(本発明に係る一態様を発明するに至った経緯)
従来技術は、病院へ外来するユーザーのID情報に基づき、予め登録された予約日になったとき、当該ユーザーの電子カルテが診療室端末に送信されることによって、病院における診察およびカルテの準備を円滑化するものである。すなわち、電子カルテの情報は、当該ユーザーの担当医が容易に閲覧するために活用されている。
しかし、電子カルテに含まれる情報は、担当医が診療のために閲覧する用途だけでなく、他の用途のために提供される余地もある。確かに、電子カルテに含まれる情報は、患者であるユーザーの氏名および生年月日などの基本情報の他、診察歴、病歴、使用する薬の種類など、機密性が極めて高い個人情報が含まれる。そのため、電子カルテに含まれる気密性の高い情報は慎重に扱う必要がある。一方、電子カルテに含まれる全ての情報のうち少なくとも一部の情報が、担当医が診療のために閲覧する用途以外の用途のために提供されることによって、病院における情報処理が更に円滑化されることが期待される。
そこで、本発明の発明者は、電子カルテの複数の用途ごとに予め定められた複数の識別番号のうち一の識別番号を端末装置から受信した場合において、ユーザーの生体情報を用いた生体認証が実行可能であるとき、電子カルテに含まれる全ての情報のうち当該一の識別番号に対応した範囲の情報を当該端末装置へ送信することによって、電子カルテの情報を、用途に応じ、且つ、所定の範囲において活用することに寄与する情報提供装置および情報提供方法を想起し、本発明に係る一態様を発明するに至った。
なお、本開示においては、以下のように用語が定義される。
(本サービス)
本開示における情報提供サーバが提供する情報提供サービスを本サービスという。本サービスは、例えば、電子カルテの全ての情報のうち所定の用途に対応した範囲の情報を、端末装置を用いて提供するものであってもよい。
(ユーザー)
本開示において、ユーザーは、端末装置を用いて、当該端末装置が有するセンサ部によって検知された自らの生体情報を情報提供サーバへ送信し、自らの電子カルテに含まれる情報のうち所定の用途に対応した範囲の情報の提供を受ける者であってもよい。ユーザーは、例えば、病院に外来で来訪した患者、病院に入院中の患者、または、病院施設の内外に設置された薬局に来訪する者などであってもよい。また、ユーザーは、例えば、空港、ホテルなど所定の施設に来訪する者などであってもよい。ユーザーの具体的な内容は本開示の範囲を限定しない。
なお、後述するように、電子カルテに含まれる情報のうち所定の用途に対応した範囲の情報を直接的に提供される者は、ユーザーではなく、例えば、当該ユーザーの担当医、担当看護師、または、担当薬剤師など、当該ユーザーの電子カルテに含まれる全部または一部の情報を当該ユーザーのために扱う者であってもよい。すなわち、本開示において、ユーザーは端末装置を用いて情報提供サーバに対して生体情報を送信する者であればよい。
以上、本開示における用語の定義について説明した。定義された用語について、特別な意味が付される場合には、実施形態の説明において、さらに定義がなされる場合がある。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。実施形態において、同一機能を有する構成には同一符号を付し、重複する説明は省略する。以下に説明される実施形態は本開示の一具体例を示す。実施形態において示される構成、フロー図における処理または処理の順序などは一例であって、本開示の技術を限定しない。
(実施形態1)
本実施形態に係る情報提供システム1および情報提供装置100の構成について、図1および図2を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態1に係る情報提供システム1および情報提供装置100の機能的な構成の一例を示すブロック図である。図2は、本発明の実施形態1に係る情報提供システム1および情報提供装置100の機能的な構成の他の例を示すブロック図である。
図1において、情報提供システム1は、情報提供装置100、記憶装置110、端末装置200、および、電子カルテデータベース300を備える。図1において、情報提供装置100は、情報提供サーバ10とも呼称される。
図1において、情報提供装置100と情報提供サーバ10とは、互いに読み替えることができる。図1においては、情報提供サーバ10は情報提供装置100を含み、記憶装置110を含まないとして説明しているが、図2に示すように、情報提供サーバ10は、情報提供装置100および記憶装置110を含む構成としてもよい。
以下において、情報提供サーバ10とは、図1に示すシステム構成の場合も、図2に示すシステム構成の場合も含むものとする。すなわち、情報提供サーバ10に記憶装置110が含まれるか否かは、本開示の範囲を限定しない。なお、通信部101および記憶装置110は、互いに、通信ネットワーク400を介して接続されてもよい。
情報提供サーバ10は、後述するように、通信ネットワーク400を介して端末装置200からユーザーの生体情報および所定の識別番号を受信し、受信した生体情報に基づいて生体認証を実行し、生体認証の実行が成功した場合、複数の電子カルテを記憶している電子カルテデータベース300を用いて、前記ユーザーの電子カルテの全ての情報のうち受信した識別番号に予め対応付けられた範囲の情報を端末装置200へ送信することによって、電子カルテの情報を、用途に応じ、且つ、所定の範囲において活用する機能を有するコンピュータまたは記録媒体である。
情報提供サーバ10は、例えば、汎用コンピュータおよび本実施形態において説明される各動作等を実施させるソフトウェアの組み合わせによって実現されてもよい。
なお、図1に示す情報提供サーバ10および記憶装置110、ならびに、図2に示す情報提供サーバ10のそれぞれは複数あってもよい。係る場合、複数のサーバおよび複数の装置に対して、複数の機能が分散されてもよい。また、電子カルテデータベース300は複数あってもよく、係る場合、複数の電子カルテデータベース300に対して、複数の電子カルテの情報が分散されて記憶されてもよい。
また、図1および図2において、複数の端末装置200が、通信ネットワーク400を介して情報提供サーバ10に接続されてもよい。例えば、複数のユーザーが同時に各ユーザーの生体情報を情報提供サーバ10へ送信する場合、複数のユーザーのそれぞれが用いる各端末装置200が、同時に情報提供サーバ10に接続されてもよい。
図1および図2において、情報提供装置100は、通信部101および制御部102を備える。通信部101および制御部102は、互いに有線接続または無線接続される。図1および図2において、端末装置200は、センサ部201、入力部202、通信部203、メモリ204、制御部205、および、出力部206を備えてもよい。端末装置200に含まれる各要素は、設計仕様に基づき、他の要素の一部または全部と有線接続または無線接続されてもよい。なお、入力部202およびメモリ204は、端末装置200の要素として含まれなくてもよい。
端末装置200は、ユーザーによる操作によって、または、ユーザーがセンサ部201に対して所定距離内に接近することによって当該ユーザーの生体情報を、センサ部201を用いて検知する機能を有してもよい。端末装置200は、例えば、センサ部201によって検知されたユーザーの生体情報と、予め当該端末装置に記憶された一の識別番号またはユーザーによる操作によって選択された一の識別番号とを、情報提供サーバ10に送信する機能を有してもよい。端末装置200は、当該ユーザーの電子カルテに含まれる全ての情報のうち当該識別番号に応じて予め定められた範囲の情報を、情報提供サーバ10から受信する機能を有してもよい。また、端末装置200は、出力部206を用いて受信した情報を出力する機能を有してもよい。
なお、係る場合、例えば、当該ユーザー、または、当該ユーザーのために情報を把握する担当医、担当看護師、もしくは担当薬剤師などに対して、端末装置200から出力される情報が提供されてもよい。
端末装置200は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、ノートパソコン、デスクトップパソコン、ウェアラブル端末、または、専用端末などであってもよい。専用端末は、任意のスマートフォン、タブレット端末、ウェアラブル端末などに専用端末として機能するためのソフトウェアアプリケーションがインストールされた装置であってもよい。端末装置200は、例えば、病院の施設内、または、病院の内外に設置された薬局などに設置されてもよい。また、後述するように、端末装置200は、空港、ホテルなどの所定の施設に設置されてもよい。端末装置200の具体的な種類、設置場所などは本開示の範囲を限定しない。なお、本開示において設置とは、任意の場所において、移動不可能な状態、または、移動可能な状態で設けられることを意味してもよい。
センサ部201は、ユーザーの生体情報を検知する機能を有する。例えば、センサ部201は、生体情報を検知する少なくとも一のセンサを含み、生体情報は、顔画像の情報、虹彩情報、及び、指紋情報のうち少なくとも一の情報を含んでもよい。
具体的には、ユーザーの生体情報は、ユーザーに固有の身体的特徴を示す情報であり、身体的特徴とは、例えば、顔の特徴、虹彩の特徴、または、指紋の特徴などであってもよい。すなわち、生体情報は、ユーザーの顔の特徴を含む顔画像の情報、虹彩の特徴を含む虹彩情報、指紋の特徴を含む指紋情報などであってもよい。
センサ部201は、一または複数のセンサを有してもよい。センサ部201は、例えば、顔画像の情報を検知するイメージセンサであってもよい。または、さらに、虹彩情報を検知するセンサの機能を含んでもよい。センサ部201が一または複数のデバイスであって、当該一または複数のデバイスが複数のセンサ機能を有する場合、後述するユーザーの生体認証において、セキュリティの程度をより高くできる効果を奏する。
また、センサ部201は、ユーザーがセンサ部201の所定の検知範囲に近づいたことをトリガーにして当該ユーザーの生体情報を検知してもよい。また、センサ部201は、端末装置200が有する入力部202を用いて、ユーザーが所定の操作を行ったことをトリガーにして当該ユーザーの生体情報を検知してもよい。センサ部201がユーザーの生体情報を検知するトリガーは本サービスの提供者が任意に設定してもよい。センサ部201がユーザーの生体情報を検知するトリガーの具体的内容は、本開示の範囲を限定しない。
なお、以下の説明においては、センサ部201は一のデバイスであって、例えば、顔画像の情報を検知するものとして説明するが、この限りではなく、センサ部201は、一または複数のデバイスを含み、当該デバイスは一または複数のセンサ機能を有してもよい。
入力部202は、ユーザーによる入力を受け付ける機能を有する。入力部202は、端末装置200に対してユーザーが情報、文字、またはコマンドを入力する機能などを有してもよい。例えば、端末装置200が出力部206として表示媒体を有する場合、入力部202は、当該表示媒体における表示内容を選択する機能、表示コマンドを操作する機能、および、文字を入力、選択、または編集する機能などを有してもよい。また、入力部202は、例えば、端末装置200が図示しない音声ユーザーインターフェース機能を備える場合、音声信号を検知することによって、ユーザーからの入力を受け付けてもよい。
入力部202は、具体的には、例えば、キーボード、マウス、ハードウェアボタン、タッチパネルを用いたタッチ操作、タッチパネルを用いたスタイラスペン、ユーザーの視線検知に基づく入力、および音声入力などのうち少なくとも1つであってもよい。キーボードは、外部接続された物理的キーボードであってもよく、タッチパネル上のソフトウェアキーボードであってもよい。また、端末装置200が表示媒体を有する場合であって、当該表示媒体がバーチャルリアリティー、ミックスドリアリティーなどにおける3次元ディスプレイの場合には、専用コントローラー、ユーザーのジェスチャーなどに基づく情報入力または情報選択であってもよい。
通信部203は、通信部101と通信ネットワーク400によって接続され、情報提供サーバ10から信号または情報を受け取る。通信部203は、例えば、無線通信のためのアンテナを含む通信モジュールであってもよい。また、通信部203は、例えば、有線通信のための通信モジュールであってもよい。
メモリ204は、通信部203が情報提供サーバ10から受け取った情報を記憶する機能を有してもよい。メモリ204は、通信部203が本開示において説明される各種アプリケーションソフトウェアを受け取った場合には、各種アプリケーションソフトウェアを記憶してもよい。以下の説明において、端末装置200は、情報提供サーバ10から受け取った各種情報を、例えば、メモリ204に保存してもよい。
制御部205は、端末装置200における各種制御を行う。制御部205は、例えば、通信部203が情報提供サーバ10から受け取った情報をメモリ204に保存させる。制御部205は、例えば、ユーザーによる入力を入力部202に受け取らせてもよい。
また、制御部205は、例えば、センサ部201にユーザーの生体情報を検知させてもよい。制御部205は、センサ部201が検知したユーザーの生体情報、および、所定の一の識別番号の情報を、通信部203に送信させてもよい。制御部205は、情報提供サーバ10から送信される電子カルテの全ての情報のうち全部または一部の情報を、通信部203に受信させてもよい。制御部205は、受信された情報を出力部206に出力させてもよい。また、制御部205は、例えば、各種アプリケーションまたは情報提供サーバ10からの指示に基づいて、表示媒体に所定の情報を表示する機能を有してもよい。制御部205における、各種情報を表示媒体に表示させる機能は公知技術であるため、詳細な説明は省略する。
制御部205は、例えば、電気信号によって各部を制御する制御回路(control circuitry)であってもよい。具体的には、制御部205は、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路によって構成されてもよい。また、制御部205は、例えば、CPU(Central Processing Unit)またはMPU(Micro Processing Unit)などにより実現されてもよい。制御部205は、例えば、Webブラウザであってもよい。
出力部206は、ユーザーに対して情報を出力する機能を有してもよい。出力部206は、例えば、上述したように表示媒体であってもよい。表示媒体は、例えば、2次元ディスプレイでもよく、バーチャルリアリティー、ミックスドリアリティーなどにおける3次元ディスプレイであってもよい。2次元ディスプレイは、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどであってもよい。ディスプレイの種類は、本開示の範囲を限定しない。
また、出力部206は、例えば、上述したように音声ユーザーインターフェース機能を実現するデバイスであってもよい。係る場合、出力部206は、例えば、マイク、スピーカなどを有してもよい。出力部206の具体的構成は、本開示の範囲を限定しない。
なお、出力部206は、例えば、ユーザーに対して出力する情報を紙媒体で印刷する機能を有してもよい。例えば、出力部206は、通信部203が情報提供サーバ10から受信した電子カルテに含まれる全部または一部の情報を、紙媒体を用いて印刷することによって、ユーザーに提供する機能を有してもよい。
なお、以上の説明において、端末装置200が備えるセンサ部201などの各要素は、端末装置200に内蔵されるものとして説明したが、端末装置200に対して外付けされるものであってもよい。
電子カルテデータベース300は、複数の電子カルテのそれぞれと複数のID情報のそれぞれとを対応付けて記憶する。電子カルテは、後述するように、複数のユーザーのそれぞれの氏名などの基本情報、カルテ番号、保険種別、病歴などの情報を含んでもよい。電子カルテデータベース300は、複数のユーザーの電子カルテを記憶し、当該複数の電子カルテのそれぞれは、情報提供サーバ10から送信される各ユーザーを識別するユーザーID情報に基づいて一意に抽出可能であってもよい。
当該ID情報は、電子カルテに含まれるカルテ番号などの情報であってもよい。また、当該ID情報は、カルテ番号などとは別に、複数の電子カルテのそれぞれに対して固有に対応付けられた所定の番号であってもよい。係る場合、複数の電子カルテのそれぞれと、複数の所定の番号のそれぞれとは、電子カルテデータベース300において所定のテーブル情報によって管理されてもよい。また、当該ID情報は、後述するように、生体情報の特徴量データであってもよい。ID情報の具体的内容は、本サービスの提供者によって任意に設定されてもよく、本開示の範囲を限定しない。
なお、電子カルテデータベース300は、一または複数の装置またはサーバによって構成されてもよい。すなわち、電子カルテデータベース300が有する機能は、一の装置またはサーバに集約されてもよく、または、複数の装置またはサーバに分散されてもよい。電子カルテデータベース300の構成は、本開示の範囲を限定しない。
情報提供装置100において、通信部101は、端末装置200と通信ネットワーク400を介して通信する機能を有してもよい。具体的には、通信部101は、端末装置200における通信部203と通信ネットワーク400によって接続され、情報を送受信する機能を有してもよい。通信部101は、電子カルテデータベース300と通信ネットワーク400によって接続され、情報を送受信する機能を有してもよい。
通信ネットワーク400は、電気通信回線によって構成されるネットワークであってもよい。通信ネットワーク400は、有線通信ネットワークであっても、無線通信ネットワークであってもよい。通信ネットワーク400は、例えば、インターネット、専用回線、LAN(Local Area Network)等であってもよい。
通信部101は、センサ部201を有する端末装置200と通信ネットワーク400を介して通信する機能を有してもよい。通信部101および記憶装置110は、互いに有線ネットワークまたは無線ネットワークによって接続されてもよい。通信部101および記憶装置110は、通信ネットワーク400によって接続されてもよい。通信部101は、例えば、無線通信のためのアンテナを含む通信モジュールであってもよく、有線通信のための通信モジュールであってもよい。通信部101および記憶装置110を接続するネットワークの形態、規格などの仕様は、本開示の範囲を限定しない。
制御部102は、センサ部201によって検知されたユーザーの生体情報、及び、電子カルテに含まれる情報の複数の用途のそれぞれに予め対応した複数の識別番号のうち一の識別番号の情報を端末装置200から受信した場合、記憶装置110が記憶する複数のID情報を含む生体情報データベースと生体情報とを用いた生体認証を実行し、生体認証が実行できた場合において、一の識別番号が第1識別番号であるとき、複数の電子カルテのそれぞれと複数のID情報のそれぞれとを対応付けて記憶した電子カルテデータベース300を用いて、ユーザーの電子カルテの全ての情報のうち予め第1識別番号に対応付けられた第1範囲の情報を端末装置200に送信し、一方、一の識別番号が第2識別番号であるとき、電子カルテデータベース300を用いて、ユーザーの電子カルテの全ての情報のうち予め第2識別番号に対応付けられた第2範囲の情報を端末装置200に送信する機能を有してもよい。
制御部102は、電気信号によって各部を制御する制御回路であってもよい。具体的には、制御部102は、例えば、FPGAなどの集積回路によって構成されてもよい。また、制御部102は、例えば、CPUまたはMPUなどにより実現されてもよい。制御部102の機能の詳細については、後述する。
図1および図2において、記憶装置110は、例えば、情報提供サーバ10が実行する生体認証に用いられる、複数のID情報を含む生体情報データベースを記憶してもよい。生体情報データベースは、例えば、複数のユーザーのID情報のそれぞれと、当該複数のユーザーの生体情報の特徴を示すデータとを対応付けて管理するテーブル情報であってもよい。例えば、生体情報が顔画像情報であるとき、生体情報の特徴を示すデータは顔画像の特徴量データであってもよい。また、記憶装置110は、例えば、後述する複数の識別番号のそれぞれと電子カルテの全ての情報のうち当該識別番号に応じて提供される情報の範囲とを対応付けた第2テーブル情報を記憶してもよい。
記憶装置110は、各種アプリケーションソフトウェアを記憶してもよい。各種アプリケーションソフトウェアは、例えば、情報提供サーバ10が提供するサービスを、ユーザーの要求に応じて、端末装置200においてスタンドアロンで実行させるものであってもよい。また、各種アプリケーションソフトウェアは、例えば、クライアントPCにインストールされたWebブラウザに読み込んで動作させるHTML、CSS、JavaScript(登録商標)等のソースコードであってもよい。
以上、図1および図2を参照して、本実施形態に係る情報提供システム1、情報提供サーバ10、および、情報提供装置100の構成例について説明した。
本実施形態に係る情報提供システム1は、上記構成例によって本サービスを提供し、電子カルテの情報を、用途に応じ、且つ、所定の範囲において活用することに寄与する。
図3は、本発明の実施形態1に係る情報提供システム1によって提供されるサービスの概説の用に供する図である。以下、図3を参照して、本発明の実施形態に係る情報提供サーバ10が提供するサービスのうち、基本的なサービスの一例について説明する。
図3において、例えば、病院内において、一または複数の端末装置200が設置されてもよい。例えば、端末装置200aは患者の再来受付機として設置され、端末装置200bは病院内に設けられた薬局に設置されてもよい。係る場合、端末装置200aは、電子カルテに含まれる情報を再来受付用途に用いる端末であり、後述する所定の識別番号として、再来受付用途に対応した一の識別番号の情報をメモリ204aに保持してもよい。一方、端末装置200bは、電子カルテに含まれる情報を薬局用途に用いる端末であり、後述する所定の識別番号として、薬局受付用途に対応した一の識別番号の情報をメモリ204bに保持してもよい。
なお、各端末装置200は、上述のとおり専用機であってもよく、または汎用的なタブレット端末に所定のソフトウェアアプリケーションがインストールされた端末であってもよい。
係る場合において、例えば、端末装置200aは、センサ部201aを用いて再来患者であるユーザーの顔画像を検知したとき、メモリ204aに保持された一の識別番号の情報に基づき、および、顔画像情報を用いた生体認証の結果として、情報提供サーバ10から当該ユーザーの電子カルテの全情報のうち再来受付用途に対応した範囲の情報を受信し、受信した情報を出力部206aによってユーザーに提供してもよい。再来受付用途に対応した範囲の情報とは、例えば、後述するように電子カルテに含まれる全情報のうち、氏名情報、カルテ番号の情報の他、当日の予約時間、担当医の情報、診療室の場所情報など、再来患者にとって有益な情報であってもよい。
一方、係る場合において、例えば、端末装置200bは、センサ部201bを用いて薬局へ来訪したユーザーの顔画像を検知したとき、メモリ204bに保持された一の識別番号の情報に基づき、および、顔画像情報を用いた生体認証の結果として、情報提供サーバ10から当該ユーザーの電子カルテの全情報のうち薬局受付用途に対応した範囲の情報を受信し、受信した情報を出力部206bによってユーザーに提供してもよい。薬局受付用途に対応した範囲の情報とは、例えば、後述するように電子カルテに含まれる全情報のうち、少なくとも処方箋の情報など、薬局受付に来訪したユーザーにとって有益な情報であってもよい。
また、図3において、例えば、端末装置200aは第1薬局に設置され、端末装置200bは第2薬局に設置されてもよい。第1薬局および第2薬局は、病院の内外いずれに設置されてもよい。係る場合、端末装置200aおよび端末装置200bは、電子カルテに含まれる情報を処方箋用途に用いるための端末であり、それぞれが、後述する所定の識別番号として、処方箋用途に対応した識別番号の情報をメモリ204に保持してもよい。
なお、後述するように、端末装置200aおよび端末装置200bは、いずれも薬局に設置される端末であってもよいが、メモリ204に保持される識別番号は互いに異なってもよい。すなわち、ユーザーの電子カルテに含まれる全ての情報のうち、第1薬局に提供される情報の範囲と、第2薬局に提供される情報の範囲とは異なってもよい。
係る場合、例えば、第1薬局に設置された端末装置200aに対しては、識別番号に応じて、電子カルテに含まれる全情報のうち、氏名などの基本情報、および、処方箋データの全てが提供されてもよい。一方、例えば、第2薬局に設置された端末装置200bに対しては、識別番号に応じて、電子カルテに含まれる全情報のうち、氏名などの基本情報、および、処方箋データの一部のみが提供されてもよい。第1薬局および第2薬局に対する情報提供の範囲の差異は、例えば、薬局の受付に来訪したユーザーの要望、薬剤師の常駐の態様、本サービスに係る運営者または管理者と各薬局の管理者との間の契約など、任意の原因に基づいてもよい。
すなわち、情報提供サーバ10は、端末装置200を用いることによって、電子カルテの全情報のうち予め所定の用途に対応させた範囲の情報を出力させるというサービスをユーザーに提供する。これにより、電子カルテの情報を、用途に応じ、且つ、所定の範囲において活用することに寄与することができる。より具体的には、ユーザーは、所定の端末装置200において顔画像認証を実行させることによって、都度、用途に応じ、且つ、所定の範囲において電子カルテの情報を活用できる。終局的には、処方箋情報を紙媒体で持ち運ぶ手間、情報の一元管理、病院内情報のユーザーへの適切なタイミングでの提供に繋がる効果を併せて奏する。
なお、図3の説明における一例として、端末装置200aは再来受付用途に特化した専用機として、端末装置200bは薬局受付用途に特化した専用機として説明したが、その限りではない。後述するように、例えば、病院内において複数の用途に対応する汎用的な端末装置200が設置され、端末装置200が有する入力部202を用いた操作によってユーザーが用途を選択し、ユーザーによって選択された用途に対応する一の識別番号の情報に対応した範囲の電子カルテ情報が当該ユーザーに提供されてもよい。
また、図3の説明において、各端末装置200と、情報提供サーバ10および電子カルテデータベース300との物理的な位置関係および内包関係は一例であり、この限りではない。すなわち、情報提供サーバ10および電子カルテデータベース300のうち少なくとも一方が、例えば、病院施設内に設置されてもよく、または、情報提供サーバ10および電子カルテデータベース300は病院施設外に設置されてもよい。
さらに、本サービスにおける端末装置200は病院施設内に設置されている必要はなく、例えば、病院と関連する所定の施設に設置されてもよい。端末装置200の設置場所は本開示の範囲を限定しない。
なお、本サービスは、例えば、本サービスに係るアプリケーションソフトウェアが端末装置200において起動されることを起点として提供されてもよい。また、本サービスは、例えば、本サービスに係るWebサイトにユーザーがアクセスすることを起点として提供されてもよい。
なお、本サービスは、ユーザーの生体情報および所定の一の識別番号情報の受信を起点とし、電子カルテの全情報のうち当該一の識別番号に対応する範囲の情報を当該ユーザーに提供するものであればよく、サービスが提供される態様は本開示の範囲を限定しない。例えば、情報提供サーバ10がスタンドアロンで動作するアプリケーションソフトウェアを端末装置200に送信し、ダウンロードされた当該アプリケーションソフトウェアを用いて本サービスが実現されてもよい。
また、例えば、本サービスに係るアプリケーションソフトウェアがスマートフォンなどの端末装置200にインストールされ、インストールされたアプリケーションソフトウェアが起動されることを起点として、本サービスが実現されてもよい。係る場合、本サービスに係るアプリケーションソフトウェアは、例えば、図示しない所定のアプリケーション配布システムから、通信ネットワーク400を介して端末装置200へダウンロードされてもよい。所定のアプリケーション配布システムは、例えば、一または複数のアプリケーションソフトウェアを端末装置200へ提供するシステムであってもよい。なお、アプリケーションソフトウェアは、情報提供プログラムを意味してもよい。
以上、図3を用いて、本開示における情報提供方法、情報提供装置100、情報提供プログラム、および、情報提供プログラムを記録した記録媒体によって提供される本サービスの概要について説明した。
図4は、本発明の実施形態1に係る情報提供サーバ10と、端末装置200と、電子カルテデータベース300との間の情報の送受信および情報処理の手順の一例を示すシーケンス図である。以下、図4を主に参照して、情報提供サーバ10と、端末装置200と、電子カルテデータベース300との間で行われる情報の送受信、および、情報提供サーバ10、端末装置200、および、電子カルテデータベース300の各部において行われる情報処理について説明する。
なお、以下の説明において、情報提供サーバ10から端末装置200に対して送信された後にメモリ204に保存された各種プログラム等の情報またはデータによって、出力部206を用いて所定の情報がユーザーに提供されることは、情報提供サーバ10が直接的または間接的に所定の情報をユーザーに提供していることと同じである。
すなわち、本発明の実施形態においては、情報提供サーバ10から端末装置200へ提供された各種プログラムによる制御、および、情報提供サーバ10による制御を、情報提供サーバ10などによる制御と呼称してもよい。単に、情報提供サーバ10による制御と呼称される場合であっても、情報提供サーバ10などによる制御と同じ意味に解釈してもよい。
図4において、情報提供サーバ10は、端末装置200が有するセンサ部201によってユーザーの生体情報が検知されたとき(ステップS401)、通信ネットワーク400を介して、通信部101を用いて、当該ユーザーの生体情報および一の識別番号の情報を受け取ってもよい(ステップS402)。
ユーザーの生体情報は、上述したとおり、例えば顔画像情報であってもよい。係る場合、センサ部201はイメージセンサであってもよい。センサ部201が顔画像情報を検知するトリガーは上述したとおり入力部202を用いた所定の操作であってもよく、または、ユーザーがセンサ部201の所定の検知範囲に近づいたことであってもよい。
一の識別番号は、電子カルテに含まれる情報の複数の用途のそれぞれに予め対応した複数の識別番号のうち一の識別番号の情報であってもよい。
図5は、本発明の実施形態1に係る電子カルテに含まれる情報の一例を示す図である。図5に示すように、電子カルテには、例えば、項目1「カルテ番号」、項目2「氏名などの基本情報」、項目3「健康保険の種類を示す保険情報」、項目4「診療費支払い情報」、項目5「病歴情報」、項目6「診察履歴」、項目7「外来受付日時」、項目8「入院データ」、項目9「処方箋」、項目10「心電図の画像」などが含まれてもよい。
なお、カルテ番号は項目としてではなく、電子カルテそれぞれを特定するための情報として、各電子カルテと一対一に対応付けられる情報であってもよい。係る場合、カルテ番号は、電子カルテにおける複数の項目に含まれなくてもよい。
なお、電子カルテ500に含まれる情報の項目、情報、表示態様は一例であり、電子カルテ500の具体的内容は、本開示の範囲を限定しない。例えば、項目1「基本情報」、項目2「保険情報」、項目3「診療費支払い情報」、項目4「医師によるカルテ情報」、項目5「外来受付予約日時情報」、項目6「処方箋データ」、項目7「心電図の画像情報」などであってもよい。
本サービスにおいては、電子カルテ500に含まれる全ての情報のうち全部または一部の情報が、用途に応じてユーザーに提供される。係る用途は、例えば、再来受付における再来受付予約情報の提供、処方箋情報の提供、担当医に対するカルテ情報の提供、看護師に対するカルテ情報の提供、または、薬局受付者に対するカルテ情報の提供などであってもよい。係る複数の用途のそれぞれには、予め一の識別番号が付与されており、識別番号の情報の内容に基づいて、複数の用途のうち一の用途が一意に特定されてもよい。また、当該識別番号の情報が端末装置200と情報提供サーバ10との間において送受信されることによって、情報提供サーバ10が端末装置200を用いてユーザーに提供する情報の範囲を設定してもよい。
端末装置200が、例えば、病院内に設置された一の用途を目的とした専用端末である場合、複数の用途のうち当該一の用途を示す一の識別番号の情報が、端末装置200のメモリ204に記憶されていてもよい。一の用途とは例えば再来受付予約情報の提供であり、端末装置200は、再来受付機として機能するソフトウェアアプリケーションがインストールされた専用端末であってもよい。係る場合において、端末装置200がセンサ部201を用いてユーザーの顔画像情報を検知したとき、生体情報としての顔画像の情報、および、メモリ204に記憶された一の識別番号の情報が、通信ネットワーク400を介して、情報提供サーバ10に送信されてもよい。
すなわち、端末装置200は、一の識別番号に対応する用途を実現する第1ソフトウェアアプリケーションがインストールされた専用装置であり、当該一の識別番号は、端末装置200が有するメモリ204に記憶されている場合において、一の識別番号の情報は、生体情報が端末装置200から情報提供サーバ10に送信されるときに、生体情報に付随して送信されてもよい。なお、一の識別番号の情報と生体情報とが相互に対応していることが情報提供サーバ10において判定可能であればよく、一の識別番号の情報が送信されるタイミングと生体情報が送信されるタイミングとは、同一であってもよく、または、同一でなくてもよい。
一方、端末装置200が、例えば、複数の用途を選択可能であるソフトウェアアプリケーションがインストールされた汎用的な装置である場合、入力部202を用いたユーザーによる操作によって、端末装置200が有する表示媒体に表示された用途選択メニューから一の用途が選択されてもよい。例えば、メモリ204に記憶された複数の用途のそれぞれと複数の識別番号のそれぞれとを対応させたテーブル情報を用いて、ユーザーによって選択された一の用途に基づき、一の識別番号が特定されてもよい。
図6は、電子カルテに含まれる情報の用途と識別番号とを対応付ける第1テーブルの一例を示す図である。図6に示すように、電子カルテに含まれる情報の複数の用途のそれぞれと、複数の識別番号のそれぞれとは、第1テーブル600において一対一に対応付けられていてもよい。なお、図6に示す識別番号の具体的記載は一例であり、識別番号の付与方法、桁数などは、本開示の範囲を限定しない。
係る場合において、端末装置200がセンサ部201を用いてユーザーの顔画像情報を検知したとき、生体情報としての顔画像の情報、および、ユーザーによる操作によって特定された一の識別番号の情報が、通信ネットワーク400を介して、情報提供サーバ10に送信されてもよい。
すなわち、端末装置200は、端末装置200が有する入力部202を用いて複数の用途のうちから任意の一の用途を選択可能である第2ソフトウェアアプリケーションがインストールされた装置であって、複数の用途のそれぞれと複数の識別番号のそれぞれとを対応させた第1テーブル情報600が、端末装置200が有するメモリ204に記憶されている場合において、一の識別番号は、入力部202を用いて選択された一の用途に対応する情報であってもよい。
以上のように、情報提供サーバ10に対して送信される一の識別番号は、専用装置として機能する端末装置200から一意に送信される情報であってもよく、または、汎用的な装置として機能する端末装置200の入力部202を用いてユーザーが特定した用途に対応する一の識別情報であってもよい。なお、本開示において、情報提供サーバ10は、電子カルテに含まれる情報の複数の用途のうち一の用途に予め対応付けられた一の識別情報を受信すればよく、一の識別情報が特定される態様、仕様は本開示の範囲を限定しない。
なお、センサ部201はサーモグラフィ機能を有するイメージセンサであり、生体情報は顔画像情報を含む場合において、情報提供サーバ10は、端末装置200から、ユーザーの生体情報及び一の識別番号の情報と、さらに、当該ユーザーの体温情報とを受信したとき、当該体温情報をユーザーの電子カルテの情報に付加させてもよい。サーモグラフィ機能を有するイメージセンサは、例えば、サーマルカメラであってもよい。これにより、センサ部201による生体情報の検知と併せて、例えば、再来患者の当日の体温情報を検知でき、後の診療の手続を更に円滑化する効果を奏する。
図4に戻り、情報提供サーバ10は、記憶装置110が記憶する複数のID情報を含む生体情報データベースと生体情報とを用いた生体認証を実行してもよい(ステップS403)。
具体的には、例えば、生体情報データベースは、複数のID情報のそれぞれと、複数の特徴量データのそれぞれとを対応させて記憶していてもよい。情報提供サーバ10は、受信した顔画像情報から特徴量を抽出し、抽出された特徴量と、生体情報データベースに含まれる複数の特徴量データとに基づいて、生体認証を実行してもよい。
係る場合において、生体認証の実行に成功した場合、すなわち、生体情報データベースにおいて、受信した顔画像情報の特徴量に適合する情報が含まれる場合、情報提供サーバ10は、受信した顔画像情報に係るユーザーのID情報を特定してもよい。なお、特徴量抽出の情報処理技術、および、抽出された特徴量に基づいて一のユーザーID情報を特定する情報処理技術は、いずれも公知であるため、詳細な説明は省略する。
一方、情報提供サーバ10は、生体認証が実行できなかった場合、すなわち、生体情報データベースにおいて、受信した顔画像情報の特徴量に適合する情報が含まれない場合、当該ユーザーの生体情報が生体情報データベースに未登録であるか、又は、一の識別番号が無効であるかを示す第1メッセージを端末装置200に送信してもよい。これにより、生体情報の再検知、または、一の識別番号の再送信を端末装置200に促すことができる。
なお、ID情報は、例えば、本サービスにおいて付与された情報であってもよく、上述したとおり電子カルテに含まれるカルテ番号でもよく、公的に発行された所定の番号情報であってもよく、または、特徴量データそのものであってもよい。当該ID情報は、上述した電子カルテデータベース300に記憶される複数の電子カルテのそれぞれに対応して付与され、複数の電子カルテのうちから該当するユーザーの電子カルテを一意に抽出するために用いられる情報であればよく、ID情報の具体的な内容は、本サービスの提供者によって任意に設定されてもよく、本開示の範囲を限定しない。
なお、上記の説明においては、生体認証がユーザーのID情報を特定するために用いられたが、例えば、生体認証が、ユーザーのID情報の本人確認のために用いられてもよい。すなわち、例えば、ユーザーが、当該ID情報が記録されたカードをセンサ部201に検知させる、または、入力部202を用いて入力することによって、端末装置200から情報提供サーバ10に当該ID情報が更に送信される場合、情報提供サーバ10は、受信したID情報に基づき、生体情報データベースから当該ID情報に対応する特徴量データを抽出し、別途受信した生体情報を用いて本人認証をするための生体認証を実行してもよい。係る場合において、生体認証の実行が成功したときは、受信したID情報を、当該ユーザーのID情報であると特定してもよい。
また、上記の説明においては、生体認証は、顔画像情報から特徴量データを抽出するものとして説明したが、この限りではなく、顔画像情報に基づいてユーザーID情報を特定する情報処理であればよい。生体情報として顔画像情報を用いる場合における生体認証の情報処理の具体的内容は、本開示の範囲を限定しない。さらに、上記の説明においては、生体情報は顔画像情報であるとして説明したが、生体情報として指紋情報、虹彩情報が用いられ、指紋情報または虹彩情報を用いた生体認証が実行されてもよい。指紋情報または虹彩情報を用いた生体認証の情報処理は公知技術であるため、詳細な説明は省略する。
図4に戻り、情報提供サーバ10は、生体認証が実行できた場合において、一の識別番号が第1識別番号であるとき、複数の電子カルテのそれぞれと複数のID情報のそれぞれとを対応付けて記憶した電子カルテデータベース300を用いて、ユーザーの電子カルテの全ての情報のうち予め第1識別番号に対応付けられた第1範囲の情報を端末装置200に送信してもよく、一方、一の識別番号が第2識別番号であるとき、電子カルテデータベース300を用いて、ユーザーの電子カルテの全ての情報のうち予め第2識別番号に対応付けられた第2範囲の情報を端末装置200に送信してもよい(ステップS404からステップS406)。
以下、ステップS404からステップS406における情報処理および情報送受信の一例について説明する。
まず、情報提供サーバ10は、例えば、生体認証の実行によって特定したID情報を用いて、電子カルテデータベース300から当該ID情報に予め対応付けられた電子カルテの情報を受信してもよい(ステップS404)。電子カルテデータベース300は、例えば、複数の電子カルテのそれぞれと複数のID情報のそれぞれとを対応付けて記憶するデータベースであってもよい。
次に、情報提供サーバ10は、例えば、電子カルテデータベース300から受け取ったID情報に対応する一の電子カルテに含まれる全ての情報のうち、端末装置200から受信した一の識別番号の情報に対応して予め定められた範囲の情報を抽出してもよい(ステップS405)。具体的には、例えば、情報提供サーバ10は、端末装置200から受信した一の識別番号の情報と、図7に示す第2テーブル情報とを用いて、電子カルテの全ての情報から全部または一部の情報を抽出してもよい。第2テーブル情報は、記憶装置110に記憶されていてもよい。
図7は、複数の識別番号のそれぞれと電子カルテの全ての情報のうち識別番号に応じて提供される情報の範囲とを対応付けた第2テーブルの一例を示す図である。図7に示すように、第2テーブル情報は、例えば、複数の識別番号のそれぞれと、抽出されるデータの範囲とを対応付けた情報であってもよい。抽出されるデータの範囲は、例えば、図7に示すように、電子カルテ500に含まれる一または複数の項目が列挙されていてもよい。
なお、抽出されるデータの範囲の規定の方法、仕様、記載の態様は、この限りではなく、本開示の範囲を限定しない。例えば、一の識別番号の情報に基づき、所定の演算式を用いることによって、電子カルテの全情報のうち抽出される範囲が算出されてもよい。
図7において、例えば、識別番号「A1」は用途「再来予約情報の提供」であり、識別番号「A2」は用途「処方箋情報の提供」であり、また、識別番号「A3」は用途「担当医に対するカルテ情報の提供」であってもよい。係る場合において、識別番号「A1」に対応する抽出情報は、例えば、項目1「カルテ番号」、項目2「基本情報」、および、項目7「外来受付日時」であってもよい。また、識別番号「A2」に対応する抽出情報は、例えば、項目1「カルテ番号」、項目2「基本情報」、項目3「保険情報」、および、項目9「処方箋情報」であってもよい。また、識別番号「A3」に対応する抽出情報は、電子カルテに含まれる全情報であってもよい。
このように、例えば、第2テーブル情報に基づいて抽出された電子カルテの全部または一部の情報は、情報提供サーバ10によって端末装置200に送信されてもよい(ステップS406)。
すなわち、情報提供サーバ10は、生体認証が実行できた場合、生体認証の認証結果に基づいて、電子カルテデータベース300に記憶されるユーザーの電子カルテの全ての情報を受け取り、記憶装置110が記憶する複数の識別番号のそれぞれと電子カルテの全ての情報のうち識別番号に応じて提供される情報の範囲とを対応付けた第2テーブル情報を用いて、第1範囲の情報又は第2範囲の情報を端末装置200に送信してもよい。
なお、情報提供サーバ10は、生体認証が実行できた場合、複数の電子カルテのそれぞれと複数のID情報のそれぞれとを対応付けた電子カルテデータベース300が記憶する当該ユーザーの電子カルテの全ての情報を受け取ったとき、複数の識別番号のそれぞれを用いて電子カルテの全ての情報のうち識別番号に対応する範囲の情報を特定可能である第1特定データベースに基づき、ユーザーの電子カルテの全ての情報のうちから一の識別番号に対応する範囲の情報を抽出してもよい。
第1特定データベースは、例えば、複数の識別番号のそれぞれと、電子カルテの全ての情報のうち識別番号に対応する範囲の情報との関係を、上記第2テーブルなど所定のテーブルによって管理するリレーショナルデータベースであってもよい。また、第1特定データベースは、例えば、非リレーショナルデータベースであってもよい。データベースの構造またはモデルは一例であって、その具体的内容は本開示の範囲を限定しない。
係る場合、情報提供サーバ10は、受信した当該ユーザーの電子カルテに含まれる全ての情報のうちから、一の識別番号に対応する範囲を抽出してもよい。例えば、情報提供サーバ10は、一の識別番号が第1識別番号であるとき、ユーザーの電子カルテの全ての情報のうちから第1識別番号に対応する第1範囲の情報を抽出し、一方で、一の識別番号が第2識別番号であるとき、ユーザーの電子カルテの全ての情報のうちから第2識別番号に対応する第2範囲の情報を抽出してもよい。係る場合、第1範囲の情報のうち、一部の情報は第2範囲と重複し、一部の情報以外の情報は第2範囲と重複しなくてもよい。
具体的には、図7に示すように、当該一の識別番号が「A2」であるとき、項目1から項目3、および、項目9に対応する情報が抽出されてもよい。一方、当該一の識別番号が「A3」であるとき、項目1から項目3、および、項目4に対応する情報が抽出されてもよい。すなわち、識別番号「A2」に対応する第1範囲の情報のうち、一部の情報が、識別番号「A3」に対応する第2範囲と重複し、一部の情報以外の情報は第2範囲と重複しなくてもよい。
このように、例えば、電子カルテデータベース300が複数のデータベースによって構成された場合においても、情報提供サーバ10は、複数のデータベースに保持された情報を横断的に抽出することができる。すなわち、複数のデータベースのそれぞれが保持する情報を、電子カルテデータの用途別に管理しなくても、情報提供サーバ10は、識別番号に応じた範囲の情報を抽出できるため、電子カルテデータベース300の構造またはモデルを柔軟に設定することができる。
また、例えば、電子カルテが複数の項目を有し、電子カルテデータベース300は複数のデータベースを含み、複数の項目のそれぞれは項目ごとに複数のデータベースに記憶される場合において、情報提供サーバ10は、生体認証が実行できたとき、複数のデータベースにおいて項目ごとに記憶されたユーザーの電子カルテの全ての情報を受け取り、一の識別番号に対応する範囲の情報は、複数のデータベースのうち第1データベースに記憶された情報、及び、第2データベースに記憶された情報を含んでもよい。
具体的には、例えば、上述したように、電子カルテデータが、項目1「基本情報」、項目2「保険情報」、項目3「診療費支払い情報」、項目4「医師によるカルテ情報」、項目5「外来受付予約日時情報」、項目6「処方箋データ」、項目7「心電図の画像情報」を含み、カルテ番号と各項目とが対応付けられた複数のデータベースに項目ごとに保持される場合において、情報提供サーバ10が受け取った識別番号が図7に示す識別番号「A5」であるとき、当該識別番号に対応する範囲の情報は、複数のデータベースのうち、項目2に対応する情報を保持するデータベース、および、項目7に対応する情報を保持するデータベースのそれぞれが記憶する情報を含む。
このように、例えば、電子カルテデータベース300が複数のデータベースによって構成され、複数のデータベースのそれぞれが項目ごとに設けられたデータベースである場合においても、情報提供サーバ10は、複数のデータベースに保持された情報を横断的に抽出することができるため、電子カルテデータベース300の構造またはモデルを柔軟に設定することができる。
そして、上述と同様に、情報提供サーバ10は、当該抽出された情報を端末装置200に送信してもよい。
なお、図4においては、情報提供サーバ10が、一の識別番号が第1識別番号であるとき、電子カルテデータベース300を用いて、ユーザーの電子カルテの全ての情報のうち予め第1識別番号に対応付けられた第1範囲の情報を端末装置200に送信し、一の識別番号が第2識別番号であるとき、電子カルテデータベース300を用いて、ユーザーの電子カルテの全ての情報のうち予め第2識別番号に対応付けられた第2範囲の情報を端末装置200に送信する情報処理について、ステップS404からステップS406に相当するものとして説明したが、例えば、図8に示すシーケンス図における手順に従ってもよい。
図8は、本発明の実施形態1に係る情報提供サーバ10と、端末装置200と、電子カルテデータベース300との間の情報の送受信および情報処理の手順の他の例を示すシーケンス図である。
図8において、情報提供サーバ10は、生体認証が実行できた場合において、一の識別番号が第1識別番号であるとき、複数の電子カルテのそれぞれと複数のID情報のそれぞれとを対応付けて記憶した電子カルテデータベース300を用いて、ユーザーの電子カルテの全ての情報のうち予め第1識別番号に対応付けられた第1範囲の情報を端末装置200に送信してもよく、一方、一の識別番号が第2識別番号であるとき、電子カルテデータベース300を用いて、ユーザーの電子カルテの全ての情報のうち予め第2識別番号に対応付けられた第2範囲の情報を端末装置200に送信してもよい(ステップS801およびステップS406)。
具体的には、例えば、電子カルテデータベース300は、ユーザーの電子カルテの他、当該電子カルテの情報のうち、識別番号「A1」に対応する範囲の情報、識別番号「A2」に対応する範囲の情報、識別番号「A3」に対応する範囲の情報などを記憶していてもよい。係る場合、情報提供サーバ10は、ID情報および識別番号を用いて、当該ユーザーの電子カルテの全情報のうち識別番号に応じた範囲の情報を、電子カルテデータベース300から受け取ってもよい(ステップS801)。なお、ステップS406における情報処理は図4と同様であるため、説明は省略される。
すなわち、電子カルテデータベース300がユーザーの電子カルテに対応させて第1範囲の情報及び第2範囲の情報を記憶している場合において、情報提供サーバ10が生体認証を実行できたとき、情報提供サーバ10は、一の識別番号の情報を用いて、第1範囲の情報又は第2範囲の情報を電子カルテデータベース300から受け取り、第1範囲の情報又は第2範囲の情報を端末装置200に送信してもよい。
以上のように、図4および図8において、電子カルテの全ての情報のうち一の識別番号に応じた範囲の情報を受信した端末装置200は、出力部206を用いて、当該受信した情報をユーザーに提供できる(ステップS407)。すなわち、情報提供サーバ10は、端末装置200および電子カルテデータベース300を用いて、ユーザーに対して、電子カルテの全ての情報のうち、用途に応じた所定範囲の情報をユーザーに提供することができる。
具体的には、例えば、識別番号が「A1」のとき、図9に示すように、ユーザーは再来受付予約を確認するための情報の提供を受けることができる。また、例えば、識別番号が「A2」のとき、図10に示すように、ユーザーは薬局において円滑に処方箋情報の提供を受けることができる。
以上、図4から図10を参照して、情報提供サーバ10と、端末装置200と、電子カルテデータベース300との間で行われる情報の送受信、および、情報提供サーバ10、端末装置200、および、電子カルテデータベース300の各部において行われる情報提供について説明した。
なお、本サービスを端末装置200において実行させるための各種プログラムは適宜、情報提供サーバ10から端末装置200へ送信されてもよい。本サービスを実行させるための各種プログラムが端末装置200へ送信されるタイミングは本発明を限定しない。Webサイトの場合、サービスの提供開始時点において、基本機能を実現する各種プログラムの送信を完了してもよい。本サービスに係るWebサイト上の各ページ、または、所定のアプリケーションソフトウェア上の各ページはスクロールすることができてもよい。
なお、上記説明においては、例えば、一の識別番号が、処方箋情報の提供という用途に対応するものとして説明したが、複数の識別番号が、処方箋情報の提供という用途に対応してもよい。なお、処方箋情報と処方箋データとは互いに読み替え可能であってもよい。
具体的には、例えば、複数の識別番号のうち第1識別番号および第2識別番号が処方箋情報の提供という用途に対応する識別番号である場合において、第1識別番号に対応する第1範囲の情報が、処方箋データに対応する全ての情報を含み、第2識別番号に対応する第2範囲の情報が、処方箋データに対応する情報の一部のみを含んでもよい。
係る場合、一の識別番号として第1識別番号を送信する端末装置200は、例えば、薬剤師が常駐する薬局に設置されていてもよく、一方、一の識別番号として第2識別番号を送信する端末装置200は、例えば、薬剤師が常駐していない薬局に設置されてもよい。また、薬局に設置された端末装置200において、入力部202を用いて、第1識別番号および第2識別番号のうち何れを情報提供サーバ10に送信するかが選択可能であってもよい。例えば、当該選択は、ユーザーの希望に基づくものであってもよい。第1識別番号を送信する端末装置200と、第2識別情報を送信する端末装置200との設置環境の差異は、任意に設定可能であってもよい。
なお、当該説明においては、処方箋データの項目を例としたが、その限りではなく、その他の所定の項目に対して適用されてもよい。
すなわち、電子カルテが第1項目を含む複数の項目を有する場合において、情報提供サーバ10は、一の識別番号が第1識別番号であるとき、ユーザーの第1項目に対応する全ての情報を含む第1情報を端末装置200に送信し、一方で、一の識別番号が第2識別番号であるとき、ユーザーの第1項目に対応する情報のうち一部の情報、及び、第1情報のうちユーザーの第1項目に対応する全ての情報以外の情報を端末装置200に送信してもよい。係る場合、第1情報のうちユーザーの第1項目に対応する全ての情報以外の情報は、ブランクであってもよい。
換言すると、電子カルテが複数の項目を有する場合において、情報提供サーバ10は、一の識別番号が第1識別番号であるとき、ユーザーの電子カルテの全ての情報のうちから第1識別番号に対応する第1範囲の情報を抽出し、一方で、一の識別番号が第2識別番号であるとき、ユーザーの電子カルテの全ての情報のうちから第2識別番号に対応する第2範囲の情報を抽出し、第1範囲の情報は、第1項目の情報の全部の情報を含み、第2範囲の情報は、第1項目の情報のうち一部のみを含んでもよい。
このように、識別番号に応じて、所定の項目に対応する全ての情報のうち、全ての情報を端末装置200に送信するか、または、一部の情報を端末装置200に送信するかを選択可能とすることで、電子カルテに含まれる情報のうち必要な情報のみを提供可能とすることができる。
図11は、本発明の実施形態1に係る情報提供サーバの動作の流れの一例を示すフロー図である。図12は、本発明の実施形態1に係るフロー図の一例における情報処理ステップの詳細の一例を示す図である。以下、図11および図12を参照して、本実施形態に係る情報提供サーバ10の基本動作の処理手順について説明する。
なお、下記に説明される各フロー図は、本開示に係る情報提供サーバ10の動作の処理手順について説明するために必要なステップを例示として記載しているにすぎない。本発明の実施形態における機能が発揮される範囲において、各フロー図の各ステップの間に他の動作の処理に関するステップが適切に挿入されることを妨げるものではない。フロー図におけるイベント処理は、端末装置200によって行われてもよく、または、情報提供サーバ10によって行われてもよい。すなわち、イベント発生またはイベント処理の主体は本発明を限定しない。
以上のフロー図に関する説明は、下記で説明されるフロー図において適用されてもよい。
図11において、情報提供サーバ10は、例えば、センサ部201によって検知されたユーザーの生体情報、及び、電子カルテに含まれる情報の複数の用途のそれぞれに予め対応した複数の識別番号のうち一の識別番号の情報を端末装置200から受信したか否かを判定する(ステップS1101)。情報提供サーバ10は、生体情報および識別番号の情報を受信しない場合(ステップS1101:NO)、待機してもよい。
一方、情報提供サーバ10は、端末装置200から生体情報および一の識別番号の情報を受け取った場合(ステップS1101:YES)、例えば、記憶装置110が記憶する複数のID情報を含む生体情報データベースと当該生体情報とを用いた生体認証が実行可能か否かを判定してもよい(ステップS1102)。
次に、情報提供サーバ10は、生体認証が実行可能であった場合(ステップS1102:YES)、例えば、受信した一の識別番号に基づき、電子カルテの全情報のうち当該一の識別番号に予め対応付けられた範囲の情報を端末装置200に送信してもよい(ステップS1103)。
より具体的には、例えば、情報提供サーバ10は、生体認証が実行できた場合において、一の識別番号が第1識別番号であるとき、複数の電子カルテのそれぞれと複数のID情報のそれぞれとを対応付けて記憶した電子カルテデータベース300を用いて、ユーザーの電子カルテの全ての情報のうち予め第1識別番号に対応付けられた第1範囲の情報を端末装置200に送信し、一方、一の識別番号が第2識別番号であるとき、電子カルテデータベース300を用いて、ユーザーの電子カルテの全ての情報のうち予め第2識別番号に対応付けられた第2範囲の情報を端末装置200に送信してもよい。
図12に示すように、例えば、情報提供サーバ10は、一の識別番号が第1識別番号であるか否かを判定し(ステップS1201)、当該一の識別番号が第1識別番号であったとき(ステップS1201:YES)、第1範囲の情報を端末装置200に送信してもよい(ステップS1202)。一方、情報提供サーバ10は、一の識別番号が第1識別番号ではない場合(ステップS1201:NO)、当該一の識別番号が第2識別番号であるか否かを判定してもよい(ステップS1203)。情報提供サーバ10は、当該一の識別番号が第2識別番号であったとき(ステップS1203:YES)、第2範囲の情報を端末装置200に送信してもよい(ステップS1204)。
なお、図12においては、情報提供サーバ10は、受信した一の識別番号が第1識別番号であるか否かを判定した後に、第2識別番号であるか否かを判定しているが、その順序は逆であってもよく、または、並列処理によって実質的に同時であってもよい。すなわち、情報提供サーバ10が端末装置200から受信した一の識別番号が複数の識別番号のうちいずれに該当するかを判定する具体的な処理内容は、任意に設計可能であり、本開示の範囲を限定しない。
図11に戻り、情報提供サーバ10は、例えば、生体認証が実行できなかった場合(ステップS1102:NO)、ユーザーの生体情報が生体情報データベースに未登録であるか、又は、一の識別番号が無効であるかを示す第1メッセージを端末装置200に送信してもよい(ステップS1104)。
以上、図11および図12を参照して、実施形態1に係る情報提供サーバ10の処理手順の一例について説明した。
以上のように、本実施形態に係る情報提供サーバ10を用いた情報提供方法は、センサ部201を有する端末装置200と通信ネットワーク400によって接続された情報提供サーバ10を備える情報提供システム1における情報提供方法であって、情報提供サーバ10が、センサ部201によって検知されたユーザーの生体情報、及び、電子カルテに含まれる情報の複数の用途のそれぞれに予め対応した複数の識別番号のうち一の識別番号の情報を端末装置200から受信した場合、記憶装置110が記憶する複数のID情報を含む生体情報データベースと生体情報とを用いた生体認証を実行し、生体認証が実行できた場合において、一の識別番号が第1識別番号であるとき、複数の電子カルテのそれぞれと複数のID情報のそれぞれとを対応付けて記憶した電子カルテデータベース300を用いて、ユーザーの電子カルテの全ての情報のうち予め第1識別番号に対応付けられた第1範囲の情報を端末装置200に送信し、一方、一の識別番号が第2識別番号であるとき、電子カルテデータベース300を用いて、ユーザーの電子カルテの全ての情報のうち予め第2識別番号に対応付けられた第2範囲の情報を端末装置200に送信してもよい。
これにより、電子カルテの情報を、用途に応じ、且つ、所定の範囲において活用することに寄与することができる。
なお、上記説明においては、所定の識別番号が情報提供サーバ10に対して送信された場合において、ユーザーである患者の担当医が、電子カルテの全ての情報を閲覧できるものとして説明したが、例えば、図6における識別番号「A1」を情報提供サーバ10が受信した場合において、生体認証が実行できたとき、電子カルテの情報に含まれる担当医の情報と、例えば、記憶装置110に記憶された複数のアドレス情報とに基づき、当該ユーザーの電子カルテの全ての情報が当該担当医のアドレス宛に送信されてもよい。
すなわち、端末装置200は病院内に設置された装置であって、ユーザーは病院内への来訪者である場合において、情報提供サーバ10は、生体認証が実行できた場合、記憶装置110が記憶する一又は複数のアドレス情報を用いて、ユーザーの電子カルテの情報に含まれる担当医の情報に対応するアドレスに対してユーザーの電子カルテの全ての情報を送信してもよい。
これにより、例えば、外来患者が再来受付予約情報の提供を受けることに対応して、当該外来患者の担当医が電子カルテの全ての情報を受け取ることができるため、さらに、病院内における手続が円滑化される効果を奏する。
なお、上記説明においては、情報提供サーバ10は、ユーザーの生体情報および一の識別番号の情報を端末装置200から受信するものとして説明したが、さらに、ラベル情報または自然言語情報などの付記情報を端末装置200から受信してもよい。
図13は、本発明の実施形態1に係る情報提供サーバ10の動作の流れの他の例を示すフロー図である。以下、図13を参照して、本実施形態に係る情報提供サーバ10の基本動作の他の例の処理手順について説明する。なお、図11および図12と重複する説明については、詳細な説明を省略する。すなわち、図13に示すフロー図において、図11および図12に係る説明が適用されてもよい。
図13において、情報提供サーバ10は、例えば、センサ部201によって検知されたユーザーの生体情報、および、識別番号の情報を端末装置200から受信したか否かを判定してもよい(ステップS1101)。情報提供サーバ10は、生体情報および識別番号の情報を受信しない場合(ステップS1101:NO)、これらの情報を受信するまで待機してもよい。
一方、情報提供サーバ10は、端末装置200から生体情報および識別番号の情報を受け取った場合(ステップS1101:YES)、上述のように、生体認証が実行可能か否かを判定し(ステップS1102)、生体認証が実行可能であった場合(ステップS1102:YES)、電子カルテデータベース300が記憶するユーザーの電子カルテの全ての情報を受け取ってもよい(ステップS1301)。なお、生体認証が実行不可能であった場合(ステップS1102:NO)、上述したとおり、所定のメッセージが端末装置200に対して送信されてもよい(ステップS1104)。
次に、情報提供サーバ10は、生体情報および一の識別番号と併せて、さらに、自然言語情報などの付記情報を端末装置200から受信したか否かを判定してもよい(ステップS1302)。付記情報とは、情報の内容に基づいて電子カルテに含まれる全ての情報のうちから一部の情報を特定するための情報であってもよい。また、例えば、付記情報とは、ユーザーの電子カルテデータの全ての情報のうちから一の識別番号に対応する範囲として抽出された情報を、さらに限定するための情報であってもよい。詳細は後述する。
なお、図13においては、生体情報および識別番号の情報の受信の有無と、付記情報の受信の有無とを、ステップS1101およびステップS1302の2段階に分けて判定するものとして説明するが、その限りではない。例えば、情報提供サーバ10は、生体情報、識別番号の情報、および、付記情報の受信の有無を一のステップにおいて判定してもよい。
次に、情報提供サーバ10は、付記情報を受信したと判定した場合(ステップS1302:YES)、上述した第1特定データベースに基づき、ユーザーの電子カルテの全ての情報のうちから、受信した識別番号に対応する範囲に含まれ、且つ、受信した付記情報によって特定される情報を抽出してもよい(ステップS1303)。
付記情報は、例えば、ラベル情報であってもよい。電子カルテに含まれる全ての情報のうち少なくとも一部の情報のそれぞれに対して、予め一又は複数の所定のラベルが情報の内容に応じて付され、情報提供サーバ10は、付記情報が示すラベルに対応するラベルが付された情報を、電子カルテの全ての情報のうちから特定してもよい。係る場合、情報提供サーバ10は、受信した識別番号に応じて抽出された情報のうちから、付記情報が示すラベルに対応するラベルが付された情報を特定してもよい。または、情報提供サーバ10は、受信した識別番号に応じて抽出された情報であって、且つ、電子カルテの全ての情報のうち付記情報が示すラベルに対応するラベルが付された情報を特定してもよい。
また、付記情報は、例えば、所定の自然言語情報であってもよい。情報提供サーバ10は、所定の自然言語情報の内容と、電子カルテに含まれる各情報とを対応付けたデータベースを参照し、付記情報が示す所定の自然言語情報に対応する情報を、電子カルテの全ての情報のうちから特定してもよい。係る場合、情報提供サーバ10は、受信した識別番号に応じて抽出された情報のうちから、付記情報が示す所定の自然言語情報に対応する情報を特定してもよい。または、情報提供サーバ10は、受信した識別番号に応じて抽出された情報であって、且つ、電子カルテの全ての情報のうち付記情報が示す所定の自然言語情報に対応する情報を特定してもよい。
なお、自然言語情報は、例えば、端末装置200に備わる入力部202によって入力された文字情報または音声情報であってもよい。音声情報は、端末装置200において音声認識処理が実行されて文字情報に変換されてもよく、または、情報提供サーバ10において音声認識処理が実行されて文字情報に変換されてもよい。
一方、情報提供サーバ10は、付記情報を受信していないと判定した場合(ステップS1302:NO)、上述した第1特定データベースに基づき、ユーザーの電子カルテの全ての情報のうちから、受信した識別番号に対応する範囲の情報を抽出してもよい(ステップS1304)。
そして、情報提供サーバ10は、ユーザーの電子カルテの全ての情報のうちから抽出した情報を端末装置200に対して送信してもよい(ステップS1305)。
具体的には、例えば、識別番号が示す電子カルテに含まれる情報の用途が薬局における処方箋情報の提供である場合、薬局に来訪したユーザーの症状、薬剤師または担当者の判断、提示された過去の処方箋などの情報に基づいて付記情報が入力部202によって設定され、設定された付記情報が、生体情報および識別番号と併せて情報提供サーバ10に送信されてもよい。係る場合、情報提供サーバ10は、ユーザーの電子カルテの全ての情報のうち、当該識別番号に対応する処方箋データを抽出し、さらに、付記情報が示す例えば「胃痛」を示すラベルまたは「胃痛」という自然言語情報などに基づき、ラベルまたは上記データベースを用いて、処方箋データの一部の情報を抽出してもよい。そして、情報提供サーバ10は、処方箋データのうち「胃痛」に対応する情報のみを端末装置200に送信してもよい。
以上のように、情報提供サーバ10がユーザーの生体情報及び一の識別番号の情報と、さらに、情報の内容に基づいて電子カルテに含まれる全ての情報のうちから一部の情報を特定する付記情報とを受信した場合、情報提供サーバ10は、生体認証が実行できたとき、ユーザーの電子カルテの全ての情報のうちから、一の識別番号に対応する範囲の情報であって、且つ、付記情報に基づいて特定される情報を抽出して端末装置200に送信してもよい。
これにより、電子カルテに含まれる情報の用途だけでなく、さらに、情報の内容に鑑みて抽出する範囲を限定することができるため、外部に提供される電子カルテの情報の範囲を必要最小限におさえることができる。
なお、情報提供サーバ10は、ユーザーの電子カルテの全ての情報のうちから一の識別番号に対応する範囲の情報を抽出した場合において、抽出された情報がブランクであるとき、記憶装置110が記憶する第2メッセージ情報を端末装置200に送信してもよい。
具体的には、例えば、端末装置200が空港などの所定施設に設置された装置である場合において、端末装置200から情報提供サーバ10に対して送信される識別番号が、飛行機に搭乗するユーザーの直近の健康状態を判定する用途を示すものであるとき、情報提供サーバ10は、当該識別番号に対応した範囲の情報として、当該ユーザーの電子カルテの全ての情報から例えば項目5「外来受付予約日時情報」の情報を抽出してもよい。当該ユーザーが、直近において外来受付予約をしていない場合、抽出された情報はブランクであってもよく、係る場合、情報提供サーバ10は、記憶装置110が記憶する所定の第2メッセージを端末装置200に送信してもよい。所定の第2メッセージは、例えば、直近において外来受付予約のデータが存在しないことを示す情報であってもよい。
これにより、電子カルテの情報に基づく判定情報を端末装置200に共有しつつ、電子カルテの情報の閲覧を防ぐことができる。
なお、情報提供サーバ10は、新規の識別番号の情報と、当該新規の識別番号の情報に対応付けられた範囲の情報を受信したとき、上記の第1特定データベースを更新してもよい。具体的には、例えば、病院などの医療機関と新規に提携した所定の施設に設置された端末装置200において、電子カルテに含まれる情報のうち一部の情報を閲覧可能とする場合、本サービスの管理者などが所定の操作を行うことによって、記憶装置110に記憶される第1特定データベースを更新してもよい。更新される具体的な内容は、新規の識別番号の設定と、当該新規の識別番号の情報に対応付けられた範囲の設定であってもよく、情報提供サーバ10は、これらの情報を受信したとき、第1特定データベースを更新させてもよい。
また、同様に、情報提供サーバ10は、第1特定データベースに含まれる第3識別番号の情報と、当該第3識別番号の情報に対応付けられた範囲の情報を受信したとき、第1特定データベースに含まれる第3識別番号に対応する範囲の情報を更新してもよい。
このように、電子カルテに含まれる情報を用途ごとに識別番号で管理することによって、新規の用途が発生した場合においても、電子カルテデータベース300の構造を物理的に更新することなく、ソフトウェア処理によって新規の用途を設定できる。
なお、情報提供サーバ10は、第1ユーザーの第1生体情報、一の識別番号の情報、及び、第2ユーザーの第2生体情報を端末装置200から受信した場合において、第1生体情報を用いた生体認証、及び、第2生体情報を用いた生体認証を実行し、第1生体情報及び第2生体情報のそれぞれを用いた生体認証が実行できたとき、第1ユーザーの電子カルテの全ての情報、及び、第2ユーザーの電子カルテの全ての情報を受け取り、第1特定データベースに基づき、第1ユーザーの電子カルテの全ての情報のうちから一の識別番号に対応する範囲の情報を抽出して端末装置200に送信してもよい。
具体的には、例えば、薬局に設置された端末装置200に備えられたセンサ部201がカメラである場合、端末装置200は、カメラの撮像部から所定範囲に存在し、第1距離に存在する第1ユーザーの顔画像の情報、および、第1距離より遠い第2距離に存在する第2ユーザーの顔画像の情報を取得し、第1ユーザーの生体情報である顔画像の情報、第2ユーザーの生体情報である顔画像の情報、および、識別番号の情報を情報提供サーバ10に対して送信してもよい。係る場合、第1ユーザーの顔画像の情報、および、第2ユーザーの顔画像の情報のうち少なくとも一方に、第1ユーザーと第2ユーザーのうちいずれが先に電子カルテの情報が提供される対象であるかを示す情報が付加されてもよい。
情報提供サーバ10は、第1ユーザーの顔画像の情報、第2ユーザーの顔画像の情報、および、識別番号の情報を受け取ったとき、第1ユーザーの顔画像の情報である第1生体情報を用いた生体認証、および、第2ユーザーの顔画像の情報である第2生体情報を用いた生体認証を実行してもよい。情報提供サーバ10は、第1生体情報および第2生体情報のそれぞれを用いた生体認証が実行できたとき、第1ユーザーの電子カルテの全ての情報、及び、第2ユーザーの電子カルテの全ての情報を受け取り、第1ユーザーと第2ユーザーのうちいずれが先に電子カルテの情報が提供される対象であるかを示す情報に基づいて、第1ユーザーの電子カルテの全ての情報のうちから、受信した識別番号に対応する範囲の情報を抽出してもよい。
このように、第1ユーザーの電子カルテの全ての情報のうちから識別番号に対応する範囲の情報を抽出して端末装置200に対して送信する前に、第1ユーザーの次に電子カルテの情報を提供する対象である第2ユーザーの生体認証を実行して第2ユーザーの電子カルテの全ての情報を受信しておくことによって、第2ユーザーに対する電子カルテの情報提供を迅速に行うことができる。
なお、実施形態の説明において、各機能および各情報提供に関する公知技術の説明は省略している。
(コンピュータのハードウェア構成の一例)
実施形態における各部の機能は、プログラムにより実現されてもよい。
すなわち、本発明の一態様に係る情報提供プログラムは、センサ部201を有する端末装置200と通信ネットワーク400を介して通信する通信処理と、センサ部201によって検知されたユーザーの生体情報、及び、電子カルテに含まれる情報の複数の用途のそれぞれに予め対応した複数の識別番号のうち一の識別番号の情報を端末装置200から受信した場合、記憶装置110が記憶する複数のID情報を含む生体情報データベースと生体情報とを用いた生体認証を実行し、生体認証が実行できたとき、複数の電子カルテのそれぞれと複数のID情報のそれぞれとを対応付けた電子カルテデータベース300が記憶するユーザーの電子カルテの全ての情報を受け取り、複数の識別番号のそれぞれを用いて電子カルテの全ての情報のうち識別番号に対応する範囲の情報を特定可能である第1特定データベースに基づき、ユーザーの電子カルテの全ての情報のうちから一の識別番号に対応する範囲の情報を抽出し、抽出された情報を端末装置200に送信する制御処理と、をコンピュータに実行させるようにしてもよい。
係る場合におけるコンピュータのハードウェア構成の一例を図14に示す。
図14に示すように、コンピュータ9000は、例えば、CPU(Central Processing Unit)9001、RAM(Random Access Memory)9002、ROM(Read Only Memory)9003、記憶装置9004、入出力インターフェース(I/F)9005、読取インターフェース(I/F)9006、通信インターフェース(I/F)9007を有する。上述した各部はバス9008を介して、直接的に、または、間接的に接続される。
記憶装置9004は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等である。コンピュータ9000は、入出力インターフェース9005を介して、入出力(I/O)装置9009と接続される。入出力装置9009は、磁気ディスク装置等の入力機能および出力機能を有する装置の他、入力機能が主機能である入力装置、出力機能が主機能である出力装置を含む。入力装置は、例えば、入力キー、マウス、タッチパネル、スキャナである。出力装置は、例えば、ディスプレイ、スピーカ、プリンタである。
読取インターフェース9006は、記録媒体9010に記録されたプログラムまたはデータを読み取る。記録媒体9010は、例えば、半導体メモリ、光学記録媒体、磁気記録媒体、光磁気記録媒体等である。
通信インターフェース9007は、ネットワーク9011を介して、他の機器からデータを受信し、他の機器へデータを送信する。ネットワーク9011は、有線ネットワークであってもよく、無線ネットワークであってもよい。他の機器は、クライアント装置であってもよく、サーバ装置であってもよい。
例えば、ROM9003に記憶されたプログラム、記憶装置9004に記憶されたプログラム、記録媒体9010に記録されたプログラム、または、通信インターフェースが他の機器から受信したプログラムは、RAM9002にロードされる。上記の実施形態および各変形例において、例えば、CPU9001がRAM9002にロードされたプログラムを実行することにより、上記の実施形態等における各部の機能が実現される。
なお、コンピュータ9000における各部の機能は、クラウドコンピューティングによって実現されてもよい。
なお、情報提供システム1におけるコンピュータに実行させる情報提供プログラムまたは説明された機能は、非一時的な有形のコンピュータ可読記録媒体(A non-transitory, tangible computer-readable storage medium)に記録されてもよい。非一時的な有形のコンピュータ可読記録媒体は、コンピュータ、CPU、MPU(Micro Processing Unit)等によってアクセスされることが可能な任意の記録媒体である。任意の記録媒体は、例えば、ROM、RAM、フラッシュメモリ、磁気記憶装置、光ディスク等であって、例示したものに限定されない。
なお、以上の説明において、A、BおよびCのうち少なくとも1つ(at least one of)が含まれるとは、A、B、Cのうち1つまたは2つ以上(one or two or more of)の組み合わせでもよいという意味であってもよい。