JP7074456B2 - ライセンスプレート用グラフィックフィルム、及び該グラフィックフィルムを使用したライセンスプレートの製造方法 - Google Patents

ライセンスプレート用グラフィックフィルム、及び該グラフィックフィルムを使用したライセンスプレートの製造方法 Download PDF

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Description

本開示は、ライセンスプレート用グラフィックフィルム、及び該グラフィックフィルムを使用したライセンスプレートの製造方法に関する。
近年、ライセンスプレート(「ナンバープレート」ともいう。本開示において以下同じ。)に装飾を付与する技術が提案されている。装飾を付与する手段としては、塗装又はグラフィックフィルムを採用する手段などが用いられている。
特許文献1(特開平05-155976号公報)の従来の技術の欄には、自動車のボディーサイドモール等の成形品の装飾方法として、「成形後の基材に粘着剤付きの内外装用フィルムを貼り付ける方法、及び成形後の基材にアクリルポリオール/ヘキサメチレンジイソシアネート系ポリイソシアネートの組み合わせから成る2液型ポリウレタンをバインダーとする塗料及びクリアーをスプレーコートする方法」が記載されている。
特許文献2(特開2016-210286号公報)には、接着層、基材及び印刷画像を有するライセンスプレート用グラフィックフィルムを、ライセンスプレートのベースプレートに貼り合わせた後、文字部となるエンボス部を形成し、係るエンボス部にロールコートで登録番号等の印刷層を適用し、次いでクリアーコートを全面に適用する、ライセンスプレートの作製方法が記載されている。
特開平05-155976号公報 特開2016-210286号公報
従来の塗装による方法は、異物又は塗工斑等に基づく欠陥が生じ易く、クリーン度の高い作業環境及び熟練したコーティング技術が必要であった。したがって、より簡易な装飾手段が望まれていた。
接着層、装飾層、及び登録番号等を適用するポリ塩化ビニル等の柔軟な樹脂よりなる樹脂層等を備えるグラフィックフィルムは、塗装による方法に比べて装飾が簡易である。しかしながら、ポリ塩化ビニル等の柔軟な樹脂は、耐薬品性及び耐ガソリン性が不十分であり、最表層側から下位に位置する装飾層等を劣化させてしまうおそれがあるため、登録番号等の印刷を行った後に、さらに最表面にウレタン等の保護コーティングを行うことが推奨されていた。その一方で、登録番号等の印刷を行った後の保護コーティングの不要な、十分な耐薬品性及び耐ガソリン性を得られるグラフィックフィルムが望まれていた。この場合、登録番号等の印刷層の下地となる樹脂層には、耐薬品性等の溶剤耐性及び印刷適合性の両性能に優れるグラフィックフィルムが望まれていた。
本開示の目的は、上記課題に鑑みて、ライセンスプレート用としての使用に必要な耐薬品性を有し、且つ登録番号等の印刷層との印刷適合性に優れた表面保護層を備える、ライセンスプレート用グラフィックフィルムを提供することである。
本開示の一実施態様によれば、印刷層が適用される表面保護層を含み、係る表面保護層表面にシクロヘキサノンを適用した場合のシクロヘキサノン吸収量が、約0.0017g/cm以上かつ約0.0025g/cm以下であり、150℃、10分での熱処理後の表面保護層表面にシクロヘキサノンを適用した場合のシクロヘキサノン吸収量が、約0.0010g/cm以下となる、ライセンスプレート用グラフィックフィルムが提供される。
本開示の別の実施態様によれば、上記ライセンスプレート用グラフィックフィルム、及びベースプレートを備える、グラフィックフィルム積層プレートが提供される。
本開示のさらに別の実施態様によれば、表面保護層を含むライセンスプレート用グラフィックフィルム前駆体を準備する工程と、係る前駆体の表面保護層表面にシクロヘキサノンを適用した場合のシクロヘキサノン吸収量が、約0.0017g/cm以上かつ約0.0025g/cm以下となるように、表面保護層を硬化させてライセンスプレート用グラフィックフィルムを形成する工程と、を備える、ライセンスプレート用グラフィックフィルムの製造方法が提供される。
本開示のさらに別の実施態様によれば、ベースプレートを提供する工程と、該ベースプレートの上又はその上方に、上記ライセンスプレート用グラフィックフィルムを適用してグラフィックフィルム積層プレートを形成する工程と、グラフィックフィルム積層プレートをエンボス加工又はデボス加工する工程と、エンボス加工又はデボス加工されたグラフィックフィルム積層プレートの凸部又は凹部に印刷層を適用する工程と、ライセンスプレート用グラフィックフィルムの表面保護層表面にシクロヘキサノンを適用した場合のシクロヘキサノン吸収量が、約0.0010g/cm以下となるように、表面保護層を硬化させてライセンスプレートを形成する工程と、を含む、ライセンスプレートの製造方法が提供される。
本開示によれば、表面保護層が中間樹脂硬化物からなり、登録番号等の印刷の適用の際には、良好な印刷インクの吸収特性を示し、優れた印刷適合性を示すとともに、印刷適用後に、追加の熱硬化を行うことで、ライセンスプレート用としての使用に必要な耐薬品性等の耐久性能を付加することが可能な、ライセンスプレート用グラフィックフィルムを提供することができる。
上述の記載は、本発明の全ての実施態様及び本発明に関する全ての利点を開示したものとみなしてはならない。
本開示の一実施態様のライセンスプレート用グラフィックフィルムの断面図である。 本開示の別の実施態様のライセンスプレート用グラフィックフィルムの断面図である。 本開示の別の実施態様のライセンスプレート用グラフィックフィルムの断面図である。 本開示の一実施態様のライセンスプレート用再帰反射性グラフィックフィルムの断面図である。 本開示の別の実施態様のライセンスプレート用再帰反射性グラフィックフィルムの断面図である。 本開示の一実施態様のライセンスプレートの作製手順を断面図で示す。 本開示の一実施態様のライセンスプレートの作製手順を断面図で示す。 本開示の一実施態様のライセンスプレートの作製手順を断面図で示す。 本開示の一実施態様のライセンスプレートの作製手順を断面図で示す。 本開示の一実施態様のライセンスプレートの作製手順を断面図で示す。 本開示の一実施態様の表面保護層で使用される樹脂の硬化部位及び硬化状況を示す図である。 本開示の一実施態様の表面保護層で使用される樹脂のシラノール基のピークに関する赤外線分光法のグラフである。 (a)は、インク垂れに伴う端部白抜け部を呈する印刷層の簡略図であり、(b)は、インク垂れを伴わない印刷層の簡略図である。 (a)は、インク垂れに伴う端部白抜け部を呈する印刷層の写真であり、(b)は、インク垂れを伴わない印刷層の写真である。
第1の実施形態におけるライセンスプレート用グラフィックフィルムは、印刷層が適用される表面保護層を含み、係る表面保護層表面にシクロヘキサノンを適用した場合のシクロヘキサノン吸収量は、約0.0017g/cm以上かつ約0.0025g/cm以下であり、150℃、10分での熱処理後の表面保護層表面にシクロヘキサノンを適用した場合のシクロヘキサノン吸収量は、約0.0010g/cm以下となる。すなわち、本実施形態のグラフィックフィルムは、表面保護層が、シクロヘキサン吸収量が所定量となる硬化状態を備えた中間樹脂硬化物であり、登録番号等のロールインクを行う際は、インクを適度に吸収し、インクのはじきを抑制できるため、印刷適合性に優れているとともに、熱処理を施すことで、ライセンスプレート用としての使用に必要な耐薬品性を得ることができる。
第1の実施形態におけるライセンスプレート用グラフィックフィルムは、表面保護層が、カルボキシル基及びシラノール基を含む樹脂、並びにカルボキシル基を含む樹脂及びシラノール基を含む樹脂の混合物から選択される少なくとも一種と、架橋剤とを含むことができ、未反応のシラノール基を有することができる。係る構成の表面保護層を有するライセンスプレート用グラフィックフィルムは、上記のシクロヘキサノン吸収量を満足させることができる。
第1の実施形態におけるライセンスプレート用グラフィックフィルムの表面保護層における架橋剤は、エポキシ系架橋剤及びカルボジイミド系架橋剤から選択される少なくとも一種であってもよい。係る架橋剤はカルボキシル基との反応性に優れている。
第1の実施形態におけるライセンスプレート用グラフィックフィルムは、表面保護層の下又はその下方に、破断伸び率が約50%以上の支持層をさらに備えることができる。係る支持層を備えるグラフィックフィルムは、耐衝撃性を向上させることができる。
第1の実施形態におけるライセンスプレート用グラフィックフィルムは、ライセンスプレート用のベースプレートに適用して、グラフィックフィルム積層プレートを得ることができる。係る構成の積層プレートは、ライセンスプレートの中間体として使用することができる。
第1の実施形態におけるライセンスプレート用グラフィックフィルムの製造方法は、表面保護層を含むライセンスプレート用グラフィックフィルム前駆体を準備する工程と、係る前駆体の表面保護層表面にシクロヘキサノンを適用した場合のシクロヘキサノン吸収量が、約0.0017g/cm以上かつ約0.0025g/cm以下となるように、表面保護層を硬化させてライセンスプレート用グラフィックフィルムを形成する工程と、を備える。
第1の実施形態におけるライセンスプレート用グラフィックフィルムを用いるライセンスプレートの製造方法は、ベースプレートを提供する工程と、ベースプレートの上又はその上方に、上記のライセンスプレート用グラフィックフィルムを適用してグラフィックフィルム積層プレートを形成する工程と、グラフィックフィルム積層プレートをエンボス加工又はデボス加工する工程と、エンボス加工又はデボス加工されたグラフィックフィルム積層プレートの凸部又は凹部に印刷層を適用する工程と、ライセンスプレート用グラフィックフィルムの表面保護層にシクロヘキサノンを適用した場合のシクロヘキサノン吸収量が、約0.0010g/cm以下となるように、表面保護層を硬化させてライセンスプレートを形成する工程と、を含む。
これらの製造方法は、ライセンスプレート用としての使用に必要な耐薬品性を有し、且つ登録番号等のインク層との印刷適合性に優れたグラフィックフィルム及びライセンスプレートを作製することができる。
以下、本発明の代表的な実施態様を例示する目的で、図面を参照しながらより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施態様に限定されない。図面の参照番号について、異なる図面において類似する番号が付された要素は、類似又は対応する要素であることを示す。
本開示において「フィルム」には「シート」と呼ばれる物品も包含される。
本開示において「(メタ)アクリル」とはアクリル又はメタクリルを意味し、「(メタ)アクリレート」とはアクリレート又はメタクリレートを意味する。
本開示において「中間樹脂硬化物」とは、樹脂を硬化させる条件において、硬化が途中段階であるものをいう。すなわち、さらに高い硬化温度あるいはより長い硬化時間などにより硬化状態をさらに進行させることのできる状態の樹脂をいう。
本開示の一実施態様のライセンスプレート用グラフィックフィルム(以下、単に「グラフィックフィルム」と呼ぶ場合がある。)は、印刷層が適用される表面保護層を含み、係る表面保護層表面にシクロヘキサノンを適用した場合のシクロヘキサノン吸収量は、約0.0017g/cm以上かつ約0.0025g/cm以下であり、150℃、10分での熱処理後の表面保護層表面にシクロヘキサノンを適用した場合のシクロヘキサノン吸収量は、約0.0010g/cm以下となる。
本開示の一実施態様のライセンスプレート用グラフィックフィルムの断面図を図1~3に示す。
《表面保護層》
〈シクロヘキサノン吸収量〉
本開示のライセンスプレート用グラフィックフィルムは、少なくとも登録番号等の文字情報が印刷される印刷層が適用される表面保護層を有する。係る表面保護層表面にシクロヘキサノンを適用した場合のシクロヘキサノン吸収量が、約0.0017g/cm以上かつ約0.0025g/cm以下であり、かつ、150℃、10分での熱処理後の表面保護層表面にシクロヘキサノンを適用した場合のシクロヘキサノン吸収量は約0.0010g/cm以下となるため、150℃以上の熱処理前は、登録番号等の印刷層に使用されるロールコートインク等との印刷適合性に優れ、インク垂れ、即ち、印刷層端部の白抜け等を防止し得る一方で、係る熱処理後には、耐薬品性等の耐久性能を向上させることができる。シクロヘキサノン吸収量が約0.0017g/cm以上かつ約0.0025g/cm以下であるグラフィックフィルムの表面保護層は、印刷適合性に優れるため、印刷層に限らず、加飾層を適用することもできる。上記シクロヘキサノン吸収量は、印刷適合性の観点から、約0.0018g/cm以上であることがより好ましい。係る吸収量が増加すると、ロールコートインク等に対する印刷適合性が向上するが、吸収量が大きくなりすぎると、ロールコート用インクによって表面荒れやシワ発生等の不具合が生ずる場合がある。そこで、吸収量は、例えば、約0.0024g/cm以下、又は約0.0023g/cm以下であることがより好ましい。150℃、10分での熱処理後のグラフィックフィルムの表面保護層表面にシクロヘキサノンを適用した場合のシクロヘキサノン吸収量は、耐薬品性等の観点から、約0.0008g/cm以下、又は約0.0007g/cm以下となることがより好ましい。上記のシクロヘキサノン吸収量を満足する本開示のグラフィックフィルムの表面保護層は、これまでトレードオフの関係にあった溶剤耐性と印刷適合性とを両立させることができる。なお、シクロヘキサノンの吸収は主に表面保護層で生じるが、表面保護層のみで吸収される場合に限らず、表面保護層に隣接する他の層までシクロヘキサノンが浸透し、そこで吸収されてもよい。
<表面保護層の厚さ>
表面保護層の厚さは様々であってよく、次のものに限定されないが、約1μm以上、約2μm以上又は約3μm以上、約100μm以下、約70μm以下又は約50μm以下にすることができる。以下で説明する支持層上に表面保護層を適用する場合には、係る表面保護層の厚さとしては、約1μm以上、約2μm以上又は約3μm以上、約20μm以下、約15μm以下又は約10μm以下にすることができる。
〈表面保護層の材料〉
本開示の表面保護層は、グラフィックフィルムが上記のシクロヘキサノン吸収量を満足できるものであれば、如何なる材料も用いることができ、次のものに限定されないが、例えば、カルボキシル基及びシラノール基を含む樹脂、並びにカルボキシル基を含む樹脂及びシラノール基を含む樹脂の混合物から選択される少なくとも一種と、架橋剤とを含む材料を使用することができる。カルボキシル基とシラノール基の少なくとも二種類の架橋性官能基が含まれることにより、例えば、図7に示されるように、熱処理の温度条件で異なる架橋(硬化)部位が形成され、150℃、10分での熱処理前後で、架橋密度を相違させることができる。係る材料においては、少なくとも、150℃、10分での熱処理前は、未反応のシラノール基が残存しており、未反応のシラノール基の存在は、例えば、図8に示されるような赤外線分光法のグラフから確認することができる。係る表面保護層は、150℃、10分での熱処理前は、架橋密度が低くシクロヘキサノン吸収量が高い、即ち、耐薬品性及び耐ガソリン性等の溶剤耐性には劣るが、エンボス加工等に対する追従性及び印刷層等のインク吸収性に優れ、150℃、10分での熱処理後は、架橋密度が高くシクロヘキサノン吸収量が低い、即ち、インク吸収性には劣るが、耐薬品性等の溶剤耐性及び硬度等に優れるといった性能を呈することができる。なお、本開示においては、架橋と硬化を同義として用いる場合がある。
(カルボキシル基及びシラノール基を含む樹脂)
カルボキシル基及びシラノール基を含む樹脂としては、例えば、中和されたカルボキシル基を有する重合体セグメント(A)と、ポリシロキサンセグメント(B)とが化学結合してなる複合樹脂(AB)のポリシロキサンセグメント(B)と、アルキル基の炭素原子数が1~3のアルキルトリアルコキシシランの縮合物(c)由来のポリシロキサンセグメント(C)とが珪素-酸素結合を介して結合している複合樹脂(ABC)などを使用することができる。より具体的には、例えば、ポリシロキサンセグメント(B)が中和されたカルボキシル基を有する重合体セグメント(A)の側鎖に化学的に結合したグラフト構造を有する複合樹脂;重合体セグメント(A)の末端にポリシロキサンセグメント(B)が化学的に結合したブロック構造を有する複合樹脂のポリシロキサンセグメント(B)と、アルキル基の炭素原子数が1~3のアルキルトリアルコキシシランの縮合物(c)由来のポリシロキサンセグメント(C)とが珪素-酸素結合を介して化学的に結合した構造を有する複合樹脂などが挙げられる。係る複合樹脂は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することができ、任意に、ウレタン等の変性処理等が適用されていてもよい。
複合樹脂(ABC)が有する、重合体セグメント(A)とポリシロキサンセグメント(B)との化学的な結合としては、特に限定はないが、例えば、下記の構造式(S-1)又は構造式(S-2)の結合様式等が挙げられ、中でも、耐候性の観点から、構造式(S-1)の結合様式を有する複合樹脂を使用することが好ましい。但し、構造式(S-1)中の炭素原子は、重合体セグメント(A)の一部分を構成し、珪素原子と酸素原子は、ポリシロキサンセグメント(B)の一部分を構成するものであり、構造式(S-2)中の炭素原子は、重合体セグメント(A)の一部分を構成し、珪素原子は、ポリシロキサンセグメント(B)の一部分を構成するものである。
Figure 0007074456000001
Figure 0007074456000002
複合樹脂(ABC)を構成する、重合体セグメント(A)は、水性媒体中に複合樹脂(ABC)を分散又は溶解させるため、中和されたカルボキシル基を有する重合体セグメントである。中でも、ポリシロキサンセグメント(B)又はその合成原料が有する珪素原子に結合した水酸基若しくは珪素原子に結合した加水分解性基と容易に加水分解縮合して構造式(S-1)の結合様式で化学結合することから、中和されたカルボキシル基と共に、珪素原子に結合した水酸基及び/又は珪素原子に結合した加水分解性基(以下、「珪素原子結合の水酸基及び/又は加水分解性基」と略記する。)を有する重合体(a)に由来の重合体セグメントであることが好ましい。係る重合体(a)の種類としては、例えば、(メタ)アクリル重合体、フルオロオレフィン重合体、ビニルエステル重合体、芳香族ビニル重合体、ポリオレフィン重合体等のビニル系重合体、ポリウレタン重合体、ポリエステル重合体、ポリエーテル重合体などが挙げられる。中でも、ビニル系重合体及びポリウレタン重合体が好ましく、(メタ)アクリル重合体がより好ましい。
カルボキシル基を中和する際に使用する塩基性化合物としては、例えば、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、2-アミノエタノール、2-ジメチルアミノエタノールなどの有機アミン類;アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの無機塩基性化合物;テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラ-n-ブチルアンモニウムハイドロオキサイド、トリメチルベンジルアンモニウムハイドロオキサイドの四級アンモニウムハイドロオキサイドなどを使用することができる。中でも、有機アミン類及びアンモニア(アンモニア水でもよい。)を使用することが好ましい。
重合体(a)中の中和されたカルボキシル基は、複合樹脂(ABC)が水性媒体中に分散又は溶解してなる水性分散体又は水溶液の良好な保存安定性を維持する観点から、複合樹脂(ABC)100質量%に対して、約0.1質量%以上又は約0.2質量%以上、約20質量%以下又は約10質量%以下の割合で存在していることが好ましい。
重合体(a)中の珪素原子に結合した加水分解性基としては、加水分解されることによって珪素原子に結合した水酸基(シラノール基)を生成することが可能な官能基であればよく、例えば、珪素原子に結合したハロゲン原子、珪素原子に結合したアルコキシ基、珪素原子に結合したアシロキシ基、珪素原子に結合したフェノキシ基、珪素原子に結合したメルカプト基、珪素原子に結合したアミノ基、珪素原子に結合したアミド基、珪素原子に結合したアミノオキシ基、珪素原子に結合したイミノオキシ基、珪素原子に結合したアルケニルオキシ基等が挙げられる。中でも、加水分解反応を容易に進行でき、反応後の副生成物を容易に除去できることから、珪素原子に結合したアルコキシ基が好ましい。
重合体セグメント(A)は、本発明の効果を阻害しない範囲で、中和されたカルボキシル基、珪素原子結合の水酸基及び/又は加水分解性基以外のその他の官能基を有していてもよい。係るその他の官能基としては、例えば、中和されていないカルボキシル基、ブロックされたカルボキシル基、カルボン酸無水基、水酸基、ブロックされた水酸基、シクロカーボネート基、エポキシ基、カルボニル基、1級アミド基、2級アミド基、カーバメート基、ポリエチレングリコール基、ポリプロピレングリコール基、及び、下記の構造式(S-3)で示される基等が挙げられる。
Figure 0007074456000003
複合樹脂(ABC)を構成する、ポリシロキサンセグメント(B)としては、例えば、珪素原子結合の水酸基及び/又は加水分解性基を有するポリシロキサンに由来のセグメントが挙げられる。珪素原子に結合した加水分解性基としては、重合体セグメント(A)において記載した珪素原子に結合した加水分解性基と同様のものが挙げられる。
中でも、ポリシロキサンセグメント(B)としては、下記の一般式(S-4)又は(S-5)で示される構造を有するものが好ましい。下記の一般式(S-4)、(S-5)で示される構造を有するポリシロキサンセグメントは、三次元網目状のポリシロキサン構造を有することから、十分に硬化させた塗膜は、耐溶剤性、耐候性などの性能に優れる。
Figure 0007074456000004
Figure 0007074456000005
ここで、一般式(S-4)及び(S-5)におけるR1は、珪素原子に結合した炭素原子数が4~12の有機基、R2及びR3は、それぞれ独立して珪素原子に結合したメチル基又は珪素原子に結合したエチル基である。中でも、R1としては、珪素原子に結合した炭素原子数が4~12の炭化水素基であることが好ましく、フェニル基又は炭素原子数4のアルキル基であることがより好ましい。R2及びR3は、いずれも珪素原子に結合したメチル基又は珪素原子に結合したエチル基であることが好ましく、いずれも珪素原子に結合したメチル基であることがより好ましい。
一般式(S-4)又は(S-5)で示される構造を有するポリシロキサンセグメントとしては、例えば、オルガノアルコキシシラン、好ましくは珪素原子に結合した炭素原子数が4~12の有機基(以下、「珪素原子結合の炭素原子数4~12の有機基」と略記する。)を有するモノオルガノトリアルコキシシラン、及び/又は、珪素原子に結合したメチル基及び/又は珪素原子に結合したエチル基(以下、「珪素原子結合のメチル基及び/又はエチル基」と略記する。)の2個を有するジオルガノジアルコキシシランを、加水分解縮合させて得られるポリシロキサンに由来のセグメントが挙げられる。これらポリシロキサンセグメントは、珪素原子結合の炭素原子数4~12の有機基と珪素原子結合の水酸基及び/又は加水分解性基、及び/又は、珪素原子結合のメチル基及び/又はエチル基の2個と珪素原子結合の水酸基及び/又は加水分解性基を有するものであり、線状、分岐状、環状のうちの、いずれの構造を有するものでもよい。
珪素原子結合の炭素原子数4~12の有機基としては、例えば、いずれも珪素原子に結合した炭素原子数が4~12の、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基等が挙げられ、これらの有機基は置換基を有するものであってもよい。
係る珪素原子結合の炭素原子数4~12の有機基としては、珪素原子に結合した炭化水素基が好ましく、例えば、いずれも珪素原子に結合した、n-ブチル基、iso-ブチル基、n-ヘキシル基、n-オクチル基、n-ドデシル基、シクロヘキシルメチル基等のアルキル基;シクロヘキシル基、4-メチルシクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、4-メチルフェニル基等のアリール基;ベンジル基等のアラルキル基などが挙げられる。中でも、珪素原子に結合したフェニル基又は珪素原子に結合した炭素原子数4のアルキル基がより好ましい。
複合樹脂(ABC)を構成する、ポリシロキサンセグメント(C)は、アルキル基の炭素原子数が1~3のアルキルトリアルコキシシランの縮合物(c)に由来のセグメントであり、ここで用いるアルキル基の炭素原子数が1~3のアルキルトリアルコキシシランの縮合物(c)は、珪素原子に結合した水酸基及び/又は珪素原子に結合したアルコキシ基を有している。
アルキルトリアルコキシシランの縮合物(c)としては、下記の一般式(S-6)で示される構造を有することが好ましい。ここで、一般式(S-6)中のR4は炭素原子数が1~3個のアルキル基である。一般式(S-6)で示される構造を有するアルキルトリアルコキシシランの縮合物に由来のポリシロキサンセグメントは、三次元網目状のポリシロキサン構造を有することから、十分に硬化させた塗膜は、耐溶剤性、耐候性などの性能に優れる。
Figure 0007074456000006
中でも、複合樹脂(ABC)としては、耐候性に優れる塗膜が得られることから、複合樹脂(ABC)中のポリシロキサンセグメント(B)とアルキルトリアルコキシシランの縮合物(c)に由来するポリシロキサンセグメント(C)との合計量(B+C)が、約15質量部以上又は約20質量部以上、約85質量部以下又は約50質量部以下であるものがより好ましい。
中でも、複合樹脂(ABC)としては、耐候性、耐クラック性に優れる塗膜が得られることから、複合樹脂(ABC)中のアルキルトリアルコキシシランの縮合物(c)由来のポリシロキサンセグメント(C)の量が、約5質量部以上又は約10質量部以上、約50質量部以下又は約30質量部以下であるものがより好ましい。
複合樹脂(ABC)は、各種の方法で製造できるが、なかでも下記(I)、及び(II-1)又は(II-2)からなる工程で製造することが好ましい。
工程(I)としては、カルボキシル基と珪素原子結合の水酸基及び/又は加水分解性基とが併存する重合体(a’)と、オルガノアルコキシシラン(b)及び/又はその加水分解縮合物(b-1)とを加水分解縮合させて、重合体(a’)由来の重合体セグメント(A’)とオルガノアルコキシシラン(b)由来のポリシロキサンセグメント(B)とが化学結合してなる複合樹脂(A’B)を得る工程を採用することができる。
工程(II-1)としては、工程(I)で、得られた複合樹脂(A’B)とアルキル基の炭素原子数が1~3のアルキルトリアルコキシシランの縮合物(c)を加水分解縮合させて、複合樹脂(A’B)のポリシロキサンセグメント(B)と、アルキル基の炭素原子数が1~3のアルキルトリアルコキシシランの縮合物(c)由来のポリシロキサンセグメント(C)とが珪素-酸素結合を介して結合している複合樹脂(A’BC)とした後、この複合樹脂(A’BC)中のカルボキシル基を塩基性化合物で中和して複合樹脂(ABC)を得る工程を採用することができる。
工程(II-2)としては、工程(I)で得られた複合樹脂(A’B)中のカルボキシル基を塩基性化合物で中和して複合樹脂(AB)とした後、アルキル基の炭素原子数が1~3のアルキルトリアルコキシシランの縮合物(c)を加水分解縮合させて、複合樹脂(AB)のポリシロキサンセグメント(B)と、アルキル基の炭素原子数が1~3のアルキルトリアルコキシシランの縮合物(c)由来のポリシロキサンセグメント(C)とが珪素-酸素結合を介して結合している複合樹脂(ABC)を得る工程を採用することができる。
(カルボキシル基を含む樹脂及びシラノール基を含む樹脂の混合物)
本開示の表面保護層は、上記の複合樹脂に限らず、カルボキシル基を含む樹脂と、シラノール基を含む樹脂との混合物などを使用することもできる。これらの樹脂の配合量については、相溶性、又は使用用途等に応じた所望の、印刷適合性、耐候性、耐薬品性等の性能が得られるように適宜調整することができる。
カルボキシル基を有する樹脂及びシラノール基を含む樹脂としては、その樹脂種に特に限定はなく、具体的には、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、ポリエステル系樹脂、アルキッド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等を挙げることができ、これらはそれぞれ単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。これらの樹脂は、例えばウレタン変性アクリル樹脂のように変性されていてもよく、或いはグラフト重合されたものであってもよい。
(架橋剤)
本開示の表面保護層の形成においては、架橋剤を使用することができ、特に、カルボキシル基及びシラノール基を含む樹脂、並びにカルボキシル基を含む樹脂及びシラノール基を含む樹脂の混合物から選択される少なくとも一種を用いる場合には、架橋剤を併用することが好ましい。架橋剤の種類及び配合量としては、相溶性、又は使用環境等に応じた所望の、印刷適合性、耐候性、耐薬品性等の性能が得られるように適宜選択及び調整することができる。
シラノール基は、図7に示されるように、隣接するシラノール基同士が、所定の温度で加水分解して架橋することができる。したがって、カルボキシル基及びシラノール基を含む構成においては、架橋剤として、所定のシクロヘキサノン吸収量を得る観点から、シラノール基とは反応しないが、カルボキシル基と反応する官能基を有する化合物を使用することが好ましく、例えば、エポキシ基、シクロカーボネート基、アミド基、水酸基、オキサゾリン基、カルボジイミド基、ヒドラジノ基等の官能基を有する化合物などが挙げられる。中でも、エポキシ基又はカルボジイミド基を有するエポキシ系架橋剤又はカルボジイミド系架橋剤が好ましい。ここで、例えば、シランカップリング剤と呼ばれる剤であっても、これらの官能基を有するシランカップリング剤であれば、本開示の架橋剤として機能させることもできる。
(他の任意成分)
本開示の表面保護層の形成においては、任意成分として、顔料、染料、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、分散剤、可塑剤、フロー向上剤、界面活性剤、レベリング剤、シランカップリング剤、触媒、溶剤などの従来使用されている材料を使用することができる。
《任意の層》
本開示のグラフィックフィルムは、表面保護層の下又その下方に、支持層、加飾インク受容層、加飾層、接着層、接合層、再帰性反射層、及び剥離ライナーからなる群から選択される少なくとも一種をさらに備えることができる。
<支持層>
本開示のグラフィックフィルムは、表面保護層の下又その下方に、支持層を適用することができる。特に、破断伸び率が約50%以上、約55%以上又は約60%以上の支持層は、グラフィックフィルムの耐衝撃性を向上させることができる。
(支持層の厚さ)
支持層の厚さは様々であってよいが、耐衝撃性の観点から、約10μm以上又は約15μm以上、約50μm以下、約40μm以下又は約30μm以下とすることができる。
(樹脂材料)
支持層は、表面保護層を支持し得る材であれば如何なるものでもよく、次のものに限定されないが、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、ポリエステル系樹脂、アルキッド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等を挙げることができ、これらはそれぞれ単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。中でも、耐衝撃性の観点から、ポリウレタン系樹脂が好ましい。支持層はこれらの材料よりなる単一の層又は積層構成の層であってもよい。
(任意成分)
本開示の支持層は、任意成分として、架橋剤(例えば、カルボジイミド系架橋剤)、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、分散剤、可塑剤、フロー向上剤、界面活性剤、レベリング剤、シランカップリング剤(例えば、3-グリシドキキシプロピルトリメトキシシラン)などの従来使用されている添加剤を含んでもよい。
<加飾インク受容層>
本開示のグラフィックフィルムは、図2及び図3に示されるように、表面保護層の下又その下方に、加飾インク受容層を適用することができる。係る受容層は、以下で説明する加飾層のインクを受容する層であり、加飾層は、受容層の片面又は両面に適用することができる。上述した支持層と同様に、受容層の破断伸び率を約50%以上、約55%以上又は約60%以上とすることで、耐衝撃性を向上させることができる。
(加飾インク受容層の厚さ)
加飾インク受容層の厚さは様々であってよいが、インクの受容性及びプレス加工時の追従性等の観点から、約5μm以上、又は約10μm以上、約100μm以下、約60μm以下、又は約50μm以下とすることができる。
(樹脂材料)
加飾インク受容層は、加飾層のインクを受容する材であれば如何なるものでもよく、次のものに限定されないが、例えば、(メタ)アクリル系ポリマーを使用することができる。(メタ)アクリル系ポリマーを構成するモノエチレン性不飽和モノマーは、一般には式CH2=CRiCOORii(式中、Riは水素又はメチル基であり、Riiは直鎖又は分岐状のアルキル基やフェニル基、アルコキシアルキル基、フェノキシアルキル基である)で表されるものの他、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニルモノマー、酢酸ビニル等のビニルエステル類も含まれる。このようなモノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等のフェノキシアルキル(メタ)アクリレート、メトキシプロピル(メタ)アクリレートや2-メトキシブチル(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキル(メタ)アクリレートなどがあり、所望の、伸び特性、インク受容性等を得るために、その目的に応じて1種又は2種以上を使用することができる。
(メタ)アクリル系ポリマーは、カルボキシル基を含有する(メタ)アクリル系ポリマーであってもよく、任意に窒素原子含有(メタ)アクリル系ポリマーを含んでもよい。カルボキシル基を含有する(メタ)アクリル系ポリマーは、上記のモノエチレン性不飽和モノマーとカルボキシル基を含有する不飽和モノマーとを共重合することにより得られる。窒素原子含有(メタ)アクリル系ポリマーは、モノエチレン性不飽和モノマーと窒素原子を含有する不飽和モノマーとを共重合することにより得られる。
この共重合は、ラジカル重合により行なうことができる。この場合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合、塊状重合等の公知の重合方法を用いることができる。開始剤としては、過酸化ベンゾイル、ラウロイルパーオキサイド、ビス(4-ターシャリーブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネートのような有機過酸化物、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、2,2’-アゾビス-2-メチルブチロニトリル、4,4’-アゾビスー4-シアノバレリアン酸、2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオン酸)ジメチル、アゾビス2,4-ジメチルバレロ二トリル(AVN)等のアゾ系重合開始剤などが用いられる。この開始剤は、モノマー混合物100質量部あたり、約0.01質量部以上、約5質量部以下で使用することができる。
カルボキシル基を含有した不飽和モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ω-カルボキシポリカプロラクトンモノアクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、β-カルボキシエチルアクリレート、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸等が挙げられる。
カルボキシル基含有(メタ)アクリル系ポリマーは、モノエチレン性不飽和モノマーを主成分として、具体的には約60質量部以上、又は約80質量部以上、約99.5質量部以下、又は約97質量部以下の範囲で、及びカルボキシル基を含有した不飽和モノマーを約0.5質量部以上、又は約3質量部以上、約40質量部以下、又は約20質量部以下の範囲で共重合して得ることができる。
窒素原子を含有する不飽和モノマーとしては、N,N-ジメチルアミノエチルアクリレート(DMAEA)、N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAEMA)などのジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノプロピルアクリルアミド(DMAPAA)、N,N-ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドなどのジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、ビニルイミダゾールなどの含窒素複素環を有するビニルモノマーに代表される窒素原子を有するモノマーなどが挙げられる。
窒素原子含有(メタ)アクリル系ポリマーは、モノエチレン性不飽和モノマーを主成分として、具体的には約60質量部以上、又は約70質量部以上、約99.5質量部以下、又は約97質量部以下の範囲で、及び窒素原子を含有する不飽和モノマーを約0.5質量部以上、又は約3質量部以上、約40質量部以下、又は約30質量部以下の範囲で共重合して得ることができる。
(架橋剤)
加飾インク受容層は、架橋剤を含むことができ、係る受容層は、架橋させることにより網目構造が形成され、耐薬品性等の性能が向上する。架橋剤としては、具体的には、ビスアミド系架橋剤(例えば、3M製RD1054)、アジリジン系架橋剤(例えば、日本触媒製ケミタイト(登録商標)PZ33、アビシア製NeoCryl(登録商標)CX-100)、カルボジイミド系架橋剤(例えば、日清紡製カルボジライトV-03,V-05,V-07)、エポキシ系架橋剤(例えば、綜研化学製E-AX,E-5XM,E5C)、イソシアネート系架橋剤(例えば、旭化成ケミカルズ製Duranate(登録商標)TPA-100)等を用いることができる。架橋剤は、所望の性能が得られる範囲で適宜配合することができるが、例えば、(メタ)アクリル系ポリマー100質量部に対して約0.01質量部以上、約5質量部以下の範囲で使用することができる。
(他の任意成分)
本開示の加飾インク受容層は、インクの受容性を阻害しない範囲で、任意成分として、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、分散剤、可塑剤、フロー向上剤、界面活性剤、レベリング剤、シランカップリング剤などの従来使用されている添加剤を含んでもよい。
<加飾層>
加飾層は、グラフィックフィルムに装飾性又は意匠性を付与するために使用することができる。グラフィックフィルムがライセンスプレートに用いられた場合、ライセンスプレートの文字以外の背景部分に絵柄、パターン等が形成される場合がある。加飾層の例として、特殊な色合い、金属色などを呈するカラー層、木目、石目などの模様や、ロゴ、絵柄などを構造体に付与するパターン層などが含まれる。カラー層又はパターン層の材料としては、例えば、無機顔料、有機顔料、光輝材などの顔料がバインダー樹脂に分散されたものを使用することができる。ある実施形態では、加飾層は、インクジェットプリンタ、スクリーン印刷、オフセット印刷等で形成することができる。
(加飾層の厚さ)
加飾層の厚さは様々であってよく、一般に、溶剤系インクを用いた場合は、約1μm以上、又は約2μm以上、約8μm以下、又は約5μm以下とすることができる。UV硬化型インクを用いた場合は、約1μm以上、又は約5μm以上、約50μm以下、又は約30μm以下とすることができる。
(顔料)
加飾層において使用される顔料は、1種で又は2種以上混合して使用することができる。顔料の使用量は、インク組成物100質量部に対して、一般に約1質量部以上、又は約2質量部以上、約30質量部以下、又は約25質量部以下とすることができる。
a.有機顔料
顔料として従来知られている有機顔料を使用することができる。有機顔料の具体例として、C.I.Pigment White 6、C.I.Pigment Black 7、C.I.Pigment Red 122、同202、同254、同255、C.I.Pigment Orange 43、C.I.Pigment Violet 19、同23、C.I.Pigment Blue 15、同15:1、同15:2、同15:3、同15:4、C.I.Pigment Brown 23、同25、C.I.Pigment Yellow 74、同109、同110、同128、C.I.Pigment Green 7、同36などの有機顔料が挙げられる。
b.無機顔料
顔料として従来知られている無機顔料を使用することもできる。無機顔料の具体例として、ファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック、アセチレンブラックなどのカーボンブラック、黒色酸化鉄、黄色酸化鉄、赤色酸化鉄、群青、紺青、コバルトブルー、チタンイエロー、ターコイズ、モリブデートオレンジ、酸化チタンなどの無機顔料が挙げられる。
c.スラリー
インク組成物中での顔料の分散性を向上させるため、上記顔料を樹脂に担持させたスラリーを使用してもよい。そのようなスラリーとして、顔料を塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂に担時させた、Microlith(商標)Yellow 2040K、同Red3630K、同Magenta 4535K、同Blue 7080K、同Green 8750K、同Black 0066K、同White 0022K(BASF)などが挙げられる。
(バインダー樹脂)
前述の顔料と一緒に使用する好適なバインダー樹脂としては、塩化ビニル単位及び酢酸ビニル単位を含む塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体の少なくともいずれかを含むが、それらに限定されない。塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体は他の重合単位、例えばビニルアルコール単位、マレイン酸単位、ヒドロキシアルキルアクリル酸エステル単位などを含んでもよい。そのようなバインダー樹脂の具体例として、SOLBIN(登録商標)C、SOLBIN(登録商標)CL、SOLBIN(登録商標)CNL(塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂、日信化学工業株式会社)、SOLBIN(登録商標)A、SOLBIN(登録商標)AL(塩化ビニル-酢酸ビニル-ビニルアルコール共重合樹脂、日信化学工業株式会社)、UCAR(登録商標)Solution Vinyl Resin VYHH(塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂、ダウ・ケミカル日本株式会社)、UCAR(登録商標)Solution Vinyl Resin VAGH(塩化ビニル-酢酸ビニル-ビニルアルコール共重合樹脂、ダウ・ケミカル日本株式会社)、UCAR(登録商標)Solution Vinyl Resin VMCH(塩化ビニル-酢酸ビニル-マレイン酸共重合樹脂、ダウ・ケミカル日本株式会社)、UCAR(登録商標)Solution Vinyl Resin VMCC(塩化ビニル-酢酸ビニル-マレイン酸共重合樹脂、ダウ-ケミカル日本株式会社)、UCAR(登録商標)Solution Vinyl Resin VMCA(塩化ビニル-酢酸ビニル-マレイン酸共重合樹脂、ダウ-ケミカル日本株式会社)、UCAR(登録商標)Solution Vinyl Resin VROH(塩化ビニル-酢酸ビニル-ヒドロキシアルキルアクリル酸エステル共重合樹脂、ダウ-ケミカル日本株式会社)、VINNOL(登録商標)E15/45(塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂、Wacker Chemie AG)などが挙げられる。
バインダー樹脂は、1種で又は2種以上混合して使用することができる。バインダー樹脂の使用量は、インク組成物100質量部に対して、一般に約5質量部以上、又は約10質量部以上、約50質量部以下、又は約20質量部以下とすることができる。
(任意成分)
a.溶剤
加飾層を形成するためのインク組成物は、作業性、塗工性などを改善するために、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトンなどのケトン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル、テトラヒドロフラン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエーテルなどの有機溶剤をさらに含んでもよいが、それらに限定されない。有機溶剤の使用量は、一般に、インク組成物100質量部に対して約1質量部以上、又は約5質量部以上、約90質量部以下又は約80質量部以下とすることができる。
b.他の任意成分
インク組成物は、その他の任意成分として、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、分散剤、可塑剤、フロー向上剤、レベリング剤などの従来使用されている添加剤を含んでもよい。
<接着層>
接着層に使用することができる接着剤として、次のものに限定されないが、例えば、(メタ)アクリル系感圧接着剤、天然ゴム、合成ゴム、ポリエステル、ポリエーテル、シリコーン又は他のポリマーをベースとし、必要に応じて粘着付与剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤などの添加剤を含む、他の感圧接着剤を使用することができる。本開示において「感圧接着剤」とは、室温で恒久的に粘着性であり、軽い圧力で様々な表面に接着し、相変化(液体から固体へ)を呈さない接着剤を指す。接着剤は架橋剤によって熱架橋又は放射線(例えば電子線又は紫外線)で架橋されたものでもよい。
(接着層の厚さ)
接着層の厚さは様々であってよく、一般に、約5μm以上、又は約10μm以上、約150μm以下、又は約50μm以下とすることができる。
(任意の成分又は部材)
a.白色顔料
接着層に白色顔料を配合することができる。白色顔料として、特に酸化チタンは、グラフィックフィルムが適用されるベースプレート(下地)の色を隠蔽する能力に優れる。酸化チタンとして、ルチル型とアナターゼ型のいずれも使用可能であり、市販品の例として、タイペーク(登録商標)R-820、同R-830、同R-930、同A-100、同A-220(石原産業株式会社)、タイピュア(登録商標)R-105、同R-960(デュポン株式会社)などが挙げられる。
b.基材
接着層を基材に積層した積層体の基材側を、加飾インク受容層に直接又は以下で説明する接合層を介して適用してもよい。この場合には、接着層及び/又は基材に、上記白色顔料を配合することができる。
基材の材料として、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポチエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、(メタ)アクリル系ポリマー、又はポリアミド等を挙げることができ、これらはそれぞれ単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。基材はこれらの材料よりなる単一の層又は積層構成の層であってもよい。基材としては、加飾インクを受容する性能を有していてもよく、以下で説明する再帰性反射層を使用することもできる。
基材の厚さは様々であってよいが、取り扱い性及びプレス加工時の追従性の観点から、約5μm以上又は約10μm以上、約500μm以下又は約300μm以下とすることができる。
<接合層>
接合層は、グラフィックフィルムの各層を接合させるための層であり、必要に応じて各層間に配置してもよい。接合層は、従来知られている接着剤から形成することができ、被接合物の材質に応じて適宜選択される。接合層の接着剤(以下、「接合剤」という場合がある。)として、例えば、(メタ)アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂などをベースとするものを使用することができ、上記接着層と同一の材料を使用することもできる。接合層の下位に、加飾層、再帰性反射層等を含む場合には、視認性に影響を与えないように、可視光に対して透明であることが好ましい。
(接合層の厚さ)
接合層の厚みは特に限定されるものではないが、一般に、約5μm以上、又は約10μm以上、約150μm以下、又は約50μm以下とすることができる。
<第1の実施形態の再帰反射性グラフィックフィルム>
図4において例示される、第1の実施形態の再帰反射性グラフィックフィルム300は、概して平坦な主表面316と主表面の反対側に構造化表面314を有する再帰性反射層310を有する。構造化表面314は、複数のキューブコーナー素子312を有している。接着層330は再帰性反射層310に隣接して配置されている。接着層330は、接着剤332、及び1つ以上のバリア層334を含み、さらに以下で説明するシリコーン樹脂などで剥離処理されたPETフィルム、ポリエチレンフィルム、ラミネート紙などの剥離ライナー336を有してもよい。
(再帰性反射層)
再帰性反射層310は、入射した光を発光源に戻す方向に反射するように構成された、任意の好適なキューブコーナー素子312を含むことができる。キューブコーナー素子312は、再帰反射する機能を発揮するものであれば、任意の好適な構造を有していてよい。例えば、キューブコーナー素子は、完全な立方体(フルキューブ又はジオメトリーキューブと呼ばれる場合もある。)、切頭立方体、キューブコーナー型の三角錐、キューブコーナー型の空洞などであってよい。例えば、キューブコーナー素子は、相互に略直交する3つの側面を有する三面構造を含む。使用する際、再帰反射性グラフィックフィルム300は、通常、想定される観察者及び光源にその表示面を向けて配置される。表示面に入射する光は、再帰反射性グラフィックフィルム300に入射し、実質的に光源に向かう方向で表示面から出射するように、キューブコーナー素子312の3つの側面それぞれによって反射される。いくつかの実施態様では、キューブコーナー素子312は、より広範囲の入射光線角度で再帰反射特性が向上するように互いに対して傾斜している。キューブコーナーに基づく再帰性反射シートの例示的な実施態様は、米国特許第5,138,488号(Szczech)、同第5,387,458号(Pavelka)、同第5,450,235号(Smith)、同第5,605,761号(Burns)、同第5,614,286号(Bacon)、同第5,691,846号(Benson,Jr.)、及び同第7,422,334号(Smith)に開示されている。
a.再帰性反射層の材料
再帰性反射層310に好適に使用される樹脂として、例えば、ポリカーボネート、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチレンテレフタレート、脂肪族ポリウレタン、及びエチレンコポリマー、並びにそれらのアイオノマー、上述した加飾インク受容層に使用される材料などが挙げられる。再帰性反射層310に含まれるキューブコーナー素子312は、例えば米国特許第5,691,846号(Benson,Jr.)に記述されるように、樹脂フィルム上に直接鋳造することによって形成することができる。再帰性反射層を放射線硬化により形成する場合、好適な樹脂として、例えば多官能(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル化ウレタンなどを含む放射線硬化性組成物の硬化物が挙げられる。上記樹脂は、例えば、熱安定性、環境安定性、透明性、工具又は成形型からの優れた剥離性、及び他の層との密着性などのいずれか又は複数について有利であり、透明性、熱安定性などの点でポリカーボネート、及びエポキシ(メタ)アクリレートの硬化物が特に有利である。
b.再帰性反射層の厚さ
再帰性反射層の厚さは様々であってよく、一般に、約40μm以上、約50μm以上、又は約55μm以上、約150μm以下、約100μm以下、又は約60μm以下とすることができる。再帰性反射層の厚さとは、再帰性反射層の主表面と構造化表面の最も高い頂部の距離をいう。キューブコーナー素子の高さは様々であってよく、一般に、約50μm以上、約70μm以上、又は約80μm以上、約150μm以下、約120μm以下、又は約100μm以下とすることができる。キューブコーナー素子の高さとは、キューブコーナー素子を構成する側面の再帰反射に有効な領域の、再帰反射性グラフィックフィルムの面に対して垂直な方向における長さをいう。
(バリア層)
バリア層334は、接着剤332が、構造化表面314とバリア層334との間に形成される低屈折率層338内に流れ込むのを防ぐのに十分な構造的一体性を有する。バリア層334は、キューブコーナー素子312の先端部と直接接触してもよく、キューブコーナー素子312の先端部から離間していてもよく、キューブコーナー素子312の先端部にわずかに押し込まれてもよい。バリア層の寸法及び間隔は様々であってもよい。ある実施態様では、バリア層は再帰反射性グラフィックフィルム上にグリッド、ストライプ、ドット、文字などのパターンを形成してもよい。
バリア層334は、物理的な「バリア」を接着剤332とキューブコーナー素子312との間に提供し、低屈折率層338の形成を可能にする。バリア層334が存在することにより、低屈折率層338及び/又はバリア層334に隣接する構造化表面314の部分に入射する光線350の再帰反射が可能となる。バリア層334を含まない部分の接着層330は、キューブコーナー素子312に接着し、これによって再帰性反射領域を効率的に封止し、光学的に活性な領域又はセルを形成する。接着剤332はまた、再帰性反射層310と接着層330とから構成される再帰性反射構造体320を全体として一緒に保持し、これによって別個の封止フィルム及び封止プロセスの必要性を排除する。
a.バリア層の材料
バリア層334の材料として、接着剤332がキューブコーナー素子312と接触すること、又は低屈折率層338内に入り込むことを防ぐ任意の材料を使用することができる。バリア層で使用される代表的な材料として、樹脂、紫外線硬化性ポリマー、フィルム、インク、染料、顔料、無機材料、粒子、及びビーズなどが挙げられる。
b.バリア層の厚さ
バリア層の厚さは様々であってよく、一般に、約2μm以上又は約3μm以上、約10μm以下、約8μm以下、又は約4μm以下とすることができる。
(低屈折率層)
図4に示すように、低屈折率層338に隣接するキューブコーナー素子312に入射する光線350は再帰反射する。本開示において、低屈折率層338を含む再帰反射性グラフィックフィルム300の領域は光学的に活性な領域である。対照的に、低屈折率層338を含まない再帰反射性グラフィックフィルム300の領域は、図4に示すように入射する光線350を実質的に再帰反射しないため、光学的に不活性な領域である。
低屈折率層338は、約1.30以下、約1.25以下、約1.20以下、約1.15以下、約1.10以下、又は約1.05以下の屈折率を有する材料を含むことができる。例えば、低屈折率材料としては、空気、及び例えば米国特許出願No.61/324,249(その記載は全てここに援用される。)に記載されたような低屈折率材料が挙げられる。
(第1の実施形態の再帰反射性グラフィックフィルムの再帰性反射構造体の製造方法)
図4に例示される第1の実施形態の再帰反射性グラフィックフィルムの再帰性反射構造体の製造方法は、例えば、バリア層334を接着剤332上に配置する工程と、次いで、得られた接着層330を再帰性反射層310に積層する工程とを含む。バリア層334を備える接着層330は、以下の代表的な方法を含むが、これに限定されない様々な方法で形成することができる。1つの代表的な実施態様では、バリア層を形成する材料は接着剤上に印刷される。印刷方法は、非接触方法、例えばインクジェットプリンタを使用する印刷であってもよく、接触印刷方法、例えばフレキソ印刷であってもよい。他の代表的な実施態様では、バリア層を形成する材料は、例えばインクジェット又はスクリーン印刷方法を使用して平坦な剥離面上に印刷され、次いで平坦な剥離面から接着剤上に転写される。他の代表的な実施態様では、バリア層を形成する材料は、微細構造化表面を有するライナー上にフラッドコーティングされ、その上に接着剤を積層することによって、バリア層は微細構造化表面を有するライナーから接着剤に転写される。
<第2の実施形態の再帰反射性グラフィックフィルム>
図5において例示される、第2の実施形態の再帰反射性グラフィックフィルム400は、構造化表面414と構造化表面414に隣接する反射層435を含む再帰性反射層410を有する。ここでは、図4の低屈折率層338に代えて、反射層435が使用されている。反射層435は、例えば構造化表面414上のアルミニウムコーティングであってよい。反射層435に隣接して接着剤432を含む接着層430を再帰反射性グラフィックフィルム400に設けてもよく、接着層430は再帰性反射層410の反対側にさらに以下で説明する剥離ライナー436を有してもよい。構造化表面414は、複数のキューブコーナー素子412を含む。
(反射層)
図5に示すように、キューブコーナー素子412に入射する光線450は、反射層435とキューブコーナー素子412の組み合わせにより再帰反射する。反射層435がキューブコーナー素子412に隣接する再帰反射性グラフィックフィルム400の領域は光学的に活性な領域である。
反射層435は、キューブコーナー素子412に対して良好な接着性を有することが望ましい。反射層435として、例えば蒸着により形成された金属膜を用いることができる。蒸着金属として、アルミニウム、銀などを用いることができる。チタンスパッタする等のプライマー処理により、キューブコーナー素子412の表面と蒸着金属膜の接着力を向上させてもよい。金属膜を用いるとキューブコーナー素子412の照射角が増大することが知られている。金属膜の代わりに、反射層435は、例えば米国特許第6,243,201号(Fleming)(その記載は全てここに援用される。)に記載された多層反射コーティングを含んでもよい。反射層435の厚さは、一般に約30ナノメートル以上、約80ナノメートル以下とすることができる。
<再帰反射性グラフィックフィルムにおける任意の成分又は部材>
(赤外線吸収材)
本開示の再帰反射性グラフィックフィルムは、赤外線吸収剤をさらに含んでもよい。この場合、赤外線吸収剤は、再帰反射性グラフィックフィルムに入射し、反射される光の行路上のいずれかの層に含まれる。例えば、再帰性反射層(例えば、再帰性反射素子、基体層(body layer)、シールフィルム、接着剤層など)、表面保護層、加飾インク受容層、加飾層、接合層、接着層に赤外線吸収剤が含まれてもよい。表面保護層と再帰性反射層の間に、赤外線吸収剤とバインダー樹脂とを含む赤外線吸収層(不図示)が配置されてもよい。一実施態様では、赤外線吸収剤は再帰性反射層に含まれる。赤外線吸収剤を含む層の波長800~1000nmの光についての平均透過率は、好ましくは約80%以下、約70%以下、又は約60%以下とすることができる。赤外線吸収剤を含む層の波長800~1000nmの光についての平均透過率が、約0.5%以上、約1%以上、又は約5%以上であってもよい。
赤外線吸収剤を含む再帰反射性グラフィックフィルムに赤外線が任意の入射角で入射すると、赤外線は赤外線吸収剤を含む層によって吸収されて、赤外線の再帰反射が抑制される。このような再帰反射性グラフィックフィルムは、ALPR赤外システムによる視認性を有することが要求されるライセンスプレートに特に有用である。
赤外線吸収剤として、近赤外線放射(例えば、約760nm~約1500nmの波長)を吸収する材料が使用でき、例えば、シアニン化合物、フタロシアニン化合物、ジチオール金属錯体、ナフトキノン化合物、ジイモニウム化合物、アゾ化合物などの赤外線吸収色素、及びセシウムタングステン酸化物(CWO)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、スズドープ酸化インジウム(ITO)、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化スズ、酸化セシウム、硫化亜鉛などの赤外線吸収顔料が挙げられる。耐候性に特に優れていることから、赤外線吸収剤はセシウムタングステン酸化物を含むことが有利である。セシウムタングステン酸化物は濃い青色を呈するが、濃度を適切に調節することにより、背景色(下地色)に影響を与えずに、必要な赤外線吸収性を維持することができる点でも有利である。
セシウムタングステン酸化物としては、好ましくは、一般式CsxWyOz(式中、0.001≦x/y≦1、2.2≦z/y≦3.0)であるものを使用できる。より好ましくは、0.1≦x/y<1、2.45≦z/y≦3.0であり、特に好ましくはx/y=0.33、z/y=3である。
セシウムタングステン酸化物の平均粒子径は、分散性、可視光領域における背景色(下地色)の視認性などの観点から、好ましくは約300nm以下、又は約100nm以下、又は約50nm以下とすることができる。セシウムタングステン酸化物の平均粒子径は、約10nm以上、又は約20nm以上であってもよい。
(白色度向上材料)
赤外線吸収剤を再帰反射性グラフィックフィルムに含めると、再帰反射性グラフィックフィルムの白色度が低下することがある。これは、一般に用いられる多くの赤外線吸収剤が可視光領域において若干の吸収を示すからである。したがって、再帰反射性グラフィックフィルムの白色度を高めるために、所望により、酸化チタン、酸化亜鉛、又は蛍光増白剤などの白色度向上材料を再帰反射性グラフィックフィルム内に含めるか、又は再帰反射性グラフィックフィルムの層間に適用してもよい。白色度向上材料を用いることにより、再帰反射性グラフィックフィルムが日光の下で白く見えるようになる。
白色度向上材料は、様々なパターン、面積、配置、及び色調で、再帰反射性グラフィックフィルムに含まれ得る。いくつかの実施態様では、白色度向上材料は、再帰反射性グラフィックフィルムの少なくとも一部をコーティングする。いくつかの白色度向上材料は、再帰反射性グラフィックフィルムの再帰反射性能を低減する場合がある。その場合、白色度向上材料の適用面積、白色度向上材料の適用パターンを構成する個々の要素のサイズ及び密度などを制御することによって、所望のレベルの再帰反射特性及び白色度を有する再帰反射性グラフィックフィルムを得ることができる。
(シールフィルム)
本開示の再帰反射性グラフィックフィルムは、シールフィルムをキューブコーナー素子の背面に貼ることもでき、それらは、例えば、米国特許第4,025,159号(McGrath)及び同第5,117,304号(Huang)に記載されており、いずれの記載も全てここに援用される。シールフィルムは、境界における全内部反射を可能にし、かつ汚れ及び/又は湿分のような汚染物質の進入を阻止する空気境界をキューブの背面に保持することができる。
<再帰反射性グラフィックフィルムの再帰反射特性>
本開示の再帰反射性グラフィックフィルムの再帰反射特性について、観測角0.2度、入射角5度における再帰反射係数(JIS Z 9117に準拠する)は、少なくとも約1cd/lx/m2とすることができる。ある好適な実施態様では、再帰反射係数は、約45cd/lx/m2以上、又は約50cd/lx/m2以上とすることができる。例えば、ISO7591:1982に規定される白については、約45cd/lx/m2以上、黄については約30cd/lx/m2以上であることが望ましい。JIS Z 9117の封入レンズ型タイプ1-B-bである場合、白については約35cd/lx/m2以上、黄については約25cd/lx/m2以上、赤については約10cd/lx/m2以上、黄赤については約13cd/lx/m2以上、緑については約5cd/lx/m2以上、青については約3cd/lx/m2以上であることが望ましい。
<剥離ライナー>
本開示のライセンスプレート用グラフィックフィルムは、接着層の転写、傷等からの保護などを目的として、接着層及び/又は表面保護層に対して剥離性のフィルム部材、例えば、剥離ライナーなどを適用することができる。
剥離ライナーとして、例えば、紙;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、酢酸セルロースなどのプラスチック材料;このようなプラスチック材料で被覆された紙などを挙げることができる。これらの剥離ライナーは、シリコーンなどにより剥離処理した表面を有してもよい。剥離ライナーの厚さは、一般に、約5μm以上、約15μm以上又は約25μm以上、約300μm以下、約200μm以下又は約150μm以下とすることができる。
〈ライセンスプレート用グラフィックフィルムの任意の特性〉
(破断強度)
本開示のライセンスプレート用グラフィックフィルムは、良好な耐久性の観点から、好ましくは約5N/25mm以上、約10N/25mm以上、又は約20N/25mm以上の破断強度を有していてもよく、製造容易性の観点から、好ましくは、約200N/25mm以下、約175N/25mm以下、又は約150N/25mm以下の破断強度を有していてもよい。本開示において、破断強度は、JIS Z 0237に準拠して測定される値である。
(伸び)
本開示のライセンスプレート用グラフィックフィルムは、エンボス加工又はデボス加工時のクラック発生の防止、及び被着体、例えばベースプレートからの浮き上がり防止の観点から、好ましくは、約30%以上、又は約35%以上の伸びを有していてもよく、良好な機械強度の観点から、好ましくは、約400%以下、又は約350%以下の伸びを有していてもよい。本開示において、伸びは、ASTM試験法D882-80aに準拠して測定される値である。
〈ライセンスプレート用グラフィックフィルムの製造方法〉
ライセンスプレート用グラフィックフィルムの製造方法について図1~3を参照しながら例示的に説明するが、グラフィックフィルムの製造方法はこれらに限られない。
図1のグラフィックフィルム50(但し、印刷層45は除く。)の製造方法としては、例えば、剥離ライナー上に表面保護層40のコーティング液を塗布、乾燥し、任意に、係る表面保護層40にインクジェット印刷機等で加飾インクを適用して加飾層20を形成し、さらに任意に、支持層のコーティング液を塗布、乾燥して積層体1を形成する。次いで、剥離ライナー上に接着剤を塗布、乾燥して接着層10を形成し、積層体2を得る。積層体1の表面保護層40側と、積層体2の接着層10側とを貼り合わせることによって、図1の構成のグラフィックフィルム50を得ることができる。
図2のグラフィックフィルム100の製造方法としては、例えば、剥離ライナー上に表面保護層140のコーティング液を塗布、乾燥し、任意に支持層のコーティング液を塗布、乾燥する。次いで、表面保護層140又は支持層上に、加飾インク受容層130のコーティング液を塗布、乾燥して加飾インク受容層130を形成し、任意に、該受容層130上にインクジェット印刷機で加飾層120を印刷し、積層体1を得る。次いで、剥離ライナー上に接着剤を塗布、乾燥して接着層110を形成し、積層体2を得る。積層体1の加飾インク受容層130側と、積層体2の接着層110側とを貼り合わせることによって、図2の構成のグラフィックフィルム100を得ることができる。
図3のグラフィックフィルム200の製造方法としては、例えば、剥離ライナー上に表面保護層240のコーティング液を塗布、乾燥し、任意に支持層のコーティング液を塗布、乾燥して積層体1を形成する。次いで、剥離ライナー上に接合剤を塗布、乾燥して接合層230を形成し、積層体2を得る。積層体1の表面保護層240側と、積層体2の接合層230側とを貼り合わせて積層体Aを得る。次いで、剥離ライナー上に加飾インク受容層215のコーティング液を塗布、乾燥して加飾インク受容層215を形成し、任意に該受容層130上にインクジェット印刷機で加飾層を印刷して積層体3を得る。次いで、剥離ライナー上に接着剤を塗布、乾燥して接着層210を形成し、積層体4を得る。積層体3の加飾インク受容層215側と、積層体4の接着層210側とを貼り合わせて積層体Bを得る。次いで、積層体Bの加飾インク受容層215側の剥離ライナーを除去し、任意に該受容層130上にインクジェット印刷機で加飾層220を印刷する。積層体Aの接合層230側の剥離ライナーを除去し、積層体Aの接合層230側と、積層体Bの受容層215側とを貼り合わせることによって、図3の構成のグラフィックフィルム200を得ることができる。
ここで、上記の各製造方法は、表面保護層表面にシクロヘキサノンを適用した場合のシクロヘキサノン吸収量が、約0.0017g/cm以上かつ約0.0025g/cm以下となるように、表面保護層を硬化させる工程を更に備えている。この段階での硬化は、少なくとも部分的に硬化されていればよく、完全硬化させる必要はない。係る表面保護層の硬化工程は、表面保護層が形成された後であれば如何なる段階で適用してもよいが、生産性等の観点から、剥離ライナー上に表面保護層のコーティング液を塗布、乾燥する段階で適用することが好ましい。硬化手段としては、熱硬化、又は紫外線、電子線等の放射線硬化等、如何なる硬化手段も採用することができるが、乾燥時の熱等を使用し得ることから、熱硬化であることが好ましい。熱硬化するための熱処理温度としては、硬化後の表面保護層表面にシクロヘキサノンを適用した場合のシクロヘキサノン吸収量が、約0.0017g/cm以上かつ約0.0025g/cm以下となるように適宜設定すればよいが、例えば、約100℃以上、約105℃以上又は約110℃以上、約145℃以下、約140℃以下又は約135℃以下に設定することができる。なお、係る硬化前のグラフィックフィルムを「ライセンスプレート用グラフィックフィルム前駆体」と呼ぶ場合がある。
上記の各製造方法における塗布手段としては、通常のコータ、例えば、バーコータ、ナイフコータ、ロールコータ、ダイコータ等を用いることができる。加飾インク受容層を、溶融押出成形法等によってフィルムの形態にし、それを接着層に貼り合わせて使用することもできる。
〈ライセンスプレート〉
本開示の一実施態様では、上記グラフィックフィルムを含むライセンスプレートが提供される。
(ベースプレート)
ライセンスプレートのベースプレートは、一般に金属板又は樹脂板などを使用することができる。金属板として、アルミニウム板、ステンレス板、鉄板などが挙げられる。樹脂板として、ポリカーボネート板、ポリエステル板、塩化ビニル板などが挙げられる。必要に応じて、これらの板材をフレームなどの形状に成形加工してもよい。
(外観)
ライセンスプレートは、一般に、数字、文字、グラフィック、パターン又はそれらの組み合わせを含むことができる。ある実施形態では、ライセンスプレートの外観は、政府及び/又は管轄地域で規定されている。別の実施形態では、表示部は、印刷層によって形成することができる。さらに別の実施形態では、例えばライセンスプレートにおいて、表示部をエンボス部(凸部)又はデボス部(凹部)と印刷層とを組み合わせて形成することもできる。エンボス部及びデボス部の深さは、一般にそれぞれ約1mm以上、約2mm以下であるが、この範囲に限定されない。
(印刷層)
印刷層は、一般に、ロールコート用インクと呼ばれる溶剤系のインクを用いて形成されるものであり、上記の顔料、並びにメラミン樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、及びこれらの混合樹脂等のバインダーを含むインク組成物を、ロールコーティングなどにより表面保護層の上などに適用し、所定の温度及び時間で焼き付けることによって形成することができる。インク組成物として、具体的には、NSP-UP 401K-1 Green(日弘ビックス株式会社製)、一液加熱硬化型インキであるMEGスクリーンインキ(帝国インキ製造株式会社製)等を使用することができる。
〈ライセンスプレートの製造方法〉
本開示のライセンスプレートの製造方法を、図6A~6Eを参照しながら例示的に説明するが、ライセンスプレートの製造方法はこれに限られない。
図6Aに示すグラフィックフィルムは、剥離ライナー536上に、接着層520、加飾層542、加飾インク受容層545、及び表面保護層544が積層されている。
図6Bに示すように、剥離ライナー536を取り除き、接着層520をベースプレートであるアルミニウム板560に接着して積層することにより、グラフィックフィルム積層プレートを形成する。
次に、図6Cに示すように、ブランクプレスダイ570を用いて、グラフィックフィルム積層プレートを所望の大きさにブランクプレスして切り出す。
図6Dに示すように、切り出されたグラフィックフィルム積層プレートを、常温下でエンボス及び/又はデボス加工することにより、ライセンスプレートの表示部及び辺縁のフレーム部を形成する。図6Dでは、凸部(エンボス部)は表示部の台座として示す。フレーム部はライセンスプレートの変形を防止するための強度をライセンスプレートに付与することができる。
図6Eに示すように、エンボス加工されたグラフィックフィルム積層プレートの凸部(エンボス部)に印刷層546をロールコーティングなどによって形成する。次いで、表面保護層544の表面にシクロヘキサノンを適用した場合のシクロヘキサノン吸収量が、約0.0010g/cm以下となるように、表面保護層544を硬化させて、グラフィックフィルムを含むライセンスプレート500を作製することができる。この段階での硬化は、完全硬化である必要はないが、耐溶剤性等の観点から、完全硬化であることが好ましい。ここで、完全硬化とは、硬化反応がさらに進行しない状態を意味する。表面保護層の硬化手段としては、熱硬化、又は紫外線、電子線等の放射線硬化等、如何なる硬化手段も採用することができるが、印刷層形成時の熱等を使用し得ることから、熱硬化であることが好ましい。熱硬化するための熱処理温度としては、グラフィックフィルムの表面保護層表面にシクロヘキサノンを適用した場合のシクロヘキサノン吸収量が、約0.0010g/cm以下となるように適宜設定すればよいが、グラフィックフィルムに黄変等の不具合を生じさせない範囲で、例えば、約150℃以上、約155℃以上又は約160℃以上に設定することができる。係る方法で得られたライセンスプレートは、表面保護層が耐溶剤性に優れるため、従来、最表面に適用されていたクリアー保護層を省略することができる。
《実施例1~3及び比較例1~6》
以下の実施例において、本開示の具体的な実施態様を例示するが、本発明はこれに限定されるものではない。部及びパーセントは全て、特に明記しない限り質量による。
〈材料〉
本実施例において使用した材料を表1に示す。
Figure 0007074456000007
表1に示す各材料を表2に示す配合割合で混合し、表面保護層、支持層、加飾インク受容層、接合層及び接着層を作製するためのコーティング液を各々作製した。ここで、表2における数値は全て質量部を意味する。
Figure 0007074456000008
各種コーティング液の作製に関し、表面保護層及び支持層のコーティング液は、各材料を一度に混合して作製した。加飾インク受容層のコーティング液は、ジュリマー(登録商標)YN-5とSKダイン(登録商標)1506BHEとの固形分比が約50:約50となるように混合した後、該混合物にさらにE-5XM及びエチルアセテートを添加して作製した。接合層のコーティング液は、SKダイン(登録商標)1310及びエチルアセテートを混合した後、該混合物にさらにビスアミド架橋剤を添加して作製した。接着層のコーティング液は、ジュリマー(登録商標)YN-5にTi-Pure(登録商標)R-960を添加して混合物を形成した後、該混合物にアクリセット(登録商標)8820を添加し、さらに2-ブタノン及びビスアミド架橋剤を添加して作製した。
〈ライセンスプレート用グラフィックフィルム及びライセンスプレートの調製〉
(実施例1)
表面保護層用のコーティング液であるTL-1を、ルミラー(登録商標)T-60(東レ株式会社製:50μm厚のPETキャリアフィルム)上にナイフコーターを用いてコートし、100℃で10分間乾燥して、約30μm厚の表面保護層を備える積層フィルム1を作製した。ここで、TL-1は架橋剤であるカルボジライト(登録商標)V-02を含むため、カルボキシル基及びシラノール基含有樹脂のカルボキシル基が、100℃、10分の熱処理によって硬化し架橋する。
接合層用のコーティング液であるTAL-1を、ピューレックス(登録商標)A-31(帝人デュポンフィルム株式会社製:38μm厚のPET剥離ライナー)上にナイフコーターを用いてコートし、100℃で5分間乾燥して、約20μm厚の接合層を備える積層フィルム2を作製した。
積層フィルム1の表面保護層と、積層フィルム2の接合層とが重なるようにラミネートし、積層フィルムAを作製した。
加飾インク受容層用のコーティング液であるGR-1を、ACW200(スリーエム社製:55μm厚のPETキャリアフィルム)上にナイフコーターを用いてコートし、100℃で5分間乾燥して、約30μm厚の加飾インク受容層を備える積層フィルム3を作製した。
接着層用のコーティング液であるWAL-1を、ピューレックス(登録商標)A-55(帝人デュポンフィルム株式会社製:38μm厚のPET剥離ライナー)上にナイフコーターを用いてコートし、100℃で5分間乾燥して、約20μm厚の白色接着層を備える積層フィルム4を作製した。
積層フィルム3の加飾インク受容層と、積層フィルム4の白色接着層とが重なるようにラミネートし、積層フィルムBを作製した。
積層フィルムBからACW200を除去した後、加飾インク受容層にインクジェット印刷機(株式会社ミマキエンジニアリング社製:JV-33-130)で加飾層を印刷した。次いで、積層フィルムAのルミラー(登録商標)T-60を保護フィルムであるLD-K-1020(日立化成株式会社)に置換した後、ピューレックス(登録商標)A-31を除去し、積層フィルムAの接合層と、積層フィルムBの加飾インク受容層とをラミネートしてライセンスプレート用グラフィックフィルムを作製した。
係るグラフィックフィルムからピューレックス(登録商標)A-55を除去した後、グラフィックフィルムを、ベースプレートであるアルミ板(A1050P JIS H4000に準拠、1.0mm×165.5mm×330.5mm)にラミネートして、グラフィックフィルム積層プレートを作製した。
該積層プレートに、常温下、エンボス機でエンボス加工を施し、車両番号の突起部を形成した。保護フィルムを除去した後、ロールコート用の有機溶剤系色インク(日弘ビックス株式会社製:NSP-UP 401K-1 Green)をロールコート法で車両番号の突起部のみにコートして印刷層を形成した。150℃で10分間、オーブン中で乾燥させ、グラフィックフィルムを含むライセンスプレートを作製した。ここで、カルボキシル基及びシラノール基含有樹脂のシラノール基が、150℃、10分の熱処理によって硬化し架橋する。
(実施例2)
表面保護層用のコーティング液であるTL-1及び支持層用のコーティング液であるUS-1を、ルミラー(登録商標)T-60(東レ株式会社製:50μm厚のPETキャリアフィルム)上にナイフコーターを用いて順次コートし、100℃で10分間乾燥して、約10μm厚の表面保護層及び約25μm厚の支持層を備える積層フィルムaを作製した。実施例1における積層フィルム1に代えて積層フィルムaを使用したこと以外は、実施例1と同様にしてライセンスプレート用グラフィックフィルム及びライセンスプレートを作製した。ここで、約35μm厚の支持層のみの破断伸びを、株式会社オリエンティック社製のテンシロンTC-1325Aを用いて測定した結果、その破断伸びは90%であった。
(実施例3)
実施例1と同様に、表面保護層を備える積層フィルム1を作製し、係る積層フィルム1の表面保護層上にインクジェット印刷機(株式会社ミマキエンジニアリング社製:JV-33-130)で加飾層を印刷した。次いで、実施例1と同様に、白色接着層を備える積層フィルム4を作製し、積層フィルム1の表面保護層と、積層フィルム4の白色接着層とをラミネートしてライセンスプレート用グラフィックフィルムを作製したこと以外は、実施例1と同様にしてライセンスプレートを作製した。
(比較例1)
積層フィルム1における熱処理を100℃、10分間から150℃、10分間に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてライセンスプレート用グラフィックフィルム及びライセンスプレートを作製した。
(比較例2)
印刷層を形成した後の熱処理を150℃、10分間から100℃、10分間に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてライセンスプレート用グラフィックフィルム及びライセンスプレートを作製した。
(比較例3)
積層フィルム1における表面保護層用のコーティング液をTL-1からTL-2に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてライセンスプレート用グラフィックフィルム及びライセンスプレートを作製した。
(比較例4)
積層フィルム1における熱処理を100℃、10分間から150℃、10分間にさらに変更したこと以外は、比較例3と同様にしてライセンスプレート用グラフィックフィルム及びライセンスプレートを作製した。
(比較例5)
積層フィルム1における表面保護層用のコーティング液をTL-1からTL-3に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてライセンスプレート用グラフィックフィルム及びライセンスプレートを作製した。
(比較例6)
積層フィルム1における表面保護層用のコーティング液をTL-1からTL-4に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてライセンスプレート用グラフィックフィルム及びライセンスプレートを作製した。
<評価試験>
グラフィックフィルム及び該フィルムを含むライセンスプレートの特性を、以下の試験方法を用いて評価した。
(シクロヘキサノン吸収量試験)
実施例1~3、及び比較例1~6のグラフィックライセンスプレートを4cm角にカットし、25℃の雰囲気下、係るライセンスプレートを精密化学天秤上に静置し、印刷層の緑インクの主溶剤であるシクロヘキサノンをスポイトで一滴(約19~約21mg)滴下し、表面保護層表面に適用する。15秒後、ベンコット(登録商標)等で液滴を吸い取り、速やかに、吸収されてライセンスプレートに残ったシクロヘキサノンの質量A(g)、即ち、(液滴吸い取り後のライセンスプレートの質量(g))-(液滴滴下前のライセンスプレートの質量(g))の値を記録する。略円形状のシクロヘキサノンの溶剤痕の直径B(cm)をノギス等で測定し、下記の式1から、ライセンスプレートのシクロヘキサノン吸収量を算出する。
Figure 0007074456000009
(印刷層の外観品質試験)
作製したライセンスプレートの印刷層の外観変化を目視で観察する。外観に変化がないものを「良」、外観に変化が確認されたものを「不良」とする。ここで、「不良」の判断基準としては、印刷層の端部が、図9(a)及び図10(a)のように白抜けしているもの、並びに印刷インクの溶剤に伴う表面保護層の溶解及び/又は膨潤による表面荒れが発生しているもののうちの少なくとも一つが生じていることを基準としている。
(耐薬品性試験)
ラッカーシンナー(三協化学株式会社製:RA-50)を染み込ませた布を、500gの圧力をかけながら、ライセンスプレートにおいて印刷層が形成されていない部分の表面保護層に対して30往復拭き擦る。次いで、係る表面保護層の外観変化の有無を目視で観察し、下記5段階の評価を行う。4点以上のグラフィックフィルムは、実使用上許容される。
5: 変化なし
4: かすかに擦り跡が残る
3: 僅かな表面荒れ
2: 明らかな表面荒れ及び損傷
1: 表面の溶解
(耐衝撃性試験:デュポン衝撃試験)
作製したライセンスプレートに対して、JIS K-5600-5-3に準拠する耐衝撃試験を実施し、塗膜における割れ、剥がれ等の損傷を目視で観察する。
<結果>
実施例1~3及び比較例1~6で得られたグラフィックフィルムを含むライセンスプレートの評価結果を表3に示す。ここで、「第1熱処理温度」とは、表面保護層を備える、積層フィルム1及び積層フィルムaに適用された熱処理の温度であり、「第2熱処理温度」とは、印刷層適用後にライセンスプレートに適用された熱処理の温度である。
Figure 0007074456000010
表3の結果から分かるように、シクロヘキサノンを表面保護層表面に適用した場合のシクロヘキサノン吸収量が所定の範囲に入る、実施例1~3における本開示のグラフィックフィルムは、印刷層の外観品質及び耐薬品性の両方の性能に優れることが確認できた。特に、比較例1及び2の表面保護層は、実施例1の表面保護層と同じ材料を使用しているにも関わらず、印刷層の外観品質又は耐薬品性の何れかの性能が不十分であるという結果であった。
実施例1~3の中でも、特定の破断伸びを有する支持層を備える実施例2のグラフィックフィルムは、印刷層の外観品質及び耐薬品性に加えて、さらに、耐衝撃性にも優れることが確認できた。
本発明の基本的な原理から逸脱することなく、上記の実施態様及び実施例が様々に変更可能であることは当業者に明らかである。また、本発明の様々な改良及び変更が本発明の趣旨及び範囲から逸脱せずに実施できることは当業者には明らかである。
50、100、200 ライセンスプレート用グラフィックフィルム
10、110、210、330、430、520 接着層
20、120、220、342、442、542 加飾層
130、215、545 加飾インク受容層
40、140、240、348、448、544 表面保護層
230、344、444 接合層
300、400 再帰反射性グラフィックフィルム
310、410 再帰性反射層
312、412 キューブコーナー素子
314、414 構造化表面
316、416 主表面
320、420 再帰性反射構造体
332、432 接着剤
334 バリア層
435 反射層
336、436、536 剥離ライナー
338 低屈折率層
45、546 印刷層
350、450 光線
500 ライセンスプレート
560 アルミニウム板
570 ブランクプレスダイ
本発明の実施態様の一部を以下の[項目1]-[項目7]に記載する。
[項目1]
印刷層が適用される表面保護層を含む、ライセンスプレート用グラフィックフィルムであって、
前記表面保護層の表面にシクロヘキサノンを適用した場合のシクロヘキサノン吸収量が、0.0017g/cm 以上及び0.0025g/cm 以下であり、150℃、10分での熱処理後において、前記表面保護層の表面にシクロヘキサノンを適用した場合のシクロヘキサノン吸収量が、0.0010g/cm 以下となる、ライセンスプレート用グラフィックフィルム。
[項目2]
前記表面保護層が、カルボキシル基及びシラノール基を含む樹脂、並びにカルボキシル基を含む樹脂及びシラノール基を含む樹脂の混合物から選択される少なくとも一種と、架橋剤とを含み、未反応のシラノール基を有する、項目1に記載のライセンスプレート用グラフィックフィルム。
[項目3]
前記架橋剤が、エポキシ系架橋剤及びカルボジイミド系架橋剤から選択される少なくとも一種である、項目2に記載のライセンスプレート用グラフィックフィルム。
[項目4]
表面保護層の下又はその下方に、破断伸び率が50%以上の支持層をさらに備える、項目1~3の何れか一項に記載のライセンスプレート用グラフィックフィルム。
[項目5]
項目1~4の何れか一項に記載のライセンスプレート用グラフィックフィルム、及びベースプレートを備える、グラフィックフィルム積層プレート。
[項目6]
表面保護層を含むライセンスプレート用グラフィックフィルム前駆体を準備する工程と、
前記前駆体の表面保護層表面にシクロヘキサノンを適用した場合のシクロヘキサノン吸収量が、0.0017g/cm 以上及び0.0025g/cm 以下となるように、表面保護層を硬化させてライセンスプレート用グラフィックフィルムを形成する工程と、を備える、ライセンスプレート用グラフィックフィルムの製造方法。
[項目7]
ベースプレートを提供する工程と、
前記ベースプレートの上又はその上方に、項目1~4の何れか一項に記載のライセンスプレート用グラフィックフィルムを適用してグラフィックフィルム積層プレートを形成する工程と、
前記グラフィックフィルム積層プレートをエンボス加工又はデボス加工する工程と、
エンボス加工又はデボス加工された前記グラフィックフィルム積層プレートの凸部又は凹部に印刷層を適用する工程と、
ライセンスプレート用グラフィックフィルムの表面保護層表面にシクロヘキサノンを適用した場合のシクロヘキサノン吸収量が、0.0010g/cm 以下となるように、表面保護層を硬化させてライセンスプレートを形成する工程と、を含む、ライセンスプレートの製造方法。

Claims (6)

  1. 印刷層が適用される表面保護層を含む、ライセンスプレート用グラフィックフィルムであって、
    前記表面保護層の表面にシクロヘキサノンを適用した場合のシクロヘキサノン吸収量が、0.0017g/cm以上及び0.0025g/cm以下であり、150℃、10分での熱処理後において、前記表面保護層の表面にシクロヘキサノンを適用した場合のシクロヘキサノン吸収量が、0.0010g/cm以下となり、
    前記表面保護層が、カルボキシル基及びシラノール基を含む樹脂、並びにカルボキシル基を含む樹脂及びシラノール基を含む樹脂の混合物から選択される少なくとも一種の樹脂材料と、架橋剤とを含み、未反応のシラノール基を有し、かつ、前記架橋剤が、エポキシ基、シクロカーボネート基、アミド基、水酸基、オキサゾリン基、カルボジイミド基、又はヒドラジノ基を有する化合物である、
    ライセンスプレート用グラフィックフィルム。
  2. 前記架橋剤が、エポキシ系架橋剤及びカルボジイミド系架橋剤から選択される少なくとも一種である、請求項に記載のライセンスプレート用グラフィックフィルム。
  3. 表面保護層の下又はその下方に、破断伸び率が50%以上の支持層をさらに備える、請求項1又は2に記載のライセンスプレート用グラフィックフィルム。
  4. 請求項1~の何れか一項に記載のライセンスプレート用グラフィックフィルム、及びベースプレートを備える、グラフィックフィルム積層プレート。
  5. 表面保護層を含むライセンスプレート用グラフィックフィルム前駆体を準備する工程であって、前記表面保護層が、カルボキシル基及びシラノール基を含む樹脂、並びにカルボキシル基を含む樹脂及びシラノール基を含む樹脂の混合物から選択される少なくとも一種の樹脂材料と、架橋剤とを含み、未反応のシラノール基を有し、かつ、前記架橋剤が、エポキシ基、シクロカーボネート基、アミド基、水酸基、オキサゾリン基、カルボジイミド基、又はヒドラジノ基を有する化合物である、前記工程と、
    前記前駆体の表面保護層表面にシクロヘキサノンを適用した場合のシクロヘキサノン吸収量が、0.0017g/cm以上及び0.0025g/cm以下となるように、表面保護層を硬化させてライセンスプレート用グラフィックフィルムを形成する工程と、を備える、ライセンスプレート用グラフィックフィルムの製造方法。
  6. ベースプレートを提供する工程と、
    前記ベースプレートの上又はその上方に、請求項1~の何れか一項に記載のライセンスプレート用グラフィックフィルムを適用してグラフィックフィルム積層プレートを形成する工程と、
    前記グラフィックフィルム積層プレートをエンボス加工又はデボス加工する工程と、
    エンボス加工又はデボス加工された前記グラフィックフィルム積層プレートの凸部又は凹部に印刷層を適用する工程と、
    ライセンスプレート用グラフィックフィルムの表面保護層表面にシクロヘキサノンを適用した場合のシクロヘキサノン吸収量が、0.0010g/cm以下となるように、表面保護層を硬化させてライセンスプレートを形成する工程と、を含む、ライセンスプレートの製造方法。
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