JP7081461B2 - 小型空調装置 - Google Patents

小型空調装置 Download PDF

Info

Publication number
JP7081461B2
JP7081461B2 JP2018221579A JP2018221579A JP7081461B2 JP 7081461 B2 JP7081461 B2 JP 7081461B2 JP 2018221579 A JP2018221579 A JP 2018221579A JP 2018221579 A JP2018221579 A JP 2018221579A JP 7081461 B2 JP7081461 B2 JP 7081461B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
air
condenser
control
air chamber
control device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018221579A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020083114A (ja
JP2020083114A5 (ja
Inventor
貴寛 坂口
道夫 西川
茂 川野
達博 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2018221579A priority Critical patent/JP7081461B2/ja
Priority to PCT/JP2019/040056 priority patent/WO2020110478A1/ja
Publication of JP2020083114A publication Critical patent/JP2020083114A/ja
Publication of JP2020083114A5 publication Critical patent/JP2020083114A5/ja
Priority to US17/318,448 priority patent/US20210260967A1/en
Application granted granted Critical
Publication of JP7081461B2 publication Critical patent/JP7081461B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60HARRANGEMENTS OF HEATING, COOLING, VENTILATING OR OTHER AIR-TREATING DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR PASSENGER OR GOODS SPACES OF VEHICLES
    • B60H1/00Heating, cooling or ventilating [HVAC] devices
    • B60H1/32Cooling devices
    • B60H1/3233Cooling devices characterised by condensed liquid drainage means
    • B60H1/32331Cooling devices characterised by condensed liquid drainage means comprising means for the use of condensed liquid, e.g. for humidification or for improving condenser performance
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60HARRANGEMENTS OF HEATING, COOLING, VENTILATING OR OTHER AIR-TREATING DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR PASSENGER OR GOODS SPACES OF VEHICLES
    • B60H1/00Heating, cooling or ventilating [HVAC] devices
    • B60H1/32Cooling devices
    • B60H1/3204Cooling devices using compression
    • B60H1/3228Cooling devices using compression characterised by refrigerant circuit configurations
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60HARRANGEMENTS OF HEATING, COOLING, VENTILATING OR OTHER AIR-TREATING DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR PASSENGER OR GOODS SPACES OF VEHICLES
    • B60H1/00Heating, cooling or ventilating [HVAC] devices
    • B60H1/32Cooling devices
    • B60H1/3204Cooling devices using compression
    • B60H1/3226Self-contained devices, i.e. including own drive motor
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60HARRANGEMENTS OF HEATING, COOLING, VENTILATING OR OTHER AIR-TREATING DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR PASSENGER OR GOODS SPACES OF VEHICLES
    • B60H1/00Heating, cooling or ventilating [HVAC] devices
    • B60H1/32Cooling devices
    • B60H1/3204Cooling devices using compression
    • B60H1/3229Cooling devices using compression characterised by constructional features, e.g. housings, mountings, conversion systems
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F24HEATING; RANGES; VENTILATING
    • F24FAIR-CONDITIONING; AIR-HUMIDIFICATION; VENTILATION; USE OF AIR CURRENTS FOR SCREENING
    • F24F13/00Details common to, or for air-conditioning, air-humidification, ventilation or use of air currents for screening
    • F24F13/22Means for preventing condensation or evacuating condensate

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Air-Conditioning For Vehicles (AREA)
  • Devices For Blowing Cold Air, Devices For Blowing Warm Air, And Means For Preventing Water Condensation In Air Conditioning Units (AREA)

Description

本発明は、小型空調装置に関するものである。
近年、車両またはパーソナルモビリティなど(以下、車両等という)に搭載される小型空調装置に関する開発が進められている。小型空調装置は、空調ケース内に冷凍サイクルの構成部品が収容されたものである。小型空調装置は、例えば、車両等の座席下などに設置され、座席の側面などから空調風を吹き出して乗員の快適性を高めることに用いられる。なお、小型空調装置は、車両のインストルメントパネルの内側等に配置される車両用空調装置と共に使用されることもある。
ところで、一般に、車両用空調装置では、エバポレータで生成される凝縮水(すなわち、ドレン水)を空調ケースの外へ排出することで処理している。それと同じく小型空調装置において、凝縮水を空調ケースの外へ排出して処理する場合、空調ケースの下にドレンポートを設け、そのドレンポートにドレンホースを接続して凝縮水を車外へ排出することが考えられる。
しかし、小型空調装置は、上述したように車両等の座席下などに設置されることがある。一般に、車両等の座席下のスペースは小さく、また、車両の座席は前後方向に移動可能に構成されている。そのため、小型空調装置の空調ケースにドレンポートやドレンホースを設けると、小型空調装置の体格が大型化して座席下への設置が困難になると共に、座席下でのドレンホースの取り回しが困難な場合がある。このように、小型空調装置では、凝縮水を空調ケースの外に排出するように構成すると、車両搭載性が悪化するおそれがある。したがって、小型空調装置では、エバポレータで発生した凝縮水を空調ケース内で処理することが好ましい。
特許文献1には、冷却冷蔵庫において、エバポレータで生成される凝縮水を装置内で処理するための構成が記載されている。具体的には、この冷却冷蔵庫は、エバポレータで生成される凝縮水を装置内に設置した容器に溜め、その容器内に高圧冷媒が流れる配管を通して凝縮水を加熱し、さらにその容器内に設置した布により凝縮水の面積を広げることで凝縮水の蒸発を促進している。
特開平7-318231号公報
しかしながら、小型空調装置は、上述したように車両等の座席下などに設置されることがあるので、体格の小型化が求められる。そのため、空調ケース内に凝縮水を溜めるスペースが小さく、そのスペースに溜められる水嵩も低いものとなる。したがって、小型空調装置では、上述した特許文献1の記載のように高圧冷媒が流れる配管を凝縮水に接触させるように取り回すことは困難である。また、小型空調装置では、特許文献1の記載のように布などを用いて凝縮水の面積を広げる場合、その布を設置するスペースが必要となり、空調ケース内を流れる風の圧力損失が大きくなるといった問題も生じる。
本発明は上記点に鑑みて、体格を大型化することなく、エバポレータで生成される凝縮水を空調ケース内で処理することが可能な小型空調装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、
空調ケース(10)内に冷凍サイクルの構成部品が収容された小型空調装置において、
冷媒を吸入し、圧縮して吐き出す圧縮機(2)と、
圧縮機から吐き出された冷媒と空気との熱交換により冷媒を凝縮させるコンデンサ(3)と、
コンデンサから流出した冷媒を減圧膨張させる減圧機構(4)と、
減圧機構から流出した冷媒と空気との熱交換により蒸発させた冷媒を圧縮機へ流出するエバポレータ(5)と、
コンデンサおよびエバポレータそれぞれに空気を通過させる送風機(7、8)と、
圧縮機、コンデンサ、減圧機構およびエバポレータを含む冷凍サイクルの構成部品を収容し、エバポレータを通過した冷風が流れる冷風室(40)、およびコンデンサを通過した温風が流れる温風室(50)を有し、エバポレータで生成される凝縮水が温風室に送出されるように構成されている空調ケースと、
空調ケース内の凝縮水が所定量を超えたとき、温風室を流れる風の温度を上昇させて凝縮水の蒸発を促進させる蒸発促進制御を行う制御装置(30)と、を備える。そして、蒸発促進制御は、コンデンサに風を通過させる側の送風機の風量を減少させる制御(S40)、および、コンデンサの前面面積を減らす制御(S44)の少なくとも一方を行い、且つ、圧縮機の回転数を上げる制御(S41)、および、減圧機構の弁開度を絞る制御(S42)の少なくとも一方を行うことで実行される。
これによれば、空調ケースはエバポレータで生成される凝縮水が温風室に送出されるように構成されているので、温風室に送出された凝縮水は、コンデンサを通過した温風により蒸発する。しかし、エバポレータにおける凝縮水の発生量が、温風室における凝縮水の蒸発量より多い場合、空調ケース内の凝縮水の量が増加する。そこで、制御装置は、空調ケース内の凝縮水が所定量を超えたとき、温風室を流れる風の温度を上昇させて凝縮水の蒸発を促進させるための蒸発促進制御を行う。これにより、温風室における凝縮水の蒸発量が増加するので、空調ケース内で凝縮水を確実に処理することが可能である。そのため、この小型空調装置は、上述した特許文献1のように空調ケース内の凝縮水を溜めるスペースに高圧配管や布などを設置することなく、そのスペースを小さくすることが可能である。したがって、この小型空調装置は、空調ケースの体格を大型化することなく、空調ケース内で凝縮水を確実に処理することができる。
なお、空調ケース内の凝縮水が所定量を超えたか否かは、エバポレータにおける凝縮水の発生量と、温風室における凝縮水の蒸発可能量との差を算出して判断してもよく、或いは、空調ケース内に設置した水センサから出力される信号に基づいて判断してもよい。所定量は、例えば、空調ケースから凝縮水が漏れ出さない範囲、空調ケース内の電子機器が被水しない範囲、または、凝縮水が空調風に影響を与えない範囲など、実験などにより適宜設定される。
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
第1実施形態に係る小型空調装置において、上部カバーおよび送風機を除いた状態の断面図である。 図1のII―II線において吹出側送風機を含む断面図である。 図1のIII―III線において排気側送風機を含む断面図である。 第1実施形態に係る小型空調装置の制御系統を示すブロック図である。 第1実施形態に係る小型空調装置の制御装置が実行する制御処理を説明するためのフローチャートである。 第2実施形態に係る小型空調装置の制御装置が実行する制御処理を説明するためのフローチャートである。 第3実施形態に係る小型空調装置の制御装置が実行する制御処理を説明するためのフローチャートである。 第4実施形態に係る小型空調装置の制御装置が実行する制御処理を説明するためのフローチャートである。 第5実施形態に係る小型空調装置の制御装置が実行する制御処理を説明するためのフローチャートである。 第5実施形態のコンデンサ用のシャッタが開いた状態を示す図である。 第5実施形態のコンデンサ用のシャッタが閉じた状態を示す図である。 第6実施形態に係る小型空調装置の制御装置が実行する制御処理を説明するためのフローチャートである。 第7実施形態に係る小型空調装置の制御装置が実行する制御処理を説明するためのフローチャートである。 第8実施形態に係る小型空調装置の制御装置が実行する制御処理を説明するためのフローチャートである。 第9実施形態に係る小型空調装置の制御装置が実行する制御処理を説明するためのフローチャートである。 第10実施形態に係る小型空調装置の断面図である。 第10実施形態に係る小型空調装置の制御装置が実行する制御処理を説明するためのフローチャートである。 第11実施形態に係る小型空調装置の断面図である。 第12実施形態に係る小型空調装置の断面図である。 第13実施形態に係る小型空調装置の断面図であり、差圧弁が閉弁している状態を示すものである。 図20に対応する断面図において、差圧弁が開弁している状態を示すものである。 第13実施形態に係る小型空調装置の制御装置が実行する制御処理を説明するためのフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
(第1実施形態)
第1実施形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態の小型空調装置1は、車両またはパーソナルモビリティなど(以下、車両等という)の座席下などに設置され、座席の側面などから空調風を吹き出して乗員の快適性を高めることに用いられるものである。なお、以下の説明において、上側、下側、左側、右側の用語を用いる場合、それらの用語は説明の便宜上用いるものであり、小型空調装置1が車両等に搭載されるときの位置および向きを限定するものではない。
図1~図3に示すように、小型空調装置1は、冷凍サイクルの構成部品2~6と共に、吹出側送風機7、および排気側送風機8などが空調ケース10内に収容されたものである。
冷凍サイクルは、圧縮機2、コンデンサ3、減圧機構4、エバポレータ5およびアキュムレータ6などが配管によって接続され、蒸気圧縮式冷凍機を構成している。冷凍サイクルを循環する冷媒として、例えばHFC系冷媒(例えば、R134a)またはHFO系冷媒(例えば、R1234yf)等が用いられる。なお、冷媒として、自然冷媒(例えば、二酸化炭素)等を用いてもよい。
なお、以下の説明では、冷凍サイクルを循環する冷媒のうち、圧縮機2の吐出口22からコンデンサ3を経由して減圧機構4へ流れる冷媒を高圧冷媒と呼び、減圧機構4の出口からエバポレータ5を経由して圧縮機2の吸入口21へ流れる冷媒を低圧冷媒と呼ぶことがある。
圧縮機2は、吸入口21から吸入した冷媒を圧縮し、吐出口22から吐き出すものである。この圧縮機2は、電動モータにより圧縮機構を駆動する電動圧縮機である。圧縮機構として、例えば、スクロール型、ベーン型などの回転式のものが用いられる。なお、圧縮機構として、列型、斜板型などの往復式のものを用いてもよい。電動モータは、図4に示す制御装置30から伝送される制御信号によって回転数が制御される。したがって、制御装置30が電動モータの回転数を制御することにより、圧縮機2の冷媒吐出能力が変更される。
圧縮機2から高圧冷媒が吐き出される配管にはコンデンサ3の冷媒入口が接続されている。コンデンサ3は、圧縮機2から吐き出された高温高圧の冷媒と、コンデンサ3を通過する空気との熱交換を行う熱交換器である。コンデンサ3を流れる冷媒は、コンデンサ3を通過する空気に放熱して凝縮する。コンデンサ3を通過する空気は、コンデンサ3を流れる冷媒から吸熱して温風となる。
コンデンサ3とエバポレータ5とを接続する配管の途中に減圧機構4が設けられている。減圧機構4は、コンデンサ3から流出した冷媒を減圧膨張させるものであり、例えば、オリフィスまたはキャピラリーチューブなどの固定絞り、温度式膨張弁、あるいは電気制御式膨張弁など、種々の絞り抵抗を用いることができる。
減圧機構4の下流側に設けられるエバポレータ5は、減圧機構4から流出して気液二相となった低温低圧の冷媒と、エバポレータ5を通過する空気との熱交換を行う熱交換器である。エバポレータ5を流れる冷媒は、エバポレータ5を通過する空気から吸熱して蒸発する。エバポレータ5を通過する空気は、エバポレータ5を流れる冷媒に放熱して冷風となる。
エバポレータ5の下流側にはアキュムレータ6が設けられている。アキュムレータ6は、エバポレータ5から流出した冷媒の気液を分離し、冷凍サイクル内の余剰冷媒を蓄えると共に、気相冷媒を圧縮機2の吸入口21に供給するものである。
上述したコンデンサ3は空調ケース10の一方の側(例えば図1では右側)に配置され、エバポレータ5は空調ケース10の他方の側(例えば図1では左側)に配置されている。また、図2および図3に示すように、コンデンサ3とエバポレータ5はいずれも、空調ケース10の底部19から所定距離離れた位置に設けられている。すなわち、空調ケース10の底部19とコンデンサ3との間には空間が設けられている。また、空調ケース10の底部19とエバポレータ5との間にも空間が設けられている。
コンデンサ3とエバポレータ5との間には、コンデンサ3とエバポレータ5それぞれに空気を通過させる送風機7、8が設けられている。本実施形態では、送風機7、8は、吹出側送風機7と排気側送風機8により構成されている。吹出側送風機7は、コンデンサ3またはエバポレータ5を通過させた空気を、空調対象空間である車室内に吹き出すための送風機である。吹出側送風機7の下流側には、図示しない吹出ダクトが接続される。吹出側送風機7の駆動により、空調ケース10内で生成された冷風または温風(すなわち、空調風)は、吹出ダクトを介して座席の側面などから車室内に吹き出される。具体的には、その冷風または温風は、座席に着座する乗員またはその近傍に向けて吹き出される。
一方、排気側送風機8は、コンデンサ3またはエバポレータ5を通過させた空気を排出するための送風機である。排気側送風機8の下流側には、図示しない排気ダクトが接続される。排気側送風機8の駆動により、空調ケース10内で生成された排気は、排気ダクトを介して乗員に直接当たらない場所または車室外などに排出される。
吹出側送風機7と排気側送風機8はいずれも、コンデンサ3またはエバポレータ5の空気流れ下流側に設けられている。すなわち、吹出側送風機7と排気側送風機8はいずれも、コンデンサ3またはエバポレータ5を通過する空気を吸い込むように設けられている。吹出側送風機7と排気側送風機8は、羽根車と、その羽根車を回転させる電動モータにより構成されている。吹出側送風機7と排気側送風機8として、軸流式、遠心式、または貫流式など、種々の形態のものを採用することができる。吹出側送風機7と排気側送風機8はそれぞれ、図4に示す制御装置30から伝送される制御信号によって回転数が制御される。したがって、制御装置30が吹出側送風機7の回転数を制御することにより、吹出側送風機7の送風量が変更される。また、制御装置30が排気側送風機8の回転数を制御することにより、排気側送風機8の送風量が変更される。
空調ケース10は、略直方体に形成されている。なお、空調ケース10の形状は、これに限るものでなく、車両等への取り付けスペースに合わせて任意の形状とすることができる。空調ケース10は、上述した圧縮機2、コンデンサ3、減圧機構4、エバポレータ5およびアキュムレータ6などを含む冷凍サイクルの構成部品2~6と共に、吹出側送風機7、および排気側送風機8などを収容している。空調ケース10は、圧縮機2、コンデンサ3、エバポレータ5、吹出側送風機7および排気側送風機8をそれぞれ区画するための複数の壁を有している。
以下の説明では、吹出側送風機7および排気側送風機8と、コンデンサ3との間に設けられている壁を、第1壁11と呼ぶ。吹出側送風機7および排気側送風機8と、エバポレータ5との間に設けられている壁を、第2壁12と呼ぶ。吹出側送風機7と、排気側送風機8との間に設けられている壁を、第3壁13と呼ぶ。第1壁11、第2壁12および第3壁13はいずれも、空調ケース10の底部19から所定距離離れた位置に設けられている。すなわち、第1壁11、第2壁12および第3壁13と、空調ケース10の底部19との間には、空間が設けられている。
また、圧縮機2およびアキュムレータ6と、コンデンサ3、吹出側送風機7およびエバポレータ5との間に設けられている壁を、第4壁14と呼ぶ。第4壁14は、空調ケース10の底部19に接続している。
吹出側送風機7の空気吸入側(すなわち、空調ケース10の底部19側)において、空調ケース10の底部19と平行に設けられている壁を、第5壁15と呼ぶ。第5壁15には吹出側送風機7の羽根車の外径に対応した穴が設けられている。
排気側送風機8の空気吸入側(すなわち、空調ケース10の底部19側)において、空調ケース10の底部19と平行に設けられている壁を、第6壁16と呼ぶ。第6壁16には排気側送風機8の羽根車の外径に対応した穴が設けられている。なお、吹出側送風機7と第5壁15とは一体に形成されていてもよく、排気側送風機8と第6壁16とは一体に形成されていてもよい。
吹出側送風機7および排気側送風機8と、空調ケース10の底部19との間には、仕切壁17およびウィック91が設けられている。仕切壁17は、第3壁13の下部に設けられ、吹出側送風機7と排気側送風機8とが並ぶ方向に延びている。また、仕切壁17と第1壁11と第2壁12とは略平行に設けられている。仕切壁17は、エバポレータ5を通過した冷風が流れる空間(以下、冷風室40と呼ぶ)とコンデンサ3を通過した温風が流れる空間(以下、温風室50と呼ぶ)とを仕切るものである。
空調ケース10の底部19と吹出側送風機7との間には、吹出用ドア60が設けられている。吹出用ドア60は、吹出側送風機7の下側の空間の略半分の領域を塞ぐことが可能である。図1および図2では、吹出用ドア60が、吹出側送風機7の下側の空間のうち、コンデンサ3側の略半分の領域を塞ぎつつ、エバポレータ5側の略半分の領域を開放している状態を示している。吹出用ドア60は、ドア用アクチュエータ70により駆動され、第1壁11と仕切壁17と第2壁12とに跨るように、その間を往復移動可能に設けられている。具体的には、吹出用ドア60の吹出側送風機7側の面に設けられたラック61は、図示しないピニオンに噛み合うようになっている。ドア用アクチュエータ70がそのピニオンを回転駆動することで、吹出用ドア60が移動する。
空調ケース10の底部19と排気側送風機8との間には、排気用ドア80が設けられている。排気用ドア80は、排気側送風機8の下側の空間の略半分の領域を塞ぐことが可能である。図1および図3では、排気用ドア80が、排気側送風機8の下側の空間のうち、エバポレータ5側の略半分の領域を塞ぎつつ、コンデンサ3側の略半分の領域を開放している状態を示している。排気用ドア80も、ドア用アクチュエータ70により駆動され、第1壁11と仕切壁17と第2壁12とに跨るように、その間を往復移動可能に設けられている。具体的には、排気用ドア80の排気側送風機8側の面に設けられたラック81も、図示しないピニオンに噛み合うようになっている。ドア用アクチュエータ70がそのピニオンを回転駆動することで、排気用ドア80が移動する。
空調ケース10内において、エバポレータ5の下面、空調ケース10の内壁、排気用ドア80および仕切壁17などで区画された空間を、冷風室40と呼ぶ。冷風室40には、エバポレータ5を通過した冷風が流れる。一方、空調ケース10内において、コンデンサ3の下面、空調ケース10の内壁、吹出用ドア60および仕切壁17などで区画された空間を、温風室50と呼ぶ。温風室50には、コンデンサ3を通過した温風が流れる。すなわち、空調ケース10は、冷風室40と温風室50を有している。
仕切壁17と空調ケース10の底部19との間には、送水部としてのウィック91が設けられている。ウィック91は、例えば、金属メッシュ、複数の金属線を束状にしたもの、または、複数の細管を有する金属などにより構成することができる。ウィック91は、冷風室40の底部41と温風室50の底部51とに亘って設けられている。ウィック91は、エバポレータ5で生成される凝縮水を、その表面張力および毛管現象を利用して、冷風室40から温風室50へ送水する機能を有する。すなわち、本実施形態の空調ケース10は、エバポレータ5で生成される凝縮水が温風室50に送出されるように構成されている。また、ウィック91は、冷風室40と温風室50との間の風の流れを防ぐ機能を有する。なお、ウィック91の上部には、冷風室40と温風室50とを仕切るための仕切壁17が設けられている。
ウィック91は、冷風室40側に配置される部位の面積よりも、温風室50側に配置される部位の面積の方が大きいものとされている。冷風室40側の面積を小さくするのは、冷風室40側で保持する水の量を減らし初期段階で早く温風室50側へ送水するとともに、運転終了後にそのまま保水して残ってしまう水の量を減らすためである。温風室50側の面積をより大きくするのは蒸発量を増やすために面積を稼ぐためと、総保水量を確保するためである。これらの技術的思想を合わせたことで、ウィック91は、冷風室40側より温風室50側の方が面積が大きくなっている。したがって、空調ケース10内で凝縮水を確実に処理することができる。
また、空調ケース10は、冷風室40の底部41に傾斜面42を有している。傾斜面42は、送水部から離れるに従って重力方向上側に高くなるように構成されている。これにより、冷風室40の底部41の凝縮水は、傾斜面42を流れてウィック91に集められる。ウィック91に集められた凝縮水は、ウィック91により冷風室40から温風室50に送出され、温風室50を流れる温風により蒸発する。したがって、この小型空調装置1は、空調ケース10内で凝縮水を確実に処理することで、空調ケース10から凝縮水が漏出することを防ぐことができる。
小型空調装置1が備える圧縮機2、吹出側送風機7、排気側送風機8、ドア用アクチュエータ70などは、図4に示す制御装置30によりその駆動が制御される。制御装置30は、制御処理や演算処理を行うプロセッサ、プログラムやデータ等を記憶するROM、RAM等の記憶部を含むマイクロコンピュータ、およびその周辺回路で構成されている。なお、制御装置30の記憶部は、非遷移的実体的記憶媒体で構成されている。制御装置30は、記憶部に記憶されたプログラムに基づいて、各種制御処理および演算処理を行い、出力ポートに接続された各機器の作動を制御する。制御装置30は、空調ケース10の内部に設けられていてもよく、空調ケース10から離れた場所に設けられていてもよい。
上述した構成において、図1~図3は、小型空調装置1が車室内の冷房を行う状態を示している。
小型空調装置1が車室内の冷房を行う際、制御装置30は、ドア用アクチュエータ70を駆動し、吹出用ドア60が、吹出側送風機7の下側の空間のうちコンデンサ3側の略半分の領域を塞ぎ、エバポレータ5側の略半分の領域を開放した状態とする。また、制御装置30は、ドア用アクチュエータ70を駆動し、排気用ドア80が、排気側送風機8の下側の空間のうち、エバポレータ5側の略半分の領域を塞ぎ、コンデンサ3側の略半分の領域を開放した状態とする。そして、制御装置30は、冷凍サイクルの圧縮機2と、吹出側送風機7と、排気側送風機8を駆動する。すると、図2の矢印CAに示すように、エバポレータ5を通過した冷風は、吹出用ドア60により形成された開口62を通って吹出側送風機7に吸い込まれ、図示しない吹出ダクトを介して座席に着座する乗員またはその近傍に向けて吹き出される。また、その際、図3の矢印HAに示すように、コンデンサ3を通過した温風は、排気用ドア80により形成された開口82を通って排気側送風機8に吸い込まれ、図示しない排気ダクトを介して乗員に直接当たらない場所または車室外などに排出される。
冷凍サイクルが作動すると、エバポレータ5を通過した空気に含まれる水蒸気が凝縮し、凝縮水が生成されることがある。図2および図3の破線CWに示すように、エバポレータ5で生成される凝縮水は、冷風室40の底部41に溜まることとなる。上述したように、冷風室40に溜まった凝縮水は、表面張力および毛管現象によりウィック91を通じて温風室50に送出される。すなわち、ウィック91は、エバポレータ5で生成される凝縮水を冷風室40から温風室50に送出する送出部として機能する。冷風室40から温風室50に送出された凝縮水は、温風室50でコンデンサ3を通過した温風により蒸発する。その凝縮水が蒸発した水蒸気は、排気側送風機8に吸い込まれ、図示しない排気ダクトを介して乗員に直接当たらない場所または車室外などに排出される。
なお、小型空調装置1が車室内の暖房を行う場合、図1~図3で図示した状態に対し、吹出用ドア60と排気用ドア80とが互いに左右逆側に移動した状態となる。その状態の図示は省略するが、制御装置30は、ドア用アクチュエータ70を駆動し、吹出用ドア60が、吹出側送風機7の下側の空間のうちエバポレータ5側の略半分の領域を塞ぎ、コンデンサ3側の略半分の領域を開放した状態とする。また、制御装置30は、ドア用アクチュエータ70を駆動し、排気用ドア80が、排気側送風機8の下側の空間のうち、コンデンサ3側の略半分の領域を塞ぎ、エバポレータ5側の略半分の領域を開放した状態とする。そして、制御装置30は、冷凍サイクルの圧縮機2と、吹出側送風機7と、排気側送風機8を駆動する。すると、コンデンサ3を通過した温風は、吹出用ドア60により形成された開口を通って吹出側送風機7に吸い込まれ、図示しない吹出ダクトを介して車室内に吹き出される。具体的には、その温風は、座席に着座する乗員またはその近傍に向けて吹き出される。また、その際、エバポレータ5を通過した冷風は、排気用ドア80により形成された開口を通って排気側送風機8に吸い込まれ、図示しない排気ダクトを介して乗員に直接当たらない場所または車室外などに排出される。
次に、第1実施形態の制御装置30が実行する制御処理を、図5のフローチャートを参照して説明する。なお、この説明では、小型空調装置1が車室内の冷房を行っているものとして説明する。
まず、ステップS10で制御装置30は、エバポレータ5における凝縮水の発生量を算出する。凝縮水の発生量は、エバポレータ5を通過する風の温度、湿度、風量と、エバポレータ5の温度により算出される。エバポレータ5を通過する風の温度、湿度は、例えば、車両等に設置される温度センサ、湿度センサにより検出可能である。或いは別の方法として、エバポレータ5を通過する風の温度および湿度は、車外のサーバまたはクラウドから取得した車外の温度および湿度に関する情報とインストルメントパネルの内側の車両用空調装置の動作状態などから推定してもよい。エバポレータ5を通過する風量は、冷房時には吹出側送風機7に対する通電のデューティー比から算出可能である。エバポレータ5の温度は、エバポレータ5に設置した温度センサの出力から検出してもよく、または、圧縮機2の回転数など冷凍サイクル装置の能力から算出してもよい。
次に、ステップS20で制御装置30は、温風室50における凝縮水の蒸発可能量を算出する。凝縮水の蒸発可能量は、温風室50を流れる風の温度、湿度、風速により算出される。温風室50を流れる風の温度は、コンデンサ3の温度およびコンデンサ3を通過する風量から算出可能である。コンデンサ3の温度は、コンデンサ3に設置した温度センサの出力から検出してもよく、または、圧縮機2の回転数など冷凍サイクル装置の能力から算出してもよい。コンデンサ3を通過する風量、温風室50の風速は、冷房時には排気側送風機8に対する通電のデューティー比から算出可能である。
続いて、ステップS30で制御装置30は、ステップS10で算出したエバポレータ5における凝縮水の発生量と、ステップS20で算出した温風室50における凝縮水の蒸発可能量に基づき、凝縮水の蒸発促進が必要か否かを判定する。その際、制御装置30は、凝縮水の蒸発促進が必要か否かを、空調ケース10内に溜まった凝縮水が所定量を超えたか否かで判定する。空調ケース10内に溜まった凝縮水の量は、エバポレータ5における凝縮水の発生量と、温風室50における凝縮水の蒸発可能量との差により算出可能である。そして、制御装置30は、空調ケース10内に溜まった凝縮水が所定量を超えた場合、凝縮水の蒸発促進が必要であると判定する。所定量は、例えば、空調ケース10から凝縮水が漏れ出さない範囲、空調ケース10内の電子機器が被水しない範囲、または、凝縮水が空調風に影響を与えない範囲など、実験などにより適宜設定される。
或いは別の方法として、空調ケース10内に水センサが設けられている場合、その水センサから制御装置30に出力される信号に基づいて空調ケース10内に溜まった凝縮水の量を検出してもよい。
ステップS30で制御装置30は、凝縮水の蒸発促進を行う必要が無いと判定した場合、処理を一旦終了する。そして、制御装置30は、所定時間経過後、再びステップS10からの処理を繰り返し実行する。
一方、ステップS30で制御装置30は、空調ケース10内に溜まった凝縮水の蒸発促進を行う必要が有ると判定した場合、処理をステップS40に進める。
ステップS40で制御装置30は、凝縮水の蒸発を促進させるための蒸発促進制御を行う。その蒸発促進制御は、冷凍サイクルを循環する高圧冷媒の圧力を高くする制御により実行される。具体的には、第1実施形態では、制御装置30は蒸発促進制御として、コンデンサ3に風を通過させる側の送風機(以下、コンデンサ3側の送風機という)の風量を減少させる制御を行う。すなわち、冷房時には、制御装置30は、コンデンサ3側の送風機である排気側送風機8の風量を減少する制御を行う。
制御装置30がコンデンサ3を通過する風量を減少させると、コンデンサ3を通過する空気側の放熱能力が低下するため、それを補うべく冷媒側の能力とバランスするまでコンデンサ3を流れる高圧冷媒の圧力が上昇する。それに伴って、コンデンサ3を流れる高圧冷媒の温度が高くなる。そのため、コンデンサ3を通過する風は、コンデンサ3を流れる高圧冷媒からの吸熱量が増加するので、コンデンサ3を通過した後に温風室50を流れる温風の温度が上昇する。したがって、制御装置30は、コンデンサ3側の送風機の風量を減少させる制御を行うことで、温風室50を流れる風の温度を上昇させ、凝縮水の蒸発を促進することが可能である。そして、制御装置30は、処理をステップS50に進める。
次に、ステップS50で制御装置30は、蒸発促進制御を開始してから所定時間経過したか否かを判定する。この所定時間は、空調ケース10内に溜まった凝縮水が蒸発するのに必要な時間に設定される。ステップS50において、制御装置30は、所定時間経過した後、処理をステップS60に進める。
ステップS60で制御装置30は、コンデンサ3側の送風機の風量を元の状態に戻す。そして、制御装置30は、処理を一旦終了し、所定時間経過後、再びステップS10からの処理を繰り返し実行する。
以上説明した第1実施形態の小型空調装置1は、次の作用効果を奏するものである。
(1)第1実施形態では、制御装置30は、空調ケース10内の凝縮水が所定量を超えたとき、凝縮水の蒸発を促進させるための蒸発促進制御を行う。蒸発促進制御は、冷凍サイクルを循環する高圧冷媒の圧力を高くする制御により実行される。高圧冷媒の圧力が高くなると、それに伴ってコンデンサ3を流れる高圧冷媒の温度が高くなる。そのため、コンデンサ3を通過する風は、コンデンサ3を流れる高圧冷媒からの吸熱量が増加するので、コンデンサ3を通過した後に温風室50を流れる温風の温度が上昇する。これにより、温風室50における凝縮水の蒸発が促進されるので、空調ケース10内で凝縮水を確実に処理することが可能である。そのため、この小型空調装置1は、上述した特許文献1のように空調ケース10内の凝縮水を溜めるスペースに高圧配管や布などを設置することなく、そのスペースを小さくすることが可能である。したがって、この小型空調装置1は、空調ケース10の体格を大型化することなく、空調ケース10内で凝縮水を確実に処理し、空調ケース10から凝縮水が漏れ出すことを防ぐことができる。
(2)第1実施形態では、制御装置30は、蒸発促進制御として、コンデンサ3側の送風機の風量を減少させる制御を行う。これにより、コンデンサ3を流れる高圧冷媒の圧力が上昇し、それに伴って高圧冷媒の温度が高くなるので、温風室50を流れる風の温度が上昇する。したがって、この小型空調装置1は、空調ケース10内で凝縮水を確実に処理し、空調ケース10から凝縮水が漏れ出すことを防ぐことができる。
(3)第1実施形態では、送水部としてのウィック91が、冷風室40の底部41と温風室50の底部51に亘って設けられている。これにより、エバポレータ5で生成される凝縮水は、ウィック91により、冷風室40から温風室50に常に送出され、温風室50を流れる温風により蒸発する。そして、ウィック91は、冷風室40の底部41と温風室50の底部51に亘って設けられている。ウィック91は、それ自体が、毛細管力を用いるために機械的機構が不要で体格が小さくなる。そのため、空調ケース10内にウィック91を設けるスペースを小さくできると共に、他の構成部品とウィック91との干渉を防ぐことができる。したがって、この小型空調装置1は、体格を大型化することなく、車両等への搭載性を向上することができる。
(第2実施形態)
第2実施形態について説明する。第2実施形態は、第1実施形態に対して、制御装置30が行う蒸発促進制御の具体的方法等を変更したものであり、その他については第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
第2実施形態の制御装置30が行う制御処理を、図6のフローチャートを参照して説明する。
ステップS10とステップS20の処理は、第1実施形態で説明した処理と同一である。
ステップS31で制御装置30は、第1実施形態と同様に、ステップS10で算出したエバポレータ5における凝縮水の発生量と、ステップS20で算出した温風室50における凝縮水の蒸発可能量に基づき、凝縮水の蒸発促進が必要か否かを判定する。第1実施形態と同様に、制御装置30は、凝縮水の蒸発促進が必要か否かを、空調ケース10内に溜まった凝縮水が所定量を超えたか否かで判定する。
さらに、ステップS31で制御装置30は、エバポレータ5の温度が、エバポレータ5を通過する空気の露点より高いか否かを判定する。これは、後述するステップS41で圧縮機2の回転数を上げると、エバポレータ5の温度が下がるため、凝縮水の発生量が増えるおそれがあるからである。
制御装置30は、空調ケース10内に溜まった凝縮水が所定量を超えていないと判定した場合、または、エバポレータ5の温度がエバポレータ5を通過する空気の露点より低いと判定した場合、処理を一旦終了する。そして、制御装置30は、所定時間経過後、再びステップS10からの処理を繰り返し実行する。
一方、ステップS31で制御装置30は、空調ケース10内に溜まった凝縮水が所定量を超えていると判定し、且つ、エバポレータ5の温度がエバポレータ5を通過する空気の露点より高いと判定した場合、処理をステップS41に進める。
ステップS41で制御装置30は、凝縮水の蒸発を促進させるための蒸発促進制御を行う。具体的には、第2実施形態では、制御装置30は蒸発促進制御として、圧縮機2の回転数を上げる制御を行う。
制御装置30が圧縮機2の回転数を上げると、冷媒流量が増加する。すると、冷媒側の能力が増加するため、エバポレータ5の吸熱能力を確保しようと低圧冷媒の圧力が下がり、コンデンサ3の放熱能力を確保しようと高圧冷媒の圧力が上がる方向でバランスする。これにより、コンデンサ3を流れる高圧冷媒の温度が高くなり、コンデンサ3を通過する風は、コンデンサ3を流れる高圧冷媒からの吸熱量が増加するので、温風室50を流れる温風の温度が上昇する。したがって、制御装置30は蒸発促進制御として、圧縮機2の回転数を上げる制御を行うことで、凝縮水の蒸発を促進することが可能である。そして、制御装置30は、処理をステップS50に進める。
ステップS50の処理は、第1実施形態で説明した処理と実質的に同一である。ステップS50において、制御装置30は、所定時間経過した後、処理をステップS61に進める。
ステップS61で制御装置30は、圧縮機2の回転数を元の状態に戻す。そして、制御装置30は、処理を一旦終了し、所定時間経過後、再びステップS10からの処理を繰り返し実行する。
以上説明した第2実施形態では、制御装置30は蒸発促進制御として、圧縮機2の回転数を上げる制御を行う。これにより、第2実施形態も、第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
(第3実施形態)
第3実施形態について説明する。第3実施形態も、第1実施形態等に対して、制御装置30が行う蒸発促進制御の具体的方法等を変更したものであり、その他については第1実施形態等と同様であるため、第1実施形態等と異なる部分についてのみ説明する。
第3実施形態の制御装置30が行う制御処理を、図7のフローチャートを参照して説明する。
ステップS10~ステップS31の処理は、第2実施形態で説明した処理と同一である。
ステップS31で制御装置30は、空調ケース10内に溜まった凝縮水が所定量を超えていると判定し、且つ、エバポレータ5の温度がエバポレータ5を通過する空気の露点より高いと判定した場合、処理をステップS42に進める。
ステップS42で制御装置30は、凝縮水の蒸発を促進させるための蒸発促進制御を行う。具体的には、第3実施形態では、制御装置30は蒸発促進制御として、減圧機構4の弁開度を絞る(すなわち、流路面積を小さくする)制御を行う。なお、第3実施形態では、減圧機構4として、電気制御式膨張弁が使用されているものとする。
制御装置30が減圧機構4の弁開度を絞ると、その分、低圧冷媒の圧力は下がり、高圧冷媒の圧力は上がる。これにより、コンデンサ3を流れる高圧冷媒の温度が高くなり、コンデンサ3を通過する風は、コンデンサ3を流れる高圧冷媒からの吸熱量が増加するので、温風室50を流れる温風の温度が上昇する。したがって、制御装置30は蒸発促進制御として、減圧機構4の弁開度を絞る制御を行うことで、温風室50を流れる風の温度を上昇させ、凝縮水の蒸発を促進することが可能である。そして、制御装置30は、処理をステップS50に進める。
ステップS50の処理は、第1実施形態で説明した処理と実質的に同一である。ステップS50において、制御装置30は、所定時間経過した後、処理をステップS62に進める。
ステップS62で制御装置30は、減圧機構4の弁開度を元の状態に戻す。そして、制御装置30は、処理を一旦終了し、所定時間経過後、再びステップS10からの処理を繰り返し実行する。
以上説明した第3実施形態では、制御装置30は蒸発促進制御として、減圧機構4の弁開度を絞る制御を行う。これにより、第3実施形態も、第1実施形態等と同様の作用効果を奏することができる。
(第4実施形態)
第4実施形態について説明する。第4実施形態も、第1実施形態等に対して、制御装置30が行う蒸発促進制御の具体的方法等を変更したものであり、その他については第1実施形態等と同様であるため、第1実施形態等と異なる部分についてのみ説明する。
第4実施形態の制御装置30が行う制御処理を、図8のフローチャートを参照して説明する。
ステップS10~ステップS30の処理は、第1実施形態で説明した処理と同一である。
ステップS30で制御装置30は、空調ケース10内に溜まった凝縮水の蒸発促進を行う必要が有ると判定した場合、処理をステップS43に進める。
ステップS43で制御装置30は、凝縮水の蒸発を促進させるための蒸発促進制御を行う。具体的には、第4実施形態では、制御装置30は蒸発促進制御として、エバポレータ5に風を通過させる側の送風機(以下、エバポレータ5側の送風機という)の風量を増加させる制御を行う。すなわち、冷房時には、制御装置30は、エバポレータ5側の送風機である吹出側送風機7の風量を増加させる制御を行う。
制御装置30がエバポレータ5を通過する風量を増加させると、エバポレータ5を通過する空気側の冷房能力が増加する。それに見合うように低圧冷媒の圧力も上昇し、冷媒流量が増加するようバランス点が変化する。また、冷媒流量の増加は、コンデンサ3でその分多くの放熱が必要となり、冷媒温度に対応する高圧冷媒の圧力が上昇してバランスする。これにより、コンデンサ3を流れる高圧冷媒の温度が高くなり、コンデンサ3を通過する風は、コンデンサ3を流れる高圧冷媒からの吸熱量が増加するので、温風室50を流れる温風の温度が上昇する。したがって、制御装置30は蒸発促進制御として、エバポレータ5側の送風機の風量を増加させる制御を行うことで、凝縮水の蒸発を促進することが可能である。そして、制御装置30は、処理をステップS50に進める。
ステップS50の処理は、第1実施形態で説明した処理と実質的に同一である。ステップS50において、制御装置30は、所定時間経過した後、処理をステップS63に進める。
ステップS63で制御装置30は、エバポレータ5側の送風機の風量を元の状態に戻す。そして、制御装置30は、処理を一旦終了し、所定時間経過後、再びステップS10からの処理を繰り返し実行する。
以上説明した第4実施形態では、制御装置30は蒸発促進制御として、エバポレータ5側の送風機の風量を増加させる制御を行う。これにより、第4実施形態も、第1実施形態等と同様の作用効果を奏することができる。
(第5実施形態)
第5実施形態について説明する。第5実施形態も、第1実施形態等に対して、制御装置30が行う蒸発促進制御の具体的方法等を変更したものであり、その他については第1実施形態等と同様であるため、第1実施形態等と異なる部分についてのみ説明する。
第5実施形態の制御装置30が行う制御処理を、図9のフローチャートを参照して説明する。
ステップS10~ステップS30の処理は、第1実施形態で説明した処理と同一である。
ステップS30で制御装置30は、空調ケース10内に溜まった凝縮水の蒸発促進を行う必要が有ると判定した場合、処理をステップS44に進める。
ステップS44で制御装置30は、凝縮水の蒸発を促進させるための蒸発促進制御を行う。具体的には、第5実施形態では、制御装置30は蒸発促進制御として、コンデンサ3の前面面積を減らすことで、コンデンサ3に風が当たる面積を減らす制御を行う。なお、図10に示すように、第5実施形態では、コンデンサ3の前面にシャッタ31が設けられているものとする。シャッタ31は、制御装置30から伝送される制御信号に基づき開閉動作するように構成されている。なお、シャッタ31の形状は、図示したものに限らず、任意の形状とすることが可能である。
図11に示すように、コンデンサ3の前面のシャッタ31が閉じると、コンデンサ3に風が当たる前面面積が減るので、コンデンサ3を通過する風量が減少する。すると、コンデンサ3を通過する空気側の放熱能力が低下するため、それを補うべく冷媒側の能力とバランスするまでコンデンサ3を流れる高圧冷媒の圧力が上昇する。それに伴って、コンデンサ3を流れる高圧冷媒の温度が高くなる。そのため、コンデンサ3を通過する風は、コンデンサ3を流れる高圧冷媒からの吸熱量が増加するので、コンデンサ3を通過した後に温風室50を流れる温風の温度が上昇する。したがって、制御装置30は、コンデンサ3の前面面積を減らす制御を行うことで、温風室50を流れる風の温度を上昇させ、凝縮水の蒸発を促進することが可能である。そして、制御装置30は、処理をステップS50に進める。
ステップS50の処理は、第1実施形態で説明した処理と実質的に同一である。ステップS50において、制御装置30は、所定時間経過した後、処理をステップS64に進める。
ステップS64で制御装置30は、コンデンサ3の前面面積を元の状態に戻す。そして、制御装置30は、処理を一旦終了し、所定時間経過後、再びステップS10からの処理を繰り返し実行する。
以上説明した第5実施形態では、制御装置30は蒸発促進制御として、コンデンサ3の前面面積を減らす制御を行う。これにより、第5実施形態も、第1実施形態等と同様の作用効果を奏することができる。
(第6~9実施形態)
第6~9実施形態は、上述した第1~3、5実施形態のいずれかの組み合わせである。上述した第1、第5実施形態で説明したステップS40、S44の制御を行う場合、高圧冷媒の圧力が高くなり、低圧冷媒の圧力も高くなる。それに対し、上述した第2、第3実施形態で説明したステップS41、S42の制御を行う場合、高圧冷媒の圧力が高くなり、低圧冷媒の圧力は低くなる。
そこで、第6~9実施形態では、制御装置30は蒸発促進制御として、第1、第5実施形態で説明したステップS40、S44の少なくとも一方の制御を行い、且つ、第2、第3実施形態で説明したステップS41、S42の少なくとも一方の制御を行う。具体的には、制御装置30は蒸発促進制御として、コンデンサ3側の送風機の風量を減少させる制御、および、コンデンサ3の前面面積を減らす制御の少なくとも一方を行い、且つ、圧縮機2の回転数を上げる制御、および、減圧機構4の弁開度を絞る制御の少なくとも一方を行う。これにより、低圧冷媒の圧力の変化を抑えると共に、高圧冷媒の圧力をより高くすることが可能である。そのため、冷房時に乗員側に吹き出す温度、風量を変えることなく、すなわち、乗員の快適性に影響を与えることなく、凝縮水の蒸発をより促進することが可能となる。以下、第6~9実施形態について詳細に説明する。
(第6実施形態)
第6実施形態について説明する。第6実施形態は、第1実施形態と第2実施形態との組み合わせである。
第6実施形態の制御装置30が行う制御処理を、図12のフローチャートを参照して説明する。
ステップS10~ステップS30の処理は、第1実施形態で説明した処理と同一である。
ステップS30で制御装置30は、空調ケース10内に溜まった凝縮水の蒸発促進を行う必要が有ると判定した場合、処理をステップS40に進める。
ステップS40で制御装置30は蒸発促進制御として、コンデンサ3側の送風機の風量を減少させる制御を行う。すなわち、冷房時には排気側送風機8の風量を減少させる制御を行う。
それと共に、ステップS41で制御装置30は蒸発促進制御として、圧縮機2の回転数を上げる制御を行う。
上述したように、コンデンサ3側の送風機の風量を減少させる制御を行う場合、高圧冷媒の圧力が高くなり、低圧冷媒の圧力も高くなる。一方、圧縮機2の回転数を上げる制御を行う場合、高圧冷媒の圧力が高くなり、低圧冷媒の圧力は低くなる。そこで、第6実施形態では、制御装置30は蒸発促進制御として、コンデンサ3側の送風機の風量を減少させる制御を行い、且つ、圧縮機2の回転数を上げる制御を行う。これにより、低圧冷媒の圧力の変化を抑えると共に、高圧冷媒の圧力をより高くすることが可能である。そのため、冷房時に乗員側に吹き出す温度、風量を変えることなく、凝縮水の蒸発をより促進することが可能となる。
そして、制御装置30は、処理をステップS50に進める。ステップS50の処理は、第1実施形態で説明した処理と実質的に同一である。ステップS50において、制御装置30は、所定時間経過した後、処理をステップS65に進める。
ステップS65で制御装置30は、コンデンサ3側の送風機の風量を元の状態に戻し、圧縮機2の回転数を元の状態に戻す。そして、制御装置30は、処理を一旦終了し、所定時間経過後、再びステップS10からの処理を繰り返し実行する。
以上説明した第6実施形態では、制御装置30は蒸発促進制御として、コンデンサ3側の送風機の風量を減少させる制御を行い、且つ、圧縮機2の回転数を上げる制御を行う。これにより、第6実施形態では、高圧冷媒の圧力をより高くすると共に、低圧冷媒の圧力の変化を抑えることが可能である。そのため、冷房時に乗員側に吹き出す温度、風量を変えることなく、すなわち、乗員の快適性に影響を与えることなく、凝縮水の蒸発をより促進することができる。
また、第6実施形態は、減圧機構4に電気制御式膨張弁を使用することなく、また、コンデンサ3にシャッタ31を設ける必要がないので、製造上のコストを低減することができる。
(第7実施形態)
第7実施形態について説明する。第7実施形態は、第1実施形態と第2実施形態と第3実施形態の組み合わせである。
第7実施形態の制御装置30が行う制御処理を、図13のフローチャートを参照して説明する。
ステップS10~ステップS30の処理は、第1実施形態で説明した処理と同一である。
ステップS30で制御装置30は、空調ケース10内に溜まった凝縮水の蒸発促進を行う必要が有ると判定した場合、処理をステップS40に進める。
ステップS40で制御装置30は蒸発促進制御として、コンデンサ3側の送風機の風量を減少させる制御を行う。すなわち、冷房時には排気側送風機8の風量を減少する制御を行う。
それと共に、ステップS41で制御装置30は蒸発促進制御として、圧縮機2の回転数を上げる制御を行う。
それと共に、ステップS42で制御装置30は蒸発促進制御として、減圧機構4の弁開度を絞る制御を行う。
そして、制御装置30は、処理をステップS50に進める。ステップS50の処理は、第1実施形態で説明した処理と実質的に同一である。ステップS50において、制御装置30は、所定時間経過した後、処理をステップS66に進める。
ステップS66で制御装置30は、コンデンサ3側の送風機の風量を元の状態に戻し、圧縮機2の回転数を元の状態に戻し、減圧機構4の弁開度を元の状態に戻す。そして、制御装置30は、処理を一旦終了し、所定時間経過後、再びステップS10からの処理を繰り返し実行する。
以上説明した第7実施形態では、制御装置30は蒸発促進制御として、コンデンサ3側の送風機の風量を減少させる制御を行い、且つ、圧縮機2の回転数を上げる制御を行い、且つ、減圧機構4の弁開度を絞る制御を行う。これにより、第7実施形態も、第6実施形態と同様に、高圧冷媒の圧力をより高くすると共に、低圧冷媒の圧力の変化を抑えることが可能である。そのため、冷房時に乗員側に吹き出す温度、風量を変えることなく、すなわち、乗員の快適性に影響を与えることなく、凝縮水の蒸発をより促進することができる。
(第8実施形態)
第8実施形態について説明する。第8実施形態は、第1実施形態と第2実施形態と第5実施形態の組み合わせである。
第8実施形態の制御装置30が行う制御処理を、図14のフローチャートを参照して説明する。
ステップS10~ステップS30の処理は、第1実施形態で説明した処理と同一である。
ステップS30で制御装置30は、空調ケース10内に溜まった凝縮水の蒸発促進を行う必要が有ると判定した場合、処理をステップS40に進める。
ステップS40で制御装置30は蒸発促進制御として、コンデンサ3側の送風機の風量を減少させる制御を行う。すなわち、冷房時には排気側送風機8の風量を減少する制御を行う。
それと共に、ステップS41で制御装置30は蒸発促進制御として、圧縮機2の回転数を上げる制御を行う。
それと共に、ステップS44で制御装置30は蒸発促進制御として、コンデンサ3の前面面積を減らす制御を行う。
そして、制御装置30は、処理をステップS50に進める。ステップS50の処理は、第1実施形態で説明した処理と実質的に同一である。ステップS50において、制御装置30は、所定時間経過した後、処理をステップS67に進める。
ステップS67で制御装置30は、コンデンサ3を通過する風量を元の状態に戻し、圧縮機2の回転数を元の状態に戻し、コンデンサ3の前面面積を元の状態に戻す。そして、制御装置30は、処理を一旦終了し、所定時間経過後、再びステップS10からの処理を繰り返し実行する。
以上説明した第8実施形態では、制御装置30は蒸発促進制御として、コンデンサ3側の送風機の風量を減少させる制御を行い、且つ、圧縮機2の回転数を上げる制御を行い、且つ、コンデンサ3の前面面積を減らす制御を行う。これにより、第8実施形態も、第6、第7実施形態と同様に、高圧冷媒の圧力をより高くすると共に、低圧冷媒の圧力の変化を抑えることが可能である。そのため、冷房時に乗員側に吹き出す温度、風量を変えることなく、すなわち、乗員の快適性に影響を与えることなく、凝縮水の蒸発をより促進することができる。
(第9実施形態)
第9実施形態について説明する。第9実施形態は、第2実施形態と第3実施形態と第5実施形態の組み合わせである。
第9実施形態の制御装置30が行う制御処理を、図15のフローチャートを参照して説明する。
ステップS10~ステップS30の処理は、第1実施形態で説明した処理と同一である。
ステップS30で制御装置30は、空調ケース10内に溜まった凝縮水の蒸発促進を行う必要が有ると判定した場合、処理をステップS42に進める。
ステップS42で制御装置30は蒸発促進制御として、減圧機構4の弁開度を絞る制御を行う。
それと共に、ステップS41で制御装置30は蒸発促進制御として、圧縮機2の回転数を上げる制御を行う。
それと共に、ステップS44で制御装置30は蒸発促進制御として、コンデンサ3の前面面積を減らす制御を行う。
そして、制御装置30は、処理をステップS50に進める。ステップS50の処理は、第1実施形態で説明した処理と実質的に同一である。ステップS50において、制御装置30は、所定時間経過した後、処理をステップS68に進める。
ステップS68で制御装置30は、減圧機構4の弁開度を元の状態に戻し、圧縮機2の回転数を元の状態に戻し、コンデンサ3の前面面積を元の状態に戻す。そして、制御装置30は、処理を一旦終了し、所定時間経過後、再びステップS10からの処理を繰り返し実行する。
以上説明した第9実施形態では、制御装置30は蒸発促進制御として、減圧機構4の弁開度を絞る制御を行い、且つ、圧縮機2の回転数を上げる制御を行い、且つ、コンデンサ3の前面面積を減らす制御を行う。これにより、第9実施形態も、第6~第8実施形態と同様に、高圧冷媒の圧力をより高くすると共に、低圧冷媒の圧力の変化を抑えることが可能である。そのため、冷房時に乗員側に吹き出す温度、風量を変えることなく、すなわち、乗員の快適性に影響を与えることなく、凝縮水の蒸発をより促進することができる。
(第10実施形態)
第10実施形態について説明する。第10実施形態は、第1実施形態等に対して、制御装置30が行う蒸発促進制御の具体的方法等を変更したものであり、その他については第1実施形態等と同様であるため、第1実施形態等と異なる部分についてのみ説明する。
図16に示すように、第10実施形態の小型空調装は、空調ケース10の温風室50に設置されたヒータ52を備えている。ヒータ52は、制御装置30から伝送される制御信号によってオンオフ動作が制御される。ヒータ52は、温風室50を流れる温風を加熱することが可能である。
第10実施形態の制御装置30が行う制御処理を、図17のフローチャートを参照して説明する。
ステップS10~ステップS30の処理は、第1実施形態で説明した処理と同一である。
ステップS30で制御装置30は、空調ケース10内に溜まった凝縮水の蒸発促進を行う必要が有ると判定した場合、処理をステップS45に進める。
ステップS45で制御装置30は蒸発促進制御として、上述したステップS40~S44で説明した処理の少なくとも1つを実行することで、高圧冷媒の圧力を高くする。これにより、コンデンサ3を流れる高圧冷媒の温度が高くなり、コンデンサ3を通過する風は、コンデンサ3を流れる高圧冷媒からの吸熱量が増加するので、温風室50を流れる温風の温度が上昇する。
それと共に、ステップS46で制御装置30は蒸発促進制御として、ヒータ52をオンする。これにより、温風室50を流れる温風がヒータ52によって加熱され、温風の温度がより上昇するので、凝縮水の蒸発がより促進される。
そして、制御装置30は、処理をステップS50に進める。ステップS50の処理は、第1実施形態で説明した処理と実質的に同一である。ステップS50において、制御装置30は、所定時間経過した後、処理をステップS69に進める。
ステップS69で制御装置30は、ヒータ52をオフすると共に、冷凍サイクルを循環する高圧冷媒の圧力を元の状態に戻す。そして、制御装置30は、処理を一旦終了し、所定時間経過後、再びステップS10からの処理を繰り返し実行する。
以上説明した第10実施形態では、制御装置30は蒸発促進制御として、冷凍サイクルの高圧冷媒の圧力を高くする制御を行い、且つ、ヒータ52をオンする。これにより、第10実施形態では、空調ケース10内で凝縮水を確実に処理することで、空調ケース10から凝縮水が漏出することを防ぐことができる。
なお、上述したヒータ52は、温風室50を流れる温風を加熱すると共に、温風室50内に溜まった凝縮水を直接加熱するように設置されていてもよい。
(第11実施形態)
第11実施形態について説明する。第11実施形態は、第1実施形態等に対して送水部の構成を変更したものであり、その他については第1実施形態等と同様であるため、第1実施形態等と異なる部分についてのみ説明する。
図18に示すように、第11実施形態では、送水部は、多孔質体92により構成されている。多孔質体92は、例えば、多孔質金属、多孔質セラミックス、または焼結金属などにより構成することができる。多孔質体92は、冷風室40の底部41と温風室50の底部51とに亘って設けられている。多孔質体92は、表面張力および毛管現象により、冷風室40から温風室50へ凝縮水を送水する機能を有する。すなわち、多孔質体92も、それ自体が、毛細管力を用いるために機械的機構が不要で体格が小さくなる。また、多孔質体92は、冷風室40と温風室50との間の空気の流通を防ぐ機能を有する。なお、多孔質体92の上部には、冷風室40と温風室50とを仕切るための仕切壁17が設けられている。
なお、第11実施形態でも、第1実施形態と同様に、多孔質体92は、冷風室40の底部41に配置される部位の面積よりも、温風室50の底部51に配置される部位の面積の方が大きいものとされている。また、第11実施形態でも、第1実施形態と同様に、冷風室40の底部41に傾斜面42が設けられている。
以上説明した第11実施形態も、送水部を多孔質体92で構成することで、第1実施形態等と同様の作用効果を奏することができる。
(第12実施形態)
第12実施形態について説明する。第12実施形態も、第1実施形態等に対して送水部の構成を変更したものであり、その他については第1実施形態等と同様であるため、第1実施形態等と異なる部分についてのみ説明する。
図19に示すように、第12実施形態では、送水部は、水分子を透過することの可能な半透膜93により構成されている。半透膜93は、冷風室40と温風室50の境界おいて、空調ケース10の底部19と仕切壁17との間に設けられている。第12実施形態では、温風室50に、水のイオン濃度よりもイオン濃度の高い水溶液IWが、半透膜93に接するように貯留されている。そのため、半透膜93は、浸透圧により、冷風室40から温風室50へ凝縮水を送水する機能を有する。また、半透膜93は、冷風室40と温風室50との間の空気の流通を防ぐ機能を有する。
なお、第12実施形態でも、第1実施形態と同様に、冷風室40の底部41に傾斜面42が設けられている。
以上説明した第12実施形態では、送水部を半透膜93で構成することで、第1実施形態等と同様の作用効果を奏することができる。
(第13実施形態)
第13実施形態について説明する。第13実施形態は、第1実施形態等に対して送水部の構成と、それに関する制御方法を変更したものであり、その他については第1実施形態等と同様であるため、第1実施形態等と異なる部分についてのみ説明する。
図20に示すように、第13実施形態では、送水部は、冷風室40の底部41と温風室50の底部51との境界に設けられた差圧弁9により構成されている。差圧弁9は、例えばゴム板、樹脂板または金属板などより形成され、仕切壁17と空調ケース10の底部19との間に設けられている。差圧弁9は、上側の端部が仕切壁17に支持固定され、下側の端部が空調ケース10の底部19に接触している。差圧弁9は、下側の端部が温風室50側に向くように設けられている。この状態で、差圧弁9と仕切壁17は、エバポレータ5の下側の空間とコンデンサ3の下側の空間とを仕切っている。そして、図21に示すように、差圧弁9は、下側の端部が空調ケース10の底部19から離れて温風室50上方に変位可能に構成されている。
差圧弁9は、冷風室40と温風室50との圧力差に応じて開閉動作するように構成されている。具体的には、差圧弁9は、冷風室40の圧力が温風室50の圧力より低いときに閉弁するように構成されている。図20は、差圧弁9が閉弁している状態を示している。この状態で、差圧弁9のうち仕切壁17とは反対側の端部は、空調ケース10の底部19に当接している。そのため、差圧弁9が閉弁しているとき、冷風室40と温風室50との間で風や水の流れが遮断される。
一方、差圧弁9は、温風室50の圧力が冷風室40の圧力より低いときに開弁するように構成されている。図21は、差圧弁9が開弁している状態を示している。この状態で、差圧弁9のうち仕切壁17とは反対側の端部は、空調ケース10の底部19から離れている。
なお、差圧弁9は、温風室50の圧力が冷風室40の圧力より低く、且つ、温風室50と冷風室40との差圧が予め設定された所定値より大きいときに開弁するように構成してもよい。その所定値は、実験などにより適宜設定される。
制御装置30は、通常作動時において、冷風室40の圧力を温風室50の圧力より低く維持することで、差圧弁9を閉弁状態とする。そして、制御装置30は、冷風室40の凝縮水が所定量を超えたとき、温風室50の風量を増大し、または、冷風室40の風量を減少させる制御を行うことで、温風室50の圧力を冷風室40の圧力より低くする。これにより、差圧弁9が開弁し、冷風室40に溜まった凝縮水は、温風室50に送出される。すなわち、差圧弁9は、エバポレータ5で生成される凝縮水を冷風室40から温風室50に送出する送出部として機能する。冷風室40から温風室50に送出された凝縮水は、温風室50でコンデンサ3を通過した温風により蒸発する。その凝縮水が蒸発した水蒸気は、排気側送風機8に吸い込まれ、図示しない排気ダクトを介して乗員に直接当たらない場所または車室外などに排出される。
なお、差圧弁9を、温風室50の圧力が冷風室40の圧力より低く、且つ、温風室50と冷風室40との差圧が予め設定された所定値より大きいときに開弁するように構成した場合、制御装置30は、次の制御を行う。すなわち、制御装置30は、通常作動時において、冷風室40の圧力を温風室50の圧力より低く維持することで、差圧弁9を閉弁状態とする。また、制御装置30は、通常作動時において、冷風室40の圧力が温風室50の圧力より高くても、冷風室40と温風室50との差圧が予め設定された所定値よりも小さい範囲に維持することで、差圧弁9を閉弁状態とすることも可能である。一方、制御装置30は、冷風室40の凝縮水が所定量を超えたとき、温風室50の風量を増大し、または、冷風室40の風量を減少させる制御を行うことで、温風室50の圧力を冷風室40の圧力より低くし、且つ、温風室50と冷風室40との差圧が予め設定された所定値より大きくなるようにする。これにより、差圧弁9が開弁し、冷風室40に溜まった凝縮水は、温風室50に送出される。
次に、第13実施形態の制御装置30が行う制御処理を、図22のフローチャートを参照して説明する。この制御処理は、凝縮水を冷風室40から温風室50に送水した後、または送水しつつ、温風室50において凝縮水の蒸発を促進するための制御を行うものである。なお、この説明では、小型空調装置1が車室内の冷房を行っているものとして説明する。
まず、ステップS1で制御装置30は、冷風室40に溜まった凝縮水を温風室50に送水する必要があるか否かを判定する。この判定は、冷風室40の凝縮水が所定量を超えたか否かで判定される。所定量は、例えば、空調ケース10から凝縮水が漏れ出さない範囲、または、空調ケース10内の電子機器が被水しない範囲、または、凝縮水が空調風に影響を与えない範囲など、実験などにより適宜設定される。
また、冷風室40に溜まった凝縮水の量は、エバポレータ5を通過する風の温度、湿度、風量と、エバポレータ5の温度により算出される。或いは別の方法として、冷風室40に溜まった凝縮水の量は、空調ケース10内に水センサが設けられている場合、その水センサから制御装置30に出力される信号に基づいて検出してもよい。これについては、第1実施形態で説明したステップS10の処理と同様である。
ステップS1で制御装置30は、冷風室40に溜まった凝縮水を温風室50に送水する必要が無いと判定した場合、処理を一旦終了する。そして、制御装置30は、所定時間経過後、再びステップS1からの処理を繰り返し実行する。
一方、ステップS1で制御装置30は、冷風室40に溜まった凝縮水を温風室50に送水する必要が有ると判定した場合、処理をステップS2に進める。
ステップS2で制御装置30は、コンデンサ3側の送風機の風量を増大する制御を行う。すなわち、冷房時には排気側送風機8の風量を増大する制御を行う。そして、制御装置30は、処理をステップS3に進める。
次に、ステップS3で制御装置30は、冷風室40と温風室50との差圧が、差圧弁9を開弁するために十分な差圧にあるか否かを判定する。冷風室40と温風室50との差圧は、吹出側送風機7の風量と、排気側送風機8の風量から算出可能である。制御装置30のメモリーには、2つの送風機7、8の風量と、冷風室40と温風室50との差圧との関係をマップにして記憶しておいてもよい。ステップS3で制御装置30は、冷風室40と温風室50との差圧が、差圧弁9を開弁するために十分な差圧にあると判定した場合、処理をステップS5に進める。
一方、ステップS3で制御装置30は、冷風室40と温風室50との差圧が、差圧弁9を開弁するために十分な差圧に到達していないと判定した場合、処理をステップS4に進める。
ステップS4で制御装置30は、エバポレータ5側の送風機の風量を減少する制御を行う。すなわち、冷房時には吹出側送風機7の風量を減少する制御を行う。そして、制御装置30は、処理をステップS5に進める。
ステップS5で制御装置30は、差圧弁9が開弁してから所定時間経過したか否かを判定する。この所定時間は、冷風室40に溜まった凝縮水が温風室50に送水されるのに必要な時間に設定される。ステップS5において、制御装置30は、所定時間経過した後、処理をステップS6に進める。
ステップS6で制御装置30は、排気側送風機8の風量と、吹出側送風機7の風量を元の状態に戻す。そして、制御装置30は、処理をステップS10に進める。
その後、ステップS10~S69の処理は、上述した第1~10実施形態で説明した処理を同一であるので、説明を省略する。
以上説明した第13実施形態では、冷風室40と温風室50の境界に、送水部としての差圧弁9が設けられている。これにより、エバポレータ5で生成される凝縮水は、差圧弁9により、冷風室40から温風室50に送出され、温風室50を流れる温風により蒸発する。そして、この差圧弁9は、冷風室40と温風室50の境界に設けられているので、空調ケース10内に差圧弁9を設けるスペースを小さくできると共に、他の構成部品と差圧弁9との干渉を防ぐことができる。したがって、この小型空調装置1は、体格を大型化することなく、車両等への搭載性を向上することができる。
また、第13実施形態では、差圧弁9は、冷風室40の圧力が温風室50の圧力より低いときに閉弁し、温風室50の圧力が冷風室40の圧力より低いときに開弁するように構成されている。これにより、小型空調装置1の通常作動時には差圧弁9を閉弁状態とすることで、冷風室40と温風室50との間の空気や水の流通を遮断することができる。そして、冷風室40の凝縮水が所定量を超えたときなど必要に応じて、温風室50の風量を増大し、または、冷風室40の風量を減少すれば、温風室50の圧力が冷風室40の圧力より低くなり、差圧弁9が開弁する。したがって、この小型空調装置1は、通常作動時は冷風室40と温風室50との間の空気や水の流通を遮断しつつ、必要に応じて凝縮水を冷風室40から温風室50に送水することができる。
なお、差圧弁9は、温風室50の圧力が冷風室40の圧力より低く、且つ、温風室50と冷風室40との差圧が予め設定された所定値より大きいときに開弁するように構成してもよい。
また、第13実施形態では、制御装置30は、冷風室40の凝縮水が所定量を超えたとき、温風室50の風量を増大し、または、冷風室40の風量を減少させる制御を行う。これにより、制御装置30は、冷風室40の凝縮水が所定量を超えたときに差圧弁9を開弁し、凝縮水を冷風室40から温風室50に送水することができる。したがって、空調ケース10から凝縮水が漏出することを防ぐことができる。
(他の実施形態)
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。
(1)上記第13実施形態では、送水部としての差圧弁9を例えばゴム板などより構成されるものとして説明したが、これに限られない。送水部としての差圧弁9は、例えば、弁座、弁体およびスプリングを有する機械式の弁部材としてもよい。
(2)上記実施形態では、図1を参照しつつ、空調ケース10を上方から見て右側にコンデンサ3を配置し、左側にエバポレータ5を配置したものについて説明したが、これに限られない。すなわち、空調ケース10を上方から見て、左側にコンデンサ3を配置し、エバポレータ5を右側に配置してもよい。なお、その場合、圧縮機2は、吸入口21を右側(すなわち、エバポレータ5寄り)に配置し、吐出口22を左側(すなわち、コンデンサ3寄り)に配置することが好ましい。
(3)上記実施形態では、図1を参照しつつ、空調ケース10の中央付近に吹出側送風機7を配置し、その吹出側送風機7に対して圧縮機2とは反対側に排気側送風機8を配置したが、これに限られない。すなわち、空調ケース10の中央付近に排気側送風機8を配置し、その排気側送風機8を挟んで圧縮機2とは反対側に吹出側送風機7を配置してもよい。
(4)上記実施形態では、コンデンサ3およびエバポレータ5の空気流れ下流側に吹出側送風機7と排気側送風機8を配置したが、これに限られない。吹出側送風機7と排気側送風機8は、コンデンサ3およびエバポレータ5の空気流れ上流側に配置してもよい。また、その場合、空調対象空間への吹き出し用と排気用を1つの送風機により構成することも可能である。
(5)なお、本発明に記載の制御装置30及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリーを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本発明に記載の制御装置30及びその手法は、一つ以上の専用ハードウエア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、本発明に記載の制御装置30及びその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリーと一つ以上のハードウエア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
(6)上記第6~9実施形態では、低圧冷媒の圧力の変化を抑えると共に、高圧冷媒の圧力をより高くすることで、冷房時に乗員側に吹き出す温度、風量を変えることなく、凝縮水の蒸発をより促進可能とした蒸発促進制御について説明した。
これに対し、次の組み合わせによっても、同様の作用効果を奏することが可能である。
(6-1)制御装置30は蒸発促進制御として、コンデンサ3側の送風機の風量を減少させる制御と、圧減圧機構4の弁開度を絞る制御を組み合わせて実行してもよい。
(6-2)制御装置30は蒸発促進制御として、コンデンサ3の前面面積を減らす制御と、圧縮機2の回転数を上げる制御を組み合わせて実行してもよい。
(6-3)制御装置30は蒸発促進制御として、コンデンサ3の前面面積を減らす制御と、減圧機構4の弁開度を絞る制御を組み合わせて実行してもよい。
(6-4)制御装置30は蒸発促進制御として、コンデンサ3側の送風機の風量を減少させる制御と、コンデンサ3の前面面積を減らす制御と、減圧機構4の弁開度を絞る制御を組み合わせて実行してもよい。
(6-5)制御装置30は蒸発促進制御として、コンデンサ3側の送付機の風量を減少させる制御と、コンデンサ3の前面面積を減らす制御と、圧縮機2の回転数を上げる制御と、減圧機構4の弁開度を絞る制御を組み合わせて実行してもよい。
(まとめ)
上述の実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、空調ケース内に冷凍サイクルの構成部品が収容された小型空調装置は、圧縮機、コンデンサ、減圧機構、エバポレータ、送風機、空調ケースおよび制御装置を備える。圧縮機は、冷媒を吸入し、圧縮して吐き出す。コンデンサは、圧縮機から吐き出された冷媒と空気との熱交換により冷媒を凝縮させる。減圧機構は、コンデンサから流出した冷媒を減圧膨張させる。エバポレータは、減圧機構から流出した冷媒と空気との熱交換により蒸発させた冷媒を圧縮機へ流出する。吹出側送風機は、コンデンサおよびエバポレータそれぞれに空気を通過させる。空調ケースは、圧縮機、コンデンサ、減圧機構およびエバポレータを含む冷凍サイクルの構成部品を収容する。そして、空調ケースは、エバポレータを通過した冷風が流れる冷風室、およびコンデンサを通過した温風が流れる温風室を有し、エバポレータで生成される凝縮水が温風室に送出されるように構成されている。制御装置は、空調ケース内の凝縮水が所定量を超えたとき、温風室を流れる風の温度を上昇させて凝縮水の蒸発を促進させる蒸発促進制御を行う。
第2の観点によれば、蒸発促進制御は、圧縮機の吐出口からコンデンサを経由して減圧機構へ流れる高圧冷媒の圧力を高くする制御により実行される。
これによれば、コンデンサを流れる高圧冷媒の圧力を高くすることで、コンデンサを流れる高圧冷媒の温度が高くなる。そのため、コンデンサを通過した後に温風室を流れる温風の温度を上昇させることができる。
なお、高圧冷媒の圧力を高くする制御方法として、次の(A)~(E)の具体的方法が挙げられる。
(A)コンデンサ側の送風機の風量を減少させる制御。
(B)圧縮機の回転数を上げる制御。
(C)減圧機構の弁開度を絞る制御。
(D)エバポレータ側の送風機の風量を増加させる制御。
(E)コンデンサの前面面積を減らす制御。
ところで、制御装置が、コンデンサ側の送風機の風量を減少させる制御、および、コンデンサの前面面積を減らす制御の少なくとも一方を行う場合、冷凍サイクルを循環する冷媒は、高圧冷媒の圧力が高くなり、低圧冷媒の圧力も高くなる。一方、制御装置が、圧縮機の回転数を上げる制御、および、減圧機構の弁開度を絞る制御の少なくとも一方を行う場合、冷凍サイクルを循環する冷媒は、高圧冷媒の圧力が高くなり、低圧冷媒の圧力は低くなる。
そこで、第3の観点では、蒸発促進制御は、コンデンサ側の送風機の風量を減少させる制御、および、コンデンサの前面面積を減らす制御の少なくとも一方を行い、且つ、圧縮機の回転数を上げる制御、および、減圧機構の弁開度を絞る制御の少なくとも一方を行うことで実行される。
これにより、低圧冷媒の圧力の変化を抑えると共に、高圧冷媒の圧力をより高くすることが可能である。そのため、冷房時に乗員側に吹き出す温度、風量を変えることなく、すなわち、乗員の快適性に影響を与えることなく、凝縮水の蒸発をより促進することができる。
第4の観点によれば、蒸発促進制御は、コンデンサ側の送風機の風量を減少させる制御を行い、且つ、圧縮機の回転数を上げる制御を行うことで実行される。
これによれば、制御装置は、最小限の制御にて、第3の観点と同様の作用効果を奏することができる。
第5の観点によれば、蒸発促進制御は、コンデンサ側の送風機の風量を減少させる制御、圧縮機の回転数を上げる制御、および、減圧機構の弁開度を絞る制御を行うことで実行される。
これによれば、冷房時に乗員側に吹き出す温度、風量を変えることなく、すなわち、乗員の快適性に影響を与えることなく、高圧冷媒の圧力の上昇量をより大きくすることで、凝縮水の蒸発促進効果をより増大することができる。
第6の観点によれば、蒸発促進制御は、コンデンサ側の送風機の風量を減少させる制御、コンデンサの前面面積を減らす制御、および、圧縮機の回転数を上げる制御を行うことで実行される。
これによれば、第5の観点と同様の作用効果を奏することができる。
第7の観点によれば、蒸発促進制御は、コンデンサの前面面積を減らす制御、圧縮機の回転数を上げる制御、および、減圧機構の弁開度を絞る制御を行うことで実行される。
これによれば、第5の観点と同様の作用効果を奏することができる。
第8の観点によれば、小型空調装置は、温風室に設置されるヒータをさらに備える。蒸発促進制御は、ヒータへ通電することで、温風室を流れる風の温度を上昇させることを含んで実行される。
これによれば、蒸発促進制御にヒータによる加熱制御を加えることで、凝縮水の蒸発をより促進することができる。
1 小型空調装置
2 圧縮機
3 コンデンサ
4 減圧機構
5 エバポレータ
7 吹出側送風機
8 排気側送風機
10 空調ケース
30 制御装置
40 冷風室
50 温風室

Claims (6)

  1. 空調ケース(10)内に冷凍サイクルの構成部品が収容された小型空調装置において、
    冷媒を吸入し、圧縮して吐き出す圧縮機(2)と、
    前記圧縮機から吐き出された冷媒と空気との熱交換により冷媒を凝縮させるコンデンサ(3)と、
    前記コンデンサから流出した冷媒を減圧膨張させる減圧機構(4)と、
    前記減圧機構から流出した冷媒と空気との熱交換により蒸発させた冷媒を前記圧縮機へ流出するエバポレータ(5)と、
    前記コンデンサおよび前記エバポレータそれぞれに空気を通過させる送風機(7、8)と、
    前記圧縮機、前記コンデンサ、前記減圧機構および前記エバポレータを含む前記冷凍サイクルの構成部品を収容し、前記エバポレータを通過した冷風が流れる冷風室(40)、および前記コンデンサを通過した温風が流れる温風室(50)を有し、前記エバポレータで生成される凝縮水が前記温風室に送出されるように構成されている空調ケースと、
    前記空調ケース内の凝縮水が所定量を超えたとき、前記温風室を流れる風の温度を上昇させて凝縮水の蒸発を促進させる蒸発促進制御を行う制御装置(30)と、を備え
    前記蒸発促進制御は、前記コンデンサに風を通過させる側の前記送風機の風量を減少させる制御(S40)、および、前記コンデンサの前面面積を減らす制御(S44)の少なくとも一方を行い、且つ、前記圧縮機の回転数を上げる制御(S41)、および、前記減圧機構の弁開度を絞る制御(S42)の少なくとも一方を行うことで実行される、小型空調装置。
  2. 前記蒸発促進制御は、前記コンデンサに風を通過させる側の前記送風機の風量を減少させる制御を行い、且つ、前記圧縮機の回転数を上げる制御を行うことで実行される、請求項1に記載の小型空調装置。
  3. 前記蒸発促進制御は、前記コンデンサに風を通過させる側の前記送風機の風量を減少させる制御、前記圧縮機の回転数を上げる制御、および、前記減圧機構の弁開度を絞る制御を行うことで実行される、請求項1に記載の小型空調装置。
  4. 前記蒸発促進制御は、前記コンデンサに風を通過させる側の前記送風機の風量を減少させる制御、前記コンデンサの前面面積を減らす制御、および、前記圧縮機の回転数を上げる制御を行うことで実行される、請求項1に記載の小型空調装置。
  5. 前記蒸発促進制御は、前記コンデンサの前面面積を減らす制御、前記圧縮機の回転数を上げる制御、および、前記減圧機構の弁開度を絞る制御を行うことで実行される、請求項1に記載の小型空調装置。
  6. 前記温風室に設置されるヒータ(52)をさらに備え、
    前記蒸発促進制御は、前記ヒータへ通電することで、前記温風室を流れる風の温度を上昇させる制御(S46)を含んで実行される、請求項1ないしのいずれか1つに記載の小型空調装置。
JP2018221579A 2018-11-27 2018-11-27 小型空調装置 Active JP7081461B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018221579A JP7081461B2 (ja) 2018-11-27 2018-11-27 小型空調装置
PCT/JP2019/040056 WO2020110478A1 (ja) 2018-11-27 2019-10-10 小型空調装置
US17/318,448 US20210260967A1 (en) 2018-11-27 2021-05-12 Compact air conditioner

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018221579A JP7081461B2 (ja) 2018-11-27 2018-11-27 小型空調装置

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2020083114A JP2020083114A (ja) 2020-06-04
JP2020083114A5 JP2020083114A5 (ja) 2021-02-18
JP7081461B2 true JP7081461B2 (ja) 2022-06-07

Family

ID=70853141

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018221579A Active JP7081461B2 (ja) 2018-11-27 2018-11-27 小型空調装置

Country Status (3)

Country Link
US (1) US20210260967A1 (ja)
JP (1) JP7081461B2 (ja)
WO (1) WO2020110478A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101068859B1 (ko) * 2009-10-22 2011-09-30 권경채 도난 방지 시스템

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7081460B2 (ja) * 2018-11-27 2022-06-07 株式会社デンソー 小型空調装置

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006234249A (ja) 2005-02-24 2006-09-07 Sharp Corp 一体型空気調和機
JP2016145015A (ja) 2015-02-09 2016-08-12 株式会社デンソー シート空調装置
JP2020083113A (ja) 2018-11-27 2020-06-04 株式会社デンソー 小型空調装置

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2638756A (en) * 1951-05-05 1953-05-19 Int Harvester Co Condensate removal means
US2776554A (en) * 1954-10-21 1957-01-08 Gen Electric Air conditioning apparatus having condensate disposal means
US4067206A (en) * 1976-09-15 1978-01-10 Admiral Corporation Condensate evaporation system for air conditioners
US4382369A (en) * 1981-09-08 1983-05-10 General Electric Company Air conditioning apparatus
US5085057A (en) * 1990-05-11 1992-02-04 Whirlpool Corporation Dual side discharge room air conditioner with foamed insulation air passage walls
US10816236B2 (en) * 2017-06-09 2020-10-27 Johnson Controls Technology Company Condensate recycling system for HVAC system
JP2019006373A (ja) * 2017-06-20 2019-01-17 株式会社デンソー シート空調装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006234249A (ja) 2005-02-24 2006-09-07 Sharp Corp 一体型空気調和機
JP2016145015A (ja) 2015-02-09 2016-08-12 株式会社デンソー シート空調装置
JP2020083113A (ja) 2018-11-27 2020-06-04 株式会社デンソー 小型空調装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101068859B1 (ko) * 2009-10-22 2011-09-30 권경채 도난 방지 시스템

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020083114A (ja) 2020-06-04
WO2020110478A1 (ja) 2020-06-04
US20210260967A1 (en) 2021-08-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11364767B2 (en) Vehicle-mounted temperature controller
JP5005122B2 (ja) 車両用空調装置
CN105121977A (zh) 制冷循环装置
JP4032978B2 (ja) 車両用空調装置
JP7081461B2 (ja) 小型空調装置
JP7081460B2 (ja) 小型空調装置
JP2019138522A (ja) 空気調和機
JP2008261513A (ja) 冷凍サイクル装置
CN104949385A (zh) 车用热泵系统
JP5510374B2 (ja) 熱交換システム
JP6138335B2 (ja) 空気調和装置
JPH11159911A (ja) 冷凍サイクル装置
JP6583246B2 (ja) 電子制御装置
JP6769315B2 (ja) 小型冷凍サイクル装置
JP6507453B2 (ja) 車両用空調装置
JP2019196846A (ja) 空調装置
JP2953453B2 (ja) 空気調和装置
JP2014149103A (ja) 冷凍サイクル装置
JP2018091579A (ja) 空調機
JPH11159920A (ja) 冷凍サイクル装置
JP6733625B2 (ja) 冷凍サイクル装置
WO2021187358A1 (ja) 冷凍機
JP2019182036A (ja) 空調装置
JP7327630B2 (ja) ヒートポンプ装置及び貯湯式給湯機
JP7159856B2 (ja) 空調装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210108

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210310

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220426

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220509

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7081461

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151