JP7089315B1 - 並列式循環瀘過養殖装置 - Google Patents

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Abstract

Figure 0007089315000001
【課題】 魚介類の養殖装置において養魚槽の水を循環させるものは、水を流動させる装置の他に排水を処理して養魚槽に循環させる装置が必要であり、排水処理装置は養魚装置から離れている。出荷する魚を静養させる出荷槽は、別に建設されて、養魚槽から出荷前の魚を移動させる作業は負担が大きい。
【解決手段】 本発明は、養魚槽に出荷槽と水処理部の装置を段差を付けて1つの水槽体として並列形成するもので、養魚槽と出荷槽は個別に循環流とさせ、かつ水処理部を含めた水槽体全体でも水が循環出来るようにした魚介類養殖装置を提供することを目的としている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、循環式養魚槽に成魚の出荷槽を並列結合し、出荷前に成魚を養生させる出荷槽に掛流しで供給している水を、並列養魚槽に掛流しで供給し、並列養魚槽の排水は浄化処理して並列養魚槽に循環させる、並列式循環瀘過養殖装置に関する。
循環式養魚槽は例えば特許文献1に記載されているように、ポンプで汲上げた水を養魚槽に供給し、魚糞などで汚染された水を浄化して、その浄化済みの水を養魚槽に戻して循環させている。
出荷出来る2.5kg/匹程度の大きさに育った成魚は、必要に応じて別途用意された出荷槽と呼ばれる水槽に移して清水を供給し、餌を与えずに一定の期間養生させて出荷する。
従って循環式の養魚槽と出荷前の成魚を養生させる出荷槽とは全く別の物で、場所も離れており、日本の養魚事業は小規模なので、出荷槽にポンプで供給される水は、そのまま放流されて無駄となっている。
特許6858996号公報
前記出荷槽は、養魚の年間出荷量が数屯程度なら、構造も水量もそれほど問題にならないが、年間出荷量が50屯~70屯となる大量は前例がなく、井戸水800L/minを供給する必要があるとなれば、出荷槽から排棄される水量と費用は莫大なもので、経営的に黙視することはできない。
本願発明は、前記出荷槽から排棄される水を有効に再利用するとともに、前例のない大規模養殖に適した、並列式循環瀘過養殖装置を提供することを目的としている。
また、養魚槽から出荷槽へ魚を移動させるには、網で掬って容器に移し、容器を出荷槽に移動させて移し変えるという手間をかけており、移動時に魚体に損傷が生じ易いが、水中を魚を追い立てることにより移動させることが出来る様にした。
本発明は前記課題を解決するために、次のような技術的手段を講じた。
(1) 魚介類の養殖装置であって、その平面視を、地図に倣った表現で東西に長い1個の水槽体の上流にあたる西側から出荷槽、養魚槽、水処理部が段差的に水深を深くなるように並列形成され、
前記出荷槽は、その北側、西側及び南側を囲む回水路の北側部に、外部のポンプから給水された水をエアリフトで流動して、東西方向に区画並設された複数の前記出荷槽に取水路を経て掛流しで供給し、前記回水路の南側へ排出される水を前記エアリフトへ循環させ前記出荷槽に循還流を生じさせ、
前記養魚槽は、東西に複数に区画された養魚槽の北側に給水路、南側に排水路が形成され、前記給水路の西端は前記エアリフト側の回水路の隔壁にスライドゲトで連通可能に形成され、かつ東側は前記水処理部の後記する酸素解装置まで延設され、前記排水路の東端は前記水処理部に連通され、
前記水処理部は、南側から大きな塵挨を濾過するドラムフイルタ、微細な塵挨を瀘過する生物処理槽、C 脱気槽、処理済水槽、酸素解装置が連設され、前記処理済水槽から前記酸素解装置にポンプで汲上げられた水に酸素が解されて、前記各養魚槽の北側の前記給水路に流動するように吐出されて、流動する前記給水路の水は前記各養魚槽の北側から各槽内に隔壁を越えて流動を起こして入り、かつ溢れる水は南側の前記排水路に流出して前記ドラムフイルタで瀘過され、前記給水路へ循環するようになっている並列式循環瀘過養殖装置。
(2) 前記各出荷槽の前記回水路に面する側壁、及び前記各養魚槽の前記給水路に面する隔壁に、スライドゲートが形成され、各槽毎にスライドゲートを開閉して、個別に排水可能に構成されている前記(1)に記載の並列式循環瀘過養殖装置。
(3) 前記並列式循環瀘過養殖装置において前記出荷槽は、前記水槽体の長手方向の一端に形成され、かつその長手方向に複数が並列形成され、該複数の前記出荷槽の共通する一端面の側壁に面して前記水槽体の長手方向に長く形成された取水路に注水路が直角方向に形成され、該注水路から前記取水路に隔壁を介して平行するようにエアリフト、水溜が前記水槽体の長手方向の一端に向かって形成され、該水溜部分から前記出荷槽の外側2面を囲むように回水路が形成され、該回水路の終端部は前記養魚槽における前記排水路と連通可能に形成され、前記複数の出荷槽における前記回水路に面する側壁の高さは、前記取水路に面する側壁の高さより低く形成されている前記(1)または(2)に記載の並列式循環瀘過養殖装置。
本発明によると、次のような効果が奏せられる。
前記(1)に記載の発明は、平面視で細長い水槽体を上流側から段差的に水位が低くなるように出荷槽、養魚槽、水処理部を並列に配設したので、自然流が水槽体内で生じ、水処理部で浄化済みの水を、ポンプで汲上げて養魚槽への給水路に流動するように吐出するので、養魚槽に河川水のような流動する循環流が生じ、冷たい清流に生息する鱒類の養殖に適している。
出荷前の魚を養生させるための出荷槽は、常に新鮮な冷たい井戸水を入れて、出荷槽単独で循環水流を生じさせているので、ポンプ汲揚水量を少なくし、魚は内外ともに清潔にされ養生される。余分の水は捨てずに養魚槽へ供給されるので、養魚槽の循環する水量を増加させることが出来る。
又出荷槽の水も、捨てたり別途に浄化することなく、並列形成されている水処理部において浄化させることが出来る。
養魚槽と出荷槽とも、複数が下流方向へ並列形成されているので、個々の養魚槽と出荷槽で個別に管理がしやすく、また出荷の作業性に優れている。
前記(2)に記載の発明においては、前記各出荷槽の前記回水路に面する側壁、及び前記各養魚槽の前記給水路に面する隔壁に、スライドゲートが形成され、各槽毎にスライドゲートを開閉して、個別に排水可能に構成してあるので、個別に槽の抜水と清掃をして次への準備をすることが出来る。
前記(3)に記載の発明においては、出荷槽の2側面に回水路が形成されて、回水路の先に形成されたエアリフトによって流動水が出荷槽に供給され、出荷槽の水は低くなっている側壁から回水路に流れてエアリフトまで回流されて再びエアリフトによって出荷槽へと循環されるので、ポンプにより汲上げられる水量を少なくすることが出来る。また前記回水路に入った余分の水は養魚槽の排水路を経て水処理部で浄化されて養魚槽へ循環されるので水を無駄にすることがない。
本発明の並列式循環瀘過養殖装置の平面図である。 図1のA-A線断面図である。 図1におけるエアリフト部分の縦断面図である。
本発明の一実施形態を、図面に基づいて説明する。図1は本願発明の並列式循環瀘過養殖装置の平面図で、図2は図1におけるA-A線縦断側面図である。
図において、並列式循環瀘過養殖装置1は、図の左側の上流側から出荷槽3、養魚槽4、水処理部5の3槽が段差的に深くなる細長い一体の水槽体2として形成されており、低温な清水に生息する鱒類(トラウト)に適した環境として養殖されるが、勿論他の魚介類の養殖にも利用される。
前記水槽体2は、説明の便宜上、平面図を地図を見るように手前側を南側、先方を北側、上流側に当る左方を西側、右側を東側として説明する。
水槽体2の大きさは、例えば東西の長さ約49.35m、南北の幅約17.75mで、その西側を上流側として、水槽体2の西側の長さ12.75m部分が出荷槽3として3区画が並列に設定され、その東側25.9mを7区画並列の養魚槽4として、養魚槽4と出荷槽3の境界を隔壁3Aで区画されている。この区画数は、養殖数量に応じて適宜増減させる。
前記出荷槽3の北側に、注水路6Aを隔てた隔壁6を介して、その南側に袋小路状の取水路6Bが形成され、この取水路6Bの南側に面する出荷槽3の北側の側壁3Bにそれぞれスライドゲート3C、3Cが形成されている。
前記注水路6Aと前記隔壁3Aとの間に、後記するエアリフト7を囲むようにに魚除ネット6Cが張設されている。
前記、取水路6Bの北側の隔壁6の北側にエアリフト7が配設されている。前記隔壁6と出荷槽3の北側の側壁3Bとの間隔は例えば1m幅とされ、前記注水路6Aから入る流水は、西側に移動して各出荷槽3全体に、側壁3Bを超えて掛流しとして給水されるように構成されている。
この出荷槽3を複数並設してあるのは、出荷魚数を小分けに出来、出荷するときに槽毎に出荷出来る利点と、出荷後に個別に清掃し、次に出荷する魚を個別に入れることが出来る利点がある。
前記エアリフト7の西側に、水槽体2外のポンプ8から注水される水溜9が設けられ、前記出荷槽3の南側と西側に形成された、幅が例えば約1mの回水路10が前記水溜9に連通されており、各出荷槽3の南側の側壁3Fから溢れた流水はこの回水路10に入り、エアリフト7へと流動し、余分の水は連通管3Eから養魚槽4の南側の排水路4Cを経て、水処理部5へ移動して浄水処理をされる。
すなわち従来は、出荷槽3が養魚槽4とは離れて別に設置されているので、出荷する魚の養生によって汚れた出荷槽3の水は排水される無駄があった。
又水槽体2の一端にある出荷槽3の南と西の2方面に回水路10を設けて、該回水路10を水溜9を経てエアリフト7に接続させたので、出荷槽3の水を出荷槽3の単独で循環させることが出来て、前記ポンプ8による汲上げ掛流しの水量を少なくすることが出来る。
なお、前記水溜9の前記エアリフト7の直前西側に、必要に応じて塵溜凹部9Aを幅いっぱいに形成することにより、出荷槽3から溢れ出て回水路10を流れる大きな魚糞塊などを塵溜凹部9Aに溜めて、再び出荷槽2へ戻って回流しないようにすることが出来る。
前記エアリフト7は図3に縦断面を示すように、槽底2Aに図3中で南北方向へ長く深さ1.5mほどの溝7Aを形成して、該溝7Aの東西方向の中央部に上部から溝底近くまで区切板7Bを垂設して、その前後に入水部7Cと出水部7Dを区画形成するとともに、外部の図示しない空気ポンプと連通するエアパイプ7Cの管口が前記出水部7Dの底面近くに開口されている。
エアパイプ7Cから圧縮空気を勢いよく噴出させることにより、気泡が勢いよく上昇することによって、前記図3に示す溝7Aの出水部7Dにおける水が上層へ押しあげられて、出荷槽3へと掛流しとして流動し、各出荷槽3に入った水は、南側の水位の低く設定されている隔壁3Fから回水路10に流下し、前記エアリフト7の方に循環され、水の一部は連通管3Eから養魚槽4の南の排水路4Cへ排出されて、水処理部5へ入るようになっている。
前記出荷槽3は、水槽体2外の井戸からポンプ8で汲上げた水が、エアリフト7によって水流が生じて、取水路6Bから各出荷槽3へ側壁3Bを超えて掛流しで入るので、出荷槽3に入った水は、流れを生じた状態で南側の側壁3Fを超えて回水路10に落ちてエアリフト7に至り循環されるので、出荷前の給餌されない魚は新鮮な水流の中で内外とも清められ、養生される。
前記出荷槽3の水深は、例えば1.5mになるように形成され、これに続く養魚槽4の水深は例えば2.1mと一段深く設定されて水面が低くなっている。
これに続く水処理部5の深さは、例えば2.5m~3.4mと更に深く設定されている。水槽体2内の水は出荷槽3から養魚槽4、排水路4C、水処理部5へ落差により流動するようになっている。
これによって出荷槽3の水を、水深の深くなる養魚槽4へ水面の差で流動させ、更に水処理部5を低くさせることにより、排水の流動を容易にしている。
前記各出荷槽3及び各養魚槽4の南側に、外部へ個別に排水出来る排水管3D、4Hが配設されて、各槽毎に排水出来るようになっているので、出荷後に個別に水を抜き清掃をし、次の養魚や出荷に移ることが出来て作業効率が高まる。
前記出荷槽3の隔壁3Aの東側における養魚槽4は、東西の長さは例えば49.35mで、仕切壁4A、4Aで6区画に仕切られて複数がそれぞれ独立している。1区画の長さは東西で例えば3.5mで、東の境界壁4Bの東側に水処理部5が形成されている。養魚槽4を複数並列してあるので、一定魚数毎に小分けに管理することが出来ることと、出荷回数を小分けにして小人数での作業効率を高められる。
養魚槽4と水処理部5の南側に排水路4C、北側に給水路4Dが、それぞれ幅約1mで形成されている。北側の給水路4Dの西端は出荷槽3の隔壁3Aに突当り、その突当りの隔壁3Aには、前記出荷槽3の北側の取水路6Bに通じるように、スライドゲート3Dが配設されている。またこの給水路4Dに面する各養魚槽4の北側の隔壁4Eには、それぞれスライドゲート4Fが配設されている。
このスライドゲー4Fは、例えば西端の出荷槽3の北側の取水路6Bに通じるスライドゲート4Fと、取水路6Bに通じる北側の給水路4Dの西端にある隔壁3Aのスライドゲート3Cを開き、西側の養魚槽4の北側の給水路4Dに面するスライドゲート4Fを開いて、西側の養魚槽4にいる成魚を、給水路4Dから取水路6Bに追い出して、西端の出荷槽3に入れてスライドゲート3C、4Fを閉塞することによって、容易にかつ短時間で、魚体に傷をつけることなく養魚槽4から出荷槽3へ移動させることが出来る。
前記各養魚槽4の水は、ポンプ8で汲上げた水を前記図3に示すエアパイプ7Cを経て、前記養魚槽4の北側の給水路4Dに、前記境界のスライドゲート3Dを開いて入れて、前記各養魚槽4の給水路4Dに面するスライドゲート4Fを開いて各養魚槽4へ入れることが出来る。
各養魚槽4に満ちた水は、河川水のように流動し、南側の排水路4Cに流下して前記水処理部5に入り、浄水処理されてから北側の給水路4Dから各養魚槽4へ循環される。
前記水処理部5は、南側にドラムフイルタ11、11が2機配設されており、養魚槽4から魚糞や残餌で汚染された排水が溢れて流下し、ドラムフイルタ11、11で瀘過されて大きな塵挨が除去される。
魚糞は、与えた餌の嵩とほぼ同じ量で、魚群の回遊と循環水流によって粉砕され、微細粉が浮遊して排水路4Cに排水とともに排出される。前記ドラムフイルタ11は、大型機1機よりも小型機を複数機の方が瀘過効率をよくすることができる。
ドラムフイルタ11の北側には、東西に4槽、南北に2槽合計8槽の生物処理槽12、12が配設されており、底部の送気管12Aから空気が供給され、生物処槽12、12に詰装されている無数の小型樹脂製瀘材に付着した微細な塵挨が微生物によって分解されて、濾過された水は北側のCO脱気槽13に入り、ここで送気管13Aから空気の供給(ターボブロワ、メンブレン散気管使用)を受けて脱CO 処理された水は、北側の処理済水槽14へ溜められる。
前記ドラムフイルタ11、11設置部分の南北方向の長さは、例えば2.75m、生物処理槽12の南北方向の1槽当りの設置部分の長さは、例えば2.6m、2列で5.2m。CO脱気槽13の南北方向の設置部分の長さは、例えば3.27mで、その北側約3.36mの所に、東西に4機の酸素解装置15が配設されている。この酸素解装置15は、汚水処理能力に対応して設置機台数が増減される。
前記酸素解装置15は、装置内に気液比が小さい(酸素供給量に対して水流が多い)液体酸素を使用して一定量の酸素を供給し、これをそのままポンプ15Bで前記処理済水槽14から処理済水を速い流動水として供給し、養魚の呼吸により失われた酸素を補充するとともに飽和させて、養魚槽4側の供給水路4Dに勢いよく放流させ、各養魚槽4へ河川流のように供給され、循環水流とされる。
一例として、酸素解装置15の出口で、DOを16mg程度、養魚槽4の出口で6mg/Lとして、養魚槽4内で10mg/Lの酸素を使用できる(飼育数量が決まる)。並列されている各養魚槽4、4は、DIN19569-4などの規格を満たしたスライドゲート3C、4Fにより、個別に各槽3、4の水位を下げることが出来て、魚を取出す時に便利で、使用しない時には各槽3、4の水を抜いておけば、塵が溜ったり、水の腐敗を予防することが出来る。
前記各養魚槽4は、北側の供給水路4Dから隔壁4Eを乗越えて掛流しで入る水流が、それぞれ南側へ流れて隔壁4Gを超えて南側の排水路4Cへ流れ落ち、水処理部5へと流れ、水処理部5で浄水処理されて養魚槽4へ循環する。
すなわち前記出荷槽3での用水の独立循環と、養魚槽4での用水の独立循環とをさせることが出来、出荷槽3での余分の水を養魚槽4へ流動させることにより、養魚槽4における循環流水の水量を多くすることが出来る。
この養魚槽4で、温度16℃の井戸水を800L/minで供給し、1匹100g程度の虹鱒(トラウト等)の稚魚を年間3回投入して養殖し、成魚1匹2.5kg程度に成長した時に出荷する。給餌量は最大400kg/日。給餌方法は一般的な図示しない自動給餌機で給餌される。
本願発明の装置1による成魚販売目標数は、年間50屯~70屯を目標とすることができる。これほど大がかりな魚介類養殖は、河川の水を引く掛流しでは、設備が大きくなり設置場所の確保が困難であり、河川の洪水被害が大き過ぎて維持困難である。
これに対して、溜水式で水を循環させる場合、小型の1槽での養殖となり、これに水循環装置、浄化設備が別に必要となる。出荷槽も別に設置して水循環装置、浄化設備を設け、養魚槽から出荷槽への魚の移動という作業もかかり、出荷量に対して生産コストが大きくなり、経営負担になっている。
これに対する本願発明の並列式循環瀘過養殖装置1では、出荷槽3と養魚槽4と水処理部5を並列に一体化し、出荷槽3から養魚槽4と水処理部5を段差を付けて低くしたことにより自然流を生じさせて、最後の水処理部5で浄化された水をポンプ15Bで汲上げて循環させるようにしたので、効率の良い自然流水を養魚槽4に生じさせることができ、魚は上流を向いて流されないように泳ぐ。
また出荷槽3を養魚槽4と別に独立した循環水流式としたので、エアリフト7による連続した気泡により酸素が十分に供給され、出荷槽3での魚の養生を確実にさせることが出来るようになった。
養魚槽4においては、酸素解装置15により養魚槽4の水中の酸素を飽和状態にすることにより、養魚水の1立方m当りの養魚量を格段に増加させることが可能なので、敷地面積当りの養魚効率を高めることが出来る。
更に出荷槽3と養魚槽4をそれぞれ複数を並列設置したことにより、養魚の管理が容易になり、かつ出荷も効率の良い管理と作業性が維持出来る様になった。 また出荷槽3の余分な掛流し水を養魚槽4へ循環させることにより、養魚槽4の循環流水量を多くさせることが出来るようになった。
なお、突然災害の対応として、図示しない発電機、酸素供給装置、予備汲水ポンプ等が配設され、また養魚槽4の上や出荷槽3の上に、夏期の水温上昇抑止用の図示しない日除幕を配設したり、必要に応じて前記水処理部5の全域に図示しない固定屋根を架設することが出来る。
本願発明の並列式循環瀘過養殖装置1では、従来は個別に設置されていた出荷槽3と水処理部5を養魚槽4に並列に連結し、それぞれ個別に水を循環させるようにしたので管理が容易になり、かつ大量の養殖が容易となったので、山間地や工場地帯でも魚介類の大量養殖をすることが可能となり、水産業に広く利用することが出来る。
1.並列式循環瀘過養殖装置
2.水槽体
2A.槽底
3.出荷槽
3A.隔壁
3B.側壁
3C.スライドゲート
3D.排水管
3E.連通管
3F.側壁
4.養魚槽
4A.区画壁
4B.隔壁
4C.排水路
4D.給水路
4E.隔壁
4F.スライドゲート
4G.隔壁
4H.排水管
5.水処理部
6.隔壁
6A.注水路
6B.取水路
6C.ネット
7.エアリフト
7A.溝
7B.区切板
7C.入水溝
7D.出水溝
7E.送気管
8.ポンプ
9.水槽
9A.塵溜凹部
10.回水路
11.ドラムフイルタ
12.C 生物処理槽
12A.送気ポンプ
13.C 脱気槽
13A.送気ポンプ
14.処理済水槽
15.酸素解装置
15A.送気ポンプ
15B.汲上ポンプ

Claims (3)

  1. 魚介類の養殖装置であって、その平面視を、地図に倣った表現で東西に長い1個の水槽体の上流にあたる西側から出荷槽、養魚槽、水処理部が段差的に水深を深くなるように並列形成され、
    前記出荷槽は、その北側、西側及び南側を囲む回水路の北側部に、外部のポンプから給水された水をエアリフトで流動して、東西方向に区画並設された複数の前記出荷槽に取水路を経て掛流しで供給し、前記回水路の南側へ排出される水を前記エアリフトへ循環させ前記出荷槽に循還流を生じさせ、
    前記養魚槽は、東西に複数に区画された養魚槽の北側に給水路、南側に排水路が形成され、前記給水路の西端は前記エアリフト側の回水路の隔壁にスライドゲトで連通可能に形成され、かつ東側は前記水処理部の後記する酸素解装置まで延設され、前記排水路の東端は前記水処理部に連通され、
    前記水処理部は、南側から大きな塵挨を濾過するドラムフイルタ、微細な塵挨を瀘過する生物処理槽、C 脱気槽、処理済水槽、酸素解装置が連設され、前記処理済水槽から前記酸素解装置にポンプで汲上げられた水に酸素が解されて、前記各養魚槽の北側の前記給水路に流動するように吐出されて、流動する前記給水路の水は前記各養魚槽の北側から各槽内に隔壁を越えて流動を起こして入り、かつ溢れる水は南側の前記排水路に流出して前記ドラムフイルタで瀘過され、前記給水路へ循環するようになっていることを特徴とする並列式循環瀘過養殖装置。
  2. 前記各出荷槽の前記回水路に面する側壁、及び前記各養魚槽の前記給水路に面する隔壁に、スライドゲートが形成され、各槽毎にスライドゲートを開閉して、個別に排水可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の並列式循環瀘過養殖装置。
  3. 前記並列式循環瀘過養殖装置において前記出荷槽は、前記水槽体の長手方向の一端に形成され、かつその長手方向に複数が並列形成され、該複数の前記出荷槽の共通する一端面の側壁に面して前記水槽体の長手方向に長く形成された取水路に注水路が直角方向に形成され、該注水路から前記取水路に隔壁を介して平行するようにエアリフト、水槽が前記水槽体の長手方向の一端に向かって形成され、該水槽部分から前記出荷槽の外側2面を囲むように回水路が形成され、該回水路の終端部は前記養魚槽における前記排水路と連通可能に形成され、前記複数の出荷槽における前記回水路に面する側壁の高さは前記取水路に面する側壁の高さより低く形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の並列式循環瀘過養殖装置。
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