JP7096129B2 - 砂防堰堤の堆積量算出装置、及び制御プログラム - Google Patents

砂防堰堤の堆積量算出装置、及び制御プログラム Download PDF

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Description

本発明は、砂防堰堤の堆積量算出装置、及び制御プログラムに関する。
砂防堰堤は、土石流等が発生した際に上流から流れ出る土砂及び流木等を受け止め、砂防堰堤よりも下流に流れる水及び土砂等の量を調節するための施設である。砂防堰堤は、当該砂防堰堤よりも上流側に堆積した土砂及び流木等によって上流側の川の勾配を緩やかにすることで、川底及び河岸が削られることを防止し、且つ、土石流の破壊力を低減させることを可能とする。
砂防堰堤の設置を計画する場合、計画者は、砂防堰堤の設置を検討する検討範囲を設定し、「砂防基本計画策定指針(土石流・流木対策編)解説」等に基づく計画捕捉量及び計画発生抑制量等に関する条件を満たす位置を調査する。例えば、特許文献1には、数値標高データを記憶するGIS(Geographic Information System)が砂防堰堤を設置した場合の堆砂域をシミュレーションする技術について記載されている。
特開2013-210600号公報
従来のGIS等を用いた砂防堰堤の堆積量算出装置では、地表面の標高を示す標高情報として、平面地図上において矩形格子状に配置された複数の地点に対応する標高に関する数値標高データが用いられていた。このような標高情報に対応する複数の地点は、堆砂域の境界線と一致しない場合が多く、このため、砂防堰堤による土砂等の堆積量の算出結果に誤差が生じることがあった。
本発明は、このような課題を解決すべくなされたものであり、平面地図上において矩形格子状に配置された複数の地点に対応する標高情報に基づいて算出される、砂防堰堤による土砂等の堆積量の算出精度を向上させることを目的とする。
本発明に係る砂防堰堤の堆積量算出装置は、表示部と、平面地図上において矩形格子状に配置された複数の地点の所定の座標系で定めたX値、Y値及び地表面の標高を示す標高情報と、設置予定の砂防堰堤の天端の堤長方向の上流側辺の両端点の位置及び標高を示す堰堤位置情報と、設置予定の砂防堰堤による土砂等の堆積空間の上面の勾配を示す勾配情報とを記憶する記憶部と、複数の地点のうちの同一X値を有する各地点を通過する複数のX値線と、複数の地点のうちの同一Y値を有する各地点を通過する複数のY値線と、を算出するXY線算出部と、堰堤位置情報及び勾配情報に基づいて、複数の地点のそれぞれに対応する堆積空間の上面の標高を算出する標高算出部と、複数の地点のうち、地表面の標高よりも上面の標高が高い地点を、堆積域内地点として特定する特定部と、複数の地点のそれぞれの地表面の標高及び上面の標高に基づいて、複数のX値線及び複数のY値線のそれぞれの線上において地表面の標高及び上面の標高が等しく且つ設置予定の砂防堰堤の天端の標高以上である地点を、境界線形状点として算出するとともに、天端の堤長方向の上流側辺と複数のX値線及び複数のY値線との交点及び天端の堤長方向の上流側辺の両端点を、堰堤形状点として算出する形状点算出部と、堆積域内地点、境界線形状点、及び堰堤形状点のそれぞれを平面地図上に投影した複数の構成点のうちの近傍の3点によって構成される複数の三角メッシュを作成する作成部と、複数の三角メッシュのそれぞれについて、上面と地表面と各三角メッシュの各辺を通過する鉛直面とによって構成される立体形状の体積を算出し、複数の三角メッシュのそれぞれについて算出した立体形状の体積の合計値を、堆積空間の体積として算出する体積算出部と、堆積空間の体積を表示部に表示する表示処理部と、を備える。
また、本発明に係る砂防堰堤の堆積量算出装置において、ユーザによって入力された最低河床線に関する情報を取得する取得部と、最低河床線と垂直な所定幅を有する閉領域を検討範囲として算出する領域算出部と、をさらに備え、標高算出部、XY線算出部、形状点算出部及び特定部は、検討範囲内の複数の地点を用いることが好ましい。
また、本発明に係る砂防堰堤の堆積量算出装置において、記憶部によって記憶された標高情報によって示される地表面の標高は、レーザプロファイラ等によって計測された標高に基づいて、建物及び樹木等の地物を取り除いた地表面の標高であることが好ましい。
本発明に係る砂防堰堤の堆積量算出装置は、表示部と、平面地図上において矩形格子状に配置された複数の地点のそれぞれのX値、Y値及び地表面の標高を示す標高情報と、設置予定の砂防堰堤の天端の堤長方向の上流側辺の両端点の位置及び標高を示す堰堤位置情報と、設置予定の砂防堰堤による土砂等の計画捕捉量に対応する堆積空間の計画堆砂勾配及び平常時堆砂勾配を示す勾配情報とを記憶する記憶部と、複数の地点のうちの同一X値を有する各地点を通過する複数のX値線と、複数の地点のうちの同一Y値を有する各地点を通過する複数のY値線と、を算出するXY線算出部と、堰堤位置情報及び勾配情報に基づいて、複数の地点のそれぞれに対応する、堆積空間の計画堆砂勾配に対応する上面の標高、及び、堆積空間の平常時堆砂勾配に対応する下面の標高を算出する標高算出部と、複数の地点のうち、地表面の標高よりも上面の標高が高い地点を、堆積域内地点として特定する特定部と、複数の地点のそれぞれの地表面の標高及び上面の標高に基づいて、複数のX値線及び複数のY値線のそれぞれの線上において地表面の標高及び上面の標高が等しく且つ設置予定の砂防堰堤の天端の標高以上である地点を、境界線形状点として算出するとともに、天端の堤長方向の上流側辺と複数のX値線及び複数のY値線との交点及び天端の堤長方向の上流側辺の両端点を、堰堤形状点として算出する形状点算出部と、堆積域内地点、境界線形状点、及び堰堤形状点のそれぞれを平面地図上に投影した複数の構成点のうちの近傍の3点によって構成される複数の三角メッシュを作成する作成部と、複数の三角メッシュのそれぞれについて、上面と、下面又は地表面と、各三角メッシュの各辺を通過する鉛直面とによって構成される立体形状の体積を算出し、複数の三角メッシュのそれぞれについて算出した立体形状の体積の合計値を、堆積空間の体積として算出する体積算出部と、堆積空間の体積を表示部に表示する表示処理部と、を備える。
本発明に係る制御プログラムは、記憶部及び表示部を備え、砂防堰堤による土砂等の堆積量を算出するためのコンピュータを制御する制御プログラムであって、平面地図上において矩形格子状に配置された複数の地点のそれぞれのX値、Y値及び地表面の標高を示す標高情報と、設置予定の砂防堰堤の天端の堤長方向の上流側辺の両端点の位置及び標高を示す堰堤位置情報と、設置予定の砂防堰堤による土砂等の堆積空間の上面の勾配を示す勾配情報とを記憶部に記憶し、複数の地点のうちの同一X値を有する各地点を通過する複数のX値線と、複数の地点のうちの同一Y値を有する各地点を通過する複数のY値線と、を算出し、堰堤位置情報及び勾配情報に基づいて、複数の地点のそれぞれに対応する堆積空間の上面の標高を算出し、複数の地点のうち、地表面の標高よりも上面の標高が高い地点を、堆積域内地点として特定し、複数の地点のそれぞれの地表面の標高及び上面の標高に基づいて、複数のX値線及び複数のY値線のそれぞれの線上において地表面の標高及び上面の標高が等しく且つ設置予定の砂防堰堤の天端の標高以上である地点を、境界線形状点として算出するとともに、天端の堤長方向の上流側辺と複数のX値線及び複数のY値線との交点及び天端の堤長方向の上流側辺の両端点を、堰堤形状点として算出し、堆積域内地点、境界線形状点、及び堰堤形状点のそれぞれを平面地図上に投影した複数の構成点のうちの近傍の3点によって構成される複数の三角メッシュを作成し、複数の三角メッシュのそれぞれについて、上面と地表面と各三角メッシュの各辺を通過する鉛直面とによって構成される立体形状の体積を算出し、複数の三角メッシュのそれぞれについて算出した立体形状の体積の合計値を、堆積空間の体積として算出し、堆積空間の体積を表示部に表示する、ことをコンピュータに実行させる。
本発明に係る砂防堰堤の堆積量算出装置、及び制御プログラムによって、平面地図上において矩形格子状に配置された複数の地点に対応する標高情報に基づいて算出される、砂防堰堤による土砂等の堆積量の算出精度を向上させることが可能となる。
堆積量算出装置1の概略構成の一例を示す図である。 (a)及び(b)は、表示部13に表示される画面の一例を示す図である。 (a)及び(b)は、表示部13に表示される画面の一例を示す図である。 表示部13に表示される画面の一例を示す図である。 (a)は、地形形状点の一例を説明するための模式図であり、(b)は、X値線及びY値線の一例を説明するための模式図である。 上面の標高の算出方法の一例を示す模式図である。 堆積域内地点の一例を説明するための模式図である。 (a)は、境界線形状点及び堰堤形状点の一例を説明するための模式図であり、(b)は、境界線形状点の算出方法の一例を説明するための模式図である。 (a)は、境界線の一例を説明するための模式図であり、(b)は、三角メッシュの作成方法の一例を説明するための模式図である。 切断三角柱の体積の算出方法の一例を示す模式図である。 表示部13に表示される画面の一例を示す図である。 堆積量算出処理の動作フローの一例を示す図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の様々な実施形態について説明する。ただし、本発明の技術的範囲はそれらの実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
(堆積量算出装置1)
図1は、堆積量算出装置1の概略構成の一例を示す図である。
堆積量算出装置1は、例えば、砂防堰堤の計画を支援するためのパーソナル・コンピュータ(PC,Personal Computer)である。堆積量算出装置1は、サーバ装置でもよい。堆積量算出装置1は、多機能携帯電話(所謂「スマートフォン」)、携帯電話(所謂「フィーチャーフォン」)、携帯情報端末(Personal Digital Assistant,PDA)、タブレット端末又はタブレットPC等でもよい。また、堆積量算出装置1は、携帯ゲーム機、携帯音楽プレイヤ又はノートPC等でもよい。
堆積量算出装置1は、標高情報と、設置予定の砂防堰堤の天端の位置に関する堰堤位置情報と、設置予定の砂防堰堤による土砂等の堆積空間の上面の勾配を示す勾配情報とを記憶する。
標高情報は、GIS等で使用される数値標高データである。数値標高データは、例えば、DEM(Digital Elevation Model,数値標高モデル)データである。DEMデータには、2次元地図を区切った複数のメッシュのそれぞれの中心点に対応する標高値を示す数値データが含まれる。DEMデータに含まれる標高値は、レーザプロファイラ(Laser Profiler, LP)又は航空写真測量のステレオマッチング等によって計測された地表面の標高の値である。メッシュは、X値線及びY値線に応じて区切られた、地図上の略正方形の区画である。例えば、メッシュは、1m単位の略正方形形状に地図を区切ることにより構成される区画である。メッシュを構成する区画の形状は、1m単位の略正方形形状に限らず、5m単位の略正方形形状、10m単位の略正方形形状、又は10mを超える単位の略正方形形状でもよい。X値線及びY値線は、それぞれ所定のX値及びY値に基づいて定められる。なお、X値及びY値は、地理座標系並びに平面直角座標系及びUTM座標系の投影座標系から選択された座標系と、世界測地系及び日本測地系から選択された測地系と、によって定められる。本発明の実施形態において、世界測地系における平面直角座標系(第8系)によって定められたX値及びY値を例として、以下説明する。
また、数値標高データは、DTM(Digital Terrain Model,数値地形モデル)データでもよい。DTMデータは、例えば、DEMデータにおいて、建物及び樹木等の地物を取り除いた地表面の高さを表示するデータモデルであり、DEMデータの一種である。また、数値標高データは、TIN(triangulated irregular network,不規則三角形網)データでもよい。TINデータは、地図上の複数の地点のそれぞれについて、近傍の地点と線分で結ばれることにより形成された仮想的な不規則三角形の形状の区画に関するデータを含み、且つ、複数の地点のそれぞれに対応する標高値を示す数値データが含まれる。
また、数値標高データは、標高・傾斜度メッシュデータでもよい。標高・傾斜度メッシュデータには、例えば、DEMデータの各メッシュにおける、標高値(平均値、最高値及び最低値)を示す数値データ、最大傾斜角度及び方角を示す数値データ、並びに最小傾斜角度・方角を示す数値データ等が含まれる。
数値標高データは、地図上の所定エリアに対応したデータであってもよい。所定エリアは、例えば、流域ごとに区分されたエリア、地方(関東地方等)ごとに区分けされたエリア、都道府県ごとに区分けされたエリア、市区町村ごとに区分けされたエリアである。
設置予定の砂防堰堤の天端の位置に関する堰堤位置情報は、堆積量算出装置1のユーザによって入力された情報に基づくものである。堰堤位置情報は、例えば、設置予定の砂防堰堤の天端の堤長方向の上流側辺の両端点のX値及びY値並びに標高を示す情報である。堰堤位置情報は、設置予定の砂防堰堤の天端の堤長方向の上流側辺の中心のX値及びY値並びに標高と天端の堤長とを示す情報でもよい。
設置予定の砂防堰堤による土砂等の堆積空間の上面の勾配は、例えば、計画堆砂勾配である。設置予定の砂防堰堤による土砂等の堆積空間の上面の勾配は、平常時堆砂勾配でもよい。設置予定の砂防堰堤による土砂等の堆積空間の上面の勾配を示す勾配情報は、ユーザによって入力された情報であってもよい。
設置予定の砂防堰堤による土砂等の堆積空間は、「砂防基本計画策定指針(土石流・流木対策編)解説」等で規定された計画捕捉量に対応する空間である。設置予定の砂防堰堤による土砂等の堆積空間は、常時土砂及び流木等が堆積する堆砂空間と計画捕捉量に対応する空間とを合わせた空間でもよい。また、設置予定の砂防堰堤による土砂等の堆積空間は、常時土砂及び流木等が堆積する堆砂空間と計画捕捉量及び計画堆積量の両者に対応する空間とを合わせた空間でもよい。以下、砂防堰堤によって堆積される土砂及び流木等を「堆積物」と称する場合がある。
標高情報が、DEMデータ又はDTMデータのようなメッシュ単位の標高データである場合、標高情報には、複数のメッシュの中心点のそれぞれに対応するX値、Y値及び地表面の標高が含まれる。複数のメッシュの中心点は、平面地図上において矩形格子状に配置される。例えば、メッシュが1m単位の略正方形形状である場合、複数のメッシュの中心点は、略1mの間隔で設定された複数のX値線のそれぞれと略1mの間隔で設定された複数のY値線のそれぞれとの交点に位置する。以下、標高情報が対応付けられているメッシュの中心点を地形形状点と称する場合がある。
堆積量算出装置1は、標高情報に基づいて、複数の地形形状点のそれぞれを通過する、複数のX値線及び複数のY値線を算出する。また、堆積量算出装置1は、堰堤位置情報及び勾配情報に基づいて、複数の地形形状点のそれぞれに対応する、堆積空間の上面の標高を算出する。
堆積量算出装置1は、複数の地形形状点のうち、地表面の標高よりも上面の標高が高い地点を、堆積域内地点として特定する。地表面の標高は、標高情報によって示される地形形状点に対応する標高である。
堆積量算出装置1は、複数の地形形状点のそれぞれの地表面の標高及び上面の標高に基づいて、複数のX値線のそれぞれの線上において地表面の標高及び上面の標高が等しく且つ設置予定の砂防堰堤の天端の標高以上である地点を、境界線形状点として算出する。一のX値線上において互いに隣接する二の地形形状点のうち、一方の地点形状点では地表面の標高が上面の標高よりも高く且つ他方の地点形状点では上面の標高が地表面の標高よりも高い場合、当該二の地形形状点を結ぶX値線上に境界線形状点が位置する。なお、境界線形状点の算出方法の詳細は後述する。また、堆積量算出装置1は、複数の地形形状点のそれぞれの地表面の標高及び上面の標高に基づいて、複数のY値線のそれぞれの線上において地表面の標高及び上面の標高が等しく且つ設置予定の砂防堰堤の天端の標高以上である地点を、境界線形状点として算出する。
堆積量算出装置1は、天端の堤長方向の上流側辺と複数のX値線及び複数のY値線との交点と、天端の堤長方向の上流側辺の両端点とを、堰堤形状点として算出する。
堆積量算出装置1は、堆積域内地点、境界線形状点、及び堰堤形状点のそれぞれを平面地図上に投影した複数の構成点のうちの近傍の3点によって構成される複数の三角メッシュを作成する。三角メッシュは、TINデータと同様に、各構成点が近傍の構成点と線分で結ばれることにより形成された仮想的な不規則三角形の形状を有しており、三角メッシュの各辺は、他の三角メッシュの各辺と交差しないものである。
堆積量算出装置1は、複数の三角メッシュのそれぞれについて、上面と、地表面と、各三角メッシュの各辺を通過する鉛直面とによって構成される立体形状の体積を算出する。当該立体形状は、三角メッシュを底辺とする三角柱から、上面と地表面とによって分割された切断三角柱の形状である。
堆積量算出装置1は、複数の三角メッシュのそれぞれについて算出した立体形状の体積の合計値を堆積空間の体積として算出し、算出した堆積空間の体積を表示する。
堆積量算出装置1は、上述のような機能を実現するために、例えば、記憶部11、操作部12、表示部13及び処理部14を備える。
記憶部11は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の半導体メモリ装置、磁気テープ装置、磁気ディスク装置、又は光ディスク装置のうちの少なくとも一つを備える。記憶部11は、処理部14での処理に用いられるオペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、制御プログラム及びデータ等を記憶する。記憶部11に記憶されるドライバプログラムは、操作部12を制御する入力デバイスドライバプログラム、及び、表示部13を制御する出力デバイスドライバプログラム等である。記憶部11に記憶される制御プログラムは、砂防堰堤の堆積量算出処理を実行するためのアプリケーションプログラム等である。記憶部11に記憶される各種プログラムは、例えばCD-ROM、DVD-ROM等のコンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いて記憶部11にインストールされてもよい。記憶部11に記憶されるデータは、標高情報及びユーザによって入力された各種情報等である。また、記憶部11は、所定の処理に係る一時的なデータを一時的に記憶してもよい。
操作部12は、例えば、キーボード、マウス、又は、タッチパネル等のポインティングデバイスである。ユーザは、操作部12を用いて、文字、数字及び記号、若しくは、表示部13の表示画面上の位置等を入力することができる。操作部12は、ユーザにより操作されると、その操作に対応する信号を発生する。そして、発生した信号は、ユーザの指示として、処理部14に供給される。
表示部13は、液晶ディスプレイである。なお、表示部13は、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等でもよい。表示部13は、処理部14から供給された映像データに応じた映像や、画像データに応じた画像等を表示する。
処理部14は、一又は複数個のプロセッサ及びその周辺回路を備える。処理部14は、堆積量算出装置1の全体的な動作を統括的に制御するものであり、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。処理部14は、記憶部11に記憶されているプログラム及びユーザによる操作部12の操作に応じて入力された各種指示等に基づいて、各種情報処理を適切な手順で実行し、且つ、表示部13の動作を制御する。処理部14は、記憶部11に記憶されているオペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム及び制御プログラムに基づいて各種情報処理を実行する。また、処理部14は、複数のプログラムを並列に実行することができる。
処理部14は、少なくとも表示処理部141、取得部142、及び算出部143を備える。これらの各部は、処理部14が備えるプロセッサで実行されるプログラムにより実現される機能モジュールである。あるいは、これらの各部は、ファームウェアとして堆積量算出装置1に実装されてもよい。
以下、図2-4及び11を参照して、堆積量算出装置1の表示部13に表示される各種画面の一例について説明するとともに、図5-10を参照して、堆積量算出方法の一例について説明する。
(地図画面200)
図2(a)は、堆積量算出装置1の表示部13に表示される地図画面200の一例を示す図である。
地図画面200は、例えば、本実施形態における砂防堰堤の堆積量算出処理を実行するための制御プログラムが、ユーザによる操作部12の操作に応じて入力された開始指示に従って起動されたときに表示される。開始指示は、例えば、表示部13に表示された制御プログラムを示す起動アイコン等が、ユーザによる操作部12の操作に応じて指定された場合に入力される。
図2(a)に示す地図画面200には、記憶部11に記憶された所定エリア内の標高情報に基づく地図画像が含まれる。ユーザによる操作部12の操作に応じて、地図画面200上の複数の任意の地点が順次入力された場合、堆積量算出装置1の表示処理部141は、入力された複数の地点を順番に接続したベクトルデータを生成し、生成されたベクトルデータに基づく線分を地図画面上に重畳して表示部13に表示する。ベクトルデータは、最初に入力された地点のX値及びY値を示すデータと、2番目以降の各順番に入力された地点のX値及びY値を示すデータと、最後に入力された地点のX値及びY値を示すデータとを含む。
図2(a)に示す例では、ユーザによって入力された複数の地点に基づくベクトルデータが生成され、生成されたベクトルデータによって示される最低河床線201が地図画面上に重畳して表示される。最低河床線は、例えば、渓流線又は谷線等である。最低河床線201を示すベクトルデータは、最初に入力された地点201a、2番目以降の各順番に入力された地点、及び、最後に入力された地点201b、のそれぞれのX値及びY値を示すデータを含む。堆積量算出装置1は、最初に入力された地点201aを最低河床線201の下流側の地点であると認識し、最後に入力された地点201bを最低河床線201の上流側の地点であると認識する。堆積量算出装置1は、入力した各地点について、入力された順番が後であるほど上流の地点であると認識する。
(設定画面210)
図2(b)は、堆積量算出装置1の表示部13に表示される設定画面210の一例を示す図である。表示処理部141は、ユーザからの設定画面表示指示に応じて、設定画面210を表示部13に表示する。
設定画面210は、ユーザが砂防堰堤の種別及び砂防堰堤に関する設定値を入力するための画面であり、種別選択オブジェクト211、堰堤設定オブジェクト212及び設定オブジェクト213を含む。
種別選択オブジェクト211は、砂防堰堤に係る複数の種別の何れかを選択するための操作オブジェクトである。図2(b)に示す種別選択オブジェクト211には、複数のボタン型のオブジェクトと、複数のオブジェクトのそれぞれに対応する砂防堰堤の種別を示す文字情報(「透過型」、「不透過型」、及び「部分透過型」等)が含まれる。
ユーザによる操作部12の操作に応じて入力された設定画面210上の入力位置が、種別選択オブジェクト211に含まれるボタン型のオブジェクトのいずれかの表示領域内である場合、入力位置に対応するボタン型のオブジェクトは、選択されたことを示す表示態様に変更される。また、ユーザによる操作部12の操作に応じて入力された設定画面210上の入力位置が、種別選択オブジェクト211に含まれる、砂防堰堤の種別を示す文字情報のいずれかの表示領域内である場合、入力位置に対応する文字情報のボタン型のオブジェクトは、選択されたことを示す表示態様に変更される。
堰堤設定オブジェクト212は、砂防堰堤に関する設定値を入力するための入力オブジェクトである。入力オブジェクトは、例えば、テキスト入力ボックスである。ユーザによる操作部12の操作によって堰堤設定オブジェクト212に数値が入力されると、入力された数値が堰堤設定オブジェクト212内に表示される。図2(b)に示す例では、現河床勾配、平常時堆砂勾配、計画時堆砂勾配、及び堰堤高に対応する堰堤設定オブジェクト212が表示されている。
例えば、現河床勾配に対応する堰堤設定オブジェクト212に、数値「0.1」がユーザによって入力されると、「0.1」という数値が、当該堰堤設定オブジェクト212内に現河床勾配として表示される。
堰堤設定オブジェクト212に対応する設定値は、現河床勾配、平常時堆砂勾配、計画時堆砂勾配、及び堰堤高以外のもの(例えば、堤長)でもよく、現河床勾配、平常時堆砂勾配、計画時堆砂勾配、及び堰堤高の一部であってもよい。
設定オブジェクト213は、砂防堰堤の種別の選択を決定するためのボタンオブジェクトである。設定オブジェクト213は、アイコン画像又はテキスト等でもよい。ユーザによる操作部12の操作に応じて入力された設定画面210上の入力位置が設定オブジェクト213の表示領域内である場合、設定情報が堆積量算出装置1に入力される。設定情報には、選択されたボタン型のオブジェクトに対応する砂防堰堤の種別を示す種別データ、ユーザによって入力された堰堤設定オブジェクト212に対応する設定値を示す設定データが含まれる。このように、ユーザが設定オブジェクト213を選択する操作を行った場合、堆積量算出装置1の取得部142は、ユーザによって選択された砂防堰堤の種別を示す種別データ及びユーザによって入力された砂防堰堤に関する設定値を示す設定データを含む設定情報を取得する。
(地図画面300)
図3(a)は、堆積量算出装置1の表示部13に表示される地図画面300の一例を示す図である。
図3(a)に示す地図画面300は、図2(a)に示す地図画面200に、最低河床線201上の設置候補位置のマーク301が重畳されている画面である。設置候補位置は、最低河床線201上のX値及びY値に対応し、設置候補位置には図2(a)に示すマーク301が表示される。
堆積量算出装置1の取得部142は、図2に示される地図画面200において、ユーザによって任意の位置が指定された場合、最低河床線201上の位置のうちユーザによって指定された位置から最も近い位置を設置候補位置として取得する。堆積量算出装置1の表示処理部141は、設定された設置候補位置の上にマーク301を表示する。
(地図画面310)
図3(b)は、堆積量算出装置1の表示部13に表示される地図画面310の一例を示す図である。
図3(b)に示す地図画面310は、図3(a)に示す地図画面300に、設置候補位置に対応する砂防堰堤の天端を示す天端図形311が重畳されている画面である。堆積量算出装置1の表示処理部141は、天端図形311によって示される天端の堤長方向の上流側辺の中心が、設置候補位置(マーク301の位置)となるように、天端図形311を地図画面310に表示する。天端図形311によって示される天端の堤長方向の下流側辺の中心が、設置候補位置(マーク301の位置)となるように、天端図形311が地図画面310に表示されてもよい。
天端図形311の長手方向(天端の堤長方向)の長さは、入力された設定情報に含まれる砂防堰堤に関する設定値に基づいて算出される。例えば、堆積量算出装置1の表示処理部141は、記憶部11に記憶された標高情報を参照して、設置候補位置に最も近い地形形状点に対応する標高と入力された設定情報に含まれる堰堤高との合計値を、天端の標高として算出する。
堆積量算出装置1の表示処理部141は、設置候補位置において最低河床線201と地図平面上で垂直となる線分を生成する。生成された線分の長さは、生成された線分が天端の標高である場合に、生成した線分が地表面と接すると推定される位置までの長さである。なお、表示処理部141は、標高情報を参照し、複数の地形形状点のX値、Y値及び標高値に基づいて、複数の地形形状点を3次元仮想空間内に配置し、隣接する3つの地形形状点によって形成される三角形のポリゴンを隙間なく複数生成することにより地表面を算出する。
堆積量算出装置1の表示処理部141は、上述のようにして生成した線分を天端の堤長方向の上流側辺として設定する。表示処理部141は、上述のようにして生成した線分を天端の堤長方向の下流側辺として設定してもよい。図3(b)に示す天端図形311は、天端の堤長方向の上流側辺と、当該上流側辺から所定の天幅だけ下流側に設置された、当該上流側辺と同じ長さの下流側辺と、を有する矩形図形である。
(地図画面400)
図4は、堆積量算出装置1の表示部13に表示される地図画面400の一例を示す図である。
図4に示す地図画面400には、図3(b)に示す地図画面310に、検討範囲401が重畳されている画面である。検討範囲は、最低河床線201に基づいて堆積量算出装置1によって自動的に生成される。例えば、堆積量算出装置1の表示処理部141は、最低河床線201を中心とし且つ最低河床線201と垂直な所定の幅(約400m等)を有する閉領域を検討範囲とする検討範囲データを自動的に算出する。
(地点形状点)
検討範囲データが算出されると、堆積量算出装置1の取得部142は、標高情報を参照して、検討範囲データによって示される検討範囲内の地形形状点を抽出する。図5(a)は、抽出された地形形状点の一例を説明するための模式図である。
堆積量算出装置1は、検討範囲内の地形形状点を抽出し、以降の堆積量算出処理において、抽出した地形形状点のみを使用する。これにより、堆積量算出装置1の演算処理の速度を向上させることが可能となる。
図5(a)に示すように、複数の地形形状点は、平面地図上において矩形格子状に配置される。砂防堰堤の堆積物は、天端図形311の最低河床線201の上流側に堆積されるが、天端図形311の上流側辺と一致していない地形形状点があるため、天端図形311の上流側辺近傍の体積空間の体積の算出結果に誤差が生じる。
(X値線及びY値線)
図5(b)は、X値線及びY値線の一例を説明するための模式図である。複数の地形形状点は、同一間隔で設定された複数のX値線のそれぞれと、同一間隔で設定された複数のY値線のそれぞれとの交点に位置する。堆積量算出装置1の算出部143は、複数の地形形状点のそれぞれのX値及びY値の情報を特定し、特定したX値の情報に基づくX値線と、特定したY値の情報に戻づくY値線を算出する。
(堆積空間の上面の標高)
図6は、複数の地形形状点のそれぞれに対する堆積空間の上面の標高の算出方法の一例を示す模式図である。
堆積量算出装置1の算出部143は、天端の堤長方向の上流側辺を含み且つ入力された設定情報に含まれる計画時堆砂勾配を有する平面(上面)上における複数の地形形状点のそれぞれの標高を算出する。なお、算出部143は、上流側辺を含む直線によって、検討範囲を2つの領域に分割し、最低河床線201上の各地点を参照して、分割された2つの領域のうちの設置候補位置から上流側の領域を判定する。例えば、算出部143は、上流側の複数の地形形状点のそれぞれと天端の堤長方向の上流側辺との最短距離hを算出し、複数の地形形状点のそれぞれについて、「(天端の標高)+(最短距離h)×(計画時堆砂勾配)」を算出し、算出結果を複数の地形形状点のそれぞれに対する堆積空間の上面の標高とする。または、最短距離hは、上流側の複数のそれぞれの地形形状点を最低河床線201に対して最短距離方向に最低河床線201上に移動させた点と、設置候補位置との最低河床線201上の距離としても良い。
(堆積域内地点)
図7は、堆積域内地点の一例を説明するための模式図である。
算出部143は、複数の地形形状点のうち、地表面の標高よりも上面の標高が高い地点を、堆積域内地点として特定する。地表面の標高は、標高情報によって示される地形形状点の標高である。
(堰堤形状点及び境界線形状点)
図8(a)は、堰堤形状点及び境界線形状点の一例を説明するための模式図である。
図8(a)に示すように、堰堤形状点は、天端の堤長方向の上流側辺上の点のうち、X値線及びY値線のいずれかによって示されるX値又はY値を有する点である。例えば、算出部143は、天端の堤長方向の上流側辺の両端点のX値及びY値を特定する。算出部143は、特定した両端点のX値及びY値に基づいて、平面地図上における両端点を結ぶ線分を算出し、算出した当該線分と複数のX値線及び複数のY値線との交点のX値及びY値を算出する。算出部143は、算出した交点のX値及びY値に対応する天端の堤長方向の上流側辺上の点を堰堤形状点とする。また、堰堤形状点の上面の標高は、天端の標高であり、下面の標高は、近傍の地形形状点の地表面の標高に基づいて算出される。なお、堰堤形状点は、天端の堤長方向の上流側辺の両端点を含む。
図8(a)に示すように、境界線形状点は、一のX値線上又は一のY値線上において互いに隣接する二の地形形状点のうち、一方の地点形状点では地表面の標高が上面の標高よりも高く且つ他方の地点形状点では上面の標高が地表面の標高よりも高い場合、当該二の地形形状点を結ぶX値線上又はY値線上に位置する。
(境界線形状点の算出方法)
図8(b)は、境界線形状点の算出方法の一例を説明するための模式図である。
図8(b)に示すように、堆積量算出装置1の算出部143は、地形形状点ごとに、上面における座標と地表面における座標を算出する。算出部143は、X値線上又はY値線上において互いに隣接する二の地形形状点のうち、一方の地点形状点では地表面の標高が上面の標高よりも高く且つ他方の地点形状点では上面の標高が地表面の標高よりも高いものを抽出する。算出部143は、二の地形形状点を結ぶ線分と、二の地形形状点に対応する上面の点同士を結ぶ線分の交点を、境界線形状点として算出する。
図8(b)に示す例では、算出部143は、二の地形形状点の座標として、地点3の地表面座標(X2,Y1,Zb3)と地点4の地表面座標(X2,Y2,Zb4)を抽出する。そして、算出部143は、地点3の地表面座標(X2,Y1,Zb3)及び地点4の地表面座標(X2,Y2,Zb4)を結ぶ線分と、地点3の上面座標(X2,Y1,Za3)及び地点4の上面座標(X2,Y2,Za4)との交点を境界線形状点として算出する。
(境界線)
図9(a)は、境界線の一例を説明するための模式図である。
境界線は、境界線形状点及び上流側辺の両端点のうち互いに近接する点を結ぶ線分である。境界線及び上流側辺によって、上面における堆積域が規定される。
(三角メッシュの作成方法)
図9(b)は、三角メッシュの作成方法の一例を説明するための模式図である。
三角メッシュは、堆積域内地点、境界線形状点、及び堰堤形状点のそれぞれを平面地図上に投影した複数の構成点のうちの近傍の3点によって構成される三角ポリゴンである。例えば、堆積量算出装置1の算出部143は、堆積域内地点、境界線形状点、及び堰堤形状点のそれぞれのX値及びY値を特定し、特定した複数のX値及びY値によって示される平面地図上の点を構成点として特定する。算出部143は、特定した構成点のうち近傍の3点のグループを作成する。各グループを構成する3点の構成点によって三角メッシュを作成する。なお、三角メッシュの各辺は、他の三角メッシュの各辺と交差しないものである。
(切断三角柱の体積の算出方法)
図10は、切断三角柱の体積の算出方法の一例を示す模式図である。
堆積量算出装置1の算出部143は、複数の三角メッシュのそれぞれについて、上面と、地表面と、各三角メッシュの各辺を通過する鉛直面とによって構成される立体形状の体積を算出する。図10に示すように、当該立体形状は、三角メッシュを底辺とする三角柱から、上面と地表面とによって分割された切断三角柱の形状である。なお、図10では、点A、B,及びCは、三角メッシュの各構成点に対応する地表面上の地点であり、点D、E,及びFは、三角メッシュの各構成点に対応する上面上の地点である。また、図10における距離aは、三角メッシュの各構成点のおける地表面及び上面間の距離のうちの最も短いものである。算出部143は、三角形ABCと平行な三角形GEHであり且つ三角形ABCより距離aだけ高さ方向に移動して配置された三角形GEHによって、切断三角柱を2つの立体要素に切断し、2つの立体要素の合計値を、立体形状ABC-DEFの体積とする。
算出部143は、全ての三角メッシュに対応する立体形状(切断三角柱)の体積を算出し、その合計値を堆積空間の体積として算出する。
(地図画面1100)
図11は、堆積量算出装置1の表示部13に表示される地図画面1100の一例を示す図である。
図11に示すように、堆積量算出装置1の表示処理部141は、図4に示す地図画面400において、砂防堰堤を設置した場合における堆積空間の堆積域1101及びその堆積量1102を表示部13に表示する。なお、堆積域1101は、境界線及び上流側辺によって規定される。
(堆積量算出処理)
図12は、堆積量算出装置1の表示処理部141、取得部142、及び算出部143による堆積量算出処理の動作フローの一例を示す図である。この堆積量算出処理は、予め記憶部11に記憶されている制御プログラムに基づいて、主に処理部14により、堆積量算出装置1の各要素と協働して実行される。
最初に、ユーザによる操作部12の操作に応じて、表示処理部141は、記憶部11から数値標高データを読み出し、地図画面200を表示部13に表示する(ステップS101)。例えば、表示処理部141は、読み出した数値標高データに含まれる標高値を示す数値データに基づいて、略同一の標高値を有する中心点を直線又は曲線で結ぶことで等高線を表示する。
まず、ユーザによる操作部12の操作に応じて、地図画面200上に複数の任意の地点が順次入力された場合、取得部142は、入力された複数の地点を順番に接続したベクトルデータを生成し、生成したベクトルデータを最低河床線データとして取得する(ステップS102)。表示処理部141は、生成された最低河床線データに基づいて最低河床線201を地図画面200上に重畳して表示する。なお、表示処理部141は、最低河床線データを記憶部11に記憶してもよい。この場合、表示処理部141は、ユーザによる操作部12の操作に応じて、記憶部11に記憶された最低河床線データを読み出して、読み出した最低河床線データに基づいて最低河床線201を地図画面200上に重畳して表示する。
次に、ユーザが設定オブジェクト213を選択する操作を行った場合、取得部142は、設定情報を取得する(ステップS103)。
次に、ユーザによる操作部12の操作に応じて地図画面200の複数の任意の地点が入力された場合、取得部142は、最低河床線201上の位置のうちユーザによって指定された位置から最も近い位置を設置候補位置として取得する(ステップS104)。
次に、表示処理部141は、設置候補位置並びに標高情報及び設定情報に基づいて天端図形311を表示部13に表示する(ステップS105)。
次に、表示処理部141は、最低河床線201を中心とし且つ最低河床線201と垂直な所定の幅(約400m等)を有する閉領域を検討範囲とする検討範囲データを自動的に算出して、当該検討範囲を地図画面310に表示する(ステップS106)。
次に、取得部142は、標高情報を参照して、検討範囲データによって示される検討範囲内の地形形状点を抽出する(ステップS107)。
次に、算出部143は、複数の地形形状点のそれぞれのX値及びY値の情報を特定し、特定したX値の情報に基づくX値線と、特定したY値の情報に戻づくY値線を算出する(ステップS108)。
次に、算出部143は、複数の地形形状点のそれぞれについて堆積空間の上面の標高を算出する(ステップS109)。
次に、算出部143は、標高情報及び堰堤形状点並びに堆積空間の上面の標高に基づいて、堆積域内地点、境界線形状点、及び堰堤形状点を算出する(ステップS110)。
次に、算出部143は、堆積域内地点、境界線形状点、及び堰堤形状点に基づいて三角メッシュを生成する(ステップS111)。
次に、算出部143は、三角メッシュ並びに標高情報及び堆積空間の上面の標高に基づいて、堆積空間の体積を算出する(ステップS112)。なお、算出部143は、算出した堆積空間の体積を、堰堤の構造に応じて、堰堤の形状と重複する体積を除いても良い。
堆積量算出装置1の表示処理部141は、砂防堰堤を設置した場合における堆積空間の堆積域1101及びその堆積量1102(堆積空間の体積)を表示部13に表示し(ステップS113)、処理を終了する。
以上、詳述したとおり、本実施形態の堆積量算出装置1において、平面地図上において矩形格子状に配置された複数の地点に対応する標高情報が用いられた場合であっても、砂防堰堤による土砂等の堆積量の算出精度を向上させることが可能となる。
(変形例1)
なお、本発明は、本実施形態に限定されるものではない。例えば、算出部143は、設定画面210によって、「透過型」又は「部分透過型」が選択された場合、それぞれの種別に対応する堆積量の算出手法に基づいて堆積空間の体積を算出する。
(変形例2)
また、堆積空間の体積は計画捕捉量であってもよい。この場合、算出部143は、天端の堤長方向の上流側辺を含み且つ入力された設定情報に含まれる平常時堆砂勾配を有する平面(下面)上における複数の地形形状点のそれぞれの標高を算出する。そして、算出部143は、複数の三角メッシュのそれぞれについて、上面と、地表面又は下面のいずれか高い方と、各三角メッシュの各辺を通過する鉛直面とによって構成される立体形状の体積を算出する。すなわち、算出部143は、図10における点A、B,及びCを、三角メッシュの各構成点に対応する、地表面又は下面うちのいずれか高い方の地点として設定する。これにより、堆積量算出装置1は、計画捕捉量を算出することが可能となる。
当業者は、本発明の精神及び範囲から外れることなく、様々な変更、置換、及び修正をこれに加えることが可能であることを理解されたい。
1 堆積量算出装置
11 記憶部
12 操作部
13 表示部
14 処理部
141 表示処理部
142 取得部
143 算出部

Claims (5)

  1. 表示部と、
    平面地図上において矩形格子状に配置された複数の地点の所定の座標系で定めたX値、Y値及び地表面の標高を示す標高情報と、設置予定の砂防堰堤の天端の堤長方向の上流側辺の両端点の位置及び標高を示す堰堤位置情報と、前記設置予定の砂防堰堤による土砂等の堆積空間の上面の勾配を示す勾配情報とを記憶する記憶部と、
    前記複数の地点のうちの同一X値を有する各地点を通過する複数のX値線と、前記複数の地点のうちの同一Y値を有する各地点を通過する複数のY値線と、を算出するXY線算出部と、
    前記堰堤位置情報及び前記勾配情報に基づいて、前記複数の地点のそれぞれに対応する前記堆積空間の上面の標高を算出する標高算出部と、
    前記複数の地点のうち、前記地表面の標高よりも前記上面の標高が高い地点を、堆積域内地点として特定する特定部と、
    前記複数の地点のそれぞれの前記地表面の標高及び前記上面の標高に基づいて、前記複数のX値線及び前記複数のY値線のそれぞれの線上において前記地表面の標高及び前記上面の標高が等しく且つ設置予定の砂防堰堤の天端の標高以上である地点を、境界線形状点として算出するとともに、前記天端の堤長方向の上流側辺と前記複数のX値線及び前記複数のY値線との交点及び前記天端の堤長方向の上流側辺の両端点を、堰堤形状点として算出する形状点算出部と、
    前記堆積域内地点、前記境界線形状点、及び前記堰堤形状点のそれぞれを前記平面地図上に投影した複数の構成点のうちの近傍の3点によって構成される複数の三角メッシュを作成する作成部と、
    前記複数の三角メッシュのそれぞれについて、前記上面と前記地表面と各三角メッシュの各辺を通過する鉛直面とによって構成される立体形状の体積を算出し、複数の三角メッシュのそれぞれについて算出した立体形状の体積の合計値を、前記堆積空間の体積として算出する体積算出部と、
    前記堆積空間の体積を前記表示部に表示する表示処理部と、
    を備えることを特徴とする砂防堰堤の堆積量算出装置。
  2. ユーザによって入力された最低河床線に関する情報を取得する取得部と、
    前記最低河床線と垂直な所定幅を有する閉領域を検討範囲として算出する領域算出部と、をさらに備え、
    前記標高算出部、XY線算出部、形状点算出部及び特定部は、前記検討範囲内の前記複数の地点を用いる、請求項1に記載の砂防堰堤の堆積量算出装置。
  3. 前記記憶部によって記憶された前記標高情報によって示される前記地表面の標高は、レーザプロファイラ等によって計測された標高に基づいて、建物及び樹木等の地物を取り除いた地表面の標高である、請求項1又は2に記載の砂防堰堤の堆積量算出装置。
  4. 表示部と、
    平面地図上において矩形格子状に配置された複数の地点の所定の座標系で定めたX値、Y値及び地表面の標高を示す標高情報と、設置予定の砂防堰堤の天端の堤長方向の上流側辺の両端点の位置及び標高を示す堰堤位置情報と、前記設置予定の砂防堰堤による土砂等の計画捕捉量に対応する堆積空間の計画堆砂勾配及び平常時堆砂勾配を示す勾配情報とを記憶する記憶部と、
    前記複数の地点のうちの同一X値を有する各地点を通過する複数のX値線と、前記複数の地点のうちの同一Y値を有する各地点を通過する複数のY値線と、を算出するXY線算出部と、
    前記堰堤位置情報及び前記勾配情報に基づいて、前記複数の地点のそれぞれに対応する、前記堆積空間の計画堆砂勾配に対応する上面の標高、及び、前記堆積空間の平常時堆砂勾配に対応する下面の標高を算出する標高算出部と、
    前記複数の地点のうち、前記地表面の標高よりも前記上面の標高が高い地点を、堆積域内地点として特定する特定部と、
    前記複数の地点のそれぞれの前記地表面の標高及び前記上面の標高に基づいて、前記複数のX値線及び前記複数のY値線のそれぞれの線上において前記地表面の標高及び前記上面の標高が等しく且つ設置予定の砂防堰堤の天端の標高以上である地点を、境界線形状点として算出するとともに、前記天端の堤長方向の上流側辺と前記複数のX値線及び前記複数のY値線との交点及び前記天端の堤長方向の上流側辺の両端点を、堰堤形状点として算出する形状点算出部と、
    前記堆積域内地点、前記境界線形状点、及び前記堰堤形状点のそれぞれを前記平面地図上に投影した複数の構成点のうちの近傍の3点によって構成される複数の三角メッシュを作成する作成部と、
    前記複数の三角メッシュのそれぞれについて、前記上面と、前記下面又は前記地表面と、各三角メッシュの各辺を通過する鉛直面とによって構成される立体形状の体積を算出し、複数の三角メッシュのそれぞれについて算出した立体形状の体積の合計値を、前記堆積空間の体積として算出する体積算出部と、
    前記堆積空間の体積を前記表示部に表示する表示処理部と、
    を備えることを特徴とする砂防堰堤の堆積量算出装置。
  5. 記憶部及び表示部を備え、砂防堰堤による土砂等の堆積量を算出するためのコンピュータを制御する制御プログラムであって、
    平面地図上において矩形格子状に配置された複数の地点のそれぞれの所定の座標系で定めたX値、Y値及び地表面の標高を示す標高情報と、設置予定の砂防堰堤の天端の堤長方向の上流側辺の両端点の位置及び標高を示す堰堤位置情報と、前記設置予定の砂防堰堤による土砂等の堆積空間の上面の勾配を示す勾配情報とを前記記憶部に記憶し、
    前記複数の地点のうちの同一X値を有する各地点を通過する複数のX値線と、前記複数の地点のうちの同一Y値を有する各地点を通過する複数のY値線と、を算出し、
    前記堰堤位置情報及び前記勾配情報に基づいて、前記複数の地点のそれぞれに対応する前記堆積空間の上面の標高を算出し、
    前記複数の地点のうち、前記地表面の標高よりも前記上面の標高が高い地点を、堆積域内地点として特定し、
    前記複数の地点のそれぞれの前記地表面の標高及び前記上面の標高に基づいて、前記複数のX値線及び前記複数のY値線のそれぞれの線上において前記地表面の標高及び前記上面の標高が等しく且つ設置予定の砂防堰堤の天端の標高以上である地点を、境界線形状点として算出するとともに、前記天端の堤長方向の上流側辺と前記複数のX値線及び前記複数のY値線との交点及び前記天端の堤長方向の上流側辺の両端点を、堰堤形状点として算出し、
    前記堆積域内地点、前記境界線形状点、及び前記堰堤形状点のそれぞれを前記平面地図上に投影した複数の構成点のうちの近傍の3点によって構成される複数の三角メッシュを作成し、
    前記複数の三角メッシュのそれぞれについて、前記上面と前記地表面と各三角メッシュの各辺を通過する鉛直面とによって構成される立体形状の体積を算出し、複数の三角メッシュのそれぞれについて算出した立体形状の体積の合計値を、前記堆積空間の体積として算出し、
    前記堆積空間の体積を前記表示部に表示する、
    ことを前記コンピュータに実行させるための制御プログラム。
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