本発明に含まれる打込機のいくつかの実施形態のうち、代表的な実施形態について図面を参照して説明する。
図1及び図2に示す打込機10は、ハウジング11、打撃部12、射出部13、電源部14、電動モータ15、減速機構16、変換部17及び蓄圧容器18を有する。ハウジング11は、打込機10の外殻要素であり、ハウジング11は、シリンダケース19と、シリンダケース19に接続されたハンドル20と、シリンダケース19に接続されたモータケース21と、ハンドル20及びモータケース21に接続された装着部22と、を有する。
ヘッドカバー23がシリンダケース19に取り付けられており、蓄圧容器18は、シリンダケース19内及びヘッドカバー23内に亘って配置されている。シリンダ24がシリンダケース19内に収容されている。圧力室25が、蓄圧容器18内及びシリンダ24内に亘って形成される。圧力室25に圧縮性気体が充填されている。圧縮性気体は、空気の他、不活性ガスを用いることができる。不活性ガスは、一例として、窒素ガス、希ガスを含む。本開示では、圧力室25に空気が充填されている例を説明する。
打撃部12は、ハウジング11の内外に亘って配置されている。打撃部12は、圧力室25の圧力により、向きD1で常に付勢されている。打撃部12は、ピストン26及びドライバブレード27を有する。ピストン26は、シリンダ24内に配置されている。打撃部12は、シリンダ24の中心線A1に沿った方向に往復動可能、つまり、直動可能である。ドライバブレード27は、ラック28を有する。ラック28は、中心線A1に沿った方向に間隔をおいて配置した複数の突部で構成されている。バンパ29がシリンダケース19内に設けられている。バンパ29は、環状であり、かつ、合成ゴム製である。
電源部14は装着部22に対して取り付け及び取り外しが可能である。電源部14は、直流電源である。電源部14は、収容ケース30と、収容ケース30内に収容した複数の電池セルとを有する。電池セルは、充電及び放電が可能な二次電池であり、電池セルは、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池、リチウムイオンポリマー電池、ニッケルカドミウム電池等、公知の電池セルを任意に用いることができる。
電動モータ15は、モータケース21内に配置されている。電動モータ15は、ロータ31及びステータ32を有する。ロータ31はロータ軸33に取り付けられ、ロータ軸33は、減速機構16の入力要素に連結されている。
トリガ34及びトリガスイッチ35が、ハンドル20に設けられている。トリガスイッチ35は、トリガ34に加わる操作力の有無を検出し、かつ、検出結果に応じた信号を出力する。制御部36がハウジング11内、一例として、モータケース21及び装着部22に亘って設けられている。制御部36は、基板に取り付けられたマイクロプロセッサを有する。マイクロプロセッサは、入出力インタフェース、制御回路、演算処理部及び記憶部を有する。
インバータ回路37がモータケース内に設けられている。インバータ回路37は、複数のスイッチング素子を備え、複数のスイッチング素子は単独でオン・オフが可能である。制御部36は、インバータ回路37を制御する。インバータ回路37は、ステータ32と電源部14とを電気的に接続及び遮断する。
中心線A1に沿った方向における打撃部12の位置を検出する位置検出センサが、ハウジング11内に設けられている。位置検出センサは、打撃部12に接触または非接触で、打撃部12の位置を直接検出するものを含む。また、位置検出センサは、電動モータ15の回転方向における位相から、打撃部12の位置を間接的に検出するものを含む。
制御部36は、トリガスイッチ35の信号、位置検出センサの信号を処理する。制御部36は、インバータ回路37を制御することにより、電動モータ15の回転及び停止、電動モータ15の回転数、電動モータ15の回転方向を制御する。
変換部17は、回転軸38及びホイール39を有する。回転軸38及びホイール39は、中心線A2を中心として回転可能である。回転軸38は、減速機構16の出力要素に連結されている。変換部17は、回転軸38の回転力を、打撃部12の作動力に変換する。ピニオン40がホイール39に設けられている。ピニオン40は、ホイール39の回転方向に沿って配置された複数のピンを有する。ピニオン40はラック28に対して係合及び解放が可能である。
モータケース21内に回転規制機構が設けられている。回転規制機構は、電動モータ15が正回転した際の回転力で、ホイール39が図1において反時計回りに回転することを可能にする。回転規制機構は、打撃部12の向きD1の力がホイール39に伝達された場合に、ホイール39が図1で時計回りに回転することを防止する。
図2に示すマガジン41が、射出部13及びハウジング11によって支持されている。
マガジン41は、留具43を収容する。留具43は、一例として釘、ステープル等である。マガジン41はフィーダ42を有し、フィーダ42は、マガジン41内の留具43を射出部13へ送る。
射出部13は、ハウジング11に設けられている。射出部13は、図3のようにブレードガイド44及びガイドプレート45を有する。射出部13は、ハウジング11に対して中心線A1に沿った方向に所定の範囲内で移動可能である。プッシュレバーが、射出部13に取り付けられている。プッシュレバーは、相手材に接触及び離間可能である。ブレードガイド44にアーム81が連結されており、アーム81にプレート82が取り付けられている。ハウジング11にホルダ83が設けられており、スプリング84が、ホルダ83とプレート82との間に配置されている。ストッパ85がホルダ83に設けられている。
スプリング84は、一例として金属製の圧縮スプリングである。プレート82はスプリング84の付勢力で押されてストッパ85に接触し、プッシュレバーが初期位置で停止する。射出部13の先端が相手材に押し付けられると、スプリング84の付勢力に抗して射出部13が中心線A1に沿った方向に、ハウジング11に対して移動して停止する。
ガイドプレート45は、支持軸46を介してブレードガイド44に取り付けられている。ガイドプレート45は、支持軸46を中心とする所定の角度内で、ブレードガイド44に対して作動可能である。ブレードガイド44は、フック47を有する。レバー48が支持軸49を介してガイドプレート45に取り付けられている。レバー48は支持軸49を中心として、ガイドプレート45に対して作動可能である。レバー48は、係合片50を有する。
係合片50がフック47に係合し、かつ、レバー48をロック状態にすると、ガイドプレート45は、図3及び図7(A)に示すように、ブレードガイド44に近接して停止した状態、つまり、固定状態にある。ガイドプレート45が固定状態にあると、図3及び図5(B)に示す射出路51が、ブレードガイド44とガイドプレート45との間に形成される。射出路51は、隙間、空間、孔、溝等のように、ドライバブレード27及び留具43が、中心線A1に沿った方向に移動可能な通路である。本実施形態では、シリンダ24の中心線A1が、射出路51の中心線と共通であるものとして説明する。
ドライバブレード27は、射出路51で中心線A1に沿った方向に作動可能である。ブレードガイド44及びガイドプレート45は、ドライバブレード27が、中心線A1に沿った方向とは異なる方向に動くことを制限する。具体的に説明すると、ブレードガイド44及びガイドプレート45は、ドライバブレード27が図1で中心線A1とは異なる方向に動くこと、ドライバブレード27が図3で中心線A1とは異なる方向に動くこと、を制限する。
なお、係合片50がフック47から解放されていると、ガイドプレート45は、図7(B)のようにブレードガイド44から離間可能である。ガイドプレート45がブレードガイド44から離間した状態は、解除状態として定義可能である。作業者は、ガイドプレート45を固定状態と解除状態とに切り替え可能である。図7(B)のように、ガイドプレート45は、係合部71を有する。係合部71は、例えば、凹部または溝である。
図3及び図4に示す接触機構52が、射出部13またはマガジン41に取り付けられている。接触機構52は、構造材53及びフローリング材54に接触して、射出部13を構造材53及びフローリング材54に対して位置決めする。接触機構52は、アタッチメントとして定義可能である。接触機構52は、基部55、第1接触要素56及び第2接触要素57を有する。基部55は、一例として金属製であり、基部55は、図4に示す取り付け孔58を有する。第1接触要素56は、一例として金属製であり、第1接触要素56は、取り付け孔59及び第1接触部60を有する。第1接触部60は、直線状の縁である。第2接触要素57は、一例として金属製であり、第2接触要素57は、取り付け孔61及び第2接触部62を有する。第2接触部62は、直線状の縁である。
ボルト63が取り付け孔61,58,59に挿入され、かつ、ナット64が締め付けられて、基部55、第1接触要素56及び第2接触要素57が、互いに固定されている。また、ナット64にレバー65が取り付けられており、レバー65を作業者が操作すると、ナット64を締め付け付けること、ナット64を緩めることが可能である。ナット64を締め付けると、第1接触要素56及び第2接触要素57を基部55に取り付けることが可能である。ナット64を緩めると、第1接触要素56及び第2接触要素57を基部55から取り外すことが可能である。
接触機構52が射出部13またはマガジン41に取り付けられている状態で、第1接触部60と第2接触部62とは、互いに平行である。図2のように、マガジン41の一部は、ハウジング11と第1接触要素56との間に位置する。図3のように、接触機構52が射出部13に取り付けられている状態で、第1接触部60及び第2接触部62は、中心線A1に対して交差する方向に沿って配置される。中心線A1は、第1接触要素56と第2接触要素57との間に位置する。
本実施形態では、図1のように、中心線A2に対して垂直な平面内で打込機10を表すことを、打込機10の正面断面図として説明している。図1において、中心線A2を中心とする円の径方向で、中心線A2と中心線A1とが離間して配置されている。また、図2のように、中心線A1と中心線A2とが交差して配置される状態で打込機10を表すことを、側面断面図として説明している。
次に、接触機構52を取り付けた打込機10の使用例を説明する。接触機構52を有する打込機10は、フローリング材54を構造材53に固定する作業に用いる。構造材53の表面53Aは、平坦である。フローリング材54は、帯状の板材であり、フローリング材54は、溝54A及び突部54Bを有する。溝54Aと突部54Bとは、フローリング材54の側縁に沿って互いに平行に設けられている。フローリング材54の表面54Cが、構造材53の表面53Aに接触した状態で、フローリング材54が、構造材53の表面53Aに置かれる。
作業者は、基部55の先端を、フローリング材54の突部54Bの基部に押し付ける。また、第1接触部60をフローリング材54の表面54Dに接触させ、かつ、第2接触部62を構造材53の表面53Aに接触させる。表面54Dは、表面54Cの反対に位置し、表面54Cと表面54Dとが平行である。
すると、射出部13が、フローリング材54及び構造材53に位置決めされる。具体的には、フローリング材54の表面54Dに対する中心線A1の角度が定まる。また、中心線A1に沿った方向で、フローリング材54に対する射出部13の位置が定まる。
制御部36は、トリガスイッチ35がオフされていることを検出すると、電動モータ15に対する電力の供給を停止し、電動モータ15を停止させている。電動モータ15が停止していると、打撃部12は待機位置で停止している。ここでは、ピストン26がバンパ29から離間している状態に対応する打撃部12の位置が、待機位置であるものとして説明する。
打撃部12は、次の作用で待機位置に停止している。ピニオン40とラック28とが係合し、打撃部12が圧力室25から受ける付勢力は、ホイール39に伝達され、ホイール39は図1で時計方向の回転力を受ける。回転規制機構は、回転軸38の回転を防止し、打撃部12は待機位置で停止している。
制御部36は、トリガスイッチ35がオンしたことを検出すると、インバータ回路37を制御して電源部14の電力を電動モータ15に供給し、電動モータ15を正回転させる。電動モータ15の回転力は、減速機構16を経由して回転軸38に伝達される。すると、ホイール39は、図1で反時計回りに回転する。
ホイール39の回転力は打撃部12に伝達され、打撃部12が図1の向きD2で上昇する。向きD1と向きD2とは、互いに逆である。打撃部12が上昇すると圧力室25の圧力が上昇する。ピストン26が図2に破線で示す上死点に到達すると、全てのピニオン40がラック28から解放される。打撃部12は、圧力室25の圧力で図2の向きD1で下降する。打撃部12が下降すると、ドライバブレード27は、射出路51にある留具43を打撃し、留具43はフローリング材54を貫通して構造材53に打ち込まれる。したがって、フローリング材54は構造材53に固定される。
また、ピストン26は、ドライバブレード27が留具43をフローリング材54及び構造材53に打ち込んだ後、バンパ29に衝突する。バンパ29は中心線A1に沿った方向の荷重を受けて弾性変形し、バンパ29は打撃部12の運動エネルギの一部を吸収する。
ピストン26がバンパ29に接触している状態に対する打撃部12の位置は、下死点である。制御部36は、位置検出センサの信号を処理しており、中心線A1に沿った方向における打撃部12の位置を検出している。制御部36は、打撃部12が下死点に到達した後も電動モータ15を回転させる。このため、打撃部12は下死点から上昇する。制御部36は、打撃部12が待機位置に到達したことを検出すると、電動モータ15を停止させる。
作業者は、所定のフローリング材54を構造材53に固定すると、他のフローリング材54を表面53Aに載せ、かつ、他のフローリング材54の溝54Aに、所定のフローリング材54の突部54Bを嵌め込む。その後、打込機10を上記と同様に使用して、他のフローリング材54を構造材53に固定する。
留具43が射出路51で詰まった場合、作業者はレバー48を操作し、かつ、ガイドプレート45を解除状態とし、留具43を除去する。そして、作業者は、ガイドプレート45をブレードガイド44に接近させ、レバー48を操作してガイドプレート45を固定状態とする。なお、打撃部12の待機位置は、下死点、つまり、ピストン26がバンパに接触した下死点にある状態でもよい。
このように、フローリング材54に留具43を打ち込む場合、中心線A1は、表面54Dに対して垂直な直線B1に対して交差する。中心線A1と直線B1とが交差するように、打込機10の使用状態を、本実施形態では“第1状態”とする。
本実施形態の打込機10は、第1状態とは異なる第2状態で使用することも可能である。打込機10の第2状態は、相手材の表面に対して垂直な直線B1と、中心線A1とが平行になる使用状態である。作業者は、打込機10を第2状態で使用する場合、接触機構52を打込機10から取り外す。
本実施形態の打込機10において、射出部13またはマガジン41に取り付け及び取り外し可能な接触機構52の具体例を、順次説明する。接触機構52を射出部13またはマガジン41に取り付けまたは取り外しする場合、第1接触要素56及び第2接触要素57が基部55に取り付けられた状態で行うこと、第1接触要素56及び第2接触要素57が基部55から取り外された状態で行うこと、の何れでもよい。
(具体例1)
接触機構52の基部55は、図5(A)及び図6(A)のように、第1構成部66、第2構成部67及び接続部68を有する。第1構成部66と第2構成部67とは、中心線C1を隔てて配置され、接続部68は、第1構成部66と第2構成部67とを接続している。接続部68は、図6(B)に示す凸部68Aを有する。また、第1構成部66から中心線C1に向けて突出した係合部69が設けられている。中心線A1に沿った方向で、ガイドプレート45の先端45A、第1構成部66の先端66A、第2構成部67の先端67Aは、同じ位置にある。
さらに、第2構成部67から中心線C1に向けて突出した係合部70が設けられている。中心線C1に沿った方向で、接続部68は、係合部69,70とは異なる位置に配置されている。また、図5(B)及び図6(B)に示すように、接続部68と係合部69,70とが、ブレードガイド44とガイドプレート45との配置方向で、異なる位置に配置されている。そして、取り付け孔58は、第1構成部66及び第2構成部67のそれぞれに設けられている。さらにガイドプレート45は、2個の係合部45Dを有する。
接触機構52が、射出部13に取り付けられている状態を説明する。ガイドプレート45は固定状態にある。また、図5(A)、図5(B)のように、ガイドプレート45は、接続部68に接触し、かつ、2個の係合部45Dは、それぞれ係合部69,70に接触する。このため、係合部69,70が、係合部45Dとブレードガイド44とにより挟まれて、基部55は、図5(B)で上下に沿った方向E1に位置決めされている。さらに、係合部69,70がガイドプレート45に係合して、基部55は、図5(B)で左右に沿った方向E2に位置決めされている。
また、ガイドプレート45が、図7(A)のようにブレードガイド44が固定状態でロックされると、係合部71が、接続部68の凸部68Aに係合している。このため、基部55は、図7(A)上下に沿ったE3方向に位置決めされている。E3方向は、図1及び図3で中心線A1に沿った方向と同じである。したがって、射出部13の先端をフローリング材54に押し付けた場合に、基部55が中心線A1に沿った方向に移動することを防止可能である。
作業者が、打込機10を第2状態で使用する場合、次の作業を行うことにより、接触機構52を射出部13から取り外す。先ず、レバー48を操作し、かつ、ガイドプレート45を支持軸46を支点として作動させ、ガイドプレート45を図7(B)に示す解除状態とする。すると、係合部71が接続部68から解放される。そして、作業者が基部55をガイドプレート45に沿って移動させて基部55をガイドプレート45から取り外す。このように、ガイドプレート45が解除状態であると、射出部13に対する接触機構52の位置決めを解除可能である。
その後、作業者は、ガイドプレート45を作動させ、かつ、ブレードガイド44に接近させた位置に保持する。さらに、作業者は、係合片50をフック47に係合させた後、レバー48を操作することにより、ガイドプレート45を固定状態とする。
射出部13を構成するブレードガイド44及びガイドプレート45は、ドライバブレード27の作動方向を規制する機能と、射出路51に詰まった留具43を容易に取り出すことの可能な機能と、を備えていることに加え、接触機構52を射出部13に対して位置決めする機能を兼ねている。このため、接触機構52を射出部13に設けるにあたり、専用の取り付け機構を設けずに済む。したがって、打込機10の部品点数が増加することを抑制可能である。
(具体例2)
図8(A)、図8(B)、図9(A)及び図9(B)は、図4に示す接触機構52の基部55を、図3の射出部13に取り付け及び取り外し可能とする具体例2である。図8(A)、図8(B)において、図5(A)、図5(B)と同じ構成は、図5(A)、図5(B)と同じ符号を付してある。
図8(A)、図8(B)に示す基部55は、図5(A)に示す係合部69,70を備えていない。永久磁石72が接続部68に固定されている。永久磁石72は、基部55及びガイドプレート45に対して吸着可能である。凹部73が接続部68に設けられている。ガイドプレート45は、磁性材料製、一例として鉄製である。ガイドプレート45は、本体75と、本体75から突出した突起部74と、本体75に設けたフック76とを有する。
図8(A)、図8(B)及び図9(B)のように、基部55がガイドプレート45に取り付けられた状態において、永久磁石72が本体75に吸着している。また、接続部68の一部は、フック76に係合している。固定具としての永久磁石72が本体75に吸着し、かつ、接続部68が本体75及びフック76に挟まれていることにより、基部55が方向E1で位置決めされている。突起部74が凹部73に位置しており、突起部74と接続部68との係合力で、基部55が方向E2で位置決めされている。
また、接続部68がフック76に係合することにより、基部55が方向E3に位置決めされている。このため、作業者が打込機10を第1状態で使用するにあたり、射出部13をフローリング材54に押し付けた場合に、基部55が射出部13に対して中心線A1に沿った方向に移動することを防止できる。
作業者が打込機10を第2状態で使用する場合は、ガイドプレート45をブレードガイド44に固定した状態において、次の作業を行って基部55をガイドプレート45から取り外す。
作業者は、基部55に対して、図9(B)でフック76を支点とする時計回りの力を加える。すると、基部55は、永久磁石72の吸着力に抗して図9(A)のようにガイドプレート45から離間する。さらに、作業者は基部55を平行移動させ、基部55をガイドプレート45から取り外す。
具体例2においても、接触機構52を射出部13に設けるにあたり、専用の取り付け機構を設けずに済む。したがって、打込機10の部品点数が増加することを抑制可能である。
(具体例3)
図10(A)及び図10(B)は、図4に示す接触機構52の基部55を、図3の射出部13に取り付け及び取り外し可能とする具体例3である。ブレードガイド44は、図11(B)に示す係合部77を有する。係合部77は、中心線A1に対して交差して突出されている。ガイドプレート45は、図10(A)及び図11(D)に示す取り付け孔78を有する。ガイドプレート45のうち、取り付け孔78を設けた部位45Bの厚さは、他の部位45Cの厚さよりも大きい。
基部55は、差し込み部79を有する。差し込み部79は、取り付け孔78に対して出入り可能である。差し込み部79は、図12(A)に示す切り欠き80を有する。
そして、図10(B)、図11(A)及び図11(C)のように、差し込み部79が取り付け孔78に配置され、かつ、図10(A)、図10(B)及び図11(A)のように、係合部77が切り欠き80に配置された状態で、基部55が、図10(A)、図10(B)のように射出部13に取り付けられている。また、ガイドプレート45は、ブレードガイド44に近接した位置で固定されている。
基部55は、差し込み部79とガイドプレート45との係合力により、射出部13に対して方向E1,E3において位置決めされている。基部55は、係合部77と差し込み部79との係合力により、射出部13に対して方向E2において位置決めされている。
作業者は、基部55を射出部13に取り付け及び取り外すことが可能である。作業者が、基部55を射出部13から取り外す場合、図2に示すレバー48を操作し、かつ、ガイドプレート45を解除状態とする。すると、図12(C)のように、係合部77が切り欠き80から退出する。
作業者は、基部55をガイドプレート45に対して平行移動させ、かつ、図12(B)のように基部55を所定角度回転させて、図12(A)のように、差し込み部79を取り付け孔78から退出させる。基部55を所定角度回転させる理由は、基部55が、部位45Bに接触することを回避するためである。作業者は、基部55をガイドプレート45から取り外した後、作業者は、ガイドプレート45をブレードガイド44に近接させる。作業者は、更にレバー48を操作し、ガイドプレート45を固定状態とする。
作業者が、基部55を射出部13に取り付ける場合、図2に示すレバー48を操作し、かつ、ガイドプレート45を解除状態とする。また、作業者は、図12(A)及び図12(B)のように、差し込み部79を取り付け孔78に進入させる。さらに、作業者は、図12(B)のように基部55を回転させ、かつ、基部55を平行移動させ、図12(C)のように、差し込み部79を取り付け孔78に更に進入させる。
その後、作業者はガイドプレート45をブレードガイド44に近接させて停止し、係合部77が切り欠き80に位置させる。次に、レバー48を操作し、図10(A)、図10(B)のように、ガイドプレート45を固定状態とする。
具体例3においても、接触機構52を射出部13に設けるにあたり、専用の取り付け機構を設けずに済む。したがって、打込機10の部品点数が増加することを抑制可能である。
(具体例4)
図13は、図4に示す接触機構52を、図3の射出部13及びマガジン41に取り付け及び取り外し可能とする具体例4である。ブレードガイド44は、フック76を有する。2個の係合部86が、第1接触要素56に間隔をおいて設けられている。マガジン41に2個の凹部87が設けられ、係合部86が凹部87にそれぞれ配置されている。基部55の端部がフック76に係合している。
マガジン41は、ガイドレール88を有する。ガイドレール88は、中心線A2に沿った方向に設けられている。マガジン41は筒形状であり、マガジン41における射出部13とは反対に位置する端部に開口部41Aが設けられている。作業者は、留具43を開口部41Aからマガジン41内に入れる。
開口部41Aを塞ぐキャップ89が設けられている。キャップ89はマガジン41に対して取り付け及び取り外しが可能である。キャップ89にスライド部材90が接続されている。スライド部材90は、ガイドレール88を覆うように係合可能である。スライド部材90がガイドレール88に係合し、かつ、ガイドレール88に沿って移動及び停止可能である。作業者がスライド部材90を移動させると、キャップ89で開口部41Aを開閉できる。スライド部材90におけるキャップ89とは反対の端部に切り欠き91が設けられている。
キャップ89がマガジン41に取り付けられ、かつ、キャップ89が開口部41Aを塞いだ状態で、係合部86は切り欠き91内に位置する。
接触機構52は、基部55とフック76との係合力、及び係合部86とマガジン41との係合力により、射出部13に対して方向E1において位置決めされている。また、接触機構52は、係合部86とマガジン41との係合力により、射出部13に対して方向E2において位置決めされている。さらに、係合部86がスライド部材90に係合し、かつ、基部55の端部がフック76に係合することで、接触機構52が、射出部13に対して方向E3において位置決めされている。
作業者は、ガイドプレート45を固定状態に保持し、かつ、接触機構52を射出部13及びマガジン41に対して取り付け及び取り外すことが可能である。
作業者が、接触機構52を射出部13及びマガジン41に対して取り付ける場合は、図14(A)のように、スライド部材90を射出部13から離間させた位置に停止させるか、または、スライド部材90をガイドレール88から外しておく。そして、作業者は、基部55の一部をフック76に係合させ、かつ、基部55を、フック76を支点として作動させ、基部55を、図14(B)のようにガイドプレート45に近接させる。すると、係合部86は凹部87に進入する。
さらに、作業者はスライド部材90を射出部13に近づけ、図13のように、キャップ89が開口部41Aを閉じた時点でスライド部材90を停止させる。すると、係合部86は、図14(C)のように切り欠き91内に位置する。
次に、作業者が、接触機構52を射出部13及びマガジン41から取り外す作業を説明する。先ず、作業者は、スライド部材90を、図14(C)の位置から図14(B)に示すように、射出部13から離間させる。作業者は、基部55を、フック76を支点として作動させ、基部55を、図14(A)のようにガイドプレート45から離間させる。すると、係合部86は凹部87から退出する。さらに、作業者は接触機構52を射出部13及びマガジン41から取り外す。
具体例4においても、接触機構52を射出部13及びマガジン41に設けるにあたり、専用の取り付け機構を設けずに済む。したがって、打込機10の部品点数が増加することを抑制可能である。
実施形態で開示した事項の技術的意味は、次の通りである。打込機10は、打込機の一例である。中心線A1に沿った方向E3が、直動方向の一例である。方向E1,E2は、直動方向に対して交差する方向の一例である。打撃部12は、打撃部の一例である。ハウジング11は、ハウジングの一例である。射出部13は、ガイド部の一例である。
ドライバブレード27が図1で中心線A1とは異なる方向に動くすること、ドライバブレード27が図3で中心線A1に沿った方向とは異なる方向に動くこと、は、“打撃部が直動方向とは異なる方向に動くこと”の一例である。
接触機構52は、接触機構の一例である。ブレードガイド44は、第1部材の一例である。ガイドプレート45は、第2部材の一例である。射出路51は、射出路の一例である。接続部68、係合部45D,69,70,71,86、フック76、スライド部材90は、固定機構の一例である。フック76は、フックの一例である。
基部55は、基部の一例である。第1接触要素56は、第1接触要素の一例である。第2接触要素57は、第2接触要素の一例である。第1接触部60は、第1接触部の一例である。第2接触部62は、第2接触部の一例である、永久磁石72は、磁石の一例である。マガジン41は、マガジンの一例である。スライド部材90は、スライド部材の一例である。
圧力室25は、第1付勢機構の一例である。電動モータ15、ホイール39、ピニオン40及びラック28は、第2付勢機構の一例である。
中心線A1は、中心線A1の一例である。向きD1は、第1の向きの一例である。向きD2は、第2の向きの一例である。留具43は、止具の一例である。留具43は、頭部のあるもの、または無いもの、の何れでもよい。留具43は、軸形状のもの、または、アーチ形状に屈曲したもの、の何れでもよい。
打込機は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。電源部14は直流電源または交流電源の何れでもよい。直流電源は、二次電池または一次電池の何れでもよい。
第1付勢機構は、圧縮性気体を封入した圧力室、つまり、ガススプリングに代えて、固体スプリングまたは磁気スプリングを用いることも可能である。固体スプリングは、一例として、金属製のスプリングの弾性力で、打撃部を第1の向きで付勢する。磁気スプリングは、永久磁石の磁力で打撃部を第1の向きに付勢する。
第2付勢機構は、第1付勢機構の付勢力に抗して打撃部を第2の向きで付勢するものである。第2付勢機構は、電動モータに代えて、油圧モータ、空気圧モータ、電磁石、ソレノイドの何れかを用いることも可能である。
また、第1付勢機構は、ハウジングの外部からエアホースを介して供給される圧縮性気体の圧力により、打撃部を第1の向きで付勢するものを含む。この場合、第2付勢機構は、ハウジング内に設けられた圧縮性気体室の圧力で、打撃部を第2の向きで付勢するように構成する。
第2付勢機構が電動モータ、油圧モータ、空気圧モータの何れかを有する場合、変換部17は、ラック・アンド・ピニオン機構に代えて、牽引機構またはカム機構を用いることも可能である。牽引機構は、モータの回転力をケーブルを介して打撃部12に伝え、打撃部12を牽引して第2方向に移動させる。カム機構は、モータの回転力で回転する回転要素に、外径が緩やかに変化する環状のカム面を形成したものである。モータの回転力を伝達する回転要素は、ギヤ、プーリ、ローラ、遊星歯車機構のキャリヤ、円板部材を含む。
さらにまた、打込機は、打撃部が止具に第1の向きの打撃力を加える構造と、止具に中心線を中心として回転力を加える構造と、を有するねじ打機を含む。