JP7101527B2 - とろみ状の水性化粧料 - Google Patents
とろみ状の水性化粧料 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7101527B2 JP7101527B2 JP2018083358A JP2018083358A JP7101527B2 JP 7101527 B2 JP7101527 B2 JP 7101527B2 JP 2018083358 A JP2018083358 A JP 2018083358A JP 2018083358 A JP2018083358 A JP 2018083358A JP 7101527 B2 JP7101527 B2 JP 7101527B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- oil
- cosmetic
- cosmetics
- water
- polymer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Cosmetics (AREA)
Description
カチオン性ポリマー及びアニオン性ポリマーを含む会合体を含有する、とろみ状の水性化粧料であって、
剪断速度1/s時における粘度が、500mPa・s以下であり、かつ、粘弾性比が、10以上であり、
乾燥によって水分を除去して5倍に濃縮したときに、剪断速度1/s時における粘度が、2000mPa・s以下であり、かつ、粘弾性比が、0.1~5であるジェル状の形態に変化し、
前記カチオン性ポリマーが、第4級窒素含有セルロースエーテルであり、かつ
前記アニオン性ポリマーが、アルギン酸、(ジメチルアクリルアミド/アクリロイルジメチルタウリンNa)クロスポリマー、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ポリアクリル酸、ポリスチレンスルホン酸、デキストラン硫酸、及びそれらの塩からなる群から選択される少なくとも一種である、
とろみ状の水性化粧料。
〈態様2〉
前記カチオン性ポリマー及び前記アニオン性ポリマーの配合比が、カチオン性ポリマーのイオン電荷に対するアニオン性ポリマーのイオン電荷のモル比で5:1~1:5である、態様1に記載の化粧料。
〈態様3〉
前記化粧料が、油分を含む水中油滴型の乳化組成物を含み、かつ、前記会合体が、油滴における水相との界面に形成されている、態様1又は2に記載の化粧料。
カチオン性ポリマー及びアニオン性ポリマーを水溶液中で混合すると、両ポリマーが、少なくとも静電的な相互作用により集合し、絡み合ったようなポリイオンコンプレックスとも呼ばれる会合体が形成される。この際、両ポリマーの種類によっては、疎水的な相互作用もさらに加わる場合がある。カチオン性ポリマーとアニオン性ポリマーとの配合比は、カチオン性ポリマーのイオン電荷に対するアニオン性ポリマーのイオン電荷のモル比で、5:1~1:5の範囲とすることが好ましく、3:1~1:3の範囲とすることがより好ましい。係る範囲で両ポリマーを混合して得られる会合体は、沈殿することなく、透明ないし青白い溶液として水溶液中で良好に分散させることができる。
本発明の化粧料は、カチオン性ポリマーとして、第4級窒素含有セルロースエーテルを使用する。係る第4級窒素含有セルロースエーテルとしては、例えば、ポリクオタニウム-10などとも呼ばれる、塩化O-[2-ヒドロキシ-3-(トリメチルアンモニオ)プロピル]基を有するヒドロキシエチルセルロースが好ましく使用される。
本発明の化粧料におけるカチオン性ポリマーの配合量は、会合体の水相中での安定性又は新規な使用感触を得る観点から、化粧料の全量に対して、0.05質量%以上、0.07質量%以上、又は0.1質量%以上とすることができ、また、5質量%以下、4質量%以下、3質量%以下、又は1質量%以下とすることができる。
本発明の化粧料は、アニオン性ポリマーとして、アルギン酸、(ジメチルアクリルアミド/アクリロイルジメチルタウリンNa)クロスポリマー、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ポリアクリル酸、ポリスチレンスルホン酸、デキストラン硫酸、及びそれらの塩から選択される少なくとも一種を使用する。ここで、塩の形態としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩の形態を挙げることができるが、ナトリウム塩の形態が好ましい。これらのアニオン性ポリマーの中でも、会合体の水相中での安定性又は新規な使用感触を得る観点から、アルギン酸、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸及びそれらの塩から選択される少なくとも一種を使用することが好ましく、ヒアルロン酸又はその塩を使用することがより好ましい。
本発明の化粧料におけるアニオン性ポリマーの配合量は、会合体の水相中での安定性又は新規な使用感触を得る観点から、化粧料の全量に対して、0.05質量%以上、0.07質量%以上、又は0.1質量%以上とすることができ、また、5質量%以下、4質量%以下、3質量%以下、又は1質量%以下とすることができる。
本発明のとろみ状の水性化粧料には、上記のカチオン性ポリマー及びアニオン性ポリマー以外に、本発明の効果を損なわない範囲でその他のカチオン性ポリマー及びアニオン性ポリマーを配合してもよいが、新規な使用感触、化粧料の安定性等を考慮すると、その他のカチオン性ポリマー及びアニオン性ポリマーを含まないことが好ましい。
本発明のとろみ状の水性化粧料における水の配合量は、特に限定されるものではないが、新規な使用感触、化粧料の安定性等の観点から、化粧料全量に対して70~95質量%であることが好ましく、80~90質量%であることがより好ましい。
(油分)
本発明のとろみ状の水性化粧料は、本発明の効果を損なわない範囲で油分を含むことができる。この場合、上記の会合体が乳化剤のように機能し、水中油滴型の乳化組成物を得ることができる。
本発明の化粧料は、本発明の効果を損なわない範囲で、係る化粧料の使用用途等に応じて各種成分を適宜配合することができる。各種成分としては、化粧料などに通常配合し得るような添加成分、例えば、高級アルコール、低級アルコール、多価アルコール、各種抽出液、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、保湿剤、酸化防止剤、緩衝剤、防腐剤、酸化防止助剤、有機系粉末、顔料、染料、色素、香料、キレート剤、pH調整剤、紫外線吸収剤、増粘剤等が挙げられるが、皮膚に対する低刺激性等の観点から、本発明の化粧料は、界面活性剤を含まないことが好ましい。各種成分は、その性質に応じて、連続相としての水相に配合することができ、及び/又は分散相、即ち、会合体内及び存在する場合は油分内に配合することができる。
本発明のとろみ状の水性化粧料は、透明又は半透明にすることができ、また、濃縮前は、粘度が低く粘性的な挙動を示すため、塗布性に優れ、滑らかな触感を呈することができる一方で、乾燥して濃縮されるに従い、とろみ状の形態から、しっとり感、柔らかな触感を呈し得るジェル状の形態へと使用感触を変化させることができる。
本発明の化粧料は、公知の方法を用いて製造することができる。例えば、カチオン性ポリマー及びアニオン性ポリマーの両方を水に添加、攪拌して化粧料を得ることができ、又は、一部の水に、カチオン性ポリマー及びアニオン性ポリマーの内のいずれか一方のポリマーを溶解させて水溶液Aを調製し、次いで、他の一部の水に他方のポリマーを溶解させて水溶液Bを調製し、得られた水溶液A及びBを混合して化粧料を得ることができる。また、水に対し、上記の他の成分を適宜配合してもよい。
下記に示す表1の処方及び製造方法により得た本発明の化粧料、並びに比較例1~10に対応する各種市販品A~Jの化粧料について、剪断速度1/s時の粘度、及び線形領域における粘弾性比の評価を行い、5倍濃縮後のデータを表2に示す。これらの測定については、Anton Paar社製のレオメーターMCR302を用い、32℃、1気圧の条件で行った。なお、濃縮前の実施例1~9の化粧料はいずれも、粘弾性比が10以上であり、剪断速度1/s時の粘度が500mPa・s以下であった。
(実施例1)
イオン交換水に、ダイナマイトグリセリン、ジブロピレングリコール、エタノール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル、メチルパラベン、及びEDTA-3Na 2H2Oを添加し、室温下、撹拌混合して水性溶媒を調製する。この水性溶媒の一部に第4級窒素含有セルロースエーテルを添加し、室温下、撹拌混合してカチオン性ポリマー水溶液を調製する。また、水性溶媒の残部に(ジメチルアクリルアミド/アクリロイルジメチルタウリンNa)クロスポリマーを添加し、室温下、撹拌混合してアニオン性ポリマー水溶液を調製する。得られたカチオン性ポリマー水溶液とアニオン性ポリマー水溶液とを室温下、撹拌混合して化粧料を作製した。
カチオン性ポリマーの配合量、並びにアニオン性ポリマーの種類及びその配合量を、表1に記載されるように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2~9の化粧料を各々作製した。
実施例1~9の化粧料を皮膚に塗布したところ、塗布直後は、とろみ状のなめらかな感触であったが、化粧料が乾燥して濃縮されるに従い、次第にジェル状の形態に変わり、しっとりとした柔らかな触感へと変化した。一方、比較例1~10の各種化粧料の場合、同様に、これらの化粧料を皮膚に塗布して乾燥濃縮させても、ジェル状の形態に変化することはなかった。
以下に、本発明の化粧料の処方例を挙げるが、この例示に限定されるものではない。なお、以下の処方例に記載した化粧水は、本発明の化粧料に基づく変化する使用感触、すなわち、とろみ状のなめらかな感触から、ジェル状のしっとりとした柔らかな感触を備えていた。
(成分) (質量%)
精製水 適量
第4級窒素含有セルロースエーテル 0.1
ヒアルロン酸 0.1
オレフィンオリゴマー30 0.1
ダイナマイトグリセリン 2
ジプロピレングリコール 5
エタノール 5
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル 0.4
香料 適量
精製水に第4級窒素含有セルロースエーテルを添加し、室温下、撹拌混合して水溶液aを調製し、係る水溶液aにオレフィンオリゴマー30を添加し、室温下、撹拌混合して乳化物bを調製した。次いで、精製水にヒアルロン酸を添加し、室温下、撹拌混合して水溶液cを調製し、係る水溶液cを乳化物bに添加し、室温下、撹拌混合して乳化物dを調製した。係る乳化物dにダイナマイトグリセリン、ジプロピレングリコール、エタノール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル及び香料を添加し、室温下、撹拌混合して化粧水を作製した。
Claims (3)
- カチオン性ポリマー及びアニオン性ポリマーを含む会合体を含有する、とろみ状の水性化粧料であって、
剪断速度1/s時における粘度が、500mPa・s以下であり、かつ、粘弾性比が、10以上であり、
乾燥によって水分を除去して5倍に濃縮したときに、剪断速度1/s時における粘度が、2000mPa・s以下であり、かつ、粘弾性比が、0.1~5であるジェル状の形態に変化し、
前記カチオン性ポリマーが、第4級窒素含有セルロースエーテルであり、かつ
前記アニオン性ポリマーが、アルギン酸、(ジメチルアクリルアミド/アクリロイルジメチルタウリンNa)クロスポリマー、コンドロイチン硫酸、ポリアクリル酸、ポリスチレンスルホン酸、デキストラン硫酸、及びそれらの塩からなる群から選択される少なくとも一種である、
とろみ状の水性化粧料。 - 前記カチオン性ポリマー及び前記アニオン性ポリマーの配合比が、カチオン性ポリマーのイオン電荷に対するアニオン性ポリマーのイオン電荷のモル比で5:1~1:5である、請求項1に記載の化粧料。
- 前記化粧料が、油分を含む水中油滴型の乳化組成物を含み、かつ、前記会合体が、油滴における水相との界面に形成されている、請求項1又は2に記載の化粧料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018083358A JP7101527B2 (ja) | 2018-04-24 | 2018-04-24 | とろみ状の水性化粧料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018083358A JP7101527B2 (ja) | 2018-04-24 | 2018-04-24 | とろみ状の水性化粧料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019189549A JP2019189549A (ja) | 2019-10-31 |
JP7101527B2 true JP7101527B2 (ja) | 2022-07-15 |
Family
ID=68389264
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018083358A Active JP7101527B2 (ja) | 2018-04-24 | 2018-04-24 | とろみ状の水性化粧料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7101527B2 (ja) |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003034614A (ja) | 2001-05-18 | 2003-02-07 | Shiseido Co Ltd | ジェル状組成物 |
WO2011016363A1 (ja) | 2009-08-06 | 2011-02-10 | 株式会社 資生堂 | 水中油型乳化組成物 |
JP2013018708A (ja) | 2011-07-07 | 2013-01-31 | Milbon Co Ltd | 水中油型乳化物 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0789823A (ja) * | 1993-09-21 | 1995-04-04 | Shiseido Co Ltd | 乳化組成物 |
JPH08268834A (ja) * | 1995-03-31 | 1996-10-15 | Shiseido Co Ltd | W/o型乳化組成物 |
JP3549995B2 (ja) * | 1996-03-12 | 2004-08-04 | 株式会社資生堂 | W/o型乳化組成物及び化粧料 |
TW464502B (en) * | 1996-03-12 | 2001-11-21 | Shiseido Co Ltd | W/O type emulsified composition and the method of making the same, and W/O type emulsified cosmetic |
-
2018
- 2018-04-24 JP JP2018083358A patent/JP7101527B2/ja active Active
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003034614A (ja) | 2001-05-18 | 2003-02-07 | Shiseido Co Ltd | ジェル状組成物 |
WO2011016363A1 (ja) | 2009-08-06 | 2011-02-10 | 株式会社 資生堂 | 水中油型乳化組成物 |
JP2011032249A (ja) | 2009-08-06 | 2011-02-17 | Shiseido Co Ltd | 水中油型乳化組成物 |
JP2013018708A (ja) | 2011-07-07 | 2013-01-31 | Milbon Co Ltd | 水中油型乳化物 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2019189549A (ja) | 2019-10-31 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN104661646B (zh) | 水性有机硅聚醚微乳液 | |
JP5474046B2 (ja) | ホウ素架橋オルガノポリシロキサンのエマルションおよびパーソナルケア組成物におけるそれらの使用 | |
JP5952640B2 (ja) | モノ−又はジ−グリセリン誘導体変性オルガノポリシロキサンエラストマー及びその利用 | |
TW510801B (en) | Skin toning formulation | |
DE60221525T2 (de) | Kosmetisches zwei-phasen-roll-on-produkt | |
JP3459433B2 (ja) | 医薬または化粧用3相ボディーローション | |
JP3608623B2 (ja) | 化粧品組成物 | |
CA2342605A1 (en) | Use of isoparaffin extenders for clear gel cosmetic compositions | |
KR100732728B1 (ko) | 저점도의 에멀젼 화장료 조성물 | |
KR20150029407A (ko) | 전상이 빠른 수중유형 워셔블 클렌징 화장료 조성물 | |
JPH09175977A (ja) | サンケア化粧料 | |
KR20060115768A (ko) | 면도 젤 제품 | |
JP2002020623A (ja) | 極性溶剤中油中水型エマルジョン | |
JP7101527B2 (ja) | とろみ状の水性化粧料 | |
JPH09315937A (ja) | ゲル化組成物、乳化組成物及び皮膚外用剤 | |
JP2008094811A (ja) | O/w型乳化組成物及びその調製方法。 | |
JP2003528060A (ja) | 化粧品用脂溶性活性物質が濃縮されたシリコーン/補助溶媒系、そのエマルジョン及び化粧品処方物 | |
WO2019202904A1 (ja) | とろみ状の水性化粧料 | |
JP4150280B2 (ja) | 高内水相油中水型乳化化粧料 | |
TW202015648A (zh) | 水中油型乳化組合物及其製造方法 | |
JPH0816047B2 (ja) | 半透明液状化粧料 | |
JPH09124437A (ja) | 乳化組成物及び皮膚外用剤 | |
WO2020137220A1 (ja) | 高内油相水中油型乳化組成物 | |
JP5384050B2 (ja) | ゲル状化粧料 | |
JP6685692B2 (ja) | 皮膚外用剤 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20210412 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20220111 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20220201 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20220228 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20220628 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20220705 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7101527 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |