JP7099023B2 - 車両用操舵装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用操舵装置に関する。
ステアリングホイールと転舵機構とが機械的に接続されていない車両用操舵装置がある。例えば、特許文献1には、左右独立操舵可能であるステアリング装置が記載されている。左右の転舵輪それぞれに転舵機構が設けられ、各転舵機構は、電動モータを動力源とする転舵用アクチュエータを備える。転舵機構はそれぞれ、異なった操舵角で独立に転舵輪を転舵可能である。さらに、ステアリング装置は、転舵用アクチュエータに異常が発生した場合に、一方の転舵用アクチュエータの駆動力を他方の転舵用アクチュエータに機械的に伝達するフェールセーフ機構を備える。特許文献1に記載されるフェールセーフ機構では、2つの転舵用アクチュエータそれぞれと接続された2つのシャフトの係合部に、運転者がピンを挿入することによって、2つのシャフトが係合する。そして、2つのシャフトを介して、2つの転舵用アクチュエータが駆動力を伝達可能に接続される。つまり、左右の転舵輪が、2つのシャフトによって機械的に接続される。
特開2011-131777号公報
ここで、特許文献1のように、2つのシャフトが係合することにより左右の転舵機構が互いに連結されたステアリング装置にあっては、一方の転舵機構に失陥等の異常が発生しても、異常が発生した転舵機構に接続された転舵輪が制動不能に陥りにくい。なお、転舵機構又は転舵輪が失陥するとは、当該転舵機構による転舵角制御又は当該転舵輪に対する転舵角制御が正常に行えなくなることを意味する。一方、軽量化やコストダウン等を目的として、左右の転舵機構が互いに連結されていないステアリング装置が検討されているが、一方の転舵機構に失陥等の異常が発生した場合には、異常が発生した転舵機構に接続された転舵輪が制動不能に陥る可能性が考えられる。
そこで、本発明は、左右の転舵機構が互いに連結されていない車両用操舵装置であって、一方の転舵機構に異常が発生した場合、当該異常が発生した転舵機構の動作を自由にする車両用操舵装置を提供する。
本発明の一態様に係る車両用操舵装置は、車両の左右の転舵輪を個別に転舵し且つ互いに機械的に接続されていない左右の転舵機構と、制御装置とを備え、前記転舵機構は、転舵アクチュエータと、前記転舵アクチュエータから駆動力が入力される入力軸と、前記入力軸からの駆動力を前記転舵輪に伝達し且つ前記転舵輪の転舵と一体的に回転する出力軸と、前記入力軸と前記出力軸とを、駆動力を伝達する又は駆動力を遮断するように、機械的に接続又は接続解除する接続装置とを備え、前記制御装置は、前記接続装置を動作させる指令を出力する。
本発明に係る車両用操舵装置によると、互いに連結されていない左右の転舵機構の一方に異常が発生した場合、当該一方の転舵機構の転舵動作を自由することが可能なる。
図1は、実施の形態1に係る車両用操舵装置及びその周辺の全体的な構成を模式的に示す図である。 図2は、図1の左転舵輪及びその周辺の構成を模式的に示す図である。 図3は、図2の左転舵機構、左接続装置及びその周辺の構成を模式的に示す断面側面図である。 図4は、図3の左接続装置の接続解除時の状態を模式的に示す断面側面図である。 図5は、実施の形態1に係る車両用操舵装置の動作の流れの一例を示すフローチャートである。 図6は、実施の形態2に係る車両用操舵装置における左接続装置及びその周辺の構成の一例を、図3と同様に模式的に示す断面側面図である。 図7は、図6の左接続装置の接続解除時の状態を模式的に示す断面側面図である。 図8は、実施の形態3に係る車両用操舵装置における左接続装置の構成を、図3と同様に示す模式的な断面側面図である。 図9Aは、図8の左接続装置のストッパの解除装置の構成の一例を示す模式的な平面図であり、非解除時の状態を示す図である。 図9Bは、図9Aの解除装置の解除時の状態を示す図である。
以下、実施の形態に係る車両用操舵装置を、図面を参照しながら説明する。なお、以下で説明される実施の形態は、包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ(工程)、並びにステップの順序等は、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。さらに、各図において、実質的に同一の構成要素に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化される場合がある。
[実施の形態1]
まず、本発明の実施の形態1に係る車両用操舵装置100の全体的な構成を説明する。図1には、実施の形態1に係る車両用操舵装置100の全体的な構成の一例が模式的に示されている。車両用操舵装置100は、車両1に搭載され、左右独立転舵システムが採用されたステア・バイ・ワイヤシステムの構成を備えている。車両用操舵装置100は、運転者が操向のために操作する操舵部材としてのステアリングホイール2と、車両1の前方側に配置された左転舵輪3L及び右転舵輪3Rとを備える。さらに、車両用操舵装置100は、左転舵輪3Lを個別に転舵するための左転舵機構4Lと、左転舵機構4Lと機械的に接続されておらず且つ右転舵輪3Rを個別に転舵するための右転舵機構4Rとを備える。左転舵機構4Lは、ステアリングホイール2の回転操作に応じて左転舵輪3Lを転舵する。右転舵機構4Rは、ステアリングホイール2の回転操作に応じて右転舵輪3Rを転舵する。
左転舵機構4L及び右転舵機構4Rはそれぞれ、ステアリングホイール2の回転操作に応じて駆動される左転舵アクチュエータ5L及び右転舵アクチュエータ5Rを備える。左転舵アクチュエータ5L及び右転舵アクチュエータ5Rの例は、電動モータである。また、左転舵機構4Lは、左転舵アクチュエータ5Lから受ける回転駆動力により左転舵輪3Lを転舵させる。右転舵機構4Rは、右転舵アクチュエータ5Rから受ける回転駆動力により右転舵輪3Rを転舵させる。ステアリングホイール2と、左転舵機構4L及び右転舵機構4Rとの間には、ステアリングホイール2に加えられた操舵トルクを機械的に伝達する機械的結合はない。左転舵アクチュエータ5Lは、左転舵輪3Lのみを転舵し、右転舵アクチュエータ5Rは、右転舵輪3Rのみを転舵する。
左転舵機構4L及び右転舵機構4Rはそれぞれ、左転舵輪3L及び右転舵輪3Rを転舵させるための回転軸である左転舵軸6L及び右転舵軸6Rを有している。左転舵軸6L及び右転舵軸6Rは、車両1のフロントサスペンションによって支持されている。本実施の形態では、左転舵軸6L及び右転舵軸6Rを支持するフロントサスペンションは、ストラット式であるが、ダブルウィッシュボーン式及びマルチリンク式等のいかなる形式のサスペンションであってもよい。
また、車両用操舵装置100は、左接続装置110L及び右接続装置110Rを備える。左接続装置110Lは、左転舵アクチュエータ5Lによって回転駆動される図示しない入力軸と、左転舵軸6Lとを、駆動力を伝達する又は駆動力を遮断するように、機械的に接続又は接続解除する。右接続装置110Rは、右転舵アクチュエータ5Rによって回転駆動される図示しない入力軸と、右転舵軸6Rとを、駆動力を伝達する又は駆動力を遮断するように、機械的に接続又は接続解除する。このような左接続装置110L及び右接続装置110Rは、左転舵機構4L又は右転舵機構4Rに異常が発生した場合、異常が発生した転舵機構の転舵動作を、異常が発生した転舵機構の転舵アクチュエータから自由にする。つまり、左接続装置110L及び右接続装置110Rは、異常が発生した転舵機構の転舵軸と、当該転舵軸に接続されている入力軸との接続を解除する。左接続装置110L及び右接続装置110Rの詳細な構成は、後述する。
また、車両用操舵装置100は、ステアリングホイール2の操舵角を検出する操舵角センサ10を備える。操舵角センサ10は、ステアリングホイール2の回転シャフトの回転角を検出する。また、車両用操舵装置100は、左転舵輪3Lの転舵角を検出する左転舵角センサ11Lと、右転舵輪3Rの転舵角を検出する右転舵角センサ11Rとを備える。また、車両1には、車両1の速度を検出する車速センサ12が設けられている。
また、車両用操舵装置100は、上位ECU(電子制御ユニット:Electronic Control Unit)20を備える。左転舵機構4Lは、下位ECUの1つである左転舵ECU21Lを備え、右転舵機構4Rは、下位ECUの1つである右転舵ECU21Rを備える。上位ECU20は、左転舵ECU21L、右転舵ECU21R、操舵角センサ10及び車速センサ12と接続されている。左転舵ECU21Lは、上位ECU20、左転舵角センサ11L、左転舵アクチュエータ5L、左接続装置110L及び右転舵ECU21Rと接続されている。右転舵ECU21Rは、上位ECU20、右転舵角センサ11R、右転舵アクチュエータ5R、右接続装置110R及び左転舵ECU21Lと接続されている。なお、左接続装置110L及び右接続装置110Rは、上位ECU20と接続されてもよい。上位ECU20、左転舵ECU21L、右転舵ECU21R、左転舵アクチュエータ5L、右転舵アクチュエータ5R、左接続装置110L、右接続装置110R及び各センサ間の通信は、CAN(Controller Area Network)等の車載ネットワークを介した通信であってもよい。ここで、左転舵ECU21L及び右転舵ECU21Rはそれぞれ、左の制御装置及び右の制御装置の一例である。また、左転舵ECU21L及び右転舵ECU21Rは、制御装置の一例である。
上位ECU20は、操舵角センサ10、車速センサ12、左転舵ECU21L及び右転舵ECU21Rから取得する情報に基づき、左転舵輪3L及び右転舵輪3Rの転舵角(「目標転舵角」とも呼ぶ)を決定し、左転舵ECU21L及び右転舵ECU21Rに出力する。また、上位ECU20は、上記情報に基づき、左接続装置110Lを動作させる指令、及び、右接続装置110Rを動作させる指令を、左転舵ECU21L及び右転舵ECU21Rに出力する。ここで、上位ECU20は、制御装置の一例である。
左転舵ECU21Lは、左転舵角センサ11Lが検出する転舵角(「検出転舵角」又は「実転舵角」とも呼ぶ)を上位ECU20に出力し、上位ECU20から受け取る目標転舵角に基づき、左転舵アクチュエータ5Lを動作させる。また、左転舵ECU21Lは、上位ECU20から受け取る指令に基づき、左接続装置110Lを動作させる。つまり、左転舵ECU21Lは、左接続装置110Lを動作させる指令を、左接続装置110Lに出力する。左転舵ECU21Lは、上位ECU20との接続が切断された場合等において、上位ECU20から指令を受け取っていなくても、左接続装置110Lを動作させてもよい。
右転舵ECU21Rは、右転舵角センサ11Rが検出する実転舵角を上位ECU20に出力し、上位ECU20から受け取る目標転舵角に基づき、右転舵アクチュエータ5Rを動作させる。また、右転舵ECU21Rは、上位ECU20から受け取る指令に基づき、右接続装置110Rを動作させる。つまり、右転舵ECU21Rは、右接続装置110Rを動作させる指令を、右接続装置110Rに出力する。右転舵ECU21Rは、上位ECU20との接続が切断された場合等において、上位ECU20から制御信号を受け取っていなくても、右接続装置110Rを動作させてもよい。
上位ECU20、左転舵ECU21L及び右転舵ECU21Rは、CPU(Central Processing Unit)又はDSP(Digital Signal Processor)等のプロセッサ及びメモリを備えるマイクロコンピュータにより構成されてもよい。メモリの例は、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリ、及び、ROM(Read-Only Memory)等の不揮発性メモリであってもよい。上位ECU20、左転舵ECU21L及び右転舵ECU21Rの一部又は全部の機能は、CPUがRAMを作業用のメモリとして用いてROMに記録されたプログラムを実行することによって達成されてもよい。
次いで、車両用操舵装置100及びその周辺の詳細な構成を説明する。図2には、左転舵輪3L及びその周辺の構成が模式的に示されている。図3には、図2の左転舵機構4L、左接続装置110L及びその周辺の構成が模式的に示されている。左転舵輪3L、左転舵機構4L及び左接続装置110Lの構成は、右転舵輪3R、右転舵機構4R及び右接続装置110Rと同様である。このため、以降では、左転舵輪3L、左転舵機構4L及び左接続装置110Lの構成を中心に説明し、右転舵輪3R、右転舵機構4R及び右接続装置110Rの説明を省略する。
図2及び図3に示すように、左転舵機構4Lは、左転舵アクチュエータ5Lから回転駆動力が入力される入力軸30と、入力軸30からの回転駆動力を左転舵輪3Lに出力する出力軸40とを備える。入力軸30及び出力軸40は、上下方向に延び、それぞれの軸心を中心に一体的に回転するように接続されている。本実施の形態では、入力軸30及び出力軸40は、同軸上に配置されているが、これに限定されず、自在ジョイント等を介することによって、異なる軸上に配置されてもよい。
なお、本明細書及び特許請求の範囲において、「上方」及び「下方」それぞれの表現、並びにこれらに類似する表現は、車両1が水平面に配置された場合における重力方向の「上方」及び「下方」を意味する。そして、上方向を「D1」と呼び、下方向を「D2」と呼ぶ。なお、各構成要素の方向は、記載される方向に限定されない。
入力軸30の下端には、左接続装置110Lの第一接続部111が一体的に設けられ、出力軸40の上端には、左接続装置110Lの第二接続部112一体的が設けられている。入力軸30及び出力軸40は、第一接続部111及び第二接続部112を係合させることで、一体に回転する。第一接続部111は、入力軸30と一体的に接続された板状の本体111aと、本体111aの下向きの表面に形成された係合部111bとを含む。本体111aは、入力軸30の径方向に、入力軸30と略垂直に延びる。本体111aは、入力軸30と一体に形成され、入力軸30の一部であってもよく、入力軸30と別の部材であってもよい。本体111a及び係合部111bは、入力軸30と一体に回転する。第二接続部112は、出力軸40と一体的に接続された板状の本体112aと、本体112aの上向きの表面に形成された係合部112bとを含む。本体112aは、出力軸40の径方向に、出力軸40と略垂直に延びる。本体112aは、出力軸40と一体に形成され、出力軸40の一部であってもよく、出力軸40と別の部材であってもよい。本体112a及び係合部112bは、出力軸40と一体に回転する。
係合部111b及び112bは、互いに係合することによって、入力軸30及び出力軸40の間で回転駆動力を伝達する。係合部111b及び112bの係合の例は、摩擦、噛み合い又は嵌合等を用いた係合である。このような係合部111b及び112bは、摩擦材で構成されてもよく、ギア歯で構成されてもよく、又は、互いに嵌合する凸部及び凹部で構成されてもよい。入力軸30及び出力軸40は、係合部111b及び112bを係合させることで、回転駆動力を伝達可能に一体に回転する、つまり接続される。
図2に示すように、出力軸40は、出力軸40の軸心C1方向に伸縮可能な伸縮軸である。出力軸40は、第一軸40a及び第二軸40bを有する。第一軸40a及び第二軸40bは、出力軸40の軸心C1方向に相対移動可能であり、軸心C1の周りに相対移動できないように、連結されている。第一軸40aは、円筒状の第二軸40bの内側に下方から挿入されている。なお、第二軸40bが、円筒状の第一軸40aの内側に挿入されてもよい。上述のような第一軸40a及び第二軸40bの連結構造の例は、スプライン嵌合による連結構造である。
左転舵機構4Lは、ハブキャリア41と、ハブ42と、ロアアーム43と、ガイドジョイント44とをさらに備える。ハブキャリア41は、第一軸40aの下端に、第一軸40aと一体的に回転するように連結されている。ハブ42は、ハブキャリア41に回転可能に連結されている。ハブ42には、左転舵輪3Lが固定される。ロアアーム43は、一端で車両1の車体の取付部1bに支持され、他端でハブキャリア41に連結されている。ガイドジョイント44は、ロアアーム43とハブキャリア41とを連結する。ハブキャリア41は、ガイドジョイント44を介してロアアーム43に対して回動可能である。ガイドジョイント44は、左転舵輪3Lを回動させる際の中心軸線であるキングピン軸Kを規定する。
ハブキャリア41は、ナックルとも呼ばれる。ハブキャリア41は、ハブ42を介して左転舵輪3Lを支持する。ハブキャリア41、ハブ42、出力軸40及びロアアーム43は、サスペンションSを構成する。サスペンションSの一部を構成する出力軸40は、左転舵軸6Lを構成し、左転舵輪3Lを転舵するために利用される。
本実施の形態では、車両1は前輪駆動であるため、ハブ42は、ドライブシャフト45と連結されている。ハブ42には、ドライブシャフト45を介して、エンジンEの回転駆動力が伝達され、それにより、ハブ42は、左転舵輪3Lを回転駆動させる。なお、車両1が後輪駆動である場合、ハブ42は、ドライブシャフト45と連結されない。
図2及び図3に示すように、サスペンションSは、その上部において、車両1の車体における取付部1aに固定され、その下部において、車両1の車体におけるロアアーム43の取付部1bに固定される。取付部1a及び1bは、車体を形成する金属板で構成されてもよい。例えば、取付部1a及び1bは、左転舵輪3Lを収容するホイールケースを形成する金属板で構成されてもよい。第二軸40bは、取付部1aに形成された貫通穴1aaを下方から上方に向かって貫通し、車体の外部から車室内又はエンジンルーム内に延びる。
サスペンションSは、第二軸40bの周囲を囲繞し且つ取付部1aに固定された上側固定部材40cと、第一軸40aの周囲を囲繞し且つ第一軸40aに固定された下側固定部材40dとをさらに有する。上側固定部材40cは、取付部1aの下方に配置される。サスペンションSは、上側固定部材40c及び下側固定部材40dの間で挟持されたコイルスプリング46をさらに有する。コイルスプリング46は、第一軸40a及び第二軸40bを外側から囲繞して延び、キングピン軸Kの方向に、第一軸40a及び第二軸40bと共に伸縮する。
サスペンションSは、上側固定部材40cに下方から取り付けられるストラットマウント47と、ストラットマウント47に取り付けられる軸受48と、上側固定部材40cに上方から取り付けられる軸受49とをさらに有する。ストラットマウント47は、ゴム等の弾性体によって形成されてもよいが、剛体によって形成されてもよい。軸受48及び49は、上側固定部材40c及びストラットマウント47を介して、取付部1aに固定される。第二軸40bは、ストラットマウント47、上側固定部材40c並びに軸受48及び49を貫通して延びる。軸受48及び49は、軸心C1の周りに回転可能に第二軸40bを径方向に支持する。軸受48の一例は、深溝玉軸受である。第二軸40bは、軸受48及び49の間に、拡径部40baを有している。拡径部40baは、第二軸40bにおけるその上下の部位よりも、径方向に大きい部分である。拡径部40baの外径は、軸受48及び49の内径よりも大きいため、拡径部40baは、上下方向D1及びD2で軸受48及び49に当接する。これにより、第二軸40bは、軸受48及び49によって、取付部1aに対して軸心C1方向である上下方向に移動しないように、固定される。よって、第二軸40bは、軸受48及び49によって、径方向に回転可能に支持され、且つ、軸心C1方向に移動できないように支持される。ここで、取付部1aは支持部の一例である。
上述のような構成により、左転舵アクチュエータ5Lの回転駆動力は、入力軸30、第一接続部111、第二接続部112、出力軸40、ハブキャリア41及びハブ42を介して、左転舵輪3Lに伝達される。これにより、左転舵輪3Lは、キングピン軸Kの周りに回動するように転舵される。
図3を参照しつつ、左接続装置110Lの詳細を説明する。左接続装置110Lは、入力軸30の上端に一体的に設けられた第一支持部113と、入力軸30を支持する回転部材114とをさらに備える。第一支持部113は、板状の形状を有し、入力軸30の径方向に入力軸30と略垂直に延びる。第一支持部113は、入力軸30と一体に形成され、入力軸30の一部であってもよく、入力軸30と別の部材であってもよい。
回転部材114は、筒部114bと、筒部114bの上端に一体的に設けられた第二支持部114aとを含む。第二支持部114aは、板状の形状を有し、筒部114bの径方向に筒部114bと略垂直に延びる。第二支持部114aは、筒部114bと一体に形成され、筒部114bの一部であってもよく、筒部114bと別の部材であってもよい。第二支持部114aは、入力軸30によって貫通され、上方の入力軸30の第一支持部113と対向している。
筒部114bは、入力軸30が挿入されるように構成され、入力軸30と一体に回転し且つ入力軸30がその軸心C2方向に移動可能であるように、入力軸30を支持する。具体的には、筒部114bは、入力軸30と同軸上に配置され、軸心C2を中心とする回転方向に入力軸30と係合し、軸心C2方向に係合しない。例えば、筒部114bの内周面及び入力軸30の外周面には、スプラインが形成されており、筒部114b及び入力軸30は、スプライン嵌合する。このように、回転部材114は、軸心C2の周りに入力軸30と一体に回転し且つ入力軸30が軸心C2方向に相対的に移動可能であるように、入力軸30を支持する。
また、左転舵アクチュエータ5Lは、回転部材114を回転駆動する。左転舵アクチュエータ5Lは、回転部材114の周りに設けられている。左転舵アクチュエータ5Lは、回転部材114と一体に回転する回転子52と、固定子51とを備える。回転部材114は、回転子52を貫通する。本実施の形態では、回転子52は、回転部材114と同軸上に配置され、その外周面の近傍に永久磁石52aを有している。固定子51は、ハウジング51aと、ハウジング51aに配置され且つ永久磁石52aに対向する巻線51bとを有する。ハウジング51aは、回転子52を収容し、軸心C2方向で回転子52の両側に配置された軸受53及び54を介して、回転部材114を回転可能に径方向に支持する。また、ハウジング51aは、軸受53及び54を介して、回転部材114を軸心C2方向に移動しないように支持する。左転舵アクチュエータ5Lは、巻線51bに交流電圧が印加されることによって、回転子52を回転駆動し、それにより、回転部材114及び入力軸30を径方向に支持しつつ回転させる。左転舵アクチュエータ5Lは、車両1の車体等に固定されている。このように、左転舵アクチュエータ5Lは、回転部材114及び入力軸30と同軸に配置され、回転部材114を介して、入力軸30を回転駆動する。なお、左転舵アクチュエータ5Lは、ハウジング51aに永久磁石が配置され、回転子52に巻線が配置される構成であってもよい。
また、左接続装置110Lは、第一支持部113及び第二支持部114aに設けられた付勢部材115及びストッパ116をさらに備える。付勢部材115は、第一支持部113及び第二支持部114aの間に配置され、第一支持部113及び第二支持部114aに対して、軸心C2方向に互いに引き離す付勢力を与える。付勢部材115の例は、コイルバネ等のバネである。本実施の形態では、複数の付勢部材115が、入力軸30の周りに等間隔に配置されているが、付勢部材115の数量は、1つ以上であればよく、付勢部材115の配置も任意である。
ストッパ116は、第一支持部113及び第二支持部114aに外側から係合し、第一支持部113及び第二支持部114aが軸心C2方向に互いから離れるように相対的に移動することを阻止する。本実施の形態では、ストッパ116は、C字状の断面形状を有している。ストッパ116の両端の屈曲部116a及び116bはそれぞれ、第一支持部113の及び第二支持部114aそれぞれの径方向の縁において、第一支持部113の上面及び第二支持部114aの下面に、第一支持部113及び第二支持部114aを外側から挟持するように係合する。これにより、ストッパ116は、上記の相対的な移動を阻止する。ストッパ116が第一支持部113及び第二支持部114aと係合しているとき、付勢部材115は、軸心C2方向に圧縮されている。さらに、第一接続部111の係合部111b及び第二接続部112の係合部112bは、互いに当接し且つ係合している。つまり、入力軸30及び出力軸40は、回転駆動力を伝達可能に接続されている。
上述のような付勢部材115は、入力軸30及び出力軸40の接続を解除する方向である上方向D1に向かって入力軸30を付勢する。ストッパ116は、第一支持部113及び第二支持部114aと係合し、上方向D1への入力軸30の移動を阻止することによって、入力軸30と出力軸40との接続を維持する。ここで、上方向D1は第一方向の一例である。
また、左接続装置110Lは、ストッパ116による入力軸30の移動の阻止を解除する解除装置120をさらに備える。解除装置120は、第一支持部113の上面に配置されている。解除装置120は、有底筒状のシリンダ121と、シリンダ121内のピストン122、ガス収容体123及び着火装置124とを備える。
ピストン122は、シリンダ121にスライド可能に収容され、シリンダ121から部分的に突出している。ガス収容体123は、シリンダ121内において、シリンダ121の底部とピストン122との間に配置されている。ガス収容体123は、図視しない筐体と、筐体内の高圧ガス又はガス発生源とで構成されている。
着火装置124は、ガス収容体123とピストン122との間に配置されている。着火装置124は、図示しない火薬及び点火装置を含み、起動されることによって、火薬を着火し、ガス収容体123の筐体を破壊する。筐体が破壊されたガス収容体123は、筐体から高圧ガスを噴出させる、又は、着火時の熱によりガス発生源にガスを発生させ、ガスの圧力によりピストン122をシリンダ121の外方へスライドさせる。着火装置124は、左転舵ECU21Lと接続されており、左転舵ECU21Lによって起動される。このような着火装置124及びガス収容体123は、インフレータを構成する。
上述のような解除装置120は、着火装置124の着火時にスライドするピストン122がストッパ116の屈曲部116aに接触して押圧し、屈曲部116aと第一支持部113との係合を解除するように配置される。つまり、ピストン122が第一支持部113の上面に沿って、屈曲部116aに向かって第一支持部113の外側へスライドするように、解除装置120は配置される。
なお、屈曲部116aと第一支持部113との係合が解除されると、図4に示すように、第一支持部113は、付勢部材115の付勢力によって、入力軸30と一緒に上方向D1へ移動させられ、それにより、第一接続部111が第二接続部112から離れる。このとき、左転舵アクチュエータ5Lによって入力軸30が回転駆動されても、回転駆動力は、出力軸40に伝達されない。同様に、左転舵輪3Lが転舵することによって回転される出力軸40の回転駆動力も、入力軸30に伝達されない。このように、左接続装置110Lは、入力軸30と出力軸40とを、駆動力を伝達する又は駆動力を遮断するように、機械的に接続又は接続解除する。なお、図4は、図3の左接続装置110Lの接続解除時の状態を模式的に示す断面側面図である。
次に、実施の形態1に係る車両用操舵装置100の動作を説明する。具体的には、左接続装置110L及び右接続装置110Rの動作を中心に説明する。図5には、実施の形態1に係る車両用操舵装置100の動作の流れの一例を示すフローチャートが示されている。図5に示すように、ステップS001において、車両1が通常走行を行っている時、上位ECU20は、操舵角センサ10が検出するステアリングホイール2の操舵角に基づき、左転舵輪3L及び右転舵輪3Rの目標転舵角を決定する。さらに、上位ECU20は、左転舵輪3L及び右転舵輪3Rの目標転舵角を左転舵ECU21L及び右転舵ECU21Rに出力する。
左転舵ECU21L及び右転舵ECU21Rはそれぞれ、上位ECU20から取得する目標転舵角に基づき、左転舵アクチュエータ5L及び右転舵アクチュエータ5Rを動作させることによって、左転舵輪3L及び右転舵輪3Rを転舵する。左転舵ECU21L及び右転舵ECU21Rはそれぞれ、左転舵角センサ11L及び右転舵角センサ11Rから取得する左転舵輪3L及び右転舵輪3Rの実転舵角に基づき、左転舵アクチュエータ5L及び右転舵アクチュエータ5Rをフィードバック制御してもよい。左転舵ECU21L及び右転舵ECU21Rはそれぞれ、取得した左転舵輪3L及び右転舵輪3Rの実転舵角を上位ECU20に出力する。
次いで、ステップS002において、左転舵ECU21L及び右転舵ECU21Rはそれぞれ、左転舵機構4L及び右転舵機構4Rに異常があるか否か、つまり失陥の有無を検出する。左転舵機構4L及び右転舵機構4Rの一方に異常がある場合、ステップS003の処理が行われ、左転舵機構4L及び右転舵機構4Rの両方に異常がある場合、ステップS004の処理が行われ、左転舵機構4L及び右転舵機構4Rの両方に異常がない場合、ステップS001の処理が行われる。左転舵機構4L及び右転舵機構4Rの両方に異常がない状態は、正常状態であり、少なくとも一方に異常がある状態は、異常状態である。
具体的には、ステップS002において、左転舵ECU21L及び右転舵ECU21Rはそれぞれ、左転舵アクチュエータ5L及び右転舵アクチュエータ5Rの動作量と対応する実転舵角が、左転舵角センサ11L又は右転舵角センサ11Rから検出されない場合、異常有りと判定する。左転舵ECU21L及び右転舵ECU21Rはそれぞれ、上位ECU20との通信が切断された場合、異常有りと判定する。また、左転舵ECU21L及び右転舵ECU21Rは、上位ECU20と車両1に搭載された他のECUとの通信が切断された場合、異常有りと判定してもよい。この場合、上位ECU20が、左転舵機構4L及び右転舵機構4Rの両方に異常があると判定してもよい。
左転舵アクチュエータ5L及び右転舵アクチュエータ5Rの動作量に対応する実転舵角が検出されない場合、左転舵アクチュエータ5L又は右転舵アクチュエータ5Rの故障、又は、左転舵機構4L又は右転舵機構4Rにおける構造的な異常の発生が考えられる。このような場合、左転舵機構4L及び右転舵機構4Rのうちの異常が発生した転舵機構の転舵輪が、意図しない方向又は意図しない転舵角の状態で固定される可能性がある。例えば、異常が発生した左転舵輪3L又は右転舵輪3Rが、異常の発生時の状態で固定されてしてしまう可能性がある。また、左転舵ECU21L又は右転舵ECU21Rと上位ECU20との通信が切断された場合、左転舵ECU21L又は右転舵ECU21Rは、ステアリングホイール2の操舵に応じた転舵制御を行うことができない。
ステップS003では、左転舵機構4Lに異常があったとして、説明する。なお、右転舵機構4Rに異常があった場合も、左転舵機構4Lと同様である。このようなステップS003において、左転舵ECU21Lは、異常の発生を上位ECU20に出力するが、右転舵ECU21Rは、異常の発生を上位ECU20に出力しない。このため、上位ECU20は、左転舵機構4Lのみに異常が発生したことを認識し、左接続装置110Lを起動する指令を左転舵ECU21Lに出力する。なお、左転舵ECU21Lと上位ECU20との通信が切断された場合、切断を認識した左転舵ECU21Lが、上位ECU20からの指令を受けずに、左接続装置110Lを起動してもよく、切断を認識した上位ECU20が、右転舵ECU21Rを介して、左接続装置110Lに指令を出力してもよい。
指令を受け取った左転舵ECU21Lは、左接続装置110Lを起動し、具体的には、左接続装置110Lの着火装置124を起動する。図4に示すように、着火装置124は、その火薬を発火させることにより、ガス収容体123の筐体を破壊し、発生するガスの圧力によってピストン122をスライドさせる。スライドするピストン122は、ストッパ116を第一支持部113及び第二支持部114aから脱係合させる。これにより、入力軸30は、付勢部材115によって上方向D1へ移動され、第一接続部111及び第二接続部112の接続を解除する。よって、左転舵機構4Lの出力軸40は、左転舵アクチュエータ5Lから回転駆動力を受けず、自由に回動する、つまり転舵することができる。
このとき、車両1は、右転舵輪3Rがステアリングホイール2の操舵に連動して正常に転舵され、且つ、左転舵輪3Lがステアリングホイール2の操舵に反応しない状態で、走行することになる。具体的には、自由に転舵できる左転舵輪3Lは、車両1の旋回方向に合わせた転舵方向に回動することができる。このような車両1は、ステアリングホイール2の操舵に対する反応を低下させ旋回半径を変化させるが、全く制御不能な状態ではない。このため、車両1の運転者は、車両1の衝突を回避しつつ車両1を道路脇などに停止させることができる。さらに、車両1の運転者は、修理工場などに自走で車両1を運搬することもできる。
また、ステップS004では、左転舵ECU21L及び右転舵ECU21Rはそれぞれ、異常の発生を上位ECU20に出力する。上位ECU20は、車両1の停車を運転者に促す、又は、ブレーキ等を作動させ車両1を停車させる。
上述では、左転舵機構4Lに異常がある場合、左転舵ECU21Lが左接続装置110Lを起動し、右転舵機構4Rに異常がある場合、右転舵ECU21Rが右接続装置110Rを起動するように構成されていたが、これに限定されない。左転舵機構4Lに異常がある場合、右転舵ECU21Rが左接続装置110Lを起動し、右転舵機構4Rに異常がある場合、左転舵ECU21Lが右接続装置110Rを起動するように構成されてもよい。例えば、左転舵機構4Lに異常がある場合、左転舵アクチュエータ5Lの破損、左転舵機構4Lの構造部材の破損等により、左転舵ECU21Lも破損する場合がある。このような場合、正常な右転舵ECU21Rは、左接続装置110Lを確実に起動することができる。
上述のように実施の形態1に係る車両用操舵装置100は、車両1の左右の転舵輪3L及び3Rを個別に転舵し且つ互いに機械的に接続されていない左右の転舵機構4L及び4Rと、制御装置としての左転舵ECU21L及び右転舵ECU21Rとを備える。転舵機構4L及び4Rはそれぞれ、転舵アクチュエータ5L及び5Rと、転舵アクチュエータ5L及び5Rから駆動力が入力される入力軸30と、入力軸30からの駆動力を転舵輪3L及び3Rに伝達し且つ転舵輪3L及び3Rの転舵と一体的に回転する出力軸40と、入力軸30と出力軸40とを、駆動力を伝達する又は駆動力を遮断するように、機械的に接続又は接続解除する接続装置110L及び110Rとを備える。左転舵ECU21L及び右転舵ECU21Rは、接続装置110L及び110Rを動作させる指令を出力する。
上記構成によると、接続装置110L及び110Rは、転舵機構4L及び4Rそれぞれの入力軸30及び出力軸40の接続の維持及び解除をすることができる。接続装置110L及び110Rは、左転舵ECU21L及び右転舵ECU21Rの指令により動作し接続解除することによって、出力軸40を介した転舵機構の転舵動作を、転舵アクチュエータからの影響を受けない自由な状態にする、つまり、転舵輪の回動を自由にする。例えば、転舵機構に異常が発生したとき、異常が発生した転舵機構の転舵輪は、意図しない方向又は意図しない転舵角で固定される可能性あり、このような場合、運転者が予測できない方向への車両1の進行又は予測できない車両1の挙動が、発生することがある。これに対し、接続解除された転舵機構の自由な転舵輪は、車両1の旋回方向に合わせて、例えば、反対側の転舵輪と略平行になるように回動し得る。このような自由な転舵輪は、車両1の走行への妨げを低減する。よって、車両用操舵装置100は、転舵輪の固定に起因する車両1の走行への悪影響を低減することができる。
また、実施の形態1に係る車両用操舵装置100において、左転舵ECU21L又は右転舵ECU21Rは、左転舵機構4L及び右転舵機構4Rのうちの一方に異常が発生し、他方が正常である場合、左接続装置110L又は右接続装置110Rに、異常が発生した転舵機構の入力軸30と出力軸40とを接続解除させる。上記構成によると、車両用操舵装置100は、左転舵機構4L又は右転舵機構4Rに異常が発生したとき、異常が発生した転舵機構の転舵動作を自由な状態にすることができる。そして、車両1の運転者は、異常が発生していない転舵機構を用いて、車両1を走行させることができる。このとき、異常が発生した転舵機構の転舵動作が自由な状態であるため、異常が発生した転舵機構による走行への悪影響が抑えられる。また、左転舵機構4L及び右転舵機構4Rの両方に異常が発生した場合、左接続装置110L及び右接続装置110Rが動作しても、車両1の走行を継続することは困難である。このような場合、車両用操舵装置100は、車両1の停止を運転者に促す、又は、車両1を停止してもよい。
また、実施の形態1に係る車両用操舵装置100において、出力軸40は、車体の支持部としての取付部1aによって、回転可能に且つ軸方向に固定して支持される。上記構成によると、接続装置110L又は110Rによって転舵機構の入力軸30及び出力軸40の接続が解除された場合でも、当該転舵機構の転舵輪は、出力軸40を介して車体に支持され、且つ出力軸40を軸に転舵のための回動をすることができる。よって、車両1は、入力軸30及び出力軸40の接続が解除された転舵機構の転舵輪を利用した走行が可能である。
また、実施の形態1に係る車両用操舵装置100は、左転舵機構4Lの駆動を制御する左の制御装置としての左転舵ECU21Lと、右転舵機構4Rの駆動を制御する右の制御装置としての右転舵ECU21Rとを備える。さらに、左接続装置110L及び右接続装置110Rは、左転舵機構4L及び右転舵機構4Rのそれぞれに配置される。左転舵ECU21Lは、右転舵機構4Rに異常が発生した場合、右接続装置110Rに接続解除させ、右転舵ECU21Rは、左転舵機構4Lに異常が発生した場合、左接続装置110Lに接続解除させる。上記構成によると、転舵機構の異常の発生に起因して、当該転舵機構の転舵ECUも破損する可能性がある。上記転舵ECUと異なる転舵ECUを用いることによって、接続装置の確実な起動が可能になる。
また、実施の形態1に係る車両用操舵装置100において、接続装置110L及び110Rは、入力軸30及び出力軸40の接続を解除する方向である第一方向に向かって入力軸30を付勢する付勢部材115と、第一方向への入力軸30の移動を阻止することによって、入力軸30と出力軸40との接続を維持するストッパ116と、ストッパ116による移動の阻止を解除する解除装置120とを含む。上記構成によると、解除装置120が、ストッパ116による移動の阻止を解除すると、入力軸30が付勢部材115によって移動させられ、入力軸30と出力軸40との接続が解除される。つまり、解除装置120がストッパ116を解除する簡易な構成により、入力軸30及び出力軸40の接続解除が可能である。
また、実施の形態1に係る車両用操舵装置100において、転舵機構4L及び4Rは、転舵アクチュエータ5L及び5Rによって回転される回転部材114を備え、回転部材114は、入力軸30が一体に回転し且つ軸心C2方向に移動可能であるように、入力軸30を支持する。上記構成によると、出力軸40との接続解除のための入力軸30の移動と、転舵アクチュエータ5L又は5Rによる入力軸30の回転駆動とを実現するための構成が簡易になる。
また、実施の形態1に係る車両用操舵装置100において、付勢部材115は、回転部材114と入力軸30との間に配置され、回転部材114に対して入力軸30を、接続解除の方向である第一方向に付勢する。上記構成によると、入力軸30は、付勢部材115によって回転部材114に対して移動させられることによって、入力軸30及び出力軸40の接続を解除する。入力軸30、回転部材114及び付勢部材115は、一緒に回転するため、付勢部材115は、回転する入力軸30を確実に付勢することができる。さらに、付勢部材115が、回転する入力軸30を付勢するための構成が簡易になる。
また、実施の形態1に係る車両用操舵装置100において、接続装置110L及び110Rの解除装置120は、ストッパ116を移動させるインフレータである。上記構成によると、解除装置120は、ストッパ116を移動させるときのみ、電力を使用するように構成することができる。よって、車両用操舵装置100の省電力化が可能になる。
[実施の形態2]
本発明の実施の形態2に係る車両用操舵装置を説明する。実施の形態1に係る車両用操舵装置100において、転舵アクチュエータ5L及び5Rは、入力軸30と同軸に配置されていたが、実施の形態2に係る車両用操舵装置において、転舵アクチュエータ5L及び5Rは、入力軸30と異なる軸上に配置される。以下において、実施の形態1と異なる点を中心に説明する。さらに、実施の形態2に係る車両用操舵装置においても、左接続装置及び右接続装置の構成は同様であるため、左接続装置のみを説明する。
図6には、実施の形態2に係る車両用操舵装置における左接続装置210L及びその周辺の構成の一例が、図3と同様に模式的な断面側面図で示されている。図6に示すように、左転舵アクチュエータ5Lは、減速機構60を介して、入力軸30と接続されている。具体的には、左転舵機構4Lは、減速機構60と、減速機構60を収容するギアハウジング70とを備える。ギアハウジング70は、取付部1a等の車両1の車体に固定されてもよい。
ギアハウジング70は、第一ギアハウジング71、第二ギアハウジング72及び第三ギアハウジング73で構成されている。第一ギアハウジング71及び第二ギアハウジング72は、互いに接合されることによって、互いの間に、減速機構60等を収容する第一収容空間74を形成する。第三ギアハウジング73は、第二ギアハウジング72と接合されることによって、これらの中に、入力軸30及び回転部材214を収容し且つ第一収容空間74と連通する第二収容空間75を形成する。第一ギアハウジング71、第二ギアハウジング72及び第三ギアハウジング73の接合方法の例は、ねじ締結である。
左転舵アクチュエータ5Lは、第二ギアハウジング72に固定される。左転舵アクチュエータ5Lは、回転軸55と、回転軸55を回転駆動する駆動源56とを有する。駆動源56は、図示しない回転子及び固定子を含む。第一収容空間74内に延びる回転軸55の端部には、減速機構60の第一歯車61が一体的に回転するように取り付けられている。回転軸55は、軸受を介して第二ギアハウジング72によって回転可能に支持される。
減速機構60は、第一減速機60a及び第二減速機60bを含む。第一減速機60aは、第一歯車61と、中間軸65上の第二歯車62とを含む。中間軸65は、その両端において、軸受を介して第一ギアハウジング71及び第二ギアハウジング72によって回転可能に支持される。第二歯車62は、中間軸65と一体的に回転するように中間軸65に設けられている。第二歯車62は、中間軸65と交差する方向に延びる回転軸55の第一歯車61とギア係合する。第二歯車62の歯数は、第一歯車61の歯数よりも多い。第一歯車61及び第二歯車62の例は、ベベルギア(「かさ歯車」とも呼ばれる)であるが、他のいかなる歯車であってもよい。このような第一減速機60aは、回転軸55の回転を減速して、中間軸65に伝達する。
第二減速機60bは、中間軸65上の第三歯車63と、回転部材214に設けられた第四歯車64とを含む。第三歯車63は、中間軸65と一体的に回転するように中間軸65に設けられる。第三歯車63は、中間軸65を介して、第二歯車62と一緒に回転する。第四歯車64は、回転部材214と一体的に回転するように、回転部材214の円板状の第二支持部214aの外周に設けられ、第三歯車63とギア係合する。第四歯車64は、リング状の形状を有し、第二支持部214aの外周面を囲繞するように形成されたギアである。第四歯車64の歯数は、第三歯車63の歯数よりも多い。第三歯車63及び第四歯車64の例は、平歯車又ははすば歯車であるが、他のいかなる歯車であってもよい。このような第二減速機60bは、中間軸65の回転を減速して、回転部材214に伝達する。上述のような減速機構60は、回転軸55の回転を、第一減速機60aによって減速し、さらに、減速後の回転を第二減速機60bによって減速して回転部材214に伝達する。
回転部材214は、実施の形態1と同様に、第二支持部214aと筒部214bとを一体的に含む。入力軸30は、第二支持部214a及び筒部214bを貫通して延び、筒部214bとスプライン嵌合する。実施の形態1と同様に、入力軸30の上端には、第一支持部213が一体的に設けられ、入力軸30の下端には、第一接続部111が一体的に設けられている。第一支持部213は、その外周面において、第三ギアハウジング73の内周面によってスライド可能に支持されている。第一支持部213と第二支持部214aとの間には、付勢部材115が配置されている。また、出力軸40の上端には、第二接続部112が一体的に設けられている。
第一支持部213及び第二支持部214aそれぞれには、上下方向D1及びD2にこれらを貫通する貫通穴213a及び214cが形成されている。貫通穴213a及び214cは、上下方向D1及びD2に並ぶ。ストッパ116は、貫通穴213a及び214cを通って上下方向D1及びD2に延びる。ストッパ116の両端の屈曲部はそれぞれ、第一支持部213の上面及び第二支持部214aの下面に、第一支持部213及び第二支持部214aを外側から挟持するように係合する。貫通穴213a及び214cは、ストッパ116が通過可能であり且つ第一支持部213の径方向に移動できるように長穴の形状を有している。このため、第一支持部213及び第二支持部214aに係合するストッパ116を第一支持部213の径方向外側へ移動することによって、ストッパ116の係合を解除することができる。
なお、ストッパ116が第一支持部213及び第二支持部214aと係合しているとき、付勢部材115は軸心C2方向に圧縮され、第一接続部111及び第二接続部112は互いに当接し且つ係合している。
また、解除装置120は、第三ギアハウジング73に内おいて、第一支持部213の上面に配置されている。解除装置120は、着火装置124の着火時、ピストン122が第一支持部213の上面に沿って、ストッパ116の屈曲部116aに向かって第一支持部113の径方向外側へスライドするように、配置される。
解除装置120のピストン122がストッパ116と第一支持部113との係合を解除すると、図7に示すように、付勢部材115は、第一支持部213を、第二支持部214aに対して上方向D1へ押圧する。ストッパ116は、貫通穴213a及び214cのいずれも通過することができるため、第一支持部213及び第二支持部214aから外れることができる。これにより、第一支持部213は、入力軸30と一緒に上方向D1へ移動し、第一接続部111が第二接続部112から離れる。このように、左接続装置210Lは、入力軸30と出力軸40とを、駆動力を伝達する又は駆動力を遮断するように、機械的に接続又は接続解除することができる。なお、図7は、図6の左接続装置210Lの接続解除時の状態を模式的に示す断面側面図である。
また、実施の形態2に係る車両用操舵装置のその他の構成及び動作は、実施の形態1と同様であるため、その説明を省略する。上述のような実施の形態2に係る車両用操舵装置によると、実施の形態1と同様の効果が得られる。
[実施の形態3]
本発明の実施の形態3に係る車両用操舵装置を説明する。実施の形態3に係る車両用操舵装置において、接続装置の解除装置の構成が実施の形態1と異なる。以下において、実施の形態1及び2と異なる点を中心に説明する。さらに、実施の形態3に係る車両用操舵装置においても、左接続装置及び右接続装置の構成は同様であるため、左接続装置のみを説明する。
図8には、実施の形態3に係る車両用操舵装置における左接続装置310L及びその周辺の構成の一例が、図3と同様に模式的な断面側面図で示されている。図9Aには、図8の左接続装置310Lのストッパ116の解除装置320の構成の一例を示す模式的な平面図が示され、非解除時の状態が示されている。図8及び図9Aに示すように、解除装置320は、入力軸30の第一支持部113の上面に配置される。解除装置320は、シリンダ321と、ピストン322と、解除付勢部材325と、解除ストッパ326と、解除アクチュエータ327とを備える。
ピストン322は、有底筒状のシリンダ321にスライド可能に収容され、シリンダ321から部分的に突出している。解除付勢部材325は、シリンダ321内において、シリンダ321の底部とピストン322との間に、圧縮された状態で配置されている。解除付勢部材325の例は、コイルバネ等のバネである。解除ストッパ326は、シリンダ321内において、ピストン322と解除付勢部材325との間に配置され、シリンダ321をその軸心と垂直な方向に横断するように、シリンダ321の壁部を貫通して延びる。解除ストッパ326は、シリンダ321の壁部と係合することによって、シリンダ321に固定され、且つ、解除付勢部材325と当接し、解除付勢部材325の伸長を阻止する。解除ストッパ326は、解除付勢部材325を圧縮状態に維持する。
解除アクチュエータ327は、解除ストッパ326をシリンダ321の外に移動させる。解除アクチュエータ327の例は、ソレノイド等のリニアアクチュエータである。解除アクチュエータ327は、解除ストッパ326と接続された伸縮可能な軸部を有し、通電時、軸部を収縮させることにより、解除ストッパ326をシリンダ321から引き抜く。また、解除アクチュエータ327は、非通電時、軸部を伸縮可能なフリーな状態とする。解除アクチュエータ327の通電及び非通電は、左転舵ECU21Lによって制御される。
なお、解除アクチュエータ327は、通電時に軸部を伸張動作して解除ストッパ326をシリンダ321から押し出し、非通電時に軸部を伸縮自在なフリーな状態となる構成であってもよい。又は、解除アクチュエータ327は、通電時に軸部を伸張動作及び収縮動作のいずれも行うことができる構成であってもよい。この場合、解除アクチュエータ327は、非通電時、軸部を伸縮自在なフリーな状態としてもよく、通電時の伸縮状態を維持するように軸部を固定するように構成されてもよい。
図9Bに示すように、上述のような解除装置320において、解除アクチュエータ327が通電されると、解除アクチュエータ327は、解除ストッパ326をシリンダ321から引き抜き、それにより、解除付勢部材325は、伸長することができる。伸長する解除付勢部材325は、ピストン322をスライドさせ、ストッパ116と第一支持部113との係合を解除する。これにより、入力軸30と出力軸40との接続が解除される。なお、図9Bは、図9Aの解除装置320の解除時の状態を示す図である。
また、実施の形態3に係る車両用操舵装置のその他の構成及び動作は、実施の形態1と同様であるため、その説明を省略する。上述のような実施の形態3に係る車両用操舵装置によると、実施の形態1と同様の効果が得られる。なお、実施の形態3に係る解除装置320を、実施の形態2に係る接続装置210L及び210Rに適用してもよい。
また、実施の形態3に係る車両用操舵装置において、解除装置320は、解除アクチュエータ327のみで構成されてもよい。この場合、解除アクチュエータ327は、非通電時、軸部を伸縮自在なフリーな状態とし、通電時、軸部を伸長させてストッパ116を押圧し、ストッパ116と第一支持部113との係合を解除してもよい。
[その他]
以上、本発明の1つ以上の態様に係る車両用操舵装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の1つ以上の態様の範囲内に含まれてもよい。
また、実施の形態1に係る車両用操舵装置100の接続装置110L及び110Rにおいて、入力軸30と回転部材114とは、同軸上に配置されていたが、これに限定されず、異なる軸上に配置されてもよい。例えば、入力軸30と回転部材114とは、それぞれの外周面に形成されたギア歯で互いに係合し、回転駆動力を伝達するように構成されてもよい。この場合、解除装置が起動したとき、入力軸30がギア歯に沿ってスライドしてもよく、入力軸30がスライドすることによって、ギア歯の係合が外れてもよい。又は、入力軸30と回転部材114とは、これらに掛け渡される無端ベルトを介して、回転駆動力を伝達するように構成されてもよい。この場合、解除装置が起動したとき、入力軸30が無端ベルトに対して、又は無端ベルトと一緒にスライドしてもよく、入力軸30がスライドすることによって、無端ベルトが外れてもよい。
また、実施の形態に係る車両用操舵装置の接続装置において、入力軸30と出力軸40とは、第一接続部111と第二接続部112とを当接させ係合させることによって、回転駆動力を伝達可能に接続されていたが、これに限定されない。例えば、入力軸30と出力軸40とは、第一接続部と第二接続部とを嵌合させることによって、回転駆動力を伝達可能に接続されてもよい。具体的には、第一接続部及び第二接続部の一方の穴に、第一接続部及び第二接続部の他方が挿入され、相対的に回転できないように嵌合してもよい。例えば、筒状の第二接続部の穴に、第一接続部が挿入され、第二接続部の穴の内周面及び第一接続部の外周面のそれぞれに形成されたスプライン又はセレーションが嵌合してもよい。又は、第二接続部の穴の内周面及び第一接続部の外周面に形成されたキー及びキー溝が嵌合してもよい。又は、第二接続部の穴の内周面及び第一接続部の外周面の断面形状が、同じ多角形形状であってもよい。いずれの場合も、入力軸30と出力軸40とは、軸心方向に相対移動が可能であるが、軸心周りの回転方向に相対移動不可能である。このような構成では、解除装置が起動し、入力軸30が軸心方向にスライドすることによって、入力軸30と出力軸40との接続が解除される。
また、実施の形態に係る車両用操舵装置における接続装置の解除装置は、ガス収容体123からガスを発生させる、又は、解除付勢部材325の付勢力を作用させることによって、ピストンを移動するように構成されていたが、これに限定されない。例えば、ストッパが、バイメタル、熱線膨張係数の高い材料等の熱によって変形する部材で構成されてもよい。この場合、着火装置は、火薬を備えず、熱を発生し、ストッパを加熱する。ストッパは、着火装置の熱により変形し、第一支持部113との係合を解除する。又は、ストッパが磁性を有する材料で構成され、解除装置が電磁石等の電磁力を発生する装置であってよい。この場合、解除装置は、電磁力を発生することによって、ストッパを移動させ、ストッパと第一支持部113との係合を解除する。
また、実施の形態に係る車両用操舵装置は、ドライブシャフト45を介して伝達されるエンジンEの回転駆動力によって、ハブ42が前輪である転舵輪を回転駆動する構成の車両に搭載されたが、これに限定されない。例えば、車両用操舵装置は、前輪である転舵輪のハブ42がドライブシャフト45と連結されない後輪駆動の車両に搭載されてもよい。又は、車両用操舵装置は、車輪のホイール内又はホイールの近傍にインホイールモータが配置される車両に搭載されてもよい。インホイールモータは、左右の車輪それぞれに配置され、左右の車輪のハブを回転駆動する。インホイールモータが配置される車輪は、転舵輪であってもよく、転舵輪でなくてもよい。
本発明に係る車両用操舵装置は、各転舵輪を転舵させる機構が独立している車両用操舵装置に有用である。
1 車両、1a 取付部(支持部)、3L 左転舵輪、3R 右転舵輪、4L 左転舵機構、4R 右転舵機構、5L 左転舵アクチュエータ、5R 右転舵アクチュエータ、30 入力軸、40 出力軸、100 車両用操舵装置、110L,210L,310L 左接続装置、110R,210R,310R 右接続装置、111 第一接続部、112 第二接続部、114,214 回転部材、115 付勢部材、116 ストッパ、120,320 解除装置、20 上位ECU20(制御装置)、21L 左転舵ECU(制御装置、左の制御装置)、21R 右転舵ECU(制御装置、右の制御装置)

Claims (7)

  1. 車両の左右の転舵輪を個別に転舵し且つ互いに機械的に接続されていない左右の転舵機構と、
    制御装置とを備え、
    前記転舵機構は、
    転舵アクチュエータと、
    前記転舵アクチュエータから駆動力が入力される入力軸と、
    前記入力軸からの駆動力を前記転舵輪に伝達し且つ前記転舵輪の転舵と一体的に回転する出力軸と、
    前記入力軸と前記出力軸とを、駆動力を伝達する又は駆動力を遮断するように、機械的に接続又は接続解除する接続装置とを備え、
    前記制御装置は、
    前記接続装置を動作させる指令を出力し、
    前記左の転舵機構及び前記右の転舵機構のうちの一方に異常が発生し、他方が正常である場合、前記接続装置に、異常が発生した前記転舵機構の前記入力軸と前記出力軸とを接続解除させる
    車両用操舵装置。
  2. 前記出力軸は、車体の支持部によって、回転可能に且つ軸方向に固定して支持される
    請求項1に記載の車両用操舵装置。
  3. 前記左の転舵機構の駆動を制御する左の前記制御装置と、
    前記右の転舵機構の駆動を制御する右の前記制御装置とを備え、
    前記接続装置は、前記左の転舵機構及び前記右の転舵機構のそれぞれに配置され、
    前記左の制御装置は、前記右の転舵機構に異常が発生した場合、前記右の転舵機構の前記接続装置に接続解除させ、
    前記右の制御装置は、前記左の転舵機構に異常が発生した場合、前記左の転舵機構の前記接続装置に接続解除させる
    請求項1または2に記載の車両用操舵装置。
  4. 前記接続装置は、
    前記入力軸及び前記出力軸の接続を解除する方向である第一方向に向かって前記入力軸を付勢する付勢部材と、
    前記第一方向への前記入力軸の移動を阻止することによって、前記入力軸と前記出力軸との接続を維持するストッパと、
    前記ストッパによる移動の阻止を解除する解除装置とを含む
    請求項1~のいずれか一項に記載の車両用操舵装置。
  5. 前記転舵機構は、前記転舵アクチュエータによって回転される回転部材をさらに備え、
    前記回転部材は、前記入力軸が一体に回転し且つ前記第一方向である軸方向に移動可能であるように、前記入力軸を支持する
    請求項に記載の車両用操舵装置。
  6. 前記付勢部材は、前記回転部材と前記入力軸との間に配置され、前記回転部材に対して前記入力軸を前記第一方向に付勢する
    請求項に記載の車両用操舵装置。
  7. 前記解除装置は、前記ストッパを移動させるインフレータ又はアクチュエータである
    請求項のいずれか一項に記載の車両用操舵装置。
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