JP6818611B2 - 冷却装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンの冷却液の流路に設けられ、複数のポートを開閉するマルチフローコントロールバルブを有する冷却装置に関し、特に簡単な構成によって信頼性を確保したものに関する。
自動車等に搭載される水冷式のエンジンは、エンジンの出力軸によって駆動されるウォータポンプが吐出する冷却水を、シリンダヘッド等の冷却が必要な部位に形成されたウォータジャケット(冷却水路)に通流させた後、走行風等によって冷却水を冷却する熱交換器であるラジエータを経由させてウォータポンプに循環させる冷却装置を備えている。
このような冷却装置は、冷間時等に冷却水の過冷却を防止する目的でラジエータ流路をバイパスさせるバイパス流路や、暖房用のヒータに熱源として冷却水を導入するヒータ流路等を備えている。
エンジンの冷却装置に関する従来技術として、例えば特許文献1には、オイルクーラ流通流路の出口と、ラジエータバイパス流路の出口とを接続し、ヒータ流通流路のヒータより下流側に冷却水を供給する部位に、オイルクーラ流通流路とラジエータバイパス流路の冷却水水量を同時に制御可能な三方弁を設け、ヒータ要求を満たし油温制御を行うとともにポンプの仕事量を減少させることが記載されている。
特許文献2には、ラジエータの流量制御弁が全閉状態であり、かつエンジン回転速度が基準回転速度を超えたときに、流量制御弁の弁開度を全閉から若干開側に制御し、ウォータポンプのキャビテーションを抑制し、耐久性を確保することが記載されている。
特許文献3には、複数の熱交換器への冷却液の分配流量を制御する弁装置において、所定の圧力差が生じた際に、弁体を中間位置として各熱交換流路の通水抵抗を最小化し、ウォータポンプのキャビテーション発生を防止することが記載されている。
特許文献4には、エンジン回転数が所定回転数に達すると予想される場合には、冷却水が低温であっても電子制御バルブに設けられる複数のバルブの少なくとも一つを開放し、冷却水を流すことによって、エンジン暖機効率の低下を抑えつつ冷却系統の水圧の上昇を回避することが記載されている。
特開2010−209818号公報 特開2006−105104号公報 特開2006−090226号公報 特開2013−234605号公報
近年、ラジエータ流路、バイパス流路、ヒータ流路にそれぞれ接続されたポートを備え、図示しない制御装置からの指令に応じて各ポートの開度を制御するマルチフローコントロールバルブ(MCV)を設けて、エンジンの運転状態に応じて各ポートの開度を制御することによって、暖機促進や冷却水温制御の最適化を図ることが提案されている。
このようなマルチフローコントロールバルブを備える冷却装置は、冷却水回路を任意に切り替えることが可能であるが、その開度によっては、水回路の圧損が高い状態となることから、ウォータポンプの入口でキャビテーションが発生することが懸念される。
キャビテーションが発生した場合、水回路の流量低下や、ウォータポンププロペラ(インペラ)のエロージョン(損傷)等、冷却装置の機能や信頼性を確保することが困難となる。
さらに、マルチフローコントロールバルブによってラジエータ流路を閉塞した場合には、ラジエータキャップによる水回路内の圧力調整が不可能となることから、車室内暖房用の熱交換器であるヒータコアに過度の内圧がかかることが懸念される。
これに対して、圧力調整弁を水回路内に新規に設定し、水回路内の圧力を管理することも考えられるが、部品点数の増加、構造の複雑化、コスト及び質量の上昇などが問題となる。
上述した問題に鑑み、本発明の課題は、マルチフローコントロールバルブを有する冷却装置において簡単な構成によって信頼性を確保することである。
本発明は、以下のような解決手段により、上述した課題を解決する。
請求項1に係る発明は、エンジンを冷却する冷却液を吐出するウォータポンプと、前記冷却液をラジエータを経由して前記ウォータポンプに還流させるラジエータ流路と、前記冷却液を前記ラジエータをバイパスして前記ウォータポンプに還流させるバイパス流路と、前記冷却液を車室内暖房用のヒータを経由して前記ウォータポンプに還流させるヒータ流路と、前記ウォータポンプから吐出された前記冷却液が導入されるとともに、前記ラジエータ流路、前記バイパス流路、前記ヒータ流路にそれぞれ前記冷却液を供給するラジエータポート、バイパスポート、ヒータポートを有するマルチフローコントロールバルブと、前記マルチフローコントロールバルブにおける前記ラジエータポート、前記バイパスポート、前記ヒータポートの開度を制御する制御手段とを備える冷却装置であって、前記制御手段は、前記エンジンの運転状態が前記冷却液にキャビテーションが発生する可能性が高い所定のキャビテーション発生領域であると判定されたときに、前記ラジエータポートが閉状態である場合には前記ラジエータポートを開状態に移行させるとともに、前記ラジエータポートが開状態かつ前記ヒータポートが閉状態である場合には、前記ヒータポートを開状態に移行させ、かつ、前記冷却液の温度及び前記エンジンの出力軸回転速度がそれぞれ所定の温度閾値及び速度閾値以上となった場合に前記キャビテーション発生領域であると判定するとともに、前記ラジエータポート、前記バイパスポート、前記ヒータポートの少なくとも一つの開度状態の変化に応じて、前記温度閾値、前記速度閾値の少なくとも一方を変化させることを特徴とする冷却装置である。
これによれば、キャビテーションの発生が懸念される運転状態であるときに、ラジエータポートが閉状態である場合には、ラジエータポートを開状態とすることによってラジエータへ冷却液を導入して、液圧を低減させることができる。
特に、ヒータポートが開状態である場合には、ラジエータポートを開状態とすることによってヒータの内圧を低下させ、ヒータの信頼性を確保することができる。
また、ラジエータポートが開状態かつヒータポートが閉状態でキャビテーション発生が懸念されるときには、ヒータポートを開状態とすることによって、ラジエータに流れる流量を低減してラジエータで発生する圧損を減らし、キャビテーションの発生を防止することができる。
これらの制御はいずれもマルチフローコントロールバルブの既存の機能を利用して行うことが可能であるため、新たなデバイスを追加する必要がなく、簡素な構成によって冷却装置の信頼性を確保することができる。
また、マルチフローコントロールバルブの各ポートの開度状態に応じて温度閾値、速度閾値を最適化し、適切なキャビテーション防止効果を得ることができる。
以上説明したように、本発明によれば、マルチフローコントロールバルブを有する冷却装置において簡単な構成によって信頼性を確保することができる。
本発明を適用した冷却装置の実施形態の構成を示す図である。 実施形態の冷却装置におけるマルチフローコントロールバルブのフローダイアグラムである。 実施形態の冷却装置におけるマルチフローコントロールバルブのキャビテーション防止制御を示すフローチャートである。
以下、本発明を適用した冷却装置の実施形態について説明する。
実施形態の冷却装置は、例えば、乗用車等の自動車に走行用動力源として搭載されるエンジン及びその補機類における冷却が必要な箇所を、冷却水(クーラント)によって冷却する水冷式の冷却装置である。
また、冷却装置は、冷却水を熱源として車室内暖房用の空気を加熱する機能や、CVTフルードを冷却あるいは加熱する機能も有する。
冷却水は、水を主成分とし、不凍性、防錆性を向上するための添加物を添加したロングライフクーラント(LLC)を用いる。
図1は、実施形態の冷却装置の構成を示す図である。
図1において、図中の実線矢印は冷却水の流れを示し、破線矢印は電気的な信号の流れを示している。
エンジン1は、一例として、4ストローク水平対向4気筒の直噴ガソリンエンジンである。
エンジン1は、シリンダブロックRH11、シリンダブロックLH12、シリンダヘッドRH13、シリンダヘッドLH14、スロットルボディ15、ウォータポンプ16等を有する。
シリンダブロックRH11、シリンダブロックLH12は、エンジン1の出力軸である図示しないクランクシャフトを挟んで右側、左側にそれぞれ配置されている。
シリンダブロックRH11、シリンダブロックLH12には、クランクシャフトに形成されたジャーナル部を回転可能に支持するメインベアリングの半部がそれぞれ形成されている。
シリンダブロックRH11には、第1気筒、第3気筒のシリンダが形成されている。
シリンダブロックLH12には、第2気筒、第4気筒のシリンダが形成されている。
シリンダブロックRH11、シリンダブロックLH12には、各気筒のシリンダにおける燃焼室側の領域に設けられ、冷却水が通流される水路であるウォータジャケットが形成されている。
シリンダヘッドRH13、シリンダヘッドLH14は、シリンダブロックRH11、シリンダブロックLH12のクランクシャフト側とは反対側の端部にそれぞれ設けられている。
シリンダヘッドRH13、シリンダヘッドLH14は、燃焼室、吸排気ポート、吸排気バルブ、動弁駆動機構、燃料インジェクタ、点火栓などをそれぞれ有する。
シリンダヘッドRH13、シリンダヘッドLH14には、シリンダブロックRH11、シリンダブロックLH12のウォータジャケットと連通し、燃焼室等を冷却するウォータジャケットが形成されている。
燃焼室を冷却後の冷却水は、シリンダブロックRH11、シリンダブロックLH12内に戻される。
スロットルボディ15は、エンジン1の吸入空気量を調節するスロットルバルブを収容する部材である。
スロットルバルブは、エンジン1に新気(燃焼用空気)を導入する吸気装置に設けられたバタフライバルブである。
スロットルボディ15は、凍結防止等を目的として、冷却水が通流されるようになっている。
ウォータポンプ16は、エンジン1のクランクシャフトの回転に応じて冷却水を加圧し、吐出するものである。
ウォータポンプ16は、ベルト等の動力伝達手段を介してクランクシャフトと連動するプロペラ(インペラ)を有し、クランクシャフトの回転速度(回転数)増加に応じて吐出量、吐出圧力が増加するようになっている。
エンジン1の冷却水路には、さらに、ラジエータ21、EGRクーラ22、CVTウォーマ23、ヒータ24、マルチフローコントロールバルブ30等が設けられている。
ラジエータ21は、車体の前部に設けられる熱交換器である。
ラジエータ21は、冷却水が通流される複数のチューブの間隔に、例えばアルミニウム系合金等の薄板によって形成された多数のフィンを設けて構成されている。
ラジエータ21は、走行時に車体に対して流れる気流(走行風)との熱交換によって、冷却水を冷却する。
EGRクーラ22は、エンジン1の排気装置から排ガス(既燃ガス)の一部を抽出し、吸気装置を流れる新気内に導入させる排ガス再循環(EGR)装置に設けられ、新気内に導入される排ガス(EGRガス)を冷却するものである。
EGRクーラ22は、EGRガスから冷却水への熱伝導によってEGRガスを冷却する熱交換器である。
CVTウォーマ23は、エンジン1の出力を変速する無段変速機(CVT)のフリクションを低減するため、作動流体であるCVTフルードを、エンジン1の冷却水を熱源として加熱し、CVTフルードの粘度を低下させるものである。
CVTウォーマ23は、冷却水からCVTフルードへの熱伝導を行う熱交換器である。
ヒータ24は、車室内の暖房のため、図示しないブロワファンによって車室内に導入される空気を、冷却水を熱源として加熱する熱交換器である。
マルチフローコントロールバルブ(MCV)30は、エンジン1の主機から出た冷却水が導入されるとともに、この冷却水をラジエータ21へのラジエータ流路、ヒータ24へのヒータ流路、及び、ラジエータ21及びヒータ24をともに経由しないバイパス流路に供給するものである。
また、マルチフローコントロールバルブ30に導入された冷却水の一部は、スロットルボディ15に常時通水されている。
マルチフローコントロールバルブ30の機能については、後により詳しく説明する。
以下、エンジン1の冷却水路を構成する流路等の構成について説明する。
ウォータポンプ16から吐出された冷却水は、先ず流路41に導入される。
流路41は、流路42乃至45に分岐している。
流路42は、冷却水をシリンダブロックLH12に導入する。
流路43は、冷却水をシリンダブロックRH11に導入する。
流路44は、冷却水をEGRクーラ22に導入する。
流路45は、冷却水をCVTウォーマ23に導入する。
シリンダブロックRH11に導入された冷却水は、流路46を経由してシリンダヘッドRH13に導入された後、流路47を経由してシリンダブロックRH11に戻る。
シリンダブロックLH12に導入された冷却水は、流路48を経由してシリンダヘッドLH14に導入された後、流路49を経由してシリンダブロックLH12に戻る。
シリンダブロックRH11から冷却水を排出する流路50は、シリンダブロックLH12から冷却水を排出する流路51と合流し、マルチフローコントロールバルブ30に冷却水を導入する。
マルチフローコントロールバルブ30には、流路52乃至55がそれぞれ接続されている。
流路52は、冷却水をマルチフローコントロールバルブ30からラジエータ21に導入するラジエータ流路である。
ラジエータ21を通過した冷却水は、流路56を経由してウォータポンプ16の入口側に還流される。
流路53は、冷却水をマルチフローコントロールバルブ30からヒータ24に導入するヒータ流路である。
ヒータ24を通過した冷却水は、流路57を経由してウォータポンプ16の入口側に還流される。
流路54は、冷却水を、ラジエータ21やヒータ24等の熱交換器を通過することなくウォータポンプ16の入口側に還流させるバイパス流路である。
EGRクーラ22、CVTウォーマ23から出た冷却水は、それぞれ流路58,59を経由して流路54に合流し、流路54を経由してウォータポンプ16に還流される。
流路55は、冷却水をスロットルボディ15に導入する。
スロットルボディ15を通過した冷却水は、流路60を経由して流路57に合流し、流路57を経由してウォータポンプ16に還流される。
次に、上述したマルチフローコントロールバルブ30の機能についてより詳細に説明する。
マルチフローコントロールバルブ30は、流路52が接続されたラジエータポート、流路54が接続されたバイパスポート、及び、流路53が接続されたヒータポートの開度を、例えばステッピングモータ等の電動アクチュエータによって駆動される単一の入力軸を回転駆動することによって変更することが可能である。
なお、スロットルボディ15に冷却水を導入する流路55が接続されたポートは、常時開状態(通水状態)となっている。
なお、マルチフローコントロールバルブ30の入力軸の角度位置を、以下「MCV開度」と称して説明する。
マルチフローコントロールバルブ30は、そのMCV開度が、エンジン制御ユニット100が指示する目標MCV開度と実質的に一致するよう電動アクチュエータによって駆動される。
エンジン制御ユニット(ECU)100は、エンジン1及びその補機類を統括的に制御する制御装置である。
エンジン制御ユニット100は、CPU等の情報処理手段、RAMやROM等の記憶手段、入出力インターフェイス、及び、これらを接続するバス等を有して構成されている。
エンジン制御ユニット100には、クランク角センサ101、水温センサ102が接続され、これらの出力値を取得可能となっている。
クランク角センサ101は、クランクシャフトの一方の端部に設けられている。
クランク角センサは、クランクシャフトに取り付けられ放射状に複数の歯が形成されたセンサプレートと、センサプレートの歯と対向して設けられたマグネットピックアップとを有する。
クランク角センサ101は、マグネットピックアップのセンサ部近傍をセンサプレートの歯が通過する都度、1つのパルス信号を出力するようになっている。
エンジン制御ユニット100は、クランク角センサ101が出力するパルス信号に基づいて、クランクシャフトの回転速度(毎分回転数)を算出する。
水温センサ102は、エンジン1の冷却水の温度を検出する温度センサである。
水温センサ102は、温度に逆比例して抵抗値が変化するサーミスタを用いて構成されている。
図2は、実施形態の冷却装置におけるマルチフローコントロールバルブのフローダイアグラムである。
図2において、横軸はマルチフローコントロールバルブ30の入力軸の角度位置(位相)を示しており、これはアクチュエータの出力軸の角度位置と実質的に等しい。
また、縦軸はラジエータポート、バイパスポート、ヒータポートの開度をそれぞれ示している。
図2に示すように、MCV開度(マルチフローコントロールバルブ30の入力軸の角度位置)は、例えば、−90乃至85°までの値をとり得る。
ラジエータポートは、MVC開度が−85°以下の領域では全開とされる。
−85°乃至−50°の領域では、MCV開度の増加に比例して開度が減少し、−50°乃至30°の領域では全閉とされる。
30°乃至80°の領域では、MCV開度の増加に比例して開度が増加し、80°以上の領域では全開とされる。
バイパスポートは、MCV開度が−80°以下の領域では全閉とされる。
−80°乃至−50°の領域では、MCV開度の増加に比例して開度が増加し、−50°において全開となる。
−50°乃至−40°の領域では、全開となる。
−40°乃至−5°の領域では、MCV開度の増加に比例して開度が減少し、−5°乃至10°の領域では全閉とされる。
10°乃至30°の領域では、MCV開度の増加に比例して開度が増加し、30°において約80%の開度となる。
30°乃至80°の領域では、MCV開度の増加に比例して開度が減少し、80°以上の領域では全閉とされる。
ヒータポートは、MCV開度が10°以下の領域では全閉とされる。
10°乃至25°の領域では、MCV開度の増加に比例して開度が増加し、25°以上の領域では全開とされる。
次に、本実施形態におけるマルチフローコントロールバルブ30の制御について説明する。
図3は、実施形態の冷却装置におけるマルチフローコントロールバルブのキャビテーション防止制御を示すフローチャートである。
以下、ステップ毎に順を追って説明する。
<ステップS01:条件判断1>
ECU100は、現在のエンジン1の運転状態が、キャビテーションの発生が問題となり得る以下の条件を充足しているか否か(キャビテーション発生領域であるか否か)を判別する。
MCV開度 −90°乃至−80°(図2における領域Z1:ラジエータポート開状態、バイパスポート、ヒータポートともに実質的に閉状態)
かつ、冷却水温度 110℃以上
かつ、エンジン回転数(NE) 5000rpm以上
上記条件を充足する場合はステップS11に進み、充足しない場合はステップS02に進む。
<ステップS02:条件判断2>
ECU100は、現在のエンジン1の運転状態が、キャビテーションの発生が問題となり得る以下の条件を充足しているか否か(キャビテーション発生領域であるか否か)を判別する。
MCV開度 −90°乃至−80°(図2における領域Z1:ラジエータポート開状態、バイパスポート、ヒータポートともに実質的に閉状態)
かつ、冷却水温度 100℃以上
かつ、エンジン回転数(NE) 6000rpm以上
上記条件を充足する場合はステップS12に進み、充足しない場合はステップS03に進む。
<ステップS03:条件判断3>
ECU100は、現在のエンジン1の運転状態が、キャビテーションの発生が問題となり得る以下の条件を充足しているか否か(キャビテーション発生領域であるか否か)を判別する。
MCV開度 −50°乃至−40°(図2における領域Z2:ラジエータポート、ヒータポートともに実質的に閉状態、バイパスポート開状態)
かつ、冷却水温度 110℃以上
かつ、エンジン回転数(NE) 5000rpm以上
上記条件を充足する場合はステップS13に進み、充足しない場合はステップS04に進む。
<ステップS04:条件判断4>
ECU100は、現在のエンジン1の運転状態が、キャビテーションの発生が問題となり得る以下の条件を充足しているか否か(キャビテーション発生領域であるか否か)を判別する。
MCV開度 −50°乃至−40°(図2における領域Z2:ラジエータポート、ヒータポートともに実質的に閉状態、バイパスポート開状態)
かつ、冷却水温度 100℃以上
かつ、エンジン回転数(NE) 6000rpm以上
上記条件を充足する場合はステップS14に進み、充足しない場合はステップS05に進む。
<ステップS05:条件判断5>
ECU100は、現在のエンジン1の運転状態が、キャビテーションの発生が問題となり得る以下の条件を充足しているか否か(キャビテーション発生領域であるか否か)を判別する。
MCV開度 −5°乃至30°(図2における領域Z3:ラジエータポート閉状態、ヒータポート及びバイパスポート閉状態又は開状態)
かつ、冷却水温度 90℃以上
かつ、エンジン回転数(NE) 5000rpm以上
上記条件を充足する場合はステップS15に進み、充足しない場合はステップS06に進む。
<ステップS06:MCV通常制御>
ECU100は、冷却水温度の上昇に応じてラジエータポートの開度を増加させるとともにバイパスポートの開度を低下させ、暖房要求の増加に応じてヒータポートの開度を増加させるマルチフローコントロールバルブ30の通常制御を実行する。
その後、一連の処理を終了(リターン)する。
<ステップS11:MCV開度80°を指示>
エンジン制御ユニット100は、マルチフローコントロールバルブ30の目標開度を80°とし、ラジエータポート及びヒータポートをともに全開状態とする。
その後、一連の処理を終了(リターン)する。
<ステップS12:MCV開度80°を指示>
エンジン制御ユニット100は、マルチフローコントロールバルブ30の目標開度を80°とし、ラジエータポート及びヒータポートをともに全開状態とする。
その後、一連の処理を終了(リターン)する。
<ステップS13:MCV開度−65°を指示>
エンジン制御ユニット100は、マルチフローコントロールバルブ30の目標開度を−65°とし、ラジエータポートを全閉状態から半開状態まで開弁させる。
その後、一連の処理を終了(リターン)する。
<ステップS14:MCV開度−65°を指示>
エンジン制御ユニット100は、マルチフローコントロールバルブ30の目標開度を−65°とし、ラジエータポートを全閉状態から半開状態まで開弁させる。
その後、一連の処理を終了(リターン)する。
<ステップS15:MCV開度80°を指示>
エンジン制御ユニット100は、マルチフローコントロールバルブ30の目標開度を80°とし、ラジエータポート及びヒータポートをともに全開状態とする。
その後、一連の処理を終了(リターン)する。
以上説明した本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)MCV開度が領域Z1、Z2、Z3であり、高回転かつ高冷却水温であるキャビテーション発生が懸念される運転状態であるときに、ラジエータポートが閉状態である場合には、ラジエータポートを開状態とすることによってラジエータ21へ通水し、液圧を低減させることができる。
特に、ヒータポートが開状態である場合には、ラジエータポートを開状態とすることによってヒータ24の内圧を低下させ、ヒータ24の信頼性を確保することができる。
また、ラジエータポートが開状態かつヒータポートが閉状態でキャビテーション発生が懸念されるときには、ヒータポートを開状態とすることによって、ラジエータ21に流れる流量を低減してラジエータ21で発生する圧損を減らし、キャビテーションの発生を防止することができる。
さらに、これらの制御はいずれもマルチフローコントロールバルブ30の既存の機能を利用して行うことが可能であり、新たなデバイスを追加する必要がなく、簡素な構成によって冷却装置の信頼性を確保することができる。
(2)MCV開度に応じてキャビテーション防止のための制御を介入させるエンジン回転数、冷却水温の閾値を異ならせることによって、各閾値を最適化して適切なキャビテーション防止効果を得ることができる。
(変形例)
本発明は、以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。
(1)エンジン及び冷却装置の構成は、上述した実施形態に限定されず、適宜変更することができる。
例えば、シリンダレイアウト、気筒数や、冷却水の流路構成等は適宜変更することが可能である。
また、本発明はガソリンエンジンに限らず、ディーゼルエンジンやそれ以外の水冷式の内燃機関にも適用が可能である。
さらに、冷却液は冷却水に限らず、他の液体であってもよい。
(2)実施形態におけるマルチフローコントロールバルブの流路切替形態や、エンジン回転数、エンジン冷却水温等の閾値設定は一例であり、適宜変更することが可能である。
1 エンジン
11 シリンダブロックRH 12 シリンダブロックLH
13 シリンダヘッドRH 14 シリンダヘッドLH
15 スロットルボディ 16 ウォータポンプ
21 ラジエータ 22 EGRクーラ
23 CVTウォーマ 24 ヒータ
30 マルチフローコントロールバルブ(MCV)
41〜60 流路
100 エンジン制御ユニット(ECU)
101 クランク角センサ 102 水温センサ

Claims (1)

  1. エンジンを冷却する冷却液を吐出するウォータポンプと、
    前記冷却液をラジエータを経由して前記ウォータポンプに還流させるラジエータ流路と、
    前記冷却液を前記ラジエータをバイパスして前記ウォータポンプに還流させるバイパス流路と、
    前記冷却液を車室内暖房用のヒータを経由して前記ウォータポンプに還流させるヒータ流路と、
    前記ウォータポンプから吐出された前記冷却液が導入されるとともに、前記ラジエータ流路、前記バイパス流路、前記ヒータ流路にそれぞれ前記冷却液を供給するラジエータポート、バイパスポート、ヒータポートを有するマルチフローコントロールバルブと、
    前記マルチフローコントロールバルブにおける前記ラジエータポート、前記バイパスポート、前記ヒータポートの開度を制御する制御手段と
    を備える冷却装置であって、
    前記制御手段は、前記エンジンの運転状態が前記冷却液にキャビテーションが発生する可能性が高い所定のキャビテーション発生領域であると判定されたときに、前記ラジエータポートが閉状態である場合には前記ラジエータポートを開状態に移行させるとともに、前記ラジエータポートが開状態かつ前記ヒータポートが閉状態である場合には、前記ヒータポートを開状態に移行させ、かつ、前記冷却液の温度及び前記エンジンの出力軸回転速度がそれぞれ所定の温度閾値及び速度閾値以上となった場合に前記キャビテーション発生領域であると判定するとともに、前記ラジエータポート、前記バイパスポート、前記ヒータポートの少なくとも一つの開度状態の変化に応じて、前記温度閾値、前記速度閾値の少なくとも一方を変化させること
    を特徴とする冷却装置
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