JP7109766B2 - 木炭燃料ユニット - Google Patents
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Description
さらに、紙袋入り黒炭を使用してバーベキューを行った場合、使用後、バーベキューグリルの底面に、焦げ付いた炭が大量に残る。そのため、この焦げを?き取るための後始末が必要であった。
さらにまた、バーベキューグリルは、同一の金網を使用可能な開口サイズが同じものでも、製品の種類(型式)ごとに、深さが異なることが多い。その結果、同じ開口サイズでありながら、製品の種類ごとに紙袋入り木炭の使用量が異なっていた。
また、発明者は、鋭意研究の結果、木炭燃料パックを使い捨て可能な金属箔トレイに収納し、この金属箔トレイをスタンドに載置して所定の高さまで持ち上げ可能とすれば、利用されるグリルの深さに関係なく、少量の成形木炭でもって食材を加熱調理できることを知見し、この発明を完成させた。
また、この発明は、火熾し時に火熾し器や着火剤を別途用意する必要がなく、着火剤による手の汚れも生じることがなく、黒炭より高火力を長時間維持することができる木炭燃料パックを提供することを目的としている。
紙袋の素材は、可燃性の紙であれば任意である。
紙袋の形状は、例えば、縦長または横長の矩形状などを採用することができる。
紙袋のサイズも、袋内に複数の成形木炭と着火剤を収納できれば任意である。
成形木炭とは、オガクズを加熱圧縮して製造した成型薪(オガライト)を炭化させたオガ炭(成形備長炭)をいう。その性質は白炭(備長炭)に似て燃焼臭が少なく、高火力を長時間安定して持続する。
成形木炭の形状は、中空状のものとする。
成形木炭の長さは任意である。例えば、長さ2~3cmのものが取り扱い易い。
金属箔の素材は任意である。例えば、アルミニウム箔などを採用することができる。
金属箔トレイのサイズも任意である。木炭燃料パックを内部空間に収納可能であれば限定されない。
スタンドの種類は限定されない。例えば、金属線材からなるものでも、金属製の板材や棒材からなるものでもよい。
スタンドの形状は、金属箔トレイの形状に応じて適宜変更される。例えば、矩形枠状でもよい。
スタンドのサイズも金属箔トレイのサイズに応じて適宜変更される。
ここでいう「成形木炭が紙袋の全体に並列状態で装填される」とは、紙袋の内部空間に複数の成形木炭を、縦横整列状態で詰め込むことをいう。
吸液性硬質シート材としては、流動パラフィンの吸液性を有した各種の硬質の織布、各種の硬質の不織布などを採用することができる。
ここでの硬質の程度”は、吸液性硬質シート材を縦置きしたとき、容易には崩れ落ちない程度の硬度をいう。
金属線材の太さは、木炭燃料パックを支持可能な強度を得られれば任意である。例えば、直径2mm程度でもよい。
環状枠とは、1本の金属線材の両端を連結して無端状とした枠である。
台枠の形状は、線状スタンドの下部を構成可能な形状であれば任意である。
また、支持枠の形状も、線状スタンドの上部を構成し、金属箔トレイを支持可能な形状であれば任意である。
台枠の上端部および支持枠の下端部の各本数は任意である。線状スタンドが矩形状の環状枠であるため、一般的にはそれぞれ4本である。
「高さ調整ジョイント管が、金属線材より熱膨張率の低い金属からなる」とは、高さ調整ジョイント管の金属素材の線膨張率が、線状スタンド用の金属線材の線膨張率より低いことを意味する(バイメタルを含む)。具体的には、高さ調整ジョイント管が線膨張率10.4×10-6/Kのステンレス鋼(SUS410)で、線状スタンド用の金属線材が線膨張率19×10-6/Kの黄銅である場合などがこれに該当する。その他、高さ調整ジョイント管が線膨張率10.8×10-6/Kの炭素鋼で、線状スタンド用の金属線材が線膨張率23×10-6/Kのアルミニウムでもよい。
形状記憶合金は、変態点以上の温度では、変形を受けてもすぐさま元の形状を回復する性質(超弾性)を有する。
形状記憶合金の素材としては、チタン‐ニッケルとの合金が一般的である。その他、鉄‐マンガン‐ケイ素合金(鉄系形状記憶合金)などを採用することができる。組成を変更することで、任意の温度以上になった時、あらかじめ設定した形状に変形する性質(マルテンサイト変態)を有する。
その後、マッチなどで木炭燃料パックの紙袋に着火する。これにより、紙袋の全体に火が燃え広がり、袋内の着火剤に引火して各成形木炭に火が点く。本来、成形木炭は黒炭に比べて着火しにくい。しかしながら、あらかじめ各成形木炭には含浸用着火剤が含浸されているため、紙袋に収納された着火剤が燃焼する短時間の低い火力であっても、成形木炭に着火することができる。
さらに、従来の黒炭に代えて成形木炭を採用したため、黒炭より高い火力を長時間維持することができる。
さらにまた、この木炭燃料パックを、使い捨て可能な金属箔トレイに収納したため、使用後は焼却灰を金属箔トレイごと廃棄することができる。その結果、使用したグリルが汚れにくく後片づけが容易となる。
その後、各成形木炭の上面に均等に移った火は、徐々に各成形木炭の下面へ向かって燃え広がって行く。そのため、黒炭に比べて高い火力を長時間維持することができる。
または、高さ調整ジョイント管が形状記憶合金からなる場合には、高さ調整ジョイント管が、成形木炭の燃焼熱で、その変態点以上の温度に到達した時、高さ調整ジョイント管が台枠の上端部と支持枠の下端部との連結力を高めるように変形する。
以上の結果、スタンドとして、金属線材を単に環状に折り曲げて作製された極めて簡単で安価な線状スタンドを採用したとき、その価格の高騰を招くことなく、線状スタンドの高さを調整可能で、しかも成形木炭の燃焼熱を利用し、無動力で各連結部分の連結強度を高めることができる。
図1~図3に示すように、木炭燃料パック14の外装材となる紙袋11は、内面に耐油性の合成樹脂膜11aが積層された縦22cm、横27cmの矩形状で可燃性の紙製の袋である。
オガ炭12(成形備長炭)は、オガクズを加熱圧縮して製造した成型薪(オガライト)を炭化させた一辺が約4cmの端面正方形で、長さが2~3cmの中空の成形木炭である。その性質は、白炭(備長炭)に似て燃焼臭が少なく、高火力を長時間安定して持続する。各オガ炭12は、紙袋11の全体に並列状態で500g分が装填されている。
着火シート13に含浸された含浸用着火剤は、流動パラフィンである。
アルミ箔トレイ15は、アルミニウム箔をプレス成型した縦22cm、横27cm、深さ5cmの横長な角形容器である。アルミ箔トレイ15の上面の開口部には、矩形枠状の外フランジ15aが同一素材で一体形成されている。また、アルミ箔トレイ15は、上方へ向かって徐々に口が広がった矩形ラッパ状の使い捨て火皿である。アルミ箔トレイ15の底部には、通気孔が存在しない。そのため、焼却灰やごみがこの底部から零れ落ちない。
なお、各高さ調整ジョイント管19は、オガ炭12の燃焼熱の作用で、各台枠17の上端部と各支持枠18の下端部との連結力を高めるように変形する形状記憶合金からなる高さ調整ジョイント管19Aを採用してもよい。形状記憶合金は、チタン‐ニッケル合金で、例えば200℃以上になった時、あらかじめ設定した微小な波打ち形状に変形する。
このように、スタンドとして、金属線材を単に環状に折り曲げて作製された極めて簡単で安価な線状スタンド16を採用したとき、その価格の高騰を招くことなく、線状スタンド16の高さを調整可能で、しかもオガ炭12の燃焼熱を利用して、台枠17の各上端部と支持枠18の各下端部との連結部分の連結強度を無動力で高めることができる。
図1~図3、図5に示すように、屋外でのバーベキュー時には、まず、アルミ箔トレイ15に木炭燃料パック14が収納された木炭燃料ユニット10を、支脚が付いた矩形容器状のバーベキューグリル20の底部に載置する。ここでは、バーベキューグリル20の開口サイズに合わせて、木炭燃料パック14を2つ使用する。
このとき、バーベキューグリル20の深さが深いため、アルミ箔トレイ15を線状スタンド16に載置し、アルミ箔トレイ15をバーベキューグリル20の金網21が配された開口部付近まで持ち上げる。これにより、紙袋11内に装填された少量(500g×2)のオガ炭12であっても、バーベキューの食材を載置した金網21に火元の各オガ炭12を近づけ、高い火力で食材を加熱調理することが可能となる。
さらに、従来の黒炭に代えてオガ炭12を採用したため、黒炭に比べて高い火力を長時間(例えば2時間以上)維持することができ、しかも臭いもほとんどしない。
さらにまた、この木炭燃料パック14を、底部に通気孔が存在しない使い捨てタイプのアルミ箔トレイ15に収納したため、使用後は焼却灰を通気孔から零すことなく、アルミ箔トレイ15(木炭燃料ユニット10)ごと廃棄することができる。その結果、使用したグリルが汚れにくく後片づけが容易となる。
図6に示すように、実施例2の木炭燃料ユニット10Aの特徴は、木炭燃料パック15Aの着火シート13Aとして、紙袋11に装填された全てのオガ炭12の上面に載置される吸液性硬質シート材22に流動パラフィンが含浸された平坦で矩形状のものを採用した点である。
吸液性硬質シート材22は、硬質の合成繊維をバインダにより固めた硬質不織布である。その硬さは段ボール程度である。
しかも、このように着火シート13Aが大判の吸液性硬質シート材22からなるため、着火シート13Aは常に全てのオガ炭12の上面と接触している。これにより、木炭燃料パック14Aの使用時に紙袋11に点けた火は、この着火シート13Aを介して、各オガ炭12の上面に燃え移る。よって、着火直後よりアルミ箔トレイ15の開口全域から高い火力が得られる。
また、紙袋11は内面に合成樹脂膜11aが積層されているため、流動パラフィンは袋の外へ漏れない。これにより、木炭燃料パック14Aの取り扱い時、漏出した流動パラフィンによって手が汚れることはない。しかも、一部の流動パラフィンが各オガ炭12の上面に吸着されるため、各オガ炭12の着火性をさらに高めることができる。
その他の構成、作用および効果は、実施例1と略同じであるため、説明を省略する。
11 紙袋、
11a 合成樹脂膜、
12 オガ炭(成形木炭)、
13,13A 着火シート、
14,14A 木炭燃料パック、
15 アルミ箔トレイ(金属箔トレイ)、
16 線状スタンド(スタンド)、
17 台枠、
17a 上端部、
18 支持枠、
18a 下端部、
19,19A 高さ調整ジョイント管、
22 吸液性硬質シート材。
Claims (2)
- 紙袋に、含浸用着火剤が含浸された複数の成形木炭および流動パラフィンを含浸した着火シートを含む着火剤が装填された木炭燃料パックと、
該木炭燃料パックの収納空間を有する金属箔トレイと、
該金属箔トレイを、その開口した上面を水平な状態で持ち上げて支持するスタンドとを備えた木炭燃料ユニットであって、
前記紙袋は、矩形状のもので、
前記各成形木炭は、オガクズを加熱圧縮して製造した成型薪を炭化させたオガ炭であり、
このオガ炭は、端面正方形の中空材であって、前記紙袋の全体に縦横整列状態で詰め込まれ、
前記着火剤は、平坦で矩形状の吸液性硬質シート材に、流動パラフィンが含浸された前記着火シートであり、
この吸液性硬質シート材は、詰め込まれた各オガ炭の上面を一括して被うサイズであって、前記紙袋に装填された全ての前記オガ炭の上面に載置される木炭燃料ユニット。
- 紙袋に、含浸用着火剤が含浸された複数の成形木炭および流動パラフィンを含浸した着火シートを含む着火剤が装填された木炭燃料パックと、
該木炭燃料パックの収納空間を有する金属箔トレイと、
該金属箔トレイを、その開口した上面を水平な状態で持ち上げて支持するスタンドとを備えた木炭燃料ユニットであって、
前記スタンドは、金属線材製の平面視して矩形状をした環状枠である線状スタンドで、
該線状スタンドは、該線状スタンドの下部を構成する台枠の各上端部と、前記線状スタンドの上部を構成して前記金属箔トレイを支持する支持枠の各下端部とを、複数の高さ調整ジョイント管を介して、それぞれ高さ調整可能に連結したもので、
該各高さ調整ジョイント管は、前記金属線材より熱膨張率の低い金属、または、前記成形木炭の燃焼熱の作用で、前記台枠の上端部と前記支持枠の下端部との連結力を高めるように変形する形状記憶合金からなる木炭燃料ユニット。
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