JP7080482B2 - 回路板 - Google Patents

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Description

本発明は、生体情報を測定するために用いることが可能な回路板に関する。
心電信号、呼吸情報等の生体情報を測定することで疾病の早期発見及び予防、健康の維持及び管理、治療効果の評価及び確認等が行われている。生体情報をモニタリングするための装置としては、粘着性の電極を皮膚に接着して心拍及び呼吸性変動をモニタリングするものがある。しかしながら、粘着性の電極を用いた場合、長期モニタリングにおける皮膚への負担が大きく、かぶれ、炎症等を引き起こすほか、電極交換時に皮膚が剥離する恐れがある。
これに対し、容量性結合の原理を応用し、布を介して四肢から心電図を計測する技術が知られている(例えば、下記非特許文献1参照)。また、導電布である電極をベッドシーツの下の適切な位置(例えば肩胛骨裏側付近)に設置し、第II誘導と類似した心電図波形を仰臥位の被験者から計測する技術が知られている(例えば、下記非特許文献2参照)。さらに、(1)パジャマ又はシーツを介して心電図波形を計測する技術、(2)帯状布電極を使用することで、仰臥位だけでなく側臥位でも計測可能とする技術、及び、(3)フィルタの通過帯域を5~40Hzに狭めることで、体動の少ない睡眠状態では100%に近いR波検出率を期待できる技術が知られている(例えば、下記非特許文献3参照)。
さらに、精度の高い測定が可能な方法と、電極に使用される回路パターンとが知られている(例えば、下記特許文献1参照)。この方法によれば、心電図以外の情報(例えば、呼吸運動、脈動及び体位情報)までもが測定可能である。
国際公開第2018/030393号
植野彰規、外3名、「布を介した電極からの容量性結合に基づく心電図導出」、電気学会論文誌C、2004年9月、第124巻、第9号、p.1664-1671 植野彰規、外5名、「Capacitive sensing of electrocardiographic potential through clothfrom the dorsal surface of the body in a supine position-A preliminary study」、IEEE Transaction on Biomedical Engineering、2007年4月、第54巻、第4号、p.759-766 植野彰規、外2名、「ホームヘルスケアのための寝具組込型非接触心電図モニタの基礎的検討」、電気学会論文誌C、2007年10月、第127巻、第10号、p.1792-1799
ところで、生体情報を測定するために用いられる部材としては種々あるが、長時間に亘り測定する場合、通気性のない部材を用いると、生体情報の測定時に当該部材に近接する被検体の皮膚が蒸れて不快感を催すと共に皮膚炎を招く恐れがある。そのため、生体情報を測定するために用いられる部材には、適度な通気性が求められる。
本発明は、生体情報を測定するために使用可能な回路板であって、通気性を有する回路板を提供することを目的とする。
本発明に係る回路板は、生体情報を測定するために用いられる回路板であって、繊維状の絶縁性基材と、当該絶縁性基材上に配置された多孔性の導電部材と、を備える少なくとも第1の積層体及び第2の積層体を備え、前記第1の積層体と前記第2の積層体とが互いに積層されている。
本発明に係る回路板では、通気性に優れた構成部材として繊維状の絶縁性基材及び多孔性の導電部材が用いられていることにより、通気性を確保することができる。このように通気性を有する回路板によれば、長時間に亘り測定する場合であっても、生体情報の測定時に被検体の皮膚が蒸れて不快感を催すと共に皮膚炎を招くことを抑制しつつ生体情報を測定することができる。また、本発明に係る回路板によれば、簡素な構成の生体情報測定装置を得ることができる。
ところで、生体情報を測定するために使用可能な部材に対しては、生体情報の測定時に被検体の皮膚が蒸れて不快感を催すと共に皮膚炎を招くことを抑制する観点、耐久性を向上させる観点、及び、被検体に対する密着性(例えば、布等を介して被検体に接触する場合の密着性。以下同様)を向上させる観点から、柔軟性が高いことが求められる。これに対し、本発明に係る回路板では、繊維状の絶縁性基材及び多孔性の導電部材を用いることにより、高い柔軟性を達成することができる。
また、めっきを施した繊維にカーボンコートして得られる導電布を用いることにより柔軟性及び通気性を向上させる手段が考えられるものの、このような手段では、回路板の製造コストが高まる恐れがある。このような手段を用いたモニタリングシステムについては、高度な医療診断を行う医療機関では費用負担が容易であるが、老人介護施設、一般家庭等では経済的事情から普及しにくい。これに対し、本発明に係る回路板では、このような導電布を用いることなく、生体情報を測定するために使用可能な部材を比較的安価に構成できる。このような回路板によれば、モニタリングシステムの普及が期待でき、今後急速に進む高齢化社会に貢献できる。
本発明によれば、生体情報を測定するために使用可能な回路板であって、通気性を有する回路板を提供することができる。本発明に係る回路板は、生体情報を測定するために使用可能な部材として用いることができる。本発明に係る回路板は、人、動物等の生体情報(心電信号、体位の変化(仰臥状態)、脈動、呼吸情報等)を測定するために用いることができる。本発明に係る回路板は、医療用途(介護用途を含む)、車事故の防止用途(運転者の状況把握による安全運転の支援用途等)などに用いることができる。本発明に係る回路板は、例えば、人、動物等が就寝する時に用いる寝具、ベッドなど;椅子(家庭用の椅子、車中の運転席等)に配置することができる。
回路板の例を示す模式図である。 回路板の例を示す模式図である。 回路板の例を示す模式図である。 回路板の例を示す模式図である。 回路板の例を示す模式図である。 生体情報測定装置及び生体情報の測定方法の一例を示す図である。 図6に示す生体情報測定装置及び生体情報の測定方法を更に説明するための図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。本明細書において、異なる図面においても同じ符号を付した構成は同様のものであるとして、その説明を省略する場合がある。各部材の厚さの好ましい範囲は、各部材の積層前及び積層後のいずれにも適用できる。
本明細書において、「~」を用いて示された数値範囲は、「~」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。本明細書に段階的に記載されている数値範囲において、ある段階の数値範囲の上限値又は下限値は、他の段階の数値範囲の上限値又は下限値と任意に組み合わせることができる。本明細書に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。「A又はB」とは、A及びBのどちらか一方を含んでいればよく、両方とも含んでいてもよい。本明細書に例示する材料は、特に断らない限り、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。
本明細書において通気度は、JIS L 1096 A法(フラジール形法)で測定できる。ふとん地流通協会の品質基準では、生地の品種ごとに通気度の上限値が規定されている。その中で、最も低い値はポリエステルと綿の混紡したものであって、2cm/cm/sである。そこで、本発明の回路板は、このふとん生地の既定値の最低値2cm/cm/s以上であれば、通気性は十分に確保できると考えた。
本明細書において剛軟度は、JIS L 1096 8.21 B法(スライド法)で測定することができる。すなわち、まず、2cm×約15cmの試験片を準備する。また、試験片の単位面積当たりの質量W(単位:mN/cm=gf/cm)を測定する。次に、固定台と、固定台に隣接すると共に高さを変更可能な移動台(例えばジャッキ)とを有するスライド形試験機を準備し、固定台及び移動台の主面の高さを揃える。続いて、固定台及び移動台の主面によって構成される面に試験片を載せた後、固定台の試験片上にウエイトを取り付けて試験片を固定する。このウエイトは、移動台にわずかに重なる程度に配置する。また、この時の移動台上に位置する試験片の長さ(移動台と固定台との境目から試験片の先端までの長さ)L(単位:cm)を測定する。次に、徐々に移動台を降下させ、試験片の先端が移動台から離れるときの固定台と移動台の高低差δ(単位:cm)を測定する。そして、下記式により剛軟度Bτ(単位:mN・cm=gf・cm)を求める。この剛軟度は、試験片の単位幅について、単位曲度に対する曲げモーメントで表される。
Figure 0007080482000001
本実施形態に係る回路板は、生体情報を測定するために用いられる回路板であって、繊維状の絶縁性基材(第1の絶縁性基材)と、当該絶縁性基材上に配置された多孔性の導電部材と、を備える少なくとも第1の積層体及び第2の積層体を備え、前記第1の積層体と前記第2の積層体とが互いに積層されている。第1の積層体と第2の積層体との積層態様としては、基本的には第1の積層体の絶縁性基材側と、第2の積層体の導電部材側とが対向するように積層するが、これに限定するものではない。
本実施形態に係る回路板は、生体情報を測定するために用いることが可能であり、生体情報を測定するために使用可能な部材として用いることができる。
本実施形態に係る回路板では、通気性に優れた構成部材として繊維状の絶縁性基材及び多孔性の導電部材が用いられていることにより、通気性を確保することができる。このように通気性を有する回路板によれば、長時間に亘り測定する場合であっても、生体情報の測定時に被検体の皮膚が蒸れて不快感を催すと共に皮膚炎を招くことを抑制しつつ生体情報を測定することができる。また、本実施形態に係る回路板によれば、簡素な構成の生体情報測定装置を得ることができる。
さらに、本実施形態に係る回路板では、繊維状の絶縁性基材及び多孔性の導電部材を用いることにより、高い柔軟性を達成することができる。また、本実施形態に係る回路板では、導電布を用いることなく、生体情報を測定するために使用可能な部材を比較的安価に構成できる。本実施形態に係る回路板では、一般に市販されている布や、多数の微細な孔を有する金属を用いることにより、生体情報を測定するために使用可能な部材を容易に比較的安価に構成できる。このような回路板によれば、モニタリングシステムの普及が期待でき、今後急速に進む高齢化社会に貢献できる。
本実施形態に係る回路板は、第1の積層体及び第2の積層体の間に配置された第2の絶縁性基材及び/又は接続部材を備えていてよい。例えば、本実施形態に係る回路板は、第2の絶縁性基材の主面の外周部に接続部材が配置された状態で、第2の絶縁性基材と、第1の積層体及び第2の積層体の少なくとも一方とが接続部材を介して接続された態様であってよい。本実施形態に係る回路板は、少なくとも第1の積層体と第2の積層体とを積層する際に、繊維状の絶縁性基材の下面外周部のみに接続部材を配置して部分的に接着した態様であってもよい。
本実施形態に係る回路板は、第2の絶縁性基材の外周部と、第1の積層体及び第2の積層体の少なくとも一方とが縫合された態様であってよい。例えば、本実施形態に係る回路板は、少なくとも第1の積層体と第2の積層体とを積層する際に、第2の絶縁性基材の少なくとも外周部を縫合して固定した態様であってよい。
本実施形態に係る積層体(例えば、上述の第1の積層体及び第2の積層体)は、絶縁性基材及び導電部材の間に配置された接続部材を備えていてよい。本実施形態に係る積層体において絶縁性基材、導電部材及び接続部材としては、多孔性の部材を用いることができる。本実施形態に係る積層体は、生体情報を測定するために用いることが可能であり、生体情報を測定するために使用可能な部材として用いることができる。
本実施形態に係る回路板は、各積層体や、各積層体の間に配置された第2の絶縁性基材及び/又は接続部材の重なり度合で通気度が変化するが、少なくとも一部分における通気度は、2cm/cm/s以上であることが好ましい。
本実施形態に係る回路板は、各積層体や、各積層体の間に配置された第2の絶縁性基材及び/又は接続部材の重なり度合で柔軟性が変化するが、少なくとも一部分における柔軟性が低い部分は、JIS L 1096 8.21 B法で測定される剛軟度で規定すると、200mN・cm以下であることが好ましい。
図1は、回路板の例を示す模式図である。図1(a)に、本実施形態に係る回路板150として、最も精度が高く多様な生体情報が得られる回路パターンを示す。図1(b)は、図1(a)のIb-Ib線に沿った断面図を示す。なお、回路板150は、複数の積層体が互いに積層された構造を有しているが、図1(a)では、便宜上、各積層体の最表層のみを表示している。
回路板150は、絶縁性基材151、接続部材152、導電部材155a,155b,155c、接続部材156、絶縁性基材157、接続部材160a、160b、導電部材161a,161b、接続部材162a,162b、絶縁性基材163a,163b、接続部材166a,166b、及び、導電部材167a,167bがこの順に積層された積層構造を有している。すなわち、符号155a,155b,155c,161a,161b,167a,167bが導電部材(導体層)であり、その下や間に挟まる符号151,157,163a,163bが絶縁性基材(絶縁層)であり、これらが積層されている。
第1の積層体はそれぞれ「符号163a,166a,167a」及び「符号163b,166b,167b」からなり、第2の積層体はそれぞれ「符号157,160a,161a、159b,160b,161b」からなり、第3の積層体はそれぞれ「符号151,152,155a,155b,155c」からなり、第1と第2の積層体、及び、第2と第3の積層体は、接続部材156、160a、160bで互いに接着されている。
導体層及び絶縁層として多孔性の導電部材と繊維状の絶縁性基材を配置して、接続部材を用いて作製することは可能である。例えば、図1(b)に示す構成で、接続部材152,156,160a,160b,162a,162b,166a,166bを用いれば作製できる。しかし、多孔性の導電部材を符号155a,155c,167a,167bのように細く切断した場合、単体では非常に取扱性が悪くなる。また、切断前に導電部材に粘着層を塗布し、多孔性を維持することも技術的に難しい。さらに、熱可塑性の不織布からなる接続部材(例えば、後述する商品名:クモの巣シート)を導電部材に熱圧着すると皺が出やすい。また、繊維状の絶縁性基材を切断した場合、不織布ならば端部から繊維が、織布ならばほつれた糸くずが発生して、やはり取扱性が悪くなる。
図2は、回路板の例を示す模式図である。図2(a)の積層体1は、繊維状の絶縁性基材10と、多孔性の導電部材20と、その間に配置された接続部材30と、を備える。絶縁性基材10と接続部材30とは互いに接している。導電部材20と接続部材30とは互いに接している。
繊維状の絶縁性基材を用いることにより、通気性及び柔軟性を確保できる。繊維状基材としては、例えば、衣服、ベッドのシーツ等に用いる布を使用できる。布の材料(繊維の種類)としては、木綿、絹、麻、モヘヤ、ウール、カシミア、アセテート、キュプラ、レーヨン、ナイロン、ポリウレタン、ポリエステル、再生繊維(例えば、セルロースの再生繊維)等が挙げられる。ここで、対象となる医療(介護を含む)等の用途によっては、生体に長時間にわたり回路板を接触させる必要がある。そのため、絶縁性基材は、蒸れにくい観点から、木綿、絹及び再生繊維(例えば、セルロースの再生繊維)からなる群より選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましい。
回路板の構成部材である絶縁性基材の通気度は、回路板の層構成にもよるが、通気度を確保するために50cm/cm/s以上が好ましい。
絶縁性基材の厚さは、通気性及び柔軟性を確保しやすい観点、剛性が高くなり過ぎることを抑制しやすい観点、及び、生体の信号を検出しやすい観点から、150μm以下が好ましい。
多孔性の導電部材としては、導電部材の一方面から他方面にかけて連通する孔を有する導電性の部材を用いることができる。導電部材は、複数の貫通孔を有することが可能であり、導電部材の一方面から他方面に貫通する複数の貫通孔を有することができる。複数の貫通孔は、例えば、互いに略平行である。
多孔性の導電部材の孔は、耐久性を確保しやすい観点から、破れの起点となる角のない円形が好ましい。また、穴径は200μm以下が好ましい。孔の配置は、特に限定されず、格子状、ハチの巣状等が挙げられる。
多孔性の導電部材の開口率は、耐久性を確保しやすい観点、通気性及び柔軟性を確保しやすい観点から、10~60%が好ましい。
導電部材の材料としては、銅、アルミニウム、金、銀、ニクロム、ステンレス、クロム、チタン、ニッケル等が挙げられる。導電部材の材料としては、生体情報を測定するためにアレルギー反応が少なく抗菌作用のある材料として、銅及び銅合金からなる群より選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましい。導電部材としては、金属箔を用いることができる。金属箔としては、電解銅箔、圧延アルミニウム箔等に穴あけ加工したものが使用できる。金属箔としては、特許5640396号公報に記載の金属箔を用いてもよい。金属箔としては、例えば、日立化成株式会社製の機能性箔であるTH-2000シリーズ(例えばTH-2090)が挙げられる。
回路板の構成部材である導電部材の通気度は、回路板の層構成にもよるが、通気度を確保するために300cm/cm/s以上が好ましい。
導電部材の厚さは、生体の信号を検出しやすい観点、剛性が高くなり過ぎることを抑制しやすい観点から、5~50μmが好ましい。
絶縁性基材及び導電部材の間等に配置される接続部材としては、接着剤、繊維状の部材(不織布等)などを用いることができる。不織布を含む繊維状の接続部材を用いる場合、通気性、柔軟性及び取扱性を確保できると共に、絶縁性基材及び導電部材の密着性等を高めることができる。接着剤を絶縁性基材及び/又は導電部材に塗布して接続部材を形成することもできるが、不織布を含む接続部材を用いることにより、特に通気性に優れる回路板を得ることができる。熱可塑性樹脂からなる不織布を含む接続部材を絶縁性基材及び導電部材の間に配置した状態で加熱圧着することにより、絶縁性基材及び導電部材を接続部材によって容易に接合することができる。また、繊維状基材の繊維同士が固定され、これを切断加工した場合のほつれによる糸くずも抑制できる。不織布の目付量は、例えば0.5~15g/mである。目付量が少なすぎると接合が不十分となり、多すぎると接合体の通気度が低下し、また、柔軟性が低下するためである。不織布を含む接続部材としては、日本バイリーン株式会社、日東紡株式会社等の市販品(商品名:クモの巣シート)を用いることができる。
接続部材の材料としては、熱可塑性樹脂等が挙げられ、ナイロン、ポリエチレン、熱可塑剤入りポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル等を用いることができる。接続部材の溶融粘度は、絶縁性基材よりも低いことが好ましい。
回路板の構成部材である接続部材の通気度は、回路板の層構成にもよるが、通気度を確保するために300cm/cm/s以上が好ましい。
回路板の構成部材として、「絶縁性基材/接続部材/導電部材」の構成を有する積層体の通気度は、回路板の層構成にもよるが、通気度を確保するために20cm/cm/s以上が好ましい。
回路板の構成部材として、「絶縁性基材/接続部材/導電部材」の構成を有する積層体の剛軟度は、回路板の層構成にもよるが、剛軟度を確保するために20mN・cm以下が好ましい。
本実施形態に係る積層体の製造方法は、繊維状の絶縁性基材と多孔性の導電部材とを積層して積層体を得る積層体作製工程を備える。積層体作製工程では、各部材を熱圧着により積層することができる。例えば、アイロンがけで接続部材を接着するに際して、絶縁性基材として耐熱性の低いポリエステル製の布(例えばテトロン布)を用いる場合は約160℃、耐熱性の高い綿布を用いる場合は約200℃で圧着できる。
積層体作製工程は、繊維状の絶縁性基材と多孔性の導電部材との間に、不織布を含む接続部材を配置して積層体を得る工程であってもよいが、皺等が発生する場合がある。そこで、図2(b)に示すように、絶縁性基材10に接続部材30をあらかじめ熱圧着したものに導電部材20を熱圧着してもよい。また、大量に生産する場合は、各構成部材に張力を掛けながら熱ロールで貼合せる方法がある。このようにして得られた積層体は、片面に剛性の高い導電部材があるが、反対面は柔軟な繊維状の絶縁性基材であるため、反りもなく取扱性に優れる。
本実施形態に係る回路板は、第1の積層体及び第2の積層体に加えて、第1の積層体及び第2の積層体の間に、両者を接合させるための他の積層体を更に備えてもよい。図2(c)に示したものは、繊維状の絶縁性基材10の両面に接続部材30を配置したものである。これを用いて熱圧着すれば、図2(d)に示すように、図1に示した回路板の一部を作製できる。なお、この構造体では、剛直な導電部材が重なった部分が互いに密着しているため柔軟性が低下する。
このため、図2(e)に示すように、絶縁性基材10の下側の外周のみに接続部材30を配置したものを使用すれば、図2(f)とその平面図(図2(g))に示す構造を作製できる。この構造では、剛直な導電部材が重なった部分が互いに密着していないため柔軟性の低下は少ない。
さらに、図2(h)に示すように、絶縁性基材10の下側に接続部材を配置しないものを使用し、図2(i)の平面図に示すように、点線部分169を縫合すれば、図2(j)に示す構造を作製できる。この構造は、剛直な導電部材が重なった部分が互いに密着していないことと、下の積層体と中間の絶縁性基材との接着面積が減るため、柔軟性の低下が更に少ないことが期待できる。
第2の絶縁性基材と第1の積層体及び第2の積層体の少なくとも一方の外周部とに、ホットメルト接着剤を塗布した糸が縫合され、そのホットメルト接着剤に近接する第2の絶縁性基材と第1の積層体及び第2の積層体の少なくとも一方とが熱圧着された態様であってもよい。例えば、図3(a)に示す様に、絶縁性基材10の外周のみにホットメルト接着剤を塗布した糸180を縫合すれば、図3(b)とその平面図(図3(c))に示す構造を作製できる。この場合は、絶縁性基材を所定の大きさに切断する前に糸180を自動ミシン等で縫合し、その後、所定の大きさに切断すれば、縫合の時に生じやすい糸180と切断端部との位置ずれを抑制することができると共に、細い接続部材を積層体や絶縁性基材に位置合せしながら仮接着するという手間を簡略化できる。
また、図3(d)に示す様に、上に配置する第一の積層体の外周のみにホットメルト接着剤を塗布した糸を縫合すれば、図3(e)に示す構造を作製できる。この場合は、絶縁性基材の上側にある接続部材が不要となり、さらに柔軟性と通気性の向上が見込める。
糸180は、前述の布の材料(繊維の種類)として例示したものが使用できる。また、塗布するホットメルト接着剤としては、熱可塑性ポリウレタン、ポリオレフィン、ナイロン等が使用できる。また、糸180の市販品としては、ASSEMS社のELSA、MELSAがある。
本実施形態に係る回路板の通気度は、生体情報の測定時に被検体の皮膚が蒸れて不快感を催すと共に皮膚炎を招くことを抑制しやすい観点から、2cm/cm/s以上が好ましい。
本実施形態に係る回路板の剛軟度は、生体情報の測定時に被検体に対する密着性を確保する観点、仰臥した使用者に与える違和感を低減する観点から、200mN・cm以下が好ましい。
図4は、図1とは異なる回路板の例を示す断面図である。図4(a)は図1(b)とほぼ同じ層構成であるが、接続部材を両面に配置した絶縁性基材で第1と第2の積層体及び第2と第3の積層体が互いに接着されている。図4(b)は、上の積層体と下の積層体は、絶縁性基材の外周部のみに配置された接続部材で接続されている。さらに、図4(c)では、図4(b)で用いた接続部材156,162a,162bは使用せず、縫合用の糸169で接続されている。
ここで、積層体の接合面積は、図4(a)、図4(b)、図4(c)の順に小さくなっている。このことから、使用する接続部材が少なくできるため、通気性の向上が期待できる。また、弾性率の高い導体層の曲げに対する自由度が上がり、柔軟性の向上が期待できる。
回路板は、後述する図5の構成を有していてもよい。
本実施形態に係る回路板の製造方法は、本実施形態に係る積層体である少なくとも第1の積層体及び第2の積層体を互いに積層して回路板を得る回路板作製工程を備える。
本実施形態に係る生体情報の測定方法は、本実施形態に係る積層体、又は、本実施形態に係る回路板を用いて生体情報を測定する工程を備える。
図6は、生体情報測定装置及び生体情報の測定方法の一例を示す図である。図6では、被験体である人体BODYが図示されており、人体BODYの肩部から腎部(又は、頭部から足部)にかけて延在する方向をX方向とし、このX方向に直交する方向をY方向とする。
図6に示す生体情報測定装置200では、生体情報測定シートである回路板150が、人体BODYに接触する状態で、X方向に対して人体BODYの肩部から腎部を被い、Y方向に対して仰臥位において両肩及び両腕を被うように配置されている。回路板150は、グランドGNDに接続されて零電位を有する導電部材(例えば導電部材155a,155b,155c)を備えていてよい。生体情報測定装置200では、人体BODYが導電部材(電極)に直接接触することのない静電容量結合による接触を測定原理としている。したがって、人体BODYは、絶縁性基材を介して回路板150に密着され、被験体の体表面に生ずる生体電気信号の変化が検出される。
生体情報測定装置200は、回路板150と、上背部結合状態計測モジュール210と、心電図計測モジュール220と、腰部結合状態計測モジュール230とを備えている。回路板150では、主にシートに対する人体の結合状況を検出する生体情報測定部、主に心電図を検出する生体情報測定部等として第1の積層部分、第2の積層部分、第3の積層部分及び第4の積層部分を用いることができる。回路板150は、回路板150の長手方向がY方向に位置するように配置されており、例えば、回路板150の第1の積層部分及び第2の積層部分が心電図計測モジュール220に接続され、回路板150における短手方向の一端側の第3の積層部分及び第4の積層部分が上背部結合状態計測モジュール210に接続され、回路板150における短手方向の他端側の第3の積層部分及び第4の積層部分が腰部結合状態計測モジュール230に接続されている。
上背部結合状態計測モジュール210に接続された第3の積層部分及び第4の積層部分から上背部結合状態計測モジュール210へ信号が送られ、腰部結合状態計測モジュール230に接続された第3の積層部分及び第4の積層部分から腰部結合状態計測モジュール230へ信号が送られる。第1の積層部分及び第2の積層部分から心電図計測モジュール220へ信号が送られる。第1の積層部分及び第2の積層部分では、導電部材161a,161bと導電部材167a,167bとの間の差動電圧(電位差)を測定することにより被験体の心電図を取得することができる。
図7は、図6に示す生体情報測定装置及び生体情報の測定方法を更に説明するための図であり、生体情報測定装置の概要を示すブロック図である。
生体情報測定装置200の全体概要について説明する。なお、以下では、生体情報測定装置200が計測又は算出する項目を、次のような番号を付して説明する。すなわち、(1)モニタ用心電図、(2)胸部の呼吸運動、(3)腹部の呼吸運動、(4)胸部-腹部間の呼吸運動位相差、(5)上背部の脈波、(6)腰部の脈波、(7)上背部の脈波到達時間、(8)腰部の脈波到達時間、(9)上背部-腰部間の脈波到達時間、(10)上背部-腰部間の脈波伝搬速度、(11)上背部の電極結合状態、(12)腰部の電極結合状態、とする。
図6において説明したように、回路板(生体情報測定シート)150によって検出された生体電気信号は、生体情報測定装置200の入力インタフエースとなる上背部結合状態計測モジュール210、心電図計測モジュール220、及び、腰部結合状態計測モジュール230に入力される。
上背部結合状態計測モジュール210からは、(11)上背部の電極結合状態211が検出・計測され、胸部呼吸運動用フィルタ・増幅部212を介して(2)胸部の呼吸運動213が検出・計測され、上背部脈波用フィルタ・増幅部214を介して(5)上背部の脈波215が検出・計測される。
心電図計測モジュール220からは、(1)モニタ用心電図221が検出・計測され、呼吸運動位相差用フィルタ・増幅部222を介して(4)胸部-腹部間の呼吸運動位相差223が検出・計測される。
腰部結合状態計測モジュール230からは、腰部脈波用フィルタ・増幅部231を介して(6)腰部の脈波232が検出・計測され、腹部呼吸運動用フィルタ・増幅部233を介して(3)腹部の呼吸運動234が検出・計測され、(12)腰部の電極結合状態235が検出・計測される。
さらに、(11)上背部の電極結合状態211の信号はA/D変換器270を介してディジタル信号となり、A/D変換の算出例を示すブロック216のように離床/着床の判別、仰・腹臥位/側臥位の判別、結合安定度の判別、体位持続時間の係数算出等の処理を行うことができる。
さらに、(5)上背部の脈波215、(1)モニタ用心電図221、及び、(6)腰部の脈波232をA/D変換器270を介してディジタル化して、(5)上背部の脈波215及び(6)腰部の脈波232からはピーク/ボトム/ゼ口公差時刻検出器217,236によってピーク/ボトム/ゼ口公差の時刻を検出し、(1)モニタ用心電図221からはR波時刻検出器224によってR波の発生時刻を検出する。なお、R波は心臓が収縮するときの電気の流れをいう。
上背部脈波のピーク/ボトム/ゼ口公差時刻とR波時刻とは時間差演算240によって発生時刻の差分をとることで(7)上背部の脈波到達時間241が算出される。同様に、腰部脈波のピーク/ボトム/ゼロ公差時刻とR波時刻とは時間差演算260によって発生時刻の差分をとることで(8)上背部の脈波到達時間261が算出される。
また、上背部脈波のピーク/ボトム/ゼ口公差時刻と腰部脈波のピーク/ボトム/ゼ口公差時刻とから時間差・速度演算250による演算を行うことで、(9)上背部-腰部間の脈波到達時間251、及び、(10)上背部-腰部間の脈波伝播速度252が算出される。
そして、(12)腰部の電極結合状態235の信号はA/D変換器270を介してディジタル信号となり、A/D変換の算出例を示すブロック237のように離床/着床の判別、仰・腹臥位/側臥位の判別、結合安定度の判別、体位持続時間の係数算出等の処理を行うことができる。
このように、生体情報測定装置200は、少なくとも(1)~(12)の計測又は算出する項目を備えており、さらに、これらの検出信号についてディジタル変換を行うことで種々の判定・評価を可能としている。
例えば、体位(側臥位か仰臥位・腹臥位か)を判別して、閉塞型の睡眠時無呼吸症候群(SAS)が発症したときに被検体が仰臥位/腹臥位で寝ていたら、警報を出して、病院の看護師や、自宅にいる家族に体位変換を促すように報知することができる。また、閉塞型SASの患者は50%近くが夜間に不整脈を合併しているため、この不整脈異常は心電図計測によって検知できる。前記した体位変化の異常と不整脈との合併状況を検知することで、心疾患の治療を先に行う等の治療方針を適切に設定することができる。
以下、実施例及び比較例によって本発明を更に具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
生体情報測定シートとして、図4に示す構成を有する回路板を下記の手順で作製した。まず、回路板の構成部材として、下記の絶縁性基材、導電部材及び接続部材を準備した。絶縁性基材(繊維状基材)として、薄手の綿布であるローン布(厚さ:約100μm、通気度:62.6cm/cm/s)を用いた。多孔性の導電部材(一方面から他方面に貫通する互いに平行な複数の貫通孔を有する導電部材)として、貫通孔を有する銅箔である日立化成株式会社製の機能箔(商品名:TH-2090、厚さ:8μm、孔径:90μm、開口率:34%、通気度:484cm/cm/s)を用いた。接続部材として、離型紙上に配置された熱可塑性樹脂(ナイロン)の不織布を有する日本バイリーン株式会社製の商品名「クモの巣シート」(厚さ:60μm、目付量:13g/m、通気度:698cm/cm/s)を用いた。ホットメルト接着剤を塗布した糸として、ASSEMS社のMELSA 150Dを用いた。
(実施例1)
図4(a)に示す、積層体同士が接続部材により全面で接着する構造体を作製した。上述の絶縁性基材、導電部材及び接続部材を用いて、図4(a)の構成部材として、(A1)「絶縁性基材151/接続部材152」、(B1)「絶縁性基材153a,153b,153c/接続部材154a,154b,154c/導電部材155a,155b,155c」、(C1)「接続部材156/絶縁性基材157/接続部材158」、(B2)「絶縁性基材159a,159b/接続部材160a,160b/導電部材161a,161b」、(C2)「接続部材162a,162b/絶縁性基材163a,163b/接続部材164a,164b」、及び、(B3)「絶縁性基材165a,165b/接続部材166a,166b/導電部材167a,167b」の構成を有する所定の寸法の各積層体を下記の手順で作製した。
まず、絶縁性基材の皺を取り除いた後、絶縁性基材に不織布が接するように上述の接続部材を絶縁性基材に熱圧着し、さらに、離型紙を剥離することにより「絶縁性基材/接続部材」の積層体A(上述の積層体A1)を得た。また、積層体Aの不織布に導電部材が接するように熱圧着することにより「絶縁性基材/接続部材/導電部材」の積層体B(上述の積層体B1,B2,B3)を得た。さらに、積層体Aの絶縁性基材に不織布が接するように熱圧着することにより「接続部材/絶縁性基材/接続部材」の積層体C(上述の積層体C1,C2)を得た。
続いて、積層体B3及び積層体C2を重ねた後に熱圧着した。次に、積層体B3及び積層体C2が互いに積層された構造を有する構造体の下に積層体B2を重ねた後に熱圧着した。同様の手順で積層体C1、積層体B1及び積層体A1を積層することで、図4(a)に示す構成を有する回路板A1を得た。
(実施例2)
図4(b)に示す、一部の積層体同士が接続部材で部分的に接着する構造体を作製した。具体的には、積層体C1、C2の下面にある接続部材156と162a、162bは、図2(e)に示した様に積層体の外周部分のみに配置したものを用いた。それ以外は実施例1と同様の手順で回路板A2を得た。
(実施例3)
図4(c)に示す、一部の積層体同士が部分的に縫合された構造体を作製した。具体的には、積層体C1、C2の下面にある接続部材156と162a、162bは使用せず、その部分は縫合した。それ以外は実施例1と同様の手順で回路板A3を得た。
(実施例4)
図5(a)に示す、一部の積層体同士がホットメルト接着剤を塗布した糸180で部分的に接合された構造体を作製した。具体的には、積層体C1、C2の下面にある接続部材156と162a、162bは使用せず、その外周部にホットメルト接着剤を塗布した糸180を縫合した積層体C1’、C2’を用いた。この積層体C1’、C2’と上述の積層体B1,B2,B3をまとめて位置合せした後、1回の熱圧着操作で、回路板A4を得た。
(実施例5)
図5(b)に示す、積層体と絶縁性基材同士がホットメルト接着剤を塗布した糸180で部分的に接合された構造体を作製した。具体的には、積層体C1、C2の代わりに同じ大きさの絶縁性基材D1、D2を用いた。この絶縁性基材D1、D2および、上述の積層体B1,B2,B3の外周にホットメルト接着剤を塗布した糸180を縫合した。これらをまとめて位置合せした後、1回の熱圧着操作で、回路板A5を得た。
また、上述の銅箔に代えて、めっきした繊維にカーボンコートして得られる導電布を用いて同様に回路板Bを得た。
回路板A1、A2、A3、A4、A5及び回路板Bのそれぞれを用いて、図6及び図7に示す生体情報測定装置を構成して生体情報を測定した。その結果、いずれの回路板でも同等の精度の生体情報を得ることができた。
下記試験片を用いて通気度及び剛軟度を測定した。
まず、「絶縁性基材/接続部材/導電部材」の構成を有する上述の積層体Bと同じ積層体X1を作製した。次に、この積層体X1の下に、実施例1に示した積層体Cを配置して熱圧着し、積層体X2を作製した。この積層体X2の下に、別の積層体X2を配置して積層体X3を作製した。この積層体X3の下に、実施例1に示した積層体Aを熱圧着して、積層体X4を作製した。この積層体X4の構造は、回路板A1で3つの積層体が最も重なった部分と同じで、最も通気度が低く、剛軟度が高いものである。
次に、上述の積層体X1の下に、上述の積層体Aを配置して熱圧着し、積層体X5を作製した。この積層体を3枚重ねたものを積層体X6とした。この構造は、回路板A2および、A3で3つの積層体が最も重なった部分と同じで、最も通気度が低いものである。
通気度試験用は、200mm角の試験片である。積層体X1の通気度は29~40cm/cm/s、積層体X2の通気度は20~30cm/cm/s、積層体X4の通気度は6.3cm/cm/s、積層体X6の通気度は7~8cm/cm/sであった。
剛軟度試験用は、20mm幅で長さ150mmの試験片である。回路板A1の構造を持つ試験片として、上述の積層体X1、X2、X3の剛軟度を測定した。積層体X1は1.1~2.6mN・cm、積層体X2は420~570mN・cmであったが、積層体X3は上述の方法ではほとんど変形せず、4000mN・cm以上であった。
これに対し、回路板A3の構造を持つ試験片として、20mm幅で長さ150mmに切断した上述の積層体X5を2枚重ね、長手方向に両脇を縫合した積層体X7を作製した。さらに、積層体X5の上に、積層体Aを重ねて同様に縫合した積層体X8を作製した。積層体X7の剛軟度は146mN・cm、積層体X8では11~13mN・cmであった。回路板A2やA3の各積層体の接続形態は、積層体X7とX8の中間とみなすことができ、回路板A1の構造である積層体X2、X3と比較して、柔軟性が高いことが分かった。
さらに、回路板A3と回路板A4を比較すると、柔軟性は同等であるが、前者の方法では各積層体X5の二つを位置合せして縫合した後、さらにもう一つの積層体X5を位置合せしてから縫合するというような逐次型の作業となる。その理由は、積層体の導体部材の位置が重なった部分を縫合すると、導電部材同士が短絡する恐れがあることと、積層体X5同士を縫合した糸で固定する部分が増加して柔軟性が低下するためである。これに対して、回路板A4の方法では、各部材を全て位置合せしてから一度の熱圧着で作製することができるため、作業性に優れる。
また、回路板A5もA4と同様に一度の熱圧着で作製することができるため、作業性に優れる上に、積層体Bと積層体Aを接続するための接続部材が不要となり、柔軟性が向上する。
1…積層体、10,151,153a,153b,153c,157,159a,159b,163a,163b,165a,165b…絶縁性基材、20,155a,155b,155c,161a,161b,167a,167b…導電部材、30,152,154a,154b,154c,156,158,160a,160b,162a,162b,164a,164b,166a,166b…接続部材、150…回路板、169…縫合用の糸、180…ホットメルト接着剤を塗布した糸。

Claims (7)

  1. 生体情報を測定するために用いられる回路板であって、
    繊維状の第1の絶縁性基材と、当該第1の絶縁性基材上に配置された多孔性の導電部材と、を備える少なくとも第1の積層体及び第2の積層体、並びに、前記第1の積層体及び前記第2の積層体の間に配置された繊維状の第2の絶縁性基材を備え、
    前記第1の積層体と前記第2の積層体とが互いに積層されている、回路板。
  2. 前記導電部材が、銅及び銅合金からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む、請求項1に記載の回路板。
  3. 前記第2の絶縁性基材の主面の外周部に接続部材が配置された状態で、前記第2の絶縁性基材と、前記第1の積層体及び前記第2の積層体の少なくとも一方とが前記接続部材を介して接続された、請求項1又は2に記載の回路板。
  4. 前記第2の絶縁性基材の外周部と、前記第1の積層体及び前記第2の積層体の少なくとも一方とが縫合された、請求項1~3のいずれか一項に記載の回路板。
  5. 前記第2の絶縁性基材と前記第1の積層体及び前記第2の積層体の少なくとも一方の外周部とに、ホットメルト接着剤を塗布した糸が縫合され、そのホットメルト接着剤に近接する前記第2の絶縁性基材と前記第1の積層体及び前記第2の積層体の少なくとも一方とが熱圧着された、請求項のいずれか一項に記載の回路板。
  6. 少なくとも一部分における通気度が2cm/cm/s以上である、請求項1~のいずれか一項に記載の回路板。
  7. 少なくとも一部分におけるJIS L 1096 8.21 B法で測定される剛軟度が200mN・cm以下である、請求項1~のいずれか一項に記載の回路板。
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