JP7080207B2 - 情報管理システム - Google Patents

Description

本発明は、情報管理システムに関する。

従来、車両から取得した情報を管理する情報管理システムが知られている。特許文献１には、サーバ装置が車両に搭載された車載機から車両の各種情報を取得して、車両の利用状況などを把握するシステムが開示されている。このシステムを利用して、車両間で実行されるトランザクションをサーバ装置に記録して管理することが考えられる。

特開２０１９－６６９５０号公報

上述したシステムは、サーバ装置がデータを管理する集中管理型のシステムとして構成されているため、車両間で実行されるトランザクションの不正な書き換えを抑制することは困難である。

本発明は、上記課題を解決するものであり、車両間で実行されるトランザクションの不正な書き換えを抑制することができる技術を提供することを目的とする。

本発明の一態様である情報管理システムは、車両間で実行されるトランザクションを、複数の車両の各々がブロックチェーンを利用して記録する情報管理システムであって、複数の車両の各々は、インターネットに接続可能な通信部と、ブロックチェーンの形態でトランザクションが記録される記憶部と、トランザクションを記憶部に記録する記録部とを備えている。記録部は、車両間で新たなトランザクションが実行されたときに、通信部がインターネットに接続されている場合にのみ、トランザクションを記憶部に記録し、新たなトランザクションを記憶部に記録する際、トランザクションと、複数の車両の通信部のうち、トランザクションが実行されたときにインターネットに接続されている通信部の割合を示す情報と、ハッシュ値とを、ブロック単位で記憶部に記録する。

本発明によれば、車両間で実行されるトランザクションの不正な書き換えを十分に抑制することができる。

本発明の一実施形態における情報管理システムの全体構成を模式的に示す図。 車両の構成を示すブロック図。 ブロックチェーンの形態で記憶部に記録される情報を説明するための図。

以下、図１～図３を参照して、本発明の実施形態について説明する。

図１は、本発明の一実施形態における情報管理システム１００の構成を模式的に示す図である。この情報管理システム１００は、車両間で実行されるトランザクションを、複数の車両１０の各々がブロックチェーンを利用して記録し、管理するシステムである。

車両１０は、この情報管理システム１００を利用するために、事前に利用登録されていることが好ましい。すなわち、利用登録した車両１０の各々が、車両間で実行されるトランザクションを記録する。

図２は、車両１０の構成を示すブロック図である。車両１０は、通信部１１と、情報生成部１２と、記録部１３と、記憶部１４とを備える。図２に示すように、車両１０は、表示部１５をさらに備えることが好ましい。

通信部１１は、インターネット１に接続可能に構成されている。通信部１１がインターネット１に接続されることにより、他の車両間で実行されるトランザクションの記録が可能となる。また、通信部１１がインターネット１に接続されることにより、自身の車両１０と他の車両１０との間で、トランザクションの実行が可能となる。トランザクションの内容について特に制約はなく、例えば、金銭の授受に関する情報や交通情報などが挙げられる。

情報生成部１２は、ブロックチェーンの形態で記憶部１４に記録される情報を生成する。

図３は、ブロックチェーン２０の形態で記憶部１４に記録される情報を説明するための図である。ブロックチェーン２０を構成する複数のブロックＡ_n（ｎ＝１、２、３…）にはそれぞれ、車両１０間で実行されたトランザクションＴ_n（ｎ＝１、２、３…）と、複数の車両１０の通信部１１のうち、トランザクションＴ_nが実行されたときにインターネット１に接続されている通信部１１の割合を示す情報Ｐ_n（ｎ＝１、２、３…）と、ハッシュ値Ｈ_n（ｎ＝１、２、３…）とが含まれる。各ブロックＡ₁、Ａ₂、Ａ₃…には、ブロックが生成されるときのタイムスタンプなど、他の情報がさらに含まれるようにしてもよい。

情報生成部１２は、ブロックチェーン２０を構成するブロックに含まれる、上述した情報を生成する。他の車両１０間で実行されたトランザクションＴ_nの情報は、例えば、インターネット１を介して取得する。トランザクションＴ_nが実行されたときにインターネット１に接続されている通信部１１の割合を示す情報Ｐ_nは、例えば、インターネット１を介して取得する。ハッシュ値Ｈ_nは、１つ前のブロックＡ_n-1の内容に基づいて生成する。例えば、１つ前のブロックＡ_n-1の内容を、ハッシュ関数を用いて暗号化することにより、ハッシュ値Ｈ_nを生成する。

記録部１３は、情報生成部１２によって生成された情報、すなわち、車両１０間で実行されたトランザクションＴ_nと、複数の車両１０の通信部１１のうち、トランザクションＴ_nが実行されたときにインターネット１に接続されている通信部１１の割合を示す情報Ｐ_nと、ハッシュ値Ｈ_nとを、ブロック単位で記憶部１４に記録する。ただし、情報生成部１２によって生成された情報は、複数の車両１０において、予め設定された合意規則を満たしているか否かの判定が行われ、合意規則を満たしていると判定された情報のみが記憶部１４に記憶される。合意規則は、例えばＰＯＷ（Proof Of Work）である。

ここでは、車両１０間で新たなトランザクションＴ_nが実行されたときに、通信部１１がインターネット１に接続されている場合にのみ、その新たなトランザクションＴ_nを、上述したインターネット１に接続されている通信部１１の割合を示す情報Ｐ_nおよびハッシュ値Ｈ_nとともに記憶部１４に記録する。

また、記録部１３は、車両１０間で新たなトランザクションＴ_nの実行が要求されたときに、複数の車両１０の通信部１１のうち、インターネット１に接続されている通信部１１の割合が所定の割合以下の場合には、そのトランザクションＴ_nを完了済のトランザクションとして記憶部１４に記録しない。すなわち、記録部１３は、車両１０間で新たなトランザクションＴ_nの実行が要求されたときに、複数の車両１０の通信部１１のうち、インターネット１に接続されている通信部１１の割合が所定の割合以下の場合、そのトランザクションＴ_nを未完了トランザクションとして保持する。

通信部１１は、所定の間隔ごとに、複数の車両１０の通信部１１のうち、インターネット１に接続されている通信部１１の割合を取得する。記録部１３は、上述した未完了トランザクションを保持しているときに、通信部１１によって取得された、インターネット１に接続されている通信部１１の割合が所定の割合を超えると、保持している未完了トランザクションを最新のトランザクションＴ_nとして記憶部１４に記録する。

ここで、所定の割合は、所定の時間内または時間帯においてインターネット１に接続されている通信部１１の割合に応じて設定することができる。例えば、午後１時～午後２時の間のような所定の時間内にインターネット１に接続されている通信部１１の割合の平均値を算出し、算出した平均値を上記所定の割合として設定する。また、過去１時間の間にインターネット１に接続されている通信部１１の割合の平均値や中央値を求め、求めた平均値や中央値よりも低い値を上記所定の割合として設定してもよい。所定の割合を、所定の時間内または時間帯においてインターネット１に接続されている通信部１１の割合に応じて設定することにより、インターネット１に接続されている通信部１１の割合の状況に応じた適切な値を設定することができる。

本実施形態における情報管理システム１００では、車両１０間で実行された完了済のトランザクションＴ_nだけでなく、未完了トランザクションもブロックチェーンの形態で記録する。すなわち、記録部１３は、複数の車両１０の各々が保持する未完了トランザクションとハッシュ値とを、ブロック単位で記憶部１４に記録する。

表示部１５は、車両１０のユーザが閲覧可能なディスプレイであって、トランザクションＴ_nの情報を表示する。ユーザが実行を指示したトランザクションＴ_nが未完了トランザクションとなった場合、表示部１５は、トランザクションＴ_nが完了したと仮定した場合の情報を表示する。すなわち、ユーザが実行を指示したトランザクションＴ_nが未完了トランザクションとなった場合でも、ユーザには、トランザクションＴ_nが完了したと仮定して、その情報を表示部１５に表示して知らせる。これにより、ユーザは、実行を指示したトランザクションＴ_nの情報を確認することができる。

なお、情報生成部１２および記録部１３は、それぞれＣＰＵによって構成することができる。また、記憶部１４は、例えば、ハードディスクドライブによって構成することができる。

ここで、ｎ番目のブロックＡ_nに格納されているトランザクションＴ_nの真偽は、以下の方法により確認することができる。すなわち、トランザクションＴ_nを含むブロックＡ_nの内容に基づいて生成したハッシュ値と、ブロックＡ_nの次のブロックＡ_n+1に含まれるハッシュ値Ｈ_n+1とが一致するか否かを確認する。２つのハッシュ値が一致した場合に、ｎ番目のブロックＡ_nに格納されているトランザクションＴ_nは正しいと判断する。

このように、本実施形態における情報管理システム１００では、車両１０間で実行されるトランザクションＴ_nを、複数の車両１０の各々がブロックチェーンの形態で記録するので、不正な書き換えを抑制することができる。仮に、第三者が記憶部１４に記録されているトランザクションＴ_nを不正に書き換えたとしても、不正に書き換えられたトランザクションＴ_nを含むブロックＡ_nの情報に基づいて生成されるハッシュ値と、ブロックＡ_nの次のブロックＡ_n+1に含まれているハッシュ値Ｈ_n+1とが一致しなくなる。

また、ｎ番目のブロックＡ_nに含まれるトランザクションＴ_nだけでなく、（ｎ＋１）番目のブロックＡ_n+1に含まれているハッシュ値Ｈ_n+1も合わせて不正に書き換えた場合、不正に書き換えられたハッシュ値Ｈ_n+1を含むブロックＡ_n+1の内容に基づいて生成されるハッシュ値と、ブロックＡ_n+1の次のブロックＡ_n+2に含まれているハッシュ値Ｈ_n+2とが一致しなくなる。

すなわち、第三者が記憶部１４に記録されているトランザクションＴ_nを不正に書き換えるためには、ブロックチェーン２０を構成する全てのブロックＡ₁、Ａ₂、Ａ₃…の情報を書き換える必要があるため、事実上不可能となる。

また、記録部１３は、新たなトランザクションＴ_nを記憶部１４に記録する際、トランザクションＴ_nと、複数の車両１０の通信部１１のうち、トランザクションＴ_nが実行されたときにインターネット１に接続されている通信部１１の割合を示す情報Ｐ_nと、ハッシュ値Ｈ_nとを、ブロック単位で記憶部１４に記録するように構成されている。ハッシュ値Ｈ_nは、１つ前のブロックＡ_n-1の内容に基づいて生成されるので、１つ前のブロックＡ_n-1に含まれる、通信部１１の割合を示す情報Ｐ_n-1も利用してハッシュ値Ｈ_nが生成される。これにより、より信頼性の高いハッシュ値Ｈ_nを生成することができ、不正な書き換えをより効果的に抑制することができる。

また、記録部１３は、車両間で新たなトランザクションＴ_nの実行が要求されたときに、複数の車両１０の通信部１１のうち、インターネット１に接続されている通信部１１の割合が所定の割合以下の場合には、トランザクションＴ_nを完了済のトランザクションＴ_nとして記憶部１４に記録しないので、信頼性が低いと考えられるトランザクションＴ_nの実行を保留にすることができる。例えば、インターネット１に接続されている通信部１１の割合が所定の割合以下である可能性の高い時間帯を狙って、第三者が不正なトランザクションを実行しようとしても、そのようなトランザクションは未完了トランザクションとして保持するので、不正な書き換えをより効果的に抑制することができる。

また、記録部１３は、未完了トランザクションを保持しているときに、通信部１１によって取得されたインターネット１に接続されている通信部１１の割合が所定の割合を超えると、未完了トランザクションを最新のトランザクションＴ_nとして記憶部１４に記録する。未完了トランザクションの中には、不正ではないトランザクションも含まれるが、そのようなトランザクションは、インターネット１に接続されている通信部１１の割合が所定の割合より高い、信頼性の高い環境下で記憶部１４に記録することができる。

本発明は、その他の点においても上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能である。

１ インターネット、１０ 車両、１１ 通信部、１２ 情報生成部、１３ 記録部、１４ 記憶部、１５ 表示部、２０ ブロックチェーン、１００ 情報管理システム

Claims (7)

1. 車両間で実行されるトランザクションを、複数の車両の各々がブロックチェーンを利用して記録する情報管理システムであって、
   前記複数の車両の各々は、
   インターネットに接続可能な通信部と、
   前記ブロックチェーンの形態で前記トランザクションが記録される記憶部と、
   前記トランザクションを前記記憶部に記録する記録部と、
   を備えており、
   前記記録部は、車両間で新たな前記トランザクションが実行されたときに、前記通信部が前記インターネットに接続されている場合にのみ、前記トランザクションを前記記憶部に記録し、新たな前記トランザクションを前記記憶部に記録する際、前記トランザクションと、前記複数の車両の前記通信部のうち、前記トランザクションが実行されたときに前記インターネットに接続されている前記通信部の割合を示す情報と、ハッシュ値とを、ブロック単位で前記記憶部に記録することを特徴とする情報管理システム。
2. 請求項１に記載の情報管理システムにおいて、
   前記ハッシュ値は、１つ前のブロックの内容に基づいて生成されることを特徴とする情報管理システム。
3. 請求項１または２に記載の情報管理システムにおいて、
   前記記録部は、車両間で新たな前記トランザクションの実行が要求されたときに、前記複数の車両の前記通信部のうち、前記インターネットに接続されている前記通信部の割合が所定の割合以下の場合には、前記トランザクションを完了済のトランザクションとして前記記憶部に記録しないことを特徴とする情報管理システム。
4. 請求項３に記載の情報管理システムにおいて、
   前記通信部は、所定の間隔ごとに、前記複数の車両の前記通信部のうち、前記インターネットに接続されている前記通信部の割合を取得し、
   前記記録部は、前記インターネットに接続されている前記通信部の割合が前記所定の割合以下で前記トランザクションが実行されなかった場合、前記トランザクションを未完了トランザクションとして保持し、前記通信部によって取得された前記インターネットに接続されている前記通信部の割合が前記所定の割合を超えた場合に、前記未完了トランザクションを最新のトランザクションとして前記記憶部に記録することを特徴とする情報管理システム。
5. 請求項４に記載の情報管理システムにおいて、
   前記記録部は、前記複数の車両の各々が保持する前記未完了トランザクションとハッシュ値とを、ブロック単位で前記記憶部に記録することを特徴とする情報管理システム。
6. 請求項４または５に記載の情報管理システムにおいて、
   前記トランザクションの情報を表示する表示部をさらに備え、
   ユーザが実行を指示したトランザクションが前記未完了トランザクションとなった場合、前記表示部は、前記トランザクションが完了したと仮定した場合の情報を表示することを特徴とする情報管理システム。
7. 請求項３～６のいずれか１項に記載の情報管理システムにおいて、
   前記所定の割合は、所定の時間内または時間帯において前記インターネットに接続されている前記通信部の割合に応じて設定されることを特徴とする情報管理システム。

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