JP7078439B2 - 歩行車 - Google Patents

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Description

本発明は、歩行車に関する。
従来より、高齢者等が買い物や散歩等を行う際の歩行を補助する歩行車(歩行補助車)が知られている。歩行車は、左右一対の脚体部と、それら脚体部の間に設けられた座部とを備えている。脚体部は、下端に前輪が取り付けられた前脚フレームと、下端に後輪が取り付けられた後脚フレームとを有して構成されている。
歩行車には、脚体部が折り畳み可能とされているものがある。かかる歩行車では、脚体部が、前脚フレームと後脚フレームとが前後に離間する開脚状態と、前脚フレームと後脚フレームとが前後に接近して折り畳まれる閉脚状態とに移行可能となっている。
特許文献1には、座部を上方に折り畳むことで脚体部を開脚状態から閉脚状態へと移行させることが可能とされた歩行車が開示されている。この歩行車では、座部と脚体部とがリンク機構等を介して連結されており、使用者が座部を上方へ折り畳むと、それに連動して脚体部が開脚状態から閉脚状態へ移行するようになっている。また、使用者が座部を折り畳み状態から下方に展開させると、それに連動して脚体部が閉脚状態から開脚状態に移行するようになっている。したがって、特許文献1の歩行車では、座部を用いて脚体部の閉脚及び開脚の操作を行うことが可能となっている。
特許第5037703号公報
ところで、座部は起立状態の使用者からすると、比較的低い位置に配置されている。そのため、上記特許文献1の歩行車では、使用者が座部を用いて脚体部の閉脚及び開脚の操作を行う際、屈んだ状態で操作することになると考えられる。その場合、使用者にとって閉脚・開脚の操作が負担になることが考えられ、特に高齢者にとっては大きな負担になると考えられる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、脚体部の閉脚及び開脚の操作を比較的楽に行うことができる歩行車を提供することを主たる目的とするものである。
上記課題を解決すべく、第1の発明の歩行車は、下端部に前輪が取り付けられた前脚フレームと、下端部に後輪が取り付けられた後脚フレームとを有する左右一対の脚体部と、それら脚体部の間に設けられた座部と、前記各脚体部にそれぞれ連結され、背もたれを形成するための背もたれ構成部と、を備え、前記脚体部は、前記前脚フレームの下部と前記後脚フレームの下部とが互いに離間する開脚状態と、前記前脚フレームの下部と前記後脚フレームの下部とが互いに接近する閉脚状態とに移行可能とされている歩行車であって、前記背もたれ構成部は、使用者による操作により、前記背もたれを形成する第1位置と、その第1位置から退避される第2位置とに移動可能とされ、前記背もたれ構成部が前記第1位置にある場合に前記脚体部を前記開脚状態とし、前記背もたれ構成部が前記第2位置にある場合に前記脚体部を前記閉脚状態とするよう、前記背もたれ構成部と前記脚体部とを連動させる連動機構を備えることを特徴とする。
本発明によれば、背もたれを形成するための背もたれ構成部が、使用者の操作によって移動可能とされており、その移動操作に連動して脚体部が開脚状態と閉脚状態とに移行するようになっている。この場合、座部よりも上方に配置される背もたれ構成部を用いて脚体部の閉脚及び開脚の操作(開閉操作)を行うことができるため、かかる開閉操作に際しそれ程屈まなくてもよい。そのため、脚体部の開閉操作を比較的楽に行うことができる。
第2の発明の歩行車は、第1の発明において、前記背もたれ構成部は、前記各脚体部に回動可能に連結され、前記第1位置では前記各脚体部から前方に延びるように配置され、前記第1位置から上方に回動することで前記第2位置に配置されることを特徴とする。
本発明によれば、背もたれ構成部を第1位置から上方に回動することで第2位置へ移動させることができる。この場合、背もたれ構成部を使用者の手前側に引き上げ操作することで、脚体部を閉脚状態に移行させることができる。そのため、脚体部の閉脚操作を直立に近い状態で行うことができ、かかる操作をより楽に行うことができる。
第3の発明の歩行車は、第2の発明において、前記背もたれ構成部が前記第1位置にある場合には、前記各脚体部に対して前方の位置に前記背もたれが形成され、前記背もたれ構成部には、前記背もたれが形成される箇所に把持部が設けられ、前記把持部は、前記背もたれ構成部が前記第2位置にある場合に、前記歩行車の移動に際し把持されるハンドルと略同じ高さ位置に配置されるか、又は前記ハンドルよりも高い位置に配置されることを特徴とする。
本発明によれば、ハンドルの近くで脚体部の開閉操作を行うことができる。この場合、使用者の手元付近で開閉操作を行えるため、開閉操作をより一層楽に行うことができる。
第4の発明の歩行車は、第2又は第3の発明において、前記連動機構は、前記脚体部の前記前脚フレーム及び前記後脚フレームを連結するとともに、変形することで前記脚体部を前記開脚状態と前記閉脚状態とに移行可能とするリンク部を有し、前記リンク部は前記背もたれ構成部に連結され、その背もたれ構成部の回動に伴い前記リンク部を変形させることで前記脚体部を前記開脚状態と前記閉脚状態とに切り替える構成となっていることを特徴とする。
本発明によれば、背もたれ構成部の回動と脚体部の開閉動作との連動をリンク部を用いて具体的に実現することができる。
第5の発明の歩行車は、第4の発明において、前記連動機構は、前記リンク部と前記背もたれ構成部とにそれぞれ回動可能に連結されたリンク連結部を有することを特徴とする。
本発明によれば、背もたれ構成部の回動と脚体部の開閉動作との連動をリンク部及びリンク連結部を用いて具体的に実現することができる。
第6の発明の歩行車は、第1乃至第5のいずれかの発明において、前記背もたれ構成部は、前記各脚体部にそれぞれ連結され、前記第1位置にある場合に前記脚体部から前方に延びるように配置される一対の背もたれ側部と、前記各背もたれ側部の前端部からそれぞれ上方に延びる一対の立ち上がり部と、前記各立ち上がり部の上端部を連結し前記背もたれを形成する背もたれ形成部とを有し、前記背もたれ形成部に対して把持部が設けられているか、又は前記背もたれ形成部が把持部とされていることを特徴とする。
本発明によれば、背もたれ構成部において背もたれを形成する背もたれ形成部を比較的高い位置に配置することができる。また、背もたれ形成部に把持部が設けられているか、又は背もたれ形成部が把持部とされているため、把持部を持って背もたれ構成部を移動させる際、すなわち背もたれ構成部を用いて脚体部の開閉操作を行う際、その操作を比較的高い位置で行うことができる。これにより、かかる開閉操作をより楽に行うことができる。
歩行車を斜め前方から見た斜視図であり、脚体部の開脚状態を示している。 歩行車を斜め前方から見た斜視図であり、脚体部の閉脚状態を示している。 背もたれ構成部が各脚体部に連結されている連結部分の構成を示す側面図であり、脚体部の開脚状態を示している。 背もたれ構成部が各脚体部に連結されている連結部分の構成を示す側面図であり、脚体部の閉脚状態を示している。 脚体部が開脚状態から閉脚状態へ移行する際の様子を示す側面図であり、(a)が開脚状態から閉脚状態へ移行する移行途中の状態を示し、(b)が閉脚状態を示している。 他の実施形態における背もたれ構成部周辺の構成を示す側面図であり、(a)が背もたれ構成部が背もたれ位置にある状態を示し、(b)が背もたれ構成部が退避位置にある状態を示す。
以下に、本発明を具体化した一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。図1及び図2はいずれも歩行車10を斜め前方から見た斜視図である。図1では、歩行車10の脚体部11が開脚されている状態を示し、図2では閉脚されている状態を示している。また、以下の説明では、歩行車10を移動させる際の移動方向を前後方向とし、その前後方向に対して直交する方向を左右方向とする。
図1に示すように、歩行車10は、左右方向に離間して設けられた一対の脚体部11と、それら脚体部11の間に設けられた座部12と、各脚体部11にそれぞれ連結され背もたれ14を形成するための背もたれ構成部13とを備える。
各脚体部11はそれぞれ、前脚フレーム15と後脚フレーム16とを有している。これら各脚フレーム15,16は、アルミニウム等の軽金属により形成されている。前脚フレーム15の下端部には前輪17が取り付けられ、後脚フレーム16の下端部には後輪18が取り付けられている。なお、詳しくは、前輪17は、前脚フレーム15の下端部に取付軸17aを介して取り付けられている。
前脚フレーム15は、その下端部から上方に向けて後方に傾斜するように延びている。一方、後脚フレーム16は、その下端部から上方に向けて前方に傾斜するように延びている。詳しくは、後脚フレーム16は、上下方向の中間部に折れ曲がり部16aを有しており、その折れ曲がり部16aよりも下側部分では傾斜しているのに対し、折れ曲がり部16aよりも上側部分16bでは鉛直方向に延びている。
各脚体部11において、前脚フレーム15の上端部にはブラケット19が固定され、後脚フレーム16の上端部にはブラケット21が固定されている。これら各ブラケット19,21はいずれも樹脂製であり、左右方向に延びる回動軸22を介して回動可能に連結されている。これにより、前脚フレーム15と後脚フレーム16とは回動軸22を中心として互いに回動可能となっており、その回動によって、脚体部11は、各脚フレーム15,16の下部が互いに離間する開脚状態(図1に示す状態)と、各脚フレーム15,16の下部が互いに接近する閉脚状態(図2に示す状態)とに移行可能となっている。また、閉脚状態では、各脚フレーム15,16の下部が接近することで、脚体部11が折り畳まれた状態となる。この折り畳み状態において歩行車10は自立可能となっている。
後脚フレーム16は筒状をなしており、その後脚フレーム16の上側部分16bには支柱フレーム23が上方から挿入されている。支柱フレーム23は、金属製の棒材からなり、上下方向に延びている。支柱フレーム23は、後脚フレーム16への挿入状態において、上下方向に位置調整が可能となっている。そして、支柱フレーム23は、その位置調整された位置で後脚フレーム16にねじ部材24を用いて固定されるようになっている。
支柱フレーム23の上端部には、ハンドル26を取り付けるためのハンドル取付部25が取り付けられている。ハンドル取付部25には、ハンドル26に加えブレーキレバー27が取り付けられている。ハンドル26は、使用者が歩行車10を移動させる際に把持する部分である。ハンドル26は、支柱フレーム23の上下位置調整により、その高さ位置(ハンドル高さ)を調整することが可能となっている。また、本実施形態では、ハンドル26の高さ位置が標準高さ位置(出荷時高さ位置)に設定されている。
ブレーキレバー27は、ハンドル26の下方に設けられ、ハンドル取付部25の内部でブレーキワイヤ28と接続されている。ブレーキワイヤ28は、後脚フレーム16の下端側に回動可能に設けられたブレーキ作動部29と接続されている。ブレーキレバー27が上方に操作されると、ブレーキ作動部29が回動して後輪18に当接し、その当接により後輪18の回転が規制されるようになっている。
なお、本実施形態では、ハンドル取付部25の一部に持ち手部35が設けられており、段差等で歩行車10を持ち上げる際には、その持ち手部35を持って歩行車10を持ち上げることが可能となっている。
座部12は、前後に離間して設けられた2つの座部フレーム31,32により支持されている。各座部フレーム31,32は、左右方向に延びる金属製のパイプ材からなる。各座部フレーム31,32のうち、前側の座部フレーム31は、その両端部が各脚体部11の前脚フレーム15に固定されている。また、後側の座部フレーム32は、その両端部が各脚体部11の後脚フレーム16に固定されている。なお、各脚体部11の前脚フレーム15は、その下端部において連結フレーム33を介して連結されている。
座部12は、樹脂製のシート材からなり、各座部フレーム31,32に跨がって設けられている。座部12は、その前端部が座部フレーム31に固定され、後端部が座部フレーム32に固定されている。この場合、各脚体部11が開脚状態から閉脚状態に移行すると、各座部フレーム31,32が互いに接近し、それに追従して座部12が折り畳まれるように変形する(図2参照)。
また、本実施形態では、座部12が多数の孔部(図示省略)を有するメッシュ状のシート材により形成されている。このため、使用者が歩行車10を移動させる際に、座部12の孔部を通じて歩行車10前方の段差の有無等を確認することが可能となっている。
続いて、背もたれ構成部13について説明する。
背もたれ構成部13は、各脚体部11の上端部にそれぞれ連結され、各脚体部11から前方に向けて延びるように設けられている。背もたれ構成部13は、座部12よりも上方であってかつハンドル26よりも下方となる位置に配置されている。詳しくは、背もたれ構成部13は、上下方向における座部12とハンドル26との中央位置よりも高い位置(すなわちハンドル26寄りの位置)に配置されている。
背もたれ構成部13は、背もたれ14を形成する背もたれフレーム36と、背もたれフレーム36の両端部に設けられ各脚体部11にそれぞれ連結された一対の連結具37とを有している。背もたれフレーム36は、金属製の棒材又はパイプ材をアーチ状(略コ字状)に折り曲げることで形成され、前方に向けて凸となるように配置されている。背もたれフレーム36は、その中間部(換言すると前端部)が左右方向に延びる直線部となっており、その直線部が背もたれ14を形成する背もたれ部36aとなっている。また、連結具37は、前後方向に延びる金属製の金具であり、一端部(前端部)が背もたれフレーム36に固定され、他端部(後端部)が脚体部11に連結されている。
ここで、本歩行車10では、背もたれ構成部13が各脚体部11に対して回動可能に設けられている。そして、使用者が背もたれ構成部13を回動させることによって、各脚体部11を開脚状態と閉脚状態とに切り替えることが可能となっている。つまり、本歩行車10では、背もたれ構成部13を用いて各脚体部11を開脚及び閉脚操作することが可能となっており、その点に特徴を有している。以下、かかる本歩行車10の特徴的構成について図1及び図2に加え図3及び図4を用いながら説明する。なお、図3及び図4はいずれも、背もたれ構成部13が各脚体部11に連結されている連結部分の構成を示す側面図である。図3では脚体部11の開脚状態を示しており、図4では閉脚状態を示している。
図1~図4に示すように、背もたれ構成部13の各連結具37はそれぞれ、各脚体部11に回動軸22を介して回動可能に連結されている。この場合、連結具37は、脚体部11の前脚フレーム15及び後脚フレーム16を連結する回動軸22によって脚体部11に連結されている。背もたれ構成部13は、各回動軸22を中心として上下に回動可能とされている。そして、背もたれ構成部13は、その回動により、背もたれ14を形成する背もたれ位置(図1及び図3参照)と、背もたれ位置から上方に退避される退避位置(図2及び図4参照)とに移動可能とされている。背もたれ位置では、背もたれ構成部13が各脚体部11から前方に向けて上方傾斜するように配置される。なお、背もたれ位置が「第1位置」に相当し、退避位置が「第2位置」に相当する。
背もたれ構成部13の背もたれ部36aには、樹脂製の取手部材56が取り付けられている。取手部材56は、背もたれ部36aの上方において左右に延びる把持部56aと、その把持部56aの両端部から下方に延び背もたれ部36aに取り付けられた一対の取付部56bとを有する。把持部56aは、使用者が背もたれ構成部13を回動させる際に把持する部分である。把持部56aは、背もたれ構成部13が背もたれ位置にある場合にはハンドル26よりも下方に配置され、背もたれ構成部13が退避位置にある場合にはハンドル26と略同じ高さ位置に配置される(図5(b)参照)。
背もたれ構成部13は、各脚体部11と左右一対の連結機構40を介して連結されている。連結機構40は、各脚体部11ごとに設けられ、脚体部11の前脚フレーム15及び後脚フレーム16を連結するリンク部41と、そのリンク部41と背もたれ構成部13とを連結するリンク連結部51とを有する。リンク部41は、背もたれ構成部13よりも下方に配置され、直線状に延びる金属製の一対のリンク42,43と、それらリンク42,43の端部同士を連結する軸部44とを有している。軸部44は左右方向に延びており、その軸部44を中心として各リンク42,43が互いに回動可能とされている。
一対のリンク42,43のうち、一方のリンク42は前脚フレーム15に軸部46を介して回動可能に連結され、他方のリンク43は後脚フレーム16に軸部47を介して回動可能に連結されている。これらの軸部46,47はいずれも軸部44と同じく左右方向に延びている。より詳しくは、前脚フレーム15にはリンク受け部48が固定され、後脚フレーム16にはリンク受け部49が固定されている。そして、リンク受け部48にリンク42の反軸部44側の端部が軸部46を介して連結され、リンク受け部49にリンク43の反軸部44側の端部が軸部47を介して連結されている。
リンク部41は、脚体部11が開脚状態と閉脚状態とに移行するのに連動して、各リンク42,43が軸部44を中心として回動し変形するようになっている。すなわち、リンク部41は、脚体部11が開脚状態にある場合には各リンク42,43が前後に延びるように展開される展開状態(図3参照)とされ、脚体部11が閉脚状態にある場合には各リンク42,43が上方に折れ曲がるように配置される折れ曲がり状態(図4参照)とされる。
リンク42には、リンク部41が展開状態にある場合に(換言すると脚体部11が開脚状態にある場合に)、リンク43と当接する当接部58が設けられている(図3参照)。この場合、この当接部58の当接により、各リンク42,43が下方に折れ曲がる側へ互いに回動することが規制されている。したがって、当接部58は各リンク42,43の回動規制部として機能している。なお、かかる回動規制部は、必ずしもリンク42に設ける必要はなく、リンク43等、他の部材に設けてもよい。
リンク43には、リンク部41が折れ曲がり状態にある場合に(換言すると脚体部11が閉脚状態にある場合に)、リンク受け部49と当接する当接部59が設けられている(図4参照)。この場合、この当接部59の当接により、リンク43がそれ以上後方へ回動することが規制され、その結果各リンク42,43がさらに折れ曲がる側へ回動することが規制されている。したがって、当接部59は各リンク42,43の回動規制部として機能している。なお、かかる回動規制部は、必ずしもリンク43に設ける必要はなく、リンク受け部49等、他の部材に設けてもよい。また、かかる回動規制によって、脚体部11の前脚フレーム15及び後脚フレーム16の下部同士がさらに接近する側へ回動することが規制されている。
リンク連結部51は、リンク部41と背もたれ構成部13とにそれぞれ回動可能に連結されている。リンク連結部51は、金属製の長尺板材により形成され、その一端部(下端部)がリンク部41の軸部44に回動可能に連結され、その他端部(上端部)が背もたれ構成部13の連結具37に軸部54を介して回動可能に連結されている。軸部54は、左右方向に延びる軸であり、背もたれ構成部13の回動軸22よりも前方に配置されている。
上述したように、本歩行車10では、背もたれ構成部13と脚体部11とが連結機構40を介して互いに連結されている。これにより、本歩行車10では、使用者が背もたれ構成部13を回動操作することで、脚体部11を開脚状態と閉脚状態とに切り替えることが可能となっている。そこで、以下においては、その切替の際の作用について、図1及び図3に加え図5に基づき説明する。図5は、脚体部11が開脚状態から閉脚状態へ移行する際の様子を示す側面図であり、(a)が開脚状態から閉脚状態へ移行する移行途中の状態を示し、(b)が閉脚状態を示している。
図1及び図3に示すように、背もたれ構成部13が背もたれ位置にある場合には脚体部11が開脚状態とされている。この場合、リンク部41は展開状態とされている。
図5(a)に示すように、背もたれ構成部13が背もたれ位置から上方に向けて回動されると、それに伴い、リンク部41がリンク連結部51を介して背もたれ構成部13により上方に引き上げられる。この引き上げに際し、リンク部41は、各リンク42,43が上方に折れ曲がるようにして変形する。そして、その変形に伴い、前脚フレーム15及び後脚フレーム16の各下部が互いに接近する。
図5(b)に示すように、背もたれ構成部13が退避位置まで回動されると、前脚フレーム15と後脚フレーム16とが互いに折り畳まれた状態となる。これにより、脚体部11が閉脚状態とされる。なお、この際、リンク部41は折れ曲がり状態とされる。
上記の場合とは逆に、背もたれ構成部13が退避位置から背もたれ位置へと下方に向けて回動されると、それに伴い、リンク部41がリンク連結部51を介して背もたれ構成部13により押し下げられる。すると、それに伴い、リンク部41が展開され、その展開に伴い前脚フレーム15と後脚フレーム16とが互いに離間する。そして、背もたれ構成部13が背もたれ位置まで回動されると、脚体部11が開脚状態とされる。
このように、本歩行車10では、背もたれ構成部13が背もたれ位置にある場合には脚体部11が開脚状態とされ、背もたれ構成部13が退避位置にある場合には脚体部11が閉脚状態とされるよう、背もたれ構成部13と脚体部11とが互いに連動する構成となっている。また、本実施形態では、連結機構40と軸部46,47,54とを有して「連動機構」が構成されている。
以上、詳述した本実施形態の構成によれば、以下の優れた効果が得られる。
背もたれ構成部13を、使用者の操作により、背もたれ位置と退避位置との間で移動可能とした。そして、背もたれ構成部13が背もたれ位置にある場合に脚体部11を開脚状態とし、背もたれ構成部13が退避位置にある場合に脚体部11を閉脚状態とするよう、背もたれ構成部13と脚体部11とを連動させる連動機構を設けた。この場合、座部12よりも上方にある背もたれ構成部13を用いて脚体部11の閉脚及び開脚の操作(開閉操作)を行うことができるため、かかる開閉操作に際しそれ程屈まなくてもよく、開閉操作を比較的楽に行うことができる。
背もたれ構成部13を各脚体部11に回動可能に連結し、背もたれ構成部13を背もたれ位置から上方に回動することで退避位置へと移動させるようにした。この場合、背もたれ構成部13を使用者の手前側に引き上げ操作することで、脚体部11を閉脚状態に移行させることができる。そのため、脚体部11の閉脚操作を直立に近い状態で行うことができ、かかる操作をより楽に行うことができる。
背もたれ構成部13が退避位置にある場合に取手部材56の把持部56aがハンドル26と同じ高さ位置に配置される構成とした。この場合、ハンドル26の近くで、すなわち使用者の手元付近で脚体部11の開閉操作を行うことができるため、かかる開閉操作をより一層楽に行うことができる。
脚体部11の前脚フレーム15及び後脚フレーム16を連結するとともに、変形することで脚体部11を開脚状態と閉脚状態とに移行可能とするリンク部41を設け、そのリンク部41を背もたれ構成部13にリンク連結部51を介して連結した。そして、背もたれ構成部13の回動により、リンク部41を展開状態及び折れ曲がり状態に変形させることで脚体部11を開脚状態と閉脚状態とに切り替える構成とした。この場合、背もたれ構成部13の回動と脚体部11の開閉動作とを連動させる連動機構をリンク部41を用いて具体的に実現することが可能となる。
本発明は上記実施形態に限らず、例えば次のように実施されてもよい。
(1)上記実施形態では、背もたれ構成部13を各脚体部11に回動可能に設け、その背もたれ構成部13の回動操作によって脚体部11を開脚状態と閉脚状態とに切り替えるようにしたが、これを変更して、例えば、背もたれ構成部13を各脚体部11に前後方向にスライド移動可能に設け、そのスライド移動により脚体部11を開脚状態と閉脚状態とに切り替えるようにしてもよい。具体的には、各脚体部11にそれぞれ背もたれ構成部13を前後に案内する案内レールを設け、それら案内レールにより背もたれ構成部13を、背もたれ位置と、その背もたれ位置から後方に退避される退避位置とに移動可能に支持するようにする。そして、背もたれ構成部13を前脚フレーム15にリンク機構を介して連結し、背もたれ構成部13が背もたれ位置にある場合には前脚フレーム15を後脚フレーム16から離間させることで脚体部11を開脚状態とし、背もたれ構成部13が退避位置にある場合には前脚フレーム15を後脚フレーム16に近づけて脚体部11を閉脚状態とするよう、背もたれ構成部13と脚体部11とを連動させるようにする。かかる構成においても、座部12よりも上方にある背もたれ構成部13を用いて脚体部11の開閉操作を行うことができるため、かかる開閉操作を比較的楽に行うことができる。
(2)上記実施形態では、背もたれ構成部13が退避位置にある場合に、取手部材56の把持部56aがハンドル26と略同じ高さ位置に配置されるようにしたが、背もたれ構成部13が退避位置にある場合に、把持部56aがハンドル26よりも高い位置に配置されるようにしてもよい。この場合にも、使用者の手元付近で脚体部11の開閉操作を行うことが可能となる。
(3)例えば、背もたれ構成部13を図6に示すような構成としてもよい。図6は、背もたれ構成部60周辺の構成を示す側面図であり、図6(a)では背もたれ構成部60が背もたれ位置にある状態(つまり、脚体部11の開脚状態)を示し、図6(b)では背もたれ構成部60が退避位置にある状態(つまり、脚体部11の閉脚状態)を示している。
図6(a)に示すように、背もたれ構成部60は、上記実施形態の背もたれ構成部13と連結具37の構成が同じとされているのに対し、上記実施形態の背もたれ構成部13と背もたれフレーム61の構成が相違している。背もたれフレーム61は、各連結具37に固定され前後方向に延びる一対の固定部61aと、それら各固定部61aの前端部から前方に向けて上方に傾斜して延びる一対の傾斜部61bと、それら各傾斜部61bの上端部を左右方向に連結し背もたれ64を形成する背もたれ部61cとを有する。また、背もたれフレーム61の背もたれ部61cには取手部材62が取り付けられている。取手部材62は、背もたれ部61cの前方で左右に延びる把持部62aと、その把持部62aの両端部から後方に延び背もたれ部61cに取り付けられた一対の取付部62bとを有する。
上記の構成では、背もたれ部61cが比較的高い位置に配置されるため、背もたれ部61cに取り付けられた取手部材62(把持部62a)を持って背もたれ構成部60を回動させる際、すなわち背もたれ構成部60の回動により脚体部11を開閉操作する際、その開閉操作を比較的高い位置で行うことができる。これにより、かかる開閉操作を比較的楽に行うことができる。なお、上記の例では、背もたれ構成部60において、連結具37及び背もたれフレーム61の固定部61aにより「背もたれ側部」が構成され、傾斜部61bが「立ち上がり部」に相当し、背もたれ部61cが「背もたれ形成部」に相当する。
背もたれ構成部60が退避位置に配置された状態では、図6(b)に示すように、背もたれ構成部60において連結具37及び固定部61aが前方に向けて斜め上方に延びる向きで配置される。また、傾斜部61bも同様に、前方に向けて斜め上方に延びる向きで配置される。この場合、傾斜部61bの傾斜は連結具37及び固定部61aよりも急になっており、換言すると、傾斜部61bは連結具37及び固定部61aよりも鉛直に近い状態で配置される。これにより、背もたれ構成部60が退避位置に配置され脚体部11が閉脚状態とされている場合に、背もたれ構成部60が脚体部11に対して前方に突出する突出量を低減させることができる。そのため、脚体部11の閉脚時において歩行車10を前後にコンパクトにすることが可能となる。なお、背もたれ構成部60が退避位置にある場合に、傾斜部61bが鉛直方向に延びるよう傾斜部61bを設けるようにしてもよい。
(4)上記実施形態では、ハンドル26の高さ位置(ハンドル高さ)を調整可能としたが、ハンドル高さは必ずしも調整可能である必要はない。この場合にも、背もたれ構成部13が退避位置にある場合に、取手部材56の把持部56aがハンドル26と同じ高さ位置となるよう、ハンドル高さを設定するのが望ましい。
(5)上記実施形態では、背もたれ構成部13に取手部材56を設けたが、取手部材56を設けないようにしてもよい。この場合、背もたれ構成部13の背もたれ部36aを持って背もたれ構成部13の回動操作を行うようにすればよい。つまり、背もたれ部36aを把持部として用いればよい。また、上記(3)の例の場合(図6参照)にも同様に、背もたれ構成部60に取手部材62を設けず、背もたれ部61cを把持部として用いるようにしてもよい。
10…歩行車、11…脚体部、12…座部、13…背もたれ構成部、14…背もたれ、15…前脚フレーム、16…後脚フレーム、26…ハンドル、41…リンク部、51…リンク連結部、56a…把持部、60…背もたれ構成部。

Claims (5)

  1. 下端部に前輪が取り付けられた前脚フレームと、下端部に後輪が取り付けられた後脚フレームとを有する左右一対の脚体部と、
    それら脚体部の間に設けられた座部と、
    前記各脚体部にそれぞれ連結され、背もたれを形成するための背もたれ構成部と、
    を備え、
    前記脚体部は、前記前脚フレームの下部と前記後脚フレームの下部とが互いに離間する開脚状態と、前記前脚フレームの下部と前記後脚フレームの下部とが互いに接近する閉脚状態とに移行可能とされている歩行車であって、
    前記背もたれ構成部は、前記各脚体部に回動可能に連結されているとともに、使用者による回動操作により、前記背もたれを形成する第1位置と、その第1位置から上方に退避される第2位置とに移動可能とされ、
    前記背もたれ構成部が前記第1位置にある場合に前記脚体部を前記開脚状態とし、前記背もたれ構成部が前記第2位置にある場合に前記脚体部を前記閉脚状態とするよう、前記背もたれ構成部と前記脚体部とを連動させる連動機構を備えることを特徴とする歩行車。
  2. 前記背もたれ構成部が前記第1位置にある場合には、前記各脚体部に対して前方の位置に前記背もたれが形成され、
    前記背もたれ構成部には、前記背もたれが形成される箇所に把持部が設けられ、
    前記把持部は、前記背もたれ構成部が前記第2位置にある場合に、前記歩行車の移動に際し把持されるハンドルと略同じ高さ位置に配置されるか、又は前記ハンドルよりも高い位置に配置されることを特徴とする請求項に記載の歩行車。
  3. 前記連動機構は、前記脚体部の前記前脚フレーム及び前記後脚フレームを連結するとともに、変形することで前記脚体部を前記開脚状態と前記閉脚状態とに移行可能とするリンク部を有し、前記リンク部は前記背もたれ構成部に連結され、その背もたれ構成部の回動に伴い前記リンク部を変形させることで前記脚体部を前記開脚状態と前記閉脚状態とに切り替える構成となっていることを特徴とする請求項又はに記載の歩行車。
  4. 前記連動機構は、前記リンク部と前記背もたれ構成部とにそれぞれ回動可能に連結されたリンク連結部を有することを特徴とする請求項に記載の歩行車。
  5. 前記背もたれ構成部は、
    前記各脚体部にそれぞれ連結され、前記第1位置にある場合に前記脚体部から前方に延びるように配置される一対の背もたれ側部と、
    前記各背もたれ側部の前端部からそれぞれ上方に延びる一対の立ち上がり部と、
    前記各立ち上がり部の上端部を連結し前記背もたれを形成する背もたれ形成部とを有し、
    前記背もたれ形成部に対して把持部が設けられているか、又は前記背もたれ形成部が把持部とされていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の歩行車。
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