JP7098479B2 - 金属製品製造装置及び金属製品製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は金属製品製造装置及び金属製品製造方法に関する。
従来、導電性(伝導性)を有する金属の溶湯、即ち、非鉄金属(例えば、Al,Cu,Zn又はSi、あるいはこれらのうちの少なくとも2つの合金、あるいはMg合金等)の溶湯又は前記非鉄金属以外のその他の金属の溶湯から、鋳造により、非鉄金属製品又はその他の金属製品を製作することが行われている。その工程のうちの初期の工程として、溶解及び成分調整の工程がある。近年は、リサイクル技術の発達や環境保全の意識の高まりから、スクラップの再利用も盛んに行われるようになっている。しかしながら、スクラップから得た金属には不純物が含まれるという問題がある。つまり、先ず、原料としてのスクラップ中に元来不純物が含まれている。また、スクラップの溶解作業時に不純物が発生し、溶湯中に溶け込んでしまう。このため、スクラップを再利用した金属溶湯中には不純物が含まれてしまうのが避けられない。そのような溶湯から非鉄金属製品又はその他の金属製品を製作すれば、製品が不純物を含むものとなり、製品の品質、性能を低下させてしまう。このことから、スクラップを原料とする金属の溶湯中から不純物を除去することは極めて重要である。このため、従来は、種々の方法で溶湯中から不純物を除去していた。
例えば、フィルターを用いて溶湯中の不純物を濾過、除去することが行われていた。また、溶湯中に,フラックスを投入したり、あるいはガスを吹き込んだりして、不純物を化合物に変化させ、その化合物を溶湯の表面に浮上させて除去することも行われていた。さらには、フラックスやガスで不純物を除去した後の溶湯からさらにフィルターを用いて不純物を除去することも行われていた。
上述のように、従来は金属の溶湯から不純物を除去する手法として、フィルターを用いる方法があった。しかしながら、フィルターは直ぐに目詰まりを起こしてしまい、短時間で新しいものに交換しなければならなかった。また、より細かい不純物を除去するためには、目の異なる複数のフィルターを準備し、先ず目の大きいフィルターで、次にそれよりも目の小さいフィルターで、それぞれ不純物を除去し、これを順次目が小さくなるフィルターで複数回不純物除去を繰り返す必要があった。しかしながら、不純物の除去のために目の大きさの異なるフィルターで複数回濾過作業を行うのは、実際上、非常に作業が繁雑で、多くの時間を要することとなり、作業コストの増大に繋がっていた。また、フィルターの目を細かくするには限度があり、ある程度しか目を小さくはできない。さらに、フィルター自体が非常に高価である。このようなことから、実際上、フィルターでの不純物除去の作業を行うのは、不純物を除去できるかどうかの問題、及び、コストその他の面からの問題がある。
また、上述のフラックスやガスを用いる方法によっても、溶湯から、ある程度不純物は除去出来る。しかしながら、この方法によっても、不純物の除去は十分には行えない。さらに、フラックスやガスを用いて不純物を除去した溶湯をさらにフィルターで濾過しても、溶湯中の不純物を十分に除去することはできない。
このように、従来は、スクラップ等から得た不純物を含む非鉄金属やその他の金属の溶湯から不純物を除去しようとしても、純度の高い溶湯を得ることは実際上非常に難しかった。このため、スクラップ等から得た溶湯からは、実際上純度の高い金属製品を得ることができなかった。つまり、純度の高さが要求される金属製品は、スクラップ等からではなく、もともと純度の高い原料からの金属溶湯からのみ作製せざるを得なかった。このため、高純度の非金属製品やその他の金属製品は高価なものとならざるを得なかった。このため、従来、当業者は、リサイクルした溶湯から不純物を十分除去することは不可能と思い込み、リサイクルした溶湯から高純度の製品を作製することを当初からあきらめていた。
しかしながら、本発明者は、このことに疑問を抱き、リサイクル等した金属の溶湯の使用を決してあきらめることなく、リサイクル等した金属の溶湯からより多くの不純物を除去し、高純度の金属の溶湯を得る方法がないかと、継続的に独自に模索し、研究を行っていた。
本発明は、上記の本発明者の独自の課題意識に基づいて本発明者によってのみ独自になされたもので、その目的は、不純物を含む非鉄金属やその他の金属の溶湯からより高精度に不純物を除去可能として、より高純度の溶湯を得て、その高純度の溶湯から高純度の非金属製品やその他の金属製品を得ることを可能とするための装置及び方法を提供しようとするものである。
なお、本発明者は、先に特許第5669504号及び第5431438号で本発明とは異なる別発明を開示した。これらの公報に記載の技術的思想は、大きな攪拌力で溶湯をできるだけ早く確実に回転駆動することにより製品の品質を向上しようとするものであり、溶湯中から不純物除去しようとするものではない。よって、本発明は、前記公報の発明とは技術的思想を全く異にする互いに無関係の別の発明であり、前記公報の発明からなし得る発明ではない。
本発明の実施形態は、
導電性を有する金属の溶湯を収納する容器を備えた金属製品製造装置であって、
筒状の容器本体部と、
前記容器本体部の両端を密閉状態に塞ぐ上側エンドプレート及び下側エンドプレートと、
前記上側エンドプレートに、貫通した状態に固定され、内側端が前記溶湯と電気的に接続可能な、上側電極と、
前記下側エンドプレートに、貫通した状態に固定され、内側端が前記溶湯と電気的に接続可能な、下側電極と、
を備え、
少なくとも、前記上側エンドプレートは、前記容器本体部に対して着脱可能に構成されており、
前記上側電極は、前記上側エンドプレートのほぼ中央部分に、前記上側エンドプレートを厚さ方向に貫通した状態で、固定されており、
前記下側電極は、前記下側エンドプレートのほぼ中央部分に、前記下側エンドプレートを厚さ方向に貫通した状態で、固定されており、
前記上側電極と前記下側電極とは、上下方向にほぼ垂直な一直線上に位置している、
ものとして構成される。
さらに、本発明の実施形態は、
導電性を有する金属の溶湯から金属製品を製造する金属製品製造方法であって、
筒状の容器本体部と、
前記容器本体部の両端を密閉状態に塞ぐ上側エンドプレート及び下側エンドプレートと、
前記上側エンドプレートに、貫通した状態に固定され、内側端が前記溶湯と電気的に接続可能な、上側電極と、
前記下側エンドプレートに、貫通した状態に固定され、内側端が前記溶湯と電気的に接続可能な、下側電極と、
を備え、
少なくとも、前記上側エンドプレートは、前記容器本体部に対して着脱可能に構成されており、
前記上側電極は、前記上側エンドプレートのほぼ中央部分に、前記上側エンドプレートを厚さ方向に貫通した状態で、固定されており、
前記下側電極は、前記下側エンドプレートのほぼ中央部分に、前記下側エンドプレートを厚さ方向に貫通した状態で、固定されており、
前記上側電極と前記下側電極とは、上下方向に一直線上に位置している、
容器を準備し、
前記容器を前記上側エンドプレート及び前記下側エンドプレートで密閉した状態で、前記容器の内部に収納した導電性の金属を溶湯の状態とし、
前記導電性の金属の溶湯に前記一対の電極の内側端を電気的に接続させ、
この状態で、前記一対の電極間に電流を流す、
ものとして構成される。
本発明の実施に使用する金属製品製造装置の概略的全体構成図。 図1の装置の実際の使用状態の一形態を示す概略説明図。 図1における容器と磁場装置の平面説明図。 図1のIII-III線に沿った断面説明図。 図1の磁場装置の平面説明図。 図4の変形例を示す平面説明図。 図1の容器の縦断説明図。 図1の容器の平面説明図。 図6の容器本体とエンドプレートの分離状態説明図。 一対の電極間に金属溶湯を介して流れる電流密度を説明する説明図。 図9における電流密度を説明する説明図。 図9の場合に生じる磁場を説明する説明図。 図9の場合に生じるローレンツ力を説明する説明図。 図9の場合に金属溶湯中に生じる圧力勾配を説明する説明図。 図9に場合に得られた製品の不純物の分布状態をしめす横断説明図。 図9の場合と逆に電流を下から上に流した場合の電流密度を説明する説明図。 図15における電流密度を説明する説明図。 図15の場合に生じる磁場を説明する説明図。 図9の場合に生じるローレンツ力を説明する説明図。 図1の使用の一態様を示す説明図で、磁場を掛けた状態で下向きに電流を流した場合の説明図。 図19の場合に生じる電磁力(ローレンツ力)を示す説明図。 図19の場合と反対に上向きに電流を流した場合の電磁力の説明図。 本発明の実施により得られた製品の端面図。 図22と異なる条件で得た製品の端面図。 図22等と異なる条件で得た製品の端面図。 図22等と異なる条件で得た製品の端面図。 図22等と異なる条件で得た製品の端面図。
本発明は、上述のように、本発明者に独自の上記の技術的課題である、不純物を含む金属の溶湯から高品質の製品を得ようとする課題の解決を目的としてなされたものである。
つまり、本発明は、この技術的課題を解決しようとして、本発明者が独自に繰り返し行った複数回の実験の結果に基づくものであり、このような技術的課題の解決に本発明者に比べて前向きではなく且つ独自に複数回の実験を行っていない他の技術者には到底なし得ない発明である。
より詳しくは、以下の通りである。
本発明者は、日夜継続して、より高品質の非金属製品やその他の金属製品を製作するのに適したより高純度の非鉄金属やその他の鉄金属の溶湯を得るべく、技術的な研究を行っていた。その過程において、不純物を多く含むリサイクルした溶湯等から不純物自体を除去するというという、他の技術者はあまり前向きではない、技術的課題の解決に独自に意欲を持つに至った。
これに基づき、長期にわたる研究の結果、以下の技術的思想を持つに至った。即ち、前記研究の過程において、本発明者は、不純物を含む非鉄金属やその他の鉄金属の溶湯はいわゆる混相流体として把握可能ではないか、ということに気付いた。つまり、ベースとしての非鉄金属やその他の鉄金属の溶湯と、その中に溶け込んでいる不純物の溶湯と、の混相流体として把握可能ではないかと思うに至った。
さらに、もし、前記の混相流体が、アルキメデスの電磁力(Archimedes Electromagnetic Force)でいうところの混相流体であれば、理論的には、ベースとしての流体とそれに溶け込んでいる不純物の流体(粒子)として、把握可能なはずである。もし、不純物を含む非鉄金属やその他の鉄金属の溶湯がアルキメデスの電磁力でいうところの混相流体であれば、アルキメデスの電磁力によって、ベースとしての非鉄金属やその他の鉄金属の溶湯に圧力勾配を加えることにより、非鉄金属やその他の鉄金属の溶湯中の不純物をその圧力勾配に従って移動させることができ、これによりベースと不純物とを分離できるはずである。
しかしながら、従来、不純物を含んだ溶湯をアルキメデスの電磁力によって、非鉄金属又はその他の鉄金属のベースとそれに含まれる不純物とを分離したという先行技術の開示はいかなる形であっても一切ない。これは、従来、当業者は、一般に、不純物を含んだ非鉄金属又はその他の鉄金属の溶湯を、アルキメデスの電磁力でいうところの混相流体と結びつけて考えたことはないからと思われる。つまり、当業者は、不純物を含んだ非鉄金属又はその他の鉄金属の溶湯は、アルキメデスの電磁力でいうところの混相流体ではない、と考えていたと思われる。つまり、当業者は、不純物を含んだ非鉄金属又はその他の鉄金属の溶湯にアルキメデスの電磁力を加えても、ベースと不純物とに分離できるとは考えていなかったと思われる。実際、不純物を含んだ非鉄金属又はその他の鉄金属の溶湯にアルキメデスの電磁力を加えれば、ベースとしての金属の溶湯と不純物とに分離できるということを開示している先行技術がないだけでなく、示唆した先行技術も一切存在しない。
本発明者は、これらのことを確かめるべく、手探り状態で、各種の実験を繰り返して複数回行った。それらの実験は、より高純度の製品を得るべく、非鉄金属又はその他の鉄金属の丸棒或いは角棒を製作する場合において、一般の技術者が考える不純物を上下に分離させるのではなく、追って行う不純物の除去加工をしやすいように、丸棒或いは角棒の周囲に存在させることを目指して行った。
これにより最終的に図24乃至図26等に示す製品を得ることができた。即ち、図24乃至図26の製品は、本発明者が実験により得たアルミニウムの丸棒(ビレット)の端面を示すものである。これらの図21乃至図26は、製品の端面のカラー写真から得た不純物(AlFe)の分布を示す図である。これらの図から分かるように、中心部分の純度の高いアルミニウムの周辺部分に不純物(AlFe)を集めることができた。
このように、不純物を製品の上下ではなく、周辺に集めることができたので、追って行う不純物の除去加工を、端面を見ながら不純物の除去作業を視覚的に確認しつつ行うことができ、或いは、予め視覚的に確認して不純物の場所を知得した後に行うことができ、よって、容易確実に製品から不純物を除去することができる。
なお、これらの製品を得るための技術的思想はアルミニウム以外の非鉄金属又はその他の金属にも適用できるのは技術的に明らかである。
このように、本発明者は、アルキメデスの電磁力により、不純物を含む非鉄金属又はその他の金属から、不純物を周辺に集めることができるということを自らが独自に何回も行った実験を通して発見した。
本発明は、上述のように、本発明者が独自に行った実験によって得た発見に基づいてなされたもので、前記実験を行った本発明者のみがなし得た発明であり、前記実験を行わなかった他の当業者は決してなし得なかった発明である。特に、不純物を製品の上下にではなく周囲に集まるようにすることは本発明者のみがなし得たことと思料する。
以下に、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
先ず、本発明の金属製品製造装置100の概略を図面を参照しながら説明する。なお、各図面は本発明を説明するための概略的な図面であり、各図における寸法の縮尺は同一ではなく、且つ、各図のおける各部材の縦横の比も図に示された以外に自由に選択することができる。
金属製品製造装置100は、図1に示すように、容器1と、磁場装置2と、電源装置3とを備える。容器1は、例えばリサイクルした、不純物を含んだ、導電性を有する非鉄金属又はその他の金属、から得た溶湯を収納するためのものである。前記非鉄金属又はその他の金属は、Al,Cu,Zn又はこれらのうちの少なくとも2つの合金、あるいはMg合金等の伝導体(導電体)の非鉄金属、あるいは、前記非鉄金属以外のその他の金属である。前記容器1は前記装置100から自由に脱着可能とされてる。また、前記磁場装置2も、前記容器1とは互いに独立的に、装置100から自由に脱着可能とされている。
容器1は、特に図6から分かるように、共に耐火材で作られた、円筒状の容器本体5と、その上下両端を塞ぐエンドプレート6,7と、を有している。エンドプレート6,7は、容器本体5に、その内部を密閉可能に、耐圧性をもって、取り付けられる。つまり、図8から分かるように、前記エンドプレート6,7の少なくとも一方(図示の実施形態では上側のエンドプレート6)は、容器本体5に着脱可能とされている。容器本体5とエンドプレート6,7との間に前記耐圧性を持たせているのは、容器1の内部が高圧となった場合でも、内部の高圧状態を維持できるようにするためである。
エンドプレート6,7の中心部分(ほぼ中央部分)には、前記エンドプレート6,7を厚さ方向に貫通した状態に、導電体(グラファイト等の導電性セラミックス等)で作られた一対の電極(上側電極,下側電極)8,9がほぼ垂直に固定状態に植設されている。つまり、上側電極8と下側電極9とは、上下方向にほぼ垂直な一直線上に位置して、最短距離で対向している。これにより、容器1に溶湯Mを収納した状態においては、内部の溶湯Mと電極8,9とが電気的に導通する。前記電極8,9は、前記エンドプレート6,7に対して着脱可能とされている。これにより、電極8,9は、消耗時に別のものに交換可能である。
前記容器本体5は、中で溶湯Mの固化した製品Pを取り出しやすいように種々の構成とすることができる。例えば、2つ割りとすることもできる。また、内部をテーパー状のものとすることもできる。
特に、図1と、装置100の平面図としての図2と、等から分かるように、前記容器本体5の外周位置に、永久磁石によって構成された環状の磁場装置2が配置されている。この磁場装置2は、図4から分かるように、一方の磁石(磁石体)2aのN極と、他方の磁石(磁石体)2bとが横向きに対向している。むろん、これとは逆に、一方の磁石2aのS極と、他方の磁石2bのN極が対向していても良い。前記磁場装置2は電磁石によって構成することもできる。
容器1と磁場装置2の両方が、金属製品製造装置100から、相対的に互いに独立的に着脱可能とされている。これにより、例えば、固定状態に設けた磁場装置2に対し、容器1を、図1に示す状態に着脱可能である。あるいは、固定状態とした容器1に対し、磁場装置2を着脱状態に組み込むこともできる。
また、図4の一体な環状の磁場装置2に代えて、図5に示すように、一対の磁石片2a1、2b1から構成される磁場装置2Aを用いることもできる。前記磁場装置2Aも電磁石で構成することもできる。この場合には、一対の磁石片2a1、2b1の極性を所望の周期、例えば1Hz-10Hz、で切り替えて、磁力線MLが図5の図中右から左に走る状態と左から右へ走る状態とを切り替えるようにすることもできる。
図1から分かるように、前記容器本体5の前記電極8,9は、配線11,12により電源装置3に接続されている。この配線11,12は、電極8,9に対して接続、切り離し可能とされている。この電源装置3は、直流電流及び交流電流を流し得るものとして構成されている。また、例えば、前述のように、容器1は、磁場装置2に対し、相対的に着脱可能とされている。よって、例えば、容器1は、図1のように装置100に組み込まれた状態と、図1Aのように装置から取り外された状態と、を採ることができる。むろん、上述のように、磁場装置2も、装置100に対し着脱可能である。
次に、上記の装置100の動作の原理を説明する。
金属製品製造装置100においては、追って詳しく説明するように、図1及び図4等から分かるように、金属製品製造装置100は磁場装置2を有している。このため、磁場装置2の稼働状態で、溶湯Mに電流Iを流した場合には、第1のローレンツ力(電磁力)と、第2のローレンツ力(電磁力)が同時に働く。ただし、後述のように、磁場装置2がない場合あるいは非稼働状態の場合には、第1のローレンツ力しか作用しない。
即ち、第1のローレンツ力は、電流Iと、その電流Iに基づく磁場と、の交叉による電磁力である。第2のローレンツ力は、電流Iと、外部から加えられる磁場と、の交叉による電磁力である。前記第1のローレンツ力は溶湯Mの中心に向かう力となり、これにより溶湯M中に圧力勾配ができて、溶湯M中の不純物にアルキメデスの電磁力が作用して不純物は溶湯Mの周辺に移動する。前記第2のローレンツ力は、溶湯Mにそれを横向きに駆動する方向に加わる。つまり、溶湯M中を流れる電流Iと、磁場装置2からの磁場と、が交叉して、第2のローレンツ力が発生し、これが溶湯Mに加わる。
以下に上記金属製品製造装置100の原理をより詳細に説明する。
今、図6から分かるように、容器1内に非鉄金属又は鉄金属の溶湯Mを収納し、この状態で、上方の電極8から溶湯Mを介して下方の電極9に図9中下向きに電流Iを流したとする。この時の電流Iの密度分布は図9に側面図が、図10に平面図が、概略的に示される。この電流分布は、本発明者が長期に渡り本発明の技術分野の技術を扱ってきた経験に基づいて得た知得から得られるものである。且つ、この電流分布が技術的に正しいのは、本発明によれば上述のように図24乃至図26に示される製品が得られたという事実に裏付けされる。このように、溶湯M中においては、電極8,9近傍が電流密度が高く、電極8,9から離た位置においては電流密度は低くなる。なお、これらの図9、図10においては、視覚的に把握容易とするため、溶湯Mを介して、一対の電極8,9間に流れる電流Iを、複数の単位電流Iuの集まりとして擬制して粗密状態で図示している。
而して、各単位電流Iuの回りには、ビオサバールの法則に沿った大きさの磁界(磁場)がそれぞれ発生する。これにより、ある単位電流Iuによってできた磁界と別の単位電流Iuが交叉することになる。例えば、図10において、ある単位電流Iu(1)によってできた磁界と、別の単位電流Iu(2)とが、交叉する。これは全ての単位電流Iuについて普遍的に言えることである。このような交叉によって、追って詳しく述べるように、図12に示すローレンツ力f(第1のローレンツ力)が発生する。
なお、別の見方をすれば、各単位電流Iuの全ての磁界が合成されて、図11に示すように、磁力線MLを有する合成磁場が生成される。図11からも分かるように、この合成磁場における磁界の向きは上方から見て右回りのものとなる。この磁場の密度は、上方から見て図11に示すように、中心部が高密度で、周辺にいくほど低密度となる。前述のように、この磁場は、前記電流I(各単位電流Iu)と交叉する。この交叉により、ベースとしての非鉄金属又は電流密度金属の溶湯Mに、図12に示すように、それぞれ中心に向かうローレンツ力f(第1のローレンツ力)が発生する。このローレンツ力は非鉄金属又はその他の金属を中心部に押し込もうとする力となる。つまり、非鉄金属の溶湯M又はその他の金属の溶湯Mに、中心側が高く、周囲側の低い、圧力勾配が生じる。この圧力勾配の一例が図13に示される。図13から分かるように、圧力Pは中央Cが周辺Pより高いものとなる。この圧力勾配によって、非鉄金属又はその他の金属の溶湯中に含まれる不純物は周囲に押しやられる。その結果、不純物は図14に示されるように周辺部分PPに移動し、集積した状態となり、内側部分IPは不純物の濃度は著しく低下して高純度の非鉄金属やその他の金属となる。ここで、周辺部分PPの不純物濃度の高い非鉄金属やその他の金属を所望の方法で除去すれば、高純度の非鉄金属の製品やその他の金属の製品が得られる。
なお、以上の説明では、図9において、図中、電流Iが上方から下方に向けて流す場合を想定したが、逆に、図15に示すように、電流Iを下方から上方へ流すこともできる。
この場合も、前記の場合と同様に、圧力勾配は中心側が高く、周囲が低いものとなる。よって、不純物は図14と同様に製品の周辺部分に集まることとなる。なお、図16-図18は図10-図12に対応する説明図である。
また、一対の電極8,9間に交流電流を流すこともできる。この場合には、上述したところから分かるように、不純物に加わるアルキメデスの電磁力は、いずれかの方向に直流電流を流した場合と変わりがなく、不純物はアルキメデスの電磁力によって製品の周辺部分に集まることとなる。
また、一対の電極8,9間に電流Iを流せば、その電流Iは、磁場装置2からの磁場と交叉する。これにより、前記第2のローレンツ力が発生する。
即ち、図19及び図20を参照するに、今図19のように、図中下向きに電流Iを流したとする。これにより、電流Iと、磁場装置2からの磁力線MLとが交叉し、第2のローレンツ力(F11,F21)(図20)が発生する。また、図19中で下から上に電流Iが流したとする。この場合も、上から下に流れた場合と同様に、第2のローレンツ力(F12,F22)が発生するが、その向きは逆となる。また、電流Iとして、交流電流を流した場合には、電流Iと磁場装置2からの磁場との交叉によるローレンツ力(第2のローレンツ力)は、交流電流の周期に応じて反転することになる。つまり、図20に示すような向きのローレンツ力(第2のローレンツ力)F11,F22と、図21に示すような向きのローレンツ力(第2のローレンツ力)12,F22と、が交互に溶湯Mに加わることになる。
このことを図19―図21を参照しながらより詳細に説明する。図19において、電流Iが図中下向きに流れた場合を考える。この場合において、磁力線MLは、図19に示すように、図中右から左へ向かっている。これにより、電流I(各単位電流Iu)と磁力線MLとが交叉して、図20に示すように、電磁力(第2のローレンツ力)F11,F21が生じる。また、電流Iとして、図19で下から上へ向かう電流を加えた場合は、図21に示すように、電磁力(第2のローレンツ力)F12,F22が生じる。よって、電流Iとして交流電流(例えば、1-10Hz等)を加えた場合は、溶湯には、加えた電流Iの周期に従って交互に反対方向に向かう電磁力F11,F21、電磁力F11,F21が加わる。これにより、溶湯Mは小刻みな振動をすることになる。この小刻みな振動が溶湯Mに加わることにより、冷却により溶湯が液相状態から固相状態へ変化する過程において、不純物がアルキメデスの電磁力によって図14のように製品の周辺部分PPに集積するのを促進でき、最終的に図14のような製品Pが得られる。
この製品Pにおいて、所望の手法により周辺部分PPの不純物IMを除去すれば、高精度の金属製品が得られる。前述のように、この不純物の除去作業は、不純物が製品Pの周囲に集積しており視覚的に把握容易であるため、容易確実に行うことができ、より高精度の非鉄金属やその他の金属の製品Pを確実に得ることができる。
以上の説明から分かるように、本発明の金属製品製造装置100としては、各種の構成及び使用態様を採ることができる。例えば、下記のような態様を採ることができる。
(a)図1において、永久磁石製の磁場装置2を取り外し、或いは電磁石製の磁場装置2を非稼働状態とし、この状態で、一対の電極8,9間に電流Iとして、直流電流或いは交流電流を流す。
(b)図1において、永久磁石製の磁場装置2を設置しておき、或いは電磁石製の磁場装置2を稼働状態とし、この状態で、一対の電極8,9間に電流Iとして、直流電流あるいは交流電流を流す。上述したところからも分かるように、交流電流を流した場合には、図20と図21のように、溶湯Mに加わる電磁力が短周期で反対方向に切り替わり、溶湯Mが振動させられた同様の状態となることから、アルキメデスの電磁力による不純物の分離効果がより大きなものとして得られる。なお、この場合において、実際の装置にもよるが、交流電流を流した時に、不純物IMの製品Pの周辺部分PPへの集積の効果が弱いことが確認されるに至った際には、磁場装置2を取り外しあるいは非稼働状態とすることもできる。これは以下の理由による。交流電流により生じる磁場は、N,S方向が変わる。一方外部磁場は静磁場である。よって、静磁場と外部磁場とが相殺し合うことになる。よって、交流電流を流す場合は外部磁場は外すのが良い。また、追って説明する本発明者が行った実験では、磁場装置2による磁場を掛けた状態で、直流電流を流した。
次に、上記した装置100を用いた本発明の実施形態について説明する。ここでは、磁場装置2を稼働状態とし且つ直流電流を流す場合について説明する。
先ず、図1において、金属製品製造装置100から容器1を取り外し、図1Aの状態とする。次いで、取り外した容器1において、図8に示すように、上側のエンドプレート6を取り外して、容器1中に、原料としての固体の、不純物を含む非鉄金属又はその他の金属を収納する。次いで、上側のエンドプレート6を容器本体5に密閉状態に取り付ける。
前記原料としては、例えば、スクラップ等から選別した、不純物を含んだ非鉄金属又はその他の金属を用いることができる。また、前記原料の量は、追って溶解して溶湯となったときに、一対の電極8,9と電気的に導通する量を選定する。
次いで、容器1を電気炉等の加熱炉(図示せず)に入れて加熱し、容器1中の前記原料つまり非鉄金属又はその他の金属を溶解して溶湯Mとする。
この後、溶解炉から容器1を取り出し、それを図1のように装置100に組み込む。これにより、容器1中の溶湯Mには、一対の電極8,9によって電流Iを流し得ると共に、磁場装置2によって前記溶湯Mに磁場を掛け得る状態となる。
この後、例えば上記(a)又は(b)のように本金属製品製造装置100において直流電流Iを流した状態で冷却する。
冷却後に容器1から固化した非鉄金属又はその他の金属の製品Pを取り出す。
このようにして得たビレット状の製品Pの端面は、例えば図14に示される。つまり、製品Pは、その周辺部分PPに不純物を多く含み、内側部分IPに不純物をほとんど含まないものとして得られる。この後、所望の手段により、製品Pの周辺部分PPを除去して、最終製品とする。
製品Pを量産するには金属製品製造装置100を複数設ければ良い。
また、磁場装置2として電磁石によるものを用いて、図19において、所定の周期(1Hz-10Hz等)で、磁極を切り替えて、図19のように、磁力線MLが右から左へ走る状態と、左から右へ走る状態と、を切り替えるようにすることもできる。この場合には、電流Iとして直流電流を流せばよい。
なお、以上に説明した本発明の実施形態では、容器1を円筒状のものとして製品Pとしてビレットを得る場合を例示したが、容器1を角筒状のものとして製品Pとしてスラブを得るようにすることもできる。
(実施例)
次に、本発明者が実際に行った実施例について説明する。
容器本体5としてムライト管で作ったものを用いた。この中に、原料としての不純物を含む非鉄金属としてAl-10mass%FeのΦ18mm×長さ50mmを収納した。一対の電極8,9は黒鉛電極を用いた。
これを電気炉に入れて原料を溶解した。
溶解した約1000℃の溶湯を含む容器1を金属製品製造装置100に組み込み、磁場装置2により磁場(0.54T)を掛け、一対の電極8,9間に電流Iとして各種の値の直流電流を流しながら冷却した。電流Iの値としては、20A-100Aの範囲から適宜選択した。なお、この際加える電圧は、電流が所期の値となるように調整すればよい。
これにより得られた製品P(試作品)を次のようにして検証した。即ち、得られた製品Pの端面を周知の手段で粗研磨し、次いでバフ研磨した。この端面のマクロ組織の観察と光学顕微鏡による組織観察を行った。この際得たマクロ組織のカラー写真に基づいて図22-図26を得た。これらの図22-図26は、不純物のうち特にアルミニウムにおいて品質の低下をもたらす不純物としてのAl3Feを選択的に表したものである。図22―図26に、それぞれ、流した電流値及び製品の寸法を付記してある。
これらの結果から分かるように、製品Pの周辺部分PPに不純物AlFeを集積させることができた。また上述の本実験の条件においては、100A以下の電流を流した際のほうが、AlFeがより周辺部分PPに集積することが分かった。これを考察するに、電流が大きいと、電磁力F11,F21,F12,F22が大きすぎて、ベース中でAlFeの分散が起きたと推測される。このことから、磁場装置2の磁場の強さ、及び、電流の大きさ、の値に最適値が存在すると思われる。この最適値は、各種のパラメータである、原料である非鉄金属又はその他の金属の種類(溶湯の種類)、各種寸法、温度、磁場の強さ、電流の値その他の値、に依るところがあると思われる。なお、本発明者が先に提案した発明(特許第5669504号及び第5431438号)では周囲に不純物が集積した製品は得ることができなかった。その理由は、溶湯がより強力に攪拌されて、アルキメデスの電磁力で周囲に集まろうとする不純物が溶湯中に分布してしまうことによると思われる。なお、上述の実施例からわかるように、電流密度は10-40A/cmくらいに設定されるのが良い。よって、製品Pの径に応じて流す電流量は変えればよい。

Claims (11)

  1. 導電性を有する金属の溶湯を収納する容器を備えた金属製品製造装置であって、
    前記容器は、
    筒状の容器本体部と、
    耐圧性をもって前記容器本体部の両端を密閉状態に塞ぐ上側エンドプレート及び下側エンドプレートと、
    前記上側エンドプレートに、貫通した状態に固定され、内側端が前記溶湯と電気的に接続可能な、上側電極と、
    前記下側エンドプレートに、貫通した状態に固定され、内側端が前記溶湯と電気的に接続可能な、下側電極と、
    を備え、
    少なくとも、前記上側エンドプレートは、前記容器本体部に対して着脱可能に構成されており、
    前記上側電極は、前記上側エンドプレートのほぼ中央部分に、前記上側エンドプレートを厚さ方向に貫通した状態で、固定されており、
    前記下側電極は、前記下側エンドプレートのほぼ中央部分に、前記下側エンドプレートを厚さ方向に貫通した状態で、固定されており、
    前記上側電極と前記下側電極とは、上下方向にほぼ垂直な一直線上に位置している、
    ことを特徴とする金属製品製造装置。
  2. 前記上側電極及び前記下側電極は、それぞれ、前記上側エンドプレート及び前記下側エンドプレートに対して、着脱可能とされている、ことを特徴とする請求項1に記載の金属製品製造装置。
  3. 前記上側電極及び前記下側電極には、直流電流又は交流電流を流すことのできる電源装置が、接続及び切り離し可能とされている、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の金属製品製造装置。
  4. 磁場装置をさらに備え、前記磁場装置は、前記容器の外側における前記容器を挟んで向かい合う位置に配置された一対の磁石体を有し、前記磁石体の一方のN極と他方のS極とが前記容器を介して対向している、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載の金属製品製造装置。
  5. 導電性を有する金属の溶湯から金属製品を製造する金属製品製造方法であって、
    筒状の容器本体部と、
    耐圧性をもって前記容器本体部の両端を密閉状態に塞ぐ上側エンドプレート及び下側エンドプレートと、
    前記上側エンドプレートに、貫通した状態に固定され、内側端が前記溶湯と電気的に接続可能な、上側電極と、
    前記下側エンドプレートに、貫通した状態に固定され、内側端が前記溶湯と電気的に接続可能な、下側電極と、
    を備え、
    少なくとも、前記上側エンドプレートは、前記容器本体部に対して着脱可能に構成されており、
    前記上側電極は、前記上側エンドプレートのほぼ中央部分に、前記上側エンドプレートを厚さ方向に貫通した状態で、固定されており、
    前記下側電極は、前記下側エンドプレートのほぼ中央部分に、前記下側エンドプレートを厚さ方向に貫通した状態で、固定されており、
    前記上側電極と前記下側電極とは、上下方向に一直線上に位置している、
    容器を準備し、
    前記容器を前記上側エンドプレート及び前記下側エンドプレートで密閉した状態で、前記容器の内部に収納した導電性の金属を溶湯の状態とし、
    前記導電性の金属の溶湯に前記一対の電極の内側端を電気的に接続させ、
    この状態で、前記一対の電極間に電流を流す、
    ことを特徴とする金属製品製造方法。
  6. 前記一対の電極間に直流電流又は交流電流を流すことを特徴とする請求項5に記載の金属製品製造方法。
  7. 前記交流電流として、1Hz乃至10Hzの交流電流を加えることを特徴とする請求項6に記載の金属製品製造方法。
  8. 磁場装置を準備し、前記磁場装置を、前記容器の外側における前記容器を挟んで向かい合う位置に配置された一対の磁石体を有し、一方の前記磁石体のN極と他方の前記磁石体のS極とが前記容器を介して対向している、ものとして構成し、前記一方の前記磁石体及び前記他方の前記磁石体により、前記容器中の金属の溶湯に、横向きに一方向に向かう磁場を掛け、この状態で、前記一対の電極間に電流を流す、ことを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1つに記載の金属製品製造方法。
  9. 前記磁場装置として、永久磁石により構成したものを用いることを特徴とする請求項8に記載の金属製品製造方法。
  10. 前記磁場装置として、電磁石により構成したものを用い、前記一対の磁石体の極性を1Hz乃至10Hzの範囲内で切り替える、ことを特徴とする請求項8に記載の金属製品製造方法。
  11. 前記電流として60A乃至100Aを加えることを特徴とする請求項5乃至10のいずれか1つに記載の金属製品製造方法。
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