以下、図面を参照して、本発明の結束機の実施の形態としての鉄筋結束機の一例について説明する。
<第1の実施の形態の鉄筋結束機の構成例>
図1は、第1の実施の形態の鉄筋結束機の全体構成の一例を示す一の側面から見た構成図、図2は、第1の実施の形態の鉄筋結束機の内部構成の一例を示す一の側面から見た構成図、図3は、第1の実施の形態の鉄筋結束機の内部構成の一例を示す他の側面から見た構成図である。また、図4は、第1の実施の形態の鉄筋結束機の全体構成の一例を示す斜視図、図5は、第1の実施の形態の鉄筋結束機の内部構成の一例を示す正面図である。
第1の実施の形態の鉄筋結束機1Aは、第1の方向である一の方向に延伸する形状を有した結束機本体10と、結束機本体10に設けられ、第2の方向である他の方向に延伸する形状を有したハンドル部11を備える。ここで、図1に矢印A1で示す方向が第1の方向、すなわち一の方向であり、結束機本体10の延伸方向である。また、矢印A2で示す方向が第2の方向、すなわち他の方向であり、ハンドル部11の延伸方向である。
ハンドル部11には、結束機本体10の延伸方向A1に沿った一方の側(結束機本体10の先端側)に操作部の一例である操作トリガ12が設けられている。また、鉄筋結束機1Aは、結束機本体10の延伸方向A1に沿った結束機本体10の一方の側に、ワイヤWを誘導するガイド部13を備える。具体的には、ガイド部13は、ワイヤWを鉄筋Sの周囲に沿ってカールさせる。
鉄筋結束機1Aは、ハンドル部11を把持した作業者が、ガイド部13を鉄筋Sの結束が可能な位置に合わせ、操作トリガ12を操作することによって、ワイヤWにより鉄筋Sを結束できるようになっている。なお、ガイド部13において、ワイヤWにより鉄筋Sを結束可能な位置を作用位置P1と称す。
ハンドル部11は、結束機本体10の延伸方向A1に沿った中央より他方の端部側(後端側)に設けられ、かつ、他方の端部から離れた位置で、結束機本体10の1箇所のみから他の方向に延伸する。そして、鉄筋結束機1Aでは、結束機本体10の延伸方向A1に沿った操作トリガ12の位置P2からガイド部13の作用位置P1までの長さL1を、操作トリガ12の位置P2から結束機本体10の他方の端部位置P3までの長さL2より長くした。具体的には、長さL1は長さL2の1.5倍以上に設定されるが、好ましくは長さL1を長さL2の2倍以上にするのが良い。また、ハンドル部11が延伸する部位(結束機本体10に対するハンドル部11の付根部分であって、延伸方向A1に沿った結束機本体10の他方の側)Phから、延伸方向A1に沿った他方の端部位置P3における延伸方向A1と直交する仮想線(図1における端部位置P3を通る接線の線分)までの長さLeが、延伸方向A1に沿ったハンドル部の幅Lhの1/2倍以上、好ましくは1倍以上で構成される。これにより、作業者がハンドル部11を把持したときの親指と人差し指との間の手の甲の部分が、長さLeの部位に相当する結束機本体10の端部下側の当接用側面部10Hに当接することになる。すなわち、結束機本体10は、延伸方向A1に沿った他方の端部が、ハンドル部11が延伸する部位Phから延伸方向A1に沿って突出する形状である。
図6は、従来の鉄筋結束機を一の側面から見た構成図である。従来の鉄筋結束機100は、操作トリガ12の位置P2からガイド部13の作用位置P1までの長さL1が、操作トリガ12の位置P2から結束機本体10の他方の端部位置P3までの長さL2と同等あるいは短い。
このため、例えば格子状に配置された鉄筋が2層になっている場合であって、奥側の鉄筋を結束したいと思っても、手前側の鉄筋が邪魔になってガイド部13が奥側の鉄筋にまで届かず、鉄筋を結束することができなかった。
これに対し、第1の実施の形態の鉄筋結束機1Aは、従来の鉄筋結束機100と比較して、操作トリガ12の位置P2からガイド部13の作用位置P1までの長さL1が長いので、手前に鉄筋があっても、奥側の鉄筋にまでガイド部が届き、鉄筋を結束することができるようになる。なお、長さL1は作業環境に応じて求められる長さが異なるので、適宜長さを設定しておけばよい。
また、上述したように、ハンドル部11は、結束機本体10の延伸方向A1に沿った中央より他方の端部側に設けられ、かつ、他方の端部から離れた位置で、結束機本体10の1箇所から他の方向に延伸する。これにより、操作トリガ12からガイド部13までの長さL1を延ばしても、ハンドル部11が延伸する部位Phから、結束機本体10の他方の端部位置P3までの部位に例えば捩りモータ51等の重量物を配置させることで、結束機本体10の延伸方向A1に沿った一方の端部側と他方の端部側の重量バランスを適正に保つことができ、操作性を損なうことがない。
また、長さLeを幅Lhの1/2倍以上、好ましくは1倍以上とすることで、作業者がハンドル部11を把持したときの親指と人差し指との間の手の甲の部分が当接用側面部10Hに当接し、ハンドル部11を把持するのと同時に当接用側面部10Hの部位によって結束機本体10をさらに保持できることできる。
次に、第1の実施の形態の鉄筋結束機1Aの詳細について、図1~図5を参照して説明する。鉄筋結束機1Aは、1本または複数本のワイヤWが巻かれたワイヤリール20を回転可能に収容する収容部2と、ワイヤリール20に巻かれたワイヤWを送るワイヤ送り部3を備える。また、鉄筋結束機1Aは、ガイド部13で鉄筋Sに巻かれたワイヤWを捩る結束部5を備える。
収容部2は、結束機本体10の延伸方向A1に沿った他方の端部側に、重量物となるワイヤリール20の一部または全部が入る形状の凹部を設けて構成され、ワイヤリール20を回転可能に支持する図示しない軸部を備える。収容部2は、延伸方向A2に沿ったハンドル部11の軸線A3に対し、ワイヤリール20の一部または全部が、結束機本体10の延伸方向A1に沿った他方の端部側に突出する位置で、ワイヤリール20を支持する。鉄筋結束機1Aは、図示しないが、ワイヤリール20を制動する制動部を備える。
ワイヤ送り部3は、一対の送り部材として送りギア30を備える。送りギア30は、円板状の部材の外周面に、円周方向に沿ってワイヤWが入る溝部31が形成されるとともに、溝部31が形成された部位を除いて、外周面に図示しない歯部が形成された略平歯車状の歯車である。
ワイヤ送り部3は、一対の送りギア30がワイヤWの送り経路を挟んで配置され、外周面同士が対向するように構成される。また、一対の送りギア30は、図示しないバネ等の付勢手段により、相対的に近づく方向に付勢される。これにより、ワイヤ送り部3は、一対の送りギア30の歯部がかみ合い、一方の送りギア30から他方の送りギア30に駆動力が伝達される。
ワイヤ送り部3は、送りギア30を駆動する送りモータ32を備える。送りモータ32は、ギア32a、ギア34を介して一方の送りギア30に接続される。送りモータ32が回転すると、送りモータ32の駆動力はギア32a、ギア34を介して一方の送りギア30に伝達される。一方の送りギア30が回転すると、一方の送りギア30に噛み合う他方の送りギア30も回転する。
ワイヤ送り部3は、ハンドル部11の軸線A3に対し、結束機本体10の延伸方向A1に沿った一方の側で、収容部2とガイド部13の間に設けられる。また、送りモータ32は、ハンドル部11の軸線A3の近傍に設けられる。
ワイヤ送り部3は、ワイヤWが一対の送りギア30の溝部31に入り、一対の送りギア30の間に挟持された状態で、送りモータ32で送りギア30を回転させることによりワイヤWを送る。ワイヤ送り部3は、ワイヤWをガイド部13に送る。
ガイド部13は、ワイヤ送り部3で送られるワイヤWの進行方向を規制して、ワイヤWを鉄筋の周囲に沿ってカールさせる。ガイド部13は、ワイヤをカール状に癖付けする(巻き癖を付ける)第1のガイド13aと、第1のガイド13aに対向して設けられ、第1のガイド13aで癖付けられたワイヤWを受け、結束部5の後述する捩りフック(捩り部)55で係止可能な位置に誘導する第2のガイド13bを備える。鉄筋結束機1Aは、図示しないが、ワイヤWを切断する切断部をガイド部13に備える。
結束部5は、捩りモータ51と、ギア52と、螺軸部53と、伝達部の一例である進退筒部54と、捩り部の一例である捩り用フック55を備える。捩りモータ51はモータの一例で、ハンドル部11の軸線A3に対し、結束機本体10の延伸方向A1に沿った他方の端部側に設けられ、本例では、収容部2に並列して設けられる。
螺軸部53は、結束機本体10に対して回転可能に支持され、ギア52を介して伝達された捩りモータ51の駆動力によって回転する。螺軸部53は、外周面にねじが形成され、進退筒部54は、内周面にねじが形成されることで、螺軸部53の外周面のねじが進退筒部54の内周面のねじに螺合している。
結束部5は、進退筒部54の回転が規制された状態で、捩りモータ51の回転により螺軸部53が回転することで、進退筒部54が前後に移動するように構成される。また、螺軸部53と進退筒部54が一体的に回転するように結合することで、捩りモータ51の回転による螺軸部53の回転により、進退筒部54が回転するように構成される。
捩り用フック55は、進退筒部54の先端に取り付けられた一対の爪状部材である。捩り用フック55は、公知の構造により進退筒部54の進退動作に合わせて開閉するように構成される。
鉄筋結束機1Aは、進退筒部54を収容し、結束機本体10とガイド部13との間に設けられる長尺状の接続部15Aを備える。接続部15Aは、結束機本体10の延伸方向A1に沿った一方の端部Pfとガイド部13との間に設けられ、延伸方向A1に沿って延伸する。接続部15Aは、本例では断面視矩形状に形成されるが、これに限定されない。接続部15Aは、結束機本体10の延伸方向A1に沿った長さLgが、結束対象物である鉄筋Sに対して結束機本体10側(手前側)に配置される別の鉄筋S1等の導入障害物から、鉄筋Sまでの長さLdより長く、少なくとも延伸方向A2における接続部15Aの幅がガイド部13の外側の幅と略同じか小さい幅になっている。このようにすることで、ガイド部13を鉄筋S1を越えて鉄筋Sへ導入することができるようになる。
ガイド部13は、接続部15Aの一の方向の端部、すなわち、接続部15Aの先端側に設けられ、結束部5の捩り用フック55は、接続部15Aの一の方向の端部、すなわち、接続部15Aの先端側内部に設けられる。結束部5は、捩り用フック55を動作させるため、進退筒部54が接続部15Aの内部で結束機本体10の延伸方向A1に沿って延伸する。
接続部15Aは、例えば金属材料で構成されるが、外装部150を金属材料で構成し、後述する誘導経路17等の構成物を支持する内部の部位を樹脂材料で構成しても良い。接続部15Aは、外装部150の少なくとも一の側面、本例では、ハンドル部11を鉛直方向下向きとした場合において下側を向く側面に、平坦状の支持部16Aを備える。この部位に支持部16Aを設けることによって、鉄筋Sを結束する際、結束機本体10及び接続部15Aを手前側の鉄筋S1で支持することができる。なお、接続部15Aが例えば断面視楕円形状である場合、ハンドル部11を鉛直方向下向きとした場合において下側を向く曲面部分を支持部16Aとしても良い(下側の曲面部分を平坦状に加工してもよい)。本例では、接続部15Aを結束機本体10とは独立した部材で構成しているが、接続部15Aを結束機本体10と一体に構成しても良い。
接続部15Aには、ワイヤ送り部3で送られるワイヤWをガイド部13に誘導する誘導経路(案内部)17が収容される。また、接続部15Aには、図示しない切断部の刃部に駆動力を伝達する駆動力伝達部材18が、結束機本体10の延伸方向A1に沿って移動可能に通される。すなわち、接続部15Aにおける誘導経路17、駆動力伝達部材18及び進退筒部54は、接続部15Aの延伸にともなって延伸方向A1に沿った一の方向にそれぞれ延設した形態となっている。
<第1の実施の形態の鉄筋結束機の作用効果例>
次に、ワイヤWで鉄筋Sを結束する動作について説明する。ガイド部13の作用位置P1が鉄筋Sに合わせられ、操作トリガ12が操作されることで、送りモータ32が作動してワイヤWがワイヤ送り部3で所定量だけ送られる。ワイヤ送り部3で送られたワイヤWは誘導経路17を通って第1のガイド13aに導かれ、ガイド部13によって鉄筋Sの周囲に巻かれる。ワイヤWの送り量によって、鉄筋Sの周囲にワイヤWを巻く回数が設定される。
その後、捩りモータ51が正転し、捩りモータ51の回転がギア52を介して螺軸部53に伝達される。このとき螺軸部53が回転するが、進退筒部54は回転が規制されるため、螺合したねじの作用によって進退筒部54は前方に送られる。進退筒部54が前方に送られることで、捩り用フック55はワイヤWに接触する位置まで前進する。捩り用フック55は進退筒部54の前進に連動して閉じる方向に作動し、鉄筋Sの周囲に巻かれたワイヤWの一部を把持する。
進退筒部54は、前進した所定の位置で回転の規制が解除され、螺軸部53とともに回転する。ワイヤWを把持した捩り用フック55が回転することでワイヤWが捩じられる。なお、進退筒部54が前進する途中で、図示しない切断部の刃部が作動してワイヤWを切断する。
捩り動作が終了すると、捩りモータ51が逆転し、螺軸部53は逆方向に回転する。これにより、進退筒部54及び捩り用フック55も後方に移動するとともに、捩り用フック55が開いてワイヤWを離す。進退筒部54及び捩り用フック55が待機位置に移動するまで捩りモータ51は逆転する。進退筒部54及び捩り用フック55が待機位置まで移動すると、捩りモータ51が停止して一連の動作が完了する。
次に、接続部15Aの作用効果について説明する。鉄筋結束機1Aでは、接続部15Aを備えることで、結束機本体10の延伸方向A1に沿った操作トリガ12の位置P2からガイド部13の作用位置P1までの長さL1を、操作トリガ12の位置P2から結束機本体10の他方の端部位置P3までの長さL2より長くした。
より具体的には、図2に示すように、接続部15Aの進退筒部54の延伸方向A4に沿った長さ、すなわち、接続部15Aの長手方向の長さ(接続部15Aの全長)L10を、進退筒部54の延伸方向A4に沿った結束機本体10の延伸方向A1の長さ(結束機本体10の全長)L11の1/3以上に設定した。
鉄筋結束機1Aでは、結束機本体10に、ワイヤ送り部3を構成する送りギア30とギア32a、34及び送りギア30を駆動する送りモータ32を収納する。また、結束機本体10は、捩りモータ51、ギア52、螺軸部53のそれぞれ全体及び進退筒部54の一部を収納する。
進退筒部54は、螺軸部53とつながり、螺軸部53の軸方向に延伸する。結束機本体10の延伸方向A1は、進退筒部54の延伸方向A4とほぼ平行な方向である。図3に示すように、収容部2は、結束機本体10の他方の端部側に設けられるが、収容部2で支持されたワイヤリール20は、その径方向において結束機本体10から外側に突出しないように配置される。したがって、結束機本体10の寸法は、ワイヤリール20を上記の如く配置でき、かつ上述した各部品を結束機本体10内に適切に納められる大きさに設定される。例えば、結束機本体10の全長L11は、収容部2の位置や収納される各部品との関係で多少の変動はあるものの、15cm~30cm程度に設定される(結束機本体10の全高及び全幅について後述する)。本例では、結束機本体10の全長L11は約20cmである。そして、接続部15Aの全長L10は、結束機本体10の全長L11の1/3以上に設定されることから、結束機本体10の全長L11が15cm~30cmの場合、5cm~10cm以上となる。
また、接続部15Aは、図2に示すように、第1のガイド13aと第2のガイド13bが対向する方向に沿った長さ、すなわち、接続部の短手方向の長さ(接続部15Aの全高)L20が、結束機本体10の同方向における長さ(結束機本体10の全高)L21以下に設定される。
具体的には、結束機本体10の全高L21は、8cm~13cm程度になり、本例では約10cmである。そして、接続部15Aの全高L20は、結束機本体10の全高L21以下に設定されることから、結束機本体10の全高L21が8cm~13cmの場合、8cm~13cm以下となる。
更に、接続部15Aは、長手方向に直交し、かつ短手方向に直交する方向に沿った長さ(接続部15Aの全幅)L30が、結束機本体10の同方向における長さ(結束機本体10の(最大)全幅)L31の1/2以下に設定される。
鉄筋結束機1Aでは、結束機本体10において、ワイヤ送り部3が設けられている部位近傍が、最も幅が広く、結束機本体10の全幅L31は、8cm~14cm程度となる。本例では、結束機本体10の全幅は約15cmである。そして、接続部15Aの全幅L30は、結束機本体10の全幅L31の1/2以下に設定されることから、結束機本体10の全幅L31が8cm~14cmの場合、4cm~7cm以下となる。
さて、結束対象となる鉄筋Sと別の鉄筋S1が2層となっている場合、鉄筋S1から鉄筋Sまでの長さLdは、10cm~30cm程度あるいはそれ以上である。また、格子状となる鉄筋S1が並列する間隔は、15cm~25cm程度である。但し、格子状となる鉄筋S1の配置は、正方形に限らず、長方形の場合もあり、長辺が15cm程度、短辺が7cm程度の場合もある。
そこで、接続部15Aは、全高より全幅が短い断面視矩形状とし、全長、全高及び全幅を、結束機本体10に対して上述した割合とした。なお、接続部15Aは、全高より全幅が短い、言い換えれば、全幅より全高が長い断面視楕円形状であっても良い。
これにより、結束対象となる鉄筋Sと結束機本体10との間に別の鉄筋S1が格子状に配置されている場合で、結束機本体10を鉄筋S1による格子の間に入れることができない場合でも、接続部15Aを鉄筋S1による格子の間を越えて挿入させてガイド部13の作用位置P1を鉄筋Sに合わせる位置まで、ガイド部13を入れることができる。
図7(a)、図7(b)は、第1の実施の形態の鉄筋結束機の作用効果例を示す説明図である。図7(a)に示すように、鉄筋S1が並列して配置される場合で、隣り合う鉄筋S1の間隔L100が、結束機本体10の全幅L31より小さい場合、結束機本体10を並列した鉄筋S1の間に入れることができない。これに対し、接続部15Aの全幅L30が、鉄筋S1が並列する間隔L100より小さければ、接続部15Aを並列した鉄筋S1の間に入れることができる。また、進退筒部54の軸周りに接続部15Aを回転させることもできる。
更に、図7(b)に示すように、鉄筋S1が格子状に配置される場合で、格子の長辺側の間隔L101が、結束機本体10の全高L21より小さく、格子の短辺側の間隔L100が、結束機本体10の全幅L31より小さい場合、結束機本体10を格子状の鉄筋S1の間に入れることができない。これに対し、接続部15Aの全高L20が、格子の長辺側の間隔L101より小さく、接続部15Aの全幅L30が、格子の短辺側の間隔L100より小さければ、接続部15Aを格子状の鉄筋S1の間に入れることができる。また、進退筒部54の軸周りに接続部15Aを回転させることもできる。
これにより、結束対象となる鉄筋Sと結束機本体10との間に、図7(a)に示すように、別の鉄筋S1が並列に配置されている場合で、結束機本体10を並列した鉄筋S1の間に入れることができない場合でも、接続部15Aを並列した鉄筋S1の間を越えて挿入させてガイド部13の作用位置P1を鉄筋Sに合わせる位置まで、ガイド部13を入れることができる。また、図7(b)に示すように、別の鉄筋S1が格子状に配置されている場合で、結束機本体10を鉄筋S1による格子の間に入れることができない場合でも、接続部15Aを鉄筋S1による格子の間を越えて挿入させてガイド部13の作用位置P1を鉄筋Sに合わせる位置まで、ガイド部13を入れることができる。
鉄筋結束機1Aでは、捩りモータ51や螺軸部53等の駆動機構の配置を変更することなく、誘導経路17、駆動力伝達部材18、そして進退筒部54のそれぞれの形状の長さを延設したものであり、接続される駆動機構の設計変更等も必要としない。つまり、図2に示すようなハンドル部11の軸線A3の周囲に配置した重量物となる捩りモータ51や螺軸部53等の駆動機構をそのまま利用して、誘導経路17、駆動力伝達部材18、そして進退筒部54を延設するだけの構成で良く、既存の結束機の基本構成が利用可能である。
また、接続部15Aには、ワイヤWの誘導経路17及び切断部への駆動力伝達部材18等の限られた部材しか収容されないため(例えば、モータやワイヤリールの収容部等は収容されないため)、結束機本体10に比べてきわめて細い形状とすることができる。これにより、結束対象となる鉄筋Sの手前に配置される鉄筋S1の間隔が狭いような場合でも、ガイド部13の作用位置P1を鉄筋Sに合わせる位置まで、ガイド部13を入れることができる。
なお、鉄筋結束機1Aは、接続部15Aを備えることで、ハンドル部11よりも前方(ハンドル部11の軸線A3に対し、結束機本体10の延伸方向A1に沿った一方の端部側)の重量が増加する。
しかしながら、捩りモータ51及びワイヤリール20を、ハンドル部11の後方、すなわち、ハンドル部11の軸線A3に対し、結束機本体10の延伸方向A1に沿った他方の端部側に配置し、送りモータ32を、ハンドル部11の軸線A3の近傍に配置することで、いわゆるフロントヘビーにならずに、重量バランスを適正に保つことができる。
つまり、接続部15Aに誘導経路17、駆動力伝達部材18及び進退筒部54を備えた構成であっても、接続部15Aの重量は、重量物となる捩りモータ51やワイヤリール20等を収容した結束機本体10に比べて軽くなる。このため、ハンドル部11の前方と後方の重量バランスを適正に保つことができ、作業者がハンドル部11を把持して結束作業をするときに操作性が損なわれることはない。
次に、接続部15Aに支持部16Aの作用効果について説明する。鉄筋結束機1Aにおいて、ハンドル部11を鉛直方向下向きとし、結束機本体10の延伸方向A1を略水平状態とした向きを、正立状態と称す。図1に示すように、結束対象となる鉄筋Sと結束機本体10との間に別の鉄筋S1があり、鉄筋結束機1Aを正立状態とした作業では、接続部15Aの支持部16Aを鉄筋S1に載せるようにして作業を行うと、結束作業がより容易になる。
支持部16Aは、平坦状であることから、鉄筋S1に載せやすく、鉄筋Sを結束するにあたり、鉄筋S1に接続部15Aが接した状態から結束機本体10を前後に移動させたり、上下左右に回動させやすくなる。また、鉄筋結束機1Aの重量を鉄筋Sで支えながら結束作業を行うことができるので、作業者の負担が軽減される。
このような形態で鉄筋結束機1Aを使用する場合、鉄筋S1等と接する箇所の接続部15Aは、耐久性を考慮して金属材料で構成されることが好ましいが、樹脂材料で構成されてもよい。
<第2の実施の形態の鉄筋結束機の構成例>
図8は、第2の実施の形態の鉄筋結束機の全体構成を一の側面から見た構成図である。なお、第2の実施の形態の鉄筋結束機1Bにおいて、図1等で説明した第1の実施の形態の鉄筋結束機1Aと同じ構成の部位については、同じ番号を付して詳細な説明を省略する。
鉄筋結束機1Bは、ガイド部13を結束対象の鉄筋Sが設けられる位置まで導入可能とし、ガイド部13の作用位置P1を鉄筋Sに合わせられるようにした接続部15Bを備える。接続部15Bは延伸部とも称し、結束機本体10を延伸方向A1に沿った一の方向に延伸させた形状である。
ガイド部13は、接続部15Bの先端側(接続部15Bの一の方向の端部)に設けられる。なお、図8では図示しないが、図2で示す結束部5の捩り用フック55は、接続部15Bの先端側内部に設けられる。
接続部15Bは、例えば金属材料で構成されることが好ましいが、樹脂材料、あるいは、外装が金属材料、内装が樹脂材料で構成されても良い。接続部15Bは、ハンドル部11を鉛直方向下向きとした場合において下側の面と、反対側の上側の面に凹状に形成された退避部19Bを備える。退避部19Bは、接続部15Bを鉄筋S1から退避させやすくために設けられたもの、すなわち、接続部15Bを鉄筋S1の格子内で動かしやすく(上下動させたり、回転させやすく)すくために設けられたものである。なお、接続部15Bの断面形状が4角形状である場合、4側面(下側の面と上側の面と左右の側面)の全てに退避部19Bを設けても良い。
<第2の実施の形態の鉄筋結束機の作用例>
次に、退避部19Bの作用効果について説明する。図8に示すように、結束対象となる鉄筋Sと結束機本体10との間に別の鉄筋S1がある場合、接続部15Bを鉄筋S1の間に挿入した後、ガイド部13の作用位置P1を鉄筋Sに合わせるため、鉄筋結束機1Bを、延伸方向A1を軸にして回転させて向きを変える場合がある。
このような場合に、例えば、格子の開口面積がガイド部13がやっと入るくらい狭く、接続部15Bの全高や全幅がガイド部13の全高や全幅と同程度であるとすると、ガイド部13が格子を通過した後、接続部15Bが格子に当たってしまい、接続部15Bを上下動させたり、回転させることができない。その結果、ガイド部13を所望の方向に動かすことができなくなってしまう。しかし、接続部15Bに凹状の退避部19Bを設けることで、上記したような狭い開口の格子であっても、接続部15Bを上下動させたり、回転させることができため、ガイド部13を所定の向きに動かすことができるようになり、ガイド部13の作用位置P1を鉄筋Sに合わせることができる。
なお、本例では、退避部19Bを接続部15Bの上側の面と下側の面に設けたが、これに限定されず、上側のみ、下側のみ、あるいは接続部15Bの側面、さらには接続に全周に渡って形成しても良い。
<第3の実施の形態の鉄筋結束機の構成例>
図9及び図10は、第3の実施の形態の鉄筋結束機の全体構成を一の側面から見た構成図である。なお、第3の実施の形態の鉄筋結束機1Cにおいて、図1等で説明した第1の実施の形態の鉄筋結束機1Aと同じ構成の部位については、同じ番号を付して詳細な説明を省略する。
鉄筋結束機1Cは、ガイド部13を結束対象の鉄筋Sが設けられる位置まで導入可能とし、ガイド部13の作用位置P1を鉄筋Sに合わせられるようにした接続部15Cを備える。接続部15Cは延伸部とも称し、結束機本体10を延伸方向A1に沿った一の方向に延伸させた形状である。
鉄筋結束機1Cは、ガイド部13が接続部15Cの先端側に設けられる。なお、図9、図10では図示しないが、図2で示す結束部5の捩り用フック55が、接続部15C先端側内部に設けられる。
接続部15Cは、例えば金属材料で構成されることが好ましいが、樹脂材料、あるいは、外装が金属材料、内装が樹脂材料で構成されるようにしても良い。接続部15Cは、第2の実施形態に係る退避部19Bとほぼ同様の機能及び形状の退避部19Cを備える。接続部15Cではさらに、退避部19Cに着脱可能な支持部16Cを備える。
退避部19Cは、結束機本体10の延伸方向A1に沿った接続部15Cの少なくとも一の側面を、例えば凹状として構成される。支持部16Cは、退避部19Cに取り付けられると、退避部19Cが設けられた接続部15Cの側面を平坦状とする。
<第3の実施の形態の鉄筋結束機の作用例>
次に、退避部19Cに着脱可能な支持部16Cの作用効果について説明する。図9に示すように、結束対象となる鉄筋Sと結束機本体10との間に別の鉄筋S1がある場合で、接続部15Cを鉄筋S1の間に挿入した後、ガイド部13の作用位置P1を鉄筋Sに合わせるため、鉄筋結束機1Cを、延伸方向A1を軸にして軸の周りを若干回転させて向き等を変える必要がある場合がある。
このような場合、支持部16Cを取り外した形態とすることで、第2の実施の形態に係る退避部19Bと同様の効果を発揮することができる。
これに対し、図10に示すように、退避部19Cに支持部16Cを取り付けた形態とすることで、第1の実施の形態に係る接続部15Aの支持部16Aと同様の効果を発揮することができる。すなわち、支持部16Cは、取り外し形態と取り付けの形態に切り替えることができる兼用の機能があり、これによって、退避部19Cの機能(鉄筋結束機1Cを若干回転可能)を利用する作業と、支持部16Cを鉄筋S1に載せて移動させる作業切り替えが可能となる。
<第4の実施の形態の鉄筋結束機の構成例>
図11及び図12は、第4の実施の形態の鉄筋結束機の全体構成を一の側面から見た構成図である。なお、第4の実施の形態の鉄筋結束機1Dにおいて、図1等で説明した第1の実施の形態の鉄筋結束機1Aと同じ構成の部位については、同じ番号を付して詳細な説明を省略する。
鉄筋結束機1Dは、ガイド部13を結束対象の鉄筋Sが設けられる位置まで導入可能とし、ガイド部13の作用位置P1を鉄筋Sに合わせられるようにした接続部15Dを備える。接続部15Dは延伸部とも称し、結束機本体10を延伸方向A1に沿った一の方向に延伸させた形状である。
鉄筋結束機1Dは、ガイド部13が接続部15Dの先端側に設けられる。なお、図11、図12では図示しないが、図2で示す結束部5の捩り用フック55が、接続部15Dの先端側内部に設けられる。
接続部15Dは、例えば金属材料で構成されることが好ましいが、樹脂材料、あるいは、外装が金属材料、内装が樹脂材料で構成されても良い。接続部15Dは、結束機本体10及び接続部15Dを鉄筋S1等から退避させる退避部19Dと、接続部15Dに対して移動可能に設けられ、結束機本体10及び接続部15Dを鉄筋S1等で支持する支持部16Dを備える。
退避部19Dは、結束機本体10の延伸方向A1に沿った接続部15Dの少なくとも一の側面を、例えば凹状として構成される。支持部16Dは、退避部19Dを露出させる退避位置と、退避部19Dを覆う支持位置との間を移動可能にレール部19Daにより支持され、支持位置に移動すると、退避部19Dが設けられた接続部15Dの側面を平坦状とする。
<第4の実施の形態の鉄筋結束機の作用例>
次に、退避部19Dを開閉可能な支持部16Dの作用効果について説明する。図11に示すように、結束対象となる鉄筋Sと結束機本体10との間に別の鉄筋S1がある場合で、接続部15Dを鉄筋S1の間に挿入した後、ガイド部13の作用位置P1を鉄筋Sに合わせるため、鉄筋結束機1Dを、延伸方向A1を軸にして軸の周りを若干回転させて向き等を変える必要がある場合がある。
このような場合、支持部16Dを退避位置に移動させることで退避部19Dが露出し、退避部19Dを第2の実施の形態に係る退避部19Bのように使用することができる。
これに対し、図12に示すように、支持部16Dを支持位置に移動させることで退避部19Dが覆われ、支持部16Dを、第1の実施の形態に係る支持部16Aの如く使用することができる。すなわち、支持部16Dは、退避部19Dを露出させる退避位置と退避部19Dを覆う支持位置の形態に切り替えることができる兼用の機能があり、これによって、退避部19Dの機能(鉄筋結束機1Cを若干回転可能)を利用する作業と、支持部16Cを鉄筋S1に載せて移動させる作業切り替えが可能となる。
<第5の実施の形態の鉄筋結束機の構成例>
図13は、第5の実施の形態の鉄筋結束機の全体構成を一の側面から見た構成図である。なお、第5の実施の形態の鉄筋結束機1Eにおいて、図1等で説明した第1の実施の形態の鉄筋結束機1Aと同じ構成の部位については、同じ番号を付して詳細な説明を省略する。
鉄筋結束機1Eは、ハンドル部11の前方に収容部2を備える。収容部2は、結束機本体10Eに設けられる構成でも、結束機本体10Eとは別に外部に設けられる構成でも良く、結束機本体10Eの一方の端部Pfに対し、延伸方向A1に沿った他方の端部側に設けられていれば良い。
ハンドル部11の前方に収容部2を備える構成でも、捩りモータ51は、ハンドル部11の後方に配置されるので、ハンドル部11の前方と後方との重量バランスを適正に保つことができる。これにより、作業者がハンドル部11を把持して結束作業したときの操作性が向上する。
また、収容部2と捩りモータ51の少なくとも一方が、ハンドル部11の軸線A3に対し、結束機本体10の延伸方向A1に沿った他方の端部側に設けられる構成であれば、ハンドル部11の軸線A3に対し、結束機本体10の延伸方向A1に沿った一方の端部側と他方の端部側の重量バランスを適正に保つことができる。
<第6の実施の形態の鉄筋結束機の構成例>
図14は、第6の実施の形態の鉄筋結束機の内部構成の一例を示す側面図、図15は、第6の実施の形態の鉄筋結束機の全体構成の一例を示す側面図、図16は、第6の実施の形態の鉄筋結束機の全体構成の一例を示す上面図、図17は、第6の実施の形態の鉄筋結束機の全体構成の一例を示す下面図である。
また、図18、図19は、第6の実施の形態の鉄筋結束機の全体構成の一例を示す斜視図である。更に、図20は、第6の実施の形態の鉄筋結束機の要部構成の一例を示す側面図、図21は、第6の実施の形態の鉄筋結束機の要部構成の一例を示す正面図である。
第6の実施の形態の鉄筋結束機1Fは、ワイヤWを捩じる結束部201及び結束部201等を駆動する駆動部202を収容した第1の本体部301と、操作トリガ212を有したハンドル部211が設けられた第2の本体部302と、第1の本体部301と第2の本体部302とを接続した架橋部303を備える。
鉄筋結束機1Fは、第1の本体部301と第2の本体部302が架橋部303で接続されることで、架橋部303を備えていない従来の鉄筋結束機と比較して、結束部201とハンドル部211との間が延伸した形態となる。
第1の本体部301は、架橋部303によって鉄筋結束機1Fが延伸する方向(矢印A11に示す方向)に対し、一方の側に結束部201が設けられる。また、第1の本体部301は、矢印A11に示す方向に対し、他方の側に架橋部303が接続される。
結束部201は、ワイヤWを把持する把持部270と、ワイヤWを把持した把持部270を回転させる作動部271を備える。把持部270は、作動部271の動作でワイヤWを把持して回転することで、鉄筋Sに巻き付けられたワイヤWを捩じる。
駆動部202は、結束部201等を駆動する捩りモータ280と、減速及びトルクの増幅を行う減速機281と、減速機281を介して捩りモータ280に駆動されて回転する回転軸282とを備える。
駆動部202は、回転軸282の回転動作で、回転軸282の軸方向に沿って作動部271を移動させる。作動部271が回転軸282の軸方向に沿って移動することで、把持部270はワイヤWを把持する。駆動部202は、回転軸282の軸方向に沿って移動させた作動部271を、回転軸282の回転動作で回転させる。作動部271は、回転軸282の軸回りに回転することで、把持部270でワイヤWを捩じる。
結束部201と駆動部202は、把持部270、作動部271、回転軸282、減速機281及び捩りモータ280が、矢印A11で示す方向に沿って並ぶ。駆動部202の捩りモータ280は、第1の本体部301において、矢印A11で示す方向に対し、他方の側に設けられる。
また、捩りモータ280の軸と、回転軸282と、作動部271及び把持部270の回転中心が同軸上に配置される。捩りモータ280の軸と、回転軸282と、作動部271及び把持部270の回転中心を、結束部201の軸線Axと称す。
第2の本体部302は、矢印A11で示す方向に対し、一方の側に架橋部303が接続される。また、第2の本体部302は、矢印A11で示す方向に対し、他方の側にハンドル部211が設けられる。
ハンドル部211は、矢印A11で示す方向に対し、非平行で略直交する方向に延伸する。ハンドル部211は、延伸方向に沿った一方の側である上端部が第2の本体部302とつながる。
操作トリガ212は、ハンドル部211の延伸方向に沿った一方の側であるハンドル部211の上端部に設けられ、ハンドル部211を把持した手の主に人差し指で操作が可能である。更に、第2の本体部302は、ワイヤWによる結束力の調整等を行うための操作ダイヤル213、電源のON、OFF等を切り替えるためのスイッチ214を備える。
また、ハンドル部211は、延伸方向に沿った他方の側である下端部に、電源であるバッテリ215が着脱可能に取り付けられるバッテリ取付部216が設けられる。更に、ハンドル部211は、バッテリ取付部216と第2の本体部302の間が連結部217で連結され、ハンドル部211と上端部と下端部の両側で第2の本体部302とつながり、強度を向上させている。
以下、鉄筋結束機1Fの他の構成について説明すると、鉄筋結束機1Fは、ワイヤWが収納される収納部であるマガジン220と、マガジン220からのワイヤWを引き出して送るワイヤ送り部203を備える。
また、鉄筋結束機1Fは、ワイヤ送り部203で送られたワイヤWを鉄筋Sの周囲に沿ってカールさせるカールガイド205と、鉄筋Sに沿ってカールされたワイヤWを切断する切断部206と、鉄筋Sに対して当接可能な当接部207を備える。
更に、鉄筋結束機1Fは、矢印Fで示す正方向にワイヤWを送る動作で、マガジン220からのワイヤWをワイヤ送り部203に案内する第1のワイヤガイド204aと、ワイヤ送り部203から送り出されたワイヤWを切断部206に案内する第2のワイヤガイド204bを備える。
マガジン220は、本例では第1の本体部301に設けられ、ワイヤWが繰り出し可能に巻かれたリール20を回転、着脱可能に収納する。マガジン220は、連結部218で第1の本体部301と連結され、強度を向上させている。
鉄筋結束機1Fは、2本のワイヤWで鉄筋Sを結束できるようにするため、リール20には2本のワイヤWが繰り出し可能に巻かれている。ワイヤWは、塑性変形し得る金属線で構成されるが、金属線が樹脂で被覆されたワイヤ、あるいは撚り線のワイヤ等であってもよい。
図22は、ワイヤ送り部の要部構成の一例を示す図である。ワイヤ送り部203は、第1の本体部301に設けられ、並列された2本のワイヤWを挟持して、回転動作で送る一対の送り部材を含み、一対の送り部材として、第1の送りギア(第1の送り部材)230Lと第2の送りギア(第2の送り部材)230Rを備える。
第1の送りギア230Lの外周には、全周にわたって駆動力を伝達する歯部231Lが形成される。歯部231Lは、本例では平歯車を構成する形状である。第1の送りギア230Lは、外周の全周に、円周方向に沿ってワイヤWが入る溝部232Lが形成される。溝部232Lは、本例では断面形状が略V字形状の凹部で構成される。
第2の送りギア230Rも第1の送りギア230Lと同様、外周に、駆動力を伝達するための歯部231Rと、ワイヤWが入る溝部232Rが形成される。歯部231Rは平歯車を構成する形状であり、溝部232Rは断面形状が略V字形状の凹部で構成される。
第1の送りギア230Lの溝部232Lと第2の送りギア230Rの溝部232Rは、ワイヤWの送り経路を挟んで対向するように設けられる。
ワイヤ送り部203は、第1の送りギア230Lと第2の送りギア230Rとの間にワイヤWを装填し、さらに挟持できるようにするため、第1の送りギア230Lと第2の送りギア230Rが離れる方向及び近づく方向に移動可能に構成される。第1の送りギア230Lと第2の送りギア230Rは、図示しないバネ等の付勢部材で互いに近づく方向に押圧される。
ワイヤ送り部203は、第1の送りギア230Lの溝部232Lと第2の送りギア230Rの溝部232Rとの間にワイヤWを挟持した状態で、第1の送りギア230Lの歯部231Lと第2の送りギア230Rの歯部231Rが噛み合うように構成される。これにより、第1の送りギア230Lと第2の送りギア230Rとの間で回転による駆動力が伝達される。
ワイヤ送り部203は、第1の送りギア230Lと第2の送りギア230Rの一方、本例では第1の送りギア230Lを駆動するワイヤ送り駆動部の一例である送りモータ233と、送りモータ233の駆動力を第1の送りギア230Lに伝達する駆動力伝達機構234を備える。
第1の送りギア230Lは、送りモータ233の回転動作が駆動力伝達機構234を介して伝達されて回転する。第2の送りギア230Rは、第1の送りギア230Lの回転動作が歯部231Lと歯部231Rとの噛み合いにより伝達され、第1の送りギア230Lに従動して回転する。
これにより、ワイヤ送り部203は、第1の送りギア230Lと第2の送りギア230Rとの間に挟持したワイヤWを、ワイヤWの延在方向に沿って送る。2本のワイヤWを送る構成では、第1の送りギア230Lの溝部232Lと一方のワイヤW1との間に生じる摩擦力、及び第2の送りギア230Rの溝部232Rと他方のワイヤW2との間に生じる摩擦力により、2本のワイヤWが並列された状態で送られる。
ワイヤ送り部203は、送りモータ233の回転方向を切り替えることで、第1の送りギア230Lと第2の送りギア230Rの回転方向が切り替えられ、ワイヤWの送り方向が切り替えられる。
次に、ワイヤWの送りを案内するワイヤガイドについて説明する。第1のワイヤガイド204aはワイヤガイドの一例で、正方向に送られるワイヤWの送り方向に対し、第1の送りギア230L及び第2の送りギア230Rの上流側に配置される。また、第2のワイヤガイド204bは、正方向に送られるワイヤWの送り方向に対し、第1の送りギア230L及び第2の送りギア230Rの下流側、より具体的には、第1の送りギア230L及び第2の送りギア230Rと、切断部206との間に配置される。
第1のワイヤガイド204a及び第2のワイヤガイド204bは、ワイヤWが通るガイド穴240を備える。ガイド穴240は、ワイヤWの径方向の位置を規制する形状を有する。2本のワイヤWを送る構成では、第1のワイヤガイド204a及び第2のワイヤガイド204bには、2本のワイヤWを並列させて通す形状のガイド穴240が形成される。
ガイド穴240は、第1の送りギア230Lと第2の送りギア230Rとの間を通るワイヤWの送り経路上に設けられる。第1のワイヤガイド204aは、ガイド穴240を通るワイヤWを、第1の送りギア230Lと第2の送りギア230Rとの間の送り経路に誘導する。
次に、ワイヤWの成型、切断を行う構成について説明する。当接部207は、第1の本体部301に設けられ、当接部207に鉄筋Sが当接されることで、カールガイド205に対する鉄筋Sのおおよその位置合わせが行われる。
カールガイド205は、第1の本体部301に設けられ、第1の送りギア230L及び第2の送りギア230Rで送られるワイヤWに巻き癖をつける第1ガイド250と、第1ガイド250から送り出されたワイヤWを結束部201に誘導する第2ガイド251を備える。
切断部206は、第1の本体部301に設けられ、固定刃部260と、固定刃部260との協働でワイヤWを切断する可動刃部261と、駆動部202の駆動力を可動刃部261に伝達する伝達機構262とを備える。固定刃部260は、ワイヤWが通る開口260aを備え、開口260aにワイヤWを切断可能なエッジ部が設けてある。
可動刃部261は、固定刃部260を支点とした回転動作で、固定刃部260の開口260aを通るワイヤWを切断する。
駆動部202は、切断部206の伝達機構262に駆動力を伝達する移動部材283を備える。移動部材283は、回転軸282の回転動作で、回転軸282の軸方向に沿って移動する。伝達機構262は、回転軸282の軸方向に沿った移動部材283の動きを、可動刃部261の回転動作に変換する。
次に、鉄筋結束機1Fにより鉄筋Sを2本のワイヤWで結束する動作について説明する。鉄筋結束機1Fは、ワイヤWが第1の送りギア230Lと第2の送りギア230Rとの間に挟持される。
鉄筋Sがカールガイド205の第1ガイド250と第2ガイド251の間に入れられ、操作トリガ212が操作されると、送りモータ233が正方向に回転し、送りモータ233に駆動されて第1の送りギア230Lが正方向に回転する。そして第1の送りギア230Lが回転すると、第1の送りギア230Lに従動して第2の送りギア230Rが正方向に回転する。これにより、第1の送りギア230Lと第2の送りギア230Rとの間に挟持された2本のワイヤWが正方向に送られる。
ワイヤWが正方向に送られると、ワイヤWはカールガイド205を通過することで、鉄筋Sの周囲に沿って巻き癖が付けられる。第1ガイド250で巻き癖が付けられたワイヤWは、第2ガイド251で把持部270に誘導される。そして、ワイヤWの端部が所定の位置まで送られると、送りモータ233の駆動が停止される。これにより、ワイヤWが鉄筋Sの周囲にループ状に巻かれる。
ワイヤWの送りを停止した後、捩りモータ280を正方向に回転させることで、作動部271により把持部270を作動させ、ワイヤWの端部を把持する。把持部270でワイヤWを把持すると、捩りモータ280の回転を一時停止し、送りモータ233を逆方向に回転させる。送りモータ233が逆方向に回転すると、第1の送りギア230Lが逆方向に回転すると共に、第1の送りギア230Lに従動して第2の送りギア230Rが逆方向に回転する。これにより、第1の送りギア230Lと第2の送りギア230Rとの間に挟持されたワイヤWが逆方向に送られる。ワイヤWを逆方向に送る動作で、ワイヤWは鉄筋Sに密着されるようにして巻き付けられる。
ワイヤWを鉄筋Sに巻き付けて、送りモータ233の逆方向への回転を停止した後、捩りモータ280を正方向に回転させることで、移動部材283により伝達機構262を介して可動刃部261が作動し、ワイヤWを切断する。
ワイヤWを切断した後、捩りモータ280の正方向の回転を継続することで、作動部271の図示しない折り曲げ部でワイヤWの端部を鉄筋S側に曲げ、更に捩りモータ280の正方向の回転を継続することで、ワイヤWを把持している把持部270を作動部271と一体に回転させ、ワイヤWを捩じる。
ワイヤWを捩じった後、捩りモータ280を逆方向に回転させることで、作動部271により把持部270が作動し、ワイヤWの把持が解除される。
なお、実施形態では2本のワイヤで鉄筋Sを結束するようにしているが、1本のワイヤで結束するようにしてもよい。
次に、架橋部303の構成、寸法、材質等、架橋部303の詳細と、架橋部303を設けたことによる鉄筋結束機1Fの寸法の詳細と、架橋部303を設けることによる作用効果について説明する。
ここで、図14、図15、図16、図17等において、矢印A11で示す方向と直交し、かつ、ハンドル部211の延伸方向に沿った方向を第1の方向と称し、矢印A12で示す。また、矢印A11で示す方向及び第1の方向と直交する方向を第2の方向と称し、矢印A13で示す。
なお、架橋部303の延伸する方向に沿った長さが、第1の方向及び第2の方向に沿った長さより長い場合、架橋部303の延伸する方向を架橋部303の長手方向、第1の方向を架橋部303の第1の短手方向、第2の方向を架橋部303の第2の短手方向とも称す。
鉄筋結束機1Fは、上述したように、第1の本体部301と第2の本体部302が架橋部303で接続されることで、架橋部303を備えていない従来の鉄筋結束機と比較して、結束部201とハンドル部211との間が延伸した形態となる。
これにより、作業者の足元にある鉄筋Sを結束する場合、立った姿勢のまま、腰や膝を大きく曲げることなく作業をすることができる。よって、腰、膝を大きく曲げてしゃがむ、立ちあがる、という動作を繰り返すことなく、歩きながら移動して結束作業が可能となり、作業性が向上する。
図23は、架橋部の断面形状を示す斜視図である。架橋部303は、矢印A12で示す第1の短手方向(第1の方向)及び矢印A13で示す第2の短手方向(第2の方向)に沿った切断面(図23参照)での断面積が、第1の本体部301及び第2の本体部302の同方向における断面積より小さく構成される。
これにより、架橋部303の太さを第1の本体部301及び第2の本体部302と比較して細く、ハンドル部211と同等程度またはそれ以下にできる。架橋部303を細くすることができれば架橋部303が把持しやすくなるため、次の利点がある。結束しようとする鉄筋Sが作業者の足元にある場合はそれほど問題にならないが、例えば作業者の前方や上方にある鉄筋Sを結束しようとした場合、鉄筋結束機1Fは全長が長く、しかも先端側に重量物があるため、作業者の手(ハンドル部211を把持する側の手)にかかる負担が大きい。しかし、ハンドル部211を把持していない側の手で架橋部303を把持することで作業者の手にかかる負担が軽減され、作業が格段にしやすくなる。別の利点として、鉄筋結束機1Fを持ち運ぶ際、架橋部303を把持して持ち運ぶことができるため、可搬性にも優れている。
架橋部303は、図15に示すように、矢印A12で示す第1の短手方向(第1の方向)に沿った長さL303SLが、第1の本体部301の同方向における長さL301SL以下、図16に示すように、矢印A13で示す第2の短手方向(第2の方向)に沿った長さL303SSが、第1の本体部301の同方向に沿った長さL301SSの1/2以下、好ましくは1/3以下に設定される。
架橋部303の長さL303SLが第1の本体部301の長さL301SLを超えたり、架橋部303の長さL303SSが第1の本体部301の長さL301SSの1/2を超えたりすると、結束作業をする際、第1の本体部301の周囲、すなわち、作業箇所及びその周辺が架橋部303で遮られて作業に支障を来たす場合がある。これに対して架橋部303の長さL303SLを第1の本体部301の長さL301SL以下、架橋部303の長さL303SSを第1の本体部301の長さL301SSの1/2以下にすることで、作業箇所及びその周辺の視認性が高まり、作業性が向上する。
鉄筋結束機1Fは、図14に示すように、矢印A11で示す方向に沿った長さであって、駆動部202の他方の側の端部、本例では、捩りモータ280において回転軸282が接続される側と反対側の端部である捩りモータ280の後端部と、操作トリガ212との間の長さL301L1が、同方向における第1の本体部301の当接部207と操作トリガ212との間の長さL301L2の略0.5~0.8倍、好ましくは略0.6~0.7倍に設定される。
通常、当接部207から操作トリガ212との間の長さL301L2は、作業者が腰や膝を大きく曲げることなく立った姿勢で作業ができるように、600mmから850mm程度に設定される。そして第1の本体部301の当接部207から捩りモータ280の端部までの長さは構造上150mmから300mm程度になることから、架橋部303を含む捩りモータ280の後端部から操作トリガ212までの長さL301L1は300mmから700mm程度になる。すなわち、長さL301L1はL301L2の略0.5~0.8倍になる。長さL301L1とL301L2をこのように設定することで、鉄筋結束機1Fを立ち作業に適した寸法にすることができる。さらに、鉄筋結束機1F全体に対して架橋部303の占める割合をできるだけ大きくすることで、鉄筋結束機1F全体の軽量化を図ることができ、重量バランスが向上する。
架橋部303は、直線状に延伸する形状であり、架橋部303が延伸する方向に沿った仮想の中心線を架橋部303の軸線Axbと称す。鉄筋結束機1Fは、結束部201の軸線Axと、架橋部303の軸線Axbが一致、あるいは略一致するように、第1の本体部301に架橋部303が取り付けられる。
また、操作トリガ212においてハンドル部211の延伸方向に沿った他方の側である操作トリガ212の下端部TUが、結束部201の軸線Ax上に位置するように、第2の本体部302に架橋部303が取り付けられる。ここで、操作トリガ212の下端部TUが、結束部201の軸線Ax上に位置するとは、操作トリガ212の下端部TUが、結束部201の軸線Axと一致する場合のみならず、図14に示すように、操作トリガ212の下端部TUが、結束部201の軸線Axに対して上下方向(図では上方向)にそれぞれ所定量ずれている場合も含む。
操作トリガ212の下端部TUを軸線Ax上に位置させることにより、ハンドル部211を把持する作業者の手の中指がほぼ軸線Ax上に位置するようになる。中指が軸線Axに位置すると作業時の鉄筋結束機1Fの重量バランスが向上するため、鉄筋Sに対する位置合わせが容易となり、操作性が向上する。
第2の本体部302には、架橋部303との取付部290が設けられ、架橋部303が取付部290にねじ291で取り付けられる。第1の本体部301側も同等の構成であり、架橋部303は、第1の本体部301及び第2の本体部302とは別体である。
これにより、架橋部303の交換等が可能である。架橋部303を交換可能にすることで、状況に応じて寸法や材質の異なる架橋部に置き換えることができる。また、延伸した形状の鉄筋結束機1Fが、第1の本体部301、第2の本体部302及び架橋部303に分割されていることで、第1の本体部、第2の本体部及び架橋部が一体となった筐体に部品を組み付ける作業と比較して、筐体が小型であり、組み立て性が向上する。
上述のように、架橋部303は、第1の本体部301及び第2の本体部302とは別体であることで、架橋部303は、第1の本体部301及び第2の本体部302とは別部材で構成することが可能である。架橋部303は、例えばアルミニウム、ステンレス等の金属、樹脂、炭素繊維等の非金属で構成され、軽量化が図られている。第1の本体部301及び第2の本体部302の筐体は、通常樹脂で構成されており、架橋部303を樹脂で構成する場合、第1の本体部301及び第2の本体部302とは異なる樹脂で構成しても良い。更に、金属の周囲を樹脂で覆う等、樹脂と金属の両方で構成しても良い。
以上のように、架橋部303は軽量な素材で構成され、軽量化により操作性が向上している。
架橋部303は、図23の断面に示すように、中空構造である。架橋部303がアルミニウム等の金属である場合、延伸方向に沿って全体が中空の管状の部材で構成しても良い。また、架橋部303が樹脂である場合、複数個所にリブを設けて強度を確保する構成としても良い。また、鉄筋結束機1Fでは、第1の本体部301と第2の本体部303の間で、電気信号、電源の供給ができればよい。このため、架橋部303は、配線収容部304が設けられていれば良い。配線収容部304は、架橋部303の延伸方向に沿って、配線が通される管状の部材を設けてもよく、また、配線が通される溝を設けても良い。
このように、架橋部303が中空であり、また、リンク等の機構を設けることなく、配線収容部304が設けられていれば良いので、架橋部303で延伸された形状の鉄筋結束機1Fにおいて、重量の増加が抑制され、軽量化により操作性を向上させることができる。なお、架橋部303を複数本の管状の部材で構成しても良い。この場合、複数本の架橋部の内の1本を所定の形状に曲げた形態として、第1の本体部301の連結部218、第2の本体部302の連結部217を架橋部で構成しても良い。
図24は、架橋部による延伸長さを可変とする構成の一例を示す側面図である。第2の本体部302は、架橋部303の取付部290が設けられ、架橋部303がねじ291で取り付けられる。取付部290には、架橋部303の延伸方向に沿って複数のねじ穴292が設けられ、第2の本体部302に対して架橋部303を固定する位置が、架橋部303の延伸方向に沿って切替可能である。
これにより、第2の本体部302に対する架橋部303の固定位置を切り替えることで、第1の本体部301と第2の本体部302との間の長さが可変可能に構成される。よって、架橋部303による鉄筋結束機1Fの延伸方向の長さを、作業者の立ち作業に適した長さに設定可能である。
また、架橋部303は、第1の本体部301と第2の本体部302との間で着脱可能に構成されることで、長さの異なる架橋部303の中から所望の長さの架橋部303を選択し、第1の本体部301及び第2の本体部302に取り付けることが可能である。
これにより、架橋部303による鉄筋結束機1Fの延伸方向の長さを、作業者の立ち作業に適した長さに設定可能である。
鉄筋結束機1Fは、第1の本体部301にリール20の収容部であるマガジン220が設けられ、マガジン220は、ワイヤWの送り方向に沿って結束部201の下側に設けられる。これにより、マガジン220と結束部201との間の距離を短くでき、ワイヤW送りの信頼性を向上させることができる。
また、鉄筋結束機1Fは、第1の本体部301にワイヤ送り部203が設けられる。ワイヤ送り部203は、結束部201とマガジン220との間に設けられる。これにより、ワイヤWを逆方向に送り鉄筋Sに巻き付ける動作での、ワイヤWの消費量を低減することができる。
図25は、第6の実施の形態の鉄筋結束機の変形例を示す側面図である。第6の実施の形態の変形例の鉄筋結束機1Gは、ワイヤWを捩じる結束部201及び結束部201等を駆動する駆動部202を収容した第1の本体部301と、操作トリガ212を有したハンドル部211が設けられた第2の本体部302と、第1の本体部301と第2の本体部302とを接続した架橋部303を備える。
鉄筋結束機1Gは、第1の本体部301と第2の本体部302が架橋部303で接続されることで、架橋部303を備えていない従来の鉄筋結束機と比較して、結束部201とハンドル部211との間が延伸した形態となる。
第1の本体部301は、架橋部303によって鉄筋結束機1Gが延伸する方向に対し、一方の側に結束部201が設けられる。また、第1の本体部301は、架橋部303によって鉄筋結束機1Gが延伸する方向に対し、他方の側に架橋部303が接続される。
第2の本体部302は、架橋部303によって鉄筋結束機1Gが延伸する方向に対し、一方の側に架橋部303が接続される。また、第2の本体部302は、架橋部303によって鉄筋結束機1Gが延伸する方向に対し、他方の側にハンドル部211が設けられる。
ハンドル部211は、架橋部303によって鉄筋結束機1Gが延伸する方向に対し、非平行で略直交する方向に延伸する。操作トリガ212は、ハンドル部211の延伸方向に沿った一方の側であるハンドル部211の上端部に設けられる。
鉄筋結束機1Gは、第2の本体部302に、ワイヤWが収納される収納部であるマガジン220Bを備える。マガジン220Bは、ワイヤWが繰り出し可能に巻かれたリール20を回転、着脱可能に収納する。
また、鉄筋結束機1Gは、結束部201にワイヤWを送るワイヤ送り部203を第1の本体部301に備えると共に、ワイヤ送り部203にワイヤWを送る第2のワイヤ送り部203Bを、正方向に送られるワイヤWの送り方向に対し、ワイヤ送り部203の上流側の第1の本体部301に備える。更に、鉄筋結束機1Gは、ワイヤ送り部203と第2のワイヤ送り部203Bの間の第1の本体部301に、逆方向にワイヤWを送る動作でワイヤWを撓ませることが可能な収容空間203Cを備える。
また、鉄筋結束機1Gは、第1の本体部301と第2の本体部302の間でワイヤWが通されるガイド通路305を架橋部303に備える。
上述したように、第2の本体部302にワイヤWのマガジン220Bを設けたことで、第1の本体部301の軽量化が可能で、操作性が向上する。