以下に、本発明の実施の形態に係る遊技システムについて、図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
以下、本発明の一実施形態を示す遊技機であるパチスロについて、図1~図31を参照しながら説明する。なお、本実施形態では、特定の図柄組合せが表示された場合にリプレイの当籤確率が通常時より高くなる遊技状態であるリプレイタイム(以下、「RT」という)が作動する機能を備えたパチスロについて説明する。
<機能フロー>
まず、図1を参照して、パチスロの機能フローについて説明する。本実施の形態のパチスロでは、遊技を行うための遊技媒体としてメダルを用いる。なお、遊技媒体としては、メダル以外にも、コイン、遊技球、遊技用のポイントデータ又はトークン等を適用することもできる。
遊技者によりメダルが投入され、スタートレバーが操作されると、予め定められた数値の範囲(例えば、0~65535)の乱数から1つの値(以下、乱数値)が抽出される。
内部抽籤手段は、抽出された乱数値に基づいて抽籤を行い、内部当籤役を決定する。この内部抽籤手段は、後述する主制御回路が担う。内部当籤役の決定により、後述の入賞判定ラインに沿って表示を行うことを許可する図柄の組合せが決定される。なお、図柄の組合せの種別としては、メダルの払い出し、再遊技の作動、ボーナスの作動等といった特典が遊技者に与えられる「入賞」に係るものと、それ以外のいわゆる「ハズレ」に係るものとが設けられている。
また、スタートレバーが操作されると、複数のリールの回転が行われる。その後、遊技者により所定のリールに対応するストップボタンが押されると、リール停止制御手段は、内部当籤役とストップボタンが押されたタイミングとに基づいて、該当するリールの回転を停止する制御を行う。このリール停止制御手段は、後述する主制御回路が担う。
パチスロでは、基本的に、ストップボタンが押されたときから規定時間(190msec又は75msec)内に、該当するリールの回転を停止する制御が行われる。本実施形態では、この規定時間内にリールの回転に伴って移動する図柄の数を「滑り駒数」と呼ぶ。規定期間が190msecである場合には、滑り駒数の最大数を図柄4個分に定め、規定期間が75msecである場合には、滑り駒数の最大数を図柄1個分に定める。
リール停止制御手段は、入賞に係る図柄の組合せ表示を許可する内部当籤役が決定されているときは、通常、190msec(図柄4コマ分)の規定時間内に、その図柄の組合せが入賞判定ラインに沿って極力表示されるようにリールの回転を停止させる。また、リール停止制御手段は、例えば、第2種特別役物であるチャレンジボーナス(CB)およびCBを連続して作動させるミドルボーナス(MB)の動作時には、1つ以上のリールに対して、規定時間75msec(図柄1コマ分)内に、その図柄の組合せが入賞判定ラインに沿って極力表示されるようにリールの回転を停止させる。さらに、リール停止制御手段は、遊技状態に対応する各種規定時間を利用して、内部当籤役によってその表示が許可されていない図柄の組合せが入賞判定ラインに沿って表示されないようにリールの回転を停止させる。
こうして、複数のリールの回転がすべて停止されると、入賞判定手段は、入賞判定ラインに沿って表示された図柄の組合せが、入賞に係るものであるか否かの判定を行う。この入賞判定手段は、後述する主制御回路が担う。入賞判定手段により入賞に係るものであるとの判定が行われると、メダルの払い出し等の特典が遊技者に与えられる。パチスロでは、以上のような一連の流れが1回の遊技として行われる。
また、パチスロでは、前述した一連の流れの中で、表示装置により行う映像の表示、各種ランプにより行う光の出力、スピーカにより行う音の出力、或いはこれらの組合せを利用して様々な演出が行われる。
スタートレバーが操作されると、上述した内部当籤役の決定に用いられた乱数値とは別に、演出用の乱数値(以下、演出用乱数値)が抽出される。演出用乱数値が抽出されると、演出内容決定手段は、内部当籤役に対応づけられた複数種類の演出内容の中から今回実行するものを抽籤により決定する。この演出内容決定手段は、後述する副制御回路が担う。
演出内容が決定されると、演出実行手段は、リールの回転開始時、各リールの回転停止時、入賞の有無の判定時等の各契機に連動させて対応する演出を実行する。このように、パチスロでは、内部当籤役に対応づけられた演出内容を実行することによって、決定された内部当籤役(言い換えると、狙うべき図柄の組合せ)を知る機会又は予想する機会が遊技者に提供され、遊技者の興味の向上を図ることができる。
<パチスロの構造>
次に、図2~図4を参照して、本実施形態におけるパチスロの構造について説明する。
[外観構造]
図2は、パチスロ1の外部構造を示す斜視図である。図3は、本実施の形態におけるパチスロ1のフロントパネル10を外した状態の正面図である。
図2に示すように、パチスロ1は、外装体2を備えている。外装体2は、リールや回路基板等を収容するキャビネット2aと、キャビネット2aに対して開閉可能に取り付けられるフロントドア2bとを有している。
キャビネット2aの両側面には、把手7が設けられている(図2では一側面の把手7のみを示す)。この把手7は、パチスロ1を運搬するときに手をかける凹部である。
キャビネット2aの内部には、3つのリール3L,3C,3Rが横並びに設けられている。以下、各リール3L,3C,3Rを、それぞれ左リール3L、中リール3C、右リール3Rという。各リール3L,3C,3Rは、円筒状に形成されたリール本体と、リール本体の周面に装着された透光性のシート材と、リール本体の内側からシート材に光を照射するリール用光源とを有している。シート材の表面には、複数(例えば21個)の図柄が周方向に沿って所定の間隔をあけて描かれている。ここで、赤7図柄(不図示)の一部分は半透明部分とされている。また、リール本体には、シート材の背面に光を照射するリールバックライトが設けられている。このリールバックライトは、後述の副制御回路42によって制御されて点灯および消灯する。
フロントドア2bは、ドア本体9と、フロントパネル10と、発光表示装置11とを備えている。ドア本体9は、ヒンジ(不図示)を用いてキャビネット2aに開閉可能に取り付けられている。ヒンジは、パチスロ1の前方からドア本体9を見た場合に、ドア本体9における左側の端部に設けられている。また、ドア本体9には、ドアキー23が挿入されるドアキー挿入口が設けられている。
図2に示すように、発光表示装置11は、ドア本体9の上部に設けられている。この発光表示装置11は、マトリックス状に配置された複数の光源部によって形成されたドットマトリクス部119(図3参照)と、フロントパネル10のドットマトリクス部119に対向する部分から構成されている。
ドットマトリクス部119は、任意の箇所の光源部を点灯(点滅)することで、フロントパネル10に施されたデザインの任意の箇所(本実施の形態では花火の絵柄)を背面から照明する。これにより、フロントパネル10に施されたデザインの任意の箇所を発光させる演出が行われる。
発光表示装置11の下方には、3つのリール3L,3C,3Rに描かれた図柄を表示する表示窓4L,4C,4Rが設けられている。以下、各表示窓4L,4C,4Rを、それぞれ左表示窓4L、中表示窓4C、右表示窓4Rという。
表示窓4L,4C,4Rは、例えばアクリル板等の透明な部材で形成されている。この表示窓4L,4C,4Rは、正面(遊技者側)から見て、3つのリールの配置領域と重畳する位置に設けられ、かつ、3つのリールより手前(遊技者側)に位置するように設けられる。したがって、遊技者は、表示窓4L,4C,4Rを介して、表示窓4L,4C,4Rの背後に設けられた3つのリールを視認することができる。
本実施形態では、表示窓4L,4C,4Rは、その背後に設けられた対応するリールの回転が停止したとき、各リールに描かれた複数種類の図柄のうち、連続して配置された3つの図柄を表示できる大きさに設定されている。すなわち、表示窓4L,4C,4Rの枠内には、リール毎に上段、中段および下段の各領域が設けられ、各領域に1個の図柄が表示される。
フロントパネル10は、ドア本体9の上部に取り付けられている。このフロントパネル10は、上表示部101と、リール照明部102と、リールサイド演出表示部103A,103Bと、エッジ演出表示部104A,104Bと、リール下表示部105とを有している。
上表示部101は、発光表示装置11の上方に配置されており、その左右に左上スピーカ21Lおよび右上スピーカ21Rが設けられている。リール照明部102は、リール3L,3C,3Rと発光表示装置11との間に配置されている。リールサイド演出表示部103A,103Bは、リール3L,3C,3Rの側方に配置されており、エッジ演出表示部104A,104Bは、リール横演出表示部103の側方に配置されている。リール下表示部105は、リール3L,3C,3Rの下方に配置されている。
上表示部101、リール照明部102、リールサイド演出表示部103A,103B、エッジ演出表示部104A,104Bおよびリール下表示部105は、ドア本体9に設けられた後述する各種ランプ群111~117(図5参照)を覆っている。そして、これら上表示部101,102,103A,103B,104A,104B,105は、各種ランプ群111~117からの光が照射されて発光する。
例えば、リールサイド演出表示部103Aには、上下方向に並ぶ3つのBET発光部が設けられている。3つのBET発光部の点灯する数は、1回の遊技に使用するメダルの数を示す。
本実施形態では、1回の遊技に使用するメダルの数を1~3に設定している。例えば、1回の遊技に使用するメダルの数を「1」にした場合は、1つのBET発光部(例えば一番下に位置するBET発光部)が点灯し、その他BET発光部(真ん中と一番上に位置するBET発光部)が消灯する。
図2に示すように、ドア本体9の中央には、台座部12が形成されている。この台座部12には、遊技者の操作対象となる各種装置(メダル投入口13、MAXベットボタン14(「MAXBET」とも称す)、1ベットボタン15(「1BET」とも称す)、スタートレバー16、ストップボタン17L,17C,17R)が設けられている。
メダル投入口13は、遊技者によって外部からパチスロ1に投下されるメダルを受け入れるために設けられる。メダル投入口13から受け入れられたメダルは、予め設定された枚数(例えば3枚)を上限として1回の遊技に使用され、予め設定された枚数を超えた分は、パチスロ1の内部に預けることができる(いわゆるクレジット機能)。
MAXベットボタン14および1ベットボタン15は、パチスロ1の内部に預けられているメダルから1回の遊技に使用する枚数を決定するために設けられる。台座部12には、精算ボタン22が設けられている。この精算ボタン22は、パチスロ1の内部に預けられているメダルを外部に引き出す(排出する)ために設けられる。
スタートレバー16は、全てのリール(3L,3C,3R)の回転を開始するために設けられる。ストップボタン17L,17C,17Rは、それぞれ、左リール3L、中リール3C、右リール3Rに対応づけて設けられ、各ストップボタンは対応するリールの回転を停止するために設けられる。以下、ストップボタン17L,17C,17Rを、それぞれ左ストップボタン17L(図14及び図33では、「左停止ボタン」と称す)、中ストップボタン17C(図14及び図33では、「中停止ボタン」と称す)、右ストップボタン17R(図14及び図33では、「右停止ボタン」と称す)という。
また、台座部12には、7セグメントLED(Light Emitting Diode)からなる7セグ表示器6が設けられている。この7セグ表示器6は、パチスロ1の内部に預けられているメダルの枚数(以下、貯留枚数)、特典として遊技者に対して払い出すメダルの枚数(以下、払出枚数)、遊技を行うためのメダルの投入枚数(以下、BET枚数)等の情報をデジタル表示する。
ドア本体9の下部には、メダル払出口18、メダル受皿19、左下スピーカ20L、右下スピーカ20R等が設けられている。メダル払出口18は、後述のメダル払出装置33の駆動により排出されるメダルを外部に導く。メダル受皿19は、メダル払出口18から排出されたメダルを貯める。また、左下スピーカ20L、右下スピーカ20Rは、演出内容に対応する効果音や楽曲等の音を出力する。
また、ドア本体9には、腰部パネル表示部106が設けられている。この腰部パネル表示部106は、左下スピーカ20L、右下スピーカ20Rの上方に配置されている。腰部パネル表示部106は、ドア本体9に設けられた後述する光源部(No.53のポート)を覆っている。そして、腰部パネル表示部106は、光源部(No.53のポート)からの光が照射されて発光する。
図4は、7セグ表示器6の表示例を示す図である。
7セグ表示器6は、7桁の7セグLEDから構成され、左側部分6aには2桁の貯留枚数、右側部分6bには2桁の払出枚数、中央部分6cには3桁の押し順が表示される。図4における7セグ表示器6の表示例では、左側部分6aには貯留枚数が3枚であることを示す「03」が、右側部分6bには払出枚数が15枚であることを示す「15」が、そして、中央部分6cには、ストップボタンを中ストップボタン17C→左ストップボタンL→右ストップボタン17Rの順番に押すことを示唆する「213」が、それぞれ7セグメントLEDで表示されている。さらに、上述6a、6b、6cに係るLEDの他に、7セグ表示器6は、左側部分6aの上部領域に配置され、メダル投入可を示す「INSERT」6d、中央部分6cの上部に配置され、スタートを示す「START」6e、メダルベット数を示す「MEDAL BET」6f、「1」6g、「2」6h、「3」6i、右側部分6bの上部に配置され、リプレイを示す「REPLAY」6jの表示領域に係るLEDを備えている。7セグ表示器6は、図9において後述するとおり、主制御基板41に接続された表示部駆動回路64により制御される。
[各種ランプ群]
図5は、パチスロ1におけるLED配置ポート図である。ただし、図5には上述7セグ表示器6を構成する7セグメントLEDは含まれていない。
図5に示すように、ドア本体9には、ポート番号0~336までの337ポートの光源部が設けられている。各光源部には、LEDが配置されている。なお、本発明に係る光源部としては、有機エレクトロルミネッセンス等、少なくとも緑色、青色、赤色に発光可能であれば既存の発光素子を配置してもよい。
No.0~No.30のポートに係る光源部は、第1ランプ群111を形成している。この第1ランプ群111は、上表示部101(図3参照)に光を照射する。No.49~No.52のポートに係る光源部は、第2ランプ群112を形成している。この第2ランプ群112は、リール照明部102(図3参照)に光を照射する。
No.66~No.70のポートに係る光源部は、第3ランプ群113を形成し、No.71~No.75のポートに係る光源部は、第4ランプ群114を形成している。第3ランプ群113は、リールサイド演出表示部103A(図3参照)に光を照射し、第4ランプ群114は、リールサイド演出表示部103B(図3参照)に光を照射する。第3ランプ群113のNo.68~No.70のポートに係る光源部は、上述した3つのBET発光部に対向し、点灯することでそれぞれ対向するBET発光部を発光させる。
No.54~No.59のポートに係る光源部は、第5ランプ群115を形成し、No.60~No.65のポートに係る光源部は、第6ランプ群116を形成している。第5ランプ群115は、エッジ演出表示部104A(図3参照)に光を照射し、第6ランプ群116は、エッジ演出表示部104B(図3参照)に光を照射する。
No.108~No.156のポートに係る光源部は、第7ランプ群117を形成している。第7ランプ群117は、リール下表示部105(図3参照)に光を照射する。第7ランプ群117のNo.108~No.121のポートに係る光源部は、例えば、パチスロ1の内部に預けられているメダルの枚数である貯留枚数を表示する。
第7ランプ群117のNo.122~No.142のポートに係る光源部は、例えば、ボーナス中のメダルの獲得枚数を表示する。第7ランプ群117のNo.143~No.156のポートに係る光源部は、例えば、メダルの払出枚数を表示する。
ここで、当該第7ランプ群117は、「サブ7セグ」とも称される。
No.31~No.48およびNo.76~No.93のポートに係る光源部は、第8ランプ群118を形成している。第8ランプ群118のNo.31~No.36のポートに係る光源部は、左リール3Lのリール用光源(リールバックライト)として機能する。また、No.37~No.42のポートに係る光源部は、中リール3Cのリール用光源(リールバックライト)として機能し、No.43~No.48のポートに係る光源部は、右リール3Rのリール用光源(リールバックライト)として機能する。
No.53のポートに係る光源部は、腰部パネル表示部106(図3参照)に光を照射する。No.157のポートに係る光源部は、MAXベットボタン14に光を照射する。No.158のポートに係る光源部は、左ストップボタン17Lに光を照射する。No.159のポートに係る光源部は、中ストップボタン17Cに光を照射する。No.160のポートに係る光源部は、右ストップボタン17Rに光を照射する。
No.161~No.336のポートに係る光源部は、縦11行横16列のドットマトリクス部119を形成している。このドットマトリクス部119は、発光表示装置11の光源として機能する。ドットマトリクス部119の各ポートには、1個のフルカラーLEDが設けられている。これにより、各ポートに送信する送信データは、カソード(マイナス)側のRGB(Red、Green、Blue)値と、アノード(プラス)側の値が必要になる。
[内部構造]
次に、パチスロ1の内部構造を、図6を参照しながら説明する。図6は、パチスロ1の内部構造を示す斜視図である。
キャビネット2aは、正面側の一面が開口された略直方体状に形成されている。このキャビネット2a内の上部には、後述の主制御回路41(図9参照)を構成する主基板31が設けられている。主制御回路41は、内部当籤役の決定、各リールの回転および停止、入賞の有無の判定等の、パチスロ1における遊技の主な動作および該動作間の流れを制御する回路である。
主制御回路41は、4つの7セグメントLED411a、411b、411cおよび411dにより構成される役比モニタ411を備えている。7セグメントLED411aおよび411bには、それぞれ略記の10の位の数字および1の位の数字が表示される。7セグメントLED411cおよび411dには、それぞれ比率の10の位の数字および1の位の数字が表示される。
ここで、略記(411a、411b)には、役比の基準値を表示するための識別記号が表示される。例えば、識別記号「7A」は、役比(役物比率)の基準となる割合が70%であることを示す。そして、比率(411c、411d)には、その時点における実機の役物比率の百分率(%)の数値が表示される。
なお、「役物比率」とは、パチスロ1に電源を投入してからの総遊技回数に対する有利区間遊技回数の割合をいい、「有利区間遊技回数」とは、遊技者にとって有利な遊技状態に滞在している遊技回数をいう。例えば、内部当籤役を入賞させるためのストップボタンの押し順を遊技者に報知するいわゆる押し順ナビが実行されるAT(アシストタイム)状態は、遊技者にとって有利な遊技状態の一例である。
さらに、主制御回路41は、パチスロ1の設定(設定1~6)を変更するための設定キーにより操作される設定用鍵穴412が設けられ、該設定用鍵穴412には、設定キーが操作された時にその旨の信号を送信する設定用鍵型スイッチ412Sが設けられている。
なお、上述した以外の主制御回路41の具体的な構成は、図9の説明においてより詳細に説明する。
キャビネット2a内の中央部には、3つのリール(左リール3L、中リール3Cおよび右リール3R)が設けられている。なお、図6には示さないが、各リールは、所定の減速比を有する歯車を介して対応する後述のステッピングモータ(図9中のステッピングモータ61L,61C,61Rのいずれか)に接続される。
キャビネット2a内の下部には、多量のメダルを収容可能であり、かつ、それらを1枚ずつ排出可能な構造を有するメダル払出装置33(以下、ホッパー33という)が設けられている。さらに、ホッパー33の一方の側部(図6に示す例では右側)には、ホッパーが満杯になった場合にメダルを収納する補助収納庫38が設けられている。そして、補助収納庫38には、これが満杯になった場合にその旨の信号を出力する補助収納庫スイッチ38Sが備えられている。
また、キャビネット2a内における、ホッパー33の他方の側部(図6に示す例では左側)には、パチスロ1が有する各装置に対して必要な電力を供給する電源装置34が設けられている。
フロントドア2bの裏面側における上部には、後述の副制御回路42(図9および図10参照)を構成する副基板32が設けられている。副制御回路42は、LEDの点消灯等による演出の実行を制御する回路である。なお、副制御回路42の具体的な構成は図10の説明において後述する。
さらに、フロントドア2bの裏面側における略中央部には、メダルセレクタ35およびメダル排出ガイド36が設けられている。メダルセレクタ35は、メダル投入口13(図2参照)を介して外部から投入されたメダルの材質や形状等が適正である否かを選別する装置であり、適正であると判定したメダルを、メダル排出ガイド36を介してホッパー33に案内する。
メダルセレクタ35内においてメダルが通過する経路上には、図8および図9において説明するとおり、適正なメダルが通過したことを検出する第1メダルセンサ35Sが設けられている。また、メダル排出ガイド36内においてメダルが通過する経路上には、図7および図9において説明するとおり、適正なメダルが通過したことを検出する第2メダルセンサ36Sが設けられている。
そして、フロントドア2bの裏面側における下部には、ドア9が解放された時および閉鎖された時の各々のタイミングでその旨を示す信号を送信するドア開閉スイッチ9Sが設けられている。
<メダルセレクタの構成>
次に、パチスロ1が備えるメダルセレクタ35およびメダル排出ガイド36の構成について、図7および図8を参照して説明する。
図7に示すように、メダルセレクタ35は、メダルセレクタ35本体の外枠筐体を構成するコ字型に成型されたベース板部350と、メダル入口部352と、メダルレール351と、セレクトプレート353と、メダルプッシャ354と、第1メダルセンサ35S(図8)と、不正メダルと判別されたメダルを排出するキャンセルシュータ356と、メダル出口部355とにより構成されている。
なお、このメダルセレクタ35の下方には、不正メダルと判別されたメダルおよびホッパー33から排出されるメダルをメダル払出口20に払い出す(図示しない)キャンセルシュートが接続されている。
また、ベース板部350にはメダルセレクタ35のメダル出口部355より排出されたメダルを、ホッパー33に案内する案内通路36cを有するメダル排出ガイド36が接続固定されている。
ベース板部350の上流端には、メダル投入口13から投入されるメダルを受け入れるメダル入口部352が設けられ、このメダル入口部352からメダルセレクタ35内に投入されたメダルは、メダルレール351に沿って下流端に向けて案内される。また、メダルレール351の略中間位置には、正規の大きさのメダルをメダルレール351の下流にガイドするセレクトプレート353が配置されている。また、このセレクトプレート353が配置されている部分のメダルレール351の表面位置には、通過するメダルにより下方に押し込まれるメダルプッシャ354が配置されている。
以上説明したように、メダルセレクタ35は、メダルの真偽を判別するとともに、正規メダルと判別したメダルを第1メダルセンサ35Sにより検出してメダル枚数をカウントし、メダル排出ガイド36を介してホッパー33に排出する機能および不正メダルと判別したメダルをキャンセルシュータ356からキャンセルシュートを通じてメダル払出口18から返却する機能を備えている。不正なメダルの判定についての詳細は、図8を参照して後述する。
本実施の形態に係るメダル排出ガイド36は、メダルセレクタ35のベース板部350に固定又は一体成形により接続される。メダル排出ガイド36は、下方に湾曲傾斜した形状で、メダル排出ガイド36の外壁36aと内壁36bの間に凹部状の案内通路36cが形成されている。
メダル排出ガイド36の入口側はメダルセレクタ35のメダル出口部355に連通し、出口側はホッパー33の上方に位置するように配置される。
凹部状の案内通路36cの幅は、メダルセレクタ35から排出されたメダルがスムースに通過できるようにメダルの幅よりも大きな幅に設計されており、また、外壁36aと内壁36bの高さもメダルが案内通路36cから逸脱しない高さに設計されている。
このメダル排出ガイド36の内壁36bにはメダルの通過を検出する反射型又は透過型の光学センサからなる第2メダルセンサ36Sが設けられている。
第2メダルセンサ36Sは、その検出光が案内通路36cを通過するメダルの中心部に入射するような高さ位置に設けられている。
なお、図7の例では、第2メダルセンサ36Sを案内通路36cの出口側に設けた例を示しているが、これに限定されず、中央部また入口側に設けてもよい。また、第2メダルセンサ36Sを内壁36bの代わりに外壁36aに設けてもよい。
上記のように構成されたメダル排出ガイド36において、メダルセレクタ35のメダル出口部355から排出されたメダルは、メダル排出ガイド36の入口側から下方に湾曲傾斜した凹部状の案内通路36cを通り、最終的に出口側からホッパー33に排出される。
メダルがメダル排出ガイド36の案内通路36cを通過する過程で、第2メダルセンサ36Sはメダルの通過を検出する。
第2メダルセンサ36Sは、メダルを検出している状態ではオン信号を出力し、非検知状態ではオフ信号を出力する。
ところで、上述したように案内通路36cの幅はメダルの厚みよりも大きく、また、案内通路36cは図7のとおり湾曲しているため、メダルが複数枚重なって通過する可能性がある。そのため、第2メダルセンサ36Sは、メダルが単独で通過する場合でだけではなく、2枚又は3枚重なって第2メダルセンサ36Sを通過する場合でも、通過するメダルの枚数を計数可能としている。
次に、図8を参照して、不正なメダルの判定の詳細および第1メダルセンサ35Sについて説明する。図8は、メダルセレクタ35の断面図である。
セレクトプレート353およびメダルプッシャ354は、投入されたメダルが正規の規格寸法よりも小さいと、そのメダルをセレクトプレート353で案内することなく、メダルプッシャ354によってキャンセルシュータ356に押し出す構成となっている(図8中の「M2」参照)。また、投入されたメダルが適正なメダル(正規メダル)の場合、メダルは、セレクトプレート353に沿って案内され(図8中の「M1」参照)、メダルプレッシャ354を押し込みながら、メダルレール351の下流側に案内される。
通常、セレクトプレート353は、メダルのガイド位置に位置付けされているが、所定の条件下(例えば、規定枚数のメダル投入時、エラー発生時、遊技開始時など)では、セレクトプレート353は、メダルの排出位置に移動し、メダル投入口13から投入されたメダルを強制的にキャンセルシュータ356に排出する。また、メダルレール351には(図示しない)磁石が配置されており、この磁石に吸着したメダルは、規格外のメダル(不正メダル)として、キャンセルシュータ356に排出される。
また、メダルレール351の下流側には、2つのメダル検出センサ(例えば、ダブル反射型フォトセンサ)35a、35bからなる第1メダルセンサ35Sが配設されており、この第1メダルセンサ35Sにより、メダルセレクタ35のメダルレール351上を通過するメダルの枚数およびメダル詰まりや不正操作などの異常動作を検出する。第1メダルセンサ35Sを通過したメダルは、メダル出口部355からメダル排出ガイド36に排出され、メダル排出ガイド36を通ってホッパー33に貯留される。
<パチスロが備える回路の構成>
次に、パチスロ1が備える回路の構成について、図9および図10を参照して説明する。図9は、パチスロ1が備える回路全体のブロック構成図である。図10は、副制御回路の内部構成を示すブロック構成図である。
パチスロ1は、主制御回路41、副制御回路42およびこれらの回路と電気的に接続される周辺装置(アクチュエータ)を備える。
[主制御回路]
主制御回路41は、主に、回路基板(主基板31)上に設置されたマイクロコンピュータ50により構成される。それ以外の構成要素として、主制御回路41は、クロックパルス発生回路54、分周器55、乱数発生器56、サンプリング回路57、役比モニタ411、表示部駆動回路64、ホッパー駆動回路65および払出完了信号回路66を含む。
マイクロコンピュータ50は、メインCPU51、メインROM(Read Only Memory)52、メインRAM(Random Access Memory)53、各種スイッチ、センサ等からの信号を受信する入力ポート、周辺機器に信号を送信する出力ポート等により構成される。
メインROM52には、メインCPU51により実行される各種処理の制御プログラム、内部抽籤テーブル等のデータテーブル、副制御回路42に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が記憶されている。メインRAM53には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられている。
メインCPU51には、クロックパルス発生回路54、分周器55、乱数発生器56、サンプリング回路57および役比モニタ411が接続されている。クロックパルス発生回路54および分周器55は、クロックパルスを発生する。なお、メインCPU51は、発生されたクロックパルスに基づいて、制御プログラムを実行する。また、乱数発生器56は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0~65535)を発生し、サンプリング回路57は、発生された乱数の中から1つの値を抽出する。そして、役比モニタ411は、役物比率等を7セグメントLEDにより表示する。
マイクロコンピュータ50の入力ポートには、各種スイッチおよびセンサ等が接続される。メインCPU51は、各種スイッチ等からの入力信号を受けて、ステッピングモータ61L,61C,61R等の周辺装置の動作を制御する。
ストップスイッチ17Sは、本発明に係る停止操作検出手段の一具体例を示すものであり、左ストップボタン17L、中ストップボタン17C、右ストップボタン17Rのそれぞれが遊技者により押されたこと(停止操作)を検出する。スタートスイッチ16Sは、本発明に係る開始操作検出手段の一具体例を示すものであり、スタートレバー16が遊技者により操作されたこと(開始操作)を検出する。
第1メダルセンサ35Sおよび第2メダルセンサ36Sは、本発明に係る投入操作検出手段の一具体例を示すものであり、メダル投入口13に投入されたメダルがメダルセレクタ35内およびメダル排出ガイド36を通過したことを検出する。また、MAXベットスイッチ14Sは、MAXベットボタン14が遊技者により押されたことを検出し、1ベットスイッチ15Sは、1ベットボタン15が遊技者により押されたことを検出する。
精算スイッチ22Sは、精算ボタン22が遊技者により押されたことを検出する。そして、リセットスイッチ37Sは、リセットスイッチ37が操作員によって操作されたことを検出する。
さらに、ドア開閉スイッチ9Sは、ドア本体9の開閉状態を検出する。そして、補助収納庫スイッチ38Sは、補助収納庫38が満杯の状態になったことを検知する。また、設定用鍵型スイッチ412Sは、設定キーが設定用鍵型スイッチ412に挿入され、操作されたことを検知する。
また、マイクロコンピュータ50により動作が制御される周辺装置としては、3つのステッピングモータ61L,61C,61R、7セグ表示器6およびホッパー33がある。また、マイクロコンピュータ50の出力ポートには、各周辺装置の動作を制御するための駆動回路が接続される。
モータ駆動回路62は、左リール3L、中リール3C、右リール3Rに対応してそれぞれ設けられた3つのステッピングモータ61L,61C,61Rの駆動を制御する。リール位置検出回路63は、発光部と受光部とを有する光センサにより、リールが一回転したことを示すリールインデックスをリール毎に検出する。
3つのステッピングモータ61L,61C,61Rのそれぞれは、その運動量がパルスの出力数に比例し、回転軸を指定された角度で停止させることが可能な構成を有する。また、各ステッピングモータの駆動力は、所定の減速比を有する歯車を介して、対応するリールに伝達される。そして、各ステッピングモータに対して1回のパルスが出力されるごとに、対応するリールは一定の角度で回転する。
3つのリール3L,3C,3Rおよび3つのステッピングモータ61L,61C,61Rは、本発明に係る変動表示手段の一具体例を示すものである。
メインCPU51は、各リールのリールインデックスを検出してから対応するステッピングモータに対してパルスが出力された回数をカウントすることによって、各リールの回転角度(具体的には、リールが図柄何個分だけ回転したか)を管理する。
ここで、各リールの回転角度の管理を具体的に説明する。各ステッピングモータに対して出力されたパルスの数は、メインRAM53に設けられたパルスカウンタ(不図示)によって計数される。そして、図柄1個分の回転に必要な所定回数(例えば16回)のパルスの出力がパルスカウンタで計数されるごとに、メインRAM53に設けられた図柄カウンタ(不図示)の値に、「1」が加算される。なお、図柄カウンタは、リール毎に設けられる。そして、図柄カウンタの値は、リール位置検出回路63によってリールインデックスが検出されるとクリアされる。
すなわち、本実施形態では、図柄カウンタの値を管理することにより、リールインデックスが検出されてから図柄何個分の回転動作が行われたのかを管理する。それゆえ、各リールの各図柄の位置は、リールインデックスが検出される位置を基準として検出される。
なお、表示部駆動回路64は、7セグ表示器6の動作を制御する。ホッパー駆動回路65は、ホッパー33の動作を制御する。払出完了信号回路66は、ホッパー33に設けられたメダル検出部33Sが行うメダルの検出を管理し、ホッパー33から外部に排出されたメダルが所定の払出枚数に達したか否かをチェックする。また、主制御回路41には、外部端子板18Sが接続されている。主制御回路41は、外部端子板18Sを介してホールコンピュータ又は呼出装置100に接続されている。
[副制御回路]
図10に示すように、副制御回路42は、主制御回路41と電気的に接続され、主制御回路41から送信されるコマンドに基づいて演出内容の決定や実行等の処理を行う。副制御回路42は、基本的には、図7に示すように、サブCPU81、サブROM82、サブRAM83、DSP(Digital Signal Processor)90、オーディオRAM91、D/A(Digital to Analog)変換器92、および、アンプ93を含む。
サブCPU81は、主制御回路41から送信されたコマンドに応じて、サブROM82に記憶されている制御プログラムに従い、音、光の出力制御を行う。なお、サブROM82は、本発明の遊技機に係る演出記憶手段の一具体例を示すものであり、基本的には、プログラム記憶領域およびデータ記憶領域を有する。サブROM82の詳細な構成については、図11を参照して後述する。
サブRAM83は、決定された演出内容や演出データを登録する格納領域や、主制御回路41から送信される内部当籤役等の各種データを格納する格納領域などを有する。
また、副制御回路42には、第1ランプ群111、第7ランプ群117、第8ランプ群118、ドットマトリクス部119、左下スピーカ20L、右下スピーカ20R、左上スピーカ21L、右上スピーカ21R等の周辺装置が接続されている。つまり、これらの周辺装置の動作は、副制御回路42により制御される。
第1ランプ群111、第7ランプ群117、第8ランプ群118、ドットマトリクス部119は、本発明に係る演出実行手段の具体例を示すものであり、さらに第8ランプ群118は、本発明に係る回動表示手段の一具体例を示すものである。また、左下スピーカ20L、右下スピーカ20Rは、本発明に係る音声出力手段の一具体例を示すものである。
第1ランプ群111は、上表示部LEDドライブ基板121を介してサブCPU81(副制御回路42)に接続されている。上表示部LEDドライブ基板121には、サブCPU81から送信された制御信号(後述のLED制御データ又は差分データ)を受けて、第1ランプ群111に電流を供給するドライバ(回路)が実装されている。すなわち、サブCPU81および上表示部LEDドライブ基板121は、演出制御手段の具体例を示すものであり、演出内容に基づいて制御信号(後述のLED制御データ又は差分データ)を作成し、第1ランプ群111を制御する。
第7ランプ群117は、7SEGドライブ基板127を介してサブCPU81(副制御回路42)に接続されている。7SEGドライブ基板127には、サブCPU81から送信された制御信号(後述のLED制御データ又は差分データ)を受けて、第7ランプ群117に電流を供給するドライバ(回路)が実装されている。すなわち、サブCPU81および7SEGドライブ基板127は、演出制御手段の具体例を示すものであり、演出内容に基づいて制御信号(後述のLED制御データ又は差分データ)を作成し、第7ランプ群117を制御する。
第8ランプ群118は、回胴部LEDドライブ基板128を介してサブCPU81(副制御回路42)に接続されている。回胴部LEDドライブ基板128には、サブCPU81から送信された制御信号(後述のLED制御データ又は差分データ)を受けて、第8ランプ群118に電流を供給するドライバ(回路)が実装されている。すなわち、サブCPU81および回胴部LEDドライブ基板128は、演出制御手段の具体例を示すものであり、演出内容に基づいて制御信号(後述のLED制御データ又は差分データ)を作成し、第8ランプ群118を制御する。
ドットマトリクス部119は、マトリクスドライブ基板129を介してサブCPU81(副制御回路42)に接続されている。マトリクスドライブ基板129には、サブCPU81から送信された制御信号(後述のLED制御データ又は差分データ)を受けて、第8ランプ群118に電流を供給するドライバ(回路)が実装されている。すなわち、サブCPU81およびマトリクスドライブ基板129は、演出制御手段の具体例を示すものであり、演出内容に基づいて制御信号(後述のLED制御データ又は差分データ)を作成し、ドットマトリクス部119を制御する。
なお、本実施形態に係る第2ランプ群112、第3ランプ群113、第4ランプ群114、第5ランプ群115、第6ランプ群116、および、その他のポートに係る光源部は、それぞれ不図示のドライブ基板を介して副制御回路42に接続されている。そして、本実施形態では、337ポートの光源部(図5参照)を所定の周期(本実施形態では2msec)で制御する。
サブCPU81および各種ドライブ基板(回胴部LEDドライブ基板128、マトリクスドライブ基板129等)は、本発明の遊技機に係る演出制御手段の具体例を示すものである。
また、本実施形態では、各基板121,127,128,129が、各ランプ群111,117,118およびドットマトリクス部119へシリアルバス通信方式により通信を行う。シリアルバス通信は、データ線・クロック線の2線、又は、データ線・クロック線・セレクト線の3線を用いた同期式シリアル通信により、各ランプ群111,117,118およびドットマトリクス部119のLEDの発光態様を制御するためのデータが送信される。
また、本実施形態では、回胴部LEDドライブ基板128は、第8ランプ群118におけるリール用光源(リールバックライト)をスタティック制御する。LEDの点灯方式(方法)としては、ダイナミック制御とスタティック制御がある。ダイナミック制御では、点灯しているLEDを一定周波数で高速に点滅させる。このダイナミック制御において、高い周波数で点滅する間隔を短くすれば、人間の目で見た場合に残像現象によって常時点灯しているように見える。
リールバックライトをダイナミック制御すると、リールが回転した際にリールバックライトの発光がちらついて見える。その結果、所謂、目押しの妨げや、目の疲労感があらわれやすい等の問題が生じする。そこで、本実施形態では、リールバックライトをスタティック制御する。スタティック制御では、LEDに常時電流をかけ続ける。これにより、LEDに常に一定の電流が流れるため、リールバックライトの発光がちらつかないようにすることができる。本実施形態では、赤7図柄の一部分を半透明部分としており、リールが回転した際に半透明部分がリールバックライトの光で強調され図柄の識別性が高まる。その際、リールの半透明部分が表示窓4L,4C,4Rを通過するときにリールバックライトの光が強く視認可能となるため、ここでちらつきが生じると、目押しの妨げとなりやすい。ちらつき抑制のためのスタティック制御は、このように半透明部分を有するリールを備える遊技機に採用するとより効果的であると言える。しかし、スタティック制御は、ダイナミック制御よりも配線の本数が増え、ポート数が多くなる。
また、サブCPU81、DSP90、オーディオRAM91、D/A変換器92およびアンプ93は、演出内容により指定されたサウンドデータに従ってBGM等の音を左下スピーカ20L、右下スピーカ20Rにより出力する。
次に、図11を参照して、サブROM82について説明する。
サブROM82は、図11に示すように、オペレーティングシステムを記憶するOS領域82aと、サブCPU81が実行するプログラムを記憶するサブ制御プログラム記憶領域82bと、ゲーム初期化設定データ領域82cと、係員操作初期設定データ領域82dと、各種テーブル等を記憶する各種プログラムテーブル領域82eと、プログラム管理データ領域82fと、ランプデータ領域82gと、サウンドデータ領域82hと、サム値領域82iとを有する。なお、サム値データ82iには、サブROM82の全領域の整合性をチェックするサム値がセットされ、個々の領域(82a~82h)の整合性をチェックするサム値は、個々の領域(82a~82h)の先頭(又は、最後)の位置に個々の領域(82a~82h)のサム値(不図示)がセットされている。
サブ制御プログラム記憶領域82bは、デバイスドライバ、主制御回路41との通信を制御するための基板間通信処理、演出の内容を決定するための演出登録処理、登録されたLEDデータに基づいた各LEDによる光の出力を制御するためのLED制御タスク、登録されたサウンドデータに基づいてスピーカ20L、20R、21L,21Rによる音の出力を制御するための音声制御タスク等を記憶する。
各種プログラムテーブル領域82eは、演出抽籤テーブル、副制御回路42のエラーコードテーブル、サブデバイスのエラーコードテーブル、サブデバイス通信チェックテーブル等を記憶する。プログラム管理データ領域82fは、マジックコード、プログラムバージョン等を記憶する。ランプデータ領域82gは、第1~第7ランプ群による発光演出による様々な発光演出パターンデータ等を記憶する。また、サウンドデータ領域82hは、BGMや効果音といった音データ等を記憶する。また、サム値領域82iは、OS領域82aからサウンドデータ領域82hまでをサム計算したサム値等を記憶する。
[図柄配置表]
次に、図12を参照して、図柄配置表について説明する。図柄配置表は、左リール3L、中リール3Cおよび右リール3Rのそれぞれの回転方向における各図柄の位置を規定する。
図柄配置表では、リールインデックスが検出されたときに、表示窓4L,4C,4Rの枠内における中段領域に配置される各リールの図柄の位置を「0」と規定する。そして、各リールにおいて、図柄位置「0」を基準としてリールの回転方向(図8中の矢印A方向)に進む順に、図柄カウンタに対応する「0」~「20」が、図柄位置として、各図柄に割り当てられる。
すなわち、図柄カウンタの値(「0」~「20」)と、図柄配置表とを参照することにより、表示窓4L,4C,4Rの枠内における各リールの上段、中段および下段の領域に表示されている図柄の種類を特定することができる。例えば、左リール3Lに対応する図柄カウンタの値が「7」であるとき、表示窓4の枠内における左リール3Lの上段、中段および下段の領域には、それぞれ、図柄位置「8」の「ドン1」、図柄位置「7」の「ベル2」および図柄位置「6」の「リプレイ」に対応する図柄が表示されている。
[出荷テストの流れ]
次に、図13を参照して、第1の実施の形態に係る工場における遊技機の出荷テストの流れを工程(a)~工程(f)に沿って説明する。
(a)まず、パチスロ1(遊技機)の組み立てが行われる。なお、この時点では、主制御回路41にメインROM52が搭載されておらず、副制御回路42には製品ROMのサブROM82が搭載されている。
(b)次に、検査ROM(検査プログラムが格納されたROM)を、メインROM52として、主制御回路41に装着する。
(c)そして、メイン機能およびサブ機能の動作確認を行う。ここで、メイン機能とは、図9に示す主制御回路41が制御する表示装置又は/及び駆動装置(例えば、7セグ表示器6、役比モニタ411、外部端子18Sなど)の機能をいい、サブ機能とは、図10に示す副制御回路42が制御する演出機器(例えば、第1~第7ランプ群、スピーカ20L、20R、21L、21Rなど)の機能をいう。当該動作確認は、後述する図14~図26に示す検査仕様に従って実行される。パチスロ1の電源投入後、はじめに、MAXベットボタン14を押下して、パチスロ1を通常モードから検査モードに切り替える。そして、検査モードに入ったら、MAXベットボタン14を押下しながらスタートレバー16を操作することにより順次検査モードを切り替えながら、図14に示す検査仕様に沿って、各検査モードにおける所定の検査項目を実行する。
(d)上記(c)メイン機能およびサブ機能の検査が完了したら、検査ROMを主制御回路から取り外し、製品ROM(検査プログラムが格納されていないROM)をメインROM52として、主制御回路41に装着する。
(e)次に、製品ROMでの基本動作を確認する最終動作確認を行う。
(f)上記(e)最終動作確認が完了したら、パチスロ1の出荷に進む。
[検査仕様]
次に、図14~図26を参照して、図13の工程(c)にて実行される動作確認に係る検査仕様を説明する。
先ず、図14に示される(a)~(f)の各表に設けられた欄を説明する。
「入力」欄には、検査担当者が行うべき操作の内容が記載されている。例えば、「MAXBET」は、MAXベットボタン14を押下することを意味しており、「MAXBET+スタートレバー」は、MAXベットボタン14を押下した状態でスタートレバー16を操作することを意味する。
「検査仕様」欄には、検査担当者が「入力」欄に記載された操作を行った場合に起動されるべきパチスロ1の機能が記載されている。例えば、「検査モードに移行:全てのLED点灯」は、パチスロ1が検査モードに移行するとともに、そのことを検査担当者に通知するために全てのLEDが点灯することを意味しており、また、「検査モード1の押し順表示右7SEG『1』」は、7セグ表示器6(図4参照)の押し順表示6c(中央3桁)の中の最右端の7セグセグメントLEDに「1」と表示されることを意味する。
「コマンド」欄には、検査担当者が「入力」欄に記載された操作を行った場合に主制御回路41から副制御回路42に送信される検査コマンド(図15~21参照)が記載されている。例えば、「0001」は、16進数0001を表す2バイトの検査コマンドが主制御回路41から副制御回路42に送信されることを意味し、「0002or0003」は、16進数0002または0003を表す2バイトの検査コマンドが主制御回路41から副制御回路42に送信されることを意味する。また、複数の検査コマンドが記載されている場合は、検査担当者が確認できる適切な時間間隔(例えば、0.5~2秒)で順次主制御回路41から副制御回路42に送信されることを意味する。なお、検査コマンドについては、図15-21において後述する。
また、「コマンド」欄に「-」と記載されている場合、検査コマンドが主制御回路41から副制御回路42に送信されないことを意味する。
「液晶装置」欄には、検査対象の遊技機が液晶搭載機である場合において、検査担当者が「入力」欄に記載された操作を行った場合に起動されるべき遊技機の機能が記載されている。例えば、「デモ画面」は、液晶表示装置にデモ画面が表示されることを意味し、「エコ画面」は、液晶表示装置に、省電力モードの画面が表示されることを意味する。
以下、表(a)~(f)の各々について説明する。
図14表(a)は、通常モードから検査モードへの切替および検査モード1~5の切替についての検査仕様を示している。
検査担当者は、図13の工程(c)でパチスロ1の電源を起動すると、最初に表(a)の検査項目1のとおり、MAXベットボタン14を押下して通常モードから検査モードに移行する。ここで、検査担当者は、全てのLEDが点灯することを確認する。このとき、副制御回路42には、「0001」および「0020」の検査コマンドが順次送信される。図15に示すとおり、「0001」の検査コマンドは、検査モードに移行した旨を副制御回路42に通知する検査コマンドであり、また、「0020」の検査コマンドは、すべてのLEDを点灯することを副制御回路42に要求する検査コマンドである。
次に、表(a)の検査項目2のとおり、検査担当者は、MAXベットボタン14を押下した状態でスタートレバー16を操作し、これによりパチスロ機1は検査モード1(LEDテスト)に入る。このとき、主制御回路41から副制御回路42に検査コマンド(16進数0002または0003)が送信される。ここで、検査担当者は、7セグ表示器6の中央3桁6c(押し順表示)の7セグメントLEDに「001」と表示されることを確認する。そして、後述する表(b)にしたがって検査モード1のLEDテストを実行する。
次に、表(a)の検査項目3のとおり、検査担当者は、MAXベットボタン14を押下した状態でスタートレバー16を操作し、これによりパチスロ1は検査モード2(サウンドテスト)に切り替わる。このとき、検査担当者は、7セグ表示器6の中央3桁6c(押し順表示)の最右端の7セグメントLEDに「2」と表示されることを確認する。そして、後述する表(c)にしたがって検査モード2のサウンドテストを実行する。
以下同様に、検査担当者は、表(a)の検査項目の順番に従って検査項目6までを実行することによって、検査モード1から検査モード5までの検査を実行する。
図14表(b)は、検査モード1(LEDテスト)の検査仕様を示している。
検査担当者は、検査モード1(LEDテスト)に移行すると、MAXベットボタン14(1回目)を押下し、表(b)検査項目1の検査項目を実行する。ここで、検査担当者は、図22(a)に示す箇所の全てのLEDが一斉に単色に点灯することを確認する。このとき、副制御回路42には、「0021」の検査コマンドが送信される。「0021」の検査コマンドは、図22(a)に示す箇所の全てのLEDが一斉に単色に点灯することを副制御回路42に要求する検査コマンドである。ここで、検査対象の遊技機が液晶装置を備える場合には、液晶装置にデモ画面が表示される。
次に、検査担当者は、再度MAXベットボタン14(2回目)を押下し、図22(a)に示す箇所の全ての単色LEDが、検査担当者が検査できるための適切な時間間隔(例えば、0.5~2秒)で順次点灯することを確認する。このとき、副制御回路42には、「004E」~「0071」、「008F」~「00AD」、「00B2」、「00B6」、「00D4」~「0119」の検査コマンドが順次送信される。これらの検査コマンドは、図22(a)に示される箇所の各々の単色LEDを順次点灯することを副制御回路42に要求する検査コマンドである。ここで、検査対象の遊技機が液晶装置を備える場合には、液晶装置にデモ画面が表示される。
次に、検査担当者は、1ベットボタン15(1回目)を押下し、検査項目2に進み、図22(b)に示される箇所の全てのLEDが一斉にフルカラー(白色)に点灯することを確認する。このとき、副制御回路42には、「0022」の検査コマンドが送信される。「0022」の検査コマンドは、図22(b)に示される箇所の全てのLEDを一斉にフルカラーに点灯することを副制御回路42に要求する検査コマンドである。ここで、検査対象の遊技機が液晶装置を備える場合には、液晶装置にエコ画面が表示される。
次に、検査担当者は、再度1ベットボタン15(2回目)を押下し、図22(b)に示される箇所の全てのLEDが、検査担当者が確認できるための適切な時間間隔(例えば、0.5~2秒)で順次フルカラーに点灯することを確認する。このとき、副制御回路42には、「0031」~「0035」、「0072」~「007C」、「00AE」、「00B0」、「00B9」、「00BA」、「00BB」の検査コマンドが順次送信される。これらの検査コマンドは、図22(b)に示される箇所の各々のLEDを順次フルカラーに点灯することを副制御回路42に要求する検査コマンドである。ここで、検査対象の遊技機が液晶装置を備える場合には、液晶装置にデモ画面が表示される。
次に、検査担当者は、精算ボタン22(1回目)を押下し、検査項目3に進み、ドットマトリクス部119のドットが全て一斉に点灯することを確認する。このとき、副制御回路42には、ドットマトリクス全点灯のための「011B」の検査コマンドが送信される。「011B」の検査コマンドは、ドットマトリクス部119の全てのドットを一斉に点灯することを副制御回路42に要求するコマンドである。ここで、検査対象の遊技機が液晶装置を備える場合には、液晶装置にドット落テスト黒の画面が表示される。
次に、検査担当者は、再度精算ボタン22(2回目)を押下し、ドットマトリクス部119のドットが全て、検査担当者が検査できるための適切な時間間隔(例えば、0.5~2秒)で順次点灯することを確認する。このとき、副制御回路42には、ドットマトリクス順点灯のための「0157」~「015A」の検査コマンドが順次送信される。これら「0157」~「015A」の検査コマンドは、ドットマトリクス部119の全てのドットを、各々、図26の(a)~(d)に示す順点灯パターンで順次点灯することを副制御回路42に要求する検査コマンドである。ここで、検査対象の遊技機が液晶装置を備える場合には、液晶装置にドット落テスト黒の画面が表示される。
次に、検査担当者は、スタートレバー16(1回目)を操作し、検査項目4に進み、7セグ表示器6の7セグLEDが全て一斉に点灯することを確認する。このとき、副制御回路42には、検査コマンドは送信されない。ここで、検査対象の遊技機が液晶装置を備える場合には、液晶装置にドット落テスト白の画面が表示される。
次に、検査担当者は、再度スタートレバー16(2回目)を操作し、7セグ表示器6の貯留(図14に示す7セグ表示器6の左側2桁6a)に「12」が、払出(同右側2桁6b)に「34」が、押順(同中央3桁6c)に「567」が全て一斉に点灯し、役比モニタ411に「1234」が点灯し、サブ7セグ(第7ランプ群117)に「8888888」が点灯することを確認する。このとき、副制御回路42には、「00D3」の検査コマンドが送信される。「00D3」の検査コマンドは、サブ7セグ(第7ランプ群117)をすべて一斉に点灯することを副制御回路42に要求するコマンドである。ここで、検査対象の遊技機が液晶装置を備える場合には、液晶装置にドット落テスト白の画面が表示される。
なお、上述検査モード1(LEDテスト)の項目4(スタートレバー)の再度スタートレバー16(2回目)においては、サブ7セグ(第7ランプ群117)に「8888888」と一斉に点灯させるとの検査仕様としているが、これに代えて、サブ7セグの左の桁から順次「1」「2」「3」「4」「5」「6」「7」と点灯させるとの検査仕様に変更してもよい。このとき、副制御回路42には、「00D5」「00E0」「00EB」「00F6」「0101」「010C」「0117」の検査コマンドが順次送信される。これらの検査コマンドは、サブ7セグの左から1桁目に「1」を点灯すること(「00D5」)、サブ7セグの左から2桁目に「2」を点灯すること(「00E0」)、サブ7セグの左から3桁目に「3」を点灯すること(「00EB」)、サブ7セグの左から4桁目に「4」を点灯すること(「00F6」)、サブ7セグの左から5桁目に「5」を点灯すること(「0101」)、サブ7セグの左から6桁目に「6」を点灯すること(「010C」)、サブ7セグの左から7桁目に「7」を点灯すること(「0117」)を副制御回路42に要求するコマンドである。
次に、検査担当者は、再度スタートレバー16(3回目)を操作し、図23(a)に示す箇所のLEDが全て一斉に点灯することを確認する。このとき、副制御回路42には、「0026」の検査コマンドが送信される。当該「0026」の検査コマンドは、図23(a)に示す箇所のLEDが全て一斉に点灯することを副制御回路42に要求する検査コマンドである。ここで、検査対象の遊技機が液晶装置を備える場合には、液晶装置にドット落テスト白の画面が表示される。
次に、検査担当者は、再度スタートレバー16(4回目)を操作し、図23(b)に示す箇所のLEDが全て一斉に点灯することを確認する。このとき、副制御回路42には、「0027」の検査コマンドが送信される。当該「0027」の検査コマンドは、図23(b)に示す箇所のLEDが全て一斉に点灯することを副制御回路42に要求する検査コマンドである。ここで、検査対象の遊技機が液晶装置を備える場合には、液晶装置にドット落テスト白の画面が表示される。
次に、検査担当者は、再度スタートレバー16(5回目)を操作し、図23(c)に示す箇所のLEDが全て一斉に点灯することを確認する。このとき、副制御回路42には、「0028」の検査コマンドが送信される。当該「0028」の検査コマンドは、図23(c)に示す箇所のLEDが全て一斉に点灯することを副制御回路42に要求する検査コマンドである。ここで、検査対象の遊技機が液晶装置を備える場合には、液晶装置にドット落テスト白の画面が表示される。
次に、検査担当者は、再度スタートレバー16(6回目)を操作し、図24(d)に示す箇所のLEDが全て一斉に赤色に点灯することを確認する。このとき、副制御回路42には、「0029」の検査コマンドが送信される。当該「0029」の検査コマンドは、図24(d)に示す箇所のLEDが全て一斉に赤色に点灯することを副制御回路42に要求する検査コマンドである。ここで、検査対象の遊技機が液晶装置を備える場合には、液晶装置にドット落テスト白の画面が表示される。
次に、検査担当者は、再度スタートレバー16(7回目)を操作し、図24(e)に示す箇所のLEDが全て一斉に緑色に点灯することを確認する。このとき、副制御回路42には、「002A」の検査コマンドが送信される。当該「002A」の検査コマンドは、図24(e)に示す箇所のLEDが全て一斉に緑色に点灯することを副制御回路42に要求する検査コマンドである。ここで、検査対象の遊技機が液晶装置を備える場合には、液晶装置にドット落テスト白の画面が表示される。
次に、検査担当者は、再度スタートレバー16(8回目)を操作し、図24(f)に示す箇所のLEDが全て一斉に青色に点灯することを確認する。このとき、副制御回路42には、「002B」の検査コマンドが送信される。当該「002B」の検査コマンドは、図24(f)に示す箇所のLEDが全て一斉に青色に点灯することを副制御回路42に要求する検査コマンドである。ここで、検査対象の遊技機が液晶装置を備える場合には、液晶装置にドット落テスト白の画面が表示される。
次に、検査担当者は、左ストップボタン17L(1回目)を操作し、検査項目5に進み、図25(a)に示す箇所のLEDの全てが一斉に赤色に点灯することを確認する。このとき、副制御回路42には、「0023」の検査コマンドが送信される。当該「0023」の検査コマンドは、図25(a)に示す箇所のLEDを全て一斉に赤色に点灯することを副制御回路42に要求する検査コマンドである。ここで、検査対象の遊技機が液晶装置を備える場合には、液晶装置にドット落テスト赤の画面が表示される。
次に、検査担当者は、再度左ストップボタン17L(2回目)を操作し、図25(a)に示す箇所のLEDが、検査担当者が検査できるための適切な時間間隔(例えば、0.5~2秒)で順次赤色に点灯することを確認する。このとき、副制御回路42には、順次「003C」~「0041」、「007D」~「0082」、「00AF」、「00B1」、「00C0」、「00C1」、「00C2」の検査コマンドが送信される。これらの検査コマンドは、図25(a)に示す箇所の各々のLEDを赤色に点灯することを副制御回路42に要求する検査コマンドである。ここで、検査対象の遊技機が液晶装置を備える場合には、液晶装置にドット落テスト赤の画面が表示される。
次に、検査担当者は、中ストップボタン17C(1回目)を操作し、検査項目6に進み、図25(b)に示す箇所のLEDの全てが一斉に緑色に点灯することを確認する。このとき、副制御回路42には、「0024」の検査コマンドが送信される。当該「0024」の検査コマンドは、図25(b)に示す箇所のLEDを全て一斉に緑色に点灯することを副制御回路42に要求する検査コマンドである。ここで、検査対象の遊技機が液晶装置を備える場合には、液晶装置にドット落テスト緑の画面が表示される。
次に、検査担当者は、再度中ストップボタン17C(2回目)を操作し、図25(b)に示す箇所のLEDが、検査担当者が検査できるための適切な時間間隔(例えば、0.5~2秒)で順次緑色に点灯することを確認する。このとき、副制御回路42には、順次「0042」~「0047」、「0083」~「0088」、「00AF」、「00C3」、「00C4」、「00C5」の検査コマンドが送信される。これらの検査コマンドは、図25(b)に示す箇所の各々のLEDを順次緑色に点灯することを副制御回路42に要求する検査コマンドである。ここで、検査対象の遊技機が液晶装置を備える場合には、液晶装置にドット落テスト緑の画面が表示される。
次に、検査担当者は、右ストップボタン17L(1回目)を操作し、検査項目5に進み、図25(c)に示す箇所のLEDの全てが一斉に青色に点灯することを確認する。このとき、副制御回路42には、「0023」の検査コマンドが送信される。当該「0023」の検査コマンドは、図25(c)に示す箇所のLEDを全て一斉に青色に点灯することを副制御回路42に要求する検査コマンドである。ここで、検査対象の遊技機が液晶装置を備える場合には、液晶装置にドット落テスト青の画面が表示される。
次に、検査担当者は、再度左ストップボタン17L(2回目)を操作し、図25(c)に示す箇所のLEDが、検査担当者が検査できるための適切な時間間隔(例えば、0.5~2秒)で順次青色に点灯することを確認する。このとき、副制御回路42には、順次「003C」~「0041」、「007D」~「0082」、「00AF」、「00B1」、「00C0」、「00C1」、「00C2」の検査コマンドが送信される。これらの検査コマンドは、図25(c)に示す箇所の各々のLEDを順次青色に点灯することを副制御回路42に要求する検査コマンドである。ここで、検査対象の遊技機が液晶装置を備える場合には、液晶装置にドット落テスト青の画面が表示される。
なお、上述の液晶装置のドット落テストとは、指定された色(黒、白、赤、緑、青)を液晶装置の表示領域全体に表示させて、検査担当者が目視して液晶装置の液晶にドット落ちがあるか否かを確認する。
図14表(c)は、検査モード2(サウンドテスト)の検査仕様を示している。
検査モード1(LEDテスト)が終了すると、検査担当者は、MAXベットボタン14を押下した状態でスタートレバー16を操作することにより、検査モード2(サウンドテスト)に切り替える。
次に、検査担当者は、MAXベットボタン14を押下し、検査項目1に進み、RB(レギュラーボーナス)演出時の音声がスピーカ20L,20R、21L,21Rから再生されることを確認する。このとき、副制御回路42には、「000E」の検査コマンドが送信される。当該「000E」の検査コマンドは、RB演出時の音声をスピーカ20L,20R、21L,21Rから再生することを副制御回路42に要求する検査コマンドである。ここで、検査対象の遊技機が液晶装置を備える場合には、液晶装置にデモ画面が表示される。
次に、検査担当者は、1ベットボタン15を押下し、検査項目2に進み、BB(ビッグボーナス)演出時の音声がスピーカ20L、20R、21L,21Rから再生されることを確認する。このとき、副制御回路42には、「000D」の検査コマンドが送信される。当該「000D」の検査コマンドは、BB演出時の音声をスピーカ20L,20R、21L,21Rから再生することを副制御回路42に要求する検査コマンドである。ここで、検査対象の遊技機が液晶装置を備える場合には、液晶装置にデモ画面が表示される。
次に、検査担当者は、スタートレバー16を操作し、検査項目3に進み、左上スピーカ21Lから音声が再生されることを確認する。このとき、副制御回路42には、「0014」の検査コマンドが送信される。当該「0014」の検査コマンドは、左上スピーカ21Lから音声を再生することを副制御回路42に要求する検査コマンドである。ここで、検査対象の遊技機が液晶装置を備える場合には、液晶装置にデモ画面が表示される。
次に、検査担当者は、左ストップボタン17Lを操作し、検査項目4に進み、右上スピーカ21Rから音声が再生されることを確認する。このとき、副制御回路42には、「0015」の検査コマンドが送信される。当該「0015」の検査コマンドは、右上スピーカ21Rから音声を再生することを副制御回路42に要求する検査コマンドである。ここで、検査対象の遊技機が液晶装置を備える場合には、液晶装置にデモ画面が表示される。
次に、検査担当者は、中ストップボタン17Cを操作し、検査項目5に進み、左下スピーカ20Lから音声が再生されることを確認する。このとき、副制御回路42には、「0016」の検査コマンドが送信される。当該「0016」の検査コマンドは、左下スピーカ20Lから音声を再生することを副制御回路42に要求する検査コマンドである。ここで、検査対象の遊技機が液晶装置を備える場合には、液晶装置にデモ画面が表示される。
次に、検査担当者は、右ストップボタン17Rを操作し、検査項目6に進み、右下スピーカ20Rから音声が再生されることを確認する。このとき、副制御回路42には、「0017」の検査コマンドが送信される。当該「0017」の検査コマンドは、右下スピーカ20Rから音声を再生することを副制御回路42に要求する検査コマンドである。ここで、検査対象の遊技機が液晶装置を備える場合には、液晶装置にデモ画面が表示される。
次に、検査担当者は、リセットスイッチ37を操作し、検査項目7に進み、検査項目6で右下スピーカ20Rから再生されていた音声が消音されることを確認する。このとき、副制御回路42には、「000A」の検査コマンドが送信される。当該「000A」の検査コマンドは、スピーカ20L,20R,21L,21Rから再生されている音声を消音することを副制御回路42に要求する検査コマンドである。ここで、検査対象の遊技機が液晶装置を備える場合には、液晶装置にデモ画面が表示される。
図14表(d)は、検査モード3(サブ演出テスト)の検査仕様を示している。
検査モード2(サウンドテスト)が終了すると、検査担当者は、MAXベットボタン14を押下した状態でスタートレバー16を操作することにより、検査モード3(サブ演出テスト)に切り替える。
次に、検査担当者は、MAXベットボタン14を押下し、検査項目1に進み、BB(ビッグボーナス)演出時の音声がスピーカ20L,20R、21L,21Rから再生され、かつ、当該BB演出時に点灯されるべきLEDが点灯されることを確認する。このとき、副制御回路42には、「0008」の検査コマンドが送信される。当該「0008」の検査コマンドは、BB演出時の音声をスピーカ20L,20R、21L,21Rから再生し、かつ、当該BB演出時に点灯されるべきLEDを点灯することを副制御回路42に要求する検査コマンドである。ここで、検査対象の遊技機が液晶装置を備える場合には、液晶装置にBB演出映像が表示される。
次に、検査担当者は、1ベットボタン15を押下し、検査項目2に進み、RB(レギュラーボーナス)演出時の音声がスピーカ20L,20R、21L,21Rから再生され、かつ、当該RB演出時に点灯されるべきLEDが点灯されることを確認する。このとき、副制御回路42には、「0009」の検査コマンドが送信される。当該「0009」の検査コマンドは、RB演出時の音声をスピーカ20L,20R、21L,21Rから再生し、かつ、当該RB演出時に点灯されるべきLEDを点灯することを副制御回路42に要求する検査コマンドである。ここで、検査対象の遊技機が液晶装置を備える場合には、液晶装置にRB演出映像が表示される。
次に、検査担当者は、精算ボタン22を押下し、検査項目3(カートリッジ検査)に進む。該カートリッジ検査においては、副制御回路42においてサブROM82のサムチェックが行われる。サブROM82のサムチェックが開始されると、サブ7セグ(第7ランプ群117)の中央(3-5桁目)の7セグメントLED表示が変動する。例えば、「000」、「111」、「222」、・・・「999」が順次、繰り返し表示される。サブROM82のサムチェックが終了すると、該サブ7セグの中央(3-5桁目)に、正常であることを示す「Fin」または異常であることを示す「Err」が表示される。このとき、副制御回路42には、「0018」の検査コマンドが送信される。当該「0018」の検査コマンドは、カートリッジ検査(サブROM82のサムチェック)をすることを副制御回路42に要求する検査コマンドである。ここで、検査対象の遊技機が液晶装置を備える場合には、液晶装置にデモ画面が表示される。
なお、検査項目3(カートリッジ検査)には、サブROM82の全体(図11の82a~82h)のサムチェックを行う検査と、サブROM82の一部(例えば、図11の82a~82fに示されるプログラム関連の領域のみ、あるいは、図11の82g~82hに示される演出関連データの領域のみなど)のサムチェックを行う検査がある。
図14表(e)は、検査モード4(メイン機能テスト1)の検査仕様を示している。
検査モード3(サブ演出テスト)が終了すると、検査担当者は、MAXベットボタン14を押下した状態でスタートレバー16を操作することにより、検査モード4(メイン機能テスト1)に切り替える。
次に、検査担当者は、ドアキー23をドア9に設けられたドアキー挿入口に挿入し、ドアキー23を左方向に回転させてキーリセットを行うことによって、検査項目1に進む。ここで、検査担当者は、外部端子板18Sのリレースイッチ(不図示)がON側に倒れることを確認する。このとき、副制御回路42には検査コマンドは送信されない。なお、別法として、例えば、当該検査項目1を、外部端子板18Sのリレースイッチが銅線などによりLED電球と接続された状態で実行することもでき、この場合は、検査担当者は、キーリセットによりLED電球が点灯することを確認する。
次に、検査担当者は、リセットスイッチ37を操作し、検査項目2に進み、エラーが解除されたことを確認する。このとき、副制御回路42には、検査コマンドは送信されない。
より具体的には、例えば、操作担当者は、事前に意図的な誤操作(例えば、メダルが投入されていない状態で精算ボタン22を押下する、など)により、7セグ表示器6にエラーが表示されている状態を作っておき、かかる状態でリセットスイッチ37を操作したときに7セグ表示器6に表示されているエラー表示が消えることを確認してもよい。
次に、検査担当者は、設定キーを設定用鍵穴412に挿入することにより、検査項目3に進み、そのときBB音がスピーカ20L等から再生されることを確認する。このとき、副制御回路42には「000D」の検査コマンドが送信される。「000D」の検査コマンドは、BB(ビッグボーナス)演出時の音声をスピーカ20L等から再生することを副制御回路42に要求する検査コマンドである。
次に、検査担当者は、補助収納庫スイッチ38Sを操作して検査項目4に進み、そのときRB音がスピーカ20L等から再生されることを確認する。このとき、副制御回路42には「000E」の検査コマンドが送信される。「000E」の検査コマンドは、RB(レギュラーボーナス)演出時の音声をスピーカ20L等から再生することを副制御回路42に要求する検査コマンドである。
より具体的には、例えば、操作担当者は、補助収納庫スイッチ38が満杯になった旨の信号が送信されるように補助収納庫スイッチ38Sの部品同士を接触させるなどして、補助収納庫スイッチ38Sを操作することができる。
次に、検査担当者は、ドア開閉スイッチ9Sを操作することにより、検査項目5に進み、そこでドア9を開放状態にして、そのとき遊技開始音がスピーカ20L等から再生されることを確認する。このとき、副制御回路42には「0010」の検査コマンドが送信される。「0010」の検査コマンドは、遊技開始音をスピーカ20L等から再生することを副制御回路42に要求する検査コマンドである。
次に、検査担当者は、再度ドア開閉スイッチ9Sを操作することにより、ドア9を閉鎖状態にして、そのとき回胴停止音がスピーカ20L等から再生されることを確認する。このとき、副制御回路42には「0011」の検査コマンドが送信される。「0011」の検査コマンドは、回胴停止音をスピーカ20L等から再生することを副制御回路42に要求する検査コマンドである。
事前に意図的な誤操作(例えば、メダル払出装置33にメダルが貯留されていない状態で精算ボタン22を押下する、など)により、7セグ表示器6にエラーが表示されている状態を作っておき、かかる状態でリセットスイッチ37を操作したときに7セグ表示器6に表示されているエラー表示が消えることを確認してもよい。
次に、検査担当者は、メダル投入口13にメダルを投入することにより、検査項目6に進む。ここで、例えば、6枚のメダルを投入する場合、検査担当者は、各々のメダルを投入する都度、メダル投入音がスピーカ20L等から再生されつつ、7セグ表示器6の左側2桁6aにメダル投入枚数が表示され、かつ、7セグ表示器6の右側2桁6bに払出枚数(第2メダルセンサ36Sにより検知されたメダルの枚数)が表示されることを確認する。このとき、副制御回路42には、メダル投入の都度、「000C」の検査コマンドが送信される。「000C」の検査コマンドは、メダル投入音をスピーカ20L等から再生することを副制御回路42に要求する検査コマンドである。
次に、検査担当者は、スタートレバー16を操作し、検査項目7に進み、7セグ表示器6の右側2桁6bに表示されている払出枚数のメダルが払い出されることを確認する。このとき、副制御回路42には、検査コマンドは送信されない。
図14表(f)は、検査モード5(メイン機能テスト2)の検査仕様を示している。
検査モード4(メイン機能テスト1)が終了すると、検査担当者は、MAXベットボタン14を押下した状態でスタートレバー16を操作することにより、検査モード5(メイン機能テスト2)に切り替える。
なお、このとき、検査用プログラムに機能により、検査モード5(メイン機能テスト2)に移ると同時に、検査担当者の操作を介さずに、リール停止図柄がボーナス図柄(3つの7図柄「7」が入賞ラインに揃うボーナス入賞の位置に揃っている状態)にされ、リールのバックライトLED(図5のポート番号76~93参照)が点灯され、かつ、7セグ表示器6の左側2桁6a(貯留セグ)および右側2桁6b(払出セグ)には、ともに「00」が表示される。
次に、検査担当者は、右ストップボタン17Rを押下し、検査項目1に進み、リール3L,3C,3Rが1分当たり80回転の速度で回転し、3つの7図柄「赤7」が入賞ラインに揃うボーナス入賞の位置で停止することを確認する。このとき、副制御回路42には、検査コマンドは送信されない。
次に、検査担当者は、精算ボタン22を押下し、検査項目2に進み、7セグ表示器6の左側2桁6a(貯留セグ)には精算ボタン22を押下した回数(例えば「01」)が表示され、右側2桁6b(払出セグ)にはメダル払い出し枚数(例えば「15」)が表示されることを確認する。このとき、副制御回路42には、検査コマンドは送信されない。
[検査コマンド]
図15~21は、本発明の第1の実施の形態における出荷テストを実施する工程(図13(c))において、主制御回路41から副制御回路42に送信される2バイト長の検査コマンドを説明するための表である。うち、図15~18に記載の検査コマンドは、液晶機(液晶表示装置を搭載した遊技機)および非液晶機(液晶表示装置を搭載していない遊技機)に共通の検査コマンドであり、図19~21に記載の検査コマンドは、非液晶機専用の検査コマンドである。
図15~21の検査コマンド表は、「コード番号」欄、「機能」欄、「備考」欄から構成されている。
「コード番号」欄は、通し番号としての10進数の表示と、当該10進数表示に係る数値を16進数に変換した16進数の表示と、を含んでいる。主制御回路41から副制御回路42に送信される検査コマンドは、本実施の形態においては、当該16進数の表示の2バイト長のコマンドであり、該検査コマンドは、パラメータを有していない。
ただし、上述した検査コマンドの長さおよびフォーマットは、一例に過ぎず、検査コマンドの長さ、フォーマットは、これに限定されるわけではない。
「機能」欄は、検査コマンドに対応する副制御回路42の機能である。すなわち、主制御回路41から副制御回路42への検査コマンドの送信は、副制御回路42に対する当該機能の実行の要求を意味する。
「備考」欄には、補足情報などが記載されている。
[表示機能検査]
以下、図22~図26を参照して、LEDおよびドットマトリクスを含む表示機能の検査における遊技機上の表示(点灯)箇所について説明する。
図22(a)は、検査モード1(LEDテスト)の項目1(MAXBET)における単色LED全点灯(1回目)および単色LED順点灯(2回目)において点灯する単色LEDの箇所を示している。
図22(b)は、検査モード1(LEDテスト)の項目2(1BET)におけるフルカラーLED全点灯(1回目)およびフルカラーLED順点灯(2回目)において点灯する単色LEDの箇所を示している。
図23(a)は、検査モード1(LEDテスト)の項目4(スタートレバー)における配当表、サイドレンズ、リール上部照明等点灯(3回目)の検査において点灯する白単色LEDの箇所を示している。
図23(b)は、検査モード1(LEDテスト)の項目4(スタートレバー)におけるサイドレンズ、リールバックライト、ストップボタン照明等点灯(4回目)の検査において点灯する白単色LEDの箇所を示している。
図23(c)は、検査モード1(LEDテスト)の項目4(スタートレバー)におけるラインレンズ照明等点灯(5回目)の検査において点灯する白単色LEDの箇所を示している。
図24(d)は、検査モード1(LEDテスト)の項目4(スタートレバー)におけるサイドレンズ、MAXベットボタン、ストップボタン照明等点灯(6回目)の赤点灯検査において赤色に点灯するフルカラーLEDの箇所を示している。
図24(e)は、検査モード1(LEDテスト)の項目4(スタートレバー)におけるサイドレンズ、MAXベットボタン、ストップボタン照明等点灯(7回目)の緑点灯検査において緑色に点灯するフルカラーLEDの箇所を示している。
図24(f)は、検査モード1(LEDテスト)の項目4(スタートレバー)におけるサイドレンズ、MAXベットボタン、ストップボタン照明等点灯(8回目)の青点灯検査において青色に点灯するフルカラーLEDの箇所を示している。
図25(a)は、検査モード1(LEDテスト)の項目5(左停止ボタン)におけるフルカラーLED赤色全点灯(1回目)およびフルカラーLED赤色順点灯(2回目)の検査において赤色に点灯するフルカラーLEDの箇所を示している。
図25(b)は、検査モード1(LEDテスト)の項目6(中停止ボタン)におけるフルカラーLED青色全点灯(1回目)およびフルカラーLED青色順点灯(2回目)の検査において青色に点灯するフルカラーLEDの箇所を示している。
図25(c)は、検査モード1(LEDテスト)の項目7(右停止ボタン)におけるフルカラーLED青色全点灯(1回目)およびフルカラーLED青色順点灯(2回目)の検査において青色に点灯するフルカラーLEDの箇所を示している。
図26は、検査モード1(LEDテスト)の項目3(精算ボタン)におけるドット順点灯(1回目)の検査において、ドットマトリクス部119の点灯するドットの箇所を示している。当該ドット順点灯においては、図26の(a)~(d)に示されるパターンが、この順序でドットマトリクス部119上に点灯される。
本実施の形態においては、ドットマトリクス部119は、縦11行x横16列の2次元マトリクスで構成されている。パターン(a)は、奇数行目(1、3、5、7、9、11行目)の横16ドットがすべて点灯している点灯パターンを示している。パターン(b)は、偶数行目(2、4、6、8、10行目)の横16ドットがすべて点灯している点灯パターンを示している。パターン(c)は、奇数列目(1、3、5、7、9、11、13、15列目)の縦11ドットがすべて点灯している点灯パターンを示している。そして、パターン(d)は、偶数列目(2、4、6、8、10、12、14、16列目)の縦11ドットがすべて点灯している点灯パターンを示している。
<主制御回路の動作説明>
次に、図27を参照して、検査ROMが装着された主制御回路41のメインCPU51が、プログラムを用いて実行する各種処理の内容について説明する。
[メインCPUの制御によるパチスロの主要動作処理]
まず、図13に示す出荷テストの工程(c)(メイン機能、サブ機能の動作確認)において、メインCPU51の制御で行うパチスロ1の主要動作処理の手順を、図27に示すメインフローチャート(以下、メインフローという)を参照しながら説明する。
まず、パチスロ1に電源が投入されると、メインCPU51は、電源投入時の初期化処理を行う(S1)。この初期化処理では、バックアップが正常に行われたか、設定変更が適切に行われたか等が判定され、その判定結果に対応した初期化が行われる。
次いで、メインCPU51は、一遊技終了時の初期化処理を行う(S2)。この初期化処理では、メインRAM53における指定格納領域のデータをクリアする。なお、ここでいう指定格納領域は、例えば、内部当籤役格納領域や表示役格納領域などの1回の遊技ごとにデータの消去が必要な格納領域である。
次いで、メインCPU51は、検査モードであるか否かを判定する(S3)。具体的には、図14の検査仕様の表(a)にて説明したとおり、電源投入後にMAXベットボタンが押下されると、パチスロ1は検査モードに移行するが、このとき、メインRAM53の所定の領域のフラグがオンにされる。メインCPU51は、当該フラグがオンである場合に検査モードであると判断する。
メインCPU51は、S3において検査モードでないと判断した場合には、処理をS5に移す。
次いで、メインCPU51は、S3において検査モードであると判断した場合には、検査モード処理を実行する(S4)。
検査モード処理では、メインCPU51は、マイクロコンピュータ50の入力ポートの状態を通じて検査担当者によるパチスロ1の操作内容を判断し、図14の検査仕様に基づき、動作モード(検査モード(1-5)および各々の検査モードごとに設定された検査項目の組合せ)を切り替えつつ、図15~21に示す検査コマンドを副制御回路42に送信する。
例えば、検査モード1において、メインCPU51が、マイクロコンピュータ50の入力ポートの状態からMAXベットボタン14(1回目)が押下されたと判断したときには、メインCPU51は、図14表(b)検査モード1(LEDテスト)の項目1の仕様に基づき、「0021」の検査コマンドを副制御回路42に送信する。
ここで、メインCPU51は、動作モードが、副制御回路42により演出機器の制御をしない動作モード(例えば、図14表(e)メイン機能テスト1に示される検査モード4の項目1)である場合には、メインCPU51は、主副制御回路41に接続された表示装置又は/及び駆動装置(例えば、外部端子18S)の制御を行う。
検査モード処理(S4)が完了したら、メインCPU51は、処理をS2に移し、検査モード滞在中(S3=YES)は、S2~S4の処理を繰り返し実行する。
すなわち、図13工程(c)におけるメイン機能・サブ機能の動作確認を実行中は、上述S2~S4のループが繰り返されることになる。
メインCPU51は、S3において検査モードでないと判断した場合には、メダル受付・スタートチェック処理を行う(S5)。この処理では、メダルセンサ35Sやスタートスイッチ16Sの入力のチェック等が行われる。
具体的には、メインCPU51は、前回の遊技で再遊技(リプレイ役)に係る表示役が成立したときの自動投入による投入枚数のカウント、メダル投入口13から投入されたメダルによる投入枚数のカウント、および、BETボタン(MAXBET、1BET)の押下に基づく投入枚数のカウント等が実行され、投入枚数が遊技開始可能枚数に達している場合には、スタートスイッチの状態を判別する。
次いで、メインCPU51は、乱数値(0~65535)を抽出し、該抽出した乱数値をメインRAM53に設けられた乱数値格納領域(不図示)に格納する(S6)。次いで、メインCPU51は、リール演出およびロックの制御で用いる演出用乱数値を抽出し、該抽出した演出用乱数値をメインRAM53に設けられた演出用乱数値格納領域(不図示)に格納する(S7)。なお、本実施形態では、演出用乱数値は、0~127の範囲から抽出される。
そして、抽出した各種乱数値が所定の乱数値格納領域に格納されると、メインCPU51は、内部抽籤処理を行う(S8)。この処理では、S6で抽出した乱数値に基づいた抽籤により内部当籤役の決定が行われる。
次いで、メインCPU51は、遊技ロック抽籤処理を行う(S9)。
遊技ロック抽選処理は、遊技状態に応じた遊技ロック抽籤テーブル(不図示)を参照し、演出用乱数値に基づいて、遊技ロック抽籤を行う。
次いで、メインCPU51は、リール停止初期設定処理を行う(S10)。
リール停止初期設定処理は、内部当籤役に基づいて、リール停止初期設定テーブル(不図示)からルールの停止制御に係る各種情報を取得する。
次いで、メインCPU51は、ウェイト処理を行う(S11)。この処理では、メインCPU51は、前回の遊技開始から所定時間(例えば、4.1秒)を経過していない場合、該所定時間が経過するまで待ち時間を消化する。
次いで、メインCPU51は、リール回転開始処理を行う(S12)。この処理において、メインCPU51は、全リールの回転開始を要求する。
リール回転開始処理は、全リールの回転開始を要求する。全リールの回転開始が要求されると、一定の周期(1.1172msec)で実行される後述の割込処理(図28参照)により、3つのステッピングモータ61L,61C,61Rの駆動が制御され、左リール3L、中リール3Cおよび右リール3Rの回転が開始される。
次いで、メインCPU51は、引込優先順位格納処理を行う(S13)。この処理では、メインCPU51は、引込優先順位データを取得して、引込優先順位データ格納領域(不図示)に格納する。
次いで、メインCPU51は、リール停止制御処理を行う(S14)。この処理では、左ストップボタン17L、中ストップボタン17Cおよび右ストップボタン17Rがそれぞれ押されたタイミングと内部当籤役とに基づいて該当するリールの回転が停止される。また、メインCPU51は、リール停止コマンドを副制御回路42に送信する。この処理で送信するリール停止コマンドには、停止されるリールの種別、ストップスイッチがONになった時点の図柄の位置、リールが停止するまでの滑り駒数等の情報が含まれる。
次いで、メインCPU51は、遊技ロック処理を行う(S15)。この処理において、メインCPU51は、遊技の進行を無効化する又は遅延させる。
メインCPU51は、決定された遊技ロック種別を実行する期間に相当する値をロックタイマにセットし、ロックタイマの値が「0」になるまで待機する。その間は、遊技者の停止操作を受け付けない。
次いで、メインCPU51は、入賞検索処理を行う(S16)。この処理では、メインCPU51は、図柄コード格納領域(不図示)のデータを表示役格納領域(不図示)に格納する。また、この処理では、左リール3L、中リール3Cおよび右リール3Rが全て停止した後に有効ライン(入賞判定ライン)に表示された図柄の組合せと、図柄組合せテーブル(不図示)とを照合する。そして、メインCPU51は、有効ラインに表示役が表示されたか否かを判定し、その判定結果を表示役格納領域に格納するようにしてもよい。
次いで、メインCPU51は、メダル払出処理を行う(S17)。メダル払出処理は、本発明に係る遊技媒体付与手段の一具体例を示す。この処理では、S15において決定された表示役の払出枚数に基づいて、ホッパー33の駆動やクレジット枚数の更新が行われ、メダルの払い出しが行われる。この際、本実施形態では、図柄組合せテーブル(不図示)に示すように、メダルの投入枚数が1~3枚であり、メダルの払出枚数は表示役に応じて異なるが、その最大払出枚数(払出上限)は15枚である。
次いで、メインCPU51は、RT制御処理を行う(S18)。この処理では、メインCPU51は、RT遊技状態を管理する。メインCPU51は、RT遷移テーブル(不図示)を参照し、移行元(現在)のRT遊技状態において成立し得るRT遊技状態の移行条件をチェックし、RT遊技状態の移行条件が成立していると判別したとき、RT遷移テーブル(不図示)を参照し、移行条件に基づいて、移行先のRT遊技状態に移行する。また、メインCPU51は、表示コマンドを副制御回路42に送信する。なお、表示コマンドは、表示役や払出枚数等を特定するパラメータを含んで構成される。
次いで、メインCPU51は、払出終了コマンド送信処理を行う(S19)。具体的には、メインCPU51は、払出終了コマンドを副制御回路42に送信する。
次いで、メインCPU51は、ボーナス終了チェック処理を行う(S20)。この処理では、メインCPU51は、ボーナスゲームの終了契機を管理するための各種カウンタを参照して、ボーナスゲームの作動を終了するか否かをチェックする。
次いで、メインCPU51は、ボーナス作動チェック処理を行う(S21)。この処理では、メインCPU51は、ボーナスゲームの作動を開始するか否か、および、再遊技を行うか否かをチェックする。ボーナス作動チェック処理が終了すると、メインCPU51は、処理をS2に戻し、S2以降の処理を繰り返す。
[メインCPUの制御による割込処理(1.1172msec)]
次に、図28を参照して、メインCPU51に内蔵されたタイマ(不図示)の制御による定周期(1.1172msec毎)に行われる割込処理について説明する。
まず、メインCPU51は、レジスタの退避を行う(S31)。次いで、メインCPU51は、入力ポートチェック処理を行う(S32)。この処理では、ストップスイッチ17S等の各種スイッチから入力される信号がチェックされる。
次いで、メインCPU51は、タイマ更新処理を行う(S33)。この処理では、メインCPU51は、例えば、割込処理毎にロックタイマの値を減算する処理を行う。次いで、メインCPU51は、通信データ送信処置を行う(S34)。この処理では、主に、各種コマンドを副制御回路42に適宜送信する。なお、後述する無操作コマンドは、スタートコマンド等の各種コマンドが副制御回路42に送信されていない状態の場合に、副制御回路42に送信されるコマンドである。
次いで、メインCPU51は、リール制御処理を行う(S35)。この処理では、メインCPU51は、全リールの回転開始が要求されたときに、左リール3L、中リール3Cおよび右リール3Rの回転を開始し、その後、各リールが一定速度で回転するように、3つのステッピングモータ61L,61C,61Rを駆動制御する。また、滑り駒数が決定されたときは、メインCPU51は、該当するリールの図柄カウンタを滑り駒数分だけ更新する。そして、メインCPU51は、更新された図柄カウンタが停止予定位置に対応する値に一致する(停止予定位置の図柄が表示窓の有効ライン(入賞判定ライン)上の領域に到達する)のを待って、該当するリールの回転の減速および停止が行われるように、対応するステッピングモータを駆動制御する。また、本実施形態では、S35の処理において、前述した通常の加速処理、定速処理および停止処理だけでなく、加速処理時にリール演出パターンが設定されている場合には、該リール演出パターンに対応するリール演出(リールアクション)およびロックの制御処理も行う。
次いで、メインCPU51は、ランプ・7セグ駆動処理を行う(S36)。この処理では、メインCPU51は、7セグ表示器6を駆動制御して、払出枚数やクレジット枚数などを表示する。次いで、メインCPU51は、レジスタの復帰処理を行う(S37)。そして、その後、メインCPU51は、割込処理を終了する。
<副制御回路の動作説明>
次に、図29~図31を参照して、副制御回路42のサブCPU81が、プログラムを用いて実行する各種処理(タスク)の内容について説明する。
[主基板通信タスク]
まず、図29を参照して、サブCPU81により行われる主基板通信タスクについて説明する。
まず、サブCPU81は、主制御回路41から送信されたコマンドの受信チェックを行う(S101)。次いで、サブCPU81は、コマンドを受信した場合、受信したコマンドの種別を抽出する(S102)。
次いで、サブCPU81は、有効なコマンドを受信したか否かを判別する(S103)。S103において、サブCPU81が、有効なコマンドを受信しなかったと判別したとき(S103がNO判定の場合)、サブCPU81は、処理をS101に戻し、S101以降の処理を繰り返す。
一方、S103において、サブCPU81が、有効なコマンドを受信したと判別したとき(S103がYES判定の場合)、サブCPU81は、受信したコマンドに基づいて、メッセージキューにメッセージを格納する(S104)。なお、メッセージキューとは、プロセス間で情報を交換するための機構である。そして、S104の処理後、サブCPU81は、処理をS101に戻し、S101以降の処理を繰り返す。
[演出登録タスク]
次に、図30を参照して、サブCPU81により行われる演出登録タスクについて説明する。
まず、サブCPU81は、メッセージキューからメッセージを取り出す(S111)。次いで、サブCPU81は、メッセージキューにメッセージが有るか否かを判別する(S112)。S112において、サブCPU81が、メッセージキューにメッセージが無いと判別したとき(S112がNO判定のとき)、サブCPU81は、後述のS117の処理を行う。
一方、S112において、サブCPU81が、メッセージキューにメッセージが有ると判別したとき(S112がYES判定のとき)、サブCPU81は、パチスロ1が検査モードであるか否かを判定する(S113)。
具体的には、S113では、サブCPU81は、受信したコマンドが検査コマンドであるか否か、例えば、コマンドが2バイト長であるか否かを判定してもよい。検査コマンド以外のコマンド(例えば、スタートコマンド、リール停止コマンドなど)は8バイト長であり、検査コマンドは図15~21に示すとおり2バイト長だからである。
S113において、サブCPU81が、パチスロ1が検査モードであると判定したとき(S113がYES判定のとき)、サブCPU81は、検査モード処理を実行する(S114)。
検査モード処理(S114)においては、サブ81CPUは、図15~21に示すコマンド表に基づき、受信した検査コマンド(4桁の16進数のコード番号)に対応する機能を実行する。例えば、受信した検査コマンドが「0021」である場合には、図22(a)に示す箇所の単色LEDを全点灯するように演出データを選択する。
一方、S113において,サブCPU81が、パチスロ1が検査モードでないと判定したとき(S113がNO判定のとき)、サブCPU81は、処理をS115に移す。
次いで、サブCPU81は、メッセージから遊技情報を複写する(S115)。この処理では、例えば、パラメータによって特定される、内部当籤役、回転が停止したリールの種別、表示役、遊技状態フラグ等の各種データがサブRAM83に設けられた格納領域(不図示)に複写される。
次いで、サブCPU81は、演出内容決定処理を行う(S116)。この処理では、サブCPU81は、受信したコマンドの種別に応じて、演出内容の決定や演出データの選択等を行う。なお、演出内容決定処理の詳細については、後述の図31を参照しながら後で説明する。
次いで、サブCPU81は、サウンドデータの登録を行う(S117)。次いで、サブCPU81は、ランプデータの登録を行う(S118)。なお、これらの登録処理は、S114の検査モード処理またはS116の演出内容決定処理において選択された演出データに基づいて、選択された演出データにひも付られた音源データ(Wavファイル名)と再生に係る各種パラメータ(音量、チャンネル等)、ランプパターンデータ(LED演出データ)とパターンに係る各種パラメータ(輝度等)の登録が行われる。S118の後、サブCPU81は、処理をS111に戻し、S111以降の処理を繰り返す。
[演出内容決定処理]
次に、図31を参照して、演出登録タスクのフローチャート(図30参照)中のS116で行う演出内容決定処理について説明する。
ここで、本実施の形態においては、図30(演出登録タスク)のフローチャートに示すとおり検査モードでは(図30のS113がYES判定であるとき)、演出内容決定処理(図30のS116。すなわち、図31)が実行されないことに注意すべきである。しかしながら、後述する第2の実施の形態においては、図34(演出登録タスク)のフローチャートに示すとおり、検査工程においても、演出内容決定処理(図34のS210)は実行される。この点が本実施の形態と後述する第2の実施の形態との相違点になるので、かかる相違点を明確にするために、ここに演出内容決定処理の内容を記載する。
まず、サブCPU81は、無操作コマンド受信時であるか否かを判別する(S121)。
S121において、サブCPU81が、無操作コマンド受信時ではないと判別したとき(S121がNO判定の場合)、サブCPU81は、処理をS123に移す。
一方、S121において、サブCPU81が、無操作コマンド受信時であると判別したとき(S121がYES判定の場合)、サブCPU81は、無操作コマンド受信時処理を行う(S122)。S122の処理後、サブCPU81は、演出内容決定処理を終了し、処理を演出登録タスク(図30参照)のS117に移す。
次に、サブCPU81は、スタートコマンド受信時であるか否かを判別する(S123)。
S123において、サブCPU81が、スタートコマンド受信時であると判別したとき(S123がYES判定の場合)、サブCPU81は、スタートコマンド受信時処理を行う(S124)。この処理では、サブCPU81は、演出用乱数値を抽出し、内部当籤役、遊技状態、および、RT状態等に基づいて演出番号を抽籤により決定して格納する。ここで、演出番号は、今回実行する演出内容を指定するデータである。
次いで、サブCPU81は、格納されている演出番号に応じて、スタート時の演出データを選択する(S125)。演出データは、サウンドデータおよびLEDデータを指定するデータである。それゆえ、演出データが登録されると、対応するLEDデータ等が決定され、発光表示装置11による表示等の演出が実行される。そして、S125の処理後、サブCPU81は、演出内容決定処理を終了し、処理を演出登録タスク(図30参照)のS117に移す。
一方、S123において、サブCPU81が、スタートコマンド受信時でないと判別したとき(S123がNO判定の場合)、サブCPU81は、リール停止コマンド受信時であるか否かを判別する(S126)。
S126において、サブCPU81が、リール停止コマンド受信時であると判別したとき(S126がYES判定の場合)、サブCPU81は、格納されている演出番号および作動ストップボタンの種別に応じて、停止時の演出データを選択する(S127)。その後、サブCPU81は、演出内容決定処理を終了し、処理を演出登録タスク(図30参照)のS5117に移す。
一方、S126において、サブCPU81が、リール停止コマンド受信時でないと判別したとき(S126がNO判定の場合)、サブCPU81は、表示コマンド受信時であるか否かを判別する(S128)。
S128において、サブCPU81が、表示コマンド受信時であると判別したとき(S128がYES判定の場合)、サブCPU81は、格納されている演出番号および表示役等に応じて表示役の演出データを選択する。その後、サブCPU81は、演出内容決定処理を終了し、処理を演出登録タスク(図30参照)のS117に移す。
一方、S128において、表示コマンド受信時でないと判別したとき(S128がNO判定の場合)、サブCPU81は、払出終了コマンド受信時であるか否かを判別する(S130)。
S130において、サブCPU81は、払出終了コマンド受信時であると判別したとき(S130がYES判定の場合)、サブCPU81は、払出終了コマンド受信時処理を行う(S129)。その後、サブCPU81は、演出内容決定処理を終了し、処理を演出登録タスク(図30参照)のS117に移す。
一方、S130において、サブCPU81が、払出終了コマンド受信時でないと判別したとき(S130がNO判定の場合)、サブCPU81は、ボーナス開始コマンド受信時であるか否かを判別する(S132)。
S132において、サブCPU81が、ボーナス開始コマンド受信時であると判別したとき(S132がYES判定の場合)、サブCPU81は、ボーナス開始用の演出データを選択する(S133)。その後、サブCPU81は、演出内容決定処理を終了し、処理を演出登録タスク(図30参照)のS117に移す。
一方、S132において、サブCPU81が、ボーナス開始コマンド受信時でないと判別したとき(S132がNO判定の場合)、サブCPU81は、ボーナス終了コマンド受信時であるか否かを判別する(S134)。
S134において、サブCPU81が、ボーナス終了コマンド受信時であると判別したとき(S134がYES判定の場合)、サブCPU81は、ボーナス終了用の演出データを選択する(S135)。その後、サブCPU81は、演出内容決定処理を終了し、処理を演出登録タスク(図30参照)のS117に移す。
一方、S134において、サブCPU81が、ボーナス終了コマンド受信時でないと判別したとき(S134がNO判定の場合)、サブCPU81は、処理を演出登録タスク(図30参照)のS117に移す。
[本実施の形態の課題]
従来の遊技機では、副制御回路の演出用データのサム値が正常か否か(特許文献1:特開2006-081790)、及び、スピーカの接続が正常か否か(特許文献2:特開2015-062578)を検査することができるが、遊技機の演出に用いる演出機器にはスピーカ以外にも、多数の演出用ランプ、液晶表示装置および可動役物などがあり、例えば、それらの演出機器の中にはレア役に入賞しないと作動しないものもあるため、遊技機の工場出荷前の検査に時間がかかってしまうという問題がある。
本実施の形態は、上記課題を解決するための実施の形態であり、本実施の形態の目的は、遊技機単体で、遊技を行うことなく、各種演出機器の動作を遊技機に備えられた操作装置(スタートレバー、ストップボタン等)で確認できることにより、遊技機の工場出荷前の検査時間を短縮することができる遊技機を提供することである。
[本実施の形態の構成および作用効果]
以上述べたとおり、本実施の形態に係るパチスロ1は、「各種の演出を行うための複数の演出機器と、複数の操作手段と、予め定められた複数の制御コマンドが記憶され、前記操作手段の操作を検出する第1制御手段と、前記第1制御手段から送信される前記制御コマンドに応じて前記演出機器を制御する第2制御手段と、を備え、前記第1制御手段は、前記操作手段の操作を検出する操作検出手段と、前記操作検出手段が検出した操作に応じて動作モードを切り替えるモード切替手段と、前記制御コマンドを選択し、選択した前記制御コマンドを前記第2制御手段に送信する制御コマンド送信手段と、を有し、前記第2制御手段は、前記動作モードに応じた前記制御コマンドにより、演出モードを決定し、前記演出モードと、前記制御コマンドに対応する前記演出機器の実行制御を行い、前記第1制御手段は、前記モード切替手段により切り替えられた動作モードが、前記第2制御手段により前記演出機器の制御をしない動作モードの場合に、前記第1制御手段に接続された表示装置又は/及び駆動装置の制御を行うことを特徴とする遊技機」を構成している。
ここで、第1ランプ群111~第8ランプ群118、ドットマトリクス部119、スピーカ20L,20R,21L,21Rなどは、「複数の演出機器」を構成し、MAXベットボタン14、1ベットボタン15、スタートレバー16、ストップボタン17L,17C,17Rなどは、「複数の操作手段」を構成している。また、主制御回路41およびメインCPU51は、「第1制御手段」、「操作検出手段」、「モード切替手段」を構成し、副制御回路42およびサブCPU81は、「第2の制御手段」を構成している。さらに、7セグ表示器6、役比モニタ411、モータ駆動回路62、外部端子18Sなどは、「第1制御手段に接続された表示装置又は/及び駆動装置」を構成している。ここで、検査モード(1~5)および当該検査モードにおける検査項目(例えば、検査モード1の検査項目1~7)の組合せは、「動作モード」を構成している。
すなわち、第1制御手段(主制御回路41およびメインCPU51)は、操作手段(MAXベットボタン14、1ベットボタン15、スタートレバー16、ストップボタン17L,17C,17Rなど)の操作に応じて動作モード(図14の検査モード1~5と検査項目1~7の組合せ)を切り替え、第2制御手段(副制御手段42およびサブCPU81)は、動作モードに応じた制御コマンド(検査コマンド)により演出モード(全点灯、順点灯、再生など)を決定し、演出モードと制御コマンドに対応する演出機器(第1ランプ群111~第8ランプ群118、ドットマトリクス部119、スピーカ20L,20R,21L,21Rなど)の実行制御を行い、第1制御手段(主制御回路41およびメインCPU51)は、動作モードが、第2制御手段により演出機器の制御をしない動作モード(例えば、図14表(e)メイン機能テスト1の検査モード4の項目1)の場合に、第1制御手段に接続された表示装置又は/及び駆動装置(7セグ表示器6、役比モニタ411、モータ駆動回路62、外部端子18Sなど)の制御を行う。したがって、この構成により、遊技機単体で、遊技を行うことなく、各種演出機器の動作を遊技機に備えられた操作装置(スタートレバー、ストップボタン等)で確認できるので、「遊技機の工場出荷前の検査時間を短縮することができる遊技機を提供する」という本願発明の目的を達成することができる。
また、本実施の形態に係るパチスロ1は、「前記制御コマンド送信手段は、特定の前記動作モードにおいて、前記操作検出手段により特定の前記操作が検出された場合には、複数の前記制御コマンドを、順次、前記第2制御手段に送信可能である」ように構成されてもしてもよい。
この構成により、例えば、図14表(b)LEDテストの項目1における2回目のMAXベットボタンの押下(入力)に対応する検査仕様に示すように、複数のLEDランプから構成されるランプ群(図5参照)を、1回の操作で検査することができるので、検査の省力化を図ることができ、かつ、検査の効率を向上させることができる。
さらに、本発明に係るパチスロ1は、図14表(b)の検査モード1(LEDテスト)に示されるように、検査モードにおいて、検査担当者が同一の操作を繰り返す場合において(例えば、スタートレバー16の操作の繰り返し)、当該同一の操作が何回目の操作であるかによって、異なる仕様の検査を実行することができる。このため、限られた種類の操作手段を用いて多種の項目の検査を実行することができる。
(第2の実施の形態)
次に、図32~図35を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る遊技機について説明する。
なお、本実施の形態においては、本発明の第1の実施の形態とは、特に、主制御回路41が、検査コマンド(図15-21)を生成する必要がない点と、主制御回路41が、サブモード切替コマンドを副制御回路42に送信する点と、で異なるが、他の構成は、略同様に構成されている。したがって、以下においては、第1の実施の形態と同様の構成については同一の符号を付してその説明を省略し、特に第1の実施の形態との相違点についてのみ説明する。
[概要]
次に、図32を参照して、第2の実施の形態につき、第1の実施の形態との相違点の概要を説明する。
図32の(a)は、第1の実施の形態に係る遊技機の出荷テストの概念図であり、図32の(b)は、第2の実施の形態に係る遊技機の出荷テストの概念図である。
なお、図32の表示装置及び役物(可動役物装置)は、第1・第2の実施の形態では、配置されていない演出機器のため破線で表されているが、表示装置及び役物の両方、又は一方の装置が配置されている場合は、検査仕様に含まれることになる。
第1の実施の形態遊技機の出荷テストは、図32の(a)に示すとおり、主制御回路41が、図14に示す検査仕様に基づいて検査担当者の操作に応じた検査コマンド(図15~21)を生成し、その検査コマンドを主制御回路41から副制御回路42に送信し、副制御回路42が、当該検査コマンドを実行することによってLED,スピーカ等の演出機器を制御するという方式である。
その一方、第2の実施の形態に係る遊技機の出荷テストは、図32の(b)に示すとおり、主制御回路41は、後述する図33の(b)表に示すサブモード(1-3)を切り替えるためのモード切替コマンドを、検査担当者の操作内容(主制御回路41の入力ポートの状態)を示す無操作コマンドとともに副制御回路42に送信し、副制御回路42において当該モード切替コマンドと無操作コマンドを解析してLED,スピーカ等の演出機器を制御するという方式である。なお、無操作コマンドは、もともと主制御回路の既存の遊技機の機能として備わっている機能であり、出荷テスト用に別途備えられるものではない。
両者の主な相違点は、第2の実施の形態においては、主制御回路41における検査用機能として別途備える必要がある機能はモード切替コマンドを生成する機能だけであり、主制御回路41においては検査コマンド(図15~図21)を生成する必要がないため、出荷テストにおける主制御回路41の負担が、第1の実施の形態と比較して大幅に軽減されているという点である。
なお、本実施の形態では、副制御回路42にモード切替コマンドを送信するように構成されているが、当該モード切替コマンドを送信することは必須ではない。すなわち、この場合、副制御回路42の無操作コマンド処理では、無操作コマンドに含まれる操作情報のみに基づいて副制御回路42が実行すべきテスト演出用データをセットする構成となるが、かかる構成であっても、遊技機単体で、遊技を行うことなく、各種演出機器の動作を遊技機に備えられた操作装置(スタートレバー、ストップボタン等)で確認できるので、「遊技機の工場出荷前の検査時間を短縮することができる遊技機を提供する」という本願発明の目的を達成することができる。
[出荷テストの流れ]
本実施の形態における出荷テストの流れは、図13に示す第1の実施の形態に係る工場における遊技機の出荷テストの流れをと同様である。
[検査仕様]
次に、図33を参照して、本実施の形態における検査仕様を説明する。
先ず、図33に示される(a)~(f)の各表に設けられた欄を説明する。
「入力」欄には、検査担当者が行うべき操作の内容が記載されている。例えば、「MAXBET」は、MAXベットボタン14を押下することを意味しており、「MAXBET+スタートレバー」は、MAXベットボタン14を押下した状態でスタートレバー16を操作することを意味する。
「検査仕様」欄には、検査担当者が「入力」欄に記載された操作を行った場合に起動されるべきパチスロ1の機能が記載されている。例えば、「検査モードに移行:全てのLED点灯」は、パチスロ1が検査モードに移行するとともに、そのことを検査担当者に通知するために全てのLEDが点灯することを意味しており、また、「[検査モード0]押し順表示右7SEG『__0』」は、7セグ表示器6(図4参照)の押し順表示6c(中央3桁)に「__0」と表示されることを意味する。
次に、図33を参照して、本実施の形態において図13(c)の工程の中で実行される検査の仕様を説明する。以下、図33表(a)~(f)の各々について説明する。
図33表(a)は、通常モードから検査モードへの切替および検査モード0、1の切替についての検査仕様を示している。ここで、検査モード0とは、サブ用の検査、すなわち、副制御回路42によって制御される演出機器の検査をいい、検査モード1とは、メイン用の検査、すなわち、主制御回路41によって制御される周辺機器の検査をいう。
検査担当者は、図13の工程(c)でパチスロ1の電源を起動する(図33表(a)検査項目1)。
次に表(a)検査項目2のとおり、検査担当者は、MAXベットボタン14を押下した状態でスタートレバー16を操作し、これによりパチスロ機1は検査モード0(サブ機能テスト)に入る。このとき、検査担当者は、7セグ表示器6の中央3桁6c(押し順表示)の7セグメントLEDに「__0」と表示されることを確認する。そして、後述する表(b)~(e)にしたがって検査モード0(サブ機能テスト)を実行する。
検査モード0(サブ機能テスト)の実行が完了したら、表(a)検査項目3のとおり、検査担当者は、MAXベットボタン14を押下した状態でスタートレバー16を操作し、これによりパチスロ機1は検査モード1(メイン機能テスト)に入る。このとき、検査担当者は、7セグ表示器6の中央3桁6c(押し順表示)の7セグメントLEDに「__1」と表示されることを確認する。そして、後述する表(f)にしたがって検査モード1(メイン機能テスト)を実行する。
以下、図33表(b)~表(f)を参照して、検査モード0(サブ機能テスト)の仕様を説明する。
図33表(b)は、検査モード0(サブ機能テスト)におけるサブモードの切替の検査仕様を規定している。検査モード0(サブ機能テスト)には、サブモード1(LED)、サブモード2(サウンド)およびサブモード3(ユニット検査)の3種類のサブモードがある。
次いで、検査モード0(サブ機能テスト)に移行したら、検査担当者は、まず、表(b)の検査項目1にしたがって、左ストップボタン17Lを押下した状態でスタートレバー16を操作することにより、サブモード1(LED)に入り、サブ7セグ(第7ランプ群117)の左側2桁の7セグメントLEDが赤色で「01」と点灯することを確認する。
サブモード1(LED)に入ったら、検査担当者は、後述する表(c)の検査仕様にしたがって、サブモード1(LED)の検査を実行する。
次いで、サブモード1(LED)の検査が完了したら、検査担当者は、表(b)の検査項目2にしたがって、左ストップボタン17Lを押下した状態でスタートレバー16を操作することにより、サブモード2(サウンド)に入り、サブ7セグ(第7ランプ群117)の左側2桁の7セグメントLEDが赤色で「02」と点灯することを確認する。
サブモード2(サウンド)に入ったら、検査担当者は、後述する表(d)の検査仕様にしたがって、サブモード2(サウンド)の検査を実行する。
次いで、サブモード2(サウンド)の検査が完了したら、検査担当者は、表(b)の検査項目2にしたがって、左ストップボタン17Lを押下した状態でスタートレバー16を操作することにより、サブモード3(ユニット検査)に入り、サブ7セグ(第7ランプ群117)の左側2桁の7セグメントLEDが赤色で「03」と点灯することを確認する。
サブモード3(ユニット検査)に入ったら、検査担当者は、後述する表(e)の検査仕様にしたがって、サブモード3(ユニット検査)の検査を実行する。
図33表(c)は、サブモード1(LED)における検査仕様を規定している。
なお、サブモード1(LED)の検査においては、サブ7セグ(第7ランプ群117)の右側2桁のLEDに、後述する各回数をあらわす数字が赤色で表示される。このため、検査担当者は、何度も同じ操作を行っても何回目の操作であるかがわかる。
検査担当者は、サブモード1(LED)に入ると、MAXベットボタン14(1回目)を押下して、検査項目1に進み、図22(a)に示す箇所の単色LEDが全点灯することを確認する。
次いで、検査担当者は、再度MAXベットボタン14(2回目)を押下して、図22(a)に示す箇所の単色LEDが順点灯することを確認する。
次いで、検査担当者は、1ベットボタン15(1回目)を押下して、検査項目2に進み、図22(b)に示す箇所の単色LEDが全点灯することを確認する。
次いで、検査担当者は、再度1ベットボタン15(2回目)を押下して、図22(b)に示す箇所の単色LEDが順点灯することを確認する。
次いで、検査担当者は、1ベットボタン15(1回目)を押下して、検査項目2に進み、図22(b)に示す箇所のフルカラーLEDが全て一斉に点灯することを確認する。
次いで、検査担当者は、再度1ベットボタン15(2回目)を押下して、図22(b)に示す箇所のフルカラーLEDが順次点灯することを確認する。
次いで、検査担当者は、精算ボタン22(1回目)を押下して、検査項目3に進み、ドットマトリクス部119のドットが全て一斉に点灯することを確認する。
次いで、検査担当者は、再度精算ボタン22(2回目)を押下して、ドットマトリクス部119のドットが、図26(a)~(d)の順に順次点灯することを確認する。
次いで、検査担当者は、スタートレバー16(1回目)を操作して、検査項目4に進み、サブ7セグ(第7ランプ群117)を構成するすべての7セグLEDが全て一斉に点灯することを確認する。
次いで、検査担当者は、再度スタートレバー16(2回目)を操作して、サブ7セグの7セグLEDの左側2桁に「12」、中央3桁に「345」右側2桁に「67」が全て一斉に点灯することを確認する。
次に、検査担当者は、再度スタートレバー16(3回目)を操作し、図23(a)に示す箇所のLEDが全て一斉に点灯することを確認する。
次に、検査担当者は、再度スタートレバー16(4回目)を操作し、図23(b)に示す箇所のLEDが全て一斉に点灯することを確認する。
次に、検査担当者は、再度スタートレバー16(5回目)を操作し、図23(c)に示す箇所のLEDが全て一斉に点灯することを確認する。
次に、検査担当者は、再度スタートレバー16(6回目)を操作し、図24(d)に示す箇所のLEDが全て一斉に赤色に点灯することを確認する。
次に、検査担当者は、再度スタートレバー16(7回目)を操作し、図24(e)に示す箇所のLEDが全て一斉に緑色に点灯することを確認する。
次に、検査担当者は、再度スタートレバー16(8回目)を操作し、図24(f)に示す箇所のLEDが全て一斉に青色に点灯することを確認する。
次に、検査担当者は、左ストップボタン17L(1回目)を押下し、検査項目5に進み、図25(a)に示す箇所のフルカラーLEDが全て一斉に赤色に点灯することを確認する。
次に、検査担当者は、左ストップボタン17L(2回目)を押下し、図25(a)に示す箇所のフルカラーLEDが順次赤色に点灯することを確認する。
次に、検査担当者は、中ストップボタン17C(1回目)を押下し、検査項目6に進み、図25(b)に示す箇所のフルカラーLEDが全て一斉に緑色に点灯することを確認する。
次に、検査担当者は、中ストップボタン17C(2回目)を押下し、図25(b)に示す箇所のフルカラーLEDが順次緑色に点灯することを確認する。
次に、検査担当者は、右ストップボタン17R(1回目)を押下し、検査項目7に進み、図25(c)に示す箇所のフルカラーLEDが全て一斉に青色に点灯することを確認する。
次に、検査担当者は、右ストップボタン17R(2回目)を押下し、図25(c)に示す箇所のフルカラーLEDが順次青色に点灯することを確認する。
図33表(d)は、サブモード2(サウンド)における検査仕様を規定している。
次に、検査担当者は、左ストップボタン17Lを押下した状態でスタートレバー16を操作することにより、サブモード2(サウンド)に進む。このとき、サブ7セグ(第7ランプ群117)の左側2桁の7セグメントLEDが赤色で「02」と点灯することを確認する。
サブモード2(サウンド)に進んだら、検査担当者は、MAXベットボタン14を押下し、検査項目1に進み、スピーカ20L等からBB(ビッグボーナス)音が再生されることを確認する。
次に、検査担当者は、1ベットボタン15を押下し、検査項目2に進み、スピーカ20L等からRB(レギュラーボーナス)音が再生されることを確認する。
次に、検査担当者は、精算ボタン22を押下し、検査項目3に進み、左上スピーカ21Lから音声が再生されることを確認する。
次に、検査担当者は、スタートレバー16を操作し、検査項目4に進み、左下スピーカ20Lから音声が再生されることを確認する。
次に、検査担当者は、左ストップボタン17Lを押下し、検査項目5に進み、右上スピーカ21Rから音声が再生されることを確認する。
次に、検査担当者は、中ストップボタン17Cを押下し、検査項目6に進み、右下スピーカ20Rから音声が再生されることを確認する。
次に、検査担当者は、右ストップボタン17Rを押下し、検査項目7に進み、エンクロージャーから音声が再生されることを確認する。ただし、エンクロージャーを備えない遊技機の場合は、当該検査項目7は無効である。
次に、検査担当者は、リセットスイッチ37を操作し、検査項目8に進み、スピーカ20L等から再生される音声が消音されることを確認する。
図33表(e)は、サブモード3(ユニット検査)における検査仕様を規定している。
次に、検査担当者は、左ストップボタン17Lを押下した状態でスタートレバー16を操作することにより、サブモード2(ユニット検査)に進む。このとき、サブ7セグ(第7ランプ群117)の左側2桁の7セグメントLEDが赤色で「03」と点灯することを確認する。
サブモード3(ユニット検査)に進んだら、検査担当者は、MAXベットボタン14を押下し、検査項目1に進み、LEDによる照明とスピーカ20L等による音声を含むBB演出が行われることを確認する。
次に、検査担当者は、1ベットボタン15を押下し、検査項目2に進み、LEDによる照明とスピーカ20L等による音声を含むRB演出が行われることを確認する。
次に、検査担当者は、精算ボタン22を押下し、検査項目3に進み、カートリッジ検査(サブROM82のサムチェック)を実行する。 サブROM82のサムチェックが開始されると、サブ7セグの中央(3-5桁目)の7セグ表示が変動する。例えば、「000」、「111」、「222」、・・・「999」が順次繰り返し表示される。サブROM82のサムチェックが終了すると、該サブ7セグの中央(3-5桁目)に、正常であることを示す「Fin」または異常であることを示す「Err」が表示される。
なお、精算ボタン22の1回目の押下時は、サブROM82のサムチェックをバックグラウンドで実行した結果が表示され、また、精算ボタン22を再度押下すると、サブROM82のサムチェックを最初から実行し直す。
また、サブモード3(ユニット検査)の検査項目4~8は、将来の機能拡張のための予備として、留保されている。
次に、検査担当者は、図33表(a)の検査項目3の仕様にしたがって、MAXベットボタン14を押下した状態でスタートレバー16を操作することにより、検査モードを検査モード1(メイン機能テスト)に移行する。このとき、検査担当者は、7セグ表示器6の中央3桁6c(押し順表示)の7セグメントLEDに「__1」と表示されることを確認する。
図33表(f)は、検査モード1(メイン機能テスト)における検査仕様を規定している。
次に、検査担当者は、メダル投入口13にメダルを投入することにより、検査項目1-01に進む。ここで、例えば、3枚のメダルを投入する場合、検査担当者は、各々のメダルを投入する都度、メダル投入音がスピーカ20L等から再生されつつ、7セグ表示器6の左側2桁6aにメダル投入枚数が表示され、かつ、7セグ表示器6の右側2桁6bに払出枚数(第2メダルセンサ36Sにより検知されたメダルの枚数)が表示されることを確認する。
次に、検査担当者は、スタートレバー16を操作し、検査項目1-02に進み、7セグ表示器6の右側2桁6bに表示されている払出枚数のメダルが払い出されることを確認する。
次に、検査担当者は、ドアキー23をドア9に設けられたドアキー挿入口に挿入し、ドアキー23を左方向に回転させてキーリセットを行うことによって、検査項目1-03に進む。ここで、検査担当者は、外部端子板18Sのリレースイッチに接続された外部の機器に信号が送信されることを確認する。例えば、外部端子板18Sのリレースイッチが銅線などによりLED電球と接続された状態で当該検査項目1-03を実行する場合は、検査担当者は、キーリセットによりLED電球が点灯することを確認する。また、このとき、検査担当者は、7セグ表示器6の中央3桁6c(押し順)に「777」が表示されることを確認する。
次に、検査担当者は、設定キーを設定用鍵穴412に挿入することにより、検査項目1-04に進み、そのとき役比モニタ411に「0000」と表示され、かつ、7セグ表示器6の中央3桁6c(押し順)に「000」と表示されることを確認する。なお、この場合における7セグ表示器6の中央3桁6c(押し順)の「000」の表示は、例えば0.5秒ごとに、表(a)検査項目4の検査モード1表示「001」と交互にされる。
次に、検査担当者は、補助収納庫スイッチ38Sを操作することにより、検査項目1-05に進み、そのとき役比モニタ411に「1111」と表示され、かつ、7セグ表示器6の中央3桁6c(押し順)に「111」と表示されることを確認する。なお、この場合における7セグ表示器6の中央3桁6c(押し順)の「111」の表示は、例えば0.5秒ごとに、表(a)検査項目4の検査モード1表示「001」と交互にされる。
より具体的には、例えば、操作担当者は、補助収納庫スイッチ38が満杯になった旨の信号が送信されるように補助収納庫スイッチ38Sの部品同士を接触させるなどして、補助収納庫スイッチ38Sを操作することができる。
次に、検査担当者は、ドア開閉スイッチ9Sを操作することにより、検査項目1-06に進み、そのとき役比モニタ411に「5555」と表示され、かつ7セグ表示器6の中央3桁6c(押し順)に「555」と表示されることを確認する。なお、この場合における7セグ表示器6の中央3桁6c(押し順)の「555」の表示は、例えば0.5秒ごとに、表(a)検査項目4の検査モード1表示「001」と交互にされる。
次に、検査担当者は、リセットスイッチ37を操作することにより、検査項目1-07に進み、そのとき役比モニタ411に「8888」と表示され、かつ、7セグ表示器6の中央3桁6c(押し順)に「888」と表示されることを確認する。なお、この場合における7セグ表示器6の中央3桁6c(押し順)の「888」の表示は、例えば0.5秒ごとに、表(a)検査項目4の検査モード1表示「001」と交互にされる。
次に、検査担当者は、1ベットボタン15(1回目)を押下することにより、検査項目1-08に進み、そのとき7セグ表示器6付近のLEDが全て一斉に点灯することを確認する。ここで、「7セグ表示器6付近のLED」とは、例えば、図4に示す7セグ表示器6の表示例においては、符号6d~6jに示される「INSERT」、「START」、「MEDAL BET」、「1」、「2」、「3」、「REPLAY」の表示領域に係るLEDをいう。
次に、検査担当者は、再度1ベットボタン15(2回目)を押下し、そのとき7セグ表示器6付近のLEDが順次点灯することを確認する。
次に、検査担当者は、左ストップボタン17L(1回目)を押下することにより、検査項目1-09に進み、そのとき7セグ表示器6および役比モニタ411のLEDが全て一斉に点灯することを確認する。
次に、検査担当者は、再度左ストップボタン17L(2回目)を押下し、そのときそのとき7セグ表示器6および役比モニタ411のLEDが例えば、0.5秒おきに交互に点灯することを確認する。
次に、検査担当者は、中ストップボタン17Cを押下することにより、検査項目1-10(リール検査1)に進み、そのときリール3L、3C、3Rが回転を開始し、貼り出し位置で停止することを確認する。ここで、「貼り出し位置で停止すること」とは、図12に示す図柄配置テーブルにおける、各リール3L、3C、3Rの図柄位置0の図柄(例えば、左から順に「リプレイ」「氷」「ベル1」の図柄)が、各表示窓4L,4C,4Rの中段の位置に停止することをいう。
次に、検査担当者は、右ストップボタン17Rを押下することにより、検査項目1-11(リール検査2)に進み、そのときリール3L、3C、3Rが回転を開始し、12秒間回転し、各リールの「赤7」の図柄が各表示窓4L,4C,4Rの中段の位置に揃った状態で停止することを確認する。
次に、検査担当者は、精算ボタン22を押下することにより、検査項目1-12(ホッパ検査)に進み、そのとき7セグ表示器6の左側2桁6a(貯留セグ)には精算ボタン22を押下した回数(例えば「01」)が表示され、右側2桁6b(払出セグ)にはメダル払い出し枚数(例えば「15」)が表示されることを確認する。
<主制御回路の動作説明>
次に、主制御回路41(メインCPU51)の動作を説明する。ここでは、図27~28を参照して説明した第1の実施の形態における主制御回路41の動作と異なる図27のS4における「検査モード処理」の内容のみを説明する。
図33表(a)の検査仕様に示すとおり、検査モードとしては、副制御回路42用の検査モード0と主制御回路41用の検査モード1の2種類の検査モードがある。
メインCPU51は、マイクロコンピュータ50の入力ポートの状態を通じて検査担当者によるパチスロ1の操作内容を判断し、MAXベットボタン14を押下した状態でスタートレバー16が操作された場合には、図33表(a)の検査仕様に従って検査モード(0,1)を設定し、当該設定された検査モードを検査モード送信コマンドとして副制御回路42に送信する。
具体的には、検査モードが0に設定された場合「0001」、検査モードが1に設定された場合「0002」の検査モード送信コマンドを副制御回路42に送信する。
また、図33表(b)の検査仕様に示すとおり、検査モード0(副制御回路42用)における検査には、サブモード1(LED検査)、サブモード2(サウンド検査)およびサブモード3(ユニット検査)の3種類のサブモードがある。
検査モード0(副制御回路42用)においては、メインCPU51は、マイクロコンピュータ50の入力ポートの状態を通じて検査担当者によるパチスロ1の操作内容を判断し、左ストップボタン17Lを押下した状態でスタートレバー16が操作された場合には、図33表(b)に従ってサブモードを切り替え、当該サブモードを切替えた結果をサブモード切替コマンドとして副制御回路42に送信する。
具体的には、サブモードが1に切り替えられた場合「0003」、サブモードが2に切り替えられた場合「0004」、サブモードが3に切り替えられた場合「0005」のサブモード切替コマンドを副制御回路42に送信する。
例えば、検査モード0(副制御回路42用)への移行後に、検査担当者が左ストップボタン17Lを押下した状態でスタートレバー16が操作した場合には、メインCPU51は、サブモード1に切り替え、その旨を通知するサブモード切替コマンドを副制御回路42に送信する。また、サブモード1に滞在中に、検査担当者が左ストップボタン17Lを押下した状態でスタートレバー16が操作した場合には、メインCPU51は、サブモード2に切り替え、その旨を通知するサブモード切替コマンドを副制御回路42に送信する。
また、検査モード1(主制御回路41用)においては、メインCPU51は、マイクロコンピュータ50の入力ポートの状態を通じて検査担当者によるパチスロ1の操作内容を判断し、図33表(f)に従って、検査担当者の操作に対応して、図9に示す7セグ表示器6、役比モニタ411などの主制御回路41に接続された周辺機器を制御する。
例えば、検査モード1(主制御回路41用)において、検査担当者がリセットスイッチ37を操作した場合には(表(f)検査項目1-07)、メインCPU51は、役比モニタ411に「8888」と表示し、かつ、7セグ表示器6の中央3桁6c(押し順)に「888」と表示するように制御する。
<副制御回路の動作説明>
次に、図34~35を参照して、副制御回路42の動作を説明する。ここでは、図29-31を参照して説明した第1の実施の形態における副制御回路42の動作の内容と重複する記載は省略する。
[演出登録タスク]
以下、図34を参照して、サブCPU81により行われる演出登録タスクについて説明する。
まず、サブCPU81は、メッセージキューからメッセージを取り出す(S201)。次いで、サブCPU81は、メッセージキューにメッセージが有るか否かを判別する(S202)。S202において、サブCPU81が、メッセージキューにメッセージが無いと判別したとき(S202がNO判定のとき)、サブCPU81は、後述のS211の処理に移行する。
一方、S202において、サブCPU81が、メッセージキューにメッセージが有ると判別したとき(S202がYES判定のとき)、サブCPU81は、そのコマンドが検査モード送信コマンド(コマンドが「0001」又は「0002」)であるか否かを判定する(S203)。
S203において、サブCPU81が、そのコマンドが検査モード送信コマンドであると判定したとき(S203がYES判定のとき)は、コマンドの検査モードが0か否かを判定する(S204)。
S204において、サブCPU81が、検査モードが0である(コマンドが「0001」である)と判定したとき(S204がYES判定のとき)は、サブCPU81は、検査モードフラグをオンにして(S205)、S201に戻る。
一方、S204において、サブCPU81が、コマンドの検査モードが0ではない(コマンドが「0001」ではない)と判定したとき(S204がNO判定のとき)は、サブCPU81は、検査モードフラグをオフにして(S206)、S201に戻る。
一方、S203において、サブCPU81が、そのコマンドが検査モード送信コマンドではないと判定したときは(S203がNO判定のとき)、サブCPU81は、そのコマンドがサブモード切替コマンド(コマンドが「0003」、「0004」又は「0005」)であるか否かを判定する(S207)。
S207において、サブCPU81が、そのコマンドがサブモード切替コマンドであると判定したとき(S207がYES判定のとき)、サブモードを切り替えて(S208)、S201に戻る。
なお、サブモードには、次の3種類(図33表(b)参照)があり、後述する無操作コマンド受信時処理(図35)において操作情報とサブモードに基づきテスト用演出データをセットする処理(図35のS253)において用いられる。
サブモード1は、図33表(c)に対応し、LED(ランプ)の検査であることを意味している。
サブモード2は、図33表(d)に対応し、サウンドの検査であることを意味している。
サブモード3は、図33表(e)に対応し、ユニット検査であることを意味している。
一方、S207において、サブCPU81が、そのコマンドがサブモード切替コマンドであると判定しなかったとき(S207でNO判定のとき)、サブCPU81は、メッセージから遊技情報を複写する(S209)。この処理では、例えば、パラメータによって特定される、内部当籤役、回転が停止したリールの種別、表示役、遊技状態フラグ等の各種データがサブRAM83に設けられた格納領域(不図示)に複写される。ただし、本実施の形態においては、当該コマンドが無操作コマンドである場合は、パラメータの読み込みは、後述する図35に説明する無操作コマンド受信時処理にて行われる。
次いで、サブCPU81は、演出内容決定処理を行う(S210)。本実施の形態における演出内容決定処理は、図31を参照して説明した第1の実施の形態における副制御回路42の演出処理内容と比較し、図31のS122における「無操作コマンド時の受信時処理」の内容だけが異なるが、それ以外の図31の処理は共通している。したがって、本実施の形態に係る副制御回路42の演出内容決定処理の説明としては、当該「無操作コマンド時の受信時処理」(図31のS122)の内容のみを図35を参照して後述する。
次いで、サブCPU81は、サウンドデータの登録を行う(S211)。次いで、サブCPU81は、ランプデータの登録を行う(S212)。なお、これらの登録処理は、S514の演出内容決定処理において選択された演出データに基づいて、選択された演出データにひも付られた音源データ(Wavファイル名)と再生に係る各種パラメータ(音量、チャンネル等)、ランプパターンデータ(LED演出データ)とパターンに係る各種パラメータ(輝度等)の登録が行われる。S518の後、サブCPU81は、処理をS201に戻し、S201以降の処理を繰り返す。
[無操作コマンド受信時処理]
次に、図35を参照して、サブCPU81により行われる無操作コマンド受信処理について説明する。
なお、本実施の形態におけるサブCPU81による処理には、第1の実施の形態と同様に図31に示す演出内容決定処理が含まれ、ここで説明する「無操作コマンド受信時処理」は、当該図31のS122において実行される処理である。
まず、サブCPU81は、検査モードフラグがオンであるか否かを判定する(S251)。S251において、サブCPU81が、検査モードフラグがオンではないと判定したとき(S251がNO判定のとき)、サブCPU81は、呼び出し元ルーチンに戻る。
一方、S251において、サブCPU81が、検査モードフラグがオンであると判定したとき(S251がYES判定のとき)は、サブCPU81は、無操作コマンドの第1パラメータより操作情報を抽出する(S252)。
なお、検査モードフラグは、図34(演出登録タスク)のS204-S205に示すとおり、図33表(a)で説明した検査モードが0(サブ機能テスト)である場合に主制御回路41から副制御回路42に送信される検査モード送信コマンドの検査モードに基づいてオンにセットされる。検査モードが0である場合、副制御回路42(サブCPU81)は、図33表(b)~(e)に示す検査仕様に基づいて、無操作コマンドの第1パラメータに格納された操作情報(検査担当者による操作内容)に応じた演出制御を実行する。
無操作コマンドの第1パラメータは、ビット0からビット7までの8ビット(1バイト)のデータにより構成される。各々のビットによってあらわされる操作情報は、次のとおりである。
ビット0がオンであることは、MAXベットボタン14が押下されたことを意味する。
ビット1がオンであることは、1ベットボタン15が押下されたことを意味する。
ビット2がオンであることは、精算ボタン22が押下されたことを意味する。
ビット3がオンであることは、スタートレバー16が操作されたことを意味する。
ビット4がオンであることは、左ストップボタン17Lが押下されたことを意味する。
ビット5がオンであることは、中ストップボタン17Cが押下されたことを意味する。
ビット6がオンであることは、左ストップボタン17Lが押下されたことを意味する。
ビット7がオンであることあ、リセットスイッチ37が操作されたことを意味する。
次いで、サブCPU81は、操作情報とサブモードに基づき、テスト演出用データをセットする(S253)。
具体的には、サブCPU81は、図33表(c)(サブモード1:LED)、表(d)(サブモード2:サウンド)および表(e)(サブモード3:ユニット検査)に示す検査仕様に基づき、当該サブモードと抽出した操作情報との組合せに応じてテスト演出用データをセットする(S253)。
例えば、サブモードが1(LED)である場合には、図33表(c)の検査仕様が適用され、このときに、操作情報(無操作コマンドの第1パラメータ)のビット0がオン(MAXベットボタン14押下)である場合、サブCPU81は、図33表(c)の検査項目1の検査仕様に基づいて、図22(a)に示す箇所の単色LEDを点灯するテスト演出用データをセットする(S253)。
なお、サブモードは、図34(演出登録タスク)のS207-S208に示すとおり、図33表(b)で説明したサブモード(1、2、3)に応じて主制御回路41から副制御回路42に送信されるサブモード切替コマンドに基づいてセットされる。
次いで、サブCPU81は、呼び出し元ルーチン(演出内容決定処理)に戻る。
なお、図34-35のフローチャートでは、サブモードがある場合の処理について説明しているが、当該サブモードは必ずしも必須ではなく、副制御回路42(サブCPU81)は、無操作コマンドの第1パラメータに含まれる操作情報のみを用いて演出制御の内容を決定することも可能である。
[本実施の形態の課題]
従来の遊技機では、副制御回路の演出用データのサム値が正常か否か(特許文献1:特開2006-081790)、及び、スピーカの接続が正常か否か(特許文献2:特開2015-062578)を検査することができるが、遊技機の演出に用いる演出機器にはスピーカ以外にも、多数の演出用ランプ、液晶表示装置および可動役物などがあり、例えば、それらの演出機器の中にはレア役に入賞しないと作動しないものもあるため、遊技機の工場出荷前の検査に時間がかかってしまうという問題がある。
本実施の形態は、上記課題を解決するための実施の形態であり、本実施の形態の目的は、遊技機単体で、遊技を行うことなく、各種演出機器の動作を遊技機に備えられた操作装置(スタートレバー、ストップボタン等)で確認できることにより、遊技機の工場出荷前の検査時間を短縮することができる遊技機を提供することである。
[本実施の形態の構成および作用効果]
以上述べたとおり、本実施の形態に係るパチスロ1は、「各種の演出を行うための複数の演出機器と、複数の操作手段と、予め定められた複数の制御コマンドが記憶され、前記操作手段の操作を検出する第1制御手段と、前記第1制御手段から送信される前記制御コマンドに応じて前記演出機器を制御する第2制御手段と、を備え、前記第1制御手段は、前記操作手段の操作を検出する操作検出手段と、前記操作検出手段が検出した検出状態を入力する入力手段と、前記操作検出手段が検出した操作に応じて動作モードを切り替えるモード切替手段と、前記入力手段が入力した検出状態を前記第2制御手段に送信する状態送信手段と、前記モード切替手段により切り替えられた動作モードを前記第2制御手段に送信する動作モード送信手段と、を有し、前記第1制御手段は、前記動作モード切替手段により切り替えられた動作モードが、第1モードの場合に、前記入力手段により入力した検出状態に基づいて、前記第1制御手段に接続された表示装置又は/及び駆動装置の制御を実行し、前記第2制御手段は、前記モード切替手段により切り替えられた動作モードが、第1モード以外のモードの場合に、前記状態送信手段から送信された検出状態に基づいて、前記演出機器の制御を実行することを特徴とする遊技機。」を構成している。
ここで、第1ランプ群111~第8ランプ群118、ドットマトリクス部119、スピーカ20L,20R,21L,21Rなどは、「複数の演出機器」を構成し、MAXベットボタン14、1ベットボタン15、スタートレバー16、ストップボタン17L,17C,17Rなどは、「複数の操作手段」を構成している。また、主制御回路41およびメインCPU51は、「第1制御手段」、「操作検出手段」、「入力手段」、「モード切替手段」、「状態送信手段」を構成し、副制御回路42およびサブCPU81は、「第2の制御手段」を構成している。さらに、7セグ表示器6、役比モニタ411、モータ駆動回路62、外部端子18Sなどは、「第1制御手段に接続された表示装置又は/及び駆動装置」を構成している。そして、検査モード(0,1)は、「動作モード」を構成している。
すなわち、第1制御手段(主制御回路41およびメインCPU51)は、動作モード(検査モード)が、第1モードの場合(検査モード1の場合)に、検出状態(MAXベットボタン14、1ベットボタン15、スタートレバー16、ストップボタン17L,17C,17Rなどの操作内容)に基づいて、第1制御手段に接続された表示装置又は/及び駆動装置(7セグ表示器6、役比モニタ411、モータ駆動回路62、外部端子18Sなど)の制御を実行し、第2制御手段(副制御回路42およびサブCPU81)は、動作モード(検査モード)が、第1モード以外のモードの場合(検査モード0の場合)に、検出状態(MAXベットボタン14、1ベットボタン15、スタートレバー16、ストップボタン17L,17C,17Rなどの操作内容)に基づいて、演出機器(第1ランプ群111~第8ランプ群118、ドットマトリクス部119、スピーカ20L,20R,21L,21Rなど)の制御を実行する。したがって、この構成により、遊技機単体で、遊技を行うことなく、各種演出機器の動作を遊技機に備えられた操作装置(スタートレバー、ストップボタン等)で確認できるので、「遊技機の工場出荷前の検査時間を短縮することができる遊技機を提供する」という本願発明の目的を達成することができる。
また、本実施の形態に係るパチスロ1は、「前記第1制御手段は、前記操作検出手段が検出した操作に応じてサブ動作モードを切り替えるサブモード切替手段と、前記サブモード切替手段により切り替えられたサブ動作モードを前記第2制御手段に送信するサブ動作モード送信手段と、をさらに備え、前記第2制御手段は、前記動作モード切替手段により切り替えられた動作モードが、第1モード以外のモードの場合に、前記サブモード送信手段から送信されたサブ動作モードと前記状態送信手段から送信された検出状態とに基づいて、前記演出機器の制御を実行する」ように構成されてもよい。
ここで、主制御回路41およびメインCPU51などは、「サブモード切替手段」および「サブモード送信手段」を構成している。そして、サブモード(1、2、3)は、「サブ動作モード」を構成している。
この構成により、検出状態に加えてサブモードもメインからサブに送信することにより、検出状態とサブモード(1,2,3)を組み合わせることにより、限られたメインの操作手段(MAXベットボタン、1ベットボタン、精算ボタン、スタートレバー、左・中・右ストップボタン、リセットスイッチ)の数以上の種類の演出装置の検査を実行することができる。
さらに、本発明に係るパチスロ1は、例えば、図33表(e)に示すサブモード3(ユニット検査)の検査項目3(精算ボタン22)において、サブROM82のサムチェックが開始されるとサブ7セグの中央(3-5桁目)に「000」、「111」、「222」、・・・「999」が順次表示されるように、サブCPU81がサム計算処理を実行中である間は、その旨を表示する構成としてもよい。この構成により、検査担当者は、サム計算処理が実行中であることを確認できる。したがって、誤って、サム計算処理の実行中に再度サム計算処理の要求を行うことによる(例えば、図33表(e)に示すサブモード3で精算ボタン22を再度押下するなどして)サム計算タスクの重複起動を防止することができ、結果として出荷テストの効率低下を防止することができる。
(第3の実施の形態)
次に、図36~図37を参照して、本発明の第3の実施の形態に係る遊技機について説明する。
なお、本実施の形態は、本発明の第1および第2の実施の形態の副制御回路42のサブCPU81におけるタスク優先順位についての説明である。したがって、以下においては、第1および第2の実施の形態と同様の構成については同一の符号を付してその説明を省略し、特に第1および第2の実施の形態との相違点についてのみ説明する。
図36は、本実施の形態におけるサブCPU81の処理遷移図を示している。
サブCPU81においては、処理を実行するOS(オペレーションシステム)としては、マルチタスク・オペレーションシステムを採用している。すなわち、あるタスクと、別のタスクとが、サブCPU81の実行権をプリエンプション(横取り)しながら処理を実行している。
かかるマルチタスクOSにあっては、OSが、各タスクに割り当てられた優先順位に応じてサブCPU81の実行権を付与するようになっている。すなわち、サブCPU81における処理は、原則として、優先順位の高いタスクから優先順位の低いタスクの順番で遷移して行く。
より具体的には、OSは、実行可能状態のタスク(待ち状態に移行していないタスク)のうち最も優先順位の高いタスクにサブCPU81の実行権を付与するようになっている。したがって、より優先順位の低いタスクは、より優先順位の高いタスクが存在していないときか、より優先順位の高いタスクが待ち状態(例えば、ハードディスクなどの、メインメモリ以外の外部記憶装置との間の入出力待ちなど)に移行したときにのみサブCPU81の実行権を得ることができる。
このため、優先順位のより低いタスクは、優先順位のより高いタスクが処理を実行する際に発生する残余時間で処理が実行されることになる。例えば、2番目に優先順位が高いタスクは、最も優先順位の高いタスクの残余時間に時間帯に処理が実行される。そして、3番目に優先順位が高いタスクは、最も優先順位の高いタスクの残余時間であって、かつ、2番目に優先順位の高いタスクの残余時間である時間帯に処理が実行される。以下同様である。
図36では、サム計算タスク、すなわちサブROM82のサムチェックを行うタスクの優先順位が他のタスクの優先順位に比べて低く設定されていることを示している。
なお、サム計算タスクは、図14(d)検査項目3及び図33(e)検査項目3のカートリッジ検査で実行されるタスクである。
サブROM82のサムチェックは、図11に示すサブROM82の全領域(82a~82h)またはその一部の領域にわたるサム値を計算し、サム値領域82i、又は、領域82a~82hにセットされているサム値と比較することにより、サブROM82のデータの整合性をチェックするタスクである。よって、サム計算タスクは、他のタスクと比べてサブCPU81における処理時間がより長くなっている。
したがって、仮にサム計算タスク(サブROM82のサムチェックを行うタスク)のタスク優先順位が他のタスク(演出機器を制御するタスク)の優先順位と同一あるいはより高く設定されているとすると、当該他のタスク(演出機器を制御するタスク)は、処理時間が長いサム計算タスクの処理が完了するか待ち状態に移行するまで、サブCPU81の実行権を得ることができない状態が継続し、演出機器を制御する処理を実行することができず、その結果、遊技機の出荷テストの効率が悪化してしまう。
したがって、本実施の形態においては、かかる遊技機の出荷テストの効率が悪化することを防止すべく、サム計算タスクのタスク優先順位が他のタスクの優先順位に比べて低く設定されている。
図37は、本実施の形態におけるタスクの優先順位の設定の一例を示している。
図37に示すとおり、サム計算タスクの優先順位は、演出機器を制御するタスク(例えば、LED制御タスク、役物タスク、サウンドタスク、画像処理タスク)の優先順位より低く設定されている。このため、当該演出機器を制御するタスクは、処理時間がより長いサム計算タスクの終了、または待ち状態への移行を待つことなく、演出機器を制御する処理を進めることが可能となる。
さらに、図37に示すとおり、主基板通信タスクおよび演出登録タスク(以下「コマンド解析手段」という。)は、演出機器を制御するタスク(以下「特定演出機器制御手段」という)の少なくとも一部(例えば、画像制御タスク)より優先順位が高く設定されている。ここで、コマンド解析手段は、すでに主基板通信タスクおよび演出登録タスクについて説明したとおり、主基板制御回路41から送信されてくる検査コマンドを解析して、当該コマンドに応じた演出機器制御手段を起動する機能を有している。
しかしながら、仮に、これとは逆に、コマンド解析手段の優先順位がすべての特定演出制御手段の優先順位より低く設定されているとすると、コマンド解析手段はすべての特定演出機器制御手段のタスクが終了するか待ち状態に移行するまで、処理ができないので、結果として、他の特定演出機器制御手段(例えば、サウンドタスクなど)の起動が遅れ、遊技機の出荷テストの効率が悪化してしまう。
したがって、本実施の形態においては、図37に示すとおり、主基板通信タスクおよび演出登録タスクの優先順位が、少なくとも一部の画像制御タスク(例えば、画像制御タスク)の優先順位より高く設定されているので、主基板通信タスクおよび演出登録タスクは、例えば画像制御タスクが待ち状態に入るまで待つことなく、より早期に演出機器制御手段(例えば、サウンドタスク)を起動できることになり、遊技機の出荷テストの効率が悪化することを防止することができる。
[本実施の形態の課題]
従来の遊技機(特許文献1:特開2006-081790)のような演出用データのチェック方法では、副制御回路のサブCPUにおいてROMに保存されたデータのサム計算が実行されると、当該サム計算に長い時間がかかり、その間他の検査(例えば、LEDランプ、スピーカ等の演出機器の検査)ができないため、遊技機の工場出荷前の検査効率が下がることにより、製造コストが上昇してしまうという問題がある。
本実施の形態は、上記課題を解決するための本実施の形態であり、本実施の形態の目的は、サブCPUがROMのデータのサム計算を実行中であっても他の検査を同時進行することにより、遊技機の工場出荷前の検査効率を向上させ、製造コストの上昇を抑制することができる遊技機を提供することである。
[本実施の形態の構成および作用効果]
以上述べたとおり、本実施の形態に係るパチスロ1は、「各種の演出を行うための複数の演出機器と、複数の操作手段と、予め定められた複数の制御コマンドが記憶され、前記操作手段の操作を検出する第1制御手段と、前記第1制御手段から送信される前記制御コマンドに応じて前記演出機器を制御する第2制御手段と、を備え、前記第1制御手段は、前記操作手段の操作を検出する操作検出手段と、前記操作検出手段が検出した検出状態を入力する入力手段と、前記操作検出手段が検出した操作に応じて動作モードを切り替えるモード切替手段と、前記入力手段が入力した検出状態を前記第2制御手段に送信する状態送信手段と、前記モード切替手段により切り替えられた動作モードを前記第2制御手段に送信する動作モード送信手段と、を有し、前記第2制御手段は、前記モード切替手段により切り替えられた動作モードが、所定のモードの場合に、前記状態送信手段から送信された検出状態に基づいて、前記演出機器の制御を実行する演出機器制御手段と、前記演出機器を制御するために記憶された制御データの整合性を確認する記憶情報確認手段と、を有し、前記記憶情報確認手段は、前記演出機器制御手段が制御処理を実行する際に発生する残余時間で前記制御データの整合性を確認することを特徴とする遊技機」を構成している。
ここで、第1ランプ群111~第8ランプ群118、ドットマトリクス部119、スピーカ20L,20R,21L,21Rなどは、「複数の演出機器」を構成し、MAXベットボタン14、1ベットボタン15、スタートレバー16、ストップボタン17L,17C,17Rなどは、「複数の操作手段」を構成している。また、主制御回路41およびメインCPU51は、「第1制御手段」、「操作検出手段」、「入力手段」、「モード切替手段」、「状態送信手段」、「動作モード送信手段」を構成し、副制御回路42およびサブCPU81は、「第2の制御手段」、「演出機器制御手段」、「記憶情報確認手段」を構成している。
すなわち、記憶情報確認手段(サム計算タスク)は、演出機器制御手段(LED制御タスク、サウンドタスクなど)が制御処理を実行する際に発生する残余時間で、制御データの整合性を確認する(サブROM82のサム計算を行う)。この構成により、サブCPU81がサブROM82のデータのサム計算を実行中であっても他の検査を同時進行することができるので、「遊技機の工場出荷前の検査効率を向上させ、製造コストの上昇を抑制することができる遊技機を提供する」という本願発明の目的を達成することができる。
また、本実施の形態に係るパチスロ1は、「前記演出機器制御手段は、複数の特定演出機器制御手段を含み、前記第2制御手段は、前記状態送信手段から送信される前記検出状態と前記動作モード送信手段から送信される動作モードとを解析した結果に基づいて、いずれかの前記特定演出機器制御手段を実行させるコマンド解析手段をさらに有し、少なくとも一部の前記特定演出機器制御手段は、前記コマンド解析手段が前記特定演出機器制御手段を実行させる際に発生する残余時間で前記演出機器の制御を実行する」ように構成されてもよい。
ここで、副制御回路42およびメインCPU81などは、「特定演出機器制御手段」および「コマンド解析手段」を構成している。
この構成により、コマンド解析手段のタスク優先順位を少なくとも一部の特定演出機器制御手段(例えば、画像制御タスク)より高くすることにより、各特定演出機器制御手段が早期に実行される。例えば、コマンド解析手段は、少なくとも一部の特定演出機器制御手段(例えば、画像制御タスク)の実行終了または待ち状態への移行を待たずに他の特定演出機器制御手段(例えば、サウンドタスク)を実行させることができるので、検査の効率を向上させることができる。
さらに、本発明に係るパチスロ1は、前記記憶情報確認手段による前記制御データの整合性の確認をバックグラウンドで実行するように構成されてもよい。かかる構成によれば、サム計算タスクによるサム計算の実行中であっても、遊技機の操作などのフォアグラウンドの処理がサム計算処理と並行して実行できることが担保される。また、本発明に係るパチスロ1は、検査モードにおける検査担当者による操作の内容を、例えばタイムスタンプ等を付して、メインRAM53の所定の領域に記録し、その記録を外部端子18S経由で情報処理端末(パソコン、スマートフォンなど)に送信する機能を有していてもよい。かかる検査操作の記録・送信機能によれば、自動的に検査記録を生成できるので、検査担当者の検査記録を作成する負担を軽減することができ、検査作業の効率をより一層高めることができる。さらに、かかる検査記録は、検査を実施した証憑として保存するなどの活用も可能である。
以上、第1~第3の実施の形態では、パチスロ1について具体化した例を示したが、パチンコ機、遊技球を用いるパチスロ機であるパロット、あるいは封入した遊技媒体を循環させる封入式遊技機、雀球遊技機などの他種の遊技機に適用してもよい。
[その他の実施形態に係る遊技機の拡張性]
上述第1~第3の実施の形態のパチスロ1では、遊技者のメダルの投入操作(すなわち、手持ちのメダルをメダル投入口13に対して投入する操作、あるいは、クレジットされたメダルをMAXベットスイッチ14を操作して投入する操作)により遊技が開始され、遊技が終了したときにメダルの払い出しがある場合には、ホッパー33が駆動してメダル払出口18からメダルが払い出され、あるいは、クレジットされる形態について説明したが、これに限られるものではない。
例えば、遊技者によって遊技に必要な遊技媒体が投入され、それに基づいて遊技が行われ、その遊技の結果に基づいて特典が付与(例えば、メダルが払い出される)形態全てについて、本発明を適用することができる。すなわち、物理的な遊技者の動作によって遊技媒体が投入され(掛けられ)、遊技媒体が払い出される形態のみならず、主制御回路41自体が、遊技者が保有する遊技媒体を電磁的に管理し、メダルレスで遊技を可能とするものであってもよい。また、遊技者が保有する遊技媒体を電磁的に管理するのは、主制御回路41に装着され(接続され)、遊技媒体を管理する遊技媒体管理装置であってもよい。
この場合、遊技媒体管理装置は、ROMおよびRWM(あるいは、RAM)を有して、遊技機に設けられる装置であって、図示しない外部の遊技媒体取扱装置と所定のインターフェースを介して双方向通信可能に接続されるものであり、遊技媒体の貸出動作(すなわち、遊技者が遊技媒体の投入操作を行う上で、必要な遊技媒体を提供する動作)若しくは遊技媒体の払出に係る役に入賞(当該役が成立)した場合の、遊技媒体の払出動作(すなわち、遊技者に対して遊技媒体の払出を行う上で、必要な遊技媒体を獲得させる動作)、又は遊技の用に供する遊技媒体を電磁的に記録する動作を行い得るものとすればよい。また、遊技媒体管理装置は、これら実際の遊技媒体数の管理のみならず、例えば、その遊技媒体数の管理結果に基づいて、パチスロ1の前面に、保有する遊技媒体数を表示する保有遊技媒体数表示装置(不図示)を設けることとし、この保有遊技媒体数表示装置に表示される遊技媒体数を管理するものであってもよい。すなわち、遊技媒体管理装置は、遊技者が遊技の用に供することができる遊技媒体の総数を電磁的方法により記録し、表示することができるものとすればよい。
また、この場合、遊技媒体管理装置は、遊技者が、記録された遊技媒体数を示す信号を、外部の遊技媒体取扱装置に対して自由に送信させることができる性能を有し、また、遊技者が直接操作する場合のほか、記録された遊技媒体数を減ずることができない性能を有し、また、外部の遊技媒体取扱装置との間に外部接続端子板(不図示)が設けられる場合には、その外部接続端子板を介してでなければ、遊技者が、記録された遊技媒体数を示す信号を送信できない性能を有することが望ましい。
遊技機には、上記の他、遊技者が操作可能な貸出操作手段、返却(精算)操作手段、外部接続端子板が設けられ、遊技媒体取扱装置には紙幣等の有価価値の投入口、記録媒体(例えばICカード)の挿入口、携帯端末から電子マネー等の入金を行うための非接触通信アンテナ等、その他貸出操作手段、返却操作手段等各種操作手段、遊技媒体取扱装置側外部接続端子板が設けられるようにしてもよい(いずれも不図示)。
その際の遊技の流れとしては、例えば、遊技者が遊技媒体取扱装置に対しいずれかの方法で有価価値を入金し、上記いずれかの貸出操作手段の操作に基づいて所定数の有価価値を減算し、遊技媒体取扱装置から遊技媒体管理装置に対し減算した有価価値に対応する遊技媒体を増加させる。そして遊技者は遊技を行い、さらに遊技媒体が必要な場合には上記操作を繰り返し行う。その後遊技の結果所定数の遊技媒体を獲得し、遊技を終了する際にはいずれかの返却操作手段を操作することにより遊技媒体管理装置から遊技媒体取扱装置に対し遊技媒体数を送信し、遊技媒体取扱装置はその遊技媒体数を記録した記録媒体を排出する。遊技媒体管理装置は遊技媒体数を送信したときに自身が記憶する遊技媒体数をクリアする。遊技者は排出された記録媒体を景品交換するために景品カウンター等に持っていくか、又は他の台で記録された遊技媒体に基づいて遊技を行うために遊技台を移動する。
なお、上記例では全遊技媒体を遊技媒体取扱装置に対して送信したが、遊技機又は遊技媒体取扱装置側で遊技者が所望する遊技媒体数のみを送信し、遊技者が所持する遊技媒体を分割して処理することとしてもよい。また、記録媒体を排出するだけに限らず、現金又は現金等価物を排出するようにしてもよいし、携帯端末等に記憶させるようにしてもよい。また、遊技媒体取扱装置は、遊技場の会員記録媒体を挿入可能とし、会員記録媒体に貯留して後日再遊技可能とするようにしてもよい。
また、遊技機又は遊技媒体取扱装置において、図示しない所定の操作手段を操作することにより遊技媒体取扱装置又は遊技媒体管理装置に対し、遊技媒体又は有価価値のデータ通信をロックするロック操作を実行可能としてもよい。その際にはワンタイムパスワード等遊技者にしか知り得ない情報を設定することや遊技機又は遊技媒体取扱装置に設けられた撮像手段により遊技者を記憶するようにしてもよい。
なお、この遊技媒体管理装置は、上述のようにメダルレスでのみ遊技を可能とするものであってもよいし、物理的な遊技者の動作によって遊技媒体が投入され(掛けられ)、遊技媒体が払い出される形態、およびメダルレスで遊技を可能とする形態、双方の形態で遊技を可能とするものであってもよい。この場合には、遊技媒体管理装置が、上述のメダルセンサ35S,36Sやホッパー33を直接的に制御する方式を採用することもできるし、これらが主制御回路41によって制御され、その制御結果が送信されることに基づいて、遊技者が遊技の用に供することができる遊技媒体の総数を電磁的方法により記録し、表示する制御を行い得る制御を可能とする方式を採用することもできる。
また、上記では、遊技媒体管理装置を、パチスロ1に適用する場合について説明しているが、上述した遊技球を用いるスロットマシンや封入式遊技機においても同様に遊技媒体管理装置を設け、遊技者の遊技媒体が管理されるようにすることもできる。
このように、上述した遊技媒体管理装置を設けることにより、遊技媒体が物理的に遊技に供される場合と比べて、遊技機内部のメダルセンサ35S,36Sやホッパー装置51等を減らすことができ、遊技機の原価および製造コストを削減することができるのみならず、遊技者が直接遊技媒体に接触しないようにすることもでき、遊技環境が改善し、騒音も減らすことができるとともに、装置を減らしたことにより遊技機の消費電力を減らすことにもなる。また、遊技媒体や遊技媒体の投入口や払出口を介した不正行為を防止することができる。すなわち、遊技機をとりまく種々の環境を改善することができる遊技機を提供することが可能となる。