本発明に含まれる打込機の代表的な実施形態を、図面を参照して説明する。
図1に示す打込機10は、ハウジング11、打撃部12、マガジン13、電動モータ14、動力伝達部15、制御部16、電池パック17及びウェイト18を有する。ハウジング11は、筒形状の本体部19と、本体部19に接続されたハンドル20と、本体部19に接続されたモータケース21と、を有する。装着部22がハンドル20及びモータケース21に接続されている。図2のように、射出部23が本体部19の外に設けられ、射出部23が本体部19に固定されている。図3のように、射出部23は、射出路24を有する。射出路24は一例として、直線状の通路、直線状の孔、直線状の溝の何れかで構成可能である。
マガジン13は、ハウジング11及び射出部23により支持されている。モータケース21は、中心線A1方向でハンドル20とマガジン13との間に配置されている。マガジン13は、本体25と、本体25に取り付けられたカバー26と、を有する。カバー26は、本体25に対して着脱可能であるか、または、本体25に対してヒンジを介して作動可能である。本体25とカバー26との間に、収容空間が形成される。
マガジン13は、収容空間内に止具27を収容する。止具27は、一例として軸形状の釘であり、止具27の材質は、金属、非鉄金属、鋼の何れでもよい。止具27同士は接続要素で互いに接続されている。接続要素は、ワイヤ、接着剤、樹脂の何れでもよい。
フィーダ28が、マガジン13に設けられている。フィーダ28は、マガジン13に対して送り方向B1及び戻り方向B2で作動可能である。送り方向B1と戻り方向B2とは、互いに逆向きである。付勢機構29がマガジン13に設けられ、付勢機構29はフィーダ28を送り方向B1で付勢する。付勢機構29は、一例として、金属製のスプリングである。フィーダ28は付勢機構29の力で付勢され、フィーダ28は、マガジン13が支持する止具27を、射出路24に供給可能である。
マガジン13は、止具27を1列に配置した状態で、かつ、直線状に収容する。フィーダ28の送り方向B1及び戻り方向B2は、図1及び図2に示す中心線A1に対して交差する方向である。フィーダ28は、図3に示す押圧部83を有する。
打撃部12は、本体部19及び射出部23に亘って設けられている。打撃部12は、本体部19内に配置されたプランジャ30と、プランジャ30に固定されたドライバブレード31と、を有する。プランジャ30は、金属製または合成樹脂製である。
ドライバブレード31は金属製である。図1に示すように、ガイドシャフト32が本体部19内に設けられている。中心線A1はガイドシャフト32の中心である。ガイドシャフト32の材質は、金属、非鉄金属、鋼の何れでもよい。
図1のように、トップホルダ33及びボトムホルダ34が、ハウジング11内に固定して設けられている。トップホルダ33及びボトムホルダ34の材質は、金属、非鉄金属、鋼の何れでもよい。ガイドシャフト32は、トップホルダ33及びボトムホルダ34に固定されている。
プランジャ30は、ガイドシャフト32の外周面に取り付けられており、プランジャ30は、ガイドシャフト32に沿って中心線A1方向に作動可能である。プランジャ30は、プランジャアーム35を有する。ドライバブレード31はプランジャ30と共に中心線A1方向に作動可能である。ドライバブレード31は射出路24内で作動可能である。
ウェイト18は、ハウジング11が受ける反動を抑制する。ウェイト18の材質は、金属、非鉄金属、鋼、セラミックの何れでもよい。ウェイト18はガイドシャフト32に取り付けられている。ウェイト18はガイドシャフト32に沿って中心線A1方向に作動可能である。ウェイト18は一例として筒形状であり、ウェイトアーム36が、ウェイト18に設けられている。
スプリング37が本体部19内に配置され、スプリング37は、中心線A1方向でプランジャ30とウェイト18との間に配置されている。スプリング37は、一例として金属製の圧縮コイルスプリングを用いることが可能である。スプリング37は、中心線A1方向に伸縮可能である。スプリング37のうち、中心線A1方向における第1端部は、プランジャ30に直接または間接に接触する。スプリング37のうち、中心線A1方向における第2端部は、ウェイト18に直接または間接に接触する。スプリング37は、中心線A1方向の圧縮力を受けて弾性エネルギを蓄積する。
プランジャ30は、中心線A1方向でボトムホルダ34に近づく第1方向D1の付勢力を、スプリング37から受ける。ウェイト18は、中心線A1に沿った方向でトップホルダ33に近づく第2方向D2の付勢力を、スプリング37から受ける。第1方向D1と第2方向D2とは互いに逆向きであり、第1方向D1及び第2方向D2は、中心線A1と平行である。
ウェイトバンパ38及びプランジャバンパ39が、本体部19内に設けられている。ウェイトバンパ38はトップホルダ33とウェイト18との間に配置されている。プランジャバンパ39は、ボトムホルダ34とプランジャ30との間に配置されている。ウェイトバンパ38及びプランジャバンパ39は、共に合成ゴム製である。
図1に示す打込機10は、中心線A1が鉛直線と平行な状態である例を示す。打撃部12またはプランジャ30またはウェイト18が、第1方向D1でそれぞれ作動することを下降と呼ぶ。図1において、打撃部12またはプランジャ30またはウェイト18が、第2方向D2でそれぞれ作動することを上昇と呼ぶ。
図1に示す電池パック17は、装着部22に対して取り付け及び取り外し可能である。電池パック17は、収容ケース40と、収容ケース40内に収容した複数の電池セル40Aとを有する。電池セルは、充電及び放電が可能な二次電池であり、電池セルは、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池、リチウムイオンポリマー電池、ニッケルカドミウム電池の何れかを用いることができる。電池パック17は直流電源である。
電動モータ14は、ロータ41及びステータ42を有し、モータ軸43がロータ41に取り付けられている。電動モータ14は、電池パック17から電力が供給されるとモータ軸43が回転する。ギヤケース60がモータケース21内に設けられている。ギヤケース60は筒形状であり、減速機44がギヤケース60内に配置されている。減速機44は、複数組の遊星歯車機構、入力要素45及び出力要素46を有する。入力要素45はモータ軸43に接続されている。電動モータ14及び減速機44は、中心線C1を中心として同心状に配置されている。図1に示す打込機10は、中心線A1と中心線C1とのなす角度が90度である例を示す。送り方向B1及び戻り方向B2は、中心線C1に沿った方向である。
動力伝達部15は、出力要素46の回転力を打撃部12の作動力及びウェイト18の作動力に変換する。動力伝達部15は、第1ギヤ50、第2ギヤ51及び第3ギヤ52を有する。第1ギヤ50、第2ギヤ51及び第3ギヤ52の材質は、金属、非鉄金属、鋼の何れでもよい。ホルダ53がハウジング11内に設けられ、出力要素46はホルダ53により回転可能に支持されている。第1ギヤ50は出力要素46に固定されている。第2ギヤ51は支持軸54により回転可能に支持されている。第3ギヤ52は支持軸55により回転可能に支持されている。支持軸54,55はホルダ53に取り付けられている。
第2ギヤ51は、第1ギヤ50及び第3ギヤ52に噛み合っている。カムローラ57が第1ギヤ50に設けられ、カムローラ58が第2ギヤ51に設けられ、カムローラ59が第3ギヤ52に設けられている。
電池パック17の電力が電動モータ14に供給されてモータ軸43が正回転すると、モータ軸43の回転力が減速機44を介して第1ギヤ50に伝達される。第1ギヤ50の回転力は、第2ギヤ51を経由して第3ギヤ52に伝達される。
カムローラ57,58は、プランジャアーム35に対して、それぞれ単独で係合及び解放可能である。カムローラ59は、ウェイトアーム36に係合及び解放可能である。
図2のように、プッシュレバー61が射出部23に取り付けられている。プッシュレバー61は、射出部23に対して直線状に作動可能、一例として、中心線A1方向に作動可能である。プッシュレバー61にアーム62が接続されている。アーム62はマガジン13に設けられている。付勢部材が射出部23に設けられ、付勢部材は、アーム62及びプッシュレバー61をボトムホルダ34から離間させる向きで、中心線A1方向に付勢する。
射出部23はストッパ63を有し、アーム62がストッパ63に接触して、アーム62及びプッシュレバー61が初期位置で停止する。作業者は、ハンドル20を手で握り、プッシュレバー61の先端を相手材W1に押し付けることが可能である。
制御部16は、装着部22内に設けられており、図7に示すインバータ回路64が、ハウジング11内に設けられている。制御部16は、入力ポート、出力ポート、演算処理部及び記憶部を有するマイクロコンピュータである。インバータ回路64は、複数のスイッチング素子を有し、複数のスイッチング素子は、それぞれオン及びオフが可能である。制御部16は、インバータ回路64を制御する信号を出力する。電池パック17と電動モータ14との間に電気回路が形成されている。インバータ回路64は電気回路に設けられ、かつ、電気回路を接続及び遮断する。
図1のように、トリガ65及びトリガスイッチ66がハンドル20に設けられており、作業者がトリガ65に操作力を加えるとトリガスイッチ66がオンする。作業者がトリガ65に加えた操作力を解除すると、トリガスイッチ66がオフする。位置検出センサ67が、ハウジング11内に設けられている。位置検出センサ67は、中心線A1方向におけるウェイト18の位置を検出して信号を出力する。図3に示す位相検出センサ68が、モータケース21内に設けられている。位相検出センサ68は、モータ軸43の回転方向における位相を検出して信号を出力する。
図2に示すように、アジャスタ69がマガジン13に設けられ、アジャスタ69がアーム62に接続されている。プッシュレバースイッチ70が、一例としてマガジン13に設けられている。プッシュレバースイッチ70は、接触形センサまたは非接触形センサの何れでもよい。
接触形センサとしては、例えば、オン・オフスイッチ、または、圧電素子を用いることが可能である。非接触形センサとしては、例えば、磁気センサを用いることが可能である。本実施形態では、プッシュレバースイッチ70として、オン・オフスイッチを用いた例を説明する。プッシュレバースイッチ70は、電線71に接続されている。
電線71は、コネクタ72,90、電線73を介して制御部16に接続されている。コネクタ72とコネクタ90とは、接続及び取り外しが可能である。電線73,84、コネクタ72,90は、伝送部91を構成する。
プッシュレバー61が中心線A1方向でボトムホルダ34に近づく向きで作動すると、プッシュレバースイッチ70はオンする。プッシュレバー61が中心線A1方向でボトムホルダ34から離間する向きで作動すると、プッシュレバースイッチ70はオフする。作業者がアジャスタ69を操作すると、プッシュレバースイッチ70のオンとオフとが切り替わるプッシュレバー61の作動位置を調整可能である。
図1、図2、図3、図4及び図5に示すように、止具数検出センサ74が、マガジン13に設けられている。止具数検出センサ74は、マガジン13内の止具27の数を検出して信号を出力する。止具数検出センサ74は、ケース75、信号発生部76、第1可動片77及び第2可動片78を有する。ケース75は、一例として合成樹脂製であり、ケース75は、マガジン13に取り付けられている。
第1可動片77はケース75の外に設けられ、第1可動片77は、ケース75に対して支持軸80を支点として作動可能に取り付けられている。第1可動片77は、一例として金属製であり、第1可動片77は、第1接触部81及び第2接触部82を有する。第1接触部81は、フィーダ28の押圧部83の作動範囲内に配置されている。押圧部83は第1接触部81に対して接触及び離間可能である。第2可動片78と第2接触部82とが、箇所E2で接触する。
第1接触部81と押圧部83とが箇所E1で接触する。また、箇所E1を通り、かつ、フィーダ28の作動方向に沿った直線F1は、支持軸80の中心G1を中心とする円H1の接線の何れかと一致する。箇所E1から中心G1までの第1距離L1は、箇所E2から中心G1までの第2距離L2より短いか同じである。第1距離L1と第2距離L2との比率は、一例として1:1~1:4の範囲内に設定可能である。この比率は、図3に示すフィーダ28の送り方向B1において、1本の止具27の厚さT1に応じて設定されている。厚さT1が小さいほど、比率を大きく設定する。
第2可動片78は、ケース75に対して作動可能に取り付けられている。第2可動片78がケース75に対して作動する方向は、フィーダ28がマガジン13に対して作動する方向と同じである。第2可動片78の第1端部はケース75内に配置され、第2可動片78の第2端部はケース75外に配置されている。図5のように、ケース75内に付勢部材86、一例として金属製のスプリングが設けられている。付勢部材86は、第2可動片78を第2可動片78に押し付ける。付勢部材86から第2可動片78に加えられた力は、第1可動片77に伝達される。第1可動片77は、図2で反時計回りに付勢され、かつ、初期位置で停止する。
マガジン13内の止具27の数が減少すると、フィーダ28が送り方向B1で作動する。押圧部83が第1接触部81に押し付けられると、押圧部83の作動力が第1接触部81に加わる。第1可動片77は付勢部材86の力に抗して、支持軸80を支点として図2、図3で時計回りに作動する。第1可動片77が作動すると、第1可動片77の作動力、特に、第2接触部82の移動力が、第2可動片78に加わり、第2可動片78が作動する。
信号発生部76は、ケース75内に設けられている。信号発生部76は、電線84、コネクタ72,90及び電線73を介して、制御部16に電気的に接続されている。信号発生部76としては、一例として、第1の構成乃至第3の構成を用いることが可能である。第1の構成は、電気的に接続及び遮断が可能な一対の端子である。第2の構成は、圧電素子である。第3の構成は、磁気センサである。
信号発生部76として第1の構成を用いると、第2可動片78の位置に応じて、一対の端子が接続及び遮断されて、信号発生部76が出力する信号が変化する。信号発生部76として第2の構成を用いると、第2可動片78の位置に応じて圧電素子が受ける圧力が変化し、信号発生部76が出力する信号の電圧が変化する。信号発生部76として第3の構成を用いると、第2可動片78の位置に応じて、信号発生部76が出力する信号の電圧が変化する。信号発生部76は、接触形センサ、非接触形センサの何れでもよい。
図6のように、ケース75とマガジン13との間に弾性部材79、一例として合成ゴムが介在されている。つまり、マガジン13は、弾性部材79を介して止具数検出センサ74を支持している。
制御部16は、トリガスイッチ66の信号、プッシュレバースイッチ70の信号、位置検出センサ67の信号、位相検出センサ68の信号、止具数検出センサ74の信号を受信する。制御部16は、止具数検出センサ74の信号に基づいて、マガジン13内における止具27の有無、マガジン13内における止具27の残数、マガジン13内における止具27の数が所定数以上であるか否か、を判断可能である。制御部16は、インバータ回路64を制御する。
さらに、ハウジング11の外面、例えば、装着部22の外面に表示部85が設けられている。表示部85は、一例として液晶ディスプレイ、発光ダイオードランプを含む。制御部16から出力される信号が表示部85に入力される。表示部85は、マガジン13内の止具の数、電池パック17の電圧などを表示可能である。
次に、打込機10の使用例を説明する。作業者が打込機10を使用するモードは、第1モード及び第2モードがある。第1モードは、作業者がトリガ65に操作力を付加した状態で、プッシュレバー61を相手材W1に押し付けるものである。第2モードは、作業者がプッシュレバー61を相手材W1に押し付けた状態で、トリガ65に操作力を付加するものである。
制御部16は、トリガスイッチ66のオフ、またはプッシュレバースイッチ70のオフのうち、少なくとも一方を検出していると、電動モータ14に電力を供給させず、電動モータ14が停止している。電動モータ14が停止していると、打撃部12は待機位置で停止している。打撃部12の待機位置は、中心線A1方向における位置を意味する。ここでは、打撃部12の待機位置が、プランジャ30がプランジャバンパ39に接触している位置、つまり、下死点である例を説明する。
打撃部12が待機位置で停止していると、ドライバブレード31の一部が射出路24に位置している。フィーダ28により送られる複数の止具27のうち、送り方向B1で先頭に位置する止具27は、ドライバブレード31に接触して停止している。
また、ウェイト18はスプリング37の弾性力で付勢され、ウェイト18がウェイトバンパ38に押し付けられた位置、つまり、ウェイト18は上死点で停止している。
制御部16が、トリガスイッチ66のオン、及びプッシュレバースイッチ70のオンを検出すると、制御部16は電動モータ14に電力を供給させ、モータ軸43を正回転させる。モータ軸43の回転力は、減速機44で増幅されて第1ギヤ50に伝達される。
第1ギヤ50の回転力は、第2ギヤ51を経由して第3ギヤ52に伝達される。カムローラ57,58の少なくとも一方がプランジャアーム35に係合すると、打撃部12は、スプリング37の付勢力に抗して第2方向D2で作動する。つまり、打撃部12は上昇する。ドライバブレード31の先端が、射出路24における止具27の供給位置外に移動すると、フィーダ28が射出部23に近づく向きで作動し、送り方向B1で先頭に位置する止具27が、射出路24に送られる。また、カムローラ59がウェイトアーム36に係合すると、ウェイト18は第1方向D1で作動する。つまり、ウェイト18は下降する。
そして、カムローラ57,58が共にプランジャアーム35から解放されると、打撃部12は、スプリング37の付勢力で下降する。打撃部12が中心線A1方向でウェイトバンパ38に最も近づいた位置が、打撃部12の上死点である。また、カムローラ59がウェイトアーム36から解放されると、ウェイト18は、スプリング37の付勢力で上昇する。ウェイト18が中心線A1方向でプランジャバンパ39に最も近づいた位置が、ウェイト18の下死点である。
打撃部12が下降すると、ドライバブレード31は、射出路24に位置する止具27を打撃する。止具27は相手材W1に打ち込まれる。ドライバブレード31が止具27を打撃した後、プランジャ30がプランジャバンパ39に衝突する。また、ウェイト18はウェイトバンパ38に衝突する。このように、打撃部12が第1方向D1で作動すると、止具27を打撃可能である。
このように、打撃部12が第1方向D1で作動して止具27を打撃する際、ウェイト18は第1方向とは逆の第2方向に作動する。このため、打撃部12が止具27を打撃する際の反動を低減可能である。
制御部16は、位置検出センサ67の信号を処理して、中心線A1方向における打撃部12の位置を推定している。制御部16は、打撃部12が下降を開始した時点から、打撃部12が下死点に到達するまでの間に、電動モータ14を停止する。このため、打撃部12は下死点で停止し、ウェイト18は上死点で停止する。
以後、作業者が第1モードまたは第2モードを選択して打込機10を使用すると、打撃部12が下死点から上死点に向けて作動し、かつ、フィーダ28が送り方向B1で作動し、止具27を射出路24に送り、かつ、打撃部12が上死点から下死点に向けて作動する動作を繰り返す。
更に、フィーダ28が止具27を射出路24に送る作用、及び止具数検出センサ74の作用を説明する。止具27がマガジン13に所定数以上残っていると、図3に示すように、押圧部83が第1接触部81に接触した状態で、押圧部83が第1接触部81に接触し、かつ、第1接触部81を押圧していないか、または、押圧部83が第1接触部81から離間している。所定数は、一例として、“1”以上の整数である。
このように、止具27がマガジン13に所定数以上残っていると、止具数検出センサ74の第1可動片77は初期位置で停止し、かつ、第2可動片78は初期位置で停止している。つまり、フィーダ28が送り方向B1で作動しても、信号発生部76が出力する信号は変化しない。このため、制御部16は、マガジン13内における止具27の数が所定数以上であることを検出する。
制御部16は、トリガスイッチ66がオンし、かつ、プッシュレバースイッチ70がオンした場合に、マガジン13内の止具27の数が、所定数以上であると、電動モータ14を回転させる。
マガジン13内における止具27の数が所定数未満、例えば、“零”になると、押圧部83が第1可動片77の第1接触部81に押し付けられる。押圧部83が第1接触部81に押し付けられると、図4に示すように、第1可動片77は付勢部材86の力に抗して、時計回りに作動する。第1可動片77の作動力は第2可動片78に加わり、第2可動片78が付勢部材86の力に抗して作動する。このため、信号発生部76が出力する信号が変化し、制御部16は、マガジン13内における止具27の数が、所定数未満であることを検出する。
制御部16は、トリガスイッチ66がオンし、かつ、プッシュレバースイッチ70がオンした場合に、マガジン13における止具27の数が所定数未満であると、電動モータ14を停止させておく。したがって、打込機10で空打ちが行われることを防止できる。空打ちは、止具27の数が所定数未満である場合に、打撃部12が第1方向D1で作動することである。表示部85は、“止具の残数が所定数未満である”、または、“止具の残数が所定数未満であるために打撃部を停止させている”という情報を表示する。または、表示部85が、発光ダイオードランプを点灯させてもよい。作業者は、表示部85を目視すると、打撃部12が作動しない理由を認識可能であり、作業者は、止具27をマガジン13に補給可能である。
止具数検出センサ74の第1可動片77は、支持軸80を中心として作動し、第1距離L1が第2距離L2より短い。第1接触部81及び第2接触部82は、支持軸80を中心としてそれぞれ円弧状に作動する。このため、第1可動片77が所定量作動した場合、第1接触部81の作動量に対して、第2接触部82の作動量が多い。つまり、第1可動片77は、フィーダ28の作動量に対して、第2接触部82の作動量を増幅する。このため、フィーダ28が、止具27の1本の厚さに相当する量作動した場合に、信号発生部76は、第2可動片78の作動を確実に検出可能である。したがって、止具数検出センサ74の検出感度が低下することを抑制可能である。
また、フィーダ28の作動量に対して、第2接触部82の作動量を増幅する第1可動片77は、止具数検出センサ74のケース75に取り付けられている。このため、フィーダ28と、第1可動片77との間に、フィーダ28の作動量を増幅して第1可動片77に伝達する要素を、専用で設けずに済む。したがって、止具27の数を検出する機構の部品点数が増加することを抑制できる。さらに、止具27の数を検出する機構の占有空間、または、配置スペースが増加することを抑制可能である。したがって、止具27の数を検出する機構をコンパクトに構成可能である。さらに、止具数検出センサ74、プッシュレバースイッチ70及びアジャスタ69をマガジン13内に配置するにあたり、レイアウトの自由度が増す。また、第1距離L1と第2距離L2との比率を相対的に大きくすることに伴い、第1可動片77の大型化を抑制できる。
図6のように、弾性部材79が、マガジン13と、止具数検出センサ74のケース75との間に設けられている。このため、マガジン13が振動した場合に、止具数検出センサ74が振動することを抑制できる。したがって、第1可動片77と第2可動片78との接触箇所の摩耗を抑制できる、止具数検出センサ74の長寿命化が可能である。
また、作業者がカバー26を本体25から取り外すか、または、カバー26を本体25に対して作動させると、マガジン13の外部空間と、マガジン13の内部空間とがつながる。作業者は、コネクタ72をコネクタ90から取り外して、止具数検出センサ74及び電線84を修理、または交換することが可能である。
打撃部12の待機位置は、打撃部12の上死点と下死点との間でもよい。制御部16が、打撃部12の待機位置を上死点と下死点に設定する場合、電動モータ14に電力を供給するが、モータ軸43は停止させる。
打込機10は、図1に示す回転規制機構48をギヤケース60内に備えていてもよい。回転規制機構48は、入力要素45と出力要素46との間の動力伝達経路に配置される。回転規制機構48は、転動体、例えば、ローラまたはボールである。回転規制機構48は、遊星歯車機構の回転要素、例えば、キャリヤとギヤケース60との間に配置されている。
回転規制機構48は、電動モータ14からキャリヤ49に第1方向のトルクが伝達されると、そのトルクで第1ギヤが正回転することを許容する。回転規制機構48は、第2ギヤまたはプランジャアームから第1ギヤにトルクが加わり、そのトルクがキャリヤ49に伝達された場合に、キャリヤ49とギヤケース60との間に食い込み、第1ギヤが逆回転することを阻止する。回転規制機構48が設けられていると、電動モータ14に対する電力の供給を停止した状態で、打撃部12の待機位置を上死点と下死点との間に設定することも可能である。
実施形態で説明した事項の技術的意味の一例は、次の通りである。射出路24は、打撃位置の一例である。フィーダ28は、供給部材の一例である。打撃部12は、打撃部の一例である。止具数検出センサ74は、第1検出部の一例である。支持軸80は、支持部の一例である。第1可動片77は、第1可動片の一例である。第1接触部81は、第1接触部の一例である。第2接触部82は、第2接触部の一例である。
第1可動片77が初期位置で停止している位置から、第1可動片77が作動して第2可動片78に接触し、かつ、第1可動片77が停止するまでの間に、第1可動片77が支持軸80を中心として作動する角度が、所定角度に相当する。ケース75は、本体の一例である。第1距離L1は、支持部から第1接触部までの距離の一例である。第2距離L2は、支持部から第2接触部までの距離の一例である。
マガジン13は、マガジンの一例である。第1方向D1は、第1方向の一例である。第2方向D2は、第2方向の一例である。スプリング37は、付勢機構の一例である。電池パック17、電動モータ14、インバータ回路64及び制御部16は、駆動部の一例である。伝送部91は、伝送部の一例である。電線84は、第1電線の一例である。電線73は、第2電線の一例である。コネクタ72,90は、コネクタの一例である。弾性部材79は、弾性部材の一例である。ハウジング11は、ハウジングの一例である。プッシュレバー61は、接触部材の一例である。プッシュレバースイッチ70は、第2検出部の一例である。止具の数は、マガジン13から打撃位置へ送ることの可能な止具の数である。
打込機は、上記した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、止具数検出センサを設ける箇所は、ハウジングでもよい。モータは、電動モータの他に、油圧モータ、空気圧モータ、エンジンの何れかでもよい。電動モータの電源は、直流電源または交流電源の何れでもよい。マガジンは、複数の止具を互いに連結した状態で、渦巻き状に収容する構造でもよい。
打撃部を第1方向に付勢する付勢機構は、固体スプリングの他、ガススプリング、合成ゴム、磁気スプリングを含む。固体スプリングは、金属製のスプリング、または非鉄金属製のスプリングは、圧縮スプリング、引っ張りスプリングの何れでもよい。さらに、打込機は、カウンタウェイトを備えていなくてもよい。この場合、打撃部を付勢するスプリングの第2端部は、ハウジングにより直接支持されるか、または、スペーサを介してハウジングにより間接的に支持される。
さらに、モータの回転力を打撃部に伝達する動力伝達部は、ラック・アンド・ピニオン機構、ワイヤー機構、ソレノイド機構の何れかを備えていてもよい。ラック・アンド・ピニオン機構は、ピニオンとラックとが係合していると、打撃部が第2方向に作動する。ラック・アンド・ピニオン機構は、ピニオンとラックとが解放されると、打撃部は付勢機構の力で第1方向に作動する。ワイヤー機構は、モータの回転力でワイヤーを牽引し、ワイヤーの牽引力で打撃部を第2方向に作動させるものである。ワイヤーの牽引力が打撃部に伝達されないと、打撃部は付勢機構の力で第1方向に作動する。ソレノイド機構は、ソレノイドに電力を供給すると、吸引力で打撃部を第2方向に付勢させる。ソレノイドに対する電力の供給を停止すると、吸引力が解除され、打撃部は付勢機構の力で第1方向に作動する。
更に、射出路は、マガジンに設けられていてもよい。射出路は、ドライバブレードの作動方向、打撃される止具の移動方向が、中心線と平行になるようにガイドする。射出路は、一例として、空間、孔、通路、溝を含む。