JP7107314B2 - Dc-dcコンバータ、スイッチ素子による電圧降下を測定する方法、スイッチ素子の故障を検知する方法、3相インバータ - Google Patents

Dc-dcコンバータ、スイッチ素子による電圧降下を測定する方法、スイッチ素子の故障を検知する方法、3相インバータ Download PDF

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Description


本発明は、DC-DCコンバータ、およびスイッチ素子による電圧降下を測定する方法、スイッチ素子の故障を検知する方法、3相インバータに関する。





DC-DCコンバータに含まれるスイッチ素子による電圧降下を測定する方法として、スイッチ素子の両端電圧を検出する方法が採られることは知られている。例えば特許文献1には、スイッチ素子の両端電圧を検出する検出部を備えた昇圧チョッパ回路が開示されている。





日本国特許公報:特許第5454819号公報



ところで、昇圧形のDC-DCコンバータにおいて、出力電圧を制御するためのスイッチ素子がオンである場合のスイッチ素子の両端電圧を精度良く測定することは困難である。これは、スイッチ素子がオンの場合(導通時)とオフの場合(非導通時)とでスイッチ素子の両端電圧の差が大きいためである。すなわち、スイッチ素子の両端電圧の変動幅が大きい場合に、スイッチ素子がオンのときの低電圧側の両端電圧を観測するためにオシロスコープの感度を上げると、オシロスコープ内部の増幅器が飽和する等の影響によってスイッチ素子の両端電圧を精度良く測定することができない。





そこで、スイッチ素子の両端電圧を定電圧ダイオードによって所定電圧にクランプし、代替的に定電圧ダイオードの両端電圧を観測することで、スイッチ素子がオンの場合の両端電圧を測定することが考えられる。しかし、以下の理由から、定電圧ダイオードの両端電圧を観測することが困難である。



すなわち、スイッチ素子の両端電圧が高電圧となるときに定電圧ダイオードに流れる電流を当該定電圧ダイオードの定格電流以下とするために、比較的高い抵抗値の抵抗素子を定電圧ダイオードと直列に接続する必要がある。当該抵抗素子に起因してスイッチ素子がオフからオンへ切り替わるときに定電圧ダイオードの放電に遅れが生ずるため、定電圧ダイオードの両端電圧が定常状態となるのに時間が掛かり、定電圧ダイオードの両端電圧を観測することが困難となる。スイッチ素子を高い周波数で動作させた場合、定電圧ダイオードの放電の遅れが特に問題となる。



なお、上記課題は、DC-DCコンバータに限らず、3相インバータに対しても当てはまる。





そこで、本発明は、DC-DCコンバータあるいは3相インバータにおいて、スイッチ素子の導通時の両端電圧を精度良く測定することを目的とする。





本願の例示的な第1発明は、入力電圧を昇圧させて出力電圧を得るDC-DCコンバータであって、低電位側の第1ノードと高電位側の第2ノードとの間を導通させる第1状態、又は導通させない第2状態のいずれかの状態となるスイッチ素子と、閾値電圧として、前記スイッチ素子が前記第1状態のときの前記第1ノードと前記第2ノードとの間の電圧よりも高い降伏電圧又は順方向電圧を有する第1ダイオードと、前記第1ダイオードに接続される第2ダイオードと、を備え、前記第1ダイオードの一方の端子である第1端子は、前記第1ノードに接続され、前記第2ダイオードのアノード端子は、前記第1ダイオードの他方の端子である第2端子に接続され、かつ前記第2ダイオードのカソード端子は、前記第2ノードに接続され、前記スイッチ素子が前記第2状態である場合に、前記第1ダイオードの両端電圧が前記閾値電圧となり、前記スイッチ素子が前記第1状態である場合に、前記第1ダイオードの両端電圧が前記閾値電圧未満となる。





本発明によれば、DC-DCコンバータあるいは3相インバータにおいて、スイッチ素子の導通時の両端電圧を精度良く測定することができる。





図1は、第1の実施形態に係る昇圧形DC-DCコンバータの回路図である。 図2は、比較例に係る昇圧形DC-DCコンバータの回路図である。 図3は、比較例に係る昇圧形DC-DCコンバータにおいて、NMOSトランジスタがオン・オフを繰り返すときの各部の電圧波形を示すタイミングチャートである。 図4aは、第1の実施形態に係る昇圧形DC-DCコンバータにおいて、NMOSトランジスタがオフの状態のときの動作を説明する図である。 図4aは、第1の実施形態に係る昇圧形DC-DCコンバータにおいて、NMOSトランジスタがオンの状態のときの動作を説明する図である。 図5は、第1の実施形態に係る昇圧形DC-DCコンバータにおいて、NMOSトランジスタがオン・オフを繰り返すときの各部の電圧波形を示すタイミングチャートである。 図6は、第2の実施形態に係る昇圧形DC-DCコンバータの回路図である。 図7aは、第2の実施形態に係る昇圧形DC-DCコンバータにおいて、NMOSトランジスタがオフの状態のときの動作を説明する図である。 図7bは、第2の実施形態に係る昇圧形DC-DCコンバータにおいて、NMOSトランジスタがオンの状態のときの動作を説明する図である。 図8は、第2の実施形態に係る昇圧形DC-DCコンバータにおいて、NMOSトランジスタがオン・オフを繰り返すときの各部の電圧波形を示すタイミングチャートである。 図9は、第2の実施形態の変形例に係る昇圧形DC-DCコンバータの回路図である。 図10は、第3の実施形態に係る昇圧形DC-DCコンバータの回路図である。 図11aは、第3の実施形態に係る昇圧形DC-DCコンバータにおいて、NMOSトランジスタがオフの状態のときの動作を説明する図である。 図11bは、第3の実施形態に係る昇圧形DC-DCコンバータにおいて、NMOSトランジスタがオンの状態のときの動作を説明する図である。 図12は、第4の実施形態に係る3相インバータの回路図である。 図13は、図8のタイミングチャートの一部の拡大図である。



(1)第1の実施形態 第1の実施形態に係る昇圧形DC-DCコンバータ1について、図1~5を参照して説明する。





(1-1)本実施形態に係る昇圧形DC-DCコンバータ1の構成



図1は、本実施形態に係る昇圧形DC-DCコンバータ1の回路図である。図1に示すように、本実施形態の昇圧形DC-DCコンバータ1は、直流電圧源VG1による入力電圧を昇圧させて負荷Rに出力電圧を供給する非絶縁型コンバータである。昇圧形DC-DCコンバータ1は、基本的な昇圧回路の構成として、インダクタL1、ダイオードD1、キャパシタC1、および、スイッチ素子の一例としてのNMOSトランジスタQ1を含む。





直流電圧源VG1の負極端子はノードN1(第1ノードの一例)に接続され、直流電圧源VG1の正極端子はインダクタL1の一方の端子に接続されている。ノードN1の電位は基準電位(本実施形態の例では、接地電位)である。以下の説明において「電圧」は、特記しない限り、ノードN1の電位を基準とした電位差を意味する。



インダクタL1の他方の端子は、NMOSトランジスタQ1のドレイン端子とダイオードD1のアノード端子とに接続されている。ダイオードD1のカソード端子とノードN1の間には、負荷Rと並列にキャパシタC1が接続されている。





NMOSトランジスタQ1のソース端子は、低電位側のノードN1に接続されている。NMOSトランジスタQ1のドレイン端子は、インダクタL1とダイオードD1の間のノードである高電位側のノードN2(第2ノードの一例)に接続されている。NMOSトランジスタQ1のゲート端子には、NMOSトランジスタQ1をオンさせてノードN1とノードN2を導通させる状態(第1状態)、又は、NMOSトランジスタQ1をオフさせてノードN1とノードN2を導通させない状態(第2状態)とするゲート電圧Vが印加される。ゲート電圧Vは例えばパルス波形の電圧である。





本実施形態の昇圧形DC-DCコンバータ1では、NMOSトランジスタQ1をオンにすると、インダクタL1に電流が流れてインダクタL1にエネルギーに蓄積される。このとき、ダイオードD1は非導通状態となっており、負荷Rに対してキャパシタC1から電流が供給される。



他方、NMOSトランジスタQ1をオフにすると、インダクタL1に蓄積されたエネルギーが逆起電力として放出されて、ダイオードD1が導通状態となる。そのため、インダクタL1に流れる電流は、キャパシタC1を充電すると同時に負荷Rへも供給される。このとき、負荷Rにかかる出力電圧は、直流電圧源VG1による入力電圧とインダクタL1で生ずる逆起電力の和からダイオードD1の順方向電圧を引いた値となる。





NMOSトランジスタQ1がオフのときのノードN2の電圧は極めて高い値(例えば、200V)となる一方で、NMOSトランジスタQ1がオンのときのノードN2の電圧は0Vに近い値となる。そのため、従来技術では、NMOSトランジスタQ1がオンのときのノードN1とノードN2の間の電圧降下(すなわち、ドレイン-ソース間の電圧VDS)を直接オシロスコープで測定することが困難である点は既に述べたとおりである。なお、以下の説明では、NMOSトランジスタQ1がオンのときのNMOSトランジスタQ1によるノードN1とノードN2の間の電圧降下を「オン電圧」という。



本実施形態の昇圧形DC-DCコンバータ1は、NMOSトランジスタQ1のオン電圧を正確に測定するために、図1に示すように、定電圧ダイオード(ツェナーダイオード)ZD11,ダイオードD12および抵抗素子R1を含む。



なお、本実施形態において、定電圧ダイオードZD11,ダイオードD12は、それぞれ第1ダイオード、第2ダイオードの一例である。





定電圧ダイオードZD11は、閾値電圧として、NMOSトランジスタQ1のオン電圧よりも高い降伏電圧を有する。すなわち、第1ダイオードは、閾値電圧として、スイッチ素子が第1状態のときの第1ノードと第2ノードとの間の電圧よりも高い降伏電圧を有する。



定電圧ダイオードZD11のアノード端子(第1端子の一例)はノードN1に接続されている。すなわち、第1ダイオードの一方の端子である第1端子は、第1ノードに接続されている。



NMOSトランジスタQ1がオフ(第2状態)である場合に、定電圧ダイオードZD11の両端電圧が降伏電圧(閾値電圧の一例)となり、NMOSトランジスタQ1がオン(第1状態)である場合に、定電圧ダイオードZD11の両端電圧が降伏電圧未満となる。すなわち、スイッチ素子が第2状態である場合に、第1ダイオードの両端電圧が閾値電圧となり、スイッチ素子が第1状態である場合に、第1ダイオードの両端電圧が閾値電圧未満となる。



本実施形態のNMOSトランジスタQ1のオン電圧を測定する方法では、NMOSトランジスタQ1のドレイン-ソース間の電圧VDSを直接測定するのではなく、代替的に定電圧ダイオードZD11の両端電圧VD11の測定値を取得する。





ダイオードD12は、定電圧ダイオードZD11に接続されている。すなわち、第2ダイオードは、第1ダイオードに接続されている。



ダイオードD12のアノード端子は、定電圧ダイオードZD11のカソード端子(第2端子の一例)に接続され、かつダイオードD12のカソード端子は、ノードN2に接続されている。すなわち、第2ダイオードのアノード端子は、第1ダイオードの他方の端子である第2端子に接続され、かつ第2ダイオードのカソード端子は、第2ノードに接続されている。



定電圧ダイオードZD11のカソード端子とノードN2との間に、抵抗素子R1(第1抵抗素子の一例)がダイオードD12と並列に接続されている。すなわち、第1抵抗素子は、第1ダイオードの第2端子と第2ノードとの間に、第2ダイオードと並列に接続されている。抵抗素子R1は、ノードN2が高電圧になる場合に定電圧ダイオードZD11に流れ込む電流を制限するための抵抗素子である。前述したように、NMOSトランジスタQ1がオフのときにノードN2は高電圧となるため、抵抗素子R1の抵抗値は、定電圧ダイオードZD11に流れ込む電流が定電圧ダイオードZD11の定格電流を超えないように大きな値とする。





(1-2)比較例に係る昇圧形DC-DCコンバータ100の構成および動作



次に、比較例に係る昇圧形DC-DCコンバータ100の構成および動作について、図2および図3を参照して説明する。図2は、比較例に係る昇圧形DC-DCコンバータ100の回路図である。図3は、比較例に係る昇圧形DC-DCコンバータ100において、NMOSトランジスタQ1のゲート電圧V、ドレイン-ソース間の電圧VDS、および定電圧ダイオードZD11の両端電圧VD11のタイミングチャートの一例である。



昇圧形DC-DCコンバータ100は、本実施形態の昇圧形DC-DCコンバータ1との比較のために提示されるに過ぎず、本発明の一実施形態ではない。



図2に示すように、比較例に係る昇圧形DC-DCコンバータ100は、ダイオードD12が抵抗素子R1と並列に接続されていない点で、本実施形態の昇圧形DC-DCコンバータ1とは異なる。





図3に示す例では、NMOSトランジスタQ1のゲート電圧Vのデューティ比が50%である場合を示している。時刻t1~t2,t3~t4,t5~t6においてNMOSトランジスタQ1がオフし、時刻t2~t3,t4~t5,t6~t7においてNMOSトランジスタQ1がオンする。ノードN1とノードN2の間の電圧、すなわちNMOSトランジスタQ1のドレイン-ソース間電圧VDSは、NMOSトランジスタQ1がオフのときに高電圧Vhとなり、NMOSトランジスタQ1がオンのときに比較的低電圧(つまり、オン電圧)となる。





NMOSトランジスタQ1がオフの場合(つまり、ドレイン-ソース間電圧VDSが高電圧の場合)には、定電圧ダイオードZD11の両端電圧VD11は降伏電圧Vになる。しかし、NMOSトランジスタQ1がオフからオンに切り替わる場合、図3に示すように、定電圧ダイオードZD11の両端電圧VD11が降伏電圧Vから低下するときの応答性が低い(例えば、時刻t2~t3の電圧VD11の波形を参照)。そのため、電圧VD11が定常状態のオン電圧に達する前にNMOSトランジスタQ1がオンからオフに切り替わることから、オン電圧を測定することができないという問題がある。これは、上述したように、抵抗素子R1の抵抗値が大きいことから、定電圧ダイオードZD11の寄生容量(接合容量)に蓄積された電荷を放電するときの時定数が大きいためである。NMOSトランジスタQ1を高速でスイッチングを行う場合には、NMOSトランジスタQ1のオン期間が短いため、特に電圧VD11の低応答性が問題となる。





(1-3)本実施形態に係る昇圧形DC-DCコンバータ1の動作およびオン電圧の測定



次に、図4a、図4b、および図5を参照して、本実施形態に係る昇圧形DC-DCコンバータ1の動作について説明する。図4aは、本実施形態に係る昇圧形DC-DCコンバータ1において、NMOSトランジスタQ1がオフの状態のときの動作を説明する図である。図4bは、本実施形態に係る昇圧形DC-DCコンバータ1において、NMOSトランジスタQ1がオンの状態のときの動作を説明する図である。図5は、本実施形態に係る昇圧形DC-DCコンバータ1において、NMOSトランジスタQ1のゲート電圧V、ドレイン-ソース間の電圧VDS、および定電圧ダイオードZD11の両端電圧VD11のタイミングチャートの一例である。



なお、図4aおよび図4bは、説明のために定電圧ダイオードZD11の寄生容量Cjを示している点で、図1とは異なる。図5において、NMOSトランジスタQ1のゲート電圧Vおよびドレイン-ソース間電圧VDSは、図3と同じである。





NMOSトランジスタQ1がオフのときの本実施形態の昇圧形DC-DCコンバータ1の動作は、比較例に係る昇圧形DC-DCコンバータ100と同じである。すなわち、図4aに示すように、インダクタL1に流れる電流は、キャパシタC1を充電すると同時に負荷Rへも供給される。さらに、インダクタL1を流れる電流は、ノードN2を経由して抵抗素子R1と定電圧ダイオードZD11を流れる。このとき、定電圧ダイオードZD11の両端電圧VD11は降伏電圧Vとなり、寄生容量Cjには電荷が蓄積される。



ノードN2が高電圧であるため、ダイオードD12には電流は流れない。





他方、NMOSトランジスタQ1がオンのときの本実施形態の昇圧形DC-DCコンバータ1の動作は、比較例に係る昇圧形DC-DCコンバータ100とは異なる。



図4bに示すように、NMOSトランジスタQ1がオフからオンに切り替わると、ノードN1とノードN2が導通する。それと同時に、定電圧ダイオードZD11の寄生容量Cjに蓄積されていた電荷が、ダイオードD12→ノードN2→NMOSトランジスタQ1→ノードN1の経路によって素早く放電される。その結果、図5に示すように、昇圧形DC-DCコンバータ1では、NMOSトランジスタQ1がオフからオンに切り替わる場合において、降伏電圧Vから低下するときの定電圧ダイオードZD11の両端電圧VD11の応答性が高い。





NMOSトランジスタQ1がオンであるときには、抵抗素子R1および定電圧ダイオードZD11にはほとんど電流が流れないため、ノードN1とノードN2の間の電圧は、定常状態では、定電圧ダイオードZD11の両端電圧VD11(降伏電圧V未満の値)と同一となる。従って、本実施形態におけるスイッチ素子が第1状態のときのスイッチ素子による電圧降下を測定する方法では、スイッチ素子による電圧降下として、スイッチ素子が第1状態のときの第1ダイオードの両端電圧の測定値を取得する。



図5に示す例では、NMOSトランジスタQ1がオフからオンに切り替わった直後には、抵抗素子R1、ダイオードD12の順方向電圧降下および寄生容量の影響により、定電圧ダイオードZD11の両端電圧VD11はマイナス側にアンダーシュートした状態となる。しかし、NMOSトランジスタQ1がオンに切り替わってからしばらく経過した後の時刻(例えば、時刻t3や時刻t5に近い時刻)には、電圧VD11は比較的安定した値となる。そこで、本実施形態のNMOSトランジスタQ1のオン電圧を測定する方法では、NMOSトランジスタQ1がオンに切り替わってからしばらく経過した後の時刻の定電圧ダイオードZD11の両端電圧VD11の測定値を取得することが好ましい。それによって、当該方法では、NMOSトランジスタQ1のオン電圧を精度良く測定することができる。





(2)第2の実施形態



次に、第2の実施形態に係る昇圧形DC-DCコンバータ1Aについて、図6~9を参照して説明する。





(2-1)本実施形態に係る昇圧形DC-DCコンバータ1Aの構成



図6は、本実施形態に係る昇圧形DC-DCコンバータ1Aの回路図である。なお、以下の説明では、図1と同一の構成要素については同一符号を付し、重複説明を省略する。



図6に示すように、本実施形態の昇圧形DC-DCコンバータ1Aは、定電圧ダイオードZD21(第1ダイオードの一例)と、直流電圧源VG2と、抵抗素子R22と、ダイオードD22(第2ダイオードの一例)とを有する。





定電圧ダイオードZD21は、閾値電圧として、NMOSトランジスタQ1がオンのときのノードN1とノードN2との間の電圧よりも高い降伏電圧を有する。すなわち、第1ダイオードは、閾値電圧として、スイッチ素子が第1状態のときの第1ノードと第2ノードとの間の電圧よりも高い降伏電圧を有する。



定電圧ダイオードZD21のアノード端子(第1端子の一例)はノードN1に接続されている。すなわち、第1ダイオードの一方の端子である第1端子は、第1ノードに接続されている。本実施形態のNMOSトランジスタQ1のオン電圧を測定する方法では、NMOSトランジスタQ1のドレイン-ソース間の電圧VDSを直接測定するのではなく、代替的に定電圧ダイオードZD21の両端電圧VD21の測定値を取得する。



ダイオードD22は、定電圧ダイオードZD21に接続されている。すなわち、第2ダイオードは、第1ダイオードに接続されている。



ダイオードD22のアノード端子は、定電圧ダイオードZD21のカソード端子(第2端子の一例)に接続されている。定電圧ダイオードZD21のアノード端子は、ノードN1に接続されている。ダイオードD22のカソード端子は、ノードN2に接続されている。すなわち、第2ダイオードのアノード端子は、第1ダイオードの他方の端子である第2端子に接続され、かつ第2ダイオードのカソード端子は、第2ノードに接続されている。





直流電圧源VG2の負極端子はノードN1に接続されている。直流電圧源VG2の正極端子と定電圧ダイオードZD21のカソード端子との間には、抵抗素子R22(第2抵抗素子の一例)が接続されている。すなわち、第2抵抗素子は、直流電圧源の正極端子と第1ダイオードの第2端子との間に接続されている。直流電圧源VG2の電圧値は、NMOSトランジスタQ1がオフのときに定電圧ダイオードZD21のカソード端子の電圧が定電圧ダイオードZD21の降伏電圧となるように、当該降伏電圧よりも高い値である。





(2-2)本実施形態に係る昇圧形DC-DCコンバータ1Aの動作およびオン電圧の測定



次に、図7a、図7b、および図8を参照して、本実施形態に係る昇圧形DC-DCコンバータ1Aの動作について説明する。図7aは、本実施形態に係る昇圧形DC-DCコンバータ1Aにおいて、NMOSトランジスタQ1がオフの状態のときの動作を説明する図である。図7bは、本実施形態に係る昇圧形DC-DCコンバータ1Aにおいて、NMOSトランジスタQ1がオンの状態のときの動作を説明する図である。図8は、本実施形態に係る昇圧形DC-DCコンバータ1Aにおいて、NMOSトランジスタQ1のゲート電圧V、ドレイン-ソース間の電圧VDS、および定電圧ダイオードZD21の両端電圧VD21のタイミングチャートの一例である。



図8において、NMOSトランジスタQ1のゲート電圧Vおよびドレイン-ソース間電圧VDSは、図5と同じである。





図7aに示すように、NMOSトランジスタQ1がオフのときにインダクタL1に流れる電流は、キャパシタC1を充電すると同時に負荷Rへも供給されるが、逆方向に接続されたダイオードD22によって定電圧ダイオードZD21に流れ込むことはない。



一方、直流電圧源VG2から抵抗素子R22を経由して定電圧ダイオードZD21に電流が流れることによって、定電圧ダイオードZD21の両端電圧は降伏電圧Vとなり、定電圧ダイオードZD21の寄生容量Cjには電荷が蓄積される。





図7bに示すように、NMOSトランジスタQ1がオフからオンに切り替わると、ノードN1とノードN2が導通する。それと同時に、定電圧ダイオードZD21の寄生容量Cjに蓄積されていた電荷が、ダイオードD22→ノードN2→NMOSトランジスタQ1→ノードN1の経路によって放電される。このとき、第1の実施形態とは異なり寄生容量Cjに蓄積されていた電荷を放電するときの放電経路に抵抗素子がないこと、および、ダイオードD22のアノード端子側に直流電圧源VG2が設けられていることから、電荷の放電は極めて速く行われる。



その結果、図8に示すように、NMOSトランジスタQ1がオフからオンに切り替わる場合、定電圧ダイオードZD21の両端電圧VD21が降伏電圧Vから低下した直後から、安定した測定値VL(降伏電圧V未満の値)を示すようになる。





なお、直流電圧源VG2によってダイオードD22には順方向電圧降下が生じており、電圧VD21の測定値VLには、NMOSトランジスタQ1のオン電圧に、ダイオードD22の順方向電圧Vfが加わった値となっている。そこで、本実施形態のNMOSトランジスタQ1のオン電圧を測定する方法では、定電圧ダイオードZD21の両端電圧VD21の測定値VLを取得した後、測定値VLからダイオードD22の順方向電圧Vfを減ずるようにする。従って、本実施形態において、スイッチ素子が第1状態のときのスイッチ素子による電圧降下を測定する方法では、スイッチ素子が第1状態のときの第1ダイオードの両端電圧の測定値を取得し、測定値から第2ダイオードの順方向電圧を減ずることにより、スイッチ素子による電圧降下を算出する。それによって、当該方法では、NMOSトランジスタQ1のオン電圧を精度良く測定することができる。





(2-3)第2の実施形態の変形例



図9を参照して、第2の実施形態の変形例について説明する。図9は、第2の実施形態の変形例に係る昇圧形DC-DCコンバータ1Bの回路図である。



図6に示した第2の実施形態に係る昇圧形DC-DCコンバータ1Aでは、NMOSトランジスタQ1のオン電圧を測定するために、定電圧ダイオードZD21の両端電圧VD21の測定値からダイオードD22の順方向電圧Vfを減ずる必要がある。そこで、電圧VD21の測定値からダイオードD22の順方向電圧Vfを減ずる必要がないように、ダイオードD22をオン抵抗が極めて低いスイッチ素子に置き換えてもよい。



図9に示すように、第2の実施形態の変形例に係る昇圧形DC-DCコンバータ1Bは、ノードN2と定電圧ダイオードZD21のカソード端子の間に、ダイオードD22に代えて、スイッチ素子S1を有する。スイッチ素子S1は、NMOSトランジスタQ1と同期してオン/オフされる素子であれば如何なる素子でもよく、例えばMOSFETやIGBT等の半導体素子である。





(3)第3の実施形態



次に、第3の実施形態に係る昇圧形DC-DCコンバータ1Cについて、図10、図11a、および図11bを参照して説明する。



第1および第2の実施形態のNMOSトランジスタQ1のオン電圧を測定する方法では、定電圧ダイオードの両端電圧の測定値を取得したが、その限りではない。本実施形態では、降伏電圧がないダイオードの両端電圧の測定値を取得する場合について説明する。





(3-1)本実施形態に係る昇圧形DC-DCコンバータ1Cの構成



図10は、本実施形態に係る昇圧形DC-DCコンバータ1Cの回路図である。なお、以下の説明では、図6と同一の構成要素については同一符号を付し、重複説明を省略する。



図10に示すように、本実施形態に係る昇圧形DC-DCコンバータ1Cは、図6に示した昇圧形DC-DCコンバータ1Aと比較して、定電圧ダイオードZD21に代えてダイオードD31(第1ダイオードの例)が接続される点で異なる。すなわち、昇圧形DC-DCコンバータ1Cでは、ダイオードD31のアノード端子がダイオードD22のアノード端子に接続され、ダイオードD31のカソード端子がノードN1に接続される。



ダイオードD31は、閾値電圧として、NMOSトランジスタQ1がオン(第1状態)のときのノードN1(第1ノード)とノードN2(第2ノード)との間の電圧(つまり、NMOSトランジスタQ1のオン電圧)よりも高い順方向電圧VFを有する。すなわち、第1ダイオードは、閾値電圧として、前記スイッチ素子が前記第1状態のときの前記第1ノードと前記第2ノードとの間の電圧よりも高い順方向電圧を有する。





本実施形態では、ダイオードD31の順方向電圧VFを十分に大きな値に設定することが好ましい。より具体的には、ダイオードD31の順方向電圧VFは、ダイオードD22の順方向電圧Vfに対してNMOSトランジスタQ1のオン電圧を加えた値よりも大きくする。例えば、ダイオードD22の順方向電圧Vfが0.6Vであって、NMOSトランジスタQ1のオン電圧が最大0.6V程度の場合、ダイオードD31の順方向電圧VFを1.5Vとする。NMOSトランジスタQ1がオフ(第2状態)である場合に、ダイオードD31の両端電圧は順方向電圧(閾値電圧の一例)となり、NMOSトランジスタQ1がオン(第1状態)である場合に、ダイオードD31の両端電圧は順方向電圧未満となる。すなわち、スイッチ素子が第2状態である場合に、第1ダイオードの両端電圧が閾値電圧となり、スイッチ素子が第1状態である場合に、第1ダイオードの両端電圧が閾値電圧未満となる。



本実施形態の直流電圧源VG2の電圧値は、NMOSトランジスタQ1がオフのときにダイオードD31のアノード端子の電圧がダイオードD31の順方向電圧となるように、ダイオードD31の順方向電圧VFよりも高い値である。





ダイオードD31の逆回復時間(Trr)を短くすることが好ましい。ダイオードD31の逆回復時間(Trr)が短い場合、NMOSトランジスタQ1がオフになった後に短時間でダイオードD31に順方向の電流が流れなくなり、ダイオードD31の両端電圧を短時間で順方向電圧VF未満とすることができる。





(3-2)本実施形態に係る昇圧形DC-DCコンバータ1Cの動作およびオン電圧の測定



次に、図11aおよび図11bを参照して、本実施形態に係る昇圧形DC-DCコンバータ1Cの動作について説明する。図11aは、第3の実施形態に係る昇圧形DC-DCコンバータにおいて、NMOSトランジスタがオフの状態のときの動作を説明する図である。図11bは、第3の実施形態に係る昇圧形DC-DCコンバータにおいて、NMOSトランジスタがオンの状態のときの動作を説明する図である。





図11aに示すように、NMOSトランジスタQ1がオフのときには、図7aの場合と同様に、インダクタL1に流れる電流は、逆方向に接続されたダイオードD22によってダイオードD31に流れ込むことはない。



一方、直流電圧源VG2から抵抗素子R22を経由して、順方向に接続されたダイオードD31に電流が流れることによって、ダイオードD31の両端電圧は順方向電圧VF(例えば、1.5V)となり、ダイオードD31の寄生容量Cjには電荷が蓄積される。





図11bに示すように、NMOSトランジスタQ1がオフからオンに切り替わると、ノードN1とノードN2が導通する。それと同時に、定電圧ダイオードZD11の寄生容量Cjに蓄積されていた電荷は、ダイオードD22→ノードN2→NMOSトランジスタQ1→ノードN1の経路によって短時間で放電される。上述したように、ダイオードD31を逆回復時間(Trr)の短いものとすることで、NMOSトランジスタQ1がオフになった後に、より短時間でダイオードD31の両端電圧を順方向電圧VF未満とすることができる。





直流電圧源VG2によってダイオードD22には順方向電圧降下が生じており、ダイオードD31の両端電圧VD31の測定値には、NMOSトランジスタQ1のオン電圧に、ダイオードD22の順方向電圧Vfが加わった値となっている。そこで、本実施形態のNMOSトランジスタQ1のオン電圧を測定する方法では、ダイオードD31の両端電圧VD31の測定値を取得した後、当該測定値からダイオードD22の順方向電圧Vfを減ずるようにする。それによって、当該方法では、NMOSトランジスタQ1のオン電圧を精度良く測定することができる。





(4)第4の実施形態



第1~第3の実施形態で述べた、NMOSトランジスタのオン電圧を精度良く測定することができる方策は、N個(N:2以上の整数)のレグから構成されるブリッジ回路である3相インバータにも適用可能である。本実施形態では、一例として3個(N=3)のレグから構成されるブリッジ回路である3相インバータ2について、図12を参照して説明する。図12は、本実施形態に係る3相インバータ2の回路図である。





図12に示すように、本実施形態の3相インバータ2は、3個のレグLEG1,LEG2,LEG3から構成されるブリッジ回路である。それぞれのレグは、上側(ハイサイド)スイッチ素子と下側(ローサイド)スイッチ素子とを有する。すなわち、レグLEG1は、上側スイッチ素子としてのNMOSトランジスタQ12と、下側スイッチ素子としてのNMOSトランジスタQ11とを有する。レグLEG2は、上側スイッチ素子としてのNMOSトランジスタQ22と、下側スイッチ素子としてのNMOSトランジスタQ21とを有する。レグLEG3は、上側スイッチ素子としてのNMOSトランジスタQ32と、下側スイッチ素子としてのNMOSトランジスタQ31とを有する。



なお、抵抗素子R102,R202,R302はシャント抵抗器であるが、必須の構成要素ではない。





NMOSトランジスタQ11,Q21,Q31は、低電位側のノードN1(第1ノード)と高電位側のノードN21,N22,N23(それぞれ第2ノード)との間を導通させる第1状態、又は導通させない第2状態のいずれかの状態とする。すなわち、それぞれの下側スイッチ素子は、低電位側の第1ノードと高電位側の第2ノードとの間を導通させる第1状態、又は導通させない第2状態のいずれかの状態とする。高電位側のノードN21,N22,N23は、それぞれNMOSトランジスタQ11,Q21,Q31のドレイン端子に接続され、U相電圧(U_phase)、V相電圧(V_phase)、W相電圧(W_phase)となるノードである。





本実施形態の3相インバータ2は、それぞれの下側スイッチ素子が第1状態のときの第1ノードと第2ノードとの間の電圧よりも高い降伏電圧(閾値電圧)を有する第1ダイオードと、第1ダイオードに接続される第2ダイオードと、を備える。図2に示す例では、下側スイッチ素子であるNMOSトランジスタQ11,Q21,Q31に対応して、それぞれ、第1ダイオードとしての定電圧ダイオードZD101,ZD201,ZD301、および、第2ダイオードとしてのダイオードD102,D202,D302が設けられている。図2に示す例では、閾値電圧はとしての定電圧ダイオードZD101,ZD201,ZD301の降伏電圧は、NMOSトランジスタQ11,Q21,Q31のオン電圧よりも高い値に設定されている。





定電圧ダイオードZD101,ZD201,ZD301の一方の端子であるアノード端子は、シャント抵抗器を介してノードN1(第1ノード)に接続されている。すなわち、第1ダイオードの一方の端子である第1端子は、第1ノードに接続されている。



ダイオードD102,D202,D302のアノード端子は、それぞれ定電圧ダイオードZD101,ZD201,ZD301のカソード端子(第2端子の例)に接続されている。第2ダイオードとしてのダイオードD102,D202,D302のカソード端子は、それぞれ第2ノードであるノードN21,N22,N23に接続されている。すなわち、第2ダイオードのアノード端子は、第1ダイオードの他方の端子である第2端子に接続され、かつ第2ダイオードのカソード端子は、第2ノードに接続されている。





NMOSトランジスタQ11,Q21,Q31が第2状態(オフ)である場合に、それぞれに対応する定電圧ダイオードZD101,ZD201,ZD301の両端電圧が閾値電圧となる。NMOSトランジスタQ11,Q21,Q31が第1状態(オン)である場合に、それぞれに対応する定電圧ダイオードZD101,ZD201,ZD301の両端電圧が閾値電圧未満となる。すなわち、下側スイッチ素子が第2状態である場合に、第1ダイオードの両端電圧が閾値電圧となり、下側スイッチ素子が第1状態である場合に、第1ダイオードの両端電圧が閾値電圧未満となる。





上述したように、本実施形態の3相インバータ2では、各下側スイッチ素子であるNMOSトランジスタQ11,Q21,Q31のドレイン端子とソース端子に接続される回路構成は、第1の実施形態において図1に示したNMOSトランジスタQ1と同じである。そして、本実施形態の各下側スイッチ素子であるNMOSトランジスタQ11,Q21,Q31のオン電圧を測定する方法では、定電圧ダイオードZD101,ZD201,ZD301の両端電圧VD101,VD201,VD301の測定値を取得する。それによって、第1の実施形態と同様に、NMOSトランジスタQ11,Q21,Q31のオン電圧を精度良く測定することができる。





以上、本発明の複数の実施形態について説明したが、本発明は上記の各実施形態に限定されない。また、上記の各実施形態は、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更が可能である。例えば、第2および第3の実施形態で説明した構成は第4の実施形態の3相インバータに適用可能である。第2の実施形態の変形例で述べた事項は、第3および第4の実施形態にも適用可能である。



第4の実施形態の3相インバータにおいて、第3の実施形態(図10)と同様の構成を適用する場合には、定電圧ダイオードZD101,ZD201,ZD301に代えて、第1ダイオードとしてそれぞれ降伏電圧がないダイオードが設けられる。その場合、第1ダイオードは、それぞれの下側スイッチ素子が第1状態(オン)のときの第1ノードと第2ノードとの間の電圧よりも高い順方向電圧(閾値電圧)を有する。



上述した各実施形態では、高電位側のノードと低電位側のノードの間を導通あるいは非導通とするスイッチ素子がMOSFETである場合について説明したが、その限りではない。当該スイッチ素子は他の素子、例えばIGBTであってもよい。





(5)NMOSトランジスタQ1のオン電圧の測定値の好ましい利用例



次に、本発明のスイッチ素子の一例であるNMOSトランジスタQ1のオン電圧の測定値の好ましい利用例について説明する。



第1および第2の実施形態の昇圧形DC-DCコンバータ1,1Aでは、定電圧ダイオードZD11,ZD21の降伏電圧を、マイクロコントローラのA/D(Analogue to Digital)変換器に取り込み可能な値以下(例えば、5Vあるいは3.3V等)とすることが好ましい。このような降伏電圧とすることで、定電圧ダイオードの両端電圧の測定値をマイクロコントローラ内でデジタル値に変換し、所定のソフトウェアを実行することで以下の(i)および/または(ii)を実現することができる。



(i) NMOSトランジスタQ1の故障診断(すなわち、NMOSトランジスタQ1が導通しているか否かについての診断)を行うこと



(ii) NMOSトランジスタQ1の温度と、NMOSトランジスタQ1のオン電圧(およびそれと等価なオン抵抗)との既知の関係に基づき、サーミスタを用いずにNMOSトランジスタQ1の温度を推定すること





なお、定電圧ダイオードの降伏電圧がA/D変換器に取り込み可能な値を超える場合には、当該降伏電圧がA/D変換器に取り込み可能な値未満となるように、定電圧ダイオードの両端電圧の測定値を分圧することも考えられる。しかし、その場合には、取り込まれる電圧の分圧値が小さく、上記(i)および/または(ii)を実現する上での閾値の設定が困難となる虞がある。そのため、定電圧ダイオードの両端電圧の測定値を分圧せずに直接、マイクロコントローラに取り込めることが好ましい。





上記(i)に関し、図13を参照して説明する。図13は、第2の実施形態についての図8のタイミングチャートの一部の拡大図である。より具体的には、図13は、図8の時刻t2~t3におけるNMOSトランジスタQ1のゲート電圧Vおよび定電圧ダイオードZD21の両端電圧VD21の波形を拡大した図である。図13には、NMOSトランジスタQ1の故障判断のための閾値THの設定例が表されている。





NMOSトランジスタQ1が正常である場合、NMOSトランジスタQ1がオフ時には、ドレイン-ソース間は導通していないため抵抗無限大であることから、ドレイン-ソース間の電圧が上昇する。NMOSトランジスタQ1が故障して短絡状態の場合、NMOSトランジスタQ1がオフ時には、抵抗値が低くなっているため、ドレイン-ソース間の電圧は上昇しない。



そこで、閾値を設定し、当該閾値と、測定したドレイン-ソース間電圧とを比較することで、NMOSトランジスタQ1の故障検知を行うことが考えられる。NMOSトランジスタQ1がオフ時において、測定したNMOSトランジスタQ1のドレイン-ソース間電圧が上述の閾値THを上回る場合には、マイクロコントローラはNMOSトランジスタQ1が正常であると判断する。NMOSトランジスタQ1がオフ時に、測定したNMOSトランジスタQ1のドレイン-ソース間電圧が閾値THを超えない場合には、マイクロコントローラはNMOSトランジスタQ1が故障してドレイン-ソース間が短絡する異常があると判断する。





また、NMOSトランジスタQ1がオン時に、測定したNMOSトランジスタQ1のドレイン-ソース間電圧が閾値THよりも低い値にならない場合、マイクロコントローラはNMOSトランジスタQ1が故障してドレイン-ソース間が開放となる異常があると判断してもよい。



すなわち、本明細書は、上述した実施形態で述べたDC-DCコンバータにおいて、スイッチ素子としてのNMOSトランジスタQ1の故障を検知する方法を開示する。当該方法は、スイッチ素子による電圧降下として、スイッチ素子が第1状態(オン)のときの第1ダイオードの両端電圧の測定値を取得すること、マイクロコントローラは当該測定値を取り込むこと、マイクロコントローラは測定値をデジタル値に変換すること、マイクロコントローラは当該デジタル値が所定の閾値を越えたかどうかを判断すること、を含む。





閾値THは、マイクロコントローラで実行される上記ソフトウェアのパラメータとして設定される。



閾値THは、例えば以下の(I)および/または(II)の方法により決定してもよい。



(I) NMOSトランジスタQ1のソース側に電流センサを設け、NMOSトランジスタQ1がオンのときの電流値Isを測定する。次いで、当該電流値Isに対して、NMOSトランジスタQ1の仕様書に記載されたドレイン-ソース間オン抵抗(RDS(ON))の最大値を乗算した値を、閾値THとする。



(II) NMOSトランジスタQ1の周囲に温度センサを設け、当該温度センサの測定値およびNMOSトランジスタQ1のゲート電圧Vのデューティ比から上記電流値Isを推定する。次いで、推定した電流値Isに対して、NMOSトランジスタQ1の仕様書に記載されたドレイン-ソース間オン抵抗(RDS(ON))の最大値を乗算した値を、閾値THとする。





NMOSトランジスタQ1のオン電圧の測定値の好ましい利用例について説明したが、かかる利用例は、第4の実施形態の3相インバータにおいて下側スイッチ素子であるNMOSトランジスタQ11,Q21,Q31についても当てはまる。すなわち、図2に示した3相インバータ2において、マイクロコントローラは、下側スイッチとしてのNMOSトランジスタQ11,Q21,Q31の各々のドレイン-ソース間電圧の測定値と閾値THとを比較して、下側スイッチ素子の短絡・開放故障の有無を検知し、それぞれのレグの正常・異常を判断する。





1,1A,1B,1C,100…昇圧形DC-DCコンバータ、2…3相インバータ、VG1,VG2…直流電圧源、L1…インダクタ、D1…ダイオード、Q1,Q11,Q12,Q21,Q22,Q31,Q32…NMOSトランジスタ、R1,R2…抵抗素子、ZD11,ZD21,ZD101,ZD201,ZD301…定電圧ダイオード(第1ダイオードの例)、D31…ダイオード(第1ダイオードの例)、Cj…寄生容量、D12,D22,D102,D202,D302…ダイオード(第2ダイオードの例)、C1…キャパシタ、R…負荷、S1…スイッチ素子、N1,N2,N21,N22,N23…ノード

Claims (5)

  1. 入力電圧を昇圧させて出力電圧を得るDC-DCコンバータであって、
    低電位側の第1ノードと高電位側の第2ノードとの間を導通させる第1状態、又は導通させない第2状態のいずれかの状態となるスイッチ素子と、
    閾値電圧として、前記スイッチ素子が前記第1状態のときの前記第1ノードと前記第2ノードとの間の電圧よりも高い降伏電圧又は順方向電圧を有する第1ダイオードと、
    前記第1ダイオードに接続される第2ダイオードと、
    前記第2ダイオードと並列に接続される第1抵抗素子と、
    を備え、
    前記第1ダイオードの一方の端子である第1端子は、前記第1ノードに接続され、
    前記第2ダイオードのアノード端子は、前記第1ダイオードの他方の端子である第2端子に接続され、かつ前記第2ダイオードのカソード端子は、前記第2ノードに接続され、
    前記第1抵抗素子は、前記第1ダイオードの前記第2端子と前記第2ノードとの間に接続され、
    前記スイッチ素子が前記第2状態である場合に、前記第1ダイオードの両端電圧が前記閾値電圧となり、前記スイッチ素子が前記第1状態である場合に、前記第1ダイオードの両端電圧が前記閾値電圧未満となる、
    DC-DCコンバータ。
  2. 前記第1ダイオードは、定電圧ダイオードである、
    請求項1に記載されたDC-DCコンバータ。
  3. 請求項1に記載されたDC-DCコンバータにおいて、前記スイッチ素子が前記第1状態のときの前記スイッチ素子による電圧降下を測定する方法であって、 前記スイッチ素子による電圧降下として、前記スイッチ素子が前記第1状態のときの前記第1ダイオードの両端電圧の測定値を取得する、
    スイッチ素子による電圧降下を測定する方法。
  4. 請求項1に記載されたDC-DCコンバータにおいて、前記スイッチ素子の故障を検知する方法であって、
    前記スイッチ素子による電圧降下として、前記スイッチ素子が前記第1状態のときの前記第1ダイオードの両端電圧の測定値を取得し、
    マイクロコントローラは、前記測定値を取り込み、
    前記マイクロコントローラは、前記測定値をデジタル値に変換し、
    前記マイクロコントローラは、前記デジタル値が、所定の閾値を越えたかどうかを判断する、
    スイッチ素子の故障を検知する方法。
  5. N個(N:2以上の整数)のレグから構成されるブリッジ回路である3相インバータであって、
    それぞれのレグは、上側スイッチ素子と、下側スイッチ素子とを有し、
    それぞれの下側スイッチ素子は、低電位側の第1ノードと高電位側の第2ノードとの間を導通させる第1状態、又は導通させない第2状態のいずれかの状態とし、
    閾値電圧として、それぞれの前記下側スイッチ素子が前記第1状態のときの前記第1ノードと前記第2ノードとの間の電圧よりも高い降伏電圧又は順方向電圧を有する第1ダイオードと、
    前記第1ダイオードに接続される第2ダイオードと、
    前記第2ダイオードと並列に接続される第1抵抗素子と、
    を備え、
    前記第1ダイオードの一方の端子である第1端子は、前記第1ノードに接続され、
    前記第2ダイオードのアノード端子は、前記第1ダイオードの他方の端子である第2端子に接続され、かつ前記第2ダイオードのカソード端子は、前記第2ノードに接続され、
    前記第1抵抗素子は、前記第1ダイオードの前記第2端子と前記第2ノードとの間に接続され、
    前記下側スイッチ素子が前記第2状態である場合に、前記第1ダイオードの両端電圧が前記閾値電圧となり、前記下側スイッチ素子が前記第1状態である場合に、前記第1ダイオードの両端電圧が前記閾値電圧未満となる、
    3相インバータ。
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