粉粒体を定量供給などする、フィーダとも称される粉粒体供給装置は、既に広く知られている。この種の粉粒体供給装置は、粉粒体が投入されるホッパと、粉粒体を排出するスクリュなどを有する排出部と、ホッパから降下してきた粉粒体を排出部に導くシュートと、シュートおよびホッパの内部の粉粒体を撹拌するいわゆるアジテータとも称される攪拌翼や駆動用モータを有する攪拌部と、これらを載せる計量部と、制御部などを備えている。そして、排出部から粉粒体を排出すると同時に、貯められている粉粒体の重量値を含めたホッパやシュート、排出部などの重量値を計測することで重量値の減少量(粉粒体の排出重量)を測定し、排出部のスクリュ回転数などを制御(調整)することで、時間当たりの排出重量(すなわち排出量)が一定となるように排出することができる。
この種の粉粒体供給装置では、ホッパおよびシュート(すなわち、粉粒体が投入され貯められる貯留部)内の粉粒体がなくなりかけた場合でも、連続運転を可能にすべく、定量供給動作を停止せずに、以下のような方法(ロック制御方式とも称せられる)を採用している。すなわち、貯留部内の粉粒体がなくなりかけた段階で、排出部のスクリュなどをそれまでの回転速度と同じ一定速度で回転させて(回転数を固定して運転するいわゆるロック運転させて)供給動作を継続しながら、貯留部内に粉粒体を補給する。なお、この時点では、貯留部内に粉粒体が補給されて重量が変動し(増加し)、粉粒体の供給(排出)重量自体が不明であるため、重量による排出部のスクリュの回転速度の制御は行わずに、直前の回転速度を常に維持している(すなわち回転速度をロックする)。
ところが、このロック制御方式とも称せられる方法によれば、連続運転は可能となるものの、粉粒体の補給時での排出制御は行えないため、排出重量が一定とは限らない状態で供給(排出)せざるを得ない。したがって、このような排出重量が一定とは限らない状態で供給(排出)する動作を最小限に抑える方法の1つとしては、大容量の粉粒体供給装置を採用して、定量供給動作(排出動作)をできるだけ長い時間継続させ、稼働時間の割合をできるだけ大きくする(停止時間の割合を最小限に抑える)ことが考えられる。
しかし、この場合には、大容量のホッパなどの貯留部を設ける必要があるため、設備のコストが増加するだけでなく、粉粒体供給装置の設置場所として大きなスペースが必要となる。また、大容量の貯留部の採用によって最大粉体圧が大きくなるため、その粉体圧により粉粒体が締まりやすくなることでブリッジが生じ易くなる。また、全量排出した状態での貯留部内での粉粒体の残量が多くなり易い。
さらに、貯留部内の大容量の粉粒体を良好に攪拌しなければならなくなるため、攪拌翼が大型化するとともに、この攪拌翼を良好に駆動する駆動力の大きなモータが必要となり、製造コストの増加を招いてしまう。
また、大容量の粉粒体を計量するために、大容量を計量できる計量部が必要となる。このように大容量を計量できる計量部を使用すると、計量部に設けられているロードセルなども大容量対応のものとしなければならないため、計量部が高価となる。また、計量部は、分銅を載台に載せて校正する校正作業が一定期間ごとに必要であるが、この際に用いる分銅も極めて重いものとなるため、校正作業の労力が極めて大きくなるとともに、危険となり易い。
このように、大容量の粉粒体を供給できるような1台の粉粒体供給装置を用いることで、作業能率の低下に対して対処しようとすると、上記のような多くの問題を生じてしまう。このような問題を解決する方法として、粉粒体供給装置を2台設け、2台の粉粒体供給装置から粉粒体を交互に供給することが考えられる。すなわち、粉粒体供給装置を2台設けて、1台の粉粒体供給装置で定量的に供給(排出)している間に、もう1台の粉粒体供給装置に対しては、粉粒体を供給(排出)していない状態で貯留部内に粉粒体を補給し、1台の粉粒体供給装置からの供給を停止すると同時に、もう1台の粉粒体供給装置から供給を開始することが考えられる。この場合には、1台の粉粒体供給装置からの供給停止タイミングと、もう1台の粉粒体供給装置からの供給開始タイミングとを合わせて、2台の粉粒体供給装置の停止動作と排出開始動作を瞬間的に切り替えることとなる(瞬時切替方式とも称する)。
この瞬時切替方式によれば、粉粒体供給装置による粉粒体供給動作を瞬時に切り替えることができるため、全体的には、粉粒体の供給動作を殆ど停止することなく連続して(継続して)行うことができる。
しかしながら、このような従来の方法(瞬時切替方式)では、供給を開始する側の粉粒体供給装置における攪拌翼やこの攪拌翼の駆動モータ、並びに排出部のスクリュとこのスクリュ駆動用のモータなどを、停止状態から急激に所定の回転駆動状態まで駆動開始させるため、供給動作の開始直後の供給量が不安定となり易い。
これに対処する方法としては、粉粒体供給装置を2台設け、2台の粉粒体供給装置から粉粒体を交互に供給するとともに、粉粒体の供給切替時に、一方の粉粒体供給装置からの供給量を徐々に減少させるとともに、これと並行して、他方の粉粒体供給装置の供給量を、前記減少量に対応させて徐々に増加させることが考えられる(並行切替方式と称す)。
この並行切替方式を用いることで、粉粒体の供給動作を停止することなく継続して(連続して)行うことができるだけでなく、粉粒体の供給切替時に、各粉粒体供給装置の供給量が徐々に減少または増加されるので、供給切替時での供給を安定して行うことができる。
しかしながら、上記した瞬時切替方式や並行切替方式では、何れも2台の粉粒体供給装置を用いるため、例えば、単に2台の粉粒体供給装置を横に並べて配置した場合に、各粉粒体供給装置に補給する場所や、各粉粒体供給装置から供給(排出)する場所が離れていると、各粉粒体供給装置に補給する補給装置や、各粉粒体供給装置から供給(排出)された粉粒体を集めて供給する装置なども大型化して、その分の設置スペースも多大となる恐れがある。また、従来と同様な大きさの粉粒体供給装置を用いると、これらの2台の粉粒体供給装置を合わせた設置スペースとして大きなスペースが必要となる。また、これに伴って、設備全体の費用が増大する恐れもある。
本発明は上記課題を解決するもので、粉粒体の供給動作を停止することなく連続して行えるだけでなく、設置スペースを少なく抑えることが可能な粉粒体供給設備を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するために本発明の粉粒体供給設備は、粉粒体が投入されて貯められる貯留部と、貯留部の下端部に接続されて貯留部内の粉粒体を排出する排出部と、貯留部にためられている粉粒体を含んだ重量を計量する計量部と、を有する複数の粉粒体供給装置が、対となるように設けられ、前記対となった粉粒体供給装置からの粉粒体の供給を切り替えて行うことにより、粉粒体の供給を連続して行うことが可能な粉粒体供給設備であって、貯留部の下部の片側に、粉粒体が流れ込む流路断面積が下方ほど小さくなるように傾斜して粉粒体を排出部に導く傾斜面が設けられ、対となる粉粒体供給装置が、これらの粉粒体供給装置における貯留部の傾斜面が形成されていない側が対向して接近する姿勢で配置され、貯留部における中央側に寄った下端部が排出部に接続され、排出部で粉粒体を排出するスクリュが、貯留部における下端部を通る奥行方向に延びるように配置され、対となった粉粒体供給装置の排出部同士が横方向に接近されて配置され、貯留部は、粉粒体が投入されるホッパと、ホッパから降下してきた粉粒体を排出部に導くシュートと、を有し、前記シュートに、前記傾斜面と、この傾斜面の外周から円錐状に広がる円錐壁部と、この円錐壁部と前記ホッパとを接続して、前記ホッパ内の粉粒体を前記シュートの円錐壁部側に案内する側壁部とが形成され、貯留部と排出部とを接続する接続開口部が、シュートの円錐壁部の下端部から、この円錐壁部における、傾斜面外周に接する接線方向に沿って延びるように形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、対となった2台の粉粒体供給装置から粉粒体を交互に供給することにより、粉粒体を停止することなく連続して供給できる。また、対となる粉粒体供給装置を、これらの粉粒体供給装置における貯留部の傾斜面が形成されていない側が対向して接近する姿勢で配置することで、貯留部内の粉粒体を排出する排出部同士を互いに近づけて配置し易くなり、ひいては、対となる粉粒体供給装置の設置スペースなどを少なく抑えることが可能となる。また、この構成によれば、接続開口部が設けられる寸法範囲を比較的大きくすることができて、貯留部からの粉粒体を排出部内に良好に導きながら排出することができる。
この構成によれば、対となる粉粒体供給装置の貯留部同士および排出部同士が互いに接近した状態で配置できるので、これらの対となる粉粒体供給装置の設置スペースを少なく抑えることが可能となる。また、排出部の粉粒体を供給する排出口も接近して配置できる。これにより、対となる粉粒体供給装置の設置スペースを小さく抑えることが可能となるとともに、各粉粒体供給装置から供給(排出)された粉粒体を集める装置も小さくて済んだり、集める装置を設けなくても済ませたりすることができる。
また、本発明は、粉粒体供給装置の貯留部の貯留容量が、対となっている粉粒体供給装置の、一方の粉粒体供給装置の排出部から粉粒体を排出している間に、他方の粉粒体供給装置への補充動作を完了できる容量のものであることを特徴とする。
この構成によれば、粉粒体供給装置として、従来のような大容量の粉粒体を供給できるものに代えて、小容量の粉粒体を貯めることができる比較的の小型のものを用いても支障をきたすことがなくなる。したがって、対となる粉粒体供給装置の設置スペースを小さく抑えることが可能となる。
また、粉粒体供給装置に、傾斜面から傾斜面に直交する姿勢で内部に突出する軸心部を中心として攪拌部材が回転する攪拌部が設けられていると好適である。
この構成によれば、攪拌部材がシュートの内部における下部から斜め上方に向けて傾斜した状態で突出する軸心部を中心として回転するので、攪拌部の攪拌部材により、粉粒体が斜め方向すなわち、上下方向および周方向の様々な方向に動かされて攪拌される。これにより、シュートやホッパの内部の粉粒体が良好に攪拌され、ブリッジやラットホールの発生を防止できる。
また、本発明は、対となった粉粒体供給装置が、排出部の出口同士が接近する向きで、複数配設されていることを特徴とする。この構成により、対となった粉粒体供給装置が、複数配設されている場合でも、粉粒体が排出(供給)される箇所をまとめることができる。
また、本発明は、排出部から粉粒体が出ることを阻止することが可能な開閉弁が設けられ、開閉弁は、対となった粉粒体供給装置の何れかの排出部の排出口を閉じる姿勢と、対となった粉粒体供給装置の両方の排出部の排出口を開ける姿勢とに、切り替え自在とされていることを特徴とする。
この構成によれば、供給を停止して粉粒体を補給する粉粒体供給装置の排出部から粉粒体が出ることを開閉弁により阻止することができる。したがって、粉粒体を補給している粉粒体供給装置の排出部から粉粒体が出ることを確実に防止できる。
本発明によれば、複数の粉粒体供給装置を対となるように設け、対となる粉粒体供給装置を、これらの粉粒体供給装置における貯留部の傾斜面が形成されていない側が対向して接近する姿勢で配置することにより、貯留部内の粉粒体を排出する排出部同士を互いに近づけて配置し易くなり、ひいては、対となる粉粒体供給装置の設置スペースなどを少なく抑えることが可能となる。
また、貯留部における中央側に寄った下端部を排出部に接続し、排出部で粉粒体を排出するスクリュを、貯留部における下端部を通る奥行方向に延びるように配置し、対となった粉粒体供給装置の排出部同士を横方向に接近させて配置することにより、対となる粉粒体供給装置の貯留部同士および排出部同士が互いに接近した状態で配置できるので、これらの対となる粉粒体供給装置の設置スペースを少なく抑えることが可能となる。また、排出部の粉粒体を供給する排出口も接近して配置できる。これにより、対となる粉粒体供給装置の設置スペースを小さく抑えることが可能となるとともに、各粉粒体供給装置から供給(排出)された粉粒体を集める装置も小さくて済んだり、集める装置を設けなくても済ませたりすることができる。
また、粉粒体供給装置の貯留部の貯留容量が、対となっている粉粒体供給装置の、一方の粉粒体供給装置の排出部から粉粒体を排出している間に、他方の粉粒体供給装置への補充動作を完了できる容量のものとすることにより、粉粒体供給装置として、従来のような大容量の粉粒体を供給できるものに代えて、小容量の粉粒体を貯めることができる比較的の小型のものを用いても支障をきたすことがない。したがって、対となる粉粒体供給装置の設置スペースを小さく抑えることが可能となる。また、粉粒体供給装置として小型のものを用いることができるため、製造コストを低減することができる。また、小容量の貯留部の採用によって、ブリッジが生じ難くなるとともに貯留部内での粉粒体の残量も少なくなる。さらに、攪拌翼も小さいもので済ますことができるとともに、この攪拌翼を駆動するモータとして駆動力の小さいもので済ますこともできて、製造コストを低減できる。計量部としても小容量を計量できる計量部で済んで、より細かい目量で計量することが可能となって高精度となるとともに安価となる。また、計量部の校正作業に使用する分銅も比較的軽いもので済むため、校正作業の労力を低減させることもできる。
また、貯留部が、粉粒体が投入されるホッパと、ホッパから降下してきた粉粒体を排出部に導くシュートと、を有し、前記シュートに、前記傾斜面と、この傾斜面の外周から円錐状に広がる円錐壁部と、この円錐壁部と前記ホッパとを接続して、前記ホッパ内の粉粒体を前記シュートの円錐壁部側に案内する側壁部とを形成したり、傾斜面から傾斜面に直交する姿勢で内部に突出する軸心部を中心として攪拌部材が回転する攪拌部を設けたりすることにより、シュートやホッパの内部の粉粒体が良好に攪拌できて、ブリッジやラットホールの発生を防止できる。
また、貯留部と排出部とを接続する接続開口部を、シュートの円錐壁部の下端部から、この円錐壁部における、傾斜面外周に接する接線方向に沿って延びるように形成することにより、接続開口部が設けられる寸法範囲を比較的大きくすることができて、例え、粉粒体供給装置として比較的小型のものを採用する場合でも、貯留部からの粉粒体を排出部内に良好に導きながら排出することができる。
また、対となった粉粒体供給装置を、排出部の出口同士が接近する向きで、複数配設することにより、対となった粉粒体供給装置が、複数配設されている場合でも、粉粒体が排出(供給)される箇所をまとめることができ、複数対の粉粒体供給装置の設置スペースを小さく抑えることが可能となる。また、各粉粒体供給装置から供給(排出)された粉粒体を集める装置も小さくて済んだり、集める装置を設けなくても済ませたりすることができる。
また、排出部から粉粒体が出ることを阻止することが可能な開閉弁を設け、開閉弁が、対となった粉粒体供給装置の何れかの排出部の排出口を閉じる姿勢と、対となった粉粒体供給装置の両方の排出部の排出口を開ける姿勢とに、切り替え自在とすることにより、供給を停止して粉粒体を補給する粉粒体供給装置の排出部から粉粒体が出ることを開閉弁により阻止することができ、粉粒体を補給している粉粒体供給装置の排出部から粉粒体が出ることを確実に防止でき、ひいては信頼性を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態に係る粉粒体供給設備および粉粒体供給方法を、図面に基づき説明する。
図1~図3に示すように、本発明の実施の形態に係る粉粒体供給設備1には、粉粒体供給装置10が対となって設けられている。各粉粒体供給装置10は、粉粒体が投入されて貯められる貯留部2と、貯留部2の下端部に接続されて貯留部2内の粉粒体を排出する排出部3と、貯留部2および排出部3などが載せられて、貯留部2に貯められている粉粒体の重量を含めて貯留部2および排出部3などの重量を計量する計量部5と、をそれぞれ有する。なお、この実施の形態では、粉粒体供給設備1に、対となった2つの粉粒体供給装置10が設けられている。そして、後述するように、これらの対となった粉粒体供給装置10からの粉粒体の供給を切り替えて行うことにより、粉粒体の供給を連続して行うことが可能とされている。また、粉粒体供給設備1には、各粉粒体供給装置10の貯留部2に粉粒体を補給する補給装置6が設けられているとともに、各粉粒体供給装置10の排出部3から排出される粉粒体を合わせて供給(排出)する排出出口筒15なども設けられている。
さらに、粉粒体供給設備1には、これらの粉粒体供給装置10を制御する図外の制御部が設けられている。なお、粉粒体供給設備1には、制御部などに対して各種のデータを入出力可能かつ表示可能な指示計などが設けられていることが好ましいが、これに限るものではなく、この指示計が粉粒体供給設備1とは別に設けられて、粉粒体供給設備1に接続されていてもよい。
制御部は、一方の粉粒体供給装置10からの供給動作と、他方の粉粒体供給装置10からの供給動作とを切り替えながら行うよう制御し、このような構成によって、粉粒体供給設備1が、対となった粉粒体供給装置10からの粉粒体の供給を交互に切り替え、粉粒体の供給を連続して行うよう構成されている。また、この実施の形態では、制御部は、供給切替時に、一方の粉粒体供給装置10からの供給量を徐々に減少させるよう制御するとともに、これと並行して、他方の粉粒体供給装置10の供給量を、前記減少量に対応させて徐々に増加させるよう制御する。なお、制御部は、2台の粉粒体供給装置10とも制御する制御部を1つ設けてもよいが、これに代えて、各粉粒体供給装置10を制御する制御部をそれぞれ設けて、2台の制御部同士が協働して各粉粒体供給装置10を制御するよう構成してもよい。
ここで、対となった2つの粉粒体供給装置1の各貯留部2には、粉粒体が投入(補給)されるホッパ11と、ホッパ11から降下してきた粉粒体を排出部3に導くシュート12と、から構成され、粉粒体供給装置10のシュート12内には、シュート12内の粉粒体を攪拌する攪拌部13が設けられている。
ホッパ11およびシュート12の上部(シュート12の側壁部12c)は、平面視して円形で上下方向に同じ横断面形状、すなわち直筒型の円形状とされ、シュート12の下部後面側(すなわち、貯留部2の下部の片側)には、その内面側が斜め上方に臨むように傾斜する(つまり、下方ほど前方に寄るように傾斜する)傾斜面12aが形成されており、この傾斜面12aにより、粉粒体が流れ込む流路断面積が下方ほど小さくなる形状として粉粒体を排出部3に導くよう構成されている。
攪拌部13は、軸心部13aを中心に攪拌翼からなる攪拌部材13bが傾斜面12aの外側に取り付けられている減速機構付きの攪拌用モータ13cにより回転され、この実施の形態では、攪拌部13の軸心部13aが、傾斜面12aに対して直交してシュート12の内部中心に向けて突出するように配設されている。
また、シュート12の傾斜面12aは、傾斜面12aに直交する方向から見て円形に形成され、また、この実施の形態では、攪拌部13の攪拌部材13bは、傾斜面12aの直径方向に沿って延び、さらに径方向に延びた先端部から屈曲して、シュート12の傾斜面12aに続いて形成された円錐壁部12bに沿うように傾斜して広がった形状で配設されている。また、この粉粒体供給装置10では、図2、図3に示すように、シュート12の側壁部12cにおける下方側が幅方向に広がって、上方側よりも下方側が大きい横断面形状に形成されているが、図1に示すように、側面視して、前端の側壁部12cと後端の側壁部12cとは上下方向には真直ぐに形成され、これらの側壁部12cが周方向および上下方向になだらかにつながる形状に形成されている。なお、ホッパ11の上面部には、粉粒体が内部に補給された際に内部の空気をホッパ11の外に排出するフィルタ(粉粒体外部飛散防止用)付きの排気筒11aと、後述する分岐供給路7の分岐出口7aに接続カバー9を介して接続されたホッパ11の補給口11bと、が設けられている。
そして、攪拌部13の攪拌部材13bが、シュート12の傾斜面12aおよび円錐壁部12bに沿って回転することで、粉粒体が上下方向と周方向との様々な方向に動かされて良好に攪拌され、シュート12やホッパ11におけるブリッジの発生を極めて良好に防止できるようになっている。
ここで、図1に示すように、対となった2つの粉粒体供給装置1は、左右など横並びの状態で配置され、これらの粉粒体供給装置10における貯留部2の傾斜面12aが形成されていない側が対向して接近する姿勢で配置されている。すなわち、図1に示すように、正面視して、対となる粉粒体供給装置10の貯留部2は、貯留部2の傾斜面12a同士が左右両側から中央側に寄る向きに配置され、シュート12の側壁部12cにおける上下に長い部分(貯留部2の傾斜面12aが形成されていない側)や排出部3、ホッパ11の補給口11bなどが、それぞれ接近する姿勢で(いわゆる背中合わせの状態で)配置されている。
各粉粒体供給装置10の貯留部2に粉粒体を補給する補給装置6は、図1に簡略的に示すように、対となった(すなわち2台の)粉粒体供給装置10に対して1台だけ設けられている。そして、補給装置6の補給口6aに、下流側が二又に分岐された分岐供給路7が接続され、分岐供給路7の分岐出口7aがそれぞれ粉粒体供給装置10の補給口11bに接続されている。分岐供給路7の分岐部7bには、補給装置6から各粉粒体供給装置10への粉粒体の補給経路を切り替える切替手段としての切替弁8が設けられている。また、図示しないが、補給装置6や分岐供給路7、切替弁8は、その重量が計量部5に作用しないように、別途の支持部材などによって支持され、伸縮自在の接続カバー9などにより接続されている。なお、切替弁8は、モータや電磁弁、圧縮空気により作動するシリンダなどの駆動手段により駆動されるが、図面では省略している。
図1~図3に示すように、貯留部2における中央側に寄った下端部には排出部3と接続する接続開口部3fが形成され、排出部3で粉粒体を排出するスクリュ3bが、貯留部2における下端部を通る奥行方向に延びるように配置され、これにより、対となった粉粒体供給装置10の排出部3同士が横方向に接近されて配置されている。排出部3は、縦断面で、横方向に長いめがね形状または略円筒形状で、前後方向に延びる排出筒3aおよびスクリュケーシング3eの内部に、回転軸心3xを中心として回転して粉粒体を排出する2軸または1軸のスクリュ3b(図1、図2においてはスクリュ3bが2軸式の場合を示す)が配設されている。
ここで、貯留部2からの粉粒体は、接続開口部3fを通して排出部3内に導かれるが、図1~図3に示すように、接続開口部3f(およびスクリュ3bによる供給方向)が、シュート12の円錐壁部12bの下端部から、シュート12の円錐壁部12bにおける、シュート12の傾斜面12a外周に接する接線の方向(図2に示す平面視した状態や図3に示す側面視した状態でシュート12の傾斜面12a外周に接する接線の方向(接線に平行な方向も含む))に沿って延びるように形成されている。すなわち、図3に示すように側面視した状態で、シュート12の円錐壁部12bの下端部とその近傍箇所が、排出部3(詳しくは、スクリュケーシング3e内の空間)に重なって開口するように配置されている。
また、これに伴って、スクリュ3bは、接続開口部3fの下方で接続開口部3fに沿って延びるように(いわゆる奥行方向(図2の紙面における上下方向で、図3の紙面における左右方向)に延びるように)配置されている。すなわち、スクリュ3bは、図2に示すように平面視したり、図3に示すように側面視したりした状態で、スクリュ3bの回転軸心3xが、シュート12の円錐壁部12bの下端部に形成されている接続開口部3fの下方箇所を通るとともに、この下端部箇所から、シュート12の傾斜面12a外周に接する接線と平行な方向に延びるように形成されている。
これにより、貯留部2と排出部3とが、比較的広い領域において(特に、図3に示すように、長い寸法範囲Cにおいて)接続され、接続開口部3fを通して、貯留部2から排出部3に良好に粉粒体が導かれるよう構成されている。また、接続開口部3fおよびスクリュ3bを含めて排出部3同士が横方向に接近されて配置できるため、ひいては排出部3を含めた粉粒体供給装置10同士をより接近させて配置できるよう構成されている。
排出筒3aの先端部には下方に開口する排出出口15aが形成された排出出口筒15が接続されており、スクリュ3bで排出出口筒15内に送り出された粉粒体が排出出口筒15から下方(外部)に排出される。また、排出出口筒15は、2台の粉粒体供給装置10の排出部3の排出筒3aから排出される粉粒体を合わせて排出するよう、排出出口筒15の入口部は、両方の排出部3の排出筒3aの出口を含む大きさとされている一方、下方ほど小さくすぼんで、排出出口筒15の排出出口15aは1つとされている。また、図2、図3における3dはスクリュ3bを駆動する減速機付きスクリュモータである。
図2に示すように、排出出口筒15の内部には、2台の粉粒体供給装置10の排出部3における排出筒3aの出口開口部を選択的に開閉する位置と中間位置Dとに位置決め可能とされて、排出部3から粉粒体が出ることを阻止することが可能な開閉弁14が設けられている。なお、開閉弁14は中立位置Dでは、両方の粉粒体供給装置10の排出部3から粉粒体が出ることを許容するよう構成されている。開閉弁14は、モータや電磁弁などの駆動手段により駆動されるが、図面では省略している。
上記構成の粉粒体供給設備1は、制御部によって、一方の粉粒体供給装置10からの供給動作と、他方の粉粒体供給装置10からの供給動作とが切り替えられるよう制御される。そして、制御部によって、供給切替時に、一方の粉粒体供給装置10からの供給量を徐々に減少させるよう制御するとともに、これと並行して、他方の粉粒体供給装置10の供給量を、前記減少量に対応させて徐々に増加させるよう制御する。また、一方の粉粒体供給装置10だけで供給動作を行っている際に、粉粒体を供給していない他方の粉粒体供給装置10に対して補給装置6から粉粒体を補給する。
なお、一方の粉粒体供給装置10のみから粉粒体を定量供給している際には、補給装置6の下方の分岐供給路7に設けられている切換弁8は、一方の粉粒体供給装置10側が閉じられて他方の粉粒体供給装置10側が開けられる。また、排出部3における排出筒3aの出口開口部を開閉する開閉弁14は、他方の粉粒体供給装置10の排出部3の出口開口部を閉じており、これにより、一方の粉粒体供給装置10の排出部3からのみ粉粒体が供給(排出)される。また、他方の粉粒体供給装置10のみから粉粒体を定量供給している際には、切換弁8は、他方の粉粒体供給装置10側が閉じられて他方の粉粒体供給装置10側が開けられ、開閉弁14は、一方の粉粒体供給装置10の排出部3の出口開口部を閉じており、これにより、他方の粉粒体供給装置10の排出部3からのみ粉粒体が供給(排出)される。そして、開閉弁14により排出部3の出口開口部が閉じられて、粉粒体を供給していない粉粒体供給装置10に対して、粉粒体が補給される。
上記構成において、供給動作中である片側の粉粒体供給装置10で、貯留部2における粉粒体の貯留量が下限値に達したことが検出されると、図4に概略的に示すように、供給動作中である粉粒体供給装置10からの供給量が徐々に減少されるとともに、供給開始した他方の粉粒体供給装置10からの供給量が徐々に増加される。すなわち、それまでの1台の粉粒体供給装置10からの供給量(排出量)が、2台の粉粒体供給装置10からの合計供給量となるように、徐々に供給量を減少・増加させながら、並行して2台の粉粒体供給装置10が駆動される(並行運転(クロス運転)の実行)。なお、この際に開閉弁14は、両方の排出部3の出口開口部を開けた中立位置D(図2参照)とされて、両側の排出部3から供給(排出)することが許容される。
なお、このような供給切替時の並行運転は、図4に概略的に示すように、一方(または他方)の粉粒体供給装置10の減少供給動作と、他方(または一方)の粉粒体供給装置10の増加供給動作との、開始タイミング、時間当たりの供給変動割合(すなわち、時間当たりの減少供給割合と増加供給割合)、および終了タイミングを合わせて、この後、他方(または一方)の粉粒体供給装置10のみの供給動作に切り替えるよう構成する。しかし、これに限るものではなく、図5に概略的に示すように、減少供給動作と増加供給動作とを複数回に分けて、この間に、減少動作や増加動作を一時的に停止してそれぞれ直前の排出重量となるように定量運転を行うようにしてもよい。また、減少させる側の粉粒体を含めた貯留部2および排出部3などの重量を随時検出して、この変動状態に対応させながら、他方側の粉粒体供給装置10の増加供給動作を行うよう構成してもよい。
このような粉粒体供給方法を用いることで、粉粒体の供給動作を連続して行うことができると同時に、粉粒体の供給切替時でも、時間当たりの供給重量(すなわち供給量)が一定となるよう供給することができ、供給精度を良好に維持することができる。
しかしながら、上記した粉粒体供給方法を用いる場合、2台の粉粒体供給装置を用いるため、従来から用いている比較的大容量の粉粒体供給装置などを用いて、単に並べて配置しただけでは、2台の粉粒体供給装置の設置スペースが多大となる。また、粉粒体供給装置10の大きさやその配置方法により、各粉粒体供給装置に補給する場所や、各粉粒体供給装置から供給(排出)する場所が離れる配置となると、各粉粒体供給装置に補給する補給装置や、各粉粒体供給装置から供給(排出)された粉粒体を集めて供給する装置なども大型化して、その分の設置スペースも多大となる恐れがある。
ここで、従来は、粉粒体供給装置として大容量のものを採用して、定量供給動作(排出動作)をできるだけ長い時間継続させ、定量供給動作の稼働時間の割合をできるだけ大きくしていた(非定量状態での供給時間の割合を最小限に抑えていた)。
例えば、図6において左側に示すものが、従来から用いている比較的大容量の粉粒体供給装置100である。粉粒体供給装置100の構成要素(貯留部102、排出部103、攪拌部、計量部105など)の構造自体はほぼ同じであるが、1台で、できるだけ定量供給動作の稼働時間を長くすべく、大容量の粉粒体を貯めることができる大容量のホッパ111およびシュート112を有する貯留部102を設けている。また、貯留部102内の大容量の粉粒体を良好に攪拌しなければならないため、攪拌部材(攪拌翼)113bが大型化するとともに、この攪拌部材113bを良好に駆動する駆動力の大きなモータも要しており、さらに、大容量の粉粒体を計量するために、大容量を計量できる計量部105も必要である。なお、従来の粉粒体供給装置100の排出部103は、図7、図8に示すように、シュート112における傾斜面112aが設けられていない側を正面に見て幅方向の中央部から手前側に突出するように配設されている。また、貯留部102と排出部103とは接続開口部103fを通して接続されているが、この接続開口部103fは、図7に示すように、排出部103が設けられている向きに沿ってシュート112の下端部のみに設けられている。
また、従来の粉粒体供給装置100に設けられている計量部105は、分銅を計量部105の載台に載せて校正する校正作業が一定期間ごとに必要であり、この際に用いる分銅も極めて重いものとなるため、校正作業の労力が極めて大きくなるとともに、危険となり易いなどの難点があった。また、粉粒体供給装置100の停止時間をできるだけ短縮させようとするために、ホッパ111などの貯留部に粉粒体を補給する補給装置106として大容量を補給できる補給装置106が必要であり、補給装置106の動力が大きいものが必要となって高価となったり、補給装置106の設置スペースとして多大なスペースが必要となったりしていた。
このように大容量の粉粒体供給装置100を2台設けると、2台の粉粒体供給装置100の設置スペースが大型化する。例えば、このような2台の粉粒体供給装置100を、排出部103からの出口が接近するように配置すべく、図9に示すように、これらの粉粒体供給装置100における貯留部の傾斜面が形成されていない側が対向して接近する姿勢で配置することで、貯留部102内の粉粒体を排出する排出部103同士を互いに近づけて配置し易くなり、対となる粉粒体供給装置100の設置スペースなどを若干は少なく抑えることが可能となる利点があるが、それでも2台の粉粒体供給装置100の設置スペースとして多大なスペースが必要となる。
しかし、上記のように、2台の粉粒体供給装置からの粉粒体の供給を切り替えながら行うことにより、粉粒体を連続して供給することが可能となる。また、上記の手法を用いることで、上記したように、粉粒体の補給頻度が多くなっても、良好な供給精度を維持することができるため、大容量のホッパなどの貯留部102を設ける必要がなくなる。つまり、一方の粉粒体供給装置10に粉粒体を補給している間に、他方の粉粒体供給装置10だけで粉粒体を供給し続けることができる程度の大きさの貯留部2を有する粉粒体供給装置10を設ければよく、ホッパ11などの貯留部2を小容量のものにしても差し支えない。
したがって、図6において右側は本発明の実施の形態の粉粒体供給設備1を示すが、この図6において右側に示すように、従来の粉粒体供給装置100の貯留部102と比較して数分の1(例えば、1/3~1/5程度)の小容量の貯留部2を採用しても、粉粒体を連続して良好な供給精度で供給することができる。このように、貯留部2を小容量のものにすることで粉体圧を小さくできて、ブリッジが発生し難くなり信頼性が向上する。また、小容量の貯留部2を用いることで、粉粒体供給装置10の設置スペースとして小さなスペースで済むとともに、全量排出した状態での貯留部2内での粉粒体の残量が少なくなり、これによって無駄になる原料を減少させることができる。
また、貯留部2内で小容量の粉粒体を攪拌するだけで済むため、攪拌部材(攪拌翼)13bを小型化することができるとともに、この攪拌部材13bを駆動するモータとしても駆動力の小さなもので済み、製造コストを低減することができる。また、粉粒体を計量する計量部5として、小容量を計量するもので済むため、計量部5に設けられているロードセルなども小容量対応のもので済んで、より細かい目量で計量することが可能となるため、計量精度や供給精度が向上するとともに、計量部5を安価に構成可能となる。また、校正作業の際に用いる分銅も比較的軽いものとなるため、校正作業の労力を低減することができるとともに、安全な状態で行うことができる。
また、上記構成によれば、貯留部2のシュート12に、傾斜面12aと、この傾斜面12aの外周から円錐状に広がる円錐壁部12bと、この円錐壁部12bとホッパ11とを接続して、ホッパ11内の粉粒体をシュート12の円錐壁部12b側に案内する側壁部12cとを形成し、傾斜面12aから傾斜面12aに直交する姿勢で内部に突出する軸心部13aを中心として攪拌部材13bが回転する攪拌部13を設けている。この構成により、攪拌部材13bを回転させると、攪拌部材13bがシュート12の上部から下端部まで回転して、シュート12やホッパ11の内部の粉粒体が良好に攪拌できて、ブリッジやラットホールの発生を防止でき、良好な供給精度を維持しながら定量供給することができる。また、攪拌部材13bにより、シュート12の傾斜面12bと側壁部12cとの接続箇所近傍の粉粒体を殆ど残すことなく良好に攪拌することができるため、これによってもホッパ11内でのブリッジの発生を最小限に抑えることができるとともに、ブリッジの発生を防止するための、縦型のアジテータなどを備えなくても済む。
また、上記構成によれば、貯留部2と排出部3とを接続する接続開口部3fが、シュート12の円錐壁部12bの下端部から、この円錐壁部12bにおける、傾斜面12a外周に接する接線方向に沿って延びるように形成されている。この構成により、図3に示すように、接続開口部3fが設けられる寸法範囲Cを比較的大きくすることができて、粉粒体供給装置10として比較的小型のものを採用する場合でも、貯留部2からの粉粒体を排出部3内に良好に導きながら排出することができる。
つまり、従来の粉粒体供給装置100では、排出部103が、シュート112における傾斜面112aが設けられていない側を正面に見て幅方向の中央部から手前側に突出するように配設され、貯留部102と排出部103とを接続する接続開口部103fが、排出部103が設けられている向きであるシュート12の円錐壁部12bにおける径方向に沿って設けられているため、この構造と同じ構造を採用しながら、粉粒体供給装置100を小型化すると、接続開口部103fの開口寸法が極めて小さくなり、ひいては、貯留部102からの粉粒体を排出部103内に良好に導くことが困難となる恐れがある。
これに対して、本実施の形態によれば、対となる粉粒体供給装置10の貯留部2は、貯留部2の傾斜面11同士が左右両側から中央側に寄る向きに配置され、排出部3で粉粒体を排出するスクリュ3bが、貯留部2における下端部を通る奥行方向に延びるように配置されている。詳しくは、スクリュ3bは、図2に示すように平面視したり、図3に示すように側面視したりした状態で、スクリュ3bの回転軸心3xが、シュート12の円錐壁部12bの下端部に形成されている接続開口部3fの下方箇所を通るとともに、この下端部箇所から、シュート12の傾斜面12a外周に接する接線と平行な方向に延びるように形成されている。そして、貯留部2からの粉粒体を排出部3内に導く接続開口部3fが、図3に示すように、シュート12の円錐壁部12bの下端部から、シュート12の円錐壁部12bにおける、シュート12の傾斜面12a外周に接する接線の方向に沿って延びるように形成されている。この構成により、粉粒体供給装置10として比較的小型のものを採用する場合でも、接続開口部3fを比較的大きくする(図3における寸法範囲Cとする)ことができて、貯留部2からの粉粒体を排出部3内に良好に導きながら排出することができる。また、攪拌部材13bの接続開口部3fでの回転方向が、スクリュ3bによる押し出し方向と一致するように、攪拌部材13bを回転させることで、粉粒体を排出部3内へより良好に押し込むことも可能である。
また、上記構成によれば、排出部3から粉粒体が出ることを阻止することが可能な開閉弁14を設け、粉粒体を補給する際に、補給する側(すなわち、供給を停止した側)の粉粒体供給装置10に対応する排出部3を開閉弁14で閉じることで、この排出部3から粉粒体が出ることを阻止することができる。したがって、供給動作を停止している粉粒体供給装置10から粉粒体が出ることを確実に防止できて信頼性を向上させることができる。なお、粉粒体を補給する際には、排出部3のスクリュ3bは停止しているため、排出部3内で粉粒体が空気と混ざって流動化する状況自体が発生し難くなり、また、排出部3の排出出口筒15は開閉弁14で閉じられているため、流動化した粉粒体が出ることも防止でき、これによっても信頼性を向上させることができる。
(他の実施の形態)
上記実施の形態では、粉粒体供給設備1が一対の(すなわち、2台の)粉粒体供給装置10を備えている場合を述べたが、これに限るものではない。すなわち、1種類の粉粒体を供給する粉粒体供給設備1としては、上記構成が好適であるが、例えば、複数種類(例えば4種類)の粉粒体を連続的に供給することが可能な粉粒体供給設備50として、図10に示すように、対となった粉粒体供給装置10が、排出部3の出口同士が接近する向きで、複数(この実施の形態では四対)配設してもよい。この実施の形態では、排出部3の出口側に粉粒体が供給される粉粒体被供給部(供給受部)51が設けられ、この粉粒体被供給部51を中心として、対となった粉粒体供給装置10が等角度間隔(本実施の形態では90度間隔)で配置されている。
上記構成において、各粉粒体供給装置10の排出部3が、同じ向きで接近して配置されているので、対となった粉粒体供給装置10を排出部3の出口同士が接近する向きで、複数対の粉粒体供給装置10からなる粉粒体供給設備50を支障なく配置することができる。また、各対となった粉粒体供給装置10毎に、異なる種類の粉粒体を連続的に供給することも可能となる。したがって、この実施の形態では、4種類以下の粉粒体を一度にかつ連続的に安定した精度で供給(排出)することができ、しかも、排出部3の出口同士が接近する向きで、この回りを取り囲むように各粉粒体供給装置10が配置されるため、多くの粉粒体供給装置10を比較的小さな設置スペースに良好に配置することができる。
なお、上記実施の形態では、粉粒体供給設備50が四対の粉粒体供給装置10を備えている場合を述べたが、これに限るものではなく、粉粒体供給設備を、三対の粉粒体供給装置10や五対以上の粉粒体供給装置10を、粉粒体被供給部(供給受部)51を中心として、排出部3の出口同士が接近する向きで配設してもよい。
また、上記の実施の形態では、粉粒体供給方法として、粉粒体供給装置10を対となるように設け、粉粒体の供給切替時に、一方の粉粒体供給装置10からの供給量を徐々に減少させるとともに、これと並行して、他方の粉粒体供給装置10の供給量を、前記減少量に対応させて徐々に増加させる方法を採用した場合を述べた。しかし、これに限るものではなく、上記構成の粉粒体供給設備1、50を、対となった2台の粉粒体供給装置10から粉粒体を交互に供給する各種の方法を用いる場合に使用可能であり、例えば、1台の粉粒体供給装置からの供給を停止すると同時に、もう1台の粉粒体供給装置から供給を開始する(すなわち、1台の粉粒体供給装置からの供給停止タイミングと、もう1台の粉粒体供給装置からの供給開始タイミングとを合わせて、2台の粉粒体供給装置の停止動作と排出開始動作を瞬間的に切り替える瞬時切替方式)を用いる設備として、上記構成の粉粒体供給設備1、50を使用することも可能である。