JP7101321B1 - ワークの加工方法および加工機械 - Google Patents

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Abstract

【課題】指向性エネルギー堆積法を用いたワークの付加加工において、ワークの加工精度を高く維持することが可能なワークの加工方法および加工機械、を提供する。【解決手段】ワークの加工方法は、互いに離れて配置される第1保持部51および第2保持部52によりワークWを保持するステップと、第1保持部51および第2保持部52により保持されたワークWに対して、材料粉末Pを供給するとともにレーザ光Lを照射することにより、ワークWに対する付加加工を行なうステップと、ワークWに対する付加加工を行なうステップの少なくとも一部の間に、第1保持部51および第2保持部52を互いに遠ざかる方向に相対的に移動させるステップとを備える。【選択図】図4

Description

この発明は、ワークの加工方法および加工機械に関する。
たとえば、特許第6810823号公報(特許文献1)には、第1の線膨張係数を有するワークに対して、応力を付与するステップと、ワークに応力を付与したまま、ワークに対して、第1の線膨張係数とは異なる第2の線膨張係数を有する材料粉末を供給するとともにレーザ光を照射するステップと、材料粉末を供給するとともにレーザ光を照射するステップの後に、ワークに対する応力を緩和しつつ、ワークを冷却するステップとを備えるワークの付加加工方法が開示されている。
特許第6810823号公報
上述の特許文献1に開示されるように、ワークに対して材料粉末を供給しながらレーザ光を照射する指向性エネルギー堆積法(Directed Energy Deposition Method)によって、ワークに3次元形状を作成するワークの加工方法が知られている。
このようなワークの加工方法においては、加工対象となるワークを支持するために、互いに離れて配置された第1保持部および第2保持部によりワークを保持する。この場合に、ワークに対してレーザ光が照射されると、ワークが熱膨張することによって、ワークの表面が第1保持部および第2保持部の間で歪む。これにより、材料粉末を意図した通りにワークの表面上に供給することができず、ワークの加工精度が低下するという問題を起こり得る。
そこでこの発明の目的は、上記の課題を解決することであり、指向性エネルギー堆積法を用いたワークの付加加工において、ワークの加工精度を高く維持することが可能なワークの加工方法および加工機械を提供することである。
この発明に従ったワークの加工方法は、互いに離れて配置される第1保持部および第2保持部によりワークを保持するステップと、第1保持部および第2保持部により保持されたワークに対して、材料粉末を供給するとともにレーザ光を照射することにより、ワークに対する付加加工を行なうステップと、ワークに対する付加加工を行なうステップの少なくとも一部の間に、第1保持部および第2保持部を互いに遠ざかる方向に相対的に移動させるステップとを備える。
このように構成されたワークの加工方法によれば、付加加工時、ワークに対してレーザ光が照射されることによって、ワークが第1保持部および第2保持部の間で熱膨張する。この場合に、ワークに対する付加加工を行なうステップの少なくとも一部の間に、第1保持部および第2保持部を互いに遠ざかる方向に相対的に移動させることによって、ワークの表面が第1保持部および第2保持部の間で歪むことを抑制できる。これにより、材料粉末を意図した通りにワークの表面上に供給することが可能となるため、ワークの加工精度を高く維持することができる。
また好ましくは、第1保持部は、所定軸を中心にワークを回転させるための第1ワーク主軸である。第2保持部は、第1ワーク主軸と所定軸の軸方向に対向して配置され、所定軸の軸方向にスライド動作が可能であり、所定軸を中心にワークを回転させるための第2ワーク主軸である。第1保持部および第2保持部を相対的に移動させるステップは、第2ワーク主軸を所定軸の軸方向にスライド動作させるステップを含む。
このように構成されたワークの加工方法によれば、付加加工時のワークの熱膨張に起因してワークの表面が歪むことを、簡易な構成で抑制することができる。
また好ましくは、ワークの加工方法は、ワークに対する付加加工を行なうステップの少なくとも一部の間に、ワークの温度を検出するステップと、検出されたワークの温度に基づいて、ワークの熱膨張量を算出するステップとをさらに備える。第1保持部および第2保持部を相対的に移動させるステップは、算出されたワークの熱膨張量に対応する距離だけ、第1保持部および第2保持部を互いに遠ざかる方向に相対的に移動させるステップを含む。
このように構成されたワークの加工方法によれば、付加加工時のワークの熱膨張量を正確に把握することが可能となるため、ワークの表面が歪むことをより確実に抑制できる。
また好ましくは、ワークの加工方法は、ワークに対する付加加工を行なうステップの後に、第1保持部および第2保持部を互いに近づく方向に相対的に移動させつつ、ワークを冷却するステップをさらに備える。
このように構成されたワークの加工方法によれば、冷却時のワークの熱収縮に合わせて、第1保持部および第2保持部を互いに近づく方向に相対的に移動させることによって、ワークに残留応力が生じることを抑制できる。
この発明に従った加工機械は、ワークの付加加工を行なう加工機械である。加工機械は、ワークに対して、材料粉末を供給するとともにレーザ光を照射する付加加工用ヘッドと、所定軸を中心にワークを回転させるための第1ワーク主軸と、第1ワーク主軸と所定軸の軸方向に対向して配置され、所定軸の軸方向にスライド動作が可能であり、所定軸を中心にワークを回転させるための第2ワーク主軸と、加工機械を制御する制御装置とを備える。制御装置は、第1ワーク主軸および第2ワーク主軸により保持されたワークに対して、材料粉末を供給するとともにレーザ光を照射することにより、ワークに対して付加加工を行なうように、付加加工用ヘッドの動作を制御し、ワークに対する付加加工時の少なくとも一部の間に、第2ワーク主軸が第1ワーク主軸から遠ざかる方向に移動するように、第2ワーク主軸のスライド動作を制御する。
このように構成された加工機械によれば、材料粉末を意図した通りにワークの表面上に供給することが可能となるため、ワークの加工精度を高く維持することができる。
以上に説明したように、この発明に従えば、指向性エネルギー堆積法を用いたワークの付加加工において、ワークの加工精度を高く維持することが可能なワークの加工方法および加工機械を提供することができる。
加工機械を示す前面図である。 図1中の加工機械において、付加加工時の加工エリア内の様子を示す斜視図である。 本実施の形態におけるワークの加工方法を実行する第1ステップを示す前面図である。 本実施の形態におけるワークの加工方法を実行する第2ステップを示す前面図である。 本実施の形態におけるワークの加工方法を実行する第3ステップを示す前面図である。 本実施の形態におけるワークの加工方法を実行する第4ステップを示す前面図である。 図1および図2中の加工機械において、ワークの付加加工に関連する制御系を示すブロック図である。 図1および図2中の加工機械を用いて、本実施の形態におけるワークの加工方法を実行するステップの流れを示すフローチャート図である。 図7中のワークの付加加工に関連する制御系の変形例を示すブロック図である。 図8中のワークの加工方法を実行するステップの流れの変形例を示すフローチャート図である。 付加加工の対象となるワークの一例を示す斜視図である。
この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下で参照する図面では、同一またはそれに相当する部材には、同じ番号が付されている。
図1は、加工機械を示す前面図である。図1中には、加工機械の外観をなすカバー体を透視することにより、加工機械の内部が示されている。図2は、図1中の加工機械において、付加加工時の加工エリア内の様子を示す斜視図である。
図1および図2を参照して、加工機械100は、ワークの付加加工(AM(Additive manufacturing)加工)と、ワークの除去加工(SM(Subtractive manufacturing)加工)とが可能なAM/SMハイブリッド加工機である。加工機械100は、SM加工の機能として、固定工具を用いた旋削機能と、回転工具を用いたミーリング機能とを有する。加工機械100は、コンピュータによる数値制御によって、ワーク加工のための各種動作が自動化されたNC(Numerically Control)加工機械である。
本明細書においては、加工機械100の左右方向(幅方向)に平行で、水平方向に延びる軸を「Z軸」といい、加工機械100の前後方向(奥行き方向)に平行で、水平方向に延びる軸を「Y軸」といい、鉛直方向に延びる軸を「X軸」という。図1中における右方向を「+Z軸方向」といい、左方向を「-Z軸方向」という。図1中における紙面の手前方向を「+Y軸方向」といい、奥方向を「-Y軸方向」という。図1中における上方向を「+X軸方向」といい、下方向を「-X軸方向」という。
まず、本実施の形態におけるワークの加工方法に用いられる加工機械100の基本的な構造について説明する。加工機械100は、ベッド136、第1主軸台111、第2主軸台116、工具主軸121および下刃物台131を有する。
ベッド136は、第1主軸台111、第2主軸台116、工具主軸121および下刃物台131等を支持するためのベース部材であり、工場などの床面に設置されている。第1主軸台111(後述の第1ワーク主軸112)、第2主軸台116、工具主軸121および下刃物台131は、スプラッシュガード205により区画形成された加工エリア200内に設けられている。
加工エリア200は、ワークの除去加工および付加加工が行なわれる空間であり、これらワーク加工に伴う切屑、切削油またはヒューム等の異物が加工エリア200の外部に漏出しないように密閉されている。
第1主軸台111および第2主軸台116は、Z軸方向において、互いに対向して設けられている。第1主軸台111および第2主軸台116は、それぞれ、固定工具を用いた旋削加工時にワークを回転させたり、回転工具を用いたミーリング加工時または除去加工時にワークを保持したりするための第1ワーク主軸112および第2ワーク主軸117を有する。第1ワーク主軸112は、Z軸に平行な中心軸201Aを中心に回転可能に設けられ、第2ワーク主軸117は、Z軸に平行な中心軸201Bを中心に回転可能に設けられている。中心軸201Aおよび中心軸201Bは、同一直線上で延びており、中心軸201を構成している。
第1ワーク主軸112および第2ワーク主軸117は、それぞれ、ワークを着脱可能に把持するチャック113およびチャック118を有する。本実施の形態では、チャック113において、ワークを把持するための爪部を支持するブロックの端面を、第1ワーク主軸112の主軸端面112fといい、チャック118において、ワークを把持するための爪部を支持するブロックの端面を、第2ワーク主軸117の主軸端面117fという。この場合に、第1ワーク主軸112の主軸端面112fと、第2ワーク主軸117の主軸端面117fとの間におけるZ軸方向の距離が、第1ワーク主軸112および第2ワーク主軸117の主軸間距離Hに対応している。
図2に示されるように、加工対象となるワークWが、第1ワーク主軸112および第2ワーク主軸117により保持されている。ワークWは、たとえば、ステンレス等の金属材料からなる。
ワークWは、中心軸201の軸上で延びている。中心軸201の軸方向におけるワークWの一方端が、チャック113により把持され、中心軸201の軸方向におけるワークWの他方端が、チャック118により把持されている。第1ワーク主軸112および第2ワーク主軸117が互いに同期して回転駆動することにより、ワークWは、中心軸201を中心に回転可能である。
第2主軸台116(第2ワーク主軸117)は、各種の送り機構、案内機構およびサーボモータなどにより、Z軸方向にスライド動作が可能である。第2ワーク主軸117が第1ワーク主軸112から遠ざかる方向(+Z軸方向)に移動することによって、第1ワーク主軸112および第2ワーク主軸117の主軸間距離Hが増大し、第2ワーク主軸117が第1ワーク主軸112に近づく方向(-Z軸方向)に移動することによって、第1ワーク主軸112および第2ワーク主軸117の主軸間距離Hが減少する。
工具主軸(上刃物台)121は、回転工具を用いたミーリング加工時に回転工具を回転させる。工具主軸121は、X軸-Z軸平面に平行な中心軸203を中心に回転可能に設けられている。工具主軸121には、回転工具を着脱可能に保持するためのクランプ機構が設けられている。
工具主軸121は、図示しないコラム等によりベッド136上に支持されている。工具主軸121は、コラム等に設けられた各種の送り機構、案内機構およびサーボモータなどにより、X軸方向、Y軸方向およびZ軸方向にスライド動作が可能である。このような構成により、工具主軸121に装着された回転工具による加工位置が、3次元的に移動する。
工具主軸121は、さらに、Y軸に平行な旋回中心軸204を中心に旋回可能に設けられている(B軸旋回)。工具主軸121の旋回範囲は、工具主軸121の主軸端面123が下方を向く姿勢(図1中および図2に示す姿勢)を基準にして±120°の範囲である。工具主軸121の旋回範囲は、図1および図2中に示す姿勢から±90°以上の範囲であることが好ましい。
なお、図1中には示されていないが、第1主軸台111の周辺には、工具主軸121に装着された工具を自動交換するための自動工具交換装置(ATC:Automatic Tool Changer)と、工具主軸121に装着する交換用の工具を収容するための工具マガジンとが設けられている。
下刃物台131は、旋削加工のための複数の固定工具を装着する。下刃物台131は、いわゆるタレット形であり、複数の固定工具が放射状に取り付けられ、旋回割り出しを行なう。
より具体的には、下刃物台131は、旋回部132を有する。旋回部132は、Z軸に平行な中心軸206を中心に旋回可能に設けられている。中心軸206を中心にその周方向に間隔を隔てた位置には、固定工具を保持するための複数の工具ホルダが取り付けられている。旋回部132が中心軸206を中心に旋回することによって、工具ホルダに保持された固定工具が周方向に移動し、旋削加工に用いられる固定工具が割り出される。
下刃物台131は、図示しないサドル等によりベッド136上に支持されている。下刃物台131は、サドル等に設けられた各種の送り機構、案内機構およびサーボモータなどにより、X軸方向およびZ軸方向にスライド動作が可能である。
加工機械100は、付加加工用ヘッド21をさらに有する。付加加工用ヘッド21は、ワークWに対して材料粉末Pを供給するとともにレーザ光Lを照射することにより付加加工を行なう(指向性エネルギー堆積法(Directed Energy Deposition))。材料粉末Pとしては、たとえば、コバルト基合金またはSKD材等の金属粉末を利用することができる。材料粉末Pは、ワークWと同一の材料であってもよいし、ワークWと異なる材料であってもよい。
図2に示されるように、付加加工用ヘッド21は、ノズル26を有する。ノズル26は、材料粉末Pが流通可能な管部材からなる。ノズル26は、材料粉末PをワークWに向けて吐出する。
付加加工用ヘッド21は、工具主軸121に着脱可能なように構成されている。付加加工時、付加加工用ヘッド21は、工具主軸121に装着される。工具主軸121が、X軸方向、Y軸方向およびZ軸方向にスライド動作することによって、付加加工用ヘッド21による付加加工の加工位置が3次元的に移動する。さらに、工具主軸121が、旋回中心軸204を中心に旋回することによって、付加加工用ヘッド21も工具主軸121と一体となって旋回中心軸204を中心に旋回する。これにより、付加加工用ヘッド21による付加加工の向き(ワークWに対するレーザ光Lの照射方向)を自在に変化させることができる。
除去加工時、付加加工用ヘッド21は、工具主軸121から分離され、図示しないヘッドストッカに格納される。
工具主軸121には、クランプ機構が設けられており、工具主軸121に対する付加加工用ヘッド21の装着時、そのクランプ機構が動作することによって、付加加工用ヘッド21が工具主軸121に連結される。クランプ機構の一例として、バネ力によりクランプ状態を得て、油圧によりアンクランプ状態を得る機構が挙げられる。
図1に示されるように、加工機械100は、パウダーフィーダ70と、レーザ発振装置76と、ケーブル24とをさらに有する。
パウダーフィーダ70は、付加加工に用いられる材料粉末を、加工エリア200内の付加加工用ヘッド21に向けて導入する。パウダーフィーダ70は、パウダーホッパー72と、混合部71とを有する。パウダーホッパー72は、付加加工に用いられる材料粉末を収容するための密閉空間を形成する。混合部71は、パウダーホッパー72に収容された材料粉末と、材料粉末のキャリア用のガスとを混合する。
レーザ発振装置76は、付加加工に用いられるレーザ光を発振する。ケーブル24は、レーザ発振装置76から付加加工用ヘッド21に向けてレーザ光を導くための光ファイバーと、パウダーフィーダ70から付加加工用ヘッド21に向けて材料粉末を導くための配管と、空気の流路となるエア配管と、不活性ガスの流路となるガス配管と、冷媒の流路となる冷却配管と、電気配線と、これらを収容する管部材とから構成されている。
続いて、本実施の形態におけるワークの加工方法について説明する。図3から図6は、本実施の形態におけるワークの加工方法を実行するステップを示す前面図である。
図3から図6を参照して、本実施の形態におけるワークの加工方法は、図3に示されるように、第1保持部51(第1ワーク主軸112)および第2保持部52(第2ワーク主軸117)によりワークWを保持するステップと、図4に示されるように、第1保持部51および第2保持部52により保持されたワークWに対して、材料粉末Pを供給するとともにレーザ光Lを照射することにより、ワークWに対する付加加工を行なうステップと、図5に示されるように、ワークWに対する付加加工を行なうステップの少なくとも一部の間に、第1保持部51および第2保持部52を互いに遠ざかる方向に相対的に移動させるステップとを有する。
ワークWの付加加工時、ワークWに対してレーザ光Lが照射されると、ワークWが熱膨張する。ワークWは、第1保持部51および第2保持部52により保持されているため、ワークWの熱膨張に伴って、レーザ光Lが照射された側のワークWの表面faが中心軸201の半径方向外側に突出するように歪む。この場合、材料粉末Pを意図したワークWの表面fa上の位置に積層することができず、ワークWの付加加工の精度が低下する可能性がある。
これに対して、本実施の形態におけるワークの加工方法では、ワークWに対する付加加工を行なうステップの少なくとも一部の間に、第1保持部51および第2保持部52を互いに遠ざかる方向に相対的に移動させることによって、ワークWの表面faがワークWの熱膨張に伴って歪むことを抑制できる。これにより、材料粉末PをワークWの表面fa上の意図した位置に積層することが可能となるため、ワークWに対して高精度な付加加工を施すことができる。
なお、第1保持部51および第2保持部52の相対的な移動は、ワークWに対して付加加工が行なわれる間の一部で実行されてもよい。第1保持部51および第2保持部52の相対的な移動は、ワークWに対する付加加工時に連続的に実行されてもよいし、断続的に実行されてもよい。
図4に示されるように、本実施の形態におけるワークの加工方法は、ワークWに対する付加加工を行なうステップの少なくとも一部の間に、ワークWの温度を検出するステップと、検出されたワークWの温度に基づいて、ワークWの熱膨張量を算出するステップとをさらに有する。図5に示されるように、第1保持部51および第2保持部52を相対的に移動させるステップ時、算出されたワークWの熱膨張量に対応する距離だけ、第1保持部51および第2保持部52を互いに遠ざかる方向に相対的に移動させる。
このような構成によれば、ワークWの温度に基づいて、付加加工時のワークWの熱膨張量を正確に把握することができる。これにより、ワークWの表面faがワークWの熱膨張に伴って歪むことをより確実に抑制できる。
図6に示されるように、ワークの加工方法は、ワークWに対する付加加工を行なうステップの後に、第1ワーク主軸112および第2ワーク主軸117を互いに近づく方向に相対的に移動させつつ、ワークWを冷却するステップをさらに有する。
ワークWに対する付加加工が終了した後、ワークWをある程度の温度まで冷却してから第1保持部51および第2保持部52から取り外す。この場合、ワークWがその冷却に伴って熱収縮すると、ワークWは、第1保持部51および第2保持部52により保持されているため、ワークWに残留応力が生じる可能性がある。
これに対して、本実施の形態におけるワークの加工方法では、冷却時のワークWの熱収縮に合わせて、第1保持部51および第2保持部52を互いに近づく方向に相対的に移動させる。これにより、ワークWに残留応力が生じることを抑制できる。
続いて、本実施の形態におけるワークの加工方法のより具体的な例として、図1および図2中の加工機械100を用いて、本実施の形態におけるワークの加工方法を実行する場合を説明する。
図7は、図1および図2中の加工機械において、ワークの付加加工に関連する制御系を示すブロック図である。図7を参照して、加工機械100は、制御装置81をさらに有する。
制御装置81は、加工機械100を制御する。制御装置81は、加工機械100に備え付けられ、加工機械100における各種動作を制御するための制御盤である。
制御装置81は、プログラム記憶部82と、プログラム実行部83と、工具主軸制御部84と、付加加工制御部85と、第1ワーク主軸制御部86と、第2ワーク主軸制御部87とを有する。
プログラム記憶部82には、加工機械100の作業者によって作成されたワーク加工のための実行プログラム(数値制御プログラム)が記憶されている。プログラム記憶部82は、一例として、フラッシュメモリである。
プログラム実行部83は、プログラム記憶部82に記憶された実行プログラムを実行する。プログラム実行部83は、実行プログラムの命令を読み取って、工具主軸制御部84、付加加工制御部85、第1ワーク主軸制御部86および第2ワーク主軸制御部87の各々に制御信号を出力する。
工具主軸制御部84は、プログラム実行部83からの制御信号に従って、工具主軸121をX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向にスライド動作させるための工具主軸送りモータ89と、工具主軸121をB軸旋回させるための工具主軸旋回モータ90とを制御する。付加加工制御部85は、プログラム実行部83からの制御信号に従って、付加加工用ヘッド21にレーザ光を供給するためのレーザ発振装置76と、付加加工用ヘッド21に材料粉末を供給するためのパウダーフィーダ70とを制御する。
第1ワーク主軸制御部86は、プログラム実行部83からの制御信号に従って、第1ワーク主軸112を回転させるための第1ワーク主軸回転モータ91を制御する。第2ワーク主軸制御部87は、プログラム実行部83からの制御信号に従って、第2ワーク主軸117を回転させるための第2ワーク主軸回転モータ92と、第2ワーク主軸117をZ軸方向にスライド動作させるための第2ワーク主軸送りモータ93とを制御する。
制御装置81は、記憶部96をさらに有する。記憶部96には、ワークに用いられる金属の種類と、各金属の線膨張係数との関係に関するデータが記憶されている。
加工機械100は、操作部95と、温度検出部94とをさらに有する。操作部95は、加工エリア200の外部に設けられている。操作部95は、作業者が加工機械100を操作する際に用いる各種のボタンおよびスイッチ、ならびに、加工機械100におけるワークの加工状態等を示す表示部などを含む。操作部95は、ワークに用いられる金属の種類と、Z軸方向におけるワークの全長とを入力可能なように構成されている。
温度検出部94は、加工エリア200内に設けられている。温度検出部94は、付加加工時におけるワークの温度を検出可能なように構成されている。温度検出部94は、非接触方式により、ワークの温度を検出する。温度検出部94は、たとえば、ワークの表面から放出される赤外線放射エネルギーを検知し、温度に換算して出力する赤外線温度センサである。温度検出部94は、検出したワークの温度を第2ワーク主軸制御部87に出力する。
図8は、図1および図2中の加工機械を用いて、本実施の形態におけるワークの加工方法を実行するステップの流れを示すフローチャート図である。
図3、図7および図8を参照して、まず、第1ワーク主軸112および第2ワーク主軸117により、ワークWを保持する(S101)。本ステップでは、ワークWを第1ワーク主軸112および第2ワーク主軸117の間に配置する。チャック113およびチャック118によって、Z軸方向におけるワークWの一方端および他方端をそれぞれ把持する。
ワークWに用いられる金属の種類と、Z軸方向におけるワークWの全長Sとを操作部95に入力する(S102)。操作部95は、入力された金属の種類と、全長Sとを第2ワーク主軸制御部87に出力する。
次に、第2ワーク主軸制御部87は、ワークWの線膨張係数αを特定する(S103)。本ステップにおいては、第2ワーク主軸制御部87が、S102のステップで得られたワークWに用いられる金属の種類を、記憶部96に記憶されたデータに照らし合わせることによって、ワークWの線膨張係数αを特定する。
温度検出部94は、ワークWの温度T(n=0)を検出する(S104)。温度検出部94は、検出したワークWの温度T(n=0)を第2ワーク主軸制御部87に出力する。
図4、図7および図8を参照して、次に、工具主軸制御部84および付加加工制御部85等は、ワークWの付加加工を開始する(S105)。本ステップにおいては、プログラム記憶部82に記憶された実行プログラムに従ってワークWの付加加工を実行する。
より具体的には、工具主軸制御部84は、工具主軸121に装着された付加加工用ヘッド21がワークWの直上に配置され、工具主軸121の主軸端面123が-X軸方向を向くように、工具主軸送りモータ89および工具主軸旋回モータ90を制御する。第1ワーク主軸制御部86および第2ワーク主軸制御部87は、ワークWの表面faが+X軸方向を向くように、第1ワーク主軸回転モータ91および第2ワーク主軸回転モータ92をそれぞれ制御する。付加加工制御部85は、付加加工用ヘッド21からワークWの表面faに向けてレーザ光Lおよび材料粉末Pが供給されるように、レーザ発振装置76およびパウダーフィーダ70を制御する。工具主軸制御部84は、プログラム記憶部82に記憶された実行プログラムに従って付加加工用ヘッド21が移動するように、工具主軸送りモータ89を制御する。
次に、温度検出部94は、S105のステップにおける付加加工の開始から所定時間だけ経過した後に、ワークWの温度T(n=1)を検出する(S106)。温度検出部94は、検出したワークWの温度T(n=1)を第2ワーク主軸制御部87に出力する。
次に、第2ワーク主軸制御部87は、Z軸方向におけるワークWの熱膨張量ΔU(n=1)を算出する(S107)。本ステップにおいては、第2ワーク主軸制御部87が、S103のステップで特定されたワークWの線膨張係数αと、S104のステップで温度検出部94により検出されたワークWの温度T(n=0)と、S106のステップで温度検出部94により検出されたワークWの温度T(n=1)とを、下記の数式に代入することによって、Z軸方向におけるワークWの熱膨張量ΔU(n=1)を算出する。
ΔU(n)=α*S*[T(n)-T(n-1)]
すなわち、レーザ光Lの照射を受けたワークWが、付加加工の開始から所定時間だけ経過する間に、Z軸方向においてΔU(n=1)だけ伸張したということである。
図5、図7および図8を参照して、次に、第2ワーク主軸制御部87は、第2ワーク主軸117がS107のステップで算出されたΔU(n=1)だけ+Z軸方向に移動するように、第2ワーク主軸送りモータ93を制御する(S108)。
次に、S108のステップが完了した後であって、S106のステップから所定時間だけ経過した後に、S106のステップに戻る。温度検出部94および第2ワーク主軸制御部87は、S105のステップで開始されたワークWの付加加工が実行される間、S106、S107およびS108のステップを繰り返す。S106、S107およびS108のステップを繰り返す毎に、上記の数式におけるnの値は、1から順に増加する整数値をとる。+Z軸方向における第2ワーク主軸117の移動に伴って、第1ワーク主軸112および第2ワーク主軸117の主軸間距離Hが増大する(H2>H1)。
なお、上記の算出方法は、説明を簡単にするために、ワークWの温度分布がZ軸方向において一様であるという仮定に基づいているが、実際には、Z軸方向におけるワークWの温度分布には、レーザ光Lの照射領域を最高温度とし、そのレーザ光Lの照射領域から離れるほど低下する勾配が生じる。このような温度分布を考慮しつつ、ワークWの熱膨張量ΔU(n)を求める場合、たとえば、ワークWをZ軸方向に並ぶ複数の領域に分割し、各領域においてワークWの代表温度を検出するとともに、その検出された代表温度に基づいて各領域におけるワークWの熱膨張量を算出し、最後に、複数の領域におけるワークの熱膨張量を全て足し合わせればよい。
図6から図8を参照して、次に、工具主軸制御部84および付加加工制御部85等がワークWの付加加工を終了する。温度検出部94が、付加加工終了時のワークWの温度T(m=0)検出する(S109)。温度検出部94は、検出したワークWの温度T(m=0)を第2ワーク主軸制御部87に出力する。これ以降、付加加工が施されたワークWを第1ワーク主軸112および第2ワーク主軸117により保持された状態で放置することによって、ワークWを冷却する。
次に、温度検出部94は、S109のステップにおける付加加工終了から所定時間だけ経過した後に、ワークWの温度T(m=1)を検出する(S110)。温度検出部94は、検出したワークWの温度T(m=1)を第2ワーク主軸制御部87に出力する。
次に、第2ワーク主軸制御部87は、Z軸方向におけるワークWの熱収縮量ΔV(m=1)を算出する(S111)。本ステップにおいては、第2ワーク主軸制御部87が、S103のステップで特定されたワークWの線膨張係数αと、S109のステップで温度検出部94により検出されたワークWの温度T(m=0)と、S110のステップで温度検出部94により検出されたワークWの温度T(m=1)とを、下記の数式に代入することによって、Z軸方向におけるワークWの熱収縮量ΔV(m=1)を算出する。
ΔV(m)=α*S*[T(m-1)-T(m)]
すなわち、加工エリア200に放置されたワークWが、付加加工終了から所定時間の間に、Z軸方向においてΔV(m=1)だけ短縮したということである。
次に、第2ワーク主軸制御部87は、第2ワーク主軸117がS111のステップで算出されたΔV(m=1)だけ-Z軸方向に移動するように、第2ワーク主軸送りモータ93を制御する(S112)。
次に、S112のステップが完了した後であって、S110のステップから所定時間だけ経過した後に、S110のステップに戻る。温度検出部94および第2ワーク主軸制御部87は、ワークWの冷却が実行される間、S110、S111およびS112のステップを繰り返す。S110、S111およびS112のステップを繰り返す毎に、上記の数式におけるmの値は、1から順に増加する整数値をとる。-Z軸方向における第2ワーク主軸117の移動に伴って、第1ワーク主軸112および第2ワーク主軸117の主軸間距離Hが減少する(H3<H2)。
なお、Z軸方向におけるワークWの温度分布を考慮しつつ、ワークWの熱収縮量ΔV(m)を求める方法は、上記のワークWの熱膨張量ΔU(n)を求める場合と同様である。
次に、ワークWの冷却が完了したら、ワークWを第1ワーク主軸112および第2ワーク主軸117から取り外す(S113)。以上のステップにより、図1および図2中の加工機械100を用いたワークの加工方法が完了する。
このような構成によれば、加工機械100において互いに対向配置された第1ワーク主軸112および第2ワーク主軸117を用いて、ワークWを保持する第1保持部51および第2保持部52の軸間距離を自在に調整することができる。このため、本実施の形態におけるワークの加工方法を、簡易な構成で実現することができる。
図9は、図7中のワークの付加加工に関連する制御系の変形例を示すブロック図である。図10は、図8中のワークの加工方法を実行するステップの流れの変形例を示すフローチャート図である。
図9および図10を参照して、本変形例では、加工機械100が、図9中の温度検出部94を有さない。加工機械100は、モータ監視部97を有する。モータ監視部97は、第2ワーク主軸送りモータ93の状態を監視する。より具体的には、モータ監視部97は、第2ワーク主軸送りモータ93のモータ電流(負荷電流値)を検出する。
本変形例では、第2ワーク主軸制御部87が、モータ監視部97により検出された第2ワーク主軸送りモータ93のモータ電流に基づいて、第2ワーク主軸送りモータ93を制御する。
代表的に、ワークWの付加加工の間における制御ステップについて説明する。ワークWの付加加工を開始する(S201)。S201のステップで付加加工が開始されたら、第2ワーク主軸制御部87は、第2ワーク主軸117が所定速度で+Z軸方向に移動を開始するように、第2ワーク主軸送りモータ93を制御する(S202)。
次に、モータ監視部97は、第2ワーク主軸送りモータ93のモータ電流を検出する(S203)。モータ監視部97は、検出した第2ワーク主軸送りモータ93のモータ電流を第2ワーク主軸制御部87に出力する。
次に、第2ワーク主軸制御部87は、モータ監視部97により検出されるモータ電流値が一定であるか否かを判断する(S204)。S204のステップでモータ監視部97により検出されるモータ電流値が一定であると判断された場合、S203のステップに戻る。
S204のステップでモータ監視部97により検出されるモータ電流値が一定でないと判断された場合、第2ワーク主軸制御部87は、+Z軸方向における第2ワーク主軸117の移動速度が変更されるように、第2ワーク主軸送りモータ93を制御する(S205)。モータ監視部97および第2ワーク主軸制御部87は、S201のステップで開始されたワークWの付加加工が実行される間、S203~S205のステップを繰り返すことによって、第2ワーク主軸送りモータ93のモータ電流を一定に維持する。この場合、第2ワーク主軸送りモータ93に対する負荷が一定であるため、Z軸方向におけるワークWの伸張に合わせて、第2ワーク主軸117が+Z軸方向に移動している。
最後に、工具主軸制御部84および付加加工制御部85等がワークWの付加加工を終了する。第2ワーク主軸制御部87は、+Z軸方向における第2ワーク主軸117の移動が停止するように、第2ワーク主軸送りモータ93を制御する。
図11は、付加加工の対象となるワークの一例を示す斜視図である。図11を参照して、本実施の形態におけるワークの加工方法を、タービンブレード500の補修に適用することが可能である。
タービンブレード500は、リーディングエッジ510と、トレーリングエッジ520と、翼面540と、一対のタービン側面530とを有する。
リーディングエッジ510は、タービンブレード500の回転時に空気等の流体が流入するブレード前端部であり、エッジ形状をなしている。トレーリングエッジ520は、タービンブレード500の回転時に流体が流出するブレード後端部であり、エッジ形状をなしている。
翼面540は、リーディングエッジ510およびトレーリングエッジ520の間で延在している。翼面540は、リーディングエッジ510およびトレーリングエッジ520の間において、湾曲しながら延在している。タービンブレード500の回転時にリーディングエッジ510を通じて流入した流体は、翼面540上を流れてトレーリングエッジ520に向かう。翼面540は、正圧面540Pと、負圧面540Nとを有する。正圧面540Pには、翼面540上を流れる流体によって相対的に大きい圧力が作用し、負圧面540Nには、翼面540上を流れる流体によって相対的に小さい圧力が作用する。
一対のタービン側面530は、翼面540の両端部にそれぞれ配置されている。タービン側面530は、平面からなる。タービン側面530は、リーディングエッジ510およびトレーリングエッジ520の延伸方向に直交する平面からなる。
タービンブレード500は、たとえば、ニッケル基合金、または、Ti-6Al-4Vなどの金属材料から構成されている。
タービンブレード500の使用回数が増えると、リーディングエッジ510またはトレーリングエッジ520に欠損が生じたり、翼面540に比較的小さな亀裂または比較的大きい窪みが生じたりする。このような欠損等が生じたタービンブレード500に対して補修が行なわれる。
より具体的には、図1および図2中に示される加工機械100において、リーディングエッジ510、トレーリングエッジ520および翼面540が、中心軸201の半径方向外側を向いて配置され、タービン側面530が、中心軸201の軸方向を向いて配置されるように、第1ワーク主軸112および第2ワーク主軸117によりタービンブレード500を保持する。
次に、第1ワーク主軸112および第2ワーク主軸117を中心軸201を中心に回転させることによって、補修の対象となるリーディングエッジ510、トレーリングエッジ520または翼面540と、工具主軸121とを対向して配置する。工具主軸121により、タービンブレード500の補修箇所において、亀裂部分を除去したり、付加加工に適した表面形状に整地したりする。
次に、タービンブレード500に付加加工を行なう。工具主軸121に付加加工用ヘッド21を装着し、タービンブレード500を構成する金属材料と同じ材料粉末を用いて付加加工を行なうことにより、タービンブレード500の補修箇所に肉盛りする。この際、図8または図10中のフローチャートに従って、付加加工時の第1ワーク主軸112および第2ワーク主軸117の軸間距離を制御する。
次に、タービンブレード500に付加加工後の切削加工を行なう。工具主軸121から付加加工用ヘッド21を取り外し、工具主軸121により、タービンブレード500に付加された肉盛りを切削加工することによって、タービンブレード500の表面を仕上げる。
他の例として、本実施の形態におけるワークの加工方法を、フィルムまたは不織布などの加工に用いられるダイカットロールの製造に適用することも可能である。
以上に説明した、この発明の実施の形態におけるワークの加工方法および加工機械100の構成をまとめると、本実施の形態におけるワークの加工方法は、互いに離れて配置される第1保持部51および第2保持部52によりワークWを保持するステップと、第1保持部51および第2保持部52により保持されたワークWに対して、材料粉末Pを供給するとともにレーザ光Lを照射することにより、ワークWに対する付加加工を行なうステップと、ワークWに対する付加加工を行なうステップの少なくとも一部の間に、第1保持部51および第2保持部52を互いに遠ざかる方向に相対的に移動させるステップとを備える。
本実施の形態における加工機械100は、ワークの付加加工を行なう加工機械である。加工機械は、ワークWに対して、材料粉末Pを供給するとともにレーザ光Lを照射する付加加工用ヘッド21と、所定軸としての中心軸201を中心にワークWを回転させるための第1ワーク主軸112と、第1ワーク主軸112と中心軸201の軸方向に対向して配置され、中心軸201の軸方向にスライド動作が可能であり、所定軸としての中心軸201を中心にワークWを回転させるための第2ワーク主軸117と、加工機械100を制御する制御装置81とを備える。制御装置81は、第1ワーク主軸112および第2ワーク主軸117により保持されたワークWに対して、材料粉末Pを供給するとともにレーザ光Lを照射することにより、ワークWに対して付加加工を行なうように、付加加工用ヘッド21の動作を制御し、ワークWに対する付加加工時の少なくとも一部の間に、第2ワーク主軸117が第1ワーク主軸112から遠ざかる方向に移動するように、第2ワーク主軸117のスライド動作を制御する。
このように構成された、この発明の実施の形態におけるワークの加工方法および加工機械100によれば、指向性エネルギー堆積法を用いたワークの付加加工において、ワークの加工精度を高く維持することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明は、指向性エネルギー堆積法によるワークの付加加工に適用される。
21 付加加工用ヘッド、24 ケーブル、26 ノズル、51 第1保持部、52 第2保持部、70 パウダーフィーダ、71 混合部、72 パウダーホッパー、76 レーザ発振装置、81 制御装置、82 プログラム記憶部、83 プログラム実行部、84 工具主軸制御部、85 付加加工制御部、86 第1ワーク主軸制御部、87 第2ワーク主軸制御部、89 工具主軸送りモータ、90 工具主軸旋回モータ、91 第1ワーク主軸回転モータ、92 第2ワーク主軸回転モータ、93 第2ワーク主軸送りモータ、94 温度検出部、95 操作部、96 記憶部、97 モータ監視部、100 加工機械、111 第1主軸台、112 第1ワーク主軸、112f,117f,123 主軸端面、113,118 チャック、116 第2主軸台、117 第2ワーク主軸、121 工具主軸、131 刃物台、132 旋回部、136 ベッド、200 加工エリア、201,201A,201B,203,206 中心軸、204 旋回中心軸、205 スプラッシュガード、500 タービンブレード、510 リーディングエッジ、520 トレーリングエッジ、530 タービン側面、540 翼面、540N 負圧面、540P 正圧面、H 主軸間距離、L レーザ光、P 材料粉末、T 温度、W ワーク、fa 表面。

Claims (5)

  1. 互いに離れて配置される第1保持部および第2保持部によりワークを保持するステップと、
    前記第1保持部および前記第2保持部により保持された前記ワークに対して、材料粉末を供給するとともにレーザ光を照射することにより、前記ワークに対する付加加工を行なうステップと、
    前記ワークに対する付加加工を行なうステップの少なくとも一部の間に、前記第1保持部および前記第2保持部を互いに遠ざかる方向に相対的に移動させるステップとを備える、ワークの加工方法。
  2. 前記第1保持部は、所定軸を中心に前記ワークを回転させるための第1ワーク主軸であり、
    前記第2保持部は、前記第1ワーク主軸と前記所定軸の軸方向に対向して配置され、前記所定軸の軸方向にスライド動作が可能であり、前記所定軸を中心に前記ワークを回転させるための第2ワーク主軸であり、
    前記第1保持部および第2保持部を相対的に移動させるステップは、前記第2ワーク主軸を前記所定軸の軸方向にスライド動作させるステップを含む、請求項1に記載のワークの加工方法。
  3. 前記ワークに対する付加加工を行なうステップの少なくとも一部の間に、前記ワークの温度を検出するステップと、
    検出された前記ワークの温度に基づいて、前記ワークの熱膨張量を算出するステップとをさらに備え、
    前記第1保持部および第2保持部を相対的に移動させるステップは、算出された前記ワークの熱膨張量に対応する距離だけ、前記第1保持部および前記第2保持部を互いに遠ざかる方向に相対的に移動させるステップを含む、請求項1または2に記載のワークの加工方法。
  4. 前記ワークに対する付加加工を行なうステップの後に、前記第1保持部および前記第2保持部を互いに近づく方向に相対的に移動させつつ、前記ワークを冷却するステップをさらに備える、請求項1から3のいずれか1項に記載のワークの加工方法。
  5. ワークの付加加工を行なう加工機械であって、
    前記ワークに対して、材料粉末を供給するとともにレーザ光を照射する付加加工用ヘッドと、
    所定軸を中心に前記ワークを回転させるための第1ワーク主軸と、
    前記第1ワーク主軸と前記所定軸の軸方向に対向して配置され、前記所定軸の軸方向にスライド動作が可能であり、前記所定軸を中心に前記ワークを回転させるための第2ワーク主軸と、
    前記加工機械を制御する制御装置とを備え、
    前記制御装置は、
    前記第1ワーク主軸および前記第2ワーク主軸により保持された前記ワークに対して、材料粉末を供給するとともにレーザ光を照射することにより、前記ワークに対して付加加工を行なうように、前記付加加工用ヘッドの動作を制御し、
    前記ワークに対する付加加工時の少なくとも一部の間に、前記第2ワーク主軸が前記第1ワーク主軸から遠ざかる方向に移動するように、前記第2ワーク主軸のスライド動作を制御する、加工機械。
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