JP7088695B2 - 甘草中の機能性成分含有量向上剤および甘草中の機能性成分含有量向上剤の製造方法 - Google Patents

甘草中の機能性成分含有量向上剤および甘草中の機能性成分含有量向上剤の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、甘草中の機能性成分含有量向上剤および甘草中の機能性成分含有量向上剤の製造方法に関する。
カンゾウ属植物の根や根茎を乾燥させた甘草には、グリチルリチン、イソリクイリチンなどの様々な機能性成分がアグリコンまたはその配糖体などの誘導体として含まれている。甘草は、漢方処方の70%以上に処方されている生薬原料であり、その需要は高い。また、甘草に含まれる機能性成分のうち、グリチルリチンは抗炎症作用等があり医薬品原料として用いられているほか、天然の甘味料としても広く用いられており、また、イソリクイリチゲニンにはメタボリックシンドローム治療効果が見出されているなど甘草中に含まれている機能性成分の新たな効能も発見されてきており、甘草やその機能性成分のニーズはより高まっている。しかしながら、有効成分を十分に含有する甘草は、施設栽培などでは栽培することが困難であり、中国など世界の限られた地域でしか栽培ができていない。このため、甘草中での有用な機能性成分の産生を有意に高めるための試みが行われてきている。
甘草に含まれる機能性成分の増収方法としては、特許文献1に、グルタチオンまたはその誘導体の存在下で栽培する方法が記載されている。また、特許文献2には、培養液の肥料成分のうちアンモニア態窒素の割合を高めて有効成分の増大を図るとともに、培養液のpHを酸性にして根部の伸長を図るという技術が開示されている。
特開2017-104102号公報 特開平6-205618号公報
しかしながら、特許文献1で使用されるグルタチオンは容易に酸化されるため、自然環境下で持続的に薬効を維持させることは難しいと考えられる。また、グルタチオンを使用して栽培した場合のグリチルリチン酸の含量はグルタチオンを使用しない場合の1.5倍程度~同程度またはそれ以下であり、優位性を築くに至っていない。
また、特許文献2に記載の栽培方法ではアンモニア態窒素の割合が高められているが、アンモニア態窒素は土壌環境により容易に酸化される可能性があるため維持が難しいと考えられる。さらに、アンモニア態窒素の施肥を増やすことで、肥料による土壌の汚染、過剰施肥の課題が生じる恐れがある。
さらに、甘草中の機能性成分の含量は、その栽培地域や、栽培中の天候等の影響などによって差が生じることが知られている。したがって、機能性成分含有量の高い甘草を、安定的に供給するための方法が求められている。
本発明は、前記問題点に鑑みてなされたもので、甘草の生体組織に悪影響がなく、甘草に適宜散布または灌注することで安全に、甘草の機能性成分の含有量の増加を図ることのできる甘草中の機能性成分含有量向上剤、およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、炭素数4~30の脂肪酸を0.1~8mg/l(リットル)の溶存酸素濃度環境下でプロテオバクテリアに代謝させることで得られる脂肪酸代謝物を含む、甘草中の機能性成分含有量向上剤に関する。
前記脂肪酸が、20℃で液体の脂肪酸である甘草中の機能性成分含有量向上剤が好ましい。
前記代謝が、Mg、P、NaおよびKから選ばれる少なくとも1種以上のミネラルの存在下での代謝である甘草中の機能性成分含有量向上剤が好ましい。
前記プロテオバクテリアが、前培養されたプロテオバクテリアである甘草中の機能性成分含有量向上剤が好ましい。
前記前培養されたプロテオバクテリアが、菌数1×108~9×1010cells/ml(ミリリットル)に前培養されたプロテオバクテリアである甘草中の機能性成分含有量向上剤が好ましい。
前記甘草中の機能性成分含有量向上剤が、バイオサーファクタントを含む甘草中の機能性成分含有量向上剤であることが好ましい。
前記代謝が、20~30℃の条件下での代謝である甘草中の機能性成分含有量向上剤が好ましい。
前記甘草中の機能性成分含有量向上剤が、甘草の茎葉もしくは根に接触させる噴霧剤もしくは浸漬用薬剤、または、土壌灌注用薬剤として用いられる甘草中の機能性成分含有量向上剤が好ましい。
前記機能性成分が、グリチルリチン、グリチルレチン酸、イソリクイリチン、ナリンゲニン、およびゲニステインからなる群より選択される少なくとも1種である甘草中の機能性成分含有量向上剤が好ましい。
前記機能性成分が、グリチルリチンであることが特に好ましい。本発明の機能性成分含有量向上剤が、最も効果的に作用し、他の機能性成分に比べてその成分含有量の向上が顕著だからである。
本発明は、また、炭素数4~30の脂肪酸を0.1~8mg/lの溶存酸素濃度環境下でプロテオバクテリアに代謝させる脂肪酸代謝工程を含む、脂肪酸代謝物を含む甘草中の機能性成分含有量向上剤の製造方法に関する。
前記脂肪酸が、20℃で液体の脂肪酸である甘草中の機能性成分含有量向上剤の製造方法が好ましい。
前記脂肪酸代謝工程を、Mg、P、NaおよびKから選ばれる少なくとも1種以上のミネラルの存在下で実施する甘草中の機能性成分含有量向上剤の製造方法が好ましい。
前記プロテオバクテリアが、前培養されたプロテオバクテリアである甘草中の機能性成分含有量向上剤の製造方法が好ましい。
前記前培養されたプロテオバクテリアが、菌数1×108~9×1010cells/mlに前培養されたプロテオバクテリアである甘草中の機能性成分含有量向上剤の製造方法が好ましい。
バイオサーファクタントを含む甘草中の機能性成分含有量向上剤の製造方法である甘草中の機能性成分含有量向上剤の製造方法が好ましい。
前記脂肪酸代謝工程を、20~30℃の条件下で実施する甘草中の機能性成分含有量向上剤の製造方法が好ましい。
甘草の茎葉もしくは根に接触させる噴霧剤もしくは浸漬用薬剤、または、土壌灌注用薬剤として機能する甘草中の機能性成分含有量向上剤の製造方法である甘草中の機能性成分含有量向上剤の製造方法が好ましい。
グリチルリチン、グリチルレチン酸、イソリクイリチン、ナリンゲニン、およびゲニステインからなる群より選択される少なくとも1種である機能性成分の含有量を向上させる薬剤として機能する甘草中の機能性成分含有量向上剤の製造方法である甘草中の機能性成分含有量向上剤の製造方法が好ましい。
前記機能性成分が、グリチルリチンである機能性成分の含有量を向上させる薬剤として機能する甘草中の機能性成分含有量向上剤の製造方法である甘草中の機能性成分含有量向上剤の製造方法が、特に好ましい。本発明の機能性成分含有量向上剤が、最も効果的に作用し、他の機能性成分に比べてその成分含有量の向上が顕著だからである。
なお、本発明でいう甘草中の機能性成分含有量向上剤は、甘草内で機能性成分の生成促進および/または分解の抑制を起こさせ、甘草中の機能性成分含有量を増加させるものである。
本発明の甘草中の機能性成分含有量向上剤は、甘草に適宜散布または灌注することで、環境汚染を引き起こすことなく、安全かつ効率的に甘草中の機能性成分含有量を向上させることができる。また、本発明の甘草中の機能性成分含有量向上剤の製造方法によれば、甘草に適宜散布または灌注することで、環境汚染を引き起こすことなく、安全かつ効率的に甘草中の機能性成分含有量を向上させることができる甘草中の機能性成分含有量向上剤を製造することができる。
甘草中の機能性成分含有量向上剤
本発明の甘草中の機能性成分含有量向上剤は、炭素数4~30の脂肪酸を0.1~8mg/lの溶存酸素濃度環境下でプロテオバクテリアに代謝させることで得られる脂肪酸代謝物を含むことを特徴とする。
脂肪酸代謝物を甘草の茎葉または根の一部に接触させることで、甘草中の機能性成分の含有量を向上させることができる。低温栽培や乾燥条件下などのストレス栽培によって甘草中で増加する成分と同じ成分の甘草内での向上が確認できることから、本発明の脂肪酸代謝物は、甘草に吸収されることによって、本来甘草内で環境ストレスによりシグナルとして産生され作用する分子と同様の作用を甘草内で行う物質および/またはその前駆体を含んでいると考えられる。すなわち、本発明の脂肪酸代謝物により、甘草が本来有しているストレス耐性機能を強化することができる。その結果、甘草内での機能性成分の生成促進および/または分解の抑制が起き、甘草中の機能性成分含有量が増加される。
本発明における代謝とは、所定の溶存酸素濃度環境下においてプロテオバクテリアが外分泌または内分泌する酵素等により炭素数4~30の脂肪酸の分解が行われることをいう。例えば、所定の溶存酸素濃度環境下、脂肪酸を含有する培地でプロテオバクテリアを培養する方法が挙げられる。
プロテオバクテリアは、脂肪酸の代謝に関わる酵素であるリポキシゲナーゼ(lipoxygenase:LOX)を産生する遺伝子を持っており、脂肪酸代謝物を生成できる。
本発明において用いられる脂肪酸の炭素数は4~30であり、10~20が好ましい。炭素数が4未満の場合は、融点・沸点が低いため、培養時の温度で揮発性が高まり培地中に残存しにくくなる傾向がある。また、炭素数が30を超える場合は、融点・沸点が高くなるため、培養時の温度で固体となり培地と混合できず分離してしまう傾向がある。ただし、融点は水素結合の数によって炭素数のみに依存しない場合もある。
本発明において用いられる脂肪酸は、代謝効率の観点や培地中で固化することを抑制する観点から、20~30℃で液体であることが好ましく、20℃で液体であることがより好ましい。
本発明の脂肪酸は、飽和脂肪酸もしくは不飽和脂肪酸のいずれか、または両方を含む混合物とすることができる。また、植物油やグリセリドの形態や遊離脂肪酸を用いることができるが、分解速度に優れるという理由から遊離脂肪酸(モノカルボン酸)が好ましい。
炭素数4~30の遊離脂肪酸としては、酪酸(ブチル酸)、吉草酸(バレリアン酸)、カプロン酸、エナント酸(ヘプチル酸)、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、α-リノレン酸、γ-リノレン酸、エレオステアリン酸、アラキジン酸、ミード酸、アラキドン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、ネルボン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸などが挙げられ、なかでも炭素数が10~20のカプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、α-リノレン酸、γ-リノレン酸、エレオステアリン酸、アラキジン酸、ミード酸、アラキドン酸が好ましく、炭素数が18のオレイン酸、リノール酸、α-リノレン酸、γ-リノレン酸がより好ましい。
脂肪酸を含有する培地を使用する場合の脂肪酸の含有量は、120g/l以下が好ましく、100g/l以下がより好ましく、60g/l以下がさらに好ましい。120g/lを超える場合は、培地の水分との乳化が困難となり、代謝効率が悪化する恐れやプロテオバクテリアの生育を阻害する恐れがある。また、脂肪酸の含有量の下限は特に限定されないが、1.0g/l以上が好ましい。
脂肪酸を含有する培地は、他にミネラル成分を含有することが好ましい。ミネラル成分としては、特に限定されず微生物培養に通常用いられるミネラル成分を挙げることができる。例えば、マグネシウム(Mg)、リン(P)、ナトリウム(Na)またはカリウム(K)を有する成分が挙げられる。これらの成分は単独で使用することも、複数を併用することもできる。好ましくはこれらの成分のうちの2種類、さらに好ましくは3種類以上が使用され得る。培地中のミネラル成分の含有量は特に限定されず、従来の好気性細菌の培養方法で使用される量とすることができるが、甘草への施用時に塩害が発生する恐れがあるため、好ましくは15g/l以下、より好ましくは10g/l以下で使用され得る。
本発明にて用いられるプロテオバクテリアは、本発明の効果を損なわない限り特に限定されない。好ましくは脂肪酸の代謝効率や生育効率の観点から、増殖に適した温度(至適温度)が10~40℃のプロテオバクテリアが好ましく、20~30℃のプロテオバクテリアがより好ましい。
プロテオバクテリアは、脂肪酸の代謝効率に優れるという理由から、前培養されたプロテオバクテリアであることが好ましく、菌数が1×108~9×1010cells/mlまで前培養されていることがより好ましい。
本発明においては、代謝は、0.1~8mg/lの溶存酸素濃度環境下で行われる。溶存酸素濃度が0.1mg/l未満の場合は、プロテオバクテリアの活動が低下し脂肪酸の代謝効率が極めて低くなる傾向がある。また、溶存酸素濃度が8mg/lを超える場合は、プロテオバクテリアによる代謝工程と並行して、基質である脂肪酸の培地中の酸素による分解が進行してしまい、代謝効率が低下し、ひいては有効成分である代謝産物の産生量が低下してしまう恐れがある。より好ましくは、溶存酸素濃度は0.1~5mg/lであり、さらに好ましくは0.1~4mg/lである。なお、溶存酸素濃度は株式会社堀場製作所製の溶存酸素計でPO電極に隔膜ガルバニ電極法または隔膜ポーラログラフ法により測定される値とする。
代謝における温度は使用するプロテオバクテリアに応じて適宜調整することができ、脂肪酸の代謝効率の観点から、20~30℃がより好ましい。
本発明において、甘草中の機能性成分含有量向上剤は、脂肪酸代謝物に加えバイオサーファクタントを含有し得る。脂肪酸代謝物が水に分散されやすくなり、甘草中の機能性成分含有量向上剤の取扱性の観点から好ましいと考えられる。本発明に係るバイオサーファクタントとは、微生物が疎水性の高い物質を取り込むために産生し、細胞外へと分泌する界面活性剤様の物質を意味する。本発明において、プロテオバクテリアによって分泌されたバイオサーファクタントは、脂肪酸代謝物の水への分散も容易にするため、脂肪酸代謝物を含む甘草中の機能性成分含有量向上剤の散布や灌注などが効率よく簡単に行えるようになる。しかしながら、バイオサーファクタントとしては、脂肪酸の分解時に本発明のプロテオバクテリアによって産生されたバイオサーファクタントだけではなく、他の微生物が産生したバイオサーファクタントが使用されてもよく、すなわち、本発明の甘草中の機能性成分含有量向上剤には他の微生物によって産生されたバイオサーファクタントがさらに添加されてもよい。人工的に合成された界面活性剤と比較して、バイオサーファクタントは生物に関する毒性が低く、また、生分解性も高いため、より環境に優しい甘草中の機能性成分含有量向上剤が得られると考えられる。また、プロテオバクテリアによる脂肪酸分解を促進させるために、他の微生物が産生したバイオサーファクタントが、プロテオバクテリアによる脂肪酸分解において添加されてもよい。プロテオバクテリアによる脂肪酸の取り込みが促進される可能性がある。
本発明の甘草中の機能性成分含有量向上剤は、微生物由来の脂肪酸代謝物を含むことを特徴とするため、土壌汚染や毒性に関わる問題を引き起こすことなく、甘草中の機能性成分の含有量を増加させることができる。すなわち、本発明の甘草中の機能性成分含有量向上剤を用いることによって、安全かつ簡便に、甘草中の機能性成分の含有量を増加させることができる。
本発明によって含有量が増加する機能性成分としては、例えば、これらに限定される訳ではないが、グリチルリチン、グリチルレチン酸、イソリクイリチン、ナリンゲニン、ゲニステインなどが挙げられる。本発明の甘草中の機能性成分含有量向上剤によって、これらの機能性成分のうちの少なくとも1つが増加され得る。
本発明を適用することのできるカンゾウ属植物としては、特に限定されないが、例えば、ウラル甘草、スペイン甘草などが挙げられる。
甘草はどのように栽培されていてもよく、すなわち土壌に植え付けられていても、また水耕液に浸して栽培されていてもよい。本発明の甘草中の機能性成分含有量向上剤は、任意の方法で施用することができ、例えば、甘草の茎葉もしくは根に接触させる噴霧剤もしくは浸漬用薬剤、または、土壌灌注用薬剤として使用され得る。特殊な設備等を用意せずとも、本発明の甘草中の機能性成分含有量向上剤を散布等するだけで安全に、甘草中の機能性成分を増加させることができるため、本発明は非常に有利である。
本発明はまた、前述した栽培方法により栽培した機能性成分が増加した甘草に関する。そのような甘草は、食用として或いは化粧品や医薬品、サプリメントなどの原料として有用であると考えられる。
製造方法
本発明の脂肪酸代謝物を含む甘草中の機能性成分含有量向上剤の製造方法は、炭素数4~30の脂肪酸を0.1~8mg/lの溶存酸素濃度環境下でプロテオバクテリアに代謝させる脂肪酸代謝工程を含むことを特徴とする。
本発明における脂肪酸代謝工程は、所定の溶存酸素濃度環境下においてプロテオバクテリアが外分泌または内分泌する酵素等により炭素数4~30の脂肪酸の分解が行われる工程である。例えば、所定の溶存酸素濃度環境下、脂肪酸を含有する培地でプロテオバクテリアを培養する方法が挙げられる。
脂肪酸代謝工程における溶存酸素濃度は、0.1~8mg/lである。溶存酸素濃度が0.1mg/l未満の場合は、プロテオバクテリアの活動が低下し脂肪酸の代謝効率が極めて低くなる傾向がある。また、溶存酸素濃度が8mg/lを超える場合は、プロテオバクテリアによる代謝工程と並行して、基質である脂肪酸の培地中の酸素による分解が進行してしまい、代謝効率が低下し、ひいては有効成分である代謝産物の産生量が低下してしまう恐れがある。より好ましくは、溶存酸素濃度は0.1~5mg/lであり、さらに好ましくは0.1~4mg/lである。なお、溶存酸素濃度は株式会社堀場製作所製の溶存酸素計でPO電極に隔膜ガルバニ電極法または隔膜ポーラログラフ法により測定される値とする。
溶存酸素濃度は、培養容器、振とう数、通気量などによって、調整することができる。
脂肪酸代謝工程における培養条件は、溶存酸素濃度を所定の範囲とすること以外は、従来の好気性細菌を培養する条件と同様の条件とすることができる。例えば、フラスコによる振とうや、スピナーフラスコまたはジャーファメンターによる通気培養により3~7日間培養する方法が挙げられる。
培養日数は、脂肪酸の乳化、分解等が十分に行われる日数とすることが好ましいが、撹拌や菌量によって培養日数は変化する。なお、脂肪酸代謝工程の終了は、脂肪酸の分解状態を、波長230nmにおける吸光度の測定、薄層クロマトグラフィー(TLC)、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、ガスクロマトグラフ質量分析(GC/MS)、液体クロマトグラフ質量分析(LC/MS)等で確認することが好ましい。
脂肪酸代謝工程における温度は、使用するプロテオバクテリアに応じて適宜調整することができ、脂肪酸の代謝効率の観点から、20~30℃の条件下で実施することが好ましい。
脂肪酸代謝工程における脂肪酸およびプロテオバクテリアは、本発明の甘草中の機能性成分含有量向上剤の説明で前述したものを使用することができる。
なお、プロテオバクテリアの前培養工程としては、特に限定されず通常の好気性細菌の培養方法とすることができる。前培養液から遠心分離等により菌体のみを回収し、脂肪酸代謝工程に用いることが好ましい。
本発明において、本発明の製造方法により得られる甘草中の機能性成分含有量向上剤は、脂肪酸代謝物に加えバイオサーファクタントを含有し得る。本発明に係るバイオサーファクタントとは、微生物が疎水性の高い物質を取り込むために産生し、細胞外へと分泌する界面活性剤様の物質を意味する。本発明において、プロテオバクテリアによって分泌されたバイオサーファクタントは、脂肪酸代謝物の水への分散も容易にする。甘草中の機能性成分含有量向上剤の取扱性が向上すると考えられる。
本発明の甘草中の機能性成分含有量向上剤は、培地、バイオサーファクタントを含むプロテオバクテリアの外分泌物、菌体などとの混合物である培養液として得られる。当該培養液をそのまま本発明の甘草中の機能性成分含有量向上剤としてもよく、培養液から遠心分離などにより菌体を除去した上澄み液を甘草中の機能性成分含有量向上剤としてもよい。本発明の製造方法により得られる甘草中の機能性成分含有量向上剤は、甘草に施用される。培養液は原液のままでも使用することができるが、原液の場合は高温時に甘草への処理部分が、ミネラル分が蒸発濃縮され浸透圧の影響で縮む恐れがあるため、原液を希釈して使用することが望ましい場合がある。希釈倍率としては本発明の効果を発揮する限り特に限定されないが、10~1000倍希釈が好ましい。なお、除去した菌体を再度、脂肪酸を含有する培地で培養することにより本発明の脂肪酸代謝工程を繰り返し行うことが可能である。
本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明は実施例のみに限定されるものではない。
試験用甘草中の機能性成分含有量向上剤の調製
<前培養工程>
1l(リットル)の水にペプトン(Difco製のタンパク質酵素加水分解物)10g、イーストエキストラクト5gおよび塩化ナトリウム10gを溶解させ、121℃、20分間オートクレーブ滅菌を行い、室温まで冷却後、プロテオバクテリアの菌液を植菌した。なお、培養容器の口はシリコン栓で密栓した。植菌後の容器をバイオシェーカー(タイテック株式会社製のBR-23UM)を用い、25±5℃、120rpmの条件下で、24時間培養を行った。培養液中の菌数は5×108cells/mlであった。培養後、培養液を15,000×G、20℃の条件で遠心分離することで培養液から菌体を回収した。
<脂肪酸代謝工程>
ガラス製三角フラスコ内の1l(リットル)の滅菌水に、リノール酸(和光純薬工業株式会社製の一級リノール酸)12g、硫酸マグネシウム七水和物1.5gおよびリン酸水素二カリウム1.5g、および前培養工程から得られた菌体の全量を加えた。これを、バイオシェーカー(タイテック株式会社製のBR-23UM)を用い、20℃、120rpm、溶存酸素濃度4mg/lの条件下で、4日間培養を行った。なお、リノール酸の分解は、リノール酸中間生成物の1つである酸化脂質の培養液中の濃度を株式会社島津製作所製の分光光度計BioSpec-miniを用いて波長230nmにおける吸光度を測定することにより、確認した。培養後、菌体を含む培養液を試験用甘草中の機能性成分含有量向上剤とし、下記の評価を行った。
甘草中の機能性成分含有量向上効果
・実施例1
土耕にて、甘草(品種:ウラルカンゾウ)の幼苗5株を、直径20cm高さ30cm程度の容器に各1株で植え付け、1週間ごとに、試験用甘草中の機能性成分含有量向上剤を水で100倍希釈した希釈液を土壌灌注(200ml/株程度)で接種した。試験を開始してから6ヶ月後に、甘草根部および地上部を採取して甘草中の機能性成分の含有量を評価した。
・比較例1
試験用甘草中の機能性成分含有量向上剤を用いずに甘草の栽培を行った以外は、実施例1と同様に試験を行って、甘草中の機能性成分の含有量を評価した。
甘草中の機能性成分の評価は、実施例1と比較例1でそれぞれ採取した3株ずつ(第1株~第3株)の甘草根部と地上部とをそれぞれナイフで細かく切断し、得られた切断片を凍結乾燥により乾燥させた後、ミルで粉砕し、これらをアセトニトリル:水=1:1の溶液にてそれぞれ抽出した成分の、サーモフィッシャー社製のMS-Exactive-Focusとサーモフィッシャーサイエンティフィック社製HPLCのUltimate3000とを用いたLCMS多変量解析により行った。グリチルリチン含有量はサーモフィッシャーサイエンティフィック社製HPLCのUltimate3000を用いた標準物質比較によりその実際の濃度を比較した。LCMSは、C18カラムを用いて、溶出液としてアセトニトリルおよび0.1%酢酸水溶液を用いたグラジエント条件下で分離を行い、MSはESI方式で測定した。また、グリチルリチン含有量は、サーモフィッシャーサイエンティフィック社製HPLCのUltimate3000を用いた標準物質比較により、その実際の濃度を比較した。結果を表1および2に示した。
表1は、実施例1および比較例1の各株の甘草根部中のグリチルリチン含有量を表したものである。表2は、試験用甘草中の機能性成分含有量向上剤での処理を行っていない比較例1における機能性成分の含有量(3株の平均値)に対して実施例1において含有量(3株の平均値)の増加が見られた各成分を示しており、表2で、各成分の増加割合は、比較例1における各機能性成分の含有量を1とした場合の、試験用甘草中の機能性成分含有量向上剤で処理した場合(実施例1)の各機能性成分の含有量で計算し、結果を表した。
Figure 0007088695000001
Figure 0007088695000002
表1および2に示されるように、試験用甘草中の機能性成分含有量向上剤で処理した甘草根部は、試験用甘草中の機能性成分含有量向上剤を用いずに栽培された比較例1の甘草根部と比べて、イソリクイリチン、グリチルリチン、グリチルレチン酸等の含有量が増加していることが判明した。このうち、グリチルリチンは、試験用甘草中の機能性成分含有量向上剤によって、最もその含有量が増加されており、実際の濃度で2.0倍増加していた(表1)。また、質量分析におけるピーク強度において、根部中のイソリクイリチンが1.4倍、グリチルレチン酸が1.4倍、ナリンゲニンが1.6倍、また地上部では、ゲニステインが1.3倍、増加していた。グリチルリチンおよびグリチルレチン酸は抗炎症効果があることが知られており、また、ナリンゲニンは抗炎症作用を示し、抗酸化作用もあることなどが報告されている。ゲニステインおよびイソリクイリチンは、フラボノイドの一種であり、様々な効能が報告されている。
この結果より、本発明の甘草中の機能性成分含有量向上剤は、甘草中の機能性成分の含有量を顕著に増大させることのできる甘草中の機能性成分含有量向上剤として機能していることがわかる。また、本発明の甘草中の機能性成分含有量向上剤を使用することによって含有量の増加が観察された成分は、ストレス栽培において生成の促進および/または分解の抑制により含有量の増加が見られる成分であるため、本発明の甘草中の機能性成分含有量向上剤の機能性成分含有量向上効果は、本発明の甘草中の機能性成分含有量向上剤の抵抗性誘導効果を引き起こしたストレス効果によってもたらされたと考えられる。
また、表1の結果より、本発明の甘草中の機能性成分含有量向上剤で処理することによって、日本薬局方規格値(乾燥物でグリチルリチン2.0%以上)を満たす薬用成分含量を有する甘草根部を得ることができることが判明した。したがって、本発明の甘草中の機能性成分含有量向上剤、および、本発明の製造方法により製造される甘草中の機能性成分含有量向上剤が、甘草中の機能性成分含有量向上効果に優れた甘草中の機能性成分含有量向上剤であることがわかる。

Claims (7)

  1. リノール酸を0.1~8mg/lの溶存酸素濃度環境下でプロテオバクテリアに代謝させる脂肪酸代謝工程を含む、リノール酸代謝物を含む甘草中の機能性成分含有量向上剤の製造方法であって、
    前記機能性成分が、グリチルリチン、グリチルレチン酸、イソリクイリチン、ナリンゲニン、およびゲニステインからなる群より選択される少なくとも1種である甘草中の機能性成分含有量向上剤の製造方法
  2. 前記脂肪酸代謝工程を、Mg、P、NaおよびKから選ばれる少なくとも1種以上のミネラルの存在下で実施する請求項記載の甘草中の機能性成分含有量向上剤の製造方法。
  3. 前記プロテオバクテリアが、前培養されたプロテオバクテリアである1または2記載の甘草中の機能性成分含有量向上剤の製造方法。
  4. 前記前培養されたプロテオバクテリアが、菌数1×108~9×1010cells/mlに前培養されたプロテオバクテリアである請求項記載の甘草中の機能性成分含有量向上剤の製造方法。
  5. バイオサーファクタントを含む甘草中の機能性成分含有量向上剤の製造方法である請求項1~4のいずれか1項に記載の甘草中の機能性成分含有量向上剤の製造方法。
  6. 前記脂肪酸代謝工程を、20~30℃の条件下で実施する請求項1~5のいずれか1項に記載の甘草中の機能性成分含有量向上剤の製造方法。
  7. 甘草の茎葉もしくは根に接触させる噴霧剤もしくは浸漬用薬剤、または、土壌灌注用薬剤として機能する甘草中の機能性成分含有量向上剤の製造方法である請求項1~6のいずれか1項に記載の甘草中の機能性成分含有量向上剤の製造方法。
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