JP7081759B2 - スポーツウォッチ - Google Patents

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特許法第30条第2項適用 掲載アドレス https://my.yupiteru.co.jp/upload/save_image/manual/pdf/LeiWatch.pdf(掲載日 平成29年2月9日) https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.co.yupiteru.golfswingtrainer.gstapp&hl=ja(掲載日 平成29年2月15日) https://www.yupiteru.co.jp/products/golf_trainer/gst-7ble/ https://my.yupiteru.co.jp/upload/save_image/manual/pdf/GST-7BLE.pdf https://www.yupiteru.co.jp/products/golf_navi/yg-braceletble/ https://my.yupiteru.co.jp/upload/save_image/manual/pdf/YG-BraceletBLE.pdf(掲載日 平成29年2月28日)
本発明は、例えばスポーツウォッチ等に関するものである。
例えば特許文献1には、「従来の活動計(GPSなし脈拍計)のみならず、例えば、GPS搭載のランニングウォッチ等、激しい動きをする際に用いられるスポーツ機器でも、生体情報をセンシングする必要が高まっている」にことが開示されており(段落[0005])、そのための装置として「第1のバンド部11と、第2のバンド部12と、ケース部30と、固定部(遊革、定革)40と、連結部(美錠)50と、表示部70と、操作部80と、センサ部90と、を含む」構成を備え、「第1のバンド部11は、ケース部30の一端に取り付けられ、第2のバンド部12は、ケース部30の他端に取り付けられ……連結部(美錠)50は、第1のバンド部11及び第2のバンド部12を連結する。」ことが開示されている(段落[0042]-[0044]参照、符号は、特許文献1中に記載された番号である)。
特開2016-47189
上述した従来の激しい動きをする際に用いられる腕時計タイプの装置は、既存の腕時計をベースに製造されており、第1のバンド部と第2のバンド部を手首に巻き付けるとともに、その先端を連結部(美錠)を利用して固定する。美錠を第1のバンド部に設けた所定の小穴に挿入して位置決め固定する。
係る従来のバンドの固定を行う機構は、その着脱の操作が煩雑であり、運動用腕時計を簡単に手首に装着できないという課題がある。特に、小穴と美錠を用いる方式では顕著となる。
また、市販されているスポーツウォッチ等の運動用腕時計は、通常の時計をベースにすることから全体に大きく、ごついものが多く、いかにも腕時計という感じがする。そのため、運動時に装着すると、当該運動用腕時計の装着感・存在感が生じて邪魔に感じる。また、野暮ったくファッション性に欠ける。運動時以外も、ファッションアイテムの一つとして装着したいという(ブレスレットのような態様となり、おしゃれで見た目もすっきりとした形態となる)要求もある。
また、本発明の目的はこれに限定されず、本明細書及び図面等に開示される構成の部分から奏する効果を得ることを目的とする。例えば本明細書において「~できる」と記載した箇所を「~課題である」と読み替えた課題が本明細書には開示されている。そしてこの課題を解決することも本発明の目的である。本願出願人は本明細書に記載の構成の一部を補正または分割出願にて特許請求の範囲とする意思を有する。
(1)運動に関する情報を報知する機能を備えたウォッチ本体部と、前記ウォッチ本体部に連係されるバンド部を備え、前記バンド部は、前記ウォッチ本体部と非接続側が分離され、その分離された一対の自由端部位が、互いの側面同士を接触可能とし、前記バンド部は、少なくとも一部に弾力性を有する部分を有し、その弾力性を有する部分の弾性復元力により、少なくとも一方の自由端部位の前記側面が、他方の自由端部位の前記側面を付勢し、前記互いの側面同士が接触した状態を保持するようにした。
実施形態では、バンド部全体をエラストマーのように弾力性を有する部材で形成したが、一対の自由端部位の相対位置が変位し、手首への着脱ができるようになれば弾力性を有する部位の領域は任意である。本発明によれば、バンド部が弾力性を有する部分を有しているので、当該弾力性を有する部分を弾性変形させることで一対の自由端部位の相対位置関係を変え、例えば、スポーツウォッチの内周の寸法形状を広くしたり、一対の自由端部位を離反させたりして手首への着脱を可能な態様にし、着脱を行う。そして、上記の弾性変形させた際の付勢力を解除し、手首に装着した状態では、弾性変形した部分は弾性復元力により無負荷時の基本姿勢に復帰しようとする。本発明では、少なくとも一方の自由端部位の側面が、他方の自由端部位の側面を付勢し、互いの側面同士が押し付け合い、接触抵抗も大きくなり、接触した状態が保持される。着脱操作は、例えば、自由端部位を持って所定の方向に付勢し、装着後は係る付勢を解除するといった簡単で行える。
このように本発明のスポーツウォッチは、手首への着脱が簡単に行える。また、一対の自由端部位の側面同士を接触させる構成のため、外観がシンプルな構造となり、また、自由端部位同士の接続部位は、上下に重なって厚ぼったくなることもなく、ファッション性も向上する。
(2)前記バンド部をユーザの手首に装着した状態で、前記一対の自由端部位の前記側面に沿った方向の相対移動を制限可能する制限機能を備えるとよい。このようにすると、例えばユーザがスポーツウォッチを手首に装着した状態で例えば運動等をした場合、腕を振ったり、動かしたりすることに伴い生じる遠心力や、スポーツウォッチの内周面にユーザの手首が所定の力であたることなどにより、スポーツウォッチに適宜の方向に付勢力がかかる。この付勢力が大きくなったとしても、制限機能により必要以上に一対の自由端部位の相対位置関係がずれることがなく、スポーツウォッチが離脱するのをより確実に抑制できる。
(3)前記制限機能は、前記一対の自由端部位の側面に設けた嵌め合い機構により行うようにするとよい。嵌め合い機構により、一対の自由端部位の連結・結合強度が増し、相対移動を効果的に抑止するのでよい。
(4)前記嵌め合い機構は、前記一対の自由端部位の一方の側面に設けた穴と、他方の側面に設けた前記穴に挿入可能な挿入部材を有するように構成するとよい。挿入部材は、実施形態ではピン8に対応する。挿入部材と穴の結合により、移動が確実に阻止されるので好ましい。例えば、ゴルフやテニス、野球など、クラブ等のスイングに伴い、より大きな力が一対の自由端部位に加わるような場合でも、スポーツウォッチが離脱するのを抑制できるので好ましい。
穴は、自由端部位を貫通していても良いし、貫通せなくてもよい。貫通させないようにすると、スポーツウォッチを手首に装着した状態で、穴が外側から視認できないか、視認しにくいので、すっきりして見た目がよいので好ましい。また、穴の深さを深くし、それに伴い挿入部材の長さを長くすると、より結合強度が増すのでしっかりと固定できて好ましい。
(5)前記穴は、前記自由端部位の軸方向に沿って複数設けるとよい。このようにすると、挿入部材を挿入する穴を変えることで、スポーツウォッチの内周の寸法形状を変更でき、サイズ替えを簡単にできるので好ましい。
(6)前記挿入部材は、前記自由端部位の軸方向に沿って複数設けるとよい。このようにすると、複数箇所で固定されるので、例えば挿入部材を回転中心とした自由端部位が周るのを抑止できるので好ましい。また、適宜の位置に配置した穴の個数を、挿入部材の個数よりも多くすることで、(5)の発明のようにサイズ替えに対応できる。
(7)前記穴に挿入した前記挿入部材が抜けにくくなるような構成にするとよい。このようにすると、上述した弾性復元力による固定機能に加え、より確実に一対の自由端部位が離反するのが抑止できるので好ましい。抜けにくくするための構成としては、例えば挿入部材を穴に圧入可能に構成するとよい。圧入するためには、例えば、挿入部材の外形寸法を穴の内形寸法より大きくしたり、挿入部材を複数設けた場合、挿入部材の相対位置関係と穴の相対位置関係にずれを持たせたりすると良い。また、挿入部材の外形寸法と、穴の内形寸法を異ならせる場合、必ずしも全周にわたり外形寸法を大きくする必要はなく、一部にそのような大小関係を生じるようになっていれば良い。一部に大関係を持たせるとは、例えば、穴が円形で、挿入部材の外周の一部に角を持たせる(例えば多角形や星形など)ようにするものがある。
(8)前記嵌め合い機構は、前記一対の自由端部位の側面に形成した凹凸を嵌め合わせることで行うようにするとよい。自由端部位の側面の形状を平坦ではなく凹部や凸部を形成するだけでよく、簡単に製造できる。また、凹凸を嵌め合わせることで強固に連携させ、例えば側面に沿った方向の相対移動を抑止できるのでよい。そして凹部・凸部の外形状を、例えば、断面が四角形のように自由端部位の側面に対して直交する外面を有するようにしたり、自由端部位から離れほど側面と平行な断面形状を小さくしたりすると、ユーザが意図した凹凸の着脱は、自由端部位を側面と直交する方向に移動すればよく容易に行えるので良い。
(9)前記制限機能は、前記弾性復元力の大きさを利用するようにするとよい。弾性復元力が大きくなると、自由端部位の側面が押し合う力が大きくなるので、自由端部位が離反するのが抑止されるだけでなく、側面に沿った移動も制限できるため、特別な形状や機構の工夫も不要であり、シンプルな外観形状となるので良い。弾性復元力が大きいとは、一対の自由端部位の側面に沿った相対移動が制限できる程度の大きさとなれば良い。
(10)前記自由端部位の幅は、前記バンド部の幅よりも狭くするとよい。このスポーツウォッチは、バンド部の一対の自由端部位の側面同士が接触する。その接触した状態では、自由端部位の存在位置におけるスポーツウォッチの幅は、当該一対の自由端部位の幅の和となる。バンド部の幅よりも自由端部位の幅を狭くすることで、自由端部位同士が接触している部分の幅が極端に広くなることを抑制する。よって、運動時に邪魔・違和感など無く、ファッション性も向上するので良い。
(11)前記一対の自由端部位のそれぞれの幅の和が、前記バンド部の幅に相当するようにするとよい。このようにすると、スポーツウォッチの全体にわたり、バンド幅をより均一にすることができ、バンド部は、全周にわたり細幅にすることができ、おしゃれなブレスレットの様子・感じを醸し出して、ファッション性が向上するので良い。
(12)前記ウォッチ本体部を目立たなくするように構成するとよい。ウォッチ本体部を目立たなくすることで、スポーツウォッチの全体は、バンド部のデザインが目立つようになり、装飾・ファッション性がより向上し、ブレスレットのようになり、運動したい通常の生活においても、ファッションアイテムの一つとして装着できるので良い。
(13)前記ウォッチ本体部の幅は全長にわたり等しくし、前記バンド部の幅と前記ウォッチ本体部の幅を等しくするとよい。このようにすると、ウォッチ本体部とバンド部の一体感が増し、スポーツウォッチの全体がブレスレットのような態様にできてファッション性が向上するので良い。
(14)前記バンド部は、周方向に連続して環状を構成し、前記バンド部の外周面の所定位置に前記ウォッチ本体部を装着するとよい。このようにすると、バンド部が全周にわたることから、しっかりと手首に装着することができる。また、ブレスレットのような態様になるので良い。
(15)前記バンド部の周方向の中間部位の外周面に凹部を設け、前記凹部内に前記ウォッチ本体部を装着するとよい。このようにすると、ウォッチ本体部の露出する部位が少なくなり、目立たなくなるので良い。また、凹部内にウォッチ本体部が入り込むことで、ウォッチ本体部がしっかり固定されるので良い。また、例えば、凹部の深さを深くし、ウォッチ本体部の突出量を抑えると、上記の効果がより発揮するので良い。また、例えばウォッチ本体部の高さと等しくすると、ウォッチ本体部の上面とバンド部の外周面が面一となり、スポーツウォッチがきれいな環状となり好ましい。
(16)前記凹部の内周面形状は、前記ウォッチ本体部の上面側の外周囲の少なくとも一部を覆うようにするとよい。このようにすると、ウォッチ本体部の上面我の露出する領域が小さくなり、目立たなくなるので良い。また、ウォッチ本体部が上面側に移動するのを当該覆った部分で抑制できるのでよい。
(17)前記バンド部が周方向に連続していることが、外部から分かるように形成するとよい。このようにすると、スポーツウォッチの全周にわたりバンド部がつながっていることがわかるので、ブレスレットの感じが強く出て良い。
(18)前記周方向に連続した前記バンド部の中間部分に細幅の連結部を設け、前記ウォッチ本体部は、前記連結部を覆うように装着するとよい。このようにすると、バンド部は周方向に連続しており、当該バンド部によりしっかりと手首に装着することができ、デザイン的にはバンド部がウォッチ本体部で分断されたように見えるので、おもしろみがあって良い。
(19)前記バンド部内に前記ウォッチ本体部を埋め込むように構成するとよい。このようにすると、ウォッチ本体部は目立たなくなり、バンド部のデザインが目立つようになり、装飾・ファッション性がより向上し、ブレスレットのようになり、運動したい通常の生活においても、ファッションアイテムの一つとして装着できるので良い。また、運動時等において、ウォッチ本体部がバンド部から離脱するのをより確実に抑制でき、腕を強く振るような激しい運動時にも安心して装着することができる。
(20)前記ウォッチ本体部と前記バンド部は、着脱可能に連係されるようにするとよい。このようにすると、例えば異なるデザインのバンド部を用意することで、異なるデザイン・態様のスポーツウォッチにすることができる。また、例えば異なるサイズのバンド部を用意することで、サイズ替えに簡単に対応できる。
(21)前記ウォッチ本体部に、前記運動に関する情報を報知するための表示部を設けるとよい。ユーザは、表示部を見ることで簡単に情報を知ることができる。
上述した(1)から(21)の発明は、任意に組み合わせることができる。例えば(1)の全部または一部を備えずに他の(2)から(22)の少なくともいずれか1つの構成を備えたものとしても良い。但し特に、(1)の構成の全部または一部を備えて、(2)から(21)の少なくともいずれか1つの構成と組み合わせを備えると良い。また(1)から(21)の少なくとも1つから任意の構成要素を抽出し、組み合わせても良い。本願出願人は、これらのような構成についても、補正・分割出願・意匠登録出願への変更出願等により特許権・意匠権等を取得する意思を有する。
本発明によれば、バンド部には弾力性を有する部分があるため、例えば当該部分を弾性変形させてスポーツウォッチの内周の寸法を拡大したり、一対の自由端部位を離反させたりするなどして簡単に手首に装着することができる。そして、スポーツウォッチを手首に装着すると、バンド部の一対の自由端部位の側面同士を接触させることで固定できる。側面同士を接触させることで、当該部分の厚みが増すこともない。
また例えば本明細書において「~できる」と記載している効果を奏する物など、本明細書に記載の物などを提供することができる。
本発明に係るスポーツウォッチの第一実施形態を示す斜視図である。 その正面図である。 その側面図である。 主にバンド部の自由端部を示す斜視図である。 (a)はスポーツウォッチの第一実施形態の平面図であり、(b)はその断面図である。 固定機能を説明する図である。 第二実施形態を示す斜視図である。 その正面図である。 その側面図である。 主にバンド部の自由端部を示す斜視図である。 各種の実施形態を示す斜視図である。 各種の実施形態を示す斜視図である。 各種の実施形態を示す斜視図である。 各種の実施形態を示す斜視図である。 各種の実施形態を示す斜視図である。 各種の実施形態を示す斜視図である。 スポーツウォッチの別の形態を示す図である。 スポーツウォッチの別の形態を示す図である。 スポーツウォッチの別の形態を示す図である。 スポーツウォッチの別の形態を示す図である。 スポーツウォッチの別の形態を示す図である。 スポーツウォッチの別の形態を示す図である。 スポーツウォッチの別の形態を示す図である。 スポーツウォッチの別の形態を示す図である。 スポーツウォッチの別の形態を示す図である。 スポーツウォッチの別の形態を示す図である。 スポーツウォッチの別の形態を示す図である。 スポーツウォッチの別の形態を示す図である。 スポーツウォッチの別の形態を示す図である。 スポーツウォッチの別の形態を示す図である。 スポーツウォッチの別の形態を示す図である。 スポーツウォッチの別の形態を示す図である。 スポーツウォッチの別の形態を示す図である。 スポーツウォッチの別の形態を示す図である。 スポーツウォッチの別の形態を示す図である。 スポーツウォッチの別の形態を示す図である。 スポーツウォッチの別の形態を示す図である。 スポーツウォッチの別の形態を示す図である。 スポーツウォッチの別の形態を示す図である。 スポーツウォッチの別の形態を示す図である。 スポーツウォッチの別の形態を示す図である。 スポーツウォッチの別の形態を示す図である。 スポーツウォッチの別の形態を示す図である。 スポーツウォッチの別の形態を示す図である。 スポーツウォッチの別の形態を示す図である。 スポーツウォッチと他の機器との連携システムを示す図である。 GSTを説明する図である。 GSTを説明する図である。 GSTを説明する図である。 GSTを説明する図である。 スポーツウォッチと他の機器との連携システムを示す図である。 スポーツウォッチの別の形態を示す図である。 スポーツウォッチの別の形態を示す図である。 スポーツウォッチの別の形態を示す図である。 スポーツウォッチの別の形態を示す図である。 スポーツウォッチの別の形態を示す図である。 スポーツウォッチの別の形態を示す図である。 スポーツウォッチの別の形態を示す図である。 スポーツウォッチの別の形態を示す図である。 スポーツウォッチと他の機器との連携システムを示す図である。 スマートフォンに実装したアプリを説明する図である。 スマートフォンに実装したアプリを説明する図である。 ウォッチの別の形態を示す図である。 ウォッチの別の形態を示す図である。 ウォッチの別の形態を示す図である。 ウォッチの別の形態を示す図である。 ウォッチの別の形態を示す図である。 ウォッチの別の形態を示す図である。 ウォッチの別の形態を示す図である。 ウォッチの別の形態を示す図である。 ウォッチの別の形態を示す図である。 PCビューアの機能を説明する図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。これらの図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものである。記載されている装置の構成や形状等は単なる説明例であり、本発明は、これに限定されて解釈されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良を加え得るものである。
[第一実施形態]
図1~図6は、本発明に係るスポーツウォッチの第一実施形態を示している。スポーツウォッチ1は、ウォッチ本体部2と、そのウォッチ本体部2を手首,腕等(以下、単に「手首」と称する)に取り付けるためのバンド部3とを備える。ウォッチ本体部2とバンド部3により、スポーツウォッチ1の全体が環状となり、手首に嵌まる構成を採る。
ウォッチ本体部2は、環状の周方向と直交する縦断面形状が、略矩形状としている。そして、周方向と直交する方向のウォッチ本体部2の幅W1は、全長に渡りほぼ均一である。また、ウォッチ本体部2の厚さT1は、全長に渡りほぼ均一である。これにより、上記の縦断面形状である略矩形状は、ウォッチ本体部2の周方向に沿ってほぼ一定になる。さらに、ウォッチ本体部2の外形状は、例えば中央部分は平坦か、緩やかな曲線形状とし、両端は中央部に比べて曲率を大きくした曲線形状としている。この曲率は、例えばユーザが装着した際に、手首にフィットするような設定とするとよい。
図5に示すように、ウォッチ本体部2は、外観を構成するケース部15を有する。このケース部15は、内部空間15aを設ける。ケース部15の中央部分の外周面の所定位置に、開口部15bを設ける。この開口部15bに、時刻その他の情報を表示する表示部6を設ける。表示部6は、環状の周方向に長い略矩形状の表示エリア6aを備える。表示部6の表面は、例えば透明シリコンで形成する。
ケース部15の内部空間15a内には、表示部6に表示する時刻を求める計時機能モジュール7a,GPS受信機や各種センサ等の入力機器7b,その入力機器7bからの情報に基づき所定の処理を行う制御部,それらを駆動するためのバッテリ等を内蔵する。
ケース部15は、例えば、エラストマーと樹脂の複合材を用いて形成する。樹脂は、例えば剛性を持ったものがよい。このようにすると、ケース部15の強度が保て、形状を保持し、内蔵する機器等の保護ができる。本実施形態では、内部空間15aを、周方向に沿って3つ設けた。内蔵する機器・部品が小型化したり、モジュール化したりして占有容積が小さくなれば、内部空間15aを1箇所にし、そこに集約するとよい。機器等を内蔵する部分は、ある程度の剛性を持たせ機器等の損傷を抑える必要があるが、ケース部15の剛性を有する部分の周方向の長さを短くすることができる。よって、例えばケース部15の両端に弾力性を持たせたり、ウォッチ本体部2の周方向の長さを短くするとともにバンド部3を長くしたりすることで、スポーツウォッチ1をユーザが手首に装着した際に、よりフィットし、良好な装着感がでるので良い。
本実施形態のバンド部3は、ウォッチ本体部2の長手方向両側にそれぞれ取り付けた第一バンド部4と第二バンド部5を備える。ウォッチ本体部2と、第一バンド部4と第二バンド部5の接続は、例えば接着材を用いて行う。また、接着剤による固定ではなく、連結機構により固定しても良い。連結機構は、例えばケース部15の側面と、第一バンド部4と第二バンド部5の接続面の一方に結合用穴を設け、他方に当該結合用穴に挿入される結合用突起を設け、結合用突起を結合用穴に挿入することで連結すると良い。このようにすると、簡単な構成で連結できるので良い。また、係る連結機構では、着脱可能に結合用突起を取り付けると良い。このようにすると、異なる外観のバンド部を用意し、その日の気分等でバンド部を交換等できるようにすると良い。異なる外観は、異なる色や異なる形状などがある。
ユーザの手首に装着した使用状態では、第一バンド部4のウォッチ本体部2との非接続側の自由端部位4aと、第二バンド部5のウォッチ本体部2との非接続側の自由端部位5aを接触させ、バンド部3とウォッチ本体部2とにより上記の環状を構成する。第一バンド部4の自由端部位4aと、第二バンド部5の自由端部位5aは、その環状における表示部6と対向側に位置する。これにより、スポーツウォッチ1を手首に装着した状態において、例えば表示部6が手の甲側に位置すると、第一バンド部4の自由端部位4aと、第二バンド部5の自由端部位5aは、掌側に位置する。またこの環状は、真円ではなく適宜扁平な形状とする。例えば、図2に示すように、ウォッチ本体部2の表示部6が設けられた部位の内周面側と、第一バンド部4の自由端部位4a・第二バンド部5の自由端部位5a間の第一内寸法R1が、その第一内寸法R1と直交する方向の第二内寸法R2より短い設定とする。
第一バンド部4のウォッチ本体部2との接続側部位の縦断面形状と、第二バンド部5のウォッチ本体部2との接続側部位の縦断面形状は、それぞれ接続するウォッチ本体部2の縦断面形状と一致させる。これにより、ウォッチ本体部2とバンド部3において外形状がスムーズにつながる。当該接続部位における第一バンド部4の幅W2と厚さT2は、ウォッチ本体部2の幅W1と厚さT1と等しく、また、第二バンド部5の幅W3と厚さT3は、ウォッチ本体部2の幅W1と厚さT1と等しい。そして、第一バンド部4の厚さT2と、第二バンド部5の厚さT3は、それぞれ全長に渡りほぼ均一にする。よって、本実施形態のスポーツウォッチ1は、その厚さは全周に渡ってほぼ均一になる。
第一バンド部4の自由端部位4aの幅W2′は、接続側部位の幅W2より細くした。第二バンド部5の自由端部位5aの幅W3′は、接続側部位の幅W3より細くした。本実施形態では、第一バンド部4の自由端部位4aと、第二バンド部5の自由端部位5aとの接触は、互いに軸方向と平行な側面4b,5b同士で行う。この側面は、環状の内周面や外周面ではない両側面のうちの一方の側面である。このように第一バンド部4の自由端部位4aの側面4bと、第二バンド部5の自由端部位5aの側面5bを接触させるようにしたため、その接触させている領域におけるバンド部3の幅は、自由端部位4aの幅W2′と自由端部位5aの幅W3′の和(W2′+W3′)となる。そして上述したように本実施形態では、自由端部位4a,5aの幅W2′,W3′は、接続側部位の幅W2,W3より細くしたため、自由端部位4a,5aを接触させた接続領域での幅方向の膨らみを抑え、全体としてすっきりと収まるので好ましい。
例えば、W2′+W3′=W2=W3とすると、バンド部3の幅は、周方向の全長に渡り均一になる。よって、スポーツウォッチ1は、全周に渡り均一の幅となり、例えばブレスレットのような態様となり、おしゃれで見た目もすっきりとした形態となるので良い。さらに、自由端部位4aの幅W2′と自由端部位5aの幅W3′をほぼ等しくすると、一方の自由端部位が他方よりも細くなり、当該細くなった方の強度が弱くなることが抑制でき、両者とも同じ強度を発揮するので好ましい。また、両者の接触している部位が、幅方向の中央となるので、シンメトリーとなり、装飾的にも好ましい。
バンド部3は、エラストマーを用いて形成する。エラストマーは、弾力性を有する。よって、エラストマーを用いて形成される第一バンド部4並びに第二バンド部5は、例えばその自由端部位4a,5aを適宜の方向に曲げることができる。そこで、例えば、第一バンド部4の自由端部位4aと、第二バンド部5の自由端部位5aを相対的に互いに引き離す方向に引っ張ることで、両自由端部位4a,5a間に空間を形成し、その空間を利用してスポーツウォッチ1のユーザの手首への着脱を行うとよい。また、例えば、両自由端部位4a,5aを側面4b,5bと平行な平面内で移動させることで、第一内寸法R1や第二内寸法R2が長くなるように両自由端部位4a,5aを変形させ、スポーツウォッチ1を手の先端側から手首への着脱を行うようにしてもよい。また、それらを適宜組み合わせる他、各種の方法でスポーツウォッチ1のユーザの手首への着脱を行う。
また、エラストマーを用いて形成される第一バンド部4並びに第二バンド部5は、適宜の弾力性を有するため、例えば、自由端部位4a,5aに対して外部から付勢力を与え弾性変形させ、その状態から当該付勢力を解除すると、自由端部位4a,5aは弾性復元力により元の外部から負荷を掛けない状態の基本姿勢に復帰するように変位する。本実施形態では、当該基本姿勢において、例えば図6に示すように自由端部位4aを基準に見た場合、自由端部位5aと接触する側面4bが、自由端部位5aの側面5bよりも当該自由端部位5aの中央側に位置するようにしている。つまり、両側面4b,5bは、基本姿勢で互いに相手側の内側に入り込んだ位置に存在するように設定する。よって、自由端部位4a,5aの側面4b,5b同士を接触した状態では、両自由端部位4a,5aは互いに無負荷状態の基本姿勢から外側に変位した状態となり、弾性復元力により基本姿勢に復帰しようとする付勢力がはたく。係る付勢力により、両側面4b,5bは、互いに押し合うテンションが働き、その接触した状態で保持する。
さらに本実施形態では、スポーツウォッチ1をユーザの手首に装着した状態で、自由端部位4a,5aの相対移動を制限する制限機能をとる。この制限機能は、例えば所定の範囲内での相対移動を許容するものや、相対移動をゼロにするもの等がある。相対移動をゼロにすると、スポーツウォッチ1を手首に装着した状態では、両自由端部位4a,5aの位置関係が固定され、確実にスポーツウォッチ1の手首からの離脱を抑止できるので好ましい。また、相対移動を許容する場合、許容の範囲はスポーツウォッチ1が手首から外れない範囲で変形するものである。
例えば、ユーザがスポーツウォッチ1を手首に装着した状態で例えば運動等をした場合、腕を振ったり、動かしたりすることに伴い生じる遠心力や、スポーツウォッチ1の内周面にユーザの手首が所定の力であたることなどにより、スポーツウォッチ1に適宜の方向に付勢力がかかる。この付勢力が、例えば接触している自由端部位4a,5aの側面4b,5bに沿った方向にかかり、例えば、当該自由端部位4a,5aの先端側が、環状の外側に変形するように移動して第一内寸法R1が拡大したり、自由端部位4a,5aが軸方向に移動して第二内寸法R2が拡大したりしようとしても、制限機能により大きく広がることが抑制され、上述したようにスポーツウォッチ1が不用意に手首から外れてしまうことを防止できる。
本実施形態の制限機能は、バンド部3の材料となるエラストマーとして、弾力性の強さを適宜のものに設定した。この弾力性による弾性復元力を利用し、自由端部位4a,5aの側面4b,5bを接触させた際に生じる上記の付勢力を大きくし、ユーザがスポーツウォッチ1を手首に装着した状態で例えば運動をした場合でも接触状態を保持するようにした。
*変形例
自由端部位4a,5aの対向する側面4b,5bの接触抵抗を大きくすると良い。接触抵抗を大きくすると、上記のエラストマーが持つ弾力性による弾性復元力と相まって、自由端部位4a,5aの軸方向の相対移動を制限する機能が増大し、より確実に所望の相対位置関係を維持できるので良い。
接触抵抗を大きくするためには、例えば、自由端部位4a,5aの対向する側面に、摩擦係数の大きい部材を取り付けたり、当該側面に例えば微小な凹凸などを形成して非平坦面にしたりするとよい。特に、側面に微少な凹凸などを形成して疲弊端面にする場合、別途部材を用意する必要が無く、簡単に構成できるので良い。
[第二実施形態(ピンと穴による取付)]
図7~図10は、本発明の第二実施形態を示している。本実施形態では、上述した第一実施形態を基本とし、自由端部位4a,5aの相対移動を制限する制限機能を別の構成で実現している。本実施形態の制限機能は、機械的・機構的な連結を用いた一例を示している。第一バンド部4の自由端部位4aの側面4bに、複数のピン8を設ける。複数のピン8は、側面4bと直交する方向に突出させる。また、複数のピン8は、自由端部位4aの軸方向に沿って配置する。本実施形態では、3本のピン8を設け、等しい間隔t1で配置する。
一方、第二バンド部5の自由端部位5aの側面5bには、側面5bと直交する方向に延びる複数の穴9を設けた。この穴9は、自由端部位5aの軸方向に沿って配置する。また穴9は、等しい間隔t2で配置する。この間隔t2は、ピン8の配置ピッチである間隔t1の半分の長さとする。ピン8の外形寸法は、当該ピン8が穴9内に挿入可能な寸法とする。
本実施形態では、第一バンド部4の自由端部位4aの側面4bと、第二バンド部5の自由端部位5aの側面5bを接触させるに際し、ピン8を適宜の穴9に挿入した状態で行う。これにより、例えば両自由端部位4a,5aの先端側が、環状の外側に移動しようとしたり、自由端部位4a,5aが軸方向に移動しようとしたりしても、ピン8と穴9の結合により、係る移動が確実に阻止される。そして第一実施形態で説明したとおり、自由端部位4a,5aの弾性力により、両自由端部位4a,5aの側面4b,5b同士が離反しようとする動きも阻止される。従って、ユーザがスポーツウォッチ1を手首に装着した状態で例えば運動をし、大きな力が両自由端部位4a,5aの接触部位に加わったとしても、ピン8と穴9の連結状態は解除されず、ユーザの手首からスポーツウォッチ1が外れることを防止できる。複数組のピン8と穴9の結合を利用するため、結合の強度が増し、自由端部位4a,5aの相対移動を制限する制限機能の効果がより顕著に表れるのでの好ましい。
さらに本実施形態では、穴9の設置個数をピン8の本数よりも多くしたため、ピン8を挿入する穴9の位置を変えることで、スポーツウォッチ1の環状の周方向の長さを調整可能となる。よって、手首の外形寸法が異なる様々な人に対して、それぞれ手首に過不足ない隙間で装着することができる。
また、長さの調整は、隣接する穴9の間隔t2となる。本実施形態では、当該間隔t2は、ピン8の配置ピッチである間隔t1の半分であるため、ピン8の配置ピッチの間隔t1の1/2の細かい間隔で長さの調整が可能となる。そして、ピン8の配置ピッチの間隔t1が、長さの調整単位となる穴9の配置ピッチの間隔t2に比べて長いため、自由端部位4a,5aの軸方向で広い範囲で連結することができ、自由端部位4a,5a同士を強固に連結することができるので好ましい。
さらに、穴9は、自由端部位5aの幅方向に貫通している。このようにすることで、例えばピン8の長さは、自由端部位5aの幅或いはそれ以上に長くすることができ、ピン8と穴9の連結強度を高くし、装着時にピン8が穴9から外れ、スポーツウォッチ1が離脱するのを抑制できる。
また、穴9が貫通することで、ピン8の先端が穴9の開口部側から視認可能とするとよい。このようにすると、ピン8が装飾の一つとしても機能し、ファッション性の向上を図ることができる。その他の構成並びに作用効果は、上述した実施形態・変形例と同様であるため、対応する部材に同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
*変形例
ピン8と穴9を利用した制限機能は、上述した実施形態に限ることはなく、各種の形態を採り得る。例えば、自由端部位4aと、自由端部位5aの少なくとも一方に、ピン8を少なくとも1個設け、他方の自由端部位に当該ピン8を挿入するための穴9を少なくとも1個設けるとよい。
一例を示すと、例えば、自由端部位4aにピン8を1個設け、自由端部位5aに穴9を1個設け、スポーツウォッチ1を手首する際に、当該ピン8を穴9に挿入する。これにより、例えば自由端部位4a,5aが軸方向に移動しようとしても、ピン8と穴9の結合により、係る移動が確実に阻止される。この変形例のように、1組のピン8と穴9を用いる構成の場合、構造が簡単であり、一つのピン8を一つの穴9に挿入するだけであるため、その着脱も容易に行えるので手首への着脱の操作性が良好となるので良い。
また、自由端部位4aにピン8を1個設け、自由端部位5aに複数の穴9を設け、スポーツウォッチ1を手首する際に、当該ピン8をいずれかの穴9に挿入する。これにより、例えば自由端部位4a,5aが軸方向に移動しようとしても、ピン8と穴9の結合により、係る移動が確実に阻止される。複数の穴9の設置位置は、自由端部位5aの軸方向に異なる位置とする。この変形例では、穴9を複数設けたので、第二実施形態と同様に、環状の周方向の長さの調整が可能となるので良い。穴9を複数設ける場合の隣接する穴9の距離は、任意である。例えば、穴9の配置ピッチを等間隔にすれば、第二実施形態と同様に、調整ピッチが等間隔となるので汎用的になり、いずれかの穴9が、ユーザにとって許容できる、適した穴9となるのでよい。また、配置ピッチを不等間隔にした場合、等間隔のように画一的でなく、状況に応じて適切な設定とすることができるので良い。例えば、環状の周方向の長さが短くなるほど、間隔も短くすると、例えば、手首が細い人にとってもきめ細かな調整ができ、たるみが少なくなくフィットした装着感がてるので好ましい。
また、第二実施形態と同様にピン8を複数設ける場合、穴9の設置数もピン8と同じにする形態をとるとよい。このような場合、環状の周方向の長さの調整はできないが、複数組によるしっかりとした結合が行われるので良い。また、長さ方向に調整しないので、配置間隔を等間隔にする必要は無く、また、軸方向に沿うように配置することが必須ではなくなる。例えば、自由端部位4a,5aの軸方向と交差する方向にずらすことで、自由端部位4a,5a同士の相対移動を阻止する機能がより向上するので良い。
また、ピン8を複数設ける場合、ピン8の配置レイアウトに対し、穴9の相対的な配置レイアウトを少しずらすようにするとよい。相対的な配置レイアウトを少しずらすとは、ある一つのピン8を基準にし、当該基準となるピン8の中心を所定の穴9の中心に合うよう正対させた場合、他のピン8の中心と穴9の中心がずれるようにする。バンド部3は、弾力性のあるエラストマーで形成したため、上記のずれがあってもピン8を穴9内に押し込み可能となる。これによりピン8を穴9に挿入した際に互いに干渉し合い、その側面同士が互いに押し付け合い、接触抵抗も大きくなり、強固に固定される。
相対的な配置レイアウトを少しずらす構成は、例えば、ピン8の配置ピッチと、当該ピン8が挿入される穴9の配置ピッチを少しずらしたり、当該配置ピッチは同じにして配列方向と交差する方向に少しずらしたり、それらを組み合わせたりするとよい。
また、ピン8の外形寸法形状よりも穴9の内径寸法形状を小さくすると良い。バンド部3は、弾力性のあるエラストマーで形成したため、上記の寸法の差があってもピン8を穴9内に押し込み可能となる。このようすると、ピン8を穴9に挿入した際に接触抵抗が大きくなり、強固に固定されるので良い。
上述した実施形態では、穴9は、自由端部位5aの幅方向に貫通しているが、本発明はこれに限ることはなく、有底の穴9としてもよい。このようにすると、自由端部位5aの外側表面に穴9の開口がなく、例えばデザイン的にすっきりとし、統一感が出るので良い。
また、上述した実施形態並びに変形例では、第一バンド部4の自由端部位4aにはピン8のみを設け、第二バンド部5の自由端部位5aには穴9のみを設けるようにしたが、自由端部位4a,5aの両方にピン8を設け、それに対応する穴9も自由端部位4a,5aの両方に設けるようにしても良い。
[第三実施形態(凹凸による制限機能)]
図11~図16は、本発明の第三実施形態を示している。本実施形態では、上述した第一実施形態を基本とし、自由端部位4a,5aの相対移動を制限する制限機能を別の構成で実現している。本実施形態の制限機能は、第一実施形態の第一バンド部4の自由端部位4aの側面4bと、第二バンド部5の自由端部位5aの側面5bに互いに噛み合う部位を設け、当該部位を噛み合わせることで自由端部位4a,5aの軸方向の移動を規制するようにした。
後述するように、図11~図16は、さらに別の実施形態を実現するものでもある。例えば、第一,第二実施形態では、第一バンド部4と第二バンド部5を別体に形成し、それそれぞれをウォッチ本体部2に接続したが、図11以降の実施形態では周方向に連続した環状のバンド部3にウォッチ本体部2を装着する態様とした。よって以下の説明では、一体の環状のバンド部3を例にあげて説明するが、別体の第一バンド部4と第二バンド部5の自由端部位4a,5aでも同様の構成がとれる。
第三実施形態について、図11に示す形態を例にあげて説明する。本実施形態においても、バンド部3は、エラストマーを用いて形成する。バンド部3は、環状に形成し、その周方向の両端の自由端部位3a,3bが、離反可能としている。この自由端部位3a,3bが、第一バンド部4の自由端部位4aと第二バンド部5の自由端部位5aに対応する。第一実施形態の構成を利用しバンド部3を構成するエラストマーの弾性力を利用して、自由端部位3a,3bの相対位置が所望の状態を維持する。つまり自由端部位3a,3bをオーバーラップさせて、互いに軸方向と平行な側面3a′,3b′同士を接触することで固定する。
本実施形態では、バンド部3の自由端部位3a,3bの側面3a′,3b′に互いに噛み合う部位を設け、当該部位を噛み合わせることで自由端部位3a,3bの軸方向の移動を規制するようにした。
噛み合う部位は、例えば、例えば図11(a)に示すように、バンド部3の一方の自由端部位3aの側面3a′に凸部10を設け、他方の自由端部位3bの側面3b′に凸部10と噛み合う凹部11を設ける。凸部10は、自由端部位3aの軸方向と直交する方向に延びる矩形状であり、係る凸部10を軸方向に所定間隔ごとに複数設ける。所定間隔は、凸部10の軸方向の幅と等しくしている。凹部11は、凸部10の外形状と符合する内形状を有し、自由端部位3bの軸方向と直交する方向に延びる凹溝である。係る凹部11を軸方向に所定間隔ごとに複数設ける。
本実施形態では、一方の自由端部位3aの側面3a′と、他方の自由端部位3bの側面3b′を接触させるに際し、凸部10と凹部11を嵌め合わせた状態で行う。これにより、例えば両自由端部位3a,3bの先端側が、環状の外側に移動しようとしたり、自由端部位3a,3bが軸方向に移動しようとしたりしても、凸部10と凹部11の噛み合いによる結合により、係る移動が確実に阻止される。そして第一実施形態で説明したとおり、自由端部位3a,3bの弾性力により、両自由端部位3a,3bの側面3a′,3b′同士が離反しようとする動きも阻止される。従って、ユーザがスポーツウォッチ1を手首に装着した状態で例えば運動をし、大きな力が両自由端部位3a,3bの接触部位に加わったとしても、凸部10と凹部11の連結状態は解除されず、ユーザの手首からスポーツウォッチ1が外れることを防止できる。複数組の凸部10と凹部11の結合を利用するため、結合の強度が増し、自由端部位3a,3bの相対移動を制限する制限機能の効果がより顕著に表れるのでの好ましい。そして、本実施形態の凸部10と凹部11は、矩形状でしっかりと結合するので良い。
さらに、バンド部3の自由端部位3a,3bの相対位置を軸方向にずらし、嵌め合わせる凸部10と凹部11の組合せを替えることで、長さの調整ができるので良い。
図11(b)は、凸部10と凹部11の噛み合いによる連結の別の形態を示している。この図11(b)に示す形態では、凸部10と凹部11は、波形としている。このようにすると、連結する部位が流線形となり、綺麗にまとまるので良い。また、嵌め合わせる凸部10と凹部11の組合せを替える際の移動も容易に行えるので良い。
[第四実施形態(ウォッチ本体部2を埋め込み)]
図11は、本発明の第四実施形態を示している。本実施形態では、ウォッチ本体部2をバンド部3内に埋め込み、表示部6を露出させる。ウォッチ本体部2は、例えばケース部15ごと、或いはケース部15を設けることなくバンド部3内にモールドする。そして、表示部6の表示エリア6aが外部から視認可能になるように露出させる。このようにすると、外部から見える部分でバンド部3の占める割合が増え、ブレスレットのようになりファッション性がより向上するのでよい。バンド部3の外周面は、周方向と直交する断面で見た場合に曲面としている。これにより、おしゃれでファッション性が向上する。
またこの形態では、バンド部3の表面に露出するように、スイッチ16を設けた。このスイッチ16は、表示部6を挟んで周方向両側に2個設けた。スイッチ16は、表示部6とは別体で設けた。この2個のスイッチ16は、押しボタンである。スイッチ16に対する押し操作の有無が、内蔵する制御部に伝えられる。左右のスイッチ16は、例えば各種の設定を行ったり、内蔵する機器に対する動作指示を行ったりするための操作スイッチである。各種の設定は、例えば、計時機能モジュール7aに対する時刻の設定や出力する態様(例えば、24時間表示と12時間表示の切換など)の設定などがある。また、表示部6に対する設定は、例えば表示/非表示の切換や、表示色の変更や、例えば「時刻」,「ストップウォッチ」,「内蔵するセンサを用いた計測結果」などの表示内容の切替えなどがある。また、内蔵する機器に対する動作指示は、例えば、計時機能モジュール7aが、ストップウォッチ機能を備える場合、その計時開始・停止・一時停止などの指示、内蔵するセンサを用いた計測等の開始・停止などの指示などがある。
制御部は、左右に配置された2個のスイッチ16のうち、いずれのスイッチ16が押されたか、スイッチ16が押されている時間(例えば、「長押し」か「短押し」かなど)にもどき、所定の内蔵する機器に対する設定や動作の指示を行う。
また、この実施形態では、2つのスイッチ16を比較的離した位置に設け、表示部6を設けた比較的平坦な部分の外側で、湾曲した部位に位置させる。2つのスイッチ16は、同一平面上に位置せず、例えば片方の手の親指と人差し指でそれぞれのスイッチ16に触り、両指の間隔を狭めて挟み込むような操作をすることで、2つのスイッチ16を同時に押すことができるようにすると良い。このようにすると、2つのスイッチ16の同時押しが簡単に行えるので良い。この場合、両方のスイッチ16をそれぞれ押す方向が、互いに対向するようにするとよい。ここで対向するとは、互いの押す方向が同一直線状で向きが反対のように完全に逆向きにする場合に限らず、例えば、互いの押す方向のなす角が所定角度で交差するようになっていても良い。2つのスイッチを同時押しすることを考えると、挟み込む力を効果的に利用できるので、なす角は鈍角がよいし、180度に近い方がなお良い。
さらに本実施形態では、スイッチ16を表示部6から離して配置したので、表示部6を見ながらボタン操作ができる。その他の構成並びに作用効果は、上述した実施形態・変形例と同様であるため、対応する部材に同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
この図11(b)に示す形態では、表示部6の露出している部位の形状を矩形状とした。スイッチ16は、表示部6を挟んで周方向両側に2個設けた。そして、スイッチ16と表示部6の表示エリア6aとの間に、パネル部17を配置した。パネル部17を設けたため、表示部6の表示エリア6aとスイッチ16が繋がるデザインとなり、一体化するので良い。また、パネル部17の先にスイッチ16か配置されるので、スイッチ16の位置がわかりやすいという効果も奏する。パネル部17は、表示部6と別部材を貼付けるようにしても良いが、例えば、表示部6の外表面の一部を構成するとよい。
バンド部3の幅は、周方向の所定位置で、中央部分の基本の幅から自由端部位3a,3bの幅に急に狭くなるようにしている。その境界部分で側面をえぐったようなデザインとしている。また、表示部6の色を濃い色にし、目立つようにしている。濃い色は、例えば黒色である。これに対し、バンド部3は、例えばカラフルな色などおしゃれな色とするとよい。その他の構成並びに作用効果は、上述した実施形態・変形例と同様であるため、対応する部材に同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
[第五実施形態(ウォッチ本体部2をコンパクト)]
図12は、本発明の第五実施形態を示している。本実施形態では、上述した各実施形態並びに変形例を基本とし、ウォッチ本体部2を小型化し、バンド部3の形成領域を長くしている。
図12(a)に示す例では、ウォッチ本体部2は、直方体の外形状を有するケース部15を備え、そのケース部15の内部空間内に所定の機器等を実装する。ケース部15の外表面には、表示部6を備える。表示部6の表示エリア6aは、細長な矩形状である。
表示エリア6aの長手方向の両端に、それぞれスイッチ16を配置する。この両端に配置した二個のスイッチ16は、同一平面上に位置する。そして、二個のスイッチ16は、例えば、ユーザの片方の手の人差し指と中指などの二本の指で、同時にタッチ可能な相対位置関係に配置する。スポーツウォッチ1を手首に装着している場合、ウォッチ本体部2は手首で受けられており、その状態で例えば人差し指と中指で二個のスイッチ16に触れるとともに、同時に押し込むことで、簡単にスイッチ16の同時押しが可能となる。
ケース部15の長手方向の両側面には、第一バンド部4と第二バンド部5を接続する。 図中隠れているが、ケース部15の底面(スポーツウォッチ1の内周面で、装着時に手首に対向する面)には、長手方向に延びる凹溝が形成されている。この凹溝の両端は、ケース部15の長手方向両側面に開口している。第一バンド部4と第二バンド部5は、当該凹溝内に符合する連結部で繋がっており、周方向に連続した一体のバンド部3を構成する。本形態では、連結部もエラストマーを用いて形成しており、第一バンド部4と第二バンド部5と連結部が一体のものとして製造される。
そして、ケース部15の凹溝と、当該連結部とを嵌め合わせることで、ウォッチ本体部2と、バンド部3を連結し、スポーツウォッチ1を構成する。スポーツウォッチ1を構成した際、第一バンド部4のウォッチ本体部2との接続側部位の縦断面形状と、第二バンド部5のウォッチ本体部2との接続側部位の縦断面形状は、それぞれ接続するウォッチ本体部2の縦断面形状と一致させる。これにより、ウォッチ本体部2とバンド部3において外形状がスムーズにつながる。当該接続部位における第一バンド部4の幅と厚さは、ウォッチ本体部2の幅と厚さと等しく、また、第二バンド部5の幅と厚さは、ウォッチ本体部2の幅と厚さと等しい。そして、第一バンド部4の厚さと、第二バンド部5の厚さは、それぞれ全長に渡りほぼ均一にする。よって、本実施形態のスポーツウォッチ1は、その厚さは全周に渡ってほぼ均一になる。
第一バンド部4の幅は、接続部位ではウォッチ本体部2の幅と等しくしたが、接続部位から周方向に向けて離れるにつれてすぐに細くし、第一バンド部4は全体的に細幅にした。同様に第二バンド部5の幅も、接続部位ではウォッチ本体部2の幅と等しくしたが、すぐに細くし、第二バンド部5は全体的に細幅にした。細くした両バンド部の幅は、接続部位における幅の半分とした。このようにすると、第一バンド部4と第二バンド部5はそのほぼ全周にわたり細幅にすることができ、おしゃれなブレスレットの様子・感じを醸し出すので良い。その他の構成並びに作用効果は、上述した実施形態・変形例と同様であるため、同一符号を付しその説明を省略する。
図12(b)に示す形態では、図12(a)に示す形態と同様に、ケース部15の長手方向両側に第一バンド部4と第二バンド部5をそれぞれ接続する。ケース部15の底面には、軸方向に延びる凹溝が形成されており、第一バンド部4と第二バンド部5は、凹溝に符合する連結部で繋がっている。本形態でも2個のスイッチ16を、表示部6を挟んで周方向両側に備える。
スイッチ16は、ケース部15の長手方向両端に設けられる。さらに本形態では、ケース部15の上面、すなわちスポーツウォッチ1の外周面の形状を、長手方向両側を先細り状に延長し、その延長部15eの先端に、スイッチ16を設ける。これにより、スポーツウォッチ1の外周面から見た場合、ケース部15の延長部15eが、第一バンド部4と第二バンド部5内に入り込み、しっかりと連結し、しっかりと固定されるので良い。 その他の構成並びに作用効果は、上述した実施形態・変形例と同様であるため、同一符号を付しその説明を省略する。
[第六実施形態(環状のバンド部にウォッチ本体部2を装着)]
図13~図16は、本発明の第六実施形態の各種のバリエーションの一例を示している。本実施形態では、バンド部3が、外部から周方向に連続して環状を構成していることがわかるようにした。そして、スポーツウォッチ1は、このバンド部3の所定位置に、ウォッチ本体部2を取り付けて構成する。
バンド部3は、環状に形成し、周方向の両端の自由端部位3a,3bをオーバーラップさせて、互いに軸方向と平行な側面同士を接触することで固定する。この固定構造は、例えば上述した各実施形態や変形例と同様である。例えば、図13や図16(b)に示す形態では、第一実施形態の構成を利用しバンド部3を構成するエラストマーの弾性力を利用して、自由端部位3a,3bの相対位置が所望の状態を維持するようにしている。また図14や図15や図16(a)に示す形態では、第三実施形態の構成を利用し、バンド部3の自由端部位3a,3bの対向する側面に凸部10と凹部11を設け、それらを噛み合わせることで固定している。
図13(a)に示す形態では、バンド部3の周方向の中間部位に、凹部3cを設ける。凹部3cは、外周面並びに両側面に開口する。また、凹部3cの長手方向の両端内周面は、周方向の外側に向けて突出する湾曲面3dとしている。ウォッチ本体部2は、凹部3c内に装着する。ウォッチ本体部2を構成するケース部15の外形状は、凹部3cの内形状に符合する形状とする。よって、ケース部15は、直方体をベースに長手方向両側面が外側に突出する湾曲面15cを有する形状となる。これにより、ケース部15を凹部3c内に装着した場合、当該湾曲面3d,15cの嵌め合いにより、ケース部15ひいてはウォッチ本体部2が離脱するのを抑制する。
また、湾曲面3d,15cを形成したことで、ケース部15の上面の長手方向の両端は、バンド部3に覆われ、抑えられる。また、デザイン的にも、ウォッチ本体部2とバンド部3の外周面が滑らかに繋がるので良い。
また、本形態では、第五実施形態の図12(a)に示す形態と同様に、ウォッチ本体部2は、比較的コンパクトに形成している。よって、バンド部3に設ける凹部3cは、平坦な部位に形成し、湾曲する部分にはウォッチ本体部2が位置しないようにしている。このように湾曲する部分にはウォッチ本体部2が位置しないので、例えばスポーツウォッチ1を手首に着脱する際にバンド部3の両自由端部位3a,3bを互いに離反するように広げたりしても、ウォッチ本体部2や、当該ウォッチ本体部2とバンド部3との接触部位に課題に負荷がかからない。その結果、ウォッチ本体部2の破損・損傷や、ウォッチ本体部2のバンド部3からの離脱を抑止できるので良い。
本実施形態においても、バンド部3は、例えばエラストマーを用いて形成し、ウォッチ本体部2のケース部15は、エラストマーと樹脂の複合材を用いて形成する。また、例えばケース部15を構成する材質を、バンド部3を構成するエラストマーと見た目が異なるものとするとよい。見た目が異なる材質としては、例えば金属や、異質な材料や、質感が異なるものとするとよい。このようにすると、ウォッチ本体部2とバンド部3とが明確に区分けされるので良い。
また、バンド部3の凹部3cを設けた部位の肉厚を薄くし、ウォッチ本体部2を含めた全体の厚さが厚くなるのを抑制している。例えば、凹部3cを設けた部分は、凹部を設けない部分を連結して一体化する役割を持たせ、当該凹部3cを設けた部分の強度は、ウォッチ本体部2で持たせるようにする。バンド部3の幅は、ウォッチ本体部2との接続部位が最も広く、自由端部位3a,3bの幅は最も狭くし、当該接続部位から自由端部位3a,3bに向けて徐々に狭くする。これにより、薄く・細く・おしゃれなスポーツウォッチ1を提供することができる。
なお、図示省略するが、ウォッチ本体部2の表面には、表示部6を備えている。なおまた、その他の構成並びに作用効果は、上述した各実施形態や変形例と同様であるため、対応する部材に同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図13(b)に示す形態では、図13(a)に示す形態と比較し、ウォッチ本体部2の全長を長くしている。ウォッチ本体部2の長手方向両端は、バンド部3の湾曲し始める部分にかかる長さとする。これに伴い、ウォッチ本体部2のケース部15の長手方向両端側は、バンド部3との接続側に向けて折り曲げた傾斜部位15dとした。この傾斜部位15dは、その厚さを先端に行くほど薄くする。これにより、バンド部3とウォッチ本体部2を含めたスポーツウォッチ1の厚さは、ウォッチ本体部2の中央の平坦な区間が最も厚く、傾斜部位15dの区間では先端に行くにつれて薄くなり、ウォッチ本体部2が存在しない区間では、バンド部3は自由端部位3a,3b側に行くに従って徐々に狭くする。スポーツウォッチ1の幅は、図13(a)に示す形態と同様である。これにより、薄く・細く・おしゃれなスポーツウォッチ1を提供することができる。
さらに、本形態のスポーツウォッチ1は、傾斜部位15dを設けてかっこよさを醸し出しているが、この傾斜部位15dは比較的短くするのが良い。比較的短いとは、例えばスポーツウォッチ1を手首に着脱する際にバンド部3の両自由端部位3a,3bを互いに離反するように広げたりするが、このとき、ウォッチ本体部2の長手方向の両先端等に過大な負荷が加わらないような長さである。係る長さに設定することで、手首への装着時の破損防止を図りつつ、薄く・細く・おしゃれなスポーツウォッチ1を構成することができる。
また、本形態では、スイッチ16は、ケース部15の長手方向の両端の外側に配置した。そして、スイッチ16は、ケース部15に隣接しているため、ケース部15と連続し、一体感を持たせている。
なお、図示省略するが、本形態においてもウォッチ本体部2の表面には、表示部6を備えている。なおまた、その他の構成並びに作用効果は、上述した各実施形態や変形例と同様であるため、対応する部材に同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図16(b)に示す形態では、ケース部15の長手方向両端側を、その厚さを先端先細り状にし、バンド部3の内部に埋め込むようにした。これにより、スポーツウォッチ1を表示部6側から見た場合、ケース部15の全体ではなくケース部15の平坦な矩形状の表面が露出した態様となる。表示部6側から見た場合、ケース部15に対する表示部6の面積が大きくなり、表示部6の存在が目立つ。また、ケース部15の長手方向の両端が、バンド部3内に埋め込まれているため、当該両端は厚さ方向の両側から挟み込まれて保持された態様となり、ケース部15がバンド部3から離脱するのを抑止する。
さらに本形態では、ケース部15の両端の上面側を覆うバンド部3の抑え片3gは、エラストマーの弾性力を利用してケース部15の上面を抑える。そして、抑え片3gをケース部15から離反するように持ち上げることで、ケース部15・ウォッチ本体部2をバンド部3から取り外すことができるようにすると良い。
本形態でも、2個のスイッチ16を、表示部6を挟んで周方向両側に備える。スイッチ16は、ケース部15の長手方向両端に設けられる。そして、スイッチ16は、バンド部3に設けた孔部3eに嵌め込み、外部に出する。スイッチ16は、ケース部15に取り付けられているため、スイッチ16とバンド部3の孔部3eとの嵌め合いによる結合により、ケース部15のバンド部3からの離脱がより確実に抑止できる。
また、デザイン的にも、ユーザが表示部6側から見た場合、スイッチ16とケース部15の露出した平坦な表面とが離反し、間にバンド部3が存在するので、スイッチ16は独立して存在している感じが醸し出されるので良い。なお、その他の構成並びに作用効果は、上述した各実施形態や変形例と同様であるため、対応する部材に同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図14(a)に示す形態では、バンド部3の周方向の中間部位の外周面に、取付部位3fを設ける。取付部位3fは、平坦面に形成する。この平坦な取付部位3fに、ウォッチ本体部2のケース部15を取り付ける。この取付時の固定は、例えば接着材などで固定すると、確実に固定されるので良い。また、好ましくは、ケース部15を着脱自在に取付部位3fに固定するとよい。このようにすると、例えば、バンド部3の形状や色など異なるバリエーションのものを複数用意し、適宜装着するバンド部3を変えることで、その日の感覚・気持ちに合ったスポーツウォッチ1となり、ファッション性が向上する。着脱する構成は、例えば、取付部位3fとケース部15の底面の一方に嵌合穴を設け、他方に当該嵌合穴に挿入可能な突起を設け、突起を嵌合穴内に挿入し両者間の結合により固定し、ケース部15を取付部位3fから離反する方向に引っ張ることで突起を嵌合穴から離脱して取り外すようにすると、簡単な構成で実現できるので良い。
ケース部15は、台形状をベースにしている。取付部位3fと接触するケース部15の底面は、細長な矩形状であり、比較的広い面積で接触する。ケース部15の上面、すなわちスポーツウォッチ1の外周面は、周方向の中央部位に底面と平行な部位と、その平行な部位の周方向両側から徐々に底面に近づく傾斜面部位とを備える。表示部6は、平行な部位に配置され、傾斜面部位の先端にスイッチ16を備える。表示部6の周方向両端は、ケース部15の上面の傾斜面部位に到り、スイッチ16と隣接する。スイッチ16は、矩形状の表面となり、その幅は、表示部6の幅と等しくしている。これにより、表示部6とスイッチ16が帯状に繋がったデザインとなる。なお、その他の構成並びに作用効果は、上述した各実施形態や変形例と同様であるため、対応する部材に同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図14(b)に示す形態では、バンド部3の周方向の中間部位の外周面に、取付部位3fを設ける。取付部位3fは、平坦面をベースにし、スポーツウォッチ1の周方向の片側は、バンド部3の肉厚が徐々に厚くなり上昇する傾斜部3f′を有する。ケース部15は、厚さ方向の断面が扁平な平行四辺形をベースとしている。ケース部15の底面側は、取付部位3fの細長な矩形状の平坦面と、その平坦面の片側に連続する傾斜面に接触する。ケース部15の上面側の平坦面は、バンド部3の外周面と連続する。ケース部15の上面側の傾斜面は、上面側の平坦面の位置から徐々に下降し、バンド部3の取付部位3fに連続する。アシンメトリーな外観となり、ファッション性が向上するので良い。
ケース部15の上面側には、周方向に沿って延びるように、上面側のほぼ全長に渡って表示部6を形成する。つまり、細長な平坦面から傾斜面部に到るように形成する。そして、表示部6の両端に、スイッチ16を配置する。これにより、スイッチ16は、上面側の平坦面と傾斜面という異なる面にそれぞれ1個ずつ設ける。スイッチ16の形状を円形にし、その表面が外に突出する湾曲面とし、ケース部15の表面よりも外に突出させている。これにより、押しやすくなる。なお、その他の構成並びに作用効果は、上述した各実施形態や変形例と同様であるため、対応する部材に同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図15(a),(b)に示す形態は、図14(a)に示す形態と同様に、バンド部3の周方向の中間部位の外周面に、取付部位3fを設ける。取付部位3fは、周方向に比較的長く設け、中央は平坦面に形成し、周方向両端はバンド部3の湾曲形状に沿うように湾曲としている。そして、この取付部位3fに、ウォッチ本体部2のケース部15を装着する。本形態では、ウォッチ本体部2が目立つ態様としている。この形態においても、ケース部15がバンド部3から取り外せるようにすると良い。
また、図15(a),(b)に示す形態は、それぞれ図11(a),(b)に示す形態と同種のコンセプトにおいてケース部15を外部に露出させた形態とも言える。なお、その他の構成並びに作用効果は、上述した各実施形態や変形例と同様であるため、対応する部材に同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図16(a)に示す形態では、バンド部3の中間部分に凹部3cを設け、その凹部3c内にウォッチ本体部2のケース部15を装着する。本形態では、ケース部15は非常に薄型にし、薄型のスポーツウォッチ1を構成する。この形態でも、凹部3cの両内側面は湾曲面3dとし、ウォッチ本体部2の長手方向両端の上面を覆う。また、スイッチ16は、ケース部15の側面に設けた。なお、その他の構成並びに作用効果は、上述した各実施形態や変形例と同様であるため、対応する部材に同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
上述した各実施形態や変形例では、表示部6はバンド部3の外周面或いはウォッチ本体部2の上面と面一にしたが、例えば、当該外周面や上面よりも低い位置にするとよい。表示部6が上面側から奥まった位置に配置されることで、例えば、運動時に使用する道具等がスポーツウォッチ1にぶつかっても、表示部6の周囲に存在するケース部15或いはバンド部3に先に当たり、表示部6は損傷しないようにできるので良い。
[その他の形態(ブレスレットタイプで着脱容易でしっかり固定)]
図17,図18は、それぞれスポーツウォッチ1の別の形態を示している。この形態では、ウォッチ本体部2のケース部15と、バンド部3との連結機構が、スポーツウォッチ1の周方向の長さを可変可能であり、少なくとも周方向の長さが短い基本姿勢において当該長さを固定する固定機能を備える。このスポーツウォッチ1は、その基本姿勢から周方向の長さを長くした開放姿勢を採ると、手首に対して簡単に着脱できる。そして、手首に装着した状態で基本姿勢にし、固定機能を用いてその基本姿勢を保持することで、確実にスポーツウォッチ1の手首からの離脱を抑止できる。
図17に示す形態では、ウォッチ本体部2の外観を構成するケース部15は、扁平で、平面が平行四辺形をベースとして各辺並びに各頂点を弧状に形成している。このケース部15の内部に、計時機能モジュール、バッテリ、その他の機器等を収納する。図示省略するが、ケース部15の表面には、表示部を備える。
バンド部21は、環状で一部が分断された形態としている。バンド部21は、環状の大部分を構成するバンド部本体21aと、分断されて形成されるバンド部本体21aの両端に相手に向けて突出するように設けた連結片21bとを備える。バンド部本体21aの両端21cは傾斜辺となり、平行四辺形のケース部15の長辺に符合可能な形状とする。連結片21bの厚さは、バンド部本体21aの厚さに比べて薄くしている。連結片21bの厚さと、ケース部15の厚さの和が、バンド部本体21aの両端の厚さと等しくしている。さらに、連結片21bは、バンド部本体21aの内周面近傍側に設けている。
また、連結片21bの平面形状は、ケース部15の平面形状を二分割したものと等しくする。これにより、バンド部本体21aの両端に設けた連結片21bを、周方向に延びる側辺同士を突き合わせて形成される領域は、ケース部15の平面形状と等しくなる。当該領域と、バンド部本体21aの両側面で仕切られる空間は、ケース部15の外周面形状とほぼ等しく、ケース部15は当該空間内に収納される。係る状態が基線姿勢である。
そして、連結片21bの先端に、連結片21bの平面と直交する方向に伸びる可動軸22を起立形成し、その可動軸22にケース部15の底面を回転可能に装着する。ケース部15は、一つの対角線上の頂点付近でそれぞれの連結片21bに連結される。バンド部21は、その両端がケース部15を介して連係され、スポーツウォッチ1全体では無端状となる。
上述したように、ケース部15と連結片21bは、可動軸22を回転中心として相対的に回転可能となっている。そこで、図17(a),(b)に示すように、連結片21bの先端が対向するバンド部本体21aの端部に近接し、ウォッチ本体部2のケース部15の一対の長辺が、それぞれバンド部本体21aの端部に近接した状態の基本姿勢から、ケース部15を表示部6の平面に沿って回転させる(図17(c)参照)。そして、略180度回転させると、図17(d)に示すように、バンド部本体21aの両端は大きく離れた開放姿勢となる。そしてこの例では、ケース部15の長手方向の長さと、1個分の連結片21bの長さを足した分だけ、スポーツウォッチ1の周方向の全長が長くなり、スムーズにスポーツウォッチ1の手首への着脱が行える。これによりスポーツウォッチ1の周方向の長さを可変可能な連結機構を構成する。特に、本形態では、ケース部15を細長にしたことにより、開放姿勢の時の離反距離を長くすることができ、より容易に着脱できるので好ましい。
また、この開放姿勢の状態でスポーツウォッチ1を手首に装着し、図17(d)→図17(c)→図17(b)というようにケース部15を逆向きに回転すると、基本姿勢に戻り、手首からの離脱が抑止される。
さらに本形態では、連結片21bの上面の先端に穴23を設ける。また、ケース部15の下面(連結片21bと対向する面)の所定位置には、突起24を設ける。この突起24を設ける位置は、基本姿勢の時、突起24が穴23に嵌まる位置とする。基本姿勢で突起24が穴23に嵌まることで、基本姿勢の状態から不用意にケース部15が回転して基本姿勢が解除されるのを抑止する。つまり係る突起24と穴23とにより、基本姿勢の状態を保持する固定機能を構成する。そして、例えばユーザがスポーツウォッチ1の未装着の手でケース部15を把持し、図17(b)中矢印方向に一定以上の力を加えるとで、突起24は穴23から外れ、ケース部15が回転して上記の通り開放姿勢に至る。突起24と穴23の結合は、例えば、スポーツ等を行っている最中に加わる力では解除されず、例えばユーザがケース部15を把持して意図的に回転させる力を加えた場合に解除されるように設定する。
本形態では、ケース部15の回転操作による基本姿勢と開放姿勢の遷移により、スポーツウォッチ1を手首に簡単に着脱することができ、また、手首に装着した状態では突起24と穴23との結合によりしっかり固定でき、例えばスポーツの最中に不用意にスポーツウォッチ1が外れることがない。さらに、一般的な時計では、環状のバンド部の中間、すなわちウォッチ本体・ケース部の反対側にDバックル等の留め具が配置されるが、本形態ではバンド部本体の中間に係る留め具等の部材がなく、ブレスレッドのような態様となり、おしゃれで見た目もすっきりとし、スポーツ時以外も装着したいと思わせるものである。
図18に示す形態では、ウォッチ本体部2・ケース部15の平面形状を円形にしている。これに伴い、連結片21bの平面形状も半円をベースとした形状にしている。また、バンド部本体21aの両端を、ケース部15の円周に符合するように円弧状に形成している。なお、その他の構成並びに作用効果は、上述した図17に示す形態と同様であるため、対応する部材に同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図19は、スポーツウォッチ1の別の形態(ブレスレット型機器1)を示している。この形態のスポーツウォッチ1は、第三実施形態等と同様に、周方向に連続した環状のバンド部3にウォッチ本体部2を装着する。バンド部3の両先端の自由端部位3a,3b同士は、離反している。ウォッチ本体部2は、表示部6を挟んで周方向両側にスイッチ16を備える。
バンド部3は、エラストマー,樹脂等の弾性と復元力を有する材料で形成する。着脱操作は、例えば、ユーザが自由端部位3a,3bを持って所定の方向に付勢してバンド部3を広げて手首に装着し、装着後は係る付勢を解除することで行う。バンド部3の内周面の寸法形状を、あらかじめ手首よりも小さめに作製するとよい。このようにすると、バンド部3は手首にフィットし、ホールド性を高めることができるので良い。またバンド部3は、軽量で柔軟性に飛んだ素材、例えば超弾性ポリアミド樹脂などを用いると良い。このようにすると、よりスポーティとなり、軽くて装着感も良いのでスポーツウォッチとして好ましい。
本形態のスポーツウォッチ1は、デザインは曲面を基調とし、金属を切削加工したような一体感のあるシームレスデザインとした切削加工は、例えば削り出しである。実際に金属を切削加工するのではなく、シボ加工した表面にメッキ処理等を施し、金属製の感じを出させる。色は、例えばシルバーなどを用いると良い。シームレスデザインは、例えば継ぎ目,パーティングラインがないデザインである。シームレスで材とすると、金属を切削加工した感じが出るので良い。
バンド部3には、内外に貫通する開口部3hを設ける。開口部3hは、周方向に沿って延びる細長な形状とし、バンド部3の多くの領域に形成する。これにより、スポーティな印象や軽快感を醸し出すことができ、若い世代の競技志向の強いアスリート・コルファーなどがプレー中に装着するのに適する。
図20は、スポーツウォッチ1の別の形態(ブレスレット型機器2)を示している。この形態のスポーツウォッチ1は、図19に示す形態などと同様に、周方向に連続した環状のバンド部3にウォッチ本体部2を装着する。ウォッチ本体部2は、平面形状が円形で、表面は中央が突出する曲面としている。表示部6をカバーする表面は、レンズ部を備え、表示内容を拡大して見えるようにしている。また、本形態では、このレンズ部は、操作部の機能も備えている。レンズ部を押し込み可能としており、当該レンズ部を例えば短押/長押/二度押し等の異なる態様で押すことで、各種の指示を入力するようにしている。各種の指示の一つとしては、例えば、バックライトを点灯するものとするとよい。また、レンズ部が押されることで押されるスイッチ部16aは、例えば、表示部6の円形部分の下方領域に設ける。
バンド部3は、例えばシリコーン樹脂などにより形成し、肉厚が薄く、周方向に幅もほぼ等しくしている。バンド部3の両先端の自由端部位3a,3b同士は、その先端部において厚さ方向で重なるようにしている。自由端部位3a,3bが、例えば磁力を利用して相対位置を固定するようにするとよい。バンド部3は、シリコーン樹脂のように弾性変形可能で、バンド部3の内周の寸法形状を容易に調整できる材料で形成するとよい。このようにすると、ユーザの手首にフィットした状態で装着されるので良い。そして、その状態は、本形態では例えば磁力を用いて保持される。このようにするとフリーサイズに対応できるので良い。磁力を用いた固定は、例えば自由端部位3a,3bの少なくとも一方に永久磁石を実装し、当該永久磁石に磁気吸着・吸引される部材(例えば、永久磁石や磁性材料等)を他方に実装する。
また、永久磁石或いは当該永久磁石に磁気吸着・吸引される部材は、バンド部3の周方向に複数箇所点在させると良い。このようすると、永久磁石と当該永久磁石に磁気吸着・吸引される部材とが対向する位置でしっかりと固定され、段階的に手首周りの異なるサイズに対応できるのでよい。
この形態のスポーツウォッチ1は、操作部もレンズ部に組み込むようにし、通常の時計で存在するベゼルのボタンなどもなく、全体としてシンプルなシルエットとし、近未来を意識させるデザインとしている。実現できそうで新しく、保守的な人でも理解でき、取っ付きやすく、あまりに斬新で新しすぎて嫌われないデザインとしている。
図21は、スポーツウォッチ1の別の形態(ブレスレット型機器3)を示している。この形態のスポーツウォッチ1は、図20に示す形態(ブレスレット型機器2)を基本とし、ウォッチ本体部2をバンド部3に着脱可能に装着する構成とした。これにより、例えば、メーカーは、バンド部3として複数のカラーバリエーションのものを用意する。そして、ユーザは、ジャケットを取り替えるような感覚で、ウォッチ本体部2を異なるバンド部3に着せ替え、オリジナルのスポーツウォッチを演出することができる。ユーザは、その日の気分や、ファッションのコーディネートに合わせて、様々なスポーツウォッチを装着できるので良い。
例えば、メーカーはウォッチ本体部2と、バンド部3を別々のユニットとして販売したり、例えばスポーツウォッチを販売しつつ、交換用のバンド部3やウォッチ本体部2をさらに販売したりする。また、同じバンド部3に対してウォッチ本体部2を交換するようにしても良い。例えば、機能の異なるウォッチ本体部2を用意し、使用する状況に応じて適切な機能のウォッチ本体部2をバンド部3に装着してスポーツウォッチ1を形成すると良い。
異なる機能のウォッチ本体部2は、例えば、通常の時計や、ゴルフ場に携帯しプレー中にグリーン等の目的地点までの距離を報知したり、打った地点を登録したりする機能を備えたゴルフナビや、水泳やマリンスポーツ時に使用する防水性の高い時計や、スキューバダイビング時に使用するダイバーズウォッチなどがある。
図22以降は、スポーツウォッチ1のさらに別の形態を示している。この形態のスポーツウォッチ1は、ウォッチ本体部2の手首への装着構造を異ならせている。一般的な腕時計を装着する際、ベルトの長さを調整する必要がある。係る調整作業は煩雑であり、手首にフィットしない場合もある。また、腕・手首の太さの違いから、同じ時計を複数の人間が使用する場合、常にベルトの長さを調整する必要があり、煩雑さが増すという課題がある。また、同一人が使用する場合でも、体型の変化によりベルトの長さの調整が必要な事態を招くので、上記と同じ課題を生じる。さらに、腕時計はベルトがついているため、コンパクトに収納することができないという課題もある。手首から取り外した状態で持ち運んだり、収納したりする時に邪魔になるという課題もある。
本形態は、上述した各種の課題に鑑みてなされたものである。具体的な構成は、ウォッチ本体部2を、巻取式ベルト構造30を用いて手首に装着するようにしている。巻取式ベルト構造30は、ウォッチ本体部2の側面の所定位置に取り付けた巻取機構部31と、接続コネクタ部32を備える。巻取機構部31と接続コネクタ部32は、ウォッチ本体部2を挟んで両側面に対向する位置に設ける。
巻取機構部31は、矩形の筐体33内に回転自在に実装した回転軸34に、ベルト35を巻き付けるとともに、回転軸34の端部にゼンマイ36等の駆動源を連結する。ベルト35の回転軸34と非接続側の先端には、ジョイント部38が取り付けられている。ベルト35が回転軸に巻き取られて筐体33内に収納された状態では、ジョイント部38は、筐体33に設けた収納部33aのスペースに収まる。
筐体33の両側面には、ロックボタン37が配置される。ロックボタン37の操作により、回転軸34をロック状態にする。アンロック状態では、ベルト35を引き出す力を加えると、回転軸34が回転しながらベルト35が引き出さられ、当該引き出す力を解除するとゼンマイ36の作用により回転軸34が逆方向に回転しベルト35が回転軸34に巻き取られて筐体33内に収納される。また、ベルト35を引き出して適宜の位置でロックボタン37を操作してロック状態にすると、ベルト35はその引き出された長さで固定される。なお、ロック状態からアンロック状態の切り替えは、例えば、ロックボタン37の操作により行うようにしても良いし、ロック状態のベルト35を引き出すことでロックが解除される機構としても良い。
ジョイント部38は、接続コネクタ部32に着脱可能となっている。ジョイント部38を接続コネクタ部32の筐体40に形成した開口から挿入すると、ロック機構によりジョイント部38と接続コネクタ部32が連結された状態が保持される。筐体40の側面に設けたアンロックボタン41を押し込むと、ロック機構が解除されて接続コネクタ部32とジョイント部38との接続が解除され、離脱可能となる。
本形態のスポーツウォッチ1を装着する場合、図24に示すように行う。まず、ユーザは、ジョイント部38を筐体33から引き離す方向に力を加え、ベルト35を筐体33から引き出す(図24(a)参照)。ユーザは、ベルト35をさらに引き出しながら、ベルトを腕(例えば左手)に巻く(図24(b)参照)。次いで、ジョイント部38を接続コネクタ部32に挿入する。この挿入に伴い、ロックがかかりジョイント部38と接続コネクタ部32が連結した状態で保持する。
ジョイント部38を接続コネクタ部32に固定した状態で、ユーザが、ベルト35から手(例えば右手)を離すと、ゼンマイ36を駆動源とする巻取機構部31は、ベルト35の余分に引き出された分を巻き取る(図24(c)参照)。引き出されたベルト35の長さは、装着した腕の寸法にあった適切な長さとなる。このように、本形態では、巻取式にすることで、無段階でベルトの長さの調整が可能となるので良い。
巻取機構にてちょうど良いところまでベルト35を巻き取ったならば、ユーザは、ロックボタン37を押す。このロックボタン37の押下に伴い、巻取機構はロックし、ベルト35はそのときの長さで固定される(図24(d),(e)参照)。
本形態のスポーツウォッチ1を脱離する場合、図25に示すように行う。ユーザは、接続コネクタ部32のアンロックボタン41を押す(図25(a)参照)。係る押下に伴い、接続コネクタ部32とジョイント部38との接続が解除され、ジョイント部38は接続コネクタ部32から離脱する(図25(b)参照)。巻取機構部31は、ベルト35を巻き取る。巻取機構部31が筐体33内にベルト35をすべて巻き取ると、ジョイント部38は巻取機構部31の筐体33に設けた収納部33aのスペースに収まる(図25(c)参照)。
本形態では、ベルトが自動的に巻き取られるようにしたが、手動により巻き取る形式としても良い。ただし、本形態のように、自動的に巻き取る方式の方が、ベルト35を簡単に収納できるので好ましい。
本形態では、ロックボタン37の操作に伴うロック機構を設け、ベルト35の長さを任意の長さでロックすることができ、ベルト35が延びすぎたり、巻取機構によるテンションがかったりしないので好ましい。
巻取機構部31の筐体33や、接続コネクタ部32の筐体40の形状を適宜に設定し、巻取機構部31にベルト35を巻取って収納した状態で、立てて置き時計として使用可能にすると良い。置き時計として使用する場合、例えば、巻取機構部31と接続コネクタ部32の両方で支持するようにしても良いし、いずれか片方で支持するようにしても良い。両方で支持する方が安定して良い。一方、片方(例えば巻取機構部31)で支持する場合、接続コネクタ部32を小型軽量化できるので良い。例えば巻取機構部31で支持する場合、巻取機構部31とウォッチ本体部2が設置面等に接し、起立状態を維持するようにすると良い。
また、例えば、巻取機構部31に磁石を装着し、金属に取り付けるようにしても良い。このようにすると、例えば壁掛け時計のような態様として使用することができる。また、ベルト35のジョイント部38を、当該ジョイント部38と連結可能なコネクタ構造を持ったのアイテムに装着することにより任意の場所にぶら下げることもできる。これにより、例えば壁掛け時計のような態様での使用や、非使用時の保管が容易に行える。
ジョイント部38に磁石を設け、その磁石を利用して巻取機構部31に固定するようにするとよい。係る構成を採ると、スポーツウォッチ1のみ装着時で鞄などに収納している時などにおいて不用意にベルト35が引き出されるおそれがなくなるので良い。
ベルト35は、例えば不織布・フェルトなど、薄くて丈夫な素材で構成すると、装着感が良く、スポーツ時に装着しても邪魔にならないので良い。係る素材で形成すると、巻取機構も小型化が可能であるのでなお良い。
上述した各実施形態や変形例並びに各形態等に示したスポーツウォッチは、例えばゴルフ場などでプレーするに際し、携帯してグリーンまでの残り距離や、実際にボールを打った際の飛距離などのゴルフプレー等に関する情報を報知するゴルフナビ機能を備えたものに適用すると良い。本形態のスポーツウォッチ1は、当該ゴルフナビ機能が動作するゴルフナビモードと、通常の時刻等を表示する時計モードを備える。各モード詳細については、後述する。
[スポーツウォッチの別の形態(ゴルフ用)]
図26以降は、スポーツウォッチ1のさらに別の形態(ブレスレット型機器4)を示している。このスポーツウォッチ1は、ウォッチ本体部2と、そのウォッチ本体部2を手首,腕等(以下、単に「手首」と称する)に取り付けるためのバンド部3とを備える。ウォッチ本体部2並びにバンド部3の周方向と直交する方向の幅は、全長に渡りほぼ均一としている。これにより、ウォッチ本体部2とバンド部3の一体感が増し、スポーツウォッチの全体がブレスレットのような態様にできてファッション性が向上するので良い。細幅にしているため、手首に装着しても、クラブのスイング・ショット等のゴルフをプレーする際の邪魔にならないので良い。
バンド部3は、例えば樹脂製であり、軽量で柔らかい材質で形成すると良い。これにより、カジュアルで柔かい、軽快な着け心地のスポーツウォッチ1となる。バンド部3の両先端の自由端部位3a,3b同士は、その先端部において厚さ方向で重なるようにしている。バンド部3の一方の自由端部位3aには、金属製のバックル51を設け、バンド部3の他方の自由端部位3bには、周方向に沿って複数の孔部52を設ける。バックル51は、孔部52に挿入する突起状の留め具51aを有する。ユーザは、バンド部3を手首に填め、複数の孔部52の内の適宜の孔部52に留め具51aを挿入・固定することで、適切なバンド長にしてスポーツウォッチ1を手首に装着する。本形態のバンド部3の自由端部位側での固定は、バックル51等を用いているが、この固定構造を上述した各実施形態や変形例等に示す各構造を適用しても良い。以下に説明する表示部に表示等する制御部の機能を、上述した各種のスポーツウォッチに実装しても良い。
ウォッチ本体部2の表面側には、表示部6を設ける。表示部6は、細長な長方形とし、例えば、短辺の長さ(S1)が7mm、長辺の長さ(S2)が30mmとした。また、表示部6は、例えば1.1インチディスプレーのモノクロの液晶ディスプレーを用いると良く、表示ドット数は、例えば短辺が38ドット程度で、長辺が184ドット程度とする。
ウォッチ本体部2の内部の図中右側には、入力機器の一つであるGPSアンテナ部7b′を備える。このGPSアンテナ部7b′は、GPS衛星からの電波を受信し、現在位置を取得する。
本形態では、複数の操作ボタンを、ウォッチ本体部2の片側・同じ側面側に設けている。同じ側面は、ウォッチ本体部2の長手方向に沿った一方の側面であり、例えば図26(d)に示すように、スポーツウォッチ1を手首57に装着した場合に、手の甲58と反対側に位置する側面に、複数の操作ボタン(ここでは、右ボタン53と左ボタン54であるが、設置数は任意)とすると良い。このようにすると、例えばゴルフクラブをスイングする際等のゴルフのプレー中等において、例えば手首を折り曲げた際に、手の甲58等が右ボタン53や左ボタン54に接触しないため、誤動作を防止できる。これに対し、手の甲側にボタンが配置すると、プレー中に手首を折った場合等に手の甲58等がボタンを押してしまい、誤動作するという課題がある。スポーツウォッチ1を手首57に装着した場合に、手の甲58側に位置する側面に、操作ボタン、特にプッシュ式のボタンを設けないようにすると良く、本実施形態手は、係る課題を解決するものである。
本形態のように、手の甲58と反対側に右ボタン53、左ボタン54を配置すると、スポーツウォッチ1を装着していない反対側の手の親指で操作しやすくなるので良い。例えば、当該反対側の手の親指と人差し指でウォッチ本体部2を挟むような姿勢をとった場合、右ボタン53や左ボタン54を配置した側面に親指が来る。よって、ユーザは、例えば当該親指で、右ボタン53や左ボタン54を自然・容易にプッシュすることができ、操作性が向上する。本形態のように複数のボタンが同じ面にあった方が、親指を移動しながら右ボタン53や左ボタン54のいずれかを押すことができるのでよい。例えば、後述するように、左ボタン54を押してから右ボタン53を押すなど、異なるボタンを一連の操作で押すような場合もスムーズに操作できるので良い。
本形態では、右ボタン53は、選択項目の変更やメニューの選択に使用し、左ボタン54は、電源ON/OFF、決定や地点登録に使用する。電源OFFの状態で左ボタン54が長押し(例えば3秒以上)されると、制御部は電源をONにする。係る処理を行えるようにするため、電源OFFの状態でも少なくとも左ボタン54の長押しを検知する機能部分は起動している。この電源ON時の初期画面は、時計モードにするとよい。このように時計モードを初期顔面にする制御を行うことで、例えば、時計としての普段使いをするのに適する。また、時計モードにおいて、右ボタン53が1回押されると、制御部は電源OFFモードに移行し、その電源OFFモードの状態で、左ボタンが長押し(例えば約2秒以上)されると、制御部は、シャットダウン画面を表示し、電源をOFFにする。このように、一旦電源OFFモードを介在させることで、不意・不用意に電源がOFFに鳴ることを抑止する。
図26(b),(e),(f)などに示すように、ウォッチ本体部2の背面側には、microUSB端子56が設けられ、そのmicroUSB端子56は、端子カバー55で閉塞される。microUSB端子56は、ウォッチ本体部2の内部に配置された充電回路や通信回路と接続している。このmicroUSB端子56に図示省略のUSB接続ケーブルのコネクタを接続し、例えばAC電源等からの電力供給を受け、内部の二次電池を充電したり、パソコンと接続してデータ通信等を行ったりする。内部の二次電池は、例えば、DC3.7Vの充電式リチウムイオン電池を用いると良い。充電機能は、例えば、3時間で満充電にする。ゴルフナビモードで使用時は、満充電の状態から約8時間動作し、時計モードで使用時は満充電の状態から約140日動作する。
スポーツウォッチ1は、JIS IPX7準拠の防浸形設計で形成される。端子カバー55に隙間や浮きがない状態で装着することで、IPX7準拠の防水機能を発揮する。IPX7準拠の防浸形設計としたので、汗にも強くスポーツウォッチ1として有益な機能を有する。
[シンプル操作]
本形態のスポーツウォッチ1は、シンプル操作のブレスレットウォッチとしている。印プル操作は、例えば同じボタンに対するワンタッチ操作を行うことで、表示画面を切り替える機能を備える。同じボタンは、本形態では右ボタン53である。当該切り替える機能により表示する表示画面は、例えば図27に示すように、「左グリーンまでの残り距離」、「右グリーンまでの残り距離」、「飛距離」、「現在時刻」の4つとした。
例えば、腕時計タイプでは無いゴルフナビ機能を備えた携帯型の電子機器の場合、上記の4つの情報に加え、その他の情報も一つの画面に表示するものがある。スポーツウォッチ1の表示部6は、当該携帯型の電子機器に比べて表示面積が小さいため、携帯型の電子機器で報知していた情報を一つの画面中に一度に表示することができない。また、スクロール方式等で順次表示部6に各種の情報を表示すると、表示された文字・数字等が小さい画面中を移動していくので、かえって見づらいとともに、必要な情報が通り過ぎていき注視して確認することができない。また、各種の情報を一度に表示できるように画面サイズを大きくすると、ゴルフのプレー、例えば、スイング等をするのに邪魔になるという課題がある。
そこで、本形態では、ブレスレットタイプで表示部6の表示面積は細長で小型化しつつ、必要な情報は容易かつ確実にユーザが理解できるように報知し、一目で見やすい画面にした。ユーザがプレーのシチュエーションに応じて必要な情報毎に切り分け、切り分けた一つの単位に含まれる情報は一度に表示するようにした。これにより、ユーザは、そのとき必要な情報を一画面で確認でき、見やすくなる。シチュエーションに応じて必要な情報は、例えば、ボールを打つ前に知りたい情報や、ボールを打った後に知りたい情報や、プレー中に知りたいその他の情報などがある。
ボールを打つ前に知りたい情報は、例えば、グリーンまでの距離や、バンカー・池その他のハザードまでの距離等がある。得られる情報が多いにこしたことは無いが、報知する種類・項目が増えると、表示画面を切り替える操作が煩雑となる。そこで、ボールを打つ前に知りたい情報は、グリーンまでの距離に限定した。また、当該グリーンまでの距離は、右グリーンまでの距離と左グリーンまでの距離がある。実際のプレー時において必要な情報は、当日使用しているグリーンまでの距離であり、左グリーンまでの距離と右グリーンまでの距離のいずれか一方となる。そこで、本形態では、一度に見るべき必要な情報の単位として、「左グリーンまでの距離」と「右グリーンまでの距離」にわけるようにした。これにより、表示面積が小さい表示部6であっても、実際のプレー時に必要なグリーンまでの残り距離に関する情報を一度に見ることができるので好ましい。グリーンまでの残り距離表示は、一つのグリーンのみを表示するようにし、複数のグリーンまでの残り距離を同時に表示しないことを特徴とする。各グリーンまでの距離の表示は、グリーンセンターまでの距離とグリーンエッジまでの距離の2つの残り距離を同時に表示するようにした。
ボールを打った後に知りたい情報は、例えば飛距離に関する情報等がある。さらに、プレー中に知りたいその他の情報は、例えば、現在時刻等がある。ユーザは、現在時刻を知ることで、スタートしてからどれくらいの時間を経過しているかを認識し、遅れ気味か、順調にプレーできているかを確認したり、9ホール或いは18ホール等の終了時刻の予想をしたりすることができる。また、現在時刻は、スポーツウォッチ1の基本機能である時刻を報知するものとしてもよい。
このように本形態では、画面を切り替えながら報知する情報・表示画面の内容を、「左グリーンまでの距離表示」、「右グリーンまでの距離表示」、「飛距離表示」、「現在時刻表示」の4つに絞り込んだことを特徴としている。これにより、ユーザは、表示画面の切り替え操作を行っても、少ない操作回数で必要な情報を表示させることができる。なお、1グリーンのホールでは、当該1グリーンまでの距離は、「左グリーンまでの距離表示」の表示画面で表示し、「右グリーンまでの距離表示」は表示しない制御を行う。よって、1グリーンのホールでは、3つの表示画面を切り替えて表示する。
上述したように、本形態では、右ボタン53のプッシュ操作に基づき制御部が表示部6に報知する表示画面の切り替えを行うようにしたため、簡単な操作でプレーの邪魔にならず、ユーザは、操作を忘れずに行い必要な情報の確認を行えるので良い。本形態では、画面の切り替えの契機となるプッシュ操作が、同じボタンを一回押す操作としたので、より簡単となるのでよい。
また、本形態では、タッチパネルなどの画面をタッチして指示を与える入力手段を設けないことも特徴としている。例えば、表示画面の所定領域をタッチすることで、タッチされた部分に表示された情報に関連する別の情報を表示する画面に遷移したり、画面上に重ねて表示したりする機能を備えてもよいが、本形態では、係る機能を設けないことで、シンプル操作で使い勝手のよいスポーツウォッチ1としている。
ゴルフナビ機能における画面遷移は、以下のように実行する。ゴルフナビモードの起動に伴い、スポーツウォッチ1の制御部は、「左グリーンまでの距離表示」の表示画面を表示部6に表示し(図27(a)参照)、以後、右ボタン53が1回押されることに伴い、「右グリーンまでの距離表示」(図27(b)参照)、「飛距離表示」(図27(c)参照)、「現在時刻表示」(図27(d)参照)を順に切り替えて表示し、「現在時刻表示」の状態で右ボタン53が押されると「左グリーンまでの距離表示」を表示する。このように、本形態では、右ボタン53を押すことで表示を決められた順番で切り替え画面遷移し、例えば、「右グリーンまでの距離表示」の次に「左グリーンまでの距離表示」に切り替えるというような後戻りをしないようにしている。係る表示画面を後戻りする機能を設けないようにすることで、その後戻りをするための操作の割り当てが不要となり、画面の切り替えは右ボタン53をワンプッシュするという簡単な操作で行えることを実現できるようにした。仮に、当日の使用グリーンが左グリーンの場合であって、「左グリーンまでの距離表示」を表示しているときに誤って右ボタン53を押して「右グリーンまでの距離表示」に画面が切り替わった場合、本形態では、右ボタン53を3回押し、上述した決められた順番で画面を切り替え、「左グリーンまでの距離表示」を表示することになる。
「右グリーンまでの距離表示」から「左グリーンまでの距離表示」に戻る逆回りの切り替える機能を設けると、上述したように押し間違えたときに便利ではあるので良い。しかし本形態では、操作ボタンは、右ボタン53と左ボタン54の2つしかなく、タッチパネル等も設けていないので、通常の画面遷移のための右ボタン53のワンプッシュと異なる画面遷移を逆に行うためのボタン操作を設定しなければならず煩雑で、仮に設定できたとしても異なる操作をユーザが覚え、プレー中に正しく行うのも難しく、適切に元の表示画面に戻すことができないおそれがあり、かえって使い勝手が悪くなる。画面を逆回りに切り替える機能を実現するためには、簡単な操作で画面を戻すための別途のボタンを設けたり、タッチパネル等の入力手段を設けたりすると良いが、構成が複雑で、プレー中に異なる操作を行うのは煩雑となるので好ましくない。これに対し、本形態のスポーツウォッチ1のように、右ボタン53のワンプッシュで画面を切り替えるようにすると、シンプルな構成・シンプルな操作となるので好ましい。また、画面を4つに絞り込んだため、たとえ上述したように誤って1回プッシュボタンを多く押して「右グリーンまでの距離表示」に切り替わったとしても、3回押すだけで正しい「左グリーンまでの距離表示」に戻すことができるので良い。
また、表示画面は自動的に切り替わるのでは無く、ユーザの右ボタン53のプッシュ操作を契機として行われるため、ボタンが押されない限り、現在表示している表示画面が維持される。よって、例えば、飛距離の報知が不要なユーザであれば、左または右の本日使用するグリーンまでの距離表示画面を表示することで、現在位置からのグリーンまでの距離を常に表示させることができるので好ましい。
[自分好みの表示方法にカスタマイズする機能]
スポーツウォッチ1の制御部は、図28(a),(c)に示すように、表示部6に横表示で表示する機能と、図28(b),(d)に示すように、表示部6に縦表示で表示する機能を有する。また、制御部は、図28(a),(b)に示すように、表示部6に黒の背景色に白色文字で表示する機能と、図28(c),(d)に示すように、表示部6に白の背景色に黒色文字で表示する機能を有する。後述するように、いずれの態様で表示するかは、モード設定に従って行われる。このように、ユーザは、自分の好みの表示方法で表示することができる。
例えば、図28に示すように、グリーンまでの距離表示画面に表示する情報は、現在のホールナンバー(図では、「1」)と、グリーンセンターまでの距離(図では、「371」)と、グリーンエッジまでの距離(図では「362」)と、打数(図では「0打」)等がある。本形態のスポーツウォッチ1は、ブレスレットタイプなので、表示部6の表示画面は、細長い。
図28(a),(c)に示すように、横表示モードは、細長な表示部6を横長に使用し、各情報を横書きで、横並びに表示するレイアウトである。各情報は横長の表示領域に、各数字が左から順番に横書きで綺麗に収まるので良い。係る横表示の表示方法では、例えばユーザは前腕を前に突き出したような姿勢をとると、横書きで横並びに配置された各数字を正しい向きで見ることができる。
図28(b),(d)に示すように、縦表示モードは、細長な表示部6を縦長に使用し、グリーンセンターまでの距離、グリーンエッジまでの距離、打数などの各情報単位で数字は横書きにしたものを上下に並べて表示するレイアウトである。ユーザがスポーツウォッチ1を装着した腕を、普通に時計を見るように前腕を自分の正面と略平行にした姿勢にすると、表示部6は縦長の状態になる。そこで、普通に腕時計を見る姿勢の縦長の画面で、各情報を表す数字がうまく見えるようにした。
人間の習性として、縦書きの場合上から順番に情報を認識し、横書きでは一度に認識するので、その習性を利用して、ホールナンバー、残り距離(グリーン中央)、残り距離(グリーンエッジ)、打数の順番に配置した。これにより、表示部6を横長の状態で見る横表示と、縦長の状態で見る縦表示のいずれの状態においても、ユーザは、一画面で表示された各情報をスムーズに認識することができるので良い。特に、横表示モードにすると、ホールナンバー、残り距離(グリーン中央)、残り距離(グリーンエッジ)、打数といった各情報を表す数字が横書きで一列に並び、横書きでは一度に認識すると言った習性と相まって、ユーザは、より素直に情報を取得・認識できるので良い。また、後述するように、横表示モードでは、グリーンセンターを示すアイコン(図では、○に「+」を重ねたマーク)や、グリーンエッジを示すアイコン(図では、「_」の上に▽を置いたマーク)をそれぞれの距離を表す数字の前に配置し、横一列に並んで表示しているため、アイコンと数字が一体化し、残り距離を表す意味(ここでは、センターかエッジか)を容易に理解することができるので好ましい。これに対し、縦表示モードでは、係るアイコンは数字の上にのせ2段に表記しているため、一体感は横表示モードより少し劣る。
本形態によれば、スポーツウォッチ1の表示部6を見るときの姿勢、特に表示部6の向きに合わせて適切な縦・横表示にし、また、黒背景と白背景を適宜切り替えることで、自分好みの表示方法にカスタマイズすることができる。
[時計モード]
図29は、時計モードにおける表示例を示している。本形態のスポーツウォッチ1は、ゴルフナビ機能を使用していない時に、通常時計として使用する機能を有する。時計モードにおいても、図29(a),(b)に示すように横表示で表示する機能と、図29(c)~(e)に示すように縦表示で表示する機能を有する。縦表示モードの表示の一例である図29(c),(d)は、制御部が表示部6に対して図29(a),(b)の横表示モードの表示と対比してどのように変更するかを示す図であり、図29(e),(f)は、縦表示モードにおける実際の使用状況にあわせて表示部6を縦長にしたイメージを表している。
時計モードは、12時間表示で時刻を表示する12時間表示機能(図29(a),(c),(e)等参照)と、24時間表示で時刻を表示する24時間表示機能(図29(b),(d),(f)等参照)を備える。時計モードで動作中において、左ボタン54が押された場合、制御部は、12時間表示と24時間表示を交互に切り替える。例えば、図29(a)に示す横表示の12時間表示を行っている状態で左ボタン54が押されると、制御部は、図29(b)に示す横表示の24時間表示に切り替える。その後、さらに左ボタン54が押されると、制御部は、図29(a)に示す横表示の12時間表示に切り替える。
図29(a),(b)に示すように、横表示の場合、左側に月日曜日表示領域61を配置し、表示部6の右端に時刻表示領域63を配置するレイアウトを採る。12時間表示機能の場合、それらの間に午前・午後表示領域62を配置するレイアウトとしている。午前・午後表示領域62は、12時間表示の際にAM(午前)・PM(午後)を表示する表示エリアであり、画面の下半分の部分に表示する。24時間表示機能場合、午前・午後表示領域62の領域には何も表示しない。月日曜日表示領域61は、月日と曜日を表示する表示エリアである。月日と曜日を上下二段に配置し、曜日は英語の三文字の略語で表記する。月日と曜日は、月日曜日表示領域61に対し、左詰めで表示する。よって、図示の例では、月日の先頭の文字の「7」と、曜日の先頭の「S」が上下で揃った位置となる。月日は、「/」を入れて最大5文字となるので、月或いは日が2桁の場合、日については午前・午後表示領域62に表示されるPM/AMの上側の領域に進入した状態で表示する。時刻表示領域63は、現在の時刻を表示するエリアである。時刻は、右詰めで表示する。
図29(c),(d)に示すように、縦表示の場合、上記の横表示とは相違し、表示部6の横長に見た場合の右端に月日曜日表示領域61を配置し、その月日曜日表示領域61の左隣に時刻表示領域63を配置し、その時刻表示領域63の左隣に午前・午後表示領域62を配置するレイアウトとしている。月日曜日表示領域61と時刻表示領域63は、それぞれ2段に分けて表示する。時刻表示領域63は、現在時刻を「時」と「分」に分け、左からその順で配置し、各数字は左横に倒した状態とする。月日曜日表示領域61は、「曜日」と「日」に分け、左からその順で配置し、各文字は左横に倒した状態とする。縦表示モードでは、「月」の表示は省略する。「月」の表示を省略したのは、表示スペースの関係からであり、全てを表示すると、各文字が小さくなり見づらくなるという問題がある。そこで、最も重要性の低い「月」の情報の報知を省略し、表示する情報は見やすくするようにした。これにより、縦表示モードは、図29(e),(f)に示すように、表示部6を縦長に配置した状態では、各数字・文字は横書きで、縦に並んだ状態で配置される。
横表示モードと縦表示モードでは、3つの領域にわけ、領域単位で縦横変換して表示し、各領域の配置順番も適切に変えることで、いずれのモードでも見やすく、ユーザは必要な情報をスムーズに認識・取得することができる。
上述したように、本形態では、横表示モードと縦表示モードで、各領域の配置順番を変えている。例えば、横表示モードでは、「日付」,「時刻」の順番に並べるのに対し、縦表示モードでは「時刻」,「日付」の順番に並べている。これは、時計を見た瞬間に最も見たい情報は時刻であり、時刻と日付のそれぞれを横書にしたものを縦に並べているので、ブロック毎に区分けして認識されやすく、縦表示の場合上から順番に見ていく習性があるので、時刻を表示す時刻表示領域63が上に来るレイアウトとした。そして、12時間表示の場合、「午前〇〇時」や、「午後△△時」のように午前と午後の区別をしてから、「時」,「分」と続くため、その流れに合わせて縦長に見た場合に午前・午後表示領域62が上になるようにした。
また、本形態のように、縦表示で月日曜日表示領域61を右側、すなわち、縦長の状態で下側に配置すると、時刻の数字と、日付の数字の間に曜日を表す英文字が介在することになり、両者を区別しやすくなる効果も奏するので良い。
一方、横表示の場合、ユーザは、横並びに表示された各情報が一目でぱっと見え、同時に全ての情報が入ってくるので、左側に時刻を配置しなければならない必然性は無い。そして、以下に示す理由から、時刻は右に決めた方が見やすい。時刻は、「HH:MM」で表記する。Hは、「時」を表しており1桁或いは2桁であり、Mは「分」を表し2桁である。従って、時刻を右側に配置し、右詰めで表示した場合、表示態様は図29(a)或いは(b)となり、表示画面の右端に綺麗に収まるように配置できる。また、その時刻の左側には、空白の領域ができ、時刻の部分が浮き出て目立つので、より重要な情報を認識しやすくなるので良い。一方、日付を右側に配置すると、見づらい。これは、日付は「MM/DD」(Mは月を表し、Dは日を表す)で表現されるが、月と日のいずれも1桁と2桁の場合がある。右寄せにすると、表示している幅が、3文字分~5文字分と大きく変動する。これに対し、日付の下に記載する曜日は、3文字で固定となる。すると、曜日と日付の先頭を合わせると、曜日の後から表示画面の右端までの間に空白があき、右揃えにすると先頭が揃わないので、バランスが取りにくい。さらに、月日が5文字で表される場合、その前に配置する時刻と接近しすぎるので、係る点に鑑みても見にくくなる。これらのことから、日付を左に配置して左詰めにし、幅がほぼ固定の時刻を右側で右詰めにするとバランス良く配置できるのでよい。曜日と日付は左詰めすることで、日付の文字数に関係なく先頭が揃う。また、日付が5文字になると、上述したように午前・午後表示領域62の上に入るようにして表示することで、時刻表示領域63に表示される時刻とぶつかることも無く、十分な間隔が確保される。
本形態では、GPSアンテナ部7b′で取得したGPS衛星からの電波情報に基づき、時刻を自動補正する機能を備える。なお、時計モードで動作している場合、GPS機能がはたらかないようにしている。上記の時刻を自動補正する機能は、ゴルフナビモードで動作している場合に動作するようにしている。また、電源ON後、一定時間、例えば2分間はGPS情報を取得し、時刻を自動補正する機能を備えると良い。
[アイコン表示]
図30に示すように、制御部は、表示部6の横長に見た場合の表示画面の左端に、アイコンを表示する機能を備える。制御部は、当該表示画面の左端の上側にバッテリーアイコン65を表示し、当該表示画面の左端の下側にGPSアイコン66を表示する。バッテリーアイコン65は、電池残量を示し、内蔵リチウムイオン電池の残量を3段階で表示する。GPSアイコン66は、GPS測位情報を示し、GPS測位の状態を示す。具体的には、制御部は、GPS衛星を探している場合にはGPSアイコン66を点滅表示させ、GPSを測位している場合にはGPSアイコン66を点灯表示させ、GPS機能が働いていない場合にはGPSアイコン66を表示しない制御を行う。
例えば図29(a),(b)と、図29(c),(d)とを比較すると明らかなように、横表示と縦表示でアイコンの向きは変えないことを特徴としている。このようにすると、例えば当該表示画面の左端の中央に、さらに別の機能のアイコンを表示するエリアを確保することができ、また、例えば図28(a)等に示すように、ホール番号を示す数字の表示エリアを確保することができるので良い。
[ゴルフナビモード]
図27を引用した説明したように、本形態のゴルフナビモードは、4つの表示画面を所定の順で切り替えて表示する。ゴルフナビモードの起動に伴い、スポーツウォッチ1の制御部は、「左グリーンまでの距離表示」の表示画面を表示部6に表示する(図31(a)参照)。このように、ゴルフナビの初期画面は、「左グリーンまでの距離表示」としている。その状態で、右ボタン53が押される(図31(b)参照)ことを契機として、制御部は「右グリーンまでの距離表示」の表示画面を表示部6に表示する(図31(c)参照)。その状態で、右ボタン53が押される(図31(d)参照)ことを契機として、制御部は「飛距離表示」の表示画面を表示部6に表示する(図31(e)参照)。その状態で、右ボタン53が押される(図31(f)参照)ことを契機として、制御部は「現在時刻表示」の表示画面を表示部6に表示する(図31(g)参照)。その状態で、右ボタン53が押される(図31(h)参照)ことを契機として、制御部は「左グリーンまでの距離表示」の表示画面を表示部6に表示する(図31(a)参照)。
ゴルフのプレーを想定すると、ボールを打つ地点においてまず残り距離を確認し、実際にボールを打ち、ボールの落下地点まで移動して飛距離を確認し、次に打つために残り距離を確認する行為を繰り返しする。そこで、係る行為に沿うように、今回のような画面の切り替えにした。よって、ユーザは、ボールを打つ地点に行き、打つ前に右ボタン53を押すという簡単な操作で、スポーツウォッチ1はそのとき行うプレーに適切な情報を表示することができる。
[グリーンまでの距離表示]
各表示画面の詳細は以下の通りである。図32は、グリーンまでの距離表示の表示例を示しており、図の例では、右グリーンまでの距離表示を示している。図32に示すように、横表示と、縦表示のいずれの場合も、表示部6の横長に見た場合の左端の下、すなわち、GPSアイコンの表示位置に、ホールナンバー71を表示し、続いて、左から順に、グリーン中央までの距離表示領域72、グリーンエッジまでの距離表示領域73を配置し、右端に打数表示領域75を配置し、グリーン中央までの距離表示領域72やグリーンエッジまでの距離表示領域73の周囲或いは内部に左右グリーンアイコン74を表示するレイアウトを採る。
ホールナンバー71は、現在いるホールナンバーを表示する。制御部は、GPSアンテナ部7b′を介して取得した現在位置に基づき、現在いるホールナンバーを求め、そのホールナンバーを特定する数字を表示する。グリーンまでの距離表示では、「グリーン中央までの距離」,「グリーンエッジまでの距離」,「打数」といった3つの情報を報知するようにした。例えば図31に示すように、画面左端にバッテリーアイコン65や、GPSアイコン66といったアイコン表示領域を確保し、当該アイコン表示領域以外の部分に上記の3つの情報にホールナンバーの情報を加えた4つの情報を表示するレイアウトとすると、各情報を表示する領域が狭くなり、その結果、例えば、横表示では各数字のフォント幅が狭くなり、縦表示では各数字のフォント高さが小さくなり、見にくくなる。そこで、グリーンまでの距離表示では、アイコン表示領域以外の部分にホールナンバーを表示しないようにした。これにより、上述した3つの情報を大きく表示し、ユーザに対して見やすく・報知内容を認識しやすくした。
本形態では、測位アイコンを表示せずに、当該測位アイコンの表示位置に、ホールナンバーを配置することで、現在プレー中のホールナンバーの情報もユーザに知らせることができる。なお、測位アイコンを非表示にすることで、測位アイコンを用いた測位状態の報知が行えないが、残り距離が表示できるならば測位できていることを意味し、後述するように測位できないと距離を示す数字の部分は「―――」となるので、測位状態を間接的に報知することができる。そこで、直接的な報知は、ホールナンバーを知らせるようにした。
グリーン中央までの距離表示領域72は、現在位置からグリーン中央までの距離を表示する領域である。スポーツウォッチ1は、図示省略する記憶手段を備え、その記憶手段には、各ホールの所定箇所の位置情報を記憶する。所定箇所は、例えば、各ホールのティーグランドや、グリーン等がある。グリーンは、例えば、左右の区別や、1グリーン等の情報も備える。グリーンの位置情報は、例えばグリーン中央位置と、グリーンエッジ位置を特定する情報がある。制御部は、GPSアンテナ部7b′を介して取得した現在位置情報と、記憶している現在プレー中のホールのグリーン中央位置情報から、グリーン中央までの距離(残り距離)を求める。制御部は、グリーン中央までの距離表示領域72に、グリーン中央を示すアイコン72a(図では、○に「+」を重ねたマーク)と、上記の求めた残り距離72bを組み合わせて表示する。また、測位できず現在位置を取得できない場合、制御部は、残り距離72bを「―――」と表示する。このように「―――」と表示することで、ユーザは測位できないことを知ることができる。測位できない場合に、例えば数字を非表示としたり、残り距離としてあり得ない「000」を表示したりしても良いが、ユーザに「故障しているのか?」と心配させるおそれがあるので、「―――」と積極的に数字以外の文字を表示することで故障では無く、測位できないことを知らせることができるので良い。
本形態では、表示された距離の単位は「ヤード」に固定し、「メートル」と「ヤード」の単位の切り替え機能を備えないことを特徴としている。このように、単位を固定にすることで、現在表示中の距離の単位に関する情報を報知する必要がなくなるため、表示面積が狭い表示部6に対し、必要な情報をできるだけ大きく表示することができるので良い。この距離の単位を固定することは、以下に説明するグリーンエッジまでの距離や、飛距離についてとも同様である。
グリーン中央を示すアイコン72aと残り距離72bの組み合わせは、表示部6を横長に見た場合に左側にグリーン中央を示すアイコン72aが来るように配置し、グリーン中央を示すアイコン72aと残り距離72bは、それぞれが縦横表示で適正な向きに表示する。本形態のスポーツウォッチ1は、ブレスレットタイプで表示部6の幅が狭く、細くて長い帯状のため、横表示の場合には原則横に並べるのが良く、縦表示は横書きにすると狭いので、数字を一つの単位とし、数字とアイコンを分けて記載することで、数字を帯の幅に入るようにする。横表示は、アイコンと数字を一段に表示し、縦表示では、アイコンを上に数字を下の二段に表示する。グリーン中央を示すアイコン72aの表示位置は、表示部6を横長で見た場合に横表示は上側で、縦表示は下側と変えるようにした。これにより、グリーン中央を示すアイコン72aは、残り距離72bの数字の先頭にくっつき、ユーザがアイコンを意識し、それに続く数字が示す意味がわかりやすくなるので良い。例えば横表示の場合、まずアイコンがあり、続いて345と表記することで、中央までの残り距離が345と理解できる。また縦表示の場合、横書きの数字は左から右に読んでいく習性があるため、読むときに左(先頭)にある数字「3」の上にアイコンを表示することで、ユーザは素直に読んでまず数字の先頭の3とその上にあるアイコンに着目し、中央までの残り距離が345と理解できるので良い。
グリーンエッジまでの距離表示領域73は、現在位置からグリーンエッジまでの距離を表示する領域である。制御部は、GPSアンテナ部7b′を介して取得した現在位置情報と、記憶している現在プレー中のホールのグリーンエッジ位置情報から、グリーンエッジまでの距離(残り距離)を求める。制御部は、グリーンエッジまでの距離表示領域73に、グリーンエッジを示すアイコン73a(図では、「_」の上に▽を置いたマーク)と、上記の求めた残り距離73bを組み合わせて表示する。
グリーンエッジを示すアイコン73aと残り距離73bの組み合わせは、表示部6を横長に見た場合に左側にグリーンエッジを示すアイコン73aが来るように配置し、グリーンエッジを示すアイコン73aと残り距離73bは、それぞれが縦横表示で適正な向きに表示する。そして、グリーン中央を示すアイコン72aと同様に、グリーンエッジを示すアイコン73aの表示位置は、表示部6を横長で見た場合に横表示は上側で、縦表示は下側と変えるようにした。
打数表示領域75は、打数を表示する領域である。制御部は、地点登録がされると、打数記憶部に記憶されている打数を1加算する。地点登録の詳細は、後述するが、左ボタン54のプッシュ操作により行う。左ボタン54が1回押されると、制御部は打数を1加算する。制御部は、打数記憶部に記憶されている打数を取得し、打数表示領域75に表示する。打数記憶部に格納される打数は、初期値は0である。図32は、打数が初期値の状態を示し、この状態から後述する地点登録が行われると、打数記憶部に記憶されている打数が「1」に更新され、打数表示領域75に「1打」と表示する。
打数表示領域75に表示する打数は、最大値を19打とする。19打の状態で、地点登録が行われると、表示は0打にする。「1」は他の数字に比べて横幅が狭い。また、漢字の「打」は、各数字に比べてフォント幅が広い。そのため、打数表示領域75に表示する打数の10の位を「1」または非表示に限定することで、グリーン中央までの距離表示領域72やグリーンエッジまでの距離表示領域73で使用する数字と同じフォントを使用し、画面サイズに応じたできるだけ大きい数字を表示することができる。また、見やすくするためにフォント幅を大きくし、また、実際の打数を正しく表示するために「打」の表示を省略したり、小さくしたりすることで、20以上の打数を表示するようにしても良いが、この種のスポーツウォッチ1を使用するゴルフプレーヤーは、20打以上打つことはあまり考えられず、「打」の非表示或いは小さくすることで、打数表示領域75に表示した数字が「打数」を意味することがわかりにくくなると言う弊害がある。そこで、本形態のように、最大を19に制限し、各数字や「打」の文字を大きく表示できるようにするのが好ましい。
左右グリーンアイコン74は、現在表示しているグリーンまでの距離が、左グリーン用なのか右グリーン用なのかを区別するためのアイコンである。図32に示すように「R」は右グリーンを意味し、例えば図28に示すように「L」は左グリーンを意味する。図示するように、「R」「L」の背景色を反転させた表示にしている。さらに、横表示の場合、右グリーンを示すアイコン(R)は、図32(a)に示すように、グリーンエッジまでの距離表示領域73の右隣の下側に表示し、左グリーンを示すアイコン(L)は、図28(a)に示すように、グリーン中央までの距離表示領域72の左隣の下側に表示する。また縦表示の場合、右グリーンを示すアイコン(R)は、図32(b)に示すように、グリーンエッジまでの距離表示領域73の右隣の上側に表示し、左グリーンを示すアイコン(L)は、図28(b)に示すように、グリーンエッジまでの距離表示領域73の右隣の下側に表示する。このように、それぞれのアイコン(R/L)の表示領域を、右側と左側と分けることで、表示場所から直感的に右グリーンか左グリーンかを容易に理解できるのでよい。特に、R/Lの文字は小さいので、同じ場所に表示すると判別しにくく、注視する必要が生じる。そこで、本形態のようにアイコンの表示位置も右と左に変えることで、注視しなくてもすぐにわかるようになり、プレーヤーの負担を軽減させ、実際のゴルフのプレーに集中させることができるので良い。
また、例えば、横表示の場合に、左右グリーンアイコン74を画面全体の左端と右端に表示すると、左右の区別はより付きやすくなるが、本形態のように、グリーンまでの残り距離の近くに表示することで、グリーンと紐付けでき、左グリーン/右グリーンを表すアイコンであることを理解しやすくするので良い。
また、1グリーンの場合は、左右グリーンアイコン74は表示しない。これにより、左グリーンまでの距離表示画面が、2グリーンにおける左グリーンを表示しているのか、1グリーンを表しているのかが容易に理解できる。
ユーザに見やすくするためには、各数字のフォント幅や、高さは、できるだけ大きくしたいという要求がある。そこで、本形態では、縦表示用の数字は、距離表示で最大3桁となるので、縦長で見た場合の横幅(横長で見た場合の高さ)の1/3の長さを数字の横幅のマックスとし、各数字の形状等に応じて横幅を設定した。各数字をアイコンとして作成し、各数字を表すアイコンの横幅は異なる。そして、各距離表示領域に数字を表示する場合、制御部は、各数字の中心位置を等間隔、例えば当該1/3の配置ピッチで均等に並ぶように配置する。これにより、縦長で見た場合の横幅の全体を使って3桁の数字を表示することができる。
横表示用の数字は、横長の画面に合わせできるだけ幅を広くするように設定した。縦表示と横表示では、数字のフォント幅はそれぞれ見やすくなるように変えている。あまり極端に変えると、違和感も出るので、横表示用をわずかに幅広(例えば、2ピクセル程度)に設定した。また、縦表示用の数字と、横表示用の数字は、その高さは同じにした。横表示では、数字の高さは、横長に見た場合の画面の高さが最大となるので、それにあわせて設定した。
各数字をアイコンとして作成したため、「1」の横幅は狭い。そこで、上述したように、打数表示領域75において、10の位に「1」を配置する場合、横幅が狭いので、打数の10の位の表示部位となる狭い空間に表示することができる。
[飛距離表示]
図33は、飛距離表示の表示例を示している。横表示と、縦表示のいずれの場合も、表示部6の横長に見た場合の左端にバッテリーアイコン65とGPSアイコン66を表示する。このアイコン表示領域以外の表示部分に、左から順に、ホールナンバー表示領域81、飛距離アイコン82、飛距離表示領域83、打数表示領域84を配置するレイアウトを採る。
ホールナンバー表示領域81は、現在いるホールナンバーを表示する領域である。制御部は、ホールを意味する「H」と実際のホールナンバーをペアにして表示する。図33(a)に示すように、横表示では、「H」を上にし、数字を下にし、縦表示では、表示部を横長で見た状態で、「H」を上にし、数字を下に配置するレイアウトとしている。このように、いずれも表示部6を横長で見て上側に「H」を配置することで、表示内容が変わらない「H」を、バッテリーアイコン65とそろえ固定され、見やすくなる。
飛距離アイコン82は、飛距離表示画面の際に表示する。飛距離表示領域83と関連づけて、その近くに配置する。グリーン中央までの距離表示領域72に表示するグリーン中央を示すアイコン72aと同様に、表示部6を横長で見た場合に横表示は上側で、縦表示は下側と変えるようにした。これにより、飛距離アイコン82は、後続の飛距離表示領域83の数字の先頭にくっつき、ユーザが飛距離アイコン82を意識し、それに続く数字が示す意味がわかりやすくなるので良い。
飛距離表示領域83は、地点登録した場所からの距離を飛距離として表示する領域である。制御部は、直近で地点登録した位置情報と、現在位置情報とに基づき、飛距離を求め、求めた飛距離を、距離の単位であるヤードを示す「Y」を付記して飛距離表示領域83に表示する。「Y」は数字に後ろに続くように、横表示では数字の後に一列に表示し、縦表示では二段に分けて表示する。地点登録をしていない場合、制御部は「---」と表示する。
打数表示領域84は、打数を表示する領域であり、グリーンまでの距離表示における打数表示領域75と同様である。制御部は、地点登録がされると、打数記憶部に記憶されている打数を1加算し、その記憶されている打数を打数表示領域84に表示する。
[地点登録]
図34に示すように、地点登録処理は、ショットする位置で、ユーザが左ボタン54を短押しすることで行う。制御部は、左ボタン54が短押しされると、打数記憶部に記憶されている打数を1加算する。また、制御部は、左ボタン54が短押しされると、GPSアンテナ部7b′の出力から現在位置情報を取得し、取得した現在位置情報をショット位置としてショット地点記憶部に記憶する。地点登録ができた場合は、ゴルフナビモードの「打数」が増加する。
例えば、図31(a),(c)を表示した状態で、左ボタン54が短押しされると、画面右端に表示されている打数が「0打」から「1打」に変更される。また、図31(e)を表示した状態で、左ボタン54が短押しされると、画面右端に表示されている打数が「1打」から「2打」に変更される。また、図31(g)を表示した状態で、左ボタン54が短押しされると、内部の打数記憶部に格納される打数は1加算されるが、現在時刻表示画面では打数を表示する領域が無いので、表示内容は変わらない。そして、粗の状態で右ボタン53が押され、左グリーンまでの距離表示画面に切り替わると、そこで表示される打数は、先に1加算された打数となる。
また、例えば図31(c)では、打数が「0打」となっており、右ボタン53が押されて(図31(d)参照)、切り替わった飛距離表示画面では打数が「1打」になっている。これは、図示が省略されているが、「右グリーンまでの距離表示」と「飛距離表示」の間のどこかのタイミングで、左ボタン54が押され地点登録する処理が実施され、さらに地点登録した位置から230ヤード移動した後の状態を示している。
実際のプレーの流れに沿って実行した処理に基づき説明すると、図31(a),(c)は、打数が0打で、グリーンまでの距離表示が所定距離あるので、1番ホールのティーグランドで当該画面を表示した状態である。第一打を打つ前に、左ボタン54を押し、地点登録をする。図示省略するが、係る左ボタン54の押下に伴い、上述したように表示したグリーンまでの距離表示の画面中の打数は「1打」になる。また、仮に、図31(c)二示す右グリーンまでの距離表示画面で左ボタン54を押して地点登録し、その場で右ボタン53を押して飛距離表示画面に切り替わると、地点登録したショット位置と、現在位置が同じであるので、飛距離の表示は「0Y」となる。また、飛距離表示画面を表示した状態のまま移動すると、現在位置が地点登録したショット位置から離れるにつれ、飛距離の数値が徐々に増え、ボールの落下地点へ移動すると、そのとき表示された数値が、ボールの飛距離となる。また、右グリーンまでの距離表示画面を表示中に左ボタンを押下して地点登録し、打数を「1打」にした後、そのままボールの落下地点まで移動すると、グリーンまでの残り距離が徐々に小さい数値になる。そして、ボールの落下地点で右ボタン53を押すと、図31(e)に示す飛距離表示画面に切り替わる。
また、本形態では、左ボタン54が押される毎に地点登録処理を行い、左ボタン54が複数回押された場合、係る複数回押された各地点の位置情報を、ショット位置としてショット地点記憶部に記憶する。よって、ユーザは、ショットするたびに地点登録を行うことで、後述する「データ管理」等を利用することで、プレーした軌跡を残すことができる。なお、本機に保存できるプレーデータは約15日分であり、制御部は、一定期間が経過すると、記憶したショット位置に関する情報を消去する。飛距離の確認やプレーした軌跡を残さない場合は、地点登録を行わなくて良い。
[ゴルフ場検索]
図35は、ゴルフ場検索機能を説明する図である。制御部は、取得したGPSに基づく現在位置からゴルフ場を自動検索し、現在位置のホールを検索する機能を備える。例えば、図35(a)に示すように、右ボタン53を長押し(約2秒)する。制御部は、係る右ボタン53の長押しがされると、図35(b)に示すように「検索中…」の表示画面を表示し、GPSアンテナ部7b′の出力に基づき現在位置情報を取得し、記憶しているゴルフ場の位置情報から該当するゴルフ場を検索する。そして、検索結果を表示する(図35(c)参照)。検索結果は、ゴルフ場の名称を、カタカナで表示する。表示画面が小さいことから、漢字にすると読みづらくなる。そこで、カタカナを使用し、小さい表示画面でもゴルフ場名がわかりやすくした。
また、近くに登録されたゴルフ場がない場合、制御部は、「コースがありません」と表示し、約2秒後に、GPSによる測位をOFFし、時計モードに移行する。
上述したようにゴルフ場検索を実行し、プレー中のゴルフ場が決定されると、制御部は、その決定したゴルフ場に関する情報に基づき、上述したゴルフナビ機能を実行し、グリーンまでの距離表示や飛距離表示等を行う。
また、ラウンドが終了したら、時計モードにするか電源をOFFする。図36(d)に示すように、ゴルフナビモードの動作中に右ボタン53が長押し(例えば約2秒以上)されると、制御部は時計モードへ切り替える。また、制御部は、GPSに基づく現在位置情報から所定時間ゴルフ場外にいる判断された場合は、自動的に時計モードに切り替える。所定時間は、例えば約10分である。
[データ管理]
スポーツウォッチ1に記憶したプレーデータを送信する機能を有する。係る送信する機能は、例えば通信ケーブルを用いてスポーツウォッチ1とパソコンを接続し、その接続したパソコンに送信する機能がある。また、パソコンは、データ管理サーバーにアクセスし、スポーツウォッチ1から取得したデータを当該データ管理サーバーに登録し、データ管理する機能を備える。
*パソコンとの接続
図36(a)に示すように、時計モードの状態で右ボタンが2回押されたことを検知すると、制御部は、パソコンとの通信機能を起動し、パソコンと通信可能になったら、図36(b)に示すように表示部6に「PC通信可能」を表示する。このパソコンとの通信可能な状態は、実際にパソコンと通信していることではなく、通信ケーブル等を用いて実際にパソコンとスポーツウォッチ1を物理的に接続すると通信が行われる状態である。
ユーザは、端子カバー55を開き、USB端子56を露出させる。露出したUSB端子56に通信ケーブルの一方のコネクタを接続し、その通信ケーブルの他方のコネクタをパソコンに接続し、スポーツウォッチ1とパソコンを物理的に接続する。すると、パソコンとの通信機能により、スポーツウォッチ1の制御部は、パソコンと通信を試み、例えば通信が確立すると、図36(c)に示すように表示部6に「PC通信中」を表示する機能を有する。
通信ケーブルを介してパソコンと物理的に接続する処理は、図36(a)に示した右ボタン53を2回押す処理の前に行っても良いし、当該処理の後に行っても良い。通信ケーブルを接続した状態で右ボタン53を2回押すと、制御部は「PC通信可能」を表示し、続いて「PC通信中」を表示する。
制御部は、スポーツウォッチ1内のメモリに保存されているプレーデータを、送信する。プレーデータは、例えば各ホールにおける打数に基づくスコアや、ショット位置情報に基づく軌跡情報などがある。パソコンに送信され、登録されたプレーデータは、例えばcsv形式のデータである。パソコンは、データ管理サーバーにアクセスし、当該データ管理サーバーにプレーデータ等を登録する機能がある。データ管理サーバーは、登録されたユーザのプレーデータに基づき、ベストスコアや平均スコアのグラフ、ショット地点などを求める機能を有する。さらに、データ管理サーバーは、パーオン率などスコア解析をするスタッツ機能を備える。パソコンは、データ管理サーバーに登録したデータや、その登録されたデータに基づいて作成された各種のデータを確認・表示する機能を有する。スポーツウォッチ1で登録したプレーデータは、スタッツ機能により管理し、スコアアップに役立てると良い。
スポーツウォッチ1に登録されたプレーデータは、上述したデータ管理サーバーのスタッツ機能に対応する。ユーザは、データ管理サーバーでパーオン率などを管理できるスタッツ解析を実行し、得られた数値を活かしてスコアアップに役立てることができる。
また、データ管理サーバーには、例えば、国内ゴルフ場の99%以上のコース情報や、海外ゴルフ場(例えば、ハワイ・グアム・サイパン・タイ等)に関するコースデータが登録されている。これらのゴルフ場のコースデータは、例えば、スポーツウォッチ1のコースデータ記憶部にあらかじめ登録されている。新規に追加されたゴルフ場や、既設のゴルフ場でコース変更などがあると、最新のコースデータをデータ管理サーバーに登録する。パソコンは、データ管理サーバーにアクセスし、ゴルフ場データを取得する。スポーツウォッチ1は、パソコンと通信し、ゴルフ場に関するデータの更新を行う機能を有すると良い。
[設定変更・表示項目変更等]
図37は、時計モードから右ボタン53のプッシュ操作等に基づき変わる表示項目を示している。図37(a)に示す時計表示モードでは、左ボタン54が押される都度、制御部は、12時間表示と24時間表示を切り替える制御を行う。この時計表示の状態で、右ボタン53が1回押されると、制御部は、電源OFFモードに移行し、図37(b)に示すように表示部6に「POWER OFF」の文字を表示する。この電源OFFモードにおいて、左ボタン54が長押し(例えば約2秒)されると、制御部は図示省略のシャットダウン画面を表示し、電源をOFFする。シャットダウン画面は、例えば、「Now closing」の文字を表示したものである。
図37(b)に示す電源OFFモードの状態で、右ボタン53が1回押されると、制御部は、パソコン通信モードに移行し、図37(c)に示す画面を表示する。このパソコン通信モードは、上述した[データ管理]で説明したように、データ管理やゴルフ場データ更新の際に使用する。図36を引用して説明したパソコンと接続する際に、時計モードにし、「右ボタン53を2回押す」処理は、図37(a)の状態から右ボタン53を2回押すことで、電源OFFモードを経由してパソコン通信モードに遷移したことを示している。
図37(c)に示すパソコン通信モードの状態で、右ボタン53が1回押されると、制御部は、プレーデータ削除モードに移行し、図37(d)に示す画面を表示する。プレーデータ削除モードは、本機に登録したプレーデータを、すべて削除する機能である。そして、図38(a)に示すように、時計モードの状態で右ボタン53が3回押されると、制御部はプレーデータ削除モードにし、図38(b)に示すように表示部6に「データ削除」を表示する。このプレーデータ削除モードの状態で左ボタン54が押されると、制御部は、本機に登録したプレーデータを、すべて削除する。この削除中、制御部は、図38(c)に示す「削除中画面」を表示する。そして、削除が完了すると、制御部は、時計モードに戻り、図37(a)に示す時計を表示する。削除したデータを元に戻すことはできない。プレーデータを個別に選択しての削除はできない。表示部6の表示画面が小さいこともあり、削除データを個別に選択する作業が煩雑で誤選択のおそれもあるため、全削除のみ削除機能を組み込むようにした。
図37(d)に示すプレーデータ削除モードの状態で、右ボタン53が1回押されると、制御部は、システム情報表示モードに移行し、図37(e)に示す画面を表示する。システム情報表示モードは、現在のソフトのバージョン、ゴルフ場データの日付などを表示する機能である。そして、図39(a)に示すように、時計モードの状態で右ボタン53が4回押されると、制御部はシステム情報表示モードにし、図39(b)に示すように表示部6に現在のファームウェアバージョンを表示する。この状態で、左ボタン54が押されると、制御部は表示項目を変える。表示項目は、例えば、ファームウェアバージョン、ブートローダーバージョン、ナビデータ日付がある。左ボタン54が押される都度、制御部は表示する表示項目を切り替える。この表示項目を表示している状態において右ボタン53が3回押されるか、右ボタン53が長押し(例えば2秒以上)されると、制御部は、その時の背景色に決定し、時計モードに復帰する。
図37(e)に示すシステム情報表示モードの状態で、右ボタン53が1回押されると、制御部は、背景色切り替え設定画面に移行し、図37(f)に示す画面を表示する。背景色切り替え設定画面は、表示を黒背景と白背景で切り替える機能である。そして、図40(a)に示すように、時計モードの状態で右ボタン53が5回押されると、制御部は背景色切り替え設定画面にし、図40(b)に示すように表示部6に「背景色黒白」を表示する。初期値は背景色を黒色としている。この状態で、左ボタン54が押されると、制御部は、左ボタン54が押されるたびに、白黒反転し、白背景と黒背景を交互に切り替える(図40(b),(c)参照)。変更後は右ボタン53が2回押されるか、右ボタン53が長押し(例えば2秒以上)されると、制御部は時計モードに復帰する。
図37(f)に示す背景色切り替え設定画面の状態で、右ボタン53が1回押されると、制御部は、表示タイプ縦横設定画面に移行し、図37(g)に示す画面を表示する。表示タイプ縦横設定画面は、表示タイプを横表示モード縦表示モードに切り替える機能である。そして、図41(a)に示すように、時計モードの状態で右ボタン53が6回押されると、制御部は表示タイプ縦横設定画面にし、図41(b)に示すように表示部6に「表示タイプ縦横」を表示する。この状態で、左ボタン54が押されると、制御部は、左ボタン54が押されるたびに、横表示と縦表示を切り替える(図41(b),(c)参照)。変更後は右ボタン53が1回押されるか、右ボタン53が長押し(例えば2秒以上)されると、制御部は、その時の表示タイプに決定し、時計モードに復帰する。
本形態のスポーツウォッチ1は、ブレスレットタイプにして表示部6の画面は小さく、おしゃれで、スポーツ時に邪魔にならない形態をとりつつ、例えばワンタッチ操作等の簡単な操作で、必要な情報を情報の単位で一度に見ることができる。横表示 縦表示のいずれも必要な最小限の情報を一つの画面で表示することができる。ゴルフのプレー中は、スポーツウォッチ1に対する操作はあまりできず、ボタンを一つ押すのが精一杯という状況があるが、係る状況に合致したゴルフナビ機能を備えたスポーツウォッチ1となる。
[画面遷移の変形例]
上述した形態では、左グリーンまでの距離表示、右グリーンまでの距離表示、飛距離表示、時計表示の4つの情報画面をワンタッチ操作で切り替えて表示するようにしたが、本発明はこれに限ることは無く、例えば、現在時刻を表示しないようにしても良い。このようにすると、グリーンまでの距離と飛距離といったゴルフをプレーするのに必要最小限の情報を提供することになり、グリーンまでの距離と、飛距離を確認するユーザにとっては、時計表示を省略することで、ボタンの操作回数を少なくすることができるので良い。
さらに、設定画面等で、本日の使用グリーンの登録を行うようにし、グリーンまでの距離表示に付いては、本日使用するグリーンまでの距離表示のみを表示し、使用しないグリーンまでの距離表示を省略するようにすると良い。このようにすると、使用しないグリーンまでの距離表示を見て、間違ったグリーンまでの距離を認識してクラブ選択のミスをすることを防止することができ、必要な情報を表示する際に必要なボタンの操作回数を少なくすることができるので良い。
上述した現在時刻を非表示とすることと、使用しないグリーンまでの距離表示を非表示とする機能を同時に実施するようにすると、さらにボタン操作の回数が減り、プレーの邪魔によりなら無くするので好ましい。
[ボタン位置の変形例]
上述した形態では、右ボタン53と左ボタン54を左手にスポーツウォッチ1を装着した場合に、手の甲と阪大側の同一側面に位置するようにした。このスポーツウォッチ1を右手に装着した場合、表示された文字等を普通の表示態様で見るためには右ボタン53と左ボタン54は手の甲側に位置する。そこで、右手に装着するタイプとして、右ボタン53と左ボタン54の配置位置を、詳述した形態と逆側の側面に配置した右手装着用のスポーツウォッチとすると良い。
装着腕の設定モードを設け、例えばモード変更で表示画面の表示を上下反転などし、上述したスポーツウォッチ1を、右手に装着するに際し、右ボタン53・左ボタン54が手の甲と反対側に来るようにした状態で、縦表示モード・横表示モードのいずれもが多々強い向きで表示するようにすると良い。このようにすると、表示の変更で済み、スポーツウォッチ1のハード的な部分は共通化できるので好ましい。
[ゴルフナビ機能における画面へ表示する情報の変形例]
上述した実施形態並びに変形例では、グリーンまでの距離表示は、一画面に一つのグリーンについての情報のみを表示するようにし、複数のグリーンまでの残り距離を同時に表示しないようにした。このように、一つの画面に同時に表示する単位を「グリーン」としたが、この変形例では、「グリーン中央までの距離表示」と「グリーンエッジまでの距離表示」のように、表示する残り距離の基準地点が同じものを組とし、2グリーンのホールでは、左グリーンの残り距離と右グリーンの残り距離を同時に表示するようにした。このように2つのグリーンまでの残り距離を同時に表示することで、例えばプレー中のホールにおける目標物等までの距離など空間的に理解・認識しやすくなるので良い。例えば、ユーザが左右のグリーンを目視できる箇所に位置している状況において、使用中のグリーン周りにあるバンカーなどのハザードが、使用しないグリーンの近くに配置されていると、当該ハザードまでの距離を、使用していないグリーンまでの残り距離から推測することができ、コース攻略のために有益な情報が得られるので良い。
また、上述した実施形態等のように1つのグリーンの中央までの距離と、グリーンエッジまでの距離の距離差にくらべ、左グリーンと右グリーンまでのそれぞれの距離の距離差の方が大きいとともに、距離表示している相手先の位置・基準地点も左右に離れていて空間的な広がりが大きい。1つのグリーンの中央までの距離とグリーンエッジまでの距離では、ユーザが存在している地点から同じ方向に向かっての距離であるのに対し、2つのグリーンまでの残り距離は異なる方向に向かっての距離であるため、グリーン中央やグリーンエッジといった残り距離の基準地点が左右に離れることになる。ユーザは、左右に離れた基準地点までのそれぞれの残り距離を知ることで、自分と左右のグリーンを頂点とする仮想の三角形の領域内やその周辺にある目標位置までの距離を推定しやすくなるので良い。
スポーツウォッチ1の制御部は、横表示モードの場合、図42(a),(b)に示すように、表示部6の左側に左グリーンについての残り距離を表示し、右側に右グリーンにつついての残り距離の情報を表示する。スポーツウォッチ1の制御部は、縦表示モードの場合、図42(c),(d)に示すように、表示部6の上側に左グリーンについての残り距離を表示し、下側に右グリーンについての残り距離の情報を表示する。また、1グリーンの場合、制御部は、左グリーンの表示領域には表示せず、右グリーンの表示領域に残り距離を表示する。
上述した実施形態並びに変形例では、グリーンに関する情報として残り距離情報を報知するようにしたが、本発明はこれに限ることはなく、高低差情報を表示するようにすると良い。例えば、スポーツウォッチ1には、気圧センサを内蔵する。また記憶手段に、各グリーンの高度を表す高度情報を記憶する。本実施形態では、グリーン中央の高度に関する高度情報を記憶する。スポーツウォッチ1の制御部は、気圧センサの出力から求めた現在地の高度と、記憶手段に格納されたプレー中のホールのグリーンの高度との差から「現在地からグリーン中央までの高低差」を求め、表示部6に表示する。気圧センサで計測するので、誤差も少なく正確な距離・高低差を確認でき、クラブ選択その他の戦略を立てるのに役立つのでよい。
図43は、高低差情報の表示例を示している。本形態では、図42に基づいて説明した上述の距離表示の変形例と同様に、左グリーンまでの高低差と右グリーンまでの高低差を一つの画面に同時に表示する。図43に示すように、横表示と、縦表示のいずれの場合も、表示部6の横長に見た場合の左端の下に、ホールナンバー91を表示し、続いて、左から順に、左グリーンまでの高低差表示領域92、右グリーンまでの高低差表示領域93を配置し、右端に打数表示領域95を配置し、左グリーンまでの高低差表示領域92や右グリーンまでの高低差表示領域93の周囲或いは内部に左右グリーンアイコン94を表示するレイアウトを採る。ホールナンバー91や左右グリーンアイコン94並びに打数表示領域95への表示機能は、上述した実施形態等と同様である。制御部は、上述したようにして求めた左グリーンとの高低差と右グリーンとの高低差を、高低差アイコン96を挟んでそれぞれ左右の対応する表示領域に表示する。
さらに本形態では、グリーンから基準距離以内に近づくと、高低差情報は「 」(空白)にするとよい。基準距離以内に近づいた場合、アプローチに使用するクラブ選択は、ユーザが直接視認した情報から容易に決定することができ、グリーンオンした後はパターを使用するので高低差情報を表示するメリットが少ない。そこで高低差情報を積極的に報知しないようにすることで、不要な情報が表示され煩わしくなるのを抑止する。高低差情報を積極的に報知しないようにすることで、基準距離以内に近づいたことがわかるので良い。好ましくは、基準距離以内になると、高低差情報の算出処理を行わないようにすると、制御部の負荷が軽減するので良い。基準距離は例えば30ヤードである。さらに、制御部は、現在位置が次のホールのティーグラウンドに位置すると、高低差情報の報知を再開する。また、グリーンの高度情報がないホールでは、制御部は左グリーンまでの高低差表示領域92,右グリーンまでの高低差表示領域93に「--」を表示する。「--」を表示することで、故障等ではなくデータが無いことがわかる。
[画面遷移の変形例]
上述したグリーンまでの残り距離の変形例や、高低差情報を表示する変形例を実装したスポーツウォッチ1の画面遷移は、例えば図44や図45に示すようにするとよい。図44は、2グリーンのホールにおける画面遷移例を示している。画面遷移は、上述した実施形態と同様に、同じボタンに対するワンタッチ操作に伴い、設定した順で切り替える。例えば、ゴルフナビモードの起動に伴い、スポーツウォッチ1の制御部は、「グリーン中央までの距離表示」の表示画面を表示部6に表示する(図44(a)参照)。このように、ゴルフナビの初期画面は、「グリーン中央までの距離表示」としている。その状態で、右ボタン53が押されることを契機として、制御部は「グリーンエッジまでの距離表示」の表示画面を表示部6に表示する(図44(b)参照)。その状態で、右ボタン53が押されることを契機として、制御部は「高低差表示」の表示画面を表示部6に表示する(図44(c)参照)。その状態で、右ボタン53が押されることを契機として、制御部は「飛距離表示」の表示画面を表示部6に表示する(図44(d)参照)。その状態で、右ボタン53が押されることを契機として、制御部は「グリーン中央までの距離表示」の表示画面を表示部6に表示する(図44(a)参照)。以下順に、右ボタン53が押される毎に、上述した順番で画面を変える。本形態では、時計表示を行わないことを特徴とする。時計表示を行わないことで、ゴルフクラブ選択に必要な情報である距離表示と、実際にボールを打った際の飛距離を効率よく表示して提供するのでよい。プレー中のホールが1グリーンの場合、右ボタン53が押される毎に制御部は図45に示す(a),(b),(c),(d)の順に各情報を表示部に表示する制御を行う。
[他の機器との連携]
ゴルフナビ機能を備えたスポーツウォッチ1は、ゴルフ関連の他の機器と無線接続する機能を備えると良い。ゴルフ関連の他の機器は、例えば、ゴルフスイングトレーナー(以下、「GST」と称する)100である(図46等参照)。このGST100は、例えばゴルフ練習場に携帯し、実際にボールを打った際のゴルフクラブのヘッドスピード、ボールスピード、飛距離、ミート率などの情報を報知する機能を備える。
[ゴルフ関連の他の機器:GST]
図46,図47に示すように、GST100は、扁平な矩形状のケース101の一面に表示部102を備える。表示部102は、液晶ディスプレーであり、単色のセグメント表示で、解像度も低い。表示部102は、矩形状でケース101の一面の多くの領域に配置されるレイアウトとしている。
GST100は例えば地面等に置いた状態で使用し、表示部102を設ける一面は、使用状態における上面101aである。当該上面101aの表示部102の配置領域の外であって、一つの短辺との間の領域に、電源ボタン103と、操作ボタン104と、選択ボタン105を備える。当該上面101aの表示部102の配置領域の外であって、一つの長辺との間の領域には、LEDランプ106を備える。ケース101の各種ボタンが配置された短辺側の側面101bには、検知センサ部107を配置する。使用に際しては、図48に示すようにGST100をボール109の後方約1~1.5mであって、検知センサ部107を、ボール109を打ち出す方向に向けた状態で設置する。
電源ボタン103を長押しすると、電源ON/OFFを交互に繰り返す。選択ボタン105は、左側に配置された下向きボタン部105aと右側に配置された上向きボタン部105bを備え、本形態との関係では使用するクラブの種類を選択する際に使用する。スイングに伴うヘッドスピード等を計測する際に選択可能なクラブの種類は、例えば図49に示すように、ウッドが5本、ユーティリティが5本、アイアンが7本、ウェッジが4本である。下向きボタン部105a,上向きボタン部105bを押下すると、使用するクラブが予め決められた順に1つずつ切り替わる。決められた順は、例えば、下向きボタン部105aが押下された場合、ウッドのW1から番号順に進みW9の次はユーティリティのU2となってユーティリティの番号順に進みU6の次はアイアンのI3となってアイアンの番号順に進みI9の次はウェッジに進む。ウェッジでは、図49に示す左から順に進みLW(ロブウェッジ)の次はPT(パター)になる。PT(パター)の次は、W1に戻る。上向きボタン部105bが押下された場合、上記と逆の順番で切り替わる。制御部は、下向きボタン部105a或いは上向きボタン部105bが押下されたのを契機として、上述した順番で使用するクラブを変更し、変更後のクラブに基づいて所定の処理を実行する。所定の処理は、例えば後述するように表示部102に使用するクラブの情報を表示したり、使用するクラブに基づいて飛距離等を算出したりする。制御部は、下向きボタン部105a或いは上向きボタン部105bが押され続けた場合、使用するクラブを早送りで変更する。
表示部102の表示レイアウトは、画面右上にクラブ表示部110、その下に上から順にヘッドスピード表示部111、ボールスピード表示部112、飛距離表示部113,ミート率表示部114を配置し、ミート率表示部114の右側にナイスショット表示部115を配置する。クラブ表示部110は、使用しているクラブに対応するクラブ種別アイコンを表示するエリアである。クラブ種別アイコンは、クラブヘッドの輪郭の中にクラブを特定する二文字を配置したもので、例えばクラブヘッドの輪郭は一つのセグメントのパターンで表し、二文字はそれぞれ14セグメントディスプレイを用いて所望のアルファベットや数字を表す。制御部は、選択ボタン105からの情報に従い決定した使用するクラブを特定する2文字を、クラブヘッドの輪郭の中に表示する。図示の例では、ドライバーに対応する「W1」を表示している。制御部は、クラブのスイングに基づき求めたヘッドスピード、ボールスピード、飛距離、ミート率の4つの測定結果を、同一画面に同時に表示する。ミート率は、例えばボールスピードをヘッドスピードで除算してミート率を求める。制御部は、求めたミート率が基準値以上の場合、ナイスショットアイコンをナイスショット表示部115に表示する。基準値は、例えば1.40である。ナイスショットアイコンは、黒背景の丸のなかに、白抜き文字で「ナイスショット」を表示したパターンを一つのセグメントで表したものである。GST100の表示部102はセグメント方式を採用しているため、ナイスショットアイコンを一つのセグメントで表現し、そのパターンはベクター方式で高解像度としたため見やすくなるのでよい。
LEDランプ106は、GST100の状態を示す。GST100は、リチウムイオン電池を内蔵しており、充電中はLEDランプ106を赤色で点灯し、充電が完了するとLEDランプ106を青色で点灯するように制御する。GST100とスポーツウォッチ1の無線接続中はLEDランプ106を青色で点滅するように制御する。また、リチウム電池の温度以上や寿命の場合には、LEDランプ106を桃色で点灯する制御を行う。
[スポーツウォッチ1とGSTとのペアリング]
本形態では、スポーツウォッチ1とGST100の無線接続は、Bluetooth(登録商標)を利用して行う。本形態では、Bluetooth4.0を使用する。無線接続する機能を備えることから、スポーツウォッチ1は、ゴルフナビモードと、GST100との無線接続モードを備え、それぞれのモードを切り替える機能がある。スポーツウォッチ1とGST100の接続では、GST100がセントラルでスポーツウォッチ1がペリフェラルとなって無線通信を行う。GST100をセントラルとして機能させることで、ペリフェラルとなるスポーツウォッチ1の制御部は、CPUやメモリが小型のものを用いることができ、スポーツウォッチ1を細幅で軽量にしておしゃれなブレスレットの様子・感じを醸し出し、また、ゴルフのプレーや練習時に装着していても邪魔にならないので良い。
無線接続して通信を行うに先立ち、ペアリングにより通信を確立する。ペリフェラルであるスポーツウォッチ1は、自身の存在を知らしめるため、電波を送信する。一方、セントラルであるGST100は、必要なデータを提供してくれるペリフェラルがないか走査する。GST100は、該当するペリフェラルであるスポーツウォッチ1を検出すると接続を要求し、ペアリングが確立すると所望のデータのやり取りを開始する。
ペアリングを行う処理の一例を説明する。スポーツウォッチ1とGST100は、以下に示す手順をそれぞれの制御部が実行し、ペアリングを行う。GST100が電源ONの場合、一旦電源ボタン103を長押しして電源をOFFにする。電源がOFFの状態において、図50(a)に示すようにユーザは、GST100の上向きボタン部105bを押したまま、電源ボタン103を長押しする。長押しは、例えば約2秒以上である。GSP100の制御部は、上向きボタン部105bが押された状態のまま電源ボタン103が長押しされたことを検知すると、Bluetoothのセントラルとして動作し、ペリフェラルであるスポーツウォッチ1から送信されてくる電波の受信を待つ状態になり、LEDランプ106を青色に点滅させる制御を行う(図50(b)参照)。制御部は、この状態を一定時間継続する。一定時間は、例えば1分間である。
この一定時間の間に、ユーザは、スポーツウォッチ1を操作しBluetoothをONにする。このスポーツウォッチ1は、BluetoothのONに伴い、ペアリングを行うための所定の電波を発する。このスポーツウォッチ1のペアリングを行うための処理機能については後述する。GST100が電波の受信待機中にスポーツウォッチ1から所定の電波を受信してペアリングが行われると、GST100の制御部は、LEDランプ106を消灯する。GST100の制御部は、一定時間経過してもペリフェラルからの電波を受信しない場合、電波の待ち受け状態を停止し、LEDランプ106を消灯する。今回の操作ではペアリングができず、あらためてペアリングを行う場合には、GST100の電源をOFFにする処理から改めて実行する。
本形態では、セントラルとして機能するGSP100は、1つのスポーツウォッチ1とペアリングをする。例えばBluetoothにより無線接続する機能を備えるスポーツウォッチ1が複数台ある場合に希望しないスポーツウォッチとペアリングして接続してしまった場合、当該接続したスポーツウォッチのBluetooth機能をOFFにするとともに、図51に示す処理でペアリングを削除してから再度、所望のスポーツウォッチ1とのペアリングを行う。
GST100におけるペアリングの削除は、図51(a)に示すように、ユーザは、操作ボタン104と上向きボタン部105bを同時に所定時間以上押すことで行う。所定時間は、例えば約2秒である。GST100の制御部は、操作ボタン104と上向きボタン部105bが同時に押されている状態が約2秒以上継続している場合、表示部102に「bt」と「CLr」を約2秒間表示し、スポーツウォッチ1とのペアリングを削除する。また、図51(c)に示すように、スポーツウォッチ1の左ボタン54を長押しされた場合、スポーツウォッチ1の制御部は、GST100とのペアリングであるBluetooth接続を削除し、時計モードに遷移する。
[スポーツウォッチ1側のペアリング開始]
スポーツウォッチ1の制御部は、図52(a)に示すように、時計モードにおいて左ボタン54が長押しされた場合、表示部6の表示を使用クラブ画面に遷移する(図52(b)参照)。この左ボタン54の長押しにより、制御部はGST100と連係する無線接続モードを起動する。この無線接続モードの初期画面が使用クラブ画面である。ゴルフナビモードでも説明したとおり、本形態のスポーツウォッチ1は、電源ON時の初期画面は時計モードとしており、この時計モードの状態で、右ボタン53が長押しされると、ゴルフナビモードを起動してゴルフ場の検索処理を実行する。同じ時計モードから左右の異なるボタンに対し、同じ長押し操作をすることで、それぞれ異なるモードが起動するようにしている。
ゴルフナビモードは実際のゴルフ場でプレーする場合に使用し、無線接続モードは練習場などで練習する場合に使用する。このように2つのモードを同時に使用しないことに着目し、ボタンの割り当て・操作を工夫し、右ボタン53と左ボタン54という2つの少ないボタン配置で各モードで適切に操作できるようにしている。本形態のスポーツウォッチ1は、細幅で小型にすることで運動時に邪魔・違和感など無く、ファッション性も向上させることから、例えば操作ボタンを多く設置できず操作指示がしにくくという課題が生じるが、ボタンの割り当て・操作を工夫することで解決している。
使用クラブ画面は、図52(b)に示すように、「使用クラブ」の文字と、Bluetoothアイコン120を並べて表示するレイアウトを採る。Bluetoothアイコン120は、Bluetoothの接続状態を表すアイコンであり、GST100を探している状態では点滅表示し、GST100と接続した状態では点灯表示し、Bluetooth機能が働いていない状態では非表示となる。
スポーツウォッチ1の制御部は、使用クラブ画面を表示中に左ボタン54が押された場合、クラブ選択画面に遷移する。クラブ選択画面は、ペアリング時にスポーツウォッチ1側から選択できる使用クラブを特定するための画面である。図52(c)は、横向き表示のクラブ選択画面の表示例を示している。クラブ選択画面は、表示部6を横長に見た場合の左端にバッテリーアイコン65とBluetoothアイコン120を配置し、その横に、クラブ種別表示部122を複数配置するレイアウトを採る。クラブ種別表示部122には、GST100で選択可能なクラブの種類を特定する2文字を表示し、本形態では、4個配置する。4個のクラブ種別表示部122に表示するクラブの種類の順番は、GST100にて表示するクラブの種類の順番と同じにしている。図52(c)に示す表示例では、使用クラブ画面から切り替わった後の初期画面であり、4つのクラブ種別表示部122には、左端の先頭から順に「W1」「W3」「W5」「W7」を表示している。制御部は、選択中のクラブを白黒反転して表示する。図では、「W1」が白黒反転し選択されている状態を示している。
各クラブ種別表示部122の左側には選択可否マーク表示部123を設ける。本形態では、スポーツウォッチ1のボタン操作に基づいてGST100で使用するクラブを選択する機能を備えている。選択可否マーク表示部123にチェックマークである「レ」が表示されているクラブが、スポーツウォッチ1の操作で選択可能なクラブとなる。初期値は全てのクラブが選択可能としているため、制御部は、全てのクラブ種別表示部122に対応する選択可否マーク表示部123には、チェックマーク(レ)を表示する(図52(c)参照)。
スポーツウォッチ1の制御部は、右ボタン53が押された場合、対象となるクラブを一つ移動する。移動する方向は、短押しと長押しで変える。制御部は、右ボタン53が短押しされた場合、対象のクラブを順方向に一つ移動し、対象となったクラブ種別表示部122の表示を白黒反転する。制御部は、右ボタン53が長押しされた場合、対象のクラブを逆方向に一つ移動し、対象となったクラブのクラブ種別表示部122の表示を白黒反転する。順方向は、「W1」→「W3」→「W5」→……「U2」→……「PW」→「AW」→「SW」→「LW」→「PT」のようにウッド,ユーティリティ,アイアン,ウェッジ,パターの順で、それぞれで番手が下がる(数値が大きくなる)ように切り替わる方向である。「PT」を表示した状態で、短押しされた場合、最初の「W1」に切り替わる。逆方向は上記と逆にパター,ウェッジ,アイアン,ユーティリティ,ウッドの順で、それぞれで番手が上がるように切り替わる方向であり、「W1」→「PT」→「LW」→……と切り替える。
制御部は、左ボタン54が短押されたことを検知すると、対象となっているクラブを表示対象から外し、白黒反転しているクラブ種別表示部122の選択可否マーク表示部123にチェックマーク(レ)を消す。このチェックマークがないクラブは、後述するスポーツウォッチ1を用いた使用するクラブの切り替え画面で、表示されずに選択できないようなる。クラブ選択画面で左ボタンが長押しされた場合、制御部は選択をキャンセルし、「使用クラブ」の画面に遷移する。
ユーザは、右ボタン53と左ボタン54を操作し、練習で使用しないなど表示しないクラブのチェックを外し、使用するクラブを選択する。図53(a)に示すように、制御部は、選択クラブ画面において、クラブ種別表示部122の最後である「PT」の次に「完了」を表示する。制御部は、例えば、クラブ種別表示部122の「PT」が選択されている状態において、右ボタン53が短押しされた場合、制御部は、「完了」を反転表示して選択した状態にする。また、クラブ種別表示部122の「W1」が選択されている状態で右ボタン53が長押しされた場合、「完了」を反転表示し、選択した状態にする。
この「完了」が選択された状態で左ボタン54が押されるか、右ボタン53が2秒以上長押しされた場合、制御部は、表示部6の表示をGST接続待機中画面に遷移し(図53(b)参照)のための所定の電波を送信し、セントラルであるGST100と通信の確立を図る。制御部は、Bluetooth接続の状態にあわせて、Bluetoothアイコン120の表示を変える。制御部は、GST100とペアリングが成功した場合、表示部6の表示を、測定結果表示画面に遷移する(図53(c)参照)。
スポーツウォッチ1とGST100は、ペアリングして無線接続した状態では相互通信可能となり、例えばスポーツウォッチ1を操作してGST100に対する設定その他の指示を行ったり、GST100による測定結果等をスポーツウォッチ1で報知したりする。ユーザは、使用するクラブの切り替え等も手元でより簡単にでき、測定結果等を手元で確認できる。ユーザは、この測定結果表示画面が表示されたことを見ることで、スポーツウォッチ1とGST100がペアリングされたことが確認できる。
上述したように、GST100は、上向きボタン部105bが押された状態のまま電源ボタン103が長押しされてBluetoothの接続待機状態になり、1分間が経過してもペアリングができない場合には電波の待ち受け状態を停止する。そこでGST100のBluetoothをONにして電波の待ち受け開始になるタイミングと、スポーツウォッチ1のBluetoothをONにして電波を送信するタイミングは、前後は問わないが一定の時間以内に行う。
[スポーツウォッチへの測定結果表示]
GST100とスポーツウォッチ1の双方にGST100での測定結果を表示する。そのためGST100の制御部は、クラブのスイングに基づき求めたヘッドスピード、ボールスピード、飛距離、ミート率の4つの測定結果を自己の表示部102に表示する機能と、その測定結果を他の機器に無線通信を利用して送信する機能を有する。その無線通信を利用して送信する機能は、測定結果を求めると、遅滞なく・すぐに測定結果に関する情報を送信する。後述するように、スポーツウォッチ1における測定結果の表示は、選択した一つの項目について行うが、GST100は、スポーツウォッチ1側での選択された項目に関係なく4種類の全ての測定結果を送信する。
スポーツウォッチ1の制御部は、係る測定結果に関する情報を受信すると、その受信した情報に基づき、4種類のうち選択された項目についての測定結果を表示部6に表示する。従って、例えばユーザがGST100の前でゴルフクラブをスイングすると、GST100の表示部102に測定結果が表示され、また、遅滞なくスポーツウォッチ1の表示部6に、選択された1つの項目の測定結果が表示される。よって、ユーザは、スイングのフィニッシュ後に、スポーツウォッチ1を装着した手首をフィニッシュ位置から下ろし、表示部6を視認可能な位置に移動してきたときには、既に、表示部6に測定結果が表示された状態になる。そして、ユーザは、測定結果を確認後、次のゴルフボールを打つなどの練習にスムーズに移行する。
GST100の制御部が実行する測定結果をすぐ送信するとは、例えば、瞬時とすると良い。瞬時の許容範囲は、例えばユーザが、練習のためにクラブをスイングしてボールを打ってから、通常の動作で掌を身体の前に戻すまでに要する時間以内であると良い。このような時間以内であれば、ユーザは、掌を身体の前に戻して、スポーツウォッチ1の表示部6を見た際に、測定結果を待つことなく確認でき、ストレスがかからないので良い。
GST100で求めた測定結果の表示態様は、GST100では例えば図46等に示すように4種類の情報を同時に表示することを特徴としたが、スポーツウォッチ1では、図54等に示すように1種類の情報のみを表示することを特徴とし、画面表示を切り替えて別の種類の結果を表示する。
表示する測定結果の項目の切り替えは、左ボタン54の操作に基づいて行う。スポーツウォッチ1の制御部は、測定結果表示画面で左ボタン54が押される都度、「ヘッドスピード表示」、「ボールスピード表示」、「推定飛距離表示」、「ミート率表示」の順番に、表示部6に表示する項目を切り替える制御を行い、複数の測定結果に関する情報を同時に表示しないようにした。練習の時は、ある一つに着目し、着目した点についての達成度を確認したいという要求がある。例えば、ヘッドスピードを上げつつミート率も向上するという相反することを同時に達成するようなことは少なく、通常は、例えばあるタイミングではヘッドスピードの向上に注目して練習し、別のタイミングではミート率が向上するように練習することが多い。そこで、本形態では、一種類の測定結果についての情報を表示することで、ユーザは、測定結果としてみたい情報がわかりやすく、確認できるので良い。余計な測定結果が表示されると煩わしいが、本形態では、選択した項目が一つ表示されるので、練習の効果を迅速かつ容易に確認しフィードバックできるのでよい。
図55は、ヘッドスピード表示の表示例を示している。図55(a)に示すように横表示で表示する機能と、図55(b),(c)に示すように縦表示で表示する機能を有する。縦表示モードの表示の一例である図55(b)は、制御部が表示部6に対して図55(a)の横表示モードの表示と対比してどのように変更するかを示す図であり、図55(c)は、縦表示モードにおける実際の使用状況にあわせて表示部6を縦長にしたイメージを表している。横表示並びに縦表示のいずれも表示部6の横長に見た場合の左端にバッテリーアイコン65とBluetoothアイコン120を配置し、その左隣にクラブ表示部124、項目表示部125、ヘッドスピード表示部126の順に配置する。横表示並びに縦表示も、各表示部単位で、横書きで表記する。制御部は、クラブ表示部124に、測定に使用したクラブを特定する情報を二文字で表示する。図では、ドライバーを表す「W1」を表示している。制御部は、項目表示部125に測定結果の種類を表示する。ここでは、ヘッドスピードを表す「ヘッド」と表示する。制御部は、ヘッドスピード表示部126にGST100から取得したクラブのヘッドスピードを表示する。
図56は、ボールスピード表示の表示例を示している。図56(a)に示すように横表示で表示する機能と、図56(b),(c)に示すように縦表示で表示する機能を有する。縦表示モードの表示の一例である図56(b)は、制御部が表示部6に対して図56(a)の横表示モードの表示と対比してどのように変更するかを示す図であり、図56(c)は、縦表示モードにおける実際の使用状況にあわせて表示部6を縦長にしたイメージを表している。このボールスピード表示では、ヘッドスピード表示におけるヘッドスピード表示部126に換えてボールスピード表示部127を配置し、制御部は、GST100から取得したボールスピードをボールスピード表示部127に表示する。また制御部は、項目表示部125に、ボールスピードを表す「ボール」と表示する。
図57は、飛距離表示の表示例を示している。図57(a)に示すように横表示で表示する機能と、図57(b),(c)に示すように縦表示で表示する機能を有する。この飛距離表示では、上記のスピード表示等と同様の表示例アウトをとり、ヘッドスピード表示におけるヘッドスピード表示部126に換えて飛距離表示部128を配置し、制御部は、GST100から取得した推定飛距離を飛距離表示部128に表示する。また制御部は、項目表示部125に、飛距離表示を表す「飛距離」と表示する。
図58は、ミート率表示の表示例を示している。図58(a)に示すように横表示で表示する機能と、図58(b),(c)に示すように縦表示で表示する機能を有する。上述した各表示と同様に、横表示並びに縦表示のいずれも表示部6の横長に見た場合の左端にバッテリーアイコン65とBluetoothアイコン120を配置し、その左隣にクラブ表示部124、項目表示部125、ミート率表示部129の順に配置する。ミート率表示では、ミート率表示部129の右に、ナイスショット表示部130を配置する。ナイスショット表示部130は、他の測定結果を表示する表示部内の単位を表示する部位に配置する。制御部は、取得したミート率が基準値以上の場合、ナイスショットアイコンをナイスショット表示部130に表示する。基準値は、例えば1.40である。また、使用したクラブがウッドの場合のみ表示する。
図に示すように、スポーツウォッチ1のナイスショット表示部130に表示するナイスショットアイコンは、略長円の下地に「Good」の文字を記載した態様で、ドットマトリックスで表示する。このナイスショットアイコンは、GST100に表示するナイスショットアイコンと同様に、スクロールしないでパターンを固定で表示し、表示画面内の表示位置も固定していることとを特徴とする。スクロールしないため、機器がナイスショットアイコンを表示すると、ユーザは一目で瞬時に確認でき、ナイスショットであったことを理解できるので良い。仮にスクロールすると、全てを表示し終わるのに時間がかかり、練習中はかえって邪魔で煩わしくなるが、本形態ではそのような問題がないので良い。
本形態では、ミート率が基準値以上のナイスショットの場合に表示するナイスショットアイコンの態様を、GST100とスポーツウォッチ1とで異なる態様としたことを特徴とする。通常は、同じにするため、例えば、GST100の「ナイスショット」と同様のアイコンをスポーツウォッチ1側に表示することを考える。しかし、本形態のスポーツウォッチ1の表示部6はドットマトリクスであり、解像度が低いとGST100の「ナイスショット」のように文字数が多いと、スクロール表示させないためには一文字が小さく見づらくなり、文字を見やすくするためには、スクロール表示が必須となり好ましくない。これに対し、本形態では「Good」と文字数も少ない態様とすることで、解像度が低くても見やすいアイコンとなり、スクロールすることなく表示できるので良い。
[使用するクラブの切り替え]
スポーツウォッチ1を用いた使用するクラブの切り替えは、右ボタン53の操作に基づいて行う。スポーツウォッチ1の制御部は、右ボタン53が短押しされた場合、使用クラブを順方向に一つずつ切り替える。また、制御部は、右ボタン53が長押しされた場合、使用クラブを逆方向に一つずつ切り替える。順方向は、「W1」→「W3」→「W5」→……「U2」→……「PW」→「AW」→「SW」→「LW」→「PT」のようにウッド,ユーティリティ,アイアン,ウェッジ,パターの順で、それぞれで番手が下がる(数値が大きくなる)ように切り替わる方向であり、逆方向は上記と逆にパター,ウェッジ,アイアン,ユーティリティ,ウッドの順で、それぞれで番手が上がるように切り替わる方向である。例えば、図59(a)に示すように、表示中の使用するクラブが「W1」の場合に、右ボタン53が短押しされると、制御部は、図59(b)に示すようにクラブ表示部124の表示を「W3」に切り替える。また、制御部は、図59(b)の表示状態で右ボタン53が長押しされると、図59(a)に示すようにクラブ表示部124の表示を「W1」に切り替える。
また、制御部は、ペアリングに先立ちクラブ種別表示部122を用いて登録した選択可能なクラブに対し、上述した順方向或いは逆方向の順番に従って使用するクラブを切り替える。よって、全てのクラブが表示するクラブに選択されている場合には、上述した順番で全てのクラブを順番に切り替えるが、チェックが外されて表示するクラブに選択されていないクラブについては、スキップされ、クラブ表示部124の表示をその次の順番のクラブに切り替える。例えば、ウッドはドライバーしか使用しないユーザは、W3,W5,W7,W9を選択から外し、それ以外のクラブを表示するクラブに選択する。制御部は、クラブ表示部124に「W1」を表示している状態で、右ボタン53が短押しされると、クラブ表示部124の表示を「U4」に切り換える。また、制御部は、クラブ表示部124に「U4」を表示している状態で、右ボタン53が長押しされると、クラブ表示部124の表示を「W1」に切り換える。よって、全てのクラブを選択している場合に比べ、 W3,W5,W7,W9の4回分のプッシュ操作を省略できる。このように使用するクラブのチェックを外すことでトグルの回数を減らし、ユーザの利便性が向上する。
また、スポーツウォッチ1の制御部は、この右ボタン53の短押し/長押しに伴い、ペアリングしているGST100に対して、使用するクラブの切り替えのための情報を送信する。切り替えのための情報は、右ボタン53の操作に伴い切り替えられた使用するクラブ種別を含む。例えば、図59(a)から図59(b)に切り替わった場合、スポーツウォッチ1の制御部は、使用するクラブ種別が「W3」であることを送信する。GST100は、係る使用するクラブ種別を受信すると、GST100におけるクラブ種別を同じものに切り替える。GST100は、この切り替えたクラブ種別に基づいて、推定飛距離等の測定を行う。
スポーツウォッチ1とGST100がペアリングを行っている状態における使用するクラブの切り替えは、上述したスポーツウォッチ1の右ボタン53の押下と、GST100の下向きボタン部105a,上向きボタン部105bの押下のいずれでも行える。先に説明したように、GST100の制御部は、下向きボタン部105a或いは上向きボタン部105bが押下されると、使用するクラブを切り替える。そして、ペアリングを行っている場合には、GST100の制御部は、切り替えた使用するクラブを特定する情報を無線通信により送信する。スポーツウォッチ1の制御部は、受信した情報に基づき、クラブ表示部124に表示する使用するクラブを切り替える。
GST100における使用するクラブの選択は、全てに対して行える。よって、例えば、スポーツウォッチ1で普段使用するクラブに選択していないクラブが、GST100で選択された場合、スポーツウォッチ1の制御部は、受信した使用するクラブを特定する情報に基づき、クラブ表示部124に表示する。これにより、スポーツウォッチ1の右ボタン53の操作では表示されないクラブを、クラブ表示部124に表示する。
スポーツウォッチ1の制御部は、GST100から受信したクラブの情報に基づきクラブ表示部124に表示するクラブの種類を切り替えるが、スポーツウォッチ1の操作で選択可能なクラブに設定を変えることはしない。このように本実施形態で、GST100で使用するクラブを切り替え・選択しても、スポーツウォッチ1側で通常使用するクラブの選択には反映されないことを特徴する。よって、例えばGST100を使用するクラブを指定した後、スポーツウォッチ1の右ボタン53が押下されると、制御部は元々設定されたクラブのみを順番に表示する。
GST100で選択した場合、スポーツウォッチ1側で普段表示するクラブに自動的に設定されることはなく、スポーツウォッチ1でイレギュラー的に選択できるようにしている。このようにすることで、例えばスポーツウォッチ1で選択可能なクラブを少なく設定しておくことで、ユーザが普段練習で使用するものを、少ないボタン操作で素早く指定することができるとともに、イレギュラー的に使用するものは、GST100を操作して指定することができる。よって、スポーツウォッチ1の操作で表示選択できるクラブに設定を変えることなく、イレギュラー的にクラブを指定できるので良い。そして、イレギュラー的に使用したクラブは、その後の使用頻度は低いので、スポーツウォッチ1の右ボタン53の押下で表示されないので良い。
上述した実施形態において、測定結果やナイスショット等の判定結果は、スクロール表示させないようにすると良い。表示部に一画面で固定表示すると、ユーザが結果を見やすいので良い。特に、ユーザは、スイングしてそのときの測定結果を確認したら、そのときのイメージが残っている間に次のスイングを行い、フォームの調整等の練習を行いたいという要望がある。例えば、表示部6が小さい場合に、測定結果をスクロール表示すれば、より多くの詳細な情報を提供することができるが、スクロールが終了するまでに時間を必要とする。そのため、仮に測定結果が良かった場合でも、スイングの良かったイメージが薄れてしまい、再現して良いフォームを固めることがしにくく、また、測定結果が悪い場合に悪かった要因を特定しづらくなってしまう。これに対し、本形態では、スクロール表示させないので、ユーザは測定結果を一目で確認でき、待ち時間が無く次のスイングに移行でき、上記の問題が無いので良い。本形態のように、測定結果に関する情報は、一画面で表示できる内容に制限して報知するようにすると良い。なお、その他の情報は、スクロールしても良い。
[測定結果表示態様の変形例]
上述した実施形態では、4種類の測定結果のいずれにおいても、使用クラブを表示するようにしたが、例えば「推定飛距離表示」については、使用クラブを表示し、それ以外の項目の一部或いは全部では使用クラブを表示しないようにすると良い。使用クラブは、推定飛距離について直接的に影響するため、使用クラブをあわせて表示することでユーザに有益な情報を与える。一方、その他の項目は、測定結果に対して使用クラブが直接的には関係しないので、例えば使用クラブを表示しないで、表示する内容を絞り込み、測定結果を効率よくユーザに知らせることができるので良い。但し、測定結果に直接関係しない場合でも、使用するクラブを同時に表示することで、例えば、ウッド、ユーティリティ、アイアン、ウェッジの種類や、さらには、各種類における番手で、スイングスピード、ボールスピード、ミート率、ナイスショットがどのように変わるかを確認し、ユーザの得手・不得手のクラブなどを検証することができる。よって、上述した実施形態のように4種類とも使用するクラブを表示する方がより好ましい。
[スマートフォンとの連係]
図60に示すように、本形態では、例えば、スポーツウォッチ1とGST100とスマートフォン200の3つの機器との間で通信可能となる。本形態では、Bluetoothを用い、2台ずつの間でセントラルとペリフェラルとの関係で相互通信する。セントラルとペリフェラルの具体的な関係は、スマートフォン200とGST100との間では、スマートフォン200がセントラルでGST100がペリフェラルとなる。多くのスマートフォンは、無線通信機能の一つとしてBluetoothを実装しており、通常、セントラルとして機能する。そこで、係るスマートフォンに実装されている機能を利用するため、本形態では、スマートフォン200とGST100との間でペアリングを行う場合、GST100がペリフェラルとして動作する機能を備える。
これに伴い、GST100は、セントラル機能とペリフェラル機能を実装し、切り替えと実行する。切り替えは、例えば、所定時間間隔でセントラルとペリフェラルの動作を交互に実行する。この所定時間間隔は、例えば、相手の機器の通信しペアリングを確立するのに十分な時間とすると良く、例えば、数秒間隔などとすると良い。GST100は、例えば数秒おきにセントラルとペリフェラルの動作を切り替え、例えばセントラルで動作中にスポーツウォッチ1からの電波を受信すると、当該スポーツウォッチ1との間でペアリングを成立する。また、ペリフェラルとして動作中には電波を出力し、スマートフォン200のペアリングに挑む。一方とペアリング中でも所定時間間隔で切り替えて他の機器とのペアリングを探す。そして、GST100の周囲に、スポーツウォッチ1と、スマートフォン200のいずれか一方が存在している場合、当該存在している機器とGST100の2台でペアリングされたシステムとなり、スポーツウォッチ1とスマートフォン200の双方が存在する場合、GST100はそれぞれとペアリングして合計3台のシステムとなる。3台のシステムの場合、スポーツウォッチ1とスマートフォン200は直接通信しないようにし、GST100を経由して情報の送受を行う。
本実施形態において、スマートフォン200は、スポーツウォッチ1と同様に、GST100と無線通信し、GST100で求めた測定結果を受信してスマートフォン200の表示部201に表示したり、スマートフォン200から使用するクラブの切り替え指示をGST100に送ったりする。GST100は、スマートフォン200からクラブの切り替え指示を受けると、使用するクラブを切り替える。また、GST100は、ペアリングの相手をスポーツウォッチ1に切り替えると、スマートフォン200からの指示で切り替えたクラブの種別をスポーツウォッチ1へ送信する。
一方、上述したように、スポーツウォッチ1或いはGST100で切り替えて指定された使用するクラブは、両者間で相互に通信し、同じに切り替えるが、GST100は、この切り替えたクラブの情報をペアリングしているスマートフォン200にも送信する。これにより、3台の機器で設定される使用するクラブは、同じになる。さらに、GST100は、GST100は、クラブのスイングに伴い測定結果を求めると、その測定結果を自己の表示部102に表示し、ペアリングの相手を換えてスポーツウォッチ1とスマートフォン200に順次送る。
上述した測定結果を表示したり、使用するクラブを切り替え指示したりする機能は、例えばBluetooth機能を備えたスマートフォン200にインストールしたアプリ(以下、「GST用アプリ」と称する)で実現する。スマートフォン200の制御部は、例えば、実行可能なアプリのアイコンを適宜位置に配置するメインメニュー画面を表示する。例えばGST用アイコンがダブルクリックされたことをスマートフォン200の制御部が検知すると、制御部は、以下に示すGST用アプリケーションプログラムを実行する。
まず、制御部は、GST用アプリケーションプログラムを起動し、スマートフォンに実装されたBluetooth機能を実行してGST100とのペアリングを図る。このとき、Bluetooth機能がOFFになっている場合、ONにすることの許可/不許可の確認メッセージを表示し、「許可」が選択された場合には、Bluetooth機能をONにした後、セントラルとしてGST100からの電波の受信を待つ。スマートフォン200のBluetooth機能がONになっている場合には、確認メッセージを表示することなくセントラルとしてGST100からの電波の受信を待ち、GST100とのペアリングの確立を図る処理を行う。なお、上記の表示した確認メッセージに対し「不許可」が選択された場合には、GST100との接続を行わず、測定結果表示画面202に重ねて、GST接続ボタン(図示省略)を表示する。このGST接続ボタンがタッチされた場合、制御部は、ペアリングを行うための処理を実行する。
GST100とのペアリングが確立すると、スマートフォン200の制御部は、表示部201に測定結果表示画面202を表示する(図60,図61(a)等参照)。測定結果表示画面202は、4つの測定結果を同時に表示するようにし、上から順にヘッドスピード、ボールスピード、飛距離、ミート率の順に表示する。ヘッドスピードの右横には、使用するクラブを特定するクラブ種別アイコン206を表示する。このクラブ種別アイコン206は、ドライバー,ユーティリティ,アイアン,ウェッジ,パターのヘッド部分を模したマークと、クラブを特定する二文字を並べて表す。各測定結果や、クラブ種別アイコン206は、GST100から受信した情報に基づき表示する。データが無い場合には、「――」を表示する。
ミート率が基準値を超えたナイスショットの場合、例えばミート率の横などの所定位置にナイスショットアイコンを表示するようにしても良いが、本実施形態では、測定結果表示画面202の背景色を変えるようにした。比較的広い領域の背景色を変えることで、インパクトがあり、ナイスショットしたことがより印象づけられ、わかりやすいので良い。背景色は、例えば赤色など目立つ色とすると良く、ユーザ設定で変更できるようにするとなお良い
制御部は、測定結果表示画面202とともに測定結果表示画面202の上側に項目表示部203を配置し、下側に指示入力部205を配置するレイアウトで、表示部201に表示する。項目表示部203には、表示部201の中央エリアに表示する項目を表示するもので、図示の例では、測定結果を示す「測定」を表示している。また、制御部は、測定結果表示画面202とともに表示する項目表示部203の右端に、クラブ選択ボタン部207を表示する。スマートフォン200は、表示部201に重ねてタッチパネルが配置され入力部を構成する。クラブ選択ボタン部207がタッチされた場合、制御部は、測定結果表示画面202の上にクラブ選択画面208を重ねて表示する(図61(b)参照)。
クラブ選択画面208は、GST100で選択可能な全てのクラブについての選択ボタン部208aを備えている。本実施形態では、各選択ボタン部208aは、矩形領域であり、それらをマトリクス状に配置する。各選択ボタン部208aは、何のクラブかがわかるように、クラブを特定する2文字を表示する。ユーザは、使用するクラブについての選択ボタン部208aをタッチする。制御部は、いずれかの選択ボタン部208aがタッチされたのを検知すると、タッチされた選択ボタン部208aに対応するクラブを特定する情報をGST100に送信する。GST100は、徐の送られてきた情報に基づき、測定に使用するクラブを切り替え、また、スポーツウォッチ1にそのクラブの情報を送信する。
本実施形態では、GST100で選択可能な全てのクラブについての選択ボタン部208aを、同一画面中に同時に表示するようにした。画面切替やスクロールすることなく同時に表示することで、ユーザは、好きなクラブを自由かつ迅速に選択できるので良い。スマートフォンを用いた使用クラブの切替では、スポーツウォッチ1やGST100のように、決められた順番に関係なく任意のものを選択できるので、操作性が良く好ましい。
また、このクラブ選択画面208を用いた使用するクラブの選択は、スポーツウォッチ1で選択できないか否かに関係なく、GST100で使用可能なすべのクラブを選択できるようにしている。スマートフォン200では、全てのクラブを一覧表示し任意のものを選択させるようにし、スポーツウォッチ1のように選択可能なクラブを絞り込むプリセット機能は無いことを特徴としている。
よって、ユーザは、例えばスポーツウォッチ1とスマートフォン200を携帯することで、通常良く練習に使用するクラブは、スポーツウォッチ1に登録しておき、スポーツウォッチ1から操作してクラブを選択し、イレギュラー的に使用するものについてはスマートフォン200を操作してクラブを選択するというように使い分けることで、選択の操作性が向上するので好ましい。
また、クラブ選択画面208を表示した状態で、クラブ選択ボタン部207がタッチされ場合、制御部はクラブ選択画面208を消去し、測定結果表示画面202の表示に戻る。クラブ選択画面208をクラブ選択ボタン部207に重ならないように表示することで、クラブ選択ボタン部207を、クラブ選択画面208を表示した状態から元の画面に遷移するためのボタンに利用する。
クラブ選択画面208のPT(パター)がタッチされた場合、制御部は、測定結果表示画面202を図61(c)に示すようなパター用の表示態様を表示する。このパター用の表示画面では、ボールスピードとボール飛距離の2つの測定結果を同時表示する。
指示入力部205は、左から順に「測定結果」、「履歴」、「設定」、「情報」の4つのボタン部を備えている。いずれかのボタン部がタッチされたことを検知すると、制御部は、対応する表示画面を表示する。いずれの表示画面も、測定結果表示画面202と同様に上側に項目表示部203を備え、下側に指示入力部205を備える。各表示画面の一例を示すと、「履歴」がタッチされた場合、制御部は、図62(a)に示すような履歴表示画面210を画面中央に表示し、項目表示部203には「履歴」と表示する。制御部は、記憶部に記録した過去の履歴データを読み出し、履歴表示画面210にクラブ種別毎或いは日付毎に、ヘッドスピード、ボールスピード、ミート率、ステイ飛距離のいずれかについての履歴データを表示する。いずれの履歴データを表示するかは、タブの指定に基づき行う。また、素振りやボールスピードが検知できなかったスイングは、履歴に保存せず、パターの履歴も表示しない。
指示入力部205の「設定」がタッチされた場合、制御部は、図62(b)に示すような設定メニュー画面211を画面中央に表示する。設定メニュー画面211は、上から順に「飛距離係数」、「履歴容量」、「測定色通知」の3つの設定項目を備える。それぞれの設定項目の領域をタッチすると、制御部は、それぞれの設定画面を表示する。
GST100は、表示した飛距離が実際と大幅に異なる場合や、レンジボールを使用する場合などに、飛距離係数を変更して実際の飛距離に合わせる機能を備えている。初期値は、100%で、所定の範囲内で変更する。所定の範囲内は、例えば50から150%とすると良い。係る範囲内で調整することで、例えば初心者から上級者までのユーザのレベルに合わせた推定飛距離を求めることができるので良い。また、係る調整を行うことで、例えば、GSTに用意されていないクラブ種に対する測定を行うことができる。例えば、4番ウッドを使用するユーザは、例えば使用しない5Wの飛距離係数を100よりも大きくし、4番ウッドの推定飛距離に合わせ込むことで、そのユーザにとっては、5Wと表示されるクラブ種を4番ウッドのものとして使用することができる。
「飛距離係数」がタッチされると、制御部は、GST100と無線通信し、GST100に設定されている現在の係数を取得し、図62(c)に示す飛距離係数設定画面213を表示する。この飛距離係数設定画面213は、クラブ種の順方向の送り順に従って、上から順番にクラブ種を表示し、各クラブ種の右側に対応する飛距離係数を表示する。図示の例では、「1W」~「4U」が表示されており、画面を上下方向にスクロールすることで、別のクラブ種を表示する。飛距離係数は、スマートフォンのテキスト入力用のIME等を利用して数字を入力して変更する。整数を入力することで、1%ステップで変更する。スマートフォン200側で係数の変更が行われた場合、スマートフォン200の制御部は、その変更した係数をGST100に送信する。GST100は、当該変更した係数を受信すると、自己が記憶している係数を受信した内容に更新する。
指示入力部205の「測定色通知」がタッチされた場合、制御部は、図62(d)に示すような通知色設定画面212を表示部201に表示する。通知色設定画面212は、ナイスショットした際の通知、推定飛距離が目標飛距離になった通知の設定を行う画面である。本実施形態では、推定飛距離が目標飛距離に対して±○○ヤードの範囲内の場合に通知を行うようにした。±△△%としても良いが、演算処理が煩雑であることと、通常のプレー時において目標値に対して±○○ヤードの誤差・ぶれに納めたいという要求に合わせた。目標飛距離の達成は、本形態では、目標飛距離に対して±○○ヤードなど一定の範囲内の場合に目標達成を通知するようにしたが、目標飛距離以上の場合に目標達成としても良い。特に、1W(ドライバー)などの場合には、できるだけ飛ばしたいという要求もあるので、目標飛距離以上の場合に通知するようにすると良い。一方、通常のその他のクラブ種別では、飛びすぎても好ましくないので、本形態のように一定の範囲内に通知するのが良い。これらから、クラブ出別毎に目標飛距離達成の条件を異ならせる機能を備えると良い。
項目表示部203には、「測定色通知」と表示し、キャンセルボタン215とOKボタン216を備える。キャンセルボタン215がタッチされた場合、制御部は測定色の通知設定内容を換えることなく一つ上の階層の設定メニュー画面211に戻る。OKボタン216がタッチされた場合、制御部は測定色の通知設定を表示された内容に設定し一つ上の階層の設定メニュー画面211の表示に戻る。
本実施形態では、ナイスショットをした場合や、目標飛距離になった場合の通知態様として、背景色を変更表示するようにした。そこで、この通知色設定画面212を用いた設定内容は、通知をするか否かの設定と、通知する場合の背景色と、その背景色を表示している時間を決定する。係る設定を行うため、上段に、「通知設定無し」「ナイスショット通知」「目標飛距離通知」の各項目と、各項目を選択するためのラジオボタンを配置する。図では、「ナイスショット通知」が選択された状態を示している。
そして、通知の有無並びに通知する場合の背景色は、OKボタン216がタッチされたときの内容であり、背景色を用いた通知を行う場合、ナイスショットと目標飛距離のいずれか一方が有効となり、両方を選択できないことを特徴としている。測定結果表示画面202には、4つの測定結果が同時に表示しているので、両方を選択できると背景色が変わった場合にナイスショットと、目標飛距離のいずれが達成したのかがわかりにくいので、一方のみしか選択できないようにした。これにより、背景色が変わった場合には、選択したナイスショット或いは目標飛距離を達成したことが容易に理解できる。
また、例えば両方を同時に選択できるようにし、ナイスショットと、目標飛距離達成で表示する背景色を変えるようにしてもよい。そのようにすれば、どちらを達成したかを理解できるのでよいが、ユーザは、背景色をどちらに割り当てたかを覚えておく必要があり、直感的にナイスショットと目標飛距離達成のいずれかを理解しづらいこと、並びに、実際の練習においても、ナイスショットと目標飛距離達成を同時にチェックすることは少なく、一方に注力することから、本実施形態のように一方のみしか選択できないようにする方が好ましい。
中段には、背景色見本表示部217と、背景色選択部218を備える。背景色選択部218は、選択可能な色をスクロール表示可能にしおり、上下の中央に表示された色を表示色に選択するようにする。ユーザは、例えばその背景色選択部218の表示領域をスワイプし選択可能な色をスクロールさせる。制御部は、そのスクロールに対応して背景色見本表示部217に表示する文字と色を変える。図では、赤色が選択された状態となる。背景色は、例えば、赤、紫、緑、シアン、青、オレンジ、マゼンダ、黄の順に切り替えていくようにした。また、下段には、通知時間設定項目として、「3秒」「5秒」「8秒」が用意され、それぞれ対に設定されたラジオボタン214をクリックすることで選択する。
「目標飛距離通知」のラジオボタンがクリックされた場合、制御部は図62(e)に示すように、目標値入力部219を備える通知色設定画面212を表示する。目標値入力部219は、スマートフォンのテキスト入力用のIME等を利用して数字を入力する。
図示省略するが、「通知設定無し」のラジオボタンがクリックされた場合、制御部は、背景色、通知時間、目標飛距離などを選択できないようにする。選択できないようにするとは、例えば、背景色選択部218を非アクティブとし、タッチ・スワイプしてもスクロールしないようにしたり、通知時間設定項目の「3秒」「5秒」「8秒」の横に配置するラジオボタンを非表示にしたり、目標値入力部219を表示しないなどがある。「通知設定無し」のラジオボタンがクリックされた場合、制御部は、背景色見本表示部217の文字は表示するが、対応する表示色を表示せず、例えば灰色などの他の領域の地色と同じとすると良い。このようにすると、具体的な表示色が表示されないので、「通知設定無し」が選択されていることが明確にわかるので良い。
指示入力部205の「情報」がタッチされた場合、制御部は、図62(f)に示すような情報表示画面220を表示する。この情報表示画面220では、例えば、「ヘルプ」や「○○ホームページ」などのリンクも備え、それぞれのテキスト部分がタッチされた場合、制御部は、インターネットに接続し、所望のページを表示部201に表示する。
上述したスポーツウォッチ1とGST100とスマートフォン200の3つの機器を接続するシステムでは、3つの機器の表示部の表示態様・性能が相違する。例えば、スポーツウォッチ1は、スリムで小さいのに対し、GST100とスマートフォン200は比較的大きい。スマートフォン200の表示部201は、フルカラーのドットマトリクスであり、解像度も高く見やすいのに対し、GST100の表示部102は、セグメント表示 の単色で解像度も低いという特徴がある。また、入力部は、スマートフォン200は、表示部全体に配置したタッチパネルを利用することができ、画面上の任意の場所をタッチすることができ、操作性・自由度が良好であるのに対し、GST100は、ケース101に設けられた複数のボタンの操作に限られ、さらに、スポーツウォッチ1は右ボタン53と左ボタン54の2つのボタンに限られるという特徴がある。そこで、本実施形態では、それらの特徴をそれぞれ有効に利用し、使用するクラブの選択の仕方をそれぞれの機器にあわせて変えることで、いずれにおいても操作性が良好で、簡単な操作で所望のクラブを選択できるようにした。さらに、いずれの機器においても、ボタンの押下や画面のタッチというように、ユーザが押す操作に基づいて使用するクラブが選択されるのは共通にすることで、使い勝手を良くした。
上述したように、3つの機器を無線通信で接続するシステムにおいて、1つがペリフェラル機能とセントラル機能を持ち、適宜切り替えて別の機器と通信するようにしている。3つの機器を接続する場合、通常は1つの機器がセントラルとして機能し、他の2つの機器がペリフェラルとして機能してセントラルの機器に対して通信する。これに対し、例えばGST100のように、セントラル機能とペリフェラル機能を持ち適宜切り替えて動作する機器を備えることで、ペアリングの相手は、例えばスマートフォン200のようにセントラルの単一機能を備えた機器と、例えばスポーツウォッチ1のようにペリフェラルの単一機能を備えた機器のいずれとも通信が可能となる。
また、上述した実施形態では、スポーツウォッチ1とスマートフォン200は直接通信をせず、GST100を経由して通信するようにしたが、それぞれペリフェラルの単一機能の機器と、セントラルの単一機能の機器であるため、両者をペアリングさせ、直接通信をすることができる。よって、3つの機器からなるシステムと、その3つの機器のうちの任意の組み合わせの2つの機器で構成するシステムのいずれも取り得ることができるので良い。
スポーツウォッチ1とスマートフォン200をペアリングさせた場合、例えばスポーツウォッチ1のゴルフナビの機能でスコア情報の記録データをスマートフォン200が取得し、スマートフォン経由でスコア管理するサーバーに送ることができるので良い。これにより、例えば上述したように、USBケーブル等を用いてスポーツウォッチ1とパソコンデータを直接接続してデータ転送をする必要がなくなるので良い。USBケーブル等を用いて接続した場合、パソコンから取り外す作業が繁雑となるが、無線通信を利用することでかかる作業が不要となるので良い。
このようにスポーツウォッチ1とスマートフォン200を直接接続する機能を備えた場合、GST100を備えた3つの機器間で通信をするシステム構成では、上述した実施形態のようにGST100経由でスポーツウォッチ1とスマートフォン200を接続する形態と、スポーツウォッチ1とスマートフォン200を直接接続する形態がある。いずれの形態をとるかは、ペアリングの確立のために電波の送信/受信を行い、先にペアリングが完成した方で行う。また、モード設定などにより、直接/間接のいずれかに決めるようにしても良いが、モード設定処理が煩雑になるので、先にペアリングが完成した方で行うようにすると良い。
上述したように本実施形態のスポーツウォッチ1は、ゴルフナビモードと、GSTとの無線接続モードを備え、それらを切り替える機能がある。係る機能に加え、時計モードも備えており、各モードを適宜切り替えるようにしている。そして、時計はゴルフのプレー中や練習時以外にも普段から使用することから、本実施形態では、電源ONで時計モードが起動するようにした。
そして、係る時計モードの状態で右ボタン53を長押しするとゴルフナビモードに移行し、時計モードの状態で左ボタン54を長押しすると無線接続モードに移行する。このように、2つの異なるボタンに対し、同じ長押し操作で異なるモードに移行することを特徴とすることで、モードの切替がわかりやすくなる。
ゴルフナビモードの状態で右ボタン53を長押しすると、時計モードに復帰する。また、無線接続モードの状態で左ボタン54を長押しすると、時計モードに復帰する。時計モードからそれぞれのモードに遷移したときに押したボタンと同じボタンを押すと復帰する。このように、ゴルフナビモード,無線接続モードの各モードから時計モードへの復帰は、時計モードから各モードに切り替えたのと同じボタンを長押しというように同じ操作で行うようにした。よって、ユーザは、例えば「ゴルフナビモードは右ボタン」、「無線接続モードは左ボタン」の世に各モードと右/左を関連づけて覚えておくことで、その右/左のボタンを長押しすることでモードの切替ができるので、操作が簡単で理解しやすくなるので良い。
なお、モードの切替のための左右のボタンの割り当てとして、例えば、各モードから時計モードに復帰する場合使用するボタンは、各モードへ切り替えるときに使用するボタンと関係なく、共通のボタン操作で行うようにしても良い。共通のボタン操作は、例えば、左ボタンの長押し等である。このようにすると、現在のモードがゴルフナビモードであるか無線接続モードであるかに関係なく、決められた一つのボタン操作で時計モードに復帰させることができ、時計モードへの切替がわかりやすくて良い。
さらに上述した実施形態では、スポーツウォッチ1におけるクラブの変更を、同じボタンに対する長押しと短押しで順送りと逆送りにしたが、このようにクラブの変更方向の切替に限ることはなく、1つのボタンに対する押し方を変えることで、例えば頁送りの方向を切り替えたり、画面遷移の方向を変えたりするなど、表示内容を切り替える際の画面の送り方を異ならせるユーザインタフェースに利用すると良い。
<ウォッチの別の形態>
図63以降は、スポーツ機能を備えたウォッチ300の別の形態を示している。以下に説明する表示部に表示等したり、通信等したりする制御部の機能を、上述した各種のウォッチに実装しても良い。図63(a)~(c)に示すように、ウォッチ300は、ウォッチ本体部301がバンド部302に対して着脱可能となっている。後述するように、本形態のウォッチ300は、脈拍を測定する機能を備えており、当該機能を働かせるため、例えば図63(d)に示すよう、ウォッチ300を手首57に装着する場合、尺骨59にかからない位置で手の甲58側に装着し、腕に密着するように装着する。
図63(e)に示すように、このウォッチ300の表示部303は、1.6インチのカラーディスプレイからなり、タッチパネル等のタッチ操作に基づく入力機能を備えている。タッチパネルを用いた入力方法は、表示部303に指で軽く触れてから離す「タッチ」と、表示部303に触れた指を、左右にすばやく払うように動かす「左右フリック」と、表示部303に触れた指を、上下にすばやく払うように動かす「上下フリック」とを備える。左右フリックは、主に前の表示に戻る指示を与える操作として使用する。上下フリックは、主に選択項目のスクロールまたはメニュー画面の切り替える指示を与える操作として使用する。バンド部302の表示部303に対向する部位は開口部302aとなり、ウォッチ本体部301をバンド部302に装着した状態では、表示部303が開口部302aを介して外部に露出する。
ウォッチ本体部301は、表示部303を設けた表面側に、表示部303を挟んで両側にスピーカー304とGPSアンテナ部305を備える。GPSアンテナ部305は、GPS衛星からの電波を受信し、現在位置を測位する。スピーカー304とGPSアンテナ部305は、それぞれバンド部302の所定位置に設けた貫通孔302b,302cを介して外部に露出する。
ウォッチ本体部301の表示部303と反対側の裏面側には、センサ部306と端子カバー307が配置される。センサ部306は、緑色のLEDが発光し、脈拍を測定する機能を備える。端子カバー307をあけると、内部に設けたUSB端子が露出する。このUSB端子にUSBケーブルを装着し、パソコンと接続してデータの送受を行ったり、ACアダプターに接続して充電を行ったりする。
ウォッチ本体部301の側面には、サイドボタン308を備える。サイドボタン308は、例えば電源ONや、待受け画面へ戻る際等に使用する。電源OFFの状態でサイドボタン308が長押しされると、ウォッチ本体部301に実装される制御部は、電源ONにし、表示部303にキャラクターモードの待ち受け画面を表示する(図64(a)参照)。長押しは、例えば3秒以上押し続ける。
待ち受け画面は、図64(a)に示すように所定の背景とともに、「レイ」という名前の少女を模したキャラクター310を表示するレイアウトとしている。また、表示部303の表示エリアの上側には、ステータスバー311を表示する。ステータスバー311は、その右端に現在時刻と、バッテリーアイコンを備える。バッテリーアイコンは、内蔵する充電池の状態を表す。
この待ち受け画面で表示部303が上下フリックされると、制御部は、図64(b)に示すようなシステムメニューを表示する。システムメニューは、4つのアイコンを上下・左右に配置したレイアウトを採る。具体的には、左上のPowerアイコン312aと、右上のPulseアイコン312bと、左下のSoundアイコン312cと、右下のVibrationアイコン312dを備える。
Powerアイコン312aは、電源をOFFするためものである。Powerアイコン312aがタッチされると(図63(c)参照)、制御部は、図63(d)に示す電源OFF画面を表示する。電源OFF画面の「はい」がタッチされると(図63(e)参照)、制御部は、図63(f)に示すシャットダウン画面を表示し、電源をOFFにする。また、電源OFF画面を表示後、一定時間画面操作がない場合には、制御部は、表示画面をシステムメニューに戻す。一定時間は、例えば3秒以上である。また、サイドボタン308が長押し(例えば、3秒以上)された場合にも、制御部は電源OFF画面を表示する。
Pulseアイコン312bは、脈拍を測定する機能を起動するためのものである。Pulseアイコン312bがタッチされると(図63(g)参照)、制御部は脈拍センサをONにしてセンサ部306で脈拍数を測定し、測定結果をステータスバー311に脈拍数アイコン313として表示する(図64(h)参照)。脈拍センサがONの状態でPulseアイコン312bがタッチされた場合、制御部は脈拍センサをOFFにする。また、ウォッチ本体部301の電源がOFFにされると、脈拍センサもOFFにする。また、Pulseアイコン312bは、脈拍センサがOFFの場合には暗く(図63(g)参照)、ONの場合は明るく光るように表示する(図63(h)参照)。
Soundアイコン312cは、音量を調整するためのものである。音量は、OFFから最大5まで変化する。Soundアイコン312cがタッチするたびに、制御部は、音量を1ずつ変化させる。OFFから順に1つずつ音量レベルを上げていき、5の状態でさらにSoundアイコン312cがタッチされた場合は、OFFに戻す。さらに、本形態では、初期値は3に設定する。Soundアイコン312cは、現在の音量レベルを表示する。図では、スピーカーのマークとともに音量レベルの「3」が表示されている。
Vibrationアイコン312dは、バイブレーション機能のON/OFFを設定するためのものである。バイブレーション機能は、通知があった場合にウォッチ本体部301が振動する機能である。Vibrationアイコン312dがタッチするたびに、制御部は、ON/OFFを交互に切り替える。初期値はONに設定している。
[待ち受け画面の切替]
上述したように、電源のONに伴いキャラクターモードの待ち受け画面を表示したが、本形態では、待ち受け画面として、キャラクターモード以外に、デジタル時計モード(図63(i)参照)と、アナログ時計モード(図63(j)参照)を備える。待受け画面を表示した状態で、サイドボタン308が二回素早く押される都度、制御部は、上記3つのモードを順番に切り替える。切り替える順番は、例えば、キャラクターモード→デジタル時計モード→アナログ時計モード→キャラクターモード……とする。
[設定メニューを用いたモード切替]
本形態のウォッチは、時計モードに加え、トレーニングモード、居眠り検知モード、オービス監視モード等の複数のモードを備える。各モードの切替は、設定メニューを用いて行う。
図65(a)に示されるように、待受け画面を表示した状態でサイドボタン308を押されると、制御部は、第一設定メニュー314を表示する(図65(b)参照)。第一設定メニュー314が表示された状態で、表示部303が上下フリックされると、制御部は第二設定メニュー315を表示する(図65(c)参照)。また第二設定メニュー315が表示された状態で、表示部303が上下フリックされると、制御部は第一設定メニュー314を表示する。このように、本形態では、第一設定メニュー314と第二設定メニュー315を備え、それら設定ニューを表示している際に上下フリックをすると、制御部は、それら設定メニューを交互に切り替える機能を有する。
第一設定メニュー314は、トレーニングモード、居眠り検知モード、オービス監視モード等の切り替えを行うための画面である。この第一設定メニュー314は、4つのアイコンを上下・左右に配置したレイアウトを採る。具体的には、左上のTrainingアイコン316aと、右上のDozeアイコン316bと、左下のOrbisアイコン316cと、右下のRoomアイコン316dを備える。
Trainingアイコン316aは、ランニングやウォーキング等のトレーニングを行う際に使用するトレーニングモードを起動するためのものである。Trainingアイコン316aがタッチされると、制御部は、トレーニングモードを起動する。トレーニングモードは、例えば、トレーニング履歴を表示し、ストップウォッチ等のトレーニングの支援機能を実行するモードである。詳細は後述する。
Dozeアイコン316bは、居眠り検知モードを起動するためのものである。Dozeアイコン316bがタッチされると、制御部は、居眠り検知モードを起動する。居眠り検知モードは、脈拍センサで測定した脈拍から居眠り状態にあるか否かを判断し、居眠りを検知すると報知するものである。詳細は後述する。
Orbisアイコン316cは、オービス監視モードを起動するためのものである。Orbisアイコン316cがタッチされると、制御部は、オービス監視モードを起動する。オービス監視モードは、登録されたターゲットに近付くと、音声や表示を持ちして報知するものである。詳細は後述する。
Roomアイコン316dは、キャラクターモードの待ち受け画面の変更・設定等を行うためのものである。Roomアイコン316dがタッチされると、制御部は、キャラクターの変更画面を表示する。本形態では、キャラクターのコスチュームや、音声の変更を行う。
第二設定メニュー315は、4つのアイコンを上下・左右に配置したレイアウトを採る。具体的には、左上のScheduleアイコン317aと、右上のAlarmアイコン317bと、左下のSettingアイコン317cと、右下のPCアイコン317dを備える。Scheduleアイコン317aがクリックされると、制御部は、スケジュール管理機能を起動し、スケジュールの登録画面や確認を表示する。スケジュール内容は、例えば「約束」、「記念日」、「お仕事」、「お出かけ」の4種類がある。スケジュール登録後、制御部は、指定した日時になると表示と音声で通知する。
Alarmアイコン317bがタッチされると、制御部は、アラーム設定機能を起動し、アラームの種類登録画面や、アラーム時刻登録画面等を表示し、登録を受け付ける。アラーム時刻は、例えば、時刻と曜日の組み合わせや、時刻のみがある。時刻のみの登録は、直近の1回のアラーム通知となる。曜日と組み合わせた登録は、毎週登録した時刻でのアラーム通知となる。アラームを登録後、制御部は、指定した日時になるとお知らせ音声またはビープ音で通知する。
Settingアイコン317cがタッチされると、制御部は、各種の設定画面を表示し、例えば、時刻合わせ、スリープモードへの切り替え条件設定、パーソナルデータ設定、ログデータ削除、バックライト輝度調整、初期化等を行えるようにしている。パーソナルデータは、例えば身長、体重、生年月日、性別、安静時脈拍数などであり、トレーニングモードや居眠り検知モードの際に使用する。安静時脈拍数は、例えば脈拍センサを使用して測定して登録する機能と、手動で数値入力して登録する機能を備える。
PCアイコン317dがタッチされると、制御部は、パソコンと通信し接続する。パソコンとウォッチ本体部301を接続し、パソコンで対応ソフトを操作することにより、日々のトレーニングの管理やファームウェアの更新を行えるように構成する。詳細は後述する。
上述したように、本形態のウォッチ300は、トレーニングモード、居眠り検知モード、オービス監視モードなどを備え、第一設定メニュー314を操作することで、各モードを切り替えることができる。また、複数のモードを同時に起動する機能も備える。さらにトレーニングモードを備えることで、スポーツウォッチとして機能しているが、各モードを全て搭載するのではなく、任意の組み合わせで選択すると良く、トレーニングモードを搭載しないウォッチや腕時型の電子機器・端末としても良い。より多くのモードを備える本形態が、実用性が高く、日常の生活時、スポーツ中、運転中の全て有用な支援機能を発揮し、キャラクターが四六時中そばにいてユーザの生活をサポートするので良い。このウォッチ300は、身に着けるウェアラブルタイプの安全運転&ライフサポートデバイスとなる。
また、オービス等の登録したターゲットに対する接近警告を行うオービス監視モードは、従来は、当該機能を備えた電子機器を車に取り付け、車載機器として動作させていたが、本形態では、ドライバーが身に着けるようにし、新しい安全運転サポートの形態となる。これにより、当該電子機器を搭載していない社用車やレンタカーなどを運転する時でも、本形態のウォッチ300を身につけていれば接近警告を受けることができる。このように本形態では、安全運転サポートのための腕時計形電子機器を提供することができる。
[トレーニングモード]
トレーニングモードは、ランニング時やウォーキング時の脈拍を測定したり、歩行距離などを求めたりし、測定結果や履歴データ等表示する機能を備える。また、ストップウォッチ機能も備える。
Trainingアイコン316aがタッチされると(図66(a)参照)、制御部は、図66(b)に示す項目選択画面を表示する。項目選択画面は、上下に選択可能な項目を列挙したレイアウトとしている。図では、上から順に、「ウォーキング」、「ランニング」、「ストップウォッチ」、「履歴」を表示している。この項目選択画面を表示中に、表示部303が上下にフリックされると、制御部は、項目を上下にスクロールする。この項目選択画面を表示した状態で、表示部303が左右にフリックされると、制御部は、前の画面、すなわち、第一設定メニュー314を表示する。
ユーザは、利用する機能の項目をタッチして選択する。制御部は、表示部303がタッチされると、そのタッチされた項目に関する測定結果等表示画面を表示し、測定を開始する。図示の例では、トレーニングが選択された状態を示している。測定結果等表示画面は、キャラクターモードの待ち受け画面から遷移した場合は、図66(c)に示すように背景にキャラクター310を表示し、その上に測定結果等を表示する表示項目318を表示するレイアウトとし、キャラクターモード以外の待ち受け画面から遷移した場合は、図66(d)に示すように無地の背景の上に表示項目318を表示するレイアウトとする。また制御部は、トレーニングモードにした時点で、脈拍センサを自動でONする。制御部は、ステータスバー311の左端に脈拍数アイコン313を表示する。制御部は、GPS衛星信号を捕捉して測位中の場合、ステータスバー311にGPSアイコン320を点灯表示する。なお、制御部は、GPS衛星を探索中の場合にはGPSアイコン320を点滅表示する。
表示項目318は、図示の例では、「時間」、「距離」、「ペース」の3項目である。表示項目318に表示する測定結果等は、例えば、時間(経過時間)・距離・ペース(1kmあたりの時間)・脈拍数・運動強度・消費カロリー・歩数等があり、ユーザ設定で切り替え可能としている。この切替は、例えば、表示項目318のタッチを契機に行う。表示項目318がタッチされると、制御部は、表示項目のリスト画面を表示し、表示されたリスト画面の中でタッチして選択されたものを新たな表示項目にする。例えば図66(c)の表示画面が表示された状態で、「ペース」の表示項目318がタッチされ、図示省略のリスト画面から「歩数」が選択されると、制御部は図66(e)に示すように表示項目を切り替える。
測定結果等表示画面を表示した状態で表示部303を左右フリック(図66(e)参照)或いはサイドボタン308が押された場合、制御部は終了確認画面を表示する(図66(f)参照)。この終了確認画面で「はい」がタッチされると、制御部は、トレーニングモードを終了し待受け画面に戻し、ビープ音をならす。また、「いいえ」にタッチされると、制御部は、トレーニングモードに戻す。
[居眠り検知モード]
居眠り検知モードは、脈拍の変化を基に居眠りを自動で検知し、音声と表示で通知するものである。居眠りか否かは、安静時脈拍数を元に検知する。よって、ユーザは事前にSettingアイコン317cをタッチして表示される設定画面を用いてユーザのパーソナルデータとして安静時脈拍数を登録しておく。本形態では、脈拍測定機能を備え、それに基づきトレーニングと居眠り検知モードの双方に使用する機能があるウォッチを構成する。
Dozeアイコン316bがタッチされると(図67(a)参照)、制御部は、脈拍センサをONにし、図67(b),(c)に示す待ち受け画面を表示し、居眠り検知モードを起動する。居眠り検知モードを実行中の制御部は、ステータスバー311に居眠り検知中アイコン319を表示し、脈拍センサで測定した脈拍数を表示する。図67(b)に示すように、キャラクターモードの待ち受け画面では、ステータスバー311の左端に脈拍数アイコン313を表示し、現在の脈拍数を通知する。また図67(c)に示すように、キャラクターモード以外の待ち受け画面では、画面中央に大きく現在の脈拍数を通知する。
制御部は、現在の脈拍数と、安静時脈拍数とから居眠りを検知すると、音声と表示で通知する。表示による通知は、例えば図67(d)に示す居眠り通知画面を表示部303に表示することで行う。本形態では、例えば待ち受け画面の表示エリアより小さい居眠り通知マーク等を用意し、当該通知マークを待ち受け画面に重ねて表示するのではなく、待ち受け画面に変えて通過画面を表示するようにした。これにより、1.6インチのカラーディスプレイという小さい表示部303であっても、目立たせて通知内容をユーザに理解させることができる。また、この居眠り検知モードは、例えば、勉強中、仕事中、会議中その他の日常生活での居眠りを通知することを想定しているため、通知画面も机にうつぶせした状態を模した絵と文字の組み合わせとしている。
また、バイブレーション機能がONの場合、制御部は、音声と表示による通知と同時にウォッチ本体部301を振動させて通知する。ウォッチ本体部301を振動させて通知する機能を備えることで、ユーザの身体に直接振動が伝わり、刺激を与えることができ、注意喚起をより確実に行えるので良い。また、居眠りの通知中にサイドボタン308が押されると、通知を停止する。
居眠り検知モードを動作中に表示部303を左右フリック或いはサイドボタン308が押された場合(図67(e)参照)、制御部は終了確認画面を表示する(図67(f)参照)。この終了確認画面で「はい」がタッチされると、制御部は、居眠り検知モードを終了し待受け画面に戻し、ビープ音をならす。また、「いいえ」がタッチされると、制御部は、居眠り検知モードを継続する。
[オービス監視モード]
オービス監視モードは、ウォッチ本体部301に登録されたGPSターゲットに近付くと警告を発して報知するものである。GPSターゲットは、例えば、ループコイル、新Hシステム、LHシステム、レーダー式等の速度測定装置である。速度測定装置は、スピードを出し過ぎやすい道路等のより注意を持って安全運転を行うべき地点等に設置されるので、ドライバーに対して安全運転のために重要な警告対象である。この重要な警告対象に限定してGPSターゲットを登録し、他の交通監視ポイント等を登録しないことを特徴とている。GPSターゲットとして、例えば、駐禁最重点エリア、車上狙い多発エリア、各種の取り締まりエリアその他各種の地点・エリアを登録してもよいが、以下に説明する理由から本形態のように限定するのが良い。
本形態のウォッチ300はウォッチ本体部301を手の甲側に位置するように装着することから、運転中は表示部303がドライバーに正対していない状態のことが多くなり、運転中のドライバーの表示部303を見て表示内容を確認しづらい。警告対象の種類を多くすると、警告の種類がわかるように報知するのが好ましく、例えば、音声で警告の種類を発したり、表示部303に警告の種類がわかるようなマーク・画像等を表示したりすることで対応できるが、音声で報知した場合には聞き逃したり、聞き取れなかった場合があるので十分でなく、表示部303に表示し続けるのが望ましい。本形態のように腕に装着しているウォッチ300では、視野を少し変えるだけでは何かしらのマーク・画像等が表示されていることは認識できても、その内容までは確認しづらく、表示部303をドライバーに正対させるためにハンドルから手を離すのは安全運転の観点から好ましくない。よって、警告対象の種類を速度測定装置に限定することで、警告がなったら表示部303の表示を見なくても速度測定装置であることが理解でき、安全運転のサポートとして適した報知となる。本形態のように登録する報知対象を絞り込むことで、重要なもののみを確実にドライバーに知らせることができる。
GPSターゲットとして登録する情報は、少なくともGPSターゲットが設置された位置を特定するための位置情報がある。また、ループコイル、新Hシステム、LHシステム、レーダー式等の種別を特定するその他の付加情報もあわせて登録し、種別に関する情報もあわせて報知しても良いが、警告内容を単純にしてわかりやすくすることから本形態のように係る種別も登録せず、また報知しないようにすると良い。
Orbisアイコン316cがタッチされると(図68(a)参照)、制御部は、図68(b)に示すキャラクターモードの待ち受け画面か、図68(c)に示すキャラクターモード以外の待ち受け画面を表示し、オービス監視モードを起動する。どちらの待ち受け画面かは設定により決定する。キャラクターモードの待ち受け画面では、キャラクター310は、監視中の態様に変化する。監視中の態様は、例えば、コスチュームを着替えた態様や、帽子その他の付属物を装着したり、顔の様子や目の色などが変わったり、耳が突出するなどとすると良い。このようにキャラクター310の態様が変わることで、監視中であることがわかるのでよい。例えば、通常時は普段着で監視中は制服などのように、監視中であることがわかるような態様に変化すると良い。オービス監視モードを実行中の制御部は、ステータスバー311にGPSアイコン320を表示し、GPSアンテナ部305から取得した現在位置から登録したGPSターゲットの位置までのとの距離を求め、警告条件になったら所定の警報を発する。
警告条件と、それに対応する報知は以下の通りである。本形態では、GPSターゲットまでの接近距離が近づくにつれて、複数回に渡り警告する。複数回は、3回とし、例えば、GPSターゲットまでの残り距離が、1km、650m、350mの場合に行う。警告の態様は、図68(d)に示す通知画面を表示部303に表示する態様と、スピーカー304から出力する警告音がある。通知画面の表示は、例えば、最初に警告条件に満たして通知画面を表示したら、そのまま表示を継続し、GPSターゲットを通過すると通知画面を非表示にして待ち受け画面に戻す。なお、例えば1km手前で通知画面を表示してから設定されたスリープ時間が経過すると、電池容量の低下を抑制するためにスリープモードになり、バックライトをOFFにしたり表示を消したりする。そして次に所定の距離に接近して警告条件を満たすと、音声と表示による警告をする。
警告音は、3段階でそれぞれ変える。具体的には、キャラクターモード以外の場合には、1km手前では「ピー1回」のビープ音を鳴らし、650m手前では「ピーピー……」というビープ音を一定時間鳴らし、300m手前では「ピッピッ、ピッピッ、……」というビープ音を一定時間鳴らす。300m手前の方が、音の間隔を狭くする。このように変化させることで、緊急性が段階的に増すことがわかるので良い。また、キャラクターモードの場合、1km前ではキャラクターが所定のフレーズの音声を出力し、650m手前と300m手前ではキャラクターモード以外と同じビープ音による報知とする。所定のフレーズは、ユーザ設定で決定したものを出力する。キャラクターモードでは、キャラクター310が、最初の1km手前の時のみ音声で警告し、その後の650mと300mでは、ビープ音による警告を行うようにし、1つのGPSターゲットに対する接近警告は、一回のみ音声による警告を行うことを特徴としている。3回とも音声による警告を行っても良いが、1kmを走行する間に頻繁に3回キャラクターの声を聞くことができると、ユーザにとってありがたみが無くなる。これに対し、本形態のように1回のみ警告することで、ユーザにとってキャラクター310が発する貴重な音声となり、ありがたみが増すので好ましい。また、一回の音声の出力を一番遠い1kmとすることで、ユーザは、まずキャラクター310の音声により、確実にGPSターゲットに接近していることを認識でき、その後の2回の警告はビープ音でも我慢させ、また声を聞けないはがゆさ等で萌えるので好ましい。
このように本形態では、オービス監視モードにおいて、第一モードと第二モードがあり、警告の態様が共通になっているものと、警告の態様が異なっているものがあり、異なっているものは一番遠いときに行う警告であることを特徴とする。そして第一モードは、キャラクターモードとし、キャラクターモードの警告は、そのキャラクターが音声で警告するものとすると良い。キャラクターが警告することで、ユーザは、その警告をスムーズに聞き入れ、安全運転に寄与できるので良い。
制御部は、通知画面を表示した警告中にサイドボタン308が押された場合、警告を停止し、待ち受け画面に戻す。例えば、所定の速度で安全に運転移しているドライバーは、サイドボタン308を押すことでその後の不要な警告がなされるのを抑止でき、煩わしさがないので良い。
制御部は、基準速度(例えば30km/h)以下が一定時間(例えば10分)続くとオービス監視モードが自動で終了し、通常の待受け画面に戻す。スピードの出し過ぎという危険運転の状態ではないので、仮にGPSターゲットに接近しても警告の必要性が低く、煩わしい警告が発するのを抑制するように、自動的に終了するようにした。オービス監視モードの終了により、電池容量の低下を抑制できる。また、制御部は、設定したスリープ時間になるとバックライトをOFFにし、タッチ操作を無効にする。この状態で、サイドボタン308が押されると、制御部はスリープを解除する。設定したスリープ時間は、例えば、初期値が15秒で、Settingアイコン317cのタッチに伴い表示する設定画面の操作により設定する。
制御部は、オービス監視モード中は設定に関わらず、バイブレーション機能をOFFにする。運転中に手首に装着したウォッチ本体部301が振動するのは、安全運転上好ましくないためである。
オービス監視モードを動作中に表示部303を左右フリック或いはサイドボタン308が押された場合(図68(e)参照)、制御部は終了確認画面を表示する(図68(f)参照)。この終了確認画面で「はい」がタッチされると、制御部は、居眠り検知モードを終了し待受け画面に戻し、ビープ音をならす。また、「いいえ」にタッチされると、制御部は、居眠り検知モードを継続する。
[オービス監視モードと居眠り検知モードの同時使用]
本形態では、オービス監視モードと居眠り検知モードを同時に実行することができるようにしている。安全運転のためには、速度の出し過ぎを抑制することと、居眠り運転を防止するのがよく、本形態では両方の監視を同時に行うことで、より安全運転サポートが好ましくできるようにしている。
同時使用する場合、まず居眠り検知モードを起動させ、その状態でオービス監視モードを起動することで行う。すなわち、第一設定メニュー314を表示した状態において、Pulseアイコン312bがタッチされると(図69(a)参照)、制御部は、Pulseアイコン312bを明るく表示し、脈拍センサをONにしてセンサ部306で脈拍数を測定し、測定結果をステータスバー311に脈拍数アイコン313として表示する(図69(b)参照)。
居眠り検知モードが動作中の第一設定メニュー314を表示した状態でOrbisアイコン316cがタッチされると(図69(c)参照)、制御部はオービス監視モードを起動し、所定の待ち受け画面を表示する(図69(d),(e)参照)。この所定の待ち受け画面では、いずれも、ステータスバー311に、脈拍数アイコン313と居眠り検知中アイコン319とGPSアイコン320が表示され、2つのモードが稼働中であることがわかるようにしている。
居眠り検知モードと、オービス監視モードは同時に動作し、それぞれの通知条件に該当したら制御部はそれぞれの通知を行う。すなわち、居眠りを検知した場合、制御部は音声と表示で居眠りを通知する。同時使用における居眠り検知の表示画面は、図69(f)に示すように自動車の絵を示し、居眠り運転を警告するようにしている。また、GPSターゲットに近づいた場合には、制御部は上述した音声と表示で接近警告を行う。さらに制御部は、GPSターゲットへの接近警告と、居眠りの通知が重なった場合、居眠りを優先して通知する。安全運転により重要なものを優先して通知するようにしている。
オービス監視モードと居眠り検知モードの同時使用時において、待ち受け画面表示中に表示部303を左右フリック或いはサイドボタン308の押下があると、制御部は、終了画面を表示し、その終了画面で「はい」がタッチされるのを受けてオービス監視モードを終了させる。このとき、制御部は、オービス監視モードのみを終了し、脈拍センサはオンの状態のままで、居眠り検知モードは終了しないようにしている。
このオービス監視モードの終了により、居眠り検知モードのみが稼働した状態になる。よって、居眠り検知モードを終了する場合には、表示部303を左右フリック或いはサイドボタン308の押下等の所定の処理を経て行う。このように同時使用している場合には、終了処理も段階的に行うことを特徴とする。ユーザの状況等に応じて、オービス監視モードと居眠り検知モードの両方或いはいずれか一方が必要なことがあり、ユーザが必要なモードに対して、それぞれ起動/終了処理を行うようにすることで、不要なモードが起動し、必要なモードが終了してしまうことがないようにしている。
[音量調整の別態様]
上述した形態では、Soundアイコン312cをタッチすることで音量を変化させたが、別の音量調整機能を備える。その別の音量調整機能は、「トレーニングモード」、「居眠り検知モード」、「オービス監視モード」の3つのモードの動作中に、画面を上下フリックすることで音量を調整できるようにしている。例えば、図70に示すように、下から上にフリックする都度、制御部は音量を1ずつ変化させ、最大の5の状態で下から上のフリックがあると、音量をOFFに変更する。以下、その繰り返しを行う。各モードの動作中のため、制御部は音量のアイコンを表示せず、変更後の音量でビープ音を鳴らす。ユーザは、ビープ音の音量で音量調節がされたこと、並びにその音量で良いかを確認する。上から下にフリックされた場合、制御部は、音量を逆に変化させる。各モードにおいて、各種の通知中は、音量調整をできないようにしている。通常、上下フリックは、上下方向へのスクロールに割り当てるが、上記の3つのモードの動作中画面では、上下方向のスクロールが不要な画面か、選択メニュー等がスクロールできずに固定させる構成にし、係る上下フリックしても画面がスクロールしないことを利用し、ボリューム調整に利用するようにした。これにより、モード動作中であってもシステムメニューに戻すことなく簡単に音量の調整ができるので良い。さらに、システムメニューのSoundアイコン312cを操作した音量調整は、タッチに伴い段階的に大きくする方向の調整しかできないが、上下フリックすると、下に向けてのフリックにより音量を下げる方向の調整もできるので、例えば、音量を一つあげて大きすぎたと判断した場合に、簡単に元の音量に戻すことができるので良い。
[パソコンとの連係]
本形態のウォッチ300は、パソコンと接続し、通信する機能を備えている。図71(a)に示すように、第二設定メニュー315を表示した状態でPCアイコン318dがタッチされると、制御部は、PC接続待機画面を表示する(図71(b)参照)。このPC接続待機画面を表示中に、表示部303が左右クリックされた場合、制御部は前の画面、すなわち第二設定メニュー315の表示に戻す。PC接続待機画面を表示中に、端子カバー307を開いて露出したマイクロUSB端子にUSB接続ケーブルの一端を接続し、USBケーブルの他端をパソコンに接続すると、制御部は、PC接続中画面を表示する(図71(c)参照)。この接続したパソコンには、対応ソフトをインストールしておき、当該対応ソフトを実行すると、対応ソフトは、パソコンの画面に図72(a)に示すようなPCビューア400を表示する。この対応ソフトは、トレーニングモードで記録した履歴を管理するPCビューアソフトであり、ユーザは、PCビューアでトレーニング履歴を確認することで、次回のトレーニングに活かすことができる。
PCビューア400のログ読み込みボタン401がクリックされると、対応ソフトは、ウォッチ本体部301に記録された軌跡データを読み込み、読み込んだ軌跡データに関する情報をリスト表示エリア402に表示する。
リスト表示エリア402に表示されたリスト内の1つのデータがダブルクリックされると、マップ表示エリア403に表示したマップ上に移動軌跡404を表示し、グラフ表示エリア405に移動距離に対する履歴データをグラフ表示する。移動軌跡404は、例えば青色で描画し、付加情報として始点位置に始点マーク404aを表示し、終了位置に終了マーク404bを表示する構成としている。
グラフ表示エリア405の右上に配置する操作ボタン406がタッチされると、自分の位置を示す自分マーク407を始点位置から移動軌跡404上を移動する処理を行う。自分の位置を示す自分マーク407は、例えば水色の丸で示す。操作ボタン406は、再生、一時停止、停止等の指示を入力するものである。
リスト表示エリア402内の1つをクリックして選択した状態でリスト表示エリア402の右上の保存ボタン408がクリックされると、そのログデータを指定された記憶領域に保存する。また、リスト表示エリア402の右上の読み出しボタンをクリックし、保存したログデータを読み出すと、リストに軌跡データが読み込まれる。
本体設定タブ410がクリックされると、対応ソフトは図72(b)に示す本体設定画面を表示する。「ファームウェアアップデート」のファイル選択ボタン711がクリックされると、アップデートするファイルを読み込み、アップデート開始ボタン712がクリックされると、ウォッチ本体部301のファームウェアのアップデートを行う。また、「POIデータアップデート」のファイル選択ボタン713やアップデート開始ボタン714の操作に基づき、警告対象のPOIデータの更新等を行う。
[ゴルフモードを備えたスポーツウォッチの変形例(ショット時の方向決め機能)]
スポーツウォッチと、ゴルフ用本体のセパレートタイプとし、スポーツウォッチとゴルフ用本体は、例えばBluetooth機能等の無線通信機能を用いて接続する。ゴルフをしない場合には、スポーツウォッチ単独で使用することで、通常の時計やスポーツウォッチとして機能し、ゴルフ時にはゴルフ用本体とペアで使う。スポーツウォッチは、上述した各種の実施形態や変形例並びに各種形態等で、Bluetooth機能を備えたものとすると良い。上述したウォッチ300のように脈拍センサやバイブレータなどを備えると、スポーツウォッチとしての高機能化するので好ましい。ゴルフ用本体は、GPSアンテナ部、磁気センサ、気圧センサ、Bluetooth機能、バッテリ等を備えると良い。このセパレートタイプのシステム構成では、スポーツウォッチを薄く、小さくできるのでよい。
飛球線方向確定機能は、以下のように構成すると良い。ユーザは、手首にスポーツウォッチを装着するとともに、身体の適宜位置にゴルフ用本体を装着する。身体の適宜位置は、例えばスポーツウォッチと同様に手首に装着しても良いし、ベルト・腰等に装着しても良い。身体の向きの回転に伴い同じように回転する位置に装着すると、正確に飛球線方向を確定できるので良い。
ユーザは、ボールの位置、ティショット時はティの位置に立ち、身体を飛球線方向に向けた状態でスポーツウォッチの操作ボタンを押す。スポーツウォッチの制御部は、当該操作ボタンが押下されたことの通知を、Bluetooth機能を用いてゴルフ用本体に送信する。ゴルフ用本体の制御部は、当該通知を受信すると、磁気センサをリセットする。次いでユーザは、ボールを打つためにアドレスをすべく飛球線方向に正対した向きから回転していく。そして、磁気センサによりその回転角度を検知し、リセットしたときから90°回転したときにゴルフ用本体の制御部は、スポーツウォッチにBluetooth機能を用いて通知する。スポーツウォッチの制御部は、係る通知を受信するとバイブレータを振動させる。バイブレータの振動により、ユーザは飛球線方向から90度回転したことがわかり、そのときのアドレスが飛球線に対して平行となるので、正しいアドレスを簡単にとることができる。飛球線方向に対して直交するようにアドレスを採ろうとすると、右に向きやすい傾向があるが、これに対して飛球線方向に対して正対するのは比較的関単に正しく向くことができるので良い。また、バイブレータを実装していない場合には、音その他の報知手段を用いて90度回転したことを通知すると良い。
ゴルフ用本体の装着位置は、特に、ベルトや腰に装着すると、より正しく回転角度を測定でき、身体の回転中に手首の向き・姿勢を気にする必要が無く、スポーツウォッチの操作ボタンの押下の際に磁気センサが動くこともないので良い。
また、磁気センサを用いて90°回転したことの検知は、例えば、操作ボタンが押された通知を受けた時に、北方向と飛球線方向が何度ズレているかを記録する。次に、アドレスした時に、北方向に対して身体の正面方向が記録したズレた角度に90度加算した角度になった時に90度回転したと判断するようにしてもよい。例えば、30°ズレていた場合、次にアドレスした時に、北方向に対して身体の正面方向が30°+90°=120°になった時に90°回転したことを検知できる。
[飛球線方向確定機能の変形例1]
身体を正面に向ける代わりにゴルフクラブを利用すると良い。ゴルフクラブ、特にドライバーのグリップの先に 磁気センサとバッテリを内蔵したセンサを取り付ける。ドライバーを狙った方向である飛球線方向に合わせた状態でボタンを押す。このボタンの押下に伴い磁気センサを0°にリセットする。次に磁気センサにより回転角度を検知し90°になった際に報知する機能を備える。係る報知されたときのドライバーの向きが、飛球線に対して直交する向きであるので、その向きのままセットする。ユーザは、そのドライバーに合わせてアドレスすることで簡単かつ正確に正しい方向を向くことができる。90°になっているかどうかがアドレスしてからでもわかるように、90°の時にLEDが発光するなどの機能を付加すると良い。
[飛球線方向確定機能の変形例2]
飛球線を決める時や、その飛球線に対してアドレスする時に 飛球線が見える機能を備えると良い。例えばウォッチやゴルフナビの画面で飛球線が見られる機能を備えたとしても、スタンスをとったときにそれが飛球線に並行かどうかを確認することができない。そこで、例えばMEMSと0.2mW前後の赤色レーザーを内蔵した本体をベルトのバックルに実装し、飛球線方向に沿って所定の長さで、芝上にレーザーで線を描画する機能を備える。所定の長さは、例えば1mくらいとすると良い。あまり短いと方向を確認しづらく、長く描画するためには出力を大きくする必要があるので、それらを考慮して所定の長さを決定する。
ユーザは、クラブを立てて、レーザー線に合わせる。この状態を0°とする。次にアドレスした時に、先に描画した0°レーザー線に対して 90°のレーザー線を足下に描画する。このレーザー線にスタンスが水平になるようにアドレスする。身体が傾いても90°レーザー線の向きは変わらないので、正しいアドレスを採ることができる。
上述したレーザー線を描画する機能は、例えばGST100に実装すると良い。例えばGST100は、検知センサ部107を、ボール109を打ち出す方向に向けた状態で設置する。検知センサ部107の検知方向に向けてレーザー線を出力する機能を備えると良い。ボール,ティの後側において、レーザー線が飛球線方向に向くようにGST100をセットする。ユーザは、レーザー線と平行にアドレスしたり、上記と同様に別の機能を用いて、GST100からのレーザー線に対して90°のレーザー線を足下に描画してアドレスしたりする。
このようにすると、正しくアドレスすることができる機能に加え、検知センサ部107の検知方向と、ボールの飛球方向が一直線上になり、精度良く推定飛距離を求めることができるので良い。
上述した各変形例のようにスポーツウォッチの機能の一部をベルト他の身体に付けるもウェアラブル機器に実装すると良く、特にベルト部分はレーザーを内蔵すると良い。
[ウォッチの付加機能]
例えば、エンジンスタータリモコン、セキュリティリモコンなど、純正リモコンとは別に持ち歩く必要がある。当該リモコンをバッグやポケットに入れておくと、いちいち取り出す必要がある。また、雨が降っているような時にはさらに煩わしさが増す。そこで、これらのリモコンを腕時計型にすると良い。このようにすると、普段は腕時計として機能し、 エンジンをON/OFFする時、ドア錠を開閉する時、セキュリティをアーム/ディスアームする時に、これらの操作をこのウォッチで行えれば 煩わしさが解消できるのでよい。
また、家の鍵を開閉する機能を腕時計型にし、普段は腕時計として機能し、家の出入り時に鍵の開閉を、ウォッチを用いて行うと別途鍵を持ち歩かなくても良いので好ましい。例えば、最近家等におけるドアの鍵を、リモコン操作でサムターンを回転させて開閉するシステムが提供されている。そこで、係る鍵の開閉のためのリモコン通信機能を、ウォッチに組み込むと良い。また、ウォッチに個人認証機能を備え、当該個人認証機能によりユーザが登録された本人の場合に開閉できるようにすると良い。このようにすると、例えばウォッチを紛失したり盗難されたりした場合に、そのウォッチを取得した人が悪用して鍵を開けられてしまうことがなくなるので良い。個人認証機能は、例えば、カメラを搭載し、そのカメラで撮像した画像に基づく顔認識や網膜認識等を利用すると良い。
以上、本発明の様々な側面を実施形態並びに変形例を用いて説明してきたが、これらの実施形態や説明は、本発明の範囲を制限する目的でなされたものではなく、本発明の理解に資するために提供されたものであることを付言しておく。本発明の範囲は、明細書に明示的に説明された構成や限定されるものではなく、本明細書に開示される本発明の様々な側面の組み合わせをも、その範囲に含むものである。本発明のうち、特許を受けようとする構成を、願書に添付した特許請求の範囲に特定したが、現在の処は特許請求の範囲に特定されていない構成であっても、本明細書に開示される構成を、将来的に特許請求する可能性があることを、念のために申し述べる。本願出願人は、そのような箇所・組み合わせについて、補正・分割出願・意匠登録出願への変更出願等により権利を取得する意思を有する。
本願発明は上述した実施の形態に記載の構成に限定されない。上述した各実施の形態や変形例の構成要素は任意に選択して組み合わせて構成するとよい。また各実施の形態や変形例の任意の構成要素と、発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素または発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素を具体化した構成要素とは任意に組み合わせて構成するとよい。これらの構成の発明についても本願の補正または分割出願等において権利取得する意思を有する。例えば、自由端部位の側面同士を接触させる構成を必須要件から除いたスポーツウォッチを構成しても良い。
また、図面は本装置の全体を実線で描画しているが、全体意匠のみならず当該装置の一部の部分に対して請求する部分意匠も包含した図面である。例えば当該装置の一部の部材を部分意匠とすることはもちろんのこと、部材と関係なく当該装置の一部の部分を部分意匠として包含した図面である。当該装置の一部の部分としては、装置の一部の部材としても良いし、その部材の部分としても良い。
1 スポーツウォッチ
2 ウォッチ本体部
3 バンド部
3a 自由端部位
3b 自由端部位
3c 凹部
4 第一バンド部
4a 自由端部位
4b 側面
5 第二バンド部
5a 自由端部位
5b 側面
6 表示部
8 ピン
9 穴
10 凸部
11 凹部
15 ケース部
15a 内部空間
15b 開口部
15c 湾曲面
15d 傾斜部位
16 スイッチ

Claims (4)

  1. 表示部を備えたケース部を有するウォッチ本体部と、
    前記ウォッチ本体部のケース部に取り付けられるバンド部とを備えるウォッチであって、
    装着時に手首に対向するケース部の面には、その長手方向に延びる凹溝が形成されており、凹溝の両端はケース部の長手方向両側面に開口しており、
    前記バンドは、前記装着時に手首に対向するケース部の面に形成されている長手方向に延びた凹溝であってその両端がケース部の長手方向両側面に開口した凹溝にその一部を嵌め合わせることで、前記ウォッチ本体部と、前記バンド部を連結して、ウォッチを構成する構造としたこと
    を特徴とするウォッチ。
  2. 前記バンド部は、第一バンド部と第二バンド部と前記凹溝内に符合する連結部とで繋がり、周方向に連続した一体のバンド部として構成しており、
    前記第一バンド部の前記ウォッチ本体部との接続側部位の縦断面形状と、前記第二バンド部の前記ウォッチ本体部との接続側部位の縦断面形状は、それぞれ接続するウォッチ本体部の縦断面形状と一致させていること
    を特徴とする請求項1に記載のウォッチ。
  3. 前記第一バンド部の厚さと、前記第二バンド部の厚さは、それぞれ全長に渡りほぼ均一にしたこと
    を特徴とする請求項2に記載のウォッチ。
  4. 前記第一バンド部及び前記第二バンド部の幅は、前記ウォッチ本体部との接続側部位ではウォッチ本体部の幅と等しくしたが、前記ウォッチ本体部との接続側部位から周方向に向けて離れるにつれてすぐに細くしたこと
    を特徴とする請求項2または3に記載のウォッチ。
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