JP7078835B2 - 検知器 - Google Patents
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例えば、特許文献1には、加熱雰囲気中の被測定対象からの放射エネルギーを受光する検出部と、測定雰囲気中のエアを浄化する浄化手段と、検出部の被測定対象方向に設けられ浄化手段よりの熱風エアを噴出するエアパージ管とを備えた構成が開示されている。
また、本発明が適用される検知器は、検知光を出力する出力手段と、前記出力手段の前記検知光が被検知面で反射した反射光を受光する受光手段と、前記受光手段により受光された前記反射光の情報を基に前記被検知面に関する情報を取得する取得手段と、前記反射光の光路方向に延び、当該反射光の光路を囲む囲み部材と、前記囲み部材の内側にエアを供給する供給手段であって、当該囲み部材の内側においてエアを前記被検知面の方向に向かうように供給すると共に、エアの供給に伴う圧力作用により当該囲み部材の外側の空気をエアと共に当該囲み部材の内側に供給する供給手段と、を備え、前記囲み部材には、前記供給手段によりエアが供給される位置よりも前記被検知面から遠い位置に、周方向に沿って間隔を開けて複数の通気口が形成されていることを特徴とするものである。
本実施の形態では、被検知面(検知対象面)に検知光を反射させて油膜を検知する機能を持つ油膜検知器1について説明する。かかる機能は、被検知面としての液面に油膜が存在するときの光の反射率と存在しないときの光の反射率とが違うという性質を利用するものである。液面としては、例えば浄水場や河川、湖沼等の液面を指すものであり、液面の位置が高くなったり低くなったり、また、液面が波立ったりするものである。
油膜検知器1には、油膜の有無を検知する被検知面の近くの構造物に据え置いて用いる固定式と、被検知面に対して移動する移動式と、がある。
本実施の形態に係る油膜検知器1の構成について説明する。まず、油膜検知器1の本体として、油膜検知器本体2Aと油膜検知器本体2Bを説明する。油膜検知器本体2Aを図1で説明し、油膜検知器本体2Bを図2で説明する。なお、油膜検知器本体2Aと油膜検知器本体2Bは、レーザ走査式を採用し、液面の高さ変化の影響を低減させている。
図1は、油膜検知器1の油膜検知器本体2Aの構成例を示すブロック図である。
油膜検知器1の油膜検知器本体2Aは、検知光としてのレーザ光L1を発光する出力手段の一例としてのレーザ光源100と、レーザ光源100により発光されたレーザ光L1を、照射範囲を有する平行光として出力する照射部200と、を備えている。更に説明すると、照射部200は、レーザ光L1を走査することにより照射範囲を照射するレーザ光L2を出力する。レーザ光L2は、レーザ光L2の光路上流側での照射範囲(ビーム群の横断面積)と光路下流側での照射範囲(ビーム群の横断面積)との大きさの差が無い乃至ほとんど無いいわゆる平行光である。
なお、本書で平行光というときには、1本のレーザ光を走査することによりビーム群に構成された光の照射範囲(横断面積)が光路上の位置によって実質的に変わりがないレーザ光を言うものとする。
更に説明すると、同軸落射部300は、照射部200からのレーザ光L2をハーフミラー310に反射させ、その反射光であるレーザ光L3を液面Wに全反射するように導き、かつ、液面Wで全反射したレーザ光L4をハーフミラー310に透過させ、その透過光であるレーザ光L5を受光部400に受光されるように導く。レーザ光L4は、レーザ光L3の入射角に等しい角度で液面Wから反射していく。すなわち、レーザ光L3の入射角とレーザ光L4の反射角とは互いに等しい。
なお、レーザ光L3の出射およびレーザ光L4の入射は、透明部材である窓部800を介して行われる。窓部800は、例えばガラスで構成される。
このため、検知光を広い範囲に照射することが可能であり、液面Wの高さが変動して油膜検知器本体2Aに対する距離が変わっても、受光部400による油膜検知に必要な検知光の受光に影響を受けず、また、液面Wが波立ったりしても、同様に、油膜検知に必要な検知光の受光に影響を受けない。
照射部200および同軸落射部300の構成については上述したとおりである。
受光部400としては、レーザ光L5を集光するための図示しない集光レンズと、集光した光の強度に応じた電気信号に変換する図示しないフォトダイオードと、で構成する例が考えられる。
また、通知部700としては、ユーザに対して視覚的に通知する図示しない表示画面で構成する例が考えられ、また、汎用の通信手段にて遠隔のユーザに通知するための通信インターフェースで構成する例が考えられる。
図2に示す油膜検知器1の油膜検知器本体2Bは、レーザ光源100、照射部200、同軸落射部300、受光部400、演算部500、判断部600及び通知部700を備えている。同軸落射部300は、ハーフミラー310を有する。このような油膜検知器本体2Bの構成は、油膜検知器本体2Aと共通する。
ここで、例えば復水ピットが70度や80度(摂氏)程度の比較的高い温度であると、液面Wから湯気が立ちのぼり、復水ピットが半密閉であるときには、ピット内が湯気で充満する場合がある。かかる場合、油膜検知器1からのレーザ光が液面Wとの間を往復する際に湯気と乱反射してレーザ光が減衰することで、油膜検知器1による検知結果が安定しなくなり、好ましくない。検知結果に悪影響を及ぼす湯気等の障害物質が存在する環境下でも検知結果を安定させるため、障害物質の除去にエア(圧縮空気)を用いることが考えられる。すなわち、油膜検知器1と液面Wとの間の空間に漂う障害物質を所定圧のエアで減少させ、障害物質に起因する悪影響を抑制する方法である。
しかしながら、レーザ光の光路を含む空間にある障害物質を除去するためのエア供給量が必要になり、油膜検知器1を設置する場所にそのようなエア供給装置が備わっていなければ、検知結果を安定化させることが困難になる。また、油膜検知器1にエア供給装置を追加する構成も考えられるが、エア供給装置が大型化し、広い設置スペースが必要になり、さらには、装置一体化によるユニットの大型化や高額化(高イニシャルコスト)になることが想定される。また、エアの消費量が多くなることから、エア供給装置を動かすために多くのランニングコストがかかってしまうことも想定される。
そこで、本実施の形態では、油膜検知器1と液面Wとの間の障害物質を減らし検知結果に与える影響を軽減するのに必要なエアの量を抑制可能な構成を備える。
以下、本実施の形態における具体的な構成として、第1の実施の形態および第2の実施の形態を説明する。
図3は、第1の実施の形態に係る油膜検知器1を説明する概略図であり、一部を破断して示す。なお、本実施の形態に係る油膜検知器1は、上述の油膜検知器本体2A,2Bのいずれかを備える。
同図に示すように、油膜検知器1は、油膜検知器本体2A,2Bの下側に設けられる囲み部材の一例としてのフード3を備える。かかるフード3は、油膜検知器本体2A,2Bと液面Wとの間を進むレーザ光L3,L4(図1または図2参照)の光路を囲んでいる。
なお、油膜検知器1のフード3を油膜検知器本体2A,2Bに取り付ける場合と、別部材にフード3を取り付けることで油膜検知器本体2A,2Bに対する位置が定まる場合と、がある。また、取外しできるようにフード3を被取付け側に取り付けられる構成を採用し、状況に応じて使用者が後付けないし切り離しできるようにしてもいい。すなわち、油膜検知器1は、フード3を備える構成の場合と、フード3を備えない構成の場合と、がある。
フード3は、取付け状態では上下方向に延びる。そして、フード本体31の一端31aは、油膜検知器本体2A,2B側に位置し、油膜検知器本体2A,2Bにおいてレーザ光L3の出射およびレーザ光L4の入射が行われる窓部800(図1または図2参照)に対峙する。フード3の取付け状態では、開口する一端31aが油膜検知器本体2A,2Bにより塞がれるようになる。また、フード本体31の他端31bは、液面W側に位置する。以下、一端31aを上端31aということがあり、他端31bを下端31bということがある。
接続部32bは、内筒部32aとフード本体31との間に位置し内筒部32aの下端に接続するものであり、筒形状の全周にわたって形成されている。このため、フード本体31の内部空間Aにおいて、間仕切り部32の上側空間と下側空間とが内筒部32aの開口によってつながっている。間仕切り部32は、仕切り部材の一例である。
なお、本実施の形態では、フード本体31および内筒部32aは共に、横断面円形状の円筒形状であるが、これに限られず、横断面が円形状以外の形状である筒形状の例も考えられる。
このようなアスピレータ33を使うことで、供給口33aから供給されるエアが少量であっても、内部空間Aに対し大きな風量を導くことができ、エア消費量の削減を実現することが可能である。アスピレータ33は、供給手段の一例である。
また、エアと外気による混合気は、フード3の下端31bから比較的勢いよく下方に吹き出されるので、液面Wにまで達することで、フード3の下端31bと液面Wとの間の湯気をほかに追いやる。このため、従来よりも少ないエア量で油膜検知器本体2A,2Bと液面Wとの間にある湯気を減らすことができ、湯気が検知結果に与える悪影響を軽減することが可能になる。
なお、当然ながら、混合気による結露防止と共にヒータ加熱を併用することも考えられ、その場合には、ヒータ加熱が少なくて済み、消費電力を抑制することが可能になる。
付言すると、本実施の形態では、フード3の上端31aが開口する構成を採用するが、上端31aにガラス等の透明部材を設けることで、2枚ガラスによる結露抑制を図ることが考えられる。
次に、第2の実施の形態に係る油膜検知器1について説明する。なお、第2の実施の形態に係る油膜検知器1は、上述の第1の実施の形態と共通する構成を備えることから、同じ構成には同じ符号を用いることがあり、また、その説明を省略することがある。
図4は、第2の実施の形態に係る油膜検知器1を説明する概略図であり、図3の場合と同じく、一部を破断して示す。
図4に示すように、第2の実施の形態に係る油膜検知器1は、第1の実施の形態の場合と同じく、油膜検知器本体2A,2Bのいずれかを備えるほか、フード3を備える。
このフード3は、上述した筒形状のフード本体31を含み、内周面側に内部空間Aが形成されている。
なお、フード3は、第1の実施の形態の場合と異なり、間仕切り部32およびアスピレータ33を備えていない。
また、フード3にエアを供給するコンプレッサ等を常時作動させる場合のほか、検知器を常時作動させておく必要がない場合には、コンプレッサの作動を検知器の作動時期に合わせて制御する場合も考えられる。すなわち、測定前にコンプレッサ等の作動が開始し、測定後にはコンプレッサ等の作動を停止する変形例である。
図5は、本実施の形態による効果を確認する実験を説明する図であり、(a)は実験装置を説明する図であり、(b)は実験結果を示す表である。
図5(a)に示すように、ホットプレート42の上側に油膜検知器本体2Aないし油膜検知器本体2Bを配置した。ホットプレート42で水が約100度まで加熱され、ホットプレート42から湯気が立ち上る。
油膜検知器本体2A,2Bの窓部800(図3または図4参照)の下に筒形状のフード41を配置した。また、油膜検知器本体2A,2Bとフード41との間から、下向きのエア供給(パージ)を行った。かかるパージによる下向きのエア流で、ホットプレート42の湯気は、フード3の内部空間Aおよびフード3とホットプレート42との間の空間から取り除かれた。
なお、この実験装置では、フード3の直径が125mmであり、フード3とホットプレート42の液面までの距離Lは、500mm~1100mmの範囲で実験を行った。
常温水であれば、距離Lが500mmの場合と距離Lが1100mmの場合とで差がほとんどない。そして、測定開始直後のパージなし/結露なしのとき、常温水のときよりも検知レベルが低下したものの、距離Lが500mmの場合と距離Lが1100mmの場合との差がわずかにある程度である。パージなし/結露ありのときには、検知レベルが大幅に低下した。そして、パージあり/結露なしの場合のときは、ほぼ測定開始直後の検知レベルまで回復した。
このように、パージがないと窓部800(図3または図4参照)に結露が生じ、検知レベルが低下する一方で、パージがあると、その結露がなくなり、検知レベルが戻った。エア供給により、検知レベルの低下が抑制されることが実験で明らかになった。
Claims (2)
- 検知光を出力する出力手段と、
前記出力手段の前記検知光が被検知面で反射した反射光を受光する受光手段と、
前記受光手段により受光された前記反射光の情報を基に前記被検知面に関する情報を取得する取得手段と、
前記反射光の光路方向に延び、当該反射光の光路を囲む囲み部材と、
前記囲み部材の内側にエアを供給する供給手段であって、当該囲み部材の内側においてエアを前記被検知面の方向に向かうように供給すると共に、エアの供給に伴う圧力作用により当該囲み部材の外側の空気をエアと共に当該囲み部材の内側に供給する供給手段と、
を備え、
前記囲み部材の内部空間に位置する内筒部と当該囲み部材とを前記被検知面側で互いに接続する接続部を備えることで、前記供給手段により当該囲み部材の内側に供給されるエア及び空気が当該被検知面とは反対の方向に向かった後に当該被検知面の方向に向かうことを特徴とする検知器。 - 検知光を出力する出力手段と、
前記出力手段の前記検知光が被検知面で反射した反射光を受光する受光手段と、
前記受光手段により受光された前記反射光の情報を基に前記被検知面に関する情報を取得する取得手段と、
前記反射光の光路方向に延び、当該反射光の光路を囲む囲み部材と、
前記囲み部材の内側にエアを供給する供給手段であって、当該囲み部材の内側においてエアを前記被検知面の方向に向かうように供給すると共に、エアの供給に伴う圧力作用により当該囲み部材の外側の空気をエアと共に当該囲み部材の内側に供給する供給手段と、
を備え、
前記囲み部材には、前記供給手段によりエアが供給される位置よりも前記被検知面から遠い位置に、周方向に沿って間隔を開けて複数の通気口が形成されていることを特徴とする検知器。
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