本発明に係る遊技機を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。以下の実施の形態では、本発明がスロットマシンに適用された場合の一例を説明する。図1は、本実施形態に係るスロットマシン1の全体構造を示す正面図である。スロットマシン1は、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bとを含む。前面扉1bの中央上部には、液晶表示器51が設けられている。液晶表示器51は、表示領域51aを有しており、透視窓3に対応する透過領域51bが透過可能である。これにより、表示領域51aで所定の演出を実行可能とするとともに、表示領域51aのうち透過領域51bが透過することで透視窓3を介して筐体1a内部に並設されているリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リールとも称する)が視認可能となる。図2は、各リールの図柄配列を示す図である。リール2L~2Rには、各々が識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で配列されている。なお、リールの個数は、3つに限らず、1つであってもよく、2以上であってもよい。また、可変表示部は、物理的なリールにて構成されている例を示しているが、液晶表示器などの画像表示装置にて構成されているものであってもよい。
液晶表示器51の右下には、メダルを投入可能なメダル投入部4が設けられ、前面扉1bの下部には、メダルが払い出されるメダル払出口9、スピーカ53、54が設けられている。
また、前面扉1bには、操作手段の一例として、遊技者所有の遊技用価値(メダル数)として記憶されているクレジットの範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットおよび設定済の賭数を精算して返却させる際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L~2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、演出に用いるための演出用スイッチ56などが設けられている。
前面扉1bには、報知手段の一例として、遊技に関する情報を報知する遊技用表示部13が設けられている。遊技用表示部13には、クレジットとして記憶されているメダル数が表示されるクレジット表示器11、メダルの払出枚数やエラー時にエラーコードなどが表示される遊技補助表示器12、設定されている賭数を報知するための1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16、メダル投入が可能であることを報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が可能であることを報知するスタート有効LED18、スタートスイッチ7の操作後においてウエイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリール2L、2C、2Rの回転開始を待機している状態)中であることを報知するウエイト中LED19、リプレイ入賞後のリプレイゲーム中であることを報知するリプレイ中LED20が設けられている。
図3は、スロットマシン1の内部構造を示す斜視図である。前面扉1bの内側には、エラー状態および打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、打止状態に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず自動的に精算(返却)する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1a内部に設けられたホッパータンク34a側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31を有するメダルセレクタ29、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25(図4参照)が設けられている。
投入メダルセンサ31は、メダルを検出可能なセンサを複数(たとえば3つ)備えており、これら複数のセンサが投入されたメダルを所定の順(上流側のセンサから順)に検出可能となるように構成されている。メイン制御部41は、これら複数のセンサによる検出結果が、メダル投入部4から投入されたメダルを所定の順で検出されたときの検出結果(適正な検出結果ともいう)となったことにより、投入メダルセンサ31により投入メダルが検出あるいは投入メダルの通過が検出されたと判定する。逆に、メイン制御部41は、メダル投入部4から投入されたメダルを所定の順序で検出されなかったときはエラーと判定する。
また、筐体1a内部には、リールユニット2、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34cからなるホッパーユニット34、電源ボックス100が設けられている(図4参照)。
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留された所定量のメダルを検出可能な高さに設けられた左右に離間する一対の導電部材からなる満タンセンサ35a(図4参照)が設けられている。導電部材がオーバーフロータンク35内に貯留されたメダルを介して接触することにより導電したときに、内部に貯留されたメダル貯留量が所定量以上となったこと、すなわちオーバーフロータンクが満タン状態となったことが検出される。
電源ボックス100の前面には、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をON/OFFする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
筐体1aの内部にある打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、および電源スイッチ39は、キー操作により前面扉1bを開放しなければ操作できない。このため、筐体1aの内部にあるそれらのスイッチは、遊技場の係員のみが操作可能とされ、遊技者が操作することはできない。
スロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4に投入するかMAXBETスイッチ6操作などにより規定数の賭数(例えば3)を設定する。これにより、入賞ラインLNが有効となり、スタートスイッチ7への操作が有効となり、ゲームが開始可能な状態となる。賭数設定済の状態でメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、リール2L~2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するためのラインである。本実施形態では、1本の入賞ラインLNのみ設けられている例について説明するが、複数の入賞ラインが設けられているものであってもよい。また、入賞を構成する図柄の組合せが入賞ラインLNに揃ったことを認識しやすくする無効ラインLM1~LM4が設けられている。無効ラインLM1~LM4は、入賞判定されるラインではなく、入賞ラインLNに特定の入賞図柄の組合せ(いわゆるばらけ目)が揃った際に、無効ラインLM1~LM4のいずれかに所定の図柄の組合せ(例えば、ベル-ベル-ベル)を揃えることで、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組合せが揃ったことを認識しやすくするものである。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7が操作されると、リール2L~2Rを回転させて図柄を変動表示し、ストップスイッチ8L~8Rが操作されると対応するリールの回転を停止させることで、透視窓3の上中下段に3つの図柄を表示結果として導出表示する。入賞ラインLN上に入賞図柄の組合せが停止し入賞が発生したときには、入賞に応じて、所定枚数のメダルが遊技者に対して付与されて、クレジット加算か、クレジットが上限数(50)に達した場合にはメダル払出口9からメダルが払い出される。
図4は、スロットマシン1の機能構成例を示す図である。図4の例では、遊技の進行を制御するとともに、遊技の進行に応じて各種コマンドを出力する遊技制御基板40、コマンドに応じて所定の演出を制御する演出制御基板90、電気部品の駆動電源を生成する電源基板101、遊技の進行に応じた信号を外部に出力する外部出力基板1000などが設けられている。
遊技制御基板40は、各種の操作手段や検出手段(図4の遊技制御基板40の左側に例示)などのスイッチ類からの検出信号に基づいて遊技を進行させ、報知手段(図4の遊技制御基板40の左側に例示)などの表示機器類を駆動制御する。また、遊技制御基板40は、リールセンサ33L~33Rからの信号に基づき、リールモータ32L~32Rを駆動制御する。
遊技制御基板40には、メイン制御部41などの回路構成(図4の遊技制御基板40内に例示)が搭載されている。メイン制御部41は、遊技の進行に関する処理を行うとともに、遊技制御基板40に搭載あるいは接続された構成を直接的または間接的に制御する。メイン制御部41は、1チップマイクロコンピュータであり、CPU、ROM、RAM、I/Oポートなどを備えている。
演出制御基板90は、演出用スイッチ56が接続され、また液晶表示器51などの演出装置(図4の演出制御基板90の左側に例示)を駆動制御する。演出制御基板90には、サブ制御部91などの回路構成(図4の演出制御基板90内に例示)が搭載されている。サブ制御部91は、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行う処理を行うとともに、演出制御基板90に搭載あるいは接続された構成を直接的または間接的に制御する。サブ制御部91は、1チップマイクロコンピュータであり、CPU、ROM、RAM、I/Oポートなどを備えている。サブ制御部91の回路構成には、たとえば、日および時刻のうちの少なくともいずれか一方を計時するための時計装置97(以下では、RTCともいう)を含む。サブ制御部91は、たとえば、RTC97により計時された日および時刻のうちの少なくともいずれか一方の値や、演出用スイッチ56からの検出信号などに応じて演出制御を実行可能である。電源基板101には、ホッパーモータ34b、各種の操作手段や検出手段(図4の電源基板101の右側に例示)などが接続されている。
図5および図6は、入賞役の種類、入賞役の図柄組み合わせ、及び入賞役に関連する技術事項について説明するための図である。名称欄には、入賞役の名称を示し、図柄の組合せ欄には、その入賞役が入賞となる図柄の組合せを示している。また、無効ラインに揃う図柄の組合せ欄には、入賞となる図柄の組合せが入賞ラインに停止したときに無効ラインに停止する図柄の組合せであって遊技者が認識しやすい図柄の組合せを示している。払出枚数欄には、入賞時に付与される価値(メダル払出、再遊技付与)を示している。BB1、BB2は、ボーナスという有利な状態への移行を伴う入賞役である。BB1、BB2の払出枚数欄には、入賞により移行されるボーナスの終了条件が示されている。ボーナスは、各々、予め定められたメダル枚数以上払出されることにより終了する。たとえば、BB1に当選・入賞して制御されるボーナスについては、当該ボーナス中に払出されたメダル枚数が351枚以上となったゲームにおいて終了する。
また、図6の遊技状態欄には、入賞時に移行される遊技状態を示している。また、「/」は、「または」を示している。例えば、図6の転落リプレイについて、図柄の組合せは、「ベル‐リプレイ‐ベル」となり、入賞時にはRT1に制御され、付与される価値は再遊技付与である。また、転落リプレイの図柄の組合せが入賞ライン上に停止したときには、無効ライン上に「リプレイ/プラム‐リプレイ‐リプレイ/プラム」が停止する。また、特別リプレイの図柄の組合せが入賞ライン上に停止したときには、無効ライン上に「黒BAR/白BAR-黒BAR/白BAR-黒BAR/白BAR」が停止する。「黒BAR/白BAR-黒BAR/白BAR-黒BAR/白BAR」は、特別リプレイに当選しているときにのみ無効ライン上に停止可能であって、特別リプレイに当選していないときにはいずれのライン上にも停止されない図柄の組合せである。
また、再遊技役(リプレイ)は、再遊技を付与する役である。ここで、再遊技とは、遊技者所有の遊技用価値(たとえば、クレジット)を用いることなく次の遊技を行うことが可能であることをいう。換言すると、再遊技とは、遊技者所有の遊技用価値を用いることなく可変表示部が変動表示可能となることであることをいう。本実施形態では、再遊技役が当選すると、導出操作手段の操作手順(操作順序、および操作タイミングのうちの少なくとも1つ)に関わらず、入賞する。なお変形例として、再遊技役は、当選したとしても、導出操作手段の操作手順によっては、入賞しない役(つまり、取りこぼしのある役)であるとしてもよい。
図7は、移行出目の図柄組み合わせ、及び移行出目に関連する技術事項について説明するための図である。移行出目は、図14に示す左ベル1~4、中ベル1~4、右ベル1~4が当選し、右下がりベルあるいは中段ベルの入賞条件となるリール以外を第1停止とし、かつ当選している上段ベルを取りこぼした場合に、入賞ラインLNに揃う出目である。RT0、2、3中において移行出目が入賞ラインLN上に停止すると、RT1へ移行される。
図8は、メイン制御部41により制御される遊技状態の遷移を説明するための図であり、図9は、遊技状態の概要を示す図である。本実施形態におけるスロットマシン1は、リプレイが所定の当選確率(図9の上図の再遊技役欄の数値参照)で当選するRT0~RT4と、小役の当選確率がRT0~RT4中であるときよりも向上するボーナスとを含む複数種類の遊技状態のうち、開始条件が成立してから終了条件が成立するまで対応するいずれかの遊技状態に制御される(図8の矢印に沿って示した入賞役あるいは出目参照、図9の上図の開始条件・終了条件欄の参照)。
BB1、BB2のいずれかに当選したときには、RT4に制御される。BB1、BB2のいずれかが当選したときに設定される当選フラグは、当選しているBBの入賞が発生するまで持ち越される。また、RT4についても、BB当選からBB入賞発生まで継続して制御される。RT4中においては、RT0およびRT2中よりも低く、RT1およびRT3中と同じ確率(図9の上図の再遊技役欄の数値参照)でリプレイに当選する。なお、RT4におけるリプレイ確率は、当選した小役を取りこぼすことなく入賞させることができたとしても、払出率が1を超えない確率に設定されている。つまり、RT4におけるリプレイ確率は、RT4中に当選した小役を取りこぼすことなく入賞させた場合に払出されるメダルの合計枚数が、RT4中においてメダルあるいはクレジットを賭数の設定に用いたメダルの合計枚数を超えず、メダルが増加しない確率に設定されている。RT4中においてBB入賞が発生すると、ボーナスに制御されて、図5で説明したメダル枚数以上払出されることによりボーナス終了となり、RT3へ制御される。内部抽選されるリプレイの種類は、RTの種類毎に定められている(図9の下図の丸印が抽選されるリプレイを示す)。
図10および図11は、遊技状態毎に抽選対象役(以下、当選役ともいう)として読み出される抽選対象役の組合せを示す図である。抽選対象役欄には、その名称を示し、遊技状態欄には、RTの種類毎に、丸印でその抽選対象役が抽選対象であることを示し、丸印の下の数値により当選確率にかかわる判定値数を示している。例えば、ベルは、RT0~RT3いずれかの状態において、360/65536で当選する抽選対象役である。RT4中は、ボーナス抽選されないが、ボーナスと同時当選し得る入賞役(以下では、同時当選役ともいう)の当選確率が他のRT中と同確率となるように、同時当選役であるベルや弱スイカについては括弧内に示す判定値数で内部抽選が行われる。
図11に示すように、特別リプレイは、RT2に制御されているときにのみ抽選対象役となるように定められている。また、ボーナス中においては、たとえば、中段ベルが抽選対象役に設定されており、極めて高い確率(64000/65536)で当選するように定められている。また、中段ベルは、操作タイミングにかかわらず入賞を発生し得る役である。このため、ボーナス中においては、操作タイミングおよび操作手順にかかわらず、極めて高い確率で中段ベル入賞を発生させることができ、メダル枚数を効率的に増加させることができる。このため、ボーナスは、遊技者にとって有利な状態である。
図12は、抽選対象役により入賞が許容される役の組み合わせについて説明するための図である。例えば、弱チェリーは、下段チェリーである。弱スイカは、右下がりスイカと、上段スイカと、中段スイカとを含む。よって、内部抽選で弱スイカに当選したときには、右下がりスイカと、上段スイカと、中段スイカとに当選したことになる。
抽選対象役のうちボーナス1~ボーナス12は、BB1またはBB2と弱チェリーやベルなどの所定の入賞役が同時に読み出されて当選し得る役である。また、図10で示したように、ボーナス1~ボーナス12は、異なる判定値数が定められている。このため、遊技者にとっての有利度であって、同時当選役に当選したときにBB1またはBB2が実際に同時当選している割合(以下、信頼度ともいう)が、ボーナス6や12などに含まれる中段チェリーが最も高く、続いて、強チェリー、強スイカ、弱チェリー、弱スイカの順となり、ベル(以下、中段ベルともいう)が最も低くなるように、判定値数が定められている。
図13および図14は、複数の入賞役が同時当選したときのリール制御を説明するための図である。当選した抽選対象役毎に、押し順欄に示す押し順で停止操作されたときに、その右の停止する図柄組合せに示す入賞役の図柄組合せを入賞ラインLNに停止させるリール制御が行なわれる。例えば、リプレイGR1が当選したときにおいて、押し順が左中右であるときは、昇格リプレイ1が導出されて、押し順が左中右以外であるときは通常リプレイが導出される。また、例えば、左ベルが当選したときにおいて、押し順が左第1停止であるときは、右下がりベルが導出されて、押し順が左第1停止以外であれば、上段ベルまたは移行出目が導出される。
また、同時当選役に当選しているときには、当該同時当選役に当選していないときと異なるリール制御が行われ得る。たとえば、弱スイカに当選しているときには、中段スイカよりも右下がりスイカあるいは上段スイカを優先して入賞ライン上に引き込むリール制御が行われるのに対し、強スイカに当選しているときには、右下がりスイカおよび上段スイカのいずれよりも中段スイカを優先して入賞ライン上に引き込むリール制御が行われる。また、弱チェリーあるいは強チェリーが当選しているときには、下段チェリーを入賞ライン上に引き込むリール制御が行われ、中段チェリーが当選しているときには、中段チェリーを入賞ライン上に引き込むリール制御が行われる。これにより、リール2L~2Rが停止したときの図柄の組合せから、チェリーかスイカか、弱か強か、あるいは、中段チェリーか否かなどを推定可能となり、ボーナス当選あるいはAT当選に対する期待感を異ならせることができる。
スロットマシン1における“ゲーム”とは、狭義には、スタートスイッチ7が操作されてからリール2L~2Rが停止するまでをいうが、ゲームを行う際にスタートスイッチ7の操作前の賭数設定や、リール2L~2Rの停止後にメダルの払い出しや遊技状態の移行も行われるので、これらの付随的な処理も広義には“ゲーム”に含まれる。
また、本実施の形態のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、設定値に応じて、後述する内部抽選で用いる当選確率を決定することにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値に応じて当選確率が変化することを設定差あり、設定値に応じて当選確率が変化しないことを設定差なしとも言う。設定値は1~6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。ただし、複数種類の抽選対象役のうち、遊技者にとっての有利度合いが高い状態(CZと呼ばれるAT抽選の高確率状態、および後述するATのような純増枚数が多くなる状態など)にある区間へ移行するか否かを決定する有利区間作動抽選の対象となる抽選対象役は、設定差がない。一方、複数種類の抽選対象役のうち、有利区間作動抽選の対象にならない抽選対象役は、設定差があってもよい。なお、設定値を変更するためには、スロットマシン1の内部に設けられた操作部(図示せず)を管理者が操作し、設定値を変更可能な設定変更状態に移行させればよい。また、設定値を確認するためには、管理者が所定の操作をして、設定値を確認可能な設定確認状態に移行させればよい。
なお、設定値の設定に応じて内部抽選の当選確率を変化させること、設定値の設定に応じて有利区間作動抽選の当選確率を変化させること、および設定値の設定に応じて内部抽選の当選確率を変化させるとともに有利区間作動抽選の当選確率を変化させることのいずれが行われるものであってもよい。
[ゲーム処理]
メイン制御部41は、ゲーム制御処理を行って1回のゲームを制御する。ゲーム制御処理では、まず、賭数設定やクレジット精算・賭数精算するためのBET処理が行われる。
賭数設定後、スタートスイッチ7が操作されると、所定の乱数回路から乱数値を抽出し、当該抽出した乱数値に基づいて入賞の発生を許容するか否かを決定(内部抽選)するための内部抽選処理(図10~図12など参照)が行われる。乱数回路は、所定の数値範囲(0~65535)内の数値を所定の更新規則にしたがって更新する。メイン制御部41は、スタートスイッチ7が操作されたときに乱数回路が更新している数値を乱数値として抽出する。内部抽選において抽選対象役に当選したときには、当該抽選対象役に含まれる入賞役の当選フラグがRAMの所定領域に設定される。たとえば、BB1に当選したときには、BB1当選フラグが設定され、強チェリーに当選したときには、下段チェリーの当選フラグと、1枚役の当選フラグとが設定される。BB1、BB2の当選フラグについては、当選したBBに入賞するまで持ち越される一方、BB1、BB2以外の入賞役に対応する当選フラグは、入賞の発生の有無にかかわらず、当選したゲームが終了したときに消去される。
内部抽選処理が終了すると、リール回転処理が行われる。リール回転処理では、前回ゲームのリール回転開始から所定時間(例えば、4.1秒)経過していることを条件に、リール2L~2Rの回転を開始させた後、ストップスイッチ8L~8Rを有効化し、停止操作に応じてリールの回転を停止させる(図13、図14など参照)。リール回転処理では、所定のフリーズ条件が成立しているときに、ゲームの進行を所定期間に亘って遅延(ストップスイッチ8L~8R各々の停止操作の有効化を遅延)させるフリーズ演出を実行するためのフリーズ演出処理を実行した後に、ストップスイッチ8L~8Rを有効化して通常ゲームに移行させる。
リール2L~2Rが停止してリール回転処理が終了すると、入賞ライン上の図柄組合せに基づいて入賞などが発生したか否かを判定する入賞判定処理(図5~図7など参照)が行われる。また、入賞ライン上の図柄組合せに応じて、図8で示した状態に制御する。
入賞判定処理が終了すると、払出処理が行われる。払出処理では、入賞の発生に応じてメダルの払出しまたはクレジット加算や、入賞に関わらない各種の処理(たとえば、ボーナス中のメダル払出枚数を計数してボーナスの終了制御に関する処理や、持ち越しのない当選フラグ(小役・再遊技役等の当選フラグ)の消去など)が行われる。また、BB1、BB2のいずれかに入賞したと判定されたときには、入賞したBBの当選フラグを消去する。ゲーム終了時処理では、次のゲームに備えて遊技状態を設定する処理(図8、図9など参照)を実行する。これにより、1ゲーム分のゲーム制御処理が終了し、次の1ゲーム分のゲーム制御処理が開始する。
[ATに関する処理について]
メイン制御部41は、ボーナスやRT2などの有利な状態に加えて、AT(アシストタイム)に制御可能である。メイン制御部41は、ATに制御するか否かのAT抽選を実行する。また、メイン制御部41は、AT抽選でATに制御すると決定した場合にATに制御し、遊技者にとって有利な図柄組合せを入賞ラインLN上に停止させるための操作手順(押し順)を特定可能なナビ演出を実行するための処理を実行する。
メイン制御部41は、非AT中においては、特定の抽選対象役(本実施形態では、図12に示すベル、弱スイカ、強スイカ、弱チェリー、強チェリー、中段チェリー、BB1、BB2)が当選した場合に、ATに制御するか否かを決定するAT抽選処理を行う。AT抽選処理は、たとえば内部抽選処理において内部抽選が行われた後に実行されるようにしてもよく、1ゲームの進行において予め定められたタイミングで実行されるものであればよい。なお、特定の抽選対象役は、内部抽選においてBB1、BB2、同時当選役である例について説明するが、これに限らず、同時当選役の一部を含むものであってもよく、またBB1またはBB2と同時当選し得ない入賞役を含むものであってもよい。
AT抽選処理では、ATに制御するか否かを決定するとともに、ATに制御すると決定したときには、複数種類のゲーム数(50、100、150、200、250、300)からATゲーム数を決定する。ATゲーム数は、メイン制御部41のRAMの所定領域において記憶する。また、メイン制御部41は、ATを開始するタイミングを抽選する。メイン制御部41は、たとえば、AT当選ゲームから0~32ゲーム経過でATを開始すること(ATを開始するタイミング)を乱数値の抽選により決定する。
遊技者にとっての有利度である、AT抽選においてATに制御すると決定される信頼度やATに制御するときに決定されるATゲーム数の期待値(獲得する平均ゲーム数)は、特定の抽選対象役の種類に応じて異なるように定められており、たとえば、中段チェリーが最も高く、続いて、強チェリー、強スイカ、弱チェリー、弱スイカの順となり、ベルが最も低くなるようにAT抽選が行われる。また、AT抽選においてATに制御すると決定される信頼度、および、ATに制御するときに決定されるATゲーム数の期待値は、同じ特定の抽選対象役に当選しているときであっても、当該特定の抽選対象役がBB1またはBB2と同時当選していないとき(たとえば、強チェリー当選時)よりも、BB1またはBB2と同時当選しているとき(たとえば、BB1+強チェリー当選時)の方が高くなるようにAT抽選が行われる。
サブ制御部91は、内部抽選において同時当選役に当選してAT抽選が行われたときには、BB当選およびAT当選したか否かを示唆する当選示唆演出を所定タイミングで実行するための処理を行う。当選示唆演出としては、たとえば、所定画像を液晶表示器51に表示させる演出が設けられている。所定画像を表示させる演出には、たとえば、キャラクタA演出、キャラクタB演出、ボタン演出、連打演出、などが含まれる。このような所定画像を表示させる演出は、スピーカ53、54から所定の効果音を出力する制御や、演出効果LED52やリールLED55などを点灯させる制御とともに行われる。なお、いずれかの制御が単独で行われてもよいし、2つ以上の組合せ(たとえば、所定画像と音とが実行され、LEDの点灯が実行されない等)で実行されるようにしてもよい。
キャラクタA演出とは、キャラクタAを表示させる演出である。キャラクタB演出とは、キャラクタBを表示させる演出である。ボタン演出とは、ボタン画像を表示させて演出用スイッチ56への操作を促し、演出用スイッチ56への操作に応じてBB当選あるいはAT当選の信頼度を示唆する所定画像を表示させる演出である。連打演出とは、演出用スイッチ56への連打操作を促し、所定操作期間内における演出用スイッチ56への連打操作に応じて所定のメータ画像を増加させて、MAXに到達することなどによりBB当選あるいはAT当選している旨を示唆する演出である。なお、ボタン演出や連打演出は、演出用スイッチ56ではなく、MAXBETスイッチ6等のその他の操作手段を用いて実行されるようにしてもよい。
サブ制御部91は、BB当選およびAT当選しているか、BB当選あるいはAT当選のいずれか一方だけ当選しているか、あるいは、BB当選もAT当選もしていないかに応じて異なる割合で、当選示唆演出を実行するか否か、および、実行する当選示唆演出の種別をいずれにするかを決定するための当選示唆演出抽選処理を実行する。
当選示唆演出抽選処理では、少なくともBB当選あるいはAT当選しているときには必ず当選示唆演出を実行する旨を決定し、BB当選もAT当選もしていないときでも所定割合で当選示唆演出を実行する旨を決定する。所定割合は、たとえばBB当選の信頼度が高い小役当選であるとき程、高い割合に設定されている。これにより、当選示唆演出は、BB当選あるいはAT当選している場合だけでなく、BB当選もAT当選もしていないときでも実行される。
また、当選示唆演出抽選処理では、当選示唆演出を実行すると決定したときには、少なくともBB当選あるいはAT当選しているかいずれにも当選していないかに応じて異なる割合で当選示唆演出の種別を決定する。具体的に、遊技者にとっての有利度であって、実行されたときにBB当選あるいはAT当選している信頼度が、連打演出、ボタン演出、キャラクタB演出の順となり、キャラクタA演出が最も低くなるように、当選示唆演出の種別が決定されるように割合が定められている。なお、実行する演出としては、一の当選示唆演出が決定されるものに限らず、複数の当選示唆演出が決定され得るようにしてもよい。
サブ制御部91は、後述する内部当選コマンドおよびAT抽選時コマンドにより、特定の抽選対象役に当選したこと、AT当選したこと、ATの当選または非当選、ATゲーム数、AT開始タイミングを特定する。当選示唆演出を実行する所定タイミングは、ATを開始するタイミングの抽選(AT当選ゲームから0~32ゲーム経過でATを開始することの抽選)で決定されたAT開始タイミングの前ゲームである。たとえば、AT開始タイミングが0ゲーム後と決定されたなら当該ゲーム(AT当選ゲームにてAT当選が報知される)に当選示唆演出が実行される。また、AT開始タイミングが32ゲーム経過後と決定されたなら31ゲーム間は、前兆演出(AT当選を煽る演出)を実行し、32ゲーム目に当選示唆演出を実行し、AT当選を報知する。
ここで、サブ制御部91は、ATに非当選したことをAT抽選時コマンドにより特定した場合にもガセの演出として当選示唆演出(ATが非当選であることを報知する演出)を実行する。たとえば、サブ制御部91は、内部当選コマンドにより特定の抽選対象役に当選し、AT抽選時コマンドによりATに非当選であることを特定することができるが、ATを開始するタイミングは、メイン制御部41では決定されていない。このような場合には、サブ制御部91が0~32ゲームからガセの当選示唆演出を実行するゲーム数の抽選を行い、ガセの当選示唆演出のゲーム数を決定する。
メイン制御部41は、BB当選せずにAT当選しているときにはAT開始タイミングとなったときに、ATフラグを設定してATに制御する。一方、メイン制御部41は、BB当選とともにAT当選しているときには、BB入賞してボーナスが終了したときにATフラグを設定し、ボーナス終了後の次のゲームからATに制御する。ここで、ATへの制御は、たとえばAT開始タイミングが10ゲームと決定されている場合には、10ゲームが0ゲームとなったタイミングで制御されるようにしてもよいし、0ゲームとなった次のゲームのタイミングで制御されるようにしてもよい。
ATフラグは、メイン制御部41のRAMの所定領域において記憶し、ATゲーム数が0に到達したときにクリアされる。メイン制御部41は、ATフラグに基づいてAT中であるか否かを特定する。AT中においては、後述するようにナビ演出が実行される結果、RT2に制御可能となる。AT開始後におけるATゲーム数の減算は、たとえば、RT0において特殊リプレイに当選(減算開始契機が成立)した次のゲームから開始する。BB終了後に開始されるATについても同様である。これにより、メイン制御部41は、決定したATゲーム数にわたりAT+RT2に制御可能となる。
メイン制御部41は、AT中においては、特別の抽選対象役(本実施形態では、特別リプレイ)が当選した場合に、ATゲーム数を上乗せするか否かを決定する上乗せ抽選を行う。上乗せ抽選は、たとえば内部抽選処理において内部抽選が行われた後に実行されるようにしてもよく、1ゲームの進行において予め定められたタイミングで実行されるものであればよい。
上乗せ抽選では、ATゲーム数を上乗せするか否かを決定するとともに、上乗せすると決定したときには、複数種類のゲーム数(50、100、150、200、250、300)からATゲーム数に上乗せする上乗せゲーム数を決定する。決定された上乗せゲーム数は、メイン制御部41のRAMの所定領域において記憶されているATゲーム数に加算される。これにより、メイン制御部41は、ATに制御するゲーム数を上乗せする。
サブ制御部91は、上乗せ抽選が行われたときには、上乗せ当選したか否かを示唆する上乗せ示唆演出を所定タイミングで実行するための処理を行う。上乗せ示唆演出としては、所定画像を液晶表示器51に表示させる演出など、どのようなものであってもよい。
[各種コマンドについて]
メイン制御部41は、上記に例示した処理の実行に応じた遊技の進行状況および処理結果を特定可能なコマンドをサブ制御部91に送信する。サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドに基づいて、各種処理を行う。
本実施形態では、メイン制御部41がサブ制御部91に対して、内部当選コマンド、押し順コマンド、ストップスイッチやスタートスイッチの操作コマンド、遊技状態コマンド、AT抽選時コマンド、AT中コマンド、ATゲーム数コマンド、デモコマンド、エラー開始コマンド、エラー解除コマンドなどを含む複数種類のコマンドを送信する。
内部当選コマンドは、内部抽選の結果に応じて当選した抽選対象役が属するグループを特定可能なコマンドである。内部当選コマンドは、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始されたときに送信される。サブ制御部91は、内部当選コマンドを受信することにより、スタートスイッチ7の操作、および当選した抽選対象役が属するグループを特定可能である。
押し順コマンドは、内部抽選において当選した抽選対象役に応じて、遊技者にとって有利となる図柄組合せを停止させるための操作手順(正解手順ともいう)を特定可能なコマンドである。押し順コマンドは、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始されたときに送信される。AT中においては、正解手順を特定可能な押し順コマンドが送信されるのに対して、非AT中においては、正解手順を特定可能な押し順コマンドは送信されない。このため、サブ制御部91は、AT中においては押し順コマンドを受信することにより、正解手順を特定可能となる一方で、非AT中においては正解手順を特定できないようになっている。
ストップスイッチやスタートスイッチの操作コマンドはストップスイッチやスタートスイッチが操作されたことを示すコマンドであり、各操作時に送信される。遊技状態コマンドは遊技状態が移行したときに送信される。具体的にはRTが移行したときやボーナスに制御されたときに送信される。
AT抽選時コマンドは、AT抽選が行われたときに送信され、AT抽選に当選したか否か、当選したATゲーム数が何ゲームであるか、および、AT開始タイミングが何ゲーム目(AT当選から何ゲーム目)であるかなどを特定可能なコマンドである。
AT中コマンドは、ゲームが開始したときに送信され、当該ゲームがAT中におけるゲームであるか否かを特定可能なコマンドである。たとえば、ATゲーム数が付与されていてもATフラグがセットされておらずATが開始されていなければ、非ATを特定可能なコマンドが送信され、ATゲーム数が付与されておりかつATフラグがセットされておりATが開始されているときには、ATを特定可能なコマンドが送信される。
ATゲーム数コマンドは、メイン制御部41が管理するATゲーム数を特定可能なコマンドであって、ゲームが開始したときに送信される。たとえば、ATゲーム数が0であるときには、0を特定可能なコマンドが送信され、ATゲーム数が100であるときには、100を特定可能なコマンドが送信される。
デモコマンドは、デモ状態に制御したことを特定可能なコマンドである。サブ制御部91は、メイン制御部41からデモコマンドを受信すると、賭数が設定されていなければ、デモ状態に制御してデモ演出を実行する。
エラー開始コマンドは、エラー処理の開始およびエラーの種類を示すコマンドであり、エラー処理を開始する際に送信され、エラー解除コマンドは、エラー処理の終了を示すコマンドであり、リセット操作がなされてエラー状態が解除されたときに送信される。
サブ制御部91は、当選示唆演出抽選によって、当選示唆演出を実行する旨およびその種別を決定したときには、BB抽選・AT抽選の結果などに応じた当選示唆演出を次ゲーム開始時に実行した後に、BB抽選およびAT抽選の結果を報知する。
BB抽選およびAT抽選の結果としては、いずれも非当選であったときには「残念!」といったメッセージを液晶表示器51に表示させる演出が実行され、BB当選であったときには「BB確定!」といったメッセージを液晶表示器51に表示させる演出が実行され、AT当選であったときには「AT確定!」といったメッセージとともに「100ゲーム獲得!」といったように獲得したATゲーム数を特定可能なメッセージを液晶表示器51に表示させる演出が実行され、BB当選かつAT当選であったときには「BB・AT確定!」といったメッセージとともに「BB終了後100ゲームに亘りAT!」といったように獲得したATゲーム数を特定可能なメッセージを液晶表示器51に表示させる演出が実行される。なお、BB当選したゲームにおいてBB入賞した場合には、サブ制御部91は、BB当選を報知するための当選示唆演出を実行しない。
また、サブ制御部91は、ATゲーム数コマンドに基づき、ATゲーム数のみならず、前回受信時のATゲーム数との差数を算出することでAT当選あるいは上乗せ当選により獲得したATゲーム数を特定し、上乗せ示唆演出を実行する。
本実施の形態では、状態に応じた背景画像による演出、ナビ演出、当選示唆演出、および、上乗せ示唆演出などをサブ制御部91が所定の報知手段を制御することにより実行する例について説明した。しかし、これらサブ制御部91の制御に替えてあるいは加えて、状態に応じた背景画像による演出、ナビ演出、当選示唆演出、および、上乗せ示唆演出などについては、メイン制御部41に接続された報知手段を当該メイン制御部41が制御することにより実行するようにしてもよい。たとえば、状態に応じた背景画像による演出については、図4に示す遊技補助表示器12を用いて、状態に対応する情報を表示することにより実行するようにしてもよい。また、ナビ演出については、図4に示す左・中・右停止有効LED22L~22Rを用いて、停止すべきストップスイッチに対応するLEDのみを点灯させることにより実行するようにしてもよい。なお、左・中・右停止有効LED22L~22Rとは、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部に設けられ、通常時においては対応するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知するLEDである。また、当選示唆演出、および、上乗せ示唆演出については、図4に示す遊技補助表示器12を用いて、抽選結果に応じた情報を表示し、AT当選あるいは上乗せ当選しているときには獲得したATゲーム数を表示するようにしてもよい。
[ゲームの流れ]
ここで、図8および図9を再び参照し、ゲームの流れに関しまとめて説明する。まず、RT4およびボーナス以外のRT0~RT3におけるゲームの流れを説明する。RT0~3においては、AT中であるか否かによって、それぞれ、以下に説明するようなゲームの流れとなる。まず、非AT中のゲームの流れについて説明する。
設定変更状態が終了した後において、RT3に制御される。設定変更状態に制御されることにより非ATとなるため、RT3ではATに制御されず、ナビ演出が実行されない。このように、RT3においてナビ演出が実行されることがないため、RT3において左ベル1~4などのベルのうちの何れかに当選すると、第2停止と第3停止のタイミングによっては移行出目が導出される(図14参照)。よって、いつまでも移行出目が導出されずにRT1に移行されないといった不都合の発生を防止することができる。
RT1では、昇格リプレイに入賞することにより、RT0に移行する。昇格リプレイに入賞するためには、図13で示したように、リプレイGR1~6の何れかに当選しかつ昇格リプ入賞させるための操作手順で停止操作する必要がある。
また、RT0に制御された場合でも、当該RT0への制御を維持することが困難となるように設定されている。すなわち、図11および図13で示したように、RT0では、リプレイGR11~13に当選する可能性があり、このときには2/3の確率で転落リプレイが入賞してRT1に転落してしまう。
さらに、RT0で左ベル1~4などのベルのうち何れかに当選した場合において、所定のリール(図14に示す右下がりベルあるいは中段ベルを入賞させるためのリール)以外が第1停止されたときには、第2停止と第3停止のタイミングによっては移行出目が導出されてRT1に転落してしまう。また、図11および図13で示したように、RT0では、リプレイGR21~23に当選する可能性があり、このときに、所定のリール(図13に示す特殊リプレイを入賞させるためのリール)を第1停止すると特殊リプレイが入賞してRT2に制御される可能性がある。しかし、RT2に制御された場合でも、左ベル1~4などのベルのうち何れかに当選したときには、所定のリール(図14に示す右下がりベルあるいは中段ベルを入賞させるためのリール)以外が第1停止されたときには、第2停止と第3停止のタイミングによっては移行出目が導出されてRT1に転落してしまう。その結果、非AT中のときの遊技の大部分は、RT1において消化されることとなる。
次に、AT中であるときのゲームの流れについて説明する。RT1では、リプレイGR1~6の何れかに当選したときに、昇格リプレイを入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行され得る。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、昇格リプレイの入賞によりRT0に移行させることができる。RT0では、リプレイGR11~13の何れかに当選したときに、通常リプレイを入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行され得る。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、通常リプレイ入賞によりRT0を維持することができる。また、RT0では、左ベル1~4、中ベル1~4、および右ベル1~4のうち何れかに当選したときに、右下がりベルまたは中段ベルを入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行される。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、移行出目の導出を回避させてRT0を維持させることができる。さらに、RT0では、リプレイGR21~23の何れかに当選したときに、特殊リプレイを入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行され得る。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、特殊リプレイ入賞によりRT2に移行させることができる。
RT2では、左ベル1~4、中ベル1~4、および右ベル1~4のうち何れかに当選したときに、右下がりベルまたは中段ベルを入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行される。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、移行出目の導出を回避させてRT2を維持させることができる。
このように、本実施の形態のスロットマシン1において、AT中であるときには、RT2に制御されるように、かつRT2が維持されるように、ナビ演出が実行されるため、AT中であるときの遊技の大部分は、RT2において消化されることとなる。なお、ATはATゲーム数が0になると終了する。ATのゲーム数は、RT2+AT(本実施の形態では、遊技者にとって有利なRT2においてATに制御されている状態を、特に、アシストリプレイタイム(以下、ARTという)と呼ぶ。)に制御することが可能になったゲームの次ゲーム、すなわちRT0でリプレイGR21~23のいずれかに当選し、特殊リプレイが入賞可能となったゲームの次ゲームからカウント開始される。これにより、実質的にはARTでATゲーム数分のゲームを消化するとATが終了する。そして、ATの終了によりARTが終了することとなる。
ARTが終了した後においてはナビ演出が実行されなくなるが、移行出目が導出するまでRT2への制御が維持される。しかし、ARTが終了した後のRT2中は、非AT中であるため、前述したように所定のリール(図14に示す右下がりベルあるいは中段ベルを入賞させるためのリール)以外が第1停止される。その結果、ARTが終了した後のRT2中においては、ARTが終了してから極めて早い段階で移行出目が停止することによりRT1に移行される。
次に、BB1あるいはBB2に当選した後のゲームの流れについて説明する。いずれのRTに制御されているかにかかわらず、BB1あるいはBB2に当選したときには、図8で示したとおり、RT4へ制御される。また、BB当選ゲーム終了後の次ゲームにおいて当選示唆演出が実行されてBB当選している旨が報知されて、遊技者はBB1あるいはBB2に当選したことを把握することができる。BB入賞が発生すると、対応するボーナスに移行されて、所定の終了枚数払出されたときに終了して、RT3へ移行される。ここで、BBが他の抽選対象役と同時当選している場合は、BB以外の抽選対象役が優先的に入賞するようにリール制御される。そのため、RT4において小役または再遊技役に当選する確率が高い場合は、BB入賞が発生しにくく、ボーナスに移行しにくくなる。そこで、RT4においては、再遊技役に当選する確率がRT0またはRT2に比べて低くなるように設定されている(図9参照)。さらに、RT0~RT4においては、再遊技役以外の抽選対象役である小役に当選する確率は変わらないように設定されている。そのため、RT4においては、BBに単独で当選しやすく、いつまでもボーナスに移行できないということが起こりにくくなるように設定されている。
[エラーについて]
メイン制御部41は、ゲームの進行中にエラーを検出したときには、当該エラーの種類に応じて予め定められているエラーコード(E1~E8、図15参照)をメイン制御部41のRAMの所定領域に設定し、所定のエラー表示条件が成立したとき(本実施の形態では、リールの回転制御中にエラーを検出した場合には、全てのリールが停止されたときであり、リールの回転制御中以外のときにエラーを検出した場合には、エラーを検出したときである)に、メイン制御部41のRAMに設定されているエラーコードを含むエラー表示データを、遊技補助表示器12の出力バッファに設定する。
図15は、エラー報知による報知態様を示す図である。図15に示すように、メイン制御部41は、エラー表示データを設定する際には、エラーコードの英字および数字を表示させるように遊技補助表示器12の各セグメントを点灯状態とし、その他のセグメントを消灯状態とするエラー表示データを出力バッファに設定することで、遊技補助表示器12に検出されたエラーの種類を特定可能なエラーコードを表示させるように制御する。そして、予め定められている所定のエラー解除条件(図15参照)が成立したときに、出力バッファを初期化して、遊技補助表示器12でのエラーコードの表示を終了させる。エラー表示データでは、遊技補助表示器12の左側の「E」の文字に対応するセグメントを点灯させることで、「E」の文字を表示するとともに、遊技補助表示器12の右側のセグメントのうちエラーコードの数字に対応するセグメントを点灯させる一方で、遊技補助表示器12の他のセグメントを消灯させる。これにより、遊技補助表示器12にエラーコードを表示させる際には、ナビ報知や払出枚数表示では、表示されることがない英字「E」を遊技補助表示器12に表示させるように点灯態様を制御するので、エラーコードを報知する際の点灯態様は、ナビ報知での点灯態様、払い出しメダル枚数の報知での点灯態様と異なる点灯態様となり、遊技補助表示器12によりエラーコードの報知が行われているか、ナビ報知、払い出されるメダルの枚数の報知が行われているかが誤認されることのないようになっている。
また、図15に示すように、エラーは8種類検出されることがある。8種類のエラーは、払出エラー1、払出エラー2、払出エラー3、満タンエラー、投入エラー1、投入エラー2、投入エラー3、RAM異常エラーである。払出エラー1は、ホッパー内のメダルが空の状態であることを示す(ホッパーエラーとも称する)。払出エラー2は、メダル払出口でメダルが滞留状態であることを示す。払出エラー3は、メダル払出口に異物が投入されたことを示す。満タンエラーは、オーバーフロータンクが満タン状態であることを示す。投入エラー1は、メダルセレクタ内でメダルが滞留状態であることを示す。投入エラー2は、メダルセレクタ内で異物が滞留状態であることを示す(セレクタエラーとも称する)。投入エラー3は、メダル投入口からホッパーまでの間に異物が滞留状態であることを示す。RAM異常エラーは、メイン制御部でプログラムエラーが発生していることを示す。
なお、他のエラーが検出されるようにしてもよい。たとえば、正規のタイミングとは異なるタイミングでメダルの払い出し(ホッパータンク34aからメダル払出口9にメダルが払い出されること)が生じたときにエラーが検出されるようにしてもよい。ここで、正規のタイミングとは、払出処理が実行されているタイミングである。このようなエラーは、不正行為者がメダル払出口から何らかの方法で不正にメダルを取り出そうとするときに生じ得るエラーであって、不正行為が行われている可能性があるときに発生する。また、正規のタイミングとは異なるタイミングでメダルセレクタ29内のメダルの通過が生じたとき(メダル投入部4からホッパータンク34aにメダルが入ったとき)にエラーが検出されるようにしてもよい。ここで、正規のタイミングとは、クレジットに空きがある状態(たとえば、クレジットされているメダル数が50枚未満の状態)または賭け数が最大値に到達していない状態(たとえば、賭け数が3枚未満の状態)、かつ、リールが回転していない状態である。通常、正規のタイミングとは異なるタイミングで、メダル投入部4からメダルが投入された場合には、メダルの流路として、流路切替ソレノイド30によりメダル払出口9側の流路が選択されているため、ホッパータンク34aには入らず、メダル払出口9からメダルが払出されることになる。つまり、正規のタイミングとは異なるタイミングでメダル投入部4からホッパータンク34a方向にメダルが流下し投入エラーが発生しているときは、不正行為者により何かしらの不正行為が行われている可能性がある。
そして、エラーの種類ごとに、遊技補助表示器12に表示されるエラーコード(「E1」~「E8」)、エラー報知の解除条件(「ドアキー操作」「リセット操作」、「設定変更操作」)、およびエラーの優先度(「高」「中」「低」)が定められている。エラーの優先度は、エラーの内容により異なっている。たとえば、メダルが詰まっただけのようなメダル滞留状態となるエラーは優先度が低く、ホッパー内のメダルが空になるような遊技の進行ができないエラーは優先度が中程度であり、メダルセレクタ内で異物が滞留状態であることが検出されたようなゴト行為(たとえば、メダルセレクタ内に不正装置を進入させ、実際にはコインが投入されていないのにコインが投入されたものと認識させるような行為。)の可能性の高いエラーは優先度が高くなっている。なお、エラー報知の優先度の設定や変更は遊技機の製造メーカが行ってもよいし、遊技場の係員や管理者が行ってもよい。また、優先度は、1段階しかないものであってもよいし、複数段階設定されるものであってもよい。
たとえば、払出エラー1は、優先度が「中」のエラーである。ホッパー内のメダルが空の状態であることが検出された場合には、遊技補助表示器12に「E1」というエラーコードが表示される。また、払出しエラー1に関する情報は、メイン制御部41からサブ制御部91に送信される。サブ制御部91では、払出しエラー1に関する情報を受け取ると、払出しエラー1に関する情報を液晶表示器51の表示領域51aに表示させる制御を行う。遊技補助表示器12および液晶表示器51の表示領域51aに表示されたエラーに関する情報を示すエラー表示は、ドアキーが操作されることで消去される。
他のエラーでも同様の処理が行われる。たとえば、投入エラー2は、優先度が「高」のエラーである。メダルセレクタ内で異物が滞留状態であることが検出された場合には、遊技補助表示器12に「E6」というエラーコードが表示される。また、投入エラー2に関する情報は、メイン制御部41からサブ制御部91に送信される。サブ制御部91では、投入エラー2に関する情報を受け取ると、投入エラー2に関する情報を液晶表示器51の表示領域51aに表示させる制御を行う。遊技補助表示器12および液晶表示器51の表示領域51aに表示されたエラーに関する情報を示すエラー表示は、リセット/設定スイッチ38が操作されることで消去される。
[エラー処理]
本実施の形態におけるスロットマシン1では、上述したようなエラーが発生すると、メイン制御部41は、タイマ割込処理によって当該エラーの発生を検知する。メイン制御部41は、エラーを検知すると、エラーコードをRAM41c内のレジスタに設定する。エラーコードが設定されると、メイン制御部41は、開始待ち中エラー処理を実行する。開始待ち中エラー処理では、遊技の進行を不能化するエラー処理が実行される。
具体的に、メイン制御部41は、エラー処理において、遊技補助表示器12にエラーコードを表示する。さらに、メイン制御部41は、エラー処理において、サブ制御部91に対してエラー開始コマンドを送信する。サブ制御部91は、エラー開始コマンドを受信すると、液晶表示器51の画面上にエラーが発生した旨の画像を表示するとともに、スピーカ53,54からエラー報知音を出力する。このように、エラー処理が実行されると、遊技補助表示器12にエラーコードが表示されるため、払出枚数やナビ報知によるリールの停止順を識別可能な情報等が表示されず、遊技の進行が不能となる。また、エラー処理が実行されると、液晶表示器51の画面上にエラーが発生した旨の画像が表示されるとともに、スピーカ53,54からエラー報知音を出力されるため、遊技に関する演出等が表示されず、遊技の進行が不能となる。さらに、エラーが検知されると、流路切替ソレノイドがoffの状態になるため、メダルが投入されてもメダル払出口9側へと当該メダルが案内されてしまい、遊技の進行が不能となる。また、エラーが検知されると、スタートスイッチ7やストップスイッチが操作されても、エラーが解除されるまで、当該操作に基づく処理が行われないため、リールが回転したり、あるいはリールが停止したりせず、遊技の進行が不能となる。
エラーの解除条件は、リセット/設定スイッチ38を操作(リセット操作ともいう)するかあるいはリセットスイッチ23が操作されることにより成立する。なお、設定キースイッチ37を捻ってon状態にすることでエラー解除されるようにしてもよい。メイン制御部41は、リセット操作を受け付けると、遊技補助表示器12のエラーコードの表示をクリアする。また、メイン制御部41は、エラー処理を終了する旨を示すエラー解除コマ ンドをサブ制御部91に送信する。サブ制御部91は、エラー解除コマンドを受信すると、液晶表示器51のエラー画像の表示をクリアするとともに、スピーカ53,54からのエラー報知音の出力を停止する。さらに、エラーの解除条件が成立すると、メイン制御部41は、流路切替ソレノイドをoffからonに切り替えることで、ホッパータンク34a側へとメダルを案内する。また、エラーの解除条件が成立すると、メイン制御部41は、スタートスイッチ7やストップスイッチの操作に基づく処理を実行する。このように、エラーが解除されると、遊技の進行が可能になる。
[エラー表示画面]
図16は、エラー表示画面を説明するための図である。図16に示すように、スロットマシン1にエラーが発生したときは、液晶表示器51の表示領域51aにエラー表示が行われる。図16では、ホッパー内のメダルが空状態であることを示す払出エラー1となっている場合について説明する。
図16に示すように、中段ベル入賞が発生し、8枚の払出しの際中に払出されるメダルが無くなった場合(払出エラー1となった場合)には、液晶表示器51の表示領域51aの上下に「係員をお呼び下さい」との文字で、呼出画像61aが表示される。また、液晶表示器51の表示領域51aの左右に「E1ホッパーエラー」との文字で、ホッパーエラーで有ることを示すホッパーエラー画像62aが表示される。実際に遊技を実行中のときの演出に登場するキャラクタを用いたエラー表示が行われる。
遊技者は、エラーが発生した際には、遊技店の係員を呼びエラーを解除してもらわなければならない。係員を呼ぶ場合には、スロットマシンの上部に設置されているボーナス回数やゲーム数等のデータを表示可能なデータ表示器に設定された呼出ボタンを押せばよい。エラーとなった場合には、遊技者に呼出ボタンの操作を促すエラー表示が、演出に登場するキャラクタを用いて実行される。具体的には、図16に示すように、スロットマシン1を示す筐体画像63の上方に表示されるデータ表示器画像64に設置された呼出ボタンを演出に登場するキャラクタを用いたキャラクタ画像60が押す動作を表示する。
このように、遊技者に呼出ボタンの操作を促すエラー表示を、演出に登場するキャラクタ画像60を用いて実行することで、遊技者への興趣の向上を図りつつ、遊技者が実行するべき動作を示すことができる。特に、演出に登場するキャラクタ画像60を用いることで、文字のみのような単調なエラー画面よりも面白みを向上させることができる。
なお、キャラクタ画像60は、演出に用いられるキャラクタではなく、メーカ特有のマスコットキャラクタであってもよい。また、複数のキャラクタから、遊技者や遊技店員がエラー発生時のキャラクタを選択できるようにしてもよい。また、遊技者がお気に入りのキャラクタを設定できる機能が設けられていれば、設定されたキャラクタを用いてエラー表示が行われてもよい。
また、エラー表示の際の筐体画像63は、実際のスロットマシン1の筐体を示す画像(たとえば、筐体の実写)でもよいし、スロットマシンであることが分かるスロットマシンを模した別の画像であってもよい。また、データ表示器やスロットマシン、その二つの間に表示されるメダル置き場を示す画像は、実際の遊技場での配置に対応するように、複数の画像の中からレイアウトが変更できるようにしてもよい。
[エラー表示画面の変形例]
図17および図18は、エラー表示画面の変形例を説明するための図である。図17は、ホッパー内のメダルが空状態であることを示す払出エラー1となっている場合を示す。また、図18は、メダルセレクタ内で異物が滞留状態であることを示す投入エラー2となっている場合を示す。
図17(a)に示すように、払出エラー1となった場合には、液晶表示器51の表示領域51aの上下に「係員をお呼び下さい」との文字で、呼出画像61aが表示される。また、液晶表示器51の表示領域51aの左右に「E1ホッパーエラー」との文字で、ホッパーエラーが発生していることを示すホッパーエラー画像62aが表示される。また、液晶表示器51の表示領域51aの中央には、前面扉を開いた状態のスロットマシン1の筐体の実写画像である筐体画像63が表示される。また、エラー発生箇所であるホッパーユニット(ホッパータンク)を示すホッパー画像63aが、他の部分の色とは異なる目立つ色(たとえば、赤色)で表示される。
図17(a)の状態から数秒経過後(たとえば、3秒)に、エラー表示は、図17(b)に示す表示となり、以降、エラーが解除されるまで、図17(a)と図17(b)との表示が繰返される。エラー表示が図17(b)のように表示されるときには、液晶表示器51の表示領域51aの上下に「ドアキーを操作し、エラーを解除して下さい」との文字で、ドアキーを操作することでエラーが解除されることを示すドアキー操作画像62bが表示される。また、液晶表示器51の表示領域51aの左右に「E1ホッパーエラー」との文字で、ホッパーエラーが発生していることを示すホッパーエラー画像62aが引き続き表示される。また、液晶表示器51の表示領域51aの中央には、前面扉を開いた状態のスロットマシン1の筐体の実写画像である筐体画像63において、発生しているエラーを解除するために操作するドアキーを示すドアキー画像63bが、他の部分の色とは異なる目立つ色(たとえば、赤色)で表示される。ドアキー画像63bは、拡大されて表示されることにより、解除する位置が分かり易く表示されるようになっている。
このように、実際に使用される遊技機としてのスロットマシン1の筐体の実写画像である筐体画像63において、ホッパーエラーの発生箇所を示すホッパー画像63aが、他の部分の色とは異なる目立つ色(たとえば、赤色)で表示される。よって、ホッパーエラーの発生箇所を的確に示すことができる。また、実際に使用される遊技機としてのスロットマシン1の筐体の実写画像である筐体画像63において、ホッパーエラーを解除するために操作するドアキー画像63bが、他の部分の色とは異なる目立つ色(たとえば、赤色)で表示される。よって、ホッパーエラーの解除箇所を的確に示すことができる。
次に図18について説明する。図18(a)に示すように、投入エラー2となった場合には、液晶表示器51の表示領域51aの上下に「係員をお呼び下さい」との文字で、呼出画像61aが表示される。また、液晶表示器51の表示領域51aの左右に「E6セレクタエラー」との文字で、セレクタエラーが発生していることを示すセレクタエラー画像62cが表示される。また、液晶表示器51の表示領域51aの中央には、前面扉を開いた状態のスロットマシン1の筐体の実写画像である筐体画像63が表示される。また、エラー発生箇所であるメダルセレクタを示すセレクタ画像63cが、他の部分の色とは異なる目立つ色(たとえば、赤色)で表示される。
図18(a)の状態から数秒経過後(たとえば、3秒)に、エラー表示は、図18(b)に示す表示となり、以降、エラーが解除されるまで、図18(a)と図18(b)との表示が繰返される。エラー表示が図18(b)のように表示されるときには、液晶表示器51の表示領域51aの上下に「リセットスイッチを操作し、エラーを解除して下さい」との文字で、リセットスイッチを操作することでエラーが解除されることを示すリセットスイッチ操作画像62dが表示される。また、液晶表示器51の表示領域51aの左右に「E6セレクタエラー」との文字で、セレクタエラーが発生していることを示すセレクタエラー画像62cが引き続き表示される。また、液晶表示器51の表示領域51aの中央には、前面扉を開いた状態のスロットマシン1の筐体の実写画像である筐体画像63において、発生しているエラーを解除するために操作するリセットスイッチ(リセット/設定スイッチ38)を示すリセットスイッチ画像63dが、他の部分の色とは異なる目立つ色(たとえば、赤色)で表示される。リセットスイッチ画像63dは、拡大されて表示されることにより、解除する位置が分かり易く表示されるようになっている。なお、リセットスイッチ23を示す画像が表示されるようにしてもよい。
このように、実際に使用される遊技機としてのスロットマシン1の筐体の実写画像である筐体画像63において、セレクタエラーの発生箇所を示すセレクタ画像63cが、他の部分の色とは異なる目立つ色(たとえば、赤色)で表示される。よって、セレクタエラーの発生箇所を的確に示すことができる。また、実際に使用される遊技機としてのスロットマシン1の筐体の実写画像である筐体画像63において、セレクタエラーを解除するために操作するリセットスイッチ画像63dが、他の部分の色とは異なる目立つ色(たとえば、赤色)で表示される。よって、セレクタエラーの解除箇所を的確に示すことができる。
また、図17,図18に示すように、筐体画像63は、スロットマシン1の実写画像であるため、エラーに対するエラー表示を分かり易くすることができる。なお、図17(b),図18(b)に示すように、エラーの解除箇所のみ拡大される場合を示したが、図17(a),図18(a)に示すエラーの発生箇所が拡大されて表示されるようにしてもよい。また、エラーの解除箇所,エラーの発生箇所がともに拡大されないままでもよい。
また、筐体画像63は、スロットマシン1全体を示す画像であったが、スロットマシン1の一部を示す画像であってもよい。また、筐体画像63は、全体から一部のように変化するものでもよい。また、筐体画像63は、前扉を閉じた状態の画像でもよいし、閉じた状態から開いた状態に変化するものでもよい。なお、実写画像である筐体画像63において一部を透明とすることにより、エラーの解除箇所,エラーの発生箇所が見えやすくしてもよい。
また、エラーの解除箇所,エラーの発生箇所は、強調表示として太枠で囲まれる態様で表示されてもよい。エラーの解除箇所,エラーの発生箇所は、強調表示として時間経過によりズームアップされていくものでもよい。
[複数のエラー表示について]
次に、複数のエラーが発生した場合について説明する。複数のエラーが発生したときには、当該複数のエラーのうちの所定基準に基づく優先度の高いエラーから順番に当該エラーに対応するエラー表示を表示する。たとえば、ホッパーエラーやセレクタエラー等の複数のエラーが重なった期間に発生することも考えられる。このような場合には、図15に基づいて優先度の高いエラーから順番にエラー表示を実行することで、複数のエラーに対して分かり易く表示することができる。つまり、図15に基づいて優先度が高く、早く知らせる必要があるエラーが先に表示される。なお、同じ優先度のエラーが同時に発生した場合には、複数のエラーのうち、先に発生したエラーから順に表示すればよい。また、図15に示す優先度を1段階から8段階まで細かく設定し、優先度の高いエラーから順に表示するようにしてもよい。
また、同じ優先度のエラーが同時に発生した場合には、複数のエラーのうち、先に発生したエラーから順に表示するようにしてもよいし、複数のエラーのうち、後に発生したエラーから順に表示するようにしてもよいし、複数のエラーを一括して表示してもよい。
[複数のエラー表示の変形例について]
また、複数のエラーが発生したときには、当該複数のエラーに対応するエラー表示を一括して表示するようにしてもよい。たとえば、ホッパーエラーやセレクタエラー等の複数のエラーが重なった期間に発生することも考えられる。このような場合には、エラー表示を一括して表示することで、複数のエラーに対して分かり易く表示することができる。なお、複数のエラー表示を一括して表示するときには、エラー毎に、エラーの解除箇所やエラーの発生箇所の区別が付くように色を変えるようにすることが望ましい。
また、複数のエラーが発生したときには、当該複数のエラーのうちの先に発生したエラーから順番に当該エラーに対応するエラー表示を表示するようにしてもよい。たとえば、ホッパーエラーやセレクタエラー等の複数のエラーが重なった期間に発生することも考えられる。このような場合には、先に発生したエラーから順番にエラー表示を実行することで、複数のエラーに対して分かり易く表示することができる。つまり、古いエラーから順序よく報知することができる。
また、複数のエラーが発生したときには、当該複数のエラーのうちの後に発生したエラーから順番に当該エラーに対応するエラー表示を表示するようにしてもよい。たとえば、ホッパーエラーやセレクタエラー等の複数のエラーが重なった期間に発生することも考えられる。このような場合には、後に発生したエラーから順番にエラー表示を実行することで、複数のエラーに対して分かり易く表示することができる。つまり、最新のエラーから順序よく報知することができる。
[説明演出画面]
図19および図20は、説明演出画面を説明するための図である。本実施の形態のスロットマシン1では、非遊技状態で所定時間が経過することにより、デモンストレーション状態(以下、単にデモ状態とも称する)へと移行する。デモ状態に制御されると、サブ制御部91によってデモ演出(デモンストレーション演出)が実行される。デモ演出では、たとえば、液晶表示器51の表示領域51aにスロットマシン1の遊技方法を示す説明演出、スロットマシン1の演出で登場するキャラクタやストーリーの内容、遊技中に実行されるBBやAT当選の高期待度演出を説明する映像などが流れる。デモ状態には周期があり、デモ演出としては、デモ状態の1周期分の期間に合わせた演出が用意されている。なお、本実施の形態におけるデモ状態は、1周期で約1分間である。このため、デモ演出の区切りは、約1分間である。
本実施の形態においては、遊技者によって精算操作が行われると、デモ状態に制御される。また、前回のゲームが終了してから次のゲームが開始するまでの非遊技状態において経過した期間が所定期間(たとえば、30秒間)に達したときにデモ状態に制御される。さらに、演出設定画面が終了したときにデモ状態に制御される。デモ状態は、1枚BETスイッチ5の操作、MAXBETスイッチ6の操作、およびメダル投入部4へのメダル投入のいずれかが遊技者によって行われて再び賭数が設定されると、解除される。また、リプレイ入賞時は、自動BETされるので、非遊技状態で所定期間経過してもデモ状態に移行しないようになっている。
図19(a)に示すように、デモ中の説明演出では、液晶表示器51の表示領域51aの中央に、スロットマシン1の筐体の実写画像である筐体画像63が表示される。また、筐体画像63に重ねてデモ中であることを示すデモ画像64cが表示される。また、筐体画像63の左側には、演出で用いられるキャラクタを用いた説明キャラクタ画像64aが表示される。説明キャラクタ画像64aの上方には、説明演出がこれから開始されることを示す説明画像64bが表示される。
図19(a)が表示された後は、続けて液晶表示器51の表示領域51aの中央に、筐体画像63の一部が拡大されて表示される。また、筐体画像63に重ねてデモ中であることを示すデモ画像64cが表示される。また、筐体画像63の右側には、演出で用いられるキャラクタを用いた説明キャラクタ画像64aが表示される。説明キャラクタ画像64aの上方には、メダル投入部4にメダルを3枚以上入れてスタートスイッチ7を操作することによりゲームが開始されることを示す説明画像64dが表示される。
図20(a)は、デモ中において、演出用スイッチ56が操作された場合に表示されるメニュー画面において、複数の項目のうち、遊技方法の説明演出の項目に決定(たとえば、MAXBETスイッチ6で選択し、演出用スイッチで決定)された後の画面を示している。なお、演出用スイッチ56とは、別に項目を選択するための十字キー等の操作手段が設けられていてもよい。図20(a)に示すように、液晶表示器51の表示領域51aの中央に、筐体画像63の一部が拡大されて表示される。筐体画像63の右上には、演出で用いられるキャラクタを用いた説明キャラクタ画像64aが表示される。説明キャラクタ画像64aの左側には、遊技をする際に通常どの図柄を最初に狙うかを示す説明画像64eが表示される。本実施の形態では、黒BAR図柄を左リール2Lに狙ってストップスイッチ8Lを操作することで、チェリー等に当選していた場合に取りこぼさないタイミングで図柄を停止することができる。遊技者は、説明画像64eにより、黒BAR図柄を左リール2Lに狙い遊技することを理解できる。
図20(a)が表示された後は、図20(b)に示すように、続けて液晶表示器51の表示領域51aの中央に、筐体画像63の一部が拡大されて表示される。筐体画像63の右上には、演出で用いられるキャラクタを用いた説明キャラクタ画像64aが表示される。説明キャラクタ画像64aの左側には、チェリー図柄が停止することにより、ボーナスやATの当選に期待を持てることを示す説明画像64fが表示される。遊技者は、説明画像64fにより、チェリー図柄が導出されることで有利となる可能性が高いことを理解できる。
図19に示すように、筐体の一部の画像を用いてデモ中に遊技方法を説明する説明演出が実行される。また、図20に示すように、筐体の一部の画像を用いて非遊技中の遊技者の操作により遊技方法を説明する説明演出が実行される。このように、スロットマシン1の筐体の実写画像である筐体画像63を用いて説明演出が実行されるので、遊技方法の説明を分かり易く遊技者に伝えることができる。
また、図19(a)に示すようなスロットマシン1の全体を表す筐体画像63と図19(b)に示すようなスロットマシン1の一部を表す画像を用いて説明演出が実行されるため、遊技方法の説明を分かり易く遊技者に伝えることができる。なお、図20のメニュー画面での操作により、説明演出が選択された場合に、スロットマシン1の全体を表す筐体画像63が表示されるようにしてもよい。また、デモ中とメニュー画面での操作中とで、同じ説明演出であってもよい。また、本実施の形態のように、デモ中は、初心者に分かり易い説明演出、メニュー画面での操作中は、遊技経験はあるがこのスロットマシン1を初めて遊技する者に分かり易い説明演出として、同じ非遊技中であっても場面が違えば、説明演出の内容に差を設けるようにしてもよい。
[促進表示画面]
図21は、促進表示画面を説明するための図である。本実施の形態のスロットマシン1では、スタートスイッチ7が操作された時点から所定時間が経過すると、回転中のリール2L~2Rを停止させるためにストップスイッチ8L~8Rの操作を促す停止促進表示画面として停止促進画像65aが表示される。
図21(a)に示すように、停止促進画像65aでは、液晶表示器51の表示領域51aの中央に、スロットマシン1の筐体の実写画像である筐体画像63の一部が拡大されて表示される。また、停止促進表示画面として、ストップスイッチ8L~8Rの操作を促す「ストップボタンを押して、リールを停止して下さい」の文字が表示されるとともに、ストップスイッチおよびその近傍を含む筐体の一部の画像を用いて停止促進画像65aが表示される。
また、本実施の形態のスロットマシン1では、ボタン演出等の操作手段を用いる演出が実行される場合に、演出用スイッチ56の操作を促す演出促進表示画面として演出促進画像65bが表示される。
図21(b)に示すように、ボタン演出として液晶表示器51の表示領域51aの中央に「押せ!」の文字が表示されるときに、演出促進画像65bとして、説明キャラクタ画像64aが左下に表示される。また、説明キャラクタ画像64aの右側にスロットマシン1の筐体の実写画像である筐体画像63の一部が拡大されて表示される。演出促進画像65bとして、拡大表示される画像は、演出用スイッチ56およびその近傍を含む筐体の一部の画像ある。
図21に示すように、停止促進画像65aや演出促進画像65bは、スロットマシン1の一部を表す画像を用いて実行されるため、好適に促進表示を表示することができる。ここで、ボタン演出は、演出用スイッチ56以外のMAXBETスイッチ6においても実行可能である。しかしながら、ボタン演出実行時には、演出用スイッチ56への操作を促すようにしている。このため演出促進画像65bとして、拡大表示される画像は、演出用スイッチおよびその近傍を含む筐体の一部の画像ある。このようにすれば、図21(b)に示すように、いずれのスイッチを操作するのかを特定可能な演出促進画像65bが表示されるので、いずれの操作手段を操作すべきなのかを遊技者に分かり易く伝えることができる。
また、図21(a)に示すように、ストップスイッチ8L~8Rおよびスタートスイッチ7,MAXBETスイッチ6,演出用スイッチ56を含む範囲の停止促進画像65aを表示するので、いずれの操作手段を操作すべきなのかを遊技者に分かり易く伝えることができ、好適にストップスイッチの操作を促す促進表示を表示することができる。
また、図21に示すように、停止促進画像65aや演出促進画像65bには、スロットマシン1全体を表す画像を用いないようにしている。よって、スロットマシン1の筐体画像63の画像が大きくなりすぎて促進表示が見えにくくなるのを防ぐことができる。
なお、停止促進画像65aや演出促進画像65bは、液晶表示器51の表示領域51aの全体に表示されるようにしてもよいし、液晶表示器51の表示領域51aの一部に表示されるようにしてもよい。また、操作手段としては、スロットマシン1の筐体1aの下側に設けられたパネルの少なくとも一部が押圧操作できるようにしてもよい。このような場合には、ボタン演出が実行される場合には、演出促進画像65bとして下パネル全部または一部を操作可能であることを示す画像が表示されるようにすればよい。また、操作手段としては、下パネルに限らずスロットマシン1の筐体1aいずれかの位置(たとえば、筐体1aの上部や左右)に設けられた操作手段(たとえば、役物)を遊技者が操作可能としてもよい。そして、このような場合には、演出促進画像65bとして役物と筐体1aとを含めた画像が表示されるようにすればよい。また、操作手段としてタッチセンサ等のセンサが筐体に設定されている場合に、当該タッチセンサの位置を示す画像が表示されるようにしてもよい。
次に、本実施の形態におけるメイン制御部41が実行する各種制御内容を説明する。
[起動処理(メイン)]
メイン制御部41は、リセット回路49からシステムリセット信号が入力されると、図22のフローチャートに示す起動処理(メイン)を行う。
図22に示すように、メイン制御部41は、まず、内蔵デバイスや周辺IC、割込モード、スタックポインタ等を初期化した後(Sa2)、IレジスタおよびIYレジスタの値を初期化する(Sa3)。IレジスタおよびIYレジスタの初期化により、Iレジスタには、割込発生時に参照する割込テーブルのアドレスが設定され、IYレジスタには、RAM41cの格納領域を参照する際の基準アドレスが設定される。これらの値は、固定値であり、起動時には常に初期化されることとなる。
次いで、RAM41cへのアクセスを許可し(Sa4)、RAM41cの全ての格納領域(未使用領域および未使用スタック領域を含む)のRAMパリティを計算する(Sa5)。
Sa6のステップでは、Sa5のステップにおいて計算したRAMパリティが0か否かを判定する。正常に電断割込処理(メイン)が行われていれば、RAMパリティが0になるはずであり、Sa6のステップにおいてRAMパリティが0でなければ、RAM41cに格納されているデータが正常ではなく、この場合には、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域、重要ワークを除く全ての格納領域を初期化する初期化1を実行した後(Sa19)、設定キースイッチ37がonか否かを判定し(Sa20)、設定キースイッチ37がonであれば、設定開始を示す設定コマンドを生成し(Sa16)、生成した設定変更中コマンドをコマンドバッファに格納し(Sa17)、図25において説明するメイン制御部41が一定間隔(0.56msの間隔)で実行するタイマ割込処理(メイン)の割込を許可して(Sa18)、当選役の当選確率の変更などを行う設定変更処理、すなわち設定変更状態に移行する。そして、設定変更処理が終了すると、図23に示すゲーム処理に移行する。
Sa20のステップにおいて設定キースイッチ37がoffであれば、RAM異常を示すエラーコードをレジスタに設定し(Sa21)、RAM異常を示すエラーコマンドを生成し(Sa22)、生成したエラーコマンドをコマンドバッファに格納し(Sa23)、図25において説明するメイン制御部41が一定間隔(0.56msの間隔)で実行するタイマ割込処理(メイン)の割込を許可して(Sa24)、エラー処理、すなわちRAM異常エラー状態に移行する。そして、例えば、遊技店員によってリセット/設定スイッチ38が操作されるなどして、RAM異常エラー状態が解除されると、図23に示すゲーム処理に移行する。
Sa6のステップにおいて、RAMパリティが0であれば、更に破壊診断用データが正常か否かを判定する(Sa7)。正常に電断処理(メイン)が行われていれば、破壊診断用データが設定されているはずであり、Sa7のステップにおいて破壊診断用データが正常でない場合(破壊診断用データが電断時に格納される5A(H)以外の場合)にも、RAM41cのデータが正常ではないので、Sa19のステップに移行して初期化1を実行し、その後、Sa20のステップにおいて設定キースイッチ37がonであれば、前述したSa16~Sa18の処理を行い、設定変更処理、すなわち設定変更状態に移行する。また、Sa20のステップにおいて設定キースイッチ37がoffであれば、前述したSa21~Sa24の処理を行い、エラー処理、すなわちRAM異常エラー状態に移行する。そして、RAM異常エラー状態が解除されると、図23に示すゲーム処理に移行する。
Sa7のステップにおいて破壊診断用データが正常であると判定した場合には、RAM41cのデータは正常であるので、破壊診断用データをクリアし(Sa8)、RAM41cの非保存ワーク、未使用領域および未使用スタック領域を初期化する初期化3を行った後(Sa9)、設定キースイッチ37がonか否かを判定し(Sa10)、設定キースイッチ37がonであれば、初期化1を実行し(Sa15)、前述したSa16~Sa18の処理を行い、設定変更処理、すなわち設定変更状態に移行する。そして、設定変更処理が終了すると、図23に示すゲーム処理に移行する。
Sa10のステップにおいて設定キースイッチ37がoffであれば、各レジスタを電断前の状態、すなわちスタックに保存されている状態に復帰し(Sa11)、復帰コマンドを生成して(Sa12)、コマンドバッファに格納し(Sa13)、設定変更状態中に電断が発生して設定変更状態に復帰したことを識別するための停電復旧フラグをRAM41cにセットし(Sa14a)、図25において説明するメイン制御部41が一定間隔(0.56msの間隔)で実行するタイマ割込処理(メイン)の割込を許可して(Sa14b)、電断前の最後に実行していた処理に戻る。電断前に図23に示すゲーム処理中のいずれかの処理が行われていた場合には、Sa11で復帰されたプログラムカウンタ(PC)の値及びバックアップRAMのバックアップデータに基づいて、ゲーム処理のSd1~Sd7の処理のうち、電断前に行われていた処理に戻る。また、例えば、電断前に図25に示すタイマ割込処理中のいずれかの処理が行われていた場合には、Sa11で復帰されたプログラムカウンタ(PC)の値及びバックアップRAMのバックアップデータに基づいて、タイマ割込処理のSk1~Sk26の処理のうち、電断前に行われていた処理に戻る。
なお、電断前に設定変更状態中であり、設定変更処理中のいずれかの処理が行われていた場合において、設定キースイッチがonのままで電断復帰したときは、Sa10で設定キースイッチがonであることが判定され、設定変更処理では最初の処理であるSc1の処理から処理が実行される。しかし、電断中に設定キースイッチがoffに戻されて電断が復帰したときには、図22のSa11で復帰されたプログラムカウンタ(PC)の値及びバックアップRAMのバックアップデータに基づいて、設置変更処理のSc1~Sc28の処理のうち、電断前に行われていた処理に戻る。電断前に設定変更状態中であったか否かは図22のSa14aでセットされる停電復旧フラグの有無を判定することにより識別することができる。また、電断復帰により設定変更状態に復帰するときには、遊技補助表示器12や設定値表示器24の表示状態もバックアップRAMのバックアップデータにもとづいて電断前の表示状態に復帰する。
また、電断前にエラー状態中である場合には、バックアップRAMに図26のSk26でセットされるエラー検出フラグが記憶される。よって、電断復帰時にはエラー検出フラグがセットされていると判定されるのでエラー報知処理が最初から再開される(図24のSb1)。
[ゲーム処理]
図23は、メイン制御部41が実行するゲーム処理の制御内容を示すフローチャートである。
図23に示すように、ゲーム処理では、BET処理(Sd1)、内部抽選処理(Sd2)、リール回転処理(Sd3)、入賞判定処理(Sd4)、払出処理(Sd5)、ゲーム終了時処理(Sd6)、エラー報知処理(Sd7)を順に実行し、ゲーム終了時処理が終了すると、再びBET処理に戻る。
Sd1のステップにおけるBET処理では、賭数を設定可能な状態で待機し、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定され、スタートスイッチ7が操作された時点でゲームを開始させる処理を実行する。
Sd2のステップにおける内部抽選処理では、Sd1のステップにおけるスタートスイッチ7の検出によるゲーム開始と同時にラッチされた内部抽選用の乱数値に基づいて上記した各役への入賞を許容するか(すなわち、表示結果の導出を許容するか否か)どうかを決定する処理を行う。この内部抽選処理では、それぞれの抽選結果に基づいて、RAM41cに当選フラグが設定される。なお、内部抽選により特別役(BB)に当選した場合は特別役持ち越しフラグセットされる。そして、上記したように特別役持ち越しフラグの有無を判定することによって特別役の持ち越しの有無を判定し、持ち越しの有無に応じた当選役(特別役持ち越し中は特別役は内部抽選の対象から除外される)について判定処理が行われる。
Sd3のステップにおけるリール回転処理では、スタートスイッチ7の操作に応答して各リール2L、2C、2Rを回転させる処理、Sd2のステップにおける内部抽選の結果および遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことに応じて対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる処理を実行する。
Sd4のステップにおける入賞判定処理では、Sd3のステップにおいて全てのリール2L、2C、2Rの回転が停止したと判定した時点で、各リール2L、2C、2Rに導出された表示結果に応じて入賞が発生したか否かを判定する処理を実行する。なお、特別役が入賞した場合には本処理において特別役持ち越しフラグがクリアされる。
Sd5のステップにおける払出処理では、Sd4のステップにおいて入賞の発生が判定された場合に、その入賞に応じた払出枚数に基づきクレジットの加算並びにメダルの払出等の処理を行う。
Sd6のステップにおけるゲーム終了時処理では、次のゲームに備えて遊技状態を設定する処理を実行する。
Sd7のステップにおけるエラー報知処理では、エラーが発生した旨及びエラーの種類を報知する処理を実行する。メイン制御部41は、Sd1~Sd6の処理を行っているときにエラーの発生が検出された場合には、各処理を中断して本処理を実行する。そして、エラーが解除されたときに中断前の処理に復帰させる。
また、ゲーム処理では、ゲームの進行制御に応じてコマンドを生成してコマンドバッファに設定し、サブ制御部91に送信されるようになっている。
[エラー報知処理]
図24は、メイン制御部41が図23のSd7において実行するエラー報知処理の制御内容を示すフローチャートである。前述したように、図23のSd1~Sd6の処理を実行しているときにエラーが検出されたときには、そのときに実行している処理を中断して本処理を実行する。エラーは、図25及び図26に示すメイン制御部41が一定時間ごとに実行するタイマ割込処理(メイン)のエラー検出処理(図26のSk26)によって検出される。
エラー報知処理では、まず、図25及び図26に示すタイマ割込処理(メイン)のエラー検出処理(図26のSk26)においてエラーが検出され、エラー検出フラグがセットされたか否かを判定する(Sb1)。エラー検出フラグがセットされていない場合には処理を終了する。
エラー検出フラグがセットされている場合には、現在の遊技補助表示器12の表示状態をスタックに退避する(Sb2)。そして、エラー状態に制御されていることを示すエラー状態中表示及びレジスタに格納されているエラーコードを示すエラーコード表示(エラー種類表示)を遊技補助表示器12に表示する(Sb3)。具体的には、遊技補助表示器12で1桁目はエラー状態中表示である「E」を示し、2桁目はエラーコードを示す数字を示す表示(例えば「E 1」)を行う。
次いで、リセット/設定スイッチ38またはリセットスイッチ23によるエラー解除操作を受け付け開始するまでの時間をカウントする操作遅延カウンタにカウント値をセットする(Sb4)。操作遅延カウンタのカウント値として、例えば3秒に相当する値をセットする。
次いで、エラーコードがRAM異常エラーであるか否かを判定し(Sb5)、RAM異常エラーを示すエラーコードである場合には、いずれの処理も行わないループ処理に移行する。
Sb5のステップにおいてRAM異常エラーを示すエラーコードではないと判定された場合には、Sb4でカウント値をセットした操作遅延カウンタのカウント値をCPU41aにクロックが入力されるごとに「1」ずつ減算する(Sb6)。そして、操作遅延カウンタのカウント値が「0」になったか否かを判定する(Sb7)。カウント値が「0」になっていない場合にはカウント値の減算を繰り返す。
カウント値が「0」になった場合には、リセット/設定スイッチ38およびリセットスイッチ23によるエラー解除操作の受け付けが開始される。換言すると、リセット/設定スイッチ38およびリセットスイッチ23のoffからonの変化の検出待ちの状態となる。このように、Sb3で遊技補助表示器12によるエラー状態中表示及びエラーコード表示をした後に操作遅延カウンタのカウント値が「0」になるとエラー解除操作が受け付け開始されるので、遊技補助表示器12によるエラー状態中表示及びエラーコード表示のタイミングはエラー解除操作が受け付け開始されるタイミングよりも早い。
操作遅延カウンタのカウント値が「0」になった場合には、エラー状態の発生及びその種類を示すエラーコマンドを生成し、コマンドバッファに格納し(Sb8)、コマンド格納処理を行ってコマンドバッファに格納する(Sb9)。
次いで、リセット/設定スイッチ38のoffからonの変化が検出されたか否かを判定し(Sb10)、リセット/設定スイッチ38のoffからonの変化が検出されていなければ、更にリセットスイッチ23のoffからonの変化が検出されているか否かを判定し(Sb11)、リセットスイッチ23のoffからonの変化も検出されていなければ、Sb10のステップに戻る。すなわちリセット/設定スイッチ38またはリセットスイッチ23のoffからonの変化が検出されるまで、遊技の進行が不能な状態で待機する。
そして、Sb10のステップにおいてリセット/設定スイッチ38のoffからonの変化が検出された場合、またはSb11のステップにおいてリセットスイッチ23のoffからonの変化が検出された場合には、スイッチの検出状態がoffからonに変化した旨またはonからoffに変化した旨を示すエッジデータ(offからonに変化した場合には立ち上がりエッジと呼び、onからoffに変化した場合には立ち下がりエッジと呼ぶ)をクリアし(Sb12)、レジスタに格納されているエラーコードをクリアし(Sb13)、遊技補助表示器12の表示状態をSb1のステップにおいてスタックに退避した表示状態に復帰させ(Sb14)、エラー状態が解除された旨を示すエラーコマンドを生成し(Sb15)、コマンド格納処理を行ってコマンドバッファ内のエラーコマンドを格納し(Sb16)、エラー検出フラグをクリアして(Sb17)、もとの処理に戻る。
このようにエラー処理においては、RAM異常以外によるエラー処理であれば、リセット/設定スイッチ38またはリセットスイッチ23が操作されることで、エラー状態を解除してもとの処理に復帰するが、RAM異常によるエラー処理であれば、リセット/設定スイッチ38またはリセットスイッチ23が操作されてもエラー状態が解除され、元の状態に復帰することはない。
なお、Sb10でのリセット/設定スイッチ38がoffからonに変化したか否かの判定は、タイマ割込処理(メイン)により所定回数連続してリセット/設定スイッチ38がoffからonに変化したことを検出されたか否かを判定することによって判定している。これにより、ノイズなどに起因してリセット/設定スイッチ38がoffからonに変化したものでなく、操作がされたことによりリセット/設定スイッチ38がoffからonに変化したことを検出している。検出回数のカウントは検出回数カウンタを用いて行われる。そして、Sb10での各操作が検出されたが検出回数が所定回数に達していないときに電断が発生したときは、電断復帰時に検出回数カウンタのカウント値を初期化する。これにより、意図しない操作が検出されてしまうことを防止している。なお、リセット/設定スイッチ38がoffからonに変化した時間が所定時間に達したことを検出することにより同様の効果を得ることも可能である。なお、Sb11でのリセットスイッチ23がoffからonに変化したか否かの判定も同様に行われている。
また、エラー状態中に電断して電断復帰したときには、Sb1の処理から再開されるので、電断復帰時にはSb3の処理によるエラー状態中表示及びエラーコード表示が再開される。そして、再度Sb6およびSb7の処理が行われてからエラー解除操作の受け付けが再開される。よって、エラー状態中に電断が発生し、電断復帰によりエラー状態に復帰したときには、遊技補助表示器12によるエラー状態中表示及びエラーコード表示が再開されるタイミングはエラー解除操作の受け付けが再開されるタイミングよりも早い。
なお、エラー状態中に電断が発生したときには、電断復帰時には電断により中断した処理から再開するように構成することも可能である。この場合には、エラー解除操作の前および後に停電復旧フラグがセットされているか否かを判定する処理を追加し、停電復旧フラグがセットされている場合には、操作遅延カウンタにカウント値の初期値を再セットして、Sb6の処理に戻るようにすればよい。この構成によっても本発明の効果を得ることができる。
[タイマ割込処理(メイン)]
図25および図26は、メイン制御部41が一定間隔(0.56msの間隔)で起動処理やゲーム処理に割り込んで実行するタイマ割込処理(メイン)の制御内容を示すフローチャートである。なお、タイマ割込処理(メイン)の実行期間中は自動的に他の割込が禁止される。
図25および図26に示すように、タイマ割込処理(メイン)においては、まず、使用中のレジスタをスタック領域に退避する(Sk1)。
次いで、停電判定処理を行う(Sk2)。停電判定処理では、電断検出回路48から電圧低下信号が入力されているか否かを判定し、電圧低下信号が入力されていれば、前回の停電判定処理でも電圧低下信号が入力されていたか否かを判定し、前回の停電判定処理でも電圧低下信号が入力されていた場合には停電と判定し、その旨を示す電断フラグを設定する。
Sk2のステップにおける停電判定処理の後、電断フラグが設定されているか否かを判定し(Sk3)、電断フラグが設定されていなければ、Sk4に進み、電断フラグが設定されていた場合には、電断処理(メイン)に移行する。
Sk4のステップでは、入力ポートから各種スイッチ類の検出データを入力するポート入力処理を行う。
次いで、4種類のタイマ割込1~4から当該タイマ割込処理(メイン)において実行すべきタイマ割込を識別するための分岐用カウンタを1進める(Sk5)。この実施形態では、タイマ割込1とは、モータを制御してリールの開始制御を行うタイマ割込中の分岐処理であり、具体的には、後述するリール始動処理など、Sk9~Sk11の処理が行われる。また、タイマ割込2とは、LED表示制御や、時間カウンタの更新、ドア開閉状態の監視、制御信号等の出力制御、コマンドおよび外部出力信号の更新を行うタイマ割込中の分岐処理であり、具体的には、後述するLEDダイナミック表示処理など、Sk12~Sk17の処理が行われる。また、タイマ割込3とは、リールの原点通過を検出したり、スイッチ入力を監視したり、乱数値の読み出しを行うタイマ割込中の分岐処理であり、具体的には、後述する原点通過時処理など、Sk20~Sk22の処理が行われる。また、タイマ割込4とは、停止スイッチの入力を検出してリールの停止制御を行うタイマ割込中の分岐処理であり、具体的には、後述する停止スイッチ処理など、Sk23~Sk25の処理が行われる。Sk5のステップでは、分岐用カウンタ値が0~2の場合に1が加算され、カウンタ値が3の場合に0に更新される。すなわち分岐用カウンタ値は、タイマ割込処理(メイン)が実行される毎に、0→1→2→3→0・・・の順番でループする。
次いで、分岐用カウンタ値を参照して2または3か、すなわちタイマ割込3またはタイマ割込4かを判定し(Sk6)、タイマ割込3またはタイマ割込4ではない場合、すなわちタイマ割込1またはタイマ割込2の場合には、リールモータ32L、32C、32Rの始動時または定速回転中か否かを確認し、リールモータ32L、32C、32Rの始動時または定速回転中であれば、後述するSk10のモータステップ処理において変更した位相信号データや後述するSk25の最終停止処理において変更した位相信号データを出力するモータ位相信号出力処理を実行する(Sk7)。
次いで、分岐用カウンタ値を参照して1か否か、すなわちタイマ割込2か否かを判定し(Sk8)、タイマ割込2ではない場合、すなわちタイマ割込1の場合には、リールモータ32L、32C、32Rの始動時のステップ時間間隔の制御を行うリール始動処理(Sk9)、リールモータ32L、32C、32Rの位相信号データの変更を行うモータステップ処理(Sk10)、リールモータ32L、32C、32Rの停止後、一定時間経過後に位相信号を1相励磁に変更するモータ位相信号スタンバイ処理(Sk11)を順次実行した後、Sk26のステップに進む。
また、Sk8のステップにおいてタイマ割込2の場合には、各種表示器をダイナミック点灯させるLEDダイナミック表示処理(Sk12)、各種LED等の点灯信号等のデータを出力ポートへ出力する制御信号等出力処理(Sk13)、各種時間カウンタを更新する時間カウンタ更新処理(Sk14)、ドア開放検出スイッチ25の検出状態の監視、ドアコマンドの送信要求などを行うドア監視処理(Sk15)、コマンドバッファに設定された設定変更中コマンドや復帰コマンド、エラーコマンド等の各種コマンドをサブ制御部91に送信するコマンド送信処理(Sk16)、外部出力信号を更新する外部出力信号更新処理(Sk17)を順次実行した後、Sk26のステップに進む。
また、Sk6のステップにおいてタイマ割込3またはタイマ割込4であれば、更に、分岐用カウンタ値を参照して3か否か、すなわちタイマ割込4か否かを判定し(Sk18)、タイマ割込4でなければ、すなわちタイマ割込3であれば、回転中のリール2L、2C、2Rの原点通過(リール基準位置の通過)をチェックし、リール回転エラーの発生を検知するとともに、停止準備が完了しているか(停止準備完了コードが設定されているか)を確認し、停止準備が完了しており、かつ定速回転中であれば、回転中のリールに対応するストップスイッチの操作を有効化する原点通過時処理(Sk20)、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8Rなどのスイッチ類の検出状態に変化があったか否かの判定、操作検出コマンドの送信要求等を行うスイッチ入力判定処理(Sk21)、乱数値レジスタR1Dから数値データを読み出して乱数値格納ワークに格納する乱数値読出処理(Sk22)を順次実行した後、Sk26のステップに進む。
また、Sk18のステップにおいてタイマ割込4であれば、ストップスイッチ8L、8C、8Rの検出に伴って停止リールのワークに停止操作位置が格納されたときに、停止リールのワークに格納された停止操作位置から停止位置を決定し、何ステップ後に停止すれば良いかを算出する停止スイッチ処理(Sk23)、停止スイッチ処理で算出された停止までのステップ数をカウントして、停止する時期になったら2相励磁によるブレーキを開始する停止処理(Sk24)、停止処理においてブレーキを開始してから一定時間後に3相励磁とする最終停止処理(Sk25)を順次実行した後、Sk26のステップに進む。
Sk26のステップでは、エラーの発生を検出するエラー検出処理を実行する(Sk26)。エラー検出処理では、複数種類のエラーのうちのいずれかが発生したときに、エラーが発生した旨及び発生したエラーの種類を示すエラー検出フラグをRAM41cにセットする。なお、本実施形態では、エラーとして、RAM異常エラーの他に、投入メダル詰まりエラー、メダル切れエラー、払出しエラー、払出メダル詰りエラー、満タンエラー、リール回転エラー、異常入賞エラー、ドア開放エラーが設定されているが、エラーの種類は適宜変更可能である。
Sk27のステップでは、Sk1においてスタック領域に退避したレジスタを復帰し、割込前の処理に戻る(Sk27)。
[電断処理(メイン)]
図27は、メイン制御部41が前述したタイマ割込処理(メイン)において電断フラグが設定されていると判定した場合に実行する電断処理(メイン)の制御内容を示すフローチャートである。
電断処理(メイン)においては、まず、使用している可能性がある全てのレジスタをスタック領域に退避する(Sm1)。なお、前述したIレジスタ及びIYレジスタの値は使用されているが、起動時の初期化に伴って常に同一の固定値が設定されるため、ここでは保存されない。
次いで、破壊診断用データ(本実施例では、5A(H))をセットして(Sm2)、全ての出力ポートを初期化する(Sm3)。次いでRAM41cの全ての格納領域(未使用領域及び未使用スタック領域を含む)の排他的論理和が0になるようにRAMパリティ調整用データを計算してセットし(Sm4)、RAM41cへのアクセスを禁止する(Sm5)。
その後、電圧が低下してメイン制御部41のCPU41aが停止する待機状態に移行する。そして、この待機状態のまま電圧が低下すると内部的に動作停止状態になる。よって、電断時に確実にメイン制御部41は動作停止する。
[タイマ割込処理(サブ)]
次に、サブ制御部91(CPU91a)が内部クロックのカウント値に基づいて1.12秒の間隔で実行するタイマ割込処理(サブ)について説明する。
図28に示すように、タイマ割込処理(サブ)においては、サブ制御部91は、まず、使用中のレジスタをスタック領域に退避する(Sp1)。次いで、停電判定処理を行う(Sp2)。停電判定処理では、電断検出回路48から電圧低下信号が入力されているか否かを判定し、電圧低下信号が入力されていれば、前回の停電判定処理でも電圧低下信号が入力されていたか否かを判定し、前回の停電判定処理でも電圧低下信号が入力されていた場合には停電と判定し、その旨を示す電断フラグを設定する。
Sp2のステップにおける停電判定処理の後、電断フラグが設定されているか否かを判定し(Sp3)、電断フラグが設定されていた場合には電断処理(サブ)に移行する。電断処理(サブ)では、起動処理(サブ)の判定で用いるバックアップフラグをバックアップデータの作成後にセットしたり、起動処理(サブ)の判定で用いるチェックサムをバックアップデータの排他的論理和を算出して計算するなどの処理を実行する。
電断フラグが設定されていない場合にはコマンド解析処理を実行する(Sp4)。コマンド解析処理では、コマンドバッファにコマンドが格納されているか否かを判定し、コマンドバッファにコマンドが格納されていればコマンドバッファからコマンドを取得する。そして、取得したコマンドに応じた処理を実行する。
Sp5のステップでは、サブ制御部91は、設定変更状態中報知処理を実行する(Sp5)。設定変更状態中報知処理では、メイン制御部41からの設定開始を示す設定コマンドを受けて、液晶表示器51により設定変更状態中である旨を示す画像を表示する。そして、設定終了を示す設定コマンドを受けて、液晶表示器51による設定変更状態中である旨の表示を終了する。なお、液晶表示器51は演出の実行の際に演出画像の表示にも用いられる。
Sp6のステップでは、サブ制御部91は、エラー状態中報知処理を実行する(Sp6)。エラー状態中報知処理では、メイン制御部41からのエラー状態中である旨を示すエラーコマンド(図24のSb8参照)を受けて、液晶表示器51によりエラー状態中である旨を示す画像を表示する。そして、エラー状態の解除を示すエラーコマンド(図24のSb15)を受けて、液晶表示器51によるエラー状態中である旨の表示を終了する。なお、液晶表示器51は演出の実行の際に演出画像の表示にも用いられる。
また、図24のSb8の処理までに電断が発生したときは、電断復帰後にSb6及びSb7の処理が行われ、Sb7でYと判定されてエラー解除操作の受け付けが再開されてから、Sb8およびSb9の処理でエラーコマンドが送信されることになる。そして、サブ制御部91は、エラーコマンドを受信したときには、受信から一定時間が経過した後にエラー状態中である旨を示す画像を表示する。よって、電断復帰時にエラー解除操作の受け付けが再開されるタイミングはエラー状態中である旨を示す画像の表示が行われるタイミングより早くなる。
[本発明の具体例について]
次に、図29を用いて本実施形態の具体例について説明する。図29は、エラー状態中に電断が発生した場合の具体例である。
図29に示すように、エラーが発生してエラーが検出されたときに(図24のSb1でYと判定されたとき)、エラー状態に移行するとエラーコードの表示(図中「エラーコード表示」)と、エラー状態中である旨の表示(図中「エラー状態中表示」)とが遊技補助表示器12によって表示される(図24のSb3参照)。そして、エラー解除操作の受け付けが遅延され(図24のSb6参照)、各表示が開始されてから一定時間が経過したときにエラー解除操作が受け付けられる(図24のSb7でYと判定されたときにSb10及びSb11に進む部分)。また、各操作の受け付けが開始されてから一定時間が経過した後に液晶表示器51において設定変更状態中である旨の表示(図中「設定変更状態中報知」)が行われる(図28のSp5参照)。
エラー状態中に電断が発生し、電断復帰した場合には、まず、エラーコード表示とエラー状態中表示との表示が再開される(図24のSb3参照)。各表示が再開されてから一定時間が経過したときにエラー解除操作の受け付けが再開される(図24のSb6の処理を行ってSb7でYと判定されたときにSb10及びSb11に進む部分)。また、各操作の受け付けが開始されてから一定時間が経過した後に液晶表示器51において設定変更状態中報知が行われる(図28のSp5参照)。
以上のように、電断復帰後にエラーコード表示及びエラー状態中表示が再開されるタイミングはエラー解除操作の受け付けが再開されるタイミングよりも早い。よって、各表示を確認せずに誤ってエラー解除操作を行ってしまうことを抑止することができる。
[図22~図29のまとめ]
エラーとして予め定められた所定の事象が発生したときに、遊技の進行を停止させるエラー状態に制御するエラー状態制御手段(例えば、図26のSk26の処理を行う部分)と、
前記エラー状態を解除して遊技の進行を再開させるために操作されるエラー解除操作手段(例えば、リセットスイッチ23、リセット/設定スイッチ38)と、
前記エラー解除操作手段が操作されたときに、前記エラー状態を解除して、該エラー状態の発生前の状態から遊技の進行を再開させるエラー解除手段(例えば、図24のSb17の処理を行う部分)と、
前記エラー状態において、前記エラー状態に関する表示を行うエラー状態関連表示手段(例えば、遊技補助表示器12)と、
電力供給が停止してもバックアップデータを所定期間保持可能なバックアップ記憶手段(例えば、RAM41c)と、
電力供給が開始したときに前記バックアップ記憶手段により保持されている前記バックアップデータにもとづいて電力供給停止前の状態に復帰させる復帰手段(例えば、図22の処理を行う部分)とを備え、
前記エラー状態のときに電力供給が停止し、かつ電力供給が開始したときに前記バックアップデータにもとづいて前記復帰手段により前記エラー状態に復帰される場合には、前記エラー解除操作手段の操作の受け付けが可能となるタイミングよりも早いタイミングに前記エラー状態関連表示手段による表示が再開される(例えば、図24のSb5の処理を行った後にSb6の処理を行ってSb7でYと判定されたときにSb10及びSb11に進む部分)。この構成によれば、誤った操作が行われることを抑止できる。
前記エラー状態制御手段は、前記エラー状態関連表示手段による表示が開始された後に前記エラー解除操作手段の操作を受け付け開始するように前記エラー状態の制御を行う(本例では、図24のSb5の処理を行った後にSb6の処理を行ってSb7でYと判定されたときにSb10及びSb11に進む部分)。この構成によれば、誤った操作が行われることを抑止できる。
前記エラー状態関連表示手段は、前記エラー状態に関する表示として前記エラー状態に制御されていることを示すエラー状態中表示を行うエラー状態中表示手段(例えば、遊技補助表示器12)と、前記エラー状態に関する表示として発生しているエラーの種類を示すエラー種類表示を行うエラー種類表示手段(例えば、遊技補助表示器12)とを含み、
前記復帰手段は、前記エラー状態のときに電力供給が停止し、かつ電力供給が開始したときに前記バックアップデータにもとづいて前記エラー状態に復帰させる場合には、前記エラー解除操作手段の操作の受け付けを再開させるタイミングよりも早いタイミングに前記エラー状態中表示および前記エラー種類表示を再開させる(例えば、図24のSb5の処理を行った後にSb6の処理を行ってSb7でYと判定されたときにSb10及びSb11に進む部分)。この構成によれば、誤った操作が行われることを抑止できる。
演出の実行に用いられる演出実行手段(例えば、液晶表示器51)を備え、
前記演出実行手段は、前記エラー状態に制御されていることを示すエラー状態中報知も実行し、
前記復帰手段は、前記エラー状態のときに電力供給が停止し、かつ電力供給が開始したときに前記バックアップデータにもとづいて前記エラー状態に再開させる場合には、前記エラー状態中報知を再開させるタイミングよりも早いタイミングに前記エラー解除操作手段の操作の受け付けを再開させる(例えば、図24のSb8,Sb9、図28のSp6参照)。この構成によれば、必要最低限の表示が復帰したときにエラー解除手段の操作を有効にすることができる。
所定操作が所定期間行われたときに前記エラー解除操作手段の操作が行われたことを検出する検出手段と、
前記所定操作が行われているときに電力供給が停止するとともに電力供給が停止したときに前記所定操作が所定期間行われていない場合には、電力供給が開始したときに前記所定操作の操作状況に関するデータを初期化するデータ初期化手段とを備え、
前記復帰手段は、初期化された前記データにもとづいて電力供給停止前の状態に復帰させる(例えば、図24のSb10やSb11の判定中に電断したときに、電断復帰時にSb10やSb11の判定で用いるカウンタを初期化する部分)。この構成によれば、意図しない操作を防止することができる。
図30は、変形例のスロットマシンおよび促進表示画面を説明するための図である。スロットマシン1では、スロットマシン1の筐体1aの下側に設けられた下パネルに遊技者が操作可能なパネル演出ボタン200が設けられている。ボタン演出が実行されるときは、演出用スイッチ56またはパネル演出ボタン200のいずれか一方が操作可能となる。このような場合、ボタン演出が実行されるときに、位置の離れた2つのボタンのうち、いずれのボタンを操作すればいいのかを容易に認識できることが望ましい。そこで、図30に示すように、ボタン演出として液晶表示器51の表示領域51aに「押せ!」の文字が表示されるときに、演出促進画像65bとして、説明キャラクタ画像64aが表示されとともに、パネル演出ボタン100およびその近傍を含むスロットマシン1の筐体の実写画像が表示されるようになっている。なお、演出用スイッチ56とパネル演出ボタン200とは、ボタン演出の実行時に両方とも操作可能であってもよく、そのような場合には、演出促進画像65bとして、遊技者に操作させたい方の画像を表示すればよい。
本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形例について説明する。
[スロットマシンの変形例について]
上記実施形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すスロットマシンを説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式のスロットマシンを採用してもよい。基盤とドラムとが流通可能で、筺体が共通なもので基盤のみあるいは基盤とドラムとを遊技機と称する。また、遊技玉を発射して遊技を行うことが可能な遊技領域を備え、遊技領域に設けられた所定領域を遊技玉が通過することに応じて賭数の設定が可能となるスロットマシンであってもよい。
[遊技機について]
上記実施形態として、種々の技術的事項を遊技機の一例であるスロットマシンに適用した例について説明したが、これに限らず、いわゆる遊技球を遊技領域に打込んで遊技を行うパチンコ遊技機に適用してもよい。
[パチンコ遊技機への適用例]
たとえば、パチンコ遊技機にエラーが発生した場合に、第1実施形態のように、遊技者に呼出ボタンの操作を促すエラー表示を、演出に登場するキャラクタ画像を用いて実行するようにしてもよい。また、第2実施形態のように、パチンコ遊技機にエラーが発生した場合に、エラーの解除箇所,エラーの発生箇所が画面上で強調表示されるようにしてもよい。また、第3実施形態のように、パチンコ遊技機を表す画像を用いて非遊技中に説明演出が実行されるようにしてもよい。また、第4実施形態のように、パチンコ遊技機を表す画像を用いて促進表示画面が表示されるようにしてもよい。
[非遊技状態について]
前述した実施の形態では、リールが回転していない状態が非遊技状態であった。しかしながら、その他の状態であってもよい。たとえば、非遊技状態は、BET操作がされていない状態であってもよいし、遊技者が座席にいないことを検知(センサ等により遊技者の有無を検知)することによって遊技者が遊技していない状態であってもよい。
[当選示唆演出について]
前述した実施の形態では、サブ制御部91が当選示唆演出を決定するのではなく、メイン制御部41が当選示唆演出を決定するようにしてもよい。たとえば、メイン制御部41は、内部抽選において同時当選役に当選してAT抽選が行われたときには、BB当選およびAT当選したか否かを示唆する当選示唆演出を所定タイミングで実行するための処理を行うようにしてもよい。当選示唆演出としては、たとえば、スタートスイッチ7を操作したときにゲームの進行を所定期間に亘って遅延させるフリーズ演出が設けられていてもよい。フリーズ演出中においては、リール2L~2Rを所定態様で回転させて、特定の図柄組合せを仮停止させる擬似遊技を実行する。擬似遊技は、フリーズ演出中において複数回実行可能である。なお、フリーズ演出は、スタートスイッチ7を操作したときに実行されるものに限らず、第1停止操作されたときや、第3停止操作されたとき、表示結果が導出されて1ゲームが終了したときなどに実行されるものであってもよい。
また、BB当選あるいはAT当選している信頼度は、フリーズ演出が最も高く、続いて、連打演出、ボタン演出、キャラクタB演出の順となり、キャラクタA演出が最も低くなるように、当選示唆演出の種別が決定されるように割合が定められていてもよい。なお、実行する演出としては、一の当選示唆演出が決定されるものに限らず、複数の当選示唆演出が決定され得るようにしてもよい。また、当選示唆演出を実行する所定タイミングは、これに限らず、複数タイミングからメイン制御部41により決定されるもの(より具体的に、メイン制御部41は、AT当選示唆演出による結果報知を行うタイミングを、特定の抽選対象役が当選したゲームから何ゲーム目(たとえば、0~32ゲームのうちいずれか)とするかを乱数抽選などにより決定するもの)であってもよい。メイン制御部41は、当選示唆演出を実行する所定タイミングで、当選示唆演出の種別を特定するためのコマンドをサブ制御部91へ出力するとともに、当該当選示唆演出がフリーズ演出である場合には当該フリーズ演出用の処理を実行するようにしてもよい。なお、フリーズ演出以外の当選示唆演出については、前述した実施の形態で説明したように、サブ制御部91により決定されるように構成してもよい。
[特典について]
前述した例では、特典として、BB当選、AT当選、ATに制御可能にするATゲーム数など、メダルやパチンコ玉の払出率に直接影響を及ぼす価値を例示した。しかし、特典としては、遊技者にとっての有利度合いを向上させる価値であればよく、たとえば、メダルの払出率に直接影響を及ぼすものではない価値であってもよい。具体的に、AT抽選において通常時よりも高確率でAT当選する高確率状態が設けられている場合において、現在の状態が高確率状態であるか否かを示唆するための確率示唆演出の実行、液晶表示器51に音声とともにプレミア演出の実行(特別キャラクタ出現、次回発生したボーナス中において特別なボーナス中演出実行など)、設定されている設定値を示唆するための設定値示唆演出の実行、一定数を集めることでスロットマシン1が設置された遊技店において定めたサービスと交換可能なポイント付与、特典映像や特典情報を所定のWebサイトにてダウンロードすることが可能な2次元コードを液晶表示器51において表示などであってもよい。
また、特典の一例としてATゲーム数を例示したが、ATに関する特典としては、これに限らず、たとえば、ATに所定ゲーム数(たとえば50ゲーム)制御可能にする権利(ナビストック)を特典としてもよい。また、ナビ演出を実行可能なナビ演出実行可能回数を決定し、当該決定されたナビ演出実行可能回数分、ナビ演出が実行されるまでATに制御する場合、ナビ演出実行可能回数を特典としてもよい。また、たとえば、上限付与量を決定し、付与された遊技用価値(メダル払出枚数)が決定された上限付与量に到達するまでATに制御する場合、上限付与量を特典としてもよい。また、所定のAT開始条件が成立してから所定のAT終了条件が成立するまでATに制御され、AT終了条件が成立したときに当該ATを継続するか否かの継続抽選を行う場合、継続抽選において継続すると決定される継続確率を特典としてもよい。
[有利な状態について]
前述した例では、有利な状態として、スロットマシンについては小役の当選確率が所定状態であるときよりも高確率となるビッグボーナス(BB)やATを例示したが、遊技者にとって有利な状態であればこれに限るものではなく、以下においてスロットマシンの例を説明する。
有利な状態は、たとえば、所定の入賞役の当選確率が高確率となるレギュラーボーナス(RB)やリプレイタイム(RT)、小役の集中状態や、少なくとも1のリールの引き込み可能範囲が通常よりも狭くなるとともに毎ゲームにおいてすべての小役の発生が許容された状態となるチャレンジタイム(CT)、入賞役の当選確率などを変化させるものではなく当選した小役を入賞させるための操作手順を所定期間(たとえば50ゲーム消化するまでの間)に亘って報知する擬似ボーナスなどであってもよい。また、これらの有利な状態に制御される確率が高確率となる状態であってもよく、また、フリーズ状態に制御される確率が高確率の状態、ATゲーム数などのゲーム数が高確率で上乗せされる状態、ATの上乗せゲーム数が増加されやすくなる状態など、上記実施形態と異なる態様の有利状態を設定してもよい。また、通信回線網上で特典を得るための条件や、プレミアム感のある演出(フリーズ演出、プレミアム演出など)を実行する条件の成立確率が高確率となる状態等、遊技者にとって間接的に有利な特典や、遊技の興趣を向上させる状態などであってもよい。また、有利な状態への移行を許容するか否かを決定する許容決定手段は、内部抽選処理に限らず、入賞役とは無関係に決定する手段であってもよい。
また、有利な状態とは、たとえば、特典を付与するか否かを決定する特典付与抽選において、「特典が付与される確率」、および「特典が付与されることが決定されたときに付与される特典の価値(または特典量の期待値)」のうちの少なくとも一方が、通常の状態(有利な状態とは異なる状態)よりも高い状態としてもよい。また、有利な状態とは、特典付与抽選の実行契機の数が、該通常の状態よりも多いものとしてもよい。また、有利な状態とは、特典を付与させるために消化することが必要な消化必要ゲーム数が、通常の状態よりも少なくなる状態としてもよい。
たとえば、特典をATゲーム数とした場合には、有利な状態とは、通常の状態よりも、「AT抽選でのAT当選確率」、および「AT抽選でのAT当選した場合に付与されるATゲーム数の価値」のうちの少なくとも一方が、通常の状態よりも高い状態としてもよい。また、有利な状態とは、AT抽選の実行契機の数が、該通常の状態よりも多いものとしてもよい。たとえば、通常の状態でのAT抽選の実行契機が、第1役当選および第2役当選とした場合には、有利な状態でのAT抽選の実行契機は、第1役当選および第2役当選に加えて第3役当選としてもよい。
[演出や報知について]
前述した例では、液晶表示器51を用いて演出や報知を行う例を挙げたが、たとえば、スピーカ53,54、リールの背面側(内側)に配置されたバックランプ(上記実施形態のリールLED55)、リールの前面側に配置された透過液晶表示器(リールを目視できるように構成された液晶表示器)、前面扉1bなどに取り付けられたランプやLED、ストップスイッチの振動、ストップスイッチの周囲からの送風、ストップスイッチの温度の変化など、上記の実施形態と異なる手段で演出を実行してもよい。
[ATについて]
上記スロットマシンの例では、ATに係る制御をメイン制御部41が実行する例について説明したが、メイン制御部41が実行するATに係る制御としては、AT抽選の実行が挙げられる。AT抽選には、AT抽選の当選または非当選の決定、ATゲーム数をストックするか否かの決定、ATゲーム数の決定、ATゲーム数の上乗せ抽選などが含まれるものであってもよい。また、ATに係る制御としてAT抽選の高確率状態の制御が挙げられる。AT抽選の高確率状態の制御には、AT抽選の当選確率が高確率になる制御、内部抽選の結果に応じてATに制御されるまでの期間を短縮する制御、上乗せ抽選の当選確率やゲーム数を優遇する制御などが含まれる。また、ATに係る制御として、規定ゲーム数のゲームが消化されたときにATに制御することが挙げられる。規定ゲーム数のゲームが消化されたときとして、天井ゲーム数に到達したとき、抽選で決定されたゲーム数に到達したときが含まれる。また、ATに係る制御として、前兆期間を設定する制御が挙げられる。前兆期間を設定する制御には、ATの開始前の前兆期間にたとえば0~32ゲームの演出を実行する制御が含まれる。また、ATに係る制御として、ペナルティを付与する制御が挙げられる。ペナルティを付与する制御には、ペナルティ内容の決定、ペナルティ期間の決定または設定が含まれる。また、ATに係る制御として、AT中である旨のランプやLEDの点灯制御をメイン制御部41が行うことが挙げられる。
また、ATに係る制御として、ナビ演出を実行するためのランプやLEDの点灯制御をメイン制御部41が行うことが挙げられる。さらに、メイン制御部41がナビ演出を実行することに連動してサブ制御部91がナビ演出を実行するようにしてもよい。さらに、メイン制御部41は、たとえばAT抽選の高確率状態に制御するときなど抽選確率を向上させるときに、その旨をランプやLED(たとえば、遊技補助表示器12など)の点灯制御によって報知するようにしてもよい。より具体的に、メイン制御部41は、遊技補助表示器12によりナビ演出を所定回数実行することによりAT抽選の高確率状態に制御する旨を報知するようにしてもよい。あるいは、メイン制御部41は、サブ制御部91にナビ演出を所定回数実行させることによりAT抽選の高確率状態に制御する旨を報知するようにしてもよい。
なお、ATに係る制御をメイン制御部41が実行する場合には、メイン制御部41の処理を、メイン制御部41に従属し、メイン制御部41の下位となる制御部に実行させることが好ましい。たとえば、リールの停止制御を遊技制御基板以外の基板に設けた制御部が実行するようにし、メイン制御部41はストップスイッチの操作信号を当該制御部に転送することが挙げられる。このように、メイン制御部41の制御を下位となる制御部に行わせることにより、ATに係る制御を行うときのROM41bやRAM41cの容量不足やメインCPU41aの処理能力不足を防止することができる。
また、前述した実施の形態では、前述したATに係る制御をメイン制御部41が実行するようにしたが、サブ制御部91が実行するようにしてもよい。サブ制御部91は、たとえば、メイン制御部41からの内部当選コマンドに基づいてAT抽選処理や上乗せ抽選処理を行い、その結果に応じてATに制御するための処理やナビ演出を実行するための処理などを行うようにしてもよい。
[設定変更状態および設定確認状態について]
設定変更状態に関して、「電源ON」+「設定キースイッチON」+「前面扉開放検出」を条件として、設定変更状態に移行させるようにしてもよい。これにより、前面扉が開放されていない状態での不正な設定変更を防ぐことができる。また、一旦設定変更状態に移行された後は、設定変更状態を終了させる終了条件(設定値確定後に設定キースイッチがOFF操作)が成立するまで前面扉の開閉状態に関わらず設定変更状態を維持するようにしてもよい。これにより、設定変更状態中に前面扉が閉まっても設定変更状態を終了させないため、再度設定変更状態へ移行させる手間を生じさせてしまうことを防ぐことができる。
また、設定確認状態に関して、「設定キースイッチON」+「前面扉開放検出」を条件として、設定確認状態に移行させるようにしてもよい。これにより、前面扉が開放されていない状態での不正な設定確認を防ぐことができる。また、一旦設定確認状態に移行された後は、設定確認状態を終了させる終了条件(設定キースイッチがOFF操作)が成立するまで前面扉の開閉状態に関わらず設定確認状態を維持するようにしてもよい。これにより、設定確認状態中に前面扉が閉まっても設定確認状態を終了させないため、再度設定確認状態へ移行させる手間を生じさせてしまうことを防ぐことができる。
前述した実施の形態では、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能なリールを複数備え、リールを変動表示した後、リールの変動表示を停止することで表示結果を導出し、複数のリールの表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能なスロットマシンについて説明した。すなわち、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を複数備え、前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、複数の可変表示部の表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能なスロットマシンについて説明した。しかし、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンであれば、3つのリールを備えるものに限らず、1のリールしか備えないものや、3以外の複数のリールを備えるスロットマシンであってもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。