JP7088507B2 - 結晶構造解析システム及び結晶構造解析方法 - Google Patents

結晶構造解析システム及び結晶構造解析方法 Download PDF

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Description

本発明は、試料の結晶構造を解析するシステム及び方法に関する。
結晶構造を解析する場合において、10~100μm程度の大きさを有する単結晶が得られる場合、一般的には、単結晶X線回折法によって結晶構造が特定される。単結晶X線回折法においては、試料へのX線の入射角を変化させながら回折像を取得することで、3次元逆格子空間が観察される。実空間におけるフーリエマップは、分子置換法又は直接法などを用いることで逆格子空間から得られる。また、単結晶X線回折法を用いるには小さすぎる1μm以下の微結晶であっても、混ざり物のない微結晶粉末試料が得られれば、粉末X線回折法によって結晶構造が特定される場合もある。
いずれの場合も測定で得られる物理量は回折パターンであり、逆格子空間の位置情報が得られない。そのため、分子置換法又は直接法等による構造解析が必要となる。単結晶X線回折法では、3次元逆格子空間の強度が3次元データとして得られるため、3次元の実空間の構造が比較的容易に得られる。一方で、粉末X線では2θ軸への射影のみが得られる。そのため、粉末X線回折法では、単結晶X線回折よりも構造解析のために、より多くの仮定が必要となり、その結果、構造が特定されない場合もある。また、粉末試料に混ざり物が含まれている場合、粉末試料では構造解析は実質的にできない。また、いずれの手法も、電子密度の低い水素原子からの散乱強度が弱いため、水素原子の観察は容易ではない。水素原子の位置は、中性子回折によって決定することができるが、単結晶X線回折法に用いられる単結晶よりも更に大きな単結晶が必要となる。また、バックグラウンドを低減するために重水素が必要になる場合がある。
特許文献1には、透過型電子顕微鏡によって得られた蛋白質立体形状情報を用いることで、蛋白質立体形状データベースから、類似機能を有する蛋白質を検索する装置が記載されている。
特開2005-250721号公報
ところで、結晶構造を解析するための手法として、例えば、単結晶X線回折法、粉末X線回折法、単結晶中性子回折法、電子回折法、及び、固体NMR(Nuclear Magnetic Resonance:核磁気共鳴)測定法等が知られている。
単結晶X線回折法によって結晶構造を解析するためには、上述したように、10~100μm程度の大きな単結晶を用いる必要があり、1μm程度の大きさの単結晶しか得られない場合には、結晶構造を解析することができない。また、互いに原子番号の近い元素同士を区別することが困難な場合がある。また、水素原子等のように電子密度の小さい軽い元素を観測することも難しい。
粉末X線回折法によって結晶構造を解析するためには、上述したように、混ざり物のない純粋な微結晶粉末を用いる必要がある。そのため、錠剤等のように混ざり物が含まれる試料の結晶構造を解析することができない。また、分子に含まれる自由度が多すぎる場合、結晶構造を解析することができない。また、互いに原子番号の近い元素同士を区別することが困難であり、水素原子等のように電子密度の小さい軽い元素を観測することも難しい。
単結晶中性子回折法によって結晶構造を解析するためには、上述したように、単結晶X線回折法に用いられる単結晶よりも更に大きな単結晶を用いる必要がある。また、バックグラウンドを低減するために重水素置換が必要となる。また、大規模な中性子施設が必要となる。
電子回折法では、多重散乱の影響が大きくなるため、得られる回折パターンの質がX線回折法によって得られる回折パターンの質よりも劣る。そのため、水素原子の位置を特定することができず、また、互いに原子番号の近い元素同士を区別することが困難である。
固体NMR測定法によれば、原子核間の距離を測定することができるため、原理的には結晶構造を解析することができる。しかし、一般的には、結晶の全体構造を特定することが困難である。また、同位体ラベルされた試料が必要になる場合がある。
上述した手法では、例えば、1μm以下の大きさを有する結晶の構造の特定、水素の位置の特定、及び、互いに原子番号の近い元素同士の区別等ができない場合がある。
本発明の目的は、電子回折法とNMR測定法とを用いた新たな結晶構造の解析技術を提供することにある。
本発明の1つの態様は、電子回折によって試料の結晶の全体構造を測定する電子回折装置と、NMR測定によって前記結晶の局所構造を測定するNMR装置と、前記全体構造と前記局所構造とを組み合わせることで前記結晶の構造を特定する解析装置と、を含むことを特徴とする結晶構造解析システムである。
上記の構成によれば、電子回折によっては特定することができない結晶の局所構造がNMR測定によって特定され、NMR測定によっては特定することができない結晶の全体構造が電子回折によって特定される。それらの測定結果を組み合わせることで、結晶の全体構造及び局所構造を特定することができる。結晶の全体構造は、電子回折によって得られる回折パターンに基づいて特定される。結晶の局所構造は、NMR測定によって得られるNMRパラメーターに基づいて特定される。また、後述するように、量子化学計算が用いられてもよい。例えば、電子回折、NMR測定及び量子化学計算を組み合わせることで、結晶の構造を特定してもよい。
前記解析装置は、更に、前記全体構造に対して量子化学計算を適用することで前記結晶の構造を最適化し、最適化された前記全体構造と前記局所構造とを組み合わせてもよい。
前記解析装置は、前記組み合わせにおいて、電子回折によって得られた前記結晶のポテンシャルマップに、NMR測定によって得られた原子Xの帰属を当てはめてもよい。
前記NMR装置は、NMR測定によって前記結晶における原子Xと水素原子との双極子相互作用を測定することで、原子Xと水素原子との間の距離を測定し、前記解析装置は、前記組み合わせにおいて、前記距離に基づいて前記全体構造における水素原子の位置を特定してもよい。
前記NMR装置は、NMR測定によって前記結晶における原子Xと水素原子との相関測定を行い、前記解析装置は、前記組み合わせにおいて、前記相関測定の結果に基づいて、原子Xに水素原子が結合しているか否かを判断してもよい。
前記解析装置は、更に、NMR測定によって得られた前記結晶の化学シフトテンソル又は等方化学シフトに基づいて、電子回折によって測定された前記全体構造を評価してもよい。
前記解析装置は、量子化学計算によって計算された前記結晶の化学シフトテンソル又は等方化学シフトと、NMR測定によって得られた前記結晶の化学シフトテンソル又は等方化学シフトとを比較することで、前記全体構造を評価してもよい。
前記組み合わせによって複数の構造が推定される場合、前記解析装置は、前記全体構造の評価を行ってもよい。
前記解析装置は、更に、電子回折によって得られた前記結晶の3次元の逆格子空間を再構成することで前記全体構造を特定してもよい。
前記電子回折装置は、前記試料を回転させながら電子回折による測定を実行してもよい。
前記電子回折装置は、前記試料を回転させつつ電子線を傾斜させて前記試料に照射することで電子回折による測定を実行してもよい。
また、本発明の1つの態様は、電子回折によって試料の結晶の全体構造を測定し、NMR測定によって前記結晶の局所構造を測定し、前記全体構造と前記局所構造とを組み合わせることで前記結晶の構造を特定する、ことを特徴とする結晶構造解析方法である。
前記全体構造に対して量子化学計算を適用することで前記結晶の構造を最適化し、最適化された前記全体構造と前記局所構造とを組み合わせてもよい。
NMR測定によって前記結晶における原子Xと水素原子との双極子相互作用を測定することで、原子Xと水素原子との間の距離を測定し、前記組み合わせにおいて、前記距離に基づいて前記全体構造における水素原子の位置を特定してもよい。
NMR測定によって前記結晶における原子Xと水素原子との相関測定を行い、前記組み合わせにおいて、前記相関測定に基づいて、原子Xに水素原子が結合しているか否かを判断してもよい。
量子化学計算によって計算された前記結晶の化学シフトテンソル又は等方化学シフトと、NMR測定によって得られた前記結晶の化学シフトテンソル又は等方化学シフトとを比較することで、前記全体構造を評価してもよい。
本発明によれば、電子回折法とNMR測定法とを用いた新たな結晶構造の解析技術を提供することができる。
本発明の実施形態に係る結晶構造解析システムを示すブロック図である。 本実施形態に係る解析処理の流れを示す図である。 試料のTEM(Transmission Electron Microscope)像を示す図である。 試料のポテンシャルマップを示す図である。 試料のコンホメーションの一例を示す図である。 試料のコンホメーションの一例を示す図である。 試料のコンホメーションの一例を示す図である。 計算で得られた化学シフトと実測の化学シフトとの比較結果を示す図である。 計算で得られたエネルギーを示す図である。
以下、図1を参照して、本発明の実施形態に係る結晶構造解析システムについて説明する。図1は、本実施形態に係る結晶構造解析システムの一例を示す。
本実施形態に係る結晶構造解析システム10は、一例として、透過型電子顕微鏡(TEM装置)12、NMR装置(核磁気共鳴装置)14、及び、解析装置16を含む。透過型電子顕微鏡12、NMR装置14及び解析装置16は、例えば、ネットワーク等の通信経路によって互いに接続されている。透過型電子顕微鏡12及びNMR装置14として、それぞれ公知の装置が用いられる。なお、透過型電子顕微鏡12は、電子回折装置の一例に相当する。
透過型電子顕微鏡12は、電子銃、電子レンズ、偏向系、試料支持台及び電子線検出器等を含む。電子銃から射出された電子ビームは、電子レンズ及び偏向系を介して、試料支持台によって支持されている試料上に収束されて試料を透過する。試料を透過した電子は電子線検出器によって検出される。その検出によって生成された信号は増幅及びAD変換され、その後、解析装置16に送信される。試料支持台の傾きを変えることで、試料に照射される電子線の照射方向を変えてもよい。また、試料への電子線の入射角を変えることで、電子線の照射方向を変えてもよい。もちろん、試料支持台の傾き及び電子線の入射角の両方を変えてもよい。本実施形態では、透過型電子顕微鏡12によって電子回折法が実行されることで、試料の結晶の全体構造が測定される。ここで得られる全体構造には、後述するように不確定さがあり、1つの構造を特定することができない。この点については後で詳しく説明する。電子回折法として、例えば、制限視野電子回折(SAED:Selected Area Electron Diffraction)、極微電子回折法(NBD:Nano Beam electron Diffraction)、又は、収束電子回折法(CBED:Convergent Beam Electron Diffraction)等が実行される。これらは一例に過ぎず、他の電子回折法が実行されてもよい。
NMR装置14は、静磁場中に配置された試料に高周波信号を照射し、その後、試料から出る微小な高周波信号(NMR信号)を検出し、NMR信号に含まれる分子構造情報を抽出することで分子構造を解析する装置である。NMR装置14によって各種のNMRパラメーターが取得され、当該各種のNMRパラメーターは解析装置16に送信される。本実施形態では、NMR装置14によるNMR測定によって、試料の結晶の局所構造が測定される。NMR測定によれば、原子が存在する局所的な構造を特定することができるが、結晶の全体構造を特定することは困難である。この点については後で詳しく説明する。
解析装置16は、透過型電子顕微鏡12による電子回折によって測定された結晶の全体構造と、NMR装置14によって測定された当該結晶の局所構造とを組み合わせることで、当該結晶の分子構造を決定するように構成された装置である。解析装置16は、例えば第一原理に基づく量子化学計算を実行することで、結晶構造の最適化及び評価を行ってもよい。量子化学計算として、例えば公知の計算方法が用いられる。解析装置16は、例えば、CPU(Central Processing unit)等のプロセッサ、メモリ又はハードディスク等の記憶装置、及び、ユーザーインターフェース等を備えたコンピュータである。ユーザーインターフェースは、例えば、ディスプレイと、キーボード等の入力装置とによって構成されている。解析装置16による解析処理は、一例として、ハードウェアとソフトウェアとの協働によって実現される。例えば、プロセッサが、記憶装置に記憶されているプログラムを読み出して実行することで、解析装置16による解析処理が実現される。別の例として、解析装置16による解析処理は、電子回路又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェアにより実現されてもよいし、DSP(Digital Signal Processor)又はFPGA(Field Programmable Gate Array)等によって実現されてもよい。解析装置16による解析結果を示す情報が、ディスプレイに表示されてもよい。
以下、図2を参照して、結晶構造解析システム10の動作(結晶構造解析方法)について詳しく説明する。図2は、結晶構造解析システム10による処理の流れの一例を示す。本実施形態では、大別して、(1)電子回折による全体構造の特定、(2)NMR測定によるパラメーターの収集(局所構造の特定)、及び、(3)量子化学計算による構造の最適化と評価が行われる。
以下、(1)電子回折による全体構造の特定について説明する。まず、透過型電子顕微鏡12によって試料のTEM像を撮影する。当該TEM像は、例えば解析装置16に表示される。測定者は、当該TEM像に表された結晶を参照し、構造決定の対象となる微結晶を選択する(ステップS1)。次に、透過型電子顕微鏡12によって当該微結晶に電子回折法が適用されることで当該微結晶の全体構造を表す回折パターンが得られ、当該回折パターンが解析されることで3次元逆格子が得られる(ステップS2)。当該解析は、透過型電子顕微鏡12によって行われてもよいし、解析装置16によって行われてもよい。
電子回折による構造決定は、3次元逆格子空間から再構築される。逆格子は、以下の(a)~(d)のいずれかの方法によって透過型電子顕微鏡12によって測定された回折パターンから得られる。
(a)電子線照射の下で連続的に試料を回転させながら回折パターンを測定する。
(b)試料を回転させる、電子線を傾斜させる、又は、試料の回転と電子線の傾斜との組み合わせによって、試料と電子線の配置を様々に変化させ、それぞれの配置における回折パターンを測定する。
(c)試料を回転させる、電子線を傾斜させる、又は、試料の回転と電子線の傾斜との組み合わせによって、試料と電子線の配置を様々に変化させ、その上で、電子線を小さな角度で振動、歳差運動又は回転させて回折パターンを測定する。
(d)電子線照射の下で連続的に試料を回転させながら、電子線を小さな角度で振動、歳差運動又は回転させて回折パターンを測定する。
次に、上記のようにして得られた3次元逆格子に対して公知の結晶構造解析及び構造最適化を適用する(ステップS3)。これにより、測定対象の微結晶の全体構造が得られる。例えば、当該全体構造のポテンシャルマップが得られる。3次元逆格子からポテンシャルマップを得る方法として、公知の方法を用いることができる。ステップS3の処理は、透過型電子顕微鏡12によって行われてもよいし、解析装置16によって行われてもよい。
ステップS1にて複数の微結晶が選択され、当該複数の微結晶のそれぞれに対してステップS2の処理が実行されてもよい。
次に、ステップS3にて得られた全体構造(例えばポテンシャルマップ)に対して、仮に、炭素原子、窒素原子、酸素原子及び水素原子を、試料の分子構造に基づいて配置する(ステップS4)。この配置は、解析装置16によって自動的に行われてもよいし、測定者によるマニュアル操作によって行われてもよい。その配置を自動的に行う公知のソフトウェアが用いられてもよい。自動配置処理とマニュアル操作とを組み合わせてもよい。例えば、自動配置処理によって各原子が自動的に配置された後に、マニュアル操作によって各原子の配置が変更されてもよい。
上記のようにして得られる構造にはいくつかの不確定さがある。例えば、有機物を例に挙げると、炭素原子、窒素原子及び酸素原子といった互いに原子番号の近い元素同士を見分けることができず、分子のコンホメーション(conformation)を1つに確定することができない。また、水素原子の位置を特定することができないため、可能性のある(確からしい)構造の数が更に増えてしまう。従って、電子回折によれば、微結晶の全体構造について複数の候補が生成される場合がある。
なお、ステップS4の処理にて、後述するNMR測定によって得られた原子間距離の情報を原子の配置処理に反映させることで、各原子を全体構造に配置してもよい。例えば、解析装置16は、全体構造(ポテンシャルマップ)において、NMR測定によって得られた原子X、Y間の距離を有する構造の部分に、原子X及び原子Yを配置する。
以下、(2)NMR測定によるパラメーターの収集(局所構造の特定)について説明する。NMR装置14によって、試料の局所的な構造情報が反映されたNMRパラメーターを測定する。固体NMR測定として、例えば、双極子相互作用の測定による原子間距離の測定、化学シフトテンソルの測定、等方化学シフトの測定、相関測定、四極子テンソルの測定、及び、NMRピーク位置の測定の中の少なくとも1つの測定が行われる。もちろん、これら以外のNMRパラメーターが測定されてもよい。これらのNMRパラメーターは、原子が存在する局所的な構造に非常に敏感であることが知られている。また、NMR信号の帰属を行うことで(NMRスペクトル中の各信号がどの原子に由来するのか帰属することで)、それぞれのNMRパラメーターが分子のどの位置の局所情報を含んでいるのかを同定することができる。また、NMR信号の帰属と局所情報とから電子回折で得られた全体構造の確からしさを検証することができる。NMR信号を用いた上記の解析は、例えば解析装置16によって行われる。なお、固体NMR測定によれば、試料の局所的な構造を得ることができるが、試料の全体構造を得ることは困難である。
解析装置16は、電子回折によって得られた全体構造(ポテンシャルマップ)に、NMR測定によって得られた原子Xの帰属を当てはめてもよい。上記のように、NMRパラメーターが分子のどの位置の局所情報を含んでいるのかを同定することができるので、例えば、解析装置16は、その同定の結果を利用することで、各原子を全体構造に配置してもよい。
また、NMR装置14は、原子Xと水素原子との双極子相互作用を測定することで、原子Xと水素原子との間の距離を測定し、解析装置16は、当該距離に基づいて全体構造(ポテンシャルマップ)における水素原子の位置を特定してもよい。
また、NMR装置14は、原子Xと水素原子との相関測定を行い、解析装置16は、当該相関測定の結果に基づいて、原子Xに水素原子が結合しているか否かを判断してもよい。
なお、原子Xは、特に限定されるものではなく、水素原子であってもよい。
以下、(3)量子化学計算による構造の最適化について説明する。透過型電子顕微鏡12による電子回折の測定結果を示す情報、及び、NMR装置14による固体NMR測定の結果を示す情報は、解析装置16に出力される。解析装置16は、電子回折によって得られた1又は複数の全体構造の候補に対して量子化学計算を適用することで、各全体構造の候補を最適化する(ステップS5)。解析装置16は、各全体構造の候補に量子化学計算を適用することで、各候補について原子間距離を計算してもよい。また、解析装置16は、各全体構造の候補に対して量子化学計算を適用することで、各候補についてNMRパラメーターを計算する(ステップS6)。ここで計算されるNMRパラメーターは、上記の複数のNMRパラメーターの中の少なくとも1つである。
次に、解析装置16は、計算によって得られたNMRパラメーターとNMR装置14によって測定されたNMRパラメーター(実測パラメーター)とを比較することで、各候補について、全体構造の確からしさを評価し、その評価結果に基づいて、最終的な構造を決定する(ステップS7)。
なお、ステップS5の処理(全体構造の最適化)によって、複数の候補から1つの結晶構造が特定されることがある。この場合、ステップS6の処理(NMRパラメーターの計算)及びステップS7の処理(比較処理)は行われなくてもよい。例えば、ステップS1~S4の処理によって全体構造の複数の候補が生成され、ステップS5の処理によって1つの結晶構造が特定されない場合に、ステップS6,S7の処理が行われてもよい。同様に、ステップS6の処理によって得られたNMRパラメーターとNMR装置14によって測定されたNMRパラメーターの実測値との比較結果によって、複数の候補から1つの結晶構造が特定されることがある。この場合、ステップS5の処理(全体構造の最適化)は行われなくてもよい。
(実施例)
以下、実施例について説明する。一例として、orthorhombic L-histidine(本実施例の試料)の構造を決定するものとする。
まず、透過型電子顕微鏡12によって当該試料のTEM像を撮影した。図3は、当該TEM像18を示す。測定者は、当該TEM像を観察して、結晶構造の特定処理の対象となる微結晶を選択する。例えば、TEM像18において丸印20で示された部分の微結晶が選択された。当該微結晶は1μm程度の大きさを有する。そして、透過型電子顕微鏡12によって当該微結晶に電子線を照射し、試料を連続的に回転させながら、一連の回折パターンを得た。ここでは、5つの結晶からの回折パターンを解析することで3次元逆格子を得た。そして、直接法によって3次元逆格子に基づいて構造解析を行うことで、図4に示されているポテンシャルマップ22を得た。これらの解析は、例えば、解析装置16によって行われる。
ここで、仮にポテンシャルマップ22に分子を重ね合わせたとしても、水素原子の位置が定まらない。炭素原子、窒素原子及び酸素原子の区別がつかないという不明瞭性があり、電子回折からは、図5から図7に示されている12個のコンホメーションがいずれも等しく確からしい。図5から図7には、電子回折から得られたコンホメーションが示されている。図5には、コンホメーション24A~24Dが示されており、図6には、コンホメーション26A~26Dが示されており、図7には、コンホメーション28A~28Dが示されている。イミダゾール環に含まれる2つの窒素原子のうちどちらに水素原子が結合しているのかが特定されず、いずれの構造も確からしい。従って、この点に関する構造の候補として、2つのコンホメーション(2つの選択肢)がとり得る。また、イミダゾール環の向きとして2つの向きが考えられるため、この点に関する構造の候補として、2つのコンホメーション(2つの選択肢)がとり得る。更に、試料がZwitterion(双性イオン)であるか否かが特定されず、この点に関する構造の候補として、3つのコンホメーション(3つの選択肢)がとり得る。従って、電子回折からは、合計で12個(=2×2×3)のコンホメーションが、確からしい全体構造として特定され、1つの構造を決定することができない。なお、分子の重ね合わせは、解析装置16によって行われてもよいし、測定者によって行われてもよい。
次に、NMR装置14によって上記試料のNMRパラメーターを測定した。ここでは、1H/14N相関NMR測定を行った。この測定によって、orthorhombic L-histidineはZwitterionとなっており、イミダゾール環に含まれる2つの窒素原子のうち1つのみに水素原子が結合していることが確認された(Acta Cryst. (2017). C73, 219-228参照)。これは、1H/14N相関スペクトルに2つの信号のみが観測されたことと(イミダゾール環に含まれる2つの窒素原子のうち1つに水素原子が結合し、もう1つには水素原子が結合していない)、1H/14Nピークのうち1つが14N:-250ppm付近に観測されたこと(NH3+となることにより14Nの四極子定数が小さくなり、シフトが小さくなった)から導き出せる。このことから、上記の12個のコンホメーションのうちコンホメーション26A~26D,28A~28Dの可能性を除外することができ、構造の候補を、コンホメーション24A~24Dの4つの構造に絞ることができる。また、1H、13C及び14Nの等方化学シフトの測定、及び、1Hと15Nとの間の原子間距離の測定を行った。なお、電子回折とNMR測定の順番は特に限定されるものではなく、いずれかが先に行われてもよいし、同じタイミングで行われてもよい。
次に、量子化学計算によって構造の最適化及び評価を行った。コンホメーション24A~24Dに対して、固体NMR測定によって得られた1Hと15Nと間の原子間距離を適用することで、固体NMR測定によって得られた当該原子間距離を有するコンホメーションを選択した。この処理は、解析装置16によって行われてもよいし、測定者によって行われてもよい。また、コンホメーション24A~24Dに量子化学計算を適用することで、コンホメーション24A~24Dのそれぞれのエネルギー及び化学シフトを計算した。計算で得られた化学シフトと固体NMR測定によって得られた化学シフトとを比較し、両者のRMSD(Root Mean Square Deviation:平均二乗偏差)を計算した。これらの計算は、解析装置16によって行われる。
図8は、各コンホメーションについての化学シフトのRMSDを示す。図9は、各コンホメーションの計算されたエネルギーを示す。図8において、横軸はコンホメーションを示し、縦軸は計算されたRMSDを示す。図9において、横軸はコンホメーションを示し、縦軸は計算されたエネルギーを示す。
図8は、13Cについての化学シフトのRMSD、1H(proton)についての化学シフトのRMSD、及び、15Nについての化学シフトのRMSDを示す。例えば、符号30,32,34は、コンホメーション24Aについての化学シフトのRMSDを指し示している。符号30は、13Cについての化学シフトのRMSDを指し示し、符号32は、1Hについての化学シフトのRMSDを指し示し、符号34は、15Nについての化学シフトのRMSDを指し示している。コンホメーション24B~24Dについても同様に、左側から13C、1H及び15Nの順番で、各化学シフトのRMSDが示されている。
図8を参照すると、1H(proton)、13C及び15Nのいずれにおいても、コンホメーション24AのRMSDが他のコンホメーションのRMSDよりも小さくなっている。このことは、コンホメーション24Aが最も確からしい構造であることを示している。また、図9を参照すると、コンホメーション24Aのエネルギーが他のコンホメーションのエネルギーよりも小さくなっている。このことは、コンホメーション24Aが最も安定した構造であることを示している。また、コンホメーション24Aに対する量子化学計算によって得られた1H-15N間の距離は、固体NMR測定によって得られた距離(実測値)とよく一致した。上記の評価によれば、コンホメーション24Aが、試料の最も確からしい構造として特定される。RMSDの比較、エネルギーの比較、原子間距離の比較、及び、最も確からしい構造の決定は、解析装置16によって行われてもよいし、測定者によって行われてもよい。例えば、RMSDのグラフ(図8)及びエネルギーのグラフ(図9)が解析装置16によって作成されてディスプレイに表示されて、測定者が、それらのグラフを参照することで、最も確からしい構造を特定してもよい。
以上のように、電子回折、固体NMR測定、及び、量子化学計算を組み合わせることで、orthorhombic L-histidine(本実施例の試料)の構造を特定することができた。
上記の実施例では、量子化学計算が用いられているが、電子回折と固体NMR測定との組み合わせによって構造を決定することができる場合には、量子化学計算は用いられなくても良い。例えば、電子回折によって得られた複数のコンホメーションの中から、固体NMR測定によって得られた複数のNMRパラメーター(実測値)を用いて1つのコンホメーションを決定することができる場合、量子化学計算が実行されなくてもよい。試料の構造によっては、水素原子の位置、NMRピークの位置及び化学シフト等のNMRパラメーターによって、最も確からしい構造を特定することができ、この場合には、量子化学計算は不要である。
本実施形態によれば、1μm以下の大きさを有する結晶であっても結晶構造を特定することができる。従って、大きな結晶を作製することが困難な試料であっても結晶構造を特定することができる。
なお、試料の厚さによっては、電子線が試料を透過し難くなる場合がある。その場合には、電子線が試料を透過しやすいにように、厚さの薄い試料を用いればよい。例えば、3μm以上の厚さを有する試料は、電子線が透過し難い場合があり、その場合は、より薄い試料を用いればよい。
以上のように、本実施形態によれば、電子回折法を適用することで、大きさが1μm以下の微細な結晶の全体構造を特定することができる。電子線の相互作用は、X線の相互作用よりも圧倒的に強いため、このような非常に小さい微結晶からであっても回折パターンが得られるからである。また、固体NMR測定(必要に応じて量子化学計算)を用いることで、電子回折では特定できない水素原子の位置を特定することができる。また、固体NMR測定(必要に応じて量子化学計算)を用いることで、電子回折では区別することができない互いに原子番号の近い元素(実施例では、炭素原子、窒素原子、酸素原子)の区別をすることができる。また、電子回折、固体NMR測定及び量子化学計算を組み合わせることで、微細な結晶の構造の最適化を行うことができる。また、混ざり物を含む試料であっても、その試料から微細な単結晶を選択し、その選択された単結晶を解析することで、構造を特定することができる。
上記の実施例では、orthorhombic L-histidineが試料として用いられているが、これは一例に過ぎず、他の試料についても、電子回折及びNMR測定の組み合わせ、又は、電子回折、NMR測定及び量子化学計算の組み合わせによって、最も確からしい結晶構造を特定することができる。
例えば、MOF(metal organic framework)等の結晶性の高い試料、大きな単結晶を作製することが困難な試料、及び、医薬品の錠剤等のように混ざり物が含まれる試料等が、本実施形態に係る試料として用いられてもよい。このような試料の結晶構造は、従来の粉末X線回折法又は単結晶X線回折法では特定することができないが、本実施形態によれば、そのような結晶構造であっても特定することができる。
10 結晶構造解析システム、12 透過型電子顕微鏡、14 NMR装置、16 解析装置。

Claims (16)

  1. 電子回折によって試料の結晶の全体構造を測定する電子回折装置と、
    NMR測定によって前記結晶の局所構造を測定するNMR装置と、
    前記全体構造と前記局所構造とを組み合わせることで前記結晶の構造を特定する解析装置と、
    を含み、
    前記解析装置は、更に、前記全体構造に対して量子化学計算を適用することで前記結晶の構造を最適化し、最適化された前記全体構造と前記局所構造とを組み合わせる、
    ことを特徴とする結晶構造解析システム。
  2. 請求項1に記載の結晶構造解析システムにおいて、
    前記解析装置は、前記組み合わせにおいて、電子回折によって得られた前記結晶のポテンシャルマップに、NMR測定によって得られた原子Xの帰属を当てはめる、
    ことを特徴する結晶構造解析システム。
  3. 請求項1又は請求項に記載の結晶構造解析システムにおいて、
    前記NMR装置は、NMR測定によって前記結晶における原子Xと水素原子との双極子相互作用を測定することで、原子Xと水素原子との間の距離を測定し、
    前記解析装置は、前記組み合わせにおいて、前記距離に基づいて前記全体構造における水素原子の位置を特定する、
    ことを特徴とする結晶構造解析システム。
  4. 請求項1又は請求項に記載の結晶構造解析システムにおいて、
    前記NMR装置は、NMR測定によって前記結晶における原子Xと水素原子との相関測定を行い、
    前記解析装置は、前記組み合わせにおいて、前記相関測定の結果に基づいて、原子Xに水素原子が結合しているか否かを判断する、
    ことを特徴とする結晶構造解析システム。
  5. 請求項1又は請求項に記載の結晶構造解析システムにおいて、
    前記解析装置は、更に、NMR測定によって得られた前記結晶の化学シフトテンソル又は等方化学シフトに基づいて、電子回折によって測定された前記全体構造を評価する、
    ことを特徴とする結晶構造解析システム。
  6. 電子回折によって試料の結晶の全体構造を測定する電子回折装置と、
    NMR測定によって前記結晶の局所構造を測定するNMR装置と、
    前記全体構造と前記局所構造とを組み合わせることで前記結晶の構造を特定する解析装置と、
    を含み、
    前記解析装置は、更に、NMR測定によって得られた前記結晶の化学シフトテンソル又は等方化学シフトに基づいて、電子回折によって測定された前記全体構造を評価する、
    ことを特徴とする結晶構造解析システム。
  7. 請求項5又は請求項6に記載の結晶構造解析システムにおいて、
    前記解析装置は、量子化学計算によって計算された前記結晶の化学シフトテンソル又は等方化学シフトと、NMR測定によって得られた前記結晶の化学シフトテンソル又は等方化学シフトとを比較することで、前記全体構造を評価する、
    ことを特徴とする結晶構造解析システム。
  8. 請求項5から請求項7のいずれか一項に記載の結晶構造解析システムにおいて、
    前記組み合わせによって複数の構造が推定される場合、前記解析装置は、前記全体構造の評価を行う、
    ことを特徴とする結晶構造解析システム。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の結晶構造解析システムにおいて、
    前記解析装置は、更に、電子回折によって得られた前記結晶の3次元の逆格子空間を再構成することで前記全体構造を特定する、
    ことを特徴とする結晶構造解析システム。
  10. 電子回折によって試料の結晶の全体構造を測定する電子回折装置と、
    NMR測定によって前記結晶の局所構造を測定するNMR装置と、
    前記全体構造と前記局所構造とを組み合わせることで前記結晶の構造を特定する解析装置と、
    を含み、
    前記解析装置は、更に、電子回折によって得られた前記結晶の3次元の逆格子空間を再構成することで前記全体構造を特定する、
    ことを特徴とする結晶構造解析システム。
  11. 請求項9又は請求項10に記載の結晶構造解析システムにおいて、
    前記電子回折装置は、前記試料を回転させながら電子回折による測定を実行する、
    ことを特徴とする結晶構造解析システム。
  12. 請求項9又は請求項10に記載の結晶構造解析システムにおいて、
    前記電子回折装置は、前記試料を回転させつつ電子線を傾斜させて前記試料に照射することで電子回折による測定を実行する、
    ことを特徴とする結晶構造解析システム。
  13. 電子回折によって試料の結晶の全体構造を測定し、
    NMR測定によって前記結晶の局所構造を測定し、
    前記全体構造と前記局所構造とを組み合わせることで前記結晶の構造を特定
    前記全体構造と前記局所構造とを組み合わせることにおいては、前記全体構造に対して量子化学計算を適用することで前記結晶の構造を最適化し、最適化された前記全体構造と前記局所構造とを組み合わせる、
    ことを特徴とする結晶構造解析方法。
  14. 求項13に記載の結晶構造解析方法において、
    NMR測定によって前記結晶における原子Xと水素原子との双極子相互作用を測定することで、原子Xと水素原子との間の距離を測定し、
    前記組み合わせにおいて、前記距離に基づいて前記全体構造における水素原子の位置を特定する、
    ことを特徴とする結晶構造解析方法。
  15. 求項13に記載の結晶構造解析方法において、
    NMR測定によって前記結晶における原子Xと水素原子との相関測定を行い、
    前記組み合わせにおいて、前記相関測定に基づいて、原子Xに水素原子が結合しているか否かを判断する、
    ことを特徴とする結晶構造解析方法。
  16. 請求項1から請求項15のいずれか一項に記載の結晶構造解析方法において、
    量子化学計算によって計算された前記結晶の化学シフトテンソル又は等方化学シフトと、NMR測定によって得られた前記結晶の化学シフトテンソル又は等方化学シフトとを比較することで、前記全体構造を評価する、
    ことを特徴とする結晶構造解析方法。
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