JP7107876B2 - 超音波式ガスメータ - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、都市ガスなどの燃料ガスの使用量を、超音波により計測する超音波式ガスメータに関する。
いわゆる都市ガス(以下、単に「ガス」と称する場合もある。)を住宅等の建物に供給するにあたり、ガスの使用量を計測するガスメータが、建物毎に、主に屋外に露出したガス導入管に接続されて設けられている。ガスメータは長年、ガス漏れのないよう、主にアルミニウム製のダイキャスト部品を多用することにより、重厚な作りで構成されてきた。しかしながら、アルミダイキャスト部品を用いると、その製造の都合上、部品内に無駄な肉厚部が生じることもある。そのため、アルミダイキャスト部品の材料となるアルミ溶湯が余分に必要となり、ガスメータの重量増大化や、コストの上昇を招く一因にもなっている。
そこで、このような問題の解決策の一つとして開発された超音波式ガスメータとして、特許文献1が開示されている。特許文献1は、管内を流通するガスの流量を計測する流路部材を、アルミダイキャスト製で形成しているものの、その流路部材と共に基板部を覆うガスメータの外装部材として、正面ケースと、背面ケースと、端子台カバーとを、合成樹脂で成形したガスメータである。
流路部材は、その加工時の位置決め基準として用いる複数の加工基準穴を、正面側と背面側とに有している。流路部材に対し、正面ケースは、正面側の位置決めボスを、流路部材正面側の加工基準穴に嵌合させることにより、位置決めされていると共に、背面ケースは、背面側の位置決めボスを、流路部材背面側の加工基準穴に嵌合させることにより、位置決めされている。正面ケースは、端子台カバーを取り付けた状態で、背面ケースと共に、流路部材を挟み込んで係止され、外装部材と流路部材とが一体化して固定されている。
特許第6077781号公報
しかしながら、特許文献1では、外装部材は、合成樹脂で成形されているものの、流路部材は、従来の通りのまま、アルミダイキャスト製となっている。他方、流路部材全体のうち、特に、ガスの流路となる管路部のほか、流速センサの取付け部や遮断弁の取付け部等の高精度必須部位は、ガスメータの性能上、その形状をより高い寸法精度で、かつ表面状態もより高い面粗度で形成しておく必要がある。そのため、流路部材をアルミダイキャスト製で形成するとなると、流路部材の鋳造後、流路部材のうち、複雑化した形状で形成されている高精度必須部位に、鋳肌の除去や、所望の形状に仕上げる切削等による追加の機械加工を、必然的に施さなければならない。
特許文献1は、このような追加の機械加工時に必要な加工基準となる穴を用いて、流路部材と外装部材とを一体的に固定させたガスメータで、特許文献1より以前で、アルミダイキャスト部品を多用したそれまでのガスメータに比べ、コストの低減化を図ったガスメータとなっている。しかしながら、特許文献1では、流路部材を、元々、コスト高となるアルミダイキャスト製で形成している上に、追加の機械加工を伴っているため、係るコストの低減化の効果は限定的で十分ではない。特に、近年のガス市場に鑑み、特許文献1よりもさらに低コスト化を図ったガスメータの開発が希求されている。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、製造工程を簡素化できる構成にすることで、製造コストを、より安価に抑えた超音波式ガスメータを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る超音波式ガスメータは、以下の構成を有する。
(1)筒状の計測ユニットに設けた超音波センサにより、ガス流入口からガス流出口に向けて該計測ユニットを流通する燃料ガスの流量を計測する超音波式ガスメータにおいて、上面部と下面部との間を4つの側面部で包囲し、内部に収容空間を有した六面体であり、底側となる位置で前記収容空間と連通した開口を、樹脂製の蓋部材で閉塞することにより前記下面部をなし、前記下面部と対向して頂部をなす前記上面部に、前記ガス流入口及び前記ガス流出口として、円筒状の突起部を2つ設けて成型された樹脂製の筐体と、前記ガス流入口に流入した燃料ガスを前記計測ユニットに供給するための流入側流路と、前記計測ユニットの軸方向の一端側と気密に連結可能な一端側連結部と、前記上面部または前記ガス流入口に設けた第1上面側位置決部と係留可能な第1鉛直側規制部とを含み、樹脂でブロック状に成型されたガス流入側ユニットと、前記計測ユニットを通過した燃料ガスを、前記ガス流出口まで流通させる流出側流路と、前記計測ユニットの前記軸方向の他端側と気密に連結可能な他端側連結部と、前記第1鉛直側規制部とは別に、前記上面部または前記ガス流出口に設けた第2上面側位置決部と係留可能な第2鉛直側規制部とを含み、樹脂でブロック状に成型されたガス流出側ユニットと、を備え、前記ガス流入側ユニットと前記計測ユニットと前記ガス流出側ユニットとを一体に組付けた計測要素部は、前記ガス流入側ユニットの前記流入側流路と前記ガス流出側ユニットの前記流出側流路をそれぞれ、前記筐体の前記突起部に接続させ、前記筐体との嵌合により、前記収容空間内での鉛直方向のガタを規制し、かつ前記収容空間内での水平方向のガタを規制した状態で、前記収容空間に収容されていること、を特徴とする。
(2)(1)に記載する超音波式ガスメータにおいて、前記ガス流入口及び前記ガス流出口には、それぞれ金属製の管継手が取付けられていること、を特徴とする。
(3)(1)または(2)に記載する超音波式ガスメータにおいて、前記ガス流入側ユニットは、前記筐体の前記側面部の内面に設けた第1側面側位置決部と係留可能な第1水平側規制部を有し、前記ガス流出側ユニットは、前記筐体の前記側面部の内面に設けた第2側面側位置決部と係留可能な第2水平側規制部を有し、前記第1水平側規制部と前記第1側面側位置決部との係留、または前記第2水平側規制部と前記第2側面側位置決部との係留を、少なくとも一方で行うことにより、前記計測要素部に対する前記水平方向のガタが規制されていること、を特徴とする。
(4)(1)乃至(3)のいずれか1つに記載する超音波式ガスメータにおいて、前記ガス流入側ユニットの前記第1鉛直側規制部と前記筐体の前記第1上面側位置決部との係留、または前記ガス流出側ユニットの前記第2鉛直側規制部と前記筐体の前記第2上面側位置決部との係留を、少なくとも一方で行うと共に、前記開口を液密に閉塞した前記蓋部材との挟み込みにより、前記計測要素部に対する前記鉛直方向のガタが規制されていること、を特徴とする。
(5)(1)乃至(3)のいずれか1つに記載する超音波式ガスメータにおいて、前記超音波センサと電気的に接続する制御基板と、計測した燃料ガスの流量を表示する表示部とが、前記筐体にある4つの前記側面部のうち、一の前記側面部の外側に設けられ、前記制御基板と前記表示部とを、外部と液密に包囲するカバー部材を備えていること、前記カバー部材は、前記表示部を外部から視認可能で、かつ前記一の側面部と着脱可能に装着されていること、を特徴とする。
上記構成を有する本発明に係る超音波式ガスメータの作用・効果について説明する。
(1)筒状の計測ユニットに設けた超音波センサにより、ガス流入口からガス流出口に向けて該計測ユニットを流通する燃料ガスの流量を計測する超音波式ガスメータにおいて、上面部と下面部との間を4つの側面部で包囲し、内部に収容空間を有した六面体であり、底側となる位置で収容空間と連通した開口を、樹脂製の蓋部材で閉塞することにより下面部をなし、下面部と対向して頂部をなす上面部に、ガス流入口及びガス流出口として、円筒状の突起部を2つ設けて成型された樹脂製の筐体と、ガス流入口に流入した燃料ガスを計測ユニットに供給するための流入側流路と、計測ユニットの軸方向の一端側と気密に連結可能な一端側連結部と、上面部またはガス流入口に設けた第1上面側位置決部と係留可能な第1鉛直側規制部とを含み、樹脂でブロック状に成型されたガス流入側ユニットと、計測ユニットを通過した燃料ガスを、ガス流出口まで流通させる流出側流路と、計測ユニットの軸方向の他端側と気密に連結可能な他端側連結部と、第1鉛直側規制部とは別に、上面部またはガス流出口に設けた第2上面側位置決部と係留可能な第2鉛直側規制部とを含み、樹脂でブロック状に成型されたガス流出側ユニットと、を備え、ガス流入側ユニットと計測ユニットとガス流出側ユニットとを一体に組付けた計測要素部は、ガス流入側ユニットの流入側流路とガス流出側ユニットの流出側流路をそれぞれ、筐体の突起部に接続させ、筐体との嵌合により、収容空間内での鉛直方向のガタを規制し、かつ収容空間内での水平方向のガタを規制した状態で、収容空間に収容されていること、を特徴とする。
この特徴により、樹脂で成形されていることから、流入側流路及び流出側流路等に対し、形状の寸法精度、かつ表面状態の面粗度が、超音波式ガスメータの性能上、求められる必要十分な条件を満たす高い精度で、流入側流路及び流出側流路等は、形成できている。また、本発明に係る超音波式ガスメータは、流入側流路及び流出側流路等を樹脂で成形することにより、流路部材を、元々、コスト高となるアルミダイキャスト製で形成した上で、追加の機械加工を伴って製造されてきた従来の超音波式ガスメータに比べ、一連の製造工程を簡素化できており、コストの低減化が顕著に実現できている。ひいては、特に、近年のガス市場に鑑み、本発明に係る超音波式ガスメータは、ガス市場から希求されている低コスト化を実現できる超音波式ガスメータとなり得る。
従って、本発明に係る超音波式ガスメータによれば、製造工程を簡素化できる構成にすることで、製造コストがより安価に抑制された超音波式ガスメータを提供することができる、という優れた効果を奏する。
(2)に記載する超音波式ガスメータにおいて、ガス流入口及びガス流出口には、それぞれ金属製の管継手が取付けられていること、を特徴とする。
この特徴により、本発明に係る超音波式ガスメータを、新設されたガス導入管に取付ける場合や、既設のガス導入管に取付けられていた従来のガスメータに代えて、この既設のガス導入管に、本発明に係る超音波式ガスメータを取付ける場合でも、この超音波式ガスメータ専用の配管部品や専用の工具を必要とせず、本発明に係る超音波式ガスメータをガス導入管に取付けることができる。
(3)に記載する超音波式ガスメータにおいて、ガス流入側ユニットは、筐体の側面部の内面に設けた第1側面側位置決部と係留可能な第1水平側規制部を有し、ガス流出側ユニットは、筐体の側面部の内面に設けた第2側面側位置決部と係留可能な第2水平側規制部を有し、第1水平側規制部と第1側面側位置決部との係留、または第2水平側規制部と第2側面側位置決部との係留を、少なくとも一方で行うことにより、計測要素部に対する水平方向のガタが規制されていること、を特徴とする。
(4)に記載する超音波式ガスメータにおいて、ガス流入側ユニットの第1鉛直側規制部と筐体の第1上面側位置決部との係留、またはガス流出側ユニットの第2鉛直側規制部と筐体の第2上面側位置決部との係留を、少なくとも一方で行うと共に、開口を液密に閉塞した蓋部材との挟み込みにより、計測要素部に対する鉛直方向のガタが規制されていること、を特徴とする。
このような特徴により、万が一、本発明に係る超音波式ガスメータの筐体に、外部から衝撃が加わった場合でも、計測要素部が、収容空間内で筐体と相対的に動いてしまうことがないので、計測要素部に及ぶ損傷などの悪影響を抑えることができる。
(5)に記載する超音波式ガスメータにおいて、超音波センサと電気的に接続する制御基板と、計測した燃料ガスの流量を表示する表示部とが、筐体にある4つの側面部のうち、一の側面部の外側に設けられ、制御基板と表示部とを、外部と液密に包囲するカバー部材を備えていること、カバー部材は、表示部を外部から視認可能で、かつ一の側面部と着脱可能に装着されていること、を特徴とする。
この特徴により、万が一、不具合により、制御基板や表示部の交換が必要な事態や、破損により、カバー部材の交換が必要な事態が生じ、筐体内の計測要素部を、そのまま使用を続けて、制御基板やカバー部材だけを交換することだけで足りる場合に、本発明に係る超音波式ガスメータのメンテナンス費用が、新品に交換する場合に比べて抑制できる。
実施形態に係るガスメータを模式的に示す斜視図である。 図1に示すガスメータの筐体の本体部分を模式的に示す斜視図である。 図2に示す筐体の本体部分のA-A矢視断面図である。 図1に示すガスメータのうち、計測要素部を構成する各ユニットの分解斜視図である。 計測要素部の計測ユニットを模式的に示す斜視図である。 組み付け後の計測要素部を示す正面図である。 図6中、B-B矢視に相当する断面図で示した組み付け作業の第1工程図である。 図6中、C-C矢視に相当する断面図で示した組み付け作業の第2工程図である。 図1に示すガスメータの組み付け作業の第3~第6工程図である。 計測要素部を紙面表側から裏側に見たときの断面図であり、計測要素部内のガス流路を模式的に示す説明図である。 計測要素部等を紙面表側から裏側に見たときの断面図で、図1に示すガスメータの組み付け作業の第6工程後の状態を示す説明図である。 図1に示すガスメータの組み付け作業の第7工程図である。
以下、本発明に係る超音波式ガスメータについて、実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。本実施形態に係るガスメータ(超音波式ガスメータ)は、住宅などの建物毎に供給される都市ガス等の燃料ガスの使用量を計測する装置である。このガスメータは、地下に埋設されたガス管を通じて各建物に供給される管のうち、主に建物の外に露出したガス導入管に配管して設けられる場合や、燃料ガスを貯留したボンベと接続するガス導入管に配管して設けられる。
図1は、実施形態に係るガスメータを模式的に示す斜視図である。図2は、図1に示すガスメータの筐体の本体部分を模式的に示す斜視図であり、図2に示す筐体の本体部分のA-A矢視断面図を、図3に示す。図4は、図1に示すガスメータのうち、計測要素部を構成する各ユニットの分解斜視図である。図5は、計測要素部の計測ユニットを模式的に示す斜視図である。図12は、ガスメータの組み付け作業の第7工程図である。
なお、本実施形態では、図1中、左右方向を、「X方向」とし、左上‐右上方向を、「Y方向」とし、X方向とY方向との合成により得られる仮想面に沿う方向が、本発明の超音波式ガスメータの水平方向である。また、図1中、上下方向を、「Z方向」とし、この仮想面と直交したZ方向が、本発明の超音波式ガスメータの鉛直方向であり、図2以降の各図面も、図1で定義した方向に準じる。また、各図とも、図を見易くするため、電気ケーブルやコネクタ等の図示は省略している。
はじめに、ガスメータ1の概要について、説明する。図1~図5、及び図12に示すように、ガスメータ1は、ガス流入側ユニット40とガス流出側ユニット60と計測ユニット80とからなる計測要素部2と、筐体10と、カバー部材30と、2つの超音波センサ81と、制御基板91と、表示部92と、遮断弁93と、圧力センサ94、電源(図示省略)等を有している。計測要素部2は、筐体10に収容されている。ガスメータ1は、筒状の計測ユニット80に設けた超音波センサ81により、ガス流入口3からガス流出口4に向けて計測ユニット80を流通する燃料ガスの流量を計測する。
計測ユニット80は、図5に示すように、軸方向MNに沿って、内部に形成されたガス流路82の上方に2つの超音波センサ81と、ガス流路82内に整流板83を具備し、周知技術で構成されたユニットである。計測ユニット80は、軸方向MNの一端側Mに、ガス流入側ユニット40に連結させる流入側端部84と、その他端側Nに、ガス流出側ユニット60に連結させる流出側端部85を有している。流入側端部84と流出側端部85は、これらの中間筒部に対し、フランジ状に形成されている。
制御基板91は、2つの超音波センサ81と電気的に接続するほか、表示部92、遮断弁93、圧力センサ94、及び電源等とも電気的に接続され、これら超音波センサ81等の電装部品を制御する。表示部92は、計測した燃料ガスの流量等を表示する画面であり、制御基板91と一体で設けられている。
次に、筐体10について、説明する。図2及び図3に示すように、筐体10は、筐体本体11と蓋部材12とからなる。筐体10は、屋外に晒されることもあるため、樹脂の中でも、特に耐候性と耐衝撃性に優れた合成樹脂で、例えば、射出成形法等により、成形されている。具体的には、筐体10は、本実施形態では、一例として、ASA樹脂(acrylate styrene acrylonitrile)など、屋外での使用環境に適すとされる性状の合成樹脂からなる。
筐体10は、図1~図3に示すように、上面部14と下面部15との間を4つの側面部13(13A,13B,13C,13D)で包囲し、内部に収容空間10Sを有した六面体である。筐体本体11は、上面部14と4つの側面部13からなり、底側となる位置で収容空間10Sと連通する開口16を有している。蓋部材12は、筐体本体11の開口16を閉塞する平板状の蓋であり、下面部15をなす。
4つの側面部13のうち、ガスメータ1の正面側となる側面部13Aには、3つの貫通孔(第1貫通孔25、第2貫通孔26、第3貫通孔27)が形成されている。第1貫通孔25は、遮断弁93をガス流入側ユニット40に取付けるための挿入孔である。第2貫通孔26は、超音波センサ81、遮断弁93、及び圧力センサ94等の電装部品のケーブルやコネクタを、制御基板91と電気的に接続するための挿通孔である。第3貫通孔27は、圧力センサ94をガス流出側ユニット60に取付けるための挿入孔である。
また、側面部13A(一の側面部)の外側には、カバー部材30が取り付けられている。カバー部材30は、樹脂の中でも、特に耐候性と耐衝撃性に優れた合成樹脂で成形されている。カバー部材30は、筐体10の側面部13Aと着脱可能に装着され、制御基板91と表示部92と電源を、側面部13Aとの間に配置して、外部と液密に包囲する。カバー部材30は、外部から表示部92を視認できるよう、一部を開口した表示部用開口31を有している。
また、本実施形態では、筐体10にある4つの側面部13うち、1組の隣り合う側面部13,13同士として、本実施形態で例示する側面部13Cと側面部13Dの各内面(内面13c、内面13d)にはそれぞれ、第1側面側位置決部21が設けられている。第1側面側位置決部21は、本実施形態では、側面部13Cの内面13cの一部と、側面部13Dの内面13dの一部とをそれぞれ、貫通せずに数mm程だけ凹設した部分である。なお、本実施形態では、第1側面側位置決部21を、側面部13Cの内面13cと側面部13Dの内面13dの両方に設けたガスメータ1となっているが、勿論、第1側面側位置決部21は、4つの側面部13のうち、1つの側面部13の内面に設けられているだけでも良い。
また、本実施形態では、4つの側面部13のうち、例示した先の組とは別の1組の隣り合う側面部13,13同士として、本実施形態で例示する側面部13Bと側面部13Cの各内面(内面13b、内面13c)にはそれぞれ、第2側面側位置決部22が設けられている。第2側面側位置決部22は、本実施形態では、側面部13Bの内面13bの一部と、側面部13Cの内面13cの一部とをそれぞれ、貫通せずに数mm程だけ凹設した部分である。側面部13Cの内面13cでは、第1側面側位置決部21は、側面部13D寄りに、第2側面側位置決部22は、側面部13B寄りで、第1側面側位置決部21と第2側面側位置決部22とは、互いに異なる位置に設けられている。なお、本実施形態では、第2側面側位置決部22を、側面部13Bの内面13bと側面部13Cの内面13cの両方に設けたガスメータ1となっているが、勿論、第2側面側位置決部22は、4つの側面部13のうち、1つの側面部13の内面に設けられているだけでも良い。
筐体10は、下面部15と対向して頂部をなす上面部14に、円筒状の突起部17を2つ設けている。前述した既設のガス導入管に、ユニオンを用いてガスメータ1を接続するにあたり、図3に示すように、金属製の管継手18が、突起部17に設けられている。すなわち、ガス流入口3及びガス流出口4には、双方とも管継手18が取付けられている。管継手18と筐体本体11とは、例えば、インサート成形法により、一体的に成形して固着されている。あるいは、管継手18と筐体本体11とは、突起部17の外周部位から径方向内側に向けて取り付けたセットネジで、双方の相対的な回り止めを施す等の手法によって、一体的に固着されている。
後述するが、ガス流入口3側の管継手18の内壁は、第1上面側位置決部23となっている。また、ガス流出口4側の管継手18の内壁は、第2上面側位置決部24となっている。
次に、ガス流入側ユニット40について、説明する。ガス流入側ユニット40は、図4に示すように、本実施形態では、流入側本体41と流入側支持体48とからなり、何れも、樹脂の中でも、特に吸水性が低く、かつ高い耐衝撃性を備えた樹脂製で、例えば、射出成形法等により、ブロック状に成型されている。具体的には、流入側本体41と流入側支持体48はそれぞれ、本実施形態では、一例とするポリエチレンにより一体で成形されている。
なお、流入側支持体48は、射出成形法等により、一体的に成形されるのが好ましいが、製造工程の都合上で、一体で成形することが困難な場合には、例えば、2分割または3分割等、なるべく分割数を最小限にして成形し、分割された部材同士を、溶着や融着、接着、ネジ締結等による固着手段により、一体的に形成しても良い。
流入側本体41は、Z方向に延びる直方体状の柱部に対し、その下端部とT字状に交差してY方向に延びる上側把持部47と、その上端部とL字状に交差してY方向に延びる膨出部50と、この上端部から上方に延びる円筒状の流入側流路筒部46とを有している。流入側本体41では、上側把持部47と膨出部50が、Y方向に対し、筐体10の収容空間10Sの奥行とほぼ同じ奥行になっている。また、流入側支持体48も、Y方向に対し、筐体10の収容空間10Sの奥行とほぼ同じ奥行になっている。流入側流路筒部46の外周面は、Z方向上側に向けて窄むテーパ状に形成された第1鉛直側規制部45となっている。第1鉛直側規制部45は、挿入先となるガス流入口3側の管継手18の内壁、すなわち第1上面側位置決部23との嵌合により、係留可能となる径で形成されている。
図10は、計測要素部を紙面表側から裏側に見たときの断面図であり、計測要素部内のガス流路を模式的に示す説明図である。図10に示すように、ガス流入側ユニット40には、燃料ガスの流入側流路42が形成されており、計測要素部2では、流入側流路42は、計測ユニット80のガス流路82と、後述するガス流出側ユニット60の流出側流路62と連通している。
流入側流路42は、ガス流入口3に流入した燃料ガスを計測ユニット80のガス流路82に供給するための流路である。すなわち、流入側流路42は、流入側本体41のうち、流入側流路筒部46、柱部、及び上側把持部47の内部と、下側把持部49の一部分によって形成されており、Z方向に延びている。膨出部50には、遮断弁取付部51が設けられている。遮断弁取付部51は、流入側流路42と直交して連通する孔で、遮断弁93がこの遮断弁取付部51に装着される。遮断弁93は、流入側流路42を流通する燃料ガスの流れを、遮断またはそれを解除する燃料ガスの流通制御弁である。
ガス流入側ユニット40は、計測ユニット80の流入側端部84と気密に連結可能な一端側連結部43を有している。一端側連結部43は、流入側本体41の上側把持部47と流入側支持体48の下側把持部49とにより、この流入側端部84と係合可能な溝をなし、シール部材86により、流入側流路42等からの燃料ガスの漏洩が防止されている。
図4に示すように、流入側本体41は、筐体10の側面部13の内面に設けた第1側面側位置決部21と係留可能な第1水平側規制部44を、本実施形態では、2つ有している。第1水平側規制部44は、一例として、側面部13の内面から外側に半球状に突出した部位等である。一の第1水平側規制部44は、側面部13Cの内面13cにある第1側面側位置決部21と係合可能であり、他の第1水平側規制部44は、側面部13Dの内面13dにある第1側面側位置決部21と係合可能である。なお、前述したように、本実施形態では、第1側面側位置決部21を、側面部13Cの内面13cと側面部13Dの内面13dの両方に設けたガスメータ1となっているが、第1側面側位置決部21を、4つの側面部13のうち、1つの側面部13の内面にだけ設ける場合には、第1側面側位置決部21を設けた位置に対応して、第1水平側規制部44も1つだけ設けてあれば良い。
次に、ガス流出側ユニット60について、説明する。ガス流出側ユニット60は、図4に示すように、本実施形態では、流出側本体61と流出側支持体68とからなり、何れも、樹脂の中でも、特に吸水性が低く、かつ高い耐衝撃性を備えた合成樹脂製で、例えば、射出成形法等により、ブロック状に成型されている。具体的には、流出側本体61と流出側支持体68はそれぞれ、本実施形態では、一例とするポリエチレンにより一体で成形されている。
流出側本体61は、Z方向に延びる円筒状の流出側流路筒部66と、流出側流路筒部66の下端部とT字状に交差してY方向に延びる上側把持部67とを有している。流出側本体61の上側把持部67と流出側支持体68とは、Y方向に対し、筐体10の収容空間10Sの奥行とほぼ同じ奥行になっている。流出側流路筒部66の外周面は、Z方向上側に向けて窄むテーパ状に形成された第2鉛直側規制部65となっている。第2鉛直側規制部65は、第1鉛直側規制部45とは別の位置にあり、挿入先となるガス流出口4側の管継手18の内壁、すなわち第2上面側位置決部24との嵌合により、係留可能となる径で形成されている。
図4に示すように、流出側本体61は、筐体10の側面部13の内面に設けた第2側面側位置決部22と係留可能な第2水平側規制部64を、本実施形態では、2つ、第1水平側規制部44と別の位置に有している。第2水平側規制部64は、一例として、側面部13の内面から外側に半球状に突出した部位等である。一の第2水平側規制部64は、側面部13Bの内面13bにある第2側面側位置決部22と係合可能であり、他の第2水平側規制部64は、側面部13Cの内面13cにある第2側面側位置決部22と係合可能である。なお、前述したように、本実施形態では、第2側面側位置決部22を、側面部13Bの内面13bと側面部13Cの内面13cの両方に設けたガスメータ1となっているが、第2側面側位置決部22を、4つの側面部13のうち、1つの側面部13の内面にだけ設ける場合には、第2側面側位置決部22を設けた位置に対応して、第2水平側規制部64も1つだけ設けてあれば良い。
ガス流出側ユニット60は、計測ユニット80のガス流路82を通過した燃料ガスを、ガス流出口4まで流通させる流出側流路62を有している。また、ガス流出側ユニット60は、計測ユニット80の流出側端部85と気密に連結可能な他端側連結部63を有している。他端側連結部63は、流出側本体61の上側把持部67と流出側支持体68の下側把持部69とにより、この流出側端部85と係合可能な溝をなし、シール部材86により、流出側流路62等からの燃料ガスの漏洩が防止されている。
上側把持部67には、圧力センサ取付部71が設けられている。圧力センサ取付部71は、流出側流路62と直交して連通する孔で、圧力センサ94がこの圧力センサ取付部71に装着される。圧力センサ94は、流出側流路62等を流れる燃料ガスの圧力を計測する。
次に、ガスメータ1の組み付けについて、説明する。図6は、組み付け後の計測要素部を示す正面図である。図7は、図6中、B-B矢視に相当する断面図で示した組み付け作業の第1工程図である。図8は、図6中、C-C矢視に相当する断面図で示した組み付け作業の第2工程図である。図9は、図1に示すガスメータの組み付け作業の第3~第6工程図である。図11は、計測要素部等を紙面表側から裏側に見たときの断面図で、図1に示すガスメータの組み付け作業の第6工程後の状態を示す説明図である。
ガスメータ1の組み付けは、第1工程~第7工程からなる。はじめに、第1工程では、図7に示すように、遮断弁93を、ガス流入側ユニット40の膨出部50の遮断弁取付部51に挿入して取り付けておく。遮断弁93は、例えば、溶着や融着、接着剤、シール部材等により、遮断弁取付部51との間を気密に保持した状態で、遮断弁取付部51に固着して装着される。
次いで、第2工程において、図8に示すように、圧力センサ94を、ガス流出側ユニット60の流出側本体61の圧力センサ取付部71に挿入して取り付けておく。圧力センサ94は、例えば、溶着や融着、接着剤、シール部材等により、圧力センサ取付部71との間を気密に保持した状態で、圧力センサ取付部71に固着して装着される。
次いで、第3工程~第6工程を行う。第3工程~第6工程は、図6及び図9に示すように、順に組付けてなる計測要素部2を、筐体10の筐体本体11の開口16から収容空間10Sに収容して、この収容空間10Sを閉塞するにあたり、実施される工程である。計測要素部2は、X方向に対し、筐体10の収容空間10Sの幅とほぼ同じである。
具体的には、第3工程において、筐体本体11の側面部13Aの第2貫通孔26を通じて、まず遮断弁93のケーブルとその先にあるコネクタを、側面部13Aの外側に出しておく。その後、収容された筐体本体11の流入側流路筒部46をガス流入口3側の管継手18の管内に挿入し、この流入側流路筒部46を上方に向けて押込むことにより、流入側流路筒部46の第1鉛直側規制部45を、管継手18の第1上面側位置決部23と嵌合させる。嵌合した状態では、流入側本体41が、筐体本体11の上面部14の内面14aと接触直前の程度まで近接する。なお、第1鉛直側規制部45と第1上面側位置決部23との嵌合部では、例えば、嵌合部へのコーキング処理や、気密に保持できるシール処理等により、燃料ガスの漏洩を防止するガス漏れ対策を施しておく。
他方、筐体本体11にある2つの第1水平側規制部44,44を、側面部13Cの第1側面側位置決部21と側面部13Dの第1側面側位置決部21に係合させる。これにより、流入側本体41は、水平方向XY、及び鉛直方向Zに対し、筐体本体11の収容空間10S内で位置決めされた状態になる。
次いで、第4工程において、筐体本体11の側面部13Aの第2貫通孔26を通じて、まず圧力センサ94のケーブルとその先にあるコネクタを、側面部13Aの外側に出しておく。その後、流入側本体41と同様、ガス流出側ユニット60の流出側本体61を、筐体本体11の開口16から収容空間10Sに挿入して収容する。収容された流出側本体61の流出側流路筒部66をガス流出口4側の管継手18の管内に挿入し、この流出側流路筒部66を上方に向けて押込むことにより、流出側流路筒部66の第2鉛直側規制部65を、管継手18の第2上面側位置決部24と嵌合させる。そして、第2鉛直側規制部65と第2上面側位置決部24との嵌合部でも、前述したガス漏れ対策を施しておく。
他方、流出側本体61の上側把持部67にある2つの第2水平側規制部64,64を、側面部13Bの第2側面側位置決部22と側面部13Cの第2側面側位置決部22に係合させる。これにより、流出側本体61は、水平方向XY、及び鉛直方向Zに対し、筐体本体11の収容空間10S内で位置決めされた状態になる。
次に、第5工程では、計測ユニット80を、ガス流入側ユニット40とガス流出側ユニット60に連結させる。シール部材86を装着した状態の計測ユニット80を、筐体本体11の開口16から収容空間10Sに挿入する。次いで、計測ユニット80に対し、流入側端部84を、ガス流入側ユニット40の一端側連結部43に、流出側端部85を、ガス流出側ユニット60の他端側連結部63に嵌め込む。
具体的には、まず筐体本体11の側面部13Aの第2貫通孔26を通じて、計測ユニット80に付いている超音波センサ81のケーブルとその先にあるコネクタを、側面部13Aの外側に出しておく。その後、流入側本体41側の一端側連結部43に流入側端部84を嵌め込むと同時に、流出側本体61側の他端側連結部63に流出側端部85を嵌め込んだ状態で、筐体本体11の開口16から収容空間10Sに、流入側支持体48と流出側支持体68とを挿入する。
次に、流入側本体41側の一端側連結部43に嵌め込められた状態の流入側端部84に、流入側支持体48側の一端側連結部43を嵌め込む。これと同時に、流出側本体61側の他端側連結部63に嵌め込められた状態の流出側端部85に、流出側支持体68側の他端側連結部63を嵌め込む。これにより、筐体本体11の収容空間10Sでは、図6に示すように、計測要素部2が組み付けられ、図10に示すように、ガス流入側ユニット40の流入側流路42と、計測ユニット80のガス流路82と、ガス流出側ユニット60の流出側流路62とが、連通する。
次いで、第6工程を実施する。第6工程では、必要に応じて、計測要素部2との間にパッキン等の弾性部材を介在させることにより、図11に示すように、蓋部材12で筐体本体11の開口16(図9参照)を液密に閉塞する。蓋部材12と筐体本体11とは、例えば、溶着、融着、接着剤等で固着され、計測要素部2は、筐体10に収容された状態になる。
すなわち、ガス流入側ユニット40と計測ユニット80とガス流出側ユニット60とを一体に組付けた計測要素部2では、ガス流入側ユニット40の流入側流路42とガス流出側ユニット60の流出側流路62がそれぞれ、筐体10の突起部17,17に接続している。また、筐体10に対し、ガス流入側ユニット40の第1鉛直側規制部45が、第1上面側位置決部23に係留され、かつガス流出側ユニット60の第2鉛直側規制部65が、第2上面側位置決部24に係留されている。筐体本体11と、筐体本体11の開口16を液密に閉塞した蓋部材12との挟み込みにより、収容空間10S内での鉛直方向Zのガタが規制されている。
加えて、筐体10に対し、ガス流入側ユニット40の第1水平側規制部44が、第1側面側位置決部21に係合されていると共に、ガス流出側ユニット60の第2水平側規制部64が、第2側面側位置決部22に係合されている。これにより、収容空間10S内での水平方向XYのガタが規制されている。かくして、計測要素部2は、図11に示すように、筐体10の収容空間10Sに収容されて固定されている。
次いで、第7工程を実施する。第7工程では、図12に示すように、筐体10の側面部13Aの外側に、制御基板91と表示部92と電源を、側面部13Aとの間に配置する。そして、遮断弁93や圧力センサ94、超音波センサ81等のケーブルとその先にあるコネクタは、第2貫通孔26を挿通して側面部13Aの外側に出ているため、まずそのコネクタ等を、制御基板91の所定部位に接続し、カバー部材30の表示部用開口31内に表示部92を位置合わせしておく。
次に、カバー部材30を側面部13Aに取付け、パッキン32(図1参照)によりカバー部材30と側面部13Aとの間を液密とした状態に、ネジ締結等による固定手段により、カバー部材30をこの側面部13Aに固着して装着する。かくして、ガスメータ1の組み付けが完了する。
次に、本実施形態に係るガスメータ1の作用・効果について説明する。本実施形態に係るガスメータ1は、筒状の計測ユニット80に設けた超音波センサ81により、ガス流入口3からガス流出口4に向けて該計測ユニット80のガス流路82を流通する燃料ガスの流量を計測する超音波式ガスメータである。ガスメータ1は、上面部14と下面部15との間を4つの側面部13で包囲し、内部に収容空間10Sを有した六面体であり、底側となる位置で収容空間10Sと連通した開口16を、樹脂製の蓋部材12で閉塞することにより下面部15をなし、下面部15と対向して頂部をなす上面部14に、ガス流入口3及びガス流出口4として、円筒状の突起部17を2つ設けて成型された樹脂製の筐体10と、ガス流入口3に流入した燃料ガスを計測ユニット80に供給するための流入側流路42と、計測ユニット80の軸方向MNの一端側Mと気密に連結可能な一端側連結部43と、ガス流入口3に設けた第1上面側位置決部23と係留可能な第1鉛直側規制部45とを含み、樹脂でブロック状に成型されたガス流入側ユニット40と、計測ユニット80のガス流路82を通過した燃料ガスを、ガス流出口4まで流通させる流出側流路62と、計測ユニット80の軸方向MNの他端側Nと気密に連結可能な他端側連結部63と、第1鉛直側規制部45とは別に、ガス流出口4に設けた第2上面側位置決部24と係留可能な第2鉛直側規制部65とを含み、樹脂でブロック状に成型されたガス流出側ユニット60と、を備え、ガス流入側ユニット40と計測ユニット80とガス流出側ユニット60とを一体に組付けた計測要素部2は、ガス流入側ユニット40の流入側流路42とガス流出側ユニット60の流出側流路62をそれぞれ、筐体10の突起部17,17に接続させ、筐体本体11との嵌合により、収容空間10S内での鉛直方向Zのガタを規制し、かつ収容空間10S内での水平方向XYのガタを規制した状態で、筐体10の収容空間10Sに収容されていること、を特徴とする。
この特徴により、樹脂で成形していることから、流入側流路42及び流出側流路62等に対し、形状の寸法精度、かつ表面状態の面粗度が、ガスメータ1の性能上、求められる必要十分な条件を満たす高い精度で、流入側流路42及び流出側流路62等は、形成できている。また、ガスメータ1は、流入側流路42及び流出側流路62等を樹脂で成形することにより、流路部材を、元々、コスト高となるアルミダイキャスト製で形成した上で、追加の機械加工を伴って製造されてきた従来の超音波式ガスメータに比べ、一連の製造工程を簡素化できており、コストの低減化がより顕著に実現できている。ひいては、特に、近年のガス市場に鑑み、ガスメータ1は、ガス市場から希求されている低コスト化を実現できる超音波式ガスメータとなり得る。
すなわち、従来の超音波式ガスメータは、流路部材を、元々、コスト高となるアルミダイキャスト製で形成している上に、追加の機械加工を伴っているため、高コストとなっている。流路部材をアルミダイキャスト製にすると、鋳造工程の都合上、部品内に無駄な肉厚部が必然的に生じることもあり、無用なコストが発生している。また、肉厚部ばかりか、流路部材の鋳造後、流路部材のうち、複雑化した形状で形成されている高精度必須部位に、鋳肌の除去や、所望の形状に仕上げる切削等による追加の機械加工を、必然的に施さなければならない。そのため、従来の超音波式ガスメータは、コスト高となっていた。
従って、本実施形態に係るガスメータ1によれば、製造工程を簡素化できる構成にすることで、製造コストがより安価に抑制された超音波式ガスメータを提供することができる、という優れた効果を奏する。
また、本実施形態に係るガスメータ1では、ガス流入口3及びガス流出口4には、それぞれ金属製の管継手18,18が取付けられていること、を特徴とする。
この特徴により、新設されたガス導入管にガスメータ1を取付ける場合や、既設のガス導入管に取付けられていた従来のガスメータに代えて、この既設のガス導入管にガスメータ1を取付ける場合でも、専用の配管部品や専用の工具を必要とせず、ガスメータ1をガス導入管に取付けることができる。また、ガスメータ1をガス導入管に取付ける作業要領は、従来のガスメータと同様であるため、工事作業者は、ガスメータ1のガス導入管への配管作業を、違和感なく実施することができる。
また、本実施形態に係るガスメータ1では、ガス流入側ユニット40は、筐体10の側面部13の内面に設けた第1側面側位置決部21と係留可能な第1水平側規制部44を有し、ガス流出側ユニット60は、筐体10の側面部13の内面に設けた第2側面側位置決部22と係留可能な第2水平側規制部64を有し、第1水平側規制部44を第1側面側位置決部21に係留させると共に、第2水平側規制部64を第2側面側位置決部22に係留させることにより、計測要素部2に対する水平方向XYのガタが規制されていること、を特徴とする。また、ガス流入側ユニット40の第1鉛直側規制部45を筐体10の第1上面側位置決部23に、ガス流出側ユニット60の第2鉛直側規制部65を筐体10の第2上面側位置決部24に、それぞれ係留させると共に、開口16を液密に閉塞した蓋部材12との挟み込みにより、計測要素部2に対する鉛直方向Zのガタが規制されていること、を特徴とする。
このような特徴により、万が一、ガスメータ1の筐体10に、外部から衝撃が加わった場合でも、計測要素部2が、収容空間10S内で筐体10と相対的に動いてしまうことがないので、計測要素部2に及ぶ損傷などの悪影響を抑えることができる。
また、本実施形態に係るガスメータ1では、超音波センサ81と電気的に接続する制御基板91と、計測した燃料ガスの流量を表示する表示部92とが、筐体10にある4つの側面部13のうち、一の側面部13Aの外側に設けられ、制御基板91と表示部92とを、外部と液密に包囲するカバー部材30を備えていること、カバー部材30は、表示部92を外部から視認可能で、かつ一の側面部13Aと着脱可能に装着されていること、を特徴とする。
この特徴により、万が一、不具合により、制御基板91や表示部92の交換が必要な事態や、破損により、カバー部材30の交換が必要な事態が生じ、筐体10内の計測要素部2を、そのまま使用を続けて、制御基板91やカバー部材30だけを交換することだけで足りる場合に、ガスメータ1に掛かるメンテナンス費用が、新品に交換する場合に比べて抑制できる。そのため、ガスメータ1の使用開始後でも、ガスメータ1に掛かるメンテナンス費用は、比較的安価である。
以上において、本発明に係る超音波式ガスメータについて、実施形態に即して説明したが、本発明に係る超音波式ガスメータは、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できる。
(1)例えば、実施形態では、流入側流路42、流出側流路62、及びガス流路82や、ガス流入側ユニット40の表面とガス流出側ユニット60の表面に、樹脂成形後に、特に表面処理を施していないが、実用上の使用条件に照らし合わせて、例えば、金属蒸着による被膜層や、耐候性を有した塗料の被膜層を、流入側流路42等や、ガス流入側ユニット40の表面等に設けても良い。勿論、筐体10やカバー部材30の外表面にも、このような被膜層を設けても良い。ガスメータ1の耐久性を高める手段の一つになるからである。
(2)また、実施形態では、図4に示すように、ガス流入側ユニット40やガス流出側ユニット60は、あくまでも例示した形状であるため、ガス流入側ユニットとガス流出側ユニットは、実施形態に限定されるものではなく、適宜変更可能である。
(3)また、実施形態では、筐体本体11において、第1側面側位置決部21と第2側面側位置決部22の態様と、流入側本体41における第1水平側規制部44の態様と、流出側本体61における第2水平側規制部64の態様は、あくまでも一例で示したものであり、実施形態に限定されるものではなく、適宜変更可能である。
(4)また、実施形態では、表示部92が一体的に装着された制御基板91を、筐体10の側面部13Aの外側に配置してカバー部材30で覆ったが、本発明の超音波式ガスメータは、このようなカバー部材30を省き、制御基板と表示部と電源等についても、筐体の収容空間内に収容したガスメータであっても良い。但し、この場合は、筐体の側面部内の一部を、表示部の画面を外部から視認できるよう、工夫する必要がある。
1 ガスメータ(超音波式ガスメータ)
2 計測要素部
3 ガス流入口
4 ガス流出口
10 筐体
10S 収容空間
12 蓋部材
13,13A,13B,13C,13D 側面部
13b,13c,13d 側面部の内面
14 上面部
14a 上面部の内面
15 下面部
16 開口
17 突起部
18 管継手
30 カバー部材
40 ガス流入側ユニット
42 流入側流路
43 一端側連結部
44 第1水平側規制部
45 第1鉛直側規制部
60 ガス流出側ユニット
62 流出側流路
63 他端側連結部
64 第2水平側規制部
65 第2鉛直側規制部
80 計測ユニット
81 超音波センサ
91 制御基板
92 表示部
MN 軸方向
M 一端側
N 他端側
XY 水平方向
Z 鉛直方向

Claims (5)

  1. 筒状の計測ユニットに設けた超音波センサにより、ガス流入口からガス流出口に向けて該計測ユニットを流通する燃料ガスの流量を計測する超音波式ガスメータにおいて、
    上面部と下面部との間を4つの側面部で包囲し、内部に収容空間を有した六面体であり、底側となる位置で前記収容空間と連通した開口を、樹脂製の蓋部材で閉塞することにより前記下面部をなし、前記下面部と対向して頂部をなす前記上面部に、前記ガス流入口及び前記ガス流出口として、円筒状の突起部を2つ設けて成型された樹脂製の筐体と、
    前記ガス流入口に流入した燃料ガスを前記計測ユニットに供給するための流入側流路と、前記計測ユニットの軸方向の一端側と気密に連結可能な一端側連結部と、前記上面部または前記ガス流入口に設けた第1上面側位置決部と係留可能な第1鉛直側規制部とを含み、樹脂でブロック状に成型されたガス流入側ユニットと、
    前記計測ユニットを通過した燃料ガスを、前記ガス流出口まで流通させる流出側流路と、前記計測ユニットの前記軸方向の他端側と気密に連結可能な他端側連結部と、前記第1鉛直側規制部とは別に、前記上面部または前記ガス流出口に設けた第2上面側位置決部と係留可能な第2鉛直側規制部とを含み、樹脂でブロック状に成型されたガス流出側ユニットと、を備え、
    前記ガス流入側ユニットと前記計測ユニットと前記ガス流出側ユニットとを一体に組付けた計測要素部は、
    前記ガス流入側ユニットの前記流入側流路と前記ガス流出側ユニットの前記流出側流路をそれぞれ、前記筐体の前記突起部に接続させ、前記筐体との嵌合により、前記収容空間内での鉛直方向のガタを規制し、かつ前記収容空間内での水平方向のガタを規制した状態で、前記収容空間に収容されていること、
    を特徴とする超音波式ガスメータ。
  2. 請求項1に記載する超音波式ガスメータにおいて、
    前記ガス流入口及び前記ガス流出口には、それぞれ金属製の管継手が取付けられていること、
    を特徴とする超音波式ガスメータ。
  3. 請求項1または請求項2に記載する超音波式ガスメータにおいて、
    前記ガス流入側ユニットは、前記筐体の前記側面部の内面に設けた第1側面側位置決部と係留可能な第1水平側規制部を有し、
    前記ガス流出側ユニットは、前記筐体の前記側面部の内面に設けた第2側面側位置決部と係留可能な第2水平側規制部を有し、
    前記第1水平側規制部と前記第1側面側位置決部との係留、または前記第2水平側規制部と前記第2側面側位置決部との係留を、少なくとも一方で行うことにより、前記計測要素部に対する前記水平方向のガタが規制されていること、
    を特徴とする超音波式ガスメータ。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載する超音波式ガスメータにおいて、
    前記ガス流入側ユニットの前記第1鉛直側規制部と前記筐体の前記第1上面側位置決部との係留、または前記ガス流出側ユニットの前記第2鉛直側規制部と前記筐体の前記第2上面側位置決部との係留を、少なくとも一方で行うと共に、前記開口を液密に閉塞した前記蓋部材との挟み込みにより、前記計測要素部に対する前記鉛直方向のガタが規制されていること、
    を特徴とする超音波式ガスメータ。
  5. 請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載する超音波式ガスメータにおいて、
    前記超音波センサと電気的に接続する制御基板と、計測した燃料ガスの流量を表示する表示部とが、前記筐体にある4つの前記側面部のうち、一の前記側面部の外側に設けられ、前記制御基板と前記表示部とを、外部と液密に包囲するカバー部材を備えていること、
    前記カバー部材は、前記表示部を外部から視認可能で、かつ前記一の側面部と着脱可能に装着されていること、
    を特徴とする超音波式ガスメータ。
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