JP7105477B2 - 合金部材および合金部材の製造方法 - Google Patents
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Description
(メカニカルアロイング粒子の形成)
メカニカルアロイング法によりメカニカルアロイング処理された粒子(メカニカルアロイング粒子、メカニカルアロイング粉末、合金粉末、合金粒子、混合粒子、混合粉末)を形成する方法について説明する。
摩擦攪拌接合(FSW)は、非消耗の回転ツールによる固相攪拌によりなされる。固相攪拌は、結晶粒を微細化するばかりでなく、鋳造組織のような不均一組織を均質化し、異種金属間に用いれば局所領域の合金反応をもたらす。このようなFSW過程で生じる組織変化を積極的に利用した組織改質法を摩擦攪拌プロセッシング(FSP、FS処理)と言う。
(実施例A)
(メカニカルアロイング粒子の形成)
Mg粉末およびAl粉末を混合装置に投入し、メカニカルアロイング処理を施した。具体的には、高純度のMg粉末(純度:99.5%、粒径:180μm以下)に、高純度のAl粉末(純度:99.99%、粒径:75μm以下)を添加し、遊星型ボールミルを用いて混合することにより、メカニカルアロイング処理を施した。
市販のAZ91Dマグネシウム合金(金型鋳造材)を板状(100mm×150mm×5mm)に加工した試験片に対して、MA粉末を充填するための溝(幅:2mm、長さ:25mm、深さ:4mm)を形成した。
FSPを行った各試験片に対し、時効処理(熱処理)を施した。処理温度は170℃、処理時間は1時間、3時間等とした。
図5に、MA粒子のSEM観察結果(写真)を示す。MA粒子をSEM観察したところ、混合時間(ミリング時間)1時間のMA粒子は、粒径が200μmを超えるものも見られた。また、混合時間5時間のMA粒子は、粒径が小さく、ばらつきも少なかった。また、混合時間10時間のMA粒子は、さらに、粒径が小さかった。このように、混合時間1時間では、当初のMg粉末やAl粉末の平均粒径よりも大きいものが見られ、粒子同士が接合した状態で、その後の、粉砕まで至らない状態であると考えられる。また、混合時間が、5時間、10時間と長くなるにつれ、MA粒子の粒径が小さくなる傾向が見られる。
図8に、試験片の光学顕微鏡およびSEMによる観察結果(写真)を示す。左および中央の写真は、光学顕微鏡によるものであり、右の写真がSEMによるものである。
図8(B)の右図に示すように、MA粒子を添加していない通常のFSP処理部においては、組織(結晶)の粒界に1μm程度の粒径の化合物の存在が確認される。化合物は、図(写真)中の白色の部分として確認される。
図9に、時効処理後の試験片のSEMによる観察結果(写真)を示す。なお、時効処理前のSEMによる観察結果(写真)も併せて表示している。
上記の通り、本実施例によれば、メカニカルアロイング処理によりMA粒子を形成し、このMA粒子を用いてFSPを行うことにより、微細な化合物粒子の組織(結晶)の粒界への析出量を増加させ、また、組織(結晶)の微細化および均一性を図ることができた。また、時効処理において、微細な化合物粒子の均一性の高い析出を図ることができ、時効処理時間の短縮を図ることができた。
実施例Aの「メカニカルアロイング粒子の形成」において、Al粉末の添加量を、Mg粉末とAl粉末との合計量に対し、32質量%とし、同様のメカニカルアロイング処理により混合粒子(MA粒子)を得た。次いで、実施例Aの場合と同様にして、試験片の溝にMA粉末を充填しFSPを行った。さらに、実施例Aの場合と同様にして、FSPを行った各試験片に対し、時効処理(熱処理)を施した。
図13に、MA粒子のSEM観察結果(写真)を示す。MA粒子(Mg-32%Al粉末)をSEM観察したところ、混合時間(ミリング時間)1時間のMA粒子は、粒径が20~80μm程度であった。これに対し、混合時間5時間のMA粒子は、粒径が小さく、ばらつきも少なかった。また、混合時間10時間のMA粒子は、さらに、粒径が小さかった。
MAL 合金層(処理部)
MAL1 合金層(処理部)
MAL2 合金層(処理部)
MAP MA粒子
MP 金属部材
MU 本体部
RT 回転ツール
SP 過飽和粒子
SS Al過飽和部もしくはAl濃化部が多数分散した領域
T 溝
TS 先端部
Claims (24)
- メカニカルアロイング処理粒子を摩擦攪拌処理した合金層を有する合金部材であって、
前記メカニカルアロイング処理粒子は、第1金属よりなる粒子と第2金属よりなる粒子とをメカニカルアロイング処理した混合粒子(ただし、ホウ素含有マグネシウム複合材料を除く)であり、
前記合金層は、前記第1金属および前記第2金属を含む合金層であって、含まれる結晶の平均結晶粒径が6.3μm以下である、合金部材。 - 請求項1記載の合金部材において、
前記混合粒子は、前記第1金属に前記第2金属が固溶している粒子を含む、合金部材。 - 請求項2記載の合金部材において、
前記混合粒子は、前記第1金属に前記第2金属が過飽和固溶している粒子を含む、合金部材。 - 請求項2記載の合金部材において、
前記混合粒子は、前記第1金属と前記第2金属の化合物粒子を含む、合金部材。 - 請求項3記載の合金部材において、
前記合金層は、前記第1金属または前記第1金属の合金よりなる金属部材の表面および内部に形成されている、合金部材。 - 請求項3記載の合金部材において、
前記合金層は、前記第1金属と前記第2金属の合金結晶および前記第1金属と前記第2金属の化合物結晶を含む、合金部材。 - 請求項6記載の合金部材において、
前記化合物結晶は、前記合金結晶の粒界に含まれている、合金部材。 - 請求項1記載の合金部材において、
前記第1金属は、Mgであり、前記第2金属は、Alである、合金部材。 - 請求項8記載の合金部材において、
前記混合粒子は、Al成分を13質量%以上となる割合で有する、合金部材。 - 請求項8記載の合金部材において、
前記混合粒子は、Al成分を13質量%以上32質量%以下となる割合で有する、合金部材。 - (a)第1金属よりなる粒子と第2金属よりなる粒子とにメカニカルアロイング処理を施し、混合粒子(ただし、ホウ素含有マグネシウム複合材料を除く)を形成する工程、
(b)金属部材上に、前記混合粒子を配置し、前記混合粒子および前記金属部材に回転ツールを接触させ、前記金属部材の表面部および前記混合粒子を摩擦熱と塑性流動により攪拌することにより、前記第1金属および前記第2金属を含む合金層を前記金属部材の表面および内部に形成する工程、
を有する、合金部材の製造方法。 - 請求項11記載の合金部材の製造方法において、
(c)前記(b)工程の後、前記金属部材の表面部の前記合金層に、熱処理を施す工程、を有する、合金部材の製造方法。 - 請求項11記載の合金部材の製造方法において、
前記(b)工程は、前記金属部材に設けられた溝に前記混合粒子を充填した後、前記回転ツールの先端部を前記溝に差し込んだ状態で行われる、合金部材の製造方法。 - 請求項13記載の合金部材の製造方法において、
前記(b)工程は、
(b1)前記先端部を前記溝に沿って処理する第1処理工程と、
(b2)前記(b1)工程の後、前記先端部を前記溝に沿って処理する第2処理工程と、を有し、
前記(b1)工程は、前記(b2)工程より前記先端部の長さが短い前記回転ツールを用いて行われる、合金部材の製造方法。 - 請求項11記載の合金部材の製造方法において、
前記混合粒子は、前記第1金属に前記第2金属が固溶している粒子を含む、合金部材の製造方法。 - 請求項15記載の合金部材の製造方法において、
前記混合粒子は、前記第1金属に前記第2金属が過飽和している粒子を含む、合金部材の製造方法。 - 請求項15記載の合金部材の製造方法において、
前記混合粒子は、前記第1金属と前記第2金属の化合物粒子を含む、合金部材の製造方法。 - 請求項11記載の合金部材の製造方法において、
前記(b)工程は、前記第1金属または前記第1金属の合金よりなる金属部材上に、前記混合粒子を配置して行われる、合金部材の製造方法。 - 請求項11記載の合金部材の製造方法において、
前記合金層は、前記第1金属と前記第2金属の合金結晶および前記第1金属と前記第2金属の化合物結晶を含む、合金部材の製造方法。 - 請求項19記載の合金部材の製造方法において、
前記化合物結晶は、前記合金結晶の粒界に含まれている、合金部材の製造方法。 - 請求項11記載の合金部材の製造方法において、
前記第1金属は、Mgであり、前記第2金属は、Alである、合金部材の製造方法。 - 請求項21記載の合金部材の製造方法において、
前記(a)工程は、Mg粒子とAl粒子を、前記Al粒子が13質量%以上となる割合で混合される、合金部材の製造方法。 - 請求項21記載の合金部材の製造方法において、
前記(a)工程は、Mg粒子とAl粒子を、前記Al粒子が13質量%以上32質量%以下となる割合で混合される、合金部材の製造方法。 - 請求項19記載の合金部材の製造方法において、
前記合金層は、MgとAlの化合物結晶を含み、その粒径は、3μm以下である、合金部材の製造方法。
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JP2018100159A JP7105477B2 (ja) | 2018-05-25 | 2018-05-25 | 合金部材および合金部材の製造方法 |
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