JP7073642B2 - 予測制御装置、予測制御プログラム、カバレッジ装置、移動体、分散制御装置、移動体の分散制御プログラム - Google Patents

予測制御装置、予測制御プログラム、カバレッジ装置、移動体、分散制御装置、移動体の分散制御プログラム Download PDF

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Description

本発明は、センサ部でカバレッジする対象領域を予測する予測制御装置、予測制御プログラム、及び、対象領域をセンサ部でカバレッジするカバレッジ装置、移動体、移動体の分散制御装置に関する。
特許文献1には、監視対象に対して対処を行うのに適した位置まで飛行装置を移動制御する監視システムが記載されている。
より詳しくは、監視システムは、上空から地上を監視する飛行装置と、センタ装置を少なくとも備える。センタ装置は、制御種別ごとに監視対象に対する俯仰角を記憶する記憶部と、制御種別を含む制御信号の入力があると、記憶部を参照して制御種別に対応する俯仰角に相当する目標位置を算出する目標算出部と、目標位置に飛行装置を移動させる飛行装置制御部と、を備えている。なお、この特許文献1では、複数の移動体(飛行装置)を想定したロジックになっていない。また、監視対象が予め特定されていることを前提としている。
なお、参考として、複数の移動体の集中管理せずに制御する技術として、ボロノイ領域を定義する分散管理技術がある。
例えば、カメラを備えた複数の移動体を、予め定めた領域内に設定されたリスクポテンシャル(監視対象)に移動させ、当該リスクポテンシャルを監視する場合、予め定めた領域をボロノイ領域に分割し、分割した各領域をそれぞれの移動体の担当領域として設定することで、移動体同士の衝突回避が可能となる。
ボロノイ領域を定義した技術は、複数の移動体を想定した最適なロジックを提供することができる。また、各移動体に対してきめ細かい軌道計画を施す必要がなく、各移動体が近傍とコミュニケーションをとりながら、自律分散的に意思決定することができる。
さらに、集中処理ではなく、分散処理であるため、計算負荷が小さく、規模の大きさに依存せず、現実的時間内で解を求めることができる。
なお、移動体は、移動体間の垂直二等分線で囲まれたボロノイ領域内において、リスクポテンシャルの重心位置に移動することを繰り返し行うことになる。また、ボロノイ領域の定義は、時々刻々と変化し得るものである。
特開2016-118996号公報
しかしながら、特許文献1を含み、従来の監視システムでは、特に、動的な監視対象に対して、その将来に向けた予測が確立されておらず、移動体の移動制御において、適正な監視対象に対応させることが難しい。
本発明は、動的な監視対象に対して、その将来に向けた移動を的確に予測することができる予測制御装置、予測制御プログラムを得ることが目的である。
また、上記目的に加え、予測に基づき移動体の移動を制御することで、適正に監視対象に対応させることができるカバレッジ装置、移動体、分散制御装置、移動体の分散制御プログラムを得ることが目的である。
本発明は、移動体であるアクチュエータを複数個移動させることで、カバレッジすべき対象領域を監視するカバレッジ装置であって、センシング情報が得られない外部環境領域として定義した対象領域に存在し、かつ移動する複数の監視対象各々の挙動による変動を、当該監視対象の存在頻度、分布及び重要度の少なくとも1つを用いて表現する状態量の変遷を事前知識情報として取得する取得手段と、前記取得手段で取得した事前知識情報と、各アクチュエータにおける、予め定めた期間、アクチュエータによる観測履歴を取得し、現在時刻から単位時間毎に所定回数だけ遡った期間中の既知の監視対象と未知の監視対象との状態量をアクチュエータ毎に把握して集約し、自アクチュエータの情報を含み、近傍の他アクチュエータの情報との観測履歴の和集合を演算することで得たカバレッジ履歴情報と、に基づいて、各アクチュエータにおける予め定めた期間、各アクチェエータの将来のダイナミクスを予測し、現在時刻から単位時間毎に所定回数だけ進めた期間中の既知の監視対象と未知の監視対象との状態量を移動体毎に導出する予測手段と、を有する予測制御装置である。
本発明は、コンピュータを、請求項1記載の予測制御装置として動作させる予測制御プログラムである。
本発明によれば、対象領域をカバレッジすべきかどうかを判定する予測処理として、取得手段で取得した事前知識情報と、各アクチュエータにおける、予め定めた期間、アクチュエータによる観測履歴を取得し、現在時刻から単位時間毎に所定回数だけ遡った期間中の既知の監視対象と未知の監視対象との状態量をアクチュエータ毎に把握して集約し、自アクチュエータの情報を含み、近傍の他アクチュエータの情報との観測履歴の和集合を演算することで得たカバレッジ履歴情報と、に基づいて、各アクチュエータにおける予め定めた期間、各アクチェエータの将来のダイナミクスを予測し、現在時刻から単位時間毎に所定回数だけ進めた期間中の既知の監視対象と未知の監視対象との状態量を移動体毎に導出する予測モデルを用いて予測する。
過去の変遷によって未来の変遷を予測することで、精度の高い予測が可能となる。
本発明は、複数のアクチュエータを移動させることで、カバレッジすべき対象領域を監視するカバレッジ装置であって、センシング情報が得られない外部環境領域として定義した対象領域に存在し、かつ移動する複数の監視対象各々の挙動による変動を、当該監視対象の存在頻度、分布及び重要度の少なくとも1つを用いて表現する状態量の変遷を事前知識情報として取得する取得手段と、前記取得手段で取得した事前知識情報と、各アクチュエータにおける、予め定めた期間、アクチュエータによる観測履歴を取得し、現在時刻から単位時間毎に所定回数だけ遡った期間中の既知の監視対象と未知の監視対象との状態量をアクチュエータ毎に把握して集約し、自アクチュエータの情報を含み、近傍の他アクチュエータの情報との観測履歴の和集合を演算することで得たカバレッジ履歴情報と、に基づいて、各アクチュエータにおける予め定めた期間、各アクチェエータの将来のダイナミクスを予測し、現在時刻から単位時間毎に所定回数だけ進めた期間中の既知の監視対象と未知の監視対象との状態量を移動体毎に導出する予測手段と、前記予測手段による予測結果からカバレッジすべき複数の対象領域を判定する判定手段と、前記判定手段がカバレッジすべきと判定した前記対象領域に、前記予測手段による予測結果に基づいて、前記対象領域をカバレッジするために、複数のアクチュエータの各々を、各対象領域に向かわせるカバレッジ装置である。
本発明によれば、センシング情報が得られない外部環境領域を対象領域として定義し、予測手段による予測結果に基づき、カバレッジすべき対象領域を判定する。
このため、予測手段での予測がない場合に比べて、必要最小限のアクチュエータで効率的に対象領域のカバレッジを実行することができる。
単一のアクチュエータで得たモデルを定めるために用いるカバレッジ履歴情報よりも、周囲のアクチュエータで得た予測に用いるカバレッジ履歴情報を集約した方が、より精度の高い予測が可能となる。
本発明において、前記対象領域が、センシング可能領域以外の死角領域であり、当該死角領域は、その位置及び大きさが経時的に変化することを特徴としている。
センシング情報が得られない外部環境領域として定義される対象領域は、例えば、撮像素子であれば、何等かの障害物によって隠蔽された撮像できない死角領域である。例えば、障害物が車両の場合、当該車両が移動すれば、死角領域が変化することになる。なお、赤外線センサであれば、障害物が発熱体となるように、センサ種によって障害物の種類は異なる。
本発明の移動体は、相互に干渉しない担当領域に配置されると共に、監視範囲が変更可能なセンサを搭載し、及び互いに位置情報を送受信することで、衝突を回避しながら担当領域を変更するように移動する複数の移動体であって、自機の担当領域内の各監視対象の挙動による変動を、当該監視対象の存在頻度、分布及び重要度の少なくとも1つを用いて表現する状態量の変遷を事前知識情報として取得する取得手段と、前記取得手段で取得した事前知識情報と、各移動体における、予め定めた期間、移動体による観測履歴を取得し、現在時刻から単位時間毎に所定回数だけ遡った期間中の既知の監視対象と未知の監視対象との状態量を移動体毎に把握して集約し、自機の移動体の情報を含み、近傍の他機の移動体の情報との観測履歴の和集合を演算することで得たカバレッジ履歴情報と、に基づいて、各移動体における予め定めた期間、各移動体の将来のダイナミクスを予測し、現在時刻から単位時間毎に所定回数だけ進めた期間中の既知の監視対象と未知の監視対象との状態量を移動体毎に導出する予測手段と、前記予測手段での予測処理に基づく予測結果に基づき、前記移動体の移動を制御する移動制御手段と、を有している。
本発明によれば、自機の担当領域内の各監視対象の挙動による変動を、当該監視対象の存在頻度、分布及び重要度の少なくとも1つを用いて表現する状態量の変遷を事前知識情報として取得し、取得した事前知識情報と、各移動体における、予め定めた期間、移動体による観測履歴を取得し、現在時刻から単位時間毎に所定回数だけ遡った期間中の既知の監視対象と未知の監視対象との状態量を移動体毎に把握して集約し、自機の移動体の情報を含み、近傍の他機の移動体の情報との観測履歴の和集合を演算することで得たカバレッジ履歴情報と、に基づいて、各移動体における予め定めた期間、各移動体の将来のダイナミクスを予測し、現在時刻から単位時間毎に所定回数だけ進めた期間中の既知の監視対象と未知の監視対象との状態量を移動体毎に導出する予測モデルを用いて予測し、予測処理に基づく予測結果に基づき、移動体の移動を制御する。
このため、予測手段での予測がない場合に比べて、必要最小限の移動体で効率的に監視対象の監視を実行することができる。
本発明は、相互に干渉しない担当領域に配置されると共に、監視範囲が変更可能なセンサをそれぞれ搭載した複数の移動体、及び前記複数の移動体が互いに位置情報を送受信することで、衝突を回避しながら担当領域を変更するように移動させる移動体の分散制御システムにおける制御装置であって、自機移動体の担当領域内の各監視対象の挙動による変動を、当該監視対象の存在頻度、分布及び重要度の少なくとも1つを用いて表現する状態量の変遷を事前知識情報として取得する取得手段と、前記取得手段で取得した事前知識情報と、各移動体における、予め定めた期間、移動体による観測履歴を取得し、現在時刻から単位時間毎に所定回数だけ遡った期間中の既知の監視対象と未知の監視対象との状態量を移動体毎に把握して集約し、自機の移動体の情報を含み、近傍の他機の移動体の情報との観測履歴の和集合を演算することで得たカバレッジ履歴情報と、に基づいて、各移動体における予め定めた期間、各移動体の将来のダイナミクスを予測し、現在時刻から単位時間毎に所定回数だけ進めた期間中の既知の監視対象と未知の監視対象との状態量を移動体毎に導出する予測手段と、前記予測手段での予測処理に基づく予測結果に基づき、前記移動体のそれぞれに移動先の監視対象を指定する指定手段と、前記指定手段で指定された監視対象が監視範囲となるように前記移動体のそれぞれを移動させる移動制御手段と、を有する分散制御装置である。
本発明によれば、指定手段では、自機移動体の担当領域内の各監視対象の状態量を予測する。
測結果に基づき、自機移動体のそれぞれに移動先の監視対象を指定する。
移動制御手段では、指定手段で指定された監視対象が監視範囲となるように移動させる。
このため、予測手段での予測がない場合に比べて、必要最小限の移動体で効率的に監視対象の監視を実行することができる。
単一の移動体で得たモデルを定めるために用いる監視対象の履歴情報よりも、周囲の移動体で得た予測に用いる監視対象の履歴情報を集約した方が、より精度の高い予測が可能となる。
本発明は、コンピュータを、前記分散制御装置として動作させる移動体の分散制御プログラムである。
以上説明した如く本発明では、動的な監視対象に対して、その将来に向けた移動を的確に予測することができる。
また、上記効果に加え、予測に基づき移動体の移動を制御することで、適正に監視対象に対応させることができる。
本実施の形態に係る移動体分散制御システムの概略図である。 本実施の形態に係る移動体の分散制御システムを示し、移動体を動作させるための制御系のブロック図である。 移動体のCPUで実行される分散制御プログラムの実行を機能別に分類したブロック図である。 (A)は本実施の形態に係る移動体において、現在から過去に遡った領域内のリスクポテンシャルの遷移の観測履歴を示す概略図、(B)は複数の移動体による観測履歴の集約状態を示す概略図である。 本実施の形態に係る移動体において、現在から未来に進んだ領域内のリスクポテンシャルの遷移の観測予測を示す概略図である。 (A)は本実施の形態に係る移動体が移動する領域のサンプル点を示す座標図、(B)は各座標のサンプル点における状態量に依存する重要度、及び不確かさを示すノルム値の特性図である。 各座標のサンプル点における状態量及び不確かさを正負の数値で表現した場合の特性図である。 本実施の形態に係る分散制御部が実行される移動体分散制御のメインルーチンを示すフローチャートである。 (A)は図8のステップ300の処理の詳細を示す事前知識情報サブルーチンを示す制御フローチャート、(B)は図8のステップ302の処理の詳細を示す観測履歴解析サブルーチンを示す制御フローチャート、(C)は図8のステップ304の処理の詳細を示す観測履歴集約サブルーチンを示す制御フローチャートである。 (A)は図8のステップ306の処理の詳細を示す予測制御サブルーチンを示す制御フローチャート、(B)は図8のステップ308の処理の詳細を示す移動体振分けサブルーチンを示す制御フローチャート、図8のステップ310の処理の詳細を示す情報提供サブルーチンを示す制御フローチャートである。 本実施の形態に係る特定の領域において、移動体が既知のリスクポテンシャル又は既知のリスクポテンシャルに振り分けられて移動する状況を示す平面図である。 本実施の形態の変形例に係る移動体分散制御システムの概略図であり、(A)は固定カメラを自律分散ネットワークに組み込む状態、(B)固定カメラを自律分散ネットワークに組み込まない状態を示す。 本実施の形態の実施例1に係る移動体の分散制御システムを示し、移動体が移動する領域の平面図である。 本実施の形態における自律分散制御の一例であり、ボロノイ分割された領域の平面図であり、(A)はリスクポテンシャル指定時、(B)は基本制御則に基づく移動体の移動後を示す。
図1は、本実施の形態に係る移動体分散制御システム50の概略図である。
本実施の形態の移動体分散制御システム50は、複数の移動体10、及び移動体10が監視するために移動する複数の領域12が示されている。
図1では、複数の移動体10が3つの群52に分類され、それぞれの群52が3ヶ所の領域12を担当して監視する構成としている。
なお、移動体10の群構成、監視領域数等は、図1の「3」に限定されるものではなく、単一の群50で単一の領域12を監視する構成であってもよいし、2及び4以上の群50及び領域12であってもよい。
図2は、本実施の形態に適用される移動体10(図1参照)を動作させるための制御系のブロック図である。
図2に示される如く、移動体10は、領域12の範囲内を無人で移動可能であり、当該移動を含む制御を実行するマイクロコンピュータを備えた制御装置14が搭載されている。
制御装置14のマイクロコンピュータは、CPU16A、RAM16B、ROM16C、入出力ポート(I/O)16D及びこれらを接続するデータバスやコントロールバス等のバス16Eを有している。I/O16Dには、監視モジュール18、移動モジュール20、位置認識モジュール22及び通信モジュール24が接続されている。
制御装置14は、例えば、ROM16Cに予め記憶された移動体の分散制御プログラムをCPU16Aで起動させ、監視モジュール18、移動モジュール20、位置認識モジュール22及び通信モジュール24の動作を制御する。
(監視モジュール18)
監視モジュール18に適用されるデバイスは、例えば、カメラが代表的であり、移動体10の位置から特定の監視範囲(視野)を撮像する。
なお、監視モジュール18は、カメラによる撮像に限定されず、電波(レーダー、レーザー、超音波等)照射等による地理上の特徴物(ランドマーク)の検出等であってもよい。
(移動モジュール20)
本実施の形態に係る移動体10は、飛行体(一例として、ドローン)であり、移動モジュール20に適用されるデバイスとして、独立した駆動源(モータ)で駆動する複数のプロペラを備えており、モータの駆動を制御することで、目的の方向に向けて飛行可能、かつ目的の位置空間で停止(ホバリング)可能である。
なお、移動体10は、飛行体に限定されず、地上や水上を移動する移動モジュール20であってもよく、複数のデバイスを併用してもよい。さらに、広い概念では、固定配置された監視カメラを、自律分散ネットワークに組み込むことで、移動モジュール20と定義してもよい。
なお、監視カメラは、撮影範囲が固定であってもよいし、首振り動作機構を備え監視モジュール18の監視範囲が変更可能であってもよい。
(位置認識モジュール22)
位置認識モジュール22は、自機の移動体10の位置を認識する機能であり、位置情報を得るために、デバイスとして、GPS、レーザー、レーダー、超音波、モーションキャプチャー、カメラ、無線通信、無線強度(距離情報)の少なくとも1つのセンサを備えている。
位置認識モジュール22は、センサで検出した結果(検出信号)に基づき、自機の移動体10の位置を三次元空間上の座標等によって認識する。
なお、位置認識モジュール22は、自機の移動体10の位置の認識以外に、後述する通信モジュール24を介して他機の移動体10の位置情報を取得し、相互の距離を演算して複数の移動体10の相対位置関係を認識する。
(通信モジュール24)
通信モジュール24は、デバイスとして、無線通信装置を備える。無線通信は、監視を統括的に管理する基地局(サーバ)54(図1参照)及び/又は移動体10間で通信する機能として、位置情報を送受信する位置情報送受信部と、指定された監視対象(「リスクポテンシャル」、「対象」という場合がある)の監視度合い(「被覆率」という。)に関する情報(被覆率情報)を送受信する被覆率送受信部と、リスクポテンシャルの分担に関する調停情報を送受信する調停情報送受信部と、を備える。
なお、移動体10が相互に情報を交換し合う機能によって移動体分散制御システム50が成立するのであれば、基地局54は必須ではない。過去の情報(ビッグデータ)を管理する情報量によって、設置又は非設置を決めればよい。
調停情報とは、移動体10がリスクポテンシャルへ移動するか否かの判定を行う情報であり、リスクポテンシャルの符号(正又は負)によって使い分ける。例えば、「正」と定義されたリスクポテンシャルは監視を必要とし、「負」と定義されたリスクポテンシャルは監視を不要とすることを示す。リスクポテンシャルは、本実施の形態で実行される予測制御により特定される探索領域及び追従領域となり得る領域である。
また、通信モジュール24の無線通信は、監視モジュール18で監視した結果(例えば、カメラであれば撮像情報)を、基地局54へ送信する監視情報送信部を備える。
図1に示される如く、移動体10が監視する領域12は、例えば、車両56が存在する路面(駐車場等)であり、移動体10は車両56が通行する路面を監視することで、死角の無い空間データを車両56(運転者)に提供するようになっている。
図1に示す領域12において、リスクポテンシャル28として、既知のリスクポテンシャル28と未知のリスクポテンシャル28とが存在している。
既知のリスクポテンシャル28(図1では、矩形実線枠「網状」で示している。)は、後述する重要度に基づいて、移動体10を向かわせて、リスクポテンシャルを追従する必要がある領域(追従領域)である。
未知のリスクポテンシャル28(図1では、矩形点線枠「?マーク」で示している。)は、後述する探索度に基づいて、移動体10を向かわせる必要がある領域(探索領域)である。
なお、未知のリスクポテンシャル28は、既知のリスクポテンシャル28の経時によって履歴が消去され、未知のリスクポテンシャル28となる領域を含む。
(分散制御プログラムによる情報処理制御)
図3は、移動体10のCPU116A(図2参照)で実行される分散制御プログラムを機能別にブロック化した図(以下、分散制御部58という)。なお、図3の分散制御部58は、分散制御のためのハードウェア構成を限定するものではないが、マイクロコンピュータに代えて、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の専用デバイスやプログラマブルロジックデバイス等のハードウェア構成で実現してもよいし、複数種類のハードウェア構成の組み合わせで実現してもよい。
図3に示される如く、分散制御部58は、事前知識情報取得部60を備える。事前知識情報取得部60では、基地局54(図1参照)等におけるビッグデータ管理サーバにアクセス(オフライン、通信を問わず)し、領域12に関する事前知識情報を事前に取得する。
領域12に関する事前知識情報は、領域12においてリスクポテンシャル28のダイナミクスを決定するパラメータを少なくとも含む。また、領域12に関する事前知識情報は、例えば、領域12においてリスクポテンシャル28は、どんな頻度で表れるか、どのような挙動をするか、どんな分布で移動するか、或いはどこが重要度が高いか等の情報を更に含む。
リスクポテンシャル28の状態量をxとした場合、以下の演算式((1)式)が成り立つ。
Figure 0007073642000001
ここで、リスクポテンシャル28の状態量xは、リスクポテンシャル28の不確かさ及び重要度を含む。
事前知識情報取得部60は、履歴解析部62に接続されている。履歴解析部62では、図4(A)に示される如く、各移動体10における、予め定めた期間(本実施の形態では、現在時刻tに対して単位時間毎に回数Tpだけ遡って(t-Tpまでの期間)、移動体10による観測履歴を取得する。例えば、回数Tpが100であれば、100コマ分の過去の観測履歴を取得することになる。
取得する時間の分解能(単位時間)は、細かければ細かいほど精度は高くなり、粗ければ粗いほど処理速度を高めることができ、CPU16A(図2参照)の処理能力や、監視すべき領域12の監視精度等によって定めればよい。また、回数Tpは、領域12内のリスクポテンシャルの変化度合い等を考慮して定めればよい。
例えば、観測履歴には、前述した既知のリスクポテンシャル28と未知のリスクポテンシャル28とが混在するが、経時的にその状態量が変化していることが予測される。
そこで、履歴解析部62では、現在時刻tから単位時間毎に回数Tpだけ遡った期間中の既知のリスクポテンシャル28と未知のリスクポテンシャル28との状態量を移動体10毎に把握する。
i番目(iは、担当する領域12に存在する複数の移動体10のそれぞれに付す番号(正の整数)である。)の移動体10によるリスクポテンシャル28の観測履歴は以下の演算式((2)式)で表現することができる。
Figure 0007073642000002
履歴解析部62は、履歴集約部64に接続されている。履歴解析部62で解析した、各移動体10の情報(Xi)は、履歴集約部64に集約される。例えば、図4(B)に示される如く、自機の移動体10の情報を含み、近傍の他機の移動体10の情報との観測履歴の和集合が演算される((3)式参照)。
Figure 0007073642000003
履歴集約部64は予測制御部66に接続され、集約された情報は、予測制御部66へ送出される。
図5に示される如く、予測制御部66では、各移動体10における、予め定めた期間(本実施の形態では、現在時刻tに対して単位時間毎に回数Tfだけ進めて(t+Tfまでの期間)、移動体10の将来のダイナミクスq’を予測する。例えば、回数Tfが100であれば、100コマ分の未来の観測予測を取得することになる。
取得する時間の分解能(単位時間)は、細かければ細かいほど精度は高くなり、粗ければ粗いほど処理速度を高めることができ、CPU16A(図2参照)の処理能力や、監視すべき領域12の監視精度等によって定めればよい。また、回数Tfは、領域12内のリスクポテンシャルの変化度合い等を考慮して定めればよい。また、履歴解析部62で適用した回数Tpとは、必ずしも相関させる必要はない。
例えば、未来予測には、前述した既知のリスクポテンシャル28と未知のリスクポテンシャル28とが混在するが、経時的にその位置が変化することが予測される。
そこで、予測制御部66では、現在時刻tから単位時間毎に回数Tfだけ進めた期間中の既知のリスクポテンシャル28と未知のリスクポテンシャル28との状態量を移動体10毎に把握(予測)する。
i番目(iは、担当する領域12に存在する複数の移動体10のそれぞれに付す番号(正の整数)である。)の移動体10によるリスクポテンシャル28の状態量の予測は以下の演算式((4)式)で表現することができる。
Figure 0007073642000004
次に、それぞれの移動体10での、リスクポテンシャルのダイナミクスを決定するパラメータqiを用いた、リスクポテンシャルの状態量の変化量の予測は、演算式((5)式)で表される。
Figure 0007073642000005
予測制御部66は、移動体振分け部68に接続されており、予測結果(推定されたダイナミクスq’)を、移動体振分け部68へ送出する。
移動体振分け部68では、探索度及び追従度の各々が、予め定めた水準を満足するように、監視すべきリスクポテンシャルを判定し、監視すべきリスクポテンシャルとして判定されたリスクポテンシャルに、複数の移動体10を割り当てる(同時最適化)。
同時最適化された各移動体10は、割り当てられたリスクポテンシャルへの移動を開始し、リスクポテンシャルを監視する。
(探索度)
探索度とは、監視を必要とする領域12における各リスクポテンシャル28に関する情報の「不確かさ」に応じて定まる値であり、探索度は、例えば、各リスクポテンシャル28に関する情報の「不確かさ」を表すベクトルのlxノルムである。
(追従度)
追従度は、リスクポテンシャルの重要度と、被覆率(リスクポテンシャルと移動体10との重複率)との積で表されるものである。この追従度により、例えば、重要度の高い既知のリスクポテンシャルに対しては追従を継続し、重要度の低い既知のリスクポテンシャルに対しては追従を断続又は中止するといった判断が可能である。
本実施の形態では、探索度及び追従度を相互に解析し、監視すべきリスクポテンシャルを判定し、監視すべきリスクポテンシャルとして判定されたリスクポテンシャルに、複数の移動体10を振分ける。
例えば、図6(A)に示される如く、領域12を、矩形のリスクポテンシャル28に分類し、各点Pを符号によって区別する。移動体10は鎖線Aのように移動させるものとする。
各点Pは、それぞれ状態量x(点Pの符号によって区別)が定められており、リスクポテンシャル28は、未サンプル点(白抜き部分)と既サンプル点(網掛け部分)が存在している。
この図6(A)の不確かさを、図6(B)に示される如く、情報の不確かさで表すことができる。
図6(B)の上図の実線で示す特性曲線Bは、図6(A)の既サンプル点(不確かさが最小値)に基づき推定されるリスクポテンシャルの重要度であり、この重要度が大きければ、重要度が高いと推定される。
しかし、未サンプル点が多く、不確かさが大きければ大きいほど、この実線の特性曲線Bから離脱し、点線の特性曲線Cと一点鎖線の特性曲線Dのように重要度に拡がりが出ることになる。この拡がりが不確かさの大きさに相当する。
そこで、不確かさの大きい点、かつ、重要度が高い点を重点的に探索する。不確かさ(ノルム値)に、予め許容水準を定めておき、許容水準よりも大きい不確かさを持つリスクポテンシャルに移動体を向かわせることで、探索度(不確かさ)を下げていく。
一方、不確かさが水準よりも低くても、重要度が高い点は、さらなる追従をさせる。
このような、移動体10の振分けを行い、探索度と追従度の同時最適化を図るようにした。
ここで、図6(B)に示される如く、既サンプル点(例えば、点Pl)において、サンプリングしたときから、時間が経過した場合、その経時によって不確かさを大きくしている。すなわち、点Plは、古いデータは信憑性が乏しいという観点から、忘却率を定め、徐々に実線の特性曲線Bから逸脱させるようにした例である。
なお、図7に示される如く、単純に、未知のリスクポテンシャルの不確かさを負の数(例えば、0未満から-1)で表わし、既知のリスクポテンシャルの重要度を正の数(例えば、0以上から+1)で表してもよい。また、既知のリスクポテンシャルにおいて、対象物(例えば、車両)が存在する場合は「+1」、存在しない場合は「0」と表現して、区別するようにしてもよい。
図3に示される如く、移動体振分け部68は、情報処理部70に接続されている。情報処理部70では、移動体振分け部68で振分けられた移動体10から情報を取得すると共に、例えば、領域12内に存在する車両56(図1参照)の運転者等に、死角の無い空間再現データを提供したり、不測の事態に備えた警告を行う。
以下に、本実施の形態の作用を図8~図10のフローチャートに従い説明する。
図8は、分散制御部58が実行される移動体分散制御のメインルーチンを示すフローチャートである。
ステップ300では、事前知識情報を取得する(図9(A)参照、後述)。
次のステップ302では、観測履歴を解析する(図9(B)参照、後述)。
次のステップ304では、複数の移動体10の間で観測履歴を集約する(図9(C)参照、後述)。
次のステップ306では、リスクポテンシャル28のダイナミクスを決定するパラメータqの最適な値を求め、リスクポテンシャル28の状態量を予測する(図10(A)参照、後述)。
次のステップ308では、リスクポテンシャル28の状態量の予測結果に基づいて、監視すべきリスクポテンシャルを判定し、移動体10を振り分ける(図10(B)参照、後述)。
次のステップ310では、取得した情報を適用する。すなわち、情報を必要としている利用者に提供する。
図9(A)は、図8のステップ300の処理の詳細を示す事前知識情報サブルーチンを示す制御フローチャートである。
ステップ312では、ビッグデータ管理サーバへアクセスし、次いでステップ314へ移行して、監視する領域12を指定し、ステップ316へ移行する。
ステップ316では、ビッグデータ管理サーバから、ステップ314で指定した領域12に関する事前知識情報として、リスクポテンシャル28のダイナミクスを決定するパラメータqを取得する。更に、例えば、領域12においてリスクポテンシャル28は、どんな頻度で表れるか、どのような挙動をするか、どんな分布で移動するか、或いはどこが重要度が高いか等の情報を取得し、このルーチンは終了する。
図9(B)は、図8のステップ302の処理の詳細を示す観測履歴解析サブルーチンを示す制御フローチャートである。
ステップ320では、現在時刻tから単位時間毎に遡る回数Tpを設定し、ステップ322へ移行する。
ステップ322では、単位時間毎の観測履歴を取得して、ステップ324へ移行する。
ステップ324では、演算式((2)式)に基づき、リスクポテンシャル28の回数Tp分の単位時間前から遷移した状態量xを特定し、このルーチンは終了する。
図9(C)は、図8のステップ304の処理の詳細を示す観測履歴集約サブルーチンを示す制御フローチャートである。
ステップ326では、まず、集約する移動体10を特定する。集約は同一の群52の全ての移動体10であってもよいが、自機の移動体10の近傍に位置する他機の移動体10に限定する方が、精度を低下させず、効率的に情報の精度を高めることができる。
次のステップ328では、演算式((3)式)に基づき、複数の移動体10で得られたリスクポテンシャルの状態量を集約し、このルーチンは終了する。これにより、自機の移動体10が特定した観測履歴の精度を高めることができる。
図10(A)は、図8のステップ306の処理の詳細を示す予測制御サブルーチンを示す制御フローチャートである。
ステップ330では、事前知識情報として取得した、リスクポテンシャル28のダイナミクスを決定するパラメータqと、複数の移動体10で得られたリスクポテンシャルの状態量を集約した結果とに基づいて、リスクポテンシャル28のダイナミクスを決定するパラメータqの最適な値を求める。
ステップ331では、現在時刻tから単位時間毎に進ませる回数Tfを設定し、ステップ332へ移行する。
ステップ332では、演算式((5)式)に基づき、リスクポテンシャル28の状態量の変化を予測して、リスクポテンシャル28の状態量を予測することを繰り返すことにより、リスクポテンシャル28の回数Tf分の状態量x’を予測し、このルーチンは終了する。
図10(B)は、図8のステップ308の処理の詳細を示す移動体振分けサブルーチンを示す制御フローチャートである。
ステップ336では、リスクポテンシャル28の状態量の予測結果から、各リスクポテンシャル28の不確かさの数値を取り込み、探索度を算出する。例えば、各リスクポテンシャルの不確かさを表すベクトルのノルム値で探索度を表現することで、不確かさが大きいほど探索度が大きくなる。
次のステップ338では、ステップ336で算出した探索度が所定の水準を満たすように、監視すべきリスクポテンシャル28を判定する。
次のステップ340では、リスクポテンシャル28の状態量の予測結果から、各リスクポテンシャル28の重要度を取り込み、ステップ342へ移行する。
ステップ342では、追従度を演算する。すなわち、追従度は、重要度×被覆率で表される。次のステップ344では、ステップ342で得た追従度が所定の水準を満たすように、監視すべきリスクポテンシャル28を判定し、ステップ346へ移行する。
ステップ346では、探索と追従とが同時に最適化するように、リスクポテンシャル28への移動体10の振り分けを実行し、次いで、ステップ348へ移行して、探索及び追従の実行を指示し、このルーチンは終了する。
図10(C)は、図8のステップ310の処理の詳細を示す情報提供サブルーチンを示す制御フローチャートである。
ステップ350では、情報を取得したか否かを判断し、否定判定された場合は、このルーチンは終了する。
また、ステップ350で肯定判定されると、ステップ352へ移行して、死角カバレッジ情報を生成する。例えば、車両に対する情報として、死角の無い空間再現データを生成し、ステップ354へ移行して利用者へ情報を提供する。さらに詳しく言えば、駐車場内で駐車するスペースを捜している運転者に、駐車場全体のマップを提供することで、運転者は戸惑うことなく駐車スペースへ移動することができる。また、駐車場内において、歩行者の存在を警告することで、安全な運転を喚起することができる。
図11は、特定の領域12において、移動体10が、探索度が所定の水準を満たすように監視すべき未知のリスクポテンシャル28、又は追従度が所定の水準を満たすように監視すべき既知のリスクポテンシャル28に振り分けられて移動する状況を示す平面図である。なお、図11では、各移動体10を区別するため末尾に符号「A」、「B」、「C」を付し、各リスクポテンシャル28を区別するための末尾に符号「A」、「B」、「C」、「D」、「E」を付すこととする。
移動体10Aは、既知のリスクポテンシャル28Aに向かい、被覆率1(100%)で情報を収集することができる。
移動体10Bは、既知のリスクポテンシャル28Bに向かうが、被覆率を高めるため、リスクポテンシャル28Bの範囲を移動することで、被覆率を高めて情報を収集することができる。
移動体10Cは、まず、未知のリスクポテンシャル28Cに振り分けられ、その範囲を移動する。この結果、未知のリスクポテンシャル28Cは既知となり、移動体10Cは、次の未知のリスクポテンシャル28Dに振り分けられ、その範囲を移動する。この結果、未知のリスクポテンシャル28Dは既知となり、移動体10Cは、さらに次の既知のリスクポテンシャル28Eに振り分けられ、被覆率1(100%)で情報を収集することができる。
(本実施の形態の変形例)
本実施の形態では、特定の領域12を監視する群52内に存在する複数の移動体10に対して、探索度が所定の水準を満たすように監視すべき未知のリスクポテンシャル28に振り分けるか、追従度が所定の水準を満たすように監視すべき既知のリスクポテンシャル28に振り分けるかの割合は、1:1(50%ずつ)の確率とした。言い換えれば、探索と追従との同時最適化の結果に依存して、移動体10は探索するか追従するかに振り分けられていた。
これに対して、変形例では、予め、探索専用の移動体10(図12では、網掛けされた移動体10S)と、追従専用の移動体10(図12では、白抜きされた移動体10F)とに分類した。なお、図12では、探索チームとして3台の移動体10Sと追従チームとして2台の移動体10Fとを配備しているが、この数及び割合は、限定されるものではない。また、専用の移動体10S又は10Fに加え、本実施の形態のように探索又は追従の何れにも振り分け可能な移動体10を混在させてもよい。
さらには、移動体10の一部又は全部に対して探索又は追従専用ではなく、振り分けの比率を何れかに重視するような比率としてもよい(例えば、8:2、3:7等)。
なお、領域12に配置された固定カメラ72を分散制御システムのネットワーク範囲としてもよい。図12(A)は固定カメラ72を分散制御システムのネットワークの範囲とした斜視図であり、図12(B)は固定カメラ72を分散制御システムのネットワークの範囲としない斜視図である。
(自律分散制御の一例)
以下に、本実施の形態の移動体分散制御システム50を適用したリスクポテンシャル28への移動制御において、ボロノイ領域を用いた実施例を説明する。
図13は、移動体の分散制御システムに適用される移動体10及び、移動体10が移動する領域12が示されている。
各移動体10の制御装置14では、位置認識モジュール22からの位置情報に基づいて、図13に示す領域12をボロノイ分割する。
ボロノイ分割とは、各ポイント(ここでは、移動体10の位置)の勢力圏を分析するものであり、移動体10までの距離が最短となる点の集合を1つのポリゴンで表したとき、それぞれをボロノイ領域という。例えば、図13において、二次元平面におけるボロノイ分割では、ボロノイ分割の境界線は、移動体10を結ぶ線分の垂直二等分線(図13の鎖線26)となり、鎖線26で区画された各ボロノイ領域(1)~(n)には、必ず1機の移動体10が存在する。なお、変数nはボロノイ分割数であり、図13ではn=17である。
ここでは、領域12の範囲で、移動体10は相互に自由に移動しており、その都度、ボロノイ領域は変化することになる。図13は、各移動体10が、点線の位置から実線の位置に移動したときのボロノイ領域となる。
また、図13に示す領域12において、図14(A)に示すように、本実施の形態で特定された探索領域及び追従領域であるリスクポテンシャル28を指定する。
ここでは、1単位のリスクポテンシャル28の面積は、1機の移動体10の監視モジュール18で監視し得る監視範囲の面積と同等としている。すなわち、矩形網状に図示されたリスクポテンシャル28の中心に1機の移動体10の中心が重なることで、リスクポテンシャル28の全てが監視範囲となる。
なお、リスクポテンシャル28の面積と監視範囲の面積とは必ずしも1:1である必要はない。
図14(A)の各移動体10の位置は、図13の位置と同一であり、各移動体10は、相互に位置情報を送受信しながら、自機の移動体10のボロノイ領域内でリスクポテンシャル28に向けて移動することになる。
図14(B)は、図14(A)に対して各移動体10が移動した結果であり、ボロノイ領域を維持しながらリスクポテンシャル28に向けて移動する従来技術の制御である(基本制御則)。
また、基本制御則に加え、個々のボロノイ領域を逸脱して、移動体10を効率よく利用して、リスクポテンシャル28を監視する特別制御則を設定するようにしてもよい。
なお、本実施の形態における領域12(外部環境領域、担当領域)は、陸海空を問わず設定可能である。
センシングを目的別で言えば、監視、調査、レスキュー、モニタリング、及び予報等が挙げられる。より具体的には、比較的狭い領域の場合、駐車場での車両や歩行者の監視、交差点での車両の往来のモニタリング、家屋等の不審者監視等がある。また、比較的広い領域の場合、発掘調査、災害現場での遭難者の捜索(レスキュー)、山林の状況管理、天候調査による予報等がある。
また、移動体10(アクチュエータ)として、空撮可能なドローンを挙げたが、例えば、車両、ボート等の他の移動体を自律分散制御するようにしてもよい。
10 移動体
12 領域
14 制御装置
16A CPU
16B RAM
16C ROM
16D 入出力ポート(I/O)
16E バス
18 監視モジュール
20 移動モジュール
22 位置認識モジュール
24 通信モジュール
26 鎖線
28 リスクポテンシャル
50 移動体分散制御システム
52 群
54 基地局(サーバ)
56 車両
58 分散制御部
60 事前知識情報取得部
62 履歴解析部
64 履歴集約部
66 予測制御部
68 移動体振分け部
70 情報処理部

Claims (7)

  1. 移動体であるアクチュエータを複数個移動させることで、カバレッジすべき対象領域を監視するカバレッジ装置であって、
    センシング情報が得られない外部環境領域として定義した対象領域に存在し、かつ移動する複数の監視対象各々の挙動による変動を、当該監視対象の存在頻度、分布及び重要度の少なくとも1つを用いて表現する状態量の変遷を事前知識情報として取得する取得手段と、
    前記取得手段で取得した事前知識情報と、各アクチュエータにおける、予め定めた期間、アクチュエータによる観測履歴を取得し、現在時刻から単位時間毎に所定回数だけ遡った期間中の既知の監視対象と未知の監視対象との状態量をアクチュエータ毎に把握して集約し、自アクチュエータの情報を含み、近傍の他アクチュエータの情報との観測履歴の和集合を演算することで得たカバレッジ履歴情報と、に基づいて、各アクチュエータにおける予め定めた期間、各アクチェエータの将来のダイナミクスを予測し、現在時刻から単位時間毎に所定回数だけ進めた期間中の既知の監視対象と未知の監視対象との状態量を移動体毎に導出する予測手段と、
    を有する予測制御装置。
  2. コンピュータを、
    請求項1記載の予測制御装置として動作させる予測制御プログラム。
  3. 複数のアクチュエータを移動させることで、カバレッジすべき対象領域を監視するカバレッジ装置であって、
    センシング情報が得られない外部環境領域として定義した対象領域に存在し、かつ移動する複数の監視対象各々の挙動による変動を、当該監視対象の存在頻度、分布及び重要度の少なくとも1つを用いて表現する状態量の変遷を事前知識情報として取得する取得手段と、
    前記取得手段で取得した事前知識情報と、各アクチュエータにおける、予め定めた期間、アクチュエータによる観測履歴を取得し、現在時刻から単位時間毎に所定回数だけ遡った期間中の既知の監視対象と未知の監視対象との状態量をアクチュエータ毎に把握して集約し、自アクチュエータの情報を含み、近傍の他アクチュエータの情報との観測履歴の和集合を演算することで得たカバレッジ履歴情報と、に基づいて、各アクチュエータにおける予め定めた期間、各アクチェエータの将来のダイナミクスを予測し、現在時刻から単位時間毎に所定回数だけ進めた期間中の既知の監視対象と未知の監視対象との状態量を移動体毎に導出する予測手段と、
    前記予測手段による予測結果からカバレッジすべき複数の対象領域を判定する判定手段と、
    前記判定手段がカバレッジすべきと判定した前記対象領域に、前記予測手段による予測結果に基づいて、前記対象領域をカバレッジするために、複数のアクチュエータの各々を、各対象領域に向かわせるカバレッジ装置。
  4. 前記対象領域が、センシング可能領域以外の死角領域であり、当該死角領域は、その位置及び大きさが経時的に変化することを特徴とする請求項3記載のカバレッジ装置。
  5. 相互に干渉しない担当領域に配置されると共に、監視範囲が変更可能なセンサを搭載し、及び互いに位置情報を送受信することで、衝突を回避しながら担当領域を変更するように移動する複数の移動体であって、
    自機の担当領域内の各監視対象の挙動による変動を、当該監視対象の存在頻度、分布及び重要度の少なくとも1つを用いて表現する状態量の変遷を事前知識情報として取得する取得手段と、
    前記取得手段で取得した事前知識情報と、各移動体における、予め定めた期間、移動体による観測履歴を取得し、現在時刻から単位時間毎に所定回数だけ遡った期間中の既知の監視対象と未知の監視対象との状態量を移動体毎に把握して集約し、自機の移動体の情報を含み、近傍の他機の移動体の情報との観測履歴の和集合を演算することで得たカバレッジ履歴情報と、に基づいて、各移動体における予め定めた期間、各移動体の将来のダイナミクスを予測し、現在時刻から単位時間毎に所定回数だけ進めた期間中の既知の監視対象と未知の監視対象との状態量を移動体毎に導出する予測手段と、
    前記予測手段での予測処理に基づく予測結果に基づき、前記移動体の移動を制御する移動制御手段と、
    を有する移動体。
  6. 相互に干渉しない担当領域に配置されると共に、監視範囲が変更可能なセンサをそれぞれ搭載した複数の移動体、及び前記複数の移動体が互いに位置情報を送受信することで、衝突を回避しながら担当領域を変更するように移動させる移動体の分散制御システムにおける制御装置であって、
    自機移動体の担当領域内の各監視対象の挙動による変動を、当該監視対象の存在頻度、分布及び重要度の少なくとも1つを用いて表現する状態量の変遷を事前知識情報として取得する取得手段と、
    前記取得手段で取得した事前知識情報と、各移動体における、予め定めた期間、移動体による観測履歴を取得し、現在時刻から単位時間毎に所定回数だけ遡った期間中の既知の監視対象と未知の監視対象との状態量を移動体毎に把握して集約し、自機の移動体の情報を含み、近傍の他機の移動体の情報との観測履歴の和集合を演算することで得たカバレッジ履歴情報と、に基づいて、各移動体における予め定めた期間、各移動体の将来のダイナミクスを予測し、現在時刻から単位時間毎に所定回数だけ進めた期間中の既知の監視対象と未知の監視対象との状態量を移動体毎に導出する予測手段と、
    前記予測手段での予測処理に基づく予測結果に基づき、前記移動体のそれぞれに移動先の監視対象を指定する指定手段と、
    前記指定手段で指定された監視対象が監視範囲となるように前記移動体のそれぞれを移動させる移動制御手段と、
    を有する分散制御装置。
  7. コンピュータを、
    請求項6記載の分散制御装置として動作させる
    移動体の分散制御プログラム。
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飯野 穣 YUTAKA IINO,ネットワーク化制御システムの展開 Recent Developments in Networked Control Systems,計測と制御 第47巻 第8号 JOURNAL OF THE SOCIETY OF INSTRUMENT AND CONTROL ENGINEERS,日本,社団法人計測自動制御学会 The Society of Instrument and Control Engineers,2008年08月10日,第47巻,649~656,ISSN 0453-4662

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