図1は、本発明の一実施例としてのパチンコ機1の正面図であり、図2は、パチンコ機1が有する遊技盤20の概略構成図であり、図3は、パチンコ機1の電気的な構成を示すブロック図である。本実施例では、始動口に遊技球が入球したことを契機として特別図柄の変動表示を開始し、当該特別図柄が所定の大当り図柄で停止表示されると、大当り遊技を開始する、いわゆるセブン機タイプの遊技機に本発明を適用した例について説明する。
[パチンコ機1の外観構成]
本実施例のパチンコ機1は、図1に示すように、前面枠(ガラス枠)3に嵌め込まれたガラス板(透明板)4を介して盤面が視認可能に配置された遊技盤20と、遊技球を貯留する上受け皿11および下受け皿12と、上受け皿11に貯留されている遊技球を遊技盤20へ発射するための発射ハンドル13と、を備える。本実施例のパチンコ機1は、プリペイドカードに対応したCR機であり、当該パチンコ機1の左側には、プリペイドカードの読み書きを行なうためのCRユニット50が設けられている。
前面枠3は、内枠5に嵌め込まれており、左側の上下に設けられたヒンジを支点として内枠5に対して開閉可能となっている。また、内枠5は、外枠2に嵌め込まれており、左側の上下に設けられたヒンジを支点として外枠2に対して開閉可能となっている。前面枠3と内枠5は、略長方形状のプラスティック製の枠体として構成されている。一方、外枠2は、略長方形状の木製の枠体として構成されており、遊技ホールの島設備の島枠に固定される。
前面枠3の上部左右には、遊技の進行に伴って種々の効果音を鳴らしたり遊技者に対して注意喚起するための警告音を鳴らしたりするスピーカ14が設けられている。また、前面枠3には、遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ(ランプ)15が複数設けられている。
上受け皿11には賞球や貸球が払い出されるようになっている。上受け皿11の上面右部には、CRユニット50に挿入されたプリペイドカードの残高等を表示する精算表示装置52が配設され、当該精算表示装置52には、遊技球の貸し出しを指示する球貸ボタン53と、CRユニット50に挿入されているプリペイドカードの精算(返却)を指示する精算ボタン54と、が設けられている。また、上受け皿11の上面中央部には、遊技者の操作に応じて各種演出を行なうための演出ボタン16が配設されている。下受け皿12は上受け皿11から溢れた球を受けることができるようになっている。
発射ハンドル13は、下受け皿12の右方に設けられており、遊技者により時計回りに回動操作されると、図示しない発射装置が有する発射モータ83(図3参照)が作動し、発射ハンドル13の回動操作量に応じた発射威力で遊技球を1球ずつ遊技盤20へ向けて打ち出す。
[遊技盤20の構成]
遊技盤20は、図2に示すように、外レール21aと内レール21bとによって囲まれる遊技領域21が形成されている。この遊技盤20は、遊技領域21の略中央部に設けられた演出表示装置37と、演出表示装置37の周囲に配置されたワープ入口やワープ樋,ステージ等を含むセンター役物38と、遊技領域21の左部に配置された普通図柄作動ゲート22と、遊技領域21の下部に配置された開閉式の第1始動口23と、第1始動口23の下方に配置された常時開放の一方の第2始動口241と、遊技領域21の右部に配置された常時開放の他方の第2始動口242と、遊技領域21の右下部に配置された大入賞口25と、遊技領域21の左下部に配置された常時開放の普通入賞口26と、何れの入賞口にも入らなかった遊技球を回収するためのアウト口29と、を備える。また、遊技盤20には、遊技領域21を流下する遊技球をガイドしたり弾いたりする多数の釘21cが植設されている。
第1始動口23は、普通電動役物として構成される可変式の入球口であり、左右に開く開閉羽根(開閉部材)23bと、開閉羽根23bを作動させる第1始動口ソレノイド23c(図3参照)と、を備える。この第1始動口23は、通常は、遊技球の入球が可能であるが、開閉羽根23bの閉鎖により遊技球の入球のアシストがない状態となっており、普通図柄が当り図柄で停止表示されて当り遊技(普通図柄当り遊技)が実行されるときに、第1始動口ソレノイド23cによって開閉羽根23bが左右に開くことにより、開閉羽根23bの開放によるアシストによって遊技球の入球が容易な状態とされる。第1始動口23には、遊技球の入球を検知してその入球数をカウントするための第1始動口スイッチ23aが取り付けられている。第1始動口23は、第1始動口スイッチ23aが遊技球の入球を規定数カウントするか、規定数カウントする前に予め定められた最大開放時間が経過すると閉鎖される。
大入賞口25は、特別電動役物として構成される可変式の入球口であり、開閉板(開閉部材)25bと、開閉板25bを作動させる大入賞口ソレノイド25c(図3参照)と、を備える。この大入賞口25は、通常は、開閉板25bによって塞がれて遊技球の入球が不能な閉鎖状態とされており、特別図柄が大当り図柄である大当り特別図柄で停止表示されて大当り遊技が実行されるときに、大入賞口ソレノイド25cによって開閉板25bが手前に開くことにより、遊技球の入球が可能な開放状態とされる。大入賞口25には、遊技球の入球を検知してその入球数をカウントするための大入賞口スイッチ25aが取り付けられている。大入賞口25は、大入賞口スイッチ25aが遊技球の入球を9個カウントするか、9個カウントする前に所定の開放時間(例えば、28.0秒)が経過すると閉鎖される(ラウンド遊技)。大当り遊技は、上記ラウンド遊技を予め定められた複数回繰り返すことにより行なわれる。
また、大入賞口25は、特別図柄が小当り図柄で停止表示されて小当り遊技が実行されるときにも、遊技球の入球が可能な開放状態とされる。小当り遊技は、大入賞口25が所定時間(例えば、1.5秒間)だけ開放することにより行なわれる。なお、大入賞口として、大当り遊技が実行されるときに開放される第1大入賞口と、小当り遊技が実行されるときに開放される第2大入賞口とを備えてもよい。
普通図柄作動ゲート22と第1始動口23と第2始動口241(2つの第2始動口のうちの一方)は、遊技者が遊技球を遊技領域21の左側領域(第1遊技領域)に流下させるように発射ハンドル13を回動操作(いわゆる左打ち)することにより遊技球を入球させることができる。第1始動口23は、開閉式の入賞口であり、遊技状態が時短遊技状態となると、通常よりも頻繁に普通図柄が当り図柄で確定表示されて、開閉羽根23bが開放するため、通常よりも遊技球の入球が容易となる。一方、第2始動口242(2つの第2始動口のうち他方)と大入賞口25は、遊技者が遊技球を遊技領域21の右側領域(第2遊技領域)に流下させるように発射ハンドル13を回動操作(いわゆる右打ち)することにより遊技球を入球させることができる。大入賞口25は、開閉式の入賞口であり、通常は遊技球の入球が不能であり、特別図柄が大当り図柄または小当り図柄で確定表示された場合に開放して遊技球が入球可能となる。
遊技盤20の右下部には、第1特別図柄表示装置(第1特図表示装置)31と、第2特別図柄表示装置(第2特図表示装置)32と、第1特別図柄保留数表示装置(第1特図保留数表示装置)33と、第2特別図柄保留数表示装置(第2特図保留数表示装置)34と、普通図柄表示装置(普図表示装置)35と、普通図柄保留数表示装置(普図保留数表示装置)36と、が配置されている。
第1特図表示装置31および第2特図表示装置32は、本実施例では、7セグメント表示装置として構成されており、各セグメントの点灯と消灯との組み合わせにより複数種類の表示態様を表現する。第1特図表示装置31および第2特図表示装置32は、始動口への遊技球の入球に基づいて表示態様を順次切り替えることにより特別図柄の変動表示を開始し、所定の変動時間が経過したときに予め定められた複数の停止表示態様の何れかで停止表示することにより特別図柄を停止表示する。そして、特別図柄が第1の停止表示態様(所定の大当り図柄)で停止表示されると、大当り遊技が実行され、特別図柄が第2の停止表示態様(所定の小当り図柄)で停止表示されると、小当り遊技が実行される。また、実施例では、特別図柄が第3の停止表示態様(所定の時短図柄)で停止表示されると、遊技状態が時短遊技状態となる。第1特図表示装置31は、第1始動口23への遊技球の入球に基づいて特別図柄を変動表示する第1始動口入球用の表示装置であり、第2特図表示装置32は、第2始動口24への遊技球の入球に基づいて特別図柄を変動表示する第2始動口入球用の表示装置である。なお、第1特図表示装置31により表示される特別図柄を第1特別図柄(第1特図)とも呼び、第2特図表示装置32により表示される特別図柄を第2特別図柄(第2特図)とも呼ぶ。
ここで、特別図柄の大当り図柄には、通常大当りとなる通常大当り図柄と、確変大当りとなる確変大当り図柄とが含まれる。通常大当りは、大当り遊技の終了後の遊技状態として、特別図柄の変動表示回数が所定回数(例えば50回)に達するまで、普通図柄の当選確率が通常よりも高確率に設定され、普通図柄の変動時間が短縮され、且つ、普通図柄が当選したときの第1始動口23の開放時間が通常よりも延長される時短遊技状態が発生する当り態様である。時短遊技状態において、特別図柄の変動表示回数が所定回数に達すると、時短遊技状態は終了し、通常遊技状態に戻る。なお、通常大当りは、大当り遊技の終了後の遊技状態が通常遊技状態となるものであってもよいし、大当り遊技の終了後の遊技状態が時短遊技状態となるものと通常遊技状態となるものとが含まれてもよい。一方、確変大当りは、大当り遊技の終了後の遊技状態として、特別図柄の変動表示回数が所定回数(実施例では80回)に達するまで、特別図柄の当選確率(大当り確率)が通常よりも高確率に設定されると共に特別図柄の変動時間が短縮される確変遊技状態が発生する当り態様である。確変遊技状態において、特別図柄の変動表示回数が所定回数に達すると、確変遊技状態は終了し、通常遊技状態に戻る。
また、特別図柄には、大当り図柄の他に、小当りとなる小当り図柄と、大当りを発生させることなく時短遊技状態を発生させる時短図柄とを含む。小当りは、大入賞口25が開放する小当り遊技が実行され、小当り遊技の前後で遊技状態が変化しない当り態様である。時短は、特別図柄の変動表示回数が所定回数(例えば50回)に達するまで継続する上述した時短遊技状態が発生するが、大当り遊技が実行されない点で上述した通常大当りとは異なる。
なお、第1特別図柄の変動表示中や大当り遊技中に、第1始動口23に遊技球が入球した場合、第1特別図柄の変動表示を所定数(実施例では4回)まで保留し、現在の変動表示が終了した後に、保留している第1特別図柄の変動表示を順次開始する。第1特別図柄の保留数は、第1特図保留数表示装置33に表示される。一方、第2特別図柄の変動表示中や大当り遊技中に、第2始動口24に遊技球が入球した場合も、第2特別図柄の変動表示を所定数(例えば、4回)まで保留し、現在の変動表示が終了した後に、保留している第2特別図柄の変動表示を順次開始する。第2特別図柄の保留数は、第2特図保留数表示装置34に表示される。
普図表示装置35は、本実施例では、複数の表示部を有するLED表示装置として構成されている。普図表示装置35は、普通図柄作動ゲート22に設けられたゲートスイッチ22aのいずれかが遊技球を検知したことに基づいて、複数の表示部のそれぞれについて点灯と消灯とを繰り返すことにより普通図柄を変動表示し、所定の変動時間が経過すると、複数の表示部のそれぞれについて点灯あるいは消灯することにより普通図柄を停止表示する。そして、複数の表示部のうち特定の表示部が点灯している場合が当り図柄となり、それ以外の場合が外れ図柄となる。普通図柄が当り図柄で停止表示されると、第1始動口23が開放される。
なお、本実施例では、普通図柄の変動表示中に遊技球が普通図柄作動ゲート22を通過したときには、普通図柄の変動表示を所定数(例えば、4個)まで保留し、現在の変動表示が終了したときに、保留している普通図柄の変動表示を順次開始する。普通図柄の保留数は、普図保留数表示装置36に表示される。
演出表示装置37は、液晶ディスプレイ等により構成される画像表示装置であり、表示画面上で特別図柄に対応する疑似図柄としての演出図柄371L,371C,371Rの表示の他、リーチ演出や予告演出、キャラクタ演出(キャラクタ373の表示)等の様々な演出表示を行なう。図4は、演出表示装置37の演出表示の一例を示す説明図である。図示するように、演出表示装置37の表示画面の中央部には、数字や英字、文字、記号、キャラクタ等からなる左,中,右の3つの演出図柄371L,371C,371Rが表示される。3つの演出図柄371L,371C,371Rは、始動口(第1始動口23または第2始動口241,242)に遊技球が入球すると、上から下へスクロールするように変動表示され、所定の変動時間が経過すると、左,右,中の順に停止表示される。右の演出図柄371Rが停止表示されたときに当該右の演出図柄371Rが左の演出図柄371Lと一致しなかったときには、外れ(通常外れ)となる。一方、右の演出図柄371Rが左の演出図柄371Lと一致したときには、リーチとなり、リーチ演出に移行する。そして、当該リーチ演出を経て中の演出図柄371Cが停止表示されたときに当該中の演出図柄371Cが左右の演出図柄371L,371Rと一致しなかったときには、外れとなり(リーチ外れ)、中の演出図柄371Cが左右の演出図柄371L,371Rと一致したときには、大当りとなる。また、3つの演出図柄371L,371C,371Rが所定の組み合わせで停止表示されると、小当りとなる。さらに、3つの演出図柄371L,371C,371Rが特定の組み合わせで停止表示されると、時短となる。
演出図柄371L,371C,371Rは、現在の遊技状態が通常遊技状態あるいは時短遊技状態のときには、第1特別図柄の変動表示に対応して変動表示される。そして、演出図柄371L,371C,371Rは、第1特別図柄が外れ図柄で確定表示されるときには、通常外れまたはリーチ外れの組み合わせで確定表示され、第1特別図柄が大当り図柄で確定表示されるときには、大当りの組み合わせで確定表示され、第1特別図柄が時短図柄で確定表示されるときには、時短の組み合わせで確定表示される。一方、現在の遊技状態が確変遊技状態のときには、演出図柄371L,371C,371Rは、第2特別図柄の変動表示に対応して変動表示される。そして、演出図柄371L,371C,371Rは、第2特別図柄が外れ図柄で確定表示されるときには、通常外れまたはリーチ外れの組み合わせで確定表示され、第2特別図柄が大当り図柄で確定表示されるときには、大当りの組み合わせで確定表示され、第2特別図柄が小当り図柄で確定表示されるときには、小当りの組み合わせで確定表示される。
更に、演出表示装置37の表示画面内には、図4に示すように、保留図柄372も表示される。保留図柄372は、現在の遊技状態が通常遊技状態または時短遊技状態のときには、第1特別図柄の保留記憶に対応する図柄となる。すなわち、現在の遊技状態が通常遊技状態または時短遊技状態のときには、第1特別図柄の変動表示中に第1始動口23に遊技球が入球する毎に右側から順に1つずつ追加表示され、第1特別図柄の変動表示が開始される毎に始動入球時とは逆側から1つずつ消去される。また、保留図柄372は、現在の遊技状態が確変遊技状態のときには、第2特別図柄の保留記憶に対応する図柄となる。すなわち、遊技状態が確変遊技状態のときには、第2特別図柄の変動表示中に第2始動口24に遊技球が入球する毎に右側から順に1つずつ追加表示され、第2特別図柄の変動表示が開始される毎に始動入球時とは逆側から1つずつ消去される。
[制御回路の構成]
また、パチンコ機1は、図3に示すように、その制御回路として、主制御装置60と、払出制御装置70と、発射制御装置80と、サブ統合制御装置90と、演出表示制御装置91と、図示しない電源基板と、を備える。主制御装置60は、CPU60aを中心としたマイクロプロセッサとして構成され、CPU60aの他に、処理プログラムやテーブルを記憶するROM60b,処理プログラムの実行に際してデータを一時的に記憶するRAM60c,入出力ポート,通信ポートなどを備える。なお、図示しないが、払出制御装置70や発射制御装置80も同様に、CPUを中心としたマイクロプロセッサとして構成され、CPUの他に、ROM,RAM,入出力ポート,通信ポートなどを備える。また、パチンコ機1には外部接続端子65が設けられており、外部接続端子65により遊技状態や遊技結果を示す信号がホールコンピュータ100(図3参照)へ送信される。
主制御装置60は、遊技の基本的な進行の制御を行なうものである。図3に示すように、主制御装置60には、前面枠3の開放を検知する前面枠開放スイッチ3aや、内枠5の開放を検知する内枠開放スイッチ5a等からの検知信号が裏配線中継端子板64を介して入力される。また、主制御装置板60には、普通図柄作動ゲート22への遊技球の通過を検知するゲートスイッチ22a、第1始動口23への遊技球の入球を検知する第1始動口スイッチ23aや、第2始動口241,242への遊技球の入球を検知する第2始動口スイッチ241a,242a、大入賞口25への遊技球の入球を検知する大入賞口スイッチ25a、普通入賞口26への遊技球の入球を検知する普通入賞口スイッチ26a等からの検知信号が遊技盤中継端子板61を介して入力される。一方、主制御装置60からは、第1始動口ソレノイド23cや大入賞口ソレノイド25c等への駆動信号が遊技盤中継端子板61を介して出力される。また、主制御装置60からは、第1特図表示装置31や第2特図表示装置32、第1特図保留数表示装置33、第2特図保留数表示装置34、普図表示装置35、普図保留数表示装置36等への表示信号が図柄表示装置中継端子板62を介して出力される。更に、主制御装置60からは、ホールコンピュータ100への信号が裏配線中継端子板64および外部接続端子板65を介して出力される。
払出制御装置70は、賞球や貸球の払い出しに関する制御を司るものである。この払出制御装置70には、上受け皿11に払い出す遊技球を貯留するための図示しない球タンクの球切れを検知する球切れスイッチ76からの検知信号が裏配線中継端子板64を介して入力され、上受け皿11に払い出される遊技球を検知する払出スイッチ74からの検知信号が払出中継端子板71および裏配線中継端子板64を介して入力され、下受け皿12の満杯を検知する満杯スイッチ75からの検知信号が直接に入力される。一方、払出制御装置70からは、払出モータ73への駆動信号が裏配線中継端子板64および払出中継端子板71を介して出力される。払出制御装置70は、主制御装置60と双方向通信が可能に構成されており、主制御装置60から送信されるコマンドに従って払出モータ73を駆動して賞球の払い出しを行なう。払出制御装置70は、球切れスイッチ76および満杯スイッチ75の何れかから検知信号を入力すると、その検知の状況が解消して検知信号を入力しなくなるまで、払出モータ73を駆動停止し、賞球の払出動作を中断する。
また、払出制御装置70は、CRユニット端子板51を介してCRユニット50と通信可能に構成されている。CRユニット端子板51は精算表示装置52と双方向通信が可能に構成されており、払出制御装置70には、精算表示装置52に設けられた球貸スイッチ53aや精算スイッチ54aからの検知信号がCRユニット端子板51を介して入力される。なお、球貸スイッチ53aは、球貸ボタン53の操作を検知して検知信号を出力するものであり、精算スイッチ54aは、精算ボタン54の操作を検知して検知信号を出力するものである。払出制御装置70は、球貸コマンドを入力すると、払出モータ73を駆動して貸球の払い出しを行なう。また、払出制御装置70は、発射制御装置80とも双方向通信が可能に構成され、満杯スイッチ75から検知信号を入力する等の所定の発射停止条件が成立したときに、発射制御装置80に対して発射停止コマンドを送信する。
発射制御装置80は、遊技領域21への遊技球の発射に関する制御を司るものである。この発射制御装置80には、発射ハンドル13の回動操作に応じて出力される回動量信号や、発射停止ボタンの操作を検知する発射停止スイッチ81からの発射停止信号、遊技者が発射ハンドル13に触れていることを検知するタッチスイッチ82からのタッチ信号等が入力される。一方、発射制御装置80からは、発射モータ83への駆動信号が出力される。発射制御装置80は、回動量信号に基づいて遊技球が遊技領域21へ発射されるよう発射モータ83を制御する。なお、発射制御装置80は、タッチ信号を入力していないときや発射停止信号を入力しているときには、発射ハンドル13の操作に拘わらず発射モータ83の駆動を停止し、遊技球を発射させない。
サブ統合制御装置90は、遊技の演出に関する制御を司るものである。サブ統合制御装置90は、CPU90aを中心としたマイクロプロセッサとして構成され、CPU90aの他に、ROM90b,RAM90c,入出力ポート,通信ポートなどを備える。このサブ統合制御装置90は、演出中継端子板63を介して主制御装置60から一方向通信により各種コマンドを受信可能となっており、受信したコマンドに応じた演出制御を行なう。サブ統合制御装置90には、演出ボタン16の操作を検知する演出ボタンスイッチ16aからの検知信号が入力される。一方、サブ統合制御装置90からは、スピーカ14への音声信号や各種LEDやランプ15への点灯信号が出力される。また、サブ統合制御装置90からは、演出表示制御装置91への演出表示制御用のコマンドが一方向通信により出力される。演出表示制御装置91は、サブ統合制御装置90からの演出表示制御用のコマンドを受信し、そのコマンドに応じた演出画像が演出表示装置37に表示されるよう当該演出表示装置37の表示制御を行なう。
[パチンコ機1の遊技の概要]
次に、こうして構成されたパチンコ機1における遊技の概要について説明する。図5は、パチンコ機1の仕様を説明する説明図である。本実施例のパチンコ機1では、第1特別図柄には、大当り図柄と時短図柄とが含まれ、小当り図柄が含まれない。一方、第2特別図柄には、大当り図柄と小当り図柄とが含まれ、時短図柄が含まれない。第1特別図柄の大当り確率と第2特別図柄の大当り確率は、遊技状態が通常遊技状態である場合と時短遊技状態にある場合には、1/300であり、遊技状態が確変遊技状態である場合には、1/100である。第2特別図柄の小当り確率は、1/150である。また、第1特別図柄の時短確率(大当りを介さずに時短遊技状態が発生する確率)は、1/150である。大当りが発生した後に遊技状態が確変遊技状態に移行する確率(大当り図柄のうち確変大当り図柄を引く確率)は、50%であり、当該確変遊技状態は、特別図柄の変動表示回数が80回に達するまで継続する。また、大当りが発生した後に遊技状態が時短遊技状態に移行する確率(大当り図柄のうち通常大当り図柄を引く確率)は、50%であり、当該時短遊技状態は、特別図柄の変動表示回数が50回に達するまで継続する。なお、実施例では、小当りが発生しても、その前後において遊技状態は変化しない。
また、第1特別図柄の平均変動時間は、遊技状態が通常遊技状態である場合には、約15秒であり、遊技状態が時短遊技状態である場合には、約5秒であり、遊技状態が確変遊技状態である場合には、約10秒である。一方、第2特別図柄の平均変動時間は、遊技状態が通常遊技状態である場合には、約3分であり、遊技状態が時短遊技状態である場合には、約3分であり、遊技状態が確変遊技状態である場合には、約10秒である。したがって、通常遊技状態と時短遊技状態は、第1特別図柄を主体として遊技が進行し、確変遊技状態は、第2特別図柄を主体として遊技が進行する。但し、実施例では、第1特別図柄の変動表示中に第2始動口241,242に遊技球が入球すると、第2特別図柄の変動表示が開始され、逆に第2特別図柄の変動表示中に第1始動口23に遊技球が入球すると、第1特別図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄と第2特別図柄とは、同時に変動表示可能に構成される。
また、普通図柄の当選確率は、遊技状態が通常遊技状態である場合と確変遊技状態である場合には、1/100であり、遊技状態が時短遊技状態である場合には、1/1(100%)である。また、普通図柄の変動時間は、遊技状態が通常遊技状態である場合と確変遊技状態である場合には、30秒であり、遊技状態が時短遊技状態である場合には、1秒である。そして、普通図柄が当選したときの第1始動口23の開放時間は、遊技状態が通常遊技状態である場合と確変遊技状態である場合には、最大0.2秒間であり、遊技状態が時短遊技状態である場合には、最大5.0秒間である。
こうした仕様のパチンコ機1において、遊技状態が通常遊技状態である場合と時短遊技状態である場合には、左打ちにより遊技を進行させ、第1始動口23に遊技球が入球すると、第1特別図柄の変動表示が開始される。時短遊技状態では、通常遊技状態に比して、第1始動口23への遊技球の入球が容易となるため、遊技者は、持ち球をあまり減らすことなく、第1始動口23へ遊技球を入球させて第1特別図柄を変動表示させることができる。なお、遊技状態が通常遊技状態や時短遊技状態である場合においても、左打ちにより第2始動口241に遊技球を入球させて第2特別図柄を変動表示させることができるが、第2特別図柄の平均変動時間は約3分と長く、第2特別図柄を頻繁に変動表示させることはできない。
第1特別図柄が大当り図柄で確定表示されると、大当りとなり、大入賞口25が開放される大当り遊技が実行される。大入賞口25は、左打ちでは遊技球の入球が不能であり、右打ちすることにより遊技球の入球が可能となる。したがって、大当り遊技が実行されると、遊技者は右打ちすることにより大当り遊技が消化されることになる。
通常遊技状態において確変大当りに当選し、大当り遊技の終了後に通常遊技状態から確変遊技状態へ移行すると、通常遊技状態に比して大当り確率が高くなると共に、第2特別図柄の平均変動時間が約3分から約10秒と短くなる。したがって、遊技者は、右打ちにより第2始動口242に遊技球を入球させることで、第2特別図柄を頻繁に変動表示させることができる。そして、確変遊技状態中に第2特別図柄が確変大当り図柄で確定表示されると、大当り遊技の終了後の遊技状態は、確変遊技状態となるため、大当りを連続して発生させること(連チャン)により、大量の出玉を獲得することができる。一方、確変遊技状態中に第2特別図柄が通常大当り図柄で確定表示されると、大当り遊技の終了後の遊技状態は、時短遊技状態となり、確変遊技状態が発生してから大当りを引くことなく特別図柄の変動表示回数が所定回数に達すると、通常遊技状態に戻る。また、上述したように、第2特別図柄には小当り図柄が含まれ、確変遊技状態中において、第2特別図柄が小当り図柄で確定表示されると、小当り遊技が実行され、小当り遊技の終了後は、基本的には、確変遊技状態が維持される。
また、実施例では、第1特別図柄に時短図柄が含まれており、第1特別図柄が時短図柄で確定表示されると、大当り遊技が実行されることなく時短遊技状態が発生する。時短遊技状態は、上述したように、通常遊技状態に比して、第1始動口23への遊技球の入球が容易となり、第1特別図柄を頻繁に変動表示させることができるため、遊技者は、持ち球を余り減らすことなく、大当りの発生を期待することができる。
[主制御処理]
次に、パチンコ機1の動作、特に主制御装置60の動作について更に詳細に説明する。図6は、主制御装置60のCPU60aにより実行される主制御処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、パチンコ機1の電源スイッチが操作されたときに実行される。主制御処理は、パチンコ機1の電源投入に必要な電源投入処理を実行した後(S100)、乱数更新処理(S110)と、入賞確認処理(S120)と、始動入賞処理(S130)と、普通図柄遊技処理(S140)と、普通図柄当り遊技処理(S150)と、第1特別図柄遊技処理(S160)と、第2特別図柄遊技処理(S170)と、大当り遊技処理(S180)と、小当り遊技処理(S190)と、を繰り返し実行することにより行なわれる。なお、本実施例では、S110~S190の処理に要する時間は約2msecであり、これらの処理は、約2msecの間隔で繰り返し実行される。主制御装置60は、主制御処理の実行により、各種コマンドを担当する制御装置に送信してコマンドに応じた処理を実行させることで、パチンコ機1の全体の遊技を進行させている。
[乱数更新処理]
S110の乱数更新処理は、各種判定用乱数を更新する処理である。判定用乱数としては、例えば、始動口(第1始動口23または第2始動口241,242)への遊技球の入球に基づいて行なわれる大当り判定に用いる大当り判定用乱数や、始動口への遊技球の入球に基づいて行なわれる小当り判定に用いる小当り判定用乱数、始動口への遊技球の入球に基づいて行なわれる時短判定に用いる時短判定用乱数、大当り判定の結果が大当りであった場合に特図表示装置(第1特図表示装置31または第2特図表示装置32)に停止表示させる大当り図柄の決定に用いる大当り図柄決定用乱数、小当り判定の結果が小当りであった場合に特図表示装置(第2特図表示装置32)に停止表示させる小当り図柄の決定に用いる小当り図柄決定用乱数、時短判定の結果が時短有り(当り)であった場合に特図表示装置(第1特図表示装置31)に停止表示させる時短図柄の決定に用いる時短図柄決定用乱数、大当り判定,小当り判定および時短判定の結果がいずれも外れであった場合に特図表示装置(第1特図表示装置31または第2特図表示装置32)に停止表示させる外れ図柄の決定に用いる外れ図柄決定用乱数、特別図柄の変動表示パターン(変動時間)の決定に用いる変動パターン決定用乱数、普通図柄作動ゲート22への遊技球の通過に基づいて行なわれる当否判定に用いる普通図柄当否判定用乱数などを挙げることができる。乱数更新処理を終了すると、主制御処理に戻って次の入賞確認処理(S120)に進む。
[入賞確認処理]
S120の入賞確認処理は、各種センサ(ゲートスイッチ22aや第1始動口スイッチ23a、第2始動口スイッチ241a,242a、大入賞口スイッチ25a、普通入賞口スイッチ26aなど)の状態を検出してRAM60cの所定の状態記憶領域に保存する。そして、上述のスイッチのいずれかにより遊技球が検知された否かを判定し、検知されたと判定すると、入球コマンドをサブ統合制御装置90に送信する。また、上述のスイッチのうち賞球に関わるスイッチ(第1始動口スイッチ23a、第2始動口スイッチ241a,242a、大入賞口スイッチ25a、普通入賞口スイッチ26a)により遊技球が検知されたか否かを判定し、検知されたと判定すると、払い出すべき賞球数を演算して賞球情報としてRAM60cの所定の賞球情報記憶領域に保存する。そして、賞球情報が値0でないときには賞球数指定コマンド(賞球情報)を払出制御装置70に送信して入賞確認処理を終了する。払出制御装置70は、賞球数指定コマンドを受信すると、払出モータ73を駆動して遊技球を1球ずつ払い出すと共に払出スイッチ74により払い出した遊技球が検知される度に賞球情報(未払いの遊技球数)を値1ずつデクリメントする賞球払出処理を実行する。この賞球払出処理は、賞球情報が値0となるまで繰り返し実行されるが、遊技球の入球が検知されて主制御装置60から新たな賞球数指定コマンドを受信すると、その賞球情報も値0となるまで処理が繰り返される。入賞確認処理を終了すると、主制御処理に戻って次の始動入賞処理(S130)に進む。
[始動入賞処理]
図7は、始動入賞処理の一例を示すフローチャートである。S130の始動入賞処理では、主制御装置60のCPU60aは、まず、第1始動口スイッチ23aからの検知信号を入力して第1始動口23に遊技球が入球したか否かを判定する(S200)。第1始動口23に遊技球が入球したと判定すると、現在の第1特別図柄の保留数(第1特図保留数)がその上限数(本実施例では、値4)よりも少ないか否かを判定する(S202)。第1特別図柄の保留数が上限数よりも少ないと判定したときには、第1特別図柄の保留数を値1だけインクリメントすると共に第1特図保留数表示装置33の表示を更新し(S204)、第1特別図柄の判定用乱数を取得してRAM60cの所定の判定用乱数記憶領域に格納する(S206)。ここで、S206で取得される判定用乱数としては、上述した大当り判定用乱数や時短判定用乱数、大当り図柄決定用乱数、時短図柄決定用乱数、外れ図柄決定用乱数など第1特別図柄の変動遊技の進行に関する情報を挙げることができる。そして、第1特別図柄保留数指示コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S208)、S210の処理に進む。第1特別図柄保留数指示コマンドには、演出表示装置37に保留図柄372を表示させるための第1特別図柄の保留数に関する情報が含まれる。なお、S200で第1始動口23に遊技球が入球していないと判定したり、S202で第1特別図柄の保留数が上限数に達していると判定したりすると、S204~S208の処理をスキップして次のS210の処理に進む。
次に、第2始動口スイッチ241a,242aからの検知信号を入力して第2始動口241,242に遊技球が入球したか否かを判定する(S210)。第2始動口241,242に遊技球が入球したと判定すると、現在の第2特別図柄の保留数(第2特図保留数)がその上限数(本実施例では、値4)よりも少ないか否かを判定する(S212)。第2特別図柄の保留数が上限数よりも少ないと判定したときには、第2特別図柄の保留数を値1だけインクリメントすると共に第2特図保留数表示装置34の表示を更新し(S214)、第2特別図柄の判定用乱数を取得してRAM60cの所定の判定用乱数記憶領域に格納する(S216)。ここで、S216で取得される判定用乱数としては、上述した大当り判定用乱数や小当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数、小当り図柄決定用乱数、外れ図柄決定用乱数など第2特別図柄の変動遊技の進行に関する情報を挙げることができる。そして、第2特別図柄保留数指示コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S218)、S220の処理に進む。第2特別図柄保留数指示コマンドには、演出表示装置37に保留図柄372を表示させるための第2特別図柄の保留数に関する情報が含まれる。なお、S210で第2始動口24に遊技球が入球していないと判定したり、S212で第2特別図柄の保留数が上限数に達していると判定したりすると、S214~S218の処理をスキップして次のS220の処理に進む。
次に、ゲートスイッチ22aからの検知信号を入力して普通図柄作動ゲート22を遊技球が通過したか否かを判定する(S220)。普通図柄作動ゲート22を遊技球が通過したと判定すると、現在の普通図柄の保留数がその上限数(例えば、値4)よりも少ないか否かを判定する(S222)。普通図柄の保留数が上限数よりも少ないと判定したときには、普通図柄の保留数を値1だけインクリメントすると共に普図保留数表示装置36の表示を更新する(S224)。次に、普通図柄の判定用乱数を取得してRAM60cの所定の判定用乱数記憶領域に格納する(S226)。なお、普通図柄の判定用乱数としては、上述した普通図柄当否判定用乱数などの普通図柄の変動遊技の進行に関する情報を例示することができる。そして、普通図柄保留数指示コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S228)、始動入賞処理を終了する。S220で普通図柄作動ゲート22に遊技球が通過していないと判定したり、S222で普通図柄の保留数が上限値に達していると判定したりすると、S224~S228の処理をスキップして、始動入賞処理を終了する。始動入賞処理を終了すると、主制御処理に戻って次の普通図柄遊技処理(S140)に進む。
[普通図柄遊技処理]
図8は、普通図柄遊技処理の一例を示すフローチャートである。S140の普通図柄遊技処理では、主制御装置60のCPU60aは、まず、普通図柄当りフラグが値1、すなわち普通図柄当り遊技中であるか否かを判定するであるか否かを判定する(S300)。普図当りフラグが値1(普通図柄当り遊技中)であると判定すると、普通図柄遊技処理を終了する。普通図柄遊技処理が終了すると、次のS150の普通図柄当り遊技処理に進む。一方、普図当りフラグが値1でないと判定すると、普通図柄が変動表示中であるか否か(S302)、普通図柄の確定図柄の表示時間中であるか否か(S304)、をそれぞれ判定する。普通図柄が変動表示中でなく、その確定図柄の表示時間中でもないと判定すると、普通図柄の保留数が値0よりも多いか否かを判定する(S306)。普通図柄の保留数が値0よりも多くない、すなわち値0であると判定すると、普通図柄遊技処理を終了する。一方、普通図柄の保留数が値0よりも多いと判定すると、判定用乱数記憶領域に記憶されている普通図柄判定用乱数のうち最も古いものを読み出し(S308)、普通図柄の変動表示を行なうための普通図柄変動表示関連処理を実行して(S310)、普通図柄遊技処理を終了する。以下、S310の普通図柄変動表示関連処理の詳細について図9のフローチャートを用いて説明する。
普通図柄変動表示関連処理では、時短フラグが値0であるか否か、すなわち現在の遊技状態が時短遊技状態でないかを判定する(S350)。時短フラグは、現在の遊技状態が時短遊技状態であるかを示すフラグである。時短フラグが値0であると判定すると、現在の遊技状態が時短遊技状態でないと判断し、取得した普通図柄当否判定用乱数に基づいて低確率用普通図柄当り判定テーブルを用いて当否判定を行ない(S352)、時短フラグが値0でなく値1であると判定すると、現在の遊技状態が時短遊技状態であると判断し、取得した普通図柄当否判定用乱数に基づいて高確率用普通図柄当り判定テーブルを用いて当否判定を行なう(S354)。普通図柄の当否判定は、普通図柄当否判定用乱数と普通図柄当り判定テーブルに含まれる当り値とを比較することにより行い、普通図柄当否判定用乱数が当り値と一致したときには当りと判定し、一致しなかったときには外れと判定する。高確率用普通図柄当り判定テーブルは、低確率用普通図柄当り判定テーブルに比して、多くの当り値が定められており、本実施例では、当り確率が100%となるように普通図柄当否判定用乱数と同じ数の当り値が定められている。したがって、本実施例では、時短遊技状態では、当否判定処理が実行されると必ず当りと判定される。当否判定の結果、当りと判定すると(S356の「YES」)、普通図柄の確定図柄に当り図柄を設定し(S358)、普通図柄の変動表示を開始してから当り図柄で確定表示するまでの普通図柄の変動時間(当り変動パターン)を決定する(S360)。また、当否判定の結果、外れと判定すると(S356の「NO」)、普通図柄の確定図柄に外れ図柄を設定し(S362)、普通図柄の変動表示を開始してから外れ図柄で確定表示するまでの普通図柄の変動時間(外れ変動パターン)を決定する(S364)。普通図柄の変動時間は、時短遊技状態の方が通常遊技状態よりも短い時間が設定される。こうして普通図柄の確定図柄と変動時間(変動パターン)とを決定すると、普通図柄の変動表示を開始し(S366)、普通図柄の保留数を値1だけデクリメントすると共に普図保留数表示装置36の表示を更新し(S368)、普通図柄の変動開始コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S370)、普通図柄遊技処理を終了する。
図8の普通図柄遊技処理に戻って、普通図柄の変動表示を開始すると、次に普通図柄遊技処理が実行されたときに、主制御装置60のCPU60aは、S302で普通図柄が変動表示中であると判定するため、次に、S360またはS364で決定した普通図柄の変動時間が経過(変動パターンが終了)したか否かを判定する(S312)。普通図柄の変動時間が経過していないと判定すると、普通図柄遊技処理を一旦終了し、普通図柄の変動時間が経過したと判定すると、変動表示中の普通図柄の確定図柄を表示する確定図柄表示処理を行なう(S314)。そして、確定図柄表示時間(例えば0.5秒)が経過したか否かを判定する(S316)。確定図柄表示時間が経過していないと判定すると、普通図柄遊技処理を一旦終了する。普通図柄の確定図柄が表示された後に、普通図柄遊技処理が実行されると、S304で確定図柄の表示時間中であると判定するため、再びS316で確定図柄表示時間が経過したか否かを判定し、確定図柄表示間が経過したと判定すると、確定図柄の表示を終了する(S318)。
そして、普通図柄の確定図柄が当り図柄であるか否かを判定する(S320)。普通図柄の確定図柄が当り図柄でなく外れ図柄であると判定すると、普通図柄遊技処理を終了する。一方、普通図柄の確定図柄が当り図柄であると判定すると、普通図柄当りフラグ(普図当りフラグ)に値1を設定して(S322)、普通図柄遊技処理を終了する。普通図柄遊技処理を終了すると、次のS150の普通図柄当り遊技処理に進む。
[普通図柄当り遊技処理]
図10は、普通図柄当り遊技処理の一例を示すフローチャートである。S150の普通図柄当り遊技処理では、主制御装置60のCPU60aは、まず、普図当りフラグが値1であるか否かを判定する(S400)。普図当りフラグが値1でなく値0であると判定すると、普通図柄当り遊技処理を終了する。一方、普図当りフラグが値1であると判定すると、第1始動口23が開放中であるか否かを判定する(S402)。第1始動口23が開放中でないと判定すると、開放待ち時間が経過したか否かを判定する(S404)。開放待ち時間が経過していないと判定すると、普通図柄当り遊技処理を終了する。一方、開放待ち時間が経過したと判定すると、第1始動口23の開放パターンを設定すると共に(S406)、設定した開放パターンで第1始動口23が開放するよう第1始動口ソレノイド23cを制御して(S408)、普通図柄当り遊技処理を一旦終了する。第1始動口23の開放パターンは、遊技状態によって異なる。本実施例では、遊技状態が通常遊技状態である場合と確変遊技状態である場合には、最大0.2秒間、1回開放される開放パターンが設定され、遊技状態が時短遊技状態である場合には、最大6.0秒間、1回開放される開放パターンが設定される。
第1始動口23を開放すると、次に普通図柄当り遊技処理を実行したときに、S402で第1始動口23が開放中であると判定するため、第1始動口スイッチ23aからの検知信号に基づいて第1始動口23に遊技球が規定数(例えば4個)入球したか否か(S410)、第1始動口23の開放を開始してからの経過時間がS406で設定した最大開放時間に達したか否か(S412)、をそれぞれ判定する。第1始動口23に遊技球が規定数入球しておらず、第1始動口23の開放を開始してからの経過時間が設定した最大開放時間に達してもいないと判定すると、第1始動口23の開放を維持したまま普通図柄当り遊技処理を一旦終了する。一方、第1始動口23に遊技球が規定数入球したと判定したり、第1始動口23の開放を開始してからの経過時間が設定した最大開放時間に達したと判定すると、第1始動口23を閉鎖する(S414)。そして、普通図柄当り遊技を終了させるために、普図当りフラグに値0を設定して(S416)、普通図柄当り遊技処理を終了する。普通図柄当り遊技処理を終了すると、次に、S160の第1特別図柄遊技処理に進む。
[第1特別図柄遊技処理]
図11および図12は、第1特別図柄遊技処理の一例を示すフローチャートである。S160の第1特別図柄遊技処理では、主制御装置60のCPU60aは、まず、大当りフラグおよび小当りフラグのいずれかが値1であるか否かを判定する(S500)。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれかが値1であると判定すると、大当り遊技中か小当り遊技中かのいずれかであると判断し、第1特別図柄遊技処理を終了する。本実施例では、第1特別遊技処理を終了すると、主制御処理に戻って第2特別図柄遊技処理(S170)に進むが、第2特別図柄遊技処理においても後述するS400で大当りフラグおよび小当りフラグのいずれれが値1であると判定されて第2特別図柄遊技処理が終了するため、次の大当り遊技処理(S180)に進む。なお、第2特別図柄遊技処理をスキップして大当り遊技処理に直接進むものとしてもよい。一方、大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもが値1でないと判定すると、大当り遊技中でも小当り遊技中でもないと判断し、第1特別図柄が変動表示中であるか否か(S502)、第1特別図柄の確定図柄の表示時間中であるか否か(S504)、をそれぞれ判定する。第1特別図柄が変動表示中ではなく確定図柄の表示時間中でもないと判定すると、第1特別図柄の保留数が値0よりも多いか否かを判定する(S506)。第1特別図柄の保留数が値0よりも多くない、すなわち値0であると判定すると、第1特別図柄遊技処理を終了する。一方、第1特別図柄の保留数が値0よりも多いと判定すると、第1特別図柄変動表示関連処理を実行して(S508)、第1特別図柄遊技処理を終了する。以下、S508の第1特別図柄変動表示関連処理の詳細について図13のフローチャートを用いて説明する。
第1特別図柄変動表示関連処理では、まず、第2特別図柄が変動表示中であるか否かを判定し(S570)、第2特別図柄が変動表示中であると判定すると、第2特別図柄の確定図柄が大当り図柄であるか否かを判定する(S572)。第2特別図柄が変動表示中でないと判定したり、第2特別図柄が変動表示中であってもその確定図柄が大当り図柄でない(小当り図柄または外れ図柄である)と判定すると、判定用乱数記憶領域に記憶されている第1特別図柄の判定用乱数(大当り判定用乱数、時短判定用乱数、大当り図柄決定用乱数、時短図柄決定用乱数、外れ図柄決定用乱数および変動パターン決定用乱数)のうち最も古いものを読み出し(S574)、読み出した大当り判定用乱数に基づいて大当り判定処理を行なう(S576)。大当り判定処理は、読み出した大当り判定用乱数と大当り判定用テーブルに含まれる大当り値とを比較することにより行ない、大当り判定用乱数が何れかの大当り値と一致したときには大当りと判定し、一致しなかったときには大当りでないと判定する。大当り判定用テーブルは、確変フラグが値0(通常遊技状態または時短遊技状態)のときには大当り値の少ない低確率用の大当り判定テーブルが用いられ、確変フラグが値1(確変遊技状態)のときには大当り値の多い高確率用の大当り判定テーブルが用いられる。
大当り判定処理の結果が大当りであると判定すると(S578の「YES」)、大当り図柄決定用乱数に基づいて大当り図柄を決定する大当り図柄決定処理を行なう(S580)。大当り図柄決定処理は、大当り遊技の内容(ラウンド数)と大当り遊技終了後の遊技状態とを決定するための処理であり、大当り図柄決定用乱数と図14に例示する大当り図柄決定テーブルとを用いて行なう。第1特別図柄の大当り図柄は、図示するように、大当り遊技として4R大当り遊技を実行すると共に大当り遊技終了後の遊技状態を時短遊技状態とする特図1_4R通常大当り図柄と、大当り遊技として10R大当り遊技を実行すると共に大当り遊技終了後の遊技状態を確変遊技状態とする特図1_10R確変大当り図柄と、を含む。特図1_4R通常大当り図柄,特図1_10R確変大当り図柄は、それぞれ50%,50%の割合で出現する。なお、決定した大当り図柄は、大当り遊技終了後の遊技状態を設定する大当り遊技終了時まで保存される。大当り図柄を決定すると、第1特別図柄の変動表示を開始してから決定した大当り図柄で確定表示するまでの第1特別図柄の変動表示時間(大当り変動パターン)を、読み出した変動パターン決定用乱数と大当り変動パターンテーブルとを用いて決定する(S582)。
一方、大当り判定処理の結果が大当りでないと判定すると(S578の「NO」)、時短フラグおよび確変フラグのいずれもが値0であるか否かを判定する(S584)。時短フラグは、現在の遊技状態が時短遊技状態であれば値1が設定され、時短遊技状態でなければ値0が設定される。確変フラグは、現在の遊技状態が確変遊技状態であれば値1が設定され、確変遊技状態でなければ値0が設定される。したがって、S584の判定は、現在の遊技状態が時短遊技状態でも確変遊技状態でもない、すなわち通常遊技状態であるか否かを判定するものと言える。時短フラグおよび確変フラグのいずれもが値0であると判定すると、S574で読み出した時短判定用乱数に基づいて時短判定処理を行なう(S586)。時短判定処理は、読み出した時短判定用乱数と時短判定用テーブルに含まれる当り値とを比較することにより行ない、時短判定用乱数が何れかの当り値と一致したときには時短有りと判定し、一致しなかったときには時短無しと判定する。なお、時短判定用乱数に代えて大当り判定用乱数を用いて時短判定を行なってもよい。大当り判定用乱数を用いて時短判定を行なう場合、時短判定の当り値は、大当り判定の当り値以外の値の中から定められる。
時短判定処理の結果が時短有りと判定すると(S588の「YES」)、時短図柄決定用乱数に基づいて時短図柄を決定する(S590)。そして、第1特別図柄の変動表示を開始してから決定した時短図柄で確定表示するまでの第1特別図柄の変動表示時間(時短変動パターン)を、読み出した変動パターン決定用乱数と時短変動パターンテーブルとを用いて決定する(S591)。
一方、時短判定処理の結果が時短無しであると判定すると(S588の「NO」)、外れ図柄決定用乱数に基づいて外れ図柄を決定する(S592)。そして、第1特別図柄の変動表示を開始してから決定した外れ図柄で確定表示するまでの第1特別図柄の変動表示時間(外れ変動パターン)を、読み出した変動パターン決定用乱数と外れ変動パターンテーブルとを用いて決定する(S593)。
また、S570,S572において第2特別図柄が変動表示中でありその確定図柄が大当り図柄であると判定すると、大当り判定処理や時短判定処理を行なうことなく、外れ図柄を決定し(S592)、外れ変動パターンを決定する(S593)。本実施例では、第1特別図柄と第2特別図柄は同時変動を許容しているから、両者で大当りが重なったり、大当りと時短遊技状態とが重なったりしないように、一方の特別図柄が大当りの場合には、大当り判定処理も時短判定処理も行なわずに、他方の特別図柄を強制的に外れとする。但し、実施例では、第2特別図柄が小当りである場合には、通常通り大当り判定を行なうものとした。これは、一方の小当りにより本来ならば大当りであった他方の判定内容を強制的に外れにするのは、遊技者にとって不利益を与えることになると考えられるためである。また、小当りはその前後で遊技状態の変更を伴うものではないため、大当りと小当りとを複合的に発生させても、遊技に大きな影響を与えないと考えられるためである。なお、本実施例では、第1特別図柄には小当りを含まないが、小当りを含む場合には、小当りの判定だけは行なうようにしてもよい。なお、一方の特別図柄が大当りの場合に、大当り判定処理や時短判定処理を行なうことなく、他方の特別図柄を強制的に外れとする処理に代えて、他方の特別図柄について、大当り判定処理や時短判定処理を行ない、大当りの判定や時短有りの判定がなされたときには、当該判定を無効としてもよい。
さらに、S584において時短フラグおよび確変フラグのいずれかが値1である(現在の遊技状態が時短遊技状態であるか確変遊技状態である)と判定すると、時短判定処理を行なうことなく、外れ図柄を決定し(S592)、外れ変動パターンを決定する(S593)。なお、この処理に代えて、現在の遊技状態が時短遊技状態である場合や確変遊技状態である場合に、時短判定処理を行ない、時短有りの判定がなされたときに当該判定を無効としてもよい。
こうして第1特別図柄の確定図柄と変動時間(変動パターン)とを決定すると、第1特別図柄の変動表示を開始し(S594)、第1特別図柄の保留数を値1だけデクリメントすると共に第1特図保留数表示装置33の表示を更新する(S595)。第1特別図柄の保留数の更新に伴って今回消化する保留に係る判定用乱数をクリアする。そして、第1特別図柄の変動表示開始コマンド(第1特図変動開始コマンド)をサブ統合制御装置90に送信して(S596)、第1特別図柄遊技処理を終了する。変動開始コマンドには、大当り判定の結果や時短判定の結果、第1特別図柄の変動表示時間(変動パターン)、確定図柄(大当り図柄、時短図柄あるいは外れ図柄)などが含まれる。
図11の第1特別図柄遊技処理に戻って、第1特別図柄の変動表示を開始すると、次に第1特別図柄遊技処理が実行されたときに、主制御装置60のCPU60aは、S502で第1特別図柄が変動表示中と判定するため、次に、S582、S591あるいはS593で決定した第1特別図柄の変動表示時間が経過したか否かを判定する(S510)。第1特別図柄の変動表示時間が経過していないと判定すると、第1特別図柄遊技処理を一旦終了し、第1特別図柄の変動表示時間が経過したと判定すると、第1特別図柄の図柄停止コマンド(第1特図図柄停止コマンド)をサブ統合制御装置90に送信すると共に(S512)、変動表示中の第1特別図柄の確定図柄を表示する確定図柄表示処理を行なう(S514)。そして、確定図柄表示時間(例えば0.5秒)が経過したか否かを判定する(S516)。確定図柄表示時間が経過していないと判定すると、第1特別図柄遊技処理を一旦終了する。第1特別図柄の確定図柄が表示された後に、第1特別図柄遊技処理が実行されると、S504で確定図柄の表示時間中であると判定するため、再びS516で確定図柄表示時間が経過したか否かを判定し、確定図柄表示時間が経過したと判定すると、確定図柄の表示を終了し(S518)、第1特別図柄の確定図柄が大当り図柄であるか否かを判定する(S520)。
第1特別図柄の確定図柄が大当り図柄であると判定すると、第2特別図柄が変動表示(同時変動)中であるか否かを判定し(S522)、第2特別図柄が変動表示中であれば、第2特別図柄の変動表示を外れ図柄の確定表示により終了させる(S524)。すなわち、第1特別図柄が大当り図柄で確定表示されると、変動表示中の第2特別図柄の確定図柄がたとえ小当り図柄であっても、第1特別図柄の大当りを優先させるために、第2特別図柄を強制的に外れ図柄で確定表示させる。続いて、大当り遊技を開始するために、条件装置の作動を開始すると共に(S526)、役物連続作動装置の作動を開始し(S528)、大当りフラグに値1を設定する(S530)。大当り遊技中には確変機能や時短機能を停止させるために、確変フラグが値1のときには確変フラグを値0とし(S532,S534)、時短フラグが値1のときには時短フラグを値0とし(S536,S538)、遊技状態指定コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S540)、第1特別図柄遊技処理を終了する。なお、遊技状態指定コマンドには、大当りフラグの値や確変フラグの値、時短フラグの値が含まれる。第1特別図柄遊技処理を終了すると、主制御処理に戻って次のS170の第2特別図柄遊技処理に進む。
一方、S520で確定図柄が大当り図柄でないと判定すると、確変フラグが値1(確変遊技状態中)であるか否かを判定し(S542)、確変フラグが値1でなく値0であると判定すると、S550の処理に進む。確変フラグが値1であると判定すると、確変カウンタを値1だけデクリメントして(S544)、確変カウンタが値0であるか否かを判定する(S546)。ここで、確変カウンタは、確変遊技状態を維持する特別図柄の残り変動回数を示すものであり、確変カウンタには、第1特別図柄が大当り図柄で確定表示されることで実行された大当り遊技の終了時に予め定められた値がセットされる。本実施例では、確変カウンタに値80がセットされるため、大当り遊技の終了後、特別図柄の変動表示回数が80回に達するまで、確変遊技状態が維持される。確変カウンタが値0でないと判定すると、確変遊技状態を維持したまま次のS550の処理に進み、確変カウンタが値0であると判定すると、確変遊技状態を終了させるために、確変フラグを値0とする(S548)。
次に、時短フラグが値1(時短遊技状態中)であるか否かを判定し(S550)、時短フラグが値1でなく値0であると判定すると、S558の処理に進む。時短フラグが値1であると判定すると、時短カウンタを値1だけデクリメントし(S552)、時短カウンタが値0であるか否かを判定する(S554)。ここで、時短カウンタは、時短遊技状態を維持する特別図柄の残り変動回数を示すものであり、時短カウンタには、第1特別図柄が大当り図柄で確定表示されることで実行された大当り遊技の終了時や、第1特別図柄が時短図柄で確定表示されたときに、予め定められた値がセットされる。本実施例では、値50がセットされるため、その後、特別図柄の変動表示回数が50回に達するまで、時短遊技状態が維持される。時短カウンタが値0でないと判定すると、時短遊技状態を維持したままS558の処理に進み、時短カウンタが値0であると判定すると、時短遊技状態を終了させるために、時短フラグを値0とする(S556)。
次に、第1特別図柄の確定図柄が時短図柄であるか否かを判定する(S558)。確定図柄が時短図柄でないと判定すると、遊技状態指定コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S540)、第1特別図柄遊技処理を終了する。一方、確定図柄が時短図柄であると判定すると、時短カウンタに所定値(例えば50回)を設定すると共に(S560)、時短フラグに値1を設定し(S562)、現在の遊技状態を示す遊技状態指定コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S540)、第1特別図柄遊技処理を終了する。
[第2特別図柄遊技処理]
図15および図16は、第2特別図柄遊技処理の一例を示すフローチャートである。S170の第2特別図柄遊技処理では、主制御装置60のCPU60aは、まず、大当りフラグおよび小当りフラグのいずれかが値1であるか否かを判定する(S600)。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれかが値1であると判定すると、大当り遊技中か小当り遊技中かのいずれかであると判断し、第2特別図柄遊技処理を終了する。第2特別遊技処理を終了すると、次の大当り遊技処理(S180)に進む。一方、大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもが値1でないと判定すると、大当り遊技中でも小当り遊技中でもないと判断し、第2特別図柄が変動表示中であるか否か(S602)、第2特別図柄の確定図柄の表示時間中であるか否か(S604)、をそれぞれ判定する。第2特別図柄が変動表示中ではなく確定図柄の表示時間中でもないと判定すると、第2特別図柄の保留数が値0よりも多いか否かを判定する(S606)。第2特別図柄の保留数が値0よりも多くない、すなわち値0であると判定すると、第2特別図柄遊技処理を終了する。一方、第2特別図柄の保留数が値0よりも多いと判定すると、第2特別図柄変動表示関連処理を実行して(S608)、第2特別図柄遊技処理を終了する。以下、S608の第2特別図柄変動表示関連処理の詳細について図17のフローチャートを用いて説明する。
第2特別図柄変動表示関連処理では、まず、第1特別図柄が変動表示中であるか否かを判定し(S670)、第1特別図柄が変動表示中であると判定すると、第1特別図柄の確定図柄が大当り図柄であるか否かを判定する(S672)。第1特別図柄が変動表示中でないと判定したり、第1特別図柄が変動表示中であってもその確定図柄が大当り図柄でない(時短図柄または外れ図柄である)と判定すると、判定用乱数記憶領域に記憶されている第2特別図柄の判定用乱数(大当り判定用乱数、小当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数、小当り図柄決定用乱数、外れ図柄決定用乱数および変動パターン決定用乱数)のうち最も古いものを読み出し(S674)、読み出した大当り判定用乱数に基づいて大当り判定処理を行なう(S676)。大当り判定処理については、S576と同様の処理により行なわれる。
大当り判定処理の結果が大当りであると判定すると(S678の「YES」)、大当り図柄決定用乱数に基づいて大当り図柄を決定する大当り図柄決定処理を行なう(S680)。大当り図柄決定処理は、大当り図柄決定用乱数と図18に例示する大当り図柄決定テーブルとを用いて行なう。第2特別図柄の大当り図柄は、図示するように、大当り遊技として8R大当り遊技を実行すると共に大当り遊技終了後の遊技状態を時短遊技状態とする特図2_8R通常大当り図柄と、大当り遊技として10R大当り遊技を実行すると共に大当り遊技終了後の遊技状態を確変遊技状態とする特図2_10R確変大当り図柄と、を含む。特図2_8R通常大当り図柄,特図2_10R確変大当り図柄は、それぞれ50%,50%の割合で出現する。なお、決定した大当り図柄は、大当り遊技終了後の遊技状態を設定する大当り遊技終了時まで保存される。大当り図柄を決定すると、第2特別図柄の変動表示を開始してから決定した大当り図柄で確定表示するまでの第2特別図柄の変動表示時間(大当り変動パターン)を、読み出した変動パターン決定用乱数と大当り変動パターンテーブルとを用いて決定する(S682)。
一方、大当り判定処理の結果が大当りでないと判定すると(S678の「NO」)、S674で読み出した小当り判定用乱数に基づいて小当り判定処理を行なう(S684)。小当り判定処理は、読み出した小当り判定用乱数と小当り判定用テーブルに含まれる小当り値とを比較することにより行ない、小当り判定用乱数が何れかの小当り値と一致したときには小当りと判定し、一致しなかったときには小当りでない(外れ)と判定する。なお、小当り判定用乱数に代えて大当り判定用乱数を用いて小当り判定を行なってもよい。
小当り判定処理の結果が小当りであると判定すると(S686の「YES」)、小当り図柄決定用乱数に基づいて小当り図柄を決定する(S688)。そして、第2特別図柄の変動表示を開始してから決定した小当り図柄で確定表示するまでの第2特別図柄の変動表示時間(小当り変動パターン)を、読み出した変動パターン決定用乱数と小当り変動パターンテーブルとを用いて決定する(S690)。
一方、小当り判定処理の結果が小当りでない(外れである)と判定すると(S686の「NO」)、外れ図柄決定用乱数に基づいて外れ図柄を決定する(S691)。そして、第2特別図柄の変動表示を開始してから決定した外れ図柄で確定表示するまでの第2特別図柄の変動表示時間(外れ変動パターン)を、読み出した変動パターン決定用乱数と外れ変動パターンテーブルとを用いて決定する(S692)。
また、S670,S672において第1特別図柄が変動表示中でありその確定図柄が大当り図柄であると判定すると、大当り判定処理や小当り判定処理を行なうことなく、外れ図柄を決定し(S691)、外れ変動パターンを決定する(S692)。上述したように、第1特別図柄と第2特別図柄とで大当りが重ならないように、一方の特別図柄が大当りの場合には、大当り判定処理も小当り判定処理も行なわずに、他方の特別図柄を強制的に外れとする。なお、第1特別図柄が大当りであっても、第2特別図柄の小当りの判定だけは行なうようにしてもよい。
こうして第2特別図柄の確定図柄と変動時間(変動パターン)とを決定すると、第2特別図柄の変動表示を開始し(S693)、第2特別図柄の保留数を値1だけデクリメントすると共に第2特図保留数表示装置34の表示を更新する(S694)。第2特別図柄の保留数の更新に伴って今回消化する保留に係る判定用乱数をクリアする。そして、第2特別図柄の変動表示開始コマンド(第2特図変動開始コマンド)をサブ統合制御装置90に送信して(S695)、第2特別図柄遊技処理を終了する。変動開始コマンドには、大当り判定の結果や小当り判定の結果、第2特別図柄の変動表示時間(変動パターン)、確定図柄(大当り図柄、小当り図柄あるいは外れ図柄)などが含まれる。
図15の第2特別図柄遊技処理に戻って、第2特別図柄の変動表示を開始すると、次に第2特別図柄遊技処理が実行されたときに、主制御装置60のCPU60aは、S602で第2特別図柄が変動表示中と判定するため、次に、S682、S690あるいはS692で決定した第2特別図柄の変動表示時間が経過したか否かを判定する(S610)。第2特別図柄の変動表示時間が経過していないと判定すると、第2特別図柄遊技処理を一旦終了し、第2特別図柄の変動表示時間が経過したと判定すると、第2特別図柄の図柄停止コマンド(第2特図図柄停止コマンド)をサブ統合制御装置90に送信すると共に(S612)、変動表示中の第2特別図柄の確定図柄を表示する確定図柄表示処理を行なう(S614)。そして、確定図柄表示時間(例えば0.5秒)が経過したか否かを判定する(S616)。確定図柄表示時間が経過していないと判定すると、第2特別図柄遊技処理を一旦終了する。第2特別図柄の確定図柄が表示された後に、第2特別図柄遊技処理が実行されると、S604で確定図柄の表示時間中であると判定するため、再びS616で確定図柄表示時間が経過したか否かを判定し、確定図柄表示時間が経過したと判定すると、確定図柄の表示を終了し(S618)、第2特別図柄の確定図柄が大当り図柄であるか否かを判定する(S620)。
第2特別図柄の確定図柄が大当り図柄であると判定すると、第1特別図柄が変動表示(同時変動)中であるか否かを判定し(S622)、第1特別図柄が変動表示中であれば、第1特別図柄の変動表示を外れ図柄の確定表示により終了させる(S624)。すなわち、第2特別図柄が大当り図柄で確定表示されると、変動表示中の第1特別図柄の確定図柄がたとえ時短図柄であっても、第2特別図柄の大当りを優先させるために、第1特別図柄を強制的に外れ図柄で確定表示させる。続いて、大当り遊技を開始するために、条件装置の作動を開始すると共に(S626)、役物連続作動装置の作動を開始し(S628)、大当りフラグに値1を設定する(S630)。大当り遊技中には確変機能や時短機能を停止させるために、確変フラグが値1のときには確変フラグを値0とし(S632,S634)、時短フラグが値1のときには時短フラグを値0とし(S636,S638)、遊技状態指定コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S640)、第2特別図柄遊技処理を終了する。なお、遊技状態指定コマンドには、大当りフラグの値や小当りフラグの値、確変フラグの値、時短フラグの値が含まれる。第2特別図柄遊技処理を終了すると、主制御処理に戻って次のS180の大当り遊技処理に進む。
一方、S620で確定図柄が大当り図柄でないと判定すると、確定図柄が小当り図柄であるか否かを判定する(S642)。確定図柄が小当り図柄であると判定すると、第1特別図柄が変動表示中であるか否かを判定し(S644)、第1特別図柄が変動表示中でなければ、小当り遊技を開始させるために小当りフラグに値1を設定し(S648)、第1特別図柄が変動表示中であれば、第1特別図柄の変動表示を中断(変動表示時間の計測を中断)してから(S646)、小当りフラグに値1を設定する(S648)。第1特別図柄の変動表示時間の計測を中断した場合、小当り遊技が終了すると、第1特別図柄の変動表示時間の計測が再開され、残りの変動時間が経過するまで第1特別図柄の変動表示が行われる。S642で確定図柄が小当り図柄でないと判定すると、S650の処理に進む。
そして、図12の第1特別図柄遊技処理のS542~S556と同様に、確変フラグが値1であれば、確変カウンタを値1だけデクリメントし、確変カウンタが値0になると、確変フラグを値0として遊技状態を確変遊技状態から通常遊技状態にするS650~S656の処理や、時短フラグが値1であれば、時短カウンタを値1だけデクリメントし、時短カウンタが値0になると、時短フラグを値0として遊技状態を時短遊技状態から通常遊技状態にするS658~S664の処理を実行し、小当りフラグの値や確変フラグの値、時短フラグの値を含む遊技状態指定コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S640)、第2特別図柄遊技処理を終了する。
[大当り遊技処理]
図19および図20は、大当り遊技処理の一例を示すフローチャートである。S180の大当り遊技処理では、主制御装置60のCPU60aは、まず、大当りフラグが値1(大当り遊技中)であるか否かを判定する(S700)。大当りフラグが値1でなく値0であると判定すると、大当り遊技処理を終了する。大当り遊技処理を終了すると、S190の小当り遊技処理に進む。一方、大当りフラグが値1であると判定すると、大入賞口25が開放中であるか否か(S702)、大当り遊技開始演出中であるか否か(S704)、大当り遊技終了演出中であるか否か(S706)、開放間インターバル中であるか否か(S708)、をそれぞれ判定する。S702~S708のいずれも否定的な判定がなされると、大当り遊技開始演出コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S710)、大当り遊技処理を終了する。大当り遊技開始演出コマンドを受信したサブ統合制御装置90は、大当り遊技開始演出を開始する。大当り遊技開始演出が開始されると、次に大当り遊技処理が実行されたときに、S704で大当り遊技開始演出中であると判定されるため、大当り遊技開始演出時間が経過したか否を判定する(S712)。大当り遊技開始演出時間が経過していないと判定すると、大当り遊技処理を一旦終了し、大当り遊技開始演出時間が経過したと判定すると、大当り図柄に基づいて大入賞口25の開放パターン(ラウンド数)を設定する開放パターン設定処理を行ない(S714)、設定した開放パターンに従って大入賞口ソレノイド25cの駆動により大入賞口25を開放して(S716)、大当り遊技処理を終了する。
大入賞口25を開放すると、次に大当り遊技処理が実行されたときに、S702で大入賞口25が開放中であると判定されるため、大入賞口スイッチ25aからの検知信号に基づいて大入賞口25への遊技球の入球数が規定数(実施例では9個)に達したか否か(S718)、大入賞口25を開放してからの経過時間(開放時間)が最大開放時間(実施例では28秒)に達したか否か(S720)、をそれぞれ判定する。大入賞口25への遊技球の入球数が規定数に達しておらず、大入賞口25の開放時間が最大開放時間にも達していないと判定すると、大入賞口25の開放を維持したまま大当り遊技処理を一旦終了する。一方、大入賞口25への遊技球の入球数が規定数に達したと判定したり、当該入球数が規定数に達していなくても大入賞口25の開放時間が最大開放時間に達したと判定したりすると、大入賞口25を閉鎖し(S722)、今回のラウンド遊技が最終ラウンドであるか否かを判定する(S724)。大当り遊技のラウンド数は、大当り図柄(「特図1_4R通常大当り図柄」や「特図1_10R確変大当り図柄」、「特図2_8R通常大当り図柄」、「特図2_10R確変大当り図柄」)によって設定されるため、今回のラウンド遊技が最終ラウンドであるか否かの判定は、ラウンド遊技の繰り返し回数が大当り図柄に応じて定まる回数に達しているか否かを判定することにより行なわれる。今回のラウンド遊技が最終ラウンドでないと判定すると、開放間インターバルを発生させて(S726)、大当り遊技処理を終了する。開放間インターバルが発生すると、次に大当り遊技処理が実行されたときに、S708で開放間インターバル中であると判定されるため、開放間インターバル時間が経過したか否かを判定する(S728)。開放間インターバル時間が経過していないと判定すると、大入賞口25を閉鎖したまま大当り遊技処理を一旦終了し、開放間インターバル時間が経過したと判定すると、再度、大入賞口25を開放して(S716)、大当り遊技処理を終了する。
こうして開放間インターバルを挟んで大入賞口25を開閉するラウンド遊技を繰り返した後、S724で今回のラウンド遊技が最終ラウンドであると判定すると、大当り遊技終了演出コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S730)、大当り遊技処理を終了する。大当り遊技終了演出コマンドを受信したサブ統合制御装置90は大当り遊技終了演出を開始する。大当り遊技終了演出が開始されると、次に大当り遊技処理が開始されたときに、S706で大当り遊技終了演出中であると判定されるため、大当り遊技終了演出時間が経過したか否かを判定する(S732)。大当り遊技終了演出時間が経過していないと判定すると、大当り遊技処理を一旦終了し、大当り遊技終了演出時間が経過したと判定すると、役物連続作動装置の作動を停止すると共に(S734)、条件装置の作動を停止する(S736)。続いて、今回の大当りの発生契機となった大当り図柄が確変大当り図柄であるか否かを判定する(S738)。大当り図柄が確変大当り図柄であると判定すると、確変遊技状態を発生させるために、確変カウンタに所定値(実施例では値80)を設定する確変カウンタ設定処理を行なうと共に(S740)、確変フラグに値1を設定する(S742)。一方、大当り図柄が確変大当り図柄でなく通常大当り図柄であると判定すると、時短遊技状態を発生させるために、時短カウンタに所定値(実施例では値50)を設定する時短カウンタ設定処理を行なうと共に(S744)、時短フラグに値1を設定する(S746)。そして、大当りフラグに値0を設定し(S748)、遊技状態指定コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S750)、大当り遊技処理を終了する。なお、遊技状態指定コマンドには、確変フラグの値や時短フラグの値、大当りフラグの値が含まれる。大当り遊技処理を終了すると、S190の小当り遊技処理に進む。
[小当り遊技処理]
図21は、小当り遊技処理の一例を示すフローチャートである。S190の小当り遊技処理では、主制御装置60のCPU60aは、まず、小当りフラグが値1(小当り遊技中)であるか否かを判定する(S800)。小当りフラグが値1でなく値0であると判定すると、小当り遊技処理を終了する。一方、小当りフラグが値1であると判定すると、大入賞口25が開放中であるか否か(S802)、小当り遊技開始演出中であるか否か(S804)、小当り遊技終了演出中であるか否か(S806)、をそれぞれ判定する。S802~S806のいずれの判定も否定的な判定であれば、小当り遊技開始演出コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S808)、小当り遊技処理を終了する。小当り遊技開始演出コマンドを受信したサブ統合制御装置90は、小当り遊技開始演出を開始する。小当り遊技開始演出が開始されると、次に小当り遊技処理が実行されたときに、S804で小当り遊技開始演出中であると判定されるため、小当り遊技開始演出時間が経過したか否を判定する(S810)。小当り遊技開始演出時間が経過していないと判定すると、小当り遊技処理を一旦終了し、小当り遊技開始演出時間が経過したと判定すると、大入賞口ソレノイド25cの駆動により大入賞口25を開放して(S812)、小当り遊技処理を終了する。
大入賞口25を開放すると、次に小当り遊技処理が実行されたときに、S802で大入賞口25が開放中であると判定されるため、大入賞口スイッチ25aからの検知信号に基づいて大入賞口25への遊技球の入球数が規定数(実施例では9個)に達したか否か(S814)、大入賞口25を開放してからの経過時間(開放時間)が最大開放時間(実施例では1.5秒)に達したか否か(S816)、をそれぞれ判定する。大入賞口25への遊技球の入球数が規定数に達しておらず、大入賞口25の開放時間が最大開放時間にも達していないと判定すると、大入賞口25の開放を維持したまま小当り遊技処理を一旦終了する。一方、大入賞口25への遊技球の入球数が規定数に達したと判定したり、当該入球数が規定数に達する前に大入賞口25の開放時間が最大開放時間に達したと判定すると、大入賞口25を閉鎖し(S818)、小当り遊技終了演出コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S820)、小当り遊技処理を終了する。小当り遊技終了演出コマンドを受信したサブ統合制御装置90は、小当り遊技終了演出を開始する。小当り遊技終了演出を開始すると、次に小当り遊技処理が実行されたときには、S806で小当り遊技終了演出中であると判定するため、小当り遊技終了演出時間が経過したか否かを判定する(S822)。小当り遊技終了演出時間が経過していないと判定すると、小当り遊技処理を一旦終了し、小当り遊技終了演出時間が経過したと判定すると、小当り遊技を終了させるために、小当りフラグに値0を設定して(S824)、小当り遊技処理を終了する。
以上説明した本実施例のパチンコ機1は、時短判定処理により時短有りの判定がなされると、特別図柄を変動表示させた後、時短図柄で確定表示させ、大当り遊技を実行することなく、時短遊技状態(特典遊技状態)を発生させるものにおいて、特別図柄として第1特別図柄と第2特別図柄とを有し、第1特別図柄と第2特別図柄とを同時に変動表示可能である。このパチンコ機1において、第1特別図柄および第2特別図柄のうち一方の特別図柄にて大当り変動が行なわれている最中に他方の特別図柄の変動表示が新たに開始される際には、時短判定処理を行なわない。これにより、大当り遊技との整合がとれない虞がある状況において、時短遊技状態が発生するのを回避することができる。この結果、大当り遊技を介さない時短遊技状態(特典遊技状態)を発生させつつ、不適切な状況で時短遊技状態が発生するのをより確実に防止することができる。
実施例では、第1特別図柄および第2特別図柄のうち一方の特別図柄が変動表示中でありその確定図柄が大当り図柄である場合に他方の特別図柄の変動表示が開始される際には、時短遊技状態(特典遊技状態)を発生させるか否かの時短判定処理(特典判定処理)を行なわないものとした。しかし、時短判定処理を行なうが、必ず時短無しの判定結果を出すようにしてもよい。或いは、時短判定処理を行なうが、時短判定処理の結果が時短有りであった場合にその判定を無効とするようにしてもよい。
実施例では、第1特別図柄の変動表示が開始される際には時短判定処理を行ない、第2特別図柄の変動表示が開始される際には時短判定処理を行なわないものとしたが、第2特別図柄の変動表示が開始される際には時短判定処理を行ない、第1特別図柄の変動表示が開始される際には時短判定処理を行なわないものとしてもよいし、第1特別図柄の変動表示が開始される際にも第2特別図柄の変動表示が開始される際にも時短判定処理を行なうものとしてもよい。言い換えると、実施例では、第1特別図柄に時短図柄が含まれ、第2特別図柄に時短図柄が含まれないものとしたが、第2特別図柄に時短図柄が含まれ、第1特別図柄に時短図柄が含まれないものとしてもよいし、第1特別図柄と第2特別図柄の両方に時短図柄が含まれてもよい。
実施例では、一方の特別図柄が変動表示中でありその確定図柄が小当り図柄である場合に他方の特別図柄の変動表示が開始される際には、当該他方の特別図柄について、通常通り、時短判定処理を行なうものとした(図13の第1特別図柄変動表示関連処理のS570~S578,S586)。しかし、例えば、図22の変形例の第1特別図柄変動表示関連処理に示すように、第2特別図柄(一方の特別図柄)が変動表示中でありその確定図柄が小当り図柄である場合に第1特別図柄(他方の特別図柄)の変動表示が開始される際には、第1特別図柄を強制的に外れとしてもよい(S1000,S592)。また、例えば、図23の変形例の第2特別図柄変動表示関連処理に示すように、第1特別図柄(一方の特別図柄)が変動表示中でありその確定図柄が時短図柄である場合に第2特別図柄(他方の特別図柄)の変動表示が開始される際には、第2特別図柄を強制的に外れとしてもよい(S1100,S691)。
実施例では、同時に変動表示が行なわれた第1特別図柄および第2特別図柄のうちの一方の特別図柄(第1特別図柄)が時短図柄で確定表示されても、変動表示中の他方の特別図柄(第2特別図柄)の変動表示を継続するものとしたが、一方の特別図柄が時短図柄で確定表示されたときに変動表示中の他方の特別図柄を強制的に外れ図柄で確定表示してもよいし、一方の特別図柄が時短図柄で確定表示されたときに変動表示中の他方の特別図柄の変動表示(変動時間の計測)を中断し、一方の特別図柄が時短図柄で確定表示されたことに基づいて発生した時短遊技状態が終了すると、当該他方の特別図柄の変動表示を再開してもよい。
実施例では、同時に変動表示が行なわれた第1特別図柄および第2特別図柄のうちの一方の特別図柄が大当り図柄で確定表示されると、変動表示中の他方の特別図柄を強制的に外れ図柄で確定表示するものとしたが、一方の特別図柄が大当り図柄で確定表示されたときに他方の特別図柄の変動表示(変動時間の計測)を中断し、一方の特別図柄が大当り図柄で確定表示されたことに基づいて発生した大当り遊技が終了すると、当該他方の特別図柄の変動表示を再開してもよい。
実施例では、現在の遊技状態が通常遊技状態である場合に限り時短判定処理を行なうものとした(図13の第1特別図柄変動表示関連処理のS584)。しかし、現在の遊技状態が時短遊技状態である場合や確変遊技状態である場合にも時短判定処理を行なうものとしてもよい。前者の場合、時短回数(時短カウンタ)が所定回数(例えば10回)残存している状態で時短判定処理において時短有りの判定がなされて新たに時短遊技状態を発生させる場合、新たに発生させる時短遊技状態の時短回数(時短カウンタ)には、本来の回数(例えば50回)に残存している所定回数(10回)を加えた値(60回)が設定されてもよいし、本来の回数(50回)が設定されてもよい。また、時短図柄として、それぞれ時短回数が異なる複数の時短図柄を有し、特別図柄が時短図柄で確定表示されて時短遊技状態を発生させる場合、時短回数(時短カウンタ)には、確定表示された時短図柄に応じた回数が設定されてもよい。例えば、図24の変形例の第1特別図柄変動表示関連処理に示すように、S588において時短判定処理の結果が時短有りと判定された場合に、時短図柄決定用乱数と図25に例示する時短図柄決定用テーブルとに基づいて複数の時短図柄A~Cの中からいずれかの時短図柄を決定すればよい(S1200)。時短図柄決定用テーブルでは、図25に示すように、時短図柄Aは、時短回数が10回の時短遊技状態を発生させる時短図柄であり、時短図柄Bは、時短回数が50回の時短遊技状態を発生させる時短図柄であり、時短図柄Cは、時短回数が100回の時短遊技状態を発生させる時短図柄である。時短図柄A,時短図柄Bおよび時短図柄Cは、それぞれ25%,50%,25%の確率で出現する。
実施例では、大当り判定用乱数に基づいて大当り判定処理を行ない、大当り判定の結果が大当りでない場合に、時短判定用乱数に基づいて時短判定処理を行ない、時短判定処理の結果が時短有りと判定されると、特別図柄を時短図柄で確定表示させた後に時短遊技状態を発生させるものとした。しかし、大当り判定の結果が大当りでない場合に、外れ図柄決定用乱数に基づいて複数の外れ図柄のうちいずれかの外れ図柄を決定し、決定した外れ図柄が特定の外れ図柄(時短図柄)であった場合に、特別図柄を当該特定の外れ図柄で確定表示させた後に時短遊技状態を発生させてもよい。この処理は、例えば、図13の第1特別図柄変動表示関連処理に代えて図26の第1特別図柄変動表示関連処理を実行すると共に、図12の第1特別図柄遊技処理に代えて図27の第1特別図柄遊技処理を実行し、図28に例示する外れ図柄決定テーブルを用いて外れ図柄を決定することにより行なうことができる。図26の第1特別図柄変動表示関連処理では、S578で大当り判定の結果が大当りでないと判定され、S584で時短フラグおよび確変フラグのいずれもが値0である(遊技状態が通常遊技状態である)と判定されると、外れ図柄決定用乱数と図28の外れ図柄決定用テーブルとに基づいて時短図柄と非時短図柄とを含む複数の外れ図柄A~Cの中からいずれかの外れ図柄を決定し(S1300)、S570,S572で第2特別図柄が変動表示中でありその確定図柄が大当り図柄であると判定したり、S584で時短フラグおよび確変フラグのいずれかが値0でない(遊技状態が時短遊技状態か確変遊技状態である)と判定されると、外れ図柄A(非時短図柄)を決定する(S1302)。また、図27の第1特別図柄変動表示関連処理では、確定図柄が外れ図柄BまたはC(時短図柄)であるか否かを判定し(S1304)、確定図柄が外れ図柄BまたはCであると判定すると、時短カウンタ設定処理を行なうと共に(S560)、時短フラグに値1を設定して(S562)、時短遊技状態を発生させる。外れ図柄決定用テーブルでは、図28に示すように、外れ図柄Aは、時短遊技状態を発生させない通常の外れ図柄(非時短図柄)であり、外れ図柄Bは、時短回数が50回の時短遊技状態を発生させる特定の外れ図柄(時短図柄)であり、外れ図柄Cは、時短回数が100回の時短遊技状態を発生させる特定の外れ図柄(時短図柄)である。外れ図柄A,外れ図柄Bおよび外れ図柄Cは、それぞれ98.5%,1%,0.5%の確率で出現する。こうした変形例の構成では、一方の特別図柄(第2特別図柄)が変動表示中でありその確定図柄が大当り図柄である場合に他方の特別図柄(第1特別図柄)の変動表示を開始する際には、当該他方の特別図柄の確定図柄として外れ図柄を決定するにあたって、特定の外れ図柄(時短図柄)を選択しないようにする。
また、小当り図柄として複数の小当り図柄を備え、特別図柄が特定の小当り図柄(時短図柄)で確定表示されると、小当り遊技の終了後に時短遊技状態を発生させてもよい。この処理は、図17の第2特別図柄変動表示関連処理に代えて図29の第2特別図柄変動表示関連処理を実行すると共に、図21の小当り遊技処理に代えて図30の小当り遊技処理を実行し、図31に例示する小当り図柄決定用テーブルを用いて小当り図柄を決定することにより行なうことができる。図29の第2特別図柄変動表示関連処理では、S678で大当り判定の結果が大当りでないと判定され、S686で小当り判定の結果が小当りであると判定されると、小当り図柄決定用乱数と図31の小当り図柄決定用テーブルとに基づいて複数の小当り図柄A~Cの中からいずれかの小当り図柄を決定する(S1400)。また、図30の小当り遊技処理では、S824において小当りフラグに値0を設定して小当り遊技を終了させた後、今回の小当り遊技の発生契機となった小当り図柄が小当り図柄BまたはC(特定の小当り図柄)であるか否かを判定する(S1402)。小当り図柄が小当り図柄BまたはCであると判定すると、時短カウンタ設定処理を行なうと共に(S1404)、時短フラグに値1を設定して(S1406)、時短遊技状態を発生させる。一方、小当り図柄が小当り図柄Aであると判定すると、時短遊技状態を発生させない。小当り図柄決定用テーブルでは、図31に示すように、小当り図柄Aは、時短遊技状態を発生させない通常の小当り図柄であり、外れ図柄Bは、時短回数が50回の時短遊技状態を発生させる小当り図柄であり、外れ図柄Cは、時短回数が100回の時短遊技状態を発生させる小当り図柄である。小当り図柄A,小当り図柄Bおよび小当り図柄Cは、それぞれ50%,25%,25%の確率で出現する。なお、小当り判定用乱数(あるいは大当り判定用乱数)に基づいて小当り遊技の終了後に時短遊技状態を発生させるか否かを判定してもよい。すなわち、小当り値として、時短有りの小当り値と時短無しの小当り値とを備え、小当り判定用乱数が時短有りの小当り値と一致していれば、特別図柄を特定の小当り図柄(時短図柄)で確定表示させる共に小当り遊技の終了後に時短遊技状態を発生させ、小当り判定用乱数が時短無しの小当り値と一致していれば、特別図柄を通常の小当り図柄で確定表示させると共に小当り遊技の終了後の遊技状態を変化させない仕様としてもよい。また、小当り判定の結果が小当りであった場合の特定の小当り図柄(時短図柄)の選択(S1400)や、小当り遊技終了の際に小当り図柄が特定の小当り図柄であった場合の時短遊技状態の発生(S1402~S1406)は、遊技状態が通常遊技状態(時短フラグおよび確変フラグのいずれもが値0)である場合のみ行なわれるようにしてもよい。こうした変形例の構成においては、図29の第2特別図柄変動表示関連処理のS670,S672,S691に示すように、第1特別図柄(一方の特別図柄)が変動表示中でありその確定図柄が大当り図柄である場合に第2特別図柄(他方の特別図柄)の変動表示が開始される際には、当該第2特別図柄について、大当り判定も小当り判定も行なわれることなく、強制的に外れとなるため、時短遊技状態は発生しない。なお、一方の特別図柄が変動表示中でありその確定図柄が大当り図柄であっても、他方の特別図柄について小当り判定だけは行なうようにした場合には、特定の小当り図柄(時短図柄)を選択しない又は時短有りの小当り判定を行なわないようにすればよい。
実施例では、まず大当り判定処理を行ない、大当り判定処理の結果が大当りでないときに時短判定処理を行なうものとしたが、まず時短判定処理を行ない、時短判定処理で時短無しの判定がなされたときに大当り判定処理を行なってもよい。
実施例では、時短遊技状態(特典遊技状態)は、第1始動口23に遊技球が入球するのに有利な状態として、普通図柄の変動時間を通常遊技状態よりも短縮させ(変動短縮機能)、普通図柄の当選確率を通常遊技状態よりも高確率にし(高確率当選機能)、且つ、普通図柄が当選したときに開放する第1始動口23の開放時間を通常遊技状態よりも延長する(開放延長機能)ものとした。しかし、時短遊技状態(特典遊技状態)は、第1始動口23に遊技球が入球し易くなればよく、上記3つの機能のうちいずれか1つまたは2つが省略されてもよい。
実施例では、大当り遊技を実行した後に発生する時短遊技状態は、大当り遊技を実行することなく発生する時短遊技状態と同じ仕様としたが、異なる仕様としてもよい。例えば、前者の時短遊技状態は、後者の時短遊技状態よりも、時短遊技状態の継続回数(時短回数)、普通図柄の変動時間、普通図柄の当選確率および普通図柄が当選したときの第1始動口23の開放時間のうち少なくとも一つを遊技者にとって有利なものとしてもよい。
実施例では、時短遊技状態(特典遊技状態)は、第1始動口23に遊技球が入球するのに有利な状態としたが、これに限定されるものではなく、例えば、第2始動口を普通電動役物として構成し、第2始動口に遊技球が入球するのに有利な状態としてもよいし、普通入賞口を普通電動役物として構成し、普通入賞口に遊技球が入球するのに有利な状態としてもよい。
実施例では、いわゆるセブン機タイプの遊技機として構成されたが、これに限定されるものではなく、小当り遊技中に開放する大入賞口25の内部に特定領域を備え、小当り遊技中に大入賞口25に遊技球が入球し、入球した遊技球が当該特定領域を通過すると、大当り遊技に発展するいわゆる1種2種混合機として構成されてもよい。
実施例では、遊技ホールの島設備から供給される遊技球を賞球や貸球として上受け皿11に払い出す構成としたが、いわゆる封入式のパチンコ機であってもよい。封入式のパチンコ機は、内部に封入した遊技球を循環させることにより遊技を行なうものである。また、実施例や変形例のパチンコ機は、いわゆる管理遊技機に適用されてもよい。管理遊技機は、主制御装置への外部からのアクセスを制限するものであり、枠制御装置(実施例の払出制御装置に相当)から主制御装置へは特定情報(遊技の性能に影響を与える情報や、遊技の結果に影響を及ぼす虞のある情報)以外を送信可能とし、枠制御装置はCRユニットと接続され、枠制御装置を介してのみ外部と通信可能に構成されたものである。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、第1始動口23が「第1始動口」に相当し、第2始動口241,242が「第2始動口」に相当し、第1特別図柄変動表示関連処理のS594と第1特別図柄遊技処理のS514の処理を実行する主制御装置60のCPU60aと第2特別図柄変動表示関連処理のS693と第2特別図柄遊技処理のS614の処理を実行する主制御装置60のCPU60aと第1特別図柄表示装置(第1特図表示装置)31と第2特別図柄表示装置(第1特図表示装置)32とが「特別図柄表示手段」に相当し、第1特別図柄遊技処理のS558~S562の処理を実行する主制御装置60のCPU60aが「特典遊技発生手段」に相当し、第1特別図柄変動表示関連処理のS570~S593の処理を実行する主制御装置60のCPU60aが「特典判定手段」に相当する。なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明の実施の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。