JP7089442B2 - ダンパ - Google Patents

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Description

本発明は、構造物に設けられ、その振動を抑制するためのダンパに関し、特に永久磁石を用いて振動を抑制するダンパに関する。
従来のこの種のダンパとして、例えば特許文献1に開示されたものが知られている。このダンパは、ボールねじ式のものであり、地震時などに相対変位する支持体及び被支持体にそれぞれ連結された主筒及び副筒と、主筒に回転自在に支持されたねじ軸と、副筒に回転不能に支持されるとともに、ねじ軸に螺合するボールナットを備える。また、ねじ軸の外周側に固定されたヒステリシス材(強磁性体)と、主筒の内周面に設けられ、ヒステリシス材に対向する複数の永久磁石を備えている。
このダンパでは、地震時などに支持体と被支持体が相対変位すると、その相対変位がねじ軸の回転運動に変換され、ねじ軸と一体のヒステリシス材が、対向する複数の永久磁石の磁界内を回転する際のヒステリシス損失によって、振動エネルギが減衰され、振動が抑制される。また、特許文献1には、ねじ軸にヨーク材をさらに設け、主筒の内周面に、ヨーク材に対向する環状の第2永久磁石をさらに設けることが開示されており、この構成により、ねじ軸の回転に伴ってヨーク材に発生する渦電流損失によって、振動エネルギがさらに減衰される。
特公平5-86496号公報
上記の従来のダンパは、ボールねじ式のものであり、構造物の相対変位(直線運動)から回転運動への変換が、ボールナットとねじ軸との機械的な噛合いによって行われるため、得られる回転増幅率には限界がある。このため、上述したヒステリシス損失や渦電流損失による振動抑制効果を十分に得ようとすると、多量の永久磁石を用いることが必要になる。また、ボールねじ式の場合には、ボールナットとねじ軸の間に比較的大きなバックラッシュ(ガタ)が存在するため、振動の振幅がこのガタよりも小さい微小振幅領域では、振動による相対変位をねじ軸の回転運動に良好に変換できず、振動抑制効果を有効に得ることができない。
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、多量の永久磁石を必要とすることなく、構造物の振動の振幅が小さい場合においても、永久磁石による高い減衰性能を確保し、良好な振動抑制効果を得ることができるダンパを提供することを目的とする。
この目的を達成するために、請求項1に係る発明は、構造物を含む系内の相対変位する第1部位と第2部位の間に設けられ、振動エネルギを減衰するダンパであって、作動流体が充填され、第1部位に連結されたシリンダと、シリンダ内に軸線方向に摺動自在に設けられ、シリンダ内を第1流体室と第2流体室に区画するとともに、第2部位に連結されたピストンと、ピストンをバイパスし、第1及び第2流体室に連通する連通路と、連通路に設けられ、連通路内の作動流体の流動を回転運動に変換する圧力モータと、圧力モータによって回転駆動されるロータと、ロータに対向する不動のステータと、ロータ及びステータの一方に設けられ、磁界内を回転するロータに、ロータの回転と反対方向の、渦電流によるローレンツ力を作用させるように構成された複数の永久磁石と、強磁性体で構成され、複数の永久磁石の磁界がロータに作用するのを許容する許容位置と阻止する阻止位置との間で移動可能なポールピースと、ダンパの動作状態を表す動作パラメータを検出する動作パラメータ検出手段と、ポールピースを、検出された動作パラメータに応じた、許容位置と阻止位置との間の位置に制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
本発明のダンパは、構造物を含む系内の第1及び第2部位の間に設けられる。このダンパによれば、地震時などに振動エネルギが構造物に入力され、第1及び第2部位の間に相対変位が発生すると、この相対変位に応じた方向及びストロークで、ピストンがシリンダ内を摺動する。このピストンの移動に伴い、第1又は第2流体室内の作動流体がピストンで押し出され、連通路に流入する。この連通路内の作動流体の流動が、圧力モータにより回転運動に変換されることによって、ロータが回転駆動され、ロータによる回転慣性質量効果(慣性力)が発揮される。また、作動流体が連通路を流動する際の粘性抵抗によって粘性減衰効果(粘性力)が発揮される。
またこの場合、ロータは、複数の永久磁石の磁界内を回転する。これにより、ロータ及びステータの他方に渦電流(誘導電流)が発生すると同時に、この渦電流と永久磁石の磁界との相互作用によって、ロータの回転と反対方向のローレンツ力が発生する。そして、このローレンツ力がロータに抵抗力(制動力)として作用することで、減衰効果が発揮される。
上述したように、本発明のダンパでは、構造物の相対変位(直線運動)から回転運動への変換が、圧力モータにより作動流体を介して行われる。このため、従来のボールねじ式の場合と比較して、相対変位が小さい場合でも、ガタの影響をほとんど受けることなく、相対変位がロータの回転運動に良好に変換されるとともに、変換による回転増幅率が大きいことで、より大きなロータの回転速度が得られる。したがって、多量の永久磁石を必要とすることなく、構造物の振動の振幅が小さい場合においても、渦電流によるローレンツ力によって高い減衰性能を確保し、良好な振動抑制効果を得ることができる。
また、渦電流によるローレンツ力は、構造物におけるダンパの使用環境では、粘性体の粘性抵抗と異なり、温度依存性や繰り返し依存性が小さい。したがって、長周期地震動の発生時のように大きな振動エネルギが構造物に繰り返し入力される場合においても、温度上昇や振動の繰り返しによる影響をほとんど受けることなく、所要の減衰性能を維持することができる。
さらに、この構成によれば、強磁性体で構成されたポールピースが、複数の永久磁石の磁界がロータに作用するのを許容する許容位置と阻止する阻止位置との間に、移動可能に設けられている。また、ダンパの動作状態を表す動作パラメータが検出され、ポールピースは、検出された動作パラメータに応じた、許容位置と阻止位置の間の位置に制御される。これにより、ダンパの実際の動作状態に応じて、渦電流によるローレンツ力の発生の有無及び大きさを制御することによって、所望の減衰性能を得ることができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のダンパにおいて、ロータ及びステータの他方に設けられ、渦電流が流れるコイルと、コイルを流れる渦電流による電気エネルギを蓄電するコンデンサと、をさらに備えることを特徴とする。
この構成によれば、ロータの回転に伴って発生する渦電流がコイルに流れるとともに、その渦電流による電気エネルギがコンデンサに蓄電される。このように、構造物の振動に伴って発生する、渦電流による電気エネルギを回生し、ダンパに関連する電気デバイス、例えばセンサやアクチュエータの電源として有効に活用することができる。
請求項に係る発明は、請求項1又は2に記載のダンパにおいて、動作パラメータ検出手段は、動作パラメータとして作動流体の圧力を検出し、検出された作動流体の圧力が所定の上限圧を超えたときに、ポールピースを阻止位置に駆動することを特徴とする。
作動流体の圧力は、ダンパの軸力(ダンパに作用する軸方向の荷重)を反映する。この構成によれば、検出された作動流体の圧力が所定圧を超えたときに、ポールピースが阻止位置に駆動される。これにより、ダンパの軸力が過大になると推定されるタイミングで、ローレンツ力の発生を阻止することによって、ダンパの軸力制限を適切に行うことができる。
請求項に係る発明は、請求項1から3のいずれかに記載のダンパにおいて、第1部位とシリンダの間、及び第2部位とピストンの間の一方に、ダンパの振動周期を調整するためのばね要素をさらに備えることを特徴とする。
この構成によれば、ダンパのロータから成る慣性質量要素とばね要素が互いに直列に接続された関係になるので、ばね要素のばね定数を適宜、設定することによって、ダンパの振動周期、例えば固有振動数を調整することができる。
また、前記目的を達成するために、請求項に係る発明は、構造物を含む系内の相対変位する第1部位と第2部位の間に設けられ、振動エネルギを減衰するダンパであって、作動流体が充填され、第1部位に連結されたシリンダと、シリンダ内に軸線方向に摺動自在に設けられ、シリンダ内を第1流体室と第2流体室に区画するとともに、第2部位に連結されたピストンと、ピストンをバイパスし、第1及び第2流体室に連通する連通路と、連通路に設けられ、連通路内の作動流体の流動を回転運動に変換する圧力モータと、圧力モータによって回転駆動されるロータと、ロータに対向する不動のステータと、ロータ及びステータの一方に設けられ、磁界内を回転するロータに、ロータの回転と反対方向の、渦電流によるローレンツ力を作用させるように構成された複数の永久磁石と、ロータを回転駆動するための電動モータと、ダンパの動作状態を表す動作パラメータを検出する動作パラメータ検出手段と、検出された動作パラメータに応じて、電動モータを制御する制御手段と、をえることを特徴とする。
この構成によれば、ダンパの動作状態を表す、検出された動作パラメータに応じ、電動モータを介して、ロータの回転をアクティブ制御する。これにより、ダンパの実際の動作状態に応じて、例えばロータの回転速度を制御し、渦電流によるローレンツ力の大きさを制御することによって、所望の減衰性能を得ることができる。
本発明の第1実施形態によるダンパを一部、切り欠いて示す縦断面図である。 図1のダンパの要部、特にケーシングを破断した状態で、その内部に配置されたフライホイール及び複数の永久磁石を示す部分拡大断面図である。 図1のダンパにおける、フライホイールに対する(a)複数の永久磁石の配置と(b)永久磁石の磁極の配置を示す図である。 図1のダンパを制振建物に適用した例を概略的に示す図である。 図1のダンパの動作を説明するための図である。 図3と異なる、フライホイールに対する(a)複数の永久磁石の配置と(b)永久磁石の磁極の配置を示す図である。 永久磁石をケーシング側に配置した例を概略的に示す図である。 本発明の第2実施形態によるダンパを概略的に示す図である。 本発明の第3実施形態によるダンパを、ポールピースの停止状態において示す図である。 図9のダンパを、ポールピースの作動状態において示す図である。 ポールピースを制御する制御装置を示すブロック図である。 ポールピースを用いた減衰制御処理を示すフローチャートである。 本発明の第4実施形態によるダンパを概略的に示す図である。 図13の弾性材を示す図である。 本発明の第5実施形態によるダンパを概略的に示す図である。 電動モータを制御するモータ制御処理を示すフローチャートである。
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。図1及び図2は、第1実施形態によるダンパ1を示す。
このダンパ1は、歯車モータ式のものであり、シリンダ2と、シリンダ2内に摺動自在に設けられたピストン3と、ピストン3をバイパスし、シリンダ2内に連通する連通路4と、連通路4に配置された歯車モータ5と、歯車モータ5の回転軸6に一体に連結されたフライホイール7と、フライホイール7に設けられた複数の永久磁石8と、フライホイール7及び複数の永久磁石8を収容するケーシング9などを備えている。
これらの構成要素2~9は、基本的に、シリンダ2の軸線方向(図1及び図2の左右方向)において、シリンダ2の中心に対して互いに対称(左右対称)に配置されている。
シリンダ2は、円筒状の周壁2aと、周壁2aの左右の端部に設けられた円板状の第1及び第2端壁2b、2cを一体に有し、これらの3つの壁2a~2cによって、シリンダ2内に空間が画成されている。また、第1端壁2bには、外方に突出する中空状のロッド収容部2fが同心状に一体に設けられ、その端部には、自在継手を介して、第1取付具FL1が設けられている。
ピストン3は、シリンダ2内に軸線方向に摺動自在に設けられており、シリンダ2内を、図1の左側の第1流体室2dと右側の第2流体室2eに区画している。これらの第1及び第2流体室2d、2eと連通路4には、作動流体HFが充填されている。作動流体HFは、適度な粘性を有する通常の作動油などで構成されている。
また、ピストン3には、ピストンロッド10が同心状に一体に設けられている。ピストンロッド10は、ピストン3の両側に延びており、第1及び第2端壁2b、2cの各ロッド案内孔2gをシールを介して液密に貫通した状態で、外方に延びている。ピストンロッド10の一端部は、シリンダ2のロッド収容部2fに収容され、他端部には、自在継手を介して、第2取付具FL2が設けられている。
また、ピストン3には、軸線方向に貫通する第1連通孔3a及び第2連通孔3bが形成されている。第1及び第2連通孔3a、3bには、第1リリーフ弁11及び第2リリーフ弁12が、それぞれ設けられている。第1及び第2リリーフ弁11、12は、互いに同じ構成を有し、常閉弁として構成されており、弁体と、弁体を閉弁方向に付勢するばねを有する。
第1リリーフ弁11は、第1流体室2d内の作動流体HFの圧力が第1所定圧に達するまで、第1連通孔3aを閉鎖し、第1所定圧に達したときに、第1連通孔3aを開放する。これにより、第1流体室2d内の圧力が、第1連通孔3aを介して第2流体室2e側に逃がされ、第1所定圧以下に制限される。同様に、第2リリーフ弁12は、第2流体室2e内の圧力が第1所定圧に達するまで、第2連通孔3bを閉鎖し、第1所定圧に達したときに、第2連通孔3bを開放する。これにより、第2流体室2e内の圧力が、第2連通孔3bを介して第1流体室2d側に逃がされ、第1所定圧以下に制限される。
連通路4は、シリンダ2の周壁2aの両端部に形成された連通口2h、2hを介して、第1及び第2流体室2d、2eにそれぞれ連通している。
歯車モータ5は、連通路4に配置されており、連通路4内の作動流体HFの流動を回転運動に変換し、回転軸6から出力するものである。歯車モータ5は、内接式のものであり、ハウジング14と、ハウジング14に収容された回転自在のギヤ15と、上記回転軸6を有する。なお、歯車モータ5として外接式のものを用いてもよい。
図2に示すように、ハウジング14は、連通路4と一体に設けられ、これに連通している。また、ハウジング14の上面にはフランジ17が一体に設けられ、フランジ17にケーシング9が一体に取り付けられている。ギヤ15は、スパーギヤで構成されており、ハウジング14に導入された作動流体HFの圧力によって、鉛直軸線回りに回転する。
回転軸6は、ギヤ15と同軸状に一体に設けられ、上方に延びており、ハウジング14、フランジ17及びケーシング9のそれぞれの中央の孔を、シール18で密閉された状態で貫通し、これらに回転自在に支持されている。また、回転軸6の上端部には、ケーシング9を押さえるための押え材19が取り付けられている。
フライホイール7は、例えば鋼材などの強磁性体で構成され、円板状に形成されており、回転軸6に同軸状に一体に設けられている。
図2及び図3(a)に示すように、永久磁石8は、フライホイール7の上面及び下面の外周部の同じ位置に、それぞれ複数個、背中合わせに設けられており、周方向に等間隔に配置されている。また、図3(b)に示すように、永久磁石8の磁極は、フライホイール7の主面と直交する方向(上下方向)に配置され、磁極の向きは、上面内又は下面内の隣り合う各2つの永久磁石8、8の間で交互に異なるように、また、上面及び下面の互いに背中合わせの2つの永久磁石8、8の間で互いに異なるように設定されている。
ケーシング9は、導電材料、例えば鋼材などで構成されており、図2に示すように、底材9aと蓋材9bを備える。底材9aは、円板状の下壁9cと、その外周部から上方に延びる周壁9dで構成されており、歯車モータ5のハウジング14と一体のフランジ17にねじ(図示せず)で固定されている。蓋材9bは、円板状の上壁9eを有し、外周部において底材9aの周壁9dにねじ止めされている。
以上の構成により、ケーシング9は、ハウジング14にフランジ17を介して回転不能に固定されるとともに、それらの上壁9e及び下壁9cが、フライホイール7の上面及び下面に設けられた複数の永久磁石8にそれぞれ対向している。また、ケーシング9は、フライホイール7及び複数の永久磁石8を収容するとともに、回転軸6との間がシール18で密封されていることで、複数の永久磁石8による磁気が外部に漏れ出るのを防止するシールドの機能を果たす。
図4は、以上の構成のダンパ1を制振建物に適用した例を示す。この例では、構造物B(建物)の上下の梁BU、BL及び左右の柱PL、PRで構成される門型フレームに、V型ブレースBRが設けられている。ダンパ1は、下梁BL及び左柱PLの角部とV型ブレースBRとの間に、第1及び第2取付具FL1、FL2を介して、水平に取り付けられている。なお、構造物Bへのダンパ1の連結方法として、他の適当な方法を採用してもよいことはもちろんである。
次に、上述した構成のダンパ1の動作について説明する。構造物Bの振動が発生していないときには、ダンパ1は、図1に示す初期状態にあり、ピストン3は、シリンダ2の内部空間の軸線方向の中心である中立位置に位置している。
この初期状態から、地震時などに構造物Bが振動するのに伴い、上下の梁BU、BLの間に水平方向の相対変位が発生すると、この相対変位に応じた方向及びストロークで、ピストン3がシリンダ2内を移動する。このピストン3の移動に伴い、第1又は第2流体室2d、2e内の作動流体HFがピストン3で押し出され、連通路4に流入する。この連通路4内の作動流体HFの流動が、歯車モータ5により回転運動に変換されることによって、回転軸6と一体のフライホイール7が回転駆動され、フライホイール7による回転慣性質量効果(慣性力)が発揮される。また、作動流HFが連通路4を流動する際の粘性抵抗によって粘性減衰効果(粘性力)が発揮される。
また、このフライホイール7と一体に、複数の永久磁石8が回転する。これにより、導電材料で構成されたケーシング9が、複数の永久磁石8の磁界内を相対的に回転する。これにより、図5に示すように、ケーシング9の上壁9e及び下壁9cに渦電流(誘導電流)が発生すると同時に、この渦電流と永久磁石8の磁界との相互作用によって、フライホイール7の回転と反対方向にローレンツ力が発生する。そして、このローレンツ力がフライホイール7に抵抗力(制動力)として作用することで、減衰効果が発揮される。
また、このダンパ1によれば、構造物Bの相対変位(直線運動)から回転運動への変換が、歯車モータ5により作動流体HFを介して行われる。このため、従来のボールねじ式の場合と比較して、相対変位が小さい場合でも、ガタの影響をほとんど受けることなく、フライホイール7が良好に回転するとともに、変換による回転増幅率が大きいことで、より大きな回転速度が得られる。したがって、多量の永久磁石8を必要とすることなく、構造物Bの振動の振幅が小さい場合においても、渦電流によるローレンツ力によって高い減衰性能を確保でき、良好な振動抑制効果を得ることができる。
ここで、本実施形態のダンパ1のような歯車モータ式ダンパの回転増幅率(軸方向変位に対する外周変位の倍率)について、ボールねじ式ダンパの場合と比較して説明する。歯車モータ式ダンパの回転増幅率Sgとボールねじ式ダンパの回転増幅率Sbは、それぞれ次式(1)及び(2)で表される。
Sg=2πr・Ap/Vm ・・・(1)
Sb=2πr/Ld ・・・(2)
ここで、rはロータの外半径(歯車モータ式:フライホイール7の半径、ボールねじ式:内筒の半径)、Apはピストン3の受圧面積、Vmは歯車モータ5の押しのけ容積、Ldはボールねじのリードをそれぞれ表す。
また、比較のために、両ダンパともに1000kN程度の反力を生じるサイズを想定し、それらの諸元を、r=150(mm)、AP=55185(mm2)(シリンダ内径:280mm、ピストンロッド径:90mm)、Vm=27400(mm3/rev)、Ld=20(mm)とすると、式(1)及び(2)から、Sg=1897倍、Sb=47倍が得られる。このように、歯車モータ式ダンパの場合には、ボールねじ式ダンパと比較して、非常に高い回転増幅率が得られることが分かる。
また、渦電流によるローレンツ力は、構造物Bにおけるダンパ1の使用環境では、粘性体の粘性抵抗と異なり、温度依存性や繰り返し依存性が小さい。したがって、長周期地震動の発生時のように大きな振動エネルギが構造物に繰り返し入力される場合においても、温度上昇や振動の繰り返しによる影響をほとんど受けることなく、所要の減衰性能を維持することができる。
なお、上記のダンパ1では、複数の永久磁石8は、フライホイール7の外周部に周方向に配置されている(図3(a))が、これに代えて、図6(a)に示すように、フライホイール7に径方向に配置してもよい。この構成においても、フライホイール7の回転に伴い、ケーシング9が永久磁石8の磁界内を相対的に回転することで、ローレンツ力が発生するので、同様の減衰効果を得ることができる。ただし、図3(a)の周方向配置の方が、永久磁石8の周速度が高いため、より大きなローレンツ力及び減衰効果を効率良く得ることができる。
また、上記のダンパ1では、永久磁石8の磁極は、フライホイール7の主面に対して直角の方向に配置されている(図3(b))が、これに代えて、図6(b)に示すように、フライホイール7の主面に対して平行に配置してもよい。この構成においても、フライホイール7の回転に伴い、ケーシング9が永久磁石8の磁界内を相対的に回転し、ローレンツ力が発生するので、同様の減衰効果を得ることができる。
また、図7に示すように、複数の永久磁石8をケーシング9側に配置してもよい。この場合、ケーシング9は、永久磁石8を保持する磁石保持部材として用いられ、鋼材などの強磁性体で構成されるのに対し、フライホイール7は、永久磁石8が設けられない導電部材として用いられ、鋼材などの導電材料で構成される。この構成によれば、導電部材であるフライホイール7が、ケーシング9に設けられた永久磁石8の磁界内を回転することにより、フライホイール7に、渦電流と永久磁石8の磁界との相互作用によるローレンツ力が発生し、抵抗力(制動力)として作用することによって、同様の減衰効果を発揮させることができる。
図8は、本発明の第2実施形態によるダンパ21を示す。このダンパ21は、図1に示した第1実施形態のダンパ1と同様、フライホイール7の上面及び下面に複数の永久磁石8が設けられ、フライホイール7を磁石保持部材として用い、ケーシング9を導電部材として用いるとともに、ケーシング9に蓄電用のコイル22とコンデンサ23を設けたものである。
具体的には、ケーシング9の上壁9e及び下壁9cにそれぞれ、複数のコイル22と1つのコンデンサ23が設けられており、フライホイール7の回転に伴ってケーシング9に発生した渦電流が各コイル22に流れるように構成されている。また、これらのコイル22はコンデンサ23に接続されており、コイル22を流れる渦電流による電気エネルギがコンデンサ23に蓄電される。コンデンサ23は、ダンパ21に関連する後述する各種のセンサなどの電気デバイス(図示せず)に接続され、蓄電した電力を供給する。
以上のように、本実施形態のダンパ21によれば、構造物Bの振動に伴ってケーシング9に発生した渦電流による電気エネルギを、コイル22及びコンデンサ23によって回生し、ダンパ21の電気デバイスの電源として有効に活用することができる。
次に、図9~図12を参照しながら、本発明の第3実施形態によるダンパ41について説明する。このダンパ41は、ケーシング9を磁石保持部材として、その下壁9cの上面に複数の永久磁石8を周方向に配置し、フライホイール7を導電部材とするとともに、渦電流によるローレンツ力を制御するための制御装置42を付加したものである。
図11に示すように、この制御装置42は、複数のポールピース43と、ポールピース43を駆動するアクチュエータ44と、アクチュエータ44を制御するECU(電子制御ユニット)45などを備えている。
ポールピース43は、強磁性体で構成されており、図9及び図10に示すように、ケーシング9に設けられた永久磁石8とフライホイール7との間に、永久磁石8と同数、設けられ、周方向に等間隔に配置されている。これらのポールピース43は、周方向に移動自在に構成された、リング状の非磁性体から成る保持部材46に一体に取り付けられており、この保持部材46にアクチュエータ44が連結されている。
アクチュエータ44は、例えばステッピングモータで構成されており、アクチュエータ44への出力パルス数NPをECU45で制御することにより、保持部材46を介して、複数のポールピース43の周方向の位置(角度)が制御される。
具体的には、この出力パルス数NPが0のときには、図9に示すように、各ポールピース43は、隣り合う2つの永久磁石8、8をまたぐ位置(以下「阻止位置」という)に位置する。この状態では、同図(a)に示すように、1つのポールピース43と2つの永久磁石8、8によって磁力線の閉回路が形成されるため、永久磁石8の磁界はフライホイール7に作用しない。その結果、フライホイール7が回転しても、渦電流によるローレンツ力の発生が阻止され、それによる減衰効果は発揮されない。
一方、出力パルス数NPが所定の最大値NMAXに設定されると、各ポールピース43は、周方向に所定角度、移動することで、図10に示すように、1つの永久磁石8の真上に対向する位置(以下「許容位置」という)に位置する。この状態では、同図(a)に示すように、永久磁石8の磁界がポールピース43を通ってフライホイール7に作用する。その結果、フライホイール7が回転すると、渦電流による最大のローレンツ力が発生し、それによる最大限の減衰効果が発揮される。
また、出力パルス数NPが値0と最大値NMAXの間に設定されると、図示しないが、ポールピース43が許容位置と阻止位置の間に位置し、その位置に応じた大きさのローレンツ力が発生することによって、中間の大きさの減衰効果が発揮される。
図11に示すように、ECU45には、第1及び第2加速度センサ51、52、圧力センサ53が接続されている。第1及び第2加速度センサ51、52は、例えば半導体式のものであり、構造物Bの上梁BU及び下梁BLにそれぞれ設けられている(図4参照)。第1及び第2加速度センサ51、52は、上梁BUの振動による水平方向の加速度(以下「上梁加速度」という)ABU、及び下梁BLの振動による水平方向の加速度(以下「下梁加速度」という)ABLをそれぞれ検出し、それらの検出信号をECU45に出力する。また、圧力センサ53は、連通路4内の作動流体HFの圧力(以下「流体圧」という)PHFを検出し、その検出信号をECU45に出力する。
ECU45は、CPU、RAM、ROM及びI/Oインターフェースなどを有するマイクロコンピュータで構成されている。ECU45は、上記のセンサ51~53の検出信号に応じ、ROMに記憶されたプログラムに従って、図12に示す減衰制御処理を実行する。本処理は、所定時間ごとに繰り返し実行される。
本処理では、まずステップ1(「S1」と図示。以下同じ)において、検出された流体圧PHFが所定の上限圧PLMTよりも大きいか否かを判別する。この答えがNOで、流体PHFが上限圧PLMT以下のときには、ステップ2に進み、上梁BUと下梁BLの間の水平方向の相対変位RDを算出する。
この相対変位RDの算出は、例えば次のように行われる。まず、検出された上梁加速度ABUを積分することで、上梁速度VBU(絶対速度)を算出し、この上梁速度VBUをさらに積分することで、上梁変位DBU(絶対変位)を算出する。同様に、検出された下梁加速度ABLを積分することで、下梁速度VBLを算出し、この下梁速度VBLをさらに積分することで、下梁変位DBLを算出する。そして、上梁変位DBUと下梁変位DBLとの差の絶対値|DBU-DBL|を、上梁BUと下梁BLの間の相対変位RDとして算出する。
次に、ステップ3において、算出した相対変位RDが第1所定変位RDREF1よりも大きいか否かを判別する。この答えがNOのときには、アクチュエータ44への出力パルス数NPを、相対変位RDに応じた、値0と最大値NMAXの間の値に設定し(ステップ4)、本処理を終了する。これにより、ポールピース43が許容位置と阻止位置の間に位置し、その位置に応じた大きさのローレンツ力が発生することによって、中間の大きさの減衰効果が発揮される。
前記ステップ3の答えがYESで、相対変位RDが所定変位RDREFを超えたときには、大きな地震動の発生などにより、構造物Bに大きな相対変位が発生しているとして、出力パルス数NPを最大値NMAXに設定し(ステップ5)、本処理を終了する。これにより、各ポールピース43が図10に示す許容位置に位置することで、渦電流による最大のローレンツ力が発生し、それによる最大限の減衰効果が発揮される。
一方、前記ステップ1の答えがYESで、流体圧PHFが上限圧PLMTを超えたときには、ダンパ41の軸力が過大になっているおそれがあるとして、出力パルス数NPを0に設定し(ステップ6)、本処理を終了する。これにより、各ポールピース43が図9に示す阻止位置に位置し、ローレンツ力の発生が阻止されるので、ダンパ41の軸力が過大になると推定されるタイミングで、軸力制限を適切に行うことができる。
次に、図13及び図14を参照しながら、本発明の第4実施形態によるダンパ61について説明する。このダンパ61は、図1に示す第1実施形態のダンパ1に対し、その第2取付具FL2の部分に弾性材71を付加したものである。
弾性材71は、図14に示すようなゴムユニットで構成されており、第1部材72、第2部材73及びゴム板74を有する。第1部材72は、第1フランジ72aと、第1フランジ72aから第2部材73側に向かって延びる挿入板72bを一体に有する。第2部材73は、第2フランジ73aと、第2フランジ73aから第1部材72側に向かって挿入板72bと平行に延びる、2枚のリブ付きの取付板73b、73bを一体に有する。
ゴム板74は、柔性を有する軟質のゴムで構成され、取付板73b、73bの各内面に取り付けられており、第1部材72の挿入板72bは、ゴム板74、74の間に挿入され、挟持されている。そして、ダンパ61は、その第2取付具FL2に弾性材71の第1フランジ72aがねじ止めされるとともに、第2フランジ73aを介して構造物Bに連結される。
以上のように、本実施形態のダンパ61によれば、フライホイール7から成る慣性質量要素と弾性材71から成るばね要素が、互いに直列に接続された関係にある。したがって、弾性材71のばね定数を適宜、設定することによって、ダンパ61の振動周期、例えば固有振動数を調整することができる。
次に、図15及び図16を参照しながら、本発明の第5実施形態によるダンパ81について説明する。このダンパ81は、図1に示す第1実施形態のダンパ1に対し、歯車モータ5の回転軸6と一体の第2フライホイール82と、この第2フライホイール82を回転駆動する電動モータ83などを付加したものである。
第2フライホイール82は、ケーシング9から上方に突出した回転軸6の部分に同軸状に設けられ、回転軸6と一体に回転する。また、第2フライホイール82の外周面にはギヤ部82aが形成されている。一方、電動モータ83は、シリンダ2の外周部に設置され、その出力軸83aが鉛直上方に延びており、出力軸83aに一体に設けられたギヤ83bが、第2フライホイール82のギヤ部82aに噛み合っている。
図16は、電動モータ83を制御するためのモータ制御処理を示す。本処理は、ECU45により、所定時間ごとに繰り返し実行される。
本処理では、まずステップ11において、上梁BUと下梁BLの間の水平方向の相対速度RVを算出する。この相対速度RVの算出は、例えば、検出された上梁加速度ABU及び下梁加速度ABLをそれぞれ積分することで、上梁速度VBU及び下梁速度VBL(それぞれ絶対速度)を算出するとともに、上梁速度VBUから下梁速度VBLを減算することによって行われる。すなわち、相対速度RVは、RV=VBU-VBLで表され、上梁BUと下梁BLとの相対変位の方向に応じた正負を有する。
次に、ステップ12において、上梁BUと下梁BLの間の水平方向の相対変位RDを算出する。この相対変位RDは、例えば、図12のステップ2と同様、上梁速度VBU及び下梁速度VBLをそれぞれ積分することで、上梁変位DBU及び下梁変位DBL(それぞれ絶対変位)を算出するとともに、上梁変位DBUと下梁変位DBLとの差の絶対値|DBU-DBL|として算出される。
次に、算出された相対変位RDが第2所定変位RDREF2よりも大きいか否かを判別する(ステップ13)。この答えがNOのときには、構造物Bに発生している相対変位が小さいとして、電動モータ83の目標回転速度VMOTを0に設定し(ステップ14)、本処理を終了する。この設定により、電動モータ83は停止状態に制御される。
一方、上記ステップ13の答えがYESのときには、電動モータ83の目標回転速度VMOTを、ステップ11で算出された相対速度RVに応じて設定し(ステップ15)、本処理を終了する。前述したように、相対速度RVは、上梁BUと下梁BLとの相対変位の方向に応じた正負を有しており、この場合において、目標回転速度VMOTは、例えば、この相対変位を抑制する方向に、相対速度RVが大きいほどより大きくなるように設定される。
以上のように、本実施形態のダンパ81によれば、構造物Bの実際の相対変位に応じ、電動モータ83を介してフライホイール7の回転速度をアクティブ制御し、渦電流によるローレンツ力の大きさを制御することによって、所望の減衰性能を得ることができる。
なお、本発明は、説明した第1~第5実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。まず、各実施形態では、圧力モータとして、歯車モータを用いているが、連通路4内の作動流体HFの流動を回転運動に変換することが可能である限り、他の形式の圧力モータ、例えばピストンモータやベーンモータ、ねじモータなどを用いてもよいことは、もちろんである。また、複数の永久磁石8及びポールピース43などの数や配置については、実施形態において説明したものの他、適宜、増減及び変更することが可能である。
また、それぞれの実施形態における構成を適宜、互いに組み合わせることが可能である。例えば、第2実施形態のダンパ21におけるコイル22及びコンデンサ23の構成と、第4実施形態のダンパ61における弾性材71の構成を組み合わせてもよいことは、もちろんである。また、弾性材71の構成は例示であり、フライホイール7などの慣性接続要素と直列に接続されるばね要素である限り、任意の構成を採用できる。また、弾性材71を、ダンパ61の第2取付具FL2側に代えて、第1取付具FL1側に設けてもよいことはもちろんである。
また、第3実施形態における減衰制御処理の内容、及び第5実施形態におけるモータ制御処理の内容は、あくまで例示であり、適宜、変更することが可能である。例えば、減衰制御処理では、動作パラメータとして、検出された上梁加速度ABU、下梁加速度ABL及び流体圧PHFを用いているが、これらに加えて又は代えて、ダンパの動作状態を表す他の適当なパラメータ、例えば作動流体HFの温度などを用いてもよい。
また、減衰制御処理では、ポールピース43の制御を、上下の梁BU、BL間の相対変位RDに応じて行っているが、これに代えて、地震の大きさを表す他の適当なパラメータ、例えば上下の梁BU、BLのそれぞれの加速度や速度に応じて行ってもよい。さらに、減衰制御処理及びモータ制御処理では、それぞれポールピース43の位置及び電動モータ83の目標回転速度TMOTを基本的に無段階に制御しているが、段階的に制御してもよい。
また、実施形態は、ダンパ1などを構造物Bの制震装置として用いた例であるが、免震装置として用いてもよい。その他、ダンパの細部の構成を、本発明の趣旨の範囲内で適宜、変更することが可能である。
1 第1実施形態のダンパ
2 シリンダ
2d 第1流体室
2e 第2流体室
3 ピストン
4 連通路
5 歯車モータ(圧力モータ)
7 フライホイール(ロータ)
8 永久磁石
9 ケーシンング(ステータ)
21 第2実施形態のダンパ
22 コイル
23 コンデンサ
41 第3実施形態のダンパ
43 ポールピース
45 ECU(制御手段)
51 第1加速度センサ(動作パラメータ検出手段)
52 第2加速度センサ(動作パラメータ検出手段)
53 圧力センサ(動作パラメータ検出手段)
61 第4実施形態のダンパ
71 弾性材(ばね要素)
81 第5実施形態のダンパ
83 電動モータ
B 構造物
HF 作動流体
ABU 上梁加速度(動作パラメータ)
ABL 下梁加速度(動作パラメータ)
PHF 流体圧(作動流体の圧力、動作パラメータ)
PLMT 上限圧

Claims (5)

  1. 構造物を含む系内の相対変位する第1部位と第2部位の間に設けられ、振動エネルギを減衰するダンパであって、
    作動流体が充填され、前記第1部位に連結されたシリンダと、
    当該シリンダ内に軸線方向に摺動自在に設けられ、前記シリンダ内を第1流体室と第2流体室に区画するとともに、前記第2部位に連結されたピストンと、
    前記ピストンをバイパスし、前記第1及び第2流体室に連通する連通路と、
    当該連通路に設けられ、当該連通路内の作動流体の流動を回転運動に変換する圧力モータと、
    当該圧力モータによって回転駆動されるロータと、
    当該ロータに対向する不動のステータと、
    前記ロータ及び前記ステータの一方に設けられ、磁界内を回転する前記ロータに、当該ロータの回転と反対方向の、渦電流によるローレンツ力を作用させるように構成された複数の永久磁石と、
    強磁性体で構成され、前記複数の永久磁石の磁界が前記ロータに作用するのを許容する許容位置と阻止する阻止位置との間で移動可能なポールピースと、
    当該ダンパの動作状態を表す動作パラメータを検出する動作パラメータ検出手段と、
    前記ポールピースを、前記検出された動作パラメータに応じた、前記許容位置と前記阻止位置との間の位置に制御する制御手段と、
    を備えることを特徴とするダンパ。
  2. 前記ロータ及び前記ステータの他方に設けられ、前記渦電流が流れるコイルと、
    当該コイルを流れる渦電流による電気エネルギを蓄電するコンデンサと、をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載のダンパ。
  3. 前記動作パラメータ検出手段は、前記動作パラメータとして作動流体の圧力を検出し、
    前記制御手段は、前記検出された作動流体の圧力が所定の上限圧を超えたときに、前記ポールピースを阻止位置に駆動することを特徴とする、請求項1又は2に記載のダンパ。
  4. 前記第1部位と前記シリンダの間、及び前記第2部位と前記ピストンの間の一方に、当該ダンパの振動周期を調整するためのばね要素をさらに備えることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載のダンパ。
  5. 構造物を含む系内の相対変位する第1部位と第2部位の間に設けられ、振動エネルギを減衰するダンパであって、
    作動流体が充填され、前記第1部位に連結されたシリンダと、
    当該シリンダ内に軸線方向に摺動自在に設けられ、前記シリンダ内を第1流体室と第2流体室に区画するとともに、前記第2部位に連結されたピストンと、
    前記ピストンをバイパスし、前記第1及び第2流体室に連通する連通路と、
    当該連通路に設けられ、当該連通路内の作動流体の流動を回転運動に変換する圧力モータと、
    当該圧力モータによって回転駆動されるロータと、
    当該ロータに対向する不動のステータと、
    前記ロータ及び前記ステータの一方に設けられ、磁界内を回転する前記ロータに、当該ロータの回転と反対方向の、渦電流によるローレンツ力を作用させるように構成された複数の永久磁石と、
    前記ロータを回転駆動するための電動モータと、
    当該ダンパの動作状態を表す動作パラメータを検出する動作パラメータ検出手段と、
    当該検出された動作パラメータに応じて、前記電動モータを制御する制御手段と、
    を備えることを特徴とするンパ。
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