JP7107398B2 - 投影装置、投影方法及びプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、高解像度の光変調素子を用いたプロジェクタ等に好適な投影装置、投影方法及びプログラムに関する。
テレビ受像機やディスプレイにおいて、4K解像度(横4000画素×縦2000画素程度の解像度)に対応した製品が広く一般に普及しつつある現況で、データプロジェクタ等の投影装置においても、同様に高解像度に対応した技術が種々提案されている。(例えば、特許文献1)
特開2012-242626号公報
上記特許文献に記載された技術を含めて、光源からの光をなんらかの光変調素子に照射し、その透過光または反射光により光像を形成してレンズ光学系で出射し、被投影対象となるスクリーン面に投影するような投影装置においても、上述した如く高解像度化が検討されている。
このうち、特に近年普及しつつある、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術により実用化されたマイクロミラー素子を光変調素子とする、DLP(登録商標)(Digital Light Processing)方式のプロジェクタ装置について考える。
例えば2K解像度(横2000画素×縦1000画素程度の解像度)に対応したプロジェクタ装置の製品が既にある時点で、4K解像度に対応したマイクロミラー素子を用いたプロジェクタ装置を新たに製品化する場合、マイクロミラー素子の素子サイズを変えることなく高解像度化することができれば、マイクロミラー素子周囲の光源系やレンズ光学系など、マイクロミラー素子以外のハードウェアをサイズアップに伴って新たに設計し直す必要がないため、大変に合理的に対応できる。
しかしながら、素子サイズを変えずに高解像度化を図った場合、当然ながら1画素当たりのマイクロミラーの面積は、例えば1/4程度に縮小される。そのような極小面積のマイクロミラーをアレイ構成したマイクロミラー素子では、特に長時間にわたって画像の一部エリアで同一のオン/オフ状態を維持するような駆動環境下で、当該エリアのマイクロミラーが固着する不具合が発生する傾向にあることがわかっている。
例えば、画像の台形補正機能を有するプロジェクタ装置では、画像中の両側端の3角形状のエリアで画像の表示を行なわないために、光源からの光をレンズ光学系以外に反射させるべく、オフ表示を維持する必要があり、当該エリアのマイクロミラーに固着が発生する可能性が高い。
上記したマイクロミラーの固着を防ぐためには、例えば画像投影の1フレームまたは2フレーム毎に全体のおよそ1/100の期間に相当する、100[マイクロ秒]強の時間に渡って、表示内容を反転するべくオン/オフさせるリフレッシュ動作が有効であることが確認されている。
しかしながら、このリフレッシュ動作中にも投影動作を継続すると、例えば台形補正機能により両側端がカットされているエリアで本来の投影画像以外の画像が投影される動作が継続して実行され、投影画像の品質を著しく劣化させる結果となる。したがって、上記リフレッシュ動作時には全光源を一時的に消灯する黒期間とする必要がある。
以下、マイクロミラー素子をリフレッシュ動作させるために黒期間を設定する過程について説明する。なお以下の説明では、1枚のマイクロミラー素子と蛍光ホイールとを用いた、所謂「単板式」の投影装置を前提とする。
プロジェクタ装置が認識する主な映像周波数として、全米テレビジョン放送方式標準化委員会が策定したコンポジット映像信号とそのテレビジョン放送の方式(規格)であるNTSC(National Television System Committee)方式と、カラーコンポジット映像信号の規格であるPAL(Phase Alternating Line、位相反転線)方式がある。NTSC方式の垂直同期周波数が60Hz(厳密には59.94Hz)に対して、PAL方式の垂直同期周波数は50Hzである。このため、複数の入力信号周波数の動作に対応する必要がある。
図8(A)は、50[Hz]系の設定範囲で最も高い周波数、52.1[Hz]の入力信号の周波数をロックした場合の蛍光ホイールレートを示す。装置内部では、入力信号の2倍の周波数で装置を駆動するため、数値は2倍の104.2[Hz]となる。同図(A)の下段がR(赤),G(緑),B(青)の各原色フィールド、上段が上記フィールドに同期したシンクパルスであり、同シンクパルスを発生して蛍光ホイールを同図(A)の下段で示すように各フィールドに同期させると共に、対応する発光素子を同期して発光駆動させることで、正しく時分割で原色光が発せられ、マイクロミラー素子に照射される。マイクロミラー素子では、照射される原色光に応じた画像表示を行なうことで、その反射光により光像が形成されて、レンズ光学系を介して投影される。
一方の図8(B)は、60[Hz]系の設定範囲で最も高い周波数、62.0[Hz]の入力信号の周波数をロックした場合の蛍光ホイールレートを示す。装置内部では、入力信号の2倍の周波数で装置を駆動するため、数値は2倍の124.0[Hz]となる。同じく同図(B)の下段がR(赤),G(緑),B(青)の各原色フィールド、上段が上記フィールドに同期したシンクパルスである。
上述した如くそれぞれの蛍光ホイールレートにはロック可能な「守備範囲」が装置によって設定されるものであり、ここでは50[Hz]系で94.00[Hz]~104.20[Hz]、60[Hz]系で102.40[Hz]~124.00[Hz]が設定されている場合を例にとって説明している。上述した如く、装置内部では入力信号の周波数の2倍で各回路を駆動するために周波数の数値が2倍となっている。上記設定した範囲を外れた周波数の入力信号では、装置が入力信号にロックすることができず、投影動作を行なえない。
上記図8(A)、図8(B)はそれぞれ守備範囲中の最も高い周波数でロックした場合のタイミングを例示したものである。
図9は、50[Hz]系の標準値50.0[Hz]の入力信号をロックした場合の同蛍光ホイールレートを示すものである。内部での同期周波数は100.0[Hz]となり、1画像フレームの周期が丁度10000[μ秒]となる。
なお上記図示では、説明を簡易にするために、R,G,Bの各フィールド期間の比を1:1:1としているが、他の比を用いる場合であってもそのバランスを崩すことなく、周波数をロックした信号に対処することができる。
上述した如く、ロックする入力信号の周波数に応じて、フレーム1周期当たりの期間が変わる。例えば、60[Hz]系で124.0[Hz]の場合の1周期は8064.5[μ秒]、同102.4[Hz]の場合の1周期は9765.6[μ秒]であり、最も高い周波数に対して最も低い周波数では約21%周期が延びる。
同様に、50[Hz]系で104.2[Hz]の場合の1周期は9596.9[μ秒]、同94.0[Hz]の場合の1周期は10638.3[μ秒]であり、最も高い周波数に対して最も低い周波数では約10%周期が延びる。
入力信号をロックする状況に応じて、上記リフレッシュ動作を行なうための処理時間も変化する。ここで、リフレッシュ期間の長さを 時間長=(蛍光ホイールレート最大周波数/同最小周波数)×100[μ秒] として定義すると、
60[Hz]系でのリフレッシュ期間の時間長は約121[μ秒]
(≒(124.0/102.4)×100[μ秒])、
50[Hz]系でのリフレッシュ期間の時間長は約111[μ秒]
(≒(104.2/94.0)×100[μ秒])、
となる。
上記リフレッシュ動作を実行するために、あらためて従来のシーケンス動作について説明する。
図10(A)は、リフレッシュ動作を実行しない、通常の蛍光ホイールレートを示すタイミングチャートである。上段が電源に与えるシンクパルスであり、下段が同電源によって駆動される光源が発光する原色光である。
ここでは、例えば赤色光Rは赤色光を発光するLEDによる独立光源から得られ、緑色光Gは図10(B)に示す蛍光ホイールに塗布される蛍光体(図中の「G」の範囲に塗布)に下記青色レーザ光を照射して得られる蛍光反射光、青色光Bは独立光源である青色レーザ光を上記図10(B)に示す蛍光ホイールの拡散板(図中の「B」の範囲)の透過光としてそれぞれ得られるものとする。
図10(A)の上段に示すシンクパルスを電源に向けて発行することで、同パルスを受けた電源が以下の処理を行なう。
すなわち、(1)のシンクパルスを受けた電源は、赤色LEDをオフし、同時に青色レーザをオンする。このとき青色レーザは蛍光ホイールのGの範囲に照射され、その蛍光反射光である緑色光が得られる。
(2)のシンクパルスを受けた電源は、青色レーザをオンとしたまま、必要に応じて色バランス調整により電流値調整を行なう。このとき図中にタイミングt11で示すように、蛍光ホイールの方向Dへの回転によって、青色レーザ光の照射範囲がBの拡散板となって、その透過拡散光である青色光が得られるよう、光源では別途蛍光ホイールの同期調整も同時に実行している。
(3)のシンクパルスを受けた電源は、青色レーザをオフし、同時に赤色LEDをオンする。独立光源である赤色光が得られる。
上記図10に示したシーケンスに加えて、上述したリフレッシュ動作による黒期間を追加する場合を考える。
図11は、上記図10(A)で示したシーケンスのフレーム周期末尾に黒期間を配置した仮想の蛍光ホイールレートの例を示す。この動作が実現できれば、容易に上記リフレッシュ動作が実行可能となる。
この図11では、(1)と(2)のシンクパルスと、赤色光Rが得られる期間、及び緑色光Gが得られる期間については上記図10(A)と同様である。
また図10(A)で青色光Bの期間があるところ、蛍光ホイールの中心角で120°相当中の6°分を削って、(3)′のシンクパルスと(4)のシンクパルス間で黒期間を生成している。
実際に色バランスを維持しながら黒期間を作る場合は、各色の占める割合に応じて(1)、(2)の各シンクパルスに移動させる必要がある。例えば、R,G,B各色の時間比が1:1:1、蛍光ホイールの中心角相当で(R)120°:(G)120°:(B)120° であった場合に6°相当の黒期間を作るのであれば、(R)118°:(G)118°:(B)118°となるように(1)~(3)のシンクパルスを生成する。
また、例えば、R,G,B各色の時間比が3:2:1、蛍光ホイールの中心角相当で(R)180°:(G)120°:(B)60°であった場合に6°相当の黒期間を作るのであれば、色バランスを保つために(R)177°:(G)118°:(B)59°となるように(1)~(3)のシンクパルスを生成する。
上記(1),(2)のシンクパルスを受けた電源が行なう動作は、上記図10(A)の場合と同様である一方で、(3)′、(4)′のシンクパルスを受けた電源は、次のように動作する必要がある。
すなわち、(3)′のシンクパルスを受けた電源は、青色レーザをオフする。
その後、(4)′のシンクパルスを受けた時点で、電源は赤色LEDをオンする。
図12(A)は、上記(3)′、(4)′のシンクパルス部分を拡大して示す図である。(3)′のシンクパルスで青色レーザがオフしても、当該青色レーザの応答性によって直ちに発光量が「0(ゼロ)」になるわけではなく、また(4)′のシンクパルスにより赤色LEDがオンしても、この赤色LEDの応答性により直ちに100%の発光量となるわけではない。
図12(B)は、上記(3)′、(4)′のシンクパルス間の時間160[μ秒]を確保できていることがわかる。上述した如く(3)′のシンクパルスで青色レーザがオフしてから、実際に青色レーザの発光量が「0(ゼロ)」になるまでに約40[μ秒]を要しており、約100[μ秒]の黒期間を確保できることがわかる。
なお青色レベルの応答性が悪く、オフしてから発光量が「0(ゼロ)」になるまでにさらに時間を要するような製品を使用する場合には、上記(3)′、(4)′のシンクパルスの間隔をさらに広げることで対処する。
ここで問題となるのは、上記(3)′、(4)′のシンクパルスの時間的な間隔が極端に小さい点にある。上記(3)′、(4)′のシンクパルスを発生させ、この種の製品に使用されるデジタル電源に与えた場合、その時間的な間隔が小さすぎるが故に、電源側では後ろ側の(4)′のシンクパルスを認識することができない。
一般的にこの種の投影装置で用いられるデジタル電源では、シンクパルスは最低でも500[μ秒]程度離間させる必要がある。そのため、上記図11で説明したような動作を実現するためには、従来の製品で用いられていたデジタル電源ではなく、より高価な電源に変更するか、あるいは新規に開発する必要がある。
そのため、上記図11で説明した、シンクパルスを用いてリフレッシュ動作のための黒期間を生成する動作は、実現性がきわめて低く、その他の手段により、入力される信号の周波数に応じて適正な黒期間を生成する方法が模索されている。
本発明は上記のような実情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、装置を構成する回路等の大幅な変更なしに、投影期間中に、入力される映像信号の周波数に応じた極短時間の投影を行なわない黒期間を挿入することが可能な投影装置、投影方法及びプログラムを提供することにある。
本発明の一態様は、発光素子からの光を透過させる第1エリアと、上記発光素子からの光を遮蔽する第2エリアと、が異なるタイミングで上記発光素子からの光の光路を通過するように設けられた基材と、マイクロミラーを複数有し、上記基材から出射された光を用いて光像を形成する表示素子と、上記発光素子からの光の光路上に、上記第1エリアと上記第2エリアのうち、上記第2エリアが位置する間で、且つ、上記発光素子からの光が上記マイクロミラーに照射されない間に、上記マイクロミラーのオン/オフの反転動作を行うように制御する制御部と、を備える。
本発明によれば、装置を構成する回路等の大幅な変更なしに、投影期間中に、入力される映像信号の周波数に応じた極短時間の投影を行なわない黒期間を挿入することが可能となる。
本発明の第1の実施形態に係るプロジェクタ装置の概略機能構成を示すブロック図。 同実施形態に係る蛍光ホイールの構成を一般的な蛍光ホイールの構成を参照して説明する平面図。 同実施形態に係る投影動作時の処理内容を示すフローチャート。 同実施形態に係る50[Hz]系の画像信号に対する蛍光ホイールの回転と投影画像のシーケンスを示す図。 同実施形態に係る60[Hz]系の画像信号に対する蛍光ホイールの回転と投影画像のシーケンスを示す図。 本発明の第2の実施形態に係る蛍光ホイールの構成を説明する平面図。 同実施形態に係る50[Hz]系、60[Hz]系の各画像信号に対する蛍光ホイールの回転を示す図。 50[Hz]系、60[Hz]系でそれぞれ最も高い周波数の入力信号の同期をロックした場合の蛍光ホイールレートを示すタイミングチャート。 50[Hz]の入力信号の同期をロックした場合の蛍光ホイールレートを示すタイミングチャート。 リフレッシュ動作を実行しない、通常の蛍光ホイールレートを示すタイミングチャートと蛍光ホイールの構成例とを示す図。 リフレッシュ動作を実行する場合の仮想蛍光ホイールレートを示すタイミングチャート。 図11のシンクパルス(3)′、(4)′部分を拡大して示すタイミングチャート。
(第1の実施形態)
以下本発明をDLP(登録商標)方式のプロジェクタ装置に適用した場合の第1の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係るプロジェクタ装置10の概略機能構成を示す図である。同図で入力部11は、例えばピンジャック(RCA)タイプのビデオ入力端子、D-sub15タイプのRGB入力端子、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)端子、USB(Universal Serial Bus)端子などにより構成される。入力部11に入力された各種規格のアナログまたはデジタルの画像信号は、入力部11で必要に応じてデジタル化された後に、システムバスSBを介して画像変換部12に送られる。
画像変換部12は、一般にスケーラあるいはフォーマッタとも称され、入力されるデジタル値の画像データを、投影に適した所定フォーマットの画像データに統一して投影処理部13へ送る。
投影処理部13は、送られてきた画像データに応じたフレームレート、例えば元の画像信号の周波数が50[Hz]系であれば100[フレーム/秒]前後(60[Hz]系であれば120[フレーム/秒]前後)と、色成分の分割数、及び表示階調数を乗算した、より高速な時分割駆動により、空間的光変調素子であるマイクロミラー素子14を表示するべく駆動する。
このマイクロミラー素子14は、アレイ状に配列された高解像度、例えば横4000画素×縦2000画素分の微小ミラーの各傾斜角度を個々に高速でオン/オフ動作して画像を表示することで、その反射光により光像を形成する。
一方で、光源部15から時分割でR,G,Bの原色光が循環的に出射される。この光源部15からの原色光が、ミラー16で全反射して上記マイクロミラー素子14に照射される。
そして、マイクロミラー素子14での反射光で光像が形成され、形成された光像が投影レンズ部17を介して、投影対象となる図示しないスクリーンに投影表示される。
光源部15は、赤色光を発するLED(発光ダイオード)、青色のレーザ光を発するLD(半導体レーザ)、上記青色のレーザ光を蛍光体に照射して緑色光を励起させる蛍光ホイールを有するものとする。
上記投影処理部13は、上記マイクロミラー素子14での画像の表示による光像の形成と、上記光源部15内の発光素子としての上記LED,LDの各発光、及び蛍光ホイールの回転を、後述するCPU19の制御の下に実行する一方で、デジタル電源18に対してフィールド切換のためのシンクパルスを送出し、またこのデジタル電源18と電源制御用の各種コマンド信号の送受を行なう。
上記デジタル電源18は、このプロジェクタ装置10用に与えられるAC電源(図示せず)から各回路に必要な多数の直流電圧値を生成して供給すると共に、光源部15に対してLED及びLDの発光駆動と蛍光ホイールの回転に必要な電力を供給する。
上記各回路の動作すべてをCPU19が制御する。このCPU19は、メインメモリ20及びプログラムメモリ21と直接接続される。メインメモリ20は、例えばSRAMで構成され、上記CPU19のワークメモリとして機能する。プログラムメモリ21は、電気的に書換可能な不揮発性メモリで構成され、上記CPU19が実行する動作プログラムや各種定型データなどを記憶する。換言すれば、CPU19は上記メインメモリ20及びプログラムメモリ21を用いて、このプロジェクタ装置10内の制御動作を実行する。
上記CPU19は、操作部22からのキー操作信号に応じて各種投影動作を実行する。
この操作部22は、プロジェクタ装置10の本体に設けられるキー操作部と、このプロジェクタ装置10専用の図示しないリモートコントローラからの赤外光を受光する赤外線受光部とを含み、ユーザが本体のキー操作部またはリモートコントローラで操作したキーに基づくキー操作信号をCPU19へ直接出力する。
上記CPU19はさらに、上記システムバスSBを介して音声処理部23とも接続される。音声処理部23は、PCM音源等の音源回路を備え、投影動作時にシステムバスSBを介して与えられる音声データをアナログ化し、スピーカ部24を駆動して拡声放音させ、あるいは必要によりビープ音等を発生させる。
図2(A)は、上記光源部15内に設けられる蛍光ホイール31の構成を示す平面図である。同図(A)で、蛍光ホイール31の外周縁近傍には、上記した青色のレーザ光を拡散させながら透過させる透過エリア31Tと、緑色蛍光体を周状に塗布して、青色のレーザ光の照射により励起して緑色光を蛍光光として出射し、反射光として生成する緑色光反射エリア31Gと、が周方向に並設され、円盤面を構成する。蛍光ホイール31は図示しないモータにより回転駆動される。
ここでは説明を簡易にするために、透過エリア31Tの蛍光ホイール31に対する中心角が1/3相当の120°、緑色光反射エリア31Gの蛍光ホイール31に対する中心角が2/3相当の240°であるものとする。
さらに、上記緑色光反射エリア31Gの蛍光体を塗布した部分の両端、それぞれ透過エリア31Tと隣接する部分には、意図して蛍光体を塗布せず、青色のレーザ光が照射されても、透過及び反射いずれもしない遮蔽エリア31B1,31B2を設ける。
ここで2つの遮蔽エリア31B1,31B2は、図示するように蛍光ホイール31に対する中心角が異なるように、周方向の幅を異ならせて設定している。
すなわち、遮蔽エリア31B1は、60[Hz]系で最大の回転数を例えば124[rpm]と設定した場合に、その1周に要する時間、約8065[μ秒]中で、必要な黒期間100[μ秒]を確保するために、蛍光ホイール31に対する中心角が約4.46°となるように形成させている。
一方の遮蔽エリア31B2は、50[Hz]系で最大の回転数を例えば104.2[rpm]と設定した場合に、その1周に要する時間、約9597[μ秒]中で、必要な黒期間100[μ秒]を確保するために、蛍光ホイール31に対する中心角が約3.75°となるように形成させている。
図2(B)は、参考までに、従来からの一般的なハイブリッド光源用の蛍光ホイールPRの構成例を示した平面図である。透過エリアPRTと緑色光反射エリアPRGとで合わせて円盤状の構成としているが、透過エリアPRTは硬質高耐熱ガラス製、緑色光反射エリアPRGは金属製であり、素材が異なる両者を接着剤により接着して円盤状の蛍光ホイールPRを構成している。そのため、接着剤の影響により蛍光体を塗布できないエリアPRB1,PRB2が存在することが許容されている。これらのエリアPRB1,PRB2の蛍光ホイールPRに対する中心角は、例えば0.5°~2°程度内で収まるように規定されている。
図2(A)に示す如く本実施形態では、意図的に蛍光体を塗布しない幅広、且つ中心角を異ならせて設定した遮蔽エリア31B1,31B2を存在させることで、後述するように投影動作中での黒期間を生成するものである。
次に上記実施形態の動作について説明する。
なお、以下に示す動作は、基本的にCPU19の制御の下に投影処理部13が実行する処理を示す。
図3は、主として投影処理部13が実行する、電源投入時からの投影動作を示すフローチャートである。電源投入当初に投影処理部13は、デフォルトの映像信号周波数として60[Hz]を設定し、予め用意されたスプラッシュスクリーン画像、あるいは予め設定された壁紙の画像をプログラムメモリ21から読出して(ステップS101)、マイクロミラー素子14で表示させることで、初期画像の表示を行なうと共に、光源部15により赤色光R、緑色光G、青色光Bを順次時分割で発光駆動させて、投影動作を実行する(ステップS102)。
この投影動作を実行しながら、さらに投影処理部13では入力部11を介して新規な画像信号の入力があるか、入力部11に入力される画像信号が切換えられたかを判断する(ステップS103)。
ここで新規な画像信号の入力も画像信号の切換えも発生していないと判断した場合(ステップS103のNo)、投影処理部13では再び上記ステップS102からの処理に戻って投影動作を続行する。
こうしてステップS102,S03の処理を繰返し実行し、同様の投影動作を続行しながら、新たな画像信号の入力と画像信号の切換えが発生するのを待機する。
ステップS103において、新たな画像信号が入力されるか、画像信号の切換えが発生したと判断した場合(ステップS103のYes)、投影処理部13はそこで新たに入力されることになった画像信号に同期ロックした上で、周波数の50[Hz]系と60[Hz]系間での切換えが必要であるか否かを判断する(ステップS104)。
ここで周波数系の切換えが必要でなく、新たに入力される画像信号も同様の周波数系であると判断した場合には(ステップS104のNo)、周波数の50[Hz]系と60[Hz]系間での切換えは無効であるものと設定して(ステップS105)、再び上記ステップS102からの処理に戻る。
ただし、周波数の50[Hz]系と60[Hz]系間での切換えはなくとも、実際に入力される画像信号の周波数が、例えば60[Hz]系のロック可能な守備範囲が102.40[Hz]~124.00[Hz]として設定されており、当該守備範囲内でそれまで入力されていた画像信号と今回新たに入力されるようになった画像信号とで周波数が異なる場合、投影処理部13は上述したように、新たに入力されることになった画像信号にロックした上で、その周波数にしたがって投影動作を続行する。
図5は、初期設定と同様に、60[Hz]系で60.0[Hz]の画像信号が入力されている場合の蛍光ホイール31の駆動(図5(A))と、投影画像のシーケンス(図5(B))を示す図である。蛍光ホイール31に対して図面の紙面上側から下側に向けて青色レーザ光が照射されるものとした場合、図示するように蛍光ホイール31は反時計回りの方向D2で回転駆動される。
同図(A)では、蛍光ホイール31の構成に加えて、単独光源である赤色LEDによる発光期間(R)を破線で示すように重ね合わせて図示している。赤色LEDによる発光期間は、青色レーザ光の照射位置が、遮蔽エリア31B2を含んで緑色光反射エリア31Gの最初の中心角120°分に位置する期間となっており、Rフィールドでの投影動作が実行される当該期間には、青色レーザは発光を停止している。
その後、赤色LEDの発光停止と青色レーザの発光開始が同時に実行され、緑色光反射エリア31Gの中心角115.54°分(=120°-4.46°)相当の期間だけ、蛍光ホイール31からの反射光でGフィールドでの投影動作が実行される。
その後も青色レーザの発光は継続されるが、蛍光ホイール31の回転によってレーザ光の照射位置に遮蔽エリア31B1が位置する間、蛍光体が存在しないために緑色光は励起されず、マイクロミラー素子14へは光源部15からの光が照射されない黒期間となる。
その後、さらに蛍光ホイール31が回転して、青色レーザ光が透過エリア31Tに照射されると、この透過エリア31Tで透過、拡散した青色光によるBフィールドでの投影動作が実行される。
以上、Rフィールド、Gフィールド、黒期間、及びBフィールドの順序で纏めて1フレーム分の画像投影が実行されるもので、60.0[Hz]の画像信号が入力されている場合の1フレーム分の周期は、図示する如く8333.3[μ秒]となる。
このとき、上記遮蔽エリア31B1による黒期間は、約103[μ秒]となり、台形補正等によりオフ動作しているマイクロミラー素子14の一部エリアのリフレッシュ動作が可能な最低時間100[μ秒]を確保している。
また上記ステップS104において、周波数の50[Hz]系と60[Hz]系間での切換えが必要であると判断した場合には(ステップS104のYes)、投影処理部13では一旦光源部15における赤色LED、青色レーザの発光を共に停止した上で(ステップS106)、蛍光ホイール31の回転方向をそれまでとは反転するよう設定する(ステップS107)。
その後、投影処理部13では蛍光ホイール31の回転数をサーチし(ステップS108)、入力される画像信号の周波数の2倍となったか否かにより、正しい回転数となったかどうかを判断する(ステップS109)。
ここでまだ正しい回転数になっていないと判断した場合(ステップS109のNo)、投影処理部13では上記ステップS108からの処理に戻り、以後蛍光ホイール31の回転数をサーチしながら、正しい回転数に上昇するまで待機する。
そして、上記ステップS109において、蛍光ホイール31の回転数が正しい回転数にまで上昇したと判断した時点で(ステップS109のYes)、投影処理部13では再び蛍光ホイール31の回転に同期して赤色LED、青色レーザの発光を共に開始させた上で(ステップS110)、上記ステップS102からの処理に戻る。
こうして、新たに入力されることになった画像信号に基づく投影動作が実行されるようになる。
図4は、50[Hz]系で50.0[Hz]の画像信号が入力されている場合の蛍光ホイール31の駆動(図4(A))と、投影画像のシーケンス(図4(B))を示す図である。蛍光ホイール31に対して図面の紙面上側から下側に向けて青色レーザ光が照射されるものとした場合、図示するように蛍光ホイール31は時計回りの方向D1で回転駆動される。
同図(A)では、蛍光ホイール31の構成に加えて、単独光源である赤色LEDによる発光期間(R)を破線で示すように重ね合わせて図示している。赤色LEDによる発光期間は、青色レーザ光の照射位置が、遮蔽エリア31B1を含んで緑色光反射エリア31Gの最初の中心角120°分に位置する期間となっており、Rフィールドでの投影動作が実行される当該期間には、青色レーザは発光を停止している。
その後、赤色LEDの発光停止と青色レーザの発光開始が同時に実行され、緑色光反射エリア31Gの中心角116.25°分(=120°-3.75°)相当の期間だけ、蛍光ホイール31からの反射光でGフィールドでの投影動作が実行される。
その後も青色レーザの発光は継続されるが、蛍光ホイール31の回転によってレーザ光の照射位置に遮蔽エリア31B2が位置する間、蛍光体が存在しないために緑色光は励起されず、マイクロミラー素子14へは光源部15からの光が照射されない黒期間となる。
その後、さらに蛍光ホイール31が回転して、青色レーザ光が透過エリア31Tに照射されると、この透過エリア31Tで透過、拡散した青色光によるBフィールドでの投影動作が実行される。
以上、Rフィールド、Gフィールド、黒期間、及びBフィールドの順序で纏めて1フレーム分の画像投影が実行されるもので、50.0[Hz]の画像信号が入力されている場合の1フレーム分の周期は、図示する如く10000[μ秒]となる。
このとき、上記遮蔽エリア31B2による黒期間は、約104[μ秒]となり、台形補正等によりオフ動作しているマイクロミラー素子14の一部エリアのリフレッシュ動作が可能な最低時間100[μ秒]を確保している。
このように、蛍光ホイール31の回転方向を50[Hz]系の画像信号と60[Hz]系の画像信号とで反転させることにより、1画像フレームを常にRフィールド、Gフィールド、黒期間、及びBフィールドの順序で構成して投影動作を実行させることができ、投影処理部13によるフィールド間の制御シーケンスを単純化できる。
なお上記実施形態では、説明を簡易にするために、1画像フレームを構成するRフィールド、Gフィールド、及びBフィールドの期間の比が1:1:1であるものとし、Gフィールドに対応する期間中に黒期間を配置する場合を例に採って説明した。
しかしながら、実際の製品では、色バランスと黒期間の長さとを考慮して、Rフィールド、Gフィールド、及びBフィールドの期間が設定されるものであり、蛍光ホイール31の構成においてもそれらの期間の比に応じて透過エリア31T、及び緑色光反射エリア31Gそれぞれの蛍光ホイール31に対する中心角の設定がなされるものとなる。
(第2の実施形態)
以下本発明をDLP(登録商標)方式のプロジェクタ装置に適用した場合の第2の実施形態について図面を参照して説明する。
なお、本実施形態に係るプロジェクタ装置10′の概略機能構成に関しては、上記図1と同様であるものとして、同一部分には同一符号を用いて、その図示と説明とを省略する。
なおこのプロジェクタ装置10′における光源部15は、青色光を発するLED(発光ダイオード)、励起用の青色のレーザ光を発するLD(半導体レーザ)、上記青色のレーザ光を蛍光体に照射して赤色光及び緑色光を励起させる蛍光ホイールを有するものとする。
図6は、上記光源部15内に設けられる蛍光ホイール41の構成を示す平面図である。同図で蛍光ホイール41は、赤色蛍光体(第2の蛍光体)を周状に塗布して、上記青色のレーザ光の照射により励起して赤色光(第2の蛍光光)を反射光として生成する赤色光反射エリア(第2の蛍光光反射エリア)41Rと、緑色蛍光体(第1の蛍光体)を周状に塗布して、上記青色のレーザ光の照射により励起して緑色光(第1の蛍光光)を反射光として生成する緑色光反射エリア(第1の蛍光光反射エリア)41Gと、で円盤面を構成する。
ここでは説明を簡易にするために、赤色光反射エリア41Rと緑色光反射エリア41Gが蛍光ホイール41を均等に2分して構成されるものとする。
さらに、上記赤色光反射エリア41Rと緑色光反射エリア41Gとの境界に跨がる部分には、意図して蛍光体を塗布せず、青色のレーザ光が照射されても、透過及び反射いずれもしない遮蔽エリア41B1,41B2を設ける。
ここで2つの遮蔽エリア41B1,41B2は、図示するように蛍光ホイール31に対する中心角が異なるように、周方向の幅を異ならせて設定している。
すなわち、遮蔽エリア41B1は、50[Hz]系で最大の回転数を例えば104.2[rpm]と設定した場合に、その1周に要する時間、約9597[μ秒]中で、必要な黒期間100[μ秒]を確保するために、蛍光ホイール41に対する中心角が約3.75°となるように形成させている。
一方の遮蔽エリア41B2は、60[Hz]系で最大の回転数を例えば124[rpm]と設定した場合に、その1周に要する時間、約8065[μ秒]中で、必要な黒期間100[μ秒]を確保するために、蛍光ホイール31に対する中心角が約4.46°となるように形成させている。
これら意図的に蛍光体を塗布しない幅広、且つ中心角を異ならせて設定した遮蔽エリア41B1,41B2を存在させることで、後述するように投影動作中での黒期間を生成する。
次に上記実施形態の動作について説明する。
図7(A)は、50[Hz]系の画像信号が入力されている場合の蛍光ホイール41の駆動を示す図である。蛍光ホイール41に対して図面の紙面上側から下側に向けて青色レーザ光が照射されるものとした場合、図示するように蛍光ホイール41は時計回りの方向D1で回転駆動される。
同図(A)では、蛍光ホイール41の構成に加えて、単独光源である青色LEDによる発光期間(B)を破線で示すように重ね合わせて図示している。青色LEDによる発光期間は、上記遮蔽エリア41B2を中心とする中心角120°分の期間となっており、Bフィールドでの投影動作が実行される当該期間には、青色レーザは発光を停止している。
その後、青色LEDの発光停止と青色レーザの発光開始が同時に実行され、赤色光反射エリア41Rの中心角118.13°分(=120°-3.75°/2)相当の期間だけ、蛍光ホイール41からの反射光でRフィールドでの投影動作が実行される。
その後も青色レーザの発光は継続されるが、蛍光ホイール41の回転によってレーザ光の照射位置に遮蔽エリア41B1が位置する間、蛍光体が存在しないために赤色光及び緑色光は励起されず、マイクロミラー素子14へは光源部15からの光が照射されない黒期間となる。
その後、さらに蛍光ホイール41が回転して、青色レーザ光が緑色光反射エリア41Gに照射されると、この緑色光反射エリア41Gで励起された緑色光によるGフィールドでの投影動作が実行される。
以上、Rフィールド、黒期間、Gフィールド、及びBフィールドの順序で纏めて1フレーム分の画像投影が実行されるもので、例えば50.0[Hz]の画像信号が入力されている場合の1フレーム分の周期は10000[μ秒]となる。
このとき、上記遮蔽エリア31B1による黒期間は、約104[μ秒]となり、台形補正等によりオフ動作しているマイクロミラー素子14の一部エリアのリフレッシュ動作が可能な最低時間100[μ秒]を確保できる。
図7(B)は、60[Hz]系の画像信号が入力されている場合の蛍光ホイール41の駆動を示す図である。蛍光ホイール41に対して図面の紙面上側から下側に向けて青色レーザ光が照射されるものとした場合も、図示するように蛍光ホイール41は時計回りの方向D1で回転駆動される。
同図(B)では、蛍光ホイール41の構成に加えて、単独光源である青色LEDによる発光期間(B)を破線で示すように重ね合わせて図示している。青色LEDによる発光期間は、上記遮蔽エリア41B1を中心とする中心角120°分の期間となっており、Bフィールドでの投影動作が実行される当該期間には、青色レーザは発光を停止している。
その後、青色LEDの発光停止と青色レーザの発光開始が同時に実行され、緑色光反射エリア41Gの中心角117.77°分(=120°-4.46°/2)相当の期間だけ、蛍光ホイール41からの反射光でGフィールドでの投影動作が実行される。
その後も青色レーザの発光は継続されるが、蛍光ホイール41の回転によってレーザ光の照射位置に遮蔽エリア41B2が位置する間、蛍光体が存在しないために緑色光、赤色光は励起されず、マイクロミラー素子14へは光源部15からの光が照射されない黒期間となる。
その後、さらに蛍光ホイール41が回転して、青色レーザ光が赤色光反射エリア41Rに照射されると、この赤色光反射エリア41Rで励起した赤色光によるRフィールドでの投影動作が実行される。
以上、Rフィールド、Bフィールド、Gフィールド、及び黒期間の順序で纏めて1フレーム分の画像投影が実行されるもので、例えば60.0[Hz]の画像信号が入力されている場合の1フレーム分の周期は8333.3[μ秒]となる。
このとき、上記遮蔽エリア41B2による黒期間は、約103[μ秒]となり、台形補正等によりオフ動作しているマイクロミラー素子14の一部エリアのリフレッシュ動作が可能な最低時間100[μ秒]を確保できる。
このように、蛍光ホイール41の回転方向を50[Hz]系の画像信号と60[Hz]系の画像信号とで同一方向とすることにより、信号切換え時に蛍光ホイール41の回転方向を反転させる必要がなく、すみやかに新たな画像信号に同期した投影動作が開始できる。
以上詳述した如く本実施形態によれば、装置を構成する回路等の大幅な変更なしに、投影期間中に、入力される映像信号の周波数に応じた極短時間の投影を行なわない黒期間を挿入することが可能となる。
また上記実施形態では、蛍光ホイールに中心角の異なる複数の遮蔽エリアを設け、発光素子からの光を複数の遮蔽エリアのうちの1つに選択的に照射させるよう発光素子の発光タイミングを制御するものとしたので、入力される画像信号の周波数に対応して適正な時間長の黒期間を設定できる。
さらに上記第1の実施形態では、複数の遮蔽エリアから1つを選択するのと併せて、蛍光ホイールの回転方向を適宜を可変設定するものとしたので、1画像フレームを構成する各色フィールド及び黒期間の順序を変更せずに画像信号の切換えに対処できる。
また上記実施形態は、蛍光ホイール上の遮蔽エリアを複数の色光エリアの境目となるように配置することで、蛍光体を塗布することができない領域を有効に活用すると共に、黒期間のタイミング制御を簡易化することができる。
なお、上記第1の実施形態では光源部が独立光源としての赤色LEDと、青色レーザからの光を蛍光ホイール31を介して青色光及び緑色光を得る場合について、第2の実施形態では光源部が独立光源としての青色LEDと、青色レーザからの光を蛍光ホイール41を介して赤色光及び緑色光を得る場合について、それぞれ説明したが、本発明はそのような発光素子と色の組合せに限るものではない。
その他、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、上述した実施形態で実行される機能は可能な限り適宜組み合わせて実施しても良い。上述した実施形態には種々の段階が含まれており、開示される複数の構成要件による適宜の組み合せにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、効果が得られるのであれば、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[請求項1]
発光素子からの光により励起されて蛍光光が発せられる蛍光体を有する蛍光光反射エリア及び上記発光素子からの光を透過させる透過エリアの少なくとも一方と、上記発光素子からの光を出射させない遮蔽エリアとが円周方向に並設するように設けられた蛍光ホイールと、
上記蛍光ホイールを回転駆動するモータと、
上記蛍光ホイールから出射された光を用いて光像を形成する、複数のマイクロミラーから構成された表示素子と、
上記蛍光ホイールの回転によって上記発光素子からの光の照射位置に上記遮蔽エリアが位置する間に、上記マイクロミラーのオン/オフの反転動作を行うように制御する制御部と、
を備える投影装置。
[請求項2]
上記表示素子で形成された光像を被投影対象に向けて投影する投影部を備え、
上記制御部は、上記蛍光ホイールの回転によって上記発光素子からの光の照射位置に上記遮蔽エリアが位置する間中、上記発光素子の発光が継続されるように制御する
請求項1記載の投影装置。
[請求項3]
上記発光素子は、レーザ光を発する半導体レーザを含み、
上記蛍光光反射エリアは、第1の蛍光体が周状に塗布され、上記レーザ光の照射により励起して第1の蛍光光を出射し、反射光として生成する第1の蛍光光反射エリアと、上記第1の蛍光体と異なる波長帯域の第2の蛍光体が周状に塗布され、上記レーザ光の照射により励起して第2の蛍光光を出射し、反射光として生成する第2の蛍光光反射エリアと、を含む
請求項1又は2記載の投影装置。
[請求項4]
上記遮蔽エリアは、上記蛍光光反射エリアと上記透過エリアとの境界、又は上記第1の蛍光光反射エリアと上記第2の蛍光光反射エリアとの境界に設けられている請求項3記載の投影装置。
[請求項5]
上記遮蔽エリアは、上記蛍光光反射エリア側に設けられている請求項1乃至4いずれか記載の投影装置。
[請求項6]
上記蛍光ホイールは、中心角の異なる複数の上記遮蔽エリアを設け、
上記発光素子からの光を上記複数の遮蔽エリアのうちの1つに選択的に照射させるよう上記発光素子の発光タイミングを制御する制御部をさらに備える
請求項1乃至5いずれか記載の投影装置。
[請求項7]
上記制御部は、上記遮蔽エリアの選択と対応して上記蛍光ホイールの回転方向を可変設定する請求項2記載の投影装置。
[請求項8]
発光素子からの光により励起されて蛍光光が発せられる蛍光体を有する蛍光光反射エリア及び上記発光素子からの光を透過させる透過エリアの少なくとも一方と、上記発光素子からの光を出射させない遮蔽エリアとが円周方向に並設するように設けられた蛍光ホイールと、
上記蛍光ホイールを回転駆動するモータと、
を備える光源装置。
[請求項9]
発光素子からの光により励起されて蛍光光が発せられる蛍光体を有する蛍光光反射エリア及び上記発光素子からの光を透過させる透過エリアの少なくとも一方と、上記発光素子からの光を出射させない遮蔽エリアとが円周方向に並設するように設けられた蛍光ホイールと、上記蛍光ホイールを回転駆動するモータと、上記蛍光ホイールから出射された光を用いて光像を形成する、複数のマイクロミラーから構成された表示素子と、を備える装置での投影方法であって、
上記蛍光ホイールの回転によって上記発光素子からの光の照射位置に上記遮蔽エリアが位置する間に、上記マイクロミラーのオン/オフの反転動作を行うように制御する制御工程を有する投影方法。
[請求項10]
発光素子からの光により励起されて蛍光光が発せられる蛍光体を有する蛍光光反射エリア及び上記発光素子からの光を透過させる透過エリアの少なくとも一方と、上記発光素子からの光を出射させない遮蔽エリアとが円周方向に並設するように設けられた蛍光ホイールと、上記蛍光ホイールを回転駆動するモータと、上記蛍光ホイールから出射された光を用いて光像を形成する、複数のマイクロミラーから構成された表示素子と、を備える装置が内蔵したコンピュータが実行するプログラムであって、上記コンピュータを、
上記蛍光ホイールの回転によって上記発光素子からの光の照射位置に上記遮蔽エリアが位置する間に、上記マイクロミラーのオン/オフの反転動作を行うように制御する制御部として機能させるプログラム。
10,10′…プロジェクタ装置、
11…入力部、
12…画像変換部、
13…投影処理部、
14…マイクロミラー素子(表示素子)、
15…光源部、
16…ミラー、
17…投影レンズ部、
18…デジタル電源、
19…CPU、
20…メインメモリ、
21…プログラムメモリ、
22…操作部、
23…音声処理部、
24…スピーカ部、
31…蛍光ホイール、
31B1,31B2…遮蔽エリア、
31G…緑色光反射エリア(蛍光光反射エリア)、
31T…透過エリア、
41…蛍光ホイール、
41B1,41B2…遮蔽エリア、
41G…緑色光反射エリア(第1の蛍光光反射エリア)、
41R…赤色光反射エリア(第2の蛍光光反射エリア)、
SB…システムバス。

Claims (12)

  1. 発光素子からの光を透過させる第1エリアと、上記発光素子からの光を遮蔽する第2エリアと、が異なるタイミングで上記発光素子からの光の光路を通過するように設けられた基材と、
    マイクロミラーを複数有し、上記基材から出射された光を用いて光像を形成する表示素子と、
    上記発光素子からの光の光路上に、上記第1エリアと上記第2エリアのうち、上記第2エリアが位置する間で、且つ、上記発光素子からの光が上記マイクロミラーに照射されない間に、上記マイクロミラーのオン/オフの反転動作を行うように制御する制御部と、
    を備える投影装置。
  2. 発光素子からの光を透過させる第1エリアと、上記発光素子からの光を遮蔽する第2エリアと、が異なるタイミングで上記発光素子からの光の光路を通過するように設けられた基材と、
    マイクロミラーを複数有し、上記基材から出射された光を用いて光像を形成する表示素子と、
    上記発光素子からの光の光路上に、上記第1エリアと上記第2エリアのうち、上記第2エリアが位置する間で、且つ、上記発光素子からの光がマイクロミラーに照射されない間に、上記マイクロミラーのオン/オフの反転動作を行うように制御する制御部と、
    上記表示素子で形成された光像を被投影対象に向けて投影する投影部と、
    を備え、
    上記第2エリアは、上記発光素子からの光を透過せず、且つ上記発光素子からの光を反射しない領域であり、
    上記制御部は、上記発光素子からの光の光路上に上記第2エリアが位置する間中、上記発光素子の発光が継続されるように制御する投影装置。
  3. 発光素子からの光を透過させる第1エリアと、上記発光素子からの光を遮蔽する第2エリアと、が異なるタイミングで上記発光素子からの光の光路を通過するように設けられた基材と、
    マイクロミラーを複数有し、上記基材から出射された光を用いて光像を形成する表示素子と、
    上記発光素子からの光の光路上に、上記第1エリアと上記第2エリアのうち、上記第2エリアが位置する間で、且つ、上記発光素子からの光が上記マイクロミラーに照射されない間に、上記マイクロミラーのオン/オフの反転動作を行うように制御する制御部と、
    を備え、
    上記発光素子は、レーザ光を発する半導体レーザを含み、
    上記基材は、上記発光素子からの光を反射させる第3エリアをさらに含み、
    上記第3エリアは、第1の蛍光体が塗布され、上記レーザ光の照射により励起して第1の蛍光光を出射し、反射光として生成する第1の蛍光光反射エリアと、上記第1の蛍光体と異なる波長帯域の第2の蛍光体が塗布され、上記レーザ光の照射により励起して第2の蛍光光を出射し、反射光として生成する第2の蛍光光反射エリアと、を含む投影装置。
  4. 記第2エリアは、上記発光素子からの光を透過せず、且つ上記発光素子からの光を反射しない領域である
    請求項1又は3記載の投影装置。
  5. 上記表示素子で形成された光像を被投影対象に向けて投影する投影部を備え、
    上記制御部は、上記発光素子からの光の光路上に上記第2エリアが位置する間中、上記発光素子の発光が継続されるように制御する
    請求項4記載の投影装置。
  6. 上記発光素子は、レーザ光を発する半導体レーザを含み、
    上記基材は、上記発光素子からの光を反射させる第3エリアをさらに含み、
    上記第3エリアは、第1の蛍光体が塗布され、上記レーザ光の照射により励起して第1の蛍光光を出射し、反射光として生成する第1の蛍光光反射エリアと、上記第1の蛍光体と異なる波長帯域の第2の蛍光体が塗布され、上記レーザ光の照射により励起して第2の蛍光光を出射し、反射光として生成する第2の蛍光光反射エリアと、を含む請求項1又は2記載の投影装置。
  7. 上記第2エリアは、上記第1エリアと上記第3エリアとの境界、又は上記第1の蛍光光反射エリアと上記第2の蛍光光反射エリアとの境界に設けられている
    請求項6記載の投影装置。
  8. 上記第2エリアは、上記第1エリアに隣接して設けられている
    請求項1乃至7いずれか記載の投影装置。
  9. 記基材は、上記発光素子からの光の光路上に位置する時間が互いに異なる複数の上記第2エリアを設け、
    上記制御部は、上記発光素子からの光を上記複数の第2エリアのうちの1つに選択的に照射させるよう上記発光素子の発光タイミングを制御する
    請求項6又は7記載の投影装置。
  10. 上記基材を駆動するモータを備え、
    上記制御部は、上記モータの回転により、上記第2エリアの選択と対応して上記基材が動く方向を可変設定する請求項9記載の投影装置。
  11. 発光素子からの光を透過させる第1エリアと、上記発光素子からの光を遮蔽する第2エリアと、が異なるタイミングで上記発光素子からの光の光路を通過するように設けられた基材を備える装置での投影方法であって、
    上記発光素子からの光の光路上に、上記第1エリアと上記第2エリアのうち、上記第2エリアが位置する間で、且つ、上記発光素子からの光が、マイクロミラーを複数有するとともに上記基材から出射された光を用いて光像を形成する表示素子における上記マイクロミラーに照射されない間に、上記マイクロミラーのオン/オフの反転動作を行うように制御する制御工程を有する投影方法。
  12. 発光素子からの光を透過させる第1エリアと、上記発光素子からの光を遮蔽する第2エリアと、が異なるタイミングで上記発光素子からの光の光路を通過するように設けられた基材を備える装置が内蔵したコンピュータが実行するプログラムであって、上記コンピュータを、
    上記発光素子からの光の光路上に、上記第1エリアと上記第2エリアのうち、上記第2エリアが位置する間で、且つ、上記発光素子からの光が、マイクロミラーを複数有するとともに上記基材から出射された光を用いて光像を形成する表示素子における上記マイクロミラーに照射されない間に、上記マイクロミラーのオン/オフの反転動作を行うように制御する制御部として機能させるプログラム。
    異なるタイミングで上記発光素子からの光光路を通過するように設けられた基材と、上記発光素子からの光の光路上に、上記第1エリアと上記第2エリアのうち、上記第2エリアが位置する間で、且つ、上記発光素子からの光がマイクロミラーに照射されない間に、上記マイクロミラーのオン/オフの反転動作を行うように制御する制御部と、を備える。
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