JP7116579B2 - 多孔性材料が接着された整形外科インプラント - Google Patents

Description

関連出願への相互参照
[０００１］ これは、多孔性材料が接着された整形外科インプラントと題する２０１７年４月１４日に出願された米国仮特許出願第６２／４８５，６１０号に基づく優先権を主張する非仮出願であり、その全内容はその全体が本明細書に組み込まれる。

[０００２］ 本発明は、整形外科インプラントに関し、特に、移植を確実にするために構成された整形外科インプラント及びその製造方法に関する。

[０００３］ 従来の整形外科インプラントは通常、骨ねじ及び／またはピン等の既知の整形外科固定装置を介して、移植部位の組織に固定される。いくつかの整形外科インプラントは、組織が内部成長材料内への成長を介して、インプラントを周囲の組織に固定するための付加的手段をもたらす内部成長材料を含む。このように固定されたインプラントは、通常は移植部位から外れることはないが、例えば、内部成長材料とインプラントの本体との間の、インプラントの構成要素の調整または分離でさえも生じ得、これにより移植部位に対してインプラントを再配向し、またはインプラントの構成要素を外させるまたは非結合にし、インプラントの適切な機能不全に導く。

[０００４］ 上述の既知の整形外科インプラントの欠点のいくつかを解消することのできる、整形外科インプラント及びその製造方法が求められる。

[０００５］ 本発明の一側面によると、少なくとも１つの結合構造を有する表面を有する本体を含む整形外科インプラント、複数の孔を有する少なくとも１つの多孔性材料、及び少なくとも１つの多孔性材料の複数の孔に配置された結合材料及び少なくとも１つの多孔性材料と本体との間に結合を形成するための少なくとも１つの結合構造を含む。

[０００６］ 本発明の別の側面によると、少なくも１つの結合構造を有する面を有するインプラントを提供し、面に対して複数の孔を有する多孔性材料を配置し、多孔性材料をインプラントに結合するために、少なくとも１つの結合構造及び複数の孔及び結合材料を流すことを含む整形外科インプラントの製造方法をもたらす。

[０００７］ 本発明による上述の及びその他の構成及び効果、及びこれらを達成する方法は、発明の例示的実施形態についての以下の記載を関連する図面とともに参照してより良く理解される。
［０００８］ 本発明の実施形態に係る、体内に移植するように構成された整形外科インプラントを示す斜視図である。 ［０００９］ 本発明の実施形態に係る、図１の整形外科インプラント、及び整形外科インプラントと共に使用するための誘導加熱器を示す斜視図である。 ［００１０］ 本発明の実施形態に係る、図２の誘導加熱器と組み合わされた図２の整形外科インプラントを示す斜視図である。 ［００１１］ 本発明の実施形態に係る、図３の誘導加熱器と組み合わされた整形外科インプラントを示す断面図である。 ［００１２］ 本発明の実施形態に係る、図１の整形外科インプラントを示す断面図である。

[００１３］ 複数の図を通して、対応する参照符号は対応する部分を示している。ここに記載された例示は、発明の実施形態を示し、そのような例示はいかなる態様においても発明の範囲を限定するものと解釈されるものではない。

[００１４］ 図面、より具体的には図１乃至５を参照し、インプラント本体１２と結合材料１６により本体１２に結合された多孔性内部成長材料１４とを通常含む、患者の体内に移植するように構成された整形外科インプラント１０の実施形態が示されている。

[００１５］ 整形外科インプラント１０の本体１２は、大腿骨に移植するように構成された大腿骨の膝関節の形態として示されているが、本体１２はその他の解剖学的特徴に対応する異なる形状に形成されていてもよい。膝インプラント１０の本体１２は、膝の関節を促進するように構成された２つの顆状部を含む。本体１２は、脛骨の頭部に対して間接結合する間接結合面１８と切除された大腿骨を結合するための結合面２０とを有する。結合面２０は、硬い杭として示された、外向きに延びる２つの突起２２及び少なくとも１つの結合構造２４を備えている。図２に示すように、結合面２０は、２セットの結合構造２４Ａ，２４Ｂを有する。結合構造２４Ａ，２４Ｂの各々は、多孔性内部成長材料１４が本体１２に結合されるのを助ける、溝、スロット、及び／または開口を含んでいてもよく、ここでさらに示される。結合構造２４Ａ，２４Ｂは、本体１２を正弦波パターンとして延長させる溝２６の第１及び第２のパターンとしてそれぞれ示されている。しかしながら、結合構造２４Ａ，２４Ｂは、結合面２０の幅及び長さに部分的に広がっていてもよく、横方向の及び／または長手方向に変位された線及び／または曲線のいかなる構成またはパターンを含んでいてもよい。図４及び５に示すように、結合構造２４Ａ，２４Ｂは、結合面２０に深さＤと、結合構造２４Ａ，２４Ｂの深さＤに対する異なる領域ＲＡ，ＲＢで同じではない、第１の幅Ｗ１及び第２の幅Ｗ２等の複数の寸法とを有して形成されていてもよい。例えば、結合構造２４Ａ，２４Ｂは、第１の領域ＲＡで第１の幅Ｗ１を結合面２０により近くなるように有していてもよく、第２の領域ＲＢで、第１の幅Ｗ１よりも大きな第２の幅Ｗ２を結合面２０からより遠くに有していてもよい。これらの異なる寸法Ｗ１及びＷ２の意義をここでさらに説明する。

[００１６］ 膝インプラント１０の本体１２は、動物、人間、またはその他の体内に短期間または長期間配置するのに適した、１つまたは複数の生体適合性材料を含んでいる。１つの例示的実施形態では、本体１２は、Ｃｏ－Ｃｒを含んでいるが、本体１２は、これに限定されないが、チタン、ステンレス鋼、及び／またはタンタル等の金属、超高分子量ポリエチレン（ＵＨＭＷＰＥ）、その他の形態のポリエチレン、ポリエーテルエーテルケトン（ＰＥＥＫ）等のポリアリルエーテルケトン（ＰＡＥＫ）、ポリ乳酸（ＰＬＡ）、及び／またはポリグリコール酸（ＰＧＡ）等のポリマー、及び／またはヒドロキシアパタイト（ＨＡ）、高密度アルミナ、いわゆる「バイオガラス」、及びグラファイト等のセラミックである、他の生体適合性材料を含んでいてもよい。上述の全ての材料は単なる例であり、その他のタイプの生体適合性材料が本発明による本体１２に含まれていてもよい。

[００１７］ 多孔性材料１４は、それぞれ結合構造２４Ａ，２４Ｂに結合された第１及び第２の多孔性材料１４Ａ，１４Ｂを含むことができる。第１及び第２の多孔性材料１４Ａ，１４Ｂは、突起２２の通過を可能にする、それぞれ孔２８を有する。多孔性材料の形状は、多孔性材料１４Ａ，１４Ｂが実質的に結合構造２４Ａ，２４Ｂを覆うように、結合構造２４Ａ，２４Ｂを有する結合面２０の形状にそれぞれ対応していても良い。多孔性材料１４Ａ，１４Ｂは、組織内部成長の所望の量に応じて、本体１２の結合構造２４Ａ，２４Ｂを部分的に覆うだけのために構成されていてもよく、または多孔性材料１４Ａ，１４Ｂは本体１２の結合面２０の全体を覆っていてもよい。多孔性材料１４は、それぞれ結合構造２４Ａ，２４Ｂに結合する、２つ、３つ、４つ、またはそれ以上の多孔性材料を有する、単一部材または多セクション部材で構成されていてもよい。図４及び５に示すように、多孔性材料１４は、多孔性材料１４の外面、非多孔性層３２、及び本体１２の係合面２０に対して当接する１つまたは複数の第２の多孔性層３４を画定する１つまたは複数の第１の多孔性層３０を含んでいてもよい。記載を容易にするため、第１の多孔性層３０は単一の第１の多孔性層３０としてのみ示し、第２の多孔性層３４は単一の第２の多孔性層としてのみ示すが、第１の多孔性層３０及び／または第２の多孔性層３４は互いに結合された多層として形成されていてもよい。第１の多孔性層３０は、インプラント１０の移植中に既存の骨材料と結合し、移植後に第１の多孔性層３０内への組織内部成長を可能にするように、多数の孔を有する多孔性の内部成長材料の形態であってもよい。非多孔性層３２は、第１及び第２の多孔性層３０，３４の間に配置されていてもよく、第１及び第２の多孔性層３０，３４の間の物質障壁として作用してもよい。第２の多孔性層３４は、本体１２の結合構造２４Ａ，２４Ｂの結合材料１６との結合を容易にするための多数の孔を有する、多孔性材料の形態を有していてもよい。例えば、第２の多孔性層３４の孔は第２の多孔性層３４を通して互いに相互結合されて、及び少なくとも部分的に結合材料１６で充填されていてもよい。この趣旨によると、第１の多孔性層３０及び第２の多孔性層３４の多孔性及び／または孔形状及び分布は、互いに対して異なっていてもよい。第１及び第２の多孔性層３０，３４は、異なる孔パターンを有し、第１の多孔性層３０は第２の多孔性層３４よりも大きな厚さを有するように示されている。しかしながら、第１及び第２の多孔性層３０，３４は、同一の孔パターンであってもよく、第２の多孔性層３４の厚さは第１の多孔性層３０と同じまたはより大きな厚さを有していてもよい。

[００１８］ 多孔性材料１４は、多孔性及び／または非多孔性の材料の１つまたは複数の層を有していてもよく、例えば、孔パターンを有する結合された各多孔性層を有して互いに結合されている、２つ、３つ、４つ、またはそれ以上の多孔性及び／または非多孔性の材料の層がそこに形成されている。孔パターンは、多孔性材料１４の複数の層を通して、同一であってもまたは同一でなくてもよい。孔は、レーザー切断、化学エッチング、及び打ち抜き等の適切な方法により、多孔性材料１４内に、または多孔性材料１４の単一の層毎に形成されていてもよい。多孔性材料１４は、例えば、ビーズ、網、格子等で形成されていてもよい。

[００１９］ 多孔性材料１４は、ＯＳＴＥＯＳＹＮＣ（登録商標）、ビーズ、プラズマスプレー等のいかなる適切な生体適合性の骨内部の成長部または成長面、またはその他の同様の骨または組織の内部成長または成長材料を備えていてもよい。例示的材料としては、ポリエーテルエーテルケトン（ＰＥＥＫ）、ポリマー骨格、同種移植骨、自家移植骨、切断が容易な金属製骨格、またはその他の同様の骨または組織内部成長面を含む、多孔性ポリマー材料を含む。このような内部成長材料は、様々な多孔性の金属、ポリマー及び／またはセラミックとして知られ及び含んでいてもよいが、これに限定されることはない。また、内部成長材料が多孔性である場合、骨組織、すなわち第１の多孔性層３０と接するその材料の孔は、さらに，成長因子、抗炎症薬、抗生物質、鎮痛薬等の骨の内部成長を促す１つまたは複数の生物活性物質で充填されることができる。整体外科用インプラントの本体１２の結合面２０に取り付けられたいかなる内部成長材料は、特定の設計基準をもたらすように適合され、本発明により用いることができる。

[００２０］ 特に図２を参照すると、多孔性材料１４を本体１２に結合するように構成された結合材料１６が示されている。結合材料１６は、多孔性材料１４の第２の多孔性層３４の孔の中に配置されていてもよく、また多孔性材料１４と本体１２との間の結合を形成するために、本体１２の結合構造２４Ａ，２４Ｂ内に配置されていてもよい。例えば、結合材料１６は、図に示すように、溶融、または、第２の多孔性材料３４の孔内に結合材料１６の一部を流すことにより、初めから多孔性材料１４の第２の多孔性層３４に取り付けられていてもよい。しかしながら、結合材料１６は、代替的に初めから本体１２の結合構造２４Ａ，２４Ｂ内に流されている、及び／または、本体１２の係合面２０上に固化状態で配置されていてもよい。結合材料１６の体積は、本体１２の結合構造２４Ａ，２４Ｂ及び第２の多孔性層３４の孔の各々の体積よりも大きくてもよく、結合材料１６の体積は結合構造２４Ａ，２４Ｂと第２の多孔性層３４の孔とを組み合わせた体積と略同じであってもよい。

[００２１］ 多孔性材料１４を本体１２に結合するために、例えば、結合材料１６は流動可能な状態に溶融されることができ、多孔性材料１４と結合面２０との間に配置され、多孔性材料１４および結合面２０は流動可能な結合材料１６が結合構造２４Ａ，２４Ｂ及び／又は第２の多孔性層３４の孔に流れるように共に圧縮されていてもよい。多孔性材料１４Ａ，１４Ｂ及び本体１２が過熱される及び／または一緒に圧縮されるにつれて、結合材料１６は、固い結合を生成するために、多孔性材料１４Ａ，１４Ｂの第２の多孔性層３０の孔と本体１２の結合材料２４Ａ，２４Ｂとをそれぞれ少なくとも部分的に充填することができる。図５から分かるように、結合材料１６は、本体１２の溝２６と多孔性材料１４Ａ，１４Ｂの各第２の多孔性層３０の孔とを完全に充填されることができる。結合面２０の溝２６と第２の結合層３４の孔に流れた後、結合材料１６は、多孔性材料１４Ａ，１４Ｂとインプラント本体１２との間の固い材料の結合を形成するために硬化されることができる。結合構造２４Ａ，２４Ｂが深さＤに沿って異なる寸法Ｗ１，Ｗ２を有する場合、さらに深さＤでより大きな寸法Ｗ２を有する第２の領域ＲＢを有することは、より小さい寸法Ｗ１により第１の領域ＲＡを通して引き抜かれるのに抵抗する第２の領域ＲＢ内で硬化した結合材料１６を生じさせることができる。第２の領域ＲＢ内の硬化した結合材料１６が引き抜かれることに対する抵抗は、インプラント後に多孔性材料１４Ａ，１４Ｂは本体１２から容易に外れないように、比較的確実になるように多孔性材料１４Ａ，１４Ｂの本体１２への結合を可能にすることができる。

[００２２］ 結合材料１６は、流動可能な状態まで溶融されるとして前述されているが、結合材料１６は、流動可能な状態で始まり、次に自然にまたは触媒の存在により硬化する、例えば、樹脂またはエポキシである、化学的に硬化された材料であってもよい。結合材料１６が化学的に硬化された材料である場合、結合材料１６は、多孔性材料１４が結合面２０に接したときに第１の構成要素及び第２の構成要素が混ざって硬化し、多孔性材料１４と本体１２との間に固い結合材料を形成する、第２の多孔性層３４の孔に配置された第１の構成要素と結合構造２４Ａ，２４Ｂ内に配置された第２の構成要素とを有していてもよい。

[００２３］ 結合材料１６は、最初に、例えば、固い、高粘性流体、または薄いフィルムの形態であってもよい。結合材料１６は、固化された結合材料１６がインプラントされている間に緩まないように、標準の本体温度、すなわち約３７～４０℃、において固体であってもよい。結合材料１６は、例えば、ＰＥＥＫまたはその他の体温で安定するポリマー等である生体適合性材料であってもよい。ここで示すように、結合材料１６は、最初に、多孔性材料１４Ａ，１４Ｂの形状に対応する形状を有するフィルム１６の形態であってもよい。また、フィルム１６は、部分的にまたは実質的に本体１２の結合構造２４Ａ，２４Ｂ、及び／または、多孔性材料１４Ａ，１４Ｂの第２の多孔性層３４を覆っていてもよい。フィルム１６は、多孔性材料１４と本体１２との間に配置されていてもよい。整形外科インプラント１０は、１つまたは複数の結合材料を含んでいてもよく、例えば、結合材料１６は液体接着剤と多孔性材料１４と本体１２との結合に関連して動作するフィルムとの両方を含んでいてもよい。

[００２４］ また、結合材料１６は、射出成形によって導入されることができる。例えば、結合材料１６は、先ず、結合構造２４Ａ，２４Ｂの溝２６に注入され、次に、多孔性材料１４Ａ，１４Ｂの第２の多孔性層３４の孔に注入されることができる。結合材料１６は、結合構造２４Ａ，２４Ｂの溝２６に接続される１つまたは複数の注入チャネルを通して注入されることができる。多孔性材料１４Ａ，１４Ｂが係合面２０に対して保持されたままで、結合材料１６は注入チャネルに注入されることができる。これにより、結合材料１６は、結合構造２４Ａ，２４Ｂの溝２６内に直接注入されることができる。いったん溝２６の結合材料１６で充填されると、さらなる注入により結合材料１６を第２の多孔性層３４の孔内に押し込むことができる。注入された結合材料１６の温度及び／または流速を、所望の量の結合材料１６が第２の層３４の溝２６及び孔を充填するように選択及び調節することが考えられる。例えば、結合材料１６が硬化し始める前に、結合材料１６が第２の多孔性層３４の溝２６及び孔に流入できるように、注入された結合材料１６の温度及び流速は十分に高くてもよい。さらに、第２の多孔性層３４の溝２６及び孔を充填する所望の量の結合材料１６を結合材料１６が硬化する前に得るために、追加の注入チャネルを所望の位置に含んでいてもよい。所定の温度、流速、及び／または注入チャネルの数で、十分な量の結合材料１６が第２の多孔性層３４の溝２６及び孔が充填されるように、所望の粘性及び他の様々な特性を有する結合材料１６を選択することも可能である。結合材料１６の射出成形は、本体１２及び／または多孔性材料１４Ａ，１４Ｂに圧力及び／または熱エネルギを付与するのに加えて生じさせてもよい。

[００２５］ 本体１２及び多孔性材料１４Ａ，１４Ｂは、本体１２及び多孔性材料１４Ａ，１４Ｂを一緒に押圧することにより、及び／または、熱エネルギを本体１２及び／または多孔性材料１４Ａ，１４Ｂに付与することにより、一体に結合されてもよい。誘導加熱器３６は、結合材料１６を溶かすために、必要条件の熱エネルギを多孔性材料１４Ａ，１４Ｂ及び／または本体１２を提供することができる。誘導加熱器３６は、整形外科インプラント１０の形状に対応する「Ｕ」字形状を有するように示されている。しかしながら、誘導加熱器３６は所望のいかなる形状を有していてもよい。図２乃至４に示すように、誘導加熱器３６は多孔性材料１４Ａ，１４Ｂの第１の多孔性層３０と直接的に接する。誘導加熱器３６は、しかしながら、多孔性材料１４Ａ，１４Ｂと部分的にのみ接する、または、誘導加熱器３６は多孔性材料１４Ａ，１４Ｂと接しないように構成されていてもよく、これにより熱エネルギのみ本体１２及び／または結合材料１６に加える。また、結合材料１６を予加熱すること、多孔性材料１４Ａ，１４Ｂを本体１２に押し付ける前に結合材料１６を溶かすために本体１２を予加熱すること、及び／または多孔性材料１４Ａ，１４Ｂを予加熱することを含む様々な他の方法に熱エネルギを加えることができる。結合材料１６が第２の多孔性層３４及び結合構造２４Ａ，２４Ｂの孔内にいったん流れると、誘導加熱器３６は取り外されることができ、これにより結合材料１６を硬化させるために熱エネルギを加えることを停止することができる。

[００２６］ 上述したように、多孔性材料１４Ａ，１４Ｂは、第１の多孔性層３０と第２の多孔性層３４との間に挟まれた非多孔性層３２を含んでいてもよい。多孔性材料１４Ａ，１４Ｂを本体１２に結合している間、結合材料１６は第２の多孔性層３４の孔に流入する。もし第１の多孔性層３０及び第２の多孔性層３４が互いに流体的に結合されていると、結合材料１６は第２の多孔性層３４に流入している間に第１の多孔性層３０に流入することができる。結合材料１６を第１の多孔性層３０内に流すことにより、組織の第１の多孔性層３０内への内部成長量を減らすことができ、移植後のインプラント１０の固定能力を減らすことができ、及び、第１の多孔性層３０の孔内に保持された生物活性物質を押し出すことができる。非多孔性層３２は、これにより、結合材料１６が第２の多孔性層３４の孔に流入できる一方、第１の多孔性層３０の孔に流入できないように、第１の多孔性層３０と第２の多孔性層３４との間の物質的障壁として作用することができる。非多孔性層３２は、第１の多孔性層３０内への組織の内部成長が第２の多孔性層３４内まで延びず、インプラント１０及び移植部位間の過剰な固定を生成するように、組織内部成長障壁としても作用することができる。

[００２７］ 本体１２及び多孔性材料１４Ａ，１４Ｂの結合方法は、整形外科インプラント１０の本体１２と多孔性材料１４を設けることを含む。多孔性材料１４Ａ，１４Ｂは結合構造２４Ａ，２４Ｂに対して配置される。結合材料１６は、係合面２０上の多孔性材料１４Ａ，１４Ｂと結合構造２４Ａ，２４Ｂとの間で流動可能な状態に溶けることができる。流動可能な結合材料１６は、多孔性材料１４Ａ，１４Ｂを本体１２に結合するために多孔性材料１４及び本体１２を圧縮することにより、多孔性材料１４Ａ，１４Ｂの第２の多孔性層３４と係合面２０の結合構造２４Ａ，２４Ｂとの孔の中に流入することができる。この方法は、例えば、本体１２及び多孔性材料１４Ａ，１４Ｂがともに結合するために冷却することにより、結合材料１６を硬化させることも含んでいてもよい。

[００２８］ 本発明の例示的な実施形態に従って結合材料１６を含み、圧力及び／または熱エネルギを加えることにより、多孔性材料１４Ａ，１４Ｂを本体１２に結合するプロセスは正確に制御されることができる。これにより、孔への影響及び多孔性材料１４の熱変形は、結合プロセスの間に減少することができ、安定した長期的な結合が形成されることができる。

[００２９］ 加熱方法は、異なる構成要素のために選択された材料に応じて変化されることを留意されたい。例えば、加えられた熱エネルギは多孔性材料１４を溶融したり、多孔性材料１４の孔を塞ぐまたは壊したりし得るため、多孔性材料１４が比較的低い融点を有するポリマーである場合に、熱エネルギは、多孔性材料１４を通して加えられなくてもよく、代わりに、熱エネルギは本体１２に加えられてもよい。さらに、熱エネルギを加えるときの持続時間及び早さも、選ばれた様々な構成要素の材料及び特性に応じて変化させてもよい。さらに、第１の多孔性層３０の孔が変形する可能性を低下させるために、多孔性材料１４Ａ，１４Ｂは、非多孔性層３２及び／または第２の多孔性層３４に圧力を加えることにより、本体１２の係合面２０に押し付けられてもよい。

[００３０］ 本発明は少なくとも１つの実施形態に関して記載されているが、本発明は、本開示の精神及び範囲から逸脱することなくさらに改良されてもよい。本願は、これにより、その一般原理を用いた発明のいかなるバリエーション、用途、または適合を含むことを意図している。さらに、本願は、本発明が関係する技術における既知のまたは慣行から生じたものとして本開示から発展したものを含むことを意図している。
（項目１）
整形外科インプラントにおいて、
少なくとも１つの結合構造が設けられた面を有する本体と、
複数の孔を有する少なくとも１つの多孔性材料と、
前記少なくとも１つの多孔性材料及び前記本体間に結合を形成するために、前記少なくとも１つの多孔性材料の前記複数の孔及び前記少なくとも１つの結合構造内に配置された結合材料とを備えた、整形外科インプラント。
（項目２）
項目１に記載の整形外科インプラントにおいて、前記少なくとも１つの結合構造は、前記結合材料を受けるように構成された、溝、スロット、及びボアの少なくとも１つを複数含む、整形外科インプラント。
（項目３）
項目２に記載の整形外科インプラントにおいて、前記少なくとも１つの結合構造は、前記面に深さＤで形成され、前記面により近い前記結合構造の幅Ｗは、前記面からより遠い前記結合構造の幅より小さい、整形外科インプラント。
（項目４）
項目１に記載の整形外科インプランにおいて、前記少なくとも１つの結合構造は複数の溝を含み、前記複数の溝は第１のパターンの溝及び第２のパターンの溝を含む、整形外科インプラント。
（項目５）
項目４に記載の整形外科インプラントにおいて、前記第１のパターンの溝及び前記第２のパターンの溝は、正弦波パターンを形成する、整形外科インプラント。
（項目６）
項目１に記載の整形外科インプラントにおいて、前記少なくとも１つの多孔性材料は、前記少なくとも１つの多孔性材料の外面を画定する１つまたは複数の第１の多孔性層、前記複数の孔を有する１つまたは複数の第２の多孔性層、及び前記１つまたは複数の第１の多孔性層及び前記１つまたは複数の第２の多孔性層の間に配置された非多孔性層を含む、整形外科インプラント。
（項目７）
項目６に記載の整形外科インプラントにおいて、前記１つまたは複数の第１の多孔性層は、多孔性内部成長材料で形成され、前記多孔性内部成長材料は、骨材料と結合するように構成された第２の複数の孔を有する、整形外科インプラント。
（項目８）
項目７に記載の整形外科インプラントにおいて、前記第２の複数の孔は、１つまたは複数の生物活性物質を含む、整形外科インプラント。
（項目９）
項目６に記載の整形外科インプラントにおいて、前記１つまたは複数の第１の多孔性層は、互いに結合された２つ以上の第１の多孔性層を含み、前記２つ以上の第１の多孔性層の各第１の多孔性層は孔パターンを有する、整形外科インプラント。
（項目１０）
項目１に記載の整形外科インプラントにおいて、前記本体の前記面は、切除された大腿骨と係合されるように構成された、整形外科インプラント。
（項目１１）
項目１０に記載の整形外科インプラントにおいて、前記本体は、前記面の反対側の関節接合面を有し、前記関節接合面は、脛骨の頭部に対して関節接合するように構成された、整形外科インプラント。
（項目１２）
項目１１に記載の整形外科インプラントにおいて、前記本体は、大腿骨の膝関節インプラントのための形状を有する、整形外科インプラント。
（項目１３）
整形外科インプラントを形成するための方法において、
少なくとも１つの結合構造が設けられた面を有するインプラントを設けるステップと、
前記面に多孔性材料を配置するステップであって、前記多孔性材料は複数の孔を有する、ステップと、
前記多孔性材料を前記インプラントに結合するために、前記１つの結合構造及び前記複数の孔に結合材料を流すステップとを含む、方法。
（項目１４）
項目１３に記載の方法において、前記流すステップは、前記結合材料を溶かし、溶けた前記結合材料を前記複数の孔及び前記少なくとも１つの結合構造の少なくとも１つの中に押し込むために、前記多孔性材料を前記面に対して押し付けることを含む、方法。
（項目１５）
項目１３に記載の方法において、前記少なくとも１つの結合構造及び前記複数の孔の中で、前記結合材料を硬化させることをさらに含む、方法。
（項目１６）
項目１３に記載の方法において、前記結合材料は、互いに混ぜ合わされて固い結合を形成する２つの流動可能な構成要素を備え、前記結合材料を流すステップは、前記多孔性材料を前記インプラント結合させるために、前記結合材料の第１の構成要素を前記少なくとも１つの結合構造内に流すこと、及び、前記結合材料の第２の構成要素を前記複数の孔内に流すことをさらに含む、方法。
（項目１７）
項目１３に記載の方法において、前記少なくとも１つの結合構造は複数の溝を含み、前記結合材料を流すステップは、前記複数の溝を最初に充填した後に前記複数の孔を充填するために、前記結合材料を前記複数の溝の中に注入することをさらに含む、方法。
（項目１８）
項目１３に記載の方法において、前記少なくとも１つ結合構造は、前記面に深さＤになるように形成されており、前記少なくとも１つの結合構造の前記面により近い幅Ｗは、前記少なくとも１つの結合構造の前記面より遠い幅よりも小さく形成された、方法。
（項目１９）
項目１３に記載の方法において、前記多孔性材料は、前記多孔性材料の外面を画定する１つまたは複数の第１の多孔性層、前記複数の孔を有する１つまたは複数の第２の多孔性層、及び前記１つまたは複数の第１の多孔性層と前記１つまたは複数の第２の多孔性層との間に配置された非多孔性層を含む、方法。
（項目２０）
項目１９に記載の方法において、前記１つまたは複数の第１の多孔性層は、多孔性内部成長材料で形成され、前記多孔性内部成長材料は、骨材料と連結されるように構成された第２の複数の孔を有する、方法。

Claims (11)

1. 整形外科インプラントにおいて、
   少なくとも１つの結合構造が設けられた面を有する本体と、
   複数の孔を有する少なくとも１つの多孔性材料と、
   前記少なくとも１つの多孔性材料及び前記本体間に結合を形成するために、前記少なくとも１つの多孔性材料の前記複数の孔及び前記少なくとも１つの結合構造内に配置された結合材料とを備え、
   前記少なくとも１つの結合構造は、前記面に深さＤで形成され、前記面により近い前記結合構造の幅Ｗは、前記面からより遠い前記結合構造の幅より小さい、整形外科インプラント。
2. 請求項１に記載の整形外科インプラントにおいて、前記少なくとも１つの結合構造は、前記結合材料を受けるように構成された、溝、スロット、及びボアの少なくとも１つを複数含む、整形外科インプラント。
3. 請求項１に記載の整形外科インプランにおいて、前記少なくとも１つの結合構造は複数の溝を含み、前記複数の溝は第１のパターンの溝及び第２のパターンの溝を含む、整形外科インプラント。
4. 請求項３に記載の整形外科インプラントにおいて、前記第１のパターンの溝及び前記第２のパターンの溝は、正弦波パターンを形成する、整形外科インプラント。
5. 請求項１に記載の整形外科インプラントにおいて、前記少なくとも１つの多孔性材料は、前記少なくとも１つの多孔性材料の外面を画定する１つまたは複数の第１の多孔性層、前記複数の孔を有する１つまたは複数の第２の多孔性層、及び前記１つまたは複数の第１の多孔性層及び前記１つまたは複数の第２の多孔性層の間に配置された非多孔性層を含む、整形外科インプラント。
6. 請求項５に記載の整形外科インプラントにおいて、前記１つまたは複数の第１の多孔性層は、多孔性内部成長材料で形成され、前記多孔性内部成長材料は、骨材料と結合するように構成された第２の複数の孔を有する、整形外科インプラント。
7. 請求項６に記載の整形外科インプラントにおいて、前記第２の複数の孔は、１つまたは複数の生物活性物質を含む、整形外科インプラント。
8. 請求項５に記載の整形外科インプラントにおいて、前記１つまたは複数の第１の多孔性層は、互いに結合された２つ以上の第１の多孔性層を含み、前記２つ以上の第１の多孔性層の各第１の多孔性層は孔パターンを有する、整形外科インプラント。
9. 請求項１に記載の整形外科インプラントにおいて、前記本体の前記面は、切除された大腿骨と係合されるように構成された、整形外科インプラント。
10. 請求項９に記載の整形外科インプラントにおいて、前記本体は、前記面の反対側の関節接合面を有し、前記関節接合面は、脛骨の頭部に対して関節接合するように構成された、整形外科インプラント。
11. 請求項１０に記載の整形外科インプラントにおいて、前記本体は、大腿骨の膝関節インプラントのための形状を有する、整形外科インプラント。

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