JP7081870B1 - 空気循環式電気ロースター及び空気循環式電気ロースター装置 - Google Patents

空気循環式電気ロースター及び空気循環式電気ロースター装置 Download PDF

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Abstract

【課題】空気循環式電気ロースターにおいて調理の際に外部に放出される残余臭いを効果的に減殺する。【解決手段】臭い減殺部材170は、ファン130の作動によって調理の際に煙が空気吸入部151から吸入されて空気排出部から排出される空気循環式電気ロースター100において、調理の際に外部に放出される臭いを減殺するためのものであって、多孔性構造の材質で形成され、所定の幅、所定の高さ、及び所定の厚さを有する板の形状を有し、前記幅は、少なくとも空気吸入部の第1方向の長さ以上であり、前記高さは、少なくとも空気吸入部の第1方向に直交する上下方向の長さ以上であり、前記厚さは、ファンが配置される空間の第1方向に直交する左右方向の幅の4/5以下であり、空気吸入部と所定の距離だけ離隔して配置される。【選択図】図1

Description

本発明は、臭い減殺部材及びこれを設けるための構造を備える空気循環式電気ロースターに関する。
一般に、電気ロースターは本体に調理部(調理板)とヒーターを内蔵し、電源を印加してヒーターを加熱することで、調理部で肉類、魚介類、野菜類などの食材料を調理するための機器である。
これに対し、空気循環式電気ロースターは、本体の下部の一つの側に載置された長形のファンを有し、上部に調理部を載置される。調理の際には、ファンを作動させ、電気ロースターの内部に均一な空気の流れを形成することで(例えば、特許文献1参照)、煙が外部に排出されずに内部の油受けに油が落ちる構造となっている。
このような構造を有する空気循環式電気ロースターでは、空気循環板の側面に空気吸入部と空気排出部が形成され、ファンの作動によって調理部から空気が吸入され、空気循環板の下部を通って空気排出部に排出される。
しかし、空気循環板の空気吸入部と空気排出部との間の吸入圧力と排出圧力との差によって、調理の際に空気排出部側ではほとんど臭いがしないが、空気吸入部側では微弱でありながら臭いがする場合があり、全体的に吸入された煙から油成分を除去する効果は良いが依然として微量の臭いが外部に放出される問題がある。
韓国特許公開公報第10―2007―0008383号
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、空気循環式電気ロースターにおいて調理の際に外部に放出される残余臭いを効果的に減殺することが可能な臭い減殺部材を提供することを一つの目的とする。
さらに、調理の際に外部に放出される残余臭いを効果的に減殺することが可能な空気循環式電気ロースターを提供することをもう一つの目的とする。
本発明の解決課題は以上で言及されたものに限定されず、言及されていない他の解決課題は下記の記載から当該技術分野における通常の知識を有した者に明確に理解できるであろう。
本発明の少なくとも一つの実施例においては、ボディー、熱を発生するためのヒーター、前記ヒーターに電源を供給するための電源部、前記ボディーの第1方向に沿って前記ボディーの内側に配置されるファン、前記ファンの上部に配置され、前記ヒーターからの熱で加熱される調理板、及び空気吸入部と空気排出部を含む空気循環板で構成され、前記ファンの作動によって調理の際に煙が前記空気吸入部から吸入されて前記空気排出部から排出される空気循環式電気ロースターにおいて、調理の際に外部に放出される臭いを減殺するための臭い減殺部材であって、多孔性構造の材質で形成され、所定の幅(w)、所定の高さ(h)、及び所定の厚さ(t)を有する板の形状を有し、前記幅(w)は、少なくとも前記空気吸入部の前記第1方向の長さ以上であり、前記高さ(h)は、少なくとも前記空気吸入部の前記第1方向に直交する上下方向の長さ以上であり、前記厚さ(t)は、前記ファンが配置される空間の前記第1方向に直交する左右方向の幅の4/5以下であり、前記空気吸入部と所定の距離(d)だけ離隔して配置される、臭い減殺部材を提供する。
本発明の少なくとも一つの実施例において、前記多孔性構造の材質はスポンジを含み、前記スポンジの密度が15kgs/m~35kgs/mである。
本発明の少なくとも一つの実施例において、前記スポンジの密度が15kgs/m~25kgs/mである。
本発明の少なくとも一つの実施例においては、ボディー、熱を発生するためのヒーター、前記ヒーターに電源を供給するための電源部、前記ボディーの第1方向に沿って前記ボディーの内側に配置されるファン、前記ファンの上部に配置され、前記ヒーターからの熱で加熱される調理板、及び空気吸入部と空気排出部を含む空気循環板で構成され、前記ファンの作動によって調理の際に煙が前記空気吸入部から吸入されて前記空気排出部から排出される空気循環式電気ロースターにおいて、調理の際に外部に放出される臭いを減殺するための臭い減殺部材であって、スポンジ材質で形成され、 所定の幅(w)、所定の高さ(h)、及び所定の厚さ(t)を有する板の形状を有し、前記スポンジ材質の密度が15kgs/m~35kgs/mである、臭い減殺部材を提供する。
本発明の少なくとも一つの実施例において、前記幅(w)は、少なくとも前記空気吸入部の前記第1方向の長さ以上であり、前記高さ(h)は、少なくとも前記空気吸入部の前記第1方向に直交する上下方向の長さ以上であり、前記厚さ(t)は、前記ファンが配置される空間の前記第1方向に直交する左右方向の幅の4/5以下である。
本発明の少なくとも一つの実施例において、前記空気吸入部と所定の距離(d)だけ離隔して配置される。
本発明の少なくとも一つの実施例において、前記スポンジの密度が15kgs/m~25kgs/mである。
本発明の少なくとも一つの実施例においては、前記臭い減殺部材と、前記臭い減殺部材を前記ボディーの内側に設けるための構造と、を備える、空気循環式電気ロースターを提供する。
本発明の少なくとも一つの実施例においては、ボディーと、熱を発生するためのヒーターと、前記ボディーの第1方向に沿って前記ボディーの内側に配置されるファンと、前記ファンの上部に配置され、前記ヒーターからの熱で加熱される調理板と、前記調理板の上方の空気を前記ボディーに向けて吸入させる1以上の穴を有する空気吸入部と、前記ボディーを通過した空気を前記調理板の上方に向けて排出させる1以上の穴を有する空気排出部とを含む空気循環板と、前記空気吸入部と前記ボディーの内壁との間に設けられた、前記空気吸入部をから吸入されて前記空気排出部に排出される空気の匂いを減殺するための臭い減殺部材を固定するための固定部と、を備える空気循環式電気ロースターを提供する。
本発明の少なくとも一つの実施例において、前記固定部は、前記空気吸入部が形成された前記空気循環板の面と前記臭い減殺部材の面との間に空気の流路が形成される位置に設けられている。
本発明の少なくとも一つの実施例において、前記固定部は、前記空気吸入部が形成された前記空気循環板の面から、前記空気循環板の面と前記ボディーの内壁面との距離の1/5以上2/3以下の位置に前記臭い減殺部材の面が位置するように設けられている。
本発明の少なくとも一つの実施例において、前記空気吸入部が形成された前記空気循環板の面と前記ボディーの内壁面との間に、前記空気吸入部の長手方向の長さよりも長い前記臭い減殺部材が前記固定部により固定される空間が形成されている。
本発明の少なくとも一つの実施例において、前記空気吸入部が形成された前記空気循環板の面と前記ボディーの内壁面との間に、前記空気循環式電気ロースターの上下方向における長さが前記空気吸入部の短手方向における長さよりも長い前記臭い減殺部材が前記固定部により固定される空間が形成されている。
本発明の少なくとも一つの実施例においては、前記空気循環式電気ロースターにおける前記固定部により固定される臭い減殺部材を提供する。
本明細書でそれぞれの実施例は互いに独立的に記載されている場合であっても、それぞれの実施例は相互組合せが可能であり、組合せによる実施例も本発明の権利範囲に含まれる。
上述した要約は単に説明のためのものであり、如何なる形でも限定を意図するものではない。上述した説明様態、実施例、及び特徴に加え、追加の様態、実施例、及び特徴が図面及び詳細な説明を参照することで明確になるはずである。
本発明の少なくとも一つの実施例によれば、空気循環式電気ロースターにおいて調理の際に外部に放出される残余臭いを効果的に減殺することが可能な臭い減殺部材を提供できるという効果を奏する。
さらに、本発明の少なくとも一つの実施例によれば、調理の際に外部に放出される残余臭いを効果的に減殺することが可能な空気循環式電気ロースターを提供できるという効果を奏する。
本発明の効果は以上で言及されたものなどに限定されず、言及されていない他の効果は下記の記載から当該技術分野における通常の知識を有した者に明確に理解できるはずである。
本発明の少なくとも一つの実施例に係る空気循環式電気ロースターの側断面図である。 本発明の少なくとも一つの実施例に係る空気循環式電気ロースターのファン側の空間の詳細側断面図である。 本発明の少なくとも一つの実施例に係る臭い減殺部材の斜視図である。 本発明の少なくとも一つの実施例に係る空気循環式電気ロースターの空気循環板の斜視図である。 本発明の少なくとも一つの実施例に係る臭い減殺部材を装着した空気循環式電気ロースターの実際の内部イメージである。 本発明の少なくとも一つの実施例に係る臭い減殺部材に対し、密度の異なるスポンジを用いで実験した結果を表わすグラフである。 本発明の少なくとも一つの実施例に係る臭い減殺部材の使用後の状態を現す実際のイメージである。
以下、添付図面を参照し、本発明の少なくとも一つの実施例に係る空気循環式電気ロースターについて詳しく説明する。
図1は、本発明の少なくとも一つの実施例に係る空気循環式電気ロースター100の側断面図である。
図1に示すように、本発明の少なくとも一つの実施例に係る空気循環式電気ロースター100は、ボディー110、熱を発生するためのヒーター120、ヒーター120に電源を供給するための電源部(不図示)、ボディー110の長手方向に沿ってボディー110の内側に配置されるファン130、ヒーター120の上部に配置され、ヒーター120からの熱によって加熱される調理板140、空気循環板150、油受け160、及び臭い減殺部材170で構成される。
ボディー110は、テーブルや床などに安着し、各種の部品を内部に収容して本発明の少なくとも一つの実施例に係る空気循環式電気ロースター100の全体的な外観を形成し、ボディー110の下部の内側にファン130が位置し、下から上の方向に油受け160、空気循環板150、ヒーター120、及び調理板140が順に配置される。
本発明の少なくとも一つの実施例において、ボディー110の内部に設けられたファン130は、モーターを内蔵した長型のファンで、ファン130の作動によって空気循環式電気ロースター100の内部で空気を循環させることで、調理の際に発生する煙(油(油分)と臭いを含む熱風)を吸入し、油と臭いが除去された空気のみがボディー110の外部に放出されるようにする。
図1に示す例では、調理板140が中心部に一つの貫通孔を有するものとして図示しているが、これは本発明の一つの実施例を示すのに過ぎないことであり、ボディー110、ヒーター120、ファン130、調理板140、空気循環板150、及び油受け160の特定の形状によって本発明が限定されないことは明らかである。
このような空気循環式電気ロースター100では、空気循環板150の側面に空気吸入部151と空気排出部152が形成される。
しかし、空気循環板150の空気吸入部151と空気排出部152との間の吸入圧力と排出圧力の差によって調理の際に空気排出部152側ではほとんど臭いがしないが、空気吸入部151側では微弱でありながら臭いがする場合があり、全体的に吸入された煙から油成分を除去する効果は満足できる程度であるが、依然として若干の臭いが外部に放出される問題がある。
このような問題を解決するために、図1に示すように、本発明の少なくとも一つの実施例に係る空気循環式電気ロースター100は、ファン130が位置する側面の空間に設けられる臭い減殺部材170を備える。
臭い減殺部材170は、所定の厚さと幅及び高さを有する板形状の多孔質材質の部材で、ボディー110の内側に設けられた固定部180によってファン130が位置する側面の空間に固定される。
図1に示す例では、ボディー110の内側に位置する固定部180は臭い減殺部材170を固定するための一例であり、本発明の少なくとも一つの実施例に係る空気循環式電気ロースター100では、様々な構造を用いてボディー110の内側に位置する固定部180を具現することができる。例えば、ボディー110の内側の内壁に臭い減殺部材170がフィットするサイズの溝を形成して臭い減殺部材170を嵌め込む構造や内側に設けたクリップ、突起、または磁石によって臭い減殺部材170を固定することも可能である。
固定部180は、空気循環板150における空気吸入部151が形成されている面とボディー110の内壁面との間の空間に設けられている。固定部180は、固定部180によって固定された臭い減殺部材170の空気吸入部151側の面と空気吸入部151が形成されている空気循環板150の面との距離(d)(図2参照)が、空気循環板150における空気吸入部151が形成されている面とボディー110の内壁面との距離の1/5以上2/3以下に設定することができる。距離(d)が、このように設定されていることで、空気の流路を確保しつつ、臭い減殺部材170の厚みを十分に確保することができる。
固定部180は、距離(d)を変化させることができるように、空気循環板150における空気吸入部151が形成されている面とボディー110の内壁面との間において、位置を変化させられるように構成されていてもよい。一例として、固定部180は、ボディー110の天井部に形成された穴における異なる位置にネジにより固定されるように構成され、ユーザーが固定する位置を調整できるように構成される。固定部180は、例えば、空気循環板150における空気吸入部151が形成されている面とボディー110の内壁面との距離の1/5以上2/3以下の範囲で位置を調整可能に構成される。このように固定部180の位置が可変になっていることで、ユーザーは、厚みが異なる複数種類の臭い減殺部材170を使用することができる。
図2は、本発明の少なくとも一つの実施例に係る空気循環式電気ロースター100のファン130側の空間の詳細側断面図である。
臭い減殺部材170のない従来の空気循環式電気ロースターの場合、調理の際にファン130の作動によって空気吸入部151から矢印(A)の方向に調理の際に発生する熱い煙が吸入され、矢印(B)の方向に進み、空気排出部152を介して空気が排出される。
このとき、空気吸入部151に吸入された煙は、相当の部分がボディー110の内側の壁面に沿って流れることになり、壁面に当たった煙の温度低下によって壁面に油(油分)が付着し、付着した油は壁面に沿って下のファン130まで流れてしまう。
さらに、油受け160を通過して空気排出部152を介して排出される空気は、大部分の油分が除去された状態ではあるが、依然として残余油分と臭いが外部に放出され、場合によってはユーザーが不快感を覚えることもある。
その反面、本発明の少なくとも一つの実施例に係る臭い減殺部材170を装着した空気循環式電気ロースター100の場合は、図2に示すように、空気吸入部151を介して吸入された煙の相当の部分が一次的に臭い減殺部材170に当たることになり、一部は臭い減殺部材170を通過するが、既に臭い減殺部材170によって油分と臭い成分がスクリーニングされた状態であるので、壁面への油分の付着が少ない。
さらに、臭い成分(及び油分成分)の相当の部分を臭い減殺部材170で一時的に吸収するので、空気排出部152を介して排出される空気では大部分の油分と臭い成分が除去され、従来の空気循環式電気ロースターのように残余臭いが外部に放出されにくくなる。
図3は、本発明の少なくとも一つの実施例に係る臭い減殺部材170の斜視図である。図4は、本発明の少なくとも一つの実施例に係る空気循環式電気ロースターの空気循環板の斜視図である。
図3に示すように、本発明の少なくとも一つの実施例に係る臭い減殺部材170は、内部が多孔性材質で形成され、所定の幅(w)、高さ(h)、及び厚さ(t)を有する板形状を有する。
臭い減殺部材170が多孔性材質で形成されるので、ファン130が位置する側面の空間が狭くても空気吸入部151から吸入された煙の一部が臭い減殺部材170を通過して空気排出部152を介して排出されるので、空気循環式電気ロースター100の全体的な空気循環機能にはさほど影響を与えない。
但し、多孔質材質の密度によっては、臭いの減殺効果のみならず空気循環式電気ロースター100の全体的な空気循環機能を低下させることがあるが、これは以下の実際の実験結果と共に説明する。
多孔性材質の一例として、スポンジは、多くの場合ポリウレタンで製造されkgs/m単位の密度で大きく次のように分類することができる。
i)一般スポンジ:15kgs/m~20kgs/m
ii)海綿スポンジ:20kgs/m内外
iii)ソフトスポンジ:21kgs/m内外
iv)高弾性スポンジ:25kgs/m~35kgs/m
v)マーブルスポンジ:40kgs/m内外
vi)圧縮マーブルスポンジ:70kgs/m内外
実際の実験では、密度が15kgs/m、28kgs/m、30kgs/m、35kgs/m、及び40kgs/mのスポンジでそれぞれ322mmx92mmx10mm(wxhxt)のサイズの臭い減殺部材170を制作し、空気循環式電気ロースター100に装着し、600gの肉(牛肉、豚肉の混合)を約30分間焼く過程を1回の使用と設定し、臭いの減殺及び壁面への油分の付着を観察した。
本発明の少なくとも一つの実施例において、臭い減殺部材170のサイズは、例えば、横の幅(w)は空気吸入部151の全体の長さに該当し、高さ(h)は内部壁面の高さに該当し、厚さ(t)はファン130が位置する側面の空間の大きさによってこの空間の幅の1/3、1/2、2/3、または4/5を超えないように設定されている。
本発明の少なくとも一つの実施例において、臭い減殺部材170のサイズは、例えば、横の幅(w)は空気吸入部151の全体の長さに該当し、高さ(h)は空気吸入部151の全体の高さに該当し、厚さ(t)はファン130が位置する側面の空間の大きさによってこの空間の幅の1/3、1/2、2/3、または4/5を超えないように設定されている。
空気吸入部151は、図4に示すように、複数の通気孔がボディー110の長手方向に沿って(即ち、ファン130の長手方向に沿って)一列に形成されており、ここで空気吸入部151の全体の長さとは、複数の通気孔の長手方向に一列に並んだ長さ(図4の「b」)で、これは大体ファン130の長手方向の長さに該当する。
空気吸入部151の全体の高さは、長手方向に直交する上下方向に形成された通気孔の長さ(図4の「a」)に該当する。即ち、複数の通気孔で形成された空気吸入部151の全体の形状は長手方向に長く形成された棒の形状になり、空気吸入部151の全体の長さはこの棒の形状の長さに該当し、空気吸入部151の全体の高さはこの棒の形状の幅に該当する。
さらに、図2に示すように、空気吸入部151と臭い減殺部材170との間には所定の距離(d)を確保することが望ましい。これは、臭い減殺部材170を空気吸入部151に密着するように配置すると、空気吸入部151を介して吸入される煙の流れに対する抵抗として作用し、空気循環式電気ロースター100の全体的な空気循環機能に影響を与えるからである。
実際に空気吸入部151に臭い減殺部材170を密着した状態で実験を行った結果、1回目から外部に煙が放出される現象が発生したので、空気吸入部151と臭い減殺部材170との間には少なくとも数mmでも距離(d)を確保する必要がある。
実験では距離(d)を大体8mm~9mmに設定しているが、臭い減殺部材170を構成する材質の密度及び厚さ(t)によって距離(d)の設定を調整することができる。
実験に用いた機器では、ファン130が位置する側面の空間の幅(長手方向に直交する左右方向の距離)が空気吸入部151の位置で19mmであり、臭い減殺部材170の厚さ(t)が10mmで、これはファン130が位置する側面の空間の約1/2に該当する。
臭い減殺部材170の厚さ(t)は、用いる材質の密度によってファン130が位置する側面の空間の幅の約1/3から約4/5までに設定することができる。即ち、密度の低い材質の場合は、臭い減殺部材170の厚さ(t)をファン130が位置する側面の空間の幅(空気吸入部151の位置での幅)の約4/5まで設定することができ、密度の高い材質の場合は、臭い減殺部材170の厚さ(t)をファン130が位置する側面の空間の幅(空気吸入部151の位置での幅)の約1/3まで設定することができる。
図5は、本発明の少なくとも一つの実施例に係る臭い減殺部材170を装着した空気循環式電気ロースター100の実際の内部イメージである。図6は、本発明の少なくとも一つの実施例に係る臭い減殺部材170に対し、密度の異なるスポンジを用いで実験した結果を表わすグラフである。
図6に示すグラフのように、臭い減殺部材170に密度が15kgs/mのスポンジを用いたとき訳15~20回程度の使用が可能であり、密度が28kgs/mのスポンジを用いたとき約6回使用したら臭いがし始めて、密度が30kgs/mのスポンジ用いたとき約6回程度使用したら煙が出始めて、密度が35kgs/mのスポンジを用いたとき約3回使用したら煙が出始めて、密度が40kgs/mのスポンジを用いたとき1回目から煙が出始めた。
ここで、臭いがするとの判断は、調理の際に空気吸入部151側に位置するユーザーからの判断で、これは油分(臭い)成分が不完全に除去された空気が空気排出部152を介して空気吸入部151側に位置するユーザーの方に放出されることを意味する。
図6に示すグラフは、上記のような実験結果に基づいて多孔質材質の密度による使用可能回数を寿命として定量化したもので、本発明の少なくとも一つの実施例に係る臭い減殺部材170には15kgs/m~35kgs/mの密度を有するスポンジを使用可能であることが分かる。
より具体的に説明すると、1番目のサンプルとして、臭い減殺部材170に密度が15kgs/mのスポンジを用いた場合、10数回繰り返して使用した後も臭い減殺効果は維持され、臭い減殺部材170のない従来の空気循環式電気ロースターに比べ、約60%~80%の臭い減殺効果を確認することができた。
1番目のサンプルである密度が15kgs/mのスポンジの場合、空気吸入部151の一部を臭い減殺部材170で塞いでも煙の吸入に大きな障害はなかったので、空気吸入部151と臭い減殺部材170との間の距離(d)をもっと近く設定することができ、レイアウトの自由度の面で有利であると言える。
2番目のサンプルとして、臭い減殺部材170に密度が28kgs/mのスポンジを用いた場合、6回使用したら臭いがし始め、それ以上使うと煙が出ると予想された。
3番目のサンプルとして、臭い減殺部材170に密度が30kgs/mのスポンジを用いた場合、6回使用したら煙が出始めたので、それ以上の使用は不可であると判断することができた。
4番目のサンプルとして、臭い減殺部材170に密度が35kgs/mのスポンジを用いた場合、3回使用したら煙が出始めたので、3番目のサンプルと同様にそれ以上の使用は不可であると判断することができた。
5番目のサンプルとして、臭い減殺部材170に密度が40kgs/mのスポンジを用いた場合、1回目の使用から煙が出始めたので、これは臭い減殺部材170に用いることには適合してないと判断することができた。
但し、密度の低い多孔性材質であっても(例えば、密度が15kgs/mである1番目のサンプル)、臭い減殺部材170を空気吸入部151に密着して配置した場合には1回目の使用でも煙が出始めたので、空気吸入部151と臭い減殺部材170との間に距離(d)を確保することは重要であり、この距離(d)は、使用する多孔性材質の密度(及び厚さ)によって空気循環式電気ロースター100の全体的な空気循環機能に影響を与えない最小の距離以上に設定する必要がある。
図7は、本発明の少なくとも一つの実施例に係る臭い減殺部材170の使用後の状態を現す実際のイメージである。
図7に示すように、数回繰り返して使用すると、空気吸入部151の複数の通気孔に該当する位置に油の跡710が形成されているのを見ることができ、使用を繰り返すほど付着された油が臭い減殺部材170に沿って下に流れるのも見ることができる。
図7に示す結果を参照すると、臭い減殺部材170の最小高さ(h)は、空気吸入部151の通気孔の長さ(図4の「a」)以上であることが分かる。
即ち、上記の実験では322mmx92mmx10mm(wxhxt)のサイズの臭い減殺部材170を用いているが、本実験に使用した空気循環式電気ロースター100の空気吸入部151の通気孔の長さが18mmであるので、322mmx18mmx10mm(wxhxt)を臭い減殺部材170の最小サイズとして設定することができる。
本発明の少なくとも一つの実施例に係る臭い減殺部材170を用いることで、従来の空気循環式電気ロースターに比べ、約60%~80%の臭い減殺効果を得ることができ、従来の空気循環式電気ロースターの問題点である内壁面への油分の付着を防止することができ、さらに多孔性材質の吸音効果によって約30%~40%のファンの騒音減殺効果も得ることができた。
さらに、内壁面への油分の付着を防止することでファンの清潔度も改善され、空気循環式電気ロースターの維持管理がより楽になるメリットもあった。
以上の実験結果に基づいて、本発明の少なくとも一つの実施例に係る臭い減殺部材170には15kgs/m~35kgs/mの密度を有する多孔性材質(スポンジ)を用いることができ、空気吸入部151と臭い減殺部材170との間には所定の距離(d)を確保することが必要であり、臭い減殺部材170の幅(w)は空気吸入部151の長さに設定し、臭い減殺部材170の高さ(h)は少なくとも空気吸入部151の通気孔の長さ以上に設定できることが分かった。
本発明の少なくとも一つの実施例において、より好ましくは、臭い減殺部材170には15kgs/m~25kgs/mの密度を有する多孔性材質(スポンジ)を用いることができる。
以上の実施例では臭い減殺部材170にスポンジ材質を用いた形態を例として説明しているが、スポンジと類似な多孔性材質であれば、例えば不織布、海綿体などの材質も用いることができ、このような多孔性材質を用いた形態も本発明の権利範囲に属することは明らかである。
以上で説明したように、本発明の少なくとも一つの実施例によると、空気循環式電気ロースターにおいて、調理の際に外部に放出される残余臭いを効果的に除去可能な臭い減殺部材を提供することができる。
さらに、 本発明の少なくとも一つの実施例によると、調理の際に外部に放出される残余臭いを効果的に除去可能な臭い減殺部材を備える空気循環式電気ロースターを提供することができる。
さらに、 本発明の少なくとも一つの実施例によると、空気循環式電気ロースターにおいて、調理の際に空気吸入部側の内壁面に付着する油分を効果的に遮断可能な空気循環式電気ロースターを提供することができる。
さらに、 本発明の少なくとも一つの実施例によると、空気循環式電気ロースターにおいて、調理の際に外部に放出される残余油分を効果的に除去可能な空気循環式電気ロースターを提供することができる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
100:空気循環式電気ロースター
110:ボディー
120:ヒーター
130:ファン
140:調理板
150:空気循環板
151:空気吸入部
152:空気排出部
160:油受け部
170:臭い減殺部材
180:固定部
710:油の跡

Claims (6)

  1. ボディーと、
    熱を発生するためのヒーターと、
    前記ボディーの第1方向に沿って前記ボディーの内側に配置されるファンと、
    前記ファンの上部に配置され、前記ヒーターからの熱で加熱される調理板と、
    前記調理板の上方の空気を前記ボディーに向けて吸入させる1以上の穴を有する空気吸入部と、前記ボディーを通過した空気を前記調理板の上方に向けて排出させる1以上の穴を有する空気排出部とを含む空気循環板と、
    前記空気吸入部と前記ボディーの内壁との間に設けられ、前記空気吸入部から吸入された空気の匂いを減殺するための板状の臭い減殺部材を、当該臭い減殺部材の最も広い面が、前記ボディーの内側に形成される空気の流路と平行な状態で前記流路に面するように、前記ボディーの内壁側に配置されるように固定するための固定部と、
    を備える空気循環式電気ロースター。
  2. 前記固定部は、前記空気吸入部が形成された前記空気循環板の面と前記臭い減殺部材の面との間に空気の流路が形成される位置に設けられている、
    請求項に記載の空気循環式電気ロースター。
  3. 前記固定部は、前記空気吸入部が形成された前記空気循環板の面から、前記空気循環板の面と前記ボディーの内壁面との距離の1/5以上2/3の位置に前記臭い減殺部材の面が位置するように設けられている、
    請求項に記載の空気循環式電気ロースター。
  4. 前記空気吸入部が形成された前記空気循環板の面と前記ボディーの内壁面との間に、前記空気吸入部の長手方向の長さよりも長い前記臭い減殺部材が前記固定部により固定される空間が形成されている、
    請求項ないし請求項の何れか一項に記載の空気循環式電気ロースター。
  5. 前記空気吸入部が形成された前記空気循環板の面と前記ボディーの内壁面との間に、前記空気循環式電気ロースターの上下方向における長さが前記空気吸入部の短手方向における長さよりも長い前記臭い減殺部材が前記固定部により固定される空間が形成されている、
    請求項ないし請求項の何れか一項に記載の空気循環式電気ロースター。
  6. 請求項ないし請求項の何れか一項に記載の空気循環式電気ロースターと、
    当該空気循環式電気ロースターにおける前記固定部により固定される臭い減殺部材と、
    を有する空気循環式電気ロースター装置。
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