JP7114508B2 - エンドミルの製造方法及び切削加工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、エンドミルの製造方法及び切削加工方法に関するものである。
胴体又は主翼のスキンなどの板状の航空機構造用部品を製造する場合、板状部材(ワーク)に対して、切削加工によって複曲面を形成することがある。複曲面の形成は、ボールエンドミル又はラジアスエンドミルを用いて、等高線加工又は筋彫り加工を行うことが一般的である。
切削工具には、ボールエンドミル又はラジアスエンドミルと異なり、外周刃又は底刃において曲面凸形状の円弧部分を有し、当該円弧部分の曲率半径が大きいバレル工具又はレンズ工具と呼ばれるものがある。下記の特許文献1~3には、外周刃及び底刃の両方において曲率を有する工具が開示されている。
特許第6278170号公報 米国特許第6684742号明細書 米国特許出願公開第2010/0172703号明細書
底刃において曲面凸形状の円弧部分を有するレンズ工具は、ワークに対して底面(面形状)を形成する場合に用いられる。これにより、ボールエンドミルを用いる場合よりも送り間隔(ピックフィード)を大きくすることができ、加工時間の削減や、面粗度の向上を図ることができる。
ワークに対して、底面と、底面に対して立ち上がる側面を形成しつつ、底面と側面の接続部には、強度向上のため、丸みのないピン角とするのではなく、フィレットを設ける場合がある。上述したレンズ工具を用いる場合、フィレットの曲率半径によっては、底面の削り残しと側面の削り残しが生じる。そのため、切削加工によって形成された加工品において、誤差が発生する。発生した誤差を除去するためには、やすり(サンディング)加工などの追加作業を行って、形状を修正するなどの作業が必要になる。
なお、複曲面を有する加工品を形成する場合、CAM制御や加工装置の制約によって、エンドミルを傾けることが困難である。その場合、先端点制御(工具中心制御)によって、切削加工を実施する必要がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、フィレットを持つ面形状部分を精度良く加工することが可能なエンドミルの製造方法及び切削加工方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のエンドミルの製造方法及び切削加工方法は以下の手段を採用する。
すなわち、本発明に係るエンドミルは、曲面凸形状かつ円弧形状に形成された底刃と、隅部に設けられて円弧形状に形成されたラジアス刃とを備え、前記ラジアス刃の円弧部分の半径は、加工目標とする形状のうちフィレット形状部分の円弧部分の半径と一致し、前記底刃の円弧部分の半径は、前記フィレット形状部分に隣接する面形状部分の円弧部分の最小半径以下である。
この構成によれば、底刃が曲面凸形状かつ円弧形状に形成され、ラジアス刃が隅部に設けられて円弧形状に形成されており、軸周りに回転する切削加工によって、ラジアス刃が加工目標とする形状のうちフィレット形状部分を形成でき、底刃がフィレット形状部分に隣接する面形状部分を形成できる。
ラジアス刃の円弧部分の半径が、加工目標とする形状のうちフィレット形状部分の円弧部分の半径と一致するから、1回のパスによって、フィレット形状部分が目標範囲内の形状(目標とする形状に基づいて決定される範囲)に形成される。また、底刃の円弧部分の半径が、加工目標とする形状のうち面形状部分の円弧部分の最小半径以下である。面形状部分の円弧部分が様々な半径を有するとき、最小半径の部分については、1回のパスによって、面形状部分が目標とする形状に形成される。
上記発明において、前記底刃は、1回のパスによって前記フィレット形状部分が目標範囲内の形状に形成されるように、前記底刃が占める領域のエンドミル軸方向に対して垂直方向の直径が設定されてもよい。
この構成によれば、底刃が占める領域のエンドミル軸方向に対して垂直方向の直径(底刃径)は、1回のパスによってフィレット形状部分が目標範囲内の形状に形成されるように設定されている。
上記発明において、1回のパスによって形成する前記フィレット形状部分の目標範囲は、1回のパスによって前記底刃と前記ラジアス刃の境界部分の刃が切削して形成した部分における、厚さ方向の削り残し量によって定められた範囲でもよい。
この構成によれば、1回のパスによって形成されるフィレット形状部分について、底刃とラジアス刃の境界部分が切削して形成した部分における厚さ方向の削り残し量が目標範囲の形状となる。
上記発明において、1回のパスによって形成する前記フィレット形状部分の目標範囲は、1回のパスによって前記ラジアス刃が切削して形成した、前記フィレット部分の最上部の位置によって定められた範囲でもよい。
この構成によれば、1回のパスによって形成されるフィレット形状部分について、ラジアス刃が切削して形成したフィレット形状部分の最上部の位置が目標範囲の形状となる。
上記発明において、前記フィレット形状部分において、平面視してコーナ部が形成されるとき、前記底刃が占める領域のエンドミル軸方向に対して垂直方向の直径は、前記コーナ部の直径よりも小さくてもよい。
この構成によれば、底刃が占める領域のエンドミル軸方向に対して垂直方向の直径は、コーナ部の直径よりも小さいから、フィレット形状部分に目標とする形状のコーナ部を形成できる。
本発明に係るエンドミルの製造方法は、軸線周りに回転されるエンドミルの製造方法であって、前記エンドミルは、前記軸線上に中心を有する曲面凸形状かつ円弧形状に形成された底刃と、前記軸線に対する前記底刃の外周側の隅部に設けられて前記軸線に沿った平面における断面が円弧形状に形成されたラジアス刃とを備え、前記ラジアス刃の円弧部分の半径は、加工目標とする形状のうちフィレット形状部分の円弧部分の半径と一致するように設定され、前記底刃の円弧部分の半径は、前記フィレット形状部分に隣接する面形状部分の円弧部分の最小半径以下であるように設定される。
また、本発明に係る切削加工方法は、軸線周りに回転されるエンドミルを使用してワークを加工目標とする形状に加工する切削加工方法であって、前記加工目標とする形状は、前記ワークの表面に形成された凹状形状とされ、前記凹状形状は、底部に相当する面形状部分、及び、一端が前記面形状部分と連続的に形成されるとともに他端側の部分が側壁に相当するフィレット形状部分を有して、前記エンドミルは、前記軸線上に中心を有する曲面凸形状で前記軸線に沿った平面における断面が円弧形状に形成された底刃と、前記軸線に対する前記底刃の外周側の隅部に設けられて前記軸線に沿った平面における断面が円弧形状に形成されたラジアス刃と、を備え、前記ラジアス刃の円弧部分の半径は、前記フィレット形状部分の円弧部分の半径と一致するように設定され、前記底刃の円弧部分の半径は、前記面形状部分の円弧部分の最小半径以下であるように設定されており、前記エンドミルを、前記軸線周りに回転させながら、かつ、前記ワークの前記表面に接触させながら移動させて、前記表面に前記凹状形状を切削加工する。
本発明によれば、フィレットを持つ面形状部分を精度良く加工することができる。
本発明の一実施形態に係る加工装置を示す構成図である。 ワークを示す斜視図である。 ワークを示す部分拡大平面図である。 本発明の一実施形態に係るエンドミルとワークを示す縦断面図であり、図3のIV-IV線矢視図である。 本発明の一実施形態に係るエンドミルとワークを示す縦断面図であり、図3のV-V線矢視図である。 図5の破線囲み部分のエンドミルとワークを示す部分拡大縦断面図である。 本発明の一実施形態に係る加工装置のエンドミルを示す概略図である。 本発明の一実施形態に係るエンドミルとワークを示す部分拡大縦断面図である。
以下に、本発明に係る実施形態について、図面を参照して説明する。
本発明の一実施形態に係る加工装置1は、図1に示すように、例えば、エンドミル2と、駆動部3と、制御部4を備える。加工装置1は、エンドミル2によって、ワーク50を切削して、ワーク50に所定の形状を形成する。本実施形態における所定の形状は、特に、ワーク50に対して深さ方向に形成された凹状形状である。ワーク50は、例えばアルミニウム合金、チタン合金などの金属材料である。
図1~図4に示すように、例えば、ワーク50は、板状部材であり、ワーク50の強度を確保するため、一面側において高さ方向(厚さ方向)に突出したリブ51が形成され、リブ51に囲まれた領域が薄肉に形成される。この場合、リブ51の最上面以外の領域が、凹状形状を有する。凹状形状は、凹状部分の底部に形成された面形状部分52を有する。そして、凹状形状は、面形状部分52とリブ51の接続部には、強度向上のため、丸みのないピン角とするのではなく、フィレット形状部分53が設けられる。
面形状部分52は、曲率のない平面でもよいし、曲率を有する曲面形状でもよい。フィレット形状部分53は、所定の半径を有する円弧形状である。フィレット形状部分53のうち一端側は、面形状部分52と連続的に形成され、フィレット形状部分53のうち他端側は、リブ51の側壁面を構成する、又は、リブ51の側壁面と連続的に形成される。
面形状部分52とフィレット形状部分53の境界部54は、面形状部分52の曲率(曲率が0(ゼロ)である平面の場合を含む。)と、フィレット形状部分53の曲率とが変化する部分である。
エンドミル2は、軸線周りに回転しながら、軸線方向又は送り方向に移動することによって、ワーク50を切削できる。エンドミル2は、図7に示すように、曲面凸形状に形成された底刃2Aと、隅部に設けられて円弧形状に形成されたラジアス刃2Bを有する。
底刃2Aは、エンドミル2の軸線上部分が最も下方に位置するように突出しており、所定の半径(ラジアス)を有する円弧形状に形成されている。ラジアス刃2Bは、底刃2Aの外周側隅部に設けられ、所定の半径(ラジアス)を有する円弧形状に形成されている。底刃2Aの円弧部分の半径は、エンドミル2の工具径(外径)よりも大きく、いわゆるボールエンドミルの円弧部分の半径よりも大きい。
駆動部3は、複数のモータや、エンドミルを切り換える構成を有する切換部などを備える。主軸モータは、電力を受けて駆動し、エンドミル2を軸線周りに回転させる。移動用モータは、電力を受けて駆動し、エンドミル2を軸線方向又は軸線方向に対して垂直方向(送り方向)に移動させる。
制御部4は、例えば、面形成部5と、フィレット形成部6などを有する。
面形成部5は、底刃2Aによってワーク50に対して加工目標とする形状のうち面形状部分52を形成するように駆動部3を制御する。フィレット形成部6は、ラジアス刃2Bによってワーク50に対してフィレット形状部分53を1回のパスで形成するように駆動部3を制御する。
制御部4は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体等から構成されている。そして、各種機能を実現するための一連の処理は、一例として、プログラムの形式で記憶媒体等に記憶されており、このプログラムをCPUがRAM等に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、各種機能が実現される。なお、プログラムは、ROMやその他の記憶媒体に予めインストールしておく形態や、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供される形態、有線又は無線による通信手段を介して配信される形態等が適用されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等である。
ワーク50に対して加工目標とする形状は、凹状形状であり、凹状形状は、面形状部分52と、面形状部分52に隣接するフィレット形状部分53を有する。
面形状部分52は、一つのワーク50において様々な曲率を有してもよく、それらの曲率のうち最小曲率半径を有する円弧部分の曲率半径をMrとする。また、図8に示すように、フィレット形状部分53の円弧部分の曲率半径をFrとし、凹状形状の最小加工深さをAdとする。さらに、図3に示すように、凹状部分にR形状のコーナー部分55を形成する場合、すなわち凹状部分を平面視してコーナー部分55に円弧形状の曲面を形成する場合、そのコーナー部分55の曲率半径をCrとする。
形成する加工品の目標形状における要求公差として、板厚公差t、フィレット稜線公差eを設定する。板厚公差tは、高さ方向の寸法であり、フィレット稜線公差eは、高さ方向に対して直交し、かつ、フィレット切断面の円弧形状の半径方向の寸法である。
次に、本実施形態に係るエンドミル2の形状について説明する。
エンドミル2は、底刃(レンズ部)2Aが曲面凸形状かつ円弧形状に形成され、ラジアス刃(ノーズ部)2Bが隅部に設けられて円弧形状に形成されている。エンドミル2は、軸周りに回転する切削加工によって、ラジアス刃2Bが加工目標とする形状のうちフィレット形状部分53を形成でき、底刃2Aがフィレット形状部分53に隣接する面形状部分52を形成できる。
本実施形態のエンドミル2によれば、板状部材において凹状形状を形成しつつ、1回のパスによって、フィレット形状部分53が目標範囲内の形状(目標とする形状に基づいて決定される範囲)に形成される。エンドミル2のラジアス刃2Bの曲率半径(ノーズ径)をNR、底刃2Aの曲率半径(レンズ径)をLR、底刃2Aが占める領域のエンドミル2の軸方向に対して垂直方向の直径(底刃径)をLDとする。
ノーズ曲率半径NR、レンズ曲率半径LR及び底刃径LDは、例えば、以下のとおり設定される。これにより、エンドミル2を最大径とすることができ、効率良く切削を行うことができる。
ノーズ曲率半径NRは、フィレット形状部分53の円弧部分の曲率半径Frと同一とする。
NR = Fr
レンズ曲率半径LRは、面形状部分52のうち最小曲率半径を有する円弧部分の曲率半径Mr以下とする。
LR ≦ Mr
また、底刃径LDは、以下の3条件を満たすものを選定するとよい。これにより、使用可能なエンドミル2の底刃径LDの最大値を選定できる。
底刃径LDは、コーナー部分55の直径(=曲率半径Cr×2)よりも小さい値とする。
条件1: LD < Cr×2
板厚削り残し量Dtは、例えば板厚公差tの1/5以下とする。
条件2: Dt ≦ t/5
フィレット稜線形状誤差Deは、例えばフィレット稜線公差eの1/5以下とする。
条件3: De ≦ e/5
なお、板厚削り残し量Dtとフィレット稜線形状誤差Deの最大値は、公差に対する1/5に限定されず、他の値でもよい。ただし、例えば、公差に対して1/2を最大値とすると、目標とする形状に対する誤差量が大きすぎ、調整加工が発生するおそれがある。
ここで、板厚削り残し量Dtは、図6に示すように、フィレット形状部分53と面形状部分52の境界部54の刃が切削して形成した削り残し部分に関する厚さ方向(高さ方向)の量である。また、フィレット稜線形状誤差Deは、図5に示すように、ラジアス刃2Bが切削して形成したフィレット形状部分53の最上部におけるフィレット切断面の円弧形状の半径方向のずれ量である。
板厚削り残し量Dtは、後述するとおり、底刃径LDと、レンズ曲率半径LRの関数によって定まる値である。
Dt = f(LD, LR)
フィレット稜線形状誤差Deは、底刃径LDと、レンズ曲率半径LR、ノーズ曲率半径NR、凹状形状の最小加工深さAdの関数によって定まる値である。
De = g(LD, LR, NR, Ad)
したがって、レンズ曲率半径LR、ノーズ曲率半径NRが決まれば、使用可能な底刃径LDの最大値を選定できる。
板厚削り残し量Dtとフィレット稜線形状誤差Deは、目標とする形状の面形状部分52について、曲率がなく平面であるとき、最大となる。
底刃2Aの断面曲線は、
Figure 0007114508000001
で表される。
ラジアス刃2Bの断面曲線は、
Figure 0007114508000002
で表される。
ワークにおけるフィレット形状部分53の断面曲線は、
Figure 0007114508000003
で表される。
板厚削り残し量Dtは、底刃2Aの式(1)より、(x,y)=(LD/2,Dt)であるので、
Figure 0007114508000004
である。板厚削り残し量Dtは、底刃径LDと、レンズ曲率半径LRの関数によって定まる値である。したがって、板厚削り残し量Dtが所定値Dt1であるときの底刃径LDと、レンズ曲率半径LRに関する関数fが定まる。
フィレット稜線形状誤差Deを算出するためには、ラジアス刃2Bの式(2)の中心(a,b)を求める必要がある。また、底刃2Aの式(1)とラジアス刃2Bの式(2)は、(x,y)=(LD/2,Dt)での接線が同じである必要がある。
式(1)の接線の方程式より、
Figure 0007114508000005
式(2)の接線の方程式より、
Figure 0007114508000006
上記2つの式から、(a,b)はそれぞれ以下のとおりである。
Figure 0007114508000007
Figure 0007114508000008
フィレット稜線形状誤差Deは、ラジアス刃2Bの式(2)と、ワークにおけるフィレット形状部分53の式(3)のy=Adのときのx座標の差分である。したがって、式(2)より、(x,y)=(x,Ad)とすると、xは、
Figure 0007114508000009
で表される。また、式(3)より、(x,y)=(x,Ad)とすると、xは、
Figure 0007114508000010
で表される。以上より、フィレット稜線形状誤差Deは、
Figure 0007114508000011
である。すなわち、フィレット稜線形状誤差Deは、底刃径LDと、レンズ曲率半径LR、ノーズ曲率半径NR、凹状形状の最小加工深さAdの関数によって定まる値である。したがって、フィレット稜線形状誤差Deが所定値De1、凹状形状の最小加工深さAdが所定値Ad1、ノーズ曲率半径NRが所定値NR1であるときの底刃径LDと、レンズ曲率半径LRに関する関数gが定まる。
底刃径LDは、コーナー部分55の直径(=曲率半径Cr×2)よりも小さい値とする。
関数fによって、レンズ曲率半径LRごとに、板厚削り残し量Dtが所定値Dt1以下となる底刃径LDの範囲が決まり、関数gによって、レンズ曲率半径LR及びノーズ曲率半径NRごとに、フィレット稜線形状誤差Deが所定値De1以下となる底刃径LDの範囲が決まる。
よって、板厚削り残し量Dtが所定値Dt1以下となり、フィレット稜線形状誤差Deが所定値De1以下となるように、あるレンズ曲率半径LRについて最大の底刃径LDmaxを選定すれば、効率良く切削を行うことができる。
板厚削り残し量Dtに関する関数f、フィレット稜線形状誤差Deに関する関数gのいずれも、レンズ曲率半径LRが大きいほど、選択できる底刃径LDの最大値が大きくなる。
また、フィレット稜線形状誤差Deに関する関数gによれば、ノーズ曲率半径NRが大きいほど、選択できる底刃径LDの最大値が小さくなる傾向にある。
さらに、フィレット稜線形状誤差Deに関する関数gによれば、凹状形状の最小加工深さAdが深いほど、選択できる底刃径LDの最大値が大きくなる傾向にある。
以上より、フィレット形状部分53の円弧部分の曲率半径Frが小さく、凹状形状の最小加工深さAdが深い場合、板厚削り残し量Dtが制約となる。すなわち、板厚削り残し量Dtに関する関数fの方で、板厚削り残し量Dtが所定値(例えば板厚公差tに基づく値)以下となるように、底刃径LDの最大値が選択され、レンズ曲率半径LR、ノーズ曲率半径NRが決定されるようになる。
他方、フィレット形状部分53の円弧部分の曲率半径Frが大きく、凹状形状の最小加工深さAdが浅い場合、板厚削り残し量Dtに関する関数f、フィレット稜線形状誤差Deに関する関数gの両方が考慮される。すなわち、板厚削り残し量Dtに関する関数fの方で、板厚削り残し量Dtが所定値(例えば板厚公差tに基づく値)以下となり、かつ、フィレット稜線形状誤差Deに関する関数gの方で、フィレット稜線形状誤差Deが所定値(例えばフィレット稜線公差に基づく値)以下となるように、底刃径LDの最大値が選択され、レンズ曲率半径LR、ノーズ曲率半径NRが決定されるようになる。
以上、本実施形態によれば、フィレットを持つどのような曲率半径の面形状部分(複曲面)52であっても、効率良くかつ精度良く加工することができる最大の底刃径LDを有する工具を得ることができる。そして、この工具により、フィレットを持つ面形状部分52を精度良く加工することができる。
1 :加工装置
2 :エンドミル
2A :底刃
2B :ラジアス刃
3 :駆動部
4 :制御部
5 :面形成部
6 :フィレット形成部
50 :ワーク
51 :リブ
52 :面形状部分
53 :フィレット形状部分
54 :境界部
55 :コーナー部分

Claims (6)

  1. 軸線周りに回転されるエンドミルの製造方法であって、
    前記エンドミルは、
    前記軸線上に中心を有する曲面凸形状で前記軸線に沿った平面における断面が円弧形状に形成された底刃と、
    前記軸線に対する前記底刃の外周側の隅部に設けられて前記軸線に沿った平面における断面が円弧形状に形成されたラジアス刃と、
    を備え、
    前記ラジアス刃の円弧部分の半径は、加工目標とする形状のうちフィレット形状部分の円弧部分の半径と一致するように設定され、
    前記底刃の円弧部分の半径は、前記フィレット形状部分に隣接する面形状部分の円弧部分の最小半径以下であるように設定されるエンドミルの製造方法。
  2. 前記底刃は、1回のパスによって前記フィレット形状部分が目標範囲内の形状に形成されるように、前記底刃が占める領域の前記エンドミルの前記方向に対して垂直方向の直径が設定されている請求項1に記載のエンドミルの製造方法
  3. 前記フィレット形状部分において、平面視してコーナ部が形成されるとき、前記底刃が占める領域の前記エンドミルの前記方向に対して垂直方向の直径は、前記コーナ部の直径よりも小さい請求項2に記載のエンドミルの製造方法
  4. 軸線周りに回転されるエンドミルを使用してワークを加工目標とする形状に加工する切削加工方法であって、
    前記加工目標とする形状は、前記ワークの表面に形成された凹状形状とされ、
    前記凹状形状は、底部に相当する面形状部分、及び、一端が前記面形状部分と連続的に形成されるとともに他端側の部分が側壁に相当するフィレット形状部分を有して、
    前記エンドミルは、
    前記軸線上に中心を有する曲面凸形状で前記軸線に沿った平面における断面が円弧形状に形成された底刃と、
    前記軸線に対する前記底刃の外周側の隅部に設けられて前記軸線に沿った平面における断面が円弧形状に形成されたラジアス刃と、
    を備え、
    前記ラジアス刃の円弧部分の半径は、前記フィレット形状部分の円弧部分の半径と一致するように設定され、
    前記底刃の円弧部分の半径は、前記面形状部分の円弧部分の最小半径以下であるように設定されており、
    前記エンドミルを、前記軸線周りに回転させながら、かつ、前記ワークの前記表面に接触させながら移動させて、前記表面に前記凹状形状を切削加工する切削加工方法。
  5. 1回のパスによって形成する前記フィレット形状部分の目標範囲は、1回のパスによって前記底刃と前記ラジアス刃の境界部分の刃が切削して形成した部分における、厚さ方向の削り残し量によって定められた範囲とされている請求項に記載の切削加工方法
  6. 1回のパスによって形成する前記フィレット形状部分の目標範囲は、1回のパスによって前記ラジアス刃が切削して形成した、前記フィレット形状部分の最上部の位置によって定められた範囲とされている請求項に記載の切削加工方法
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