以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
<第1実施形態>
図1~図18は、本発明の第1実施形態に係る照明システムを示している。本実施形態の照明システムA1は、図1に示すように、操作装置1、複数の照明器具7、サーバ8およびネットワークNを備えている。照明システムA1は、屋内等における任意の箇所に配置された複数の照明器具7を使用者の操作等によって点灯制御するシステムである。
図1は、照明システムA1を示すシステム構成図である。図2は、照明システムA1の操作装置1を示す斜視図である。図3は、照明システムA1の操作装置1を示す正面図である。図4は、照明システムA1の操作装置1を示す側面図である。図5は、照明システムA1の操作装置1を示す背面図である。図6は、照明システムA1の操作装置1を示す分解斜視図である。図7は、図3のVII-VII線に沿う断面図である。図8は、図3のVIII-VIII線に沿う断面図である。図9は、図3のIX-IX線に沿う断面図である。図10は、図9のX-X線に沿う要部拡大断面図である。図11は、照明システムA1の操作装置1のスイッチ基板を示す(a)は側面図であり、(b)は正面図である。図12は、照明システムA1の操作装置1の操作部を示す分解斜視図である。図13は、照明システムA1の操作装置1の操作部のパネル部を示す(a)は正面図であり、(b)は底面図であり、(c)は背面図であり、(d)は側面図である。図14は、照明システムA1の操作装置1の操作部のカバー部を示す(a)は正面図であり、(b)は底面図であり、(c)は背面図であり、(d)は側面図である。図15は、照明システムA1の操作装置1の操作部の押さえ部を示す(a)は正面図であり、(b)は底面図であり、(c)は背面図であり、(d)は側面図である。図16は、照明システムA1の操作装置1の操作部のカバー部および押さえ部を示す底面図である。図17は、照明システムA1における照明状態情報の一例を示す説明図である。図18は、照明システムA1の制御の一例を示すフローチャートである。
<操作装置1>
操作装置1は、使用者が複数の照明器具7の点灯状態を所望の状態に変更するための操作を行うためのものである。照明システムA1においては、1つの操作装置1を備えているが、操作装置1の個数は特に限定されない。図1~図7に示すように、本実施形態の操作装置1は、複数の操作部2、ケース3、操作側通信部4、操作側制御部5、電池61、取付部62および発光インジケータ63を有する。操作装置1は、建築物等の壁面WLに設置されて使用される。壁面WLは、本発明の特定箇所の一例に相当する。特定箇所としては、ほかに柱や家具、さらに種々の屋内設備等が挙げられる。
<ケース3>
ケース3は、操作部2、操作側通信部4、操作側制御部5、電池61および発光インジケータ63等を収容し、あるいは支持するためのものである。ケース3の材質は特に限定されず、たとえばABS樹脂からなる。ケース3の形状は特に限定されず、図示された例においては、前面部31、背面部32、側面部33、側面部34、複数の揺動支持部35、複数の当接部36、複数の係止部37および電池収容部38を有する。
前面部31は、ケース3のy方向における前方に位置する部位であり、使用状態において使用者に正対する部位である。前面部31の形状は特に限定されず、図示された例においては、矩形状である。図示された例においては、前面部31は、開口311を有する。開口311は、前面部31のz方向上側部分に形成されている。開口311の形状は特に限定されず、図示された例においては、矩形状である。
背面部32は、ケース3のy方向における後方に位置する部位であり、使用状態において壁面WLに正対する部位である。背面部32の形状は特に限定されず、図示された例においては、前面部31と同様に矩形状である。
側面部33は、前面部31のx方向両側およびz方向両側に繋がっており、y方向に沿った形状である。側面部34は、背面部32のx方向両側およびz方向両側に繋がっており、y方向に沿った形状である。図示された例においては、ケース3は分割構造とされており、前面部31および側面部33を有する前側部分と、背面部32および側面部34を有する後側部分とからなる。なお、ケース3は、3つ以上に分割された構造であってもよいし、1つのみの部位からなる一体構造であってもよい。
複数の揺動支持部35は、各々がパネル部210を揺動可能に支持するためのものである。複数の揺動支持部35は、図6~図9に示すように、背面部32からy方向前方に突出している。図示された例においては、複数の揺動支持部35は、z方向に沿って等ピッチで配列されている。また、複数の揺動支持部35は、x方向において背面部32の略中央に位置している。図示された例においては、揺動支持部35は、z方向を軸方向とする棒状部分を有する。
複数の当接部36は、パネル部210が操作された際に、パネル部210と当接する部位である。図6および図8~図10に示すように、複数の当接部36は、背面部32からy方向前方に突出するリブからなる。複数の当接部36は、x方向両側に分かれて配置されており、z方向に沿って等ピッチで配列されている。図示された例においては、当接部36は、背面部32と側面部34とに繋がっている。
複数の係止部37は、取付部62を脱着可能に取り付けるための部位である。図示された例においては、取付部62は、背面部32に形成された複数の係合孔によって構成されている。複数の係止部37の個数や配置は特に限定されず、図示された例においては、4つの係止部37が矩形状の角を構成するように配置されている。
電池収容部38は、電池61を収容するための部位であり、背面部32からy方向前方に凹んだ凹部である。図示された例においては、電池収容部38は、2つの電池61を収容可能である。また、ケース3は、電池カバー381を有する。電池カバー381は、電池収容部38を塞ぐものであり、背面部32に対して脱着可能である。
<操作部2>
操作部2は、使用者が複数の照明器具7の点灯を制御するための操作を電気信号等に変換し、たとえば検出信号として出力する部位である。操作装置1が備える操作部2の個数は特に限定されず、図示された例においては、4つの操作部2を備えている。図1~図16に示すように、本実施形態の操作部2は、パネル部210、カバー部220、エリアプレート230、押さえ部240、第1スイッチ部21および第2スイッチ部22を備えており、第1操作領域201、第2操作領域202およびエリア表示部203が設定されている。
第1スイッチ部21および第2スイッチ部22は、操作部2に対する使用者の操作にしたがって、検出信号を出力するものである。図6~図9および図11に示すように、本実施形態においては、4つの第1スイッチ部21と4つの第2スイッチ部22とが、スイッチ基板29のy方向における前面側に実装されている。スイッチ基板29は、たとえばガラスエポキシ樹脂からなる配線基板である。4つの第1スイッチ部21と4つの第2スイッチ部22とは、x方向において互いに離間して配置されている。4つの第1スイッチ部21は、z方向に等ピッチで配置されている。4つの第2スイッチ部22は、z方向に等ピッチで配置されている。
第1スイッチ部21および第2スイッチ部22の具体的構成は特に限定されず、図示された例においては、たとえば押下によって導通状態をとる一般的なスイッチモジュールが採用されている。このような第1スイッチ部21および第2スイッチ部22は、後述の操作による押下にしたがって、検出信号を出力する。この検出信号は、第1スイッチ部21および第2スイッチ部22の押下がなされている間、継続して出力される。
スイッチ基板29は、複数の開口291を有する。複数の開口291は、ケース3の複数の揺動支持部35をy方向後方からy方向前方に突出させるためのものである。図示された例においては、スイッチ基板29には、4つの開口291が形成されている。4つの開口291は、z方向に等ピッチで配置されている。4つの開口291から突出する4つの揺動支持部35は、各々がx方向において第1スイッチ部21と第2スイッチ部22との間に位置しており、図示された例においては、第1スイッチ部21と第2スイッチ部22との略中間に位置している。なお、スイッチ基板29のy方向前面側に、図示しない絶縁シートを設けてもよい。
パネル部210は、揺動支持部35に揺動可能に支持され、第1スイッチ部21および第2スイッチ部22を押下するための部材である。図12および図13に示すように、図示された例においては、第1操作領域201は、主板部211、開口212、側板部213、複数の取付部214、複数の弾性変形部215、複数の突起216および複数の押下突起217を有する。パネル部210の材質は特に限定されず、たとえばABS樹脂からなる。
主板部211は、パネル部210のベースとなる部位であり、y方向前方に露出している。主板部211の形状は特に限定されず、図示された例においては、x方向を長手方向とする長矩形状である。
開口212は、主板部211を貫通する開口部分である。開口212の形状は特に限定されず、図示された例においては、x方向を長手方向とする長矩形状である。また、開口212は、主板部211の略中央に位置している。
側板部213は、主板部211からy方向後方に繋がっており、y方向に沿った板状部位である。図示された例においては、側板部213は、主板部211のz方向両側に繋がる部位と、主板部211のx方向両側に繋がる部位とを含む。
複数の取付部214は、ケース3の揺動支持部35に係合することにより、パネル部210を揺動可能にケース3によって支持するための部位である。複数の取付部214の個数は特に限定されず、図示された例においては、2つの取付部214が設けられている。2つの取付部214は、z方向に互いに離間して配置されている。取付部214は、側板部213からy方向後方に突出しており、主板部211のx方向における略中央に位置している。図示された例においては、取付部214は、y方向後方に開口する凹部を有する。この凹部が揺動支持部35の棒状部分に係合する。
複数の弾性変形部215は、パネル部210が操作された際に、パネル部210を後述の中立状態に復帰させるための弾性力を付勢するためのものである。弾性変形部215の個数は特に限定されず、図示された例においては、4つの弾性変形部215が設けられており、x方向両側に2つずつの弾性変形部215が配置されている。弾性変形部215は、主板部211のx方向端部のy方向中央部分からy方向外方に向かって延出する形状である。
複数の突起216は、主板部211のy方向前側に設けられている。複数の突起216の個数は特に限定されず、図示された例においては、2つの突起216が設けられている。2つの突起216は、開口212を挟んで主板部211のx方向両端付近に離間して配置されている。
複数の押下突起217は、使用者の操作によって、第1スイッチ部21および第2スイッチ部22を押下する部位である。図示された例においては、2つの押下突起217が設けられている。2つの押下突起217は、主板部211のy方向後側に設けられており、開口212を挟んでx方向両端付近に離間して配置されている。押下突起217は、主板部211からy方向後方に突出しており、図示された例においては、y方向視において十字形状のリブからなる。
カバー部220は、パネル部210に対してy方向後方から組み合わせられる部材である。図12および図14に示すように、図示された例においては、カバー部220は、主板部221、凸窓部222、複数の係止板部223および複数の突起224を有する。カバー部220の材質は特に限定されず、たとえば透明な樹脂からなる。
主板部221は、カバー部220のベースとなる部位である。主板部211の形状は特に限定されず、図示された例においては、x方向を長手方向とする略長矩形状である。
凸窓部222は、エリアプレート230を操作部2のy方向前面に視認可能に保持する部位である。凸窓部222は、主板部221からy方向前方に突出している。主板部221の形状は特に限定されず、図示された例においては、y方向視においてx方向を長手方向とする長矩形状である。
複数の係止板部223は、押さえ部240との係合を実現するための部位である。図示された例においては、2つの係止板部223が主板部221のx方向両側に設けられている。係止板部223は、主板部221のx方向端部のy方向後方側部分からx方向外方に延出している。図示された例においては、係止板部223のz方向寸法は、主板部221のx方向端部のz方向寸法と略同じである。
複数の突起224は、押さえ部240との係合を実現するための部位である。図示された例においては、4つの突起224が設けられている。1つの係止板部223に、2つの突起224がz方向に離間して設けられている。突起224は、係止板部223からy方向視において前方に突出している。
エリアプレート230は、使用者の操作を補助しうる表示内容が記載される部位である。エリアプレート230の形状は特に限定されず、図示された例においては、カバー部220の凸窓部222に保持可能な長矩形状である。また、エリアプレート230の材質は特に限定されず、表示内容の記載に適した材質、たとえば、例えば、紙やプラスチックシートが適宜採用される。エリアプレート230には、制御対象とするエリア名が、たとえば、「事務所2F東エリア」などと分かり易く記載される。
押さえ部240は、カバー部220とともにエリアプレート230を挟持するためのものである。図12および図15に示すように、図示された例においては、押さえ部240は、主板部241、複数のアーム部243および複数の係止部244を有する。押さえ部240の材質は、特に限定されず、たとえばABS樹脂からなる。
主板部241は、押さえ部240のベースとなる部位である。主板部241の形状は特に限定されず、図示された例においては、x方向を長手方向とする長矩形状である。
複数のアーム部243は、押さえ部240をカバー部220に対して回転可能に取り付けることを実現するための部位である。アーム部243の個数は特に限定されず、図示された例においては、4つのアーム部243が設けられている。2つずつのアーム部243がx方向両側に設けられており、x方向片側において2つのアーム部243がz方向に離間して配置されている。アーム部243は、主板部241のx方向中央部分からx方向に延出している。
複数の係止部244は、複数のアーム部243とともに、押さえ部240をカバー部220に対して回転可能に取り付けることを実現するための部位である。複数の係止部244の個数は特に限定されず、図示された例においては、4つの係止部244が設けられている。4つの係止部244は、4つのアーム部243に各別に設けられている。係止部244は、アーム部243のx方向先端付近からz方向内方に突出している。
図12に示すように、図示された例においては、エリアプレート230がカバー部220と押さえ部240とに挟まれる。また、押さえ部240の複数の係止部244がカバー部220の係止板部223および複数の突起224に係合させられる。なお、係止部244と係止板部223および突起224は、脱着自在であり、図16に示すように、x方向における片側のみにおいて係合可能である。カバー部220、エリアプレート230および押さえ部240は、たとえばカバー部220がパネル部210に嵌合することによりパネル部210に固定される。カバー部220、エリアプレート230および押さえ部240のパネル部210への固定方法は、何ら限定されない。
図2および図3に示すように、第1操作領域201、第2操作領域202およびエリア表示部203は、操作部2のy方向前方から視認可能な位置に設けられている。本実施形態においては、4つの操作部2のそれぞれに、1つずつの第1操作領域201、第2操作領域202およびエリア表示部203が設定されている。
第1操作領域201は、操作部2の主板部211のx方向一方側(図3における図中右側)に配置されている。第1操作領域201は、使用者によって押下される部位であり、第1スイッチ部21に検出信号を出力させることが意図された部位である。図示された例においては、第1操作領域201には、上昇や増大をイメージさせる上向きの図記号が設けられている。
第2操作領域202は、操作部2の主板部211のx方向他方側(図3における図中左側)に配置されている。第2操作領域202は、使用者によって押下される部位であり、第2スイッチ部22に検出信号を出力させることが意図された部位である。図示された例においては、第2操作領域202には、下降や減少をイメージさせる下向きの図記号が設けられている。
エリア表示部203は、第2スイッチ部22の凸窓部222を透してエリア表示部203に記載された内容をy方向前方に視認可能とする部位である。エリア表示部203は、第1操作領域201および第2操作領域202の間に位置している。本実施形態においては、エリア表示部203に後述する照明器具7のエリアが表示されている。これにより、いずれの操作部2を操作することにより、いずれのエリアの照明器具7を制御できるかが認識される。
<操作側通信部4>
操作側通信部4は、操作装置1に対する使用者の操作に基づいて、照明状態情報ILを送信するためのものである。本実施形態においては、操作側通信部4は、無線通信を用いた照明状態情報ILの送信を行う。操作側通信部4が行う無線通信の方式等は特に限定されず、電波を用いた無線通信や赤外線を用いた通信等であってもよい。本実施形態においては、操作側通信部4は、電波を用いた無線通信を行う。操作側通信部4の無線通信の規格等は、特に限定されず、たとえば、IEEE802.11に準拠するWi-FiやIEEE802.15.1に準拠するBluetooth(登録商標)、ISO/IEC14543に準拠するEnOcean(登録商標)等が例示される。
図11に示すように、本実施形態においては、操作側通信部4は、スイッチ基板29のy方向における背面側に設けられている。また、スイッチ基板29は、操作側通信部4による無線通信に用いられるアンテナ部分が形成されていてもよい。
<操作側制御部5>
操作側制御部5は、操作部2における操作によって出力された検出信号に基づいて、照明状態情報ILを生成し、この照明状態情報ILを操作側制御部5に送信させる制御を行う。操作側制御部5は、たとえばIC等の集積処理回路や記憶部としての半導体メモリ等を適宜具備する。操作側制御部5は、たとえばスイッチ基板29に実装される(図示略)。
<電池61>
電池61は、操作装置1の電源の一例である。本実施形態においては、2つの電池61が用いられている。電池61は、充電式の二次電池であってもよい。
<取付部62>
取付部62は、操作装置1を壁面WL等に脱着自在に取り付けるためのものである。本実施形態においては、取付部62は、プレート部621および複数のねじ623を有する。
プレート部621は、たとえばABS樹脂からなる板状部材である。図5および図6に示すように、プレート部621の形状は特に限定されず、図示された例においては、矩形状である。プレート部621には、複数の係止部622が形成されている。複数の係止部622は、プレート部621からy方向前方に突出している。複数の係止部622の個数は特に限定されず、図示された例においては、4つの係止部622が設けられている。4つの係止部622は、ケース3の背面部32に設けられた4つの係止部37に各別に係合する。これにより、取付部62は、ケース3に対して脱着自在とされている。複数のねじ623は、プレート部621を壁面WL等に固定するためのものである。図示された例においては、2つのねじ623が設けられている。ねじ623の種類は特に限定されず、たとえば木ねじである。
<発光インジケータ63>
発光インジケータ63は、操作装置1の所望の状態を表示するためのものであり、たとえばLEDモジュールからなる。発光インジケータ63の発光は、操作側制御部5によって制御され、たとえば電池61の残量が所定以下になった場合に、赤色に発光する。これにより、使用者は、電池61の交換時期が近いことを認識することができる。
<照明器具7>
照明器具7は、設置箇所の周囲を照らすための器具である。照明器具7の種類や具体的構成は特に限定されない。照明器具7は、たとえば屋内の天井や壁面に取り付けられたり、床面に載置されたりする。図1に示すように、本実施形態においては、照明器具7は、光源部71、照明側通信部72、照明側制御部73および電源部74を有する。
光源部71は、発光する部位であり、種々の光源デバイスを有する。本実施形態においては、光源部71は、LEDを有する。LEDの個数は、特に限定されない。また、光源部71は、複数種類のLEDを有するものであってもよい。
光源部71が有するLEDに流す電流によりLEDの輝度は変化し、その結果として照明器具7が発する光の全光束も変化する。このような光の調節を調光といい、LEDに流す電流を最大とした時を100%として全光束を相対表示したものを調光率という。以降の説明においては、光源部71の全光束を大きくすることを調光率を上げる(上昇させる、増大させる)と称し、光源部71の光の全光束を小さくすることを調光率を下げる(下降させる、減少させる)と称する。
照明側通信部72は、通信によって照明状態情報ILを受信する部位である。照明側通信部72による通信形式は特に限定されず、有線通信、無線通信等が適宜採用される。本実施形態においては、ネットワークNに照明側通信部72が接続されている。ネットワークNは、たとえばEthernet方式のLAN(ローカル・エリア・ネットワーク)であり、無線通信および有線通信が適宜採用される。照明側通信部72には、照明器具7を特定するアドレス情報である照明器具IDが記憶されている。
照明側制御部73は、照明側通信部72によって受信した照明状態情報ILに基づいて、照明器具7の照明状態を制御するものである。照明側通信部72の構成は特に限定されず、たとえば集積回路素子やLEDドライバ、あるいは記憶部としての半導体メモリを有する。照明側制御部73による照明器具7の照明状態の制御は、たとえば照明器具7をONまたはOFFさせる点灯制御や、光源部71の調光率(発光状態)を制御する発光制御が含まれる。光源部71による調光率の制御(発光制御)は、たとえばPWM制御によって行われる。記憶部には、後述する照明状態情報ILの各項目の設定値等が適宜記憶されている。
電源部74は、光源部71を発光させるための電力を供給するものである。電源部74は、たとえば商用の100V交流電力を光源部71に適した直流電力に変換する。電源部74は、照明側制御部73によって制御される。
本実施形態においては、照明システムA1は、複数の照明器具7を備える。複数の照明器具7は、複数のエリアのいずれかに属することが定義される。図示された例においては、エリアAR1に1つの照明器具7が属しており、エリアAR2に1つの照明器具7が属しており、N番目のエリアARnに1つの照明器具7が属している。エリアの個数や、あるエリアに属する照明器具7の個数は、特に限定されない。なお、N=4である場合、4つの操作部2を有する1つの操作装置1によって、すべてのエリアの照明器具7を操作することができる。
<サーバ8>
サーバ8は、操作装置1になされた操作に基づいて、複数の照明器具7を統合制御するものである。本実施形態においては、サーバ8は、主制御部81、主通信部82および主記憶部83を有する。サーバ8は、たとえば複数の照明器具7が設置された建築物のいずれかの任意の場所に設置されるが、別の建築物に設置されていてもよい。
主制御部81は、サーバ8による制御を行う中枢部位である。主制御部81は、たとえばCPUからなる。
主通信部82は、サーバ8の通信機能を果たすものである。本実施形態においては、主通信部82は、有線部821および無線部822を有する。
有線部821は、ネットワークNに接続されている。なお、サーバ8をネットワークNに無線通信によって接続する場合、有線部821に代えて所定の無線部を有してもよい。
無線部822は、操作装置1の操作側通信部4と無線通信を行うことにより、操作装置1からの照明状態情報ILを受信するものである。無線部822の無線通信方式は特に限定されず、操作側通信部4と同様にたとえば、IEEE802.11に準拠するWi-FiやIEEE802.15.1に準拠するBluetooth(登録商標)、ISO/IEC14543に準拠するEnOcean(登録商標)等が例示される。
主記憶部83は、サーバ8による統合制御に必要となる情報が適宜記憶される部位であり、たとえばハードディスクや半導体メモリからなる。主記憶部83には、たとえば複数の照明器具7とエリアとの対応や、後述する照明状態情報ILの各種項目の設定値等が記憶されている。また、複数の照明器具7の時間帯ごとの調光率を制御する、いわゆるスケジュール制御の設定値も記憶されている。
次に、照明システムA1における照明状態の制御や動作について、以下に説明する。
以降の制御や動作を行うためのサーバ8の初期設定は、たとえば、図示しないキーボードやディスプレイを通じて手動操作により行われる。サーバ8が制御対象とする各照明器具7の照明器具IDが主記憶部83に登録され、更に、各照明器具7がいずれのエリアに属するかが設定される。同様に、サーバ8が照明状態情報ILを受信する操作装置1を特定するアドレス情報であるスイッチ情報も主記憶部83に登録される。更に、操作装置1が有する複数の操作部2のそれぞれが、エリアAR1からエリアARnのいずれに対する操作であるかを対応づける情報も主記憶部83に登録される。
図17は、照明状態情報ILの一例を示している。照明状態情報ILは、操作装置1における操作にしたがって、操作側制御部5によって生成され、操作側通信部4から無線通信によってサーバ8に送信され、該当する照明器具7に送信される情報である。
本実施形態の照明状態情報ILは、スイッチ情報IL1、エリア情報IL2、ON/OFF情報IL3および発光調節情報IL4を含む。
スイッチ情報IL1は、照明状態情報ILを発する操作装置1を特定する情報である。本実施形態においては、照明システムA1は、1つのみの操作装置1を備える。このため、スイッチ情報IL1は、利用されないか、あるいはSW1等の固定値が割り当てられる。
エリア情報IL2は、操作装置1が有する複数の操作部2のいずれが操作されたかを示す情報である。たとえばz方向で一番上の操作部2が操作されたとすると、一番上の操作部2に対応する情報がエリア情報IL2として生成される。上述した通り、サーバ8には操作装置1の各操作部2とエリアとの対応付けに関する情報が登録されているため、操作装置1から送信されてきたスイッチ情報IL1とエリア情報IL2により、どのエリアの照明器具7を制御すべきか認識できる。
ON/OFF情報IL3は、対象となるエリアの照明器具7の点灯状態を制御するための情報である。具体的には、ON/OFF情報IL3は、操作装置1の操作にしたがって、ONまたはOFFの情報が割り当てられる。
発光調節情報IL4は、対象となるエリアの照明器具7の発光状態を制御するための情報である。発光調節情報IL4の具体的な内容は特に限定されず、本実施形態において、照明器具7の光源部71が上述の例示した構成である場合、発光調節情報IL4は、対象となるエリアの照明器具7の調光率を増減させる情報が割り当てられ、たとえば10%up、20%up、10%down、20%down、等の値が適宜割り当てられる。なお、発光調節情報IL4は、調光率以外の発光状態に関する情報であってもよく、たとえば光源部71の色温度を調節する情報であってもよい。
図8に示す操作部2は、第1操作領域201および第2操作領域202のいずれもが使用者によって押下されていない。この場合、第1操作領域201は、第1スイッチ部21および第2スイッチ部22のいずれも押下していない。この状態を、中立状態と定義する。
図9に示す操作部2は、第1操作領域201が使用者によって押下されており、第1操作領域201に対応する第1スイッチ部21をパネル部210の弾性変形部215が押下している。この状態を、第1状態と定義する。一方、第2操作領域202が使用者によって押下されると、第2操作領域202に対応する第2スイッチ部22をパネル部210の弾性変形部215が押下する。この状態を第2状態と定義する。
図18は、操作装置1の操作による制御の一例を示している。
同図に示された制御においては、まず、ステップS0において、操作装置1の制御が開始する。
次に、ステップS1において、第1スイッチ部21が押下されているかを操作側制御部5が判断する。第1スイッチ部21からの検出信号が出力されている場合(ステップS1:Yes)、操作側制御部5は、ステップS2を実行する。
ステップS2において、第1スイッチ部21からの検出信号が予め設定された第1所定時間以上にわたって継続して出力されている場合(ステップS2:Yes)、操作側制御部5は、ステップS3において、エリア情報IL2に押下された操作部2に対応するエリアを割り当て、また、ON/OFF情報IL3をONに設定する。これは、使用者が、ある操作部2の第1操作領域201を第1所定時間以上押下していることに相当する。
一方、第1スイッチ部21からの検出信号が継続して出力された時間が、第1所定時間未満である場合(ステップS2:No)、操作側制御部5は、ステップS4において、エリア情報IL2に押下された操作部2に対応するエリアを割り当て、また、発光調節情報IL4を10%upに設定する。これは、使用者が、ある操作部2の第1操作領域201を第1所定時間未満だけ押下したことに相当する。
ステップS1において第1スイッチ部21が押下されていない場合(ステップS1:No)、操作側制御部5は、ステップS5において第2スイッチ部22が押下されているかを判断する。第2スイッチ部22からの検出信号が出力されている場合(ステップS5:Yes)、操作側制御部5は、ステップS6を実行する。
ステップS6において、第2スイッチ部22からの検出信号が予め設定された第2所定時間以上にわたって継続して出力されている場合(ステップS6:Yes)、操作側制御部5は、ステップS7において、エリア情報IL2に押下された操作部2に対応するエリアを割り当て、また、ON/OFF情報IL3をOFFに設定する。これは、使用者が、ある操作部2の第2操作領域202を第2所定時間以上押下していることに相当する。なお、第2所定時間は、第1所定時間と同じであることが好ましいが、第1所定時間と異なる時間であってもよい。
一方、第2スイッチ部22からの検出信号が継続して出力された時間が、第2所定時間未満である場合(ステップS6:No)、操作側制御部5は、ステップS8において、エリア情報IL2に押下された操作部2に対応するエリアを割り当て、また、発光調節情報IL4を10%downに設定する。これは、使用者が、ある操作部2の第2操作領域202を第2所定時間未満だけ押下したことに相当する。
ステップS3,S4,S7,S8を終えると、操作側制御部5は、ステップS9を実行する。ステップS9においては、操作側制御部5は、設定した照明状態情報ILを操作側通信部4に無線通信によって送信させる。この送信された照明状態情報ILは、サーバ8によって受信される。サーバ8は、受信した照明状態情報ILに含まれるエリア情報IL2に対応するエリアに属する照明器具7に、照明状態情報ILをネットワークNを介して送信する。照明状態情報ILを受信した照明器具7の照明側制御部73は、照明状態情報ILに含まれるON/OFF情報IL3や発光調節情報IL4に設定された情報にしたがって、光源部71を制御する。
ステップS9の後は、ステップS10において、処理終了であるかを判定する。なお、ステップS5において第2スイッチ部22が押下されていない場合(ステップS5:No)も、ステップS10を実行する。処理を終了する操作がなされていない場合(ステップS10:No)、操作側制御部5は、ステップS1を再び実行する。ステップS10において処理を終了させる操作がなされている場合(ステップS10:Yes)、操作側制御部5は、処理を終了する(ステップS11)。
次に、照明システムA1の作用について説明する。
本実施形態によれば、照明システムA1は、複数の照明器具7を備えている。サーバ8には、操作装置1の操作に基づいて生成された照明状態情報ILが、無線通信を利用して送信される。サーバ8は受信した照明状態情報ILに基づいて制御情報を与えるべき照明器具7を特定し、それらの照明器具7の照明器具IDを用いて、ネットワークNを経由して所定の照明器具7に、ON/OFFや調光率などの制御情報を与える。このため、複数の照明器具7が様々な箇所に設置されていても、壁面WL等の特定箇所に設置された操作装置1から照明器具7の制御を行うことができる。このため、照明器具7の個数や配置箇所に応じて、一般的に操作装置1よりも構成が複雑であり高コストであるコントローラ等を増設する必要がない。したがって、コスト増大を抑制しつつ複数の照明器具7を適切に制御することができる。
複数の照明器具7は、複数のエリアにそれぞれ属するように設定されており、照明状態情報ILは、制御対象を特定するエリア情報IL2を含む。このため、1つの操作装置1によって、複数のエリアに分かれて配置された複数の照明器具7のうち任意のエリアの照明器具7を選択的に制御することができる。
操作側制御部5は、第1操作領域201が第1所定時間以上押下された場合に、ON/OFF情報IL3をON状態とし、第2操作領域202が第2所定時間以上押下された場合にON/OFF情報IL3をOFF状態とする。これにより、偶発的な操作部2への接触によって、該当するエリアの照明器具7が意図せず点灯したり消灯したりすることを防止することができる。
操作側制御部5は、第1操作領域201が第1所定時間未満だけ押下された場合に、発光調節情報IL4をたとえば10%upに設定し、第2操作領域202が第2所定時間未満だけ押下された場合に発光調節情報IL4をたとえば10%downとする。これにより、1つの操作部2の第1操作領域201および第2操作領域202に対する押下によって、照明器具7の光源部71のON,OFFと調光率の増加および減少という4種類の操作を行うことができる。また、ON/OFF情報IL3および発光調節情報IL4のいずれを設定するかを、第1所定時間および第2所定時間を基準として、押下時間の長短によって判断することにより、使用者の感覚に応じた制御を確実に行うことができる。
図8および図9に示すように、操作部2のパネル部210は、揺動可能であることにより、第1状態、第2状態および中立状態をとる。これにより、パネル部210によって第1スイッチ部21および第2スイッチ部22の双方を選択的に押下することが可能である。このため、第1スイッチ部21および第2スイッチ部22を別々に押下するための2つの部材を設ける必要がない。これは、操作装置1のコスト低減に有利である。
また、たとえば、図9に示すように、第1操作領域201が力F1によって押下されると、パネル部210は、第1スイッチ部21を押下する第1状態をとる。この際、対応するパネル部210の第1操作領域201側に位置する2つの弾性変形部215は、図10に示すように、ケース3の当接部36に当接し、弾性変形する。この弾性変形により、これらの弾性変形部215は、力F1とは逆向きの弾性力F2を付勢する。この弾性力F2は、パネル部210を図8に示す中立位置に復帰させる方向に作用する。ただし、弾性力F2は、力F1よりも小さい。このため、力F1が作用している間、すなわち使用者が第1操作領域201を押下している間は、パネル部210は、第1状態を維持する。使用者が第1操作領域201の押下を中止すると、力F1が除外される。このため、パネル部210は、弾性力F2によって図8に示す中立状態に復帰する。このような挙動は、第2操作領域202が押下された場合も同様である。したがって、使用者は、第1操作領域201および第2操作領域202への押下のみを行えば、照明器具7を操作することが可能であり、操作部2を復帰させるための操作を行う必要がなく、操作効率を向上させることができる。
図16に示すように、押さえ部240は、x方向両側に配置された複数の係止部244によって、カバー部220に取り付けられている。x方向における片側の係止部244の係合を解除することにより、押さえ部240は、x方向他方側を中心として回転可能となる。これにより、カバー部220から押さえ部240を完全に離脱させることなく、エリアプレート230の交換や記載内容の変更等を行うことが可能である。また、x方向両側の一方を取り外し、他方を中心として回転させることが可能である構成は、たとえば、右利きおよび左利きのいずれの使用者であってもより容易に操作を行うことが可能であるという利点がある。
操作装置1は、電池61によって駆動される。このため、操作装置1に電力を供給するための電源配線等を設置する必要がない。また、電池61の電圧が所定の閾値以下になると発光インジケータ63が点灯する。このため、電池61の残量不足により、照明器具7の操作が行えなくなるといった事態を未然に防ぐことができる。
なお、電池61に代えて、操作装置1は、外部電源から電力が供給される構成であってもよい。この場合、電池61を交換するといった負担が軽減される。
操作装置1は、取付部62によって壁面WL等に対して脱着自在である。これにより、操作装置1を壁面WLから取り外して、使用者の任意の場所から操作することができる。
パネル部210には、第1操作領域201および第2操作領域202に対応する2つの突起216が形成されている。これにより、比較的暗い場所であっても、手探りで操作装置1の第1操作領域201または第2操作領域202の押下を行うことができる。
図19~図21は、本発明の変形例および他の実施形態を示している。なお、これらの図において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。
<第1実施形態 変形例>
図19は、照明システムA1の変形例を示すシステム構成図である。本変形例の照明システムA11においては、エリアAR1に複数の照明器具7が属している。
本例において、操作装置1を用いた操作によって、エリアAR1を対象としたON/OFFや調光率の変更がなされると、エリアAR1に属する複数の照明器具7の照明状態が一括して変更される。
本例から理解されるように、各エリアに属する照明器具7の個数は、何ら限定されない。また、1つのエリアに複数の照明器具7が属している場合、操作装置1を用いた1回の操作によって、複数の照明器具7を一括して制御することができる。
<第2実施形態>
図20は、本発明の第2実施形態に係る照明システムを示すシステム構成図である。本実施形態の照明システムA2は、複数の操作装置1を備える点が、上述した実施形態と異なっている。
本実施形態においては、複数の操作装置1が特定箇所の一例である壁面WL等に取り付けられている。複数の操作装置1は、互いに同じ構成であってもよいし、異なる構成であってもよい。たとえば、複数の操作装置1が同じ構成である場合、各操作装置1は、エリアAR1~エリアARnのすべてのエリアの照明器具7を操作可能であることが好ましい。一方、複数の操作装置1が互いに異なる構成である場合として、たとえば、ある操作装置1が操作可能であるエリアと、他の操作装置1が操作可能であるエリアとが、一部またはすべてにおいて異なる構成が挙げられる。
本実施形態においては、各操作装置1には、照明状態情報ILのスイッチ情報IL1に設定される認識情報がそれぞれに割り当てられている。図示された例においては、図中左方の操作装置1にSW1が割り当てられており、図中右方の操作装置1にSW2が割り当てられている。
操作装置1(SW1)から操作がなされると、操作装置1(SW1)からの照明状態情報ILのスイッチ情報IL1には、SW1が割り当てられる。サーバ8は、受信した照明状態情報ILのスイッチ情報IL1から、いずれの操作装置1からの操作であるかを認識することができる。一方の操作装置1(SW2)から操作がなされると、操作装置1(SW1)からの照明状態情報ILのスイッチ情報IL1には、SW2が割り当てられる。
本実施形態によっても、上述した照明システムA1と同様の効果が得られる。また、本実施形態から理解されるように、操作装置1の個数は特に限定されない。複数の操作装置1を設置可能であることにより、より広範な場所に離散して設置された複数の照明器具7を、より適切に操作することができる。
照明状態情報ILがスイッチ情報IL1を含むことにより、サーバ8は、いずれの操作装置1からの操作であるかを認識することができる。これは、たとえば、あるエリアに属する照明器具7とある操作装置1とが、現実的に操作を行えないほどの遠距離に設置されている場合、サーバ8は、当該操作装置1からの照明状態情報ILのスイッチ情報IL1が当該エリアを指定していても、当該エリアの照明器具7に照明状態情報ILを送信しないといった処理を行うことができる。これにより、意図しない誤操作を防止することができる。
<第3実施形態>
図21は、本発明の第3実施形態に係る照明システムを示すシステム構成図である。本実施形態の照明システムA3は、上述した実施形態におけるサーバ8を備えない点が異なっている。
本実施形態においては、複数の照明器具7は、所望の位置に設置されており、たとえば有線のネットワークN等によっては、互いに接続されていない。照明器具7の照明側通信部72は、無線通信機能を有する。照明側通信部72の無線通信の規格等は、特に限定されず、操作装置1との無線通信が可能なものであればよく、たとえば、IEEE802.11に準拠するWi-FiやIEEE802.15.1に準拠するBluetooth(登録商標)、ISO/IEC14543に準拠するEnOcean(登録商標)等が例示される。
本実施形態においては、操作装置1からの照明状態情報ILをすべての照明器具7が受信する。各照明器具7は、当該照明器具7が属するエリアが設定されている。各照明器具7は、当該照明器具7が属するエリアがエリア情報IL2に割り当てられている場合に、ON/OFF情報IL3や発光調節情報IL4にしたがって照明状態を制御する。
また、照明システムA3は、設定端末9を備えている。設定端末9は、設定制御部91、設定通信部92および設定記憶部93を有している。設定端末9の具体例としては、たとえばタブレット端末やスマートフォンが挙げられる。
設定端末9は、上述した実施形態においてサーバ8が複数の照明器具7に対して行っていた初期設定処理を行うための端末である。操作入力部94は、設定処理者が設定端末9に対して入力を行う部位である。表示部95は、設定処理等に必要な情報を表示する部位であり、たとえば液晶ディスプレイ等である。なお、操作入力部94は、表示部95と一体化されたタッチパネルであってもよい。また、操作入力部94としては、キーボード等を採用してもよい。設定制御部91は、操作入力部94からの操作入力に対応した設定作業処理を行う。設定通信部92は、無線通信を行う部位であり、初期設定に関する情報を該当する照明器具7に対して送信する。設定記憶部93は、初期設定処理に必要な各種の情報や設定値を記憶している部位であり、たとえば半導体メモリからなる。
初期設定においては、各照明器具7がいずれのエリアに属するかという情報が各照明器具7に設定される。また、上述の本発明の第1および第2の実施形態においては、各操作装置1から送信された照明状態情報ILに基づいて、サーバ8が照明器具7に制御情報を与えていたが、本実施形態では、操作装置1から送信された照明状態情報ILを照明器具7が直接受信する。このため、エリア情報IL2とエリアAR1~エリアARnとの対応づけに関する情報は、初期設定の際に各照明器具7の記憶部に登録される。これにより、操作装置1から送信されてきたスイッチ情報IL1とエリア情報IL2とを用いて、自照明器具のON/OFFや調光率を制御すべきか認識できる。
このような実施形態から理解されるように、本発明の照明システムは、サーバ8を備えない構成であってもよい。各照明器具7に無線通信機能を具備することにより、設置場所に有線のネットワーク等を敷設する必要がなく、システムのコストを低減することができる。サーバ8を有さない構成であっても、照明状態情報ILがエリア情報IL2を含むことにより、捜査対象であるエリアの照明器具7を確実に操作することができる。
本発明に係る照明システムは、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る照明システムの各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。