JP7084279B2 - エンジン冷却装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジン冷却装置に関する。
自動車のエンジンの多くには、同エンジンの内部とラジエータとを通って冷却水を循環することでエンジンを冷却する水冷式の冷却装置が設けられている。こうしたエンジン冷却装置では、エンジン通過後の冷却水をウォータポンプに導く水路(以下、ラジエータ水路と記載する)にラジエータが設置されている。ラジエータは、一対のタンクと両タンクを繋ぐ複数のチューブとを備えている。
一方、特許文献1に見られるように、冷却水が加圧した状態で密封された密閉式のエンジン冷却装置のラジエータとして、2つのタンクのうちの一つに、水圧を一定に保持するための水圧保持機構付きのラジエータキャップが設けられたものがある。
なお、上記のような水圧保持機構付きのラジエータとしては、2つのタンクのうち、冷却水流れ方向上流側に位置するタンク(上流側タンク)に水圧保持機構が設けられたものと、冷却水流れ方向下流側に位置するタンク(下流側タンク)に水圧保持機構が設けられたものとが存在する。2つのタンクが上下に配置されて上部のタンクから下部のタンクに冷却水を流すダウンフロー型のラジエータでは、ラジエータキャップへのアクセスを容易とするため、上部のタンク、すなわち上流側タンクに水圧保持機構が設けられている場合が多い。これに対して、内部で冷却水が水平方向に流れるクロスフロー型のラジエータの多くは、下流側タンクに水圧保持機構が設けられた構成となっている。
特開2001-073769号公報
エンジン冷却装置には、ラジエータ通過後の冷却水をエンジンの内部に向けて送出するウォータポンプとして、エンジンの回転を受けて動作する機械式のウォータポンプを備えたものがある。機械式ウォータポンプが吐出する冷却水の流量は、エンジン回転数が高くなるほど多くなる。そのため、機械式ウォータポンプを採用するエンジン冷却装置では、エンジン回転数の増加に応じてラジエータを通過する冷却水の流量(以下、ラジエータ流量と記載する)が多くなる。そして、ラジエータ流量が多いほど、ラジエータの通水抵抗が大きくなる。
上流側タンクに水圧保持機構が設けられている場合には、ラジエータの通水抵抗が高くなっても、ラジエータ水路におけるラジエータよりも上流側の部分の水圧は水圧保持機構により保持される。これに対して、下流側タンクに水圧保持機構が設けられている場合には、ラジエータ水路におけるラジエータよりも上流側の部分と水圧保持機構との間に通水抵抗の大きいラジエータのチューブが介在している。そのため、そうした場合には、ラジエータ流量が増加してラジエータの通水抵抗が高くなると、それに応じてラジエータ水路におけるラジエータよりも上流側の部分の水圧が高くなる。したがって、下流側タンクに水圧保持機構が設けられたラジエータと機械式ウォータポンプとを採用するエンジン冷却装置では、エンジンの高回転時には、ラジエータ水路におけるラジエータよりも上流側の部分の水圧が高くなる。そのため、ラジエータ水路におけるラジエータよりも上流側の部分を構成するホースやコネクタなどの部品として、高い耐圧性能を有した高価な部品を採用する必要があり、エンジン装置の製造コストを高める要因となっている。
なお、近年には、ラジエータの小型化と冷却能力の向上とを両立させるため、エンジン冷却装置に大容量の機械式ウォータポンプを採用することが多くなっている。一方、機械式ウォータポンプの容量が大きいほど、エンジンの高回転時のラジエータ流量が多くなる。そのため、大容量の機械式ウォータポンプを採用するエンジン冷却装置では、上記問題が起こりやすくなっている。
上記課題を解決するエンジン冷却装置は、複数のチューブを介して連結された一対のタンクを備えるラジエータと、それら一対のタンクのうちの冷却水流れ方向下流側に位置するタンクである下流側タンクに設置されて同下流側タンクの水圧を一定の圧力に保持する水圧保持機構と、エンジンの回転を受けて動作してエンジンの内部に向けて冷却水を送出する機械式のウォータポンプと、を備えるとともに、エンジンの内部を通過した冷却水をウォータポンプへと導く水路がラジエータを通過するラジエータ水路と同ラジエータを迂回するバイパス水路とに分岐されており、且つラジエータ水路に冷却水を導出するラジエータポートの開口率を可変とする冷却水制御弁を備えている。さらに、同エンジン冷却装置は、エンジンの冷却要求に応じてラジエータポートの開口率の要求値を演算するとともに、エンジン回転数が既定の高回転判定値以下の場合にはラジエータポートの開口率を前記要求値と同じ開口率とし、エンジン回転数が高回転判定値を超える場合にはラジエータポートの開口率を要求値よりも小さい開口率とするように冷却水制御弁を制御する制御回路を備えている。
こうしたエンジン冷却装置におけるラジエータ水路では、ラジエータのチューブの部分が最も通水抵抗が大きい部分となる。そして、そうしたチューブでの通水抵抗は、ラジエータ水路を流れる冷却水の流量(ラジエータ流量)が多いほど大きくなる。ラジエータにおけるチューブよりも下流側の部分に位置する下流側タンクに水圧保持機構が設けられている場合、チューブの通水抵抗が大きくなると、ラジエータ水路におけるラジエータよりも上流側の部分の水圧が高くなる。一方、機械式のウォータポンプでは、エンジン回転数の増加に応じて冷却水の吐出流量が多くなる。そのため、エンジンの高回転時に冷却水制御弁のラジエータポートの開口率が大きい状態となっていると、ラジエータ流量が多くなり、チューブの通水抵抗が大きくなることから、ラジエータ水路におけるラジエータよりも上流側の部分の水圧が高くなり過ぎる虞がある。
これに対して上記エンジン冷却装置の制御回路は、エンジン回転数が高回転判定値を超える場合にはラジエータポートの開口率を、エンジンの冷却要求に応じて設定された要求値よりも小さい開口率とするように冷却水制御弁を制御している。そのため、エンジンの高回転時には、ラジエータ流量が制限されることになり、ラジエータ流量の増加に伴うチューブの通水抵抗の増大が抑えられる。したがって、上記エンジン冷却装置によれば、エンジンの高回転時におけるラジエータ水路におけるラジエータよりも上流側の部分の水圧上昇が抑えられる。
エンジン冷却装置の一実施形態の構成を示す模式図。 同エンジン冷却装置に設けられた冷却水制御弁における弁位相と各ポートの開口率との関係を示すグラフ。 同エンジン冷却装置に設けられた制御回路が実行するラジエータ流量制御ルーチンのフローチャート。 同ラジエータ流量制御ルーチンにおいて演算される制限率Cとエンジン回転数NEとの関係を示すグラフ。 上記エンジン冷却装置において要求開口率を100%に固定した状態でエンジン回転数を変化させた場合の目標開口率及びホース圧力とエンジン回転数との関係を示すグラフ。
以下、エンジン冷却装置の一実施形態を、図1~図5を参照して詳細に説明する。ここではまず、図1を参照して本実施形態のエンジン冷却装置の構成を説明する。
図1に示すように、エンジン10の内部には、冷却水が流れるウォータジャケット11が設けられている。エンジン10におけるウォータジャケット11への冷却水の流入口となる部分には、ウォータジャケット11に向けて冷却水を吐出する機械式のウォータポンプ12が取り付けられている。ウォータポンプ12は、巻き掛け伝動機構13を通じてエンジン10のクランクシャフト14に駆動連結されており、エンジン10の回転を受けて動作する。
一方、エンジン10におけるウォータジャケット11からの冷却水の流出口となる部分には、冷却水制御弁15が取り付けられている。本実施形態のエンジン冷却装置では、エンジン10の内部(ウォータジャケット11)を通過した冷却水をウォータポンプ12に導く水路が、ラジエータ水路16、デバイス水路17、及びヒータ水路18の3つの水路に分岐されている。冷却水制御弁15には、ラジエータ水路16に冷却水を導出するラジエータポートP1、デバイス水路17に冷却水を導出するデバイスポートP2、及びヒータ水路18に冷却水を導出するヒータポートP3の3つの吐出ポートが設けられている。
なお、ラジエータ水路16には、ウォータジャケット11内でエンジン10の熱を受けて高温となった冷却水を冷却するラジエータ19が設けられている。これに対して、デバイス水路17には冷却水の熱を利用する各種のデバイス20が、ヒータ水路18には車室の暖房用のヒータコア21が、それぞれ設けられている。なお、上記デバイス20としては、EGRガスを冷却するEGRクーラやATFウォーマなどがある。ATFウォーマは、冷却水と自動変速機のオイル(以下、ATオイルと記載する)との間で熱交換を行う熱交換器である。こうしたATFウォーマは、ATオイルが低温の場合には冷却水の熱をATオイルに与えて自動変速機の暖機を促進する一方で、ATオイルが高温となり過ぎた場合にはATオイルの熱を冷却水が奪うことで同ATオイルを冷却する役割を担っている。なお、実施形態のエンジン冷却装置では、デバイス水路17及びヒータ水路18の2つの水路により、ラジエータ19を迂回するバイパス水路が構成されている。
本実施形態のエンジン冷却装置では、ラジエータ19として、内部の冷却水の流れ方向が水平方向となるクロスフロー型のラジエータが採用されている。ラジエータ19は、水平方向に離れた位置にそれぞれ設けられた一対のタンク(22,23)と、それらタンクを繋ぐ、水平方向に延びる複数のチューブ24とを備えている。なお、以下の説明では、ラジエータ19に設けられた2つのタンクのうち、冷却水流れ方向上流側に位置する方のタンクを上流側タンク22と、冷却水流れ方向下流側に位置する方のタンクを下流側タンク23と、それぞれ記載する。
下流側タンク23には、水圧保持機構25付きのラジエータキャップ26が取り付けられている。そして、下流側タンク23は、水圧保持機構25を介して、冷却水を貯留する容器であるリザーブタンク27に接続されている。水圧保持機構25は、加圧弁と負圧弁との2つの弁により構成されている。このうち、加圧弁は、下流側タンク23内の水圧が高くなり過ぎた場合に開弁して、下流側タンク23からリザーブタンク27への冷却水の移動を許容する。これに対して負圧弁は、下流側タンク23内の水圧が低くなり過ぎた場合に開弁して、リザーブタンク27から下流側タンク23から冷却水の移動を許容する。水圧保持機構25は、こうした加圧弁及び負圧弁の働きにより、下流側タンク23の水圧を適正な範囲内の圧力に保持している。
ちなみに、ラジエータ水路16におけるラジエータ19よりも上流側の部分は、ラジエータホースと、冷却水制御弁15のラジエータポートP1、及びラジエータ19の上流側タンク22に同ホースをそれぞれ接続するためのコネクタと、により構成されている。本実施形態のエンジン冷却装置では、そうしたコネクタとして、エンジン冷却装置の多くに採用されているクイックコネクタではなく、クイックコネクタよりも耐圧性能は低いものの、より安価なシングルクランプ、又はダブルクランプを採用している。
さらに、本実施形態のエンジン冷却装置には、冷却水制御弁15を制御する制御回路28が設けられている。制御回路28には、冷却水温TW、オイル温TF、エンジン回転数NEなどの検出信号が入力されている。なお、ここでの冷却水温TWはウォータジャケット11からの流出時の冷却水の温度を、オイル温TFはATオイルの温度を、それぞれ表している。
続いて、冷却水制御弁15の詳細を説明する。冷却水制御弁15の内部には、回転可能に設けられた弁体と、その弁体を回転するモータとが内蔵されている。そして、冷却水制御弁15におけるラジエータポートP1、デバイスポートP2、及びヒータポートP3の開口面積はモータによる弁体の回転に応じて変化する。
なお、本実施形態では、こうした冷却水制御弁15のモータとして、通電方向を逆とすることで回転方向が反転するブラシ付き直流モータを採用している。以下の説明では、モータの通電方向を所定方向としたときの弁体の回転方向をプラス方向とし、通電方向を上記所定方向とは逆方向としたときの弁体の回転方向をマイナス方向とする。
図2に、冷却水制御弁15における弁体の弁位相φと各吐出ポートの開口率との関係を示す。なお、弁位相φは、上記3つの吐出ポートのすべてが閉じた状態となる位置を、弁位相φが0°の位置とし、その位置からのプラス方向、マイナス方向の弁体の回転角度を表している。また、開口率は、全開時の開口面積を100%とした、各吐出ポートの開口面積の比率を表している。
同図に示すように、各吐出ポートの開口率は、弁体の弁位相φにより変化するように設定されている。なお、弁位相φが0°の位置よりもプラス方向の弁位相φの範囲は、車室内の暖房時に使用される弁位相φの範囲(冬モード使用域)とされており、弁位相φが0°の位置よりもマイナス方向の弁位相φの範囲は、車室内の非暖房時に使用される弁位相φの範囲(夏モード使用域)とされている。
弁位相φが0°の位置から弁体をプラス方向に回転させると、まずヒータポートP3が開き始め、プラス方向への弁位相φの増加に応じてヒータポートP3の開口率が次第に大きくなる。ヒータポートP3が全開に、すなわちその開口率が100%に達すると、次にデバイスポートP2が開き始め、プラス方向への弁位相φの増加に応じてデバイスポートP2の開口率が次第に大きくなる。そして、デバイスポートP2が全開に、すなわちその開口率が100%に達すると、ラジエータポートP1が開き始める。その後、更なるプラス方向への弁位相φの増加に応じてラジエータポートP1の開口率が次第に大きくなり、やがては100%に達するようになる。
一方、弁位相φが0°の位置から弁体をマイナス方向に回転させると、まずデバイスポートP2が開き始め、マイナス方向への弁位相φの増加に応じてデバイスポートP2の開口率が次第に大きくなる。そして、デバイスポートP2が全開に、すなわちその開口率が100%に達すると、ラジエータポートP1が開き始める。その後の更なるマイナス方向への弁位相φの増加に応じてラジエータポートP1の開口率が次第に大きくなり、やがては100%に達するようになる。ちなみに、弁位相φが0°の位置よりもマイナス方向の夏モード使用域では、ヒータポートP3は常に全閉となっている。
エンジン10の暖機が完了すると、制御回路28によるラジエータ水路16の冷却水流量(以下、ラジエータ流量と記載する)の制御が開始される。ラジエータ流量制御は、エンジン10の運転状況に応じて設定された目標水温に対する冷却水温TWの偏差に応じてラジエータポートP1の開口率を調整することで行われる。
図3に、ラジエータ流量制御のために制御回路28が実行するラジエータ制御ルーチンのフローチャートを示す。制御回路28は、エンジン10の暖機完了後、既定の制御周期ごとに本ルーチンの処理を繰り返し実行する。
本ルーチンの処理が開始されると、まずステップS100においてラジエータポートP1の開口率θの要求値である要求開口率θrが演算される。本実施形態での要求開口率θrの演算は、目標温度に対する冷却水温TWの偏差に応じて要求開口率θrの値を更新することで行われる。具体的には、現在の冷却水温TWが目標水温よりも高く、エンジン10の冷却能力が不足している場合には、更新後の値が更新前の値よりも大きい値となるように要求開口率θrの値が更新される。これに対して、現在の冷却水温TWが目標水温よりも低く、エンジン10の冷却能力が過剰となっている場合には、更新後の値が更新前の値よりも小さい値となるように要求開口率θrの値が更新される。このように要求開口率θrは、エンジン10の冷却要求に応じて設定されたラジエータポートP1の開口率の要求値として演算されている。
続いて、ステップS110において、冷却水温TWが既定の高水温判定値未満であるか否かが判定される。そして、冷却水温TWが高水温判定値未満の場合(YES)にはステップS120に、冷却水温TWが高水温判定値以上の場合(NO)にはステップS170に、それぞれ処理が進められる。高水温判定値には、許容可能な冷却水温TWの範囲の上限値が設定されている。すなわち、冷却水温TWが高水温判定値以上の場合には、冷却水温TWが高くなり過ぎており、他の要求よりもエンジン10の冷却のための冷却水温TWの低下を優先すべき状況となっている。
ステップS170に処理が進められると、そのステップS170において要求開口率θrの値がそのまま目標開口率θtの値として設定される。そして、ステップS160において、ラジエータポートP1の開口率が目標開口率θtとなる弁位相に冷却水制御弁15の弁位相φを変更すべく、同冷却水制御弁15のモータの制御が行われた後、今回の本ルーチンの処理が終了される。すなわち、ステップS170に処理が進められた場合の制御回路28は、ラジエータポートP1の開口率θが、エンジン10の冷却要求に応じて設定された同開口率θの要求値(要求開口率θr)と同じ開口率となるように冷却水制御弁15を制御する。
一方、ステップS120に処理が進められた場合には、そのステップS120において、自動変速機のオイル温TFが既定の高油温判定値未満であるか否かが判定される。そして、オイル温TFが高油温判定値未満の場合(YES)にはステップS130に、オイル温TFが高油温判定値以上の場合(NO)にはステップS170に、それぞれ処理が進められる。高油温判定値には、許容可能なオイル温TFの範囲の上限値が設定されている。すなわち、オイル温TFが高油温判定値以上の場合には、オイル温TFが高くなり過ぎており、他の要求よりもオイルやエンジン10の冷却のための冷却水温TWの低下を優先すべき状況となっている。こうした場合にも、制御回路28は、ラジエータポートP1の開口率を要求開口率θrと同じ開口率とするように冷却水制御弁15を制御する。
オイル温TFが高油温判定値未満であってステップS130に処理が進められた場合には、そのステップS130において現在のエンジン回転数NEが既定の高回転判定値α以上であるか否かが判定される。そして、エンジン回転数NEが高回転判定値α以上の場合(YES)にはステップS140に、エンジン回転数NEが高回転判定値α未満の場合(NO)にはステップS170に、それぞれ処理が進められる。なお、上述のようにステップS170に処理が進められた場合の制御回路28は、ラジエータポートP1の開口率を要求開口率θrと同じ開口率とするように冷却水制御弁15を制御する。
これに対して、エンジン回転数NEが高回転判定値α以上であってステップS140に処理が進められた場合には、そのステップS140において制限率Cの値が演算される。制限率Cの値には、0以上、1以下の範囲の値がエンジン回転数NEに応じて設定される。
図4に、制限率Cの設定態様を示す。同図に示すように、エンジン回転数NEが高回転判定値αのときには、制限率Cの値として1が設定される。また、エンジン回転数NEが高回転判定値αよりも大きい既定値β以上の場合には、制限率Cの値として0が設定される。そして、エンジン回転数NEが高回転判定値αを超過し、且つ既定値β未満の場合には、エンジン回転数NEが高回転判定値αのときの値である1からエンジン回転数NEが既定値βのときの値である0まで、エンジン回転数NEの増加と共に減少していく値となるように、制限率Cの値が設定されている。なお、同図における既定値βは、エンジン10の最高回転数MAXよりも大きい値となっている。そして、高回転判定値αから最高回転数MAXまでの範囲では、制限率Cを百分率に単位換算した値をラジエータポートP1の開口率θの値として設定した場合にラジエータポートP1から流出する冷却水の流量が一定に保持されるように、制限率Cの値を設定している。なお、最高回転数MAX以上の範囲における制限率Cの値は、設定されているものの、実際には使用されることのない値となっている。
制限率Cが演算されると続くステップS150において、要求開口率θrに制限率Cの値を乗算した積が目標開口率θtの値として設定される。そして、上述のステップS160において、ラジエータポートP1の開口率が目標開口率θtとなる弁位相に冷却水制御弁15の弁位相φを変更すべく、同冷却水制御弁15のモータの制御が行われた後、今回の本ルーチンの処理が終了される。上記のようにエンジン回転数NEが高回転判定値αを超える場合の制限率Cには、0以上、且つ1よりも小さい値が設定される。そして、この場合には、要求開口率θrに制限率Cを乗算した積が目標開口率θtの値として設定される(S150)。したがって、この場合の、すなわちエンジン回転数NEが高回転判定値を超える場合(S130:YES)の制御回路28は、ラジエータポートP1の開口率θを要求開口率θrよりも小さい開口率とするように冷却水制御弁15を制御することになる。
本実施形態の作用及び効果について説明する。
上記のようなエンジン冷却装置におけるラジエータ水路16では、細管により構成されたラジエータ19のチューブ24の部分が最も通水抵抗が大きい部分となっている。こうしたチューブ24の通水抵抗は、同チューブ24を流れる冷却水の流量が、すなわちラジエータ流量が多くなるほど、大きくなる。一方、本実施形態のエンジン冷却装置が採用するラジエータ19では、水圧を保持する水圧保持機構25が、チューブ24よりも冷却水流れ方向下流側に位置する下流側タンク23に設けられている。そのため、チューブ24の通水抵抗が大きくなると、ラジエータ水路16におけるラジエータ19よりも上流側の部分の水圧が上昇するようになる。
図5に、本実施形態のエンジン冷却装置におけるラジエータポートP1の要求開口率θrが100%に固定された状態でエンジン回転数NEを変化させた場合の目標開口率θt及びホース圧力と、エンジン回転数NEと、の関係を示す。なお、ホース圧力は冷却水制御弁15のラジエータポートP1からラジエータ水路16に導出される冷却水の圧力を表している。なお、同図には、破線で示すように要求開口率θrと同様に目標開口率θtも100%に固定した場合のホース圧力とエンジン回転数NEとの関係が二点鎖線で併せ示されている。
上述のように本実施形態のエンジン冷却装置では、エンジン10の回転を受けて動作する機械式のウォータポンプ12を採用している。そのため、ウォータポンプ12が吐出する冷却水の流量(以下、ポンプ吐出量と記載する)は、エンジン回転数NEの増加に応じて増大する。ラジエータポートP1の開口率θを一定に保持した状態では、ポンプ吐出量の増加と共にラジエータ流量も増加する。そのため、目標開口率θtを100%に固定した場合には、エンジン回転数NEの増加に応じてホース圧力が増大していき、やがてはホース圧力が常用限界圧力を超えるようになる。なお、ここでの常用限界圧力は、ラジエータ水路16におけるラジエータ19よりも上流側の部分を構成するラジエータホースやコネクタの耐圧性能により定められたホース圧力の常用範囲の上限値を表している。ちなみに、本実施形態では、ラジエータポートP1の開口率θを100%とした状態でエンジン回転数NEを0から増加させていったときに、ホース圧力が常用限界圧力まで上昇したときのエンジン回転数NEが、上記高回転判定値αの値として設定されている。
これに対して本実施形態のエンジン冷却装置では、冷却水温TWやオイル温TFが高くなり過ぎている場合やエンジン回転数NEが高回転判定値α以下の場合には、エンジン10の冷却要求に応じて設定した要求開口率θrをそのまま目標開口率θtの値として設定している。これに対して、冷却水温TWやオイル温TFが高くなり過ぎておらず、且つエンジン回転数NEが高回転判定値αを超える場合には、要求開口率θrよりも小さい開口率を目標開口率θtの値として設定している。例えば図5のように、要求開口率θrが100%の場合には、エンジン回転数NEが高回転判定値α以上の領域の目標開口率θtの値としては、ホース圧力を常用限界圧力に保持可能な値が設定される。そのため、ポンプ吐出量が増加するエンジン10の高回転時に、ホース圧力が高くなり過ぎないようにラジエータ流量を抑えることが可能となる。なお、本実施形態のエンジン冷却装置においても、冷却水温TWやオイル温TFが高くなり過ぎている場合には、エンジン回転数NEが高回転判定値αを超えていても要求開口率θrの値をそのまま目標開口率θtの値として設定して、冷却水やATオイルの冷却を優先するようにしている。
なお、エンジン10の高回転時のホース圧力を十分に抑えられない場合には、ラジエータ水路16におけるラジエータ19よりも上流側の部分を構成するラジエータホースやコネクタの部品として、耐圧性能が高い、高価な部品を採用する必要がある。その点、本実施形態のエンジン冷却装置では、そうした部品に、より耐圧性能が低い、より安価な部品を採用することが可能となるため、エンジン冷却装置の製造コストが抑えられる。
設置スペース等の制約により、大型のラジエータを採用できない場合には、大容量のウォータポンプを採用することで、エンジン冷却装置の冷却性能を確保することがある。しかしながら、エンジン10の高回転時のホース圧力を十分に抑えられない場合には、採用可能なウォータポンプが、ホース圧力が常用限界圧力以下となる範囲に高回転時のポンプ吐出量が抑えられた低容量のものに制限されてしまう。その点、本実施形態のエンジン冷却装置では、冷却水制御弁15の制御により、エンジン10の高回転時のホース圧力を抑えることが可能なため、大容量のウォータポンプの採用が容易となる。
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記実施形態では、目標水温に対する冷却水温TWの偏差に応じて値を更新することで、エンジン10の冷却要求に応じた要求開口率θrの演算を行っていたが、これ以外の演算方法により同演算を行うようにしてもよい。
・上記実施形態では、冷却水温TWが高水温判定値以上の場合やオイル温TFが高油温判定値以上の場合には、エンジン回転数NEが高回転判定値αを超える場合にも、ラジエータポートP1の開口率が要求開口率θrとするように冷却水制御弁15を制御していた。ラジエータポートP1の開口率を要求開口率θrとしたままではコネクタの脱離が生じるまでホース圧力が高くなる場合など、冷却水温TWやオイル温TFの低下よりもホース圧力の抑制を優先すべき場合がある。そうした場合には、冷却水温TWやオイル温TFに関わらず、エンジン回転数NEが高回転判定値αを超える場合には常にラジエータポートP1の開口率が要求開口率θrよりも小さい開口率となるように冷却水制御弁15を制御してもよい。
10…エンジン、11…ウォータポンプ、12…(機械式の)ウォータポンプ、13…巻き掛け伝動機構、14…クランクシャフト、15…冷却水制御弁、16…ラジエータ水路、17…デバイス水路(バイパス水路)、18…ヒータ水路(バイパス水路)、19…ラジエータ、20…デバイス、21…ヒータコア、22…上流側タンク、23…下流側タンク、24…チューブ、25…水圧保持機構、26…ラジエータキャップ、27…リザーブタンク、28…制御回路、P1…ラジエータポート、P2…デバイスポート、P3…ヒータポート。

Claims (1)

  1. 複数のチューブを介して連結された一対のタンクを備えるラジエータと、前記一対のタンクのうちの冷却水流れ方向下流側に位置するタンクである下流側タンクに設置されて同下流側タンク内の水圧を保持する水圧保持機構と、エンジンの回転を受けて動作して前記エンジンの内部に向けて冷却水を送出する機械式のウォータポンプと、を備えるとともに、前記エンジンの内部を通過した冷却水を前記ウォータポンプへと導く水路が前記ラジエータを通過するラジエータ水路と同ラジエータを迂回するバイパス水路とに分岐されており、且つ前記ラジエータ水路に冷却水を導出するラジエータポートの開口率を可変とする冷却水制御弁を備えるエンジン冷却装置において、
    前記エンジンの冷却要求に応じて前記ラジエータポートの開口率の要求値を演算するとともに、エンジン回転数が既定の高回転判定値以下の場合には前記ラジエータポートの開口率を前記要求値と同じ開口率とし、エンジン回転数が前記高回転判定値を超える場合には前記ラジエータポートの開口率を前記要求値よりも小さい開口率とするように前記冷却水制御弁を制御する制御回路を備えている
    エンジン冷却装置。
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