JP7116644B2 - 耐震補強方法および橋梁 - Google Patents

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本発明は、橋梁の耐震補強技術に関し、特に連続桁を有する橋梁の耐震補強技術に関する。
近年の大規模な地震被害を踏まえて耐震設計基準が見直されている。一方で既設の橋梁は古い耐震設計基準により設計されているものも多い。したがって、既設橋梁に対し耐震補強工事がなされる。
具体的には、橋脚や橋脚基礎の地震耐力を向上させる(例えば特許文献1)。耐震補強工事には種々の建設機械や資材が必要になる。
特開2015-203291号公報
しかしながら、橋梁の下には、鉄道や道路や河川が存在することが多い。このような個所は、建設機械の設置や資材の搬入が困難である。また、鉄道や道路が隣接している場合は、より慎重な安全対策が必要になる。河川内の橋脚工事では仮締切工が必要となる。
さらに、鉄道に近接した構造物の補強を行う際には、安全上の観点から夜間に列車が走行しない時間帯のみでしか施工できない場合もある。道路に近接した構造物の補強を行う際には、車線を一部規制したり、通行止めを行って施工する等の制約がある。さらに上記の補強に際しては、鉄道事業者、道路管理者、河川管理との協議が必要であり、単に工事費が増大するのみでなく、工期が見通せないという課題がある。
このような既設橋梁特有の要因が既設橋梁の耐震化を遅らせる一因となっている。
また近年大規模地震の多発により、設計震度が大きくなり、その結果既設構造物の補強が大規模になってきている。
本発明は上記課題を解決するものであり、特に連続桁を有する橋梁において、既設橋梁特有の要因がある場合でも、容易に施工可能な耐震補強技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明は、連続桁を有する橋梁の耐震補強方法である。前記連続桁を支持する少なくとも1つの橋脚又は橋台に設置される支承の水平方向の拘束度合いを調整する工程を含む。
これにより、連続桁は長周期化し、入力地震動は低減する。さらに、水平方向拘束度合調整対象橋脚等の耐震補強は不要になる。これにより、既設橋梁特有の要因がある場合でも施工困難箇所を避けることができる。これらの相乗効果により、最小限の労力で耐震補強が容易に可能となる。
上記発明において好ましくは、前記橋梁は、前記連続桁のみからなる。
連続桁の橋脚又は橋台に設置される支承の水平方向の拘束度合いを調整することにより、連続桁は長周期化する。
上記発明において好ましくは、前記連続桁を支持する全ての橋脚に設置される支承の水平方向の拘束度合いを調整する。
これにより、連続桁は単純桁と類似する挙動をする。同スパンの単純桁と同程度に長周期となる。
上記発明において好ましくは、前記橋梁は、前記連続桁と、前記連続桁と隣あう少なくとも1の橋桁を有し、前記連続桁と、前記連続桁と隣あう少なくとも1の橋桁を連結して連結桁とする工程と、前記連続桁と連結された橋桁を支持する少なくとも1つの橋脚又は橋台に設置される支承の水平方向の拘束度合いを調整する工程を含む。
連結桁とすることにより、連続桁と同様に扱える。
上記発明において好ましくは、前記支承の水平方向の拘束度合いを調整する工程では、前記支承を介して橋脚又は橋台に伝達される断面力が、前記橋脚又は橋台の耐力以下となるようにする。
これにより、水平方向拘束度合調整対象橋脚等の耐震補強は不要になる。
上記発明において好ましくは、前記水平方向の拘束度合いを調整された支承を支持する橋脚または橋台を補強しない。
これにより、既設橋梁特有の要因がある場合でも施工困難箇所を避けることができる。
上記発明において好ましくは、前記水平方向の拘束度合いを調整された支承を支持する橋脚または橋台を含む全ての橋脚および橋台を補強しない。
入力地震動低減により、耐震補強の必要程度も低減される。その結果、全ての橋脚および橋台を補強しなくてもよい場合もある。
上記課題を解決する本発明の橋梁は、連続桁と、前記連続桁を支持する少なくとも1つの橋脚又は橋台に設置される支承の水平方向の拘束度合いを調整する水平方向拘束度合い調整手段と、を有する。
上記発明において好ましくは、前記水平方向拘束度合い調整手段は、前記橋脚又は橋台に連結される下部支承と、前記連続桁に連結され、前記下部支承に対し摺動可能な上部支承と、前記下部支承に対する前記上部支承の摺動を拘束するとともに、所定の摺動力以上により破壊される摺動拘束手段と、を有する。
本発明に係る耐震補強方法および橋梁によれば、既設橋梁特有の要因がある場合でも、容易に施工できる。
既設橋梁例 多径間橋梁に対する耐震補強例(参考例) 適用例施工後(下部補強) 断面力定義概念図 水平方向拘束度合調整手段具体例 適用例施工後(下部補強不要) 連続桁の地震時挙動イメージ 既設橋梁例 (変形例) 変形例施工後 変形例施工後 変形例施工後 変形例施工後 連結例 連結例
~概要~
図1は、本発明が適用される既設橋梁の例である。特に、連続桁を有する橋梁において耐震補強をおこなう。
図1では、連続桁を有する橋梁の例である。下部構造として、両端に橋台A1および橋台A2が設けられている。さらに、橋台A1,A2の間に3本の橋脚P1~P3が設けられている。
橋脚A1上には支承B1が、橋脚P1上には支承B2が、橋脚P2上には支承B3が、橋脚P3上には支承B4が、橋脚A2上には支承B5が設置されている。
連続桁Gは、支承B1~B5を介して、下部構造(橋脚A1、橋脚P1~P3、橋台A2)に支持されている。
支承B1~B5では水平方向の変位が拘束されている。したがって、地震時に橋桁Gに水平方向の力(本明細書中では「水平力」と称する。)が発生すると、支承B1~5を介して、橋台A1,A2および橋脚P1~P3に伝達される。これに対する耐震補強が必要になる。なお、本明細書中の「水平方向」とは橋梁の橋軸直角方向を、「水平面」とは、橋梁の橋軸方向と橋軸直角方向を含む面に平行な面を、意味する。
ところで、橋脚P3は河川の中に設けられており、さらに、鉄道や道路が河川と並行して走っているとする。橋脚P1と橋脚P2は、鉄道に隣接する。橋脚P2は、道路に隣接する。
したがって、施工条件が厳しいため、橋脚P1~P3に対する大規模な耐震補強は困難である。なお、橋台A1,A2付近では、施工条件の制約は緩い。例えば、補強工事のための充分な作業スペースを確保できる。このように、既設橋梁には既設橋梁特有の要因がある。
ところで、本願出願人は、多径間橋梁に対し、同様な条件下における耐震補強を検討した。図2は、多径間橋梁に対する耐震補強例(参考例)である。
その結果、各橋桁を連結して、1つの連結桁とすることにより、水平面内の曲げモーメントが隣り合う橋桁同士に伝達され、さらに、連結桁を支持する支承のうち、水平方向拘束を低減する支承を設け、水平方向拘束低減対象以外の支承に対応する橋台や橋脚を耐震補強することを検討した。
これによれば、連結桁の水平方向の振動が長周期化し、連続桁への入力地震動が低減する。さらに、施工条件が厳しい橋台や橋脚の耐震補強をおこなわず(もしくは比較的軽微な耐震補強をおこなう)、施工条件の制約が緩い橋台や橋脚の耐震補強をおこなうことで、既設橋梁特有の要因がある場合でも、容易に施工できる。
上記検討を経るうち、連続桁であれば、連結工程なしに、上記原理が適用できることに気が付いた。
~本発明適用例~
図3は、本発明の適用例である。図1に示す既設の連続桁Gを有する橋梁に対し、上記施工条件下(既設橋梁特有の要因)において、耐震補強をおこなう。
連続桁Gを支持する橋台A1,A2および橋脚P1~P3のうち、橋脚P1~P3に設置される支承B2,B3,B4について水平方向の拘束度合いを調整する(水平方向拘束度合調整について詳細については後述する)。なお、支承B2,B3,B4は引き続き連結桁の自重を橋脚P1~P3に伝達する。また、橋台A1,A2に設置される支承B1,B5は既存のままとする(水平方向拘束度合調整対象外)。
図3における支承において、実線中塗の三角は水平方向拘束度合調整外(引き続き水平方向の移動を拘束する)を示し、点線中抜の三角は水平方向拘束度合調整対象を示す。
一方で、連続桁Gを支持する橋脚P1~P3および橋台A1,A2のうち、橋脚P1~P3(水平方向拘束度合調整の支承B2,B3,B4を支持する橋脚)以外の橋台A1,A2において、耐震補強をおこなう。
すなわち、施工条件が厳しい橋脚P1~P3においては、耐震補強を行わず(もしくは比較的軽微な耐震補強をおこなう)、施工条件の制約が緩い橋台A1,A2にて耐震補強をおこなう(耐震補強詳細については後述する)。
図2における橋脚、橋台において、ハッチングは耐震補強対象を示し、中塗は耐震補強対象外を示す。
~水平方向拘束度合調整手段~
図1において、既設橋梁では支承B1~B5について水平方向の変位が拘束されている。図3において、支承B2,B3,B4ついて水平方向の拘束度合いを調整する。
支承の水平方向の拘束度合いを調整する工程では、支承を介して橋脚又は橋台に伝達される断面力が、橋脚又は橋台の耐力以下となるようにする。
図4は、支承を介して橋脚に伝達される断面力の概念図である。
地震時に連続桁Gに水平方向に慣性力Pが発生する。まず、支承が水平方向に拘束されている場合の橋脚に伝達される断面力について説明する。
橋脚高さをlとすると橋脚基部に曲げモーメントM(=P×l)が発生する。また橋脚にはせん断力N(=P)が発生する。これらを断面力と称する。
なお、橋脚又は橋台の耐力は、耐震補強をしない限り、不変である。既存橋脚および既存橋台に固有の値である。
支承の水平方向の拘束度合いを調整することで、支承を介して橋脚又は橋台に伝達される断面力が、橋脚又は橋台の耐力以下とすることができる。
まず、入力地震力を想定し、連続桁Gに発生する水平方向慣性力Pを設定する。
このとき、支承の水平方向の拘束度合いを低減すると、支承を介して橋脚又は橋台に伝達される断面力も低減する。この検討を繰り返すことにより、支承を介して橋脚又は橋台に伝達される断面力が、橋脚又は橋台の耐力以下となるようにするには、どの程度、支承の水平方向の拘束度合いを低減すればよいかがわかる。
なお、既設支承を介して橋脚又は橋台に伝達される断面力が、橋脚又は橋台の耐力以下である場合は、支承の水平方向の拘束度合いを低減しなくてもよい。この場合を含めて調整と称する。
支承の水平方向の拘束度合いを低減する具体例について説明する。例えば、既設支承を免震支承やすべり支承や、それ以外の既存の支承よりも拘束度合いが低い支承に取り換えてもよい。
免震支承であれば、橋桁の水平力の橋脚P1~P3への伝達を大幅に低減できる。
すべり支承であれば、当該すべり支承の摩擦係数をμ、当該支承が負担する鉛直力をVとすれば、橋桁から支承に働く水平力がμVを超えると当該支承は滑りμVを超える水平力は橋脚P1~P3へ伝達されないようにできる。
この場合、μVの水平力が橋脚又は橋台に伝達されて生じる断面力が、橋脚又は橋台の耐力以下であれば、橋脚P1~P3は大規模には損傷しない。
通常、Vの値を大幅に調整することは困難であり、補強が困難な橋脚や橋台の強度に応じて取り替える支承の摩擦係数を適宜選定する。
既設支承に簡単な施工をして、支承の水平方向の拘束度合いを低減してもよい。
図5に水平方向拘束度合調整手段の一例を示す。支承Bは、上部支承B-1と下部支承B-2とズレ止めとを備える。上部支承B-1は連続桁G下面に連結されている。下部支承B-2は橋脚P又は橋台Aの上面に連結されている。上部支承と下部支承とは摺動可能に接している。
ズレ止めは、下部支承(または上部支承)に連設され、下部支承に対する上部支承の摺動を拘束する。この摺動拘束を介して、連続桁Gの水平慣性力は、橋脚Pや橋台Aに伝達される。
このとき、ズレ止めに切り欠けを施工することにより、所定以上の力が作用した場合に、ズレ止めが破損し、水平力が橋脚P1~P3へ伝達されないようにできる。
ところで、図1および図3の側面図では、1つ橋脚や橋台において橋桁を1つの支承により支持しているようにもみえるが、実際は、図示直交する方向に奥行きを有し、複数の支承が配置されている(例えば図4参照)。水平方向の拘束を低減する際は、同一橋脚(橋台)上の全ての支承を調整する。
~耐震補強手段~
適用例において、図1における既設橋梁に対し、図3のように橋台A1,A2において、耐震補強をおこなう。適宜、橋脚において耐震補強をおこなってもよい。
橋脚の耐震補強の例として、RC巻き立て、鋼板巻き立て、樹脂シート巻き立て等により柱の曲げ又はせん断耐力や靱性を増したり、杭を増したりする。
橋台の耐震補強の例としては、橋脚で用いる方法の他に、グランドアンカにより、橋台と背面部との一体性を増す。
また、上記補強する橋脚や橋台に設置される支承も当初設計時に比べて増加した地震時水平力を負担することになるため、支承本体やアンカーボルトを交換、あるいはアンカー用コンクリートの増し打ちやアンカーボルト数を増すといった補強を行う。
ところで、上記のように支承の水平方向の拘束度合を調整したとしても、既設橋台A1,A2において、充分な耐力を有する場合は、耐震補強をしなくてもよい(もしくは軽微な耐震補強のみでよい)。
本願出願人が、実際の連続桁を有する橋梁について耐震補強を検討したところ、耐震補強不要との結果になるケースが複数あった。
図6は、適用例の変形である。既設橋台A1,A2において、充分な耐力を有する場合は、耐震補強不要である。
図6において、支承B2,B3,B4については水平方向の拘束度合いが調整されている(点線中抜の三角)が、橋台A1,A2は耐震補強されていない(中塗)。
なお、本願では、連続桁の水平振動を長周期化することで、連続桁への入力地震動が低減しており、耐震補強の必要程度も低減される。
~地震時挙動~
図7は、上記適用例における地震時挙動を示す概略図(平面図)である。ただし、説明の便宜のため、変位振幅を強調して図示している。
橋脚P1~P3に設置される支承B2,B3,B4では水平方向の拘束度合が調整されている(図3参照)。これにより、連続桁Gは単純桁と類似する挙動を示す。
連続桁Gのスパンが長くなり、水平方向の振動が長周期化する結果、連続桁Gへの入力地震動が低減される。
地震時に連続桁Gに水平力(慣性力)が発生した場合、水平力は橋台A1,A2に集中する。一方で、水平力の橋脚P1~P3への伝達は低減される。
橋台A1,A2では充分な耐震補強が行われており、水平力に耐えることができる。橋脚P1~P3では耐震補強が行われていないが、伝達される水平力が低減されており、既設の耐震力により水平力に耐えることができる。
なお、図示の例では、説明の便宜のために、全ての橋脚P1~P3に設置される支承B2,B3,B4において、水平方向拘束度合が調整されているが、例えば、橋脚P1に設置される支承B3の水平方向拘束が維持された場合(支承B2,B4では調整)でも、調整前に比べて長周期化する。
~効果~
連続桁を有する橋梁において、施工条件に差が出るような既設橋梁特有の要因がある場合でも、施工困難箇所を避け、施工容易箇所にて、容易に施工可能である。
充分な耐震補強が行われた橋台A1,A2でも、耐震補強が行われていない橋脚P1~P3でも、損傷を防止できる。
水平方向拘束度合調整により、連続桁の固有周期はより長くなり、入力地震動を低減できる。上記適用例では、連続桁Gが、単純桁と類似する挙動をする。同スパンの単純桁と同程度に長周期となる。
以上の様に、入力地震動低減および耐震補強箇所選択の相乗効果により、最小限の労力で耐震補強が可能となる。
~変形例~
上記適用例では、説明を簡略化するために、連続桁のみからなる橋梁に本願発明を適用したが、本願発明はこれに限定されず、その技術思想の範囲で種々の変形が可能である。
図8は変形例に係る既設橋梁である。図9に変形例の既設橋梁に本願発明を適用した場合を示す。
変形例にかかる橋梁は、連続桁G1と単純桁G2とからなる変則多径間橋梁である。
下部構造として、両端に橋台A1および橋台A2が設けられている。さらに、橋台A1,A2の間に3本の橋脚P1~P3が設けられている。
橋脚A1上には支承B1が、橋脚P1上には支承B2が、橋脚P2上には支承B3が、橋脚P3上には支承B4およびB5が、橋脚A2上には支承B56設置されている。
連続桁G1は、支承B1~B4を介して、下部構造(橋脚A1、橋脚P1~P3)に支持されている。連続桁G2は、支承B5~B6を介して、下部構造(橋脚P3、橋台A2)に支持されている。
支承B1~6では水平方向の変位が拘束されている。したがって、地震時に橋桁G1およびG2に水平力が発生すると、支承B1~B6を介して、橋台A1,A2および橋脚P1~P3に伝達される。これに対する耐震補強が必要になる。
一方、既設橋梁特有の要因とし、橋脚P1~P3付近では施工条件が厳しく、橋台A1,A2付近では、施工条件の制約は緩いものとする。
図9に示す変形例においては、連結手段により橋桁G1~G2を1つの連結桁GXとする。図示点線四角は連結手段Jを示す。
連結桁GXを支持する橋脚P1~P3および橋台A1,A2のうち、橋脚P1~P3に設置される支承B2~B5ついて水平方向の拘束度合いを調整する。
一方で、連結桁GXを支持する橋脚P1~P3および橋台A1,A2のうち、例えば、橋台A1において、耐震補強をおこなう。既設橋台A2の耐力が不充分の場合は、さらに、橋台A2において、耐震補強をおこなってもよい。
連結後の連結桁GXは地震時に単純桁と類似する挙動を示す。すなわち、上記適用例と同様な効果が期待できる。
図9に変形例の一例を示したが、更に変形してもよい。図10~12にいくつかの他の変形例を示す。
図10に示すように、既設橋台A1,A2において、充分な耐力を有する場合は、既設橋台A1,A2の耐震補強不要である。なお、連結桁GXの水平振動を長周期化することで、連結桁GXへの入力地震動が低減しており、耐震補強の必要程度も低減されている。
図11に示すように、上記変形例において、単純桁を支持する支承B5の水平方向拘束度合調整は必須でない(図示実線中塗)。
図12に示すように、上記変形例において、連結手段は必須ではない。連続桁G1を支持する支承B1~B4のうち支承B2およびB3が水平方向拘束度合調整の対象である。
~連結手段~
連結桁GXは、橋桁の連結部Jにおいて引張力対抗機能および圧縮力対抗機能を有する。地震時に連結桁に水平力が作用し、連結部Jに橋桁同士から引張力が作用する場合、引張力対抗機能は引張方向の力に対抗する。同様に、橋桁同士から圧縮力が作用する場合、圧縮力対抗機能は圧縮方向の力に対抗する。
図13は連結手段の一例である。
橋桁間において、橋桁の側面に沿うようにPC鋼棒21が配置され、橋桁に設けられたブラケット22にPC鋼棒が定着されることにより、引張力対抗機能が形成される。PC鋼棒の代わりに、PCケーブル、鉄筋その他鋼材等を使用してもよい。
一方で、橋桁間において、間詰コンクリート23が打設され、圧縮力対抗機能が形成される。温度変化による橋軸方向の変位に対応できるように、間詰コンクリートはスリットを有していてもよい。コンクリートの代わりに、モルタル、セメントペースト、鋼材、樹脂又はゴム等を使用してもよい。
図14は連結手段の別例である。
橋桁間において、橋桁の側面に沿うように鋼管20が配置され、橋桁に設けられたブラケット25に鋼管が定着されることにより、引張力対抗機能が形成される。
一方、鋼管内にコンクリート26が充填され、圧縮力対抗機能が形成される。
なお、上記コンクリート26が充填された鋼管20は、連結桁が水平面内での曲げモーメントに抵抗するために効率的な位置に設ければよいが、既設ケーブルなどと支障する場合には、必ずしも連結桁の内面に設ける必要はなく外面に設けても良い。
A1,A2 橋台
P1~P3 橋脚
G,G1 連続桁
G2 単純桁
GX 連結桁
B1~B6 支承
J 連結手段
20 鋼管
21 PC鋼棒
22 ブラケット
23 間詰コンクリート
25 ブラケット
26 充填コンクリート

Claims (9)

  1. 連続桁を有する橋梁の耐震補強方法であって、
    前記連続桁を支持する橋脚又は橋台に設置される支承のうち、少なくとも2つの支承の水平方向の拘束度合いを維持しながら、少なくとも1つの支承の水平方向のうち橋軸直角方向の拘束度合いを調整する工程
    を含む耐震補強方法。
  2. 前記橋梁は、前記連続桁のみからなる
    請求項1記載の耐震補強方法。
  3. 前記連続桁を支持する全ての橋脚に設置される支承の水平方向の拘束度合いを調整する
    請求項1または2記載の耐震補強方法。
  4. 前記橋梁は、前記連続桁と、前記連続桁と隣あう少なくとも1の橋桁を有し、
    前記連続桁と、前記連続桁と隣あう少なくとも1の橋桁を連結して連結桁とする工程と、
    前記連続桁と連結された橋桁を支持する少なくとも1つの橋脚又は橋台に設置される支承の水平方向の拘束度合いを調整する工程と
    を含む請求項1記載耐震補強方法。
  5. 前記支承の水平方向の拘束度合いを調整する工程では、前記支承を介して橋脚又は橋台に伝達される断面力が、前記橋脚又は橋台の耐力以下となるように検討する
    請求項1~4いずれか記載の耐震補強方法。
  6. 前記水平方向の拘束度合いを調整された支承を支持する橋脚または橋台を補強しない
    請求項1~5いずれか記載の耐震補強方法。
  7. 前記水平方向の拘束度合いを調整された支承を支持する橋脚または橋台を含む全ての橋脚および橋台を補強しない
    請求項1~5いずれか記載の耐震補強方法。
  8. 連続桁と、
    前記連続桁を支持する橋脚又は橋台に設置される支承のうち、少なくとも2つの支承の水平方向の拘束度合いを維持しながら、少なくとも1つの支承の水平方向のうち橋軸直角方向の拘束度合いを調整する水平方向拘束度合い調整手段と、
    を有する橋梁。
  9. 前記水平方向拘束度合い調整手段は、
    前記橋脚又は橋台に連結される下部支承と、
    前記連続桁に連結され、前記下部支承に対し摺動可能な上部支承と、
    前記下部支承に対する前記上部支承の摺動を拘束するとともに、所定の摺動力以上により破壊される摺動拘束手段と
    を有する
    請求項8記載の橋梁。
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