JP7106527B2 - ツール内esd事象選択的監視方法及び装置 - Google Patents

ツール内esd事象選択的監視方法及び装置 Download PDF

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Description

[関連出願の相互参照]
本国際出願は、2016年9月16日に出願された「In-tool ESD Events Selective Monitoring Method And Apparatus」という発明の名称の米国特許出願第15/267,640号の一部継続出願の優先権を主張する。米国特許出願第15/267,640号の全内容は、引用することによって本明細書の一部をなす。
本発明の実施の形態は、包括的には、静電気放電(ESD)事象のツール内監視及び特徴付けのための方法及び装置、及び/又はCDMES/MiniPulse装置及び方法、及び/又は他のタイプの帯電デバイスモデル事象シミュレーター(CDMES)、検出器、及び方法に関する。本明細書において開示された少なくとも1つの方法及び装置は、例えば、集積回路(IC)生産ツール及び/又は異なるプロセスにおけるリアルタイムESD事象監視を提供し、帯電デバイスモデル(CDM)の1つ以上の方法を用いてESD関連障害を防止することを援助する。ESD事象を監視する1つの方法及びモニターを較正するための2つの方法が、本明細書において開示される。
本明細書において提供される背景の説明は、本開示の状況を一般的に提示することを目的としている。本出願に記名された発明者の成果は、その成果がこの背景セクションに記載されている限りにおいて、本開示に対する従来技術として明示的にも暗示的にも認められないとともに、それ以外に出願時において従来技術として適格とすることができない記載の態様も、本開示に対する従来技術として明示的にも暗示的にも認められない。
CDM事象は、電子IC(集積回路)用の手動生産システム及び自動生産システムにおいて生じる静電気放電を表す。生産ツールにおいて、IC(集積回路)は、幾つかの起こり得る方法の単なる例を挙げると、例えば、接触、摩擦、及び/又は近くの電場からの誘導等の多くの方法によって電荷を得る場合がある。ICの導電性部分が、接地された機器の部分又はより低い電位を有する部分と接触すると、蓄積されたIC電荷が自由に自発放電することができる。その結果、比較的高い放電電流(ESD事象)が、ICを破壊又は損傷する場合がある(例えば、図1a及び図1b参照)。
IC構成要素の設計は、通常、ESD効果に対する保護用の特別な手段(又は特定の構成要素)を組み込んでいる。半導体産業は、ICデバイスをテストするための幾つかの標準的な方法を開発してくるとともに、例えば、耐電圧振幅及び耐電流振幅等のそれらのCDM ESD閾値パラメーターを規定してきた。適用可能な標準規格は、自動IC CDMテストのためのテスト装置要件も詳細化している。これらの方法及びデバイスは、IC設計段階、製品検定のための最終テスト、及び損傷を受けたデバイスの障害解析の間に有用である。
しかしながら、従来の技術は、以下で論述するような様々な制約及び/又は不備を欠点として有する。本発明の様々な実施形態による目標は、リアルタイムESD事象の監視並びにIC生産ツール及び製造プロセスにおける較正のための方法及び装置を提供することである。
図1aは、ツール又は処理チャンバーにおける帯電(IC)デバイスCDM事象の一般的な放電モデル100を示している。図1aでは、「MiniPulse(ミニパルス)」(SIMCO-ION) ESD検出器105(又は別のタイプのESD検出器105)が、ESD信号140をインターセプトし、ロボット配置エフェクター115(又は別の好適なタイプのロボットアーム115)が、帯電デバイス125をテストソケット130内に配置する。テストソケット130は、通常、好適なテストベッド131、基部131、又は別の好適なプラットフォーム131上に配置されている。帯電デバイス125がテストソケット130に接近すると、放電(ESD)141が発生し、「MiniPulse」検出器の一部である(MiniPulse検出器105に結合されている)アンテナ135は、この放電事象のESD信号140をインターセプトする。この例では、ESD事象は、ともに異なる電圧電位によって特徴付けられる2つの導電性部分125及び130の間でスパークの形態で生じる放電141である。導電性部分125及び130並びに他の半導体処理機器は、例えば、約2×2フィート、4×4フィート、又は他の寸法等の任意の好適なサイズを有することができるツール又は処理チャンバー132内に存在することができる。
従来の技術及び器具に関連した現在の問題の1つは、ESD検出器を較正することが困難であることにある。この困難さは、例えば、静電気放電事象自体の再現性を提供することが難題であることに起因している。プロセスポイント自体の材料及び構成によって放射電場波形の検出に課される条件に起因する他の困難さが存在する。更に別の大きな問題及び/又は制限は、ツール及びIC生産フロアにおける比較的高い電磁雑音レベルである。したがって、現在の技術及びデバイスは、それらのESD事象検出能力が制限され、少なくとも上記制約及び不備を被る。本発明の実施の形態は、ESD検出器を較正する際のこれらの難題を克服し、生産状況においてESD事象を確実に検出するシステム及び方法を提供する。
図1bは、接触するように移動する2つの導電性部分の間で放電がスパークの形で発生するCDM静電気事象(以下、「崩壊キャパシター(collapsing capacitor)」と呼ぶ)の一般的な例示の電圧/電流波形のスクリーンショットを示している。上部の波形180は、本発明の一実施形態に従って以下で論述するような一例示の出力信号(CDMES(帯電デバイスモデル事象シミュレーター)によって生成される一例示の出力信号と同様の電流パルス)である。下部の波形185は、「MicroESD」単極アンテナ135によって捕捉された結果の入射波形である。
「MiniPulse」検出器105は、アンテナ135によってインターセプトされた信号を受信することが可能な電子回路を備える。この電子回路は、本発明の様々な実施形態において以下で詳細に論述するように、放射されたESDエネルギースペクトル、パルス継続時間及び閾値レベルを含む検出アルゴリズム及び多段フィルタリングに基づいて、この信号が対象となる実際のESD事象であると判断すると、この信号をESD事象としてフィルタリング/分類する。
本発明の1つの実施の形態では、静電気放電(ESD)事象検出器と帯電デバイスモデル事象シミュレーター(CDMES)ユニットとを組み込んだESD事象監視の装置が提供される。前記検出器は、第1のプロセスエリアに位置決めされた少なくとも1つのアンテナと、少なくとも1つのアンテナに結合されたESD検出器と、ツール内/プロセス内較正の間に前記CDMESユニットに無線で結合される前記ESD検出器と、前記CDMESユニットによって生成される種々の放電エネルギーについて較正される前記ESD検出器とを備える。
本発明の更に別の実施の形態では、静電気放電(ESD)事象監視の方法が、静電気検出器を組み込んで、実際の技術的プロセス及び/又はツール内条件における種々の放電エネルギー(CDMES)について較正することと、放電エネルギーの可変閾値に基づいてESD事象の選択的な検出を行うこととを含む。
上記の一般的な説明及び以下の詳細な説明の双方は、例示的かつ説明的なものにすぎず、特許請求の範囲に記載された本発明を限定するものではないことが理解されるべきである。
本明細書に組み込まれて本明細書の一部を構成する添付図面は、本発明の1つ(幾つか)の実施形態を示し、この説明とともに、本発明の原理を説明する役割を果たす。
本発明の非限定的かつ非網羅的な実施形態が、以下の図を参照して説明される。これらの図において、同様の参照符号は、別段の指定がない限り、様々な図の全体を通じて同様の部分を参照することができる。
ツール又は技術的処理チャンバーにおける帯電(例えばIC)デバイスCDM事象の一般的な放電モデルの図である。 接触するように移動する2つの導電性部分の間で放電がスパークの形で発生するCDM静電気事象の一般的な例示の電圧/電流波形のスクリーンショットを示す図である。 本発明の一実施形態による、外部のHVPS(高電圧電源)を有する帯電デバイスモデル事象シミュレーター(CDMES)の全体像の図である。 本発明の一実施形態による、崩壊キャパシターを有するCDMESの図である。 本発明の一実施形態による、帯電デバイスモデル事象シミュレーターを備えるシステム(又は装置)であって、実際の環境(処理エリア)におけるESD事象検出器のための較正方法も提供するように構成されたシステムの図である。 本発明の別の実施形態によるシステム(又は装置)の図である。この図は、処理エリアの変形形態(ツール内処理エリア及びツール外処理エリア)を示し、ESD検出器は、異なる処理エリアに2つのアンテナを有する。 本発明の別の実施形態によるシステム(又は装置)の図である。この図は、ESD検出器とツール内制御システムとの相互作用の一例を示している。 本発明の一実施形態によるツールデバイスハンドリングワークフローの図である。 本発明の一実施形態によるマイクロストリップESDアンテナアセンブリを示す図である。 本発明の一実施形態による開口を有するシールドアンテナを示す図である。 本発明の一実施形態によるマイクロストリップアンテナの空間利得特性を示す図である。 本発明の一実施形態によるESD検出器(MiniPulse)のブロック図である。 SNR(信号対雑音比)フィルターを備える本発明の一実施形態による(例えば、図7に示すような)ESD検出器のESDモニター回路の簡略化された概略図である。 本発明の一実施形態において外部から見たMiniPulse ESD検出器の全体像のブロック図である。 本発明の一実施形態によるMiniPulse ESD較正プロセスのフローチャートである。 本発明の一実施形態によるMiniPulse ESD較正プロセスのフローチャートである。 ESD事象監視の対象物とアンテナとの間の距離に対する信号対雑音比の依存を示すグラフである。 本発明の1つの実施形態による、信号の種々のインピーダンス/減衰におけるアンテナ出力のグラフである。 本発明の1つの実施形態による、信号の種々のインピーダンス/減衰におけるアンテナ出力のグラフである。 本発明の一実施形態による、種々の信号フィルタリングモードにおけるESD事象のカウントのグラフである。 本発明の一実施形態による、種々の信号フィルタリングモードにおけるESD事象のカウントのグラフである。 本発明の一実施形態による、種々の信号フィルタリングモードにおけるESD事象のカウントのグラフである。
本明細書における説明では、本発明の実施形態の十分な理解を提供するために、構成要素、材料、部分、構造、及び/又は方法の例等の多数の具体的な詳細が提供される。しかしながら、当業者であれば、本発明の一実施形態は、これらの具体的な詳細のうちの1つ以上がなくても実施することができるし、他の装置、システム、方法、構成要素、材料、部分、構造等を用いて実施することもできることを認識するであろう。それ以外の場合には、よく知られた構成要素、材料、部分、構造、方法、又は動作は、本発明の実施形態の態様を不明瞭にしないように、詳細に図示も説明もされていない。加えて、図は、本質的に代表的なものであり、それらの形状は、いずれの要素の正確な形状も正確なサイズも示すことを意図しておらず、本発明の範囲を限定することを意図していない。
当業者であれば、図面内の要素又は部分が、別の要素「上に(on)」ある(又は別の要素に「接続されている」又は「結合されている」又は「取り付けられている」)として言及されるとき、その要素又は部分が、その別の要素の上に直接ある(又はその別の要素に直接取り付けられている)可能性もあるし、介在する要素が存在する場合もあることを理解するであろう。さらに、「内部」、「外部」、「上側」、「上」、「下側」、「真下」、「下」、「下方」、「上方」、「に向けて」、及び「から離れて」等の相対的な用語並びに同様の用語は、本明細書においては、或る要素の、別の要素に対する相対的な関係を記述するのに用いられる場合がある。これらの用語は、図に示す向きに加えてデバイスの異なる向きも包含することを意図していることが理解される。
様々な要素、構成要素、部分、領域、層、チャンバー、及び/又はセクションを記述するのに、第1、第2等の用語が本明細書において用いられる場合があるが、これらの要素、構成要素、部分、領域、層、チャンバー、及び/又はセクションは、これらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、或る要素、構成要素、部分、領域、層、チャンバー、又はセクションを別の要素、構成要素、部分、領域、層、チャンバー、又はセクションと区別するのに用いられているにすぎない。そのため、以下で論述する第1の要素、第1の構成要素、第1の部分、第1の領域、第1の層、第1のチャンバー、又は第1のセクションは、本発明の教示から逸脱することなく、第2の要素、第2の構成要素、第2の部分、第2の領域、第2の層、第2のチャンバー、又は第2のセクションと呼ぶこともできる。
加えて、図に示された要素は、本質的に概略であり、それらの形状は、デバイスの要素の正確な形状を示すことを意図しておらず、本発明の範囲を限定することを意図していない。さらに、本明細書において提示された本発明の実施形態の論述に基づくと、当業者であれば、図面内の構成要素の位置及び/又は構成は、異なるサイズ、異なる形状、異なる位置、及び/又は異なる構成に変更することができることを認識するであろう。したがって、図面に示された様々な構成要素は、図面に示されたとおりの構成と異なる他の位置に配置することができる。図面内の構成要素は、本発明の実施形態の機能を説明することを目的として、非限定的な例示の位置に示され、図面内のこれらの構成要素は、他の例示の位置に構成することができる。
本発明の一実施形態による帯電デバイスモデル(CDM)テスト及びESD事象監視システム(又は装置)は、一般に、処理チャンバー(例えば、半導体ツール)が、本質的には、周囲の金属エンクロージャに起因して比較的高い電気雑音レベルを有するエコーチャンバーであることを考慮して開発された。雑音源の例示の要素は、電子機器、ブラシDC(直流)モーター、ロボットアクチュエーター、スイッチ、電気システム等である場合がある。
実際面では、各ツールは、静電気放電事象によって引き起こされる内部電磁場放射を反射する際に固有の特性(例えば、EMI(電磁干渉)ランドスケープ)を有する。CDM事象についての一般的なシナリオは、帯電ICデバイスが、異なる電位のツール又はプロセス要素と接触したときに放電されるということである。誘電体ギャップ(通常は空気)を横切るこの放電は、異なる電位によって形成されたダイポールを崩壊させるか、又は帯電IC部分とツール部分との間に形成されたキャパシターを崩壊させる。本発明の一実施形態は、ESD事象モニターも提供する。このESD事象モニターは、本明細書において「MiniPulse」検出器(MiniPulse/MicroESDアンテナ及びMiniPulse検出器ユニットを備える)又はESDモニターとも呼ばれる。このモニターは、例えば、ワークステーション、電子機器生産ツール、プロセス、及び/又はモバイルアプリケーション用の低コストの事象モニターである。その結果得られる放射電磁パルス波形(放射信号)は、例えば、MiniPulse検出器と、このMiniPulse検出器に通信可能に結合されたアンテナとによって検出される。このパルス波形の検出された場の電圧レベルが、帯電デバイスモデル事象シミュレーター(CDMES)機器を用いて較正された閾値を越えている場合、MiniPulse検出器は、重大なCDM/ESD事象を登録する。
CDM/ESD事象は、例えば、電磁場の短い(通常、約4ナノ秒未満の)継続時間の変化によって特徴付けられ、高いスルーレートを有する誘導電圧(誘導電流)立ち上がり信号をアンテナに生成する。したがって、ツール内ESD監視に関して、用いられる検出システムは、対象となるCDM信号をエコーチャンバー環境内の一般的なツール雑音と区別すべきである。
本発明の様々な実施形態によれば、ESD検出器のための較正方法が提供される。例えば、当該技術分野で知られているCDMESデバイス等の好適な機器を用いて、CDM事象をシミュレーションすることができ、その場合、較正方法が、本発明の一実施形態に従って実行される。例えば、CDM事象の現場での監視は、実際のツール内でICデバイスが導電性ツール要素と接触するポイントにおける一群のスパークギャップ放電をシミュレーションすることによって容易になる。崩壊する帯電キャパシター放電は、所与のICデバイスについて事前に選択された電圧エネルギー閾値におけるCDM事象をシミュレーションする。この手順が完了すると、ツールは、指定レベルにおけるIC(集積回路)CDM ESD事象検出用に較正されていると言うことができる。
CDMESは、1つの実施形態の一例では、放電ギャップ内のオープン移動電極(open moving electrode)を有するデバイスとして構成されている(又は、このデバイスは、水銀リレー若しくはRFリレーとすることもできるし、例えば、リードリレー等の高電圧RFリレーとすることもできる)。
CDM/ESD事象のシミュレーションされた放電は、監視デバイス(MiniPulse)の受信アンテナにおいてインターセプトされて検出される信号を生成する。MiniPulseアンテナ(MicroESDアンテナ)は、MiniPulseに結合され(図3a参照)、MiniPulseが、ESD事象に起因する波形を受信することを可能にしている。CDMES放電電圧/エネルギー、及び/又は予想されるCDM事象発生源に対するMiniPulseアンテナの位置を変更することによって、MiniPulseを現場で較正することができる。
したがって、CDMESは、(ICのような)帯電デバイスがソケットに接近又は接触しているときの放電発生と同様の既知のエネルギー放射スパークを生成する帯電デバイスシミュレーターである。このCDMESは、MiniPulseを較正するのに用いられる。DC電源がCDMESに結合され、任意の又は種々の好適な電源電圧値(例えば、100V、200V、500V、又は他の値)が、CDMES内に駆動される。ESD事象がシミュレーションされるとき、アンテナは、CDMESが生成した放電から波形を検出し、MiniPulseは、アンテナによって検出された波形を捕捉して処理する。CDMESが生成した放電に起因する波形の一例は、例えば、図1bに示されるように、また、以下でも論述されるように、オシロスコープにおいて観測される。
較正プロット及び既知の製品CDM障害閾値に基づくと、ESD閾値電圧レベルをMiniPulse検出器用にセットアップ(又は別の方法で構成)することができる。CDM事象がツール内の実際のIC放電事象の閾値レベルを越えている場合、MiniPulseからの出力アラーム信号が生成され、ツール制御システムに送信することができる。
CDM事象シミュレーターは、CDM事象が発生するツール及びプロセスの内部でESDモニター(検出器)を較正することを可能にするように設計されている。このシミュレーションデバイスは、生産デバイスが最も脆弱であるとともにESD監視センサーが配置されているポイントにおいて生成される種々の電圧振幅の較正されたCDM事象の生成を可能にする。この手法は、損傷を受け易いデバイスのための最高レベルの操作安全性を可能にする。
CDMES(セクション):
CDMESバージョン/例:CDM事象を生成する機械的ギャップを有する「崩壊キャパシター」(図2a及び図2b参照)。
CDM事象シミュレーター(CDMES)のこのバージョン又は実施形態は、機械的ギャップを用いて、制御された放電事象を生成し、帯電ICと、異なる電位にある対象物(ターゲット)又は接地基準のいずれかとの間で発生する静電気放電をシミュレーションする。この機械的ギャップは、崩壊キャパシターを形成する2つの小さなプレートの間にあり、崩壊キャパシターは、接点を有する1つの帯電プレートと、第2の接点を有する1つの接地プレートとを備える。
具体的には、この実施形態は、デバイスと接地との間の転送電流の高速単一ピークパルス波形によって特徴付けられる帯電デバイスモデル(CDM)放電タイプをモデル化する。CDMES電源回路は、高抵抗(例えば、約100メガオーム以上まで)を組み込んで、機械的ギャップ間の電圧が高くなる(約25V~約3000Vの範囲)とともに、印加電流がこの範囲にわたって約10マイクロアンペア未満となるようにしている。
静電気放電は、任意の帯電接触及び一般的な接地接触について発生する(図1a及び図1b参照)。したがって、CDMES206(図2a)がDC電源電圧205によって帯電しているとき、CDMES206は、ESD事象をシミュレーションすることになる。
オシロスコープ上に再現されるような処理されたCDMパルスは、電流パルス波形のグラフであり、全ての標準規格文書(IEC61000-4-2、ISO10605、JESD22-C101E)において参照されるこれまでのCDM波形に対応する。生成された波形は、形式的なデバイステスト機械(例として、上記で参照された標準規格参照)がデバイスESD感受性を評価するのに用いる入力CDMパルス波形にも対応する。これが、このタイプの崩壊キャパシターCDMESが、ツール及び他の処理エリアにおいて用いられる便利な較正器具を提供する理由である。
図2aは、本発明の一実施形態による、外部のHVPS(高電圧電源)205を有する帯電デバイスモデル事象シミュレーター(CDMES)206を備えるシステム200の全体像の図である。本発明の一実施形態によれば、CDMES206は、放電ヘッド201を有し、放電ヘッド201は、ハンドルトリガーメカニズム202に取り付けられている。EM(電磁)トランスペアレント放電ヘッドエンクロージャ(例えば、Delrin製)は、崩壊キャパシターを収容している。この崩壊キャパシターは、外部のDC HVPS(高電圧電源)205に電気的に結合されている。高電圧電力ケーブル204は、電力を放電ヘッド201に接続する。ケーブル203は、放電ヘッド201を共通接地207と接続する。
図2bは、本発明の一実施形態による崩壊キャパシターを有するCDMES206の図である。「崩壊」キャパシターを有するCDMES206の機械的構造は、以下の特徴を備える。
基本的なCDMES206は、互いに近接した2つのPCB(プリント回路基板)の双方にある導電性プレートによって作製/構成されたキャパシターを用いる。(CDMES206内の)帯電PCB220は、ハンドル202の端部にあるテストボタン222を押下することによって移動可能である一方、(CDMES206内の)他のPCB224は固定されている。
(CDMES206の内部の)このアセンブリ全体は、例えば、電力コネクタ225、接地コネクタ226及びハンドル202が取り付けられたDelrinハウジング内に収容されている。移動可能帯電PCB220の電圧プレート228は、高値抵抗器215を通じて所望のテスト電圧に帯電される。
(固定PCB224の)固定プレート230は、絶縁された「ポゴピン(pogo pin)」接触子232(又は別の好適なタイプの接触子232)を取り囲む接地面を収容している。この接触子232は、ケーブル234を通じて(接地コネクタ226を介して)接地214に接続されている。
CDMESボタン222が押下されると、帯電基板220は、固定基板224に向かって物理的に移動される。PCBが接触する直前に、ESD事象がポゴピン接触子232に対して発生し、それによって、プレート228及び230によって形成されたキャパシター235は放電される。慎重な設計によって、接触子の跳ね返り、鳴響等が解消され、それによって、「MiniPulse」ESDモニター又は他のESDモニターを較正するのに用いることができるクリーンなESD事象が残される。CDMESボタン222が解放されると、移動可能PCB220は、その弛緩位置に戻り、再度帯電され、次のESD事象テストの準備が完了する。
適切な電源205が、約25ボルトから4000ボルトまでの所望のテスト電圧を生成するのに用いられる。基板220及び(基板220上の)電極236に電力を供給するために、テスト電圧、すなわち、例えば、約100MΩの抵抗器215によって制限される電流が、入力コネクタ225に印加される。この電流は、可撓性ワイヤ240を通じて移動可能な荷電プレート(charge plate)PCB220の平面228に接続された内部の30MΩ抵抗器列238によって更に制限される。別の好適なタイプの抵抗器238を用いて、PCB基板220への電流を制限することもできる。
ターゲットPCB224に近接した(例えば、約0.35インチ)この基板220は、所望のフルテスト電圧に帯電されるキャパシター「C」235を生み出す。テストパルスを生成するために、ばね242が装填されたテストボタン222は押圧され、それによって、荷電プレートPCB220は、接地面ターゲットPCB224に向かって移動する。分離距離が減少するにつれて、基板220上のソース充電電極236は、アーク/スパーク放電が生成されるまで、ターゲット電極232に接近する。このアーク/スパークによって、放射信号が放出され、この放射信号は、MiniPulse ESDモニター(例えば、図3aにおける検出器355又はESD検出器355)を較正するのに用いられる。
MiniPulse検出器を較正するプロセスの間、崩壊キャパシター(C)235によって、ユーザーは、PCB224上のターゲット電極232内に放電される様々な供給電圧値(例えば、約20V、約100V、約500V、又は他の値)をシミュレーションすることが可能になる。ユーザーは、ボタン又はアクチュエーター222を用いることによって基板220と基板224との間のギャップ距離を機械的に制御することもできる。アークの発生は、基板220に印加される電圧と、放電時のギャップ距離とに依存する。
加えて、パルスは、シールド接地接続244との同軸ワイヤ接続226を通じて利用可能である。同軸ワイヤ245は、パルス信号をSMA出力コネクタ226に搬送する。テストボタン222が解放されると、ばね負荷242によって、PCB220は、PCB220の元の位置に戻り、キャパシター235は再帯電し、キャパシター235は、次のテスト遂行の準備が完了する。ボタン222が解放されたときに、PCB224から離れたPCB220の初期位置にPCB220を自動的に戻すために、任意の好適なメカニズム(例えば、ばね又は他のメカニズム)を用いることができる。
通常、図2bにおけるエンクロージャは、誘電体壁(複数の場合もある)であり、このエンクロージャは、好ましくは、エンクロージャ内に発生する電磁場(波形)に実際の減衰をもたらさない。加えて、電源205及びCDMES放電ヘッド(コネクタ226)は、同じ接地に結合されなければならない。
崩壊キャパシター235は、所望の放電エネルギーレンジに応じて、約0.5pF~2pF又はそれよりも大きな実効キャパシタンスを有することができる。
第2の電極232が、図2bに示す場合のように接地されている場合、放電エネルギーWは、以下のように完全に定義される。
W=C(V/2
ここで、Cは崩壊キャパシター値であり、Vは、(放電前の)キャパシターに印加される電圧である。例えば、C=1pFであり、印加電圧が100Vである場合、放電エネルギーは5×10-9J(ジュール)となる。
CDMES206が起動すると、キャパシターCの双方の電極は、接地電位になり(キャパシターCは崩壊する)、既知のエネルギーWの電気放電が生成される。
図3aは、本発明の一実施形態による帯電デバイスモデル事象シミュレーター352(又はCDMESユニット352)を備えるシステム350(又は装置350)の図であり、システム350は、ESD事象検出器355(検出器355及びアンテナ382又はESD検出器355)の較正方法を提供/図示するようにも構成されている。したがって、図3aは、アンテナ382に結合されたESD事象検出器355の較正中のCDMES及びESD検出器の相互の位置の描写及び一例を示している。CDMES352によって実行されるESDシミュレーション、及びESD事象検出器355の較正方法は、実際のツール又は処理チャンバー362(現場)において行うことができる。一方、上述したように、CDMES352の実施形態は、ESD検出器を較正する目的で、較正されたCDM事象が生成及び検出されるオープンワークベンチ、任意のテーブルトップ、実際の環境、又は他の任意の好適な環境においても用いることができる。ツール及び処理におけるESD検出器の較正の関するより多くの議論は、図3bも参照して論述される。加えて、CDMESユニット352は、図2a及び/又は図2bにおいてCDMES206として具現化することができる。
図2a及び図2bを参照して同様に論述したように、CDMES352は、(例えば、図2a及び図2bに示すように)HVPS205と結合されている(そして、HVPS205とともに動作する)。ハンドルのトリガーボタン222(図2b参照)が押下されると、CDMESユニット352は、ESD放電パルス事象を生成するために、HVPS205からの電圧と、ESD事象生成メカニズム(例えば、図2bに示すようなCDMES206の特徴部)とを用いる。
(CDMES352の)放電ヘッドは、HVPS205(図2a又は図2b)からの事前に設定された較正電圧によって帯電される。アンテナ382(ESD検出器355に結合されている)は、CDMES352内で生成された放電事象の放射380(又は電磁波380)をインターセプトする。本発明の一実施形態では、アンテナ382は、この製品(「MicroESD」アンテナ)とともに用いられる幾つかの特定の用途に特に設計され、以下で更に詳細に論述される。アンテナ382(又はMicroESDアンテナ382)は、放射380において種々の放電エネルギーレベルを検出するように構成されている。同様に上述したように、CDMES352及び対応する要素(例えば、HVPS205及びESD検出器355及びアンテナ382)の使用によるESD事象のシミュレーションは、チャンバー362内で実行することもできるし、チャンバー362の外部で実行することもできる(すなわち、ESD検出器355を較正する目的で、較正されたCDMが生成及び検出されるオープンワークベンチ、任意のテーブルトップ、実際の環境、又は他の任意の好適な環境において実行することもできる)。
図3aの図面は、アンテナ382が、CDMES352の放射要素(放電ヘッド)の法線方向/垂直方向に位置決めされているとき、伝播する電場の方向の放射波380を示している。いずれの信号も反射に大きく起因している。CDMESヘッド352が、約90度CCW(反時計方向)に回転された場合、アンテナ382によって生成された信号は大きな影響を受ける。
CDMES352は、通常のデバイスハンドリングが(例えば、単数又は複数のソケット373において)行われる(可能な限り近い)ポイントで放電を生成しており、それによって、現場におけるデバイスCDM放電事象をシミュレーションする。ESD検出器355(MiniPulse355)は、ツール制御システムにESD事象を通知するリレー出力を有する。
アンテナ382(ESD検出器の一部である)は、MiniPulse355の入力に取り付けられている。「MiniPulse」検出器355のESDトリガー閾値エネルギーレベルは、対象となるESD事象を識別するように調整ポテンショメーターによって較正される。
ESD検出器355のリレー出力は、(Minipulse355の)MiniPulseアラームステータスを監視するのに用いることができる。このリレー出力は、例えば、MiniPulse355からの可聴アラーム音響と同時に接地に引き込まれるオープンコレクタードライバーである。
MiniPulse検出器355(図3a)を較正するプロセスの間、CDMES352の様々な極性及び値の供給電圧(例えば、約20V、約100V、約500V、又は他の値)及び崩壊キャパシターによって、ユーザーは、所望のESD事象エネルギー/強度をシミュレーションすることが可能になる。
本発明の一実施形態において本明細書に開示された新規なESD検出器のCDMES較正のこの装置及び方法は、以下のものの1つ以上であり得る多くの可能な利益を有する。
1.本発明の一実施形態による装置及び方法は、ESD検出器/センサーが用いられる現場モードのツール及びプロセスにおいて当該ESD検出器/センサーを較正する能力を提供する(単に、理想的なもの、抽象的なもの、及び/又は米国特許出願公開第2007/0164747号にT. J. Maloneyによって開示されたシステムのように検査室での較正を通じたもの若しくは粗い近似ルーチンを通じたものではない)。
2.現場でのCDMシミュレーションは、ESD検出器/監視較正に自動的に影響を与える実際の生産変数(例えば、EMI雑音、アンテナ信号に対する(EMI場の反射のような)影響、周囲又は近傍の金属部品、接近した物体の移動等)の状態を考慮に入れる。
3.本発明の一実施形態による装置及び方法は、放電事象シミュレーションの高い再現率が容易であることから、ESD検出器/センサーの有効性の統計的な検証を可能にする。
4.本発明の一実施形態による装置及び方法は、ツールのテスト、比較、及び開発プロセスの間にCDM放電事象についてデバイスハンドリングツールを較正することを可能にする。
5.本発明の一実施形態による装置及び方法は、適所におけるESD検出器の定期的な較正を可能にし、それによって、検査室の較正用のツール又はプロセスから検出器を取り外す必要性がない。
ペア/タンデムCDMES-ESD事象検出器(「MiniPulse」)のこのバージョンの追加の可能な利点には、本発明の1つ以上の実施形態における以下のものの1つ以上が含まれる。
1.放電/スパーク生成ヘッドがより小さいことによって、制約されたツール空間におけるこの器具/実施形態の使用が可能になる。
2.手動によるトリガーインターフェースをなくす(すなわち、トリガーは、本発明の1つの実施形態では、離散時間スイッチを用いて行われる)ことに起因して、CDMシミュレーション事象において、放電エネルギー(及びスパーク電流)の変動が減少する。
ESD事象検出器セクション
半導体、ディスクドライブ、FPD(フラットパネルディスプレイ)、自動ICハンドリング、及び他の製造プロセスのホストにおける多くのアプリケーションが、直接監視/制御するのが困難なロケーションにおいてESDによる損傷を受け易い製品とともに動作する。加えて、これらの環境の多くは、それらの性質によって、HVDC供給源、電気モーター、及びアクチュエーターから広帯域通信(RF)ユニットに及ぶEMI雑音発生源で飽和している。製品ハンドリングに関係した特定のポイントにおいてESD事象を検出することは、困難なものになる可能性がある。
検出器/モニターのこの実施形態(すなわち、新規なESD事象検出器355)の主な特徴は、少なくとも以下のものである。
パルススルーレート及びナノ秒レンジの継続時間によるESD検出の制御:「MiniPulse」検出器355(図3a)は、異なるパルス事象タイプを弁別することができる。これによって、検出器355は、他のEMI(電磁干渉又は電磁放出)パルスパケット信号(例えば、モーター、スイッチングデバイス、携帯電話、TV(テレビ)、WiFiからの信号放電、環境雑音等)から有効なESDタイプ事象を判断して選択することが可能になる。
したがって、「MiniPulse」検出器355(図3a参照)は、ESDパルス事象が、選択されたパルス事象閾値内に収まるか否かを判断し、「MiniPulse」検出器355が、そのESDパルス事象が、機械モデル及び人体モデルの代わりにCDM帯電デバイスモデルに含まれるか否かを判断することができるようにする。当業者に知られているように、帯電デバイスモデル(CDM)、及び人体モデル(HBM)におけるESD事象は、抵抗因子、キャパシタンス因子、及びシグネチャが異なる。MiniPulse検出器355の一実施形態は、CDMタイプのESD事象、及びHBMタイプのESD事象の間の相違を実際に示していないが、MiniPulse検出器355は、トリガー閾値を越えた信号振幅(放電エネルギーに関する)と、パルス事象が時間バッファー内に収まっている(すなわち、パルスとして適格である)か否かと、に基づいてトリガーの有効性を判定する。
調整可能な放電エネルギー閾値制御:距離に伴う電磁場減衰に起因して、検出器355がローカル事象振幅の電圧レベルを感度閾値電圧と比較するようにして、感度閾値電圧を、ローカル事象振幅(例えば、約1ボルト、約100ボルト、約500ボルト、又は他の値の閾値)と一致するように調整することによって、又は、おそらく、現行では、検出器355がローカル事象振幅のエネルギーレベルを閾値エネルギーレベルと比較するようにして、約0.002W/m2~663W/m2の範囲を有するジュールを単位とした閾値エネルギー密度を調整することによって、多くのより広いエリアのESD事象をフィルタリング除去することができる。
選択的なESD検出方法が本発明の一実施形態において提供される:ESD事象は電磁パルスを生成する。このパルスは、パルス源から外方に球状に放射する電磁放射束密度として形式的に記述され、放射エネルギーは、波がパルス源から遠方に進むにつれて減少する。MiniPulse355(検出器355)は、この拡大する場を、誘導場結合(inductive field coupling)を通じたアンテナ382との相互作用によってサンプリングする。拡大する電場のエネルギーは、アンテナ382に結合し、それによって、アンテナ及びケーブル上に信号を生成する。MiniPulse検出器ユニット355は、ケーブル上の着信信号を復調し、それによって、様々な周波数をそれらの電力成分に分解する。MiniPulse355は、放射パルス過渡現象の組み合わせ電力を測定して、この測定された組み合わせ電力(すなわち、放射パルス過渡現象のエネルギーレベル)が、設定された検出閾値(すなわち、検出用設定閾値)よりも大きいか否かを判断する。このエネルギーレベルが検出用設定閾値よりも小さい場合、その事象は無視される。加えて、MiniPulse検出器355は、比較器回路(図5における比較器505及び図6における比較器605参照)を用いてパルス継続時間の間の着信信号もサンプリングして、そのパルスがESD事象の可能性があるものとして適格であるか否かを判断する。パルス継続時間が、CDM及びHBM ESD事象にとって一般的な時間間隔境界内にある場合、そのパルスは検出器355をトリガーする。この選択検出の方法は、標準的な時間領域(周波数領域に対する)信号解析とは異なる。MiniPulse355は、ESD事象信号のエネルギーを抽出するスペクトル解析器のように動作する。この手法の主な利点は、検出ハードウェアが非常に経済的であることにある。信号周波数にわたる放射パルス電力は、信号電力の非常に良好な1次近似を与え、それによって、異なるESD事象エネルギーレベル間で比較を行うことを可能にする。
「MiniPulse」のエネルギー閾値制御感度は、信号取得エリア(アンテナ配置の約0.005m~約2mの範囲内におけるESDソース/ターゲット)を非常に小さくする微調節を可能にする。これは、検出されるESD事象を、決定的に重要なもののみ及び/又はユーザーに関心のあるもののみに限定する重要な態様である。
本発明の一実施形態におけるアンテナ構成は、特にESDアンテナ382(図3a及び図4a参照)として設計及び工学される。アンテナ382は、図4a、図4b、及び図4cのアンテナアセンブリ400として具現化することができ、以下で更に詳細に論述される。
オンデマンド/ツール内ESD信号処理の方法(図3c及び図3d参照):
図3cは、本発明の別の実施形態によるシステム(又は装置)330の図である。この図は、ESD検出器355とツール内制御システムとの相互作用の一例を示している。
MiniPulse検出器355は、オンデマンド信号処理が一般雑音(例えば、非ESD電磁(EM)パルスの形態)からのESD信号の分離を援助/強化することを可能にする制御されたデューティーサイクルの特徴を有する。この信号フィルタリング方法は、スタンドアローンモニターバージョン及びNovxモニターバージョン(ESD検出器355が別のセンサー(複数の場合もある)と組み合わされているとき)の双方に利用可能である。この信号フィルタリング方法は、本明細書に説明したようなこの検出器355のアンテナ及び他のフィルターの特徴に加えられる。
例示の実施形態:
MiniPulse ESD検出器355は、信号取得の瞬時の起動及び起動停止を可能にするスタンバイモードを実施する。このスタンバイモードの特徴は、処理ツールが、ESD検出の最も高い再現率までESD信号捕捉を制御することを可能にする。
実際のテストに基づくと、この方法の再現性推定値は、約90%~100%の確率の範囲である。制御された製造環境では、周囲のパルス雑音の発生は、通常、最小限に留められ、パルス雑音ショット/スパイクは、大部分が近傍のツール及びプロセスを発信源とする。
本発明の一実施形態における方法は、ホストツール又はプロセスによる「MiniPulse」検出器355(ESD検出器355)への制御ネイティブ入力(control native inputs)の使用を必要とする。現代の処理ツールは、製品移動及びプロセス機能を追跡する制御インターフェースを有する。「MiniPulse」検出器取得制御方法は、ツールが、ESDシグネチャ検出が所望されている特定の処理ウィンドウ(例えば、図3dにおけるプロセスウィンドウ1及び2)をシグナリングすることを可能にする。プロセスウィンドウイングを用いると、ランダムに発生する背景パルスEM信号は、起こり得るESD事象としてツールに登録されない。
実際のデバイスがハンドリング又はテストされているとき、ESD検出器デバイス(検出器355)の電子部分は、プロセスウィンドウ中にのみ起動するように、ツールによって制御される。一例として、ツールが個々のデバイスを処理するとき、ツールは、ESD検出器355に、アクティブモードに切り替わるようにシグナリングする。処理ウィンドウが閉じられると(例えば、デバイスがハンドリング/テストされていない)、ツールは、検出器355に、スタンバイモードに戻るようにシグナリングする。アクティブな処理ウィンドウの間、検出器355は、対象となるESD事象が発生したか否かをツールにシグナリングする。
処理ウィンドウが閉じられ、検出器355がスタンバイステータスに戻されると、ESDも他の信号も、検出器355によってツールに報告されない。
図3cでは、システム330は、ツール処理エリア330において個々のデバイス331を処理しているツールを備える。MiniPulse ESD検出器355(検出器355)は、電磁波380をインターセプトし、ロボット配置エフェクター381(又は別の好適なタイプのロボットアーム381)は、帯電デバイス331をテストソケット333内に配置する。テストソケット333は、通常、好適なテストベッド350、基部350、又は別の好適なプラットフォーム350上に配置されている。帯電デバイス331がテストソケット333に接近すると、放電(ESD)が発生し、アンテナ382(MiniPulse検出器355に結合されている)が、放電事象の波380をインターセプトする。この例では、ESD事象は、ともに異なる電圧電位によって特徴付けられる2つの部分(デバイス331及びテストソケット333)の間においてスパークの形で生じる放電332である。
(ツール339の)ツールコントローラー336は、(制御信号337を介して)ロボットコントローラー338に、デバイス331を処理するようにシグナリングし、それによって、ツールプロセスウィンドウ1(390)(図3d参照)を起動する。
デバイス331は、例えばテストを行うために、ツールテストソケット333に移動される。ツールコントローラー336は、デバイス処理に関係した対象となるESD事象を報告するように検出器355も(制御信号383を介して)起動する。検出器355は、デバイス331がソケット332に接触したときに発生するいずれのESD事象も報告する。このプロセスが終了すると、ツールコントローラー336は、プロセスウィンドウ1(390)を閉じ、検出器355に、スタンバイモードに戻るようにシグナリングする。ツールプロセススループットに応じて、ツール339は、デバイスがハンドリングされているとき、プロセスウィンドウを継続する。
一例として、ロボットコントローラー338がデバイス331の処理を終了すると、このロボットコントローラーは、プロセスウィンドウ1が閉じられるように制御信号384をツールコントローラー336に送信し、ツールコントローラー336は、その後、プロセスウィンドウ1を閉じる。ツールコントローラー336は、次に、検出器355が、プロセスウィンドウ1が現在閉じられているという情報を有するように、制御信号386を検出器355に送信する。この制御信号386は、検出器355がスタンバイモードに戻るように、検出器355の起動を停止させる一方、制御信号383は、検出器355が、ESD事象であり得る波380を測定、比較、及び記録することができるように、検出器355を起動する。
本発明の一実施形態では、制御信号383は、例えば、ツールデバイスハンドリングワークフロー387の図を示す図3dに示すように、ツールデバイスハンドリングウィンドウ394におけるプロセスウィンドウ1(390)の立ち上がりエッジ392及びプロセスウィンドウ2(391)の立ち上がりエッジ393等のプロセスウィンドウの立ち上がりエッジによって表すことができる。ハンドリングウィンドウ394は、少なくとも1つのプロセスウィンドウを有することができ、ハンドリングウィンドウ394内のプロセスウィンドウの数は変化し得る。
代替的に、制御信号383(図3c)は、パルス398とすることができ、制御信号386は、ハンドリングウィンドウ394におけるパルス398の間の非パルス間隔399とすることができる。図3bは、本発明の別の実施形態によるシステム(又は装置)388の図である。システム388は、論述を明確にする目的で上面図に示されている。図3aにおけるシステム350に関して同様に前述したように、システム388は、静電気放電(ESD)事象監視用に構成され、帯電デバイスモデル事象シミュレーター(CDMES)ユニット352を組み込むことができる。
本発明の一実施形態では、システム388は、プロセスエリア389aに位置決めされた少なくとも1つのアンテナ382aと、アンテナ382aに結合されたESD検出器355とを備える。アンテナ382aは、CDMESユニット352から放射する事象信号380を受信するように構成されているので、アンテナ382aは、CDMESユニット352に誘導的に結合されている。ESD検出器355は、CDMESユニット352によって生成された種々の放電エネルギーについて較正される。
ESDモニタープロセスエリアは、通常、アンテナロケーションから約2mまでの距離の周囲を境界とするエリアを含む。
本発明の別の実施形態では、プロセスエリア(エリア389として一般的に示される)は、第1のプロセスエリア389a及び第2のプロセスエリア389bを備える。第1のアンテナ382aは、第1のプロセスエリア382aに位置決めされ、第2のアンテナ382bは、第2のプロセスエリア389bに位置決めされている。
本発明の一実施形態では、第1のアンテナ382aは、ESD検出器355に結合され、第2のアンテナ382bも、ESD検出器355に結合されている。本発明の別の実施形態では、第2のアンテナ382bは、別のESD検出器356に結合され、ESD検出器355には結合されていない。
通常、第1のプロセスエリア389aは、距離391によって第2のプロセスエリア389bから分離され、第1のアンテナ382a及び第2のアンテナ382bは、マルチチャネルを形成する。距離391は調整可能である。
1つの実施形態では、第1のアンテナ382a及び第2のアンテナ382bは、アンテナ応答感度を同様にすることができる。別の実施形態では、第1のアンテナ382a及び第2のアンテナ382bは、アンテナ応答感度が異なる。
プロセスエリア389は、1つ以上のプロセスエリアから数を変更することができる。例えば、プロセスエリア389は、ツールのクラスターとして提示することができる。したがって、3つ以上のプロセスエリアをシステム388に含めることができる。
プロセスエリア389のうちの少なくとも1つは、半導体チップ331又は他のデバイス331(図3a)を収容するように構成されたソケット373(図3a)を備えることもできるし、複数の半導体チップ又は他のデバイスを収容するように構成された複数のソケット373を備えることもできる。
プロセスエリア389のうちの少なくとも1つは、参照符号396によって最もよく特定されるような別の実施形態では、ウェハー393を収容するように構成されたピンセット392を備えることができる。もちろん、ピンセット392は、別のタイプのウェハー処理ツール392とすることもできる。
プロセスエリア389のうちの少なくとも1つ(又はウェハー393)は、参照符号397によって最もよく特定されるような一実施形態では、テストプローブ395によってアクセス可能な導電性トレース394を備えることができる。プロセスエリア389のうちの任意のものは、別の好適なタイプのエリアとすることができる。
MicroESD開口アンテナ(複数の場合もある):
次に、ESDアンテナ382の様々な実施形態の更なる詳細を論述するために、図4a、図4b、及び図4cを参照する。図4a、図4b、及び/又は図4cに記載された特徴は、アンテナ382(図3a)、アンテナ382a(図3b)、及び/又はアンテナ382b(図3b)に組み込むことができる。したがって、図4a、図4b、及び図4cにおいて論述されるアンテナは、アンテナ382、アンテナ382a、及び/又はアンテナ382bとして具現化することができる。
図4aは、本発明の一実施形態によるマイクロストリップESDアンテナアセンブリを示す図である。図4bは、本発明の一実施形態による開口を有するシールドアンテナを示す図である。図4cは、本発明の一実施形態によるマイクロストリップアンテナの空間利得特性を示す図である。
まず、マイクロストリップアンテナアセンブリ400を示す図4aを参照する。マイクロストリップアンテナの要素は、焦点要素401d、バックプレーンシールド402d、追加のシールドエンクロージャ404c(図4bに図示)、コネクタ(複数の場合もある)(フィードポイント)403d、及び同軸ケーブル404dである。アンテナ設計の特徴点は、a)約3平方mm~50平方mmの焦点要素面積、b)アンテナ焦点要素の形状(例えば、方形又は三角形)、及びc)信号取得を前側の(指向性)アンテナ焦点要素に限定するアンテナ減衰バックプレーン(ブロッキングシールド)である。これらの特徴的な要素は、任意の特定の用途に必要とされる指向性検出感度レベル及び物理的なカバレッジ範囲を達成するアンテナエリア(アンテナ電圧出力に対するアンテナ場エネルギーの比である物理利得)を規定する。図4cを参照すると、一例示のアンテナ利得パターン411は、ESD事象ターゲット401e(例えば、テスト用のソケット内に配置された高感度デバイス)と関係付けて示されている。図4cにおいて、アンテナ焦点要素は、(C)412であり、このアンテナ焦点要素の前面は、最も高い指向性利得(ライン(A)又はフロント利得414。例えば、約6.0dBi)を有し、ESD事象源401eに向けられている。ESD事象源401eから遠ざかる方向を向いているアンテナのバックプレーン側は、より低い利得(ライン(B)又はバック利得416。例えば、約2.5dBi、すなわち、等方性アンテナに対するデシベル)を有する。アンテナ焦点要素は、フロント利得414によって表されるラインとバック利得416によって表されるラインとの間のライン417及び418によって表されるサイド利得を有する。特定のプロセスポイントに対するESD事象検出における別の重要な因子は、アンテナ382(図3a)の形及び配置である。アンテナ382の物理利得特性は、ESD信号取得を制御する際の重要な役割を果たす。具体的に設計されたアンテナ(「MiniPulse」検出器355に接続されている)の指向性利得(図4c参照)の特徴は、ユーザーの対象となる所与のESD事象の検出器355を較正するのに用いることができる。
アンテナ性能及び雑音無感度:アンテナ382(「MicroESD」アンテナ382又はマイクロアンテナ382又は「MiniPulse」アンテナ382)は、特に静電気放電(ESD)事象検出用に設計される。アンテナ382のこの工学的特性によって、放電(事象源)ロケーションについて、ESD放射エネルギーを、指向性をもって検出する一方、対象でない他の近傍の事象を無視/抑制することが可能になる。
このアンテナの変形形態は、特にESD事象検出用に設計される。アンテナは、開口402cを有する金属ケーシング404cによって囲まれた独自のマイクロストリップ設計されたアンテナを含む(図4b参照)。このアンテナは、電磁雑音を有するツール処理エリア内の周囲のエリアからの不要な信号を拒絶するように設計されている。開口によって、内部のアンテナは、特定のロケーション又は小さなエリアに合焦された約90度の角度までの信号を取得することが可能になる。この焦点エリアに発生する任意のESD事象からのエネルギーは、開口に入り、マイクロストリップアンテナ要素に結合する。
従来の技術及び他の利用可能なESD事象監視製品を上回る本発明の実施形態の特定の改良形態が提供される。
他のタイプのアンテナは、指向性及び監視される距離を強化するように工学されたカスタム設計小型プリント回路基板(PCB)401cを備える。このアンテナアセンブリ(図4b)(PCB401cを備える)は、回路基板401cの一方の側の接地面と、回路基板401cの他方の側の能動要素とを用い、それによって、約3dB~6dBのバックローブ及びサイドローブの除去率を提供する。電気リンク419(例えば、ケーブル)が、回路基板401cに結合されるとともに、ESD検出器355(図3a)に着脱可能に結合される。アンテナは、任意のタイプの汎用RFコネクタとすることができる一体型RFコネクタ403c(図4b)も備える。
ESD放射パルス過渡現象を検出するのに用いられるアンテナは、これまで、非常に高い利得を有する標準的なアンテナとされてきた。これによって、ESD事象の検出がかなり容易になるのに対して、事象の出所を求めることが実質的に不可能になっていた。この弱点によって、従来のアンテナは、重要なプロセスの監視にほとんど用いられていなかった。
「MicroESD」アンテナ382(例えば、図3aにおけるMiniPulse検出器355に結合されたアンテナ382)は、ESD事象をそれらの発生源に極めて近接して検出することのみを目的として開発されたものである。MicroESDアンテナ382は、図4aに例示のアンテナアセンブリ400で示されているように、設計されたマイクロストリップアンテナの様々なバージョンのものが実施されている。これらのアンテナは、優れたESD近接場放射パルス受信を有する一方で、工学的に作り出された指向性利得特性によって他の近接場及び非近接場のパルスシグネチャを拒否する。これによって、局所化された対象となるESD事象を特定する際に、他のアンテナは動作しないのに対して、MicroESDアンテナは良好に動作することが可能になる。
加えて、このアンテナの設計された特性によって、飽和効果によるESD検出において共通に用いられる一般的なアンテナに当てはまらない非常に幅広い信号弁別範囲(約10V~3000V)が可能になる。減衰器とともに用いられると、非常に大きなESD事象を効果的に捕捉することができる。
ESD事象は、好ましくは、それらの予想される発生源のできるだけ近くで監視されるべきである。アンテナ設置用の通常の監視距離は、例えば、約1インチ(2.54cm)から約6インチ(15cm)の範囲であるが、他の距離に対応することもできる。MicroESDアンテナ382は、信号振幅削減及び検出閾値設定に起因して発生源からの距離が大きくなるとともに効率が意図的に低下する。
複数のアンテナをほぼ任意の構成でダイポール構造のアレイとして展開することができる。例えば、アレイを形成するように5つのアンテナを展開することができる。ただし、ダイポール構造のアレイは、6つ以上のアンテナを有することもできるし、4つ以下のアンテナを有することもできる。
MiniPulse回路の説明:
ESD事象検出器(電子部分)
次に、本発明の一実施形態におけるESD事象検出器の細部のブロック図を論述する。例えば、図3aのESD事象検出器355は、図5のシステム500(又は回路500)を備える。
アンテナ501は、取り付けられた同軸ケーブル551を介して送達される信号(RF信号、すなわち無線周波数信号)550を生成する。この信号550は、まず、デジタル減衰器502によって処理される。この処理は、後続のラダーネットワークフィルター及び復調ログ増幅器が飽和しないようにESD信号レベル及び雑音レベルを制限する。減衰器502は、マイクロプロセッサ507を介してプログラマブルであり、したがって、検出器355が、信号及び雑音を例えば約15.5dBまで減衰することによって、多種多様な雑音環境に対応することを可能にする。
6次ハイパスラダーネットワークフィルター502は、あらゆるDC信号をブロックし、ESD事象に特有の100MHz(メガヘルツ)を越えるESD事象信号をログ増幅器504に渡す。
超高速(マイクロ秒)6段復調ログ増幅器504(例えば、アナログデバイスAD8310)は、検出されたESD信号からマルチ周波数増幅レベル(dBm、すなわちデシベルミリワット)を抽出する。これによって、MiniPulse検出器355は、より正確に閾値制御用の信号レベルを弁別することが可能になる。
ログ増幅器504の出力信号552は、信号が入力されると、ログ増幅器の出力が約+2.5V(無信号)と約+1.0V以下(最大信号)との間になるように反転される。したがって、本発明の実施形態は、測定モードにおいて動作し、信号レベルを弁別する選択された閾値と照合される出力信号552を生成する復調ログ増幅器504を提供する。この技術及び方法は、他の既知のESD検出器によって用いられていなかった。
マイクロプロセッサ507からのデータ560は、デジタルポテンショメーター508の閾値電圧レベルを設定するのに用いられ、その閾値電圧レベルは、約+2.0V~+1Vの範囲にある。極超高速比較器505(例えば、アナログデバイスAD8561)は、復調ログ増幅器504の出力信号をこの閾値電圧と比較する。比較器505が、論理状態の真(true condition)を「認識」した場合、瞬時パルスが、一対のマルチバイブレーターワンショット506に渡される。ワンショット506は、パルスが対象となるESD事象でないことを意味する過度に短い(約10nSec未満)パルス又は過度に長い(約500nSec超)パルスを拒絶するように構成されている。図5に示すように、ログ増幅器504は、図6を参照して以下で更に論述されるフィルター/積分器503から入力信号を受信した後、出力信号552を生成する。
真の事象パルス556は、その後、(例えば、カウンター509によって)カウントされ、そのカウント(カウンター509からのもの)は、Novxマイクロプロセッサ(例えば、Atmelマイクロコントローラー)507の処理に利用可能になる。カウントがマイクロプロセッサ507によって読み取られるごとに、カウントは、その後、マイクロプロセッサによって自動的に0にリセットされる。
次に、本発明の一実施形態における図5のブロック図500及び図6の回路図600を参照する。上で述べたように、図5は、本発明の一実施形態によるESD検出器500(MiniPulse500)のブロック図である。図6は、ESDモニター回路600の概略図であり、この概略図は、本発明の一実施形態による図5のESD事象検出器355のブロック図500の更なる詳細を示している。MiniPulse500は、図3aではESD検出器355としても図示(及び説明)されている。
MiniPulse500は、時間領域においてEMI事象を解析することと、或る特定の電磁エネルギーのパルス静電気放電を検出する閾値弁別とによる6次元アルゴリズムを用いる。監視されている対象物に対する特定のアンテナ構成及びアンテナ配置を用いることによって、MiniPulse500は、対象となる特定の小さなエリア又はそれよりも広いエリアカバレッジのためのESD事象検出を提供することができる。
提示されたESD検出器は、復調ログ増幅器504を用いて、信号電力を測定する。閾値検出器の第1段は、比較器として勾配判定アルゴリズムを用い、ESD信号タイプの大部分の350ns包絡線特性に基づいてESDパルスの適格性を判断する。
ESD事象のピーク振幅は、弁別を目的とした場合に重要な唯一の測定値であるので、検出器の第2段は、ESD信号を整流し、それによって、正の成分又は負の成分を無視する。
次に、検出器の第3段は、ESD信号を圧縮する。
検出器の第4段は、450MHzスペクトルにわたって信号を復調する。
検出器の第5段は、整流された信号包絡線のログとして与えられるピーク振幅測定出力である。
最終の第6段は、有効なESD事象信号の境界を表す可変閾値に対して出力信号振幅を評価する閾値比較器505である。
ESD事象信号650は、シールドケーブル651に接続されるとともに入力コネクタ(例えば、入力SMAコネクタ)に取り付けられたアンテナ601(図5ではアンテナ501として図示)によって検出される。この信号(信号プラス雑音)は、まず、減衰器602を通過する。マイクロプロセッサコントローラー607からのデータを用いる減衰器602は、0dB~15.5dBの0.5dBステップにプログラミングされている。これによって、回路を調整して、雑音が検出閾値を下回る一方、対象となる信号が検出可能なまま残されるように信号を低減させることが可能になる(後に論述)。
減衰器602からの信号653は、次に、フィルター/積分器603(例えば、6次RC(抵抗器キャパシター)ハイパスフィルター)に渡される。このフィルター/積分器は、真のESD事象に特徴的な歪んだ周波数(100MHz超)を通過させるとともに、その周波数レンジ外の信号を拒絶するように調節されている。(フィルター/積分器603からの)フィルタリングされた信号654は、次に、超高速6段復調ログアンプ(例えば、アナログデバイスAD8310)であるログ増幅器604に渡され、ログ増幅器604は、着信信号を電力、継続時間、及び振幅によってフィルタリングして弁別する。ログ増幅器604は、入力されるESD事象信号の強度が強いほど、ログ増幅器の出力電圧652が小さくなるように、その出力信号を反転する。通常、この信号652は、約2.5V~約1.0Vの範囲にある。
基準閾値電圧は、+3.3Vの供給電圧と、デジタルポテンショメーター608の分圧器とを用いて生成される。デジタルポテンショメーター608は、マイクロプロセッサ607からのデータによって制御される。
ログ増幅器604からの出力電圧652は、次に、極超高速比較器605(例えば、アナログデバイスAD8561)を用いて、デジタルポテンショメーター608からの事前設定されたDC電圧655と比較される。
比較器(AD8561)605が、(「+」入力、すなわち正の入力における)基準電圧655を下回る(「-」入力、すなわち負の入力における)信号を検出した場合、負論理状態の真(negative true condition)656が、比較器605の出力上に瞬間的に現れる。このパルス656は、次に、一対のワンショットマルチバイブレーター657a及び657bを備えるタイミング弁別器606に渡される。ワンショットバイブレーター657aはオンにクロック制御され、Q=真となる(J入力は真であると仮定する)。比較器605の出力656は、単一の十分高速なパルスであるので、ワンショットパルス656が(約250nSec(ナノ秒)のRCタイムアウトに起因して)リセットされると、第2のワンショットバイブレーター657bは、比較器605の出力656がハイに戻った場合にのみQを真に設定する。(出力656における)パルスの継続時間が過度に長く、例えば、約500nSec超であり、それによって、(出力656における)パルスが対象となるESD事象でないことを示す場合、そのパルスは無視される。
したがって、ワンショットバイブレーター657bによって、単にパルスが対象となるESD事象であると判断されたので、Qは真に設定される。ワンショットバイブレーター657bの出力によって、次に、カウンター609は、当該カウンター609に既に存在する任意の既存のカウントに「1を加える」。
図7は、本発明の1つの実施形態において外部から見たMiniPulse ESD検出器355の全体像を示している。検出器エンクロージャ710は、約2.15インチ×2.1インチ×.75インチの小さな寸法を有する。前述したように、検出器355は、現場のESD検出の対象物、ツール、又は/及び監視タスクに応じて異なるアンテナのセットを備えることができる。ただし、ESD検出器355は、図7とは異なる別のタイプの構成を有することもできる。
1つの実施形態では、検出器355のMiniPulseパネルは、器具(検出器355)に電力を供給するために約7VDC~24VDCが通常提供される2ピン電力コネクタ701を備える。外部アンテナの同軸ケーブル(例えば、図4aにおけるケーブル404d)は、検出器355のSMA(サブミニチュア(SubMiniature)バージョンA)コネクタ702に取り付けられる。接地用のテストポイント704が、検出器355によって提供される。検出器355には、閾値レベルポテンショメーター706の設定を調整及び/又は確認している間に用いられる電圧計プローブを挿入することができるテストポイント705がある。
ESD事象アラーム回路部は、検出器355におけるサウンドポート707の真下にある可聴トランスデューサーと、一対のLEDインジケーター708及び709と、外部からアクセス可能な出力コネクタ703とを駆動する。緑のLED708は、電源オンの状態であり、アラームがないことを示している。一例として、ESD事象が検出されると、可聴アラーム707が鳴り、緑のLED708は消灯し、赤のLED709は点灯し、オープンコレクターアラーム出力703は接地される。
任意選択の自立型外部LCDカウンターをオープンコレクターアラーム出力703に取り付けて、カウントが手動でクリアされるまで、全検出事象を表示することができる。代替的に、オープンコレクターアラーム出力703は、他の或る回路、例えば、機械制御、通信、報告等に用いることができるコンピューター入力に接続することができる。
図8は、本発明の一実施形態によるESD検出器のための較正方法800a及び実施態様のフローチャートである。方法800aにおけるステップの順序は変更することができ、幾つかの特定のステップは、同時に実行することもできることに留意されたい。較正方法800aにおける801a及び802aにおいて、形式的な検査室デバイスCDMテストが、ランダムにサンプリングされた候補デバイスに対して実行される。803aにおいて、対象となるデバイスの電圧/電流障害レベルが求められる。804aにおいて、ESD電圧障害閾値監視レベルが、デバイス障害閾値よりも低いか否かが判断される。ESD電圧障害閾値が(デバイス障害閾値よりも)どの程度低いのかは、デバイスタイプ及びESD事象の存在の有無を監視するための重要な製造プロセスポイント(例:例えば、テスター及び/又はハンドラー)に依存する。805aにおいて、方法800aは、CDMSES較正プロトコルを用いて、miniPulse ESD検出器の閾値を確立することを含む。
図8bも、本発明の1つの実施形態によるMiniPulse ESD較正プロセス800bのフローチャートを示している。
プロセス800bについて、現場でのESD事象較正プロセスは、CDM事象シミュレーター(CDMES)を用いて行われる。現場でのESD事象較正プロセスの例は、図3aにおける装置350を参照して上記で説明している。
801bにおいて、基本的なMiniPulse較正手順が開始する。
802bにおいて、適切なアンテナを有するMiniPulse ESD事象検出器が、ツール又はプロセスポイントに実装される。
803bにおいて、CDMESツールが用いられて、MiniPulseアンテナESDの信号受信が較正される。
804bにおいて、MiniPulse ESD検出器が、ESD信号電圧レベル(通常、デバイス障害閾値よりも約25%~50%低い)について較正される。
804bにおいて、連続ESD監視プロトコルを、MiniPulse ESD検出器を用いて開始し、品質コンプライアンスを保証することができる。
MiniPulse ESD検出器355が、特定のデバイス耐電圧閾値について較正されるとき、この電圧/エネルギー閾値は、(804bにおいて)通常、そのデバイスの実際の電圧障害レベル未満の電圧レベルに設定される。例えば、デバイスが、約200ボルトの実際の電圧障害レベルを有する場合、電圧閾値は、例えば、その電圧障害レベルの約50%、すなわち約100ボルト等の、200ボルト未満に設定される。この手法によって、デバイス内で発生する実際の損傷が防止される。したがって、805bにおいて、許容印加電圧閾値は、テストされるデバイスタイプごとに決定される。805bにおいて、検出器355内の信号対雑音比(SNR)フィルターが、ツール及び/又はプロセスにおけるEMIを抑制するように調整される。
806bにおいて、オシロスコープ接続を用いて、CDMES較正出力波形を確認することができる(806bにおけるこの手順は任意選択である)。
807bにおいて、最小の統計サンプルを用いて、MiniPulse ESD検出の信頼性を検証することができる。807bにおける検証は、806bにおける確認が行われた後に行うことができる。
808bにおいて、連続的なESD事象の監視が、品質保証プロトコルに従って設定される。
808bにおいて、最小統計サンプル/ショットが、ロケーションごとのPASS/FAIL(合格/不合格) ESD事象検出の確認のために適用される。例えば、約20個若しくは30個のショットが適用されて、正確な較正が取得される。
806bにおいて、ESD検出器355(例えば、MiniPulse検出器)が、特定のデバイス耐電圧閾値について較正される。ブロック803b、805b、及び/又は808bにおける手順が実行された後、次に、ブロック806bにおける手順を実行することができることに留意されたい。
以下の論述は、本発明の1つの実施形態における現場での較正プロセスの上記シーケンスに関する追加の詳細を提供する。
1.MiniPulseモニター(ESD検出器355)のMicroESDアンテナ382を、損傷を受け易いICデバイスが配置されるツール内のプロセスポイントの可能な限り近接したポイント(例えば、1インチ)に配置する。
2.MicroESDアンテナケーブル(例えば、ケーブル404b)を、MiniPulseモニター355に接続する。
3.CDMES用のDC電源電圧を、必要とされる閾値電圧レベル(通常、ICデバイス障害閾値の約50%)に設定する。
4.CDMESを、ICデバイスの監視アプリケーション用に選ばれた指定プロセスポイントに位置決めする。
5.MiniPulse355に必要とされるESD事象検出閾値に達するまで、MiniPulse検出閾値制御を調整しながら、CDMESを連続的にトリガーする。
6.ICデバイス指定閾値電圧においてCDMES放電の最小統計グループ(例えば、12~24)を生成して、MiniPulse検出器性能を検証する。
7.CDMES DC電圧レベルの形態の成功した較正データと、統計サンプリンググループの間に成功したMiniPulse検出の数と、デジタルマルチメーターを有するフロントパネルテストポイントを介したMiniPulse閾値設定とを記録する。
周囲にもツール/背景雑音が存在し、適用焦点エリア外にも、対象となる信号の検出と干渉する可能性があるESD事象が存在する。したがって、考慮すべき複数の雑音源が存在する。
これによって、幾つかの用途については、信号対雑音比(SNR)を維持することが困難になる。
幾つかの状況(SNR崩壊)下では、検出器は、機能することができない(すなわち、ターゲットのESD信号を全ての背景干渉源から分離することができない)。
図9は、ESD信号振幅が、検出器アンテナ382からの距離によってどのように低減されるのか(距離による信号対雑音比)を示すグラフ900である。この振幅の低減によって、信号振幅は雑音振幅に接近する。SNRが崩壊すると、ESD信号を雑音信号から分離することが困難になる。
幾つかの状況(SNR崩壊)下では、検出器は、機能することができない(すなわち、ターゲットのESD信号を全ての背景干渉源から分離することができない)。例えば、この例示の関数905(SNR対センチメートル単位の距離)は、ESD源から約50センチメートルの距離において約2.9のSNR最小レベル(点910)を示している。
図10aは、0の減衰を伴う約1インチの距離における基本的な50V/mのCDMES較正を示すグラフ1000である。グラフ1000は、(MiniPulseアンテナ382の)ミリボルト対較正手順の間に発生している信号測定値に基づく次の関数、すなわち、ターゲットESD事象1005、背景雑音レベル1010、拒絶されるESD事象1015、及びMiniPulse閾値設定1020を示している。
加えて、以下のパラメーター1025が、グラフ1000に適用可能である。
減衰係数=0.0(0.0dB)
24インチにおける拒絶ESDレベル=8.0(mV)=50V/m
背景パルス雑音レベル=3.0(mV)
推奨アンテナ閾値設定(mV):30.39
最大SNR(mV):23.01
備考:これは理想的な状況である。
図10bは、約10dBの減衰を伴う誘導された信号を示すグラフ1050である。グラフ1050は、(MiniPulseアンテナ382の)ミリボルト対較正手順の間に発生している信号測定値に基づく次の関数、すなわち、ターゲットESD事象1055、背景雑音レベル1060、拒絶されるESD事象1065、及びMiniPulse閾値設定1070を示している。
加えて、以下のパラメーター1075が、グラフ1050に適用可能である。
減衰係数=10.0(10.0dB)
拒絶ESDレベル=0.9(mV)=50V/m
24インチ/減衰係数
背景パルス雑音レベル=0.6(mV)
最大アンテナ閾値設定(mV):2.94
この例(図10b)は、SNR比が小さくなっていくことを示している。しかしながら、この時、背景雑音及び誤ったESD事象はともに拒絶される。また、重要な信号空間は残され、最大SNR(mV)は2.91である。
信号対雑音比(SNR)は、上述したように、信号源と(信号源からの信号の)インターセプトポイントとの間の距離が増大するにつれて、対象となる信号(この場合、帯電製品によって引き起こされるESD事象)を弁別するのに非常に望ましくない可能性がある。一般に、電気構成要素によって生み出される電磁ツール雑音は、対象となるESD信号の放射振幅よりも小さい。
しかしながら、フィルタリングがない場合、信号源の距離が増加すると、ESD信号振幅の多くは、ピーク雑音レベルに過度に接近し、そのため、有効な弁別が可能でなくなる。MiniPulse ESD検出器355は、その様々な形態において、その開始以降、信号時間領域(継続時間)フィルタリング及びESD信号閾値フィルタリングを有してきた。これによって、他の検出器よりも良好な分解能が可能になっているが、依然として、雑音レベルがこのフィルタリング手法も問題のあるものとする幾つかの用途が存在してきた。上記で説明した雑音フィルタリング方法を追加することによって、これは、SNR弁別をはるかに効果的なものにした。
MiniPulse ESD検出器355は、高雑音環境において入力信号を調整する独自の電磁雑音フィルターを有する。この可変インピーダンスフィルターは、全ての雑音源からではあるが、最も一般的には自動化ツールにおける背景広帯域雑音の振幅減衰関数である。自動化ツールは、一般に、ESD信号インターセプト問題を引き起こす可能性があるツールの電気構成要素からの可変レベルの雑音(EMI)を有する。電磁信号をフィルタリングする通常の方法は、周波数によって信号を減衰させるバンドパスフィルターを伴う。
本明細書において引用した独自の方法は、全体的な信号振幅を減衰させるデジタル制御された可変インピーダンスを第1の閾値として用いて、放射回路雑音を所与のレベル未満に除去する。MiniPulse ESD検出器355は、対象となるESD信号の振幅フィルターとして機能する第2の設定可能な閾値(上記参照)も備える。
図11aは、ESDパルス信号干渉を表す、フィルタリングされていない周囲パルス雑音の一例を示すグラフ1100である。他のESD検出システムに一般的であるこのタイプの干渉は、ツールの適応を非常に困難にし、多くの場合、不可能にしてきた。実際の埋め込まれた対象となるESD事象は、信号1105、1110、1115、及び1120によって示されている。グラフ1100は、Y軸上の誤ったESD事象カウント(背景雑音)の数対X軸上の静電気放電発生のカウント(ESDカウント)を示している。
図11bは、検出器が周囲/ツール雑音を効果的に無視することを可能にする可変信号減衰/インピーダンスの使用を示すグラフ1150である。特に、グラフ1150は、静電気放電発生のカウントに対するデシベル測定値に基づくESDカウント1155を示している。
図11cは、可変インピーダンスフィルタリングが適用された後、対象となる真のESD信号を背景雑音レベルから容易に分離することができることを示すグラフ1180である。グラフ1180には、ESD検出器へのフィルタリングされていない入力の一般的な雑音内では見失われていたであろう一連の4つの実際のESD事象1182、1184、1186、及び1188が示されている。グラフ1180のY軸は、ESD事象カウントを示し、グラフ1180のX軸は、静電気放電発生のカウントを示す。
減衰係数(実際には、監視エネルギーレベルの閾値)を選択的に上下させることを伴う現場での較正のサンプルは、各適用について、実際のツール内レベル信号の解析及び信号雑音比(SNR)の最適化を可能にする。
要約すれば、本明細書において説明した製品、装置の実施形態、及び方法は、ツール及びプロセスにおけるESD事象に関する実際の情報を提供する。これによって、顧客は、製品の荷電に関係した脆弱性に関するESD事象リスクを判断することが可能になる。また、本明細書において説明した製品、装置の実施形態、及び方法は、顧客が、起こり得るツールイオン化を含むリスクを取り除く改善及び他の中和又は保護の方法の必要性を評価することを可能にする。
本発明の一実施形態による他のシステムは、他の形態を有することができ、他の方法又は他の向きで配置される他の異なる構成要素を有することができることも理解される。
上記で説明した実施形態及び方法の他の変形及び変更が、本明細書において論述した教示を考慮すると可能である。
本発明の図示された実施形態の上記説明は、要約書に記載されたものを含めて、網羅的であることも、本発明を開示された正確な形態に限定することも意図していない。本発明の特定の実施形態及び本発明の例が、本明細書において例示の目的で説明されているが、当業者が認識するように、様々な均等な変更が、本発明の範囲内で可能である。
これらの変更は、上記の詳細な説明を考慮して本発明に対して行うことができる。添付の特許請求の範囲において用いられる用語は、本明細書及び特許請求の範囲に開示された特定の実施形態に本発明を限定するように解釈されるべきではない。それとは逆に、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって完全に決定されるべきである。特許請求の範囲は、請求項解釈の確立されたドクトリンに従って解釈されるべきである。

Claims (20)

  1. 静電気放電(ESD)事象を検出する装置であって、
    ESD事象をプロセスウィンドウ期間中において検出可能となるように構成されたESD検出器と、
    前記ESD検出器に結合された少なくとも1つのアンテナと、
    前記ESD検出器に接続されたコントローラーと、
    を備え、
    前記コントローラーは、
    ツールによりハンドリング又はテストされているデバイスを処理するためのコマンドに対応する信号に応答して、前記プロセスウィンドウ期間をアクティブ化し、
    前記ESD検出器を起動して、前記プロセスウィンドウ期間中に発生する前記ESD事象を検出して報告するようにし、
    前記処理を終了するためのコマンドに対応する信号に応答して、前記プロセスウィンドウ期間を非アクティブ化し、かつ前記ESD検出器がスタンバイモードに入るように制御して、電磁(EM)信号を無視する、ように構成され、
    前記ESD検出器は、減衰器を有し、前記プロセスウィンドウ期間中に検出された少なくとも1つの放電エネルギーの閾値又は放電エネルギーレンジの範囲外の電磁干渉(EMI)を抑制するように前記減衰器を調整することにより、前記少なくとも1つの放電エネルギーの閾値又は放電エネルギーレンジについて較正される、装置。
  2. 前記ESD検出器は、受信パルスがESD事象であるか否かを判断するために、前記受信パルスのパルス継続時間を測定するように構成されている、請求項1に記載の装置。
  3. 前記ESD検出器は、第1のパルス継続時間よりも短い受信パルス又は第2のパルス継続時間よりも長い受信パルスを拒絶するように構成されている、請求項1に記載の装置。
  4. 前記ESD検出器は、周波数レンジ外にある受信パルスを拒絶するように構成されている、請求項1に記載の装置。
  5. 前記ESD検出器は、受信パルスの電力、継続時間、及び振幅に基づいて前記受信パルスをフィルタリングするように構成されている、請求項1に記載の装置。
  6. 前記ESD検出器は、電磁干渉(EMI)を抑制する調整された信号対雑音比フィルターを備える、請求項1に記載の装置。
  7. 第1の導電性部分及び第2の導電性部分を備える帯電デバイスモデル事象シミュレーター(CDMES)ユニットを更に備え、
    前記第1の導電性部分及び前記第2の導電性部分は、電位が異なり、
    入力される高電圧が、前記第1の導電性部分に電荷を提供し、
    前記第1の導電性部分は、前記第2の導電性部分に向かって移動可能であり、
    前記第1の導電性部分が前記第2の導電性部分に向かって移動すると、CDM事象がトリガーされる、請求項1に記載の装置。
  8. 前記少なくとも1つのアンテナは、ESD放射エネルギーを、指向性をもって検出することを可能にするとともに、対象でない他の事象を抑制する特性を備える、請求項1に記載の装置。
  9. 前記ESD事象は、前記ツールにより前記デバイスが処理されるエリアであるツールプロセスエリアにおいて発生する、請求項1に記載の装置。
  10. 前記ツールプロセスエリアは、第1のプロセスエリアと、第2のプロセスエリアとを含み、
    前記少なくとも1つのアンテナは、前記ESD検出器に結合された第1のアンテナと、前記ESD検出器に結合された第2のアンテナとを含み、
    前記第1のアンテナは前記第1のプロセスエリアに位置決めされ、前記第2のアンテナは前記第2のプロセスエリアに位置決めされる、請求項9に記載の装置。
  11. 静電気放電(ESD)事象をプロセスウィンドウ期間中において検出可能となるように構成されたESD検出器及びアンテナを用いて、前記ESD事象を検出する方法であって、
    ツールによりハンドリング又はテストされているデバイスを処理するためのコマンドに対応する信号に応答して、前記プロセスウィンドウ期間をアクティブ化し、
    前記ESD検出器を起動して、前記プロセスウィンドウ期間中に発生する前記ESD事象を検出して報告するようにし、
    前記プロセスウィンドウ期間中に検出された少なくとも1つの放電エネルギーの閾値又は放電エネルギーレンジの範囲外の電磁干渉(EMI)を抑制するように減衰器を調整することにより、前記少なくとも1つの放電エネルギーの閾値又は放電エネルギーレンジについて前記ESD検出器を較正することと、
    前記処理を終了するためのコマンドに対応する信号に応答して、前記プロセスウィンドウ期間を非アクティブ化し、かつ前記ESD検出器がスタンバイモードに入るように制御して、電磁(EM)信号を無視する、
    ことを含む、方法。
  12. 前記ESD検出器は、受信パルスがESD事象であるか否かを判断するために、前記受信パルスのパルス継続時間を測定するように構成されている、請求項11に記載の方法。
  13. 前記ESD検出器は、第1のパルス継続時間よりも短い受信パルス又は第2のパルス継続時間よりも長い受信パルスを拒絶するように構成されている、請求項11に記載の方法。
  14. 前記ESD検出器は、周波数レンジ外にある受信パルスを拒絶するように構成されている、請求項11に記載の方法。
  15. 前記ESD検出器は、受信パルスの電力、継続時間、及び振幅に基づいて前記受信パルスをフィルタリングするように構成されている、請求項11に記載の方法。
  16. 前記ESD検出器は、電磁干渉(EMI)を抑制する調整された信号対雑音比フィルターを備える、請求項11に記載の方法。
  17. 第1の導電性部分が第2の導電性部分に向かって移動すると、ESD事象をトリガーすることを更に含み、
    前記第1の導電性部分及び前記第2の導電性部分は、電位が異なり、
    入力される高電圧が、前記第1の導電性部分に電荷を提供し、
    前記第1の導電性部分は、前記第2の導電性部分に向かって移動可能である、請求項11に記載の方法。
  18. 前記少なくとも1つのアンテナによって、ESD放射エネルギーを、指向性をもって検出することを可能にすることと、前記少なくとも1つのアンテナによって、対象でない他の事象を抑制することと、
    を更に含む、請求項11に記載の方法。
  19. 前記ESD事象は、前記ツールにより前記デバイスが処理されるエリアであるツールプロセスエリアにおいて発生する、請求項11に記載の方法。
  20. 前記ツールプロセスエリアは、第1のプロセスエリアと、第2のプロセスエリアとを含み、
    前記少なくとも1つのアンテナは、前記ESD検出器に結合された第1のアンテナと、前記ESD検出器に結合された第2のアンテナとを含み、
    前記第1のアンテナは前記第1のプロセスエリアに位置決めされ、前記第2のアンテナは前記第2のプロセスエリアに位置決めされる、請求項19に記載の方法。
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