JP7099928B2 - 暗号送信装置、暗号受信装置および暗号通信システム - Google Patents

暗号送信装置、暗号受信装置および暗号通信システム Download PDF

Info

Publication number
JP7099928B2
JP7099928B2 JP2018193352A JP2018193352A JP7099928B2 JP 7099928 B2 JP7099928 B2 JP 7099928B2 JP 2018193352 A JP2018193352 A JP 2018193352A JP 2018193352 A JP2018193352 A JP 2018193352A JP 7099928 B2 JP7099928 B2 JP 7099928B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
information
unit
partial
outside world
external
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018193352A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020061704A (ja
Inventor
陽介 前川
茂樹 佐野
弘章 佐治
洋一 小松
雄太郎 榎本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yazaki Corp
Original Assignee
Yazaki Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yazaki Corp filed Critical Yazaki Corp
Priority to JP2018193352A priority Critical patent/JP7099928B2/ja
Publication of JP2020061704A publication Critical patent/JP2020061704A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7099928B2 publication Critical patent/JP7099928B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、時系列的に変化をする共有情報を利用した暗号送信装置、暗号受信装置および暗号通信システムに関する。
従来から、有線/無線通信路を利用する一般的な通信機器において、ワンタイムパッド暗号方式、計算量的に安全な暗号方式、量子暗号方式等が提案されている。
例えば、ワンタイムパッド暗号方式は、情報理論的安全性を持つ暗号方式である。最も単純なワンタイムパッド暗号方式では、送信者と受信者が、共通暗号鍵を持つ。そして、この共通暗号鍵によって通信文を排他的論理和演算することによって通信文を暗号化して暗号文を生成し、さらに、共通暗号鍵によって暗号文を排他的論理和演算することによって暗号文を復号して通信文を生成する。この方式では、共通暗号鍵の鍵長は、通信文と同量のデータ量が必要であり、通信文と合わせて、本来共有したい情報の2倍の情報を移動させる必要が生じる。
ワンタイムパッド暗号方式では、通信文が暗号化されていても、通信文と共通暗号鍵の両方が揃うことで復号されて内容が漏洩してしまう。したがって、通信文と共通暗号鍵は異なる手段での移動が求められる。このため、ワンタイムパッド暗号方式を利用する際には、通信文と共通暗号鍵で異なる移動手段を用意しなければいけない、というシステム構成の難しさがある。
また、計算量的に安全な暗号方式としては、AES(Advanced Encryption Standard)暗号方式、RSA(Rivest Shamir Adleman)暗号方式、楕円曲線暗号方式(ECC(Elliptic Curve Cryptography))などがある。この計算量的安全性とは、解読するための計算量が膨大であることから安全であるとする考え方である。しかし、確率的に解読が出来る可能性が存在し、計算機の能力向上に伴い、安全性は低下する。
さらに、量子暗号通信方式と呼ばれる量子鍵配送技術の研究も進んでおり、実用化開発が進められている。しかし、この技術では量子暗号の実現のためには、専用の回線を用意する必要がある。このため、インフラストラクチャーの整備を待つ必要がある。さらに、中継器が未だ開発されていないために、通信距離に限界がある。以上説明した従来技術の具体例を以下に列挙する。
特開2016-021758号公報 特開2015-162785号公報 特開2013-145420号公報 特開2008-205815号公報 特開2007-318518号公報 特開2007-129431号公報 国際公開第2006-077850号
しかし、上記従来技術によれば、晴報理論的安全性を持つ暗号方式である既存のワンタイムパッド暗号方式では、通信文の倍の情報量を伝達させる必要があり、通信文と共通暗号鍵とで、異なる伝達手段を用意する必要がある。また、既存の暗号アルゴリズムであるAES、RSA、ECC等は、確率的に解読ができる。さらに、量子暗号通信は、回線種別に制約があり、単独で専用の光通信回線が必要である。
そこで、本発明はこのような課題を解決する手段を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は次のような構成を採用する。
すなわち、請求項1に係る暗号送信装置の発明は、時系列的に変化する外界の情報である外界情報を取得する外界情報の取得部と、
暗号化されるべき通信文情報を取得する通信文情報の取得部と、
前記通信文情報を暗号化するために使用する外界情報を特定するための外界情報特定情報を生成する特定部と、
前記通信文情報を分割して部分通信文を生成し、外界情報特定情報によって特定される外界情報の中で前記部分通信文と一致する情報を部分外界情報とし、前記外界情報における前記部分外界情報の先頭の位置情報を部分位置情報とし、前記部分外界情報の情報量を部分情報量とする検索部と、
前記部分位置情報、前記部分情報量および前記外界情報特定情報を含む暗号情報を暗号受信装置に送信する出力部と、を含むことを特徴とする。
上記構成によれば、移動させる必要が生じる情報量は、本来共有したい情報の2倍以内に収めることが可能になる。また、移動させる必要がある情報は、漏洩しても問題がない1種類の情報であるため、専用の回線は不要であり、既存のネットワークが利用可能である。さらに、本発明を利用した場合、情報理論的安全性を持った手法であるため、経路上の暗号情報を復号して平文である通信文を生成することが不可能である暗号通信システムを実現できる。
上記課題を解決するために、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の暗号送信装置において、前記外界情報を取得するタイミングを決定するためのタイマー部と、
前記タイマー部の時刻情報を、前記出力部を介して前記暗号受信装置に送信する時刻同期部と、を含み、
前記外界情報の取得部は前記タイマー部によって計時されるあらかじめ定められた開始時刻からあらかじめ定められた終了時刻までの前記外界情報を取得することを特徴とする。
上記構成によれば、暗号送信装置と暗号受信装置との間で時刻同期を取ることが可能になり、暗号送信装置と暗号受信装置との間で暗号化および復号するために使用する外界情報を共有して取得する無線通信システムが実現できる。
上記課題を解決するために、請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載の暗号送信装置において、前記外界情報の取得部が取得する前記外界情報は、地上デジタル放送による放送情報であることを特徴とする。
上記構成によれば、外界情報として地上デジタル放送による放送情報を使用するので、暗号送信装置と暗号受信装置が離れて位置していても、外界情報を共有することが可能になる。
上記課題を解決するために、請求項4に係る発明は、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の暗号送信装置において、
前記外界情報をランダム化する外界情報のランダム化部を含み、
前記外界情報のランダム化部は、前記外界情報を前記暗号受信装置と共通の疑似生成器によってランダム化し、または、前記外界情報を前記暗号受信装置と共通の暗号鍵でランダム化することを特徴とする。
上記構成によれば、外界情報に十分なランダム性がない場合であっても、ランダム化された外界情報を共通に使用して、暗号送信装置と暗号受信装置とで暗号化処理および復号処理を実行することが可能になる。
上記課題を解決するために、請求項5に係る暗号受信装置の発明は、
時系列的に変化する外界の情報である外界情報を取得する外界情報の取得部と、
通信文情報が暗号化された暗号情報を取得する暗号情報の取得部と、
前記暗号情報に含まれる外界情報特定情報によって、前記暗号情報を前記通信文情報に復号するために使用する外界情報を特定する特定部と、
前記暗号情報に含まれる部分位置情報によって、前記特定部によって特定された外界情報の中から抽出されるべき、前記外界情報の一部である部分外界情報の先頭位置を特定し、前記暗号情報に含まれる部分情報量によって、前記先頭位置から前記部分情報量に対応する情報量の前記部分外界情報を抽出し、前記部分外界情報を結合して前記通信文情報を生成する抽出部と、
前記通信文情報を出力する出力部と、を含むことを特徴とする。
上記構成によれば、移動させる必要が生じる情報量は、本来共有したい情報の2倍以内に収めることが可能になる。また、移動させる必要がある情報は、漏洩しても問題がない1種類の情報であるため、専用の回線は不要であり、既存のネットワークが利用可能である。さらに、本発明を利用した場合、情報理論的安全性を持った手法であるため、経路上の暗号情報を復号して平文である通信文を生成することが不可能である暗号通信システムを実現できる。
上記課題を解決するために、請求項6に係る発明は、請求項5に記載の暗号受信装置において、
前記外界情報を取得するタイミングを決定するためのタイマー部と、
前記暗号情報を送信する暗号送信装置から時刻情報を受信し、前記時刻情報を前記タイマー部に設定する時刻同期部と、を含み、前記外界情報の取得部は前記タイマー部によって計時されるあらかじめ定められた開始時刻からあらかじめ定められた終了時刻までの前記外界情報を取得することを特徴とする。
上記構成によれば、暗号送信装置と暗号受信装置との間で時刻同期を取ることが可能になり、暗号送信装置と暗号受信装置との間で暗号化および復号するために使用する外界情報を共有して取得する無線通信システムが実現できる。
上記課題を解決するために、請求項7に係る発明は、請求項5または6に記載の暗号受信装置において、前記外界情報の取得部が取得する前記外界情報は、地上デジタル放送による放送情報であることを特徴とする。
上記構成によれば、外界情報として地上デジタル放送による放送情報を使用するので、暗号送信装置と暗号受信装置が離れて位置していても、外界情報を共有することが可能になる。
上記課題を解決するために、請求項8に係る発明は、請求項5乃至7のいずれか一項に記載の暗号受信装置において、前記外界情報をランダム化する外界情報のランダム化部を含み、
前記外界情報のランダム化部は、前記外界情報を暗号送信装置と共通の疑似生成器によってランダム化し、または、前記外界情報を前記暗号送信装置と共通の暗号鍵でランダム化することを特徴とする。
上記構成によれば、外界情報に十分なランダム性がない場合であっても、ランダム化された外界情報を共通に使用して、暗号送信装置と暗号受信装置とで暗号化処理および復号処理を実行することが可能になる。
上記課題を解決するために、請求項9に係る暗号通信システムの発明は、
請求項1乃至4のいずれかに一項に記載の暗号送信装置と、
請求項5乃至8のいずれかに一項に記載の暗号受信装置と、を含むことを特徴とする。
上記構成によれば、移動させる必要が生じる情報量は、本来共有したい情報の2倍以内に収めることが可能になる。また、移動させる必要がある情報は、漏洩しても問題がない1種類の情報であるため、専用の回線は不要であり、既存のネットワークが利用可能である。さらに、本発明を利用した場合、情報理論的安全性を持った手法であるため、経路上の暗号情報を復号して平文である通信文を生成することが不可能である暗号通信システムを実現できる。
上記課題を解決するために、請求項9に係る暗号通信システムの発明は、前記外界情報を有線または無線で生成する発信装置を含むことを特徴とする。
上記構成によれば、発信装置によって外界情報で提供するので、暗号送信装置と暗号受信装置が離れて位置していても、暗号送信装置と暗号受信装置が外界情報を取得し、共有することが可能になる。
本発明によれば、移動させる必要が生じる情報量は、本来共有したい情報の2倍以内に収めることが可能になる。また、移動させる必要がある情報は、漏洩しても問題がない1種類の情報であるため、専用の回線は不要であり、既存のネットワークが利用可能である。さらに、本発明を利用した場合、情報理論的安全性を持った手法であるため、経路上の暗号情報を復号して平文である通信文を生成することが不可能である暗号通信システムを実現できる。
暗号通信システムの一例を示す図である。 暗号通信システムの一例を示す図である。 暗号送信装置の一例を示す図である。 暗号受信装置の一例を示す図である。 暗号化部の動作の一例を示す図である。 暗号情報の通信の一例を示す図である。 復号化部の動作の一例を示す図である。 時刻同期処理および外界情報保持処理の一例を示すフローチャートである。 暗号送信装置の動作の一例を示すフローチャートである。 暗号受信装置の動作の一例を示すフローチャートである。 外界情報の一例を説明する模式図である。 外界情報を取得する一例を説明する模式図である。 検出期待確率の一例を説明する模式図である。 暗号送信装置と暗号受信装置間のデータフォーマットの一例を説明する模式図である。
(暗号通信システム)
図1に本実施形態の暗号通信システム10の一例を図示する。暗号通信システム10は、暗号送信装置1000、暗号受信装置2000、暗号送信装置1000と暗号受信装置2000との間で暗号情報等の情報を通信する通信路3000を含んで構成される。通信路3000は光ファイバ、金属線等の有線または無線によって構成されることができる。
外界情報は時系列的に変化する外界の情報であって、暗号送信装置1000および暗号受信装置2000で取得することができる情報であれば任意の情報を外界情報とすることができる。外界情報の一例として、地上デジタル放送の放送情報、CATVによる放送情報、FM放送情報、AM放送情報、短波放送情報等の情報が挙げられる。外界情報は、暗号送信装置1000において平文である通信文情報を暗号化するために使用され、および、暗号受信装置2000において、暗号送信装置1000から受信した暗号情報を復号するために使用される。
図2は、時系列的に変化する外界の情報である外界情報を提供する発信装置4000が追加された暗号通信システム20の一例を図示する。発信装置4000と、暗号送信装置1000および暗号受信装置2000との間は有線または無線で接続される。また、発信装置4000は任意の情報を時系列的に変化する情報に設定することができる。
(暗号送信装置)
図3に本実施形態の暗号送信装置1000の一例を図示する。暗号送信装置1000は、各種情報を入力するための入力部1100、入力部1100から入力された情報を取得するための情報取得部1200、制御部1300、記憶部1400、および、出力部1500を含んで構成される。
図3に示す暗号送信装置1000は一般的なコンピュータである。一般的なコンピュータが制御プログラムを実行することにより、図3に示す機能を実現する。また、制御部1300はCPU(Central Processing Unit)である。制御部1300は、記憶部1400に記憶されたデータを読み書きしたり、入力部1100および出力部1500とデータを入出力したりして、暗号送信装置1000における処理を実行する。
また、記憶部1400は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random access memory)、ハードディスク等の記憶媒体である。記憶部1400は、制御部1300が処理を実行するための入力データ、出力データおよび中間データなどの各種データを記憶する。
入力部1100は各種のインターフェース機能を有しており、制御部1300の制御によって取得しようとする情報の種類に応じてインターフェース機能を切り替えることが可能に構成されている。
情報取得部1200は、暗号化および復号に使用する外界情報の取得部1210、暗号化の対象となる通信文情報の取得部1220、および、暗号受信装置2000との制御情報の受信を実行する制御情報の取得部1230を含んで構成される。
制御部1300は、入力部1100および出力部1500を制御する入出力制御部1310、時刻同期部1320、暗号化部1330、および、タイマー部1340を含んで構成される。さらに、必須の構成要件ではないが、必要に応じて、制御部1300は、外界情報の量子化部1350および外界情報のランダム化部1360を含んで構成される場合もある。
入出力制御部1310は、情報取得部1200が取得しようとしている情報に応じて入力部1100のインターフェースを切り換える機能を有する。例えば、入出力制御部1310は、外界情報が地上デジタル放送であれば地上デジタル放送を受信するインターフェース機能を入力部1100から選択する。また、入出力制御部1310は、通信文情報が他の電子機器から入力されれば、他の電子機器とのインターフェース機能を入力部1100から選択する。さらに、通信文情報がキーボードやタッチパネルで入力される場合には、入力部1100の一部はキーボードやタッチパネルとして機能する。さらに、暗号送信装置1000と暗号受信装置2000がイーサネット(登録商標)で接続されていれば、入出力制御部1310は、イーサネット(登録商標)インターフェース機能を入力部1100から選択する。
時刻同期部1320は、暗号送信装置1000のタイマー部1340の時刻と暗号受信装置2000のタイマー部2340の時刻を同期させる機能を有する。
暗号化部1330は、外界情報の中から通信文情報と一致する部分を検索する検索部1331および外界情報を特定する情報を生成する特定部1332を含んで構成される。
検索部1331および特定部1332の詳細な動作については、図5を用いて後述する。
タイマー部1340は、暗号受信装置2000のタイマー部2340と同期して時刻を計時し、外界情報1410の取得時刻を特定する機能を有する。
外界情報の量子化部1350は、外界情報の取得部1210が取得した外界情報がアナログ情報である場合に外界情報を量子化するための機能を有する。通信文情報は0と1のデジタル化された情報に変換して表現されるために、外界情報がアナログ情報のままであれば、外界情報から通信文情報を検索することはできない。そこで、外界情報の量子化部1350は、外界情報がアナログ情報である場合に外界情報を量子化する。アナログ情報をデジタル化するための技術は公知の技術を使用できるためにここでは詳述しない。
外界情報のランダム化部1360は、外界情報の取得部1210が取得した外界情報に充分なランダム性がない場合に使用される。例えば、外界情報のランダム化部1360は、充分なランダム性がない外界情報をシードとして、疑似乱数生成器を動作させることによって、外界情報を、ランダム性を有する情報に変換する。また、例えば、外界情報のランダム化部1360は、AES暗号方式を使用して外界情報を暗号化したデジタル情報にしてもよい。ただし、この場合にはAES暗号方式で利用する共通鍵を暗号送信装置1000と暗号受信装置2000とで事前に共有している必要がある。
記憶部1400は、外界情報1410、外界情報取得時刻1420、通信文情報1430および暗号情報1440等の情報を記憶する。
外界情報1410は、外界情報の取得部1210が暗号送信装置1000および暗号受信装置2000の外部から取得した外界情報を記憶した情報である。外界情報1410は前述したように、時系列的に変化する情報である。また、外界情報1410は、タイマー部1340によって計時されるあらかじめ定められた開始時刻からあらかじめ定められた終了時刻までの期間で取得された情報である。
外界情報取得時刻1420は、外界情報1410を取得した時刻情報であって、時刻同期部1320によって、暗号送信装置1000および暗号受信装置2000で同期した時刻が記憶されている。
通信文情報1430は、通信文情報の取得部1220が取得した通信文の情報であって、デジタル列で表現される情報である。通信文情報は暗号化部1330で暗号化され、暗号情報1440となって暗号受信装置2000に伝送され、暗号受信装置2000で暗号情報1440が復号化され、暗号情報1440から通信文情報1430が得られる。
暗号情報1440には、部分位置情報1441、部分情報量1442および外界情報特定情報1443が含まれる。部分位置情報1441、部分情報量1442および外界情報特定情報1443は関連づけされている。また、部分位置情報1441と部分情報量1442は少なくとも1つ存在するが、複数の部分位置情報1441と部分情報量1442がペアになって記憶されていてもよい。部分位置情報1441と部分情報量1442は、暗号化部1330の検索部1331によって生成され、外界情報特定情報1443は、暗号化部1330の特定部1332によって生成される。
出力部2500は、暗号情報1440を暗号受信装置2000に出力する機能を有する。また、時刻同期部1320はタイマー部1340が計時する時刻と暗号受信装置2000のタイマー部2340が計時する時刻とを同期させるために、出力部2500からタイマー部1340が計時する時刻情報を暗号受信装置2000に出力する機能を有する。
(暗号受信装置)
図4に本実施形態の暗号受信装置2000の一例を図示する。暗号受信装置2000は、各種情報を入力するための入力部2100、入力部2100から入力された情報を取得するための情報取得部2200、制御部2300、記憶部2400、および、出力部2500を含んで構成される。
図4に示す暗号受信装置2000は一般的なコンピュータである。一般的なコンピュータが制御プログラムを実行することにより、図4に示す機能を実現する。また、制御部2300はCPU(Central Processing Unit)である。制御部2300は、記憶部2400に記憶されたデータを読み書きしたり、入力部2100および出力部2500とデータを入出力したりして、暗号受信装置2000における処理を実行する。
また、記憶部2400は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random access memory)、ハードディスク等の記憶媒体である。記憶部2400は、制御部2300が処理を実行するための入力データ、出力データおよび中間データなどの各種データを記憶する。
入力部2100は各種のインターフェース機能を有しており、制御部2300の制御によって取得しようとする情報の種類に応じてインターフェース機能を切り替えることが可能に構成されている。
情報取得部2200は、復号に使用する外界情報の取得部2210、暗号化された暗号情報1440を取得する暗号情報の取得部2220、および、暗号送信装置1000との制御情報の受信を実行する制御情報の取得部2230を含んで構成される。
制御部2300は、入力部2100および出力部2500を制御する入出力制御部2310、時刻同期部2320、復号化部2330、および、タイマー部2340を含んで構成される。さらに、必須の構成要件ではないが、必要に応じて、制御部2300は、外界情報の量子化部2350および外界情報のランダム化部2360を含んで構成される場合もある。
入出力制御部2310は、情報取得部2200が取得しようとしている情報に応じて入力部2100のインターフェースを切り換える機能を有する。例えば、入出力制御部2310は、外界情報が地上デジタル放送であれば地上デジタル放送を受信するインターフェース機能を入力部2100から選択する。また、入出力制御部2310は、暗号送信装置1000と暗号受信装置2000がイーサネット(登録商標)で接続されていれば、入出力制御部2310は、イーサネット(登録商標)インターフェース機能を入力部2100から選択する。その後、暗号受信装置2000は、暗号情報1440および制御情報等の情報を暗号送信装置1000から受信する。
時刻同期部2320は、暗号送信装置1000のタイマー部1340の時刻と暗号受信装置2000のタイマー部2340の時刻を同期させる機能を有する。すなわち、時刻同期部2320は、入力部2100を介して受信した暗号送信装置1000のタイマー部1340の時刻と一致するように、暗号受信装置2000のタイマー部2340が計時する時刻に受信したタイマー部1340の時刻を設定する。
復号化部2330は、後述する部分外界情報2430を抽出し、部分外界情報2430を結合する抽出部2331および外界情報特定情報1443から復号に使用する外界情報2410を特定する特定部2332を含んで構成される。
復号化部2330および特定部2332の詳細な動作については、図6を用いて後述する。
タイマー部2340は、暗号送信装置1000のタイマー部1340と同期して時刻を計時し、外界情報2410の取得時刻を特定する機能を有する。
外界情報の量子化部2350は、外界情報の取得部2210が取得した外界情報がアナログ情報である場合に外界情報を量子化するための機能を有する。外界情報がアナログ情報のままであれば、暗号情報1440から通信文情報を抽出することはできない。そこで、外界情報の量子化部2350は、外界情報がアナログ情報である場合に外界情報を量子化する。アナログ情報をデジタル化するための技術は公知の技術を使用できるためにここでは詳述しない。ただし、外界情報の量子化部2350は、暗号送信装置1000の外界情報の量子化部1350と同一の方法でアナログ情報の量子化を実行する。
外界情報のランダム化部2360は、外界情報の取得部2210が取得した外界情報に充分なランダム性がない場合に使用される。例えば、外界情報のランダム化部2360は、充分なランダム性がない外界情報をシードとして、疑似乱数生成器を動作させることによって、外界情報を、ランダム性を有する情報に変換する。ただし、変換方法は暗号送信装置1000と暗号受信装置2000とで事前に共有している必要がある。また、例えば、外界情報のランダム化部2360は、AES暗号方式を使用して外界情報を暗号化したデジタル情報にしてもよい。ただし、この場合にもAES暗号方式で利用する共通鍵を暗号送信装置1000と暗号受信装置2000とで事前に共有している必要がある。
記憶部2400は、暗号送信装置1000の外界情報1410と同一の外界情報2410、暗号送信装置1000の外界情報取得時刻1420と同期した外界情報取得時刻2420を記憶する。また、記憶部2400は、復号化部2330によって抽出される部分外界情報2430、および、暗号送信装置1000から送信され、受信した暗号情報1440を暗号情報2440として記憶する。
外界情報2410は、外界情報の取得部2210が暗号送信装置1000および暗号受信装置2000の外部から取得した外界情報を記憶した情報である。外界情報2410は前述したように、時系列的に変化する情報である。また、外界情報2410は、タイマー部2340によって計時されるあらかじめ定められた開始時刻からあらかじめ定められた終了時刻までの期間で取得された情報である。
外界情報取得時刻2420は、外界情報2410を取得した時刻情報であって、時刻同期部2320によって、暗号送信装置1000および暗号受信装置2000で同期した時刻が記憶されている。
部分外界情報2430は、復号化部2330によって、特定された外界情報2410の一部の情報であって、暗号送信装置1000において暗号化された通信文情報1430の一部を構成する情報である。復号化部2330によって、部分外界情報2430が結合されると通信文情報1430が生成される。
暗号情報の取得部2220が取得した暗号情報1440が記憶部2400の暗号情報2440として記憶される。また、暗号情報1440に含まれる部分位置情報1441、部分情報量1442および外界情報特定情報1443が、記憶部2400の部分位置情報2441、部分情報量2442および外界情報特定情報2443として記憶される。部分位置情報2441、部分情報量2442および外界情報特定情報2443は関連づけされている。また、部分位置情報2441と部分情報量2442は少なくとも1つ存在するが、複数の部分位置情報2441と部分情報量2442がペアになって記憶されていてもよい。部分位置情報2441と部分情報量2442は、復号化部2330の抽出部2331によって使用され、外界情報特定情報2443は、復号化部2330の特定部2332によって使用される。
図5は暗号送信装置1000の暗号化部1330の動作の一例を説明するための図である。
(5―1)において、特定部1332は、通信文情報1430を検索する対象となる外界情報1410を特定するために外界情報特定情報1443を生成する。
(5-2)において、検索部1331は通信文情報1430の先頭から任意の量の情報(以下、部分通信文と称する)を抽出する。
(5-3)において、検索部1331は、外界情報特定情報1443によって特定される外界情報1410の一部と一致する箇所(以下、部分外界情報と称する)を検索する。
(5-4)において、検索部1331は、外界情報1410における部分外界情報の先頭の位置情報(以下、部分位置情報1441と称する)を検出し、および、部分外界情報の情報量(以下、部分情報量1442と称する)を演算する。なお、部分通信文から部分外界情報を取得することができない場合には、部分通信文の情報量を減らして、再度、外界情報1410を検索する。
(5-5)において、検索部1331は、部分外界情報を取得することができた場合には、残りの通信文情報1430についても検索を実施し、部分位置情報1441および部分情報量1442を取得する。なお、部分位置情報1441および部分情報量1442のペアを特定するために、部分位置情報1441および部分情報量1442のペアの生成順番を示す生成番号を付与してもよい。
暗号化部1330は(5-1)から(5-5)の処理によって生成した、部分位置情報1441および部分情報量1442のペアと、外界情報特定情報1443を含む暗号情報1440を記憶部1400に記憶する。
図6は暗号送信装置1000から暗号受信装置2000へ暗号情報1440を伝送する動作の一例を説明するための図である。
暗号送信装置1000は、部分位置情報1441および部分情報量1442のペア群と、外界情報特定情報1443を含む暗号情報1440を、出力部1500を介して暗号受信装置2000へ出力する。出力方法は有線または無線でもよい。出力方法が有線である場合についての説明を後述する。なお、部分位置情報2441と部分情報量2442のすべてのペアは、通信文情報1430の先頭から生成された順番に送信される。しかし、部分位置情報1441および部分情報量1442のペア群には、各ペアの前後関係を明らかにするために生成番号が付与されてもよい。
図7は暗号受信装置2000の復号化部2330の動作の一例を説明するための図である。
(7―1)において、特定部2332は、受信した暗号情報2440に含まれる外界情報特定情報2443から、復号の対象となる外界情報を記憶部2400に記憶されている外界情報2410から特定する。
(7―2)において、抽出部2331は、受信した暗号情報2440に含まれる部分位置情報2441によって、復号の対象となる外界情報から抽出すべき情報の先頭位置を特定する。
(7―3)において、抽出部2331は、特定された先頭位置から、受信した暗号情報2440に含まれる部分情報量2442が示す情報量を特定する。
(7―4)において、抽出部2331は、部分情報量2442が示す情報量を復号の対象となる外界情報の特定された先頭位置から抽出する。抽出された情報は、部分位置情報2441と部分情報量2442によって特定される(5-3)における部分外界情報であって、(5-2)における部分通信文と等しい情報である。
(7―5)において、抽出部2331は、受信した暗号情報2440に含まれる部分位置情報2441と部分情報量2442のすべてのペアについて、部分外界情報を抽出する。
(7―6)において、抽出部2331は、抽出したすべての部分外界情報を結合し、暗号送信装置1000が送信しようとしていた通信文情報1430を再構築する。部分位置情報2441と部分情報量2442のすべてのペアは、通信文情報1430の先頭から順番に送信される。しかし、抽出部2331は、部分位置情報2441と部分情報量2442のペアに付与された生成番号を利用して、通信文情報1430を再構築してもよい。
次に、図8を用いて、時刻同期処理および外界情報保持処理の一例をフローチャートで説明する。
ステップS801において、暗号送信装置1000は、タイマー部1340が計時している時刻の情報を、出力部1500を介して暗号受信装置2000に送信する。暗号受信装置2000は、入力部2100を介してタイマー部1340の時刻の情報を受信し、時刻同期部2320がタイマー部1340の時刻の情報をタイマー部2340に設定することで、暗号送信装置1000と暗号受信装置2000との同期を取る。
ステップS802において、暗号送信装置1000において、外界情報の取得部1210はタイマー部1340によって計時されるあらかじめ定められた開始時刻からあらかじめ定められた終了時刻までの外界情報を取得する。暗号受信装置2000においても、外界情報の取得部2210はタイマー部2340によって計時されるあらかじめ定められた開始時刻からあらかじめ定められた終了時刻までの外界情報を取得する。
ステップS803において、暗号送信装置1000は、外界情報の取得部1210から取得した外界情報1410、および、タイマー部1340から取得した外界情報取得時刻1420を記憶部1400に記憶する。暗号受信装置2000も、外界情報の取得部2210から取得した外界情報2410、および、タイマー部2340から取得した外界情報取得時刻2420を記憶部2400に記憶する。
次に、図9を用いて、暗号送信装置1000の動作の一例をフローチャートで説明する。
ステップS901において、通信文情報の取得部1220は、入力部1100を介して暗号化の対象となる通信文情報1430を取得する。次に、暗号送信装置1000はステップS902に進む。
ステップS902において、暗号化部1330の特定部1332は、通信文情報1430を検索する対象となる外界情報1410を特定し、外界情報特定情報1443を生成する。次に、暗号送信装置1000はステップS903に進む。
ステップS903において、暗号化部1330の検索部1331は通信文情報1430の先頭から任意の量の情報である部分通信文を抽出する。次に、暗号送信装置1000はステップS904に進む。
ステップS904において、検索部1331は、部分通信文と一致する、外界情報特定情報1443によって特定される外界情報1410を検索する。一致する箇所があれば、該当箇所を部分外界情報とする。次に、暗号送信装置1000はステップS905に進む。
ステップS905において、検索部1331は、部分通信文と一致する、外界情報1410の一部である部分外界情報が発見されたか否かを判定する。部分通信文と一致する、外界情報1410の一部である部分外界情報が発見された場合(ステップS905:YES)には、暗号送信装置1000はステップS907に進む。部分通信文と一致する、外界情報1410の一部である部分外界情報が発見されない場合(ステップS905:NO)には、暗号送信装置1000はステップS906に進む。
ステップS906において、検索部1331は、部分通信文から部分外界情報を取得することができない場合には、部分通信文の情報量を1単位減らした部分通信文を再度作成する。検索部1331は当該1単位を任意の単位に設定することができる。例えば、当該1単位は、1文字、1単語、1文、1段落等の任意の単位に設定されることができる。
ステップS907において、検索部1331は、外界情報1410における部分外界情報の先頭の位置情報である部分位置情報1441を検出し、および、部分外界情報の情報量である部分情報量1442を演算する。検索部1331は、部分位置情報1441および部分情報量1442をペアにして記憶部1400に記憶する。次に、暗号送信装置1000はステップS908に進む。
ステップS908において、検索部1331は、通信文情報1430のすべてについて検索が終了したか否かを判断する。通信文情報1430のすべてについて検索が終了した場合(ステップS908:YES)には、暗号送信装置1000はステップS910に進む。通信文情報1430のすべてについて検索が終了していない場合(ステップS908:NO)には、暗号送信装置1000はステップS909に進む。
ステップS909において、検索部1331は、通信文情報1430の未検索の部分の先頭からあらかじめ定められた情報量の部分通信文を抽出する。あらかじめ定められた情報量は、検索部1331が任意の値に設定することができる。次に、暗号送信装置1000はステップS904に進み、検索を実行する。
ステップS910において、暗号送信装置1000は、部分位置情報1441と部分情報量1442のすべてのペア、および、検索の対象となった外界情報1410を特定する外界情報特定情報1443を含む暗号情報1440を暗号受信装置2000に送信する。
次に、図10を用いて、暗号受信装置2000の動作の一例をフローチャートで説明する。
ステップS1001において、暗号情報の取得部2220は、入力部2100を介して通信文情報1430が暗号された暗号情報1440を取得する。暗号受信装置2000は暗号情報1440を暗号情報2440として記憶部2400に記憶する。また、暗号受信装置2000は暗号情報1440に含まれる部分位置情報1441と部分情報量1442を、それぞれ部分位置情報2441と部分情報量2442として記憶部2400に記憶する。さらに、暗号受信装置2000は暗号情報1440に含まれる外界情報特定情報1443を、外界情報特定情報2443として記憶部2400に記憶する。次に、暗号受信装置2000はステップS1002に進む。
ステップS1002において、暗号受信装置2000は外界情報特定情報2443から外界情報2410の中から分析の対象となる外界情報を特定する。次に、暗号受信装置2000はステップS1003に進む。
ステップS1003において、抽出部2331は、受信した暗号情報2440に含まれる最初の部分位置情報2441と部分情報量2442のペアを取得する。次に、暗号受信装置2000はステップS1004に進む。
ステップS1004において、抽出部2331は、暗号情報2440に含まれる部分位置情報2441から、復号の対象となる外界情報の抽出すべき情報の先頭位置を特定する。次に、暗号受信装置2000はステップS1005に進む。
ステップS1005において、抽出部2331は、特定された先頭位置から、暗号情報2440に含まれる部分情報量2442が示す情報量を特定する。さらに、抽出部2331は、部分情報量2442が示す情報量を復号の対象となる外界情報の特定された先頭位置から抽出する。抽出された情報は、部分位置情報2441と部分情報量2442によって特定される部分外界情報2430であって、部分通信文と等しい情報である。抽出部2331は、部分外界情報2430を記憶部2400に記憶する。次に、暗号受信装置2000はステップS1006に進む。
ステップS1006において、抽出部2331は、受信した暗号情報2440に含まれる部分位置情報2441と部分情報量2442のすべてのペアについて、部分外界情報2430を抽出したか否かを判断する。部分位置情報2441と部分情報量2442のすべてのペアについて、部分外界情報2430を抽出した場合(ステップS1006:YES)には、暗号受信装置2000はステップS1007に進む。部分位置情報2441と部分情報量2442のすべてのペアについて、部分外界情報2430を抽出していない場合(ステップS1006:NO)には、暗号受信装置2000はステップS1008に進む。
ステップS1007において、抽出部2331は、抽出したすべての部分外界情報2430を結合し、暗号送信装置1000で暗号化された通信文情報1430を再構築する。部分位置情報2441と部分情報量2442のすべてのペアは、通信文情報1430の先頭から順番に送信される。しかし、抽出部2331は、部分位置情報2441と部分情報量2442のペアに付与された生成番号を利用して、通信文情報1430を再構築してもよい。
ステップS1008において、抽出部2331は、記憶部2400に記憶されている部分位置情報2441と部分情報量2442の次のペアを抽出する。次に、暗号受信装置2000はステップS1004に進む。
以上説明したように、従来技術では、通信文と合わせて、本来共有したい情報の2倍の情報を移動させる必要が生じていた。しかしながら、本実施形態を利用した場合、移動させる必要が生じる情報量は、本来共有したい情報の2倍以内に収まっている。また、従来技術では、通信文と共通暗号鍵で異なる移動手段を用意しなければいけない、というシステム構成の難しさがあった。しかしながら、本実施形態を利用した場合、移動させる必要がある情報は、漏洩しても問題がない1種類の情報であるため、1通りの移動手段を用意するだけで充分である。さらに、従来技術では、確率的に解読が出来る可能性は確かに存在し、計算機の能力向上に伴い、その安全性は低下してしまう。しかしながら、本実施形態を利用した場合、情報理論的安全性を持った手法であるため、経路上の送信情報を復号して平文である通信文を生成することは不可能である。さらに、量子暗号通信では、専用の回線を用意する必要があり、かつ、通信距離に限界があった。しかしながら、本実施形態では専用の回線は不要であり、既存のネットワークが利用可能であるため通信距離にも限界はなく、優位性がある。
(実施例)
図11および図12は、時系列的な共有情報として、地上デジタル放送の情報を使用する場合の模式図である。日本における地上デジタル放送は、ISDB―T方式(水平3,840画素×垂直2,160ラインを、フレームレート59.94Hzで送信)であり、1秒当たり497Mビット程度の情報量を持つ(図11参照)。
仮に、この地上デジタル放送の情報の全受信情報を外界情報として使用できるとすると、24時間で42,940,800,000,000(bits)≒5.3(テラBytes)のデータ量が外界晴報として使用できる。また、暗号送信装置1000と暗号受信装置2000は、通信手段を持つ必要があるため、ここでは、イーサネット(登録商標)プロトコル(Ethernet(登録商標))、インターネットプトロコル(IP),ユーザダイアグラムプロトコル(UDP)を利用するものとする(図12参照)。
5.3(テラBytes)を1bit単位で位置指定するためには、下記式(1)より、46(bits)が必要である。この情報は、部分位置情報1441、2441として利用する。
log(42,940,800,000,000)=45.2874…・・・式(1)
24時間を区切りとして1つの外界情報として設定する場合、100年間通用する暗号通信システムを想定した場合には、特定の日の外界情報を指定するために、式(2)および式(3)より、16(bits)が必要である。この情報は、外界情報特定情報1443、2443として利用する。
365(日)×100(年)=36,500(日) ・・・式(2)
log(36,500)=15.15560884…・・・式(3)
また、通信文情報1430を部分通信文に分割する際に、部分通信文が前述の5.3(テラBytes)データの外界情報に存在する確率は、下記の通り表現できる。
桁数Dのランダムビット列Xに、桁数Dの任意のビット列Yが存在する確率を計算する場合に、D桁のビット列がとり得る全パターン数は下記の式(4)で、D桁のビット列に任意の1パターンが存在しない確率は下記の式(5)で表現できる。また、D桁のビット列Xの順番を変えずに、D桁を取る取り方の数は式(6)で表現できる。
Dy ・・・式(4)
(2Dy-1)/2Dy ・・・式(5)
―(D-1) ・・・式(6)
式(5)と式(6)から桁数Dのランダムビット列Xに、桁数Dの任意のビット列Yが存在する確率は下記の式(7)で表現できる。
1-{(2Dy-1)/2Dy(Dx―(Dy-1)) ・・・式(7)
式(7)を用いて、ランダムビット列Xを地上デジタル放送の情報として24時間分のデータ(データ量5.3(テラBytes))としたとき、任意のビット列Yの桁数を変動させたときの、任意のビット列Yの検出が期待できる確率は図13のグラフで表現できる。
図13から、45(bits)程度以下の部分通信文であれば、外界情報1410、2410に70%以上の確率で部分通信文が存在することが期待できる。このため、最初に部分通信文のデータ量として設定する値を45(bits)と設定する。45(bits)を表現するためのデータ量は、下記の式(8)より、6(bits)が必要である。
log(45)=5.491853096…・・・式(8)
ここで、少なくとも42(bits)のデータ量の部分通信文が、外界情報1410、2410から検索できたと仮定すると、42(bits)のデータを送信するために要する送信情報量は、下記の式(9)より、68(bits)となる。
部分位置情報46(bits)+部分情報量6(bits)+外界情報特定情報16(bits)=68(bits) ・・・式(9)
したがって、通信文情報の42(bits)に対して、送信惰報量が68(bits)であるため、増加率は161.9%であり、既存技術で使用する2倍の情報量よりも少ない情報量の伝達でよいことがわかる。なお、161.9%という増加率は、通信文情報の長さに関係なく一定のデータ量である外界情報特定情報を含んだ値であり、表1及び下記の式(10)が示す通り、通信文の長さが長いほど約123.8%に近づく。
lim(P→∞)(((P/(部分通信文の単位データ量42bits)×(部分位置情報+部分情報量))+外界情報特定情報)/P=1.23809・・・式(10)
Figure 0007099928000001
表1の暗号情報は、一般的なEthernet(登録商標)とUDP/IPを利用して十分に送信(図14のデータ領域に暗号情報を格納して送信)可能であることから、特別な回線を利用せずに、暗号送信装置1000から暗号受信装置2000へ暗号情報を送信可能である。
また、地上デジタル波による放送は、そのアンテナ基地局からの到達距離内に暗号送信装置1000および暗号受信装置2000が存在しさえすれば、同一の情報を受信可能であることから、暗号送信装置1000および暗号受信装置2000では、共通の外界情報1410、2410を取得することが可能である。
なお、地上デジタル波による放送で得られるデータは、デジタルフォーマットに則っており、十分にランダム性がない。そこで、地上デジタル波による放送で得られるデータをシードとして、疑似乱数生成器に掛け、データのビット列をランダム化することで得られた情報を外界情報1410、2410として扱う。ランダム化処理は、必ずしも疑似乱数生成器である必要はなく、AES暗号方式を利用して暗号化した数列でもよい。但し、この場合には、事前にAES暗号方式で利用する共通鍵を暗号送信装置1000および暗号受信装置2000で共有している必要がある。
実施形態につき、図面を参照しつつ詳細に説明したが、以上の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、上記に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、上記に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
本発明は、時系列的に変化をする共有情報を利用した暗号送信装置、暗号受信装置および暗号通信システムに用いて、極めて有用である。
10、20・・・暗号通信システム
1000・・・暗号送信装置
1100、2100・・・入力部
1200、2200・・・情報取得部
1210、2210・・・外界情報の取得部
1220・・・通信文情報の取得部
1230、2230・・・制御情報の取得部
1300、2300・・・制御部
1310、2310・・・入出力制御部
1320、2320・・・時刻同期部
1330・・・暗号化部
1331・・・検索部
1332、2332・・・特定部
1340、2340・・・タイマー部
1350、2350・・・外界情報の量子化部
1360、2360・・・外界情報のランダム化部
1400、2400・・・記憶部
1410、2410・・・外界情報
1420、2420・・・外界情報取得時刻
1430・・・通信文情報
1440、2440・・・暗号情報
1441、2441・・・部分位置情報
1442、2442・・・部分情報量
1443、2443・・・外界情報特定情報
1500、2500・・・出力部
2000・・・暗号受信装置
2220・・・暗号情報の取得部
2330・・・復号化部
2331・・・抽出部
2430・・・部分外界情報
3000・・・通信路
4000・・・発信装置

Claims (10)

  1. 時系列的に変化する外界の情報である外界情報を取得する外界情報の取得部と、
    暗号化されるべき通信文情報を取得する通信文情報の取得部と、
    前記通信文情報を暗号化するために使用する外界情報を特定するための外界情報特定情報を生成する特定部と、
    前記通信文情報を分割して部分通信文を生成し、外界情報特定情報によって特定される外界情報の中で前記部分通信文と一致する情報を部分外界情報とし、前記外界情報における前記部分外界情報の先頭の位置情報を部分位置情報とし、前記部分外界情報の情報量を部分情報量とする検索部と、
    前記部分位置情報、前記部分情報量および前記外界情報特定情報を含む暗号情報を暗号受信装置に送信する出力部と、を含む暗号送信装置。
  2. 前記外界情報を取得するタイミングを決定するためのタイマー部と、
    前記タイマー部の時刻情報を、前記出力部を介して前記暗号受信装置に送信する時刻同期部と、を含み、
    前記外界情報の取得部は前記タイマー部によって計時されるあらかじめ定められた開始時刻からあらかじめ定められた終了時刻までの前記外界情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の暗号送信装置。
  3. 前記外界情報の取得部が取得する前記外界情報は、地上デジタル放送による放送情報であることを特徴とする請求項1または2に記載の暗号送信装置。
  4. 前記外界情報をランダム化する外界情報のランダム化部を含み、
    前記外界情報のランダム化部は、前記外界情報を前記暗号受信装置と共通の疑似生成器によってランダム化し、または、前記外界情報を前記暗号受信装置と共通の暗号鍵でランダム化することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の暗号送信装置。
  5. 時系列的に変化する外界の情報である外界情報を取得する外界情報の取得部と、
    通信文情報が暗号化された暗号情報を取得する暗号情報の取得部と、
    前記暗号情報に含まれる外界情報特定情報によって、前記暗号情報を前記通信文情報に復号するために使用する外界情報を特定する特定部と、
    前記暗号情報に含まれる部分位置情報によって、前記特定部によって特定された外界情報の中から抽出されるべき、前記外界情報の一部である部分外界情報の先頭位置を特定し、前記暗号情報に含まれる部分情報量によって、前記先頭位置から前記部分情報量に対応する情報量の前記部分外界情報を抽出し、前記部分外界情報を結合して前記通信文情報を生成する抽出部と、
    前記通信文情報を出力する出力部と、を含む暗号受信装置。
  6. 前記外界情報を取得するタイミングを決定するためのタイマー部と、
    前記暗号情報を送信する暗号送信装置から時刻情報を受信し、前記時刻情報を前記タイマー部に設定する時刻同期部と、を含み、前記外界情報の取得部は前記タイマー部によって計時されるあらかじめ定められた開始時刻からあらかじめ定められた終了時刻までの前記外界情報を取得することを特徴とする請求項5に記載の暗号受信装置。
  7. 前記外界情報の取得部が取得する前記外界情報は、地上デジタル放送による放送情報であることを特徴とする請求項5または6に記載の暗号受信装置。
  8. 前記外界情報をランダム化する外界情報のランダム化部を含み、
    前記外界情報のランダム化部は、前記外界情報を暗号送信装置と共通の疑似生成器によってランダム化し、または、前記外界情報を前記暗号送信装置と共通の暗号鍵でランダム化することを特徴とする請求項5乃至7のいずれか一項に記載の暗号受信装置。
  9. 請求項1乃至4のいずれかに一項に記載の暗号送信装置と、
    請求項5乃至8のいずれかに一項に記載の暗号受信装置と、を含むことを特徴とする暗号通信システム。
  10. 前記外界情報を有線または無線で生成する発信装置を含むことを特徴とする請求項9に記載の暗号通信システム。
JP2018193352A 2018-10-12 2018-10-12 暗号送信装置、暗号受信装置および暗号通信システム Active JP7099928B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018193352A JP7099928B2 (ja) 2018-10-12 2018-10-12 暗号送信装置、暗号受信装置および暗号通信システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018193352A JP7099928B2 (ja) 2018-10-12 2018-10-12 暗号送信装置、暗号受信装置および暗号通信システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020061704A JP2020061704A (ja) 2020-04-16
JP7099928B2 true JP7099928B2 (ja) 2022-07-12

Family

ID=70220420

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018193352A Active JP7099928B2 (ja) 2018-10-12 2018-10-12 暗号送信装置、暗号受信装置および暗号通信システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7099928B2 (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005292171A (ja) 2004-03-31 2005-10-20 National Institute Of Information & Communication Technology 乱数列共有システム、乱数列共有装置、暗号復号システム、暗号装置、復号装置、乱数列共有方法、暗号方法、復号方法、ならびに、プログラム
JP2006287376A (ja) 2005-03-31 2006-10-19 Seiko Instruments Inc コンテンツの配信および取得方法
JP2008072442A (ja) 2006-09-14 2008-03-27 Nippon Hoso Kyokai <Nhk> 共有暗号鍵生成装置、その方法およびそのプログラム
JP2016021758A (ja) 2010-06-25 2016-02-04 オマルコ ネットワーク ソリューションズ リミテッドOmarco Network Solutions Limited データ伝送安全性の向上

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3625540B2 (ja) * 1995-09-11 2005-03-02 三洋電機株式会社 スクランブル解除装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005292171A (ja) 2004-03-31 2005-10-20 National Institute Of Information & Communication Technology 乱数列共有システム、乱数列共有装置、暗号復号システム、暗号装置、復号装置、乱数列共有方法、暗号方法、復号方法、ならびに、プログラム
JP2006287376A (ja) 2005-03-31 2006-10-19 Seiko Instruments Inc コンテンツの配信および取得方法
JP2008072442A (ja) 2006-09-14 2008-03-27 Nippon Hoso Kyokai <Nhk> 共有暗号鍵生成装置、その方法およびそのプログラム
JP2016021758A (ja) 2010-06-25 2016-02-04 オマルコ ネットワーク ソリューションズ リミテッドOmarco Network Solutions Limited データ伝送安全性の向上

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
村田 和信,暗号解読への道,Interface,日本,CQ出版株式会社,1997年05月01日,第23巻,第5号,pp.152-157

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020061704A (ja) 2020-04-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU2008327506B2 (en) Method and system for encryption of data
US8675864B2 (en) Apparatus for encrypting data
US20020101996A1 (en) Variable-length key cryptosystem
CN109981648B (zh) 一种加密传输方法、解密方法、装置、终端及存储介质
CN102437910A (zh) 数据加/解密校验方法及其系统
CN106817358B (zh) 一种用户资源的加密、解密方法和设备
KR102154164B1 (ko) 의사 랜덤 시퀀스 생성 방법 및 데이터 스트림의 코딩 또는 디코딩 방법
KR20150073753A (ko) 정수 기반 준동형 암호 기법에 일반적으로 적용 가능한 압축 암복호화 장치 및 방법
KR100991222B1 (ko) 암호화 및 복호를 위한 장치, 방법 및 기록 매체
CN107707562B (zh) 一种非对称动态令牌加、解密算法的方法、装置
CN113286297A (zh) 无线数据加密传输方法、装置、计算机设备和存储介质
KR101413427B1 (ko) 차량용 네트워크의 보안 메시지 송수신 장치 및 방법
CN111199047B (zh) 数据加密方法、解密方法、装置、设备及存储介质
CN110889695A (zh) 基于安全多方计算保存和恢复隐私数据的方法和装置
JP7099928B2 (ja) 暗号送信装置、暗号受信装置および暗号通信システム
CN111277605B (zh) 数据分享方法、装置、计算机设备以及存储介质
JP4703805B2 (ja) 暗号化装置、暗号化方法、復号化装置、復号化方法および通信システム
CN111314270B (zh) 一种基于有效期均匀分布对称算法的数据加密和解密方法
JP2016075765A (ja) 認証暗号化装置および認証復号装置、ならびに、それらのプログラム
CN114390317B (zh) 面向流式传输视频的加密方法及系统
CN113518244B (zh) 基于替代文组合的数字电视信号数据发送方法和装置
CN107493253B (zh) 无线射频设备、服务器及无线射频通信系统
KR101757768B1 (ko) 데이터 암호화 방법과 이를 수행하기 위한 장치 및 시스템
JP5837625B2 (ja) 通信システム、通信方法
KR101758232B1 (ko) 블록 암호화 또는 블록 복호화 방법, 그 장치 및 블록 암호화 또는 복호화 프로그램을 저장하는 저장매체

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210916

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220628

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220630

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220630

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7099928

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350