JP7084629B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、所定条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な状態を発生可能な遊技機に関する。
従来、遊技機の代表例としてパチンコ機がある。このパチンコ機では、遊技領域に設けられた始動口に遊技球が入賞すること(始動入賞)に基づいて、遊技領域に設けられた変動表示装置に表示される複数の識別情報(図柄、記号など)を変動表示する変動表示ゲームを実行可能となっている。また、変動表示ゲームに関連した各種の演出も実行可能となっている(例えば特許文献1参照)。
特開2015-107383号公報
このような遊技機では複数種類の演出が用意され、演出制御装置にはそれぞれの演出に対応する画像データを別個に記憶している。遊技機の開発過程においては、演出に使用する画像データの作成や、演出全体の流れの構成など、各演出について様々な作業が必要であり、これらの作業を効率よく進めることができるようにする必要がある。本発明の目的は、遊技機の開発の効率を高めることである。
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
所定条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な状態を発生可能な遊技機において、
画像を表示する表示装置と、
画像のデータを記憶する画像記憶手段と、
前記表示装置を制御する演出制御手段と、を備え、
前記演出制御手段は、
各々に画像を描画可能な複数のレイヤーを統合することにより前記表示装置に表示する画像を生成するように構成され、
前記表示装置に表示する画像には仮画像である特定画像を含めて描画可能であり、
当該特定画像が準備された場合であり、当該特定画像を差し替える所定画像が前記画像記憶手段に記憶されている場合には、当該特定画像を前記所定画像に差し替えて前記表示装置に表示
当該遊技機が完成品である場合には、前記特定画像を前記所定画像に差し替えて前記表示装置に表示するので、前記特定画像を前記表示装置に表示することがないことを特徴とする。
本発明によれば、遊技機の開発の効率を高めることができる。
本発明の一実施形態の遊技機を前面側から見た斜視図である。 遊技盤の正面図である。 入賞装置を説明する図である。 一括表示装置の詳細を説明する図である。 演出操作部の詳細を説明する図である。 遊技機の制御系の構成例を示すブロック図である。 遊技機の制御系の構成例を示すブロック図である。 メイン処理を説明するフローチャートである。 メイン処理を説明するフローチャートである。 タイマ割込み処理を説明するフローチャートである。 特図ゲーム処理を説明するフローチャートである。 始動口スイッチ監視処理を説明するフローチャートである。 特図始動口スイッチ共通処理を説明するフローチャートである。 特図保留情報判定処理を説明するフローチャートである。 先読み大当り判定処理を説明するフローチャートである。 大入賞口スイッチ監視処理を説明するフローチャートである。 特図普段処理を説明するフローチャートである。 (a)は特図1変動開始処理を説明するフローチャートであり、(b)は特図2変動開始処理を説明するフローチャートである。 大当り判定処理を説明するフローチャートである。 特図1停止図柄設定処理を説明するフローチャートである。 特図2停止図柄設定処理を説明するフローチャートである。 変動開始情報設定処理を説明するフローチャートである。 特図変動中処理を説明するフローチャートである。 特図表示中処理を説明するフローチャートである。 ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1を説明するフローチャートである。 ファンファーレ/インターバル中処理を説明するフローチャートである。 大当り終了処理を説明するフローチャートである。 (a)は大当り終了設定処理1を説明するフローチャートであり、(b)は大当り終了設定処理2を説明するフローチャートである。 大当り終了設定処理3を説明するフローチャートである。 演出制御装置でのメイン処理を説明するフローチャートである。 受信コマンドチェック処理を説明するフローチャートである。 受信コマンド解析処理を説明するフローチャートである。 仮想描画空間(フレームバッファ)のデータ構成の一例を示す図である。 単発系コマンド処理を説明するフローチャートである。 変動系コマンド処理を説明するフローチャートである。 変動演出設定処理を説明するフローチャートである。 予告演出設定処理1を説明するフローチャートである。 表示装置での表示の一例を説明する図である。 ステップアップ予告の一例を説明する図である。 仮画像の別例を説明する図である。 仮画像データの格納位置の例を説明する図である。 示唆演出の実行割合を説明する図である。 示唆演出設定処理を説明するフローチャートである。 停電発生時の制限期間を説明する図である。 制限期間設定処理を説明するフローチャートである。 先読み図柄系コマンド処理を説明するフローチャートである。 先読み変動系コマンド処理を説明するフローチャートである。 制限期間管理処理を説明するフローチャートである。 待機報知表示を用いた演出の一例を説明する図である。 待機報知表示を用いた演出の一例を説明する図である。 待機報知表示を用いた演出の別例を説明する図である。 待機報知表示を用いた演出の別例を説明する図である。 待機報知表示を用いた演出の別例を説明する図である。 待機報知表示を用いた演出の別例を説明する図である。
<第1実施形態>
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態の遊技機の説明図である。
本実施形態の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は外枠(支持枠)11にヒンジ13を介して開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(本体枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠15(透明板保持枠)が取り付けられている。
また、ガラス枠15の上部には、内部にランプ及びモータを内蔵した照明装置(ムービングライト)16や払出異常報知用のランプ(LED)17が設けられている。また、ガラス枠15の左右には内部にランプ等を内蔵し装飾や演出のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21(貯留皿)、遊技機10の裏面側に設けられている払出ユニットから払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿(受皿)23及び打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付ける演出操作部550が設けられている。この演出操作部550は、遊技者からの押圧操作入力を受け付けるための演出ボタンスイッチ25aを内蔵した演出ボタン25であり、さらに、演出ボタン25の上面(押圧面)には、遊技者からの接触操作入力を受け付けるためのタッチパネル29が設けられている。また、前面枠12下部右側には、前面枠12やガラス枠15を開放したり施錠したりするための鍵26が設けられている。
なお、本実施形態ではタッチパネル29を演出ボタン25と一体的に設けたが、タッチパネル29は、演出ボタン25と別体であってもよく、例えば、演出ボタン25の近傍にサブ表示装置を設け、そのサブ表示装置の表示面にタッチパネル29を設けてもよい。
また、上皿21上方のガラス枠15の前面には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。この実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32に向かって発射する。また、遊技者が演出操作部550を操作することによって、表示装置41(図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行うことができる。
次に、図2を用いて遊技盤30の一例について説明する。図2は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置41を備えたセンターケース(遊技演出構成体)40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。すなわち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出し周囲の遊技領域32から遊技球が飛び込みにくくするように形成されている。
表示装置41(変動表示装置)は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等の遊技に関する情報が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
また、センターケース40の右上部には、動作することによって遊技の演出を行う盤演出装置44が備えられている。盤演出装置44は、先端部にサブ表示装置42が取り付けられたアームを2本備えており、アームが基端部を中心に回動することによって、サブ表示装置42を、表示装置41に対して前後方向に重なる状態と重ならない状態とに変換させることが可能となっている。
遊技領域32におけるセンターケース40の下方右側には、普図変動表示ゲームの開始条件を与える普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲート34に入賞した遊技球は、ゲートスイッチ34a(図6参照)により検出される。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の下方左側には、三つの左側一般入賞口35が配置され、センターケース40の下方右側であって普図始動ゲート34よりも下側には、一つの右側一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ35a(図6参照)により検出される。
普図始動ゲート34を通過した遊技球は、普図始動ゲート34の下方に設けられた右側一般入賞口35へ流入可能となっている。普図始動ゲート34の下方に設けられた複数の障害釘によって、普図始動ゲート34を通過した遊技球の一部のみが普図始動ゲート34の下方に設けられた右側一般入賞口35へ流入可能とされているとともに、当該右側一般入賞口35へは普図始動ゲート34を通過していない遊技球が流入しないようにされている。
また、普図始動ゲート34の前面には確率設定値を示唆する第1示唆演出を実行可能な第1表示部621が設けられている。第1示唆演出は普図始動ゲート34への遊技球の通過に基づき実行可能となっている。また、普図始動ゲート34の下方に位置する右側一般入賞口35の前面には確率設定値を示唆する第2示唆演出を実行可能な第2表示部622が設けられている。第2示唆演出は当該一般入賞口35への遊技球の通過に基づき実行可能となっている。
また、普図始動ゲート34の左方には、第2特図変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)の開始条件を与える普通変動入賞装置37(始動入賞口、始動入賞領域)が設けられている。
普通変動入賞装置37は、上端側が右側に倒れる方向に回動することで開放して遊技球が流入し易い状態に変換可能な可動部材37bと、遊技球の流入を規制する隔壁37dとを備えている。可動部材37bは、常時は起立することで隔壁37dとの間隔を遊技球の直径以下にした状態、すなわち遊技球が流入できない閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図6参照)によって、普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。普通変動入賞装置37に入賞した遊技球は、始動口2スイッチ37a(図6参照)により検出される。
さらに、普通変動入賞装置37の下方には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が配設されている。
特別変動入賞装置38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉38cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。すなわち、特別変動入賞装置38は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図6参照)により駆動される開閉扉38cによって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としての大入賞口スイッチ(カウントスイッチ)38a(図6参照)が配設されている。本実施形態の遊技機では、大入賞口スイッチ38aが2つ設けられ、大入賞口内に流入した遊技球は何れかの大入賞口スイッチ38aに検出されるようになっている。このように大入賞口スイッチ38aを複数設けることで、大入賞口内に流入した遊技球を迅速に検出できる。
また、センターケース40の下方には、第1特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)の開始条件を与える第1始動入賞口36(始動入賞口、始動入賞領域)および第2特図変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)の開始条件を与える第2始動入賞口97(始動入賞口、始動入賞領域)を備える入賞装置90が設けられている。
入賞装置90は、上部の流入口90aに流入した遊技球を内部で第1始動入賞口36と第2始動入賞口97とに交互に振り分ける振分部材92を備えている(図3参照)。第1始動入賞口36に入賞した遊技球は、始動口1スイッチ36a(図6参照)によって検出され、第2始動入賞口97に入賞した遊技球は、始動口3スイッチ97a(図6参照)によって検出される。
また、入賞装置90の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口30aが設けられている。
図3(a)~(c)は、本実施形態の入賞装置90の正面図であって、前カバー部材を取り外した状態を示す図である。
図3(a)に示すように、入賞装置90は、その内部のうち、流入口90aの直下となる位置に振分部材92を備えている。また、振分部材92の左下方には第1始動入賞口36が配され、振分部材92の右下方には第2始動入賞口97が配されている。
さらに、振分部材92や第1始動入賞口36、第2始動入賞口97の前方を覆うように前カバー部材が設けられている。この前カバー部材は、入賞装置90内の遊技球の挙動を視認可能なように透明又は半透明となっている。
振分部材92は、前後方向に沿った軸ピン92aを中心として回動可能であり、軸ピン92aが配される位置から上方へ延出する上腕部92bと左方へ延出する左腕部92cと右方へ延出する右腕部92dとを有している。3つの腕部のうちの上腕部92bの左方には、当該上腕部92bと左腕部92cとによって遊技球を一時的に保持する左保持部92eが形成され、上腕部92bの右方には、当該上腕部92bと右腕部92dとによって遊技球を一時的に保持する右保持部92fが形成されている。
振分部材92は、上腕部92bが常に上を向いた状態で、図3(b)に示すように左保持部92eが流入口90aに流入した遊技球を受け入れ可能な位置と、図3(c)に示すように右保持部92fが流入口90aに流入した遊技球を受け入れ可能な位置との間で回動可能となっている。
図3(b)に示すように、左保持部92eが流入口90aに流入した遊技球を受け入れ可能な位置にある場合は、右保持部92fが第2始動入賞口97へ向けて遊技球を流下させた状態となる。
また、図3(c)に示すように、右保持部92fが流入口90aに流入した遊技球を受け入れ可能な位置にある場合は、左保持部92eが第1始動入賞口36へ向けて遊技球を流下させた状態となる。
また、図3(a)に示すように、振分部材92のうち、上腕部92bの後方には、振分部材側磁石96aが取り付けられている。また、振分部材92が前方から装着されるベース部材93のうち、上腕部92bが垂直になった際に振分部材側磁石96aと対向する位置には、ベース部材側磁石96bが取り付けられている。振分部材側磁石96aとベース部材側磁石96bとは対向する側の極が同じ極となるように取り付けられており、磁石96a,96bの反発力によって、振分部材92は上腕部92bが垂直になった状態で留まらずに左右の何れかへ回動するように付勢されている。これにより、振分部材92の回動が停止した状態では、左保持部92eと右保持部92fの何れかが必ず流入口90aに流入した遊技球を受け入れ可能な状態となる。
図3(b),(c)に示すように、流入口90aに流入した遊技球は、左保持部92eと右保持部92fのうちの流入口90aに向いて受け入れ可能な状態となっている一方の保持部で保持される。一方の保持部で遊技球が保持されると、遊技球の重さによって振分部材92は当該一方の保持部の方向へ回動し、保持された遊技球は振分部材92が回動した方向にある第1始動入賞口36または第2始動入賞口97へ向けて流下する。
すなわち、図3(b)に示すように左保持部92eで流入した遊技球を受けると振分部材92が遊技球の重さによって左に回動して第1始動入賞口36へ遊技球を案内した後、図3(c)に示すように右保持部92fが次の遊技球を受入可能な状態で停止する。そして、図3(c)に示すように右保持部92fで流入した遊技球を受けると振分部材92が遊技球の重さによって右に回動して第2始動入賞口97へ遊技球を案内した後、図3(b)に示すように左保持部92eが次の遊技球を受入可能な状態で停止する。
保持部92e,92fから流下した遊技球は第1始動入賞口36または第2始動入賞口97へ流入する可能性が高いが流入しないこともあり、流入しなかった場合は入賞装置90の外へ流出する。特に、保持部92e,92fへ流入する際の勢いが強いと第1始動入賞口36または第2始動入賞口97へ流入しない可能性が高い。なお、必ず何れかの始動入賞口に入賞するように構成しても良い。
また、振分部材92が回動することによって、遊技球を保持していた保持部ではない他方の保持部が流入口90aに向いて受け入れ可能な状態となる。そして、次回受け入れられた遊技球は当該他方の保持部側にある入賞口へ誘導される。これにより、順次流入口90aへ流入する遊技球は第1始動入賞口36と第2始動入賞口97とに交互に振り分けられることとなる。
本実施形態の遊技機10においては、遊技球が流下する遊技領域32のうち、センターケース40の左方の領域が左側遊技領域とされ、センターケース40の右方の領域が右側遊技領域とされている。そして、遊技者が発射勢を調節して左側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる左打ち)することで入賞装置90への入賞を狙うことができ、右側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる右打ち)することで普図始動ゲート34や普通変動入賞装置37や特別変動入賞装置38への入賞を狙うことができるようになっている。
また、遊技領域32の外側(ここでは遊技盤30の右下部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲーム及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームの表示や、各種情報を表示する一括表示装置50が設けられている。
一括表示装置50は、図4(a)に示すように、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された第1特図変動表示ゲーム用の特図1表示器(第1特図変動表示部)51a(D1)及び第2特図変動表示ゲーム用の特図2表示器(第2特図変動表示部)51b(D2)と、LEDランプで構成された普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)52(D10,D18)と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部53,54,55(D11~D16)とを備える。
また、一括表示装置50には、左打ちよりも右打ちの方が有利な遊技状態であることを報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器、右打ち報知部)56(D8)、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器、時短状態報知部)57(D9)、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっていることを表示する第3遊技状態表示部(第3遊技状態表示器、確率状態表示部)58(D17)、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38の開閉回数)を表示するラウンド表示部59(D3~D7)が設けられている。なお、一括表示装置50には、更に、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する表示部(表示器)等が設けられていてもよい。
特図1表示器51aと特図2表示器51bにおける特図変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、すなわち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。なお、本実施形態の場合、特図1表示器51aにおける特図変動表示ゲームにおいては、中央のセグメントに加えて7セグの右方下側に設けられた8番目のセグメントも点滅駆動させて変動中であることを表示するようにし、特図1と特図2との区別が可能なように構成されている。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメント(特図1であれば加えて右方下側の8番目のセグメント)を点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば、数字や記号)を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
普図表示器52は、変動中はランプを点滅させて変動中であることを表示し、所定時間後にゲームの結果に応じた点灯態様や点灯色としてゲーム結果を表示する。本実施形態の場合、図4(d)に示すように、普図表示器52を構成するランプD10とランプD18のうち、変動用図柄番号が「0」のとき(すなわち、ゲームの結果がはずれのとき)はランプD10のみを点灯状態にし、変動用図柄番号が「1」のとき(すなわち、ゲームの結果が当りで当り停止図柄番号が「1」のとき)はランプD18のみを点灯状態にし、変動用図柄番号が「2」のとき(すなわち、ゲームの結果が当りで当り停止図柄番号が「2」のとき)はランプD10及びランプD18の双方を点灯状態にするよう構成されている。
また、普図保留表示器55は、普図表示器52の変動開始条件となる普図始動ゲート34の始動記憶数(=保留数)を複数のLEDの消灯、点滅、点灯により表示する。本実施形態の場合、図4(c)に示すように、普図保留表示器55を構成するランプD15とランプD16のうち、保留数が「0」のときはランプD15及びランプD16の双方を消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプD15のみを点灯状態にし、保留数が「2」のときはランプD15及びランプD16の双方を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプD15を点滅状態にしてランプD16を点灯状態にし、保留数が「4」のときはランプD15及びランプD16の双方を点滅状態にするよう構成されている。
特図1保留表示器53は、特図1表示器51aにおいて表示される第1特図変動表示ゲームの実行権利である第1始動記憶(特図1保留)の数を複数のLEDの消灯、点滅、点灯により表示する。本実施形態の場合、図4(b)に示すように、特図1保留表示器53を構成するランプD11とランプD12のうち、特図1始動記憶数が「0」のときはランプD11及びランプD12の双方を消灯状態にし、特図1始動記憶数が「1」のときはランプD11のみを点灯状態にし、特図1始動記憶数が「2」のときはランプD11及びランプD12の双方を点灯状態にし、特図1始動記憶数が「3」のときはランプD11を点滅状態にしてランプD12を点灯状態にし、特図1始動記憶数が「4」のときはランプD11及びランプD12の双方を点滅状態にするよう構成されている。
特図2保留表示器54は、特図2表示器51bにおいて表示される第2特図変動表示ゲームの実行権利である第2始動記憶(特図2保留)の数を、複数のLEDの消灯、点滅、点灯により表示する。本実施形態の場合、図4(b)に示すように、特図2保留表示器54を構成するランプD13とランプD14のうち、特図2始動記憶数が「0」のときはランプD13及びランプD14の双方を消灯状態にし、特図2始動記憶数が「1」のときはランプD13のみを点灯状態にし、特図2始動記憶数が「2」のときはランプD13及びランプD14の双方を点灯状態にし、特図2始動記憶数が「3」のときはランプD13を点滅状態にしてランプD14を点灯状態にし、特図2始動記憶数が「4」のときはランプD13及びランプD14の双方を点滅状態にするよう構成されている。
第1遊技状態表示部(右打ち報知部)56は、LEDランプ等で構成され、例えば図4(f)に示すように、右打ちよりも左打ちの方が有利な遊技状態(通常打ち状態)の場合にはランプを消灯状態にし、左打ちよりも右打ちの方が有利な遊技状態(右打ち状態)の場合にはランプを点灯状態にする。
第2遊技状態表示部(時短状態報知部)57は、LEDランプ等で構成され、例えば図4(f)に示すように、時短状態が発生していない通常の遊技状態の場合(時短未作動時)にはランプを消灯状態にし、時短状態が発生している場合(時短作動時)にはランプを点灯状態にする。
第3遊技状態表示部(確率状態表示部)58は、LEDランプ等で構成され、例えば図4(f)に示すように、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が低確率状態(通常確率状態)の場合にはランプを消灯状態にし、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態(確変状態)の場合にはランプを点灯状態にする。
ラウンド表示部59は、LEDランプ等で構成され、例えば、大当りに基づく特別遊技状態中でない場合にはランプを消灯状態にし、特別遊技状態中には特別結果に応じて選択されたラウンド数に対応するランプを点灯状態にする。本実施形態の場合、図4(e)に示すように、ラウンド表示部59を構成するランプD3~D7のうち、選択されたラウンド数が「16」のときはランプD3,D5,D7を点灯状態にし、選択されたラウンド数が「2」のときはランプD4,D6を点灯状態にするよう構成されている。なお、ラウンド表示部は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
図5には、演出操作部550の詳細を示した。
図5(a)は、演出操作部550の平面図である。本実施形態の演出操作部550は、図5(a)に示すように、演出ボタン(プッシュボタン)25と、演出ボタン(プッシュボタン)25の上面に設けられたタッチパネル29と、を備えて構成されている。すなわち、演出操作部550は、物理的なプッシュボタン機能に加えて、タッチセンサ機能(タッチパネル機能)を有している。
そして、演出制御基板(演出制御装置)300から演出操作部550へは、感度設定データやLED輝度データなどが送信され、演出操作部550から演出制御基板(演出制御装置)300へは、演出ボタン(プッシュボタン)25が備える演出ボタンスイッチ(プッシュセンサ)25aからのプッシュボタン信号(押圧検出信号)やタッチパネル29が備えるタッチセンサ29aからのタッチON/OFF信号(接触/非接触検出信号)が出力されるよう構成されている。
本実施形態の場合、演出ボタン(プッシュボタン)25が備える演出ボタンスイッチ(プッシュセンサ)25aで、演出操作部550の上面に対する押圧操作(演出操作部550の上面を押して演出操作部550を押し下げる操作)を検出する。また、演出操作部550の上面には複数のポイントが設けられており、タッチパネル29が備えるタッチセンサで、演出操作部550の上面に設けられたポイントに対する接触操作を検出する。
具体的には、図5(b)に示すように、複数のポイントとして、「TSW1」~「TSW8」ポイントと、「Pa」ポイントと、の9つのポイントが設けられている。より具体的には、演出操作部550上面の中央部に設けられた「TSW4」ポイントと、「TSW4」ポイントの左側に設けられた「TSW1」ポイントと、「TSW4」ポイントよりも奥側(遊技盤30側)に設けられた「TSW3」ポイントと、「TSW4」ポイントの右側に設けられた「TSW6」ポイントと、「TSW4」ポイントよりも手前側(遊技者側)に設けられた「TSW8」ポイントと、「TSW1」ポイントと「TSW3」ポイントとの間に設けられた「TSW2」ポイントと、「TSW3」ポイントと「TSW6」ポイントとの間に設けられた「TSW5」ポイントと、「TSW6」ポイントと「TSW8」ポイントとの間に設けられた「TSW7」ポイントと、「TSW8」ポイントと「TSW1」ポイントとの間に設けられた「Pa」ポイントと、が設けられている。なお、ポイントの数は、9つに限定されるものではなく、適宜任意に変更可能である。また、図5(b)では、便宜上、「TSW1」~「TSW8」の各ポイントにそれぞれ「TSW1」~「TSW8」と表記しているが、本実施形態の演出操作部550には、図5(a)に示すように、このような表記はない。
タッチパネル29のタッチセンサによって接触操作が検出可能なポイントは、「TSW1」~「TSW8」ポイントの8つのポイントであり、「Pa」ポイントでは接触操作を検出しない。もちろん「Pa」ポイントでも接触操作を検出するようにしても良い。また、「TSW1」~「TSW8」ポイントと「Pa」ポイントとの9つのポイント各々には、それぞれが独立した系統のLED(本実施形態の場合、フルカラーLED)が配置されている。
「Pa」ポイントは、例えば、「Pa」ポイントのLEDを一発告知用の告知ランプとして使用することや、演出操作部550上面の各ポイントのLEDをルーレットのように順次点灯させ「Pa」ポイントのLEDを“当確(または確変確定)”ポイントに使用すること、「Pa」ポイントのLEDを先読みの当確演出に使用すること等、確定系の演出に用いることができる。
ここで、演出操作部550の上面を光らせるためのLED(具体的には、「TSW1」~「TSW8」ポイントや「Pa」ポイントなどに配置されたLED)の点灯輝度は、輝度調整(ホール設定、遊技者調整とも)の対象からは除外されている。すなわち、当該LEDの点灯輝度は、輝度調整の影響を受けず、一定となっている。また、タッチセンサは、タッチON状態(接触状態)が所定時間(例えば、約35秒間(基本設定))継続すると、強制的にタッチOFFする機能(タッチON信号の出力を停止して、タッチOFF信号を出力する機能)を有している。すなわち、タッチセンサ(タッチ検知IC)は、所定時間以上の連続した接触操作を検出できないよう構成されている。
このような演出操作部550で検出する遊技者の操作としては、例えば図5(c)に示す操作が挙げられる。「単打」は、演出操作部550の押下を1回行う操作であり、「連打」は演出操作部550の押下を所定時間以内の間隔で複数回行う操作である。「長押し」は演出操作部550を所定時間以上押下したままとする操作であり、「タッチ」はタッチパネル29に触れる操作である。「「Pa」操作(TSW1or8)+長押し」は、「Pa」ポイント又はこれに隣接する「TSW1」ポイントと「TSW8」ポイントとの2つのポイントの一方(或いは、両方)に接触した状態で長押しする操作であり、「フリック」はタッチパネル29に触れた状態のまま弾くようにスライドさせる操作である。もちろん検出する操作はこれらの操作に限られるものではない。
本実施形態の遊技機10では、図示しない発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、第1始動入賞口36、第2始動入賞口97、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口30aへ流入し遊技領域32から排出される。そして、一般入賞口35、第1始動入賞口36、第2始動入賞口97、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200(図6参照)によって制御される払出ユニットから、ガラス枠15の上皿21又は下皿23に排出される。
一方、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34a(図6参照)が設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出されて普図変動表示ゲームが行われる。また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数(例えば、4個)未満ならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の普図保留表示器55に表示される。また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの結果を決定するための当り判定用乱数値(当り乱数値)が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値を判定値に参照して当該普図変動表示ゲームの結果を決定する。この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(普図特定結果)が導出されることとなる。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられ、LEDにより構成された変動表示部(普図表示器)52で表示されるようになっており、このLEDの点灯態様や点灯色が普通識別情報(普図、普通図柄)をなす。なお、普図表示器52を表示装置で構成し、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させて結果を表示するように構成しても良い。この普図変動表示ゲームの停止表示が普図特定結果となれば、普図の当りとなって、普通変動入賞装置37の可動部材37bが所定時間開放される開状態となる。これにより、普通変動入賞装置37の内部の第2始動入賞口へ遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
第1始動入賞口36への入賞球、第2始動入賞口97への入賞球、及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ36a、始動口3スイッチ97a、及び始動口2スイッチ37aによって検出される。第1始動入賞口36へ入賞した遊技球は第1特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、第1始動記憶として所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶されるとともに、第2始動入賞口97や普通変動入賞装置37へ入賞した遊技球は第2特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、第2始動記憶として所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶される。また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ始動記憶情報として大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100(図6参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器53、特図2保留表示器54)に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41においても飾り特図始動記憶表示として表示される。
遊技制御装置100は、第1始動入賞口36、第2始動入賞口97、若しくは普通変動入賞装置37への入賞、又はそれらの始動記憶に基づいて、特図1表示器51a(変動表示装置)又は特図2表示器51b(変動表示装置)で第1又は第2特図変動表示ゲームを行う。第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置(画像表示装置)41にて複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄等)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。そして、特図変動表示ゲームの結果として、特図1表示器51a若しくは特図2表示器51bの表示態様が特別結果態様(特別結果)となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。また、これに対応して表示装置41に表示される飾り特図変動表示ゲームの結果態様も特別結果態様となる。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば、表示装置41において前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)を左変動表示領域(第1特別図柄)、右変動表示領域(第2特別図柄)、中変動表示領域(第3特別図柄)のそれぞれにおいて各図柄を識別困難な速さで変動表示(高速変動)する。そして、所定時間後に変動している図柄を左変動表示領域、右変動表示領域、中変動表示領域の順に順次停止させて、左変動表示領域、右変動表示領域、中変動表示領域の各々で停止表示された識別情報により構成される結果態様により特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、特図始動記憶数に対応する飾り特別図柄による変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
なお、特図1表示器51a、特図2表示器51bは、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが表示される。また、表示装置41も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしても良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。また、遊技機10に特図1表示器51a、特図2表示器51bを備えずに、表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、第1始動入賞口36(若しくは、第2始動入賞口97や普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1若しくは第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、第1始動入賞口36(若しくは、第2始動入賞口97や普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。以下の説明において、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
なお、特に限定されるわけではないが、第1始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、第2始動入賞口97内の始動口3スイッチ97a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。また、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63や前面枠(本体枠)12等に設けられた本体枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
図6は、本実施形態のパチンコ遊技機10の制御システムのブロック図である。
遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130と、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC-DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC-DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路を有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号やリセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、本実施形態のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。すなわち、遊技制御装置100が電源遮断状態でも記憶したデータを保持可能なバックアップ記憶手段なす。そして、電源復旧時にはバックアップ記憶手段により保持されたデータに基づき制御を再開可能に構成されている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1~3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、リーチ状態となった後の変動パターンである後半変動パターンを決定するためのテーブル(後半変動グループテーブルや後半変動パターン選択テーブル等)、リーチ状態となる前の変動パターンである前半変動パターンを決定するためのテーブル(前半変動グループテーブルや前半変動パターン選択テーブル等)が含まれている。
ここでリーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。
そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(期待値が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)、プレミアリーチが設定されている。なお、期待値は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<プレミアリーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの当りを判定するための大当り乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当りを判定するための当り乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111Aは、特図変動表示ゲームに関する処理において、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(当り(大当り又は小当り)あるいははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態あるいは高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(時短動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU111Aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111Bに記憶された複数の変動パターンテーブルのうち、何れか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得手段をなす。
払出制御装置200は、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン111の入力部120には、遊技機に対する電波の発射を検出する盤電波センサ62、第1始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、第2始動入賞口97内の始動口3スイッチ97a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、特別変動入賞装置38の大入賞口スイッチ38aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V-5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。近接I/F121は、入力の範囲が7V-11Vとされることで、センサや近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、センサやスイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
近接I/F121の出力は、第2入力ポート123又は第3入力ポート124へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれる。なお、近接I/F121の出力のうち、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、始動口3スイッチ97a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a及び大入賞口スイッチ38aの検出信号は第2入力ポート123へ入力される。また、近接I/F121の出力のうち、盤電波センサ62の検出信号及びセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号は第3入力ポート124に入力される。
また、第3入力ポート124には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサ61の検出信号や、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63の検出信号、遊技機10の前面枠(本体枠)12等に設けられた本体枠開放検出スイッチ64の検出信号も入力されるようになっている。なお、振動を検出する振動センサスイッチを遊技機に設け、検出信号が第3入力ポート124に入力されるようにしても良い。
さらに、第3入力ポート124には、特図変動表示ゲームで特別結果となる確率値が割り当てられた確率設定値を複数から選択するための操作部における操作を検出する検出手段をなす設定値変更スイッチ151と設定キースイッチ152からの信号が入力される。
設定キースイッチ152は、操作部のうちの第1操作部をなす設定キー操作部の操作を検出するものである。設定キー操作部は、設定キーを差し込む鍵穴を備え、対応する設定キーを差し込んだ場合にのみ第1位置から第2位置へ当該設定キーを回すことができるように構成されている。設定キースイッチ152は、第2位置へ回した状態となっていることを検出可能なセンサであり、第2位置に回した状態である場合にオン状態となり、第2位置に回していない状態である場合にオフ状態となる。
設定値変更スイッチ151は、操作部のうちの第2操作部をなす設定値変更ボタンの操作を検出するものである。設定値変更ボタンはプッシュ式のボタンであり、設定値変更スイッチ151は、設定値変更ボタンが押下されている状態である場合にオン状態となり、押下されていない場合にオフ状態となる。
これらの操作部を操作することで、特図変動表示ゲームで特別結果となる確率値が割り当てられた確率設定値を選択することができ、選択された確率設定値に対応する確率値が遊技で使用されるようになっている。ここでは確率設定値として設定1~設定3の3つが用意されている。各確率設定値に割り当てられた確率値は、設定1では1/320、設定2では1/300、設定3では1/280とされている。この確率値は通常確率状態での確率値であり、高確率状態での確率値は通常確率状態での確率値の10倍とされている。
確率設定値を選択する際には、まず、前面枠12を開放した状態とし、さらに設定キー操作部の設定キーを第2位置に回した状態で遊技機の電源を投入することで確率設定値を変更可能な確率設定値変更状態となり、この確率設定値変更状態で設定値変更ボタンを押下することで確率設定値を変更することができるようになっている。選択されている確率設定値は確率設定値表示装置153に表示される。
また、前面枠12が閉鎖された状態で設定キー操作部の設定キーを第2位置に回した状態として電源を投入した場合や、遊技機の電源を投入した後に設定キー操作部の設定キーを第2位置に回した場合は、現在選択されている確率設定値が確率設定値表示装置153に表示されるが確率設定値の変更はできない確率設定値確認モードとなる。
確率設定値表示装置153は7セグメント式のディスプレイであり、確率設定値を1~6の数字で表示するようになっている。もちろん表示態様はこれに限られず、確率設定値を認識できる表示態様であれば良い。また、液晶表示装置など他の形式の表示装置でも良いし、一又は複数のLEDの点灯態様や発光色等により確率設定値を示すものであっても良い。また、確率設定値表示装置153を設けず、算出されたベース値や役物比率を表示するための状態表示装置160を用いて確率設定値の情報を表示するようにしても良い。この場合、確率設定値に関する操作をしている間(確率設定値変更状態や確率設定値確認モードなど)では確率設定値の情報を表示し、それ以外は算出されたベース値や役物比率の表示を優先するようにする。
なお、本実施形態では設定値変更ボタン、設定キー操作部及び確率設定値表示装置153などを遊技制御装置100に設けており、遊技制御装置100が、特図変動表示ゲームの抽選に用いる確率値が割り当てられた確率設定値を操作部の操作により複数種類の確率設定値から選択可能とする設定手段をなすものとしている。この設定手段の機能を設定用副基板に設け、遊技制御装置100に接続する構成としても良い。すなわち、遊技制御装置100とは別個に設定手段を備えるようにしても良い。この場合、設定値変更スイッチ151や設定キースイッチ152の操作信号が遊技制御装置100に入力されて遊技制御装置100で確率設定値の変更を行うようにしても良いし、設定用副基板側で設定値変更スイッチ151や設定キースイッチ152の操作に基づき確率設定値を変更して決定し、決定結果が遊技制御装置100に送信されるようにしても良い。
また、近接I/F121の出力のうち、第2入力ポート123への出力は、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになっている。さらに、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート123の他、遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。
上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
第2入力ポート123が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート123に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE2をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。第3入力ポート124や後述の第1入力ポート122も同様である。
また、入力部120には、払出制御装置200からの枠電波不正信号(前面枠12に設けられた枠電波センサが電波を検出することに基づき出力される信号)、払出ビジー信号(払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号)、払出異常ステータス信号(払出異常を示すステータス信号)、シュート球切れスイッチ信号(払出し前の遊技球の不足を示す信号)、オーバーフロースイッチ信号(下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号)、タッチスイッチ信号(操作部24に設けられたタッチスイッチの入力に基づく信号)、アウト球検出スイッチ信号(遊技領域32に発射されて遊技を終えた全ての遊技球を検出するアウトスイッチでの検出に基づく信号)を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート122が設けられている。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号やリセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットバッファ125が設けられており、シュミットバッファ125はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの停電監視信号は、一旦第1入力ポート122に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットバッファ125によりノイズ除去されたリセット信号RESETは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RESETは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RESETを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RESETは入力部120の各ポート122,123,124には供給されない。リセット信号RESETが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RESETが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130には、遊技用マイコン111から演出制御装置300への通信経路及び遊技用マイコン111から払出制御装置200への通信経路に配されるシュミットバッファ132が設けられている。遊技制御装置100から演出制御装置300及び払出制御装置200へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにした片方向通信とされている。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ133が実装可能に構成されている。このバッファ133は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ133を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサ61や盤電波センサ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ133、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ133から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され特別変動入賞装置38を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)38b及び普通変動入賞装置37の可動部材37bを開成させるソレノイド(普電ソレノイド)37cの開閉データを出力するための第2出力ポート134が設けられている。また、第2出力ポート134は、算出されたベース値や役物比率を表示するための状態表示装置160の表示データを出力する。
また、出力部130には、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136が設けられている。
また、出力部130には、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子板71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子板71にはフォトリレーが備えられ、例えば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)など)に接続可能であり、遊技機10に関する情報を外部装置に供給することができるようになっている。また、第5出力ポート137からはシュミットバッファ132を介して払出制御装置200に発射許可信号も出力される。また、出力部130には、選択されている確率設定値を表示する確率設定値表示装置153の表示データを出力するための第6出力ポート170が設けられている。
さらに、出力部130には、第2出力ポート134から出力される大入賞口ソレノイド38bや普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138d、第2出力ポート134から出力される表示データを受けて状態表示装置160に表示させるための第5ドライバ138eが設けられている。
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第2ドライバ138bには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第3ドライバ138cは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。
12Vを出力する第2ドライバ138bによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第3ドライバ138cによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ133や第2出力ポート134、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート122,123,124のようなポートは設けられていない。
次に、図7を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(CPU)311と、主制御用マイコン311からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)312と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
上記主制御用マイコン311には、CPUが実行するプログラムや各種データを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、作業領域を提供するRAM322、停電時に電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能なFeRAM323、現在の日時(年月日や曜日、時刻など)を示す情報を生成する計時手段をなすRTC(リアルタイムクロック)338が接続されている。なお、主制御用マイコン311の内部にも作業領域を提供するRAMが設けられている。また、主制御用マイコン311にはWDT(ウォッチドッグ・タイマ)回路324が接続されている。主制御用マイコン311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定してVDP312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータやソレノイドの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。
VDP312には、作業領域を提供するRAM312aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ312bが設けられている。また、VDP312にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM325や、画像ROM325から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)326が接続されている。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン311とVDP312との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。
VDP312から主制御用マイコン311へは、表示装置41の映像とガラス枠15や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるための垂直同期信号VSYNC、データの送信タイミングを与える同期信号STSが入力される。なお、VDP312から主制御用マイコン311へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0~n及び主制御用マイコン311からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITなども入力される。
演出制御装置300には、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313が設けられている。VDP312から信号変換回路313へは、映像データ、水平同期信号HSYNC及び垂直同期信号VSYNCが入力されるようになっており、VDP312で生成された映像は、信号変換回路313を介して表示装置41に表示される。
音源LSI314には音声データが記憶された音声ROM327が接続されている。主制御用マイコン311と音源LSI314は、アドレス/データバス340を介して接続されている。また、音源LSI314から主制御用マイコン311へは割込み信号INTが入力されるようになっている。演出制御装置に300には、ガラス枠15に設けられた上スピーカ19a及び前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337が設けられており、音源LSI314で生成された音声はアンプ回路337を介して上スピーカ19a及び下スピーカ19bから出力される。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された飾り特図保留数コマンド、飾り特図コマンド、変動コマンド、停止情報コマンド等を、演出制御指令信号(演出コマンド)として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている装飾用のLEDや、確率設定値の示唆演出を実行する第1表示部621及び第2表示部622などの盤装飾装置46を駆動制御する盤装飾LED制御回路332が設けられている。また、ガラス枠15に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば、枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(例えば、表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演出可動体制御回路334が設けられている。ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332~334は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン311と接続されている。なお、ガラス枠15にモータ(例えば、演出用の装置を動作させるモータ)等の駆動源を備えた枠演出装置を設け、この枠演出装置を駆動制御する枠演出可動体制御回路を備えていても良い。
さらに、演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられた演出ボタン25に内蔵されている演出ボタンスイッチ25a、ガラス枠15に設けられたタッチパネル29、盤演出装置44内のモータの初期位置等を検出する演出役物スイッチ47(演出モータスイッチ)のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力する機能や、演出制御装置300に設けられた音量調節スイッチ335の状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336が設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41、モータやLEDを駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、モータやLED、スピーカを駆動するためのDC15Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン311として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC-DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC-DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号は、主制御用マイコン311に供給され、当該デバイスをリセット状態にする。また、主制御用マイコン311から出力される形で、VDP312(VDPRESET信号)、音源LSI314、スピーカを駆動するアンプ回路337(SNDRESET信号)、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332~334(IORESET信号)に供給され、これらをリセット状態にする。また、演出制御装置300には遊技機10の各所を冷却する冷却FAN45が接続され、演出制御装置300の電源が投入された状態では冷却FAN45が駆動するようにされている。
次に、これらの制御回路において行われる遊技制御について説明する。
遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理を行う。そして、普図表示器52に、識別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器52に第1当り停止図柄~第3当り停止図柄の各々に対応した特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37bを所定時間(例えば、0.5秒間又は1.7秒間)上述のように開放する制御を行う。すなわち、遊技制御装置100が、変換部材(可動部材37b)の変換制御を行う変換制御実行手段をなす。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、第1始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶に基づき、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理を行う。また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aや第2始動入賞口97に備えられた始動口3スイッチ97aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、この始動記憶に基づき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、特図1表示器51aや特図2表示器51bに、識別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。すなわち、遊技制御装置100が、遊技領域32を流下する遊技球の始動入賞領域(第1始動入賞口36、第2始動入賞口97、普通変動入賞装置37)への入賞に基づき変動表示ゲームの進行制御を行う遊技制御手段をなす。
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、演出状態の設定や、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。すなわち、演出制御装置300が、遊技(変動表示ゲーム等)に関する演出を制御する演出制御手段をなす。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が大当りの場合は、特図1表示器51aや特図2表示器51bに特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、例えば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定の開放可能時間が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。すなわち、遊技制御装置100が、停止結果態様が特別結果態様となった場合に、大入賞口を開閉する制御を行う大入賞口開閉制御手段をなす。また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51aや特図2表示器51bにはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として高確率状態を発生可能となっている。この高確率状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態(低確率状態)に比べて高い状態である。また、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき高確率状態となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態(特定遊技状態、普図高確率状態、普電サポート状態ともいう)を発生可能となっている。この時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図当り確率)を通常確率(普図低確率状態)である0よりも高い高確率(普図高確率状態)とすることが可能である。これにより、普通変動入賞装置37が普図低確率状態である場合よりも、単位時間あたりの普通変動入賞装置37の開放時間が多くなるように制御するようになっている。
なお、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行うよう適宜普図変動表示ゲームの実行時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間を設定しても良く、例えば、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)を第1変動表示時間よりも短い第2変動表示時間となるように制御することが可能である(例えば、10000m秒が1000m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間を第1停止時間よりも短い第2停止時間となるように制御することが可能である(例えば、1604m秒が704m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間(普電開放時間)を通常状態(普図低確率状態)の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御することが可能である(例えば、100m秒が1352m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数(普電開放回数)を第1開放回数(例えば、2回)よりも多い回数(例えば、4回)の第2開放回数に設定することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図当り確率)を通常動作状態である場合の通常確率(普図低確率状態、例えば、0/251)よりも高い高確率(普図高確率状態、例えば、250/251)とすることが可能である。
時短状態においては、普図変動時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間、普図当り確率の何れか一つ又は複数を変化させることで普通変動入賞装置37を開状態に状態変換する時間を通常よりも延長するようにする。また、変化させるものが異なる複数種類の時短状態を設定することも可能である。また、当りとなった場合に第1開放態様と第2開放態様の何れかを選択するようにしても良い。この場合、第1開放態様と第2開放態様の選択確率を異ならせても良い。また、高確率状態と時短状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし一方のみを発生させることも可能である。
以下、このような遊技を行う遊技機の制御について説明する。まず、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に図8及び図9に示すメイン処理と、所定時間周期(例えば、4m秒)で行われる図10に示すタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理〕
先ず、メイン処理について説明する。メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図8及び図9に示すように、まず、割込みを禁止する処理(ステップS1)を行ってから、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS2)を行う。次に、レジスタバンク0を指定し(ステップS3)、所定のレジスタ(例えばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップS4)。本実施形態の場合、RAMのアドレスの範囲は0000h~01FFhで、上位としては00hか01hをとり、ステップS4では先頭の00hをセットする。次に、発射停止の信号を出力して発射許可信号を禁止状態に設定する(ステップS5)。発射許可信号は遊技制御装置100と払出制御装置200の少なくとも一方が発射停止の信号を出力している場合に禁止状態に設定され、遊技球の発射が禁止されるようになっている。
その後、入力ポート3(第3入力ポート124)の状態を読み込み(ステップS6)、電源投入ディレイタイマを設定する処理を行う(ステップS7)。この処理では所定の初期値を設定することにより、主制御手段をなす遊技制御装置100からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(例えば、払出制御装置200や演出制御装置300)のプログラムが正常に起動するのを待つための待機時間(例えば3秒)が設定される。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって従制御装置(例えば払出制御装置200や演出制御装置300)が立ち上がる前にコマンドを従制御装置へ送ってしまい、従制御装置がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。すなわち、遊技制御装置100が、電源投入時において、主制御手段(遊技制御装置100)の起動を遅らせて従制御装置(払出制御装置200、演出制御装置300等)の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなす。
また、電源投入ディレイタイマの計時は、RAMの正当性判定(チェックサム算出)の対象とならない記憶領域(正当性判定対象外のRAM領域又はレジスタ等)を用いて行われる。これにより、RAM領域のチェックサム等のチェックデータを算出する際に、一部のRAM領域を除外して算出する必要がないため電源投入時の制御が複雑になることを防止することができる。
なお、第3入力ポート124には、設定値変更スイッチ151及び設定キースイッチ152からの信号や本体枠開放検出スイッチからの信号が入力されるようになっており、待機時間の開始前に第3入力ポート124の状態を読み込むことで、電源投入時における設定値変更スイッチ151及び設定キースイッチ152の状態や、前面枠12(本体枠)の開放状態を把握することができる。上述したように、前面枠12を開放した状態とし、設定キー操作部の設定キーを第2位置に回した状態で電源を投入した場合には、確率設定値を変更可能な確率設定値変更状態となる。また、設定キー操作部の設定キーを第2位置に回した状態とせず、設定値変更ボタンを押下した状態で電源を投入した場合には、RAM111Cのクリア(初期化)が行われるようになっている。
待機時間の開始前に第3入力ポート124の状態を読み込むことで、設定値変更ボタンの操作を確実に検出できる。すなわち、待機時間の経過後に設定値変更スイッチ151の状態を読み込むようにすると、電源投入から待機時間の経過まで設定値変更ボタンを操作し続ける必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作を行わなくても良くなり、電源投入時に行った初期化の操作が受け付けられないような事態を防止できる。
電源投入ディレイタイマを設定する処理(ステップS7)を行った後、待機時間の計時と、待機時間中における停電の発生を監視する処理(ステップS8からS12)を行う。まず、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数(例えば2回)を設定し(ステップS8)、停電監視信号がオンであるかの判定を行う(ステップS9)。
停電監視信号がオンである場合(ステップS9;Y)は、ステップS8で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているかを判定する(ステップS10)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップS10;N)は、停電監視信号がオンであるかの判定(ステップS9)に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップS10;Y)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定することで、ノイズなどにより停電を誤検知することを防止でき、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。
すなわち、遊技制御装置100が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段をなす。これにより、主制御手段をなす遊技制御装置100の起動を遅らせている期間において発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。なお、待機時間の終了まではRAMへのアクセスが許可されておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの停電発生時にはバックアップの処理等は行う必要がない。このため、待機時間中に停電が発生してもRAMのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる。
一方、停電監視信号がオンでない場合(ステップS9;N)、すなわち、停電が発生していない場合には、電源投入ディレイタイマを-1更新し(ステップS11)、タイマの値が0であるかを判定する(ステップS12)。タイマの値が0でない場合(ステップS12;N)、すなわち、待機時間が終了していない場合は、停電監視信号のチェック回数を設定する処理(ステップS8)に戻る。また、タイマの値が0である場合(ステップS12;Y)、すなわち、待機時間が終了した場合は、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし(ステップS13)、全出力ポートにオフデータを出力(出力が無い状態に設定)する(ステップS14)。
次に、シリアルポート(遊技用マイコン111に予め搭載されているポートで、この実施形態では、演出制御装置300や払出制御装置200との通信に使用)を設定する(ステップS15)。
次いで、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1(例えば5Ah)であるかを判定し(ステップS16)、正常であれば(ステップS16;Y)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2(例えばA5h)であるかを判定する(ステップS17)。そして、停電検査領域2の値が正常であれば(ステップS17;Y)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を行い(ステップS18)、算出したチェックサムと電源断時のチェックサムが一致するかを判定する(ステップS19)。すなわち、遊技制御装置100が、電源の投入時に記憶手段に記憶されている情報が正当なものであるかを判定する正当性判定手段をなす。チェックサムが一致する場合(ステップS19;Y)は、RAMクリア先頭アドレス2を設定し(ステップS20)、確率設定値変更状態であるかを判定する(ステップS21)。確率設定値変更状態である場合には確率設定値変更中フラグがセットされていることから判別可能である。
この確率設定値変更状態である場合(ステップS21;Y)は、ステップS35に移行し、RAMの初期化の処理と確率設定値の変更が可能な確率設定値変更状態とする処理を行う。なお、ここで確率設定値変更中であると判定されるのは、確率設定値変更状態中に電源が遮断され、RAMのデータが正常にバックアップされていた場合であり、この場合は再び確率設定値変更状態となるようにされている。また、確率設定値変更状態でない場合(ステップS21;N)は、先に読み込んだ第3入力ポート124の状態から本体枠(前面枠12)は開放状態であるかを判定する(ステップS22)。
RAM111Cの記憶領域には、先頭から順に確率設定値用の領域、初期値乱数用の領域、変動パターン乱数用の領域、遊技制御用の領域、状態表示用の領域が設定されている。確率設定値用の領域には、現在設定されている確率設定値の情報を格納する確率設定値領域や、確率設定値の変更又は確認の処理で一時的に各種情報を格納する作業領域が設定される。この作業領域には、確率設定値変更状態で選択されている確率設定値の情報を格納する作業用確率設定値領域や、各種フラグを格納する領域が含まれる。また、初期値乱数用の領域には随時更新される大当り図柄初期値乱数、小当り図柄初期値乱数、当り初期値乱数、当り図柄初期値乱数が格納される。また、変動パターン乱数用の領域には、随時更新される変動パターン乱数1~3が格納される。また、遊技制御用の領域には、遊技制御を行うために必要な情報(各種データやプログラム)が格納されるワーク領域や、スタック領域が設定される。また、状態表示用のワーク領域には、ベース値や役物比率などを表示するために必要な情報が格納されるワーク領域や、スタック領域が設定される。
ベース値は、遊技領域32に発射されて遊技を終えた全ての遊技球(セーフ球及びアウト球)を検出するアウトスイッチでの遊技球の検出数や入賞領域への入賞に基づく払出数から算出される値であり、ベース値を表示するために必要な情報は、例えば、アウトスイッチでの遊技球の検出数に関する情報と、入賞領域への入賞に基づく払出数に関する情報とを含む。また、役物比率は、遊技機10の電源投入から現在までに入賞口に入賞したことで得られた全賞球数(賞球の合計数)のうち、大当り状態中(すなわち、ファンファーレ及びエンディング中は除外)に大入賞口に入賞したことで得られた賞球数(役物別獲得球数)の割合(いわゆる連続役物比率)であり、役物比率を表示するために必要な情報は、例えば、全賞球数(賞球の合計数)に関する情報と、賞球数(役物別獲得球数)に関する情報とを含む。
RAMクリア先頭アドレス2は、初期値乱数用の領域の先頭アドレスであり、このアドレスを設定した状態でRAMをクリアする処理を行うことで、初期値乱数用の領域、変動パターン乱数用の領域及び遊技制御用の領域がクリアされることとなる。なお、初期値乱数用の領域及び変動パターン乱数用の領域をクリア対象に含めないようにしても良い。また、後述するRAMクリア先頭アドレス1は、確率設定値用の領域の先頭アドレスであり、このアドレスを設定した状態でRAMをクリアする処理を行うことで、確率設定値用の領域、初期値乱数用の領域、変動パターン乱数用の領域及び遊技制御用の領域(ワーク領域とスタック領域)がクリアされることとなる。さらに、後述するRAMクリア先頭アドレス3は、遊技制御用の領域の先頭アドレスであり、このアドレスを設定した状態でRAMをクリアする処理を行うことで、遊技制御用の領域がクリアされることとなる。
なお、状態表示用の領域については、後述するタイマ割込み処理での状態表示編集出力処理において正当性を判定して異常である場合に初期化するようにしているが、バックアップされた情報が正常でない場合に設定されるRAMクリア先頭アドレス1が設定された状態でのRAMをクリアする処理において状態表示用の領域についても初期化するようにしても良い。すなわち、RAMクリア先頭アドレス1が設定された状態でのRAMをクリアする処理では、RAM111Cの全ての領域を初期化するようにしても良い。
ステップS18及び後述のステップS57のチェックサム算出処理では、遊技制御用のワーク領域のみを対象としてチェックサムを算出する。なお、確率設定値用の領域、初期値乱数用の領域、変動パターン乱数用の領域、遊技制御用の領域及び状態表示用の領域のうちの一つ又は複数を対象としても良い。複数の領域を対象とする場合、それぞれの領域のチェックサムを個別に算出しておき、正当性を個別に判定するようにしても良いし、それぞれの領域のチェックサムを合算し、正当性を一括して判定するようにしても良い。
本体枠が開放状態である場合は(ステップS22;Y)は、先に読み込んだ第3入力ポート124の状態から設定キースイッチがオン状態であるかを判定する(ステップS23)。設定キースイッチがオン状態である場合(ステップS23;Y)は、ステップS35に移行し、RAMの初期化の処理と確率設定値の変更が可能な確率設定値変更状態とする処理を行う。また、設定キースイッチがオン状態でない場合(ステップS23;N)や、本体枠が開放状態でない場合(ステップS22;N)は、ステップS24に移行し、先に読み込んだ第3入力ポート124の状態から設定値変更スイッチがオン状態であるかを判定する(ステップS24)する。
設定値変更スイッチがオン状態でない場合(ステップS24;N)は、ステップS30に移行し、停電から正常に復旧した場合の処理を行う。また、設定値変更スイッチがオン状態である場合(ステップS24;Y)は、ステップS41に移行し、初期値乱数用の領域、変動パターン乱数用の領域及び遊技制御用のRAM領域の初期化の処理を行う。すなわち、設定値変更スイッチ151が、外部からの操作が可能な初期化操作部としての機能も有し、遊技制御装置100が、初期化操作部が操作されたことに基づきRAMに記憶されたデータを初期化する初期化手段をなす。
一方、停電検査領域の値が正常なチェックデータでないと判定された場合(ステップS16;NもしくはステップS17;N)、チェックサムが一致しないと判定された場合(ステップS19;N)は、ステップS25へ移行して、全てのRAM領域の初期化の処理を行う。すなわち、確率設定値用のRAM領域及び状態表示用のRAM領域は、RAM異常が生じた場合にのみ初期化される。また、初期値乱数用の領域、変動パターン乱数用の領域及び遊技制御用のRAM領域は、上述したように設定値変更スイッチ151がオンにされた場合だけでなく、RAM異常が生じた場合にも初期化される。
まず、RAMクリア先頭アドレス1を設定し(ステップS25)、先に読み込んだ第3入力ポート124の状態から本体枠(前面枠12)は開放状態であるかを判定する(ステップS26)。本体枠が開放状態である場合は(ステップS26;Y)は、先に読み込んだ第3入力ポート124の状態から設定キースイッチがオン状態であるかを判定する(ステップS27)。設定キースイッチがオン状態である場合(ステップS27;Y)は、ステップS35に移行し、RAMを初期化する処理と確率設定値の変更が可能な確率設定値変更状態とする処理を行う。なお、後述するように、ステップS35、S36においてはRAMを初期化するようになっており、この場合はRAMクリア先頭アドレス1が設定されているので、確率設定値用の領域、初期値乱数用の領域、変動パターン乱数用の領域及び遊技制御用の領域(ワーク領域とスタック領域)がクリアされて初期値がセーブされる。なお、状態表示用の領域についてもここで初期化するようにしても良い。
また、設定キースイッチがオン状態でない場合(ステップS27;N)や、本体枠が開放状態でない場合(ステップS26;N)は、設定変更指示のコマンド(特定情報)を演出制御基板(演出制御装置300)に送信して(ステップS28)、RAMアクセスを禁止し(ステップS29)、制御を停止して遊技機の電源の遮断を待つ。演出制御装置300では、設定変更指示のコマンドを受信することに基づき、表示装置41の表示、枠装飾装置18や盤装飾装置46のLEDの発光、盤演出装置44の動作、スピーカ19a,19bによる音声の出力などにより、確率設定値の変更を促す報知を行う。この報知は遊技機の電源遮断まで継続される。
この場合、遊技機の電源を遮断した後、前面枠12を開放した状態として設定キー操作部の設定キーを第2位置に回した状態で再度電源を投入すれば、ステップS27の処理で設定キースイッチがオン状態であると判定され(ステップS27;Y)、ステップS35に移行し、RAMを初期化する処理と確率設定値の変更が可能な確率設定値変更状態とする処理を行う。なお、ステップS29に移行して制御が停止した場合に、遊技機の電源を遮断した後に前面枠12を開放せずに又は設定キー操作部の設定キーを第2位置に回した状態とせずに再度電源を投入した場合は、RAMのデータが異常なままであるとともに確率設定値変更状態への移行もできないので、再びステップS28、S29の処理に至ることとなる。
なお、ステップS28において演出制御装置300に設定変更指示コマンドを送信することで報知を行うようにしているが、遊技制御装置100が報知を行うようにしても良い。例えば、遊技制御装置100が制御する一括表示装置50において報知を行うようにしても良く、特図1表示器51や特図2表示器52において、識別情報として用いられない表示を行うようにしても良いし、異常を報知するための表示器を設けても良い。
停電から正常に復旧した場合の処理として図9のステップS30では、初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブする(ステップS30)。ここでの初期化すべき領域とは、停電検査領域、チェックサム領域及びエラー不正監視に係る領域である。なお、払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号である払出ビジー信号の状態を記憶するビジー信号ステータス領域もクリアされ、払出ビジー信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。同様にタッチスイッチ信号の状態を記憶するタッチスイッチ信号状態監視領域もクリアされ、タッチスイッチ信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。その後、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS31)。
ここで、特図の高確率中でない場合(ステップS31;N)は、ステップS32,S33をスキップしてステップS34へ移行する。また、特図の高確率中である場合(ステップS31;Y)は、高確率報知フラグ領域にオン情報をセーブし(ステップS32)、遊技盤30に設けられる高確率報知LED(エラー表示器)のオン(点灯)データをセグメント領域にセーブする(ステップS33)。
そして、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信し(ステップS34)、ステップS45へ進む。本実施形態の場合、ステップS34では、機種指定コマンド、特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド、確率情報コマンド、選択されている確率設定値の情報である確率設定値情報、画面指定コマンド(例えば、客待ち状態中の場合には客待ちデモコマンド、それ以外の場合には復旧画面コマンド)等の複数のコマンドを送信する。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、演出回数情報コマンドや高確率回数情報コマンドも送信する。特に、演出制御装置300に選択されている確率設定値の情報である確率設定値情報を送信することで、確率設定値に応じた演出を行うことや、確率設定値に応じて遊技の演出の選択確率を異ならせるなど、確率設定値を示唆又は報知する演出を実行可能となる。
画面指定コマンドは、再開された遊技の状態に応じたコマンドを送信する。制御の再開に伴い電源遮断により中断された特図変動表示ゲームを再開する場合には、画面指定コマンドとして復旧情報をなす復旧画面コマンドを送信する。さらにこの場合は、再開される特図変動表示ゲームの結果に関する情報も送信する。また、客待ち状態中に電源が遮断されて電源の復旧により客待ち状態で制御を再開する際には画面指定コマンドとして客待ちデモコマンドを送信する。また、制御の再開に伴い電源遮断により中断された特別遊技状態を再開する場合には、画面指定コマンドとして特別遊技状態再開コマンドを送信する。
また、RAMの初期化の処理と確率設定値の変更が可能な確率設定値変更状態とする処理として図9のステップS35では、クリア対象のRAM領域を0クリアし(ステップS35)、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(ステップS36)。ここで、バックアップされた情報が正常でありステップS21又はS23から移行した場合は、RAMクリア先頭アドレス2が設定されているので、初期値乱数用の領域、変動パターン乱数用の領域及び遊技制御用のRAM領域(ワーク領域とスタック領域)が0クリアされて初期値がセーブされる。すなわち、確率設定値用の領域及び状態表示用の領域は初期化されない。ただし、初期値乱数用の領域及び変動パターン乱数用の領域はクリアしなくても良い。
一方、バックアップされた情報が異常でありステップS27から移行した場合は、RAMクリア先頭アドレス1が設定されているので、確率設定値用の領域、初期値乱数用の領域、変動パターン乱数用の領域及び遊技制御用の領域(ワーク領域とスタック領域)がクリアされて初期値がセーブされる。すなわち、遊技制御装置100が、操作部(ここでは設定キー操作部)の操作に基づき記憶手段を初期化可能な初期化手段をなす。なお、状態表示用の領域についてもここで初期化するようにしても良い。
また、初期化すべき領域とは、0クリアした領域のうち0以外の値をセットしたい領域であり、例えば客待ちデモ領域及び演出モードの設定に係る領域である。また、すべてのRAM領域を0クリアした場合には、確率設定値用の領域に0がセットされることにより確率設定値は設定1となる。最も確率が低い確率設定値が設定されるようにしたことで、異常や不正行為によりRAMクリアされた場合でも遊技店の被害を最小限とすることができる。なお、初期値として0以外の値を設定するようにすれば、RAM領域の全てが初期化された際に特定の確率設定値(例えば設定3)が設定されるようにすることもできる。
その後、確率設定値の変更が可能な確率設定値変更状態とする処理として確率設定値変更中フラグをセットする(ステップS37)。これにより確率設定値変更状態となる。次に、確率設定値に対応する確率設定値表示データを確率設定値表示データ領域にセーブする(ステップS38)。これにより確率設定値表示装置153に現在設定されている確率設定値の情報を表示可能となる。
そして、確率設定値領域の値をロードし、作業用確率設定値領域にセーブし(ステップS39)、確率設定変更中のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)に送信して(ステップS40)、ステップS45に移行する。演出制御装置300では、確率設定変更中のコマンドを受信することに基づき、表示装置41の表示、枠装飾装置18や盤装飾装置46のLEDの発光、盤演出装置44の動作、スピーカ19a,19bによる音声の出力などにより、確率設定値の変更中である旨を示す報知を行う。なお、RAMが初期化されているが、ここではRAM初期化時のコマンドを演出制御装置300に送信しない。また、セキュリティ信号を出力するための設定も行われる。この場合、タイマを設定して所定時間だけセキュリティ信号が出力されるようにしても良いし、確率設定値変更状態である期間では継続してセキュリティ信号が出力されるようにしても良い。また、ここでは未だRAMの初期化が行われていないことから、セキュリティ信号を出力するための設定を行わないようにしても良い。
また、遊技制御用のRAM領域の初期化の処理として図9のステップS41では、RAMクリア先頭アドレス2を設定し(ステップS41)、クリア対象のRAM領域を0クリアし(ステップS42)、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(ステップS43)。これにより初期値乱数用の領域、変動パターン乱数用の領域及び遊技制御用のRAM領域(ワーク領域とスタック領域)が0クリアされて初期値がセーブされる。また、セキュリティ信号を出力するためのタイマの設定も行われる。すなわち、遊技制御装置100が、操作部(ここでは設定値変更ボタン)の操作に基づき記憶手段を初期化可能な初期化手段をなす。
そして、RAM初期化時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信して(ステップS44)、ステップS45へ進む。本実施形態の場合、ステップS44では、機種指定コマンド、特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド、確率情報コマンド、選択されている確率設定値の情報である確率設定値情報、RAM初期化コマンド(客待ちデモ画面を表示させるとともに、所定時間(例えば30秒間)光と音でRAM初期化の報知を行わせるためのコマンド)等の複数のコマンドを送信する。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、演出回数情報コマンドや高確率回数情報コマンドも送信する。特に、演出制御装置300に選択されている確率設定値の情報である確率設定値情報を送信することで、確率設定値に応じた演出を行うことや、確率設定値に応じて遊技の演出の選択確率を異ならせるなど、確率設定値を示唆又は報知する演出を実行可能となる。
ステップS45では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)
回路を起動する処理を行う。なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
上記ステップS45のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップS46)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。また、乱数生成回路のハードウェアで生成されるハード乱数(ここでは大当り乱数)のビット転置パターンの設定も行われる。ビット転置パターンとは、抽出した乱数のビット配置(上段のビット転置前の配置)を、予め定められた順で入れ替えて異なるビット配置(下段のビット転置後の配置)として格納する際の入れ替え方を定めるパターンである。このビット転置パターンに従い乱数のビットを入れ替えることで、乱数の規則性を崩すことができるとともに、乱数の秘匿性を高めることができる。なお、ビット転置パターンは、固定された単一のパターンであっても良いし、予め用意された複数のパターンから選択するようにしても良い。また、ユーザーが任意に設定できるようにしても良い。
その後、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1~n)の値を抽出し、対応する各種初期値乱数(本実施形態の場合、特図の当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数、小当り図柄乱数)、普図の当りを決定する乱数(当り乱数)、普図の当り図柄を決定する乱数(当り図柄乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS47)、割込みを許可する(ステップS48)。本実施形態で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS49)を行う。本実施形態において、初期値乱数更新処理では、大当り図柄初期値乱数と、小当り図柄初期値乱数と、当り初期値乱数と、当り図柄初期値乱数とを更新(例えば+1更新)する。ここで、「大当り図柄初期値乱数」は、特図変動表示ゲームの大当り停止図柄を決定する乱数の初期値となる乱数のことであり、「小当り図柄初期値乱数」は、特図変動表示ゲームの小当り停止図柄を決定する乱数の初期値となる乱数のことである。また、「当り初期値乱数」は、普図変動表示ゲームの当りを決定する乱数の初期値となる乱数のことであり、「当り図柄初期値乱数」は、普図変動表示ゲームの当り停止図柄を決定する乱数の初期値となる乱数のことである。このように、メイン処理の中で時間が許す限り初期値乱数をインクリメントし続けることによって、乱数のランダム性を高めることができるようにしている。なお、小当り図柄乱数は、小当りのない機種では当然存在しない。また、機種によっては、当り図柄初期値乱数が存在しない遊技機もある。
また、特に限定されるわけではないが、本実施形態においては、大当り乱数、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。ただし、大当り乱数はCPUの動作クロックと同等以上の速度のクロックを基にして更新される所謂「高速カウンタ」であり、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数はプログラムの処理単位であるタイマ割込み処理と同周期となるCTC出力(タイマ割込み処理のCTC(CTC0)とは別のCTC(CTC2))を基にして更新される「低速カウンタ」である。また、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数においては、乱数が一巡する毎に各々の初期値乱数(ソフトウェアで生成)を用いてスタート値を変更する所謂「初期値変更方式」を採用している。なお、前記各乱数は、+1、あるいは-1によるカウンタ式更新でもよいし、一巡するまで範囲内の全ての値が重複なくバラバラに出現するランダム式更新でもよい。つまり、大当り乱数はハードウェアのみで更新される乱数であり、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数はハードウェア及びソフトウェアで更新される乱数である。
上記ステップS49の初期値乱数更新処理の後、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数(例えば2回)を設定し(ステップS50)、停電監視信号がオンであるかの判定を行う(ステップS51)。停電監視信号がオンでない場合(ステップS51;N)は、初期値乱数更新処理(ステップS49)に戻る。すなわち、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップS49)の前に割り込みを許可する(ステップS48)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
なお、上記ステップS49での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施形態のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
停電監視信号がオンである場合(ステップS51;Y)は、ステップS50で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているかを判定する(ステップS52)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップS52;N)は、停電監視信号がオンであるかの判定(ステップS51)に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップS52;Y)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、一旦割込みを禁止する処理(ステップS53)、全出力ポートにオフデータを出力する処理(ステップS54)を行う。
その後、停電検査領域1に停電検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップS55)、停電検査領域2に停電検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップS56)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理(ステップS57)、算出したチェックサムをセーブする処理(ステップS58)を行った後、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS59)を行ってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
以上のことから、遊技を統括的に制御する主制御手段(遊技制御装置100)と、該主制御手段からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(払出制御装置200、演出制御装置300等)と、を備える遊技機において、主制御手段は、電源投入時において、当該主制御手段の起動を遅らせて従制御装置の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段(遊技制御装置100)と、当該所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段(遊技制御装置100)と、を備えていることとなる。
また、各種装置に電力を供給する電源装置400を備え、当該電源装置400は、停電の発生を検出した際に停電監視信号を出力するように構成され、停電監視手段(遊技制御装置100)は、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定するようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、データを記憶可能なRAM111Cと、外部からの操作が可能な初期化操作部(設定値変更ボタン、設定キー操作部)と、初期化操作部が操作されたことに基づきRAM111Cに記憶されたデータを初期化する初期化手段(遊技制御装置100)と、を備え、当該初期化手段の操作状態を待機時間の開始前に読み込むようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、待機時間の経過後にRAM111Cへのアクセスを許可するようにしていることとなる。
なお、以上のメイン処理において、ステップS28の処理を行った後、ステップS26の処理に戻るようにし、設定キースイッチがオン状態とされるまでステップS26~S28の処理を繰り返し行うようにしても良い。すなわち、遊技の制御を停止して設定キースイッチがオン状態とされるまで待機するようにしても良い。この場合、ステップS26及びS27では、ステップS6で読み込んだ第3入力ポート124の状態ではなく、現時点での第3入力ポート124の状態に基づき判定を行うようにする。さらに、ステップS26~S28の処理を繰り返し行う状態が一定時間にわたり継続した場合にはステップS29に移行して電源の遮断を待つようにしても良い。
また、ここでは確率設定値の変更が可能な確率設定値変更状態へ移行する条件を、本体枠(前面枠12)が開放状態であり、設定キースイッチがオン状態であることとしたが、前面枠12の開放状態については条件としなくても良い。また、前面枠12の開放とガラス枠15の開放の両方を条件としても良いし、ガラス枠15の開放のみを条件としても良い。
また、設定キースイッチを備えずに、設定値変更スイッチがオン状態であることのみを条件に確率設定値変更状態に移行するようにしても良い。すなわち、ステップS22、S23の処理を行わず、ステップS24で設定値変更スイッチがオン状態である場合(ステップS24;Y)に図9のステップS35に移行するようにしても良い。この場合、初期値乱数用の領域、変動パターン乱数用の領域及び遊技制御用の領域を初期化する図9のステップS41~S44の処理は行われなくなるが、確率設定値変更状態で設定を変更せずに終了する又は同じ確率設定値を設定して終了することで初期値乱数用の領域、変動パターン乱数用の領域及び遊技制御用の領域のみの初期化を行うことができる。このように設定値変更スイッチがオン状態であることのみを条件として確率設定値変更状態に移行するようにすれば、従来のパチンコ遊技機におけるRAMクリアスイッチの構成を流用することができる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図10に示すように、タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111においてタイマ割込みが発生すると、自動的に割込み禁止状態になって、図10のタイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず、レジスタバンク1を指定する(ステップS101)。レジスタバンク1に切り替えたことで、所定のレジスタ(例えばメイン処理で使っているレジスタ)に保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理を行ったのと同等になる。次に、所定のレジスタ(例えばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップS102)。ステップS102では、メイン処理におけるステップS4と同じ処理を行っているが、レジスタバンクが異なる。次に、各種センサやスイッチからの入力や、信号の取込み、すなわち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS103)を行う。それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口ソレノイド38b、普電ソレノイド37c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS104)を行う。なお、メイン処理におけるステップS5で発射停止の信号を出力すると、この出力処理が行われることで発射許可の信号が出力され、発射許可信号を許可状態に設定可能な状態とされる。この発射許可信号は払出制御装置を経由して発射制御装置に出力される。その際、信号の加工等は行われない。また、当該発射許可信号は遊技制御装置から見た発射許可の状態を示す第1の信号であり、払出制御装置から見た発射許可の状態を示す第2の信号(発射許可信号)も払出制御装置内で生成され、発射制御装置に出力される。つまり、2つの発射許可信号が発射制御装置に出力されており、両者が共に発射許可となっている場合に、遊技球が発射可能な状態となるよう構成されている。
次に、初期値乱数更新処理の対象となっている大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数の初期値(スタート値)を更新する乱数更新処理1(ステップS105)、特図1,特図2の変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する乱数更新処理2(ステップS106)を行う。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップS107)を行う。
次に、確率設定値の変更や確認に関する処理を行う確率設定値変更処理(ステップS108)を行い、確率設定値変更状態であるかを判定する(ステップS109)。確率設定値変更状態である場合には確率設定値変更中フラグがセットされていることから判別可能である。確率設定値変更状態でない場合(ステップS109;N)は、確率設定値確認モードであるかを判定する(ステップS110)。確率設定値確認モードは、確率設定値の変更はできないが現在設定されている確率設定値を確認することができる状態である。
確率設定値確認モードでない場合(ステップS110;N)は、遊技の進行に関する処理として、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置200に出力する払出コマンド送信処理(ステップS111)、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップS112)、普図変動表示ゲームに関す処理を行う普図ゲーム処理(ステップS113)を行う。一方、確率設定値変更状態である場合(ステップS109;Y)や、確率設定値確認モードである場合(ステップS110;Y)は、遊技に関する上記の処理を行わずにステップS114に移行する。すなわち、確率設定値変更状態や確率設定値確認モードでは、遊技の進行を行うことができない状態とされる。
なお、確率設定値変更状態や確率設定値確認モードである場合には、払出コマンド送信処理(ステップS111)、特図ゲーム処理(ステップS112)、普図ゲーム処理(ステップS113)を行わないようにしたが、これらのうちの一つ又は複数について行うようにしても良い。例えば、払出コマンド送信処理(ステップS111)は行うようにして賞球の払い出しは行われるようにしても良い。また、確率設定値変更状態や確率設定値確認モードで行わない処理として上述の処理以外の処理を含んでも良い。例えば、確率設定値変更状態では乱数更新処理1(ステップS105)や乱数更新処理2(ステップS106)を行わないようにし、確率設定値変更状態や確率設定値確認モードでは乱数の更新を行わないようにしても良い。また、確率設定値変更状態と確率設定値確認モードで実行しないようにする処理の種類が異なっていても良い。
次に、遊技機10に設けられ、特図変動表示ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS114)、磁気センサ61からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理を行う磁石不正監視処理(ステップS115)、盤電波センサ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理を行う盤電波不正監視処理(ステップS116)を行う。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS117)を行って、アウトスイッチでの遊技球の検出数や入賞領域への入賞に基づく払出数からベース値を算出する処理等を行う状態表示編集出力処理を行い(ステップS118)、タイマ割込み処理を終了する。
ここで、本実施形態では、割込み禁止状態を復元する処理(すなわち、割込みを許可する処理)や、レジスタバンクの指定を復元する処理(すなわち、レジスタバンク0を指定する処理)は、割込みリターンの際(タイマ割込み処理の終了時)に自動的に行う。なお、使用するCPUによっては、割込み禁止状態を復元する処理やレジスタバンクの指定を復元する処理の実行を命令する必要がある遊技機もある。
〔特図ゲーム処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップS112)の詳細について説明する。特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、及び始動口3スイッチ97aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
図11に示すように、特図ゲーム処理では、先ず、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、及び始動口3スイッチ97aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。始動口スイッチ監視処理では、第1始動入賞口36、第2始動入賞口97、普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。
次に、大入賞口スイッチ監視処理(ステップA2)を行う。この大入賞口スイッチ監視処理では、特別変動入賞装置38内に設けられた大入賞口スイッチ38aでの遊技球の検出を監視する処理を行う。
次に、特図ゲーム処理タイマが「0」でなければ-1更新する(ステップA3)。なお、特図ゲーム処理タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、特図ゲーム処理タイマの値が「0」であるかを判定する(ステップA4)。特図ゲーム処理タイマの値が「0」である場合(ステップA4;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合は、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定し(ステップA5)、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(ステップA6)。そして、特図ゲーム処理番号に応じてサブルーチンコールを行う(ステップA7)。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA8)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA9)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップA10)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップA11)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップA12)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA13)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA14)を行う。
その後、特図1表示器51aの変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA15)、特図1表示器51aに係る図柄変動制御処理(ステップA16)を行う。そして、特図2表示器51bの変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA17)、特図2表示器51bに係る図柄変動制御処理(ステップA18)を行い、特図ゲーム処理を終了する。一方、ステップA4にて、特図ゲーム処理タイマの値が「0」でない場合(ステップA4;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、ステップA15の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
なお、大当りとは条件装置の作動を伴う特別結果である。条件装置とは、特図変動表示ゲームで大当りが発生(大当り図柄の停止表示)した場合に作動するもので、条件装置が作動するとは、例えば大当り状態が発生して特別電動役物としての特別変動入賞装置38を連続して作動させるための特定のフラグがセットされる(役物連続作動装置が作動される)ことを意味する。なお、「条件装置」は上記のようなソフトウェア的にオンオフされるフラグのようなソフトウェア手段であっても良いし、電気的にオンオフされるスイッチのようなハードウェア手段であっても良い。また、「条件装置」は、その作動が電動役物の連続作動に必要条件とされる装置として、パチンコ遊技機の分野においては一般的に使用されている用語であり、本明細書においても同様な意味を有する用語として使用している。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)の詳細について説明する。図12に示すように、始動口スイッチ監視処理では、先ず、第1始動口(第1始動入賞口36)入賞監視テーブルを準備し(ステップA101)、ハード乱数取得処理(ステップA102)を行う。このハード乱数取得処理では、対象となる始動口スイッチ(ここでは始動口1スイッチ36a)に入力があった場合にラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードして準備し、対象となる始動口への入賞があったことを示す情報の設定を行う。その後、特図1の始動口である第1始動口への入賞があるか否かを判定する(ステップA103)。
ステップA103にて、第1始動口への入賞がないと判定した場合(ステップA103;N)には、ステップA109の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
一方、ステップA103にて、第1始動口への入賞があると判定した場合(ステップA103;Y)には、特図時短中(普電サポート中)であるか否かを判定する(ステップA104)。
ステップA104にて、特図時短中でないと判定した場合(ステップA104;N)には、ステップA107の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
一方、ステップA104にて、特図時短中であると判定した場合(ステップA104;Y)には、右打ち指示報知コマンドを準備して(ステップA105)、演出コマンド設定処理(ステップA106)を行う。すなわち、時短状態であれば、特図変動表示ゲームの確率状態にかかわらず、右打ち指示報知コマンドを準備して(ステップA105)、演出コマンド設定処理(ステップA106)を行う。本実施形態の遊技機10の場合、第1始動口(第1始動入賞口36)へは左打ちでないと入賞せず、普通変動入賞装置37へは右打ちでないと入賞しない。したがって、時短状態は、左打ちよりも右打ちの方が有利な遊技状態となるが、時短状態中に第1始動口に入賞があった場合(すなわち、時短状態中に左打ちされた場合)には、右打ち指示報知コマンドを演出制御装置300に送信して、右打ちするよう指示する報知(警告)を演出制御装置300によって行うよう構成されている。
次いで、第1始動口(第1始動入賞口36)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA107)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA108)を行う。
次に、第2始動口(普通変動入賞装置37)入賞監視テーブルを準備し(ステップA109)、ハード乱数取得処理(ステップA110)を行う。このハード乱数取得処理では、対象となる始動口スイッチ(ここでは始動口2スイッチ37a)に入力があった場合にラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードして準備し、対象となる始動口への入賞があったことを示す情報の設定を行う。その後、特図2の始動口である第2始動口への入賞があるか否かを判定する(ステップA111)。
ステップA111にて、第2始動口への入賞がないと判定した場合(ステップA111;N)には、ステップA116の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
一方、ステップA111にて、第2始動口への入賞があると判定した場合(ステップA111;Y)には、普通電動役物(普通変動入賞装置37)が作動中である、すなわち、普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かを判定し(ステップA112)、普通電動役物が作動中である(ステップA112;Y)と判定すると、ステップA114の処理に移行して、それ以降の処理を行う。一方、ステップA112にて、普通電動役物が作動中でない(ステップA112;N)と判定すると、普電不正発生中であるかを判定する(ステップA113)。
ステップA113では、普通変動入賞装置37への不正入賞数が不正発生判定個数(例えば、5個)以上である場合に不正発生中であると判定する。普通変動入賞装置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上である場合に不正発生中と判定する。
ステップA113にて、普電不正発生中でないと判定した場合(ステップA113;N)は、第2始動口(普通変動入賞装置37)による保留の情報を設定するテーブルを準備し(ステップA114)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA115)を行った後、ステップA116の処理に移行して、それ以降の処理を行う。また、ステップA113にて、普電不正発生中であると判定した場合(ステップA113;Y)は、ステップA116の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
次に、第3始動口(第2始動入賞口97)入賞監視テーブルを準備し(ステップA116)、ハード乱数取得処理(ステップA117)を行う。このハード乱数取得処理では、対象となる始動口スイッチ(ここでは始動口3スイッチ97a)に入力があった場合にラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードして準備し、対象となる始動口への入賞があったことを示す情報の設定を行う。その後、特図2の始動口である第3始動口への入賞があるか否かを判定する(ステップA118)。
ステップA118にて、第3始動口への入賞がないと判定した場合(ステップA118;N)は、始動口スイッチ監視処理を終了する。
一方、ステップA118にて、第3始動口への入賞があると判定した場合(ステップA118;Y)には、特図時短中(普電サポート中)であるか否かを判定する(ステップA119)。
ステップA119にて、特図時短中でないと判定した場合(ステップA119;N)には、ステップA122の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
一方、ステップA119にて、特図時短中であると判定した場合(ステップA119;Y)には、右打ち指示報知コマンドを準備して(ステップA120)、演出コマンド設定処理(ステップA121)を行う。すなわち、時短状態であれば、特図変動表示ゲームの確率状態にかかわらず、右打ち指示報知コマンドを準備して(ステップA120)、演出コマンド設定処理(ステップA121)を行う。本実施形態の遊技機10の場合、第3始動口(第2始動入賞口97)へは左打ちでないと入賞せず、普通変動入賞装置37へは右打ちでないと入賞しない。したがって、時短状態は、左打ちよりも右打ちの方が有利な遊技状態となるが、時短状態中に第3始動口に入賞があった場合(すなわち、時短状態中に左打ちされた場合)には、右打ち指示報知コマンドを演出制御装置300に送信して、右打ちするよう指示する報知(警告)を演出制御装置300によって行うよう構成されている。
次いで、第3始動口(第2始動入賞口97)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA122)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA123)を行って、始動口スイッチ監視処理を終了する。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、上述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(ステップA108,A115,A123)の詳細について説明する。特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aや始動口3スイッチ97aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
図13に示すように、特図始動口スイッチ共通処理では、先ず、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、及び始動口3スイッチ97aのうち、監視対象の始動口スイッチへの入賞の回数に関する情報を遊技機10の外部の管理装置に対して出力する回数である始動口信号出力回数をロードし(ステップA141)、ロードした値を+1更新して(ステップA142)、出力回数がオーバーフローするかを判定する(ステップA143)。
出力回数がオーバーフローしない場合(ステップA143;N)は、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(ステップA144)、ステップA145の処理に移行する。
一方、出力回数がオーバーフローする場合(ステップA143;Y)は、ステップA145の処理に移行する。本実施形態では、始動口信号出力回数領域に「0」から「255」までの値を記憶することができる。そして、ロードした値が「255」である場合には+1更新によって更新後の値は「0」になり、出力回数がオーバーフローすると判定して、セーブしないよう構成されている。
次に、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、及び始動口3スイッチ97aのうち、監視対象の始動口スイッチに対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満かを判定する(ステップA145)。
更新対象の特図保留数が上限値未満でない場合(ステップA145;N)は、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
また、更新対象の特図保留数が上限値未満である場合(ステップA145;Y)は、更新対象の特図保留数(特図1保留数又は特図2保留数)を+1更新して(ステップA146)、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備し(ステップA147)、演出コマンド設定処理(ステップA148)を行って、対象の始動口入賞フラグをセーブする(ステップA149)。続けて、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する乱数格納領域のアドレスを算出して(ステップA150)、ステップA102,A110,A117のハード乱数取得処理にて準備した大当り乱数をRWMの大当り乱数格納領域にセーブする(ステップA151)。次に、監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出し、準備して(ステップA152)、RWMの大当り図柄乱数格納領域にセーブする(ステップA153)。この大当り図柄乱数は、特図保留情報判定処理(ステップA157)で使用する。
次いで、変動パターン乱数(本実施形態の場合、変動パターン乱数1から2)を対応するRWMの変動パターン乱数格納領域にセーブする(ステップA154)。
次いで、特図1保留数と特図2保留数の合計に対応する変動順序フラグ格納領域のアドレス(保留1から8までの何れかの場所)を算出し(ステップA155)、算出した領域に対象(特図1または特図2)の変動順序フラグをセーブし(ステップA156)、特図保留情報判定処理(ステップA157)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
ここで、遊技制御装置100(RAM111C)は、第1始動入賞口36、第2始動入賞口97、普通変動入賞装置37の始動入賞領域への遊技球の流入に基づき、所定の乱数を抽出し変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶として所定数を上限に記憶する始動記憶手段をなす。また、始動記憶手段(遊技制御装置100)は、特図1の始動口である第1始動入賞口36への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第1始動記憶として記憶し、特図2の始動口である第2始動入賞口97や普通変動入賞装置37への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第2始動記憶として記憶する。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、上述の特図始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(ステップA157)の詳細について説明する。特図保留情報判定処理は、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理である。
図14に示すように、まず、低確率判定フラグを準備して(ステップA161)、大当り乱数値が大当り判定値(大当り低確率判定値)と一致するか否かにより大当りであるか判定する先読み大当り判定処理(ステップA162)を行い、判定結果として大当りが設定されたか判定する(ステップA163)。
ステップA163で、判定結果として大当りが設定されたと判定した場合(ステップA163;Y)は、対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップA164)、ステップA152にて準備した大当り図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(ステップA165)、ステップA167の処理に移行する。
一方、ステップA163で、判定結果として大当りが設定されていないと判定した場合(ステップA163;N)、すなわち判定結果としてはずれが設定された場合は、はずれの停止図柄情報を設定して(ステップA166)、ステップA167の処理に移行する。
ステップA167では、ステップA165にて取得した停止図柄情報またはステップA166にて設定した停止図柄情報を図柄情報領域にセーブする(ステップA167)。
次いで、対象の始動口スイッチ及び停止図柄情報に対応する先読み停止図柄コマンド(低確率)を準備し(ステップA168)、演出コマンド設定処理(ステップA169)を行う。
次いで、高確率判定フラグを準備して(ステップA170)、大当り乱数値が大当り判定値(大当り高確率判定値)と一致するか否かにより大当りであるか判定する先読み大当り判定処理(ステップA171)を行い、判定結果として大当りが設定されたか判定する(ステップA172)。
ステップA172で、判定結果として大当りが設定されたと判定した場合(ステップA172;Y)には、対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップA173)、ステップA152にて準備した大当り図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(ステップA174)、ステップA176の処理に移行する。
一方、ステップA172で、判定結果として大当りが設定されていないと判定した場合(ステップA172;N)、すなわち判定結果としてはずれが設定された場合には、はずれの停止図柄情報を設定して(ステップA175)、ステップA176の処理に移行する。
ステップA176では、特図の高確率中であるか判定する(ステップA176)。
ステップA176で、特図の高確率中でないと判定した場合(ステップA176;N)には、ステップA178の処理に移行する。
一方、ステップA176で、特図の高確率中であると判定した場合(ステップA176;Y)には、ステップA167にて停止図柄情報をセーブした図柄情報領域に、ステップA174にて取得した停止図柄情報またはステップA175にて設定した停止図柄情報を上書きしてセーブし(ステップA177)、ステップA178の処理に移行する。なお、図柄情報領域にセーブされる停止図柄情報は、変動パターンの先読み等で使用される。
ステップA178では、対象の始動口スイッチ及び停止図柄情報に対応する先読み停止図柄コマンド(高確率)を準備して(ステップA178)、演出コマンド設定処理(ステップA179)を行う。このように、本実施形態では、特図保留情報判定処理を実行する度に、大当り低確率判定値で判定した結果と、大当り高確率判定値で判定した結果とが、演出制御装置300が送信される。
次に、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA180)を行い、特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理を行う(ステップA181)。
その後、特図変動表示ゲームの変動態様における変動パターンを示す変動パターン番号に対応する先読み変動パターンコマンドを準備して(ステップA182)、演出コマンド設定処理を行い(ステップA183)、特図保留情報判定処理を終了する。なお、ステップA180における特図情報設定処理、ステップA181における変動パターン設定処理は、特図普段処理で特図変動表示ゲームの開始時に実行される処理と同様である。
以上の処理により、先読み対象の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果を含む先読み停止図柄コマンドと、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームでの変動パターンの情報を含む先読み変動パターンコマンドが準備され、演出制御装置300に送信される。これにより、始動記憶に対応した結果関連情報(大当りか否かや変動パターンの種類)の判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置300に対して知らせることができ、特に表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に結果関連情報を報知することが可能となる。
すなわち、遊技制御装置100が、始動入賞記憶手段(遊技制御装置100)に始動記憶として記憶される乱数を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行前に判定する(例えば、特別結果となるか否か等を判定)事前判定手段をなす。なお、始動記憶に対応して記憶された乱数値を事前に判定する時期は、当該始動記憶が発生した始動入賞時だけではなく、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが行われる前であればいつでもよい。
〔先読み大当り判定処理〕
次に、上述の特図保留情報判定処理における先読み大当り判定処理(ステップA162,A171)の詳細について説明する。
図15に示すように、先読み大当り判定処理では、まず、大当り判定値の下限判定値を設定し(ステップA191)、対象の大当り乱数の値が下限判定値未満か判定する(ステップA192)。
ステップA192で、大当り乱数の値が下限判定値未満であると判定した場合(ステップA192;Y)には、判定結果としてはずれを設定して(ステップA197)、先読み大当り判定処理を終了する。
一方、ステップA192で、大当り乱数の値が下限判定値未満でないと判定した場合(ステップA192;N)には、当該先読み大当り判定処理の直前に準備した判定フラグは高確率判定フラグであるか判定する(ステップA193)。
ステップA193で、高確率判定フラグであると判定した場合(ステップA193;Y)、すなわち当該先読み大当り判定処理がステップA171の処理である場合には、高確率中の上限判定値を設定して(ステップA194)、対象の大当り乱数の値が上限判定値より大きいか判定する(ステップA196)。
一方、ステップA193で、高確率判定フラグでないと判定した場合(ステップA193;N)、すなわち当該先読み大当り判定処理がステップA162の処理である場合には、低確率中の上限判定値を設定して(ステップA195)、対象の大当り乱数の値が上限判定値より大きいか判定する(ステップA196)。
ステップA196で、対象の大当り乱数の値が上限判定値より大きいと判定した場合(ステップA196;Y)は、判定結果としてはずれを設定して(ステップA197)、先読み大当り判定処理を終了する。
一方、ステップA196で、対象の大当り乱数の値が上限判定値より大きくないと判定した場合(ステップA196;N)、すなわち大当りである場合には、判定結果として大当りを設定して(ステップA198)、先読み大当り判定処理を終了する。
〔大入賞口スイッチ監視処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における大入賞口スイッチ監視処理(ステップA2)の詳細について説明する。図16に示すように、大入賞口スイッチ監視処理では、まず、特図ゲーム処理番号の値が「4」であるか、すなわち大入賞口開放中処理中であるかを判定する(ステップA201)。大入賞口開放中処理中である場合(ステップA201;Y)は、大入賞口スイッチ38aに入力があるか判定する(ステップA203)。また、大入賞口開放中処理中でない場合(ステップA201;N)は、特図ゲーム処理番号の値が「5」であるか、すなわち大入賞口残存球処理中であるかを判定する(ステップA202)。
大入賞口残存球処理中である場合は(ステップA202;Y)は、大入賞口スイッチ38aに入力があるか判定する(ステップA203)。また、大入賞口残存球処理中でない場合は(ステップA202;N)は、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。
特図ゲーム処理タイマが「0」になるまで特図ゲーム処理番号は次に移行しないため、このように特図ゲーム処理番号によって遊技の進行状態をチェックすることができる。
ステップA203で、大入賞口スイッチ38aに入力がないと判定した場合(ステップA203;N)には、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。
一方、ステップA203で、大入賞口スイッチ38aに入力があると判定した場合(ステップA203;Y)には、大入賞口カウントコマンドを準備して(ステップA204)、演出コマンド設定処理(ステップA205)を行う。
次いで、特図ゲーム処理番号の値が「4」であるか、すなわち大入賞口開放中処理中であるか判定する(ステップA206)。
ステップA206で、大入賞口開放中処理中でないと判定した場合(ステップA206;N)には、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。
一方、ステップA206で、大入賞口開放中処理中であると判定した場合(ステップA206;Y)には、大入賞口カウント数を+1更新して(ステップA207)、大入賞口カウント数が上限値(一のラウンドで入賞可能な遊技球数。例えば、9個)以上となったかを判定する(ステップA208)。
大入賞口カウント数が上限値以上となっていない場合(ステップA208;N)は、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。
一方、大入賞口カウント数が上限値以上となった場合(ステップA208;Y)は、特図ゲーム処理タイマ領域を0クリアして(ステップA209)、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。これにより大入賞口が閉鎖されて一のラウンドが終了することとなる。
〔特図普段処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図普段処理(ステップA8)の詳細について説明する。図17に示すように、特図普段処理では、先ず、特図1保留数及び特図2保留数は共に「0」であるか判定する(ステップA301)。
ステップA301で、特図1保留数及び特図2保留数は共に「0」でないと判定した場合(ステップA301;N)には、変動順序フラグ格納領域(保留数合計1用)からフラグをロードして(ステップA302)、今回の変動が特図1の変動であるか判定する(ステップA303)。
ステップA303で、今回の変動が特図1の変動であると判定した場合(ステップA303;Y)には、特図1保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備し(ステップA304)、演出コマンド設定処理(ステップA305)を行い、特図1変動開始処理(ステップA306)を行って、特図普段処理を終了する。なお、この時点では、特図1保留数は-1更新されていないが、ステップA304では、-1更新された値に対応するコマンド(飾り特図保留数コマンド)を準備する。
一方、ステップA303で、今回の変動が特図1の変動でないと判定した場合(ステップA303;N)、すなわち今回の変動が特図2の変動である場合には、特図2保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備し(ステップA307)、演出コマンド設定処理(ステップA308)を行い、特図2変動開始処理(ステップA309)を行って、特図普段処理を終了する。なお、この時点では、特図2保留数は-1更新されていないが、ステップA307では、-1更新された値に対応するコマンド(飾り特図保留数コマンド)を準備する。
また、ステップA301で、特図1保留数及び特図2保留数は共に「0」であると判定した場合(ステップA301;Y)には、客待ちデモが開始済みであるかを判定し(ステップA310)、客待ちデモが開始済みでない場合(ステップA310;N)は、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをセットする(ステップA311)。
続けて、客待ちデモコマンドを準備して(ステップA312)、演出コマンド設定処理(ステップA313)を行う。
次いで、処理番号として特図普段処理にかかる「0」を設定し(ステップA314)、その処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブして(ステップA315)、変動図柄判別フラグ領域をクリアする(ステップA316)。そして、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップA317)、特図普段処理を終了する。
〔特図1変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図1変動開始処理(ステップA306)の詳細について説明する。特図1変動開始処理は、第1特図変動表示ゲームの開始時に行う処理である。図18(a)に示すように、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図1)を示す特図1変動フラグを変動図柄判別フラグ領域にセーブし(ステップA321)、第1特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ1にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理(ステップA322)を行う。
次に、特図1停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図1停止図柄設定処理(ステップA323)を行った後、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA324)を行い、第1特図変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図1変動パターン設定情報テーブルを準備する(ステップA325)。その後、第1特図変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する変動パターン設定処理(ステップA326)を行い、第1特図変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA327)を行う。
次いで、処理番号として特図変動中処理にかかる「1」を設定し(ステップA328)、その処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA329)。
次いで、客待ちデモフラグ領域をクリアし(ステップA330)、特図1の変動開始に関する信号(例えば、特別図柄1変動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA331)。その後、特図1変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし(ステップA332)、特図1点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特図1表示器51aの点滅の周期のタイマ)の初期値(例えば、100m秒)をセーブし(ステップA333)、特図1変動図柄番号領域に初期値(例えば、0)をセーブして(ステップA334)、特図1変動開始処理を終了する。
〔特図2変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図2変動開始処理(ステップA309)の詳細について説明する。特図2変動開始処理は、第2特図変動表示ゲームの開始時に行う処理であって、図18(a)に示した特図1変動開始処理での処理と同様の処理を、第2始動記憶を対象として行うものである。
図18(b)に示すように、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図2)を示す特図2変動フラグを変動図柄判別フラグ領域にセーブし(ステップA341)、第2特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ2にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ2設定処理(ステップA342)を行う。
次に、特図2停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図2停止図柄設定処理(ステップA343)を行った後、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA344)を行い、第2特図変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図2変動パターン設定情報テーブルを準備する(ステップA345)。その後、第2特図変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する変動パターン設定処理(ステップA346)を行い、第2特図変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA347)を行う。
次いで、処理番号として特図変動中処理にかかる「1」を設定し(ステップA348)、その処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA349)。
次いで、客待ちデモフラグ領域をクリアし(ステップA350)、特図2の変動開始に関する信号(例えば、特別図柄2変動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA351)。その後、特図2変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし(ステップA352)、特図2点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特図2表示器51bの点滅の周期のタイマ)の初期値(例えば、100m秒)をセーブし(ステップA353)、特図2変動図柄番号領域に初期値(例えば、0)をセーブして(ステップA354)、特図2変動開始処理を終了する。
〔大当り判定処理〕
図19には、上述の大当りフラグ1設定処理及び大当りフラグ2設定処理における大当り判定処理(ステップA364,A374)を示した。この大当り判定処理では、まず、大当り判定値の下限判定値を設定し(ステップA381)、対象の大当り乱数の値が下限判定値未満かを判定する(ステップA382)。なお、大当りであるとは大当り乱数が大当り判定値と一致することである。大当り判定値は連続する複数の値であり、大当り乱数が、大当り判定値の下限の値である下限判定値以上で、かつ、大当り判定値の上限の値である上限判定値以下である場合に、大当りであると判定される。
大当り乱数の値が下限判定値未満である場合(ステップA382;Y)は、判定結果としてはずれを設定し(ステップA387)、大当り判定処理を終了する。
また、大当り乱数の値が下限判定値未満でない場合(ステップA382;N)は、高確率状態であるかを判定する(ステップA383)。
そして、高確率状態である場合(ステップA383;Y)は、高確率中の上限判定値を設定し(ステップA384)、対象の大当り乱数の値が上限判定値より大きいかを判定する(ステップA386)。また、高確率状態でない場合(ステップA383;N)は、低確率中の上限判定値を設定し(ステップA385)、対象の大当り乱数の値が上限判定値より大きいかを判定する(ステップA386)。
大当り乱数の値が上限判定値より大きい場合(ステップA386;Y)は、判定結果としてはずれを設定し(ステップA387)、大当り判定処理を終了する。
また、大当り乱数の値が上限判定値より大きくない場合(ステップA386;N)、すなわち大当りである場合は、判定結果として大当りを設定し(ステップA388)、大当り判定処理を終了する。
〔特図1停止図柄設定処理〕
図20には、上述の特図1変動開始処理における特図1停止図柄設定処理(ステップA323)を示した。この特図1停止図柄設定処理では、まず、大当りフラグ1が大当りかを判定し(ステップA391)、大当りである場合(ステップA391;Y)は、特図1大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から大当り図柄乱数をロードする(ステップA392)。次に、特図1大当り図柄テーブルを設定して(ステップA393)、ロードした大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得し、特図1停止図柄番号領域にセーブする(ステップA394)。この処理により特別結果の種類が選択される。
その後、特図1大当り停止図柄情報テーブルを設定して(ステップA395)、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得し、停止図柄パターン領域にセーブする(ステップA396)。停止図柄パターンとは、特図表示器(ここでは特図1表示器51a)での停止図柄や表示装置41での停止図柄を設定するためのものである。次に、停止図柄番号に対応するラウンド数上限値情報(本実施形態の場合、16Rまたは6Rを示す情報)を取得し、ラウンド数上限値情報領域にセーブして(ステップA397)、停止図柄番号に対応する確率変動判定データを取得し、確率変動判定データ領域にセーブして(ステップA398)、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(ステップA401)。ここで、確率変動判定データは、大当り後にどのモードに移行するかを示す情報であり、本実施形態では、ステップA398において、「低確率データ(通常(普電サポートなし))」、「高確率データ1(確変(普電サポートあり))」、または「高確率データ2(潜伏確変(普電サポートなし))」が取得されて確率変動判定データ領域にセーブされる。
一方、大当りフラグ1が大当りでない場合(ステップA391;N)は、はずれ時の停止図柄番号を特図1停止図柄番号領域にセーブし(ステップA399)、はずれ停止図柄パターンを停止図柄パターン領域にセーブして(ステップA400)、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(ステップA401)。以上の処理により、特図変動表示ゲームの結果に対応した停止図柄が設定される。
その後、飾り特図コマンドを飾り特図コマンド領域にセーブし(ステップA402)、演出コマンド設定処理(ステップA403)を行う。この飾り特図コマンドは、後に演出制御装置300に送信される。そして、停止図柄番号に対応する図柄データを試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA404)、特図1大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアして(ステップA405)、特図1停止図柄設定処理を終了する。
〔特図2停止図柄設定処理〕
図21には、上述の特図2変動開始処理における特図2停止図柄設定処理(ステップA343)を示した。この特図2停止図柄設定処理では、まず、大当りフラグ2が大当りかを判定し(ステップA411)、大当りである場合(ステップA411;Y)は、特図2大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から大当り図柄乱数をロードする(ステップA412)。次に、特図2大当り図柄テーブルを設定して(ステップA413)、ロードした大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得し、特図2停止図柄番号領域にセーブする(ステップA414)。この処理により特別結果の種類が選択される。
その後、特図2大当り停止図柄情報テーブルを設定して(ステップA415)、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得し、停止図柄パターン領域にセーブする(ステップA416)。停止図柄パターンとは、特図表示器(ここでは特図2表示器51b)での停止図柄や表示装置41での停止図柄を設定するためのものである。次に、停止図柄番号に対応するラウンド数上限値情報(本実施形態の場合、16Rまたは6Rを示す情報)を取得し、ラウンド数上限値情報領域にセーブして(ステップA417)、停止図柄番号に対応する確率変動判定データを取得し、確率変動判定データ領域にセーブして(ステップA418)、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(ステップA421)。
一方、大当りフラグ2が大当りでない場合(ステップA411;N)は、はずれ時の停止図柄番号を特図2停止図柄番号領域にセーブし(ステップA419)、はずれ停止図柄パターンを停止図柄パターン領域にセーブして(ステップA420)、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(ステップA421)。以上の処理により、特図変動表示ゲームの結果に対応した停止図柄が設定される。
その後、飾り特図コマンドを飾り特図コマンド領域にセーブし(ステップA422)、演出コマンド設定処理(ステップA423)を行う。この飾り特図コマンドは、後に演出制御装置300に送信される。そして、停止図柄番号に対応する図柄データを試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA424)、特図2大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアして(ステップA425)、特図2停止図柄設定処理を終了する。
すなわち、遊技制御装置100が、第1始動入賞口36での遊技球の検出に基づいて変動表示ゲームとして第1変動表示ゲームを実行し、第2始動入賞口97や普通変動入賞装置37での遊技球の検出に基づいて変動表示ゲームとして第2変動表示ゲームを実行する変動表示ゲーム実行手段をなす。また、遊技制御装置100が、判定手段(遊技制御装置100)による判定結果に基づき変動表示ゲームの実行を制御する変動表示ゲーム実行制御手段をなす。
〔変動開始情報設定処理〕
次に、上述の特図1変動開始処理及び特図2変動開始処理における変動開始情報設定処理(ステップA327,A347)の詳細について説明する。図22に示すように変動開始情報設定処理では、まず、対象の変動パターン乱数1~2の乱数格納領域をクリアする(ステップA451)。次に、変動時間値テーブルを設定し(ステップA452)、変動パターン番号に対応する変動時間値を取得し、特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA453)。
そして、変動パターン番号に対応する変動コマンド(MODE,ACTION)を準備して(ステップA454)、演出コマンド設定処理を行う(ステップA455)。次に、変動図柄判別フラグに対応する特図保留数を-1更新して(ステップA456)、変動図柄判別フラグに対応する乱数格納領域のアドレスを設定する(ステップA457)。次いで、乱数格納領域をシフトし(ステップA458)、シフト後の空き領域をクリアする(ステップA459)。次いで、変動順序フラグ格納領域をシフトし(ステップA460)、シフト後の空き領域をクリアして(ステップA461)、変動開始情報設定処理を終了する。
以上の処理により、特図変動表示ゲームの開始に関する情報が設定される。すなわち、遊技制御装置100が、始動記憶手段(遊技制御装置100)に記憶された各種の乱数値の判定を行う判定手段をなす。また、遊技制御装置100が、始動記憶の判定情報に基づいて、変動表示ゲームで実行する識別情報の変動パターンを決定することが可能な変動パターン決定手段をなす。
そして、これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報は後に演出制御装置300に送信され、演出制御装置300では、特図変動表示ゲームの開始に関する情報の受信に基づき、決定された変動パターンに応じて飾り特図変動表示ゲームでの詳細な演出内容を設定する。これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報としては、始動記憶数(保留数)に関する情報を含む飾り特図保留数コマンド、停止図柄に関する情報を含む飾り特図コマンド、特図変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含む変動コマンド、停止時間の延長に関する情報を含む停止情報コマンドが挙げられ、この順でコマンドが演出制御装置300に送信される。特に、飾り特図コマンドを変動コマンドよりも先に送信することで、演出制御装置300での処理を効率よく進めることができる。
〔特図変動中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図変動中処理(ステップA9)の詳細について説明する。
図23に示すように、特図変動中処理では、まず、変動図柄判別フラグに対応する図柄停止コマンドを準備して(ステップA501)、演出コマンド設定処理(ステップA502)を行う。
次いで、停止図柄パターン番号に対応する表示時間を設定して(ステップA503)、設定した表示時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA504)。本実施形態の場合、停止図柄パターンがはずれ図柄パターンである場合には表示時間として800m秒を設定し、停止図柄パターンが大当り図柄パターンである場合には表示時間として2000m秒を設定する。
次いで、処理番号として特図表示中処理にかかる「2」を設定し(ステップA505)、その処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA506)。
次いで、特図1の変動終了に関する信号(例えば、特別図柄1変動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA507)、特図2の変動終了に関する信号(例えば、特別図柄2変動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブして(ステップA508)、外部情報端子に出力用の特図変動表示ゲームの実行回数に係る図柄確定回数信号制御タイマ領域に制御タイマ初期値(例えば、256m秒)をセーブする(ステップA509)。その後、特図1表示器51aにおける特図1変動表示ゲームの制御用の情報として、特図1表示器51aでの変動停止に係る停止フラグを特図1変動制御フラグ領域にセーブし(ステップA510)、特図2表示器51bにおける特図2変動表示ゲームの制御用の情報として、特図2表示器51bでの変動停止に係る停止フラグを特図2変動制御フラグ領域にセーブして(ステップA511)、特図変動中処理を終了する。
〔特図表示中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図表示中処理(ステップA10)の詳細について説明する。図24に示すように、特図表示中処理では、まず、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理にて設定された大当りフラグ1と、特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理にて設定された大当りフラグ2と、をロードして(ステップA601)、RWMの大当りフラグ1領域及び大当りフラグ2領域をクリアする処理(ステップA602)を行う。そして、ロードされた大当りフラグ2が大当りかを判定して(ステップA603)、大当りである(ステップA603;Y)と判定すると、第2特図変動表示ゲームの大当り(特図2大当り)の開始に関する試験信号(例えば、条件装置作動中信号をON、役物連続作動装置作動中信号をON、特別図柄2当り信号をON)をRWMの試験信号出力データ領域にセーブして(ステップA606)、ラウンド数上限値テーブルを設定する(ステップA607)。
一方、ステップA603にて、大当りフラグ2のチェックの結果、大当りでない(ステップA603;N)と判定すると、ロードされた大当りフラグ1が大当りかを判定して(ステップA604)、大当りである(ステップA604;Y)と判定すると、第1特図変動表示ゲームの大当り(特図1大当り)の開始に関する試験信号(例えば、条件装置作動中信号をON、役物連続作動装置作動中信号をON、特別図柄1当り信号をON)をRWMの試験信号出力データ領域にセーブして(ステップA605)、ラウンド数上限値テーブルを設定する(ステップA607)。
ラウンド数上限値テーブルを設定する処理(ステップA607)を行った後、ラウンド数上限値情報に対応するラウンド数上限値(本実施形態の場合、16Rまたは6R)を取得し、RWMのラウンド数上限値領域にセーブする(ステップA608)。続けて、ラウンド数上限値情報に対応するラウンドLEDポインタを取得し、RWMのラウンドLEDポインタ領域にセーブする(ステップA609)。
次に、停止図柄パターンに対応した飾り特図コマンドをRWMの飾り特図コマンド領域からロードし、準備して(ステップA610)、演出コマンド設定処理(ステップA613)を行う。その後、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報に係る確率情報コマンドを準備して(ステップA612)、演出コマンド設定処理(ステップA613)を行う。続けて、特図1又は特図2停止図柄設定処理にて設定された図柄情報(停止図柄番号又は停止図柄パターン)に対応するファンファーレコマンドを準備して(ステップA614)、演出コマンド設定処理(ステップA615)を行う。
その後、大当りファンファーレ時間(例えば、10000m秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA616)、大入賞口開放情報に対応する大入賞口(特別変動入賞装置38)の大入賞口不正入賞数領域をクリアして(ステップA617)、大入賞口開放情報に対応する大入賞口の大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブする(ステップA618)。その後、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1(ステップA619)を行い、特図表示中処理を終了する。
一方、ステップA604にて、大当りフラグ1が大当りでない場合(ステップA604;N)は、処理番号として特図普段処理にかかる「0」を設定して(ステップA620)、その処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA621)。
次いで、変動図柄判別フラグ領域をクリアし(ステップA622)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップA623)、特図表示中処理を終了する。
〔ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1〕
次に、上述の特図表示中処理におけるファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1(ステップA619)の詳細について説明する。図25に示すように、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1では、まず、処理番号としてファンファーレ/インターバル中処理にかかる「3」を設定し(ステップA631)、その処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA632)。
次に、大当り(特別遊技状態)の開始に関する信号(例えば、大当り1信号をON、大当り2信号をON、大当り3信号をON、大当り4信号をON)を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA633)、高確率状態と時短状態の終了に関する信号(例えば、特別図柄1高確率状態信号をOFF、特別図柄2高確率状態信号をOFF、特別図柄1変動時間短縮状態信号をOFF、特別図柄2変動時間短縮状態信号をOFF、普通図柄1高確率状態信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA634)。なお、特図高確率中でも、普図は確率状態しか変化しないので、普通図柄1変動時間短縮状態信号及び普通電動役物1開放延長状態信号は常時OFFされている。その後、特別遊技状態で実行したラウンド数を管理するためのラウンド数領域をクリアし(ステップA635)、遊技状態表示番号領域に時短なしの番号をセーブして(ステップA636)、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率フラグをセーブする(ステップA637)。
そして、変動図柄判別フラグ領域をクリアし(ステップA638)、高確率状態の表示に係る遊技盤30に設けた遊技状態表示LED(第3遊技状態表示部58)を消灯させるために高確率報知フラグ領域をクリアして(ステップA639)、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率&時短なしフラグをセーブする(ステップA640)。次に、停電復旧時に演出制御装置300に出力されるコマンドをセーブする停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブし(ステップA641)、右打ち指示に関する信号(例えば、発射位置指定信号1をON)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA642)、右打ち中の表示LED(例えば、第1遊技状態表示部56)を点灯させるため、遊技状態表示番号2領域に右打ち状態中の番号をセーブして(ステップA643)、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1を終了する。これにより、特別遊技状態の発生に伴い演出モードの情報が一旦クリアされることとなる。
〔ファンファーレ/インターバル中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理におけるファンファーレ/インターバル中処理(ステップA11)の詳細について説明する。図26に示すように、ファンファーレ/インターバル中処理では、まず、特別遊技状態のラウンド数を+1更新し(ステップA701)、特別遊技状態のラウンド数に対応するラウンドコマンドを準備して(ステップA702)、演出コマンド設定処理(ステップA703)を行う。
次いで、大入賞口開放時間(例えば、29秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA704)、処理番号として大入賞口開放中処理にかかる「4」に設定して(ステップA705)、その処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA706)。
次いで、大入賞口の開放開始に関する信号(例えば、特別電動役物1作動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブして(ステップA707)、大入賞口への入賞数を記憶する大入賞口カウント数領域の情報をクリアする(ステップA708)。そして、特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放するために、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブして(ステップA709)、ファンファーレ/インターバル中処理を終了する。
〔大当り終了処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における大当り終了処理(ステップA14)の詳細について説明する。図27に示すように、この大当り終了処理では、まず、確率変動判定データによるサブルーチンコールを行う(ステップA1001)。
ステップA1001で、確率変動判定データが「低確率データ(通常(普電サポートなし))」の場合には、大当り終了設定処理1(ステップA1002)を行って、ステップA1005の処理に移行する。
また、ステップA1001で、確率変動判定データが「高確率データ1(確変(普電サポートあり))」の場合には、大当り終了設定処理2(ステップA1003)を行って、ステップA1005の処理に移行する。
また、ステップA1001で、確率変動判定データが「高確率データ2(潜伏確変(普電サポートなし))」の場合には、大当り終了設定処理3(ステップA1004)を行って、ステップA1005の処理に移行する。
ステップA1005では、停電復旧時送信コマンド領域から確率情報コマンドをロードし、準備する(ステップA1005)。そして、演出コマンド設定処理(ステップA1006)を行う。
次いで、処理番号として特図普段処理にかかる「0」を設定して(ステップA1007)、その処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA1008)。
次いで、大当りの終了に関する信号(例えば、大当り1信号をOFF、大当り3信号をOFF、大当り4信号をOFF)を外部情報出力データ領域にセーブして(ステップA1009)、大当りの終了に関する信号(例えば、条件装置作動中信号をOFF、役物連続作動装置作動中信号をOFF、特別図柄1当り信号をOFF、特別図柄2当り信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1010)。
次いで、確率判定フラグ領域の情報をクリアし(ステップA1011)、大当りのラウンド回数を示すラウンドLEDのポインタ領域の情報をクリアし(ステップA1012)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップA1013)、大当り終了処理を終了する。
〔大当り終了設定処理1〕
図28(a)には、上述の大当り終了処理における大当り終了設定処理1(ステップA1002)を示した。この大当り終了設定処理1では、まず、時短状態なしに関する信号(例えば、大当り2信号をOFF)を外部情報出力データ領域にセーブして(ステップA1021)、低確率状態と時短状態なしの開始に関する信号(例えば、特別図柄1高確率状態信号をOFF、特別図柄2高確率状態信号をOFF、特別図柄1変動時間短縮状態信号をOFF、特別図柄2変動時間短縮状態信号をOFF、普通図柄1高確率状態信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1022)。
次いで、遊技状態表示番号領域に時短状態なしの番号をセーブし(ステップA1023)、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率フラグをセーブして(ステップA1024)、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率&時短なしフラグをセーブする(ステップA1025)。
次いで、左打ち指示に関する信号(例えば、発射位置指定信号1をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブして(ステップA1026)、右打ち中の表示LED(第1遊技状態表示部56)を消灯させるため、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブする(ステップA1027)。
次いで、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブして(ステップA1028)、大当り終了設定処理1を終了する。
〔大当り終了設定処理2〕
図28(b)には、上述の大当り終了処理における大当り終了設定処理2(ステップA1003)を示した。この大当り終了設定処理2では、まず、時短状態の開始に関する信号(例えば、大当り2信号をON)を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA1031)。時短状態の開始に関する信号は、大当り中から出力されているので継続する形で、外部情報出力データ領域にセーブされる。
次いで、高確率状態と時短状態ありの開始に関する信号(例えば、特別図柄1高確率状態信号をON、特別図柄2高確率状態信号をON、特別図柄1変動時間短縮状態信号をON、特別図柄2変動時間短縮状態信号をON、普通図柄1高確率状態信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1032)。
次に、遊技状態表示番号領域に時短状態ありの番号をセーブし(ステップA1033)、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率フラグをセーブして(ステップA1034)、特図ゲームモードフラグ領域に特図高確率&時短ありフラグをセーブする(ステップA1035)。
次いで、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(高確率)をセーブして(ステップA1036)、大当り終了設定処理2を終了する。なお、本実施形態の場合、時短状態中は右打ちモードであるが、大当り中から右打ちモードが設定されているので、大当り終了設定処理2では右打ちに関する設定を行わない。
〔大当り終了設定処理3〕
図29には、上述の大当り終了処理における大当り終了設定処理3(ステップA1004)を示した。この大当り終了設定処理3では、まず、時短状態なしに関する信号(例えば、大当り2信号をOFF)を外部情報出力データ領域にセーブして(ステップA1041)、高確率状態と時短状態なしの開始に関する信号(例えば、特別図柄1高確率状態信号をON、特別図柄2高確率状態信号をON、特別図柄1変動時間短縮状態信号をOFF、特別図柄2変動時間短縮状態信号をOFF、普通図柄1高確率状態信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1042)。
次いで、遊技状態表示番号領域に時短状態なしの番号をセーブし(ステップA1043)、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率フラグをセーブして(ステップA1044)、特図ゲームモードフラグ領域に特図高確率&時短なしフラグをセーブする(ステップA1045)。
次いで、左打ち指示に関する信号(例えば、発射位置指定信号1をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブして(ステップA1046)、右打ち中の表示LED(第1遊技状態表示部56)を消灯させるため、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブする(ステップA1047)。
次いで、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(潜伏)をセーブして(ステップA1048)、大当り終了設定処理3を終了する。
次に演出制御装置300での制御について説明する。演出制御装置300の主制御用マイコン(CPU)311では、図30に示すメイン処理と、図示しないタイマ割込み処理を行う。
〔メイン処理〕
図30に示すようにメイン処理では、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理では、まず、割込みを禁止し(ステップC1)、CPUの初期設定を行う(ステップC2)。次に、VDP312の初期設定を行って(ステップC3)、割込みを許可する(ステップC4)。次いで、表示用データの生成を許可して(ステップC5)、乱数シードを設定し(ステップC6)、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップC7)。これにより、停電発生検出済みフラグ等がクリアされる。
ステップC1からC7のプログラム開始時の処理を行った後、メインループ処理としてループの処理を行う。このループ処理では、まず、WDT(watchdog timer)をクリアする(ステップC8)。次いで、演出ボタン25やタッチパネル29の操作に基づく入力信号(立ち上がりエッジ)から入力情報を作成する演出ボタン入力処理(ステップC9)を行う。演出ボタン25やタッチパネル29からの入力の読み込みはタイマ割込み処理内で行い、この演出ボタン入力処理では演出ボタン25やタッチパネル29からの入力があった時に、演出内容を変更する処理等を行う。
そして、LEDや液晶の輝度、音量などの変更可能範囲の設定や、遊技者によるLEDや液晶の輝度、音量の変更などの操作を受け付けるホール・遊技者設定モード処理を行う(ステップC10)。次に、飾り特図変動表示ゲームの変動態様の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップC11)を行う。
次いで、遊技制御装置100からのコマンドを解析して対応を行う受信コマンドチェック処理(ステップC12)を行い、演出の進行を制御するための設定や描画コマンドの編集を行う演出表示編集処理(ステップC13)を行って、描画コマンドの準備終了を設定する(ステップC14)。これらの処理では、描画する内容に合わせ各種データの更新を行う等して、最終的に描画データをフレームバッファに設定するところまで行う。1/30秒(約33.3m秒)以内に描画する画面の描画データを準備できていれば問題なく画像更新できる。
そして、フレーム切替タイミングであるか否かを判定する(ステップC15)。本実施形態では、システム周期(1フレーム1/30秒)を作るため、Vブランク割込(1/60秒)が2回入るとフレーム切替タイミングであると判定する。なお、フレーム切替タイミングは適宜任意に変更可能であり、例えば、1/60秒で画像の更新(フレームの切り替え)を行ってもよいし、1/60秒よりも遅いタイミングで画像の更新(フレームの切り替え)を行ってもよい。ステップC15で、フレーム切替タイミングでないと判定した場合(ステップC15;N)には、ステップC15の処理を繰り返して行う。一方、ステップC15で、フレーム切替タイミングであると判定した場合(ステップC15;Y)には、画面描画を指示する(ステップC16)。
その後、スピーカ(上スピーカ19a、下スピーカ19b)からの音声の出力に関する制御を行うサウンド制御処理(ステップC17)、盤装飾装置46や枠装飾装置18などのLEDの制御を行う装飾制御処理(ステップC18)、盤演出装置44のモータやソレノイドの制御を行う可動体制御処理(ステップC19)を行い、WDTをクリアする処理(ステップC8)に戻る。
〔受信コマンドチェック処理〕
図31には、上述のメイン処理における受信コマンドチェック処理を示した。この受信コマンドチェック処理では、まず、1フレーム(1/30秒間)の間に何個のコマンドを受信したかをカウントするコマンド受信カウンタの値をコマンド受信数としてロードし(ステップC201)、コマンド受信数が0でないか否かを判定する(ステップC202)。そして、コマンド受信数が0であると判定した場合(ステップC202;N)は、受信コマンドチェック処理を終了する。また、受信コマンド数が0でないと判定した場合(ステップC202;Y)には、コマンド受信カウンタ領域の内容をコマンド受信数分減算する(ステップC203)。
次いで、受信コマンドバッファの内容をコマンド領域にコピーして(ステップC204)、コマンド読出インデックスを0~31の範囲で+1更新し(ステップC205)、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了したか否かを判定する(ステップC206)。このように、本実施形態では、受信コマンドバッファ内で直接コマンドの解析を行わず、受信コマンドバッファの内容をコマンド領域(解析用のRAM領域)にコピーし、コマンド領域でコマンドの解析作業を行うよう構成されている。これにより、コマンドの解析中に遊技制御装置100からコマンドが送信されてくる場合に備えて、コマンド(データ)を移動して空きを作っておくことができる。また、コマンドの解析をメイン処理一巡単位でまとめて行うことができる。
ステップC206で、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了していないと判定した場合(ステップC206;N)には、ステップC204の処理に戻る。また、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了したと判定した場合(ステップC206;Y)には、コマンド領域の内容をロードして(ステップC207)、受信コマンド解析処理(ステップC208)を行う。
次いで、コマンド領域のアドレスを更新し(ステップC209)、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了したか否か判定する(ステップC210)。そして、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了していないと判定した場合(ステップC210;N)には、ステップC207の処理に戻る。また、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了したと判定した場合(ステップC210;Y)には、受信コマンドチェック処理を終了する。このように、受信コマンドチェック処理では、1フレーム(1/30秒間)の間に受信したコマンドをまとめて解析する。なお、本実施形態では、コマンドを32個分まで保存できる構成としている。
〔受信コマンド解析処理〕
図32には、上述の受信コマンドチェック処理における受信コマンド解析処理を示した。この受信コマンド解析処理では、まず、コマンド上位バイトをMODE、下位バイトをACT(ACTION)として分離し(ステップC231)、MODE及びACTは正常範囲であるか否かを判定する(ステップC232、ステップC233)。MODE及びACTは正常範囲であると判定した場合(ステップC232;Y、ステップC233;Y)には、MODEに対するACTは正しい組合せであるか否かを判定する(ステップC234)。
また、ステップC232、ステップC233で、MODE又はACTは正常範囲でないと判定した場合(ステップC232;N、ステップC233;N)、あるいは、ステップC234でMODEに対するACTは正しい組合せでないと判定した場合(ステップC234;N)には、受信コマンド解析処理を終了する。
ステップC234で、MODEに対するACTは正しい組合せであると判定した場合(ステップC234;Y)には、MODEは変動系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC235)。変動系コマンドは、特図の変動パターンを指令するコマンドである。そして、MODEは変動系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC235;Y)には、変動系コマンド処理(ステップC236)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC235で、MODEは変動系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC235;N)には、MODEは大当り系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC237)。大当り系コマンドは、大当り中演出に関する動作(ファンファーレ画面やラウンド画面の表示など)を指令するコマンドや、小当り中演出に関する動作(ファンファーレ画面や終了画面の表示など)を指令するコマンドである。そして、MODEは大当り系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC237;Y)には、大当り系コマンド処理(ステップC238)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC237で、MODEは大当り系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC237;N)には、MODEは図柄系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC239)。図柄系コマンドは、特図の図柄に関する情報(例えば、特図の停止図柄を何にするかなど)を指令するコマンドである。そして、MODEは図柄系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC239;Y)には、図柄系コマンド処理(ステップC240)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC239で、MODEは図柄系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC239;N)には、MODEは保留数コマンドやエラーコマンドなどの単発系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC241)。単発系コマンドは、図柄コマンドと変動系コマンドのように組合せで意味をなすコマンドと違い、単独で成立するコマンドである。この単発系コマンドには、客待ちデモコマンド、保留数コマンド、図柄停止コマンド、確率情報系コマンド、エラー/不正系コマンド、機種指定コマンドなどがある。そして、MODEは単発系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC241;Y)には、単発系コマンド処理(ステップC242)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC241で、MODEは単発系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC241;N)には、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC243)。そして、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC243;Y)には、先読み図柄系コマンド処理(ステップC244)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC243で、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC243;N)には、MODEは先読み変動系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC245)。そして、MODEは先読み変動系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC245;Y)には、先読み変動系コマンド処理(ステップC246)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。また、ステップC245で、MODEは先読み変動系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC245;N)には、受信コマンド解析処理を終了する。
なお、先読み変動系コマンド及び先読み図柄系コマンドは、先読み演出を実行するために必要な情報を含むコマンドである。先読み演出(先読み予告、あるいは先読み予告演出ともいう)とは、特図変動表示ゲームが未実行の始動記憶(保留)に対応する特図変動表示ゲームがその後実行された時に大当りになるか否か(あるいはどんな変動パターンになるか)を、所定の信頼度で遊技者に事前報知すべく、表示装置41に表示する飾り特図始動記憶表示等を通常と異なる態様で行うことや、表示装置41に演出表示を行うなどの演出である。そして、先読み系コマンド(先読み変動系コマンド及び先読み図柄系コマンド)は、先読み演出の対象となる始動記憶に対応する変動パターンや停止図柄を事前に知らせるコマンドであり、始動入賞時に遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される。なお、先読みでない通常の変動系コマンドや図柄系コマンドは、変動表示開始時に遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される。
また、電源投入に関するコマンドや、確率設定値に関するコマンドについては単発系コマンド処理で対応する処理が行われるようになっている。電源投入に関するコマンドとしては、停電復旧時のコマンドやRAM初期化時のコマンドが挙げられる。確率設定値に関するコマンドとしては、確率設定変更中、確率設定値変更、確率設定変更終了、確率設定値確認中、確率設定値確認終了の各コマンドが挙げられる。
上述のように受信したコマンドに基づき、各種の演出内容が設定されるようになっている。例えば、コマンドに基づき設定される演出の一つである表示装置41に表示する映像については、まず、受信したコマンドに基づいて演出の流れを制御するためのシナリオデータを設定し、このシナリオデータに基づき遊技の進行に沿って表示内容を制御するためのモーションデータが設定され、このモーションデータに対応して描画された複数の画像が合成されることで映像が作成される。表示装置41に表示する映像はフレーム毎に表示画像を作成し、これを順次表示することで映像が構成される。1つのフレームの表示画像は各々に画像を描画可能な複数のレイヤーを重ね合わせることで構成される。図33(a)には1つのフレームの表示画像を構成するレイヤー構造を示した。
本実施形態では、画面奥側から画面手前側に向かってレイヤー0からレイヤー13の14種類があり、レイヤー毎に描画される画像の内容が定められている。背景レイヤーは背景画像を描画するレイヤーであり、予告Aレイヤーから予告Hレイヤーはステップアップ予告をはじめとする各種予告画像を描画するレイヤーである。
また、左図柄レイヤー、右図柄レイヤー及び中図柄レイヤーは、飾り特図変動表示ゲーム表示部85(図38参照)での飾り特図変動表示ゲームの識別図柄を描画するレイヤーであり、保留レイヤーは記憶表示部83や実行中記憶表示部84の表示(図38参照)を描画するレイヤーであり、第4図柄レイヤーは第2飾りゲーム表示部88(図38参照)での第4図柄による飾り特図変動表示ゲームを描画するレイヤーである。
図33(a)に示すように各レイヤーの描画内容の制御は対応するモーション管理領域により管理されるようになっている。図33(b)に示すようにモーション管理領域は、対応するレイヤーにおいて表示制御する(表示画面41a上に表示しているとは限らない)オブジェクトの数(最大数)である表示数(例えば左図柄の場合、次図柄、現図柄、前図柄の3個)を記憶する領域(表示数の領域)と、何フレームまで処理が進んだかを示すフレーム番号を記憶する領域(フレーム番号の領域)を含む。また、一定の演出の流れが定義されたモーションテーブルの何行目まで処理が進んだかを示すコマンド位置を記憶する領域(コマンド位置の領域)と、複数あるモーション用リストテーブル(複数のモーションテーブルのデータリスト)の中でどのテーブルを使用するかを示すアドレスのデータ(モーションインデックスに対応)を記憶する領域(モーション用リストテーブル領域)と、各オブジェクトの表示内容を定義する複数の表示情報領域とを含む。
モーション管理領域内の表示情報領域は、表示数(オブジェクトの数)分だけ複数あり、図33(c)に示すように、各表示情報領域がそれぞれ、表示種別、エフェクトタイプ、エフェクトパラメータ、表示左上点のX座標、表示左上点のY座標、表示右上点のX座標、表示右上点のY座標、表示左下点のX座標、表示左下点のY座標、画像インデックス、バックグラウンドカラー、フォアグラウンドカラー、IPicture(Iピクチャ)のみの動画時のフレームカウント、及びビヘイビアインデックスの各データを記憶する領域を含んでいる。
ここで、表示種別は、当該オブジェクトの種別(静止画か動画(ムービー)かを示す情報の他、ムービーの種類(Iピクチャか否かなど)を示す情報を含む)である。エフェクトタイプは、画像に加えるエフェクト(透過性を持たせるなどの加工処理)の種類を示す情報である。エフェクトパラメータは、前記エフェクトのパラメータ(透過性を持たせる場合の透過度など)である。X座標及びY座標は、画像の表示位置を特定するデータであり、本例ではポリゴン表示機能(立体を多面体として表示する機能)のために、表示左上点、表示右上点、表示左下点の3点の座標がある。画像インデックスは、静止画又はムービーを特定する番号である。IPictureのみの動画時のフレームカウントとは、何フレーム目のデータがIPicture(すなわちIフレーム)かを示すデータである。ビヘイビアインデックスは、オブジェクト(表示要素)の動作を設定するためのインデックスである。
モーション管理領域の内容は、コマンドに基づき設定されるシナリオデータに沿って設定される。シナリオデータは、演出の流れを階層的に制御するための概念的なシナリオの層(レイヤー)であるシナリオレイヤーに設定され、シナリオレイヤーには0から7の8つがあり、各シナリオレイヤーに0から7のシナリオレイヤー番号が付されている。
本実施形態では、シナリオレイヤー番号0のシナリオレイヤーは主に背景画像の表示制御に使い、シナリオレイヤー1は左図柄の表示制御に使い、シナリオレイヤー2は右図柄の表示制御に使い、シナリオレイヤー3は中図柄の表示制御に使い、シナリオレイヤー4は第1の予告演出の表示制御に使い、シナリオレイヤー5は第2の予告演出の表示制御に使い、シナリオレイヤー6は保留表示(記憶表示部83や実行中記憶表示部84の表示)の表示制御に使い、シナリオレイヤー7は第4図柄の表示制御に使うといったように、シナリオレイヤー毎に制御対象が基本的に割り当てられている。
〔単発系コマンド処理〕
次に、上述の受信コマンド解析処理における単発系コマンド処理(ステップC107)の詳細について図34により説明する。
単発系コマンド処理が開始されると、まずステップC181で、MODEのデータが客待ちデモを指令するものであるか判定し、客待ちデモを指令するものである場合(ステップC181;Y)には、ステップC182に進み、客待ちデモを指令するものでない場合(ステップC181;N)には、ステップC184に進む。なお、客待ちデモとは、客待ちデモ演出(又は「客待ち演出」ともいう)のことであり、表示装置41で行われる客待ちデモ表示を含む演出である。客待ちデモ演出では、表示装置41での表示に限られず、他の表示装置での表示やランプ類の点灯(点滅含む)、或いは音声の出力による演出が行われてもよい。
ステップC182に進むと、P機状態(パチンコ遊技機の状態)が客待ちデモ中か判定し、客待ちデモ中ならば(ステップC182;Y)、単発系コマンド処理を終了し、客待ちデモ中でなければ(ステップC182;N)、客待ち演出を行うための客待ち演出設定処理を行い(ステップC183)、単発系コマンド処理を終了する。
ステップC184に進むと、MODEのデータが特図1保留数の値を指令するものであるか判定し、特図1保留数の値を指令するものである場合(ステップC184;Y)には、飾り特図始動記憶表示の表示などの処理を行う特図1保留情報設定処理(ステップC185)を実行した後に単発系コマンド処理を終了し、特図1保留数の値を指令するものでない場合(ステップC184;N)には、ステップC186に進む。
ステップC186に進むと、MODEのデータが特図2保留数の値を指令するものであるか判定し、特図2保留数の値を指令するものである場合(ステップC186;Y)には、飾り特図始動記憶表示の表示などの処理を行う特図2保留情報設定処理(ステップC187)を実行した後に単発系コマンド処理を終了し、特図2保留数の値を指令するものでない場合(ステップC186;N)には、ステップC188に進む。
ステップC188に進むと、MODEのデータが停電復旧を知らせるもの(停電復旧時のコマンドのデータ)であるか判定し、停電復旧を知らせるものである場合(ステップC188;Y)には、停電復旧設定処理(ステップC189)を実行した後に単発系コマンド処理を終了し、停電復旧を知らせるものでない場合(ステップC188;N)には、ステップC190に進む。停電復旧設定処理(ステップC189)は、例えば「遊技再開しました」といったメッセージを表示装置41に表示したり、ランプ類を所定態様で点滅させたりして遊技者へ停電復旧を報知する等のための処理であり、そのためのシナリオデータ設定処理を含む。
ステップC190に進むと、MODEのデータが電源投入(初期化を伴う電源投入)を知らせるもの(電源投入時のコマンドのデータ)であるか判定し、当該電源投入を知らせるものである場合(ステップC190;Y)には、電源投入時処理(ステップC191)に進み、当該電源投入を知らせるものでない場合(ステップC190;N)には、ステップC192に進む。なお、電源投入時のコマンドは、遊技制御装置100がRWMクリアしたことを演出制御装置300に知らせる電源投入コマンドのことである。この電源投入コマンドは、演出制御装置300に演出状態をクリアさせるのと、RWMクリア報知(RWMクリアされたことを、例えば表示装置41に表示する動作)を行わせるために送られる。
電源投入時処理(ステップC191)には、各種初期画面情報の設定として、特図種別・図柄種別のクリア、特図1保留数及び特図2保留数に0を設定、現図柄及び停止図柄に例えば左=7、中=5、右=3のはずれ図柄を設定する処理が含まれる。さらに、演出装置のモータの動作位置を初期位置にするなどのための初期化処理、さらには前記RWMクリア報知を実行するための制御処理などが含まれる。
ステップC192に進むと、MODEのデータが示唆演出開始条件を知らせるものであるかを判定する。示唆演出開始条件とは、後述する示唆演出の開始条件である普図始動ゲート34への遊技球の通過と右側一般入賞口35への入賞である。本実施形態の遊技機では、普図始動ゲート34への遊技球の通過があった場合と、右側一般入賞口35への入賞があった場合に、遊技制御装置100から示唆演出開始条件コマンドが送信されるようになっている。
MODEのデータが示唆演出開始条件を知らせるものである場合(ステップC192;Y)には、示唆演出設定処理(ステップC193)を行い、単発系コマンド処理を終了する。示唆演出設定処理の詳細については後述する。また、示唆演出開始条件を知らせるものでない場合(ステップC192;N)には、図示を省略するその他のコマンドに対する処理を行い、単発系コマンド処理を終了する。
〔変動系コマンド処理〕
次に、上述の受信コマンド解析処理における変動系コマンド処理(ステップC101)の詳細について図35により説明する。
変動系コマンド処理が開始されると、まずステップC111で、特図種別が未確定か判定し、未確定である場合(ステップC111;Y)には、変動系コマンド処理を終了し、未確定でない場合(ステップC111;N)、すなわち、特図種別が設定されている場合には、変動パターン対応図柄判定処理(ステップC112)を実行してステップC113に進む。特図種別とは、特図の種別が特図1か特図2かを示す情報であり、図柄系コマンド処理で設定される情報である。
ステップC113に進むと、変動パターン対応図柄判定処理(ステップC112)で返される情報(有効コマンド情報又は無効コマンド情報)に基づいて、変動コマンドと図柄種別が不整合であるか否か判定し、不整合である場合(ステップC113;Y)、すなわち無効コマンド情報が返された場合には、変動系コマンド処理を終了し、不整合でない場合(ステップC113;N)、すなわち有効コマンド情報が返された場合には、ステップC114に進む。
なお、図柄種別とは図柄のカテゴリを意味し、図柄種別には、例えば、はずれ図柄、16R確変大当り図柄などがある。また、上記ステップC113における不整合とは、はずれの変動コマンド(変動パターンコマンド)を受信したのに、16R確変大当り図柄の図柄コマンドを受信していた時など、演出を行う上で矛盾してしまう組み合わせ(変動コマンドと図柄種別の組み合わせ)であることを意味する。
ステップC114に進むと、変動コマンドに応じた演出を行うために、変動演出設定処理(ステップC114)を実行して、P機状態(パチンコ遊技機の状態)として変動中を設定する(ステップC115)。ここで、変動中とは、特図の変動中(客待ちデモ中や大当り中、或いはファンファーレ中等でないこと)を表している。その後、後述する先読み演出の実行を制限する制限期間を管理するための制限期間管理処理を行い(ステップC116)、変動系コマンド処理を終了する。
〔変動演出設定処理〕
次に、前述の変動系コマンド処理における変動演出設定処理(ステップC114)の詳細について図36により説明する。
変動演出設定処理が開始されると、まず、受信したコマンドに応じた大別パターン(特図の変動表示演出の大まかな分類)を選択する変動パターン分類処理(ステップC271)を実行して、上記ステップC271の変動パターン分類処理で返された大別パターン及び各種演出情報に対応する予告振分テーブル1を準備する(ステップC272)。ここでの演出情報とは、停止図柄の情報(特に大当り図柄の詳細、はずれは大別パターンで分かるため)、高確率/時短状態といった確率状態の情報、保留数の数、及び演出制御装置300が管理する遊技モード(本例では遊技制御装置からも遊技モードのコマンドが送られてくる)などが有り得る。このステップC272(或いは後述のステップC274、C277)で各種演出情報を考慮して予告振分テーブルを設定しているので、例えば同一の変動パターンコマンドでも、そのときの状態で、予告の振り分け率(発生率)を変化させられるようになる。
次いで、乱数抽選処理A(ステップC273)を実行する。
次いで、上記ステップC271で返された大別パターン及び各種演出情報に対応する予告振分テーブル2を準備して(ステップC274)、乱数抽選処理B(ステップC275)を実行して、ステップC276に進む。
ステップC276に進むと、上記ステップC271で返された大別パターンが「通常はずれ」か判定し、「通常はずれ」であれば(ステップC276;Y)、ステップC279に進み、「通常はずれ」でなければ(ステップC276;N)、ステップC277に進む。
ステップC277に進むと、上記ステップC271で返された大別パターン及び各種演出情報に対応する予告振分テーブル3を準備して(ステップC277)、乱数抽選処理C(ステップC278)を実行して、ステップC279に進む。
ステップC279に進むと、基本BGM番号(基本BGMの曲番号)を設定して(ステップC279)、予告演出設定処理1(ステップC280)を実行して、その後ステップC281に進む。
ステップC281に進むと、ここまでの処理で決定された前半変動種別が通常変動か否か判定し、通常変動であれば(ステップC281;Y)、ステップC282に進み、通常変動でなければ(ステップC281;N)、図示を省略するが前半変動種別が通常変動でない場合の各種変動の処理を行い、変動演出設定処理を終了する。
なお、前半変動種別とは、同一のMODE(例えば12秒前半通常変動)の中で、演出制御装置側で振り分けている変動予告種類のことである。また、「通常変動」における「通常」とは、いわゆるすべりや短縮変動等の特殊な変動ではないという意味である。また煩雑を避けるため、ここでは、前半変動種別が通常(すべりや短縮でない)の場合の予告振り分けの一部のみを示している。
ステップC282に進むと、ここまでの処理(ステップC273等)で決定された予告種別(後述する演出振分け結果領域のデータ)が巻物予告を指定するものであるか判定し、巻物予告でない場合(ステップC282;N)には、ステップC283に進み、巻物予告である場合(ステップC282;Y)には、巻物予告用シナリオデータ設定処理(ステップC286)を実行し、変動演出設定処理を終了する。
ステップC283に進むと、ここまでの処理で決定された予告種別が巻物文字予告を指定するものであるか判定し、巻物文字予告である場合(ステップC283;Y)には、巻物文字予告用シナリオデータ設定処理(ステップC287)を実行し、変動演出設定処理を終了する。また、巻物文字予告でない場合(ステップC283;N)には、図示を省略する他の予告についての処理を行い、変動演出設定処理を終了する。
〔予告演出設定処理1〕
次に、前述の変動演出設定処理における予告演出設定処理1(ステップC280)の詳細について図37により説明する。この予告演出設定処理1では、乱数抽選結果(前述した乱数抽選処理A、B、Cの結果)に応じてステップアップ予告の設定を行う。ステップアップ予告とは、予告内容が段階的に変化する予告演出であり、段階が進行するほど特別結果となる可能性の高さである信頼度が高くなるものである。本願の図面及び明細書において、「SU」とは、このステップアップ予告のステップアップを意味し、「SU1」とはステップアップ予告の第1段階を意味し、「SU2」とはステップアップ予告の第2段階を意味し、「SU3」とはステップアップ予告の第3段階を意味する。
予告演出設定処理1が開始されると、まず、演出振分け結果領域のSU予告回数領域から振分け結果をロードする(ステップC381)。
次いで、シナリオレイヤー番号4を準備して(ステップC382)、ステップC381でロードしたSU予告回数に対応するSU予告シナリオテーブルのアドレスを準備して(ステップC383)、直前のステップC382、C383で準備されたデータに基づいて、演出の進行内容を設定するシナリオデータ設定処理(ステップC384)を実行する。
次いで、演出振分け結果領域のSU1カットイン領域から振分け結果をロードして(ステップC385)、ステップC385でロードしたSU1カットイン番号に対応する表示画像データを取得し、モーションインデックス領域(モーションインデックスを保存する記憶領域)のSU1カットイン領域にセーブする(ステップC386)。
次いで、演出振分け結果領域のSU2カットイン領域から振分け結果をロードして(ステップC387)、ステップC387でロードしたSU2カットイン番号に対応する表示画像データを取得し、モーションインデックス領域のSU2カットイン領域にセーブする(ステップC388)。
次いで、演出振分け結果領域のSU3カットイン領域から振分け結果をロードして(ステップC389)、ステップC389でロードしたSU3カットイン番号に対応する表示画像データを取得し、モーションインデックス領域のSU3カットイン領域にセーブして(ステップC390)、ステップC391に進む。
上記ステップC385~C390では、各段階について表示画像を表示するためのモーションテーブルのデータを一旦保存している。なお、ここで保存されたデータが使用されるとは限らず、選択されたSU数が1又は2の場合には上位SU領域にセーブされた表示画像は使用されないこととなる。
また、表示画像として仮画像が設定される場合がある。仮画像は遊技機の開発段階において未だ表示画像が完成していなくても演出のシナリオ等を作成できるようにするために仮の画像を配置するものである。この仮画像が設定されている場合(ステップC391;Y)は、仮画像を対応する表示画像に差し替えるようになっている(ステップC392)。ただし、開発段階である場合など差し替える表示画像が未だ存在しない場合には、仮画像は差し替えられずに仮画像のまま演出が表示されるようになっている。仮画像が設定されているかは、モーション管理領域の表示情報領域において画像を特定する情報である画像インデックスの値により判定可能である(図33(c)参照)。
次に、表示装置41における表示について説明する。図38(a)に示すように表示装置41の表示領域の中央には、飾り特図変動表示ゲームのうちの第1飾りゲームを表示する飾り特図変動表示ゲーム表示部85が設けられる。ここでは、左、中、右の変動表示領域の各々で識別情報を変動表示した後に停止表示することで飾り特図変動表示ゲームを表示する。
表示領域の左上部には、飾り特図変動表示ゲームのうちの第2飾りゲームを表示する第2飾りゲーム表示部88が設けられている。この第2飾りゲーム表示部88に表示される第2飾りゲームは、特図1変動表示ゲームに対応する左領域と特図2変動表示ゲームに対応する右領域でそれぞれ一つの第4図柄を用いた表示を行うものである。第4図柄には外れに対応した識別情報である「-」と、大当りに対応した識別情報である「○」とがあり、これらを変動表示した後に停止して結果を表示するようになっている。
また、表示領域の中央下部には始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示を表示する記憶表示部83が設けられる。本実施形態では第1始動記憶と第2始動記憶が記憶順に消化されるので、記憶表示部83には第1始動記憶又は第2始動記憶と一対一に対応する飾り特図始動記憶表示が左端から記憶順に表示される。左端の飾り特図始動記憶表示が最先に記憶された第1始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示であり、消化される毎に左へ移行するようになっている。
また、それぞれの始動記憶に対応する特図変動表示ゲームの結果や変動パターン等の先読み結果をその表示態様により示唆することが可能である。なお、図38(a)では、消化順序が1番目の始動記憶について飾り特図始動記憶表示の表示態様を変化させる先読み演出が行われている。
記憶表示部83の左方には、現在実行中の特図変動表示ゲームに対応する始動記憶に関する情報を表示する実行中記憶表示部84が設けられる。この実行中記憶表示部84には、特図変動表示ゲームの開始時に記憶表示部83の左端にある飾り特図始動記憶表示が移行し、実行される特図変動表示ゲームの結果や変動パターン等をその表示態様により示唆するようになっている。
表示領域の右上部には、始動記憶数を表示する始動記憶数表示部86が設けられる。この始動記憶数表示部86には、第1始動記憶の数を表示する第1始動記憶数表示部86aと、第2始動記憶の数を表示する第2始動記憶数表示部86bとが設けられている。
図38(a)に示す状態から始動記憶が消化されて減少すると、図38(b)に示すように記憶表示部83の左端にある飾り特図始動記憶表示が実行中記憶表示部84へ流入する表示が行われる。ここでは、実行中記憶表示部84においても先読み演出と同様の態様で特図変動表示ゲームの結果や変動パターン等が示唆されている。また、始動記憶数表示部86では、第1始動記憶数表示部86aの数値が1つ減少する。
そして、飾り特図変動表示ゲーム表示部85では第1始動記憶に基づく特図1変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが開始され、左、中、右の変動表示領域の各々で識別情報の変動表示が開始される。また、第2飾りゲーム表示部88においても第1始動記憶に基づく特図1変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが開始され、左領域で識別情報の変動表示が開始される。
その後、図38(c)に示すように飾り特図変動表示ゲーム表示部85で左変動表示領域、右変動表示領域、中変動表示領域の順で識別情報が仮停止する。仮停止している状態では識別情報が揺れるように表示され、完全に停止していないことが示されている。また、第2飾りゲーム表示部88では左領域で識別情報の変動表示が継続される。
そして、変動時間が終了すると図38(d)に示すように飾り特図変動表示ゲーム表示部85の識別情報が停止した状態となり、結果態様を表示する状態となる。第2飾りゲーム表示部88でも左領域で識別情報の変動表示が終了して識別情報が停止した状態となり、結果態様を表示する状態となる。
さらに、停止時間の終了に伴い特図変動表示ゲーム及び飾り特図変動表示ゲームが終了する。これに伴い図38(e)に示すように実行中記憶表示部84の表示が消去され、次の飾り特図変動表示ゲームを開始可能な状態となる。なお、図38(e)の状態で始動記憶がなければ客待ち状態となる。また、図38(e)の状態で結果が特別結果であれば特別遊技状態となる。
図39(a)から(c)には、ステップアップ予告の一例を示した。ステップアップ予告が行われる場合には特図変動表示ゲームの変動表示が開始した後に、まず図39(a)に示すようにステップアップ予告の表示画像600として第1段階であるSU1の表示が行われる。次に、SU1の表示に替えて図38(b)に示すようにステップアップ予告の表示画像600として第2段階であるSU2の表示が行われる。さらに、SU2の表示に替えて図38(c)に示すようにステップアップ予告の表示画像600として第3段階であるSU3の表示が行われる。
ステップアップ予告の進行段階が1段階の場合は図39(a)の表示が終了した時点でステップアップ予告が終了する。また、ステップアップ予告の進行段階が2段階の場合は図39(b)の表示が終了した時点でステップアップ予告が終了する。
本実施形態のステップアップ予告の表示画像600は、飾り特図変動表示ゲーム表示部85の識別情報が描画されるレイヤーであるレイヤー5から7よりも画面手前側に位置するレイヤー12(図33参照)に描画されるようになっており、飾り特図変動表示ゲーム表示部85の識別情報の前側にステップアップ予告の表示画像600が重なるように表示される。
図39(d)から(g)には、ステップアップ予告の表示画像が描画されるレイヤー12における表示装置41の表示領域に対応した領域610を示した。ステップアップ予告の表示画像600は、背景部601、キャラクタ部602及び文字部603から構成されるが、ここではこれらが一体となった一枚の画像として構成されている。
上述の予告演出設定処理1で説明したように、SU1の表示画像600とSU2の表示画像600については、必ず使用する表示画像600が準備されているので、実行タイミングとなると当該準備された表示画像600が図39(d)や(e)に示すようにレイヤー12に描画され、図39(a)や(b)に示すようなステップアップ予告が行われる。
これに対してSU3の表示画像は、仮画像605が準備される場合があり、仮画像605が準備された場合は実際に使用する表示画像600に差し替えて描画するようになっている。差し替える表示画像600が存在する場合や仮画像605が準備されずに当初から表示画像600が準備されていた場合は、図39(f)に示すようにSU3の表示画像600がレイヤー12に描画され、図39(c)に示すようなステップアップ予告が行われる。しかし、差し替える画像が存在せず仮画像605が準備されたままとなっている場合は図39(g)に示すように仮画像605がレイヤー12に描画される。仮画像605が描画された場合には、図39(h)に示すように仮画像605がSU3の表示画像として表示されることとなる。
仮画像605はレイヤー12における表示領域に対応した領域610の全体に描画されるのではなく、SU3の表示画像600が表示され得る部分のみに描画される画像となっている。よって、仮画像605が描画されたとしてもレイヤー12よりも画面奥側に位置するレイヤーの画像のうち仮画像605が描画されていない部分の画像は視認可能である。
このような仮画像605を用いることで、開発段階において未だ表示画像600が完成していなくてもステップアップ予告に関する開発を進めることができ、作業を並行して行うことができるようになるので開発の効率を高めることができる。
また、遊技機が完成した際には仮画像605を使用する処理は不要となるが、この場合でも仮画像605を準備する処理は削除されることなくそのまま残すようにしている。
仮画像605を準備する処理が残されていても必ず表示画像600に差し替えられるので何ら不都合は生じない。むしろ仮画像605を準備する処理を削除する手間を省くことができるとともに、削除に伴う意図しない不具合の発生を防止することができる。
なお、仮画像605の使用を複数種類あるSU3の表示画像600の一部としたが、SU3の表示画像600の全種類に対して仮画像605を使用するようにしても良いし、複数種類あるSU1やSU2の表示画像600の一部又は全部についても仮画像605を使用するようにしても良い。
また、ステップアップ予告の表示画像600の一部のみを仮画像605としても良い。上述したようにステップアップ予告の表示画像600は、背景部601、キャラクタ部602及び文字部603から構成されており、このうちの一部を仮画像605としても良い。この場合、一つのレイヤーの中に複数の仮画像605が含まれることもあり、また、一つのレイヤーの中に仮画像605と完成した画像の両方が含まれる場合もあることとなる。
また、複数の仮画像605が異なるレイヤーに配されるようにしても良い。複数の仮画像605が異なるレイヤーに配される場合としては、一のステップアップ予告の表示画像600が複数のレイヤーにわたる画像を統合したものである場合に、複数のレイヤーで仮画像が使用される場合が挙げられる。また、ステップアップ予告の表示画像600について仮画像605を用いると同時に、他の表示において仮画像605が用いられることも考えられる。
また、仮画像605の使用はステップアップ予告に限られるものではなく、他の演出でも使用可能であり、何らかの画像を表示する演出について、未だ表示画像が完成していないものについて仮画像605を使用するようにすれば、表示画像がすべて完成する前であっても演出に関する処理の設計を進めることが可能となる。
例えば、複数の画像のうちから選択して表示する演出の一部又は全部の画像について仮画像605を使用するようにしても良い。また、セリフを表示する予告、遊技機の機能を解説するための文字表示、エラー報知のための表示、カットイン予告、背景表示、特別遊技状態中における楽曲や演出内容の選択表示、遊技機の履歴表示、場面の転換時などに表示されるアイキャッチ画像、SPリーチ中などに所定の確率で表示されるチャンスアップ画像などについて仮画像605を使用することで、これらの表示の開発を効率よく進めることができる。
また、記憶表示部83の飾り特図始動記憶表示や実行中記憶表示部84の実行中記憶表示、始動記憶数表示部86の第1始動記憶数表示部86aや第2始動記憶数表示部86bについて仮画像605を使用するようにしても良い。この場合、先読み演出のために複数の表示画像が用意される場合は、このうちの一部又は全部について仮画像605を使用するようにしても良い。
また、飾り特図変動表示ゲーム表示部85に表示される識別情報や、第2飾りゲーム表示部88に表示される識別情報について仮画像605を使用するようにしても良い。この場合、複数種類の識別情報のうちの一部又は全部について仮画像605を使用するようにしても良い。また、識別情報がキャラクタ画像と文字画像により構成される場合には、キャラクタ画像と文字画像の一方又は両方について仮画像605を使用するようにしても良い。
また、逆に仮画像605を使用しないようにする演出が定められていても良い。遊技者に対して注意を促す注意喚起画像やエラー報知、発射方向の報知など、仮画像605のまま表示されてしまった場合に遊技者にとって不利となるおそれがある画像については仮画像605を使用しないようにしても良い。
また、大当りの確定表示や特別結果を示す画像など、仮画像605のまま表示されると著しく興趣の低下を招くような遊技者にとって重要な画像については仮画像605を使用しないようにしても良い。
また、仮画像605は差し替えられる表示画像が表示され得る部分のみに描画される大きさの画像であるが、当該仮画像のデータとしては、差し替えられる表示画像が表示され得る部分のみに描画される大きさよりも大きい画像を仮画像のデータとして用意しておき、これを縮小して仮画像605として用いるようにしても良い。
また逆に、差し替えられる表示画像が表示され得る部分のみに描画される大きさよりも小さい画像を仮画像のデータとして用意しておき、これを拡大して仮画像605として用いるようにしても良い。
このようにすることで、開発段階において差し替えられる表示画像の専有面積が変化した場合でも、仮画像データを変更せずに仮画像の拡大率又は縮小率を変更するだけで対応でき、開発の効率を高めることができる。
また、仮画像605を単色の画像としたが、これ以外の画像であっても良い。
例えば、図40(a)に示すように表示画像600に対応したラフスケッチのような画像を仮画像としても良いし、図40(b)に示すように表示画像600の内容を文字により記載した画像を仮画像605としても良い。このようにすれば開発段階において表示画像600の内容を容易に把握でき、開発の効率を高めることができる。
また、図40(c)に示す桜柄の表示などの演出表示としても使用可能な画像を仮画像605としても良い。また、図40(d)に示すように、仮画像605としてのみ用いられるが実際に使用される表示画像と同等の表示内容である画像を用いるものとしても良い。このようにすれば不具合等により仮画像605が表示されてしまっても遊技者が違和感を覚えることがなく、興趣の低下を防止することができる。
また、図40(c)、(d)に示したような演出として使用可能な画像と、図39で示したような単色の画像など複数種類の仮画像605を使用可能とし、使用する位置や場面に応じていずれの仮画像605を用いるかを選択できるようにしても良い。
また、大当り確率などのスペックが異なるが同じ演出を実行可能である異なる機種の遊技機について、機種ごとに仮画像605の種類を異ならせるようにしても良い。このようにすることで仮画像605から機種を容易に把握でき開発の効率を高めることができる。
また、図40(e)に示すように、仮画像605を透過性のある画像として後方のレイヤーの画像が透けて見えるようにしても良い。このようにすることで開発段階において後方のレイヤーの画像との位置関係を容易に把握できるようになり、開発の効率を高めることができる。
また、画面の最奥部に位置するレイヤー0よりも画面奥側において画面全体に描画される下地画像の柄と仮画像605の柄を同じ柄とするようにしても良い。このようにすることで下地画像のデータを縮小して仮画像605のデータとして流用することが可能となる。
また、画像や映像のデータが記憶される画像ROM325において、仮画像のデータを格納する領域と、その他の画像や映像のデータである表示画像データを格納する領域と、を分けておくようにしても良い。このようにすることで、開発の過程での取り扱いが容易となり、開発の効率を高めることができる。
また、仮画像のデータを格納する領域は、表示画像データが格納される領域よりも先頭側の領域又は後方側の領域とするようにしても良い。表示画像データよりも先頭側の領域に格納することで、開発の過程で表示画像データの領域の大きさが変化しても仮画像のデータを格納する領域の位置が変化しないようにすることができる。
また、表示画像データよりも後方側の領域に格納した場合であっても、予め未使用エリアを確保しておくことや、表示画像データが格納されないことが明確な位置に配置することで、開発の過程で表示画像データの領域の大きさが変化しても仮画像のデータを格納する領域の位置が変化しないようにすることができる。
例えば、図41(a)に示すように画像ROM325において遊技に使用するデータを記憶する領域の先頭に配置するようにし、この後の領域にその他の画像や映像のデータである表示画像データを格納するようにしても良い。仮画像のデータは開発段階において用いられるものであり、その表示画像も予め決められたものであるので、開発の当初からデータを用意できるものであって、記憶領域の先頭から格納することが簡便である。また、記憶領域の先頭から格納することで、表示画像データが増減しても仮画像の格納位置は変化せず、プログラム側で参照する領域を変更する必要がないため開発の効率を高めることができる。
また、図41(b)に示すように仮画像のデータを格納する領域よりも先頭側の領域に未使用エリアが配されていても良いし、図40(c)に示すように格納する領域の大きさ変化しない固定データなどを格納した領域が配されていても良い。この場合も仮画像のデータを格納する領域の位置が変化しないようにすることができる。
また、図41(d)に示すように画像ROM325において遊技に使用するデータを記憶する領域の最後部に配置するようにしても良い。このようにしても先頭に配置する場合と同様の効果を得ることができる。
さらに、図41(e)に示すように仮画像のデータを格納する領域よりも後方側の領域に未使用エリアが配されていても良いし、図41(f)に示すように格納する領域の大きさが変化しない固定データなどを格納した領域が配されていても良い。この場合も仮画像のデータを格納する領域の位置が変化しないようにすることができる。
また、仮画像のデータを当該仮画像のデータと差し替えられる表示画像データと隣接して格納するようにしても良い。このようにすることで、対応する表示画像データが分かりやすくなる。
以上のことから、所定条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な状態を発生可能な遊技機において、画像を表示する表示装置41と、表示装置41を制御する演出制御手段(演出制御装置300)と、を備え、演出制御手段は、各々に画像を描画可能な複数のレイヤーを統合することにより表示装置41に表示する画像を生成するように構成され、所定のレイヤーの描画領域のうちの一部分は特定画像(仮画像605)を用いて描画可能であり、当該特定画像を用いて描画された場合には、当該特定画像を所定画像に置き換えて表示装置41に表示するようにしている。したがって、表示する画像が完成していなくても仮画像605を用いて開発を進めることができ、開発の効率を高めることができる。
また、演出制御手段は、特定画像を含む所定のレイヤーにおいて画像が描画されていない領域では、当該所定のレイヤーの奥側に配されるレイヤーの画像を視認可能とするようにしたこととなる。したがって、仮画像605が表示される場合であっても実際の演出と同様の表示とすることが可能となり、開発を効率よく進めることができる。
また、演出制御手段は、所定のレイヤーに複数の特定画像を含む画像を描画可能であることとなる。したがって、各部の画像を別々に作成することが可能となり、開発を効率よく進めることができる。
次に、所定の領域における遊技球の検出に基づき実行される演出について説明する。
本実施形態の遊技機では、第1検出部をなす普図始動ゲート34での遊技球の検出に基づき確率設定値を示唆する第1示唆演出を実行可能となっている。また、普図始動ゲート34の下方に位置する第2検出部をなす右側一般入賞口35での遊技球の検出に基づき確率設定値を示唆する第2示唆演出を実行可能となっている。
図42(a)に示すように普図始動ゲート34への遊技球の通過率は、右打ちした遊技球のうちの20%となっている。また、図2で説明したように、複数の障害釘によって普図始動ゲート34を通過した遊技球の一部のみが普図始動ゲート34の下方に設けられた右側一般入賞口35へ流入可能とされているとともに、当該右側一般入賞口35へは普図始動ゲート34を通過していない遊技球が流入しないようにされており、右側一般入賞口35への入賞率は右打ちした遊技球のうちの5%となっている。つまり、普図始動ゲート34を通過した遊技球のうち25%が右側一般入賞口35へ入賞するようになっている。このため、第2示唆演出が実行される場合には第1示唆演出も併せて実行されるようになり、示唆の精度を高めることができるとともに、遊技の興趣を向上することができる。
なお、普図始動ゲート34への遊技球の通過率や右側一般入賞口35への入賞率は任意に設定可能であり、右打ちした遊技球の普図始動ゲート34への通過率の方が、右打ちした遊技球の右側一般入賞口35への入賞率よりも高ければ良い。また、普図始動ゲート34を通過しない遊技球が右側一般入賞口35へ入賞可能であっても良い。
図42(b)には第1示唆演出の選択に用いる第1示唆演出選択テーブルを示した。演出の実行態様には演出態様A、演出態様B、演出態様Cの3つがあり、ここでは第1表示部621における発光態様が異なるものとされている。また、図42(c)には第2示唆演出の選択の選択に用いる第2示唆演出選択テーブルを示した。演出の実行態様には演出態様A、演出態様B、演出態様Cの3つがあり、ここでは第2表示部622における発光態様が異なるものとされている。
これらの演出態様のうち、演出態様Aは特別結果となる確率が最も低い設定1であることを示唆するものとなっており、演出態様Bは特別結果となる確率が中程度の設定2であることを示唆するものとなっており、演出態様Cは特別結果となる確率が最も高い設定3であることを示唆するものとなっている。
演出態様AからCの実行態様は、例えば、第1示唆演出と第2示唆演出のいずれにおいても演出態様Aは青色の発光色とするものであり、演出態様Bは緑色の発光色とするものであり、演出態様Cは赤色の発光色とするものである。もちろん演出態様AからCの実行態様はこれに限られるものではなく、第1示唆演出と第2示唆演出とで演出態様AからCの実行態様が異なるものであっても良い。実行態様としては、発光色、点滅周期、発光強度などが挙げられ、これらを任意に設定可能である。
また、第1示唆演出と第2示唆演出とでは、特別結果となる確率が最も低い設定1が設定されている場合における演出態様Aの選択割合に対する演出態様Cの選択割合が、第1示唆演出よりも第2示唆演出の方が低くなっている。
また、特別結果となる確率が最も高い設定3が設定されている場合における演出態様Aの選択割合に対する演出態様Cの選択割合は、第1示唆演出よりも第2示唆演出の方が高くなっている。
さらに、特別結果となる確率が中程度の設定2が設定されている場合における演出態様Aの選択割合に対する演出態様Bの選択割合は、第1示唆演出よりも第2示唆演出の方が高くなっている。
また、特別結果となる確率が中程度の設定2が設定されている場合における演出態様Cの選択割合に対する演出態様Bの選択割合は、第1示唆演出よりも第2示唆演出の方が高くなっている。
つまり、第1示唆演出よりも第2示唆演出の方が実行される可能性が低いが、第1示唆演出よりも第2示唆演出の方が確率設定値の示唆の精度が高くなるようにされている。このように構成することで、第1示唆演出は高い頻度で実行されるので確率設定値の示唆の実行に対する興趣を高めつつ確率設定値が容易に判明しないようにすることができ、第2示唆演出は頻度が低いものの示唆の精度が高く、実行された場合に遊技者の興趣を高めることができる。このような性格の異なる示唆演出が実行可能であることで従来にない示唆を行うことができて、遊技の興趣を向上することができる。
図42(b)、(c)に挙げた演出の選択割合はこれに限られるものではなく、第1示唆演出よりも第2示唆演出の方が確率設定値の示唆の精度が高くなるようにしたものであればどのような値であっても良い。
〔示唆演出設定処理〕
図43には、単発系コマンド処理(図34参照)で行われる示唆演出設定処理を示した。この示唆演出設定処理では、まず、普図始動ゲート34への遊技球の通過があったかを判定し(ステップC401)、普図始動ゲート34への遊技球の通過でない場合(ステップC401;N)は、ステップC405に移行する。
また、普図始動ゲート34への遊技球の通過であった場合(ステップC401;Y)は、第1示唆演出選択テーブル(図42(b)参照)を設定し(ステップC402)、第1示唆演出選択テーブルに基づく演出選択処理を行う(ステップC403)。そして、選択された第1示唆演出を設定し(ステップC404)、ステップC405に移行する。これにより選択された演出態様で第1表示部621において第1示唆演出が行われることとなる。
ステップC405では、右側一般入賞口35への入賞があったかを判定し(ステップC405)、右側一般入賞口35への入賞でない場合(ステップC405;N)は、示唆演出設定処理を終了する。
また、右側一般入賞口35への入賞であった場合(ステップC405;Y)は、第2示唆演出選択テーブル(図42(c)参照)を設定し(ステップC406)、第2示唆演出選択テーブルに基づく演出選択処理を行う(ステップC407)。そして、選択された第2示唆演出を設定し(ステップC408)、示唆演出設定処理を終了する。これにより選択された演出態様で第2表示部622において第2示唆演出が行われることとなる。
なお、普図始動ゲート34への遊技球の通過や右側一般入賞口35への入賞があった場合に所定の確率で示唆演出を実行するようにしても良い。例えば、図42(d)に示すように普図始動ゲート34への遊技球の通過があった場合のうち、第1実行確率である40%で第1示唆演出を実行するようにし、右側一般入賞口35への入賞があった場合のうち、第2実行確率である20%で第2示唆演出を実行するようにしても良い。
この場合、上述の示唆演出設定処理において、普図始動ゲート34への遊技球の通過であった場合(ステップC401;Y)に第1実行確率で抽選を行い、当選した場合にはステップC402からC404の処理を行うようにする。
また、右側一般入賞口35への入賞であった場合(ステップC405;Y)に第2実行確率で抽選を行い、当選した場合にはステップC406からC408の処理を行うようにする。
このようにすることで、障害釘による物理的な入賞の制限に加えてそれぞれの実行確率を制御できるようになり、示唆演出の実行に対する興趣を高めることができる。また、特定の遊技状態中や特定の演出が実行されている期間など、遊技における所定条件が成立することにより第1実行確率や第2実行確率を変化させるようにしても良い。特定の遊技状態としては、通常確率状態である遊技状態、高確率状態である遊技状態、時短状態である遊技状態、特別遊技状態などが挙げられ、このうちの一又は複数の遊技状態を対応させることが可能である。また、特定の演出としては、リーチ状態、SPリーチ状態、リーチ状態以外、所定の演出が実行されている状態、所定の演出モードが設定されている状態などが挙げられ、このうちの一又は複数の演出を対応させることが可能である。この他に、実行確率を変更する所定条件として、大当りの発生や、始動記憶数が所定数となること、演出ボタン25の操作、所定の時刻となることなどが挙げられ、このうちの一又は複数の条件を対応させることが可能である。
また、第1実行確率や第2実行確率を設定することにより示唆演出の実行頻度を変化させる他に、示唆演出の実行条件の成立のしやすさを変化させることで示唆演出の実行頻度を変化させるようにしても良い。
例えば、普図始動ゲート34への遊技球が通過する毎に示唆演出の実行条件が成立する場合と、普図始動ゲート34への遊技球が2以上の複数個通過する毎に示唆演出の実行条件が成立する場合と、を設けるようにし、特定の遊技状態中や特定の演出が実行されている期間など、遊技における所定条件が成立することにより選択して実行頻度を変化させるようにしても良い。
なお、示唆演出の実行タイミングは普図始動ゲート34への遊技球の通過や右側一般入賞口35への入賞に基づいて即座に行うものとしたが、普図始動ゲート34への遊技球の通過や右側一般入賞口35への入賞に基づいて示唆演出の実行権利をストックするようにし、後の所定のタイミングで示唆演出を実行するようにしても良い。この場合、後述するような待機報知表示631を行い、示唆演出の実行を待機していることを報知するようにしても良い。さらに、待機報知表示631において示唆演出の内容を示唆又は報知するようにしても良い。また、待機報知表示631において、実行を待機している示唆演出とは別に示唆演出を行うようにしても良い。この場合、第1示唆演出に対応する待機報知表示631における示唆演出と、第2示唆演出に対応する待機報知表示631における示唆演出と、で示唆の精度が異なるようにしても良い。
また、普図始動ゲート34への遊技球の通過と右側一般入賞口35への入賞の一方は即座に示唆演出を行い、他方は示唆演出の実行権利をストックして後のタイミングで行うようにしても良い。特に示唆の精度が高い方の示唆演出について示唆演出の実行権利をストックして後のタイミングで行うことで遊技者がより確実に示唆演出を見ることができ、遊技の興趣を向上することができる。
また、普図始動ゲート34への遊技球の通過と右側一般入賞口35への入賞を示唆演出の実行の契機としたが、これ以外の箇所における遊技球の検出に基づき示唆演出を実行可能としても良い。例えば、第1始動入賞口36、第2始動入賞口97、普通変動入賞装置37、特別変動入賞装置38、左側一般入賞口35での遊技球の検出や、これらの入賞口とは別に設ける演出用の遊技球の検出部での遊技球の検出などにより示唆演出を実行可能としても良く、任意に設定可能である。
また、遊技球の通過以外の契機として、特別遊技状態の終了など遊技状態が変化することを契機として示唆演出を行うようにしても良い。この場合に特別遊技状態を実行する契機となった大当りの種類(通常大当りと確変大当りなど)によって、示唆の精度が異なるようにしても良い。
また、示唆演出はどのようなものであっても良く、第1表示部621や第2表示部622で行うものの他、表示装置41に表示するものであっても良い。例えば、表示装置41の所定の表示領域を第1表示部621や第2表示部622とし、この表示領域における表示色やキャラクタの種類などにより演出態様AからCを表現するものであっても良い。また、音声により演出態様AからCを表現するものであっても良い。
また、入賞に伴い発生した賞球数を表示装置41で報知する場合に、示唆演出の契機となる右側一般入賞口35への入賞に伴う賞球数の報知態様によって演出態様AからCを表現するものであっても良い。
例えば、右側一般入賞口35への入賞に伴う賞球数の報知の表示色が演出態様AからCで異なるようにする。この場合、示唆演出の契機とならない入賞口への入賞に伴う賞球数の報知についての表示色とは異なる表示色とする。
このような賞球数の報知は常時行うようにしても良いし、特別遊技状態や小当りが頻発する遊技状態のような遊技者の持球が増加する遊技状態でのみ行うようにしても良い。
また、遊技状態などに応じて示唆演出の実行箇所を異ならせるようにしても良い。例えば、時短状態である場合には普図始動ゲート34への遊技球の通過に遊技者が注目するので第1表示部621や第2表示部622で示唆演出を実行し、特別遊技状態では遊技者が表示装置41に注目するので表示装置41において示唆演出を実行するようにしても良い。
また、普通変動入賞装置37や特別変動入賞装置38のように遊技状態により入賞の容易さが変化する入賞口への入賞を示唆演出の契機とした場合に、入賞の容易さの状態により示唆演出の精度を異ならせるようにしても良い。例えば、入賞が困難な状態での入賞の場合は、入賞が容易な状態での入賞の場合よりも示唆演出の精度が高くなるようにする。
また、演出制御装置300に、第1表示部621や第2表示部622で実行された示唆演出の内容や回数を記憶する記憶手段を設けるとともに、2次元コードの表示などにより外部の端末に記憶した情報を出力する出力手段を設けるようにし、外部の端末で示唆演出による示唆の内容や回数を確認できるようにしても良い。
また、示唆の対象は確率設定値に限られるものではなく、遊技に関する示唆であればどのようなものでも良い。例えば、実行中の特図変動表示ゲームの変動パターン(SPリーチの種類など)や特別結果となる可能性の高さを示唆するものであっても良い。例えば、演出態様Aが特別結果となる可能性が最も低いことを示唆するものとし、演出態様B、Cの順に特別結果となる可能性が高いことを示唆するようにしても良い。
また、始動記憶について当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの変動パターン(SPリーチの種類など)や特別結果となる可能性の高さを示唆する先読み演出であっても良い。例えば、始動記憶に特別結果となる始動記憶が存在する可能性の高さについて、演出態様Aが存在する可能性が最も低いことを示唆するものとし、演出態様B、Cの順に存在する可能性が高いことを示唆するようにしても良い。また、通常確率状態と高確率状態とのいずれであるのかを示唆する演出であっても良い。また、通常確率状態と高確率状態のいずれであるかを明確に報知しない潜伏状態において現在設定されている確率を示唆する演出であっても良い。
また、示唆の対象は確率設定値に限られるものではなく、遊技者又は遊技店の店員の操作により複数種類の設定値のうちから選択して設定可能なものであれば良い。例えば、音量や表示装置41の輝度の設定値、選択された演出モードの種類などであっても良い。
また、本実施形態の遊技機では、右打ちした遊技球のみが普図始動ゲート34や右側一般入賞口35で検出可能であるが、このような遊技盤30の構成において左打ちで遊技を進行する状態において普図始動ゲート34や右側一般入賞口35で遊技球を検出した場合には示唆演出を行わないようにしても良い。また、左打ちした遊技球のみを検出可能な検出部での遊技球の検出を契機として示唆演出を行うように設計した場合には、右打ちで遊技を進行する状態における遊技球の検出時には示唆演出を行わないようにしても良い。
すなわち、示唆演出の実行契機となる遊技球の検出があった場合に、左打ちで遊技を進行する状態であるか、右打ちで遊技を進行する状態であるかにより、示唆演出の実行の有無を決定するようにしても良いし、示唆演出の精度が異なるようにしても良い。
また、遊技状態によって示唆演出の実行の有無や精度を選択するようにしても良い。例えば、通常確率状態、高確率状態、特別遊技状態、時短状態、通常確率状態かつ時短状態でない通常遊技状態、客待ち状態、複数の演出モードなどの遊技状態のいずれであるかに応じて示唆演出の実行の有無や精度を選択するようにしても良い。
さらに、遊技状態により示唆演出の実行の有無や精度を異ならせるようにした場合に、遊技状態の変化が発生した後の所定期間では変化前の遊技状態に対応した扱いとするようにしても良い。
例えば、遊技状態の変化により右打ちで遊技を進行する状態から左打ちで遊技を進行する状態に変化した場合に、遊技状態の変化から一定期間は右打ちで遊技を進行する状態で示唆演出の実行契機が成立した場合と同様の扱いとするようにしても良い。左打ちで遊技を進行する状態への遊技状態の変化から一定期間は、すでに右打ちで発射された遊技球が存在するので、このような遊技球については右打ちで示唆演出の実行契機が成立した場合と同様の扱いとすることで公平に扱うことができる。もちろん左打ちで遊技を進行する状態から右打ちで遊技を進行する状態に変化した場合も同様に一定期間は左打ちで遊技を進行する状態で示唆演出の実行契機が成立した場合と同様の扱いとするようにしても良い。
また、発射方向の変化のない遊技状態の変化の場合も同様に、遊技状態の変化が発生した後の所定期間では変化前の遊技状態に対応して示唆演出の実行の有無や精度を設定するようにしても良い。例えば、通常遊技状態、特別遊技状態及び時短状態で示唆演出の実行の有無や精度がそれぞれ規定されている場合において、左打ちで遊技を進行する通常遊技状態で特別結果が発生し、右打ちで遊技を進行する特別遊技状態が開始され、その後に右打ちで遊技を進行する時短状態となった場合、特別遊技状態の終了から一定期間は特別遊技状態又は通常遊技状態で示唆演出の実行契機が成立した場合と同様の扱いとするようにしても良い。この場合の一定期間としては、特別遊技状態の終了時に存在した第1特図変動表示ゲームの始動記憶が全て消化されるまでとしても良い。
また、同一の遊技状態であっても、遊技状態の変化以外の要因により示唆演出の実行の有無や精度が異なるようにしても良い。
例えば、通常遊技状態や時短状態において示唆演出の実行契機の成立タイミングが、特図変動表示ゲームの実行中である場合と、連続して実行される2つの特図変動表示ゲームにおける特図変動表示ゲームの終了後から次の特図変動表示ゲームの開始までの間のタイミングであるゲーム間タイミングである場合と、によって、示唆演出の実行の有無や精度が異なるようにしても良い。
例えば、特図変動表示ゲームの実行中に示唆演出の実行契機が成立する方がゲーム間タイミングで示唆演出の実行契機が成立する場合よりも示唆の精度が高くなるようにすれば、精度の高さに変化が生まれて遊技の興趣を向上することができる。また、特図変動表示ゲームの実行中に示唆演出の実行契機が成立する方がゲーム間タイミングで示唆演出の実行契機が成立する場合よりも示唆の精度が低くなるようにすれば、わずかなタイミングであるゲーム間タイミングで示唆演出の実行契機を成立させることができた場合にのみ精度の高い示唆演出が実行されるという特典を遊技者に与えることができ、遊技の興趣を向上することができる。
また、実行中の特図変動表示ゲームがリーチ中であるか否かや、停止表示中であるか否か、実行中のリーチ種類、実行中の演出の種類などに応じて示唆演出の実行の有無や精度が異なるようにしても良い。
例えば、示唆演出の実行契機が成立したタイミングがリーチ中である場合の方がリーチ中でない場合よりも示唆の精度が高くなるようにすれば、リーチによる興趣の向上に加えて示唆の精度の向上による興趣の向上も期待できる。また、示唆演出の実行契機が成立したタイミングがリーチ中である場合の方がリーチ中でない場合よりも示唆の精度が低くなるようにすれば、リーチ中に示唆演出を注視しなくても良くなり、遊技者の意識をリーチ演出に向けるようにすることができて遊技の興趣を向上することができる。
また、示唆演出の実行契機が成立したタイミングが停止表示中である場合の方が停止表示中でない場合よりも示唆の精度が高くなるようにすれば、結果の表示による興趣の向上に加えて示唆の精度の向上による興趣の向上も期待できる。また、示唆演出の実行契機が成立したタイミングが停止表示中である場合の方が停止表示中でない場合よりも示唆の精度が低くなるようにすれば、示唆演出よりも結果の確認に対して遊技者の意識を向けるようにすることができて遊技の興趣を向上することができる。
また、示唆演出の実行契機が成立したタイミングがリーチ中である場合の方が停止表示中である場合よりも示唆の精度が高くなるようにすれば、リーチによる興趣の向上に加えて示唆の精度の向上による興趣の向上も期待できる。また、示唆演出の実行契機が成立したタイミングがリーチ中である場合の方が停止表示中である場合よりも示唆の精度が低くなるようにすれば、リーチ中に示唆演出を注視しなくても良くなり、遊技者の意識をリーチ演出に向けるようにすることができて遊技の興趣を向上することができる。
また、特別結果となる期待度が高いリーチで示唆演出の実行契機が成立するほど示唆の精度が高くなるようにすれば、期待度の高いリーチによる興趣の向上に加えて示唆の精度の向上による興趣の向上も期待できる。また、期待度が高いリーチで示唆演出の実行契機が成立するほど示唆の精度が低くなるようにすることで、リーチ中に示唆演出を注視しなくても良くなり、遊技者の意識をリーチ演出に向けるようにすることができて遊技の興趣を向上することができる。
また、特別遊技状態において、ファンファーレ、ラウンド、インターバル及びエンディングのいずれであるかによって示唆演出の実行の有無や精度が異なるようにしても良い。
例えば、ファンファーレ中に示唆演出を実行しないようにすれば、特別遊技状態の開始に向けて発射方向の変更を行うなどの準備に遊技者が集中することができる。また、インターバル中に示唆演出を実行しないようにすれば、インターバル中に獲得球数や次ラウンドの実行態様の報知など、遊技者に対する報知が行われる場合に、これらの報知に遊技者が集中することができるようになる。
また、示唆演出の実行契機が成立したタイミングが、ファンファーレ、ラウンド、インターバル、エンディングの順で示唆の精度が高くなるようにしたことで、特別遊技状態の終了に向けて示唆の精度が高まり、特別遊技状態の終了後の遊技に期待感を持たせることができる。
また、示唆演出の実行契機が成立したタイミングが、ファンファーレ、ラウンド、インターバル、エンディングの順で示唆の精度が低くなるようにしたことで、特別遊技状態の開始時が最も精度が高くなり、特別遊技状態の開始時に期待感を持たせることができる。
また、特別遊技状態を発生する契機となった特別結果の種類に応じて示唆演出の実行の有無や精度が異なるようにしても良い。例えば、確変大当りと通常大当りでその後の特別遊技状態における示唆演出の実行の有無や精度が異なるようにしても良い。
確変大当りに基づく特別遊技状態で示唆演出の実行契機が成立した場合の方が通常大当りに基づく特別遊技状態で示唆演出の実行契機が成立した場合よりも示唆の精度が高くなるようにすれば、特別遊技状態の終了後に高確率状態となることによる興趣の向上に加えて示唆の精度の向上による興趣の向上も期待できる。
また、確変大当りに基づく特別遊技状態で示唆演出の実行契機が成立した場合の方が通常大当りに基づく特別遊技状態で示唆演出の実行契機が成立した場合よりも示唆の精度が低くなるようにすれば、特別遊技状態の終了後に通常確率状態となってしまうことによる落胆感を抑え、遊技を継続する意欲を与えることができる。
また、時短状態において始動記憶がなく特図変動表示ゲームが実行されていない状態で示唆演出の実行契機が成立した場合には、時短状態において特図変動表示ゲームが実行されている状態で示唆演出の実行契機が成立した場合よりも示唆の精度が高くなるようにしても良い。このようにすることで、特図変動表示ゲームが実行されないことに対する遊技者の不満感を低減することができる。
また、時短状態において始動記憶がなく特図変動表示ゲームが実行されていない状態で示唆演出の実行契機が成立した場合には、時短状態において特図変動表示ゲームが実行されている状態で示唆演出の実行契機が成立した場合よりも示唆の精度が低くなるようにしても良い。このようにすることで、始動記憶の発生に対して遊技者の意識を向けさせることができる。
また、時短状態において始動記憶がなく特図変動表示ゲームが実行されていない状態では、示唆演出の実行契機が成立しても示唆演出を実行しないようにしても良い。このようにすることで、始動記憶の発生に対して遊技者の意識を向けさせることができる。
また、特別遊技状態におけるラウンド中に示唆演出の実行契機が成立した場合には、時短状態において特図変動表示ゲームが実行されている状態で示唆演出の実行契機が成立した場合よりも示唆の精度が高くなるようにしても良い。このようにすることで、時短状態よりも期間が短いことが多い特別遊技状態における遊技の興趣を高めることができる。
また、特別遊技状態におけるラウンド中に示唆演出の実行契機が成立した場合には、時短状態において特図変動表示ゲームが実行されている状態で示唆演出の実行契機が成立した場合よりも示唆の精度が低くなるようにしても良い。このようにすることで、特別遊技状態よりも期間が長い時短状態における遊技の興趣を高めることで長期間にわたり遊技の興趣を高めることができる。
また、特別遊技状態におけるエンディング中に示唆演出の実行契機が成立した場合には、時短状態において特図変動表示ゲームが実行されている状態で示唆演出の実行契機が成立した場合よりも示唆の精度が高くなるようにしても良い。このようにすることで、時短状態よりも期間が短いことが多い特別遊技状態における遊技の興趣を高めることができる。
また、特別遊技状態におけるエンディング中に示唆演出の実行契機が成立した場合には、時短状態において特図変動表示ゲームが実行されている状態で示唆演出の実行契機が成立した場合よりも示唆の精度が低くなるようにしても良い。このようにすることで、特別遊技状態よりも期間が長い時短状態における遊技の興趣を高めることで長期間にわたり遊技の興趣を高めることができる。
また、特別遊技状態におけるエンディング中に示唆演出の実行契機が成立した場合には、時短状態の終了時において獲得遊技球数などを報知するリザルト期間で示唆演出の実行契機が成立した場合よりも示唆の精度が高くなるようにしても良い。このようにすることで、特別遊技状態における遊技の興趣を高めることができる。
また、特別遊技状態におけるエンディング中に示唆演出の実行契機が成立した場合には、時短状態の終了時において獲得遊技球数などを報知するリザルト期間で示唆演出の実行契機が成立した場合よりも示唆の精度が低くなるようにしても良い。このようにすることで、通常遊技状態に移行する直前に実行されるリザルト期間における遊技の興趣を高めることができ、通常遊技状態でも遊技を継続する意欲を与えることができる。
以上のように様々な条件を考慮して示唆演出の実行の有無や精度を設定することで、示唆演出を多彩なものとすることができる。
また、上述の各例は任意に組み合わせることが可能であり、より示唆演出を多彩なものとすることができる。
また、示唆演出の実行の有無とは、示唆演出の実行の規制の有無とも言える。当初から示唆演出の実行を選択しない場合の他、示唆演出の実行を一旦選択するが条件の成立により実行が規制される場合も含む。
以上のことから、所定条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な状態を発生可能な遊技機において、遊技の演出を制御する演出制御手段(演出制御装置300)を備え、演出制御手段は、遊技に関する事項の示唆を行う示唆演出として、第1示唆演出と、第2示唆演出と、を実行可能であり、第2示唆演出による示唆の精度は、第1示唆演出による示唆の精度よりも高いこととなる。したがって、趣の異なる示唆演出を実行でき、遊技の興趣を向上することができる。
また、所定の操作により第1設定値を含む複数種類の設定値のうちから選択された設定値を設定可能とする設定手段(遊技制御装置100)を備え、演出制御手段(演出制御装置300)は、設定された設定値を遊技に関する事項として示唆演出により示唆するように構成され、第1示唆演出及び第2示唆演出には、第1演出態様(演出態様AからCのいずれか)と、第1演出態様よりも第1設定値(例えば設定1から3のいずれか)が設定されている可能性が高いことを示唆する第2演出態様(演出態様AからCのいずれか)が含まれ、第1設定値が設定されている場合における第1演出態様の選択割合に対する第2演出態様の選択割合は、第1示唆演出よりも第2示唆演出の方が高いこととなる。したがって、示唆の精度が異なる示唆演出を実行でき、遊技の興趣を向上することができる。
また、ゲームで特別結果となる確率値が割り当てられた確率設定値を、操作部(設定値変更スイッチ151、設定キースイッチ152)の操作により複数種類の確率設定値から選択可能とする設定手段(遊技制御装置100)を備え、演出制御手段は、設定された確率設定値を遊技に関する事項として示唆演出により示唆するように構成され、第1示唆演出及び第2示唆演出には、第1演出態様(演出態様A)と、第1演出態様よりも特別結果となる確率が高い確率設定値が設定されていることを示唆する第2演出態様(演出態様C)が含まれ、特別結果となる確率が最も高い確率設定値が設定されている場合における第1演出態様の選択割合に対する第2演出態様の選択割合は、第1示唆演出よりも第2示唆演出の方が高いこととなる。したがって、示唆の精度が異なる示唆演出を実行でき、遊技の興趣を向上することができる。
また、ゲームで特別結果となる確率値が割り当てられた確率設定値を、操作部(設定値変更スイッチ151、設定キースイッチ152)の操作により複数種類の前記確率設定値から選択可能とする設定手段(遊技制御装置100)を備え、演出制御手段は、設定された確率設定値を遊技に関する事項として示唆演出により示唆するように構成され、第1示唆演出及び第2示唆演出には、第1演出態様(演出態様A)と、第1演出態様よりも特別結果となる確率が高い確率設定値が設定されていることを示唆する第2演出態様(演出態様C)が含まれ、特別結果となる確率が最も低い確率設定値が設定されている場合における第1演出態様の選択割合に対する第2演出態様の選択割合は、第1示唆演出よりも第2示唆演出の方が低いこととなる。したがって、示唆の精度が異なる示唆演出を実行でき、遊技の興趣を向上することができる。
また、演出制御手段は、第1示唆演出を第1実行確率で実行可能であるとともに、第2示唆演出を第1実行確率よりも低い第2実行確率で実行可能であることとなる。したがって、示唆の精度が異なる示唆演出を異なる実行確率で実行でき、遊技の興趣を向上することができる。また、精度の高い示唆演出の実行確率を低くすることで、確率設定値が早期に判明してしまうことを防止できる。
また、遊技球が流下可能な遊技領域32に、遊技球の通過を検出可能な第1検出部(普図始動ゲート34)及び第2検出部(右側一般入賞口35)を備え、演出制御手段は、第1検出部による遊技球の検出に基づき第1示唆演出を実行可能であるとともに、第2検出部による遊技球の検出に基づき第2示唆演出を実行可能であることとなる。したがって、遊技に使用される検出部での遊技球の検出が演出の実行契機ともなり、検出部に新たな機能を持たせることができて遊技の興趣を向上することができる。
また、第2検出部は、第1検出部で検出された遊技球の一部のみが通過可能であることとなる。したがって、第2示唆演出が実行される場合は第1示唆演出も併せて行われるようになり、遊技の興趣を向上することができる。
次に、停電復旧後の先読み演出について説明する。図44には遊技の進行の一例を示した。
この例では、まず、始動記憶aからcの3つがある状態で特図変動表示ゲームを実行している。図44における始動記憶数の欄では、上段に始動記憶数を数字で示し、下段には存在する始動記憶の種類を示している。
この状態で停電が発生し(t11)、その後停電が復旧している(t12)。遊技制御装置100はバックアップの機能を備えているので、停電の発生に伴い停電発生時の状態がバックアップされている。よって、遊技制御装置100が管理する情報については停電発生時の状態が維持されるようになっており、停電の復旧に伴い停電発生時の状態から特図変動表示ゲームの続きが再開され、始動記憶aからcについても停電発生前の状態が維持されるようになっている。
停電を挟んで実行された特図変動表示ゲームが終了すると、始動記憶aが消化されて当該始動記憶aに基づく特図変動表示ゲームであるゲームaが開始される(t13)。さらに、ゲームaが終了すると、始動記憶bが消化されて当該始動記憶bに基づく特図変動表示ゲームであるゲームbが開始される(t14)。
このゲームbの実行中に、新たに始動記憶d、始動記憶eの2つが発生しており、始動記憶数は3となっている(t15、t16)。これら始動記憶d、始動記憶eは、停電復旧後に発生した始動記憶である特定始動記憶をなす。
その後、ゲームbが終了すると、始動記憶cが消化されて当該始動記憶cに基づく特図変動表示ゲームであるゲームcが開始される(t17)。さらに、ゲームcが終了すると、始動記憶dが消化されて当該始動記憶dに基づく特図変動表示ゲームであるゲームdが開始され(t18)、ゲームdが終了すると、始動記憶eが消化されて当該始動記憶eに基づく特図変動表示ゲームであるゲームeが開始される(t19)。
本実施形態の遊技機では、停電の復旧から、当該停電の発生前に存在していた始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが全て終了するまでの期間を、先読み演出の実行を制限する制限期間とするようにしている。図44の例では、停電の復旧からゲームcの終了までの期間(t12からt18)が制限期間となる。
演出制御装置300はバックアップの機能を備えていないため、停電の発生により実行中の特図変動表示ゲームの情報や始動記憶の情報を失ってしまう。すなわち、停電発生前に存在した始動記憶aからcについての先読み情報を停電により失っており、停電復旧後にこれら始動記憶aからcについての先読み演出を実行することはできない。
また、停電復旧後に発生した始動記憶d、eについては、当該始動記憶が発生した際に先読み情報を受信しており先読み演出を実行可能であるが、始動記憶aからcについての先読み情報を失っていることから始動記憶d、eに基づく特図変動表示ゲームが実行されるまでにどのような特図変動表示ゲームが実行されるかや、遊技状態の変化があるのかなどがわからないため、先読み演出を実行すると矛盾が生じるおそれがある。
そこで、停電の復旧から、当該停電の発生前に存在していた始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが全て終了するまでの期間については先読み演出の実行を制限するようにしている。
〔制限期間設定処理〕
図45には、単発系コマンド処理(図34参照)の停電復旧処理(ステップC189)で行われる制限期間設定処理を示した。この制限期間設定処理では、まず、制限フラグをセットする(ステップC421)。この制限フラグがセットされている場合は、先読み演出を設定する先読み変動系コマンド処理(図32参照)において先読み演出が設定されないようにされる。
そして、始動記憶数+1の値を制限回数として設定して(ステップC422)、制限期間設定処理を終了する。制限回数は制限期間の期間を管理するためのものであり、特図変動表示ゲームの開始時に減算されるようになっている。
〔先読み図柄系コマンド処理〕
図46には、上述の受信コマンド解析処理における先読み図柄系コマンド処理(ステップC244)を示した。この先読み図柄系コマンド処理では、まず、最新の保留情報が特図1保留であるかを判定する(ステップC301)。最新の保留情報が特図1保留である場合(ステップC301;Y)、すなわち、受信した先読み図柄系コマンドが特図1保留に関するものである場合は、コマンドを特図1保留数に対応する特図1先読み図柄コマンド領域にセーブし(ステップC302)、先読み変動コマンド受信待ちフラグをセットして(ステップC304)、先読み図柄系コマンド処理を終了する。
また、最新の保留情報が特図1保留でない場合(ステップC301;N)、すなわち、受信した先読み図柄系コマンドが特図2保留に関するものである場合は、コマンドを特図2保留数に対応する特図2先読み図柄コマンド領域にセーブし(ステップC303)、先読み変動コマンド受信待ちフラグをセットして(ステップC304)、先読み図柄系コマンド処理を終了する。ステップC304で先読み変動コマンド受信待ちフラグをセットするのは、先読み図柄コマンドと先読み変動コマンド(先読み変動パターンコマンド)とがセット(ペア)のためである。
〔先読み変動系コマンド処理〕
図47には、上述の受信コマンド解析処理における先読み変動系コマンド処理(ステップC246)を示した。この先読み変動系コマンド処理では、まず、先読み変動コマンド受信待ち中であるかを判定する(ステップC311)。ここでは、上述の先読み図柄系コマンド処理で設定される先読み変動コマンド受信待ちフラグがある場合に受信待ち中と判定するようになっている。先読み変動コマンド受信待ち中でない場合(ステップC311;N)は、先読み変動系コマンド処理を終了する。一方、先読み変動コマンド受信待ち中である場合(ステップC311;Y)は、先読み変動コマンド受信待ちフラグをクリアする(ステップC312)。
その後、ステップC313~C316の処理では、遊技制御装置100から受信した先読み変動コマンド(先読み変動パターンコマンド)を、演出制御装置300での処理に便利なように変換する処理を行う。まず、最新保留情報の図柄の保留数に対応する先読み変動MODE変換テーブルを設定する処理(ステップC313)を行って、今回受信した先読み変動系コマンドに対応する始動記憶の特図種別の情報と当該特図種別の現在の保留数とに応じて、MODEを変換するためのMODE変換テーブルを設定する。
次いで、設定したMODE変換テーブルを参照して、先読み変動コマンドのMODEに対応するサブ内先読み変動コマンドMODEを取得する(ステップC314)。さらに、先読み変動ACT変換テーブルを設定して(ステップC315)、先読み変動コマンドのACTに対応するサブ内先読み変換コマンドACTを取得する(ステップC316)。
MODEには前半変動の情報が含まれているが、このMODEに基づき設定される前半変動の内容や時間は判定時における保留数によって変化するので、事前判定時の判定と特図変動表示ゲーム開始時の判定とで判定結果が異なる場合がある。よって、判定時の保留数に影響されずに先読み予告演出の処理を容易かつ確実に行うことができるようにするために、現在の保留数に応じた変換態様でMODEを変換し、判定時の保留数によらずに共通して扱うことができるようにしている。例えば、リーチなしはずれ変動であって保留の状況によっては短い前半変動時間になる可能性があるものや、リーチなしはずれ変動であって保留の状況にかかわらず長い前半変動時間となるもののように、先読み予告演出の設定で考慮する事項で区分けしたMODEに変換しておき、先読み予告演出の処理を容易かつ確実に行うことができるようにする。
また、ACTにはリーチの有無やリーチの種類などの後半変動の情報が含まれている。このACTに基づき設定される後半変動の内容は判定時の保留数によって変化することはない。しかし、例えばノーマルリーチでも、最終停止図柄がリーチ図柄の1コマ手前で停止するはずれと、1コマ先で停止するはずれと、当りの場合とが設定されているように、同種のリーチでも様々な態様があり、このそれぞれに対応したACTが設定されているため、値の範囲が広いものとなっている。このため、同一系統のリーチに対応するACTを同一のACTに変換することで数を減らし、先読み予告演出の処理におけるチェックなどの処理負担を軽減するようにしている。
次いで、変換後のMODE、ACTは共に0以外であるかを判定する(ステップC317)。変換後のMODE、ACTは共に0以外でない場合(ステップC317;N)は、異常なコマンド値であるので先読み変動系コマンド処理を終了する。一方、変換後のMODE、ACTは共に0以外である場合(ステップC317;Y)は、変換後コマンドを最新保留情報、保留数に対応する先読み変動コマンド領域にセーブする。
次に、先読み演出の実行を制限する制限期間で設定される制限フラグがあるかを判定し(ステップC319)、制限フラグがある場合(ステップC319;Y)は、先読み変動系コマンド処理を終了する。この場合、先読み演出は実行されないが、先読み情報は保存された状態となっている。また、制限フラグがない場合(ステップC319;N)は、MODEとACTの組合せ(コマンド組合せ)が正常であるかを判定する先読みコマンド整合チェック処理(ステップC320)を行う。
先読みコマンド整合チェック処理(ステップC320)の結果、コマンド組合せが正常でない場合(ステップC321;N)は、先読み変動系コマンド処理を終了する。一方、コマンド組合せが正常である場合(ステップC321;Y)は、先読み予告演出の実行を抽選する先読み抽選処理(ステップC322)を行い、先読み予告演出を発生するかを判定する(ステップC323)。
そして、先読み予告演出を発生しない場合(ステップC323;N)は、先読み変動系コマンド処理を終了する。一方、先読み予告演出を発生する場合(ステップC323;Y)は、当該発生する先読み予告演出(すなわち、先読み抽選処理(ステップC322)で選出された先読み予告演出)が、直ちに開始する演出であるかを判定する(ステップC324)。直ちに開始する演出とは、例えば、表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示の表示態様を現時点から変更する保留変化予告である。また、直ちに開始しない演出とは、特図変動表示ゲームの実行中に行う先読み予告演出であって、複数の特図変動表示ゲームに亘り連続で特定の演出やリーチ状態を発生させる演出や、変動表示中に登場するキャラクタによって予告を行う演出、飾り特図始動記憶表示の表示態様を現時点よりも後のタイミングで変更する保留変化予告などである。なお、このような直ちに開始しない演出の実行を開始するタイミングとしては、特図変動表示ゲームの実行中であればその特図変動表示ゲームが終了し、次の特図変動表示ゲームの実行が開始されるタイミングなどが該当する。
直ちに開始する演出でない場合(ステップC324;N)は、先読み変動系コマンド処理を終了する。この場合は、先読み予告演出を実行する特図変動表示ゲームの開始時などに予告の設定を行う。一方、直ちに開始する演出である場合(ステップC324;Y)は、選出された先読み予告演出に対応する表示を設定し(ステップC325)、先読み変動系コマンド処理を終了する。
〔制限期間管理処理〕
図48には、変動系コマンド処理(図35参照)で行われる制限期間管理処理を示した。この制限期間管理処理では、まず、制限フラグがあるかを判定し(ステップC431)、制限フラグがない場合(ステップC431;N)は、制限期間管理処理を終了する。この場合は制限期間が設定されていない場合である。また、制限フラグがある場合(ステップC431;Y)は、制限回数を-1更新し(ステップC432)、制限回数が0となったかを判定する(ステップC433)。
制限回数が0となっていない場合(ステップC433;N)は、制限期間管理処理を終了する。この場合は制限期間が継続する場合である。また、制限回数が0となった場合(ステップC433;Y)は、制限フラグをクリアして(ステップC434)、制限期間で発生した始動記憶があるかを判定する(ステップC435)。この場合は制限期間が終了する場合である。
制限期間で発生した始動記憶がない場合(ステップC435;N)は、制限期間管理処理を終了する。また、制限期間で発生した始動記憶がある場合(ステップC435;Y)は、制限期間で発生した始動記憶のうち最先の始動記憶の先読み情報を準備し(ステップC436)、ステップC437からC441の処理を行う。この処理は、上述の先読み変動系コマンド処理におけるステップC320からC325の処理と同じ処理であり、これにより制限期間で発生した始動記憶についての先読み演出の設定が行われる。
その後、制限期間で発生した始動記憶を全て処理済みであるかを判定し(ステップC442)、全て処理済みである場合(ステップC442;Y)は、制限期間管理処理を終了する。また、全て処理済みでない場合(ステップC442;N)は、制限期間で発生した始動記憶のうち処理が終了した始動記憶の次の始動記憶についての先読み情報を準備し(ステップC443)、ステップC437に戻る。これにより、制限期間で発生した始動記憶のそれぞれについて先読み演出の設定が行われる。
なお、上述の制限期間では演出制御装置300において先読み演出を選択する処理を行わないことで先読み演出を実行しないようにし、制限期間が終了した際に制限期間で発生した始動記憶の先読み演出を選択するようにしたが、制限期間において先読み演出が制限されるものであればどのようなものであっても良い。例えば、制限期間で発生した始動記憶については、制限期間が終了しても先読み演出を行わないようにしても良い。
また、先読み演出の実行が制限されていることを飾り特図始動記憶表示やその他の領域に表示するようにしても良い。この場合、制限期間が終了しても先読み演出が実行されないものと、制限期間が終了すると先読み演出が実行される可能性があるものと、を区別しが表示を行うようにしても良い。
図44に示した例では、始動記憶d、eについては制限期間が終了すると先読み演出が実行される可能性があるため、始動記憶a、b、cとは区別した表示を行うようにしても良い。このような表示の区別としては、例えば始動記憶a、b、cの飾り特図始動記憶表示には「×」を表示して制限期間が終了しても先読み演出が実行されないことを示し、始動記憶d、eの飾り特図始動記憶表示には「準備中」と表示して制限期間が終了すると先読み演出が実行される可能性あることを示すようにしても良い。また、「準備中」の表示の他に、例えば制限期間が終了するまでの残り時間をタイマ表示にて行うようにしても良い。ただし、制限期間の終了までの正確な時間は、ゲームcの開始時までは不明であるため、ゲームcの開始時以降にタイマ表示を制限期間の終了までの正確な時間に更新するようにする。
また、制限期間では飾り特図始動記憶表示の表示態様の変更などの演出は行わないようにしたが、停電発生前に存在した始動記憶と、制限期間で発生した始動記憶の一方又は両方について、制限期間においては先読み情報に基づかない演出を実行するようにしても良い。先読み情報に基づかない演出としては、先読み演出とは異なる演出であっても良いし、先読み演出と同様の演出であっても良い。先読み演出と同様の演出とする場合には、示唆する期待度が一定値以下の特定の演出を行うようにする。例えば示唆する期待度が最も低い先読み演出や、特図変動表示ゲームの変動パターンや結果がどのようなものであっても選択可能な先読み演出のみを実行可能とし、実際の特図変動表示ゲームの内容と矛盾が生じないようにすることが好ましい。
また、先読み演出が、キャラクタが飾り特図始動記憶表示に働きかけるなどの前兆演出を伴って開始されるような構成の場合、制限期間中では前兆演出を実行可能とするが、先読み演出は開始されないようにしても良い。例えばキャラクタが飾り特図始動記憶表示に働きかけるが、飾り特図始動記憶表示の表示態様は変化しないようにする。
このような前兆演出としては、例えば飾り特図始動記憶表示を点滅表示するものや、飾り特図始動記憶表示の形状の変化などが挙げられ、このような前兆演出は制限期間中であっても実行可能とする。例えば、飾り特図始動記憶表示が卵を模した表示であり、前兆演出として卵にひびが入る演出を行い、卵が割れると先読み演出が実行されるような演出態様の場合、卵にひびが入る演出の段階までは制限期間中であっても実行可能とする。
また、始動記憶が順次消化される段階で飾り特図始動記憶表示が所定の位置まで移動したことで形状や色彩などの表示態様が変化するような始動記憶の消化についての前兆演出を行うようにした場合、制限期間中であってもこのような前兆演出は実行可能とする。
また、制限期間で発生した始動記憶について、制限期間では演出制御装置300において先読み演出を選択する処理を行わないようにしたが、制限期間で発生した始動記憶について制限期間でも演出制御装置300において先読み演出を選択する処理を行うようにしても良い。この場合、選択した先読み演出を制限期間中には行わずに制限期間が終了した後に開始するようにしても良い。また、選択した先読み演出が特定の演出であった場合には制限期間中でも開始するようにし、特定の演出でなかった場合には制限期間の終了後に開始するようにしても良い。特定の演出とは、示唆する期待度が一定値以下の演出であり、例えば示唆する期待度が最も低い先読み演出でも良いし、示唆する期待度が最も高い先読み演出以外の先読み演出であっても良い。また、特定の演出として期待度が一定値以下の演出を選択可能とした場合に、当該選択可能とした演出の選択確率について、制限期間でない場合と同じ選択確率であっても良いし、制限期間でない場合よりも少ない又は多い選択確率であっても良い。
また、制限期間で発生した始動記憶について制限期間中に先読み演出の選択を行う場合には、制限期間外に先読み演出の選択を行う場合とは異なる選択テーブルを用いるようにしても良い。例えば、制限期間中に先読み演出の選択を行う場合の選択テーブルである特定テーブルは、制限期間外に先読み演出の選択を行う場合の選択テーブルである通常テーブルで選択可能な先読み演出のうちの一部のみを選択可能とする。一部の演出とは、例えば、示唆する期待度が一定値以下の演出や、特図変動表示ゲームの変動パターンや結果がどのようなものであっても選択可能な先読み演出、示唆する期待度が最も高い先読み演出以外の演出などとする。
また、制限期間の終期を停電発生前に存在した始動記憶のうち最後に消化される特図変動表示ゲームの開始時としても良い。制限期間は、停電発生前に存在した始動記憶の先読み情報が失われたためにこれらの始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの変動態様や結果を演出制御装置300で把握できないことから、制限期間で発生した始動記憶の先読み演出との齟齬や矛盾などが生じることを防止するために設定したものであるが、停電発生前に存在した始動記憶のうち最後に消化される特図変動表示ゲームが開始された時点で停電発生前に存在した始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの変動態様や結果が全て判明するので、この時点で制限期間を終了しても問題は生じない。
また、制限期間で発生した始動記憶であっても遊技制御装置100では事前判定を行うようにしたが、制限期間で発生した始動記憶については制限期間が終了するまで遊技制御装置100において始動記憶についての事前判定を行わないようにしても良い。すなわち、遊技制御装置100で先読み演出を制限するようにしても良い。この場合、制限期間の終了後に事前判定を行って演出制御装置300に先読み情報を送信するようにしても良いし、制限期間で発生した始動記憶については制限期間が終了しても事前判定を行わないようにしても良い。
また、停電の復旧に伴い、停電発生前に存在した始動記憶について再度事前判定を行い、先読み情報を演出制御装置300に送信するようにしても良い。このようにすれば制限期間を設けなくとも先読み演出に矛盾が生じることがない。
また、制限期間では先読み演出を制限するようにしたが、実行中の特図変動表示ゲームの演出の一部など先読み演出以外の演出についても制限するようにしても良い。例えば、実行中記憶表示部84における演出表示についても制限するようにしても良い。また、逆に、制限期間であっても遊技の説明を行う演出などは制限しないようにしても良く、制限期間でない場合よりも頻度を高めるようにしても良い。
以上のことから、所定条件の成立に基づき変動表示ゲームを実行し、当該変動表示ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な状態を発生可能な遊技機において、始動入賞口(第1始動入賞口36、普通変動入賞装置37、第2始動入賞口97)への遊技球の入賞に基づき乱数情報を抽出し、変動表示ゲームの実行権利を当該乱数情報とともに始動記憶として所定の上限数まで記憶可能な始動記憶手段(遊技制御装置100)と、始動記憶手段に記憶された始動記憶に対応する変動表示ゲームが実行されるよりも前に乱数情報を判定可能な事前判定手段(遊技制御装置100)と、を備え、停電が発生して復旧した場合に、停電の復旧から所定条件が成立するまでの期間を制限期間とし、制限期間において発生した新たな始動記憶である特定始動記憶について、当該特定始動記憶に関する事前判定手段の判定結果を用いる予告演出である事前予告演出の一部又は全部を、制限期間が終了するまで制限可能であることとなる。したがって、停電により事前判定結果が失われることにより矛盾する事前予告演出が実行されてしまうことを防止でき、遊技の興趣の低下を防止できる。
また、制限期間は、停電の発生時に存在した始動記憶に基づく変動表示ゲームが全て終了するまでの期間であることとなる。したがって、遊技者にとって分かりやすい期間とすることができる。
また、事前判定手段は、制限期間中であっても特定始動記憶についての判定を行い、制御手段は、特定始動記憶についての事前予告演出の一部又は全部を、制限期間が終了するまで行わないようにすることとなる。したがって、制限期間において事前予告演出が実行されてしまうことを防止できる。また、制限期間中に発生した特定始動記憶についての事前判定結果は取得可能となり、後の機会における事前予告演出を実行可能となる。
また、事前予告演出には、特別結果となる可能性の高さである信頼度が異なる複数種類があり、制御手段は、事前判定手段による判定結果に対応して複数種類の事前予告演出の選択確率が定められた選択テーブルを用いて事前予告演出を選択するように構成され、選択テーブルには、制限期間において用いられる特定テーブルと、制限期間以外において用いられる通常テーブルと、があり、特定テーブルにより選択可能な事前予告演出は、通常テーブルにより選択可能な事前予告演出のうち、信頼度が所定値よりも低い一部の事前予告演出であることとなる。したがって、制限期間であっても事前予告演出を実行可能となるが、矛盾する内容の事前予告演出が実行されることを防止でき、遊技の興趣の低下を防止できる。
また、事前判定手段は、制限期間が終了するまで特定始動記憶についての判定を行わないようにすることとなる。したがって、制限期間において事前予告演出が実行されてしまうことを防止できる。
次に、遊技の演出として、特別結果となる可能性の高さである期待度を示唆可能な示唆表示をなすとともに、所定の演出の実行を待機していることを報知可能な待機報知について説明する。本実施形態の遊技機では、所定の演出として演出ボタン25を操作するボタン演出の実行を待機していることを待機報知の一つである待機報知表示631により報知可能となっている。
図49には、待機報知表示が表示される報知演出の一例を示した。
特図変動表示ゲームの実行中に所定の報知条件が成立すると、図49(a)に示すように演出ボタン25の操作を伴うボタン演出の実行を待機する旨の報知表示630がなされる。所定の報知条件とは、例えば、ボタン演出が行われる特図変動表示ゲームにおいて所定のタイミングになったことや、報知の有無を決定するための所定の抽選に当選した場合など任意に設定可能である。
報知表示630が行われた後、図49(b)に示すようにボタン演出が行われる予定であることを示す待機報知表示631が表示される。ここでは待機報知表示631においてボタン演出が2回行われる予定であることを示す「×2」の表示が付され、操作権利の回数も示されている。ボタン演出が行われる回数は1回又は複数回のうちから選択されるようになっており、1回の報知表示630に対して待機報知表示631で示されるボタン演出の予定回数は様々である。
待機報知表示631は演出ボタン25を模した表示とされ、演出ボタン25を操作する演出を待機していることが視覚的にわかりやすくしている。また、待機報知表示631では、「stock」の付加表示がなされ、演出ボタン25の操作を促す促進画像632と容易に区別できるようにされている。もちろん待機報知表示631の表示態様はこれに限られるものではない。
ボタン演出の実行回数が多いほど特別結果となる可能性の高さである期待度が高いので、待機報知表示631で示されるボタン演出の予定回数が多いほど期待度が高いことを示すようになっている。また、同じ予定回数を報知する待機報知表示631が表示される場合であっても、1回の報知表示630の表示により全て報知される場合と、複数回の報知表示630の表示により分割して報知される場合があり、最終的に同じ予定回数を報知する待機報知表示631が表示される場合であっても、報知表示630の回数により示唆する期待度が異なるようにしても良い。
その後、待機報知表示631の表示態様を変化させる変化演出を実行可能である。この変化演出は実行されない場合もある。ここでの変化演出は、待機報知表示631で予告しているボタン演出とは別途のボタン演出となっている。この変化演出では、図49(c)に示すように演出ボタン25の操作を促す促進画像632が表示され、この促進画像632に従い演出ボタン25が操作されると、図49(d)に示すように操作に応じた対応表示633がなされる。そして、当該対応表示633が待機報知表示631に働きかけて、図49(e)に示すように待機報知表示631の表示態様が変化するようになっている。待機報知表示631の表示態様は期待度を示唆するものであり、ここでは図49(b)の表示態様よりも図49(e)の表示態様の方が、期待度が高いことを示すものとなっている。
上述のように変化演出を経て図49(e)の表示態様に変化する場合の他に、図49(a)の報知表示630の後に変化演出を経ずに直接図49(e)の表示態様に変化する場合もある。最終的に図49(e)の表示態様となる場合であっても、変化演出の経由の有無により示唆する期待度が異なっている。すなわち、表示態様自体だけでなく、変化の過程も期待度の示唆に寄与している。
本実施形態の遊技機では、変化演出を経由して図49(e)の表示態様となるよりも、変化演出を経由せずに直接図49(e)の表示態様に変化した場合の方が、示唆する期待度が高くなるようにされている。変化演出は複数回実行可能であり、最終的に所定の表示態様となる場合であっても、変化演出が実行される毎に示唆する期待度が減少するように構成しても良い。
また、変化演出を経由して図49(e)の表示態様となる場合の方が、変化演出を経由せずに直接図49(e)の表示態様に変化する場合よりも多くなっている。すなわち、変化演出を経由する方が発生頻度は高いが示唆する期待度は低く、変化演出を経由しない方が発生頻度は低いが示唆する期待度は高くなるようにされている。
なお、変化演出はボタン演出としたが、ボタン演出以外の演出であっても良い。また、変化演出のような特別な演出を経ずに待機報知表示631が変化するようにしても良い。また、表示態様の変化は図49に示した色彩の変化に限られず、大きさや形状の変化や表示位置の変化などどのようなものであっても良い。また、複数の演出ボタン25や、演出ボタン25以外の操作部(レバーなど)を備える場合には、待機報知表示631により操作することとなる操作部の種類についても報知可能であり、変化演出により操作する操作部が変化するようにしても良い。
図50には、待機報知表示631により予告されたボタン演出の一例を示した。
まず、図50(a)に示すように待機報知表示631が表示領域の中央に移動し、図50(b)に示すように演出ボタン25の操作を促す促進画像632となる。また、ボタン演出の開始に伴い待機報知表示631が示すボタン演出の回数は1減算されるが、待機報知表示631が示すボタン演出の回数が1回残っているので待機報知表示631の表示は維持される。
そして、遊技者が演出ボタン25を操作すると、図50(c)に示すように実行中の特図変動表示ゲームについての変動態様や結果を示唆又は報知する対応表示633が表示される。
引き続き、図50(d)に示すように待機報知表示631が表示領域の中央に移動し、図50(e)に示すように演出ボタン25の操作を促す促進画像632となる。また、ボタン演出の開始に伴い待機報知表示631が示すボタン演出の回数は1減算されて0回となるので待機報知表示631が消去される。
遊技者が演出ボタン25を操作すると、図50(f)に示すように実行中の特図変動表示ゲームについての変動態様や結果を示唆又は報知する対応表示633が表示される。
なお、ここでは一の特図変動表示ゲームにおいて待機報知表示631で予告された複数回のボタン演出が実行される場合を示したが、複数の特図変動表示ゲームにわたり複数回のボタン演出が実行されるようにしても良い。
また、待機報知表示631で予告されたボタン演出の一部を実行した後に待機報知表示631で予告するボタン演出の回数を増加させる報知演出を行うようにしても良い。
また、待機報知表示631を伴わずに図50(b)、(c)に示したようなボタン演出を実行可能としても良い。この場合、待機報知表示631を伴う場合と伴わない場合とで示唆する期待度が異なるようにしても良い。
また、ボタン演出を実行する場合において、待機報知表示631を行う場合と行わない場合の割合は任意に設定可能である。例えば、待機報知表示631を行う場合と行わない場合の割合を同じとしても良い。
また、待機報知表示631でボタン演出の実行が予告されている状態で、当該待機報知表示631で予告されているボタン演出とは別途のボタン演出を実行可能としても良い。この場合当該ボタン演出の実行により待機報知表示631で予告された実行回数は減少しないようにする。
また、待機報知表示631はボタン演出以外の実行を予告するものであっても良く、なんらかの演出が実行されることを予告するものであれば良い。例えば、先読み演出の実行を予告するものであっても良く、この場合は先読み演出の対象となる始動記憶の個数を予告するものでも良いし、先読み演出として飾り特図始動記憶表示の表示態様が変化する可能性の回数を予告するものでも良い。
また、所定の演出の実行を待機していることを報知可能な待機報知表示631について説明したが、待機報知表示631を所定の演出の実行を待機していることを報知しないものとすれば、特別結果となる可能性の高さである期待度を示唆可能な示唆表示として利用可能である。
すなわち、表示態様によって期待度を示唆する表示であり、同じ表示態様となる場合であっても、当該表示態様となるまでの過程により示唆する期待度が異なるような表示とすることができる。
このように期待度だけを示唆する機能を持つものとしても、同じ表示態様であっても示唆する期待度が異なるという従来にない斬新な示唆表示となり、遊技の興趣を向上することができる。
また、図50(g)に示すように、促進画像632に加えて演出ボタン25の操作が可能な時間値を示す時間値表示651を行うようにしても良い。ここに示す時間値表示では、演出ボタン25の操作が可能な時間値の減少に伴い、網掛けで示す棒状の表示の長さが短くなる形式の表示となっている。また、待機しているボタン演出の有無や、待機しているボタン演出の回数により時間値表示651の表示態様(形状や色彩等)が異なるようにしても良い。
また、図50(g)に示すように、待機報知表示631において待機しているボタン演出についても、待機しているボタン演出の時間値表示651を行うようにしても良い。この場合全ての待機しているボタン演出について時間値表示651を行うようにしても良いし、次に実行されるボタン演出や期待度の高いボタン演出など一部のボタン演出について時間値表示651を行うようにしても良い。また、実際の時間値とは関係のない仮の時間値表示651を行うようにしても良い。
また、上述の実施形態では、待機しているボタン演出の有無や、待機しているボタン演出の回数に関係なく、ボタン演出における演出ボタン25の操作が可能な時間が設定されるようにしたが、待機しているボタン演出の有無や、待機しているボタン演出の回数に応じて、ボタン演出における演出ボタン25の操作が可能な時間を異ならせるようにしても良い。例えば、待機しているボタン演出がある場合は待機しているボタン演出がない場合よりもボタン演出における演出ボタン25の操作が可能な時間を短く又は長くしても良い。また、待機しているボタン演出の回数が多いほどボタン演出における演出ボタン25の操作が可能な時間を短く又は長くしても良い。演出ボタン25の操作が可能な時間値の減少に伴い棒状の表示の長さが短くなる形式の時間値表示651を行う場合は、ボタン演出における演出ボタン25の操作が可能な時間が短いほうが棒状の表示が短くなる速度が速くなることとなる。
また、上述の実施形態では、待機しているボタン演出の有無や、待機しているボタン演出の回数に関係なく、ボタン演出において演出ボタン25が操作されたことに伴い実行される対応表示633の実行時間が設定されるようにしたが、待機しているボタン演出の有無や、待機しているボタン演出の回数に応じて対応表示633の実行時間を異ならせるようにしても良い。例えば、待機しているボタン演出がある場合は待機しているボタン演出がない場合よりも対応表示633の実行時間を短くしても良い。また、待機しているボタン演出の回数が多いほど対応表示633の実行時間を短くしても良い。
また、対応表示633の表示内容に応じて実行時間を異ならせても良い。例えば、期待度が高い対応表示633の方が、期待度が低い対応表示633よりも実行時間が長くなるようにしても良い。
また、ボタン演出の実行時期により、演出ボタン25の操作が可能な時間や対応表示633の実行時間を異ならせても良い。例えば、特図変動表示ゲームの前半に実行されるボタン演出よりも、特図変動表示ゲームの後半に実行されるボタン演出の方が演出ボタン25の操作が可能な時間や対応表示633の実行時間の方が長くなるようにしても良い。特図変動表示ゲームの前半と後半の区切りは変動時間の前半と後半としても良いし、リーチ状態発生前を前半とし、リーチ状態発生後を後半としても良い。これに加えて待機しているボタン演出の有無や、待機しているボタン演出の回数に応じて実行時間を異ならせるようにしても良い。
また、待機報知表示631の表示態様(形状や色彩など)は単一の表示態様でなく、複数の表示態様があっても良い。さらに、表示態様を変化させることが可能であっても良い。また、待機報知表示631の表示態様により、待機している演出についての示唆又は報知をするようにしても良い。例えば、待機報知表示631の表示態様により、対応表示633により示される期待度を示唆するようにしても良い。
さらに、待機報知表示631の周囲の表示内容の変化に応じて、待機報知表示631の表示態様を変化させるようにしても良い。また、待機報知表示631を透過性のある表示としても良い。このようにすることで継続して表示される待機報知表示631が実行中の演出の視認性や装飾性を低下させることを防止できる。
図51、図52には、待機報知表示の別例を示した。
この例では、図51(a)に示すように演出ボタン25を模した表示が複数のパネル635により覆われており、このパネル635が全て取り除かれれば予告されたボタン演出が実行されるというものである。遊技者が演出ボタン25を操作することでパネル635を消去可能となっており、パネル635を消去するための操作権利が所定回数与えられる。ここでは4回の操作権利が与えられており、パネル635の枚数はこの操作権利の回数と同じ枚数とされる。すなわち、パネル635の表示が演出ボタン25を操作するボタン演出の実行を待機していることと操作権利の回数を示す待機報知表示をなす。
図51(b)に示すように1回目の操作タイミングとなると、演出ボタン25の操作を促す促進画像632が表示されるとともに、残りの操作可能回数が表示される。遊技者が演出ボタン25を操作すると、図51(c)に示すように消去されるパネル635にエフェクト表示636がなされ、図51(d)に示すように当該パネル635が消去される。
さらに、図51(e)に示すように2回目の操作タイミングとなると、演出ボタン25の操作を促す促進画像632が表示されるとともに、残りの操作可能回数が表示される。遊技者が演出ボタン25を操作すると、図51(f)に示すように消去されるパネル635にエフェクト表示636がなされ、図51(g)に示すように当該パネル635が消去される。ここでは2枚のパネル635が同時に消去されている。
次に、図51(h)に示すように3回目の操作タイミングとなると、演出ボタン25の操作を促す促進画像632が表示されるとともに、残りの操作可能回数が表示される。遊技者が演出ボタン25を操作すると、図51(i)に示すように消去されるパネル635にエフェクト表示636がなされ、図51(j)に示すように当該パネル635が消去される。これにより全てのパネル635が消去され、与えられたミッションが成功したことが示される。また、ミッションの成功に伴うボタン演出が待機中であることが示される。
その後、図52(a)に示すように4回目の操作タイミングとなると、演出ボタン25の操作を促す促進画像632が表示されるとともに、残りの操作可能回数が表示される。上述したようにすでにミッションは成功しているが、当初予定されていた操作可能回数の分だけ演出は継続するようになっている。遊技者が演出ボタン25を操作すると、図52(b)に示すようにエフェクト表示636がなされ、図52(c)に示すようにミッションの成功に伴うボタン演出が待機中であることが継続して示される。
なお、すでにミッションが成功しているが操作可能回数が残っている場合に、当該残りの操作可能回数による演出ボタン25の操作によって、ミッションとは別の演出が行われるようにしても良い。
待機報知表示631で報知された操作権利が全て消化されると、図52(d)に示すようにミッションの成功に伴うボタン演出が開始される。
また、図52(e)、(f)に示すように、待機報知表示631には複数の表示態様があり、表示態様により示唆する期待度が異なるようにされている。さらに、図52(g)に示すように、操作権利の回数が異なる場合もあり、操作権利の回数に併せて待機報知表示631をなすパネル635の枚数も設定されるようになっている。
図53にも、待機報知表示の別例を示した。
この例では、図53(a)に示すように複数の図柄が表示されたリールを模したリール表示637がなされ、遊技者が演出ボタン25を操作して変動表示するリール表示637を停止させて演出ボタン25を模した図柄が停止すれば後の演出での操作権利が与えられる獲得演出を実行し、この獲得演出で獲得した操作権利の回数が待機報知表示631で表示されるようになっている。
図53(b)に示すようにリール表示637の変動表示が開始され、遊技者が演出ボタン25を操作すると図53(c)に示すように変動表示が停止する。ここでは「×」の表示が停止表示しており、操作権利は獲得できなかったことが示されている。
次に、図53(d)に示すようにリール表示637の変動表示が開始され、遊技者が演出ボタン25を操作すると図53(e)に示すように変動表示が停止する。ここでは演出ボタン25を模した表示が停止表示しており、操作権利を獲得できたことが示される。この操作権利の獲得に伴い待機報知表示631が表示される。
その後、上記したように獲得演出が進行して、図53(f)に示すように5回の操作権利を獲得している。待機報知表示631の表示態様は、獲得した操作権利の回数により変化するようになっており、1から4回、5から9回、10回以上のそれぞれで異なる表示態様となるようにされている。
獲得演出が終了すると獲得した操作権利を用いた報知演出が開始される。報知演出が開始されると図53(g)に示すように待機報知表示631が表示領域の上方へ移動して左右方向に並ぶ。そして、左端の待機報知表示631が表示領域の中央へ移動して演出ボタン25の操作を促す促進画像632に変化し、遊技者が演出ボタン25を操作すると、図53(h)に示すように操作に対応した対応表示633が行われる。以降、待機報知表示631で示された操作権利が全て消化されるまで同様の演出が繰り返し行われる。
なお、待機報知表示の内容は上述したもの以外であっても良い。例えば、上述の例では遊技者の操作を伴うボタン演出の実行を待機していることを報知するようにしたが、遊技者の操作を伴わない演出についても待機していることを報知するようにしても良い。図54(a)に示すようにこの後の展開で登場するキャラクタの種類や、実行される演出の内容などを報知するようにしても良い。この場合実行される時系列に沿って表示するようにしても良いし、時系列とは関係なく表示するようにしても良い。
また、図54(b)に示すように、時短状態や高確率状態とする特図変動表示ゲームの実行回数の加算が待機されていることを示すようにしても良い。この例では時短状態となっており、時短状態で実行可能な特図変動表示ゲームの実行回数を示す残回数表示部641においてあと6回の特図変動表示ゲームを実行すると終了する旨が示されている。
待機報知表示631には、時短状態で実行可能な特図変動表示ゲームの回数の加算値として、10回の加算、20回の加算及び5回の加算が待機している旨が表示されており、これらが順次残回数表示部64に加算されることとなる。待機報知表示631では明確に回数を報知しなくても良く、加算が行われる旨や加算が行われる可能性を表示するものであっても良い。
また、スロットマシンにおけるAT状態、RT状態又はART状態などの実行可能ゲーム数についても同様の待機報知表示631により加算の示唆を行うことができる。
また、図54(c)に示すように、飾り特図始動記憶表示の表示態様を変化させる先読み演出を実行する際に、飾り特図始動記憶表示に働きかけるキャラクタを待機報知表示631として表示しても良い。
飾り特図始動記憶表示に働きかけるキャラクタの種類により先読み演出が実行される可能性の高さや先読み演出で示される期待度の高さが異なるようにし、待機報知表示631でキャラクタを待機させておくことで、どのような内容の先読み演出の開始が待機しているのかを示唆することが可能となる。
また、待機報知は表示装置41に表示するものに限られるものではなく、表示装置41とは別途のLEDの発光や、動作可能な役物の位置や動き、発光態様などにより示すようにしても良い。すなわち、待機報知表示631を含む所定の待機報知を実行可能な報知手段としては、表示装置41だけでなく、LEDなどにより構成される発光手段や、動作可能な役物などが含まれうる。
以上のことから、所定条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な状態を発生可能な遊技機において、所定の報知を実行可能な報知手段(表示装置41)と、遊技の演出を制御する演出制御手段(演出制御装置300)と、を備え、演出制御手段は、特定演出の実行が予定されている場合に、当該特定演出の実行を待機していることを報知可能な待機報知(待機報知表示631)を報知手段で実行可能であり、待機報知の表示態様により特別結果となる期待度を示唆可能であり、待機報知の報知開始時から所定の報知態様であった場合と、待機報知の報知開始後に所定の報知態様に変化した場合と、で示唆する期待度が異なるようにしたこととなる。したがって、同じ報知態様であっても示唆する期待度が異なるようになり、遊技の興趣を向上することができる。
また、演出制御手段は、特定演出を複数回実行可能であり、待機報知の表示態様により特定演出の実行回数を示唆可能であることとなる。したがって、特定演出の実行回数を遊技者が把握可能となり、遊技の興趣を向上することができる。
また、演出制御手段は、待機報知の報知開始時から示唆する特定演出の実行回数が所定回数であった場合と、待機報知の報知開始後に示唆する特定演出の実行回数が所定回数に変化した場合と、で示唆する期待度が異なるようにしたこととなる。したがって、同じ実行回数であっても示唆する期待度が異なるようになり、遊技の興趣を向上することができる。
また、遊技者が操作可能な操作手段(演出ボタン25)を備え、演出制御手段は、操作手段の操作に基づき待機報知の報知態様を変化可能な演出である変化演出を実行可能であることとなる。したがって、遊技者の操作に対応して待機報知を変化可能であるので、遊技の興趣を向上することができる。
また、演出制御手段は、変化演出が行われたか否かにより示唆する期待度が異なるようにしたこととなる。したがって、同じ報知態様であっても示唆する期待度が異なるようになり、遊技の興趣を向上することができる。
また、所定条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な状態を発生可能な遊技機において、所定の報知を実行可能な報知手段(表示装置41)と、遊技の演出を制御する演出制御手段(演出制御装置300)と、を備え、演出制御手段は、特定演出の実行が予定されている場合に、当該特定演出の実行を待機していることを報知可能な待機報知(待機報知表示631)を報知手段で実行可能であり、待機報知の報知態様により特別結果となる期待度を示唆可能であり、特定演出を実行する場合に、待機報知を実行する確率と、待機報知を実行しない確率は同一であり、待機報知の実行の有無により示唆する期待度が異なるようにしたこととなる。したがって、遊技者が待機報知に注目するようになり遊技の興趣を向上することができる。
また、所定条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な状態を発生可能な遊技機において、遊技の演出を制御する演出制御手段(演出制御装置300)と、を備え、演出制御手段は、特別結果となる期待度を示唆可能な示唆演出(待機報知表示631)を実行可能であり、示唆演出の開始時から所定の演出態様であった場合と、示唆演出の開始後に所定の演出態様に変化した場合と、で示唆する期待度が異なるようにしたこととなる。したがって、同じ演出態様であっても示唆する期待度が異なるようになり、遊技の興趣を向上することができる。
また、遊技者が操作可能な操作手段(演出ボタン25)を備え、演出制御手段は、操作手段の操作に基づき示唆演出の演出態様を変化可能な演出である変化演出を実行可能であることとなる。したがって、遊技者の操作に対応して示唆演出を変化可能であるので、遊技の興趣を向上することができる。
また、演出制御手段は、変化演出が行われたか否かにより示唆する期待度が異なるようにしたこととなる。したがって、同じ演出態様であっても示唆する期待度が異なるようになり、遊技の興趣を向上することができる。
また、所定条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な状態を発生可能な遊技機において、遊技に関する情報を表示可能な表示装置41と、遊技の演出を制御する演出制御手段(演出制御装置300)と、遊技者が操作可能な操作手段(演出ボタン25)と、を備え、演出制御手段は、操作手段の操作を伴う特定演出の実行が予定されている場合に、当該特定演出の実行を待機していることを報知可能な待機報知表示631を表示装置41に表示可能であり、特定演出においては、操作手段の操作を促す促進画像632を表示するように構成され、待機報知表示631は、操作手段を模した表示とされるとともに、促進画像632とは異なることを示す付加表示が付されていることとなる。したがって、遊技者が促進画像632と待機報知表示631を誤認することを防止できる。
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。また、本発明をスロットマシンに適用することも可能である。このスロットマシンとしてはメダルを使用するスロットマシンに限られるものではなく、例えば、遊技球を使用するスロットマシンなどの全てのスロットマシンが含まれる。また、上述した構成は適宜組み合わせて適用することが可能である。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
41 表示装置
300 演出制御装置(演出制御手段)
605 仮画像(特定画像)

Claims (1)

  1. 所定条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な状態を発生可能な遊技機において、
    画像を表示する表示装置と、
    画像のデータを記憶する画像記憶手段と、
    前記表示装置を制御する演出制御手段と、を備え、
    前記演出制御手段は、
    各々に画像を描画可能な複数のレイヤーを統合することにより前記表示装置に表示する画像を生成するように構成され、
    前記表示装置に表示する画像には仮画像である特定画像を含めて描画可能であり、
    当該特定画像が準備された場合であり、当該特定画像を差し替える所定画像が前記画像記憶手段に記憶されている場合には、当該特定画像を前記所定画像に差し替えて前記表示装置に表示
    当該遊技機が完成品である場合には、前記特定画像を前記所定画像に差し替えて前記表示装置に表示するので、前記特定画像を前記表示装置に表示することがないことを特徴とする遊技機。
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