〔第1実施形態〕
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明に係る貯蔵体搭載構造を備えた共通の車両プラットフォームを基に製造される車両の概略構成図であって、(a)は、エネルギー貯蔵体として燃料ガスタンクを搭載した燃料電池自動車1Aを示し、(b)は、エネルギー貯蔵体として電池パックを搭載した電気自動車1Bを示す。
但し、図1(a),(b)においては、本発明に係る主要な構成要素だけを図示している。勿論、この他にも、車両1A,1Bには、車両としての種々の構成要素が搭載されているが、簡素化のため、それらの図示及び説明は省略する。また、車両1A,1Bに重複する部分については、同一の部材名称、同一の符号を用いる等して重複説明を省略する。
尚、本実施形態における車両1A,1Bの基本骨格を構成する車両プラットフォームには、円筒型エネルギー貯蔵体8を搭載可能な貯蔵体搭載機構10が設けられている。つまり、この車両プラットフォームの仕様においては、燃料ガスが貯蔵される燃料ガスタンクや、電気エネルギーを蓄える電池パックなど、貯蔵するエネルギー形態が異なるエネルギー貯蔵体の形状を円筒形状に統一することにより、同一の貯蔵体搭載機構10に対し、いずれかを選択して設置することができるよう構成されている。
まず図1(a)に示す燃料電池自動車1Aについて詳しく説明する。燃料電池自動車1Aは、主要な構成要素として、車両本体としての車体(ボディ)2と、駆動輪としての左右一対の前輪3と、従動輪としての左右一対の後輪4と、前輪3を駆動させる駆動力源としての電動モータ5と、該電動モータ5への電力供給を制御するパワーコントロールユニット6(以下、「PCU6」という)と、電動モータ5(PCU6)へ供給する電気を発生させる燃料電池システム7と、燃料ガス(第1エネルギー)としての水素ガスを貯蔵する燃料ガスタンク(第1エネルギー貯蔵体)としての高圧水素タンク8Aと、高圧水素タンク8Aから第1供給先である燃料電池システム7へ水素ガスを供給するガス供給ライン(第1供給系)としての水素供給用配管LAと、未使用の状態の電気ケーブルLBとを備えている。
燃料電池システム7は、反応ガスである酸化ガスおよび水素ガスの供給を受けて電気化学反応により発電する燃料電池スタック7Aを備えている。
この他、図示は省略するが、燃料電池システム7には、酸化ガスを燃料電池スタック7Aに供給する酸化ガス供給系や、水素ガスを燃料電池スタック7Aに供給する水素ガス供給系、冷却媒体を循環させる冷却系、各種オフガスや生成水などを車外へ排出するための排出系などが設けられている。
燃料電池スタック7Aは、多数の発電セル(単セル)が積層されたスタック構造を有する固体高分子型燃料電池である。発電セルは、電解質膜の両側に、それぞれ触媒層とガス拡散層とからなるアノード(燃料極)及びカソード(空気極)を配設した膜電極複合体(MEA)が一対のセパレータにより挟持されてなる。
燃料電池スタック7Aには、水素ガスや酸化ガス、冷却媒体を流通させるための各種流路が発電セルの積層方向に沿って形成されている。かかる構成の下、各発電セルのアノードには水素ガスが供給され、カソードには酸化ガスとしての空気が供給される。アノードに水素ガスが供給されることで、これに含まれる水素がアノードを構成する触媒層の触媒と反応し、これによって水素イオンが発生する。発生した水素イオンは電解質膜を通過して、カソードで空気に含まれる酸素と化学反応を起こす。この化学反応によって電気が発生する。燃料電池スタック7Aで発生した電気は、図示しない昇圧コンバータ等を介してPCU6へ入力される。
ここで円筒型エネルギー貯蔵体8の1つである高圧水素タンク8Aの構成について説明する。高圧水素タンク8Aは、水素ガスを高圧で貯蔵するためのものである。
図2(a),(b)に示すように、高圧水素タンク8Aの本体部20(以下、「タンク本体部20」という)は、円筒形状をなす直胴部21と、その両端に形成された略半球状のドーム部22とからなる。
タンク本体部20は、例えばガスバリア機能を有するプラスチックライナー、その外側に耐圧強度を高めるための炭素繊維強化プラスチック(CFRP)層、さらにその外側に表面を保護するガラス繊維強化プラスチック(GFRP)層を有する3層構造となっており、その重量が60kg程度の比較的軽量な構造となっている。勿論、高圧水素タンク8Aに係る構成は、これに限定されるものではなく、他の構成を採用してもよい。
高圧水素タンク8Aには、タンク本体部20の軸線C1方向一端部において金属製の口金23が設けられている。口金23には、図示しないバルブアッセンブリが取付けられる。
そして、高圧水素タンク8Aは、バルブアッセンブリ等を介して水素供給用配管LAに接続される。この水素供給用配管LAの他端側は、燃料電池システム7の水素ガス供給系に接続される。これにより、水素供給用配管LAを介して、高圧水素タンク8Aから燃料電池システム7へ水素ガスを供給可能となる。
次に、図1(b)に示す電気自動車1Bについて詳しく説明する。電気自動車1Bは、主要な構成要素として、車体2と、左右一対の前輪3と、左右一対の後輪4と、前輪3を駆動させる電動モータ5と、該電動モータ5への電力供給を制御するPCU6と、電気エネルギー(第2エネルギー)を貯蔵する電池パック(第2エネルギー貯蔵体)としてのバッテリーパック8Bと、バッテリーパック8Bから第2供給先である電動モータ5(PCU6)へ電力を供給する電力供給ライン(第2供給系)としての電気ケーブルLBと、未使用の状態の水素供給用配管LAとを備えている。
ここで円筒型エネルギー貯蔵体8の1つであるバッテリーパック8Bの構成について説明する。図3(a),(b)に示すように、バッテリーパック8Bは、円筒形状のパックケース41内に複数の電池モジュール42が収容されてなり、全体として200kg~300kg程度の重量を有している。
電池モジュール42は、その外殻を構成する円筒形状のケース体の内部に複数の電池セル(図示略)が収容されてなる。尚、電池セルには、繰り返し充放電が可能なニッケル水素電池やリチウムイオン電池などの二次電池が用いられる。
複数の電池モジュール42は、パックケース41内において、それぞれ自身の中心軸がパックケース41の中心軸と重なるように、パックケース41の軸線C2方向に沿って一列に配列されている。
また、複数の電池モジュール42は、パックケース41内において図示しない固定手段によりそれぞれ固定されると共に、隣接する電池モジュール42同士が電気的に直列接続されている。そして、バッテリーパック8Bの軸線C2方向一端部には、直列接続された複数の電池モジュール42群と電気的に接続された外部出力端子43が設けられている。
バッテリーパック8Bの外部出力端子43は、図示しないコネクタ等を介して電気ケーブルLBと電気的に接続される。この電気ケーブルLBの他端側は、電動モータ5(PCU6)に電気的に接続される。これにより、電気ケーブルLBを介して、バッテリーパック8Bから電動モータ5へ電力供給可能となる。
次に円筒型エネルギー貯蔵体8が設置される貯蔵体搭載機構10の構成について図2、図3を参照して詳しく説明する。この貯蔵体搭載機構10及びこれに関連する種々の構成要素により本実施形態に係る貯蔵体搭載構造が構成されている。
貯蔵体搭載機構10は、車両プラットフォームに固定されるベース部50と、該ベース部50上に設けられた複数の移動機構部51と、該移動機構部51の上端側に固定された貯蔵体設置部52とを備えている。
移動機構部51は、貯蔵体設置部52を上下方向に移動可能に支持する、本実施形態における「移動手段」を構成するものである。
具体的に、移動機構部51は、ベース部50に固定された円筒状の下筒部55と、該下筒部55に対しその下部が上下方向に相対変位可能に組付けられると共に、その上部が貯蔵体設置部52の下面に固定された円筒状の上筒部56と、これら両筒部55,56の内部に収容された弾性体(付勢手段)としてのコイルばね57とを備え、該コイルばね57の付勢力により、貯蔵体設置部52を上方へ押し上げている。
ここで、移動機構部51において、下筒部55及び上筒部56を省略し、弾性体としてのコイルばね57が露出した構成としてもよい。但し、かかる場合には、貯蔵体設置部52のぐらつきを抑えたり、貯蔵体設置部52の上下動を補助するガイド機構等を備えることが好ましい。
貯蔵体設置部52は、円筒型エネルギー貯蔵体8が設置される部位であり、円筒型エネルギー貯蔵体8の形状に対応して、その長手方向に直交する断面形状が半円弧状となるよう湾曲形成されている。
円筒型エネルギー貯蔵体8は、貯蔵体設置部52に設置された状態で金属製のバンド59により締め付け固定される。バンド59は、貯蔵体設置部52に対し図示しないボルト等の締結手段により締結固定される。そして、この締結手段を取外すことにより貯蔵体設置部52から円筒型エネルギー貯蔵体8を取外すことが可能となる。
ここで、バンド59と貯蔵体設置部52とを締結する締結手段に係る構成は、ボルト等に限定されるものではなく、例えばワンタッチで取付け及び取外しが可能なワンタッチバックル等のような締結具を備えた構成としてもよい。
また、車両プラットフォームには、貯蔵体搭載機構10の長手方向一端側に併設されるように、第1高さ位置H1において水素供給用配管LAが配設され、これよりも下方位置となる第2高さ位置H2において電気ケーブルLBが配設されている。
続いて、貯蔵体搭載機構10に対し円筒型エネルギー貯蔵体8を設置する設置作業について説明する。尚、貯蔵体設置部52に対し円筒型エネルギー貯蔵体8が設置されていない初期状態において、該貯蔵体設置部52は、移動機構部51により上方へ押し上げられ、自身が移動可能な最上位位置に付勢された状態となっている。
かかる状態で、例えば図2(a),(b)に示すように、燃料電池自動車1Aの製造時において、貯蔵体設置部52に対し円筒型エネルギー貯蔵体8として軽量の高圧水素タンク8Aを設置した場合には、該高圧水素タンク8Aの重量よりも移動機構部51のコイルばね57の付勢力の方が勝り、貯蔵体設置部52(高圧水素タンク8A)は、その高さ位置が変化せず、高圧水素タンク8Aの軸線C1が第1高さ位置H1に位置した状態で静止する。
つまり、高圧水素タンク8Aは、移動機構部51により第1高さ位置H1に支持された状態となる。ここで、高圧水素タンク8Aの軸線C1が第1高さ位置H1に位置した状態となる貯蔵体設置部52の高さ位置(最上位位置)を「第1支持位置」という。
これにより、高圧水素タンク8Aの口金23と水素供給用配管LAとが相対向した状態となり、両者を接続可能な状態となる。そして、かかる両者の接続作業を行った後、高圧水素タンク8Aをバンド59により貯蔵体設置部52に対し固定する。
尚、この場合、車両プラットフォームにおいて、バッテリーパック8Bに対応して予め配設された電気ケーブルLBは接続されることなく、未使用の状態となる。勿論、ここで未使用の電気ケーブルLBを車両プラットフォームから取り外すようにしてもよい。
一方、図3(a),(b)に示すように、電気自動車1Bの製造時において、貯蔵体設置部52に対し円筒型エネルギー貯蔵体8として比較的重量のあるバッテリーパック8Bを設置した場合には、バッテリーパック8Bの重量の方が移動機構部51のコイルばね57の付勢力に勝り、貯蔵体設置部52(バッテリーパック8B)は、コイルばね57の付勢力に抗して降下する。
そして、貯蔵体設置部52(バッテリーパック8B)は、バッテリーパック8Bの軸線C2が第2高さ位置H2に位置した状態で、バッテリーパック8Bの重量とコイルばね57の付勢力とがつり合った状態となり静止する。
つまり、バッテリーパック8Bは、移動機構部51により第2高さ位置H2に支持された状態となる。ここで、バッテリーパック8Bの軸線C2が第2高さ位置H2に位置した状態となる貯蔵体設置部52の高さ位置を「第2支持位置」という。
これにより、バッテリーパック8Bの外部出力端子43と電気ケーブルLBとが相対向した状態となり、両者を接続可能な状態となる。そして、かかる両者の接続作業を行った後、バッテリーパック8Bをバンド59により貯蔵体設置部52に対し固定する。
尚、この場合、車両プラットフォームにおいて、高圧水素タンク8Aに対応して予め配設された水素供給用配管LAは接続されることなく、未使用の状態となる。勿論、ここで未使用の水素供給用配管LAを車両プラットフォームから取り外すようにしてもよい。
以上詳述したように、本実施形態によれば、貯蔵するエネルギー形態が異なる2種類のエネルギー貯蔵体、つまり燃料電池スタック7Aの燃料となる水素ガスを貯蔵する高圧水素タンク8Aと、電気エネルギーを貯蔵するバッテリーパック8Bの形状を共通の円筒形状(円筒型エネルギー貯蔵体8)とすることにより、所定の取付構造を有する車両プラットフォームの貯蔵体搭載機構10(貯蔵体設置部52)に対し、車両製造時において、いずれか一方を選択して設置することが可能となる。これにより、車両プラットフォームの共通化を図り、コストの削減等を図ることができる。
また、本実施形態では、円筒型エネルギー貯蔵体8を設置する貯蔵体設置部52の高さ位置を、ここに設置される円筒型エネルギー貯蔵体8の種類に応じて変更し、該円筒型エネルギー貯蔵体8の接続先を切換える構成となっている。
特に本実施形態に係る貯蔵体搭載機構10は、円筒型エネルギー貯蔵体8の重量差を利用することにより、作業者による手動操作や制御機器による各種制御等を必要とせず、貯蔵体設置部52の高さ位置を選択的かつ機械的に変更可能な構成となっている。
具体的に、貯蔵体設置部52に対し重量の軽い高圧水素タンク8Aを設置した場合には、貯蔵体設置部52の高さ位置が上位の第1支持位置に維持され、高圧水素タンク8Aを水素供給用配管LAに対し接続可能な状態で支持することができる。
一方、貯蔵体設置部52に対し重量の重いバッテリーパック8Bを設置した場合には、貯蔵体設置部52の高さ位置が下位の第2支持位置へ変位し、バッテリーパック8Bを電気ケーブルLBに対し接続可能で支持することができる。
換言すれば、供給先が異なる2種類の供給系(水素供給用配管LA及び電気ケーブルLB)を、車両プラットフォームの異なる高さ位置に配置することができ、配置構成の煩雑化を防止することができる。
結果として、円筒型エネルギー貯蔵体8を車両に搭載する際の供給系との接続作業時における作業性の向上や誤組付の防止等を図ることができる。
また、使用の有無に拘らず、予め車両プラットフォームに対し水素供給用配管LA及び電気ケーブルLBの両者を備えておくことにより、円筒型エネルギー貯蔵体8を設置する際に、該円筒型エネルギー貯蔵体8の種別に合わせて、新たに供給系を配設する作業を省略することができ、作業効率の向上を図ることができる。
〔第2実施形態〕
次に第2実施形態について図面を参照して詳しく説明する。但し、上述した第1実施形態と重複する部分については、同一の部材名称、同一の符号を用いる等してその詳細な説明や図示を省略するとともに、以下には第1実施形態と相違する部分を中心として説明することとする(以下の各実施形態についても同様)。
本実施形態に係る貯蔵体搭載機構10では、上記第1実施形態のコイルばね57等を有した移動機構部51に代えて、移動手段として、ガススプリング装置からなる移動機構部を備えた構成となっている。
具体的には、図4(a),(b)に示すように、移動機構部(ガススプリング装置)61は、ベース部50に固定され内部に圧縮ガス等が充填されたシリンダ本体62と、該シリンダ本体62に対し上下方向に摺動可能に設けられると共に、その上部が貯蔵体設置部52の下面に固定されたピストンロッド63とを備え、圧縮ガス等の反力(ガス圧力)により、貯蔵体設置部52を上方へ押し上げている。ここで、ガス圧力等を利用してピストンロッド63を上方へ押し上げる機構により本実施形態における付勢手段が構成されることとなる。
また、本実施形態に係る移動機構部61は、貯蔵体設置部52(ピストンロッド63)に対し所定量の荷重をかけることで、それに相当する分だけ貯蔵体設置部52が下方へ押し下げられる構成となっている。
かかる構成の下、図4(a)に示すように、貯蔵体設置部52に対し軽量の高圧水素タンク8Aを設置した場合には、該高圧水素タンク8Aの重量よりも移動機構部61のガス圧力の方が勝り、貯蔵体設置部52(高圧水素タンク8A)は、その高さ位置が変化せず、高圧水素タンク8Aの軸線C1が第1高さ位置H1に位置した状態で静止する。
つまり、高圧水素タンク8Aは、移動機構部61により第1高さ位置H1に支持された状態となる。これにより、高圧水素タンク8Aの口金23と水素供給用配管LAとが相対向した状態となり、両者を接続可能な状態となる。
一方、図4(b)に示すように、貯蔵体設置部52に対し比較的重量のあるバッテリーパック8Bを設置した場合には、バッテリーパック8Bの重量の方が移動機構部61のガス圧力に勝り、貯蔵体設置部52(バッテリーパック8B)は、移動機構部61のガス圧力に抗して降下する。
そして、貯蔵体設置部52(バッテリーパック8B)は、バッテリーパック8Bの軸線C2が第2高さ位置H2に位置した状態で、バッテリーパック8Bの重量と移動機構部61のガス圧力とがつり合った状態となり静止する。
つまり、バッテリーパック8Bは、移動機構部61により第2高さ位置H2に支持された状態となる。これにより、バッテリーパック8Bの外部出力端子43と電気ケーブルLBとが相対向した状態となり、両者を接続可能な状態となる。
上記構成に加えて、本実施形態では、車両1A,1Bの走行中の振動等により、円筒型エネルギー貯蔵体8が上下動しないように、円筒型エネルギー貯蔵体8の変位を規制する各種構成を採用している。
まず、円筒型エネルギー貯蔵体8の上方への動きを規制するため、円筒型エネルギー貯蔵体8を押さえるバンド59の端部が、貯蔵体設置部52ではなく、ベース部50に対し固定されている。
さらに、このバンド59の締め付けによって貯蔵体設置部52が押し下げられるのを規制するため、貯蔵体設置部52の下面を支えるストッパ部材がベース部50に取付固定されている。
具体的に、貯蔵体設置部52に対し高圧水素タンク8Aが設置される場合には、図4(a)に示すように、その高さに対応した長さを有する第1ストッパ65Aが取付固定され、貯蔵体設置部52に対しバッテリーパック8Bが設置される場合には、図4(b)に示すように、その高さに対応した長さを有する第2ストッパ65Bが取付固定される。
以上詳述したように、本実施形態によれば、上記第1実施形態と同様の作用効果が奏される。尚、ガススプリング装置は、電源や制御機器等を必要とせず、電動アクチュエータや油圧シリンダ等と比較して、貯蔵体搭載機構10の小型化や簡素化を図る上でより好適である。
ここで、上記ストッパ65A,65Bに代えて、例えばベース部50から突出しかつその突出長を変更可能な伸縮自在の可変ストッパと、該可変ストッパを駆動する駆動手段と、該駆動手段を制御する制御手段とを備え、貯蔵体設置部52の上下動に連動して自動的に、又は、変更された貯蔵体設置部52の高さ位置に合わせて作業者の手動操作により事後的に、可変ストッパの突出長が変化し、貯蔵体設置部52の底部を支持可能な状態となる構成としてもよい。
また、移動機構部61を構成するガススプリング装置を、ロック付きガススプリング装置としてもよい。かかるロック付きガススプリング装置は、プッシュボタン等の所定の操作部を操作している間はガス圧が作用してピストンロッドが伸長する一方、操作をやめると任意の位置でピストンロッドの長さを固定することができる。これを用いることにより、円筒型エネルギー貯蔵体8の重量の大小によらず、円筒型エネルギー貯蔵体8を任意の高さ位置に支持することができる。
例えば貯蔵体設置部52がピストンロッドにより最上位位置に付勢された状態で、該貯蔵体設置部52に対し円筒型エネルギー貯蔵体8を設置し、その後、所定の操作部を操作しつつ、貯蔵体設置部52(円筒型エネルギー貯蔵体8)を降下させ、その高さ位置が任意の高さ位置(第1支持位置又は第2支持位置)となったところで、操作をやめることにより、貯蔵体設置部52(円筒型エネルギー貯蔵体8)を任意の高さ位置に位置決めすることができる。
〔第3実施形態〕
次に第3実施形態について図面を参照して詳しく説明する。本実施形態においては、上記第1実施形態等に係る貯蔵体搭載機構10に代えて、図5(a)に示すように、軟質ウレタンフォーム等の低反発弾性素材からなる弾性体としてのマット部材70を貯蔵体搭載構造として備えた構成となっている。
マット部材70は、円筒型エネルギー貯蔵体8が設置されると、その設置面70aが円筒型エネルギー貯蔵体8と面接触するように変形する。また、円筒型エネルギー貯蔵体8の重量に応じて、その変形量(沈み込み量)が変化する。従って、マット部材70の設置面70aが本実施形態における貯蔵体設置部を構成し、マット部材70全体で移動手段が構成されることとなる。
かかる構成の下、図5(b)に示すように、マット部材70に対し軽量の高圧水素タンク8Aを設置した場合には、該高圧水素タンク8Aの重量の方がマット部材70の反発力よりも僅かに勝り、高圧水素タンク8Aはマット部材70の変形量α1分だけ僅かに沈み込む。
そして、高圧水素タンク8Aの軸線C1が第1高さ位置H1に位置した状態で、高圧水素タンク8Aの重量とマット部材70の反発力とがつり合った状態となり静止する。つまり、高圧水素タンク8Aは、マット部材70により第1高さ位置H1に支持された状態となる。
一方、図5(c)に示すように、マット部材70に対し比較的重量のあるバッテリーパック8Bを設置した場合には、バッテリーパック8Bの重量の方がマット部材70の反発力に勝り、バッテリーパック8Bはマット部材70の変形量α2分だけ沈み込む。
そして、バッテリーパック8Bの軸線C2が第2高さ位置H2に位置した状態で、バッテリーパック8Bの重量とマット部材70の反発力とがつり合った状態となり静止する。つまり、バッテリーパック8Bは、マット部材70により第2高さ位置H2に支持された状態となる。
以上詳述したように、本実施形態によれば、上記第1実施形態等と同様の作用効果が奏される。特に貯蔵体搭載構造の簡素化を図ることができる。
〔第4実施形態〕
次に第4実施形態について図面を参照して詳しく説明する。本実施形態においては、上記第1実施形態等に係る貯蔵体搭載機構10に代えて、図6(a)に示す貯蔵体搭載機構75を車両プラットフォームの貯蔵体搭載構造として備えた構成となっている。
貯蔵体搭載機構75は、車両プラットフォームに固定されるベース部76と、該ベース部76上に立設された複数の支柱77と、該複数の支柱77により支持されたシート部材78とを備えている。シート部材78は弾性素材により構成され、本実施形態における弾性体に相当するものである。
シート部材78は、円筒型エネルギー貯蔵体8が設置されると、円筒型エネルギー貯蔵体8と面接触するように変形する。また、円筒型エネルギー貯蔵体8の重量に応じて、その変形量(沈み込み量)が変化する。従って、シート部材78が本実施形態における貯蔵体設置部及び移動手段を構成する。
かかる構成の下、図6(b)に示すように、シート部材78に対し軽量の高圧水素タンク8Aを設置した場合には、該高圧水素タンク8Aの重量の方がシート部材78の反発力よりも僅かに勝り、高圧水素タンク8Aはシート部材78の変形量β1分だけ僅かに沈み込む。
そして、高圧水素タンク8Aの軸線C1が第1高さ位置H1に位置した状態で、高圧水素タンク8Aの重量とシート部材78の反発力とがつり合った状態となり静止する。つまり、高圧水素タンク8Aは、シート部材78により第1高さ位置H1に支持された状態となる。
一方、図6(c)に示すように、シート部材78に対し比較的重量のあるバッテリーパック8Bを設置した場合には、バッテリーパック8Bの重量の方がシート部材78の反発力に勝り、バッテリーパック8Bはシート部材78の変形量β2分だけ沈み込む。
そして、バッテリーパック8Bの軸線C2が第2高さ位置H2に位置した状態で、バッテリーパック8Bの重量とシート部材78の反発力とがつり合った状態となり静止する。つまり、バッテリーパック8Bは、シート部材78により第2高さ位置H2に支持された状態となる。
以上詳述したように、本実施形態によれば、上記第1実施形態等と同様の作用効果が奏される。特に貯蔵体搭載構造の簡素化を図ることができる。
ここで、上記構成に代えて、シート部材78を非弾性素材により構成すると共に、該シート部材78に対し張力を付与する張力付与機構を備えた構成としてもよい。
例えば貯蔵体搭載機構75の幅方向(短手方向)両端部においてそれぞれ、巻取りローラを設けると共に、該巻取りローラに対し、ねじりバネ等の付勢力により、シート部材78を巻き取り可能な所定方向への回転力を付与する。これにより、幅方向一対の巻取りローラによりそれぞれ巻き取られるシート部材78に張力が付与される。
かかる構成の下、シート部材78上に円筒型エネルギー貯蔵体8が設置されると、シート部材78の張力に抗して、各巻取りローラからシート部材78が引き出され、シート部材78が円筒型エネルギー貯蔵体8と面接触するように変形する。これにより、円筒型エネルギー貯蔵体8は、シート部材78の変形量分だけ沈み込む。
また、円筒型エネルギー貯蔵体8の重量に応じて、その変形量(引出量)は変化する。つまり、重量の軽い高圧水素タンク8Aを設置した場合よりも、重量の重いバッテリーパック8Bを設置した場合の方がシート部材78の変形量(引出量)が多くなる。これにより、円筒型エネルギー貯蔵体8の重量に応じて、その支持位置が変更されることとなる。
〔第5実施形態〕
次に第5実施形態について図面を参照して詳しく説明する。本実施形態に係る貯蔵体搭載機構10では、図7(a),(b)に示すように、移動機構部51の数を減らし、上方への付勢力を弱める一方、高圧水素タンク8Aが設置された貯蔵体設置部52を支持する支持手段としての支持機構90を追加した構成となっている。
支持機構90は、貯蔵体設置部52の幅方向(短手方向)に対し該貯蔵体設置部52を挟んで相対向する一対の支持片91A,91Bを、該貯蔵体設置部52の長手方向に2組備えた構成となっている。支持片91A,91Bが本実施形態における支持部材を構成する。
支持片91A,91Bは、舌片状をなし、その基端側が貯蔵体設置部52の長手方向を軸心として回動可能に軸支され、支持部材付勢手段としてのねじりバネ(図示略)の付勢力により、その先端側(自由端側)が斜め上方を向くように付勢されている。
一方、貯蔵体設置部52の側壁面には、各支持片91A,91Bの先端部が係合可能な被係合部としての支持凹部52aが形成されている。
かかる構成の下、図7(a)に示すように、貯蔵体設置部52に対し軽量の高圧水素タンク8Aを設置した場合には、移動機構部51の付勢力に加え、各支持片91A,91Bの先端部が支持凹部52a内に入り込むことで、支持片91A,91B(ねじりバネ)の付勢力が加わり、貯蔵体設置部52(高圧水素タンク8A)を支持した状態となる。
これにより、貯蔵体設置部52(高圧水素タンク8A)は、高圧水素タンク8Aの軸線C1が第1高さ位置H1に位置した状態で支持される。
一方、図7(b)に示すように、貯蔵体設置部52に対し比較的重量のあるバッテリーパック8Bを設置した場合には、バッテリーパック8Bの重量の方が移動機構部51の付勢力及び支持片91A,91Bの付勢力に勝り、貯蔵体設置部52(バッテリーパック8B)は、これらの付勢力に抗して降下する。
これにより、支持片91A,91Bは、一旦、その先端側が下方に向くように回動した後、貯蔵体設置部52(バッテリーパック8B)が支持片91A,91B間を通過すると、再び先端側が斜め上方を向く元の状態に戻る。
一方、貯蔵体設置部52(バッテリーパック8B)は、自身が移動可能な最下位位置まで到達して停止する。これにより、バッテリーパック8Bの軸線C2が第2高さ位置H2に位置した状態となる。つまり、バッテリーパック8Bは、移動機構部51により第2高さ位置H2に支持された状態となる。
以上詳述したように、本実施形態によれば、上記第1実施形態等と同様の作用効果が奏される。加えて、本実施形態では、支持機構90を備えることで、高圧水素タンク8Aを第1高さ位置H1に対し精度良く位置決めすることができると共に、高圧水素タンク8Aの支持状態の安定性を高めることができる。
ここで、移動機構部51の内部のコイルばね57を省略し、該移動機構部51が貯蔵体設置部52に対し付勢力を与えない構成としてもよい(後述する第6実施形態についても同様)。つまり、貯蔵体設置部52に対し高圧水素タンク8Aを設置した場合には、支持機構90によってのみ支持される構成としてもよい。かかる場合、移動機構部51は、付勢手段や移動手段ではなく、ガイド手段や支持手段として機能することとなる。
また、支持凹部52aを省略し、支持片91A,91Bが貯蔵体設置部52の側壁面(例えば斜め下方に位置する側壁面)を被係合部として直接支持する構成としてもよい(後述する第6実施形態についても同様)。
〔第6実施形態〕
次に第6実施形態について図面を参照して詳しく説明する。本実施形態では、図8(a),(b)に示すように、上記第5実施形態に係る支持機構90に代えて、支持手段としての支持機構95を備えた構成となっている。尚、図8(a),(b)においては、簡素化のため、貯蔵体搭載機構10のうち貯蔵体設置部52及び支持機構95のみを図示している。
支持機構95は、貯蔵体設置部52の幅方向(短手方向)に対し該貯蔵体設置部52を挟んで相対向する一対の支持部材96A,96Bを、該貯蔵体設置部52の長手方向に2組備えた構成となっている。
支持部材96A,96Bは、それぞれ支持部材付勢手段としてのコイルばね97A,97Bの付勢力により、互いに近接する方向(貯蔵体設置部52側)に向け水平方向に付勢されている。
一方、貯蔵体設置部52の側壁面には、各支持部材96A,96Bの先端部が係合可能な被係合部としての支持凹部52bが形成されている。
かかる構成の下、図8(a)に示すように、貯蔵体設置部52に対し軽量の高圧水素タンク8Aを設置した場合には、移動機構部51の付勢力に加え、各支持部材96A,96Bの先端部が支持凹部52b内に入り込むことで、支持部材96A,96B(コイルばね97A,97B)の付勢力が加わり、貯蔵体設置部52(高圧水素タンク8A)を支持した状態となる。
これにより、貯蔵体設置部52(高圧水素タンク8A)は、高圧水素タンク8Aの軸線C1が第1高さ位置H1に位置した状態で支持される。
一方、図8(b)に示すように、貯蔵体設置部52に対し比較的重量のあるバッテリーパック8Bを設置した場合には、バッテリーパック8Bの重量の方が移動機構部51の付勢力及び支持部材96A,96Bの付勢力に勝り、貯蔵体設置部52(バッテリーパック8B)は、これらの付勢力に抗して降下する。
これにより、支持部材96A,96Bは、一旦、コイルばね97A,97Bの付勢力に抗して、互いに離間する方向へスライド変位した後、貯蔵体設置部52(バッテリーパック8B)が支持部材96A,96B間を通過すると、再び互いに近接する方向へスライド変位し、元の状態に戻る。
一方、貯蔵体設置部52(バッテリーパック8B)は、上記第5実施形態と同様、自身が移動可能な最下位位置まで到達して停止する。これにより、バッテリーパック8Bの軸線C2が第2高さ位置H2に位置した状態となる。つまり、バッテリーパック8Bは、移動機構部51により第2高さ位置H2に支持された状態となる。
以上詳述したように、本実施形態によれば、上記第1,5実施形態等と同様の作用効果が奏される。
ここで、貯蔵体設置部52の支持凹部52b内に入り込み、係合状態にある各支持部材96A,96Bの離間方向へのスライド変位を規制する変位規制手段を備えた構成としてもよい。これにより、高圧水素タンク8Aの支持状態の安定性を高めることができる。
また、支持機構95において、コイルばね97A,97Bを省略し、スライド変位可能に構成された支持部材96A,96Bを作業者が操作することにより、貯蔵体設置部52の支持凹部52bに係合する係合状態と、支持凹部52bから離脱する非係合状態とを手動で切り換え可能な構成としてもよい。
〔第7実施形態〕
次に第7実施形態について図面を参照して詳しく説明する。上記第1実施形態等では、車両プラットフォームにおいて、貯蔵体搭載機構10の長手方向一端側に水素供給用配管LA及び電気ケーブルLBの両者がまとめて配置された構成となっている。
これに代えて、本実施形態では、貯蔵体搭載機構10の長手方向一端側に水素供給用配管LAが配置され、他端側に電気ケーブルLBが配置された構成となっている。
かかる構成により、供給系の配置構成の煩雑化を抑制すると共に、円筒型エネルギー貯蔵体8との接続作業の効率化を図ることができる。
尚、上記各実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
(a)本発明に係る貯蔵体搭載構造を備えた車両プラットフォームが用いられる車両は上記各実施形態に限定されるものではない。
例えば上記各実施形態では、燃料ガスタンクを搭載した車両として、高圧水素タンク8Aを搭載した燃料電池自動車1Aが例示されている。
これに限らず、例えば燃料ガス(天然ガスや水素ガスなど)を貯蔵した燃料ガスタンクを搭載し、ここから供給される燃料ガスを使用して内燃機関を駆動させ走行する天然ガス自動車や水素自動車などに適用してもよい。また、内燃機関により駆動するエンジン発電機にて発生する電気を使用して電動モータを駆動させ走行する車両に適用してもよい。
また、上記各実施形態では、電池パックを搭載した車両として、バッテリーパック8Bを搭載した電気自動車1Bが例示されている。
これに限らず、例えば天然ガス自動車などの内燃機関の補助動力源として電動モータを備え、該電動モータに対し電力供給を行う電池パックを備えた車両に適用してもよい。
また、貯蔵体搭載機構10など車両プラットフォームの貯蔵体搭載構造によって、載せ替え可能な2種類のエネルギー貯蔵体の組合せは、燃料ガスタンク(高圧水素タンク8A)と電池パック(バッテリーパック8B)の組合せに限定されるものではない。
例えば燃料ガスタンク又は電池パックに代えて、燃料電池スタック7Aに供給する水素ガスを発生させるための原料(例えばエタノールやメタノールなど)を貯蔵した液体燃料タンクを搭載可能な構成としてもよい。
(b)円筒型エネルギー貯蔵体8を設置するための貯蔵体搭載機構10(貯蔵体設置部52)の構成や数、配置レイアウトなどは、上記各実施形態に限定されるものではない。
例えば上記各実施形態では、車両プラットフォームにおいて貯蔵体搭載機構10が1つだけ設けられ、該貯蔵体搭載機構10において貯蔵体設置部52が1つだけ設けられた構成となっているが、これに限らず、車両プラットフォームにおいて複数の貯蔵体搭載機構10を備えた構成としてもよいし、貯蔵体搭載機構10において複数の貯蔵体設置部52を備えた構成としてもよい。
上記各実施形態では、貯蔵体搭載機構10(貯蔵体設置部52)が車両プラットフォームの前後方向後端寄りに配置され、その長手方向が車幅方向に沿うように設けられている。これに限らず、例えば貯蔵体搭載機構10(貯蔵体設置部52)が車両プラットフォームの前後方向略中央部に配置され、その長手方向が前後方向に沿うように設けられた構成としてもよい。
上記各実施形態では、円筒型エネルギー貯蔵体8を設置可能な断面半円弧状の貯蔵体設置部52が設けられた構成となっているが、エネルギー貯蔵体を設置する貯蔵体設置部の構成は、これに限定されるものではない。
例えば平坦な載置面を有する平板状の貯蔵体設置部を備え、該載置面に載置したエネルギー貯蔵体を金具等により固定する構成としてもよい。例えば平坦な載置面に載置した円筒型エネルギー貯蔵体8を逆U字状の金具等により固定する構成としてもよい。
つまり、高圧水素タンク8Aやバッテリーパック8Bなどのエネルギー貯蔵体の形状は、円筒形状に限定されるものではなく、例えば直方体形状のバッテリーパックを搭載する構成としてもよい。
但し、高圧水素タンク8A等の燃料ガスタンクの一般的な形状に合わせて、バッテリーパック8B等の電池パックの外形状が略同一径の円筒形状に統一されている方が、コスト面においても、車両プラットフォームの共通化を図る上でも好ましい。
(c)電池パックの構成は、上記各実施形態に係るバッテリーパック8Bに限定されるものではない。例えば上各記実施形態では、円筒形状のパックケース41内に、円筒形状をなす複数の電池モジュール42が1列に収容された構成なっている。これに限らず、電池モジュールが1つだけ収容された構成としてもよいし、電池モジュールが複数列に並んで収容された構成としてもよい。
また、円筒形状ではない電池モジュール(例えば直方体形状の電池モジュール)を円筒形状のパックケース41内に収容した構成としてもよい。
(d)貯蔵体搭載機構10など貯蔵体搭載構造に係る構成は、上記各実施形態に限定されるものではない。
例えば上記各実施形態では、貯蔵体設置部52等に設置される円筒型エネルギー貯蔵体8の重量の違いにより、該貯蔵体設置部52等の高さ位置が第1支持位置又は第2支持位置へ選択的に変更可能な構成となっている。
これに限らず、例えば移動機構部51,61等に代えて、電動アクチュエータや油圧シリンダ、油圧ジャッキなど、作業者による手動操作や制御機器による各種制御等を必要とする機構を移動機構部として備えた構成としてもよい。
かかる場合、円筒型エネルギー貯蔵体8の重量の大小によらず、上位の第1支持位置にて重量の重いバッテリーパック8Bを支持し、下位の第2支持位置にて重量の軽い高圧水素タンク8Aを支持する構成としてもよい。
また、移動機構部51,61等を省略した構成としてもよい。少なくとも貯蔵体設置部52等の高さ位置を第1支持位置又は第2支持位置へ変更可能な構成となっていればよい。例えば作業者が手作業で貯蔵体設置部52を支持しつつ第1支持位置又は第2支持位置への変更作業を行い、ボルト等の締結手段により貯蔵体設置部52を各位置に固定する構成としてもよい。
また、上記各実施形態では、貯蔵体設置部52が上下方向に移動するだけの構成となっているが、これに限らず、少なくとも貯蔵体設置部52の高さ位置が変更される構成となっていれば、水平方向の移動を伴う構成、例えば所定の傾斜部に沿って貯蔵体設置部52が斜めに移動する構成としてもよい。