JP7108078B2 - 宇宙環境試験装置および該宇宙環境試験装置の液体窒素回収方法 - Google Patents

宇宙環境試験装置および該宇宙環境試験装置の液体窒素回収方法 Download PDF

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本発明は、シュラウドの冷却に用いた液体窒素を回収する宇宙環境試験装置および該宇宙環境試験装置の液体窒素回収方法である。
宇宙環境試験装置とは、真空容器内を宇宙環境に近い状態にし、人工衛星などの試験体を宇宙に送り出す前に地球上で動作確認などの試験を行うための装置である。
宇宙環境試験装置においては、一般的に、真空容器の内部にシュラウドと呼ばれる熱吸収壁を設置し、該シュラウドに液体窒素などの低温冷媒を供給して低温(液体窒素を用いた場合には100K以下)に冷却することで、真空容器内に宇宙環境に近い冷暗黒を模擬した状態にすることができる。
従来の宇宙環境試験装置においてシュラウドを冷却する方式としては、特許文献1に開示されているワンスルー式(図5参照)と、フリーボイリング式(図6参照)がある。
図5に示すワンスルー式の宇宙環境試験装置71においては、液体窒素供給装置5から供給配管11を介して真空容器3内のシュラウド7に液体窒素を供給して冷却し、シュラウド7を冷却した後の液体窒素と気体窒素の混合流体は排出配管13を介して放液溜め9に排出される。排出された気体窒素は放液溜め9に設けられた気体窒素放出配管21および気体窒素放出弁23を介して大気に放出されるのに対し、該排出された液体窒素は放液溜め9に溜められる。
そして、試験が終了した後、放液溜め9に溜められた液体窒素は、ポンプ73により回収配管75内を移送されることにより、液体窒素供給装置5に回収することができる。
また、図6に示すフリーボイリング式の宇宙環境試験装置81においては、液体窒素貯槽35から第1供給配管41を介して供給された液体窒素は、真空容器33内に設置されたシュラウド37よりも鉛直方向上方に設置したヘッドタンク39に一時貯留され、該一時貯留した液体窒素をその自重により第2供給配管43を介してシュラウド37に供給されて冷却する。シュラウド37を冷却した後の液体窒素と気体窒素の混合流体は排出配管45を介してヘッドタンク39に排出される。排出された気体窒素は気体窒素放出配管53および気体窒素放出弁55を介して大気に放出されるのに対し、排出された液体窒素はヘッドタンク39に貯留される。
そして、試験が終了した後、ヘッドタンク39に溜められた液体窒素は、上述のワンスルー式と同様に、ポンプおよび回収配管(図示なし)により液体窒素貯槽35に回収することができる。
特開平7-165200号公報
上記のとおり、従来の宇宙環境試験装置では、試験が終了した後に放液溜めやヘッドタンクに残った液体窒素を回収するには、液体窒素を移送するためのポンプが必要となる他、ポンプの動力が必要となるといった問題があった。
また、ワンスルー式の宇宙環境試験装置においてシュラウドに残った液体窒素を回収するために、シュラウドから液体窒素を放液溜めに排出し、該放液溜めに溜められている液体窒素をポンプで液体窒素供給装置に移送する方法が考えられるが、放液溜めが断熱されていない場合、液体窒素を排出および回収する過程での侵入熱が多く、液体窒素の蒸発量が多くなってしまい回収できる量が少なくなってしまう問題があった。この問題は、ヘッドタンクを用いたフリーボイリング式の宇宙環境試験装置においても同様であった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、ポンプなどの設備を追加することなく液体窒素の回収を効果的に行うことができる宇宙環境試験装置および該宇宙環境試験装置の液体窒素回収方法を提供することを目的とする。
(1)本発明に係る宇宙環境試験装置は、真空容器内に設けられ、液体窒素供給装置から液体窒素の供給を受けて冷却されるシュラウドと、該シュラウドから排出された液体窒素を溜める放液溜めとを備え、前記シュラウドをワンスルー式で冷却することで前記真空容器内を宇宙環境の冷暗黒を模擬した状態にして試験を行うものであって、前記液体窒素供給装置と前記シュラウドとを接続し、該シュラウドに液体窒素を供給する供給配管と、前記シュラウドと前記放液溜めとを接続し、前記シュラウドを冷却した液体窒素を前記放液溜めに排出する排出配管と、前記放液溜めと前記供給配管とを接続し、前記放液溜めに溜められた液体窒素を前記液体窒素供給装置に回収する回収配管と、該回収配管に設けられた開閉弁と、前記放液溜めに加圧された気体窒素を供給する気体窒素供給部と、を有し、前記開閉弁が開いた状態で、前記気体窒素供給部に加圧された気体窒素を供給し、前記放液溜め内の液体窒素を前記回収配管を介して前記供給配管側に圧送するとともに、前記放液溜めと連通する前記シュラウド内の液体窒素を前記供給配管側に圧送し、該圧送した液体窒素を前記液体窒素供給装置に回収するようにしたことを特徴とするものである。
(2)本発明に係る宇宙環境試験装置は、真空容器内に設けられ、液体窒素供給装置から液体窒素の供給を受けて冷却されるシュラウドと、該シュラウドから排出された液体窒素を溜める放液溜めとを備え、前記シュラウドをワンスルー式で冷却することで、前記真空容器内を宇宙環境の冷暗黒を模擬した状態にして試験を行うものであって、前記液体窒素供給装置と前記シュラウドとを接続し、該シュラウドに液体窒素を供給する供給配管と、前記シュラウドと前記放液溜めとを接続し、前記シュラウドを冷却した液体窒素を前記放液溜めに排出する排出配管と、前記放液溜めと前記供給配管とを接続し、前記放液溜めに溜められた液体窒素を前記液体窒素供給装置に回収する回収配管と、該回収配管に設けられた開閉弁と、前記放液溜め内の液体窒素を加熱して気化させる加熱手段と、を有し、前記開閉弁が開いた状態で、前記加熱手段により前記放液溜め内の液体窒素を加熱して気化させることで前記放液溜め内を加圧し、前記放液溜め内の液体窒素を前記回収配管を介して前記供給配管側に圧送するとともに、前記放液溜めと連通する前記シュラウド内の液体窒素を前記供給配管側に圧送し、該圧送した液体窒素を前記液体窒素供給装置に回収するようにしたことを特徴とするものである。
(3)上記(1)又は(2)に記載のものにおいて、前記供給配管に温度計が設置されていることを特徴とするものである。
(4)上記(1)乃至(3)のいずれかに記載のものにおいて、前記回収配管は、前記放液溜めの最下部と前記供給配管の最下部とを連結することを特徴とするものである。
(5)本発明に係る宇宙環境試験装置は、真空容器内に設けられ、液体窒素供給装置から液体窒素の供給を受けて冷却されるシュラウドと、前記液体窒素供給装置から供給された液体窒素を一時貯留し、該一時貯留した液体窒素を前記シュラウドに供給するとともに、前記シュラウドから排出された液体窒素を貯留するヘッドタンクとを備え、前記シュラウドをフリーボイリング式で冷却することで前記真空容器内を宇宙環境の冷暗黒を模擬した状態にして試験を行うものであって、前記液体窒素供給装置と前記ヘッドタンクとを接続し、前記液体窒素供給装置から前記ヘッドタンクに液体窒素を供給する第1供給配管と、前記ヘッドタンクと前記シュラウドとを接続し、前記ヘッドタンクに一時貯留した液体窒素を前記シュラウドに供給する第2供給配管と、前記シュラウドと前記ヘッドタンクとを接続し、前記シュラウドを冷却した液体窒素を前記ヘッドタンクに排出する排出配管と、前記第2供給配管と前記第1供給配管とを接続し、前記ヘッドタンクおよび前記シュラウド内の液体窒素を前記液体窒素供給装置に回収する回収配管と、該回収配管に設けられた開閉弁と、前記ヘッドタンク内に加圧された気体窒素を供給する気体窒素供給部と、を有し、前記開閉弁が開いた状態で、前記気体窒素供給部に加圧された気体窒素を供給し、前記ヘッドタンク内および該ヘッドタンクと連通する前記シュラウド内の液体窒素を前記第2供給配管および前記回収配管を介して前記第1供給配管側に圧送し、該圧送した液体窒素を前記液体窒素供給装置に回収するようにしたことを特徴とするものである。
(6)本発明に係る宇宙環境試験装置は、真空容器内に設けられ、液体窒素供給装置から液体窒素の供給を受けて冷却されるシュラウドと、前記液体窒素供給装置から供給された液体窒素を一時貯留し、該一時貯留した液体窒素を前記シュラウドに供給するとともに、前記シュラウドから排出された液体窒素を貯留するヘッドタンクとを備え、前記シュラウドをフリーボイリング式で冷却することで、前記真空容器内を宇宙環境の冷暗黒を模擬した状態にして試験を行うものであって、前記液体窒素供給装置と前記ヘッドタンクとを接続し、前記液体窒素供給装置から前記ヘッドタンクに液体窒素を供給する第1供給配管と、前記ヘッドタンクと前記シュラウドとを接続し、前記ヘッドタンクに一時貯留した液体窒素を前記シュラウドに供給する第2供給配管と、前記シュラウドと前記ヘッドタンクとを接続し、前記シュラウドを冷却した液体窒素を前記ヘッドタンクに排出する排出配管と、前記第2供給配管と前記第1供給配管とを接続し、前記ヘッドタンクおよび前記シュラウド内の液体窒素を前記液体窒素供給装置に回収する回収配管と、該回収配管に設けられた開閉弁と、前記ヘッドタンク内の液体窒素を加熱して気化させる加熱手段と、を有し、前記開閉弁が開いた状態で、前記加熱手段により前記ヘッドタンク内の液体窒素を加熱して気化させることで前記ヘッドタンク内を加圧し、該ヘッドタンク内および該ヘッドタンクと連通する前記シュラウド内の液体窒素を前記第2供給配管および回収配管を介して前記第1供給配管側に圧送し、該圧送した液体窒素を前記液体窒素供給装置に回収するようにしたことを特徴とするものである。
(7)上記(5)又は(6)に記載のものにおいて、前記第1供給配管又は前記回収配管に温度計が設置されていることを特徴とするものである。
(8)上記(5)乃至(7)のいずれかに記載のものにおいて、前記回収配管は、前記第2供給配管の最下部と前記第1供給配管の最下部とを連結することを特徴とするものである。
(9)本発明に係る宇宙環境試験装置の液体窒素回収方法は、真空容器内に設けられ、液体窒素供給装置と接続する供給配管を介して液体窒素の供給を受けて冷却されるシュラウドと、該シュラウドから排出された液体窒素を溜める放液溜めとを備え、前記シュラウドをワンスルー式で冷却することで、前記真空容器内を宇宙環境の冷暗黒を模擬した状態にして試験を行う宇宙環境試験装置における液体窒素を回収するものであって、前記放液溜めと前記供給配管とを回収配管を介して連結し、前記放液溜めに加圧された気体窒素を供給して該放液溜め内を加圧することにより、該放液溜め内の液体窒素を前記回収配管を介して前記供給配管側に圧送するとともに、前記放液溜めと連通する前記シュラウド内にある液体窒素を前記供給配管側に圧送し、該圧送した液体窒素を前記液体窒素供給装置に回収することを特徴とするものである。
(10)本発明に係る宇宙環境試験装置の液体窒素回収方法は、真空容器内に設けられ、液体窒素供給装置と接続する供給配管を介して液体窒素の供給を受けて冷却されるシュラウドと、該シュラウドから排出された液体窒素を溜める放液溜めとを備え、前記シュラウドをワンスルー式で冷却することで、前記真空容器内を宇宙環境の冷暗黒を模擬した状態にして試験を行う宇宙環境試験装置における液体窒素を回収するものであって、前記放液溜めと前記供給配管とを回収配管を介して連結し、前記放液溜め内の液体窒素を加熱して気化させることで前記放液溜め内を加圧することにより、前記放液溜め内の液体窒素を前記供給配管側に圧送するとともに、前記放液溜めと連通する前記シュラウド内にある液体窒素を前記供給配管側に圧送し、該圧送した液体窒素を前記液体窒素供給装置に回収することを特徴とするものである。
(11)本発明に係る宇宙環境試験装置の液体窒素回収方法は、真空容器内に設けられ、液体窒素供給装置から液体窒素の供給を受けて冷却されるシュラウドと、前記液体窒素供給装置から第1供給配管を介して供給された液体窒素を一時貯留し、該一時貯留した液体窒素を第2供給配管を介して前記シュラウドに供給するとともに、前記シュラウドから排出された液体窒素を貯留するヘッドタンクとを備え、前記シュラウドをフリーボイリング式で冷却することで、前記真空容器内を宇宙環境の冷暗黒を模擬した状態にして試験を行う宇宙環境試験装置における液体窒素を回収するものであって、前記第2供給配管と前記第1供給配管とを回収配管を介して連結し、前記ヘッドタンクに加圧された気体窒素を供給して該ヘッドタンク内を加圧することにより、前記ヘッドタンク内および該ヘッドタンクと連通するシュラウド内にある液体窒素を前記第2供給配管および前記回収配管を介して前記第1供給配管側に圧送し、該圧送した液体窒素を前記液体窒素供給装置に回収することを特徴とするものである。
(12)本発明に係る宇宙環境試験装置の液体窒素回収方法は、真空容器内に設けられ、液体窒素供給装置から液体窒素の供給を受けて冷却されるシュラウドと、前記液体窒素供給装置から第1供給配管を介して供給された液体窒素を一時貯留し、該一時貯留した液体窒素を第2供給配管を介して前記シュラウドに供給するとともに、前記シュラウドから排出された液体窒素を貯留するヘッドタンクとを備え、前記シュラウドをフリーボイリング式で冷却することで、前記真空容器内を宇宙環境の冷暗黒を模擬した状態にして試験を行う宇宙環境試験装置における液体窒素を回収するものであって、前記第2供給配管と前記第1供給配管とを回収配管を介して連結し、前記ヘッドタンクの液体窒素を加熱して気化させることで該ヘッドタンク内を加圧することにより、前記ヘッドタンク内および該ヘッドタンクと連通するシュラウド内にある液体窒素を前記第2供給配管および前記回収配管を介して前記第1供給配管側に圧送し、該圧送した液体窒素を前記液体窒素供給装置に回収することを特徴とするものである。
本発明の宇宙環境試験装置においては、気体窒素供給部に加圧された気体窒素を供給し、放液溜め内の液体窒素を回収配管を介して供給配管側に圧送するとともに、前記放液溜めと連通するシュラウド内の液体窒素を前記供給配管側に圧送し、該圧送した液体窒素を液体窒素供給装置に回収することにより、ポンプなどの設備を追加することなく液体窒素を効果的に回収することができる。
本発明の実施の形態1に係るワンスルー式の宇宙環境試験装置において、液体窒素を回収する状態を説明する図である。 本発明の実施の形態1に係るワンスルー式の宇宙環境試験装置において、液体窒素を供給して冷却する状態を説明する図である。 本発明の実施の形態2に係るフリーボイリング式の宇宙環境試験装置において液体窒素を回収する状態を説明する図である。 本発明の実施の形態2に係るフリーボイリング式の宇宙環境試験装置において、液体窒素を供給して冷却する状態を説明する図である。 従来のワンスルー式の宇宙環境試験装置を説明する図である。 従来のフリーボイリング式の宇宙環境試験装置を説明する図である。
[実施の形態1]
<宇宙環境試験装置>
本発明の実施の形態1に係る宇宙環境試験装置1は、図1に示すように、真空容器3内に設けられ、液体窒素供給装置5から液体窒素の供給を受けて冷却されるシュラウド7と、シュラウド7から排出された液体窒素を溜める放液溜め9とを備え、シュラウド7をワンスルー式で冷却することで真空容器3内を宇宙環境の冷暗黒を模擬した状態にして試験を行うものであって、供給配管11と、排出配管13と、回収配管15と、開閉弁17と、気体窒素供給部19とを備えたものである。
以下、宇宙環境試験装置1の液体窒素を回収するときの状態を示す図1と、宇宙環境試験装置1にて試験を行うためにシュラウド7を冷却する状態を示す図2に基づいて、本実施の形態1に係る宇宙環境試験装置1の各構成について説明する。なお、図1および図2の凡例において、「弁開」とは、弁が開いている状態(白塗りで図示)であり、「弁閉」とは、弁が閉じている状態(黒塗りで図示)を示すものである(後述の実施の形態2の図3および図4においても同様)。
≪真空容器≫
真空容器3は、内部を宇宙環境を模擬した状態にするものであり、人工衛星などの各種試験体が設置される。そして、真空容器3は、内部を高真空とするため、真空ポンプ(図示なし)により排気される。
≪液体窒素供給装置≫
液体窒素供給装置5は、宇宙環境試験装置1を用いて試験を行う際にはシュラウド7に液体窒素を供給して冷却するものであり(図2参照)、試験が終わって液体窒素を回収する際には、放液溜め9およびシュラウド7の液体窒素が回収されるものである(図1参照)。液体窒素供給装置5は、所定の供給圧力で液体窒素を供給および回収できるものであればよく、例えば、真空断熱された液体窒素貯槽を用いることができる。
さらに、液体窒素供給装置5は、宇宙環境試験装置1の冷却に必要な液体窒素の量、圧力等によって、適切なものが適宜選択される。
例えば、比較的小型の宇宙環境試験装置1では、液体窒素供給装置5として小型可搬式液体窒素供給装置等が用いられことがあり、比較的大型の宇宙環境試験装置1では、液体窒素供給装置5として大型の液体窒素貯槽等が用いられることがある。
しかし、液体窒素供給装置5の種類の違いによって、本願発明の効果には影響はない。
≪シュラウド≫
シュラウド7は、液体窒素が供給されて所定の温度に冷却されることで、真空容器3内に宇宙環境の冷暗黒を模擬した状態とするものである。液体窒素を供給することによりシュラウド7は100K以下に冷却することができ、シュラウド7の温度は、液体窒素の供給量と供給圧力により調整することができる。なお、シュラウド7に供給された液体窒素は、シュラウド7を冷却する過程においてその一部が気化し、気体窒素となる。
≪放液溜め≫
放液溜め9は、液体窒素供給装置5からシュラウド7に供給されて冷却した後の液体窒素又は液体窒素と気体窒素の混合流体を排出し、該排出された液体窒素を溜めるものである。
放液溜め9には、シュラウド7から排出された気体窒素を大気中に放出するために気体窒素放出配管21および気体窒素放出弁23が設けられている。
≪供給配管≫
供給配管11は、液体窒素供給装置5とシュラウド7とを接続し、シュラウド7に液体窒素を供給するものであり、供給配管11aおよび11bからなる。
≪排出配管≫
排出配管13は、シュラウド7と放液溜め9とを連結し、シュラウド7を冷却した後の液体窒素と気体窒素の混合流体を放液溜め9に排出するために設けられたものである。シュラウド7と放液溜め9とが排出配管13により連結されていることにより、シュラウド7と放液溜め9は気密を保って連通される。
≪回収配管≫
回収配管15は、放液溜め9と供給配管11とを接続し、放液溜め9に溜められた液体窒素を液体窒素供給装置5に回収するためのものである。
回収配管15は、放液溜め9内に溜められている液体窒素を効率良く回収するため、その端部が放液溜め9の最下部に接続しているものが好ましい。
≪開閉弁≫
開閉弁17は、回収配管15に設けられたものであり、シュラウド7に液体窒素を供給して冷却する際には開閉弁17は閉じた状態であり(図2参照)、放液溜め9内にある液体窒素を回収する際には開閉弁17を開いた状態である(図1参照)。
≪気体窒素供給部≫
気体窒素供給部19は、放液溜め9に設けられ、放液溜め9内に加圧された気体窒素を供給するものであり、図1に示すように、気体窒素供給配管19aと気体窒素供給弁19bとからなるものを用いることができる。
気体窒素供給部19は、気体窒素供給配管19aに窒素ボンベ(図示なし)などを接続できるものとする。そして、放液溜め9内を加圧する場合には、気体窒素放出弁23を閉じた状態にするとともに気体窒素供給弁19bを開いた状態にし、前記窒素ボンベから加圧された気体窒素を放液溜め9に供給することで、放液溜め9内を加圧する。気体窒素供給部19により気体窒素を供給するに際し、気体窒素供給弁19bは、放液溜め9内が所定の圧力一定となるように開度を制御できるものであることが望ましい。
なお、気体窒素供給部19は、気体窒素供給配管19aが気体窒素放出配管21に接続しているものであってもよく、気体窒素放出弁23を閉じた状態で放液溜め9に加圧した気体窒素を供給して放液溜め9内を加圧することができるものであればよい。
<液体窒素回収方法>
次に、本実施の形態1に係る宇宙環境試験装置1における液体窒素回収方法について、図1および図2に示す宇宙環境試験装置1の動作とともに説明する。
まず、液体窒素供給装置5から供給配管11aおよび11bを介して液体窒素をシュラウド7に所定の供給圧力で供給してシュラウド7を冷却し、試験を行う(図2参照)。
冷却運転時においては、回収配管15に設けられた開閉弁17と気体窒素供給部19の気体窒素供給弁19bを閉じた状態にするとともに気体窒素放出弁23を開いた状態として、シュラウド7を冷却した後の液体窒素および気体窒素の混合流体は排出配管13から放液溜め9に排出される。そして、該排出された液体窒素は放液溜め9に溜められるのに対し、排出された気体窒素は気体窒素放出弁23を介して気体窒素放出配管21から大気に放出される。
そして、シュラウド7の冷却運転を終了して液体窒素を回収する場合には、液体窒素供給装置5からの液体窒素の供給を止め、その後、開閉弁17を開、気体窒素放出弁23を閉とする(図1参照)。次いで、気体窒素供給配管19aに気体窒素ボンベを接続し、気体窒素供給弁19bを開とし、気体窒素供給部19から加圧した気体窒素を供給する。
このように、放液溜め9に気体窒素を供給して圧力を掛けることによって、放液溜め9に溜められている液体窒素に対して逆圧が掛けられ、回収配管15および開閉弁17を通じて供給配管11aに圧送される。同時に、排出配管13を介して放液溜め9と連通しているシュラウド7に貯液されている液体窒素に対しても逆圧が掛けられ、供給配管11bを通じて供給配管11aに圧送される。そして、供給配管11aに圧送された液体窒素は、供給配管11aを通じて液体窒素供給装置5に回収される。
なお、気体窒素供給部19に供給する気体窒素の供給圧力は、冷却運転時に液体窒素供給装置5から供給する液体窒素の供給圧力よりも高く設定すればよく、液体窒素供給装置5からの液体窒素の供給圧力を0.3MPaGとした場合、気体窒素供給部19に供給する気体窒素の供給圧力は0.4~0.6MPaG程度とすればよい。
以上、本実施の形態1に係る宇宙環境試験装置1および宇宙環境試験装置1の液体窒素回収方法によれば、ワンスルー式で冷却する宇宙環境試験装置において、ポンプなどの追加の設備を用いずに、放液溜め9に加圧された気体窒素を供給することにより、放液溜め9およびシュラウド7の液体窒素を供給配管11側に圧送し、該圧送した液体窒素を液体窒素供給装置5に回収することができる。さらに、シュラウド7を冷却させるために用いた供給配管11内を圧送させるものであるため、液体窒素を回収する過程での外部からの侵入熱の影響が小さく、気化する液体窒素の量を抑えることができる。
なお、本実施の形態1に係る宇宙環境試験装置1および宇宙環境試験装置1の液体窒素回収方法の他の態様としては、気体窒素供給部19に代えて、放液溜め9に加熱手段(図示なし)を設けたものであってもよい。
この場合においては、気体窒素放出弁23を閉じた状態で放液溜め9に溜められた液体窒素の一部を加熱手段により気化させることで放液溜め9内が加圧され、放液溜め9およびシュラウド7の液体窒素を供給配管11側に圧送することができる。加熱手段としては、液体窒素を加熱するヒーターを用いることができ、ヒーターの出力を制御することにより、放液溜め9を所定の圧力(例えば0.4~0.6MPaG)一定に加圧することができる。
また、本実施の形態1に係る宇宙環境試験装置1においては、液体窒素を回収する際に、液体窒素が配管類のどの部分に存在するかを直接把握することは困難である。そのため、供給配管11に温度計25を設け、圧送される液体窒素の温度を測定し、該測定した温度が上昇傾向となったら、シュラウド7、放液溜め9および回収配管15に液体窒素は存在しないものと推定し、液体窒素の回収を停止することができる。
すなわち、圧送された液体窒素が供給配管11内を流れる場合、温度計25により測定される温度は該圧送された液体窒素と同程度の温度となるのに対し、シュラウド7および放液溜め9の液体窒素が回収されて供給配管11内に気体窒素供給部19から供給された気体窒素が流れる場合、温度計25により測定される該気体窒素と同程度の温度となり、回収された液体窒素の温度よりも高くなるためである。
ここで、温度計25は、図1および図2に示すように、放液溜め9につながる回収配管15とシュラウド7につながる供給配管11bとが接続する位置よりも液体窒素供給装置5側である供給配管11aに設置することが好ましい。
さらに、本実施の形態1に係る宇宙環境試験装置1においては、放液溜め9の最下部と供給配管11の最下部とを連結するように回収配管15を設置することが望ましい。これにより、放液溜め9内を加圧して液体窒素を圧送する際に、液体窒素が宇宙環境試験装置1における鉛直方向の最下部を経て供給配管11側に移送されるため、液体窒素を配管類に残すことなく液体窒素供給装置5に回収することができる。
[実施の形態2]
<宇宙環境試験装置>
本発明の実施の形態2に係る宇宙環境試験装置31は、図3に示すように、真空容器33内に設けられ、液体窒素貯槽35から液体窒素の供給を受けて冷却されるシュラウド37と、液体窒素貯槽35から供給された液体窒素を一時貯留し、該一時貯留した液体窒素をシュラウド37に供給するとともに、シュラウド37から排出された液体窒素を貯留するヘッドタンク39とを備え、シュラウド37をフリーボイリング式で冷却することで真空容器33内を宇宙環境の冷暗黒を模擬した状態にして試験を行うものであって、液体窒素貯槽35とヘッドタンク39とを接続する第1供給配管41と、ヘッドタンク39とシュラウド37とを接続する第2供給配管43と、シュラウド37とヘッドタンク39とを接続する排出配管45と、第2供給配管43と第1供給配管41とを接続する回収配管47と、回収配管47に設けられた開閉弁49と、ヘッドタンク39に設けられた気体窒素供給部51と、を有するものである。
以下、宇宙環境試験装置31の液体窒素を回収するときの状態を示す図3と、宇宙環境試験装置31にて試験を行うためにシュラウド37を冷却する状態を示す図4に基づいて、本実施の形態2に係る宇宙環境試験装置31の各構成について説明する。なお、真空容器33は、前述の実施の形態1における真空容器3と同じものであるため、その説明は割愛する。
≪液体窒素貯槽≫
液体窒素貯槽35は、宇宙環境試験装置31を用いて試験を行う際にはシュラウド37に液体窒素を供給して冷却する液体窒素供給装置であり、試験が終わって液体窒素を回収する際には、液体窒素貯槽35にヘッドタンク39およびシュラウド37の液体窒素が回収される(図3参照)。
液体窒素貯槽35は、所定の供給圧力で液体窒素を供給および回収できるものであればよく、真空断熱された二重壁構造の内部に液体窒素が貯液される。なお、本実施の形態2に係る液体窒素貯槽35は、液体窒素の貯液量50000Lクラス、供給圧力0.3MPaGであるが、液体窒素貯槽35のサイズおよび供給圧力は、適宜選択すればよい。
本実施の形態2は、液体窒素供給装置として液体窒素貯槽35を用いるものであるが、前述の実施の形態1と同様に、宇宙環境試験装置31の冷却に必要な液体窒素の量、圧力等によって、適切な液体窒素供給装置が適宜選択される。
≪シュラウド≫
シュラウド37は、前述の実施の形態1におけるシュラウド7と同様、液体窒素が供給されて所定の温度(例えば100K以下)に冷却されることで、真空容器33内に宇宙環境の冷暗黒を模擬した状態とするものである。
なお、本実施の形態2に係るシュラウド37として、アルミニウム製で液体窒素の貯液量が9000Lのものを例示できる。もっとも、シュラウド37の材質に関しては100K程度の低温を維持できるものであればよく、貯液量に関しては、シュラウド37を設置する真空容器33のサイズや熱負荷に応じて適宜設定すればよい。
≪ヘッドタンク≫
ヘッドタンク39は、液体窒素貯槽35から供給された液体窒素を一時貯留し、該一時貯留した液体窒素をシュラウド37に供給するとともに、シュラウド37から排出された液体窒素を貯留するものであり、シュラウド37よりも鉛直方向上方に設置されている。
後述するように、ヘッドタンク39には、一時貯留した液体窒素の液面高さを制御するために、液面計(図示なし)が設けられている。そして、ヘッドタンク39の内部は気体窒素放出配管53および気体窒素放出弁55を介して大気開放されていることが望ましい。
なお、本実施の形態2に係るヘッドタンク39は、ステンレス製であり、液体窒素の貯液量は1000Lであるが、ヘッドタンク39の材質および貯液量は適宜選択できる。
≪第1供給配管≫
第1供給配管41は、液体窒素貯槽35とヘッドタンク39とを接続し、液体窒素貯槽35からヘッドタンク39に液体窒素を供給するものであり、図3および図4においては、第1供給配管41aおよび41bからなる。
また、第1供給配管41には、ヘッドタンク39に一時貯留される液体窒素の液面高さに応じて開閉する液面制御弁57が設けられており、液面制御弁57の開閉は、例えば、ヘッドタンク39に設置した液面計(図示なし)により測定した液面高さの出力信号により行うことができる。
なお、本実施の形態2に係る第1供給配管41は、そのサイズが50Aであるが、第1供給配管41のサイズは、シュラウド37のサイズや熱負荷に応じて適宜選択すればよい。
≪第2供給配管≫
第2供給配管43は、図3および図4に示すように、ヘッドタンク39とシュラウド37とを接続し、ヘッドタンク39に一時貯留した液体窒素をシュラウド37に供給するものであり、第2供給配管43aおよび43bからなる。そして、一端側(第2供給配管43a)がヘッドタンク39の最下部に接続し、他端側(第2供給配管43b)がシュラウド37の下部に接続している。
第2供給配管43には、図4に示すように、液体窒素循環弁59と弁箱61が設けられている。液体窒素循環弁59は、ヘッドタンク39からシュラウド37への液体窒素の供給と停止を制御するものであり、弁箱61は、その内部に液体窒素の供給流量を制御する流量制御弁(図示なし)が設置されている。また、真空容器33内に複数のシュラウドが設置されている場合、弁箱61には各シュラウドに接続する複数の流量制御弁が設置される。
なお、本実施の形態2に係る第2供給配管43は、前述の第2供給配管43と同様にそのサイズが50Aであるが、第2供給配管43のサイズは、シュラウド37のサイズや熱負荷に応じて適宜選択すればよい。
≪排出配管≫
排出配管45は、シュラウド37とヘッドタンク39とを連結し、シュラウド37を冷却した後の液体窒素と気体窒素の混合流体をヘッドタンク39に排出するために設けられたものである。シュラウド37とヘッドタンク39とが排出配管45により連結されていることにより、シュラウド37とヘッドタンク39は気密を保って連通される。
≪回収配管≫
回収配管47は、第2供給配管43と第1供給配管41とを接続し、ヘッドタンク39およびシュラウド37内の液体窒素を液体窒素貯槽35に回収するためのものである。
≪開閉弁≫
開閉弁49は、回収配管47に設けられたものであり、シュラウド37に液体窒素を供給して冷却する際には開閉弁49は閉じた状態となり(図4参照)、ヘッドタンク39およびシュラウド37内にある液体窒素を回収する際には開閉弁49を開いた状態となる(図3参照)。
≪気体窒素供給部≫
気体窒素供給部51は、ヘッドタンク39に設けられ、ヘッドタンク39内に加圧された気体窒素を供給するものであり、図3および図4に示すように、気体窒素供給配管51aと気体窒素供給弁51bとからなるものを用いることができる。
気体窒素供給部51は、気体窒素供給配管51aに窒素ボンベ(図示なし)などを接続できるものとし、ヘッドタンク39内を加圧する場合には、気体窒素放出弁55を閉じた状態にするとともに気体窒素供給弁51bを開いた状態にし、該窒素ボンベから加圧された気体窒素を気体窒素供給配管51aを通じてヘッドタンク39に供給する。気体窒素供給弁51bは、ヘッドタンク39内が所定の圧力一定となるように開度を制御できるものであることが望ましい。
なお、気体窒素供給部51は、気体窒素供給配管51aが気体窒素放出配管53に接続するものであってもよく、気体窒素放出弁55を閉じた状態でヘッドタンク39に加圧した気体窒素を供給してヘッドタンク39内を加圧することができるものであればよい。
<液体窒素回収方法>
次に、本実施の形態2に係る宇宙環境試験装置31における液体窒素回収方法について、図3および図4に示す宇宙環境試験装置31の動作とともに説明する。
まず、液体窒素循環弁59を開いた状態とし、液体窒素貯槽35から第1供給配管41、ヘッドタンク39および第2供給配管43を介して液体窒素をシュラウド37に所定の供給圧力で供給してシュラウド37を冷却し、試験を行う(図4参照)。
冷却運転時においては、回収配管47に設けられた開閉弁49と気体窒素供給部51の気体窒素供給弁51bを閉じた状態とし、シュラウド37を冷却した後の液体窒素および気体窒素の混合流体は排出配管45からヘッドタンク39に排出される。そして、該排出された液体窒素はヘッドタンク39に溜められるのに対し、排出された気体窒素は気体窒素放出配管53と気体窒素放出弁55を介して大気に放出される。
試験を終えてシュラウド37の冷却運転が終了すると、液面制御弁57を閉じた状態として液体窒素貯槽35からヘッドタンク39への液体窒素の供給を止め、その後、開閉弁49を開、気体窒素放出弁55を閉とする(図3参照)。次いで、気体窒素供給配管51aに気体窒素ボンベを接続し、気体窒素供給弁51bを開とし、気体窒素供給部51から加圧した気体窒素をヘッドタンク39に供給する。
このように、ヘッドタンク39に気体窒素を供給して圧力を掛けることによって、ヘッドタンク39に溜められている液体窒素に逆圧を掛け、第2供給配管43aおよび回収配管47および開閉弁49を通じて第1供給配管41a側に圧送されるとともに、排出配管45を介してヘッドタンク39と連通しているシュラウド37に貯液されている液体窒素に対しても逆圧が掛けられ、第2供給配管43bおよび回収配管47を通じて第1供給配管41a側に圧送される。そして、第1供給配管41aに圧送された液体窒素は、第1供給配管41aを通じて液体窒素貯槽35に回収される。
なお、気体窒素供給部51に供給する気体窒素の供給圧力は、冷却運転時に液体窒素貯槽35から供給する液体窒素の供給圧力よりも高く設定すればよく、液体窒素貯槽35からの液体窒素の供給圧力を0.3MPaGとした場合、気体窒素供給部51に供給する気体窒素の供給圧力は0.4~0.6MPaG程度とすればよい。
以上、本実施の形態2に係る宇宙環境試験装置31および宇宙環境試験装置31の液体窒素回収方法によれば、フリーボイリング式で冷却する宇宙環境試験装置31においても、ポンプなどの追加の設備を用いずに、ヘッドタンク39に加圧された気体窒素を供給することにより、ヘッドタンク39およびシュラウド37の液体窒素を第1供給配管41a側に圧送し、該圧送した液体窒素を液体窒素貯槽35に回収することができる。さらに、シュラウド37を冷却させるために用いた第2供給配管43および第1供給配管41内を圧送させるものであるため、液体窒素を回収する過程での外部からの侵入熱の影響が小さく、気化する液体窒素の量を抑えることができる。
なお、本実施の形態2に係る宇宙環境試験装置31および宇宙環境試験装置31の液体窒素回収方法の他の態様としては、ヘッドタンク39に加圧した気体窒素を供給する気体窒素供給部51の替わりに、ヘッドタンク39内の液体窒素を加熱して気化させる加熱手段(図示なし)を設けたものであってもよい。
この場合においては、ヘッドタンク39にある液体窒素の少なくとも一部を加熱して気化させることにより、ヘッドタンク39を加圧することができ、これにより、ヘッドタンク39およびシュラウド37にある液体窒素に逆圧を掛け、第2供給配管43および回収配管47を通じて第1供給配管41a側に圧送することができる。
なお、加熱手段としては、前述の実施の形態1と同様にヒーターを用いることができ、該ヒーターの出力を調整することによりヘッドタンク39内を所定の圧力に加圧することができる。
また、本実施の形態2に係る宇宙環境試験装置31においては、液体窒素を回収する際に、液体窒素が配管類のどの部分に存在するかを直接把握することは困難である。そのため、第1供給配管41に温度計63を設け、圧送される液体窒素の温度を測定し、該測定した温度が上昇傾向となったら、シュラウド37、ヘッドタンク39および第2供給配管43に液体窒素は存在しないものと推定し、液体窒素の回収を停止することができる。
すなわち、圧送された液体窒素が第1供給配管41内を流れる場合、温度計63により測定される温度は該圧送された液体窒素と同程度の温度となるのに対し、ヘッドタンク39およびシュラウド37の液体窒素が回収されて第1供給配管41内に気体窒素供給部51から供給された気体窒素が流れる場合、温度計63により測定される該気体窒素と同程度の温度となり、回収された液体窒素の温度よりも高くなるためである。
ここで、温度計63は、図3および図4に示すように、ヘッドタンク39につながる第2供給配管43aとシュラウド37につながる第2供給配管43bとが接続する位置よりも液体窒素貯槽35側である第1供給配管41aに設置することが好ましく、回収配管47に設置するものであっても良い。
さらに、本実施の形態2に係る宇宙環境試験装置31においては、第2供給配管43の最下部と第1供給配管41の最下部とを連結するように回収配管47を設置することが望ましい。これにより、ヘッドタンク39内を加圧して液体窒素を圧送する際に、液体窒素が宇宙環境試験装置31における鉛直方向の最下部を経て第1供給配管41側に移送されるため、液体窒素を配管類に残すことなく液体窒素貯槽35に回収することができる。
1 宇宙環境試験装置
3 真空容器
5 液体窒素供給装置
7 シュラウド
9 放液溜め
11 供給配管
13 排出配管
15 回収配管
17 開閉弁
19 気体窒素供給部
19a 気体窒素供給配管
19b 気体窒素供給弁
21 気体窒素放出配管
23 気体窒素放出弁
25 温度計
31 宇宙環境試験装置
33 真空容器
35 液体窒素貯槽
37 シュラウド
39 ヘッドタンク
41、41a、41b 第1供給配管
43、43a、43b 第2供給配管
45 排出配管
47 回収配管
49 開閉弁
51 気体窒素供給部
51a 気体窒素供給配管
51b 気体窒素供給弁
53 気体窒素放出配管
55 気体窒素放出弁
57 液面制御弁
59 液体窒素循環弁
61 弁箱
63 温度計
71 宇宙環境試験装置(従来例)
73 ポンプ
75 回収配管
81 宇宙環境試験装置(従来例)
LN2 液体窒素
GN2 気体窒素

Claims (4)

  1. 真空容器内に設けられ、液体窒素供給装置から液体窒素の供給を受けて冷却されるシュラウドと、前記液体窒素供給装置から供給された液体窒素を一時貯留し、該一時貯留した液体窒素を前記シュラウドに供給するとともに、前記シュラウドから排出された液体窒素を貯留するヘッドタンクとを備え、前記シュラウドをフリーボイリング式で冷却することで、前記真空容器内を宇宙環境の冷暗黒を模擬した状態にして試験を行う宇宙環境試験装置であって、
    前記液体窒素供給装置と前記ヘッドタンクとを接続し、前記液体窒素供給装置から前記ヘッドタンクに液体窒素を供給する第1供給配管と、
    前記ヘッドタンクと前記シュラウドとを接続し、前記ヘッドタンクに一時貯留した液体窒素を前記シュラウドに供給する第2供給配管と、
    前記シュラウドと前記ヘッドタンクとを接続し、前記シュラウドを冷却した液体窒素を前記ヘッドタンクに排出する排出配管と、
    前記第2供給配管と前記第1供給配管とを接続し、前記ヘッドタンクおよび前記シュラウド内の液体窒素を前記液体窒素供給装置に回収する回収配管と、
    該回収配管に設けられた開閉弁と、
    前記ヘッドタンク内の液体窒素を加熱して気化させる加熱手段と、を有し、
    前記開閉弁が開いた状態で、前記加熱手段により前記ヘッドタンク内の液体窒素を加熱して気化させることで前記ヘッドタンク内を加圧し、該ヘッドタンク内および該ヘッドタンクと連通する前記シュラウド内の液体窒素を前記第2供給配管および回収配管を介して前記第1供給配管側に圧送し、該圧送した液体窒素を前記液体窒素供給装置に回収するようにしたことを特徴とする宇宙環境試験装置。
  2. 前記第1供給配管又は前記回収配管に温度計が設置されていることを特徴とする請求項1に記載の宇宙環境試験装置。
  3. 前記回収配管は、前記第2供給配管の最下部と前記第1供給配管の最下部とを連結することを特徴とする請求項1又は2に記載の宇宙環境試験装置。
  4. 真空容器内に設けられ、液体窒素供給装置から液体窒素の供給を受けて冷却されるシュラウドと、前記液体窒素供給装置から第1供給配管を介して供給された液体窒素を一時貯留し、該一時貯留した液体窒素を第2供給配管を介して前記シュラウドに供給するとともに、前記シュラウドから排出された液体窒素を貯留するヘッドタンクとを備え、前記シュラウドをフリーボイリング式で冷却することで、前記真空容器内を宇宙環境の冷暗黒を模擬した状態にして試験を行う宇宙環境試験装置における液体窒素を回収する宇宙環境試験装置の液体窒素回収方法であって、
    前記第2供給配管と前記第1供給配管とを回収配管を介して連結し、前記ヘッドタンクの液体窒素を加熱して気化させることで該ヘッドタンク内を加圧することにより、前記ヘッドタンク内および該ヘッドタンクと連通するシュラウド内にある液体窒素を前記第2供給配管および前記回収配管を介して前記第1供給配管側に圧送し、該圧送した液体窒素を前記液体窒素供給装置に回収することを特徴とする宇宙環境試験装置の液体窒素回収方法。
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