JP7081751B2 - ベントシステムを備えた原子力設備およびその運転方法 - Google Patents

ベントシステムを備えた原子力設備およびその運転方法 Download PDF

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Description

本発明はベントシステムを備えた原子力設備に関する。本発明は、さらにこのベントシステムのための対応する運転方法に関する。
請求項1の上位概念の特徴を有するベントシステムは特許文献1から知られている。
すなわちこの文献には、コンテインメントとこのコンテインメントのろ過を伴う圧力逃がしのためのベントシステムとを備え、
・このベントシステムがコンテインメントから周囲へ通じるベント管を有し、この管にベントの際に生じるベント流に対する湿式洗浄器が接続され、
・この湿式洗浄器がベントの前の準備状態中に既に洗浄液で満たされるプールを有し、このプールの上にガス空間が設けられ、
・前記ベント管がベント流のための湿式洗浄器に通じる導入管を有し、この導入管が分配器において多数の流出ノズルに分岐し、
・全ての流出ノズルがプール内の洗浄液に浸漬する
原子力発電所が開示されている。
この種のシステムでは、ベントの開始時に比較的熱いベント流が湿式洗浄器のプール内の明らかに冷たい洗浄液に当たることがある。これによりベント流に含まれる水蒸気が凝縮し、水蒸気により引き起こされる不活性作用が失われる恐れがある。この結果として他方では、少なくともベントの始動段階でベント流に随伴する水素を含む引火性のガス混合物の臨界的な濃縮がベントシステム内に生じることになる。
米国特許第5223209号
本発明の課題は、このような問題に対処するため上述の種類のベントシステムを改良し、装置および方法技術上の費用を低く抑えながら全ての運転状態において引火性ガス混合物の臨界的濃縮を従来と比較して確実に回避することにある。
この課題は、請求項1の特徴を有するベントシステムを備えた原子力設備により解決される。
すなわち重要なことは、少なくとも1つの独立した流出開口が設けられ、この流出開口が分岐管を介して導入管および分配器に接続され、少なくともベントシステムの準備状態において、好適には始動運転時にもなお熱的にプール内の洗浄液から隔離されることである。
換言すれば、ベント流の一部が分岐され、それまで使用されていた流出ノズルを迂回して湿式洗浄器に導入され、この部分流が独立した流出開口を出る際にプール内の洗浄液とは直接的な交互作用を生じないか、および/またはこの部分流に対応する洗浄液の部分量がこの部分流に直接接触して比較的迅速に予熱できるようにされるものである。これにより初期に突発する洗浄液での冷却の問題およびこれにより引き起こされる分岐された部分流に対する水蒸気の凝縮が大幅に回避され、ベント流に対しても全体的に減ぜられる。水素問題の克服のための比較的経費の掛かる別の対抗手段はしたがって回避されるか少なくとも必要な範囲に制限される。ベント流に随伴される放射性核種に対する所期の捕捉効果の若干の低下は付加的なフィルタ手段により比較的簡単に補償することができる。
本発明の第1の主要実施形態では、部分流が乾式フィルタを介して案内され、続いて洗浄液プールの上方にあるガス空間に放出される。この部分流に対する分岐管では最初は開いている閉鎖弁が使用され、この弁が始動運転から定常的なベント運転への移行時に、洗浄液が十分に加熱されて著しい水蒸気凝縮がもはや起こらなくなった後には、好適には受動的に閉じられる。
本発明の第2の主要実施形態では、部分流が少なくとも1つの独立した流出ノズルを介して、プール内の洗浄液から隔壁を介して隔離されている空間範囲に放出される。独立した1つ(複数)の流出ノズルは好適には(それぞれ)ベンチュリノズルであり、このノズルには有利には洗浄液が特別に設けられた比較的小さい貯槽から受動的に導入され、乾燥運転が回避される。所期の運転に必要な少量の洗浄液はプール内の大量の洗浄液とは異なり容易に受動的に予熱もしくは連続運転時には復熱的に加熱されるので、この場合にも同様に著しい水蒸気凝縮は回避される。有利な実施形態では、部分流に付設される流出ノズルとプール内の他の流出ノズルとの初期の空間的分離は、プール内の洗浄液が水蒸気凝縮を回避するために必要な程度に加熱された後には少なくとも部分的に中止される。これは好適には温度に依存してトリガされ適当な溢流開口を開放する受動的な操作手段を介して行われる。
他の有利な実施形態およびその組み合わせ可能性は、従属請求項に並びに添付の図面を参照した実施例の以下の詳述な記載に示されている。
図1は原子力発電所における本発明によるベントシステムの概略図を示す。 図2は本発明の第1の主要実施形態の一部詳細図を示す。 図3は本発明の第1の主要実施形態の一部詳細図を示す。 図4は本発明の第1の主要実施形態の一部詳細図を示す。 図5は本発明の第2の主要実施形態の一部詳細図を示す。 図6は本発明の第2の主要実施形態の一部詳細図を示す。 図7は上記の図に示す要素を組み合わせた別の実施形態の詳細図を示す。 図8は図5、図6の実施形態の変形例を含む別の実施形態の詳細図を示す。
同一部材または同一の作用をする部材は全図において同一の符号を付されている。
図1は原子力発電所4のための本発明によるベントシステム2の主要コンポーネントの概観図である。
原子力発電所4は原子力コンポーネントを気密に取り囲むコンテインメント容器6とも呼ばれる格納容器を有する。取り囲まれた内室はコンテインメント8と呼ばれる。コンテインメント8という用語は文脈によってはしばしばコンテインメント容器6の略称、またはコンテインメント容器6とこれに取り囲まれる内室との総称を示すこともある。
コンテインメント8内の放射性粒子、ガスおよび蒸気の放出およびそれにより引き起こされる圧力上昇を伴う重大事故に際しては、コンテインメント8の圧力逃がしは周囲へのコンテインメント雰囲気の放出によって行われる。これによりコンテインメント容器6の設定圧力の超過が回避される。放出は有利には誘因としてコンテインメント8から周囲へ生じている圧力勾配を利用して受動的に行われる。環境破壊を最小限に抑えるためにベントと呼ばれる放出工程は、放射性核種を帯びた放出ガス/蒸気流(これは減圧流、蒸気流またはベント流とも呼ばれる)のろ過および放射性物質の捕捉を含んでいる。この目的のためベントシステム2は対応するフィルタコンポーネントを使用するが、これは英語圏ではFiltered Containment Venting system(原子炉格納容器フィルタベントシステム)または略してFCVSとして知られている。
本件の場合ベントシステム2は好適にはコンテインメント8内に設置されるベント流10のための湿式洗浄器12を有している。その基本的な機能原理は以下の特徴を有する。すなわちベント中には流入開口16においてコンテインメント雰囲気から採られたベント流が導入管14を介して湿式洗浄器12に導かれ、その中にある洗浄液18の貯槽中に導かれる。ベント流10と洗浄液18との直接的接触により一時的に混合されてベント流10に随伴された放射性粒子、ヨウ素元素、ヨウ素化合物およびエアロゾルは洗浄液18内に沈積する。放射性核種はこれにより主として湿式洗浄器12に捕捉されるのに対し、ベント流10の洗浄されたガス状成分は洗浄液18との分離後に導出管20を介して湿式洗浄器12から流出する。ベント流10はそこから場合によっては他のろ過および洗浄段並びに絞りを通過後に周囲へ導かれる。
湿式洗浄器12はその周囲に対し全面的に気密に閉鎖され、たとえばキャロット状の床および蓋を備えた円筒形状のタンク22を有しており、このタンクはベントシステム2の準備状態(スタンバイ運転)において既に、すなわちベント開始前に下側領域から所定の充填高さ24まで洗浄液18で満たされている。この洗浄液は好適には主として水性の液体であり、放射性物質の捕捉能力の向上のため適当な化学剤を添加することができる。すなわちタンク22の下側部分では関連する空間領域が洗浄液18のプール26を形成している。
ベント流10の導入管14はコンテインメント8からコンテインメント容器6を介して外部へ通じる減圧管またはベント管28の構成部分である。導入管14はタンク壁30のブッシングを介してタンク22の内室へ案内され、そこで好適には液位32の下側に配置される分配器34に向かって開口している。分配器34では流れ矢印による流れ方向に流入するベント流が多数の好適には複数の流出ノズル38に分配され、これらのノズルは少なくとも部分的に洗浄液18により直接囲まれるかまたはその中に浸漬される。
有利には流出ノズル38はベンチュリノズル40とされる。各ベンチュリノズル40は入口側が円錐を狭めた形を取り、出口側が円錐を拡げた形を取り、その間は喉部42とも呼ばれる狭隘部である。喉部42の領域にはノズル壁に1つまたは複数の通流口44(図には1つのノズルに対してだけ概略表示されている)があり、これを介してベント中にベンチュリノズル40を貫流するベント流10がベンチュリ効果により洗浄液18を周囲のプール26から吸い込み随伴する。ベント流10と洗浄液18の随伴された滴粒との緊密な交互作用により、特にベンチュリノズル40内のベント流10がたとえば200m/s以上の高い流速を示す場合には、放射性核種を帯びた粒子およびエアロゾル並びにヨウ素ガスおよびヨウ素化合物の洗浄液18中への所望の沈積が生じる。
ベント流10と洗浄液18の混合物は流出開口46を介してベンチュリノズル40から流出する。開口46は図示のように液位32の下側に、または、場合によってはその上側に配置することができる。前者の場合には、流出開口46は図示の配置とは異なり洗浄液18への流出のため下向きにまたは側方に方向付けることができる。後者の場合には、放出は液表面の上側にあるガス空間48へ行われる。この場合には、ベンチュリノズル40は少なくともその喉部42が洗浄液18に浸漬させられる。
ベンチュリノズル40の代わりに他の種類の流出ノズル38または出口開口を導入管14の端部に配置することもでき、これは少なくとも部分的に洗浄液18に浸漬させ、これによりベント流10と洗浄液18の直接的な交互作用を可能にさせることができる。また種々の流出開口またはノズルを並列に配置し、分配器34から流体的に並列に分岐させることも可能である。図示の配置とは異なり、分配器34は洗浄液18の液位32の上側に配置することも可能である。分配器34はまた複数の空間的に離れた副分配器を有することもでき、これらをたとえば種々の箇所で導入管14から分岐させることもできる。
流出ノズル38の下流側ではベント流10のガス状成分が洗浄液18から分離される。吐出された洗浄液18は再びプール26内に集められるのに対し、ガスはタンク22内の液位32の上側にあるガス空間48に集められ、続いてタンク22に接続された導出管20を介して流出させられる。
タンク22内の洗浄液18と導出管20との間の流路には有利には(ここでは図示しない)受動的な乾燥器または液体分離器が配置され、特に先の洗浄液18との交互作用により発生する湿気をベント流10から除去するようにされる。このように、ベント流18から分離された液体は有利にはタンク22内のプール26に戻される。乾燥器は、薄層分離器またはたとえばサイクロン分離器のタイプの遠心分離器とすることができる。
さらに種々のフィルタユニットをタンク22内の洗浄液18と導出管20との間の流路に、好適には上述の乾燥器または分離器の下流側に配置することができる。たとえばモレキュラーシーブフィルタ52の前後に金属繊維フィルタ50を設けてもよく、またこれらの2種類のフィルタのうちどちらか一方を設けることもできる。乾燥器・分離器・フィルタは図示のように湿式洗浄器12のタンク22内に構造的に組み込むかこのタンクの外部に設置することができる。代替的に個々に種々に組み合わせるかまたは全てをまとめて導出管20から外へ移すこともできる。
導出管20はコンテインメント容器6から周囲に案内されるベント管28の一部である。湿式洗浄器12の下流側には好適には(ここでは図示しない)絞りがベント管28に接続され、有利にはスライド圧力運転時の一定の流量用に(ベント経過中に減少するコンテインメント8内の圧力のために)いわゆる臨界的な圧力開放により設計され、ベンチュリノズル40の範囲におけるベント流10の所望の高い流速を保証するようにする。その原理およびこれを実現するために必要な構造上の手段はアレヴァ・ゲーエムベーハ社(当時はフラマトム・アンプ・ゲーエムベーハ社)のドイツ特許第10328773B3号に詳細に記載されており、その内容はここに本明細書中に援用して開示内容の一部とするものとする。
先のスタンバイ後のベント運転の始動時には湿式洗浄器12内の比較的熱いベント流10がプール26内の比較的冷たい(温度は通常10~25℃)洗浄液18に当たるが、洗浄液の量が多いため(通常スパン幅は7~21m、好適には約10m、最大50mまで)ごく緩やかに加熱され、その温度はベント流10に同化する。
このリスクは典型的には洗浄液18の十分な加熱が見込まれるまでの約15~30分に生じる。十分な不活性作用は通常は約95℃の温度と見込まれるが、この範囲はコンテインメント内のガス条件に応じて85~120℃であり得る。
その結果始動期間、すなわち特に最初の15~30分ではベント流10に含まれる水蒸気の十分な凝縮が起こり得る。水蒸気は不活性作用を有するので、もともとあった不活性作用はこの場合失われる恐れがある。これにより再びベント流10内に同様に存在する引火性成分、特に酸素と結合した水素の濃度が臨界値以上に上昇し、流出ノズル38の下流側にある管部分およびベントシステム2のタンク内には十分に高められた発火または爆発の危険性が生じる。
このようなリスクを回避するために本発明によるベントシステム2が、個々に、任意の組み合わせでまたは全てをまとめて実現可能な一連の装置的および方法技術的手段によって形成される。これらの手段を以下に詳細に説明する。
第一の主要手段は、ベント流10の部分流が湿式洗浄器12のプール26内に浸漬する流出ノズル38を迂回して洗浄液18の上側にあるガス空間48に直接放出させることにある。これによりこの部分流に対しては洗浄液18での突然の冷却および急冷による水蒸気凝縮を導く作用が回避される。これにより全体としてタンク22内に流入するベント流10の凝縮が減ぜられるので、引火性ガス混合物の濃度は、従来通り流出ノズル38を通流してプール26内の洗浄液18と直接作用する主流に対して部分流の量が十分に大きいために、臨界値以下(すなわち水素4Vol.%以下、酸素5Vol.%以下もしくは不活性ガス成分50~55Vol.%以上)に留まる。
この構想の技術的実現のため、図1に概略的におよび図2に詳細に示したように、(主)導入管14から出口側でガス空間48に開口する分岐管が設けられる。すなわち分岐管54の流出開口56が液位32の上側のガス空間48にあるようにされる。図示の例とは異なり分岐箇所58はタンク22内に置くこともできる。また分岐箇所48は分配器34に組み込むこともできる。
分岐された部分流はプール26内の洗浄液18を迂回するので、この部分流は放射性成分に関する捕捉率が減ぜられる。この欠点を補償するために分岐管54には乾式フィルタ60が使用される。乾式フィルタ60は図示のようにタンク22内の分岐管54の端部に、またはさらに上流に、場合によってはタンク22の外側にも、ただし分岐箇所58の下流側に配置することができる。
分岐管54には分岐管54を閉鎖できる遮断弁62を接続すると有利である。これは図3に示されている。すなわち始動工程の終了後連続ベント運転への移行時には、プール26内の洗浄液18の温度は上述の冷却効果が消失するかその作用が無視されるほどさらに高くなる。この場合には分岐管54を介する部分流の導入は中止し、その代わりに全ベント流10が(主)導入管14を介してプール26内の流出ノズル38に導くことができる。すなわち分岐管54はベントの初期の比較的短い期間だけ開かれ、その後は閉じられる。乾式フィルタ60の受容または捕捉能力は具体的なシステム設計で概算的に評価される分岐管54の運転時間に適合させると有利である。
初期に開かれる遮断弁60の閉鎖は最も簡単な場合手動で行うことができる。これはその代わりにたとえばコンテインメント容器6を通って監視センターに導かれる電動または液圧または空圧式の制御管64を介して制御される駆動手段によって行うこともできる。また遮断弁62の近くに配置されるか遮断弁62に組み込まれ固有の自給式の制御装置を設けることも可能である。
特に有利なのは遮断弁62に対し受動的な駆動制御手段を使用することである。たとえばプール26内の洗浄液18の温度またはベントシステム2内の他の特徴的温度に関係する受動的制御をバイメタルおよび/または形状記憶材料および/または溶融ろうおよび/またはこの種の要素を有するサーモスタット弁を利用して行うことができる。受動的駆動手段としてはたとえばバイアスを掛けられたばね要素または圧縮ガスボンベに貯蔵され圧力下にある流体が考慮される。運転電圧が電池または蓄電池またはたとえばサーモ発電機のような受動的エネルギー源から得られる電気駆動手段も同様に使用可能である。多くの実施形態では駆動および制御は同一のコンポーネントによって実現することができる。
図4に示した例では、プール26内の洗浄液18に熱的に接続されているいわゆるプレッシャー・パルス・トランスミッタ(PPT)66が制御管70に接続されている制御弁68を制御するが、この制御管はたとえば貯蔵窒素を有する圧縮ガスボンベ72に接続されている。PPT66は特殊な熱交換器であり、この例ではプール26内の洗浄液18に通じている一次管74と、この例では制御弁68に通じている二次管76とを備えている。洗浄液18の温度次第では二次管76内の運転圧力が形成され、制御弁76を開く(低温)かまたは閉じ(所定の閾値以上の高温)、これとともに制御管70内の圧力下にある窒素ガスを介して分岐管54の遮断弁62も制御される。
ベントシステム2内の爆発性ガス混合物を回避するための第2の主要手段は、上述の第1の主要手段の代わりにまたはこれに付加して実現することができるが、図1の概略図と図5、6の詳細図に示されている。
この実施形態ではベント流10の部分流は別個の流出ノズル80に導かれ、このノズルは湿式洗浄器12のプール26内に配置されるが、洗浄液18には直接浸漬されずに、洗浄液とは隔壁82により隔離されている。図示の例では隔壁82はたとえば円筒状または長方形のノズル室84または別個の流出ノズル80を取り囲む流出室を囲んでいる。隔壁82は全体としてノズル室84の囲壁88を形成する。ノズル室84はこの例ではガス空間48に上方に向かって開いているが、そのほかは全面的に塞がれている。ノズル室84は洗浄液18から上方に突出しているので、洗浄液18はプール26からこのノズル室に入ることはできない。むしろ独立した流出ノズル80の周りには少なくともベントシステム2のスタンバイ時に好適には始動運転中にもガスで満たされたガス空間86があり、これは洗浄液18の上側のガス空間48に流体的に通じている。プール26内の洗浄液18から上方に突出するノズル室84の十分な高さでは、ノズル室はベント中もプール26内の他の流出ノズル38を介して放出され流れ込んでくるおそれのある噴射水(洗浄液)から保護される。
独立した流出ノズル80はこの実施例ではベント流10に関しては他の流出ノズル38と流体的に並列的に導入管14から分岐された分岐管90に接続されている(図1参照)。分岐箇所92はたとえばタンク22内の他の箇所、有利には液位32の上方に配置することもできる。また独立した流出ノズル80を分配器34に接続させることも考えられる。しかしこの場合には適当な流れ技術的処置により、少なくともベントシステム2のスタンバイ時にプール26内の他の流出ノズル38を介してノズル室84への洗浄液18の戻り流が生じないように配慮する必要があろう(図7の記述も参照のこと)。
ノズル室84には独立した流出ノズル80がこれを取り囲むガス空間86および隔壁82によってプール26内の洗浄液18から熱技術的に隔離される。これによりこの実施形態でもベント流10内の水蒸気の凝縮に通じる突然の冷却が回避されるかまたはいずれにせよ減少されるので、ベントシステム2の始動運転中における後置接続されたシステム部分における引火性の水素混合物の超臨界的濃縮が回避される。
特に図示していない簡単な変形例ではノズル室84内にはガス空間86に乾燥状態で自由に放出する流出ノズルまたは流出開口が配置されるが、これには図2~図4の実施形態と同様に乾式フィルタを分岐管に前置接続することができる。代替的にまたはこれに付加して乾式フィルタをノズル室84のさらに下流側に、特にガス空間86とガス空間48との間のノズル室84の上端に配置することができる。この簡単な実施形態ではいわば図1に示した流出開口56だけが付属の乾式フィルタ60と共に液位32の上側の高められた位置から液位32の下側の低められた位置へしかし洗浄液18からは隔壁82により隔離されて移されている。分岐管54に配置された遮断弁62並びに付属の操作装置に対する図3、図4と関連してその実施形態に対して記述された構想は分岐管90に対しても適用される。同様に上記の考察は乾式フィルタ60の設計および寸法に対しても転用される。
有利な実施形態では独立した流出ノズル80はプール26内の流出ノズル38に類似した形状のベンチュリノズル94であり、この喉部96には独自に設けられた貯槽100から洗浄液98が供給される。これによりベンチュリノズル94の乾燥化が回避され、ベント流10の付設部分流に含まれる放射性核種に関する捕捉効果が改良される。この場合、場合によっては付属の乾式フィルタを省略することもできる。
たとえばノズル室84内の独立ベンチュリノズル94のための(洗浄液)貯槽100としてはベンチュリノズル94の喉部96を取り囲み上方に開いているリング状空間102が用いられるが、この室は比較的少量のしかし始動期間における運転には十分な量の洗浄液98を貯蔵する。これは図5に示されている。分離された少量の貯水(好適には20~100L、最大でもできるだけ300L以下)はベント開始時にプール26内の大量の貯水(典型的には7~21mの範囲、上述の注記も参照)よりも明らかに迅速に加熱されるので、独立したベンチュリノズル94を通るベント流10の部分流の冷却および凝縮に関する上述の作用はかなりの程度低下させられる(分離された洗浄液の量と全体量との割合は好適には1:50~1:500の範囲)。
貯槽100内の分離された少量の洗浄液98の有利に行われる加熱により、上述の問題はさらに低減される。ここではベント運転時の受動的な加熱が、熱いベント流10に含まれているか原子力発電所で他に得られる余剰熱を独立したベンチュリノズル94に付属する貯槽100に伝達する好適な熱搬送により提供される。これは、図5に例示的に熱導管104により示されており、この管は熱シンクとしてリング状空間102におよび熱源として分配器34に通じる(主)ベント流10の導入管14に熱的に接続されている。熱導管104内を循環する熱伝達媒体の流れ方向は矢印で示されている。
代替的に独立したベンチュリノズル94の喉部96への洗浄液98の供給はノズル室84の外部にある貯槽から導管を介して行うこともできる。この場合プール26からの洗浄液18の取り出しも、有効な(測地学的)圧力差により受動的に実現できることが考慮される。プール26から取り出された洗浄液18は勿論かなり冷たいが、ノズル室84では、特に図6に示したベンチュリノズル94のカプセル106によりベンチュリノズル94を貫流する洗浄液の更なる再循環が少量で強制されるときには、比較的迅速に加熱される。カプセル106は好適には、ベンチュリノズル94の上部を喉部96および流出開口108を含めて少量の中間室110を形成のもとに広く取り囲み、ノズル室84の残りの空間に対する比較的小さい通口112だけを有するように作られる。可能な変形例ではノズル室84の囲壁88自体もカプセル106を形成することができる。
上述の例と同様に有利な実施形態では、カプセル106により囲まれている中間室110およびその中を循環する洗浄液の受動的加熱はベント管28の熱い部分からの熱伝達により行うこともできる。これは図6では熱伝達の例として相応する熱導管104により示されている。
別の代替例では、独立したベンチュリノズル94はスタンバイ中は乾燥状態にあり、ベント開始中でもある程度は生じている圧力勾配により運転に必要な洗浄液の量は付属の貯槽から吸い込み、その際この貯槽はより深く湿式洗浄器12の外側にあるようにすることもできる。このメカニズムの詳細はアレヴァ・ゲーエムベーハ社の以前のドイツ特許出願公開第102013205525A1号に記載されており、その内容はこの明細書のこの箇所に明確に引用して開示の一部とすることを宣言する。このような受動的補充メカニズムはプール26全体にも利用することができる。
図3、図4の実施形態で説明したのと同様に、独立したベンチュリノズル94の運転は、深刻な水蒸気の凝縮を回避するために湿式洗浄器12のプール26がまだ十分に加熱されていないときには、ベントシステム2の始動運転中にのみ行うことができる。その後ベンチュリノズル94に通じる分岐管90は遮断弁により、有利には図3、図4に関連して既述したような受動的操作手段により閉鎖することができる。
しかしまた独立したベンチュリノズル94の永続的な運転も可能である。この場合には、始動期間後、従ってプール26内の洗浄液18の相応する加熱後に独立したベンチュリノズル94とプール26内の残りのベンチュリノズル40(または一般的に流出ノズル38)との間の実質的なおよび主として種々の運転温度に基づく設計的な分離が中止されると特に有利である。このためたとえばノズル室84をプール26の残りの部分と分離する隔壁82には多数の溢流口114(断面積はそれぞれ閉塞を避けるために好適には10~30cmの範囲)を設け、初めは適当な閉鎖蓋116や滑り戸などにより閉鎖し、上記の時間経過後に開くようにすることができる。これは、最初独立していたベンチュリノズル94が次いで他のベンチュリノズル40と同様に少なくとも喉部96およびそこにある吸引口の範囲でプール26内の洗浄液18により環流されることにより行われる。この種の溢流口114および閉鎖蓋116は図5、図6に概略表示されている。
閉鎖蓋116の開放および操作は有利には受動的に行われる。純例示的には、閉鎖蓋116はばね付加された開放メカニズムと結合され、初期状態ではプール26内に配置されたまたは少なくとも熱的に結合された溶融ろうにより閉鎖される。プール26内の洗浄液18の温度が所定のトリガ温度を超過すると直ちに溶融ろうが溶け、開放メカニズムを自由にする。ばね駆動および溶融ろうの代わりに勿論他の各種の開放および駆動手段も可能であり、例示的に言えば形状記憶材料、バイメタルおよび圧力下にある流体を挙げることができる。
図7は今迄述べてきた多数の構想を有利に組み合わせて実現される実施例を示す。自由に放出可能な独立したベンチュリノズル94がノズル室84に配置され、その上方にある液位32より上の端部に乾式フィルタ118が流路に設置される。ノズル室84の囲壁88は閉鎖蓋116が設けられた多数の溢流口114を液位32の下方に有しており、この溢流口はたとえば溶融ろうヒューズにより閉鎖され、所定のトリガ温度を超過すると開かれる。液位32の上方には1つまたは複数の別の溢流口120が設けられ、これらはそれぞれ破裂板122により閉鎖されている。破裂板122はたとえば500mbarの所定の圧力差で、たとえば乾式フィルタ118が閉塞するかノズル室84内の(部分)ベント流の圧力が始動工程を特徴づける値を超過するときに解放される。
ベントノズル94に導かれるベント流10の部分流はこの例では液位32の下側にある分配器34から直接分岐され、この分配器はまた別のベンチュリノズル40にも分配する。短い分岐管または導管124に装着された破裂板126はたとえば100mbarの開放圧力差を有し、スタンバイ時にプール26からこのプール26内に配置されたベンチュリノズル40の吸引口を介して洗浄液18がノズル室84に溢流するのを阻止する。ベントの開始時にベント流10の運転圧力は破裂板126を破裂させ、まずは同様に洗浄液18の著しい溢流を防ぐ。その後閉鎖板116の開放によりプール26からノズル室84への洗浄液18の溢流を可能にする。導管124の後からの閉鎖はそれゆえこの場合には不要である。このような独立したベンチュリノズル94の分配器34への接続は独立したベンチュリノズルを有する別の実施例においても考慮される。代替的に付属の分岐管を有利には測地学的に洗浄液の液位32の上側に配置し、問題となる還流問題を回避することも可能である。
図8にはベントシステム2における可燃性のガス混合物の発生を回避する別の2つの可能性を示す。
図の左側のベンチュリノズル94は流出ノズル80の有利な例を示し、このノズルは図5~図7におけるベンチュリノズル80と同様にこのノズルを取り囲み隔壁82を備えたノズル室84によりプール26内の洗浄液18から隔離されており、たとえば液位32の上側で導入管14から分岐された分岐管90によりベント流10の部分流を供給される。代替的に図7の実施例と同様にベント流10の導入は液位32の下側でほぼ分配器34のところで分岐され初期状態では破裂板により閉鎖された分岐管を介しても行われる。分配器34に接続されプール36内の洗浄液18に直接浸漬されている別の従来方式のベンチュリノズル40はここでは簡略化のため示されていない。
左側のベンチュリノズル94のノズル室84は、下側範囲においてプール26に比較して著しく小さい洗浄液132の貯槽130を形成している容積を取り囲んでいる。貯槽130は、準備状態中に乾燥させておくか、または有利な代替例では有利には喉部96およびそこに配置されたベンチュリノズル94の吸引開口の直近にある充填高さ134まで洗浄液132で満たされる。したがって、ベンチュリノズル94は洗浄液132の吸引開口で貯槽130およびその中にある洗浄液132に浸漬され、洗浄液は隔壁82により流体的に、およびある程度まで熱的にも、プール26内の洗浄液18から隔離される。
ベント開始時の初期には、貯槽130内にある洗浄液132だけがベンチュリノズル94によって吸引および再循環され、極めて迅速に加熱され、(部分)ベント流10内にある水蒸気の凝縮が避けられる。
蒸発の開始により貯槽130内の洗浄液132の充填度がベンチュリノズル94の吸引開口以下に低下する恐れが生じる若干遅い時点で、洗浄液18の受動的補給が周囲のプール26から行われる。この目的のためプール26と貯槽130の内部との間に隔壁82を通して案内される溢流管136が設けられ、これは最初に閉じられている。閉鎖弁138は有利には温度に依存する受動的開放手段を有しており、この手段は貯槽130内の洗浄液132の温度が水蒸気凝縮の阻止を特徴づける所定の値を越えると直ちに溢流管136を開放する。
溢流管136内の閉鎖弁138の開放時点ではプール26内の洗浄液18は通常は貯槽130内の洗浄液132よりもまだ明らかに低い温度を有するので、補給率は有利にはベンチュリノズル94の湿式運転に必要な程度に限定される。これにより貯槽130内の洗浄液132の量はできるだけ小さく保たれ、時間単位ごとに補給される比較的少ない量が迅速に再び加熱されるので、貯槽130内の洗浄液132は水蒸気凝縮の回避のために所望される温度を維持する。見積もった限りでは、独立したベンチュリノズル94を貫流する1kg/sの(部分)ベント流では所属する貯槽130内の約20~200kgの洗浄液が十分迅速に加熱される。この値は各貯槽の寸法を基準とすることができる。
図の右側に配置されたベンチュリノズル94は上記の記述に類似する。
図8の左側のベンチュリノズル94ではプール26から貯槽130への洗浄液18の溢流はフロートにより制御される弁、略してフロート弁により必要に応じて調整される。フロート142は、溢流管136に接続された弁を、貯槽130内の所定の最小充填度を下回るときは常に開いており、そうでなくなった場合は再び閉じる。右側のベンチュリノズル94では、代替的にほぼ絞り蓋の形の絞り144が接続され、溢流を継続的に連続的に絞り、したがって補給率を制限する。
さらに遅い時間では図5~図7に関連して述べたように、ベンチュリノズル94の周囲のプール26からの分離は適当な好適には永久的な絞りのない溢流開口の開放により中止される。
上述のように既述の対策は多面的に互いに組み合わせることができる。全ての実施形態に共通なことは、ベント流10の主要部分が少なくとも部分的にプール26内の洗浄液18に浸漬されている多数の流出開口またはノズル38(特にベンチュリノズル40)を介して案内されるのに対し、一部の部分流がこの流出開口またはノズル38を迂回し、一貫して水蒸気凝縮を引き起こすヒートシンクから遠ざけられる。この部分流は洗浄タンク12のガス空間48に直接導かれ、しかも好適には乾式フィルタ60または118によりろ過されるか、または多数の独立した流出開口またはノズル80(特にベンチュリノズル94)を介して案内される。この独立した流出開口またはノズル80は物質的および/または熱的バリアにより少なくとも熱的におよび好適には流体的にもプール26内の洗浄液18の主要量から、少なくともベントシステム2の準備状態中および好適にはベント工程の始動運転時にも隔離されるが、しかし好適には後の完全に進行するベント運転中はもはや隔離されない。この配置転回の時点の主要規準は、この場合プール26内の洗浄液18の温度である。
この場合たとえば流れ断面の適当な形態により達成すべき始動運転中の部分流と全流の量比は好適には10~30%の範囲にあるが、コンテインメント内のガス組成が良好でない場合および/またはベント開始時のコンテインメント圧力が低い場合は50~75%に達し得る。この場合、この部分流は有利には(予期もしくは予知される)ベント開始時のコンテインメント内の最初のガス組成に基づき規定され、しかも全ベントシステムにおける水素濃度を約4Vol.%以下に、酸素濃度を約5Vol.%以下に抑えるかもしくは不活性ガス成分を訳50~55Vol.%以上にする目標設定をもって規定される。
本発明は、全ベント流10が独立した流出ノズル80を介して案内され、すなわちプール26内へ直接浸漬された流出ノズル38が全く存在しないという極端な事例も含む。これは特に図8と関連して説明した実施形態の対象である。
始動運転の終了後には通常は、圧力、温度および長時間単位にわたるベント流の流速のような主要な運転パラメータの変化がごく僅かである準定常的な運転への移行が行われる。これは特に、プールの平衡状態が生じる程度に加熱される、すなわちプール内の温度が一定であり過熱/後崩壊出力から生じた一定の蒸気化率が不活性化を助成するか少なくとも維持する(コンテインメント内の圧力が緩やかに低下するので準定常)ときに起こるものである。
上述の記載では洗浄タンク12のプール26内の洗浄液18の液位32の下方または上方の
内装物の状態は様々であった。この場合注意すべきことは、準備状態中の所定の充填高さ24が後のベント中にある程度変化し得ることであり、少なくともベント工程をカバーする相応する変動幅を見積もらなければならないことである。
湿式洗浄器12は上述のようにコンテインメント8内に配置されるが、しかし代替的にコンテインメント8の外部にもあるようにすることもできる。この後者の実施形態は、洗浄器のプール内の洗浄液貯槽の温度がこの場合通常は周囲温度にあるだけであり、重大事故の際にコンテインメント内で特記すべき温度上昇によっては予熱されないことが特に重要である。
ベントシステム2はここでは原子力発電所4に関連して説明したが、コンテインメントまたは同様に囲まれている容積におけるろ過を伴う圧力解消が問題となるような他の核施設または非核施設においても利用可能である。
本発明によるプロセス原理およびコンポーネント技術は新設すべきシステム並びに既存システムの改造にも適用される。改造は、既存タンクの内部並びに新設のタンク/コンポーネントの補充に際しても実現可能である。
上述のように本発明の枠内では、ベンチュリノズルの代わりに他の種類の流出開口およびそれとともに実現されるプールスクラビング技術、たとえば別種のリングノズルの応用例、潜水形フィルタカートリッジ、静的混合要素またはこれらの洗浄機器の組み合わせ物に対しても原理的に適用可能である。
総括すれば本発明は図1に示したシステム概観図に示された以下の今迄例示的に示した基本的考えに基づくものである。
コンテインメント内にあるガス混合物は導入管を介して湿式洗浄機に導かれ、ベンチュリセクションに案内される。ベンチュリノズルは(喉部の洗浄液吸い込み領域において)有利には200m/s以上の高い流速で、好適には他の後続の臨界的絞りと組み合わせて使用される。
好適には、長いまたは扁平のベンチュリが2cm~20cmの喉部面積で使用され、数の最小化を保証するとともに、厚さ3cm以下の最適化された小さい寸法で短い洗浄液供給路を確保し、喉面の50%以下の洗浄液吸い込みスリット/面、ベンチュリ軸に対する30~90°の角度で最適な分離率を達成するようにする。一定の場合には水面以下に配置され、場合によっては下方にも放出する短いベンチュリバージョンも有利であり得る。
エアロゾル分離は、ベンチュリ喉部における受動的吸い込みによりガス流と洗浄液との大きな速度差によって生じる微細水滴との接触によって行われる。水滴に接触するエアロゾルは、水滴と共に分離される。排ガスからのガス状ヨウ素の分離のため洗浄液は苛性ソーダおよびチオ硫酸ナトリウムでコンディショニングすると有利である。ベンチュリ喉部領域における高い反応表面は、ガス状ヨウ素が化学的に結合され洗浄液中に溶解して留まるのに決定的に役立つ。
洗浄されたガス流からの洗浄液滴の分離は有利には段階的に行われる。衝撃分離により、既にベンチュリ出口では堆積された洗浄液の一部が分離される。始動期間における水需要の更なる最小化のため、衝撃分離器による流出管におけるベンチュリ液の分離および吸い込み範囲への所望の帰還を行うことができる。同時に有利には、たとえば1~3m/s以上の極めて高い空塔速度が生じ、更なる有害物質分離(反応表面の形成による)を生じる所望の滴奪取が生じる。
高速および低速領域の薄片プレートの数が5枚以上、好適には10枚以上の高速ラメラセパレータから成る後続の高効果の遠心分離器段では大量に洗浄液がガス流から分離されプールに戻される。サイクロン分離機として遠心分離器を使用することも同様に可能である。
図1に概略的に示した好適には8μmまで段付けられた60μm以上の金属繊維を備えた金属繊維フィルタ50で概略表示した後続のデミスタ段では残存微粒滴の更なる凝集並びに同様に微粒エアロゾルの部分的再分離を行うことができる。付加的に別の微細繊維マットまたは焼結孔フィルタもしくは金属フリースカートリッジなども後置接続することもできる。
後続の臨界的絞りにより調整された永続的に高いベンチュリ流速と高い空塔速度並びに遠心およびデミスタ分離のこのような組み合わせは、既に1μm以上で99.9重量%のエアロゾルに対して、並びに同時に1μm以下でなおも常に99重量%以上の浸透微細エアロゾルに対しても大幅な分離を可能にし、並びにこれと並行して99重量%以上のヨウ素の分離を可能にしている。このため、付加的に苛性ソーダおよび/またはチオ硫酸ナトリウムなどの化学剤の点滴または直接投与により効果的なヨウ素吸着も達成される。このような化学剤投与/配合の実施は、差圧解消または熱ろう弁を介して行うことができる。2μmまでの繊維直径を有する金属繊維フィルタへの拡張により、99.99%までのエアロゾル分離率がフィルタ領域における特定の微細エアロゾルに対しても達成される。
図1にモレキュラーシーブフィルタ52で概略的に示した別の分離段においては、ガス状のヨウ素種がいわゆる有機ヨウ素(たとえばメチルヨウ素)を含めて分離される。たとえばヨウ素フィルタは、吸着および化学吸着によりガス状ヨウ素種を受容し捕捉する吸着剤(モレキュラーシーブ吸着剤)を含む揺動床から成る。
浄化されたガス流は続いて流出管に案内され、そこから付設の放出塔に導かれる。
上述の3つの分離段もしくは捕捉段は集積フィルタタンク並びに種々の大きさのモジュールユニットに収容することができる。モジュール化は、小型のしかし全捕捉段を含む複数のタンクを固定設置することにより規定されるか、またはシーケンシャルに配置された複数のタンクの組み込みにより規定される。後者の場合には捕捉段はそれぞれ1つのタンクに分散され、ここでは混合形も考えられる。本発明は全てのモジュールおよびインテグラル的構想に関与している。
大型の貯水槽は、捕捉された放射性エアロゾルおよびヨウ素からの後崩壊熱を水蒸気化により温度を制限しベント運転時に熱ガスを飽和蒸気温度に冷却することを可能にするために必要である。装置の乾燥化は、捕捉機能を損なうとともに捕捉された放射性物質を再放出する原因となる恐れを生じる。
この場合(好適には外側が熱的に絶縁されていない)ベンチュリ洗浄ユニットの表面は、洗浄液を長時間にわたり所期通りに活用するために、場合によっては周囲への熱伝達面として利用することができる。いずれにしても、短管、前脚、耳穴などの既存の建造物を考慮するかまたは場合によってはリブ等の構造物を付加的に所期通りに取り付ければ、30~70kWの熱伝達出力は平均で100kWまで改良される。これは、既にベンチュリ洗浄器に蓄積される平均的な後崩壊出力の範囲にあり、装置の実際値に近いものを表す。
さらに、コンテインメント態様の最近の研究によれば、一定の状況下ではかなり高い放射性物質、およびその結果としてエアロゾルやヨウ素の余熱が放出される恐れがあることが判明している。それゆえ、洗浄装置における水の需要はこのような状況下では重大であり、装置をこれに相応した大容量のものにしている。これは、始動時間、すなわちまだ冷たい洗浄器が侵入するベントガスにより、相応する飽和蒸気温度まで加熱される時間帯が明らかに延長されることを意味する。
始動時間では侵入する混合物の水蒸気量は冷たいプール内での凝縮により明らかに減少し、これによりコンテインメントから来る蒸発混合物が再び引火する恐れがある。原理的にはこの現象は各ベントフィルタにおいて発生し、それゆえこのシステムの幾つかは従来技術では部分的に予熱されていた。コンテインメントに設置されたフィルタは、始動凝縮の問題を回避する必要がある。勿論、コンテインメント内フィルタにはほかの欠点(余熱搬出、フィルタ詰まり、エアロゾルに結合した並びにガス状のヨウ素の再揮発化など)もあり、コンテインメント内でさえ蒸気の凝縮を決して完全には除去できないような著しい温度の階層化が生じる恐れがある。
本発明の枠内で行われる蒸気凝縮の解消により、引き起こされる可燃性ガス混合物状態の最小化によるベンチュリ洗浄ユニットの改良は、相応して後から装備されたまたは新しく建造された発電所に対するより高い安全基準の達成にとって、本質的な意義がある。これは、蒸気不活性化のない始動期間をコンテインメント外の乾式フィルタまたはコンテインメント内に比較的深く(低建造物レベル)に設置された乾式システムにおいて生じるような時間間隔に短縮することを、ベンチュリ洗浄器の形体の簡単にして、受動的でコスト的に良好な実施形態により可能にしている。
総括すれば、図2~図4に示した本発明の実施形態では、不活性化の維持に必要なプール26の上側の蒸気部分流は、別個に設けられた乾式フィルタ60を介して直接ガス空間48に導かれる。
乾式フィルタ60は、たとえばエアロゾルフィルタおよびガス状のヨウ素種用のフィルタから構成されている。エアロゾルフィルタは、たとえば極微粒子も捕捉するために繊維直径が2μmまでの小さい複数層の金属繊維フリースから形成される。ヨウ素フィルタは、たとえば吸着(物理吸着および/または化学吸着)によりガス状ヨウ素を受容し捕捉する吸着剤から成る。エアロゾルフィルタは、この装置では合目的的にはヨウ素フィルタの前に配置される。この装置は、代替的に乾式フィルタとしてエアロゾルフィルタだけ(ヨウ素フィルタ段なし)でも機能する。
個々の段の設計は、短い運転時間において予期されるエアロゾルおよびヨウ素の質量に基づき並びに許容流速もしくは滞留時間を考慮して行われる。
上述のように乾式フィルタ60は有利には、洗浄器プールが加熱期間を終了し、凝縮がもはや蒸気の不活性作用の中断を至らしめない比較的短い時間だけ運転される。この短い時間帯は、通常20~30分である。
その後は有利には導入管が閉鎖されるが、これは能動的手段並びに受動的処置によって行うことができる(図3および図4参照)。この場合能動的手段は、とりわけ導入管内の弁を手動操作、手動遠隔操作または空圧、液圧またはモータ制御弁により閉鎖することを含む。受動的手段はこの場合とりわけ、閉鎖弁62により例示したように弁の閉鎖に至る溶融ヒューズまたは熱交換器(たとえば受動的パルス発信器)による温度制御手段を含む。
乾式フィルタ60に蓄積されたエアロゾルもしくはヨウ素が発生する熱の放出は、始動期間では貫流する部分蒸気流により、その後はプール26からの蒸気流およびその中に含まれる水滴により行われる。
総括すれば、図5および図6に示したベンチュリノズル技術に基づく実施形態は、換言すれば以下のように説明される。
本発明の枠内で使用されるベンチュリノズル区間は2つの機能的部分から成り、すなわちベンチュリプールを2つの部分に区分し、第1の従前の部分は放出可能か浸漬しているかは別として吸引範囲(喉部96)では完全に洗浄液18で囲まれているベンチュリノズル40から成り、第2の部分はベンチュリノズル94がガス空間86内に自由に設置されていることを特徴としている。このベンチュリ洗浄器の第2の新しい部分におけるベンチュリノズル94への洗浄液の供給は喉部96にのみ効果的に行われ、そこで洗浄液が吸引され、独立したベンチュリノズル94のガス流からのクエンチングと熱搬出を最小限にする。
スタンバイ運転では第2の部分は乾燥状態にコンディショニングされ、貫流運転時には最短時間で洗浄液を充填可能にされる。さらに、この第2の部分に対する洗浄液はコンテインメントからの流入過熱ガスにより有利には(受動的に)予熱され、これによりベンチュリノズル94における始動時の蒸気凝縮がさらに減ぜられる。この場合、熱搬送器は種々の実施形態が考えられ、たとえば管形または板状の熱搬送器、もしくは以下に記述するベンチュリノズル94の吸い込み範囲を取り囲む第1の独立したプールを組み込んだ形態が考えられる。
独立したベンチュリノズル94の喉部96の給水は導管を接続して直接行うこともまたは受動的に吸引する洗浄ユニットとして実施することもでき、このユニットはベンチュリノズル94の吸い込み範囲にたとえば小容量の囲繞槽装置またはリング状空間102から成る独立したプールを備え、これは有利には別の貯水槽に接続され、そこから給水できるようにされる。所期の給水の別の方法としては、残りのプール範囲においてベンチュリノズル40の放水を乾燥配置されたベンチュリノズル94の給水に所期通りに利用し、必要にして少量の水を迅速な加熱および蒸気不活性化の維持のために用意することが考えられる。
独立したベンチュリノズル94から放出され今や温かくもしくは熱くなった洗浄水は別個に再循環させ、極めて効果的で迅速に蒸気不活性化状態を達成するかもしくはこれを維持するようにすると有利である。この場合ベンチュリノズル94の適当なカプセリング106は洗浄水の還流に所期通りに有利に影響を与えることができる。
上述の構想では、洗浄器装置の液位をそれぞれ満たすかおよび/または所望の範囲に一定に保持し、全ベンチュリノズルの溢流を少なくとも主プールの加熱時間に制限することに成功している。
ベンチュリノズルの上述の2分割化は構造上受動的要素を補充して、加熱プロセスの終了時に2分割化を無効とするようにすれば、全プール26が無制限に全てのベンチュリノズル40、94を直接および完全に洗流するので有利である。このように、隔壁または閉鎖板116を開いたり取り外したりする実施形態は、たとえば溶融ヒューズを使用して冷状態で閉鎖することができる。好適には、85~120℃、有利には約95℃の範囲のプール内のトリガ温度に達すると溶融ろうヒューズが開き、開口または溢流断面、ここではたとえば溢流開口114を開放し、洗浄液の無制限の拡大および循環を可能にする。プールの2分割化を中止するための受動的要素は、たとえばバイメタルもしくは形状記憶合金もしくはサーモスタット弁の原理で構想されたコンポーネントによっても実現できる。
ガス侵入範囲における所期の絞りにより受動的に駆動圧力を作ることができ、この力は受動的液位調整と組み合わせて洗浄液をベンチュリ洗浄器装置に吸い込むことができる。必要な吸引圧力は、自動的にベンチュリの所期の絞りおよび圧力降下により作られる。この場合、ガス侵入範囲では、たとえばベンチュリ、孔ノズルなどのノズルにより0.1bar以上、ベント開始のための高い圧力では、好適には1bar以上の負の駆動差圧が供給貯水槽、好適にはベンチュリ洗浄器の主プールに対して作られる。充填は、始動時に直接最大駆動差圧で行うことができる。
湿式洗浄器12内の液位の調整および制御は場合によってはフロート液位制御を介して、好適には汚れに強いローラボール形閉鎖機構または回転スライド弁または受動的パルス発生器により制御される閉鎖ユニットにより実施される。種々のメカニズムの直列接続により、充填のためのより高い信頼性が達成可能である。
ベンチュリノズルに対する最大補給率は絞り装置によりおよび達成可能な加熱率を考慮して、ベンチュリノズル出口における蒸気分圧が少なくとも0.33bar、しかし有利には0.5~1barに達し、ベンチュリ洗浄器のガス空間における蒸気不活性状態が最短時間で達成可能となるように制限されると有利である。
別の組み合わせでは充填のために既存の非インテグラル貯水槽、たとえば同じ高さに配置された貯水タンクが利用される。この場合には水供給は電池モジュールによりまたは圧縮空気ボンベを介して駆動される自給式ポンプユニットにより作られる。このような貯槽の1つと前述の他の貯水槽との組み合わせにより洗浄器に極めて高い後崩壊熱出力が生じるときにも長時間の熱放出が保証される。
総括すれば図7の実施形態では独立した自由放出ベンチュリノズル94は流れ方向に後置接続された独立した乾式フィルタ118を備えているが、このようなフィルタは図2~図4による実施形態においても乾式フィルタ60と同様に取り付けられると有利である。
ベンチュリノズル94はこの場合閉鎖状態で収容され、侵入する部分蒸気流をろ過なしで通過させる。ろ過は暫定的に下流側に配置された乾式フィルタ118が引き受ける。プール26が蒸気凝縮を回避するのに必要な温度に達すると、たとえば溶融ろうで保護された溢流開口114が開くので、ベンチュリノズル94は短時間で洗浄液18をプール26から供給され自動的にガス浄化される。洗浄液18の上側で囲壁88の側面に配置された破裂板122は比較的高い運転圧力に達すると開くので、ガス流は乾式フィルタ118を迂回(バイパス)する。この瞬間から減圧システムは、従来技術の減圧システムから知られている運転モードになる。
ベントシステム2における可燃性ガス混合物を回避するための図8に示した解決策を最終的に以下のように総括する。
1つの図内に示した2つの実施形態は、加熱した後で独立したベンチュリノズル94に導くべき洗浄液の量を緩やかに連続的に高めることにより、可燃性ガス混合物が短時間で産出する問題を解決する。
ベントプロセスは乾燥したベンチュリノズルでまたはベンチュリ喉部を丁度同じ高さで覆う小さい洗浄液貯槽で始めることができる。この最小の洗浄液量は、ほぼごく短時間(典型的には1分以内)で約85~95℃に加熱される。これ以降は正確に規定された別の洗浄液の質量流が導かれるので、温度を維持することができ、それとともに約50Vol.%の十分な蒸気不活性作用が維持される。オートノミー時間に必要な全ての提供される洗浄液貯槽が一定の温度レベルを下回らないことを特徴とする加熱期間の終了まで周囲のプールから流入する洗浄液の質量流は好適には受動的に調整される。理想的には加熱期間のこの一定の終了後は全ての貯蔵洗浄液が提供および利用可能となる。
第1の実施形態では周囲のプールから隔離された貯槽への洗浄液の充填はフロート弁により調整されるが、この弁は貯槽の液位を必要な最低値に限定し連続的に洗浄液を補給するものである。隔離された貯槽内または周囲のプール内が一定の温度に達したのちに温度依存性の開放メカニズムが開き、従前の閉鎖を中止する。
第2の実施形態では充填は絞り弁を介して行われるが、この絞り弁は流入率を制限し、隔離された貯槽内の液位が緩やかに上昇し、存在する洗浄液がその温度レベルを維持するようにする。絞りは有利には、溶融ろう、バイメタル、形状記憶金属、サーモスタットまたは同様のトリガ機構の十分に高いイニシャル温度を上回ると直ちに受動的に開放される。
2 ベントシステム
4 原子力発電所
6 コンテインメント容器
8 コンテインメント
10 ベント流
12 湿式洗浄器
14 流入開口
18 洗浄液
20 流出管
22 タンク
24 充填液位
26 プール
28 ベント管
30 タンク壁
32 液位
34 分配器
38 流出ノズル
40 ベンチュリノズル
42 喉部
44 貫流開口
46 流出開口
48 ガス空間
50 金属繊維フィルタ
52 モレキュラーシーブフィルタ
54 分岐管
56 流出開口
58 分岐箇所
60 乾式フィルタ
62 閉鎖弁
54 制御管
66 プレッシャー・パルス・トランスミッタ
68 制御弁
70 制御管
72 圧縮ガスボンベ
74 一次管
76 二次管
80 流出ノズル
82 隔壁
84 ノズル室
86 ガス空間
88 囲壁
90 分岐管
92 分岐箇所
94 ベンチュリノズル
96 喉部
98 洗浄液
100 貯槽
102 貫流開口
114 溢流開口
116 閉鎖板
118 乾式フィルタ
120 溢流開口
122 破裂板
124 導管
126 破裂板
130 貯槽
132 洗浄液
134 充填液位
136 溢流管
138 閉鎖口
140 フロート弁
142 フロート
144 絞り

Claims (19)

  1. コンテインメント(8)と、前記コンテインメント(8)のろ過を伴う圧力逃がしのためのベントシステム(2)とを備えた原子力設備であって、
    ・前記ベントシステム(2)が前記コンテインメント(8)から周囲に通じるベント管(28)を有し、前記ベント管(28)にベントの際に生じるベント流(10)に対する湿式洗浄器(12)が接続され、
    ・前記湿式洗浄器(12)がベントの前の準備状態中において既に洗浄液(18)で満たされるプール(26)を有し、前記プール(26)の上方にガス空間(48)が設けられ、
    ・前記ベント管(28)が前記湿式洗浄器(12)に通じるベント流(10)のための導入管(14)を有し、前記導入管(14)が分配器(34)内で複数の流出ノズル(38)に分岐し、
    ・前記複数の流出ノズル(38)が少なくとも部分的に前記プール(26)内の洗浄液(18)に浸漬するようになっており、
    少なくとも1つの独立した流出開口(56)が設けられ、前記流出開口(56)が分岐管(54,90)を介して前記導入管(14)または前記分配器(34)に接続され、少なくとも準備状態中は前記プール(26)内の洗浄液(18)から熱的に隔離されていることを特徴とする原子力設備。
  2. 前記独立した流出開口(56)が少なくとも準備状態中は前記プール(26)の洗浄液(18)から実質的に隔離されている請求項1記載の原子力設備。
  3. 前記独立した流出開口(56)がこれを取り囲むガス空間(48,86)および/または隔壁(82)により前記プール(26)内の洗浄液(18)から隔離されている請求項1または2記載の原子力設備。
  4. 前記独立した流出開口(56)が前記プール(26)の上方のガス空間(48)内に配置されている請求項1から3の1つに記載の原子力設備。
  5. 前記分岐管(54)に乾式フィルタ(60)が接続されている請求項4記載の原子力設備。
  6. 前記分岐管(54)に閉鎖弁(62)が接続され、前記閉鎖弁(62)が準備状態時には開口し、その後前記プール(26)内の洗浄液(18)の温度が所定値を超過すると受動的操作手段により閉鎖される請求項4または5記載の原子力設備。
  7. 前記独立した流出開口(56)がノズル室(84)内に配置された流出ノズル(80)により実現され、前記ノズル室(84)が隔壁(82)により前記プール(26)内の洗浄液(18)から隔離された空間領域にある請求項1から3の1つに記載の原子力設備。
  8. 前記流出ノズル(80)がベンチュリノズル(94)であるとともに喉部(96)を有し、前記喉部(96)が洗浄液(18)の貯槽(100)と流体連通されている請求項7記載の原子力設備。
  9. 前記貯槽(100)が前記プール(26)よりも小さい容積を有する請求項8記載の原子力設備。
  10. 多数の熱伝達機構が、ベントの際に前記ベント管(28)内に存在する熱を前記ベンチュリノズル(94)に導かれる洗浄液に伝導するように配置される請求項8または9に記載の原子力設備。
  11. 前記ベンチュリノズル(94)がカプセル(106)により囲まれ、前記カプセル(106)内に洗浄液(18,98)の再循環を引き起こす請求項8から10の1つに記載の原子力設備。
  12. 前記独立した流出ノズル(80)の下流側の前記ノズル室(84)内に乾式フィルタ(118)が配置される請求項7から11の1つに記載の原子力設備。
  13. 前記ノズル室(84)を前記プール(26)内の洗浄液(18)から隔離する前記隔壁(82)に閉鎖板(116)で閉鎖される溢流開口(114)が前記プール(26)に向かって設けられ、前記プール(26)内の洗浄液(18)の温度が所定値を超過すると前記閉鎖板(116)を開く受動的操作手段が設けられる請求項7から12の1つに記載の原子力設備。
  14. 前記独立した流出ノズル(80)が導管(124)を介して前記分配器(34)に接続され、この導管(124)内に破裂板(126)が配置され、前記破裂板(126)が前記導管(124)を準備状態中は閉鎖し、後に前記ベント流(10)の圧力により開く請求項7から13の1つに記載の原子力設備。
  15. 前記プール(26)内に浸漬する流出ノズル(38)がベンチュリノズル(40)として形成され、それぞれ前記プール内の洗浄液(18)に通じている喉部(42)を有する請求項1から14の1つに記載の原子力設備。
  16. 前記湿式洗浄器(12)が前記コンテインメント(8)の外側に配置される請求項1から15の1つに記載の原子力設備。
  17. 前記ベントシステム(2)の少なくとも始動中は、前記ベント流(10)の第1の部分流が前記プール(26)内に浸漬する前記流出ノズル(38)を介して案内され、第2の部分流が独立した流出ノズル(56)に案内される請求項1から16の1つに記載の原子力設備の運転方法。
  18. 前記第2の部分流の全体流に対する流量比が10~30%の範囲にある請求項17記載の方法。
  19. 始動工程の終了後に、独立した流出開口(56,108)と前記プール(26)内の洗浄液(18)との隔離が解除される請求項17または18記載の方法。

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