JP7101527B2 - とろみ状の水性化粧料 - Google Patents

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Description

本発明は、とろみ状の水性化粧料に関する。
現在、化粧料の分野においては、種々の化粧料が開発されており、例えば、みずみずしい使用感、さらさら感等を付与できる化粧料、保湿作用等を呈し得るジェル状の化粧料などが提供されている。
特許文献1には、カチオン性ポリマーとカルボキシメチルセルロースとから形成されるポリイオンコンプレックスにより乳化された水中油型乳化組成物であって、カチオン性ポリマーのカチオン化度とカルボキシメチルセルロースのエーテル化度との比が1/3~3/1の範囲内にある、水中油型乳化組成物を含む、みずみずしい使用感を呈し得る化粧料が開示されている。
特許文献2には、(A)シリコーン樹脂粉体、(B)両性ポリマー、(C)ノニオン性界面活性剤、及び(D)水を含有し、(A)シリコーン樹脂粉体及び(B)両性ポリマーの質量比〔(A)/(B)〕が5~40である、さらさら感に優れる化粧料が開示されている。
特許文献3には、(1)炭素数10~30のアルキル基を有していても、架橋構造を有していても良いカルボキシビニルポリマー及び/又はその塩、(2)硫酸化されていても良いトレハロース及び/又はその塩、並びに(3)吸水性ポリマーを含有する、保湿作用を有するジェル状化粧料が開示されている。
特許文献4には、平均粒径150nm以下の油滴を有する水中油型乳化物に、疎水変性ポリエーテルウレタンを含有せしめた、ぷるぷるとした独特の触感を有する弾力ジェル状の化粧料が開示されている。
国際公開第2011/016363号 特開2013-112680号公報 特開2005-225769号公報 特開2016-088868号公報
例えば、化粧料の分野では、従来より、さらさら感を付与できる化粧料や、ぷるぷる感を付与できるジェル状の化粧料など、これまでとは異なる新規な使用感触を呈する化粧料などが望まれていた。
したがって、本発明の主題は、新規な使用感触を呈し得る水性化粧料を提供することである。
〈態様1〉
カチオン性ポリマー及びアニオン性ポリマーを含む会合体を含有する、とろみ状の水性化粧料であって、
剪断速度1/s時における粘度が、500mPa・s以下であり、かつ、粘弾性比が、10以上であり、
乾燥によって水分を除去して5倍に濃縮したときに、剪断速度1/s時における粘度が、2000mPa・s以下であり、かつ、粘弾性比が、0.1~5であるジェル状の形態に変化し、
前記カチオン性ポリマーが、第4級窒素含有セルロースエーテルであり、かつ
前記アニオン性ポリマーが、アルギン酸、(ジメチルアクリルアミド/アクリロイルジメチルタウリンNa)クロスポリマー、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ポリアクリル酸、ポリスチレンスルホン酸、デキストラン硫酸、及びそれらの塩からなる群から選択される少なくとも一種である、
とろみ状の水性化粧料。
〈態様2〉
前記カチオン性ポリマー及び前記アニオン性ポリマーの配合比が、カチオン性ポリマーのイオン電荷に対するアニオン性ポリマーのイオン電荷のモル比で5:1~1:5である、態様1に記載の化粧料。
〈態様3〉
前記化粧料が、油分を含む水中油滴型の乳化組成物を含み、かつ、前記会合体が、油滴における水相との界面に形成されている、態様1又は2に記載の化粧料。
本発明によれば、新規な使用感触を呈し得る水性化粧料を提供することができる。特に、低粘度であることによって滑らかな触感を呈するとろみ状の形態でありつつ、濃縮したときに、低粘度でかつ弾性的な性質が増加することによってジェル状の形態に変化し、それにより、しっとりとした柔らかな触感を呈する、とろみ状の水性化粧料を提供することができる。
また、本発明の化粧料で使用される水中油型乳化組成物は、界面活性剤を用いなくても得ることができるため、従来の界面活性剤を使用した水中油型乳化組成物に比較して耐水性に優れ、皮膚への刺激も少ない、安全で安定した組成物を提供することができる。
本発明の一実施態様の化粧料及び比較サンプルにおける、5倍濃縮の前後の剪断粘度及び粘弾性比に関するグラフである。
以下、本発明の実施の形態について詳述する。本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、発明の本旨の範囲内で種々変形して実施できる。
本発明のとろみ状の水性化粧料は、カチオン性ポリマー及びアニオン性ポリマーを含む会合体を含有し、剪断速度1/s時における粘度が、500mPa・s以下であり、かつ、粘弾性比が、10以上であり、乾燥によって水分を除去して5倍に濃縮したときに、剪断速度1/s時における粘度が、2000mPa・s以下であり、かつ、粘弾性比が、0.1~5であるジェル状の形態に変化し、また、カチオン性ポリマーが、第4級窒素含有セルロースエーテルであり、かつ、アニオン性ポリマーが、アルギン酸、(ジメチルアクリルアミド/アクリロイルジメチルタウリンNa)クロスポリマー、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ポリアクリル酸、ポリスチレンスルホン酸、デキストラン硫酸、及びそれらの塩からなる群から選択される少なくとも一種である。
従来の化粧料においても、10倍以上又は20倍以上と高度に濃縮すれば、上述の濃縮後の粘度又は粘弾性比の何れかを満足する可能性はあるが、5倍程度の濃縮、即ち、化粧料を皮膚に適用しながら、その形態変化を実感できるような、低度の濃縮下において、係る形態変化を呈する化粧料などはこれまでになかった。
本発明における5倍濃縮とは、濃縮した化粧料の粘度及び粘弾性比の測定条件を規定するものであり、5倍濃縮したものだけが、上述の粘度及び粘弾性比を満足するというものではない。即ち、5倍濃縮したときに、上述の粘度及び粘弾性比を満足する限り、例えば、2倍又は10倍に濃縮された化粧料が、上述の粘度及び粘弾性比をさらに満足していても構わない。
原理によって限定されるものではないが、とろみ状の水性化粧料が濃縮によってジェル状に変化する作用原理は以下のとおりであると考える。
本発明のとろみ状の水性化粧料に含まれる会合体は、ポリイオンコンプレックスとも呼ばれており、カチオン性ポリマー及びアニオン性ポリマーが、静電的な相互作用等によって集合して絡み合ったような構造の会合体であると考えている。また、化粧料が油分も含む乳化組成物を含む場合には、係る会合体は、乳化剤のように機能し、連続相である水相と分散相としての油相との界面において、係る会合体が形成されるものと考えている。
本発明の水性化粧料は、濃縮前は化粧料に配合されている水の量が多く、化粧料中の会合体は各々離れて分布しているため、低粘度なとろみ状の形態であるが、化粧料が濃縮されるに従い、隣接する会合体間の距離が近接してくると、会合体を構成するポリマーの一部が、隣接する会合体のポリマーの一部とも相互作用して絡みつき、連結したネットワーク構造を発現して水分が保持され易くなるため、低粘度でかつ弾性的な性質を有するジェル状の形態に変化するものと考えている。
このようなネットワーク構造は、例えば、架橋反応によって形成されるようなネットワーク構造に比べ、ポリマー間の結合力が弱いため、濃縮後においても比較的低粘度で弾性的という特異な状態でジェル化するものと考えている。その結果、本発明の水性化粧料は、濃縮前は、優れた塗布性及び滑らかな触感を提供することができる一方で、係る化粧料を、例えば、乾燥させて濃縮させた場合には、とろみ状からジェル状の形態に変化し、しっとり感、柔らかな触感を提供することができる。
本発明における用語の定義は以下のとおりである。
本発明において「とろみ状」なる用語は、一般的なジェル状の形態に比べて粘度は低く、イオン交換水等の水に比べて粘度の高い液体の状態であることを意図する。したがって、本発明のとろみ状の水性化粧料は、一般的なジェル状化粧料又はイオン交換水などとは異なる形態を呈している。
本発明における「とろみ状」は、例えば、レオメーターとしてMCR-302(Anton-Paar社製)を用いて、32℃、1気圧で測定したときの測定対象物の剪断速度1/s時の線形領域における粘弾性比(tanδ=損失弾性率/貯蔵弾性率)が、10以上の値を示し、剪断速度1/s時の粘度が、500mPa・s以下、250mPa・s以下、100mPa・s以下、50mPa・s以下、又は10mPa・s以下の値を示すものを包含することができる。
本発明において「ジェル状」とは、液体のような柔軟性と、応力を付加した場合に元の形状に戻ろうとする弾力性を有し、とろみ状の形態よりも高粘度の状態を意図する。例えば、レオメーターとしてMCR-302(Anton-Paar社製)を用いて、32℃、1気圧で測定したときの測定対象物の粘弾性比が、5以下、4以下、3以下、又は2以下の値を示すものを包含することができ、また、0.1以上、0.15以上、又は0.2以上の値を示すものを包含することができる。また、係る測定対象物の剪断速度1/s時の粘度が、2000mPa・s以下、1800mPa・s以下、1500mPa・s以下、1200mPa・s以下、1000mPa・s以下、900mPa・s以下、又は800mPa・s以下の値を示すものを包含することができ、また、20mPa・s以上、25mPa・s以上、又は30mPa・s以上の値を示すものを包含することができる。
《会合体》
カチオン性ポリマー及びアニオン性ポリマーを水溶液中で混合すると、両ポリマーが、少なくとも静電的な相互作用により集合し、絡み合ったようなポリイオンコンプレックスとも呼ばれる会合体が形成される。この際、両ポリマーの種類によっては、疎水的な相互作用もさらに加わる場合がある。カチオン性ポリマーとアニオン性ポリマーとの配合比は、カチオン性ポリマーのイオン電荷に対するアニオン性ポリマーのイオン電荷のモル比で、5:1~1:5の範囲とすることが好ましく、3:1~1:3の範囲とすることがより好ましい。係る範囲で両ポリマーを混合して得られる会合体は、沈殿することなく、透明ないし青白い溶液として水溶液中で良好に分散させることができる。
配合するカチオン性ポリマー及びアニオン性ポリマーの合計量は、会合体の水相中での安定性又は新規な使用感触を得る観点から、化粧料の全量に対して、0.05質量%以上、0.07質量%以上、又は0.1質量%以上とすることができ、また、5質量%以下、3質量%以下、又は1質量%以下とすることができる。
〈カチオン性ポリマー〉
本発明の化粧料は、カチオン性ポリマーとして、第4級窒素含有セルロースエーテルを使用する。係る第4級窒素含有セルロースエーテルとしては、例えば、ポリクオタニウム-10などとも呼ばれる、塩化O-[2-ヒドロキシ-3-(トリメチルアンモニオ)プロピル]基を有するヒドロキシエチルセルロースが好ましく使用される。
具体的には、例えば、東邦化学工業製のカチナールHC-100(分子量350,000;カチオン化度0.30~0.40)、カチナールHC-200(分子量1,600,000;カチオン化度0.30~0.40)、カチナールLC-100(分子量350,000;カチオン化度0.15~0.25)、カチナールLC-200(分子量2,000,000;カチオン化度0.15~0.25)、カチナールPC-100(分子量1,200,000;カチオン化度0.20~0.35)、カチナールHC-35(分子量120,000;カチオン化度0.30~0.40)、ダウ・ケミカル社製のポリマーJR-400、ポリマーJR-125、ポリマーJR-300M等の市販品を使用することができる。中でも、分子量が、2,000,000以下、1,500,000以下、又は1,000,000以下のものが好ましく、また、5,000以上、8,000以上、又は10,000以上のものが好ましい。
(カチオン性ポリマーの配合量)
本発明の化粧料におけるカチオン性ポリマーの配合量は、会合体の水相中での安定性又は新規な使用感触を得る観点から、化粧料の全量に対して、0.05質量%以上、0.07質量%以上、又は0.1質量%以上とすることができ、また、5質量%以下、4質量%以下、3質量%以下、又は1質量%以下とすることができる。
〈アニオン性ポリマー〉
本発明の化粧料は、アニオン性ポリマーとして、アルギン酸、(ジメチルアクリルアミド/アクリロイルジメチルタウリンNa)クロスポリマー、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ポリアクリル酸、ポリスチレンスルホン酸、デキストラン硫酸、及びそれらの塩から選択される少なくとも一種を使用する。ここで、塩の形態としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩の形態を挙げることができるが、ナトリウム塩の形態が好ましい。これらのアニオン性ポリマーの中でも、会合体の水相中での安定性又は新規な使用感触を得る観点から、アルギン酸、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸及びそれらの塩から選択される少なくとも一種を使用することが好ましく、ヒアルロン酸又はその塩を使用することがより好ましい。
(アニオン性ポリマーの配合量)
本発明の化粧料におけるアニオン性ポリマーの配合量は、会合体の水相中での安定性又は新規な使用感触を得る観点から、化粧料の全量に対して、0.05質量%以上、0.07質量%以上、又は0.1質量%以上とすることができ、また、5質量%以下、4質量%以下、3質量%以下、又は1質量%以下とすることができる。
〈その他のカチオン性ポリマー及びアニオン性ポリマー〉
本発明のとろみ状の水性化粧料には、上記のカチオン性ポリマー及びアニオン性ポリマー以外に、本発明の効果を損なわない範囲でその他のカチオン性ポリマー及びアニオン性ポリマーを配合してもよいが、新規な使用感触、化粧料の安定性等を考慮すると、その他のカチオン性ポリマー及びアニオン性ポリマーを含まないことが好ましい。
《水》
本発明のとろみ状の水性化粧料における水の配合量は、特に限定されるものではないが、新規な使用感触、化粧料の安定性等の観点から、化粧料全量に対して70~95質量%であることが好ましく、80~90質量%であることがより好ましい。
《任意成分》
(油分)
本発明のとろみ状の水性化粧料は、本発明の効果を損なわない範囲で油分を含むことができる。この場合、上記の会合体が乳化剤のように機能し、水中油滴型の乳化組成物を得ることができる。
油分としては、特に制限されず、液状油分、固型油分、半固型油分のいずれでもよく、例えば、アボガド油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、月見草油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン、水添ポリデセン等の液体油脂、カカオ脂、ヤシ油、馬脂、硬化ヤシ油、パーム油、牛脂、羊脂、硬化牛脂、パーム核油、豚脂、牛骨脂、モクロウ核油、硬化油、牛脚脂、モクロウ、硬化ヒマシ油等の固型油脂、ミツロウ、カンデリラロウ、綿ロウ、カルナバロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、鯨ロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、ラノリン、カボックロウ、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、還元ラノリン、ジョジョバロウ、硬質ラノリン、セラックロウ、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル等のロウ類、オレフィンオリゴマー、イソドデカン、イソヘキサデカン、流動パラフィン、オゾケライト、スクワレン、プリスタン、パラフィン、セレシン、スクワラン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアレン酸イソセチル、12-ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジ-2-エチルヘキシル酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N-アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ-2-エチルヘキシル酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ-2-エチルヘキシル酸ペンタエリスリトール、トリ-2-エチルヘキシル酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル-2-エチルヘキサノエート、2-エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オイル、セトステアリルアルコール、アセトグリセライド、パルミチン酸-2-ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソプロピル、N-ラウロイル-L-グルタミン酸-2-オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ-2-ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セパチン酸ジ-2-エチルヘキシル、ミリスチン酸-2-ヘキシルデシル、パルミチン酸-2-ヘキシルデシル、アジピン酸-2-ヘキシルデシル、セバチル酸ジイソプロピル、コハク酸-2-エチルヘキシル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、クエン酸トリエチル等の合成エステル、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等のシリコーン油、パーフルオロデカリン、パーフルオロヘキサン、トリパーフルオロ-n-ブチルアミン等のパーフルオロカーボンないしパーフルオロポリエーテル、ビタミンA及びその誘導体、ビタミンD及びその誘導体、ビタミンE及びその誘導体、ビタミンK及びその誘導体等のビタミン類、ステロール類、天然及び合成の香料等が挙げられる。
本発明の化粧料における油分の配合量は、次のものに限定されないが、例えば、化粧料全量に対して、0.5質量%以上、1.0質量%以上、1.2質量%以上、1.5質量%以上、又は2.0質量%以上とすることができ、また、25質量%以下又は20質量%以下とすることができる。新規な使用感触、又は油分としての有効な作用を発揮させる等の観点から、油分の配合量は、2.0~20質量%の範囲とすることが好ましい。
(他の成分)
本発明の化粧料は、本発明の効果を損なわない範囲で、係る化粧料の使用用途等に応じて各種成分を適宜配合することができる。各種成分としては、化粧料などに通常配合し得るような添加成分、例えば、高級アルコール、低級アルコール、多価アルコール、各種抽出液、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、保湿剤、酸化防止剤、緩衝剤、防腐剤、酸化防止助剤、有機系粉末、顔料、染料、色素、香料、キレート剤、pH調整剤、紫外線吸収剤、増粘剤等が挙げられるが、皮膚に対する低刺激性等の観点から、本発明の化粧料は、界面活性剤を含まないことが好ましい。各種成分は、その性質に応じて、連続相としての水相に配合することができ、及び/又は分散相、即ち、会合体内及び存在する場合は油分内に配合することができる。
水相には、医薬品、医薬部外品、化粧品等に適用可能な水溶性薬剤などの他、通常、医薬品又は化粧品等に用いられる任意の水性成分が、化粧料の形態の変化に影響がでない範囲の配合量で配合されていてもよい。特に、水性成分としては、使用感等の観点から、エタノール及びポリオールから選択される1種又は2種以上が配合されることが好ましい。
ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、テトラメチレングリコール、グリセリン、ソルビトール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等が挙げられ、特にプロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコールが好ましい。エタノール及びポリオールから選択される1種又は2種以上の水性成分は、化粧料全量に対して1~20質量%、又は3~10質量%の範囲で配合することができる。
《化粧料の用途》
本発明のとろみ状の水性化粧料は、透明又は半透明にすることができ、また、濃縮前は、粘度が低く粘性的な挙動を示すため、塗布性に優れ、滑らかな触感を呈することができる一方で、乾燥して濃縮されるに従い、とろみ状の形態から、しっとり感、柔らかな触感を呈し得るジェル状の形態へと使用感触を変化させることができる。
したがって、本発明の化粧料は、例えば、保湿ジェル、マッサージジェル、美容液、化粧水、乳液等のスキンケア化粧料、メーキャップ化粧料、サンケア用品、ヘアセット剤若しくはヘアジェル等の毛髪化粧料、又は染毛剤等に使用することができる。
《化粧料の製造方法》
本発明の化粧料は、公知の方法を用いて製造することができる。例えば、カチオン性ポリマー及びアニオン性ポリマーの両方を水に添加、攪拌して化粧料を得ることができ、又は、一部の水に、カチオン性ポリマー及びアニオン性ポリマーの内のいずれか一方のポリマーを溶解させて水溶液Aを調製し、次いで、他の一部の水に他方のポリマーを溶解させて水溶液Bを調製し、得られた水溶液A及びBを混合して化粧料を得ることができる。また、水に対し、上記の他の成分を適宜配合してもよい。
また、水中油滴型の乳化組成物を含む化粧料を製造する場合には、例えば、カチオン性ポリマー及びアニオン性ポリマーの両方を水に添加、攪拌して会合体を含む水溶液を調製し、次いで、係る水溶液に油分を添加、撹拌して水中油滴型の乳化組成物を含む化粧料を得ることができ、又は一部の水に、カチオン性ポリマー及びアニオン性ポリマーの内のいずれか一方のポリマーを溶解させて水溶液を調製し、係る水溶液に油分を添加、撹拌して、乳化させた溶液Cを調製する。次いで、他の一部の水に他方のポリマーを溶解させて水溶液Dを調製し、係る水溶液Dを溶液Cに添加、攪拌して水中油滴型の乳化組成物を含む化粧料を得ることができる。また、水又は油分に対し、上記の他の成分を適宜配合してもよい。
以下に実施例を挙げて、本発明についてさらに詳しく説明を行うが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下、特に断りのない限り、配合量は質量%で示す。
《実施例1~9及び比較例1~10》
下記に示す表1の処方及び製造方法により得た本発明の化粧料、並びに比較例1~10に対応する各種市販品A~Jの化粧料について、剪断速度1/s時の粘度、及び線形領域における粘弾性比の評価を行い、5倍濃縮後のデータを表2に示す。これらの測定については、Anton Paar社製のレオメーターMCR302を用い、32℃、1気圧の条件で行った。なお、濃縮前の実施例1~9の化粧料はいずれも、粘弾性比が10以上であり、剪断速度1/s時の粘度が500mPa・s以下であった。
Figure 0007101527000001
〈化粧料の製造方法〉
(実施例1)
イオン交換水に、ダイナマイトグリセリン、ジブロピレングリコール、エタノール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル、メチルパラベン、及びEDTA-3Na 2HOを添加し、室温下、撹拌混合して水性溶媒を調製する。この水性溶媒の一部に第4級窒素含有セルロースエーテルを添加し、室温下、撹拌混合してカチオン性ポリマー水溶液を調製する。また、水性溶媒の残部に(ジメチルアクリルアミド/アクリロイルジメチルタウリンNa)クロスポリマーを添加し、室温下、撹拌混合してアニオン性ポリマー水溶液を調製する。得られたカチオン性ポリマー水溶液とアニオン性ポリマー水溶液とを室温下、撹拌混合して化粧料を作製した。
(実施例2~9)
カチオン性ポリマーの配合量、並びにアニオン性ポリマーの種類及びその配合量を、表1に記載されるように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2~9の化粧料を各々作製した。
Figure 0007101527000002
〈結果〉
実施例1~9の化粧料を皮膚に塗布したところ、塗布直後は、とろみ状のなめらかな感触であったが、化粧料が乾燥して濃縮されるに従い、次第にジェル状の形態に変わり、しっとりとした柔らかな触感へと変化した。一方、比較例1~10の各種化粧料の場合、同様に、これらの化粧料を皮膚に塗布して乾燥濃縮させても、ジェル状の形態に変化することはなかった。
続いて、粘弾性比及び剪断速度1/s時における粘度の結果から、実施例1~9の化粧料における係る形態変化に関してより詳細に検討することを試みた。図1は、5倍濃縮後の実施例1~9の化粧料及び比較例1~10の各種化粧料に関するものである。ここで、図1には、濃縮前の実施例1~9の化粧料における粘度及び粘弾性比の大まかな領域も模式化して同時に示しており、また、濃縮後において粘弾性比が測定限界を超えて測定できなかったものについては、グラフの作成上、便宜的に、粘弾性比を10に固定している。
図1の結果から明らかなように、実施例1~9の化粧料と比較例1~10の各種化粧料の形態変化の相違を、粘弾性比及び剪断速度1/s時における粘度の結果に基づいて明確に区別し得ることが確認できた。つまり、実施例1~9の化粧料の濃縮前の粘度及び粘弾性比の結果を基準とした場合、実施例1~9の化粧料の方が、比較例1~10の各種化粧料に比べて大きく変化していることが確認できた。この結果から、5倍濃縮後の剪断速度1/s時の粘度及び粘弾性比が、実施例1~9の化粧料において示されるような所定の領域に入る場合に、濃縮前のとろみ状の形態から、しっとりとした柔らかな触感を呈し得るジェル状の形態にさらに変化することを、係る粘度及び粘弾性比によって定量化し得ることが判明した。
従来の化粧料においても、10倍以上又は20倍以上と高度に濃縮すれば、実施例1~9の化粧料のような粘度又は粘弾性比のいずれかを満足する可能性はあるが、5倍程度の濃縮、即ち、化粧料を皮膚に適用しながら、その形態変化を実感できるような、低度の濃縮下において、係る形態変化を呈する化粧料がこれまでになかったことは、各種市販品に関する比較例1~10のデータを見れば明らかである。
《化粧料の処方例》
以下に、本発明の化粧料の処方例を挙げるが、この例示に限定されるものではない。なお、以下の処方例に記載した化粧水は、本発明の化粧料に基づく変化する使用感触、すなわち、とろみ状のなめらかな感触から、ジェル状のしっとりとした柔らかな感触を備えていた。
〈処方例1 化粧水〉
(成分) (質量%)
精製水 適量
第4級窒素含有セルロースエーテル 0.1
ヒアルロン酸 0.1
オレフィンオリゴマー30 0.1
ダイナマイトグリセリン 2
ジプロピレングリコール 5
エタノール 5
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル 0.4
香料 適量
(化粧水の製造方法)
精製水に第4級窒素含有セルロースエーテルを添加し、室温下、撹拌混合して水溶液aを調製し、係る水溶液aにオレフィンオリゴマー30を添加し、室温下、撹拌混合して乳化物bを調製した。次いで、精製水にヒアルロン酸を添加し、室温下、撹拌混合して水溶液cを調製し、係る水溶液cを乳化物bに添加し、室温下、撹拌混合して乳化物dを調製した。係る乳化物dにダイナマイトグリセリン、ジプロピレングリコール、エタノール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル及び香料を添加し、室温下、撹拌混合して化粧水を作製した。

Claims (3)

  1. カチオン性ポリマー及びアニオン性ポリマーを含む会合体を含有する、とろみ状の水性化粧料であって、
    剪断速度1/s時における粘度が、500mPa・s以下であり、かつ、粘弾性比が、10以上であり、
    乾燥によって水分を除去して5倍に濃縮したときに、剪断速度1/s時における粘度が、2000mPa・s以下であり、かつ、粘弾性比が、0.1~5であるジェル状の形態に変化し、
    前記カチオン性ポリマーが、第4級窒素含有セルロースエーテルであり、かつ
    前記アニオン性ポリマーが、アルギン酸、(ジメチルアクリルアミド/アクリロイルジメチルタウリンNa)クロスポリマー、コンドロイチン硫酸、ポリアクリル酸、ポリスチレンスルホン酸、デキストラン硫酸、及びそれらの塩からなる群から選択される少なくとも一種である、
    とろみ状の水性化粧料。
  2. 前記カチオン性ポリマー及び前記アニオン性ポリマーの配合比が、カチオン性ポリマーのイオン電荷に対するアニオン性ポリマーのイオン電荷のモル比で5:1~1:5である、請求項1に記載の化粧料。
  3. 前記化粧料が、油分を含む水中油滴型の乳化組成物を含み、かつ、前記会合体が、油滴における水相との界面に形成されている、請求項1又は2に記載の化粧料。
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