JP7098429B2 - スロットマシン - Google Patents

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本発明は、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、可変表示部を変動表示した後、可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンに関する。
スロットマシンは、一般に、外周部に識別情報としての複数種類の図柄が描かれた複数(通常は3つ)のリールを有する可変表示装置を備えており、各リールは、遊技者がスタートスイッチを操作することにより回転を開始し、また、遊技者が各リールに対応して設けられた停止ボタンを操作することにより、その操作タイミングから予め定められた最大遅延時間の範囲内で回転を停止する。そして、全てのリールの回転を停止したときに導出された表示結果に従って入賞が発生する。
入賞となる役の種類としては、小役、特別役、再遊技役といった種類がある。ここで、小役の入賞では、小役の種類毎に定められた数のメダルが払い出されるという利益を遊技者が得ることができる。特別役の入賞では、次のゲームからレギュラーボーナスやビッグボーナスといった遊技者にとって有利な遊技状態へ移行されるという利益を遊技者が得ることができる。再遊技役の入賞では、賭数の設定に新たなメダルを消費することなく次のゲームを行うことができるという利益を得ることができる。
このようなスロットマシンとして、ATでの差枚数が特定枚数に到達し得るゲームにおいて複合ベルが当選したときに、複合ベルが入賞したときに払い出されるメダルの枚数を差枚数に反映し、ATでの差枚数が特定枚数に到達したものとしてATを終了させるスロットマシンが知られている(例えば、特許文献1)。また、ベルに対応して「黄ナビ」、リプレイに対応して「青ナビ」の演出を実行するスロットマシンが知られている(例えば、特許文献2)。
特開2015-177933号公報[例えば、0252~0259、図12] 特開2009-125267号公報[例えば、0092]
ところで、特許文献1および2のスロットマシンを組み合わせて、AT中に複合ベルに当選したときには「黄ナビ」の演出を行うように構成することが考えられる。しかし、ATでの差枚数が特定枚数に到達し得るゲームにおいて複合ベルが当選したときに、当選した複合ベルに対して「黄ナビ」の演出を実行してしまうと、複合ベルの当選によりATが終了することを「黄ナビ」の演出により遊技者に報知することになってしまい、遊技の興趣に欠けるという問題がある。
本発明は、このような問題点に着目してなされたものであり、遊技の興趣を向上させることができるスロットマシンを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のスロットマシンは、
各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンにおいて、
導出を許容する表示結果を決定する事前決定手段(例えば、内部抽選)と、
前記可変表示部の表示結果を導出させる際に操作される導出操作手段(例えば、ストップスイッチ8L、8C、8Rと、
前記導出操作手段の操作態様を示唆する示唆手段(例えば、液晶表示器51)と、
特定状態に制御可能な状態制御手段(例えば、メイン制御部)とを備え、
前記状態制御手段は、特定ゲームにおいて前記事前決定手段の決定結果が所定決定結果になったときに特定状態の制御を終了し、特定ゲームにおいて前記事前決定手段の決定結果が特定決定結果(例えば、押し順リプレイ)になったときに特定状態の制御を終了せず、
前記示唆手段は、前記操作態様として特定操作態様を示唆することが可能であって、
前記示唆手段は、前記特定操作態様を第1態様(例えば、黄色のナビ画像)で示唆することが可能であり(例えば、図8に示す部分)、
前記示唆手段は、前記特定操作態様を第2態様(例えば、白色のナビ画像)で示唆することが可能であり(例えば、図8に示す部分)、
特定状態のゲームにおいて前記事前決定手段の決定結果が所定決定結果(例えば、押し順ベル)になったときは前記特定操作態様を第1態様で示唆することが可能であり(例えば、図8に示す部分)、
特定状態のゲームにおいて前記事前決定手段の決定結果が所定決定結果になったときは前記特定操作態様を第2態様で示唆することが可能であり(例えば、図8に示す部分)、
特定状態のゲームにおいて前記事前決定手段の決定結果が特定決定結果(例えば、押し順リプレイ)になったときは前記特定操作態様を第2態様で示唆することが可能であり(例えば、図8に示す部分)、
特定状態のゲームにおいて前記事前決定手段の決定結果が特定決定結果になったときは前記特定操作態様を第1態様で示唆することがなく(例えば、図8に示す部分)、
特定状態の特定ゲーム以外のゲームにおいて前記事前決定手段の決定結果が所定決定結果になったときは、第2態様で前記特定操作態様を示唆する割合よりも第1態様で前記特定情報を示唆する割合のほうが高く(例えば、図8に示す部分)、
前記示唆手段は、前記特定ゲームにおいて前記事前決定手段の決定結果が所定決定結果になったときは、前記特定操作態様を第1態様で示唆せず第2態様で示唆し(例えば、図7のSb4の処理を行う部分、図8、図12に示す部分)、
演出態様を制御する演出態様制御手段(例えば、サブ制御部)をさらに備え、
前記演出態様制御手段は、特定状態のゲームにおいて第1制御を実行可能であり(例えば、図9に示す部分、図11に示す部分)、
前記演出態様制御手段は、特定状態のゲームにおいて第2制御を実行可能であり(例えば、図9に示す部分、図11に示す部分)、
第1制御は特典が付与されていないときの制御であり(例えば、図9に示す部分)、
第2制御は特典が付与されているときの制御であり(例えば、図9に示す部分)、
前記特定ゲームでは第1制御で選択される割合の高い演出態様が選択されやすい(例えば、図11に示す部分)。
この構成によれば、特定ゲームで決定されると特定状態が終了する所定決定結果に決定されても特定決定結果に決定されたときにも示唆され得る第2態様を示唆することにより、遊技者は示唆された操作態様のみでは特定状態が終了するか否かを判別できないので、特定状態が終了するか否かに対する緊張感が高まり、遊技の興趣を向上させることができる。また、特定ゲームでは第1制御で選択される割合の高い演出態様が選択されやすいので、特定ゲームであるにも関わらず、過度に遊技者を期待させることを防止できる。
第1制御における演出態様には第1態様と第2態様が含まれ(例えば、図9に示す部分)、
第1態様よりも第2態様のほうが遊技者にとって有利度が高い態様であり、
第2制御における演出態様には第3態様と第4態様が含まれ(例えば、図9に示す部分)、
第3態様よりも第4態様のほうが遊技者にとって有利度が高い態様であり、
各態様の遊技者にとっての有利度は、第4態様が最も高く、第4態様に次いで第3態様が高く、第3態様に次いで第2態様が高く、第1態様が最も低くなっており、
第1制御では第1態様のほうが第2態様よりも選択される割合が高く(例えば、図9に示す部分)、
第2制御では第3態様のほうが第4態様よりも選択される割合が高い(例えば、図9に示す部分)。
この構成によれば、特定ゲームでは第1制御で選択される割合の高い演出態様が選択されやすいので、特定ゲームであるにも関わらず、過度に遊技者を期待させることを防止できる。
特定ゲームでは第1制御および第2制御とは異なる特定制御で演出態様が選択され(例えば、図9に示す部分、図11に示す部分)、
特定制御における演出態様には第1態様を含む複数の演出態様(例えば、第1態様、第5態様)が含まれており(例えば、図9に示す部分)、
複数の演出態様のうち第1態様が選択される割合が最も高い。
この構成によれば、特定ゲームで特定制御を実行することによって、特定ゲームで好適に演出を実行することができる。
特定ゲームでは第1制御で演出態様が選択される。
この構成によれば、特定ゲームのみで用いる新たな演出態様を用意しなくてもよいため、制御負担が生じることを防止できる。
本発明が適用された実施例のスロットマシンの正面図である。 リールの図柄配列を示す図である。 遊技状態の遷移を説明するための図である。 複数の小役当選時のリール制御を説明するための図である。 複数の再遊技役当選時のリール制御を説明するための図である。 タイマ割込処理(サブ)のフローチャートである。 ナビ色決定処理のフローチャートである。 ナビ色決定抽選でのナビ色の決定割合を示す説明図である。 AT中の演出態様の制御についての説明図である。 演出態様選択処理のフローチャートである。 演出態様選択抽選での演出態様の選択割合を示す説明図である。 ATの最終ゲームで押し順ベルと押し順リプレイの共通色のナビを行う具体例を示す説明図である。 第1制御および第2制御における演出態様の具体例である。 特定制御における演出態様の具体例である。
[スロットマシンの構成について]
本発明が適用されたスロットマシンの実施例について図面を用いて説明すると、本実施例のスロットマシン1は、図1に示すように、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bと、から構成されている。
本実施例のスロットマシン1の筐体1aの内部には、図2に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
リール2L、2C、2Rの外周部には、図3に示すように、それぞれ「赤7」、「青7」、「白7」、「BAR」、「スイカ」、「チェリーa」、「チェリーb」、「ベル」、「リプレイa」、「リプレイb」、「プラム」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、前面扉1bの略中央に設けられた透視窓3において各々上中下三段に表示される。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられたリールモータによって回転されることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示される一方で、各リール2L、2C、2Rの回転が停止されることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
前面扉1bの各リール2L、2C、2Rの手前側(遊技者側)の位置には、液晶表示器51(図1参照)の表示領域51aが配置されている。液晶表示器51は、液晶素子に対して電圧が印加されていない状態で透過性を有する液晶パネルを有しており、表示領域51aの透視窓3に対応する透過領域51b及び透視窓3を介して遊技者側から各リール2L、2C、2Rが視認できるようになっている。
前面扉1bには、図1に示すように、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダル及び賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジット及び賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、演出に用いられる演出用スイッチ56が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
尚、本実施例では、回転を開始した3つのリール2L、2C、2Rのうち、最初に停止するリールを第1停止リールと称し、また、その停止を第1停止と称する。同様に、2番目に停止するリールを第2停止リールと称し、また、その停止を第2停止と称し、3番目に停止するリールを第3停止リールと称し、また、その停止を第3停止あるいは最終停止と称する。
また、前面扉1bには、図1に示すように、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード、後述のナビ報知によるリールの停止順を識別可能な情報等が表示される遊技補助表示器12、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、リプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられた遊技用表示部13が設けられている。
本実施例のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すれば良い。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインLN(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。尚、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために設定されるラインである。本実施例では、図1に示すように、リール2Lの中段、リール2Cの中段、リール2Rの中段、すなわち中段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインLNのみが入賞ラインとして定められている。尚、本実施例では、1本の入賞ラインのみを適用しているが、複数の入賞ラインを適用しても良い。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、入賞ライン上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役ともいう)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施例では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払い出されるようになっている。また、入賞ライン上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組合せが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組合せに応じた遊技状態に移行するようになっている。
尚、本実施例では、スタートスイッチ7の操作が有効な状態でスタートスイッチ7の操作が検出されたときにゲームが開始し、全てのリールが停止したときにゲームが終了する。また、ゲームを実行するための1単位の制御(ゲーム制御)は、前回のゲームの終了に伴う全ての制御が完了したときに開始し、当該ゲームの終了に伴う全ての制御が完了したときに終了する。
また、本実施例におけるスロットマシン1にあっては、ゲームが開始されて各リール2L、2C、2Rが回転して図柄の変動が開始した後、いずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリールの回転が停止して図柄が停止表示される。
以下では、特に区別する必要がない場合にはリール2L、2C、2Rを単にリールという場合がある。また、リール2Lを左リール、リール2Cを中リール、リール2Rを右リールという場合がある。また、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作によりリール2L、2C、2Rを停止させる操作を停止操作という場合がある。
スロットマシン1には、遊技制御基板や演出制御基板、電源基板などの各種基板が設けられている。遊技制御基板は、遊技の進行に関する処理を行うととともに遊技制御基板に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御するメイン制御部を備えている。メイン制御部は、1チップマイクロコンピュータであり、CPU、ROM、RAMなどを備えている。演出制御基板は、サブCPU、ROM、RAM、I/Oポートを備えたマイクロコンピュータにより構成されて演出の制御を行うサブ制御部を備えている。メイン制御部は、パラレル出力ポートを介してサブ制御部に各種のコマンドを送信する。メイン制御部からサブ制御部へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、サブ制御部からメイン制御部へ向けてコマンドが送られることはない。
サブ制御部は、遊技制御基板から送信されるコマンドを受けて、ROMに記憶されている演出制御用のプログラム等に従って演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。なお、サブ制御部は、メイン制御部と同様に、割込機能を備えており、メイン制御部からのコマンド受信時に割込を発生させて、メイン制御部から送信されたコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、サブ制御部は、システムクロックの入力数が一定数に到達する毎、すなわち一定時間間隔(約2ms)毎に割込を発生させて後述するタイマ割込処理(サブ)を実行する。
[設定値について]
本実施例のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、後述する内部抽選等の遊技者に対する有利度に影響する抽選において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1~6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。設定値の選択操作および確定操作が行われると、メイン制御部は確定した設定値をRAMに書き込み、設定値を記憶させる。
[入賞役、抽選役、ATについて]
本実施例のスロットマシン1は、入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、遊技者にとって有利な遊技状態への移行を伴う特別役と、がある。以下では、小役と再遊技役をまとめて一般役とも呼ぶ。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、後述する内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがメイン制御部のRAMに設定されている必要がある。尚、これら各役の当選フラグのうち、小役及び再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となるが、特別役の当選フラグは、当該フラグにより許容された役の組合せが揃うまで有効とされ、許容された役の組合せが揃ったゲームにおいて無効となる。すなわち特別役の当選フラグが一度当選すると、例え、当該フラグにより許容された役の組合せを揃えることができなかった場合にも、その当選フラグは無効とされずに、次のゲームへ持ち越されることとなる。
内部抽選は、メイン制御部が、上記した各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール2L、2C、2Rの表示結果が導出される以前(具体的には、スタートスイッチ7の検出時)に決定するものである。すなわち、導出を許容する表示結果を決定するものである。そして、内部抽選の結果を示す当選番号をメイン制御部のRAMに設定する。当選番号は、内部当選フラグの設定、ナビ報知、コマンド作成、リール2L、2C、2Rの停止制御等に用いられる。
また、内部抽選では、ATに制御されていない状態においてATに制御するか否かが決定されるとともに、ATに制御されている状態において後述する差枚数を上乗せするか否かが決定される。内部抽選でATが当選した場合には、その後ATに制御され、差枚数の上乗せが当選した場合には、当選した差枚数がATの残り差枚数に加算されることとなる。
本実施例におけるスロットマシン1では、メイン制御部により、内部抽選結果に応じて遊技者にとって有利となる停止順を遊技補助表示器12の点灯態様により報知するナビ報知を実行可能な報知期間となるアシストタイム(以下、ATという)に制御可能となっている。すなわち、ATに制御されていない状態においてATに制御するか否かが内部抽選により決定される。本実施形態のATは差枚数管理型である。差枚数管理型のATでは、まず、初期値としてAT終了までの差枚数が初期値(例えば、50枚、100枚、300枚のいずれかから選択)として設定される。そして、所定の抽選役(本実施形態では、押し順ベル)に当選したときに、設定された差枚数から所定枚数(本実施形態では9枚)が差し引かれる。そして、差枚数が0になるとATは終了する。換言すると、所定の抽選役に当選したときに所定枚数を加算していき、所定の抽選役に当選すると合計枚数が所定枚数になり得るゲームで所定の抽選役に当選し、合計枚数が差枚数を超えたときにATは終了する。また、この差枚数はAT中の内部抽選の結果に応じて上乗せ(加算)されることがある。以下、AT終了までの差枚数を、残り差枚数、差枚数と称することもある。また、差枚数が上乗せされることを、上乗せされる、上乗せが発生すると称することもある。
メイン制御部は、ATに制御している場合には、遊技状態に応じたナビ対象役に当選することにより、ナビ報知を実行して、当選したナビ報知役の当選番号に基づいて遊技者にとって有利となる停止順を報知するとともに、当該当選番号に基づいて遊技者にとって有利となる停止順を特定可能な押し順コマンドをサブ制御部に対して送信することで、液晶表示器51等を用いたナビ演出を実行させる。
スロットマシン1では、入賞役のうち特別役には、ビッグボーナス(以下、ビッグボーナスをBBと称する)、レギュラーボーナス(以下、レギュラーボーナスをRBと称する)の2種類のボーナスが含まれる。BBに入賞すると、後述のレギュラーボーナス(以下、RBと称する)に毎ゲーム制御されるビッグボーナスに移行する。そして、ビッグボーナスは、316枚以上メダルが払い出されたことを条件として終了する。RBに入賞すると、レギュラーボーナス(以下、RBと称する)に移行される。そして、RBは、いずれかの役が6回入賞するか、12ゲーム消化したことを条件として終了する。
入賞役のうち小役には、上段ベル、中段ベル、右下がりベル、中段スイカ、中段チェリーが含まれる。
上段ベルが入賞したときには1枚のメダルが払い出される。中段ベルまたは右下がりベルが入賞したときには9枚のメダルが払い出される。また、中段スイカが入賞したときには5枚のメダルが払い出される。また、中段チェリーが入賞したときには1枚のメダルが払い出される。
入賞役のうち再遊技役には、中段リプレイ、昇格リプレイ、転落リプレイが含まれる。これら再遊技役が入賞したときにはリプレイゲーム(再遊技)が付与される。
図3に示すように、RT0、RT2、RT3において図4に示す移行出目が入賞ラインLNに揃うとRT1に移行する。本実施例では、後述する左ベル1~4、中ベル1~4、右ベル1~4が当選し、中段ベルの入賞条件となるリール以外を第1、第2停止とし、かつ当選している上段ベルを取りこぼした場合に、移行出目が入賞ラインLNに揃う。
次に、遊技状態毎に抽選対象役(AT含む)として読み出される抽選対象役の組合せについて説明する。本実施例では、特別役については、遊技状態が、特別役が持ち越されていない通常遊技状態か、特別役が持ち越されている持越中か、RB(BB中のRB含む)か、によって内部抽選の対象となる役またはその当選確率の少なくとも一方が異なり、小役については、遊技状態が、通常遊技状態か、持越中か、BB中のRBか、RB入賞によるRBか、によって内部抽選の対象となる役またはその当選確率の少なくとも一方が異なり、再遊技役については、通常遊技状態のうちRT1であるか、RT2であるか、RT3(持越中)であるか、によって内部抽選の対象となる役またはその当選確率の少なくとも一方が異なる。
尚、抽選対象役として後述するように、複数の入賞役が同時に読出されて、重複して当選し得る。入賞役の間に“+”を表記することにより、内部抽選において同時に抽選対象役として読み出されることを示す。
遊技状態が通常遊技状態であるときは、AT中または非AT中のいずれであるときにも、特別役として、BB、RBが内部抽選の対象となる。持越中やRB(BB中のRB含む)では、特別役は内部抽選の対象とならない。
遊技状態が通常遊技状態であり、かつ非ATであるときには、小役または小役+ATとして、左ベル1、左ベル2、左ベル3、左ベル4、中ベル1、中ベル2、中ベル3、中ベル4、右ベル1、右ベル2、右ベル3、右ベル4、チェリー、チェリー+AT、スイカ、スイカ+AT、共通ベルが内部抽選の対象となる。遊技状態が持越中であり、かつ非ATであるときには、小役または小役+ATとして、左ベル1、左ベル2、左ベル3、左ベル4、中ベル1、中ベル2、中ベル3、中ベル4、右ベル1、右ベル2、右ベル3、右ベル4、チェリー、スイカ、共通ベルが内部抽選の対象となる。遊技状態がRB(BB中のRB含む)であり、かつ非ATであるときには、小役または小役+ATとして、チェリー、スイカ、共通ベルが内部抽選の対象となる。これら抽選対象役のうち共通ベル以外の判定値に設定差はなく、共通ベルについては判定値に設定差が設けられている。
遊技状態が通常遊技状態であり、かつAT中であるときには、小役または小役+上乗せとして、左ベル1、左ベル2、左ベル3、左ベル4、中ベル1、中ベル2、中ベル3、中ベル4、右ベル1、右ベル2、右ベル3、右ベル4、チェリー、チェリー+差枚数上乗せ100枚、スイカ、スイカ+差枚数上乗せ50枚、共通ベルが内部抽選の対象となる。遊技状態が持越中であり、かつAT中であるときには、小役または小役+ATとして、左ベル1、左ベル2、左ベル3、左ベル4、中ベル1、中ベル2、中ベル3、中ベル4、右ベル1、右ベル2、右ベル3、右ベル4、チェリー、チェリー+差枚数上乗せ100枚、スイカ、スイカ+差枚数上乗せ50枚、共通ベルが内部抽選の対象となる。遊技状態がRB(BB中のRB含む)であり、かつAT中であるときには、小役または小役+上乗せとして、チェリー、スイカ、共通ベルが内部抽選の対象となる。が内部抽選の対象となる。これら抽選対象役のうち共通ベル以外の判定値に設定差はなく、共通ベルについては判定値に設定差が設けられている。
なお、いずれの状態においても小役の当選確率は、チェリーの当選確率が最も低く、次にスイカの当選確率が低くなっており、ベルの当選確率が最も高くなっている。以下、チェリーやスイカを総称してレア役と称することがある。
遊技状態が通常遊技状態のうちRT0であるときには、再遊技役として、通常リプレイ、リプレイGR11、リプレイGR12、リプレイGR13が内部抽選の対象となる。遊技状態が通常遊技状態のうちRT1であるときには、再遊技役として、通常リプレイ、リプレイGR1、リプレイGR2、リプレイGR3、リプレイGR4、リプレイGR5、リプレイGR6が内部抽選の対象となる。遊技状態が通常遊技状態のうちRT2であるとき、RT3(持越中)であるときには、再遊技役として通常リプレイが内部抽選の対象となる。これら抽選対象役のうち通常リプレイ以外の判定値に設定差はなく、通常リプレイについては判定値に設定差が設けられている。
以下、特に区別する必要のない場合には、左ベル1~4を単に左ベルと呼び、中ベル1~4を単に中ベルと呼び、右ベル1~4を単に右ベルと呼ぶ場合がある。また、左ベル1~4、中ベル1~4、右ベル1~4をいずれも区別する必要のない場合には、単に押し順ベルと呼ぶ場合がある。また、以下、リプレイGR1~6、リプレイGR11~13をいずれも区別する必要のない場合には、単に押し順リプレイと呼ぶ場合がある。
本実施例では、BBが当選している場合にはBBの組合せ、RBが当選している場合にはRBの組合せが入賞ラインLNに停止可能となる。
また、チェリー、チェリー+AT、チェリー+差枚数上乗せ100枚のいずれかが当選している場合には、中段チェリーの組合せが入賞ラインLNに停止可能となる。また、スイカ、スイカ+AT、スイカ+差枚数上乗せ50枚のいずれかが当選している場合には、中段スイカの組合せが入賞ラインLNに停止可能となる。
また、押し順ベルが当選している場合には、図4に示すように、押し順ベルの種類及び停止順に応じて停止する図柄の組合せが異なる。例えば、左ベル1が当選し、左中右とする停止順で停止操作を行った場合には、中段ベルの組合せが入賞ラインLNに停止し、それ以外の停止順で停止操作を行った場合には、上段ベルの組合せまたは移行出目のいずれかが入賞ラインLNに停止する。左ベル2~4、中ベル1~4、右ベル1~4についても、同様であり、図4に示すように、押し順ベルの種類及び停止順に応じて停止する図柄の組合せが異なる。
このため、押し順ベルの当選時には、押し順ベルの種類に応じた停止順で操作されたか否かによって払い出されるメダル数の期待値を変えることができる。また、特にRT0やRT2では、停止順が一致しない場合に移行出目が停止することから、停止順が一致しなければ一定の割合でRT1へ移行してしまうこととなる。なお、押し順ベルは押し順に応じて中段ベルまたは上段ベルが入賞し得るが、共通ベルは、押し順に関わらず右下がりベルの組合せが入賞ラインLNに停止する。右下がりベルとは入賞判定の対象とならない無効ラインLM3にベル図柄が揃うように入賞ラインLNに停止する図柄の組合せである。
本実施例では、リプレイGR1~6が当選している場合には、図5に示すように、その種類及び停止順に応じて停止する図柄の組合せが異なる。RT1においてリプレイGR1~6当選時には、その種類に応じた停止順で操作されることで昇格リプレイが入賞するが、その種類が分からなければ意図的にその種類に応じた停止順を選択することはできず、停止順が一致すれば、昇格リプレイを入賞させることによりRT0へ移行させることができるものの、停止順が一致しなければRT1が維持されることとなる。
本実施例では、リプレイGR11~13が当選している場合には、図5に示すように、その種類及び停止順に応じて停止する図柄の組合せが異なる。RT0においてリプレイGR11~13が当選した時には、その種類に応じた停止順で操作されることで中段リプレイが入賞するが、その種類が分からなければ意図的にその種類に応じた停止順を選択することはできず、操作された停止順が中段リプレイに対応する停止順と一致すれば、中段リプレイを入賞させることによりRT0を維持させることができるものの、中段リプレイに対応する停止順と一致しなければ転落リプレイが入賞してRT1へ移行してしまうことがある。なお、通常リプレイは、押し順に関わらず中段リプレイの組合せが入賞ラインLNに停止する。
本実施例では、図3に示すように、RT0~3、ボーナスのいずれかに制御される。RT0は、RT1において昇格リプレイの入賞により移行する。そして、RT0は、RT0に移行してからのゲーム数に関わらず、転落リプレイの入賞または移行出目の停止によりRT1に移行するか、特別役が当選してRT4に移行することで終了する。1ゲームあたりのメダルの払出率は、少なくともナビ報知に従った停止順で停止操作が行われることで100%を超える。RT1は、RT0、RT2において転落リプレイの入賞または移行出目の停止により移行する。そして、RT1は、RT1に移行してからのゲーム数に関わらず、昇格リプレイの入賞によりRT0に移行するか、特別役の当選によりRT4に移行することで終了する。1ゲームあたりのメダルの払出率はナビ報知に従った停止順で停止操作が行われたか否かに関わらず100%未満となる。RT2は、ボーナス(BB1~3、RB)の終了時に移行する。そして、RT2は、RT2に移行してからのゲーム数に関わらず、移行出目の停止によりRT1に移行するか、特別役の当選によりRT3に移行することで終了する。1ゲームあたりのメダルの払出率はナビ報知に従った停止順で停止操作が行われたか否かに関わらず100%未満となる。RT3は、RT0~3において特別役(BB、RB)の当選により移行する。そして、RT3は、RT3に移行してからのゲーム数に関わらず、RT3に移行する契機となった特別役が入賞してボーナス(BBまたはRB)に移行することで終了する。1ゲームあたりのメダルの払出率は、ナビ報知に従った停止順で停止操作が行われたか否かに関わらず100%未満となる。RBは、RT3においてRBの入賞により移行する。そして、RBは、12ゲームが消化されるか、6回入賞されることで終了する。1ゲームあたりのメダルの払出率は100%を超える。BBは、RT3においてBBの入賞により移行する。そして、BBは、BBに移行してからのゲーム数に関わらず、BB中に払い出されたメダルの総数が規定数(本実施例では、316枚)を超えることで終了する。1ゲームあたりのメダルの払出率は100%を超える。
RT0~3、RB、BBのうち、RB及びBBが1ゲームあたりのメダルの払出率がもっとも高く、最も有利な遊技状態である。また、RT0~3のうちRT0、3は、再遊技役の当選確率が高確率となり、1ゲームあたりのメダルの払出率がRT1、2に比較して高い点において、RT1、2よりも遊技者にとって有利な状態といえる。また、RT0、3のうちRT0は、1ゲームあたりのメダルの払出率がRT3に比較して高い点において、RT3よりも遊技者にとって有利な状態といえる。
また、本実施例におけるスロットマシンでは、遊技状態がRT0、1であるときに、メイン制御部により、内部抽選結果に応じて遊技者にとって有利となる停止順を報知するナビ報知を実行可能な報知期間となるアシストタイム(以下、ATという)に制御可能となっている。
メイン制御部は、ATに制御している場合には、遊技状態に応じた報知対象役に当選することにより、ナビ報知を実行するとともに、サブ制御部に対して内部当選コマンド、押し順コマンドを送信することで、サブ制御部によるナビ演出を実行させる。遊技状態に応じた報知対象役とは、RT1であるときにはリプレイGR1~6、押し順ベルであり、RT0であるときにはリプレイGR11~13、押し順ベルである。本実施例のナビ報知は、遊技補助表示器12の点灯態様を変化させることにより遊技者にとって有利な停止順を識別可能に報知する。
本実施例のナビ演出は、ナビ報知により報知された遊技者にとって有利な停止順を、液晶表示器51からのナビ画像の表示と、スピーカ53、54からのナビ音声の出力とによって報知する。例えば、左中右の停止順を報知する場合には、「123」(左リールが第1停止、中リールが第2停止、右リールが第3停止であることを示す)といったストップスイッチ8L、8C、8Rの停止順を示す停止順画像を表示する。また、ナビ音声として、例えば、「左中右!」(左リールが第1停止、中リールが第2停止、右リールが第3停止であることを示す)といったストップスイッチの停止順を示す音声を出力する。
ナビ報知及びナビ演出では、RT1においてリプレイGR1~6のいずれかが当選したときには、昇格リプレイが入賞する停止順を識別可能に報知する。また、RT0においてリプレイGR11~13のいずれかが当選したときには、中段リプレイが入賞する停止順を識別可能に報知する。また、RT1においてもRT0においても押し順ベルが当選したときには、中段ベルが入賞する停止順を識別可能に報知する。
このように、ナビ報知及びナビ演出では、遊技者にとって有利となる停止順が識別可能に報知される。このため、遊技者は、ナビ演出に従った停止順で停止操作を行うことにより、意図的にRT1において昇格リプレイを入賞させてRT0へ移行させること、中段ベルを入賞させることができ、RT0において中段リプレイを入賞させてRT0を維持すること、転落リプレイの入賞を回避すること、中段ベルを入賞させること、移行出目の停止を回避することができ、RT2において中段ベルを入賞させること、移行出目の停止を回避することができる。以下、ナビ報知及びナビ演出を総称してナビと称することがあり、ナビ報知及びナビ演出を行うことをナビを行うと称することがある。
本実施例においてメイン制御部は、内部抽選でATに制御するか否かを決定する。そして、メイン制御部は、内部抽選でATに当選した場合には、前兆期間を経てATに制御する。
メイン制御部は、ATに制御するときに、差枚数の初期値をRAMに設定し、ATにおいて差枚数を減算していく。具体的には、押し順ベルに当選したときに差枚数から9枚を減算する。なお、共通ベル、リプレイ、チェリーやスイカに当選したときは差枚数からの減算は行われない。また、上段ベル入賞時の払出し枚数は1枚であるが、押し順ベルに当選して上段ベルが入賞しても9枚が減算される。これは、上段ベルが入賞したときに1枚を減算するようにしてしまうと、意図的に上段ベルを入賞させて差枚数の減少を抑えながらATの期間を引き延ばし、差枚数の上乗せやボーナスの当選を待つことが可能になる。よって、そのような行為を防止し、ATの間延びを防止できるからである。また、ナビ報知などにしたがって中段ベルを入賞させた遊技者との間で不公平な結果が生じ、遊技が不公平になることを防止できるからである。
ATの制御を開始した後、RT0へ移行するまでの状態を準備状態とも呼ぶ。メイン制御部は、準備状態において、対象役の当選時にナビ報知を実行する。この際、RT1においては、リプレイGR1~6の当選時にナビ報知の対象となり、リプレイGR1~6の当選時に昇格リプレイを入賞させる停止順がナビ報知により報知されるので、報知された停止順に従って停止操作を行うことにより昇格リプレイを入賞させてRT1からRT0に移行させることが可能となる。また、準備状態に移行後は、押し順ベルの当選時に中段ベルを入賞させる停止順が報知されるので、報知された停止順に従って停止操作を行うことにより、確実に9枚のメダルを獲得することが可能となる。
メイン制御部は、RT1において昇格リプレイが入賞してRT0に移行することで準備状態を終了する。RT0に移行した後も、押し順ベルの当選時に中段ベルを入賞させる停止順が報知されるので、報知された停止順に従って停止操作を行うことにより、確実に9枚のメダルを獲得することが可能となるとともに、移行出目の停止を回避し、RT1へ移行してしまうことを回避できる。また、RT0に移行した後は、リプレイGR11~13の当選時に中段リプレイを入賞させる停止順が報知されるので、報知された停止順に従って停止操作を行うことにより、転落リプレイの入賞を回避し、RT1へ移行してしまうことを回避できる。
また、ATの開始後、差枚数が0となった場合には、ATの制御を終了する。これに伴いナビ報知が実行されなくなるので、押し順ベルの当選時に移行出目の停止を回避すること、リプレイGR11~13の当選時に転落リプレイの入賞を回避することが不可能となり、移行出目の停止または転落リプレイの入賞によりRT1に移行することで一連のATの制御が終了することとなる。また、ATの開始後、AT終了までの差枚数が0となる前に内部抽選にて差枚数の上乗せが当選した場合には、RAMにおいて当選した差枚数をAT終了までの残り差枚数に加算する。
また、ATの開始後、差枚数が0となる前に特別役が当選した場合にはRT0の終了によりATを中断し、これに伴いAT終了までの残り差枚数の計数も中断する。AT中に特別役が当選し、ATが中断した場合には、その後、当選した特別役の入賞を経て対応するボーナスに制御し、当該ボーナス終了後に移行するRT2において移行出目が停止してRT1に移行した時点でATの制御を再開することでAT終了までの残り差枚数の計数を再開する。
[タイマ割込処理(サブ)]
次に、サブ制御部が内部クロックのカウント値に基づいて1.12msの間隔で実行するタイマ割込処理(サブ)について説明する。
図6に示すように、タイマ割込処理(サブ)においては、サブ制御部は、まず、使用中のレジスタをスタック領域に退避する(Sp1)。次いで、停電判定処理を行う(Sp2)。停電判定処理では、電断検出回路から電圧低下信号が入力されているか否かを判定し、電圧低下信号が入力されていれば、前回の停電判定処理でも電圧低下信号が入力されていたか否かを判定し、前回の停電判定処理でも電圧低下信号が入力されていた場合には停電と判定し、その旨を示す電断フラグを設定する。
Sp2のステップにおける停電判定処理の後、電断フラグが設定されているか否かを判定し(Sp3)、電断フラグが設定されていた場合には電断処理(サブ)に移行する。電断処理(サブ)では起動処理(サブ)で用いるバックアップフラグをバックアップデータの作成後にセットしたり、チェックサムをバックアップデータの排他的論理和を算出して計算するなどの処理を実行する。
電断フラグが設定されていない場合にはコマンド解析処理を実行する(Sp4)。コマンド解析処理では、コマンドバッファにコマンドが格納されているか否かを判定し、コマンドバッファにコマンドが格納されていればコマンドバッファからコマンドを取得する。そして、取得したコマンドに応じた処理を実行する。
Sp5において、サブ制御部は、ナビ色決定処理を実行する(Sp5)。ナビ色決定処理では、ATのゲームにおいてナビ演出を行うときに液晶表示器51から表示されるナビ画像の色を決定する。本実施形態では押し順を示す数字(「123」など)と数字を囲むマルの色を決定する。本実施形態では、AT中にナビ演出が実行されたときのナビ画像の色に応じて差枚数が上乗せされたことの期待度が変化する。なお、押し順ベルに当選したときは、黄色または白色からいずれかが選択される。また、押し順リプレイに当選したときは、青色または白色のいずれかから選択される。よって、黄色のナビ画像が表示されたときは押し順ベルに当選したことを判別でき、青色のナビ画像が表示されたときは押し順リプレイに当選したことを判別できるが、白色のナビ画像が表示されたときは押し順ベルと押し順リプレイとのいずれに当選したかを判別できない。以下、ナビ画像の色をナビ色と略すことがある。
また、押し順ベルに当選して中段ベルが入賞したときに入賞ラインLN上に揃う図柄の色が黄色であるため、黄色のナビ画像は中段ベルを構成する図柄の色に対応する色の画像である。同様に、押し順リプレイに当選して中段リプレイが入賞したときに入賞ラインLN上に揃う図柄の色が青色であるため、青色のナビ画像は中段リプレイを構成する図柄の色に対応する色の画像である。すなわち、黄色のナビ画像と青色のナビ画像は導出される表示結果と対応した色になっている。一方、白色のナビ画像は表示結果と無関係に設定された色である。
Sp6において、サブ制御部は、前兆演出実行処理を実行する(Sp6)。前兆演出実行処理では、AT中に差枚数の上乗せが発生する可能性のあるチェリーやスイカに当選したときに、上乗せが発生するか否か(すなわち、差枚数が遊技者に付与されたか否か)を報知する前兆演出を複数ゲームにわたって実行する。以下、差枚数が上乗せされたことの報知を上乗せ報知と称することがある。
Sp7において、サブ制御部は、AT終了演出実行処理を実行する(Sp7)。AT終了演出実行処理では、ATが終了したときの図柄の組合せに基づいてATが終了することを特定可能な画像を表示するAT終了演出を実行する。
Sp8において、サブ制御部は、演出態様選択処理を実行する(Sp8)。
本実施形態では、サブ制御部は演出態様を制御する。具体的には、サブ制御部は、ATのゲームにおける演出態様の制御として第1制御と第2制御と特定制御とを実行可能である。本実施形態では、各制御により演出を実行して差枚数が上乗せされたことを示唆し、その演出における演出態様により差枚数の上乗せ期待度(差枚数が上乗せされている確率)を変化させる。なお、第1制御は差枚数が上乗せされていないとき(すなわち、内部抽選で差枚数の上乗せをしないことに決定されたとき)の制御である。第2制御は差枚数が上乗せされているとき(すなわち、内部抽選で差枚数の上乗せをすることに決定され、決定された差枚数がRAMにセットされたとき)の制御である。特定制御はATの最終ゲームにおける制御である。なお、本実施形態において、ATの最終ゲームとは、押し順ベルに当選するとATが終了し得るゲームで押し順ベルに当選したゲームである。押し順リプレイに当選したときは差枚数が減算されないため、押し順ベルに当選するとATが終了し得るゲームで押し順リプレイに当選してもATは終了しない。
第1制御と第2制御における演出態様には第1態様と第2態様と第3態様と第4態様が含まれている。そして、4つの演出態様を比較すると、第4態様が差枚数の上乗せ期待度が最も高く、第4態様に次いで第3態様の上乗せ期待度が高く、第3態様に次いで第2態様の上乗せ期待度が高く、第1態様の上乗せ期待度が最も低くなっている。特定制御における演出態様には第1態様と第5態様が含まれている。第5態様は第1態様よりも上乗せ期待度が低くなっている。そして、演出態様選択処理では、ATのゲームにおいて各制御における演出態様を選択する。なお、第5態様の上乗せ期待度に関しては第1態様と同一にするなど適宜に設定してよい。
なお、タイマ割込処理(サブ)内で、サブ制御部は、ATが開始したときに設定された差枚数の初期値を液晶表示器51から表示する。よって、AT中に上乗せが発生しても初期値の差枚数を認識できるので上乗せされた差枚数を認識しやすくすることができる。なお、差枚数の初期値はAT中に常時表示するもののみならず、例えば、メニュー画面を表示させて確認できるようにする、またはスイッチ操作で表示可能にしてもよい。
[ナビ色決定処理]
次に、タイマ割込処理(サブ)内で実行されるナビ色決定処理について図7を用いて説明する。
図7に示すように、サブ制御部は、まず、メイン制御部からのコマンドに基づいてAT中か否かを判定する(Sb1)。AT中でないときは処理を終了する。
AT中のときはメイン制御部からのコマンドに基づいてゲームが開始されたか否かを判定する(Sb2)。ゲームが開始されていないときは処理を終了する。
ゲームが開始されたときはメイン制御部からのコマンドに基づいて押し順ベルに当選したか否かを判定する(Sb3)。いずれにも当選してないときには処理を終了する。
いずれかに当選したときにはナビ画像の色を決定するナビ色決定抽選を実行する(Sb4)。ナビ色決定抽選を実行した後は、決定したナビ色や押し順(停止順)を特定可能なナビ演出フラグをRAMにセットして処理を終了する。
[ナビ色の決定割合について]
図8(a)に示すように、ATの最終ゲーム以外のゲームの場合に、押し順ベルに当選したときは黄色が90%、白色が10%の割合で選択される。また、押し順リプレイに当選したときは黄色が90%、白色が10%の割合で選択される。
図8(b)に示すように、ATの最終ゲーム(押し順ベルが当選するとATが終了し得るゲームで押し順ベルに当選したゲーム)の場合に、押し順ベルに当選したときは黄色が0%、白色が100%の割合で選択される。また、押し順リプレイに当選したときは黄色が50%、白色が50%の割合で選択される。
このように、図8に示す例では、図8(a)に示すように、ATの最終ゲームで以外のゲームでは黄色のナビ画像の実行割合が白色のナビ画像よりも高くなっており、押し順ベルに当選したときに黄色のナビ画像と白色のナビ画像を表示することが可能であるが、押し順リプレイに当選したときは白色のナビ画像を表示することが可能であるが、黄色のナビ画像を表示することがない。そして、図8(b)に示すように、ATの最終ゲームで押し順ベルに当選したときに黄色のナビ画像を表示せずに白色のナビ画像を表示する。よって、ATの最終ゲームにおいて、表示されたナビ画像の色のみでは遊技者はATが終了するか否かを判別できないので、ATが終了するか否かに対する緊張感が高まり、遊技の興趣を向上させることができる。
[AT中の演出態様の制御について]
次に、AT中の演出態様の制御について図9に基づいて説明する。
図9に示すように、ATが開始されると、まず、レア役当選後の状態でない(上乗せの可能性がない)AT通常状態でのゲームが行われる。AT通常状態では、演出態様の制御として、差枚数が上乗せされていないときの制御である第1制御が実行される。AT通常状態のときにレア役に当選すると複数ゲームを経た後に差枚数が上乗せされたか否かが報知される。当該期間では、レア役当選時に差枚数が上乗せされたときには、演出態様の制御として、差枚数が上乗せされたときの制御である第2制御が実行され、レア役当選時に差枚数が上乗せされなかったときには第1制御が実行される。よって、当該期間においては第2制御が実行されると上乗せへの期待度が高まることになる。報知が行われると再度AT通常状態に戻り、以降同様の制御が行われる。そして、ATの最終ゲームでは、演出態様の制御として特定制御が実行される。
なお、本実施形態では、AT中に上乗せされた差枚数についてATの終了後に上乗せ報知を行うことがある。そして、AT終了後の上乗せ報知として、AT終了画面が表示された次のゲームでゲームが開始されたとき(賭数設定後にスタートスイッチ7が操作されたとき)上乗せ報知を行う。
なお、AT終了後に上乗せ報知を行わない構成してもよい。この場合には、例えば、ATが終了し得るゲームまでのゲーム数が所定ゲーム以下(例えば、1~2ゲーム以下)であるときにはレア役当選したゲームで即上乗せ報知をするように構成することが可能である。
[演出態様選択処理]
次に、タイマ割込処理(サブ)内で実行される演出態様選択処理について図10を用いて説明する。
図10に示すように、サブ制御部は、まず、メイン制御部からのコマンドに基づいてAT中か否かを判定する(Sc1)。AT中でないときは処理を終了する。
AT中のときはメイン制御部からのコマンドに基づいてゲームが開始されたか否かを判定する(Sc2)。ゲームが開始されていないときは処理を終了する。
ゲームが開始されたときは演出態様を選択する演出態様選択抽選を実行する(Sc3)。
演出態様選択抽選が終了すると、選択した演出態様を特定可能な演出態様フラグをRAMにセットして処理を終了する。
[演出態様の選択割合について]
図10の演出態様選択抽選(Sc3)における演出態様の選択割合について図11を用いて説明する。
図11に示すように、第1制御が実行されるときは、第1態様が70%、第2態様が24%、第3態様が5%、第4態様が1%で選択されるように抽選で使用する判定テーブルでの抽選値数の数が決められている。
また、第2制御が実行されるときは、第1態様が30%、第2態様が10%、第3態様が40%、第4態様が20%となるように抽選で使用する判定テーブルでの抽選値数の数が決められている。
また、特定制御が実行されるときは、第1態様が99%、第5態様が1%となるように抽選で使用する判定テーブルでの抽選値数の数が決められている。
このように、ATの最終ゲームでは、差枚数が上乗せされていないときの制御である第1制御で選択される割合の高い第1態様が選択されやすいので、ATの最終ゲームであるにも関わらず、過度に遊技者を期待させることを防止できる。
また、ATの最終ゲームでは、上乗せ期待の最も低い第1態様が選択されやすいので、ATの最終ゲームであるにも関わらず、過度に遊技者を期待させることを防止できる。
また、ATの最終ゲームでは特定制御の実行により第1制御や第2制御で使用しない特定のテーブルにより演出態様を選択するので、ATの最終ゲームで好適に演出を実行することができる。
なお、ATの最終ゲームでは特定制御を実行せずに第1制御を実行し、第1~第4態様のいずれかを図11の割合で選択してもよい。この場合には、ATの最終ゲームのみで用いる新たな演出態様を用意しなくてもよいため、制御負担が生じることを防止できる。
なお、レア役に当選したゲームにおいては、第1制御や第2制御、特定制御で使用しないテーブルを使用し、レア役に当選したことを示唆する態様の演出を実行可能にしてもよい。これにより、上乗せへの期待感を高めることができる。
また、特定制御が実行されるときは、第1態様が100%、第5態様が0%としてもよい。すなわち、第5態様を設けずに第1態様のみを実行するように構成するものである。
[ATの最終ゲームで押し順ベルと押し順リプレイの共通色のナビを行う具体例について]
次に、ATの最終ゲームで押し順ベルと押し順リプレイの共通色のナビを行う具体例について図12を用いて説明する。なお、共通色のナビとは、具体的には、図8で示したように白色のナビ画像の表示である。
図12(a)に示すように、ATが開始され、差枚数が300枚に設定されたとする。この時点では、液晶表示器51では、差枚数の表示が300枚とされ、獲得枚数の表示が0枚になっている。そして、押し順ベルに当選して黄色のナビ画像が表示され、ナビ通りに停止操作が行われ、中段ベルが入賞したとする。この場合には、中段ベル入賞時の払出し枚数である9枚が差枚数から減算されて残りの差枚数は291枚になる。また、中段ベル入賞時の払出し枚数である9枚が加算されて獲得枚数の表示が9枚になる。
図12(b)に示すように、ATの2ゲーム目において、押し順リプレイに当選して青色のナビ画像が表示され、ナビ通りに停止操作が行われ、中段リプレイが入賞したとする。中段リプレイは差枚数のカウントの対象ではないので、残りの差枚数は291枚のままである。また、中段リプレイが入賞したときは払い出しがないので獲得枚数の表示は9枚のままである。
図12(c)に示すように、ATの3ゲーム目において、押し順リプレイに当選して青色のナビ画像が表示され、ナビ通りに停止操作が行われ、中段リプレイが入賞したとする。中段リプレイは差枚数のカウントの対象ではないので、残りの差枚数は291枚のままである。また、中段リプレイが入賞したときは払い出しがないので獲得枚数の表示は9枚のままである。
図12(d)に示すように、ATの3ゲーム目において、押し順ベルに当選して黄色のナビ画像が表示され、ナビ通りに停止操作を行い、中段ベルが入賞したとする。この場合には、中段ベル入賞時の払出し枚数である9枚が差枚数から減算されて残りの差枚数は282枚になる。そして、中段ベル入賞時の払出し枚数である9枚が加算されて獲得枚数の表示が18枚になる。
図12(e)に示すように、差枚数が残り3枚になり、獲得枚数が242枚であるゲームにおいて、押し順ベルが当選するとATが終了し得る。よって、押し順ベルに当選した場合に、押し順ベルと押し順リプレイとで共通の白色のナビ画像が表示される。なお、押し順リプレイが当選した場合も同様に白色のナビ画像が表示される。よって、この時点で押し順ベルが当選してATが終了するのか、または押し順リプレイが当選してATが継続するのかを判別できない。そして、ナビ通りに停止操作を行い、中段ベルが入賞したとする。この場合には、中段ベル入賞時の払出し枚数である9枚が差枚数から減算されて残りの差枚数は0枚になる。そして、中段ベル入賞時の払出し枚数である9枚が加算されて獲得枚数の表示が251枚になる。差枚数が0枚になるとATが終了するので、その旨を示す「AT終了!」という文字と獲得枚数を示す「獲得251枚!!」という文字を表示するAT終了演出を実行する。
このように、ATの最終ゲームで押し順ベルが当選したときに、押し順ベルと押し順リプレイとで共通のナビ色である白色のナビ画像を表示するので、遊技者は表示された色のみではATが終了するか否かを判別できないので、ATが終了するか否かに対する緊張感が高まり、遊技の興趣を向上させることができる。
[第1制御、第2制御、特定制御における演出態様の具体例]
次に、第1制御、第2制御、特定制御における演出態様の具体例について図13、図14を用いて説明する。
図13は、ATの最終ゲーム以外のゲームで差枚数が上乗せされていないときにおける第1制御、ATの最終ゲーム以外のゲームで差枚数が上乗せされているときにおける第2制御での演出態様の具体例を示し、図14は、ATの最終ゲームにおける特定制御での演出態様の具体例を示す。図中における矢印はリールが回転している様子を示す。
また、図13および図14のいずれもAT中の演出画像であるため、各態様に共通して残りの差枚数を示す差枚数表示100(図中「LAST○○枚」)と遊技者が獲得した枚数を示す獲得枚数表示101(図中「獲得○○枚」)が液晶表示器51から表示される。なお、図13および図14のいずれにおいても、左第1停止、中第2停止、右第3停止のナビ画像が表示された例を示している。また、本具体例においても、差枚数の上乗せ期待度は、第4態様が最も高く、第3態様、第2態様、第1態様、第5態様の順に低くなる。
図13に示すように、第1制御、第2制御では、第1態様、第2態様、第3態様、第4態様のうちのいずれかが選択される(図11参照)。
第1態様では、背景画像102が液晶表示器51から表示される。背景画像102としてキャラクタAが街を走る態様の画像が表示される。
第2態様では、背景画像102に重ねてセリフ演出画像103が液晶表示器51から表示される。セリフ演出画像103では、背景画像102で表示されているキャラクタAと同一のキャラクタAがセリフを発する画像が表示される。第2態様におけるセリフは遊技の説明となるセリフになっている。具体的には、第2態様では「押し順ナビに従ってね」というセリフをキャラクタAが発するセリフ演出画像が表示される。
第3態様では、背景画像102に重ねてセリフ演出画像104が液晶表示器51から表示される。セリフ演出画像104では、背景画像102で表示されているキャラクタAと同一のキャラクタAがセリフを発する画像が表示される。第3態様におけるセリフは上乗せが発生する可能性を示唆するセリフになっている。具体的には、第3態様では「チャンス!」というセリフをキャラクタAが発するセリフ演出画像が表示される。
第4態様では、背景画像102に重ねてセリフ演出画像105が液晶表示器51から表示される。セリフ演出画像105では、背景画像102で表示されているキャラクタAと同一のキャラクタAがセリフを発する画像が表示される。第4態様におけるセリフは上乗せが発生する可能性を示唆するセリフであるが、第3態様よりも上乗せ発生の可能性が高いことを示すセリフになっている。具体的には、第4態様では「激アツ!」というセリフをキャラクタAが発するセリフ演出画像が表示される。
図14に示すように、ATの最終ゲームにおける特定制御では、第1態様、第5態様のうちのいずれかが選択される(図11参照)。
第1態様では、図13と同様に、背景画像102が液晶表示器51から表示される。背景画像102としてキャラクタAが街を走る態様の画像が表示される。
第5態様では、背景画像102に重ねてセリフ演出画像106が液晶表示器51から表示される。セリフ演出画像106では、背景画像102で表示されているキャラクタAと同一のキャラクタAがセリフを発する画像が表示される。第5態様におけるセリフは遊技の説明となるセリフになっている。具体的には、第5態様では「レア役当選でチャンス」というセリフをキャラクタAが発するセリフ演出画像が表示される。
[その他、変形例について]
[共通ベルについて]
上記実施形態では、押し順ベルに当選したときに差枚数を減算したが共通ベルに当選したときに差枚数を減算してもよい。具体的には、共通ベルに当選したときにも押し順ベルが当選したときと同様に9枚を減算する。
また、上記実施形態では、押し順ベルに当選したときに押し順のナビを行ったが共通ベルに当選したときに押し順のナビを行い、さらに、押し順ベルと同様にナビ画像の色を変化させてもよい。具体的には、ATにおいて共通ベルに当選したときは押し順ベルと同様に図柄の色と対応付けた黄色のナビ画像を表示可能にする。共通ベルは当選確率に設定差があるため、共通ベルの当選回数をカウントすることにより設定値を推測することが可能になる。例えば、ある回数のゲームを行ったときに共通ベルの当選回数が少ない場合は低設定であることが推測でき、反対に共通ベルの当選回数が多い場合は高設定であることが推測できる。そして、遊技者は共通ベルが入賞したときに共通ベルに当選したことを識別することができる。よって、遊技者は共通ベルに当選すると導出可能になる右下がりベルの組合せが導出されるかに注目する。そこで、共通ベルに当選したときも押し順ベルに当選したときと同様にナビ報知およびナビ演出を行うことにより、共通ベルに当選した可能性があることを示唆し、右下がりベルが入賞するか否かについて表示結果に注目させることができる。
[示唆手段による示唆の態様について]
上記実施形態では、示唆手段による示唆の態様としてナビ画像の色により示唆する態様を例に挙げたが、例えば、ナビ画像の大きさ、ナビ音声の高低、ナビするキャラクタなど、上記実施形態と異なる態様によって示唆手段により示唆してもよい。
[特定状態の終了条件について]
上記実施形態では、AT(特定状態)において差枚数が0枚になったとき、すなわちATでカウントされたメダルの枚数が特定枚数を超えたときにATが終了する構成としたが、これに限らず、例えば、ATでのゲーム数が特定ゲーム数に達したこと、ATでのナビ報知の回数が特定回数になったこと、ATでの特定役の当選回数が特定回数になったこと、ATでの特定役の入賞回数が特定回数になったことなど、ATの終了条件が上記実施形態と異なる条件でもよい。
また、上記実施形態では、レア役に当選したときには差枚数から減算しなかったが、小役が当選したときには必ず差枚数からの減算を行うように構成してもよい。また、ナビ報知およびナビ演出に従わずに上段ベルが入賞したときにも中段ベルの入賞枚数である9枚を減算したが、上段ベルが入賞したときは1枚を減算するように構成してもよい。すなわち、実際のメダルの払い出し枚数を差枚数から減算してもよい。
[特典の付与条件について]
上記実施形態では、レア役と同時当選したときに特典として差枚数が上乗せされる構成としたが、例えば、押し順ベルが所定回数連続して当選する、内部抽選とは別個の抽選に当選する、ゲーム数が天井ゲーム数に達するなど、上記実施形態と異なる条件で特典が付与されるようにしてもよい。
例えば、押し順ベルが所定回数(例えば、5回)連続して当選したときに上乗せされるようにした場合には、4回連続して当選した後の5回目のゲームでは、押し順ベルまたは押し順リプレイに当選したときに共通の白色のナビ画像を表示することが可能である。これにより、5ゲーム目で白色のナビ画像が表示されたときは、遊技者は押し順ベルまたは押し順リプレイのいずれに当選したかを認識できないが押し順ベルに当選したことへの期待感が高まるため、遊技の興趣を高めることができる。
[特定ゲームについて]
上記実施形態では、特定ゲームとしてATの最終ゲーム(ATの最終ゲームとなり得るゲーム)を例に挙げたが、ATの最終ゲームに限らず、ATの途中のゲームでもよい。例えば、AT中に差枚数やゲーム数が上乗せされやすくなる上乗せ特化ゾーンに移行するようにし、上乗せ特化ゾーンが特定役の当選で終了するように構成し、上乗せ特化ゾーンの最終ゲームを特定ゲームとするように構成可能である。この場合には、上乗せ特化ゾーンが終了してもATは続くのでATの途中のゲームが特定ゲームとなる。
[所定決定結果、特定決定結果について]
上記実施形態では、所定決定結果として押し順ベルを例に挙げ、特定決定結果として押し順リプレイを例に挙げたが、例えば、所定決定結果を押し順リプレイ、特定決定結果を押し順ベルとするなど、上記実施形態と異なる抽選対象役をそれぞれの決定結果としてよい。例えば、所定決定結果を押し順リプレイとしたときは、中段リプレイが所定回数入賞したらATが終了するように構成し、ATの最終ゲームで押し順リプレイと押し順ベルとで共通のナビをするように構成することが可能である。
[特典について]
上記実施形態では、特典として、差枚数の上乗せを例に挙げたが、例えば、ボーナス、上乗せが発生する確率が他の状態よりも高くなる高確率状態への移行など、上記実施形態と異なる態様の特典を付与してもよい。
なお、高確率状態への移行を示唆するときは、例えば、セリフ演出として表示するセリフの色を変化させることにより示唆する、セリフとして表示する言葉が異なるようにする例を挙げることができる。具体的には、例えば、通常は全ての態様で黒色のセリフが表示されるが、示唆を行うときは、第2態様を黒色のセリフ、第3態様を赤色のセリフ、第4態様を紫色のセリフとすることが可能である。
[特定制御について]
上記実施形態では、AT終了後に上乗せ報知を行うか否かに関わらず、同一の特定制御を実行する構成としたが、AT終了後に上乗せ報知を行う場合には異なる特定制御を実行してもよい。例えば、AT終了後に上乗せ報知を行わない場合には図11に示す割合で演出態様を選択する。そして、AT終了後に上乗せ報知を行う場合には異なる特定制御を実行し、ATの最終ゲームにおいても第4態様や第3態様が選択される、あるいは、AT終了後に上乗せ報知を行わない場合に特定制御を実行するときよりも第1態様の選択割合が低くなることが可能である。
[第1制御、第2制御について]
上記実施形態では、第1制御と第2制御とで同一の演出態様が選択され得る構成としたが、例えば、第1制御では第1態様と第2態様、第2制御では第3態様と第4態様とするなど、第1制御と第2制御とで異なる演出態様が選択されるようにしてもよい。
[上記実施形態の効果について]
上記実施形態では、ATの最終ゲームにおいて押し順ベルに当選したときは、ナビ画像を黄色で示唆せず押し順リプレイと共通の白色で表示する(本例では、図7のSb4の処理を行う部分、図8に示す部分、図12に示す部分)。
また、上記実施形態では、ATの最終ゲームでは、差枚数が上乗せされていないときの制御である第1制御で選択される割合の高い第1態様が選択されやすい(本例では、図11に示す部分)。
よって、押し順ベルに当選するとATが終了し得るゲームにおいて押し順ベルに当選しても押し順リプレイに当選したときにもナビ画像として表示され得る白色のナビ画像を表示することにより、遊技者は表示された色のみではATが終了するか否かを判別できないので、ATが終了するか否かに対する緊張感が高まり、遊技の興趣を向上させることができる。
また、ATの最終ゲームであるにも関わらず、過度に遊技者を期待させることを防止できる。
上記実施形態では、ATの最終ゲームでは、上乗せ期待の最も低い第1態様が選択されやすい(本例では、図11に示す部分)。
よって、ATの最終ゲームであるにも関わらず、過度に遊技者を期待させることを防止できる。
上記実施形態では、ATの最終ゲームでは特定制御の実行により第1制御や第2制御で使用しない特定のテーブルにより演出態様を選択する(本例では、図11に示す部分)。
よって、ATの最終ゲームで好適に演出を実行することができる。
上記実施形態では、ATの最終ゲームでは特定制御を実行せずに第1制御を実行し、第1~第4態様のいずれかを選択することが可能である。
よって、ATの最終ゲームのみで用いる新たな演出態様を用意しなくてもよいため、制御負担が生じることを防止できる。
以上、本発明の実施例及び変形例を図面により説明してきたが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれることは言うまでもない。
前記実施例及び変形例では、本発明を遊技用価値としてメダル並びにクレジットを用いて賭数が設定されるスロットマシンに適用した例について説明したが、遊技用価値として遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、遊技用価値としてクレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンに適用しても良い。遊技球を遊技用価値として用いる場合は、例えば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、前記実施例で賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
さらに、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のうちいずれか1種類のみを用いるものに限定されるものではなく、例えば、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値を併用できるものであっても良い。すなわち、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれをも払い出し得るスロットマシンを適用しても良い。
1 スロットマシン
2L、2C、2R リール
6 MAXBETスイッチ
7 スタートスイッチ
8L、8C、8R ストップスイッチ

Claims (1)

  1. 各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンにおいて、
    導出を許容する表示結果を決定する事前決定手段と、
    前記可変表示部の表示結果を導出させる際に操作される導出操作手段と、
    前記導出操作手段の操作態様を示唆する示唆手段と、
    特定状態に制御可能な状態制御手段とを備え、
    前記状態制御手段は、特定状態の特定ゲームにおいて前記事前決定手段の決定結果が所定決定結果になったときに特定状態の制御を終了し、前記特定ゲームにおいて前記事前決定手段の決定結果が特定決定結果になったときに特定状態の制御を終了せず、
    前記示唆手段は、前記操作態様として特定操作態様を示唆することが可能であって、
    前記示唆手段は、前記特定操作態様を第1態様で示唆することが可能であり、
    前記示唆手段は、前記特定操作態様を第2態様で示唆することが可能であり、
    前記事前決定手段の決定結果が所定決定結果になったときは前記特定操作態様を第1態様で示唆することが可能であり、
    前記事前決定手段の決定結果が所定決定結果になったときは前記特定操作態様を第2態様で示唆することが可能であり、
    前記事前決定手段の決定結果が特定決定結果になったときは前記特定操作態様を第2態様で示唆することが可能であり、
    前記事前決定手段の決定結果が特定決定結果になったときは前記特定操作態様を第1態様で示唆することがなく、
    特定状態の特定ゲーム以外のゲームにおいて前記事前決定手段の決定結果が所定決定結果になったときは、第2態様で前記特定操作態様を示唆する割合よりも第1態様で前記特定操作態様を示唆する割合のほうが高く、
    前記示唆手段は、前記特定ゲームにおいて前記事前決定手段の決定結果が所定決定結果になったときは、前記特定操作態様を第1態様で示唆せず第2態様で示唆し、
    演出態様を制御する演出態様制御手段をさらに備え、
    前記演出態様制御手段は、特定状態のゲームにおいて第1制御を実行可能であり、
    前記演出態様制御手段は、特定状態のゲームにおいて第2制御を実行可能であり、
    第1制御は特典が付与されていないときの制御であり、
    第2制御は特典が付与されているときの制御であり、
    前記特定ゲームでは第1制御で選択される割合の高い演出態様が選択されやすい
    ことを特徴とするスロットマシン。
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