JP7079028B2 - 人工降雨式空気清浄装置 - Google Patents
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Description
一方、大小の会議室や食堂等、区切られた空間内の空気換気装置(又は空気清浄装置)としては、例えば、下記特許文献1,2に見られるように、一度、周囲の空気を取り込んで、清浄した後に、再び外部に送り出すボックス型の空気清浄装置が比較的多く知られている。
本発明は、上記従来例の有する不都合を改善し、比較的広い室内空間を対象として、当該室内の空気の清浄化を有効に成し得る保守点検が容易な人工降雨式空気清浄装置を、提供することを、その目的とする。
(全体の構成とその動作)
まず、図1乃至図2において、本発明にかかる人工降雨式空気清浄装置100は、その主要部である装置本体(清浄装置本体)1が、水滴群を散水して人工降雨を形成する振動ノズル(自励振動ノズル)11と、該ノズル11から散水される水滴群が落下する位置に配置されて当該水滴群を受けとめる受水槽12と、この受水槽12内の水を送水管13Aを介して上方に位置する振動ノズル11に送り込むポンプ13Bと、これら受水槽12及びポンプ13Bを保持する台枠14とを備えている。
そして、送水管13Aを介して振動ノズル11に送り込まれる降雨用水が、フレキシブルチュ-ブ部11Aから外部に向けて放散される際に、振動ノズル11は、中央部が(図3に示すように)幅広に形成されているので、先端部側のフレキシブルチュ-ブ部11Aの横ぶれを、有効に抑制することとなる。
この分配配水管15Aは、その中央部が、装置中央部に立設された送水管13Aの上端部で保持されている。そして、この送水管13Aを介して下方の受水槽12から、降雨用の水が、この分配配水管15Aに、連続的に送り込まれるようになっている。
又、受水槽12は、前述した分配配水管15Aに対応して、その大きさと形状が予め特定されて、前記分配配水管15Aと一体的に装備され、前述した各振動ノズル11から下方に向けて放散される放散水を、受け止め得る位置に配設されている。
これにより、下方に向けて拡散される振動ノズル11からの水滴は、室内空間の塵埃を付着(吸着)しつつ、後述する整流パネル20に沿って、且つ下方の受水槽12に向けて、円滑に降雨する(送り出される)。
上記人工降雨手段15による人工降雨形成部分(特に、振動ノズル11部分)は、所定の建造物内の空間に露出させた状態で、配設装備され、これにより、降下する水滴群に付勢されて、当該箇所に、室内空気の下降流が生じる(図5参照)。
この場合の水滴群の発生状況、即ち、振動ノズル11部分の振動により生じる水滴群の経時的な発生(出力)状況を、図6に示す。
実験では、1列の水滴群で、下降流の厚みが数「cm」で確認された。また、ノズルから下、0.5〔m〕の水滴群近傍では、下向きの下降流は「0.5〔m/Sec 〕以上を観測し得た。
この現象は、気象学的にはダウンバーストであり、航空機を墜落に至らせる強い風速を有することが知られている。
これにより、当該室内空間の空気全体が、継続して且つゆったりした状態で、循環させられるようになっている。
人工降雨は、ミストと違って風に流されにくいが、既存空調の吹き出し口や部屋の窓や出入口の開閉等で、強い横風を受けた場合は流され易い。
かかる場合、背面に、人工降雨の降雨面とほぼ平行に整流パネル20を設けることで、横風の影響を受けにくくすることができる(図7参照)。
一方、この整流パネル20については、ロール式のシ-ト巻き取りなどで、不使用時にはコンパクトに収納できるようにしてもよい。
また、整流パネル20は、風よけだけでなく、映像や画像などのスクリ-ンとすることもできる。
この場合は、振動ノズル11の降雨動作時の水滴に光が反射することから、通常のスクリ-ンにはない表現が可能となっている。
このため、本実施例1は、清浄装置から投射する映像装置、若しくは外部に設置された投射装置から出力される画像又は映像の表示、又はマッピングされた光の投射対象物の映像表示画面としても使える、という利点がある。
更に、前記振動ノズル11とポンプ13Bとの間の送水管13Aには、図1に示すように、殺菌装置16とろ過装置17とが併設されている。
これによって、前記ポンプ13Bから前記振動ノズル11に供給される水が、継続して日常的に殺菌され且つ清浄化されるようになっている。
そして、これらの各構成手段(併設装置)は、外部指令又は外部操作に応じて、各々が個別に又は他の部材と連携して稼働し得るようになっている。
一般に、体育館や講堂等の大きい建造物内では、内部空間の湿度調整に際しては、時間当たりの加湿能力を一時的に高めたい場合がある。
例えば、部屋の空気を定期的に入れ替えた場合や、夜間に気温が下がって絶対湿度が低下し場合、暖房を入れたり、日射によって室内の温度上昇が早い場合等では、理想とする湿度になるように一時的に加湿量を増やすことが望ましい。
この場合、ミストの噴霧には、例えば、水圧をかけて噴霧ノズルから空間に直接噴出する方法や、超音波振動子を用いて水を微粒子化したものをファンなどの送風によって空間に送出する方法、などが一般的である。
この噴霧ノズル23については、当業者間では、自励振動ノズル11による散水パターンが呈する扇状に噴霧するタイプと同等のものを用いることが、一般に望ましいとされている。
排出されたミストは、自励振動ノズル11の水滴群が起こす下降流に誘引され且つエアカーテンに混流する形で、下降流と一体化して受水槽12に向かう。超音波振動子によって発生するミストは、一般的に白く見えるため、視認性を得たい場合に都合がよい。
投光器24は、本実施例1では、図1乃至図2に示すように、分配配水管15Aに、下向きに装備されている。この投光器24の光源は、電球のほか発光ダイオードなどを使用してもよい。
又、この投光器24にあって、光を照射する対象は、自励振動ノズル11が散水する水滴群のほか、受水槽12なども含む。
また、装置本体1に直接取り付けずに、近傍の壁や天井や什器備品類に取り付けたり置いて、運転を近接通信を介して制御する手法を用いてもよい。
受水槽12内に必要な水Wが補給された後、装置全体を稼働状態に設定すると、まず、動作制御手段30Aが作動して、送水手段13を駆動制御し、適度の水圧をもって、受水槽12内の水を自励振動ノズル11に向けて送り込む。
振動ノズル11は、送り込まれた水を連続した下降水滴として三箇所から前述したように、室内の上方から受水槽12に向けて放出する。この場合、放出された下降水滴は、図5乃至図6に開示したように一定幅の放射状に(下方に向けて)放散される。
このため、本実施例1によると、上記従来例の不都合を改善すると共に、比較的広い室内空間を対象として、当該室内の空気の清浄化を有効に成し得ることとなり、そのための操作に際しては、オペレータの監視無しに、当該室内の空気の清浄化を成し得るので、保守点検が容易となるという、優れた人工降雨式空気清浄装置を提供することができる。
ここで、前述した実施例1と同一の構成部材については、同一の符号を用いるものとする。
この三段の伸縮アーム50は、台車40に支持されている。このため、振動ノズル11は、台車40上の三段の伸縮アーム50に支持されつつ、当該台車40と共に、移動可能に構成され、必要に応じてその高さ位置が可変設定されるようになっている。
このため、この図13の例では、整流シート51を常設すると共に当該整流シート51が上方に巻き取られるようになっており、このため、不使用時には床面積を広く使用することができるという利点がある。
その他の構成は、前述した実施例1の場合と同一となっている。
ここで、前述した実施例1の場合と同一の構成部材については、同一の符号を用いるものとする。
符号78A,79Aは、それぞれ分配配水管75Aの両端部に個別に連結された送水管を示す。
その他の構成は、前述した実施例1の場合と同一となっている。
上記各実施例に開示した本発明にかかる人工降雨式空気清浄装置の、実際の使用例を、以下説明する。
まず、単一の広い部屋内の空気を一様に換気する場合の例を、図15に示す。
この内、図15(A)は、本発明の実施例1にかかる人工降雨式空気清浄装置100を、一の室内90の中央部に4台を背中合わせで四角形状に配置した場合を示す。
このため、この一の室内90の空間内では、その周囲の空気が一様に清浄化されることから、場所による空気清浄化の差が無くなるという利点が得られる。
図16に、本発明にかかる人工降雨式空気清浄装置100の複数組を、一方向に連続して配置した場合の人工降雨式空気清浄システム200を示す。
この図16にあって、符号21は、適度の大きさの複数の植栽を示す。又、符号101は、前述した図8において、整流パネル20に対向して装備されたものと同等の映像投影手段(映像投射装置)を示す。
上記実施例1でも開示したように、線状に降雨させる振動ノズル11の近傍から図10(C)に示すようにミストを噴出させることで、ミストが、人工降雨に連行されて層状のまま下降し白い平面を呈する。このため、これを映像等を映すスクリーンとすることができる。
この場合、加湿量を増やしたり、屋外などで動作させたりすると、周囲の通過者に対しては、ミストの気化熱による清涼感等を設定することができる。
また、広場等にあっては、臨時の通路を形成するガイドとしても使用できる。
(使用例4)
この場合の室内空気は、ファン160とフラップ161の作用により、図中矢印に示すように、建造物内の空間全体を対象として循環させることができ、これによって、当該室内空間の空気の清浄化が、緩やかに且つ円滑に清浄化されることとなる。
この場合、装置の並べ方は種々ある。又、場合によっては、ファンを用いない方式、若しくはこれに準ずる方式、の配列であってもよい。
この場合、フラップ161については、本実施例では、その取り付け角度の可変設定が可能なものが使用されている。これにより、環境の変化に対応して自在に設置することができ、用途の拡大が期待できて、都合がよい。
又、前述した自励振動ノズル(レインノズル)11や噴霧ノズル(ミスト噴霧ノズル)23については、デザイン上もしくは不用意にふれられないように、且つ人工降雨やミスト噴霧に支障がでない状態で、これらをカバーで隠すように構成してもよい。
11 振動ノズル(自励振動ノズル)
12 受水槽
13、21 送水手段
13A 送水管
13B 送水ポンプ
14 台枠
15 人工降雨手段
16 殺菌装置
17 ろ過装置
20 整流パネル
22 フラップ
23 ミスト噴霧ノズル(噴霧ノズル,ミストノズル))
24、124 投映手段
30A 動作制御手段
100 人工降雨式空気清浄装置
Claims (6)
- 区画された空間内の空気に湿度を与えると共に当該空間内の空気中を浮遊する汚染物質を除去する機能を備えた装置本体を有する人工降雨式空気清浄装置であって、
前記装置本体が、水滴群を散水して人工降雨を作る振動ノズルと、この振動ノズルから散水される水滴群の落下位置に配置されて当該水滴群を受けとめる受水槽と、この受水槽の水を前記振動ノズルに送り込む送水管及び送水ポンプを備えた送水手段と、この送水手段及び前記受水槽を保持する台枠とを備えて成る人工降雨手段を有し、
この人工降雨手段の前記振動ノズルから散水される水滴群部分を露出させる共に、降下する水滴群に付勢されて共に下降する下降空気流により、前記空間内の空気を循環させる構成とし、
前記送水手段に、振動ノズル用の水浄化手段を併設し、
前記振動ノズルによる気体の下降流を形成する位置に、送風手段を併設すると共に、これにより生じる前記空気の下降流を反転上昇させるフラップを、前記受水槽側に装備したたことを特徴とする人工降雨式空気清浄装置。 - 前記水浄化手段を、前記受水槽から送水手段に送り込まれる降雨用の水を前記振動ノズルに送り込む前に常時殺菌する殺菌装置と、同時に、当該降雨用の水をろ過するろ過装置とをもって構成したことを特徴とする請求項1に記載の人工降雨式空気清浄装置。
- 前記振動ノズルを一定の散水領域を持つ自励振動ノズルで構成すると共に、この自励振動ノズルによる散水領域を、幅の狭い帯状に設定する機能を前記振動ノズルが備えていることを特徴とする請求項1に記載の人工降雨式空気清浄装置。
- 前記散水領域に帯状に降水する前記振動ノズルからの水滴群の降水面に対向して、当該水滴群降水面から一定間隔を隔てた位置に、整流パネルを配設したことを特徴とする請求項3に記載の人工降雨式空気清浄装置。
- 前記振動ノズルから散水される水滴群に沿ってミストを噴霧するミスト噴霧ノズルを、前記振動ノズルに併設したことを特徴とする請求項4に記載の人工降雨式空気清浄装置。
- 前記振動ノズルからの前記水滴群,前記整流パネル,噴霧される前記ミスト,又は前記フラップに対して投映する投映手段を、前記振動ノズルの設置領域に併設したことを特徴とする請求項5に記載の人工降雨式空気清浄装置。
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