に液状のシリコーンゴムを塗布するか又はプリント印刷することで形成されている。
変形例5の構成によれば、複数の塗膜部22を通じて、熱に起因する実装基板11の厚み方向に沿った膨張量を、局所的に抑えることができる。また、スライド挿入可能な構造を提供するために、第1面111と第1内側面501との間に僅かな隙間を設けつつも、溝部50の第2内側面502と複数の塗膜部22とが、実装基板11をより確実に押さえ込むことができる。そのため、実装基板11を収容体5内に収容する作業の作業性を向上しつつ、実装基板11の両面間の電気導通性が不良になる可能性を更に低減できる。
特に、変形例5の構成では、例えば押圧部2がねじ等により提供される場合に比べて、製造コストを抑えることができる。
また、変形例5では、例えば、周囲温度が常温時には複数の塗膜部22の上面が第1内側面501の被押圧領域R2と非接触状態であり、周囲温度が高温時にシリコーンの塗膜部22が膨張して被押圧領域R2に圧力を与えるように設定することが容易となる。要するに、収容体5の溝部50に対する実装基板11の挿入作業の作業性が更に向上される。
なお、塗膜部22は、スルーホール113の開口縁1131、又は開口縁1131の周囲の領域R3に設けられていることが好ましい。
図示例では、複数の塗膜部22は絶縁基板110に設けられているが、その一部又は全部が、収容体5の溝部50の第1内側面501又は第2内側面502に設けられていてもよい。この場合、上述した変形例3及び4と同様に、被押圧領域R2が、スルーホール113の開口縁1131、又は開口縁1131の周囲の領域R3を含むことが好ましい。
(3.3.4)変形例6
図11は、光源ユニットA1の変形例6を図示する。上述した変形例3では、押圧部2である複数のねじ20は、その先端が実装基板11を貫くことなく、第1面111に圧力を与える構成であった。しかし、この変形例6のように、押圧部2としての複数のねじ23の各々が、フランジ部311の貫通孔3110を通り、実装基板11を貫通し、更に、突起320に設けられた穴部3200に挿入されてもよい。なお、図11は、代表的な1つのねじ23の断面を示す。
変形例6の構成によれば、複数のねじ23を通じて、熱に起因する実装基板11の厚み方向に沿った膨張量を、局所的に抑えることができる。更に、実装基板11の平面方向における位置ずれ等を抑制することもできる。
(3.4)変形例7(スルーホールの構造)
図12Aは、光源ユニットA1の変形例7を図示する。この変形例7では、各スルーホール113の壁面1130は、スルーホール113の中心軸C1を中心とする螺旋の軌跡に沿って形成されたねじ溝構造S1を有している。なお、図12Aは、代表的な1つのスルーホール113の断面を示しており、また金属めっき層114の図示を省略している。
ねじ溝構造S1は、螺旋状の山部S10と谷部S11とを有している。ねじ溝構造S1は、例えば、ドリルマシンでスルーホール113用に孔開けを行った後、螺旋状の山部S10と谷部S11とがタップで形成されることが好ましい。
この変形例7では、金属めっき層114は、図12Bに示すように、山部S10及び谷部S11全体の表面を覆うように形成される。ただし、金属めっき層114は、図12Cに示すように、谷部S11のみを埋めるように形成されてもよい。
実装基板11がその厚み方向に熱膨張した時に、スルーホール113では、谷部S11よりも山部S10(特に薄い頂点部分)を覆う金属めっき層114に亀裂等が生じる可能性が高いことが予想される。しかし、この変形例7の構成によれば、実装基板11の熱膨張により、たとえ山部S10を覆う金属めっき層114に亀裂等が生じたとしても、谷部S11を覆う金属めっき層114に亀裂が生じる可能性は低い。要するに、螺旋状に形成されている谷部S11を覆う金属めっき層114が断ち切れてしまう可能性は低い。そのため、実装基板11の両面間の電気導通性が不良になる可能性を更に低減できる。
特に、山部S10を覆う金属めっき層114に亀裂等が生じた時には、残った谷部S11を覆う螺旋状の金属めっき層114が、上下方向に伸び易くなり、実装基板11の熱膨張により受ける応力が緩和され得る。
(4)利点
以上説明したように、第1の態様に係る光源ユニット(A1)は、1又は複数の固体光源(LED10)と、実装基板(11)と、収容体(5)と、を備える。実装基板(11)には、1又は複数の固体光源(LED10)が実装される。収容体(5)は、実装基板(11)を収容する。実装基板(11)は、少なくとも樹脂を含む絶縁基板(110)と、スルーホール(113)と、金属めっき層(114)と、配線用の第1導体(115)と、配線用の第2導体(116)と、を有する。スルーホール(113)は、絶縁基板(110)の厚み方向における第1面(111)から第1面(111)とは反対側の第2面(112)に貫通する。金属めっき層(114)は、スルーホール(113)の壁面(1130)に設けられている。第1導体(115)は、第1面(111)に形成されている。第2導体(116)は、第2面(112)に形成されて、金属めっき層(114)を介して第1導体(115)と導通する。収容体(5)は、絶縁基板(110)の縁部(前縁部110A)が挿入されて当該縁部を支持する溝部(50)を有する。スルーホール(113)は、その貫通方向に沿って見た時に、スルーホール(113)の開口領域(OP1)の少なくとも一部が絶縁基板(110)に対する溝部(50)の投影領域(R1)と重なる位置に設けられている。又は、スルーホール(113)は、その貫通方向に沿って見た時に、開口領域(OP1)が投影領域(R1)と隣り合う位置に設けられている。
第1の態様によれば、実装基板(11)におけるスルーホール(113)の周辺の部位の変形(例えば熱による膨張)が溝部(50)により規制される。その結果、スルーホール(113)における金属めっき層(114)に亀裂等が生じて実装基板(11)の両面間の電気導通性が不良になる可能性を低減できる。したがって、実装基板(11)の両面間における電気的信頼性の低下の抑制を図ることができる。
第2の態様に係る光源ユニット(A1)に関して、第1の態様において、収容体(5)は、第1ブロック(B1)と、第1ブロック(B1)とは別体の第2ブロック(B2)とから、少なくとも構成されていることが好ましい。第1ブロック(B1)は、透光性を有し、実装基板(11)に実装される1又は複数の固体光源(LED10)と対向することが好ましい。第2の態様によれば、第1ブロック(B1)と第2ブロック(B2)とで材質を異ならせることができ、収容体(5)に対する設計の自由度を向上させることができる。
第3の態様に係る光源ユニット(A1)に関して、第2の態様において、第1ブロック(B1)は、第2ブロック(B2)に対して着脱可能に取り付けられることが好ましい。第3の態様によれば、例えば使用用途に応じて、第1ブロック(B1)又は第2ブロック(B2)の取り替えが容易となる。
第4の態様に係る光源ユニット(A1)に関して、第1~第3の態様のいずれか1つにおいて、収容体(5)は、その一部又は全てが線膨張率10×10-6/℃以下の材料により形成されていることが好ましい。第4の態様によれば、樹脂製の実装基板(11)に比べて、熱に起因する収容体(5)の変形量(膨張量)を抑えることができる。したがって、収容体(5)は、実装基板(11)をより安定的に支持することができる。
第5の態様に係る光源ユニット(A1)に関して、第4の態様において、上記材料は、ガラス材、又はファインセラミックスであることが好ましい。第5の態様によれば、収容体(5)は、実装基板(11)を更に安定的に支持することができる。
第6の態様に係る光源ユニット(A1)に関して、第1~第5の態様のいずれか1つにおいて、溝部(50)は、縁部(前縁部110A)における第1面(111)と対向する内側面(第1内側面501)を有することが好ましい。光源ユニット(A1)は、第1面(111)及び内側面(第1内側面501)のうち少なくとも一方から他方に向かって突出し、当該他方における一部の領域(被押圧領域R2)に圧力を与える押圧部(2)を、更に備えることが好ましい。第6の態様によれば、押圧部(2)を通じて、熱に起因する実装基板(11)の厚み方向に沿った変形量(膨張量)を、局所的に抑えることができる。
第7の態様に係る光源ユニット(A1)に関して、第6の態様において、押圧部(2)は、内側面(第1内側面501)から第1面(111)における上記一部の領域(被押圧領域R2)に向かって突出することが好ましい。上記一部の領域(被押圧領域R2)は、第1面(111)におけるスルーホール(113)の開口縁(1131)、又は開口縁(1131)の周囲の領域(R3)を含むことが好ましい。第7の態様によれば、熱に起因する実装基板(11)の厚み方向に沿った変形に関して、特にスルーホール(113)の周辺の部位における変形を局所的に抑えることができる。
第8の態様に係る光源ユニット(A1)に関して、第6又は第7の態様において、押圧部(2)は、膜状に設けられていることが好ましい。第8の態様によれば、例えば押圧部(2)が、ねじ等により提供される場合に比べて、製造コストを抑えることができる。
第9の態様に係る光源ユニット(A1)に関して、第8の態様において、押圧部(2)は、収容体(5)の材料よりも大きい線膨張率を有する材料により形成されていることが好ましい。第9の態様によれば、例えば、常温では、押圧部(2)が、溝部(50)(又は実装基板11)と非接触状態であり、常温よりも高い温度では、押圧部(2)が、溝部(50)(又は実装基板11)と接触するといった構造を容易に提供できる。したがって、光源ユニット(A1)の製造時(すなわち常温時)において、実装基板(11)を溝部(50)に挿入する作業が容易となる。
第10の態様に係る光源ユニット(A1)に関して、第1~第9の態様のいずれか1つにおいて、スルーホール(113)の壁面(1130)は、ねじ溝構造(S1)を有していることが好ましい。ねじ溝構造(S1)は、スルーホール(113)の中心軸(C1)を中心とする螺旋の軌跡に沿って形成されていることが好ましい。第10の態様によれば、実装基板(11)の変形(例えば熱による膨張)により、たとえ金属めっき層(114)に亀裂等が生じたとしても、実装基板(11)の両面間の電気導通性が不良になる可能性を低減できる。
第11の態様に係る照明器具は、第1~第10の態様のいずれか1つにおける光源ユニット(A1)と、光源ユニット(A1)を保持する器具本体(6)と、を備える。第11の態様によれば、実装基板(11)の両面間における電気的信頼性の低下の抑制を図ることができる光源ユニット(A1)を備えた照明器具を提供できる。