JP7090516B2 - 灌水制御システム - Google Patents

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Description

本発明は、栽培植物の葉を撮像する撮像部を備える灌水制御システムに関する。
上記のような灌水制御システムとして、例えば、特許文献1に記載のものが既に知られている。この灌水制御システムでは、撮像部(特許文献1では「撮影装置」)により取得された撮像画像に基づいて、栽培植物の葉の投影面積が算出される。
さらに、この灌水制御システムでは、最大投影面積に対する投影面積の比である投影面積比が算出される。そして、投影面積比が給液基準値を下回った場合、栽培植物に対して灌水(特許文献1では「給液」)が実行される。
葉の投影面積は、葉の張り度合いを示す指標の一つである。そのため、この灌水制御システムによれば、葉の張り度合いに応じて灌水を実行することができる。
特開2007-306846号公報
上述の灌水制御システムにおいて、最大投影面積は、直近の灌水以降の投影面積の最大値である。即ち、この最大投影面積は、灌水の度に更新される。
ここで、灌水の度に葉の張り度合いが完全に回復すれば、最大投影面積は、常に、葉の張り度合いが完全に回復した状態における投影面積となる。即ち、この場合、最大投影面積は、常に一定の値となる。
従って、この場合、葉の張り度合いと投影面積比との対応関係は、灌水の度に変化せず、一定となる。そのため、灌水が実行されるときの葉の張り度合いは、灌水の度に変化せず、一定となる。
しかしながら、実際には、灌水によって葉の張り度合いが完全には回復しないことがある。即ち、灌水によって葉の張り度合いが回復したときの、葉の張り度合いのピーク値は、必ずしも一定ではない。そして、葉の張り度合いのピーク値が灌水毎に異なる場合、最大投影面積は、灌水の度に変化することとなる。
従って、実際には、葉の張り度合いと投影面積比との対応関係は、直近の灌水による葉の張り度合いのピーク値に応じて変化する。そのため、灌水が実行されるときの葉の張り度合いは、直近の灌水による葉の張り度合いのピーク値に応じて変化することとなる。
そのため、上述の灌水制御システムでは、適切なタイミングで灌水を実行させることができない。
例えば、葉の張り度合いが、完全に回復した状態に対して70%となったときに灌水を実行させたい場合、管理者は、給液基準値を70%に設定する。灌水の度に葉の張り度合いが完全に回復する場合には、灌水は、毎回、葉の張り度合いが70%となったときに実行されることとなる。
しかしながら、灌水によって葉の張り度合いが90%までしか回復しなかった場合、次回の灌水は、葉の張り度合いが63%(90%×70%)となったときに実行されることとなる。即ち、この場合、葉の張り度合いが70%となったときに灌水を実行させることができない。
本発明の目的は、適切なタイミングで灌水を実行させることが可能な灌水制御システムを提供することである。
本発明の特徴は、栽培植物の葉を撮像する撮像部と、前記撮像部により取得された撮像画像に基づいて、前記葉の張り度合いを示す値である張り指標値を算出する張り指標値算出部と、予め決められた時間帯または時刻である基準時における前記張り指標値に基づいて灌水基準値を算出する基準算出部と、前記張り指標値が前記灌水基準値を下回った場合に灌水指示信号を出力する灌水指示部と、を備え、前記灌水基準値が算出された後、灌水による前記葉の張り度合いの回復に応じた前記灌水基準値の更新が行われないことにある。
本発明であれば、灌水が実行されるときの葉の張り度合いは、灌水の度に変化せず、一定となる。これにより、適切なタイミングで灌水を実行させることが可能な灌水制御システムを実現できる。
さらに、本発明において、目標となる前記葉のしおれ度合いに相当する係数であるしおれ係数を設定するしおれ係数設定部を備え、前記張り指標値算出部は、前記撮像画像において前記葉が写っている領域である計測領域のうち、前記葉の占める領域の割合である被覆率を算出し、前記基準算出部は、前記基準時における前記被覆率である基準被覆率に前記しおれ係数を乗ずることによって前記灌水基準値を算出すると好適である。
被覆率は、葉の張り度合いを精度良く反映する。そのため、上記の構成によれば、葉の張り度合いに応じた灌水制御を、精度良く行うことができる。また、上記の構成によれば、目標となる葉のしおれ度合いまで葉がしおれたときに灌水が実行される構成を実現できる。
さらに、本発明において、前記灌水指示部により前記灌水指示信号が出力された後、前記張り指標値が前記灌水基準値を上回らなかった場合、前記灌水指示部は、追加で前記灌水指示信号を出力すると好適である。
この構成によれば、灌水が実行されたにもかかわらず、張り指標値が灌水基準値を上回らなかった場合には、追加の灌水が実行される。これにより、張り指標値が灌水基準値を上回る程度まで、葉の張り度合いが確実に回復する。
さらに、本発明において、前記撮像部は、前記栽培植物よりも上側に位置すると共に下方へ向けて俯瞰撮像を行うと好適である。
この構成によれば、葉の張り度合いの変化が、撮像画像内の葉の形状や大きさの変化に反映されやすい。これにより、撮像画像に基づいて、張り指標値を精度良く算出しやすくなる。
さらに、本発明において、前記基準時は、日の出直後の時間帯であると好適である。
一般に、葉の張り度合いは、日の出直後の時間帯に、完全に回復した状態となりやすい。そのため、上記の構成によれば、葉の張り度合いが完全に回復したときの張り指標値に基づいて灌水基準値を算出することができる。従って、葉の張り度合いが完全に回復した状態を基準にして灌水基準値を算出することが可能となる。
さらに、本発明において、前記撮像部は、前記時間帯における複数の時刻で前記撮像画像を取得し、前記張り指標値算出部は、前記時間帯において取得された複数の前記撮像画像に基づいて、前記時間帯における複数の前記張り指標値を算出し、前記灌水基準値は、前記複数の張り指標値に基づいて算出されると好適である。
撮像部が撮像画像を取得する際に、栽培植物が大きく揺れる等、何らかの突発的な事象が起こった場合、その撮像画像に基づいて算出された張り指標値は、実際の葉の張り度合いとは乖離した値となってしまう。そして、そのような張り指標値に基づいて灌水基準値が算出されると、灌水基準値が不適切な値となってしまう。
ここで、上記の構成によれば、複数の時刻で取得された撮像画像のうちに、何らかの突発的な事象が起こった際の撮像画像が含まれている場合、その撮像画像に基づいて算出された張り指標値は、外れ値として除外することができる。そのため、上記の構成によれば、1つの撮像画像に基づいて灌水基準値が算出される構成に比べて、算出される灌水基準値が適切な値になりやすい。
園芸施設の内部全体を示す平面図である。 園芸施設の内部全体を示す側面図である。 園芸施設の群落撮像領域の撮像を示す平面図である。 園芸施設の群落撮像領域の撮像を示す側面図である。 灌水制御システムの構成を示すブロック図である。 被覆率を示す平面図である。 被覆率の推移の一例を示す図である。 動きベクトルの算出方法を示す図である。 積算変位量の推移の一例を示す図である。 栽培管理作業が行われた場合の被覆率の推移の一例を示す図である。 栽培管理作業が行われた場合の被覆率の推移の一例を示す図である。 栽培管理作業が行われた場合の被覆率の推移の一例を示す図である。
〔園芸施設の構成〕
本発明を実施するための形態について、図面に基づき説明する。本実施形態では、図1に示されているような園芸施設1に、栽培植物を植えるための畝A1~A8が縦横に並ぶ状態で設けられている。夫々の畝Aの間は栽培植物の管理者が通行可能な通路となっている。園芸施設1は、例えばビニールハウスであったり、太陽光利用型の植物工場であったりする。
夫々の畝Aは、例えば無孔性親水性フィルムで構成される。そして、夫々の畝Aに、栽培植物として、例えばトマトが植えられる。図1及び図2に示されるように、園芸施設1の内部のうち、栽培植物が植えられる畝Aの上方に、第1カメラCa1(本発明に係る「撮像部」に相当)、第2カメラCa2、第3カメラCa3、第4カメラCa4(本発明に係る「撮像部」に相当)、第5カメラCa5、第6カメラCa6が天井から吊り下げられた状態で備えられている。尚、これらのカメラは、何れも、定点カメラCaである。
夫々の定点カメラCaは、例えばCCD素子やCMOS素子を有し、肉眼で視覚可能な可視光を撮像可能なように構成される。そして、夫々の定点カメラCaは、栽培植物の葉を、所定の時間間隔Ts毎に撮像する。これにより、夫々の定点カメラCaは、撮像画像Vを経時的に取得する。
また、夫々の定点カメラCaは、回転自在に構成されている。これにより、夫々の定点カメラCaの撮像アングルは変更可能である。なお、定点カメラCaの数は適宜変更可能である。
図示はされていないが、他にも、園芸施設1に、環境センサ、側窓、遮光カーテン、ヒートポンプ式の空調設備等が備えられている。破線Ghは、栽培植物の草丈が最大高さとなる基準位置であり、破線Ghの高さ付近から、栽培植物の茎を誘引するための誘引紐が垂下する。
夫々の定点カメラCaは、破線Ghよりも高い位置に設けられている。第1カメラCa1及び第4カメラCa4は、第2カメラCa2、第3カメラCa3、第5カメラCa5、第6カメラCa6よりも園芸施設1の中央側寄りに設けられている。また、第1カメラCa1及び第4カメラCa4は、第2カメラCa2、第3カメラCa3、第5カメラCa5、第6カメラCa6よりも高い位置に設けられている。
図3及び図4に示すように、第1カメラCa1は、畝A2の長手方向の端部のうち、園芸施設1の壁際に位置する側の端部の群落撮像領域P1の真上に設けられている。第1カメラCa1は、群落撮像領域P1の栽培植物を真上から平面視で撮像する。
また、図3及び図4に示されていないが、第4カメラCa4(図1及び図2を参照)は、畝A6の長手方向の端部のうち、園芸施設1の壁際に位置する側の端部の群落撮像領域P2の真上に設けられている。第4カメラCa4は、群落撮像領域P2の栽培植物を真上から平面視で撮像する。
このように、第1カメラCa1及び第4カメラCa4は、栽培植物よりも上側に位置すると共に下方へ向けて俯瞰撮像を行う。
図3及び図4に示されるように、第5カメラCa5及び第6カメラCa6が園芸施設1の壁際に設けられている。第5カメラCa5及び第6カメラCa6は、上述の群落撮像領域P2を、園芸施設1の壁際から撮像する。第5カメラCa5及び第6カメラCa6による撮像によって取得される撮像画像Vは、群落撮像領域P2における栽培植物の斜視図となる。
また、第2カメラCa2及び第3カメラCa3は、園芸施設1の壁際のうち、第5カメラCa5及び第6カメラCa6の位置する側と反対側の壁際に設けられている(図1及び図2参照)。図示はされていないが、第2カメラCa2及び第3カメラCa3は、上述の群落撮像領域P1を、園芸施設1の壁際から撮像する。第2カメラCa2及び第3カメラCa3による撮像によって取得される撮像画像Vは、群落撮像領域P1における栽培植物の斜視図となる。
第2カメラCa2、第3カメラCa3、第5カメラCa5、第6カメラCa6は、アングルを変更して、複数の畝Aに亘る栽培植物が撮像画像Vに収まるように撮像を行うことも可能である。例えば、第2カメラCa2及び第3カメラCa3のアングルが水平方向に変更されると、一群の畝A1~A4が第2カメラCa2及び第3カメラCa3によって撮像可能となる。同様に、第5カメラCa5及び第6カメラCa6のアングルが水平方向に変更されると、一群の畝A5~A8が第5カメラCa5及び第6カメラCa6によって撮像可能となる。
このように、群落撮像領域P1の栽培植物は、第1カメラCa1、第2カメラCa2、第3カメラCa3によって三方向から撮像される。また、群落撮像領域P2の栽培植物は、第4カメラCa4、第5カメラCa5、第6カメラCa6によって三方向から撮像される。
〔灌水制御システムの構成〕
図5に示すように、本実施形態における灌水制御システムSは、入力装置2、警告部3、管理コンピュータ4を備えている。また、園芸施設1は、灌水制御システムSに含まれている。
園芸施設1は、灌水装置11及び灌水制御部12を有している。また、管理コンピュータ4は、しおれ係数設定部41、基準算出部42、被覆率算出部43(本発明に係る「張り指標値算出部」に相当)、基準被覆率設定部44、ベクトル算出部45、灌水指示部46、修正部5を有している。また、修正部5は、修正実行部51及び修正判定部52を有している。
〔被覆率に基づく灌水制御について〕
図5に示すように、第1カメラCa1により所定の時間間隔Ts毎に取得された撮像画像Vは、被覆率算出部43へ送られる。被覆率算出部43は、受け取った撮像画像Vに基づいて、被覆率Brを経時的に算出する。
尚、被覆率Brとは、撮像画像Vにおいて葉が写っている領域である計測領域Bのうち、葉の占める領域の割合である。また、被覆率Brは、葉の張り度合いを示す値である。即ち、被覆率Brは、本発明に係る「張り指標値」に相当する。
被覆率Brの算出について詳述すると、図6に示すように、被覆率算出部43は、撮像画像Vの色情報等に基づいて、撮像画像Vにおける枝葉や茎の領域を判定する。この領域は、栽培植物の繁茂領域、即ち被覆領域として判定される。
尚、枝葉や茎の領域の判定は、RGBデータに基づいて行われるものであっても良いし、YUVデータに基づいて行われるものであっても良い。但し、本実施形態では、天候や時間帯の変化に伴う明暗の変化に対応するため、枝葉や茎の領域の判定は、YUVデータに基づいて行われるのが望ましい。
そして、被覆領域の判定に基づいて、撮像画像Vのうち、栽培植物の位置する範囲が設定される。図6に示されるように、栽培植物の枝葉が写っている領域として四辺で囲まれた範囲が設定され、この四辺で囲まれた範囲が計測領域Bとして設定されて、計測領域Bの面積Bsが算出される。面積Bsの算出は、撮像画像Vのうち、計測領域Bのドット(撮像画像Vにおける画素の最小単位)の数を数えることで可能である。
また、被覆領域のドットの数を数えることによって、葉面積B1の算出が可能である。そして、下記の数式によって、面積Bsに対する葉面積B1の割合が、被覆率Brとして算出される。
被覆率Br=葉面積B1/面積Bs
尚、計測領域Bの面積Bsは、時間の経過に伴って葉がしおれ、枝葉の写っている領域が次第に狭まる場合であっても、葉がしおれ始める前の面積Bsで固定されるのが望ましい。つまり、面積Bsは、経時的に取得される複数の撮像画像Vのうち、最初の撮像画像Vに基づいて算出された面積Bsのまま固定されると共に、時間の経過に伴って葉面積B1だけが変化する構成が望ましい。
図5に示すように、被覆率算出部43により経時的に算出された被覆率Brは、灌水指示部46及び基準被覆率設定部44へ送られる。基準被覆率設定部44は、基準時における被覆率Brを基準被覆率STとして設定する。
詳述すると、本実施形態において、上記の基準時は、日の出直後の時間帯である。また、上述の通り、第1カメラCa1は、撮像画像Vを所定の時間間隔Ts毎に取得する。即ち、第1カメラCa1は、日の出直後の時間帯において、複数の時刻で撮像画像Vを取得する。これにより、第1カメラCa1によって、日の出直後の時間帯における複数の撮像画像Vが取得される。
被覆率算出部43は、日の出直後の時間帯において取得された複数の撮像画像Vに基づいて、複数の被覆率Brを算出する。そして、基準被覆率設定部44は、この複数の被覆率Brの90パーセンタイル値を、基準被覆率STとして設定する。
尚、本発明はこれに限定されず、基準被覆率設定部44は、上記複数の被覆率Brの90パーセンタイル値以外の値を、基準被覆率STとして設定するように構成されていても良い。例えば、基準被覆率設定部44は、上記複数の被覆率Brのうちの最大値を基準被覆率STとして設定するように構成されていても良い。また、基準被覆率設定部44は、上記複数の被覆率Brの平均値を基準被覆率STとして設定するように構成されていても良い。
図5に示すように、基準被覆率設定部44により設定された基準被覆率STは、基準算出部42へ送られる。
また、管理者は、入力装置2を介して、しおれ係数を入力することができる。尚、しおれ係数とは、目標となる葉のしおれ度合いに相当する係数である。
入力装置2に入力されたしおれ係数は、しおれ係数設定部41に送られる。そして、しおれ係数設定部41は、管理者の入力内容に従って、しおれ係数を設定する。設定されたしおれ係数は、基準算出部42へ送られる。
基準算出部42は、基準被覆率設定部44から受け取った基準被覆率STと、しおれ係数設定部41から受け取ったしおれ係数と、に基づいて、灌水基準値THを算出する。より具体的には、基準算出部42は、基準被覆率STにしおれ係数を乗ずることによって灌水基準値THを算出する。
このように、基準算出部42は、基準被覆率STに基づいて灌水基準値THを算出する。また、基準被覆率STは、日の出直後の時間帯における複数の被覆率Brに基づいている。即ち、灌水基準値THは、日の出直後の時間帯における複数の被覆率Brに基づいて算出される。
算出された灌水基準値THは、灌水指示部46へ送られる。
灌水指示部46は、被覆率算出部43から受け取った被覆率Brと、基準算出部42から受け取った灌水基準値THと、に基づいて、被覆率Brが灌水基準値THを下回っているか否かを判定する。そして、被覆率Brが灌水基準値THを下回った場合、灌水指示部46は、灌水指示信号を出力する。
また、灌水指示部46により灌水指示信号が出力された後、被覆率Brが灌水基準値THを上回らなかった場合、灌水指示部46は、追加で灌水指示信号を出力する。
出力された灌水指示信号は、灌水制御部12へ送られる。灌水制御部12は、灌水指示部46から受け取った灌水指示信号に応じて、灌水装置11を制御する。これにより、灌水装置11による灌水が実行される。
以上で説明した構成により、図7に示すように、被覆率Brは基本的に以下の通りに推移する。即ち、まず、時間の経過に伴って葉のしおれが進行する。これにより、被覆率Brは時間の経過に伴って減少する。
被覆率Brが灌水基準値THを下回り、灌水が実行されると、葉の張り度合いが回復する。これにより、被覆率Brは増加する。
その後は、時間の経過に伴う葉のしおれの進行と、灌水による葉の張り度合いの回復と、を繰り返す。これにより、被覆率Brは、減少と増加とを交互に繰り返す。
図7に示す例では、灌水指示部46により灌水指示信号が出力されたタイミングが、上向き矢印によって示されている。この例では、時刻t1、時刻t2、時刻t3、時刻t4、時刻t5のそれぞれにおいて、灌水指示信号が出力されている。
ここで、時刻t1、時刻t2、時刻t5においては、被覆率Brが灌水基準値THを下回ったため、灌水指示部46により灌水指示信号が出力されている。これにより灌水が実行された結果、被覆率Brは、灌水基準値THを上回っている。
しかしながら、時刻t3においては、時刻t1、時刻t2、時刻t5と同様に灌水指示信号が出力されたにもかかわらず、その後の時刻t4まで、被覆率Brは灌水基準値THを上回っていない。
そのため、時刻t4において、灌水指示部46は、追加で灌水指示信号を出力している。これにより、被覆率Brは、灌水基準値THを上回っている。
以上で説明した通り、第1カメラCa1により取得された撮像画像Vに基づいて、被覆率Brが算出される。そして、その被覆率Brに基づいて、灌水制御が行われる。
ここで、図5に示すように、第1カメラCa1により取得された撮像画像Vと同様に、第4カメラCa4により取得された撮像画像Vも、被覆率算出部43へ送られる。そして、以上の説明と同様に、被覆率Brが算出されると共に、灌水制御が行われる。
即ち、以上の説明における第1カメラCa1に関する記載は、第4カメラCa4にも同様に当てはまる。
また、本実施形態においては、第1カメラCa1により取得された撮像画像Vに基づいて、畝A2における灌水制御が行われる。また、第4カメラCa4により取得された撮像画像Vに基づいて、畝A6における灌水制御が行われる。
しかしながら、本発明はこれに限定されない。例えば、第1カメラCa1により取得された撮像画像Vに基づいて、畝A1~A4における灌水制御が行われると共に、第4カメラCa4により取得された撮像画像Vに基づいて、畝A5~A8における灌水制御が行われるように構成されていても良い。また、第1カメラCa1により取得された撮像画像Vと、第4カメラCa4により取得された撮像画像Vと、の総合的な被覆率Brが算出されると共に、畝A1~A8における灌水制御が行われるように構成されていても良い。
〔動きベクトルに基づく灌水制御について〕
図5に示すように、第2カメラCa2により所定の時間間隔Ts毎に取得された撮像画像Vは、ベクトル算出部45へ送られる。ベクトル算出部45は、受け取った撮像画像Vに基づいて、動きベクトルUを経時的に算出する。
尚、動きベクトルUとは、栽培植物の葉の変位に対応するベクトルである。
動きベクトルUの算出について詳述すると、図8に示すように、ベクトル算出部45は、時系列順で連続する2つの撮像画像Vを比較し、葉の変位を検出する。そして、この変位に対応するベクトルを、動きベクトルUとして算出する。
さらに、ベクトル算出部45は、動きベクトルUに基づいて、鉛直方向変位量Uaを算出する。鉛直方向変位量Uaとは、鉛直方向における葉の変位量である。本実施形態においては、葉が下方へ変位したときの鉛直方向変位量Uaは正の値であり、葉が上方へ変位したときの鉛直方向変位量Uaは負の値である。
算出された鉛直方向変位量Uaは、経時的に灌水指示部46へ送られる。
灌水指示部46は、ベクトル算出部45から経時的に送られる鉛直方向変位量Uaを、順次積算する。これにより、鉛直方向変位量Uaの積算値である積算変位量IUが算出される。
灌水指示部46は、積算変位量IUが所定の閾値Wを上回っているか否かを判定する。そして、積算変位量IUが所定の閾値Wを上回った場合、灌水指示部46は、灌水指示信号を出力する。
以上で説明した構成により、図9に示すように、積算変位量IUは以下の通りに推移する。即ち、まず、時間の経過に伴って葉のしおれが進行する。これにより、積算変位量IUは時間の経過に伴って増加する。
積算変位量IUが所定の閾値Wを上回り、灌水が実行されると、葉の張り度合いが回復する。これにより、積算変位量IUは減少する。
その後は、時間の経過に伴う葉のしおれの進行と、灌水による葉の張り度合いの回復と、を繰り返す。これにより、積算変位量IUは、増加と減少とを交互に繰り返す。
図9に示す例では、灌水指示部46により灌水指示信号が出力されたタイミングが、下向き矢印によって示されている。この例では、時刻t6、時刻t7、時刻t8、時刻t9、時刻t10のそれぞれにおいて、灌水指示信号が出力されている。
以上で説明した通り、第2カメラCa2により取得された撮像画像Vに基づいて、積算変位量IUが算出される。そして、その積算変位量IUに基づいて、灌水制御が行われる。
ここで、図5に示すように、第2カメラCa2により取得された撮像画像Vと同様に、第3カメラCa3、第5カメラCa5、第6カメラCa6により取得された撮像画像Vも、ベクトル算出部45へ送られる。そして、以上の説明と同様に、積算変位量IUが算出されると共に、灌水制御が行われる。
即ち、以上の説明における第2カメラCa2に関する記載は、第3カメラCa3、第5カメラCa5、第6カメラCa6にも同様に当てはまる。
また、本実施形態においては、第2カメラCa2及び第3カメラCa3により取得された撮像画像Vに基づいて、畝A2における灌水制御が行われる。また、第5カメラCa5及び第6カメラCa6により取得された撮像画像Vに基づいて、畝A6における灌水制御が行われる。
しかしながら、本発明はこれに限定されない。例えば、第2カメラCa2及び第3カメラCa3により取得された撮像画像Vに基づいて、畝A1~A4における灌水制御が行われると共に、第5カメラCa5及び第6カメラCa6により取得された撮像画像Vに基づいて、畝A5~A8における灌水制御が行われるように構成されていても良い。また、第2カメラCa2、第3カメラCa3、第5カメラCa5、第6カメラCa6により取得された撮像画像Vに基づいて、総合的な積算変位量IUが算出されると共に、畝A1~A8における灌水制御が行われるように構成されていても良い。
また、以上で説明した通り、本実施形態においては、被覆率Brが灌水基準値THを下回った場合、灌水指示信号が出力される。また、積算変位量IUが所定の閾値Wを上回った場合にも、灌水指示信号が出力される。
即ち、本実施形態においては、「被覆率Brが灌水基準値THを下回った」、「積算変位量IUが所定の閾値Wを上回った」の2つの条件のうち何れかが満たされた場合に、灌水指示信号が出力される。そして、被覆率Brと積算変位量IUとは、互いに独立して扱われる。
しかしながら、本発明はこれに限定されず、被覆率Brと積算変位量IUとの組み合わせに基づいて、灌水指示信号を出力するか否かを判定する構成であっても良い。また、被覆率Brと積算変位量IUとのうち、被覆率Brのみに基づいて灌水指示信号を出力するか否かを判定する構成であっても良いし、積算変位量IUのみに基づいて灌水指示信号を出力するか否かを判定する構成であっても良い。
〔灌水基準値の再算出について〕
園芸施設1においては、管理者によって、つる下ろし、誘引、摘葉、収穫等の栽培管理作業が行われる。そして、栽培管理作業が行われた場合、栽培植物の姿勢や葉の位置等が変化する。これにより、第1カメラCa1及び第4カメラCa4によって取得される撮像画像Vにおける葉面積B1が急激に変化しやすい。撮像画像Vにおける葉面積B1が急激に変化すると、被覆率Brが急激に変化する。
このとき、被覆率Brが急増した場合、栽培管理作業前の栽培植物の状態に基づいて算出された灌水基準値THは、栽培管理作業後においては低すぎる値となる。
逆に、このとき、被覆率Brが急減した場合、栽培管理作業前の栽培植物の状態に基づいて算出された灌水基準値THは、栽培管理作業後においては高すぎる値となる。
そのため、本実施形態では、被覆率Brが急激に変化した場合、灌水基準値THが再算出されるように構成されている。以下では、灌水基準値THの再算出について説明する。
図5に示すように、被覆率算出部43により経時的に算出された被覆率Brは、修正部5へ送られる。また、基準被覆率設定部44により設定された基準被覆率STは、修正判定部52へ送られる。また、基準算出部42により算出された灌水基準値THは、修正判定部52へ送られる。
また、灌水指示部46が灌水指示信号を出力した場合、灌水指示部46から、所定の信号が修正判定部52へ送られる。この所定の信号は、灌水が実行されたことを示す信号である。
そして、修正判定部52は、被覆率Br、基準被覆率ST、灌水基準値TH、及び、灌水指示部46からの上記所定の信号に基づいて、被覆率Brが所定の条件を満たしたか否かを判定する。
本実施形態において、上記所定の条件は、「被覆率Brが基準被覆率STを上回った」という条件、及び、「被覆率Brが灌水基準値THを下回った後、所定回数の灌水が実行されても被覆率Brが灌水基準値THを上回らなかった」という条件である。
尚、以下では、「被覆率Brが基準被覆率STを上回った」という条件を、第1条件と呼称する。また、「被覆率Brが灌水基準値THを下回った後、所定回数の灌水が実行されても被覆率Brが灌水基準値THを上回らなかった」という条件を、第2条件と呼称する。
本実施形態では、第2条件における「所定回数」は3回である。しかしながら、本発明はこれに限定されず、第2条件における「所定回数」は、例えば2回など、3回以外のいかなる回数であっても良い。
第1条件または第2条件のうち何れかが満たされた場合、修正判定部52は、修正指示信号を修正実行部51へ送る。修正実行部51は、修正指示信号を受け取ると、基準被覆率設定部44により設定されている基準被覆率STを修正する。
詳述すると、被覆率Brが第1条件または第2条件を満たした場合、修正判定部52は、灌水指示部46へ信号を送り、灌水指示部46に灌水指示信号を出力させる。これにより、灌水が実行される。そして、修正実行部51は、この灌水の実行時点から所定時間Ti内における被覆率Brに基づいて基準被覆率STを修正する。より具体的には、修正実行部51は、この灌水の実行時点から所定時間Ti内における被覆率Brの90パーセンタイル値で基準被覆率STを置き換えることにより、基準被覆率STを修正する。
修正後の基準被覆率STは、基準算出部42へ送られる。
修正実行部51によって基準被覆率STが修正された場合、基準算出部42は、修正後の基準被覆率STに基づいて灌水基準値THを再算出する。より具体的には、基準算出部42は、修正後の基準被覆率STにしおれ係数を乗ずることによって、灌水基準値THを再算出する。
例えば、図10に示す例では、灌水指示部46により灌水指示信号が出力されたタイミングが、上向き矢印によって示されている。この例では、時刻t11で灌水が実行された後、時刻t12で栽培管理作業が行われることによって被覆率Brが急増している。
その後、被覆率Brは基準被覆率STを上回っている。これにより、上述の第1条件が満たされたため、修正判定部52は、灌水指示部46へ信号を送り、灌水指示部46に灌水指示信号を出力させる。これにより、時刻t13において灌水が実行される。
そして、修正実行部51は、時刻t13の灌水の実行時点から所定時間Ti内における被覆率Brの90パーセンタイル値で基準被覆率STを置き換えることにより、時刻t15に、基準被覆率STを修正する。これにより、基準被覆率STは上昇する。
尚、図10に示すように、この所定時間Ti内における被覆率Brの最大値は、時刻t14における値である。
そして、修正後の基準被覆率STは、基準算出部42へ送られる。基準算出部42は、修正後の基準被覆率STに基づいて灌水基準値THを再算出する。これにより、灌水基準値THは上昇する。
また、図11に示す例では、灌水指示部46により灌水指示信号が出力されたタイミングが、上向き矢印によって示されている。この例では、時刻t21で灌水が実行された後、時刻t22で栽培管理作業が行われることによって被覆率Brが急減している。これにより、被覆率Brは灌水基準値THを下回っている。
そして、被覆率Brが灌水基準値THを下回ったため、時刻t23に、灌水指示部46により灌水指示信号が出力されている。
しかしながら、その後、被覆率Brが灌水基準値THを上回らないことから、灌水指示部46は、時刻t24及び時刻t25において、追加で灌水指示信号を出力している。そして、時刻t25における灌水後も、被覆率Brは灌水基準値THを上回っていない。
ここで、時刻t25における灌水は、被覆率Brが灌水基準値THを下回った後における3回目の灌水である。そのため、上述の第2条件が満たされたこととなる。従って、修正判定部52は、灌水指示部46へ信号を送り、灌水指示部46に灌水指示信号を出力させる。これにより、時刻t26において灌水が実行される。
そして、修正実行部51は、時刻t26の灌水の実行時点から所定時間Ti内における被覆率Brの90パーセンタイル値で基準被覆率STを置き換えることにより、時刻t28に、基準被覆率STを修正する。これにより、基準被覆率STは低下する。
尚、図11に示すように、この所定時間Ti内における被覆率Brの最大値は、時刻t27における値である。
そして、修正後の基準被覆率STは、基準算出部42へ送られる。基準算出部42は、修正後の基準被覆率STに基づいて灌水基準値THを再算出する。これにより、灌水基準値THは低下する。
また、図12に示す例では、灌水指示部46により灌水指示信号が出力されたタイミングが、上向き矢印によって示されている。この例では、時刻t31で灌水が実行された後、時刻t32で栽培管理作業が行われることによって被覆率Brが急減している。ただし、このときの被覆率Brの減少幅は、図11に示す例における時刻t22での減少幅に比べて小さい。
その後、上述の第1条件及び第2条件は何れも満たされていない。そのため、この例においては、基準被覆率STは修正されない。また、灌水基準値THの再算出は行われない。
ところで、基本的に、栽培植物のしおれは夜間には進行しない。従って、夜間には灌水は不要である。
そのため、本実施形態においては、夜間、灌水指示部46が灌水指示信号を出力しないように構成されている。尚、灌水指示部46が灌水指示信号を出力しない時間帯は、管理者によって設定可能である。
この構成により、夜間に、栽培管理作業が行われることによって被覆率Brが基準被覆率STを上回っても、灌水指示部46は灌水指示信号を出力しない。また、夜間に、栽培管理作業が行われることによって被覆率Brが灌水基準値THを下回っても、灌水指示部46は灌水指示信号を出力しない。
これにより、夜間に不要な灌水が実行される事態を回避できる。
〔警告部について〕
本実施形態では、被覆率Brが急激に変化した場合、警告部3が警告を発するように構成されている。以下では、警告部3による警告について説明する。
上述の通り、修正判定部52は、被覆率Brが第1条件または第2条件を満たしたか否かを判定する。第1条件または第2条件のうち何れかが満たされた場合、図5に示すように、修正判定部52は、警告指示信号を警告部3へ送る。警告部3は、警告指示信号を受け取ると、灌水基準値THの再算出が必要である旨の警告を発する。
本実施形態において、警告部3は、警告音声を発するスピーカーである。しかしながら、本発明はこれに限定されない。例えば、警告部3は、警告表示を行うディスプレイであっても良いし、ランプ等であっても良い。
尚、上述の通り、本実施形態においては、灌水基準値THの再算出は自動で行われる。
例えば、図10に示す例では、上述の通り、時刻t12で栽培管理作業が行われた結果、第1条件が満たされている。このとき、修正判定部52は、警告指示信号を警告部3へ送る。警告部3は、警告指示信号を受け取ると、灌水基準値THの再算出が必要である旨の警告を発する。
また、図11に示す例では、上述の通り、時刻t22で栽培管理作業が行われた結果、第2条件が満たされている。このとき、修正判定部52は、警告指示信号を警告部3へ送る。警告部3は、警告指示信号を受け取ると、灌水基準値THの再算出が必要である旨の警告を発する。
以上で説明した構成によれば、図7に示すように、灌水が実行されるときの葉の張り度合いは、灌水の度に変化せず、一定となる。これにより、適切なタイミングで灌水を実行させることが可能な灌水制御システムSを実現できる。
尚、以上に記載した実施形態は一例に過ぎないのであり、本発明はこれに限定されるものではなく、適宜変更が可能である。
〔その他の実施形態〕
(1)入力装置2を介して入力される内容は、収穫物の収量と甘味との何れを重視するか、という内容であっても良い。この場合にも、しおれ係数設定部41は、管理者の入力内容に従って、しおれ係数を設定する。
(2)上記実施形態においては、図6に示すように、撮像画像Vのうちの一部が計測領域Bとして設定される。しかしながら、本発明はこれに限定されず、撮像画像Vの全体が計測領域Bとして設定されても良い。
(3)上記実施形態においては、基準時における被覆率Brに基づいて灌水基準値THが算出されると共に、被覆率Brが灌水基準値THを下回った場合に灌水指示信号が出力される。しかしながら、本発明はこれに限定されず、基準時における葉面積B1に基づいて灌水基準値THが算出されると共に、葉面積B1が灌水基準値THを下回った場合に灌水指示信号が出力される構成であっても良い。この場合、葉面積B1は、本発明に係る「張り指標値」に相当する。また、この場合、葉面積B1を算出する部材は、本発明に係る「張り指標値算出部」に相当する。
(4)被覆率Brが急減した場合に、園芸施設1の遮光カーテンが自動的に閉められるように構成されていても良い。
(5)修正部5は設けられていなくても良い。この場合、灌水基準値THの再算出は、管理者による手動操作によって行われても良い。尚、管理者は、警告部3の発する警告により、灌水基準値THの再算出が必要であることを認識することができる。
(6)灌水基準値THは、日の出直後の時間帯における1つの撮像画像Vに基づいて算出されても良い。
(7)基準被覆率設定部44は、基準時における被覆率Brを基準被覆率STとして設定する。そして、上記実施形態において、この基準時は、日の出直後の時間帯である。しかしながら、本発明はこれに限定されず、この基準時は、日の出直後の時間帯以外の時間帯であっても良い。また、この基準時は、時間帯ではなく時刻であっても良い。
(8)第1カメラCa1及び第4カメラCa4は、栽培植物の上端よりも下側に位置していても良い。
(9)灌水指示部46は、灌水指示信号の出力後に被覆率Brが灌水基準値THを上回らなかった場合に追加で灌水指示信号を出力しないように構成されていても良い。
(10)しおれ係数設定部41は設けられていなくても良い。
(11)入力装置2は設けられていなくても良い。
(12)第2カメラCa2は設けられていなくても良い。
(13)第3カメラCa3は設けられていなくても良い。
(14)第5カメラCa5は設けられていなくても良い。
(15)第6カメラCa6は設けられていなくても良い。
(16)警告部3は設けられていなくても良い。
(17)基準被覆率設定部44は設けられていなくても良い。その場合、基準算出部42は、基準時における被覆率Brを灌水制御システムSの外部から取得すると共に、取得した基準時における被覆率Brに基づいて灌水基準値THを算出するように構成されていても良い。
(18)ベクトル算出部45は設けられていなくても良い。
本発明は、栽培植物の葉を撮像する撮像部を備える灌水制御システムに利用可能である。
41 しおれ係数設定部
42 基準算出部
43 被覆率算出部(張り指標値算出部)
46 灌水指示部
B 計測領域
Br 被覆率(張り指標値)
Ca1 第1カメラ(撮像部)
Ca4 第4カメラ(撮像部)
S 灌水制御システム
ST 基準被覆率
TH 灌水基準値
V 撮像画像

Claims (6)

  1. 栽培植物の葉を撮像する撮像部と、
    前記撮像部により取得された撮像画像に基づいて、前記葉の張り度合いを示す値である張り指標値を算出する張り指標値算出部と、
    予め決められた時間帯または時刻である基準時における前記張り指標値に基づいて灌水基準値を算出する基準算出部と、
    前記張り指標値が前記灌水基準値を下回った場合に灌水指示信号を出力する灌水指示部と、を備え
    前記灌水基準値が算出された後、灌水による前記葉の張り度合いの回復に応じた前記灌水基準値の更新が行われない灌水制御システム。
  2. 目標となる前記葉のしおれ度合いに相当する係数であるしおれ係数を設定するしおれ係数設定部を備え、
    前記張り指標値算出部は、前記撮像画像において前記葉が写っている領域である計測領域のうち、前記葉の占める領域の割合である被覆率を算出し、
    前記基準算出部は、前記基準時における前記被覆率である基準被覆率に前記しおれ係数を乗ずることによって前記灌水基準値を算出する請求項1に記載の灌水制御システム。
  3. 前記灌水指示部により前記灌水指示信号が出力された後、前記張り指標値が前記灌水基準値を上回らなかった場合、前記灌水指示部は、追加で前記灌水指示信号を出力する請求項1または2に記載の灌水制御システム。
  4. 前記撮像部は、前記栽培植物よりも上側に位置すると共に下方へ向けて俯瞰撮像を行う請求項1から3の何れか一項に記載の灌水制御システム。
  5. 前記基準時は、日の出直後の時間帯である請求項1から4の何れか一項に記載の灌水制御システム。
  6. 前記撮像部は、前記時間帯における複数の時刻で前記撮像画像を取得し、
    前記張り指標値算出部は、前記時間帯において取得された複数の前記撮像画像に基づいて、前記時間帯における複数の前記張り指標値を算出し、
    前記灌水基準値は、前記複数の張り指標値に基づいて算出される請求項5に記載の灌水制御システム。
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