JP7081353B2 - 水素供給装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の排気通路内に水素を供給するための水素供給装置に関する。
自動車等に搭載される内燃機関の排気通路には、排気ガスを浄化するための排ガス浄化触媒が配置されている。従来、この種の排ガス浄化触媒は、内燃機関から排出される排気ガスの空燃比を制御することにより、排気ガス中の有害成分を無害な成分に変換している。
しかし、近年の環境規制の強化により、排ガス浄化触媒の浄化能力をより高めることが強く望まれている。そこで、排気通路における排ガス浄化触媒の上流に水素を供給し、排ガス浄化触媒において水素と有害成分とを反応させることにより排ガス浄化触媒の浄化能力をより高める技術が提案されている。
例えば、特許文献1には、NOx吸蔵還元触媒を備えた触媒コンバータを有する排ガス浄化システムが記載されている。この排ガス浄化システムは、排気通路とは別に設けられ、燃料及び空気を原料として水素及び一酸化炭素を含む改質ガスを生成し、当該改質ガスを排気通路における触媒コンバータの上流側に供給する燃料改質器と、内燃機関の運転状態及び触媒コンバータの状態の少なくとも何れかに応じて、燃料改質器における改質ガスの生成量及び改質ガスの生成に関する応答速度を制御する改質器制御手段と、を有している。改質ガスの生成量は、燃料改質器に供給する燃料の量、空気の量及び空燃比によって制御される。
特開2010-270664号公報
特許文献1の排ガス浄化システムにおいて、何らかの原因によって改質ガスの実際の生成量と所望する量との差が過度に大きくなると、排気ガス中の有害成分の増加等の問題を招くおそれがある。しかし、特許文献1の排ガス浄化システムは、燃料改質器において実際に生成された改質ガスの量を測定する手段を有しない。そのため、何らかの原因で改質ガスの実際の生成量と所望する量との差が大きくなった場合に、この差を検知することが難しい。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、排気通路内に供給された水素量を推定することができる水素供給装置を提供しようとするものである。
本発明の第一の態様は、内燃機関(6)の排気通路(61)内に配置された排ガス浄化触媒(62)に水素を供給するための水素供給装置(103)であって、
前記排気通路における前記排ガス浄化触媒の上流に配置された水素供給口(21)を備え、前記水素供給口から水素を供給する水素供給部()と、
前記排気通路内へ供給する水素量の指示値(I)を設定し、前記指示値に基づいて前記水素供給部の動作を制御する制御部(303)と、
前記排気通路における前記排ガス浄化触媒の下流に配置される下流温度センサ(4)と、
前記制御部及び前記下流温度センサに接続された演算部(503)と、を有し、
前記演算部は、
前記制御部から前記指示値を取得する指示値取得部(51)と、
前記下流温度センサから前記排ガス浄化触媒の下流における排気ガスの温度である下流ガス温度(TL、TL0、TL1)を取得する下流温度取得部(52)と、
前記指示値と前記下流ガス温度とに基づいて前記水素供給部から前記排気通路内へ供給された水素の供給量(S)を推定する供給量推定部(53)と、
前記排ガス浄化触媒の上流における排気ガスの温度である上流ガス温度(T U )を取得する上流温度取得部(553)と、
前記排ガス浄化触媒の上流における排気ガスの流量を取得するガス流量取得部(554)と、を有しており、
前記供給量推定部は、前記水素供給部から水素が供給されている間の前記上流ガス温度の変動幅または前記排気ガスの流量の変動幅が所定の範囲を超えた場合に、前記供給量推定部による推定結果を棄却する、水素供給装置にある。
本発明の第二の態様は、内燃機関(6)の排気通路(61)内に配置された排ガス浄化触媒(62)に水素を供給するための水素供給装置(103)であって、
前記排気通路における前記排ガス浄化触媒の上流に配置された水素供給口(21)を備え、前記水素供給口から水素を供給する水素供給部(2)と、
前記排気通路内へ供給する水素量の指示値(I)を設定し、前記指示値に基づいて前記水素供給部の動作を制御する制御部(303)と、
前記排気通路における前記排ガス浄化触媒の下流に配置される下流温度センサ(4)と、
前記制御部及び前記下流温度センサに接続された演算部(503)と、
前記排ガス浄化触媒の上流に配置され、前記演算部に接続された上流温度センサ(41)と、を有し、
前記演算部は、
前記制御部から前記指示値を取得する指示値取得部(51)と、
前記下流温度センサから前記排ガス浄化触媒の下流における排気ガスの温度である下流ガス温度(T L 、T L0 、T L1 )を取得する下流温度取得部(52)と、
前記指示値と前記下流ガス温度とに基づいて前記水素供給部から前記排気通路内へ供給された水素の供給量(S)を推定する供給量推定部(53)と、を有しており、
前記供給量推定部は、前記上流温度センサから取得した前記排ガス浄化触媒の上流における排気ガスの温度である上流ガス温度(T U )と、前記下流ガス温度と、に基づいて前記水素供給部から前記供給量を推定する、水素供給装置にある。
本発明の第三の態様は、内燃機関(6)の排気通路(61)内に配置された排ガス浄化触媒(62)に水素を供給するための水素供給装置(104)であって、
前記排気通路における前記排ガス浄化触媒の上流に配置された水素供給口(21)を備え、前記水素供給口から水素を供給する水素供給部(204)と、
前記排気通路内へ供給する水素量の指示値(I)を設定し、前記指示値に基づいて前記水素供給部の動作を制御する制御部(304)と、
前記排気通路における前記排ガス浄化触媒の下流に配置される下流温度センサ(4)と、
前記制御部及び前記下流温度センサに接続された演算部(504)と、を有し、
前記水素供給部(204)は、
改質用燃料を改質して水素を含む改質ガスを発生させる燃料改質器(23)と、
前記燃料改質器に前記改質用燃料を供給する燃料供給部(24)と、
前記燃料改質器に空気を供給する空気供給部(25)と、を有しており、
前記演算部は、
前記制御部から前記指示値を取得する指示値取得部(51)と、
前記下流温度センサから前記排ガス浄化触媒の下流における排気ガスの温度である下流ガス温度(T L 、T L0 、T L1 )を取得する下流温度取得部(52)と、
前記指示値と前記下流ガス温度とに基づいて前記水素供給部から前記排気通路内へ供給された水素の供給量(S)を推定する供給量推定部(53)と、
前記下流ガス温度に基づいて前記排ガス浄化触媒の温度を前記排ガス浄化触媒内における前記改質用燃料と酸素との反応温度まで上昇させるために必要な水素量である燃焼下限量を算出する燃焼下限算出部(563)と、を有しており、
前記制御部(304)は、前記燃焼下限量よりも少なくなるように前記指示値を設定する、水素供給装置にある。
本発明の第四の態様は、内燃機関(6)の排気通路(61)内に配置された排ガス浄化触媒(62)に水素を供給するための水素供給装置(104)であって、
前記排気通路における前記排ガス浄化触媒の上流に配置された水素供給口(21)を備え、前記水素供給口から水素を供給する水素供給部(204)と、
前記排気通路内へ供給する水素量の指示値(I)を設定し、前記指示値に基づいて前記水素供給部の動作を制御する制御部(304)と、
前記排気通路における前記排ガス浄化触媒の下流に配置される下流温度センサ(4)と、
前記制御部及び前記下流温度センサに接続された演算部(504)と、を有し、
前記水素供給部(204)は、
改質用燃料を改質して水素を含む改質ガスを発生させる燃料改質器(23)と、
前記燃料改質器に前記改質用燃料を供給する燃料供給部(24)と、
前記燃料改質器に空気を供給する空気供給部(25)と、を有しており、
前記制御部(304)は、前記空気供給部から供給するべき空気の量である空気量指示値と、前記燃料供給部から供給するべき燃料の量である燃料指示値と、を設定することができるように構成されており、
前記演算部は、
前記制御部から前記指示値を取得する指示値取得部(51)と、
前記下流温度センサから前記排ガス浄化触媒の下流における排気ガスの温度である下流ガス温度(T L 、T L0 、T L1 )を取得する下流温度取得部(52)と、
前記指示値と前記下流ガス温度とに基づいて前記水素供給部から前記排気通路内へ供給された水素の供給量(S)を推定する供給量推定部(53)と、
前記空気量指示値と前記空気供給部から実際に供給される空気量との差を補正する空気量補正部(561)と、
前記燃料指示値と前記燃料供給部から実際に供給される燃料の量との差を補正する燃料補正部(562)と、を有している、水素供給装置にある。
前記水素供給装置の演算部は、制御部において設定された指示値を取得する指示値取得部と、下流温度センサによって測定された下流ガス温度を取得する下流温度取得部と、を有している。更に、演算部は、制御部から取得した指示値と、下流温度センサから取得した下流ガス温度とに基づいて排気通路内へ供給された水素の供給量を推定する供給量推定部を有している。
前記水素供給装置は、かかる構成を有することにより、例えば以下のようにして排気通路内へ供給された水素量を推定することができる。即ち、内燃機関から排出された排気ガス中には、内燃機関において消費されなかった酸素が含まれている。排ガス浄化触媒の上流において水素供給装置から水素を供給すると、酸素を含む排気ガス中に水素が混合される。
水素と酸素とを含む排気ガスが排ガス浄化触媒を通過する際、水素と酸素とを触媒上で反応させ、水を生成することができる。この反応は発熱反応であるため、水素と酸素とが反応した場合、排ガス浄化触媒を通過した排気ガスの温度、つまり、下流ガス温度は、反応前よりも上昇する。また、下流ガス温度は、排ガス浄化触媒内で反応した水素量が多くなるほど高くなる。
従って、排ガス浄化触媒内で反応した水素の量を見積もるためには、例えば、指示値取得部から取得された指示値の変動によって排気通路内に水素を供給し始めるタイミングを検出し、このときの下流ガス温度の変動を下流ガス温度取得によって取得すればよい。供給量推定部は、このときの下流ガス温度の変動に基づいて排ガス浄化触媒内で反応した水素の量を推定することができる。
以上のごとく、上記態様によれば、排気通路内に供給された水素量を推定することができる水素供給装置を提供することができる。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態及び参考形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
図1は、参考形態1における水素供給装置の全体構成を示す説明図である。 図2は、参考形態1における演算部のブロック図である。 図3は、参考形態1における水素供給装置の動作を示すフローチャートである。 図4は、参考形態1における水素供給装置の動作を示すタイミングチャートである。 図5は、参考形態2における、指示値を補正することができるように構成された水素供給装置の演算部のブロック図である。 図6は、参考形態2における水素供給装置の動作を示すフローチャートである。 図7は、実施形態1における水素供給装置の全体構成を示す説明図である。 図8は、実施形態1における演算部のブロック図である。 図9は、実施形態1における水素供給装置の動作を示すフローチャートである。 図10は、実施形態2における、燃料改質器を備えた水素供給部を有する水素供給装置の全体構成を示す説明図である。 図11は、実施形態2における演算部のブロック図である。 図12は、実施形態2における水素供給装置の動作を示すフローチャートである。
参考形態1
前記水素供給装置に係る参考形態について、図1~図4を参照して説明する。図1に示すように、本形態の水素供給装置1は、内燃機関6の排気通路61内に配置された排ガス浄化触媒62に水素を供給するために用いられる。水素供給装置1は、排気通路61における排ガス浄化触媒62の上流に配置された水素供給口21を備え、水素供給口21から水素を供給する水素供給部2と、排気通路61内へ供給するべき水素量の指示値Iを設定し、指示値Iに基づいて水素供給部2の動作を制御する制御部3と、排気通路61における排ガス浄化触媒62の下流に配置される下流温度センサ4と、制御部3及び下流温度センサ4に接続された演算部5と、を有している。
図1及び図2に示すように、演算部5は、制御部3から指示値Iを取得する指示値取得部51と、下流温度センサ4から排ガス浄化触媒62の下流における排気ガスの温度である下流ガス温度TLを取得する下流温度取得部52と、指示値Iと下流ガス温度TLとに基づいて排気通路61内へ供給された水素の供給量Sを推定する供給量推定部53と、を有している。
本形態の水素供給装置1は、例えば、自動車に搭載されるガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの、種々の内燃機関6の排気通路61に取り付けることができる。排気通路61内に設けられた排ガス浄化触媒62の種類は特に限定されるものではない。排ガス浄化触媒62としては、例えば、三元触媒、NOx吸蔵還元触媒、SCR(つまり、選択触媒還元)システム用触媒等を使用することができる。
水素供給部2は、排気通路61における排ガス浄化触媒62の上流に配置された水素供給口21を有している。水素供給部2は、制御部3によって設定された指示値Iに基づいて、水素供給口21から排気通路61内に水素を供給することができるように構成されている。水素供給部2は、排気通路61内に水素を供給することができる態様であれば、種々の態様をとり得る。
例えば、本形態の水素供給部2は、図1に示すように、水素が貯蔵された水素ボンベ22と、水素ボンベ22に接続された水素供給口21としてのインジェクタ211と、を有している。インジェクタ211は、例えば、排気通路61内に水素を供給する開状態と、排気通路61内への水素の供給を遮断する閉状態とを切り替え可能に構成されていてもよい。この場合、制御部3の指示値Iに基づいて開状態と閉状態とを切換え、開状態の継続時間を制御することにより、排気通路61内に供給する水素の量を調節することができる。
また、インジェクタ211は、例えば、弁の開度を調節することができるように構成されていてもよい。この場合、制御部3の指示値Iに基づいて弁の開度を調節することにより、排気通路61内に供給する水素の量を調節することができる。
排気通路61における排ガス浄化触媒62の下流には、下流温度センサ4が設けられている。図1及び図2に示すように、下流温度センサ4は、下流ガス温度TL、つまり、排ガス浄化触媒62を通過した後の排気ガスの温度を測定し、下流温度取得部52へ送信することができるように構成されている。下流温度センサ4としては、例えば、サーミスタや熱電対等を使用することができる。
図2に示すように、制御部3は、水素供給部2及び演算部5に接続されている。制御部3は、エンジンコントロールユニット等の電子制御装置に組み込まれたソフトウェアであってもよいし、エンジンコントロールユニット等とは独立した電子制御装置として構成されていてもよい。本形態の制御部3は、図1に示すように、エンジンコントロールユニット等とは独立した電子制御装置30にソフトウェアとして組み込まれている。
制御部3は、排気通路61内へ供給するべき水素量の指示値Iを設定することができるように構成されている。ここで、「水素量の指示値Iを設定する」という概念には、水素量の指示値Iを任意の値に設定する概念と、制御部3内に予め複数段階の指示値Iを保持し、これらの段階を切り替えることによって水素量の指示値Iを設定する概念とが含まれる。また、水素量の指示値Iは、ゼロ以上の値をとり得る。
制御部3による指示値Iの設定は、任意のタイミングで行うことができる。例えば、制御部3は、アイドリング運転などの、内燃機関6が概ね一定の出力で運転されている間に排気通路61内に水素を供給するように構成されていてもよいし、これ以外のタイミングで排気通路61内に水素を供給するように構成されていてもよい。排気通路61内に供給された水素は、供給量推定部53による水素の供給量Sの推定のために利用することができる。また、排気通路61内に供給された水素は、例えば、排気ガスの温度を迅速に上昇させて排ガス浄化触媒62を活性化させるため、あるいは、排気ガス中の有害成分を無害化するために利用することもできる。
図2に示すように、演算部5は、制御部3及び下流温度センサ4に接続されている。演算部5は、制御部3と同様に、エンジンコントロールユニット等に組み込まれたソフトウェアであってもよいし、エンジンコントロールユニット等とは独立した電子制御装置として構成されていてもよい。図1に示すように、本形態の演算部5は、制御部3と同様に、電子制御装置30にソフトウェアとして組み込まれている。
図1及び図2に示すように、本形態の演算部5は、指示値取得部51と、下流温度取得部52と、供給量推定部53と、異常検知部54と、を有している。指示値取得部51は、制御部3から指示値Iを取得することができる。下流温度取得部52は、下流温度センサ4から下流ガス温度TLを取得することができる。供給量推定部53は、指示値取得部51によって取得された指示値Iと下流温度取得部52によって取得された下流ガス温度TLとに基づいて、水素供給部2から排気通路61内へ供給された水素の供給量Sを推定することができる。
異常検知部54は、供給量推定部53によって推定された供給量Sと指示値Iとの差S-Iが所定の閾値THを超えた場合に水素供給部2の動作に異常があると判断することができる。前述した閾値THは、予め異常検知部54に保持されていてもよい。
本形態の水素供給装置1は、例えば、図3に示す方法により排気通路61内に供給された水素の量を推定することができる。まず、排ガス浄化触媒62内の排気ガス中に水素が含まれないようにするため、制御部3は指示値Iをゼロに設定し、排気通路61内への水素の供給を停止するように水素供給部2を制御する(ステップS101)。
この状態をしばらく継続した後、下流温度取得部52が下流ガス温度TL0を取得する(ステップS102)。水素供給部2が指示値Iに従って動作している場合、下流ガス温度TL0は、排ガス浄化触媒62内において水素と酸素との反応が起きていない状態における排気ガスの温度を示す。
次いで、制御部3が指示値Iをゼロよりも大きい値に設定し、排気通路61内への水素の供給を開始するように水素供給部2を制御する(ステップS103)。このときの指示値Iは、例えば、予め制御部3内に保持された値とすることができる。
この状態をしばらく継続した後、下流温度取得部52が下流ガス温度TL1を取得する(ステップS104)。水素供給部2から排気通路61内に水素が供給されると、排ガス浄化触媒62の内部において、水素と排気ガス中の酸素とが反応する。そして、図4に示すように、この反応の反応熱によって下流ガス温度TLが上昇する。
従って、水素供給部2が指示値Iに従って動作している場合、下流ガス温度TL1は、排ガス浄化触媒62内において水素と酸素との反応が起きている状態における排気ガスの温度を示す。また、排ガス浄化触媒62内において水素と酸素との反応が起きている場合、下流ガス温度TL1は、下流ガス温度TL0よりも高くなる。
供給量推定部53は、これらの下流ガス温度TL1とTL0との差に基づき、排ガス浄化触媒62の内部において反応した水素の量を算出することができる。本形態の供給量推定部53は、この水素の量を排気通路61内に供給された水素の供給量Sと推定する(ステップS105)。
以上に説明した水素の供給量Sを推定する方法は、任意のタイミングで実行することができる。供給量推定部53によって推定される供給量Sの確度をより高める観点からは、排気ガスの成分や温度等の変動が小さい状態で実施することが好ましい。それ故、制御部3は、アイドリング運転などの、内燃機関6が概ね一定の出力で運転されている場合に水素の供給量Sの推定を行うことが好ましい。
供給量推定部53によって推定された水素の供給量Sは、例えば、水素供給装置1に異常が発生しているか否かを判断するために利用することができる。本形態の演算部5は、水素供給装置1に異常が発生しているか否かを判断する異常検知部54を有している。
異常検知部54は、供給量推定部53によって推定された水素の供給量Sと指示値Iとの差S-Iの絶対値を予め異常検知部54内に保持された閾値THと比較する(ステップS106)。そして、S-Iの絶対値が閾値TH以下である場合(ステップS106、「Yes」)には、水素供給装置1に異常は発生していないと判断する。この場合、演算部5は、水素の供給量Sを推定する動作を完了する。
一方、異常検知部54は、S-Iの絶対値が閾値THを超えた場合に水素供給装置1に異常が発生していると判断する(ステップS106、「No」)。この場合、異常検知部54は、図示しないディスプレイなどにその旨を表示してもよいし(ステップS107)、水素供給装置1に異常が発生していることを電子制御装置30に記録してもよい。これにより、内燃機関6の点検の際等に、水素供給装置1に異常が発生していることを作業者が容易に認識することができる。
なお、水素供給装置1から排気通路61内への水素の供給は、水素の供給量Sを推定する動作以外にも、任意のタイミングで行うことができる。排気通路61内へ供給された水素は、例えば、排気ガス温度を迅速に上昇させて排ガス浄化触媒62を活性化させるため、あるいは、排気ガス中の有害成分を無害化するため利用される。
以上のように、本形態の水素供給装置1によれば、排気通路61内に供給された水素の供給量Sを推定することができる。
参考形態2
本形態の水素供給装置102は、供給量推定部53によって推定された水素の供給量Sを、指示値Iを補正するために用いるように構成されている。なお、本形態以降において用いた符号のうち、既出の形態において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、既出の形態におけるものと同様の構成要素等を表す。
図5に示すように、本形態の水素供給装置102における演算部502は、異常検知部54を有しない。また、演算部502における供給量推定部53は制御部302に接続されており、供給量推定部53によって推定した水素の供給量Sを制御部302に送信することができるように構成されている。その他は参考形態1と同様の構成を有している。
水素供給装置102は、例えば図6に示す方法により指示値Iの補正を行うことができる。まず、水素供給装置102は、参考形態1と同様の方法により水素の供給量Sを推定する。そして、供給量推定部53は、水素の供給量Sを制御部302に送信する。
制御部302は、水素の供給量Sと指示値Iとの差S-Iの絶対値を予め設定された閾値TH2と比較する(ステップS108)。そして、S-Iの絶対値が予め設定された閾値TH2以下の場合には、指示値Iを補正する必要はないと判断する(ステップS108、「Yes」)。この場合、演算部502は、水素の供給量Sを推定する動作を完了する。
一方、S-Iの絶対値が予め設定された閾値TH2よりも大きい場合には、指示値Iが供給量Sに近づくように補正値を設定する必要があると判断する(ステップS108、「No」)。この場合、制御部302は、S-Iの値に基づいて補正値を設定する(ステップS109)。この補正値は制御部302に保持され、これ以降における水素の供給の際に利用される。
本形態のように、供給量推定部53によって推定された水素の供給量Sを利用して、以降の指示値Iの補正を行うことにより、排気通路61内に供給する水素の量をより所望の量に近づけることができる。その結果、排ガス浄化システムの浄化性能をより向上させることができる。
実施形態1
本形態の水素供給装置103は、供給量推定部53によって推定される供給量Sの確度をより高めるための構成を有している。図7に示すように、本形態の水素供給装置103は、水素供給部2、制御部303、下流温度センサ4及び演算部503に加えて、更に、排ガス浄化触媒62の上流に配置され、演算部503に接続された上流温度センサ41を有している。
上流温度センサ41としては、例えば、サーミスタや熱電対等を使用することができる。本形態の上流温度センサ41は、図8に示すように、演算部503に設けられた上流温度取得部553に接続されている。上流温度取得部553によって取得された上流ガス温度TU、つまり、水素と排気ガス中の酸素とが反応する前の排気ガスの温度は、例えば、供給量推定部53における水素の供給量Sの推定に利用される。なお、図7においては、便宜上、演算部503を簡略化して記載した。上流温度取得部553のより詳細な説明については後述する。
本形態のように、排ガス浄化触媒62の上流及び下流のそれぞれに温度センサ4、41を設けることにより、上流ガス温度TU、つまり、水素と排気ガス中の酸素とが反応する前の排気ガスの温度と、下流ガス温度TL、つまり、水素と排気ガス中の酸素とが反応した後の排気ガスの温度とを同時に測定することができる。そして、供給量推定部53において、上流ガス温度TUと下流ガス温度TLとに基づいて水素の供給量Sを推定することにより、供給量Sの推定をより迅速に行うことができる。
また、この場合には、排ガス浄化触媒62を通過する前後での排気ガスの温度の上昇量をより正確に測定することができる。その結果、酸素と反応した水素の量をより正確に算出し、ひいては供給量推定部53によって推定される水素の供給量Sと、排気通路61内に実際に供給される水素の量との差をより小さくすることができる。
図8に示すように、本形態の演算部503は、指示値取得部51、下流温度取得部52、供給量推定部53及び異常検知部54に加えて、空燃比取得部551、水素上限算出部552、上流温度取得部553、ガス流量取得部554、触媒温度推定部555及び所要量算出部556を有している。
空燃比取得部551は、排ガス浄化触媒62の上流における排気ガスの空燃比である上流空燃比を取得することができるように構成されている。また、本形態の制御部303は、上流空燃比が理論空燃比よりもリーンな場合に、水素供給部2から排気通路61内へ水素を供給するように構成されている。
空燃比取得部551における上流空燃比の取得方法としては、種々の態様を採用することができる。例えば、本形態の空燃比取得部551には、内燃機関6の運転状態と上流空燃比との対応関係が保持されている。図7及び図8に示すように、空燃比取得部551は、内燃機関6からアクセル開度やエンジン回転数等の内燃機関6の運転状態に関する情報を取得し、これらの情報と前述した対応関係とに基づいて上流空燃比を推定することができる。なお、図には示さないが、排ガス浄化触媒62の上流に空燃比センサを設ける場合、空燃比取得部551は、この空燃比センサから上流空燃比を取得することもできる。
前述した理論空燃比とは、排気ガス中の燃料と酸素とが過不足なく反応するときの空燃比をいう。また、理論空燃比よりもリーンな状態とは、排気ガス中の空燃比、つまり、燃料濃度に対する酸素濃度の比の値が理論空燃比よりも高く、酸素が過剰に存在している状態をいう。理論空燃比の値は、予め空燃比取得部551に保持されていてもよい。
演算部503に空燃比取得部551を設けるともに制御部303を前述のごとく構成することにより、排気ガスが理論空燃比よりもリーンな状態、つまり、酸素濃度が十分に高い状態で水素を供給することができる。そのため、排ガス浄化触媒62内における酸素の不足を回避し、水素と酸素とを確実に反応させることができる。その結果、供給量推定部53によって推定された水素の供給量Sと、排気通路61内に実際に供給された水素の量との差をより小さくすることができる。
水素上限算出部552は、空燃比取得部551から得られた上流空燃比に基づいて、排ガス浄化触媒62を通過した後の排気ガスの空燃比である下流空燃比を理論空燃比とするために必要な水素上限量を算出することができるように構成されている。また、本形態の制御部303は、指示値Iを水素上限量よりも少ない値に設定するように構成されている。
このように、演算部503に水素上限算出部552を設けるともに制御部303を前述のごとく構成することにより、排気ガスが排ガス浄化触媒62内に進入してから排出されるまでの間、排気ガスをリーンな状態に保つことができる。これにより、排ガス浄化触媒62内に水素と反応させるための酸素を確保し、排ガス浄化触媒62内において水素と酸素とを確実に反応させることができる。その結果、供給量推定部53によって推定された水素の供給量Sと、排気通路61内に実際に供給された水素の量との差をより小さくすることができる
上流温度取得部553は、排ガス浄化触媒62の上流における排気ガスの温度である上流ガス温度TUを取得することができるように構成されている。また、ガス流量取得部554は、排ガス浄化触媒62の上流における排気ガスの流量を取得することができるように構成されている。そして、本形態の供給量推定部53は、水素供給部2から水素が供給されている間の上流ガス温度TUの変動幅または排気ガスの流量の変動幅が所定の範囲を超えた場合に、供給量推定部53による推定結果を棄却することができるように構成されている。
上流温度取得部553における上流ガス温度TUの取得方法としては、種々の態様を採用することができる。例えば、本形態の上流温度取得部553は、上流温度センサ41に接続されており、上流温度センサ41から上流ガス温度TUを取得することができるように構成されている。なお、上流温度取得部553は、例えば、内燃機関6からアクセル開度やエンジン回転数等の内燃機関6の運転状態に関する情報を取得し、これらの情報に基づいて上流ガス温度TUを推定することができるように構成されていてもよい。この場合、内燃機関6の運転状態と上流ガス温度TUとの対応関係は、予め上流温度取得部553内に保持されていてもよい。
ガス流量取得部554における排気ガスの流量の取得方法としては、種々の態様を採用することができる。例えば、本形態のガス流量取得部554には、内燃機関6の運転状態と排気ガスの流量との対応関係が保持されている。ガス流量取得部554は、内燃機関6からアクセル開度やエンジン回転数等の内燃機関6の運転状態に関する情報を取得し、これらの情報と前述した対応関係とに基づいて排気ガスの流量を推定することができるように構成されている。なお、排ガス浄化触媒62の上流に流量計を設ける場合、ガス流量取得部554は、この流量計から排気ガスの流量を取得することもできる。
前述した上流ガス温度TUの変動幅及び排気ガスの流量の変動幅に関する所定の範囲は、予め供給量推定部53に保持されていてもよい。
演算部503に上流温度取得部553及びガス流量取得部554を設けるとともに供給量推定部53を前述のごとく構成することにより、排気ガスの成分や温度等の変動が大きい状態で推定された水素の供給量Sを棄却することができる。これにより、排気ガスの成分や温度等の変動が小さい状態で推定された水素の供給量Sを採用することができる。その結果、供給量推定部53によって推定された水素の供給量Sと、排気通路61内に実際に供給された水素の量との差をより小さくすることができる。
触媒温度推定部555は、下流ガス温度TLに基づいて排ガス浄化触媒62の温度を推定することができるように構成されている。また、本形態の制御部303は、触媒温度推定部555によって推定された排ガス浄化触媒62の温度が排ガス浄化触媒62内における水素と酸素との反応温度以上である場合に、排気通路61内へ水素を供給するように構成されている。
触媒温度推定部555における排ガス浄化触媒62の温度の推定方法としては、種々の態様を採用することができる。例えば、本形態の触媒温度推定部555には、排ガス浄化触媒62の温度と下流ガス温度TLとの対応関係が保持されている。触媒温度推定部555は、前述の対応関係に基づき、下流温度取得部52から得られたガス温度TLに対応する排ガス浄化触媒62の温度を推定結果として出力することができるように構成されている。
演算部503に触媒温度推定部555を設けるとともに制御部303を前述のごとく構成することにより、排ガス浄化触媒62の温度が十分に高く、触媒の活性が高い状態で水素の供給量Sを推定することができる。これにより、排ガス浄化触媒62内において水素と酸素とを確実に反応させることができる。その結果、供給量推定部53によって推定された水素の供給量Sと、排気通路61内に実際に供給された水素の量との差をより小さくすることができる。
所要量算出部556は、下流温度センサ4の精度に基づいて、排ガス浄化触媒62の温度の上昇量を下流温度センサ4の精度の10倍とするために必要な水素の量である水素所要量を算出することができるように構成されている。また、本形態の制御部303は、指示値Iを所要量算出部556によって推定された水素所要量以上の値に設定するように構成されている。
所要量算出部556における水素所要量の算出方法としては、種々の態様を採用することができる。例えば、本形態の所要量算出部556には、排ガス浄化触媒62内に供給される水素の量と排ガス浄化触媒62の温度の上昇量との対応関係と、下流温度センサ4の精度とが保持されている。所要量算出部556は、前述した対応関係に基づき、下流温度センサ4の精度の10倍となる温度の上昇量に対応する水素の量を出力するように構成されている。なお、下流温度センサ4の精度としては、使用する下流温度センサ4の種類に応じて外部から入力した値を使用することもできる。
演算部503に所要量算出部556を設けるとともに制御部303を前述のごとく構成することにより、水素の供給量Sを推定する動作において、排ガス浄化触媒62内に十分な量の水素を供給し、下流温度センサ4によって触媒の温度の上昇を確実に検出することができる。その結果、供給量推定部53によって推定された水素の供給量Sと、排気通路61内に実際に供給された水素の量との差をより小さくすることができる。
本形態の水素供給装置103は、例えば、図9に示す方法により排気通路61内に供給された水素の供給量Sを推定することができる。以下に説明する方法には、水素と排気ガス中の酸素とを反応させることができるか否かを判断する動作と、指示値Iを設定する動作と、排気通路61内に供給された水素の供給量Sを推定する動作とが含まれている。
本形態において、水素と排気ガス中の酸素とを反応させることができるか否かを判断する動作には、上流空燃比が理論空燃比よりもリーンであるか否かを判断するステップS301~S302と、排ガス浄化触媒62が活性な状態にあるか否かを判断するステップS303~S305とが含まれている。本形態では、ステップS301~S302を実施し、次いでステップS303~S305を実施する例を説明する。なお、ステップS301~S302とステップS303~S305とは、順序を入れ替えて実施してもよいし、並列に実行してもよい。また、ステップS301~S302またはステップS303~S305のいずれか一方を省略することも可能である。
上流空燃比が理論空燃比よりもリーンであるか否かを判断するに当たっては、まず、空燃比取得部551が上流空燃比を取得する(ステップS301)。次いで、空燃比取得部551が上流空燃比と理論空燃比とを比較する。(ステップS302)。上流空燃比が理論空燃比と等しいか、または理論空燃比よりもリッチである場合には、水素の供給量Sを推定する動作において排気ガス中の酸素が不足する可能性がある。そのため、この場合には、演算部503は以降のステップの実行を中止する(ステップS302、「No」)。上流空燃比が理論空燃比よりもリーンな場合、演算部503は、次のステップS303を実行する(ステップS302、「Yes」)。
排ガス浄化触媒62が活性な状態にあるか否かを判断するに当たっては、まず、下流温度取得部52が下流ガス温度TL0を取得する(ステップS303)。次いで、触媒温度推定部555が下流ガス温度TL0に基づいて排ガス浄化触媒62の温度を推定する(ステップS304)。その後、触媒温度推定部555は、排ガス浄化触媒62の推定温度と排ガス浄化触媒62内における水素と酸素との反応温度とを比較する(ステップS305)。
排ガス浄化触媒62の推定温度が排ガス浄化触媒62内における水素と酸素との反応温度以上である場合(ステップS305、「Yes」)、演算部503は、排ガス浄化触媒62が活性な状態にあると判断する。一方、排ガス浄化触媒62の推定温度が排ガス浄化触媒62内における水素と酸素との反応温度未満である場合(ステップS305、「No」)には、水素の供給量Sを推定する動作において水素と酸素とが反応せず、供給量Sを推定することができなくなる可能性がある。そのため、この場合には、演算部503は以降のステップの実行を中止する。
以上のステップS301~S305において、上流空燃比が理論空燃比よりもリーンであり、かつ、排ガス浄化触媒62の推定温度が排ガス浄化触媒62内における水素と酸素との反応温度以上となった場合、演算部503は、排ガス浄化触媒62内で水素と排気ガス中の酸素とを反応させることができると判断する。この場合、演算部503は、引き続き、指示値Iを設定する動作を実行する。
本形態において、指示値Iを設定する動作には、水素上限量を算出するステップS306と、水素所要量を算出するステップS307と、これらの結果に基づいて指示値Iを設定するステップS308とが含まれている。本形態では、これらのステップS306~S308をこの順に実施する例を説明する。なお、水素上限量を算出するステップS306と、水素所要量を算出するステップS307とは、順序を入れ替えてもよいし、並列に実行してもよい。また、ステップS306またはステップS307のいずれか一方を省略することも可能である。
水素上限量を算出するステップS306においては、水素上限算出部552が空燃比取得部551によって取得された上流空燃比に基づいて水素上限量、つまり、排ガス浄化触媒62を通過した後の排気ガスの空燃比である下流空燃比を理論空燃比とするために必要な水素量を算出する。
水素所要量を算出するステップS307においては、所要量算出部556が下流温度センサ4の精度に基づいて水素所要量、つまり、排ガス浄化触媒62の温度の上昇量を下流温度センサ4の精度の10倍とするために必要な水素の量を算出する。
前述したステップS306~S307によって水素上限量及び水素所要量を算出した後、制御部303は、水素上限量及び水素所要量に基づいて水素所要量以上かつ水素上限量以下となる指示値Iを設定し、水素供給部2を制御する(ステップS308)。演算部503は、制御部303が前述した指示値Iを設定した後、水素の供給量Sを推定する動作を実行する。
水素の供給量Sを推定する動作においては、まず、上流温度取得部553及びガス流量取得部554が、それぞれ上流ガス温度TU及び排気ガスの流量の取得を開始する(ステップS309)。上流温度取得部553及びガス流量取得部554は、供給量推定部53による水素の供給量Sの推定が完了するまで、上流ガス温度TU及び排気ガスの流量の取得を継続する。
次いで、下流温度取得部52が下流ガス温度TL1を取得する(ステップS310)。このとき、前述したように、既に制御部303によって水素所要量以上かつ水素上限量以下となる指示値Iが設定されている。そのため、水素供給部2が指示値Iに従って動作している場合には、水素が酸素と反応する。この反応熱により、下流ガス温度TL1が上流ガス温度TUよりも高くなる。従って、供給量推定部53は、下流ガス温度TL1と上流ガス温度TUとの差に基づいて水素の供給量Sを推定することができる(ステップS311)。
その後、供給量推定部53は、水素の供給量Sを推定するステップを開始した時点から完了した時点までの上流ガス温度TUの変動幅及び排気ガスの流量の変動幅を所定の範囲と比較する(ステップS312)。そして、供給量推定部53は、上流ガス温度TUの変動幅及び排気ガスの流量の変動幅の少なくとも一方が所定の範囲を超えた場合(ステップS312、「No」)には、水素の供給量Sの推定結果を棄却する(ステップS313)。一方、供給量推定部53は、上流ガス温度TUの変動幅及び排気ガスの流量の変動幅の両方が所定の範囲内であった場合(ステップS312、「Yes」)には、前述した水素の供給量Sを採用する。その他は参考形態1と同様である。
本形態の水素供給装置103は、排気通路61内に水素を供給し、水素の供給量Sの推定を行う前に、水素と排気ガス中の酸素とを反応させることができるか否かの判断を行う動作と、指示値Iを設定する動作とを実施することができる。更に、水素の供給量Sを推定した後に、上流ガス温度TUの変動幅及び排気ガスの流量の変動幅に基づいて推定結果の採否を判断することができる。これらの結果、本形態の水素供給装置103は、水素の供給量Sをより高い確度で推定することができる。その他、本形態の水素供給装置103は、参考形態1と同様の作用効果を奏することができる。
実施形態2
本形態の水素供給装置104は、図10に示すように、改質用燃料を改質して水素を含む改質ガスを発生させる燃料改質器23と、燃料改質器23に改質用燃料を供給する燃料供給部24と、燃料改質器23に空気を供給する空気供給部25と、燃料改質器23から排気通路61内へ改質ガスを供給するインジェクタ211と、を備えた水素供給部204を有している。
燃料改質器23は、例えば、炭化水素を含む改質用燃料を改質し、水素を含む改質ガスを発生させるための改質触媒を有していてもよい。改質触媒は、例えば、水蒸気改質反応によって燃料を改質し、水素と一酸化炭素とを含む改質ガスを発生させることができる。
燃料供給部24は、内燃機関6に供給する燃料を改質用燃料としても使用することができるように構成されていてもよいし、内燃機関6に燃料を供給するタンク63とは独立した改質用燃料タンクを備えており、改質用燃料タンクから燃料改質器23に改質用燃料を供給することができるように構成されていてもよい。
本形態の燃料供給部24は、内燃機関6に燃料を供給するタンク63と燃料改質器23との間に介在し、タンク63から燃料改質器23へ燃料を送出するポンプ241と、ポンプ241に接続され、燃料改質器23内に燃料を噴射する噴射装置(図示略)とを有している。これにより、内燃機関6に供給する燃料を改質用燃料としても使用することができるように構成されている。
空気供給部25は、燃料改質器23に空気を供給することができれば、どのような態様であってもよい。例えば、空気供給部25としては、ブロワーやエアーコンプレッサーなどを使用することができる。
本形態の制御部304は、空気供給部25に接続されている。制御部304は、排気通路61内に供給するべき水素の量の指示値Iに応じて空気供給部25から供給するべき空気の量である空気量指示値を設定し、空気量指示値に基づいて空気供給部25を制御することができるように構成されている。また、制御部304は、燃料供給部24におけるポンプ241に接続されている。制御部304は、指示値Iに応じて燃料供給部24から供給するべき燃料の量である燃料指示値を設定し、燃料指示値に基づいて燃料供給部24を制御することがすることができるように構成されている。更に、本形態の制御部304は、燃料改質器23及びインジェクタ211に接続されており、指示値Iに応じてこれらの動作を個別に制御することができるように構成されている。
図11に示すように、本形態の演算部504は、更に、空気量指示値と空気供給部25から実際に供給される空気量との差を補正する空気量補正部561と、燃料指示値と燃料供給部24から実際に供給される燃料の量との差を補正する燃料補正部562と、を有している。
空気量補正部561には、例えば、空気供給部25から燃料改質器23に供給される空気の量と、燃料改質器23に空気が供給された際の、燃料改質器23の冷却速度との対応関係が保持されている。空気量補正部561は、制御部304において任意の空気量指示値を設定し、高温の燃料改質器23に空気のみを供給した場合の燃料改質器23の冷却速度に基づいて、空気供給部25から実際に燃料改質器23に供給された空気の量を推定することができる。そして、このときの空気量指示値と燃料改質器23に供給された空気の量の差に基づいて、空気量指示値が燃料改質器23に供給される空気の量に近づくように補正を行うことができる。
燃料補正部562には、例えば、燃料供給部24から燃料改質器23に供給される燃料の量と、燃料を完全に改質した場合の燃料改質器23の昇温量との対応関係が保持されている。燃料補正部562は、制御部304において任意の燃料指示値を設定し、燃料改質器23において燃料を完全に改質した場合の燃料改質器23の昇温量に基づいて、燃料供給部24から実際に燃料改質器23に供給された燃料の量を推定することができる。そして、このときの燃料指示値と燃料改質器23に供給された燃料の量の差に基づいて、燃料指示値が燃料改質器23に供給される燃料の量に近づくように補正を行うことができる。
このように、空気量及び燃料量の補正を行うことにより、指示値Iと、排気通路61内に実際に供給される水素の量との差をより小さくすることができる。空気量補正部561による空気量指示値の補正及び燃料補正部562による燃料指示値の補正は、任意のタイミングで行うことができる。供給量推定部53における水素の供給量Sの推定の確度をより高める観点からは、水素の供給量Sの推定を行う前に、空気量補正部561による空気量指示値の補正及び燃料補正部562による燃料指示値の補正を実施することが好ましい。
また、本形態の制御部304は、触媒温度推定部555によって推定された排ガス浄化触媒62の温度が排ガス浄化触媒62内における水素と酸素との反応温度以上かつ改質用燃料と酸素との反応温度未満である場合に、排気通路61内へ水素を供給するように構成されている。
燃料改質器23から水素を含む改質ガスを発生させる場合、改質ガス中に、燃料改質器23において改質されなかった改質用燃料が含まれることがある。この改質用燃料は、排ガス浄化触媒62内において酸素と反応し、反応熱を発生させる。そのため、改質ガス中に含まれる改質用燃料の量が多くなると、改質用燃料と酸素との反応熱によって、水素の供給量Sの推定結果と排気通路61内に実際に供給された水素の量との差が大きくなりやすい。
これに対し、本形態の制御部304は、前述したように、排ガス浄化触媒62の温度が排ガス浄化触媒62内における改質用燃料と酸素との反応温度未満である場合に、排気通路61内へ水素を供給するように構成されている。そのため、水素の供給量Sを推定する動作において、改質用燃料と酸素との反応による下流ガス温度TLの上昇を回避することができる。その結果、供給量推定部53によって推定された水素の供給量Sと、排気通路61内に実際に供給された水素の量との差をより小さくすることができる。
本形態の演算部504は、更に、下流ガス温度TLに基づいて排ガス浄化触媒62の温度を燃焼下限量、つまり、排ガス浄化触媒62内における改質用燃料と酸素との反応温度まで上昇させるために必要な水素量を算出する燃焼下限算出部563を有している。そして、制御部304は、指示値Iを燃焼下限量よりも少ない値に設定するように構成されている。
このように、演算部504に燃焼下限算出部563を設けるともに制御部304を前述のごとく構成することにより、排気ガスが排ガス浄化触媒62内に進入してから排出されるまでの間、排ガス浄化触媒62の温度を改質用燃料と酸素との反応温度よりも低い温度に保つことができる。これにより、水素の供給量Sを推定する動作において、改質用燃料と酸素との反応による下流ガス温度TLの上昇を回避することができる。その結果、供給量推定部53によって推定された水素の供給量Sと、排気通路61内に実際に供給された水素の量との差をより小さくすることができる。
本形態の水素供給装置104は、例えば、図12に示す方により排気通路61内に供給された水素の供給量Sを推定することができる。本形態の方法には、水素と排気ガス中の酸素とを反応させることができるか否かを判断する動作と、指示値Iを設定する動作と、排気通路61内に供給された水素の供給量Sを推定する動作とが含まれている。
水素と排気ガス中の酸素とを反応させることができるか否かを判断する動作におけるステップS301~S304は、実施形態1と同様である。即ち、まず、ステップS301及びステップS302を実施し、上流空燃比が理論空燃比よりもリーンであるか否かを判断する。上流空燃比が理論空燃比よりもリーンな場合、演算部504は、次のステップS304を実行する(ステップS302、「Yes」)。
次に、ステップS303及びステップS304を実施し、下流ガス温度TL0に基づいて排ガス浄化触媒62の温度を推定する。本形態では、ステップS304の後、触媒温度推定部555は、排ガス浄化触媒62の推定温度と排ガス浄化触媒62内における水素と酸素との反応温度との比較、及び、排ガス浄化触媒62の推定温度と排ガス浄化触媒62内における改質用燃料と酸素との反応温度との比較を行う(ステップS401)。
排ガス浄化触媒62の推定温度が排ガス浄化触媒62内における水素と酸素との反応温度以上であり、かつ、改質用燃料と酸素との反応温度未満である場合(ステップS401、「Yes」)、演算部503は、水素の供給量Sの推定が可能な状態にあると判断する。この場合、演算部503は、引き続き、指示値Iを設定する動作を実行する。
一方、排ガス浄化触媒62の推定温度が排ガス浄化触媒62内における水素と酸素との反応温度未満の場合、または、改質用燃料と酸素との反応温度以上である場合(ステップS401、「No」は、供給量推定部53によって推定される水素の供給量Sと、実際に供給される水素の量との差が大きくなるおそれがあると判断し、以降のステップの実行を中止する。
指示値Iを設定する動作におけるステップS306~S307は、実施形態1と同様である。本形態においては、これらのステップS306~S307を行った後、燃焼下限量を算出するステップS402を実施する。
燃焼下限量を算出するステップS402においては、燃焼下限算出部563が下流ガス温度TL0に基づいて燃焼下限量、つまり、排ガス浄化触媒62の温度を排ガス浄化触媒62内における改質用燃料と酸素との反応温度まで上昇させるために必要な水素量を算出する。
前述したステップS306~S307、S402によって水素上限量、水素所要量及び燃焼下限量を算出した後、制御部304は、これらの値に基づき、水素所要量以上、水素上限量以下、燃焼下限値以下、の3つの条件を満たす指示値Iを設定する(ステップS403)。演算部504は、制御部304が前述した指示値Iを設定した後、水素の供給量Sを推定する動作を実行する。
水素の供給量Sを推定する動作は、実施形態1と同様である。
その他は実施形態1と同様である。本形態の水素供給装置104は、実施形態1と同様の作用効果を奏することができる。
本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の実施形態に適用することが可能である。例えば、参考形態1~2及び実施形態1の水素供給装置1、102、103における水素供給部2を、実施形態2の水素供給部204、つまり、燃料改質器23を備えた水素供給部204に置き換えてもよい。
また、参考形態1及び実施形態1~2において、供給量推定部53によって推定された水素の供給量Sを、水素供給装置1、103、104の異常を検知するだけではなく、参考形態2のように、指示値Iの補正のために利用することもできる。この場合には、制御部3、303、304に保持された閾値TH2を異常検知部54に保持された閾値THよりも小さい値とすればよい。
実施形態2の制御部304は、更に、改質用燃料の性状に基づいて、改質ガス中に含まれる水素の量を補正することができるように構成されていてもよい。燃料改質器23から発生する改質ガスの組成は、改質用燃料の性状、つまり、改質用燃料に含まれる成分等に応じて変化することがある。そのため、制御部304において、改質用燃料の性状に基づいて改質ガス中に含まれる水素の量を補正することにより、指示値Iと排気通路61内に供給される水素の量との差をより小さくすることができる。
1、102、103、104 水素供給装置
2、204 水素供給部
21 水素供給口
3、302、303、304 制御部
4 下流温度センサ
5、502、503、504 演算部
51 指示値取得部
52 下流温度取得部
53 供給量推定部

Claims (12)

  1. 内燃機関(6)の排気通路(61)内に配置された排ガス浄化触媒(62)に水素を供給するための水素供給装置(103)であって、
    前記排気通路における前記排ガス浄化触媒の上流に配置された水素供給口(21)を備え、前記水素供給口から水素を供給する水素供給部()と、
    前記排気通路内へ供給する水素量の指示値(I)を設定し、前記指示値に基づいて前記水素供給部の動作を制御する制御部(303)と、
    前記排気通路における前記排ガス浄化触媒の下流に配置される下流温度センサ(4)と、
    前記制御部及び前記下流温度センサに接続された演算部(503)と、を有し、
    前記演算部は、
    前記制御部から前記指示値を取得する指示値取得部(51)と、
    前記下流温度センサから前記排ガス浄化触媒の下流における排気ガスの温度である下流ガス温度(TL、TL0、TL1)を取得する下流温度取得部(52)と、
    前記指示値と前記下流ガス温度とに基づいて前記水素供給部から前記排気通路内へ供給された水素の供給量(S)を推定する供給量推定部(53)と、
    前記排ガス浄化触媒の上流における排気ガスの温度である上流ガス温度(T U )を取得する上流温度取得部(553)と、
    前記排ガス浄化触媒の上流における排気ガスの流量を取得するガス流量取得部(554)と、を有しており、
    前記供給量推定部は、前記水素供給部から水素が供給されている間の前記上流ガス温度の変動幅または前記排気ガスの流量の変動幅が所定の範囲を超えた場合に、前記供給量推定部による推定結果を棄却する、水素供給装置。
  2. 内燃機関(6)の排気通路(61)内に配置された排ガス浄化触媒(62)に水素を供給するための水素供給装置(103)であって、
    前記排気通路における前記排ガス浄化触媒の上流に配置された水素供給口(21)を備え、前記水素供給口から水素を供給する水素供給部()と、
    前記排気通路内へ供給する水素量の指示値(I)を設定し、前記指示値に基づいて前記水素供給部の動作を制御する制御部(303)と、
    前記排気通路における前記排ガス浄化触媒の下流に配置される下流温度センサ(4)と、
    前記制御部及び前記下流温度センサに接続された演算部(503)と、
    前記排ガス浄化触媒の上流に配置され、前記演算部に接続された上流温度センサ(41)と、を有し、
    前記演算部は、
    前記制御部から前記指示値を取得する指示値取得部(51)と、
    前記下流温度センサから前記排ガス浄化触媒の下流における排気ガスの温度である下流ガス温度(TL、TL0、TL1)を取得する下流温度取得部(52)と、
    前記指示値と前記下流ガス温度とに基づいて前記水素供給部から前記排気通路内へ供給された水素の供給量(S)を推定する供給量推定部(53)と、を有しており、
    前記供給量推定部は、前記上流温度センサから取得した前記排ガス浄化触媒の上流における排気ガスの温度である上流ガス温度(T U )と、前記下流ガス温度と、に基づいて前記水素供給部から前記供給量を推定する、水素供給装置。
  3. 内燃機関(6)の排気通路(61)内に配置された排ガス浄化触媒(62)に水素を供給するための水素供給装置(104)であって、
    前記排気通路における前記排ガス浄化触媒の上流に配置された水素供給口(21)を備え、前記水素供給口から水素を供給する水素供給部(204)と、
    前記排気通路内へ供給する水素量の指示値(I)を設定し、前記指示値に基づいて前記水素供給部の動作を制御する制御部(304)と、
    前記排気通路における前記排ガス浄化触媒の下流に配置される下流温度センサ(4)と、
    前記制御部及び前記下流温度センサに接続された演算部(504)と、を有し、
    前記水素供給部(204)は、
    改質用燃料を改質して水素を含む改質ガスを発生させる燃料改質器(23)と、
    前記燃料改質器に前記改質用燃料を供給する燃料供給部(24)と、
    前記燃料改質器に空気を供給する空気供給部(25)と、を有しており、
    前記演算部は、
    前記制御部から前記指示値を取得する指示値取得部(51)と、
    前記下流温度センサから前記排ガス浄化触媒の下流における排気ガスの温度である下流ガス温度(TL、TL0、TL1)を取得する下流温度取得部(52)と、
    前記指示値と前記下流ガス温度とに基づいて前記水素供給部から前記排気通路内へ供給された水素の供給量(S)を推定する供給量推定部(53)と、
    前記下流ガス温度に基づいて前記排ガス浄化触媒の温度を前記排ガス浄化触媒内における前記改質用燃料と酸素との反応温度まで上昇させるために必要な水素量である燃焼下限量を算出する燃焼下限算出部(563)と、を有しており、
    前記制御部(304)は、前記燃焼下限量よりも少なくなるように前記指示値を設定する、水素供給装置。
  4. 内燃機関(6)の排気通路(61)内に配置された排ガス浄化触媒(62)に水素を供給するための水素供給装置(104)であって、
    前記排気通路における前記排ガス浄化触媒の上流に配置された水素供給口(21)を備え、前記水素供給口から水素を供給する水素供給部(204)と、
    前記排気通路内へ供給する水素量の指示値(I)を設定し、前記指示値に基づいて前記水素供給部の動作を制御する制御部(304)と、
    前記排気通路における前記排ガス浄化触媒の下流に配置される下流温度センサ(4)と、
    前記制御部及び前記下流温度センサに接続された演算部(504)と、を有し、
    前記水素供給部(204)は、
    改質用燃料を改質して水素を含む改質ガスを発生させる燃料改質器(23)と、
    前記燃料改質器に前記改質用燃料を供給する燃料供給部(24)と、
    前記燃料改質器に空気を供給する空気供給部(25)と、を有しており、
    前記制御部(304)は、前記空気供給部から供給するべき空気の量である空気量指示値と、前記燃料供給部から供給するべき燃料の量である燃料指示値と、を設定することができるように構成されており、
    前記演算部は、
    前記制御部から前記指示値を取得する指示値取得部(51)と、
    前記下流温度センサから前記排ガス浄化触媒の下流における排気ガスの温度である下流ガス温度(TL、TL0、TL1)を取得する下流温度取得部(52)と、
    前記指示値と前記下流ガス温度とに基づいて前記水素供給部から前記排気通路内へ供給された水素の供給量(S)を推定する供給量推定部(53)と、
    前記空気量指示値と前記空気供給部から実際に供給される空気量との差を補正する空気量補正部(561)と、
    前記燃料指示値と前記燃料供給部から実際に供給される燃料の量との差を補正する燃料補正部(562)と、を有している、水素供給装置。
  5. 前記演算部(504)は、更に、前記下流ガス温度に基づいて前記排ガス浄化触媒の温度を推定する触媒温度推定部(555)を有しており、前記制御部(304)は、前記触媒温度推定部によって推定された前記排ガス浄化触媒の温度が前記排ガス浄化触媒内における水素と酸素との反応温度以上である場合に、前記排気通路内へ水素を供給するように前記指示値を設定する、請求項3または4に記載の水素供給装置。
  6. 前記制御部(304)は、前記触媒温度推定部によって推定された前記排ガス浄化触媒の温度が前記排ガス浄化触媒内における水素と酸素との反応温度以上かつ前記改質用燃料と酸素との反応温度未満である場合に、前記排気通路内へ水素を供給するように前記指示値を設定する、請求項5に記載の水素供給装置。
  7. 前記演算部(503、504)は、更に、前記排ガス浄化触媒の上流における排気ガスの空燃比である上流空燃比を取得する空燃比取得部(551)を有しており、前記制御部(303、304)は、前記上流空燃比が理論空燃比よりもリーンな場合に、前記水素供給部から前記排気通路内へ水素を供給するように前記指示値を設定する、請求項1~6のいずれか1項に記載の水素供給装置(103、104)。
  8. 前記演算部は、更に、前記上流空燃比に基づいて、前記排ガス浄化触媒を通過した後の排気ガスの空燃比を理論空燃比とするために必要な水素量である水素上限量を算出する水素上限算出部(552)を有しており、前記制御部は、前記指示値を前記水素上限量よりも少ない量に設定する、請求項7に記載の水素供給装置。
  9. 前記演算部は、更に、前記下流温度センサの精度に基づいて、前記排ガス浄化触媒の温度の上昇量を前記下流温度センサの精度の10倍とするために必要な水素の量である水素所要量を算出する所要量算出部(556)を有しており、前記制御部は、前記水素所要量以上となるように前記指示値を設定する、請求項1~8のいずれか1項に記載の水素供給装置。
  10. 前記演算部(503、504)は、更に、前記供給量と前記指示値との差(S-I)が所定の閾値(TH)を超えた場合に前記水素供給部の動作に異常があると判断する異常検知部(54)を有している、請求項1~9のいずれか1項に記載の水素供給装置(103、104)。
  11. 前記制御部は、前記供給量と前記指示値との差に基づいて、前記指示値を補正するための補正値を設定する、請求項1~10のいずれか1項に記載の水素供給装置。
  12. 前記演算部(503)は、更に、前記下流ガス温度に基づいて前記排ガス浄化触媒の温度を推定する触媒温度推定部(555)を有しており、前記制御部は、前記触媒温度推定部によって推定された前記排ガス浄化触媒の温度が前記排ガス浄化触媒内における水素と酸素との反応温度以上である場合に、前記排気通路内へ水素を供給するように前記指示値を設定する、請求項1~11のいずれか1項に記載の水素供給装置(103)。
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