[第1実施例]
図1は、本発明の一実施例としてのパチンコ機1の正面図であり、図2は、第1実施例のパチンコ機1が有する遊技盤20の概略構成図であり、図3は、パチンコ機1の電気的な構成を示すブロック図である。本実施例では、始動口に遊技球が入球したことを契機として特別図柄の変動表示を開始し、当該特別図柄が所定の大当り図柄で停止表示されると、大当り遊技を開始する、いわゆるセブン機タイプの遊技機に本発明を適用した例について説明する。
[パチンコ機1の外観構成]
本実施例のパチンコ機1は、図1に示すように、前面枠(ガラス枠)3に嵌め込まれたガラス板(透明板)4を介して盤面が視認可能に配置された遊技盤20と、遊技球を貯留する上受け皿11および下受け皿12と、上受け皿11に貯留されている遊技球を遊技盤20へ発射するための発射ハンドル13と、を備える。本実施例のパチンコ機1は、プリペイドカードに対応したCR機であり、当該パチンコ機1の左側には、プリペイドカードの読み書きを行なうためのCRユニット50が設けられている。
前面枠3は、内枠5に嵌め込まれており、左側の上下に設けられたヒンジを支点として内枠5に対して開閉可能となっている。また、内枠5は、外枠2に嵌め込まれており、左側の上下に設けられたヒンジを支点として外枠2に対して開閉可能となっている。前面枠3と内枠5は、略長方形状のプラスティック製の枠体として構成されている。一方、外枠2は、略長方形状の木製の枠体として構成されており、遊技ホールの島設備の島枠に固定される。
前面枠3の上部左右には、遊技の進行に伴って種々の効果音を鳴らしたり遊技者に対して注意喚起するための警告音を鳴らしたりするスピーカ14が設けられている。また、前面枠3には、遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ(ランプ)15が複数設けられている。
上受け皿11には賞球や貸球が払い出されるようになっている。上受け皿11の上面右部には、CRユニット50に挿入されたプリペイドカードの残高等を表示する精算表示装置52が配設され、当該精算表示装置52には、遊技球の貸し出しを指示する球貸ボタン53と、CRユニット50に挿入されているプリペイドカードの精算(返却)を指示する精算ボタン54と、が設けられている。また、上受け皿11の上面中央部には、遊技者の操作に応じて各種演出を行なうための演出ボタン16が配設されている。下受け皿12は上受け皿11から溢れた球を受けることができるようになっている。
発射ハンドル13は、下受け皿12の右方に設けられており、遊技者により時計回りに回動操作されると、図示しない発射装置が有する発射モータ83(図3参照)が作動し、発射ハンドル13の回動操作量に応じた発射威力で遊技球を1球ずつ遊技盤20へ向けて打ち出す。
[遊技盤20の構成]
遊技盤20は、図2に示すように、外レール21aと内レール21bとによって囲まれる遊技領域21が形成されている。この遊技盤20は、遊技領域21の略中央部に設けられた演出表示装置37と、演出表示装置37の周囲に配置されたワープ入口やワープ樋,ステージ等を含むセンター役物38と、センター役物38の右方に配置された普通図柄作動ゲート22と、遊技領域21の下部に配置された第1始動口23と、普通図柄作動ゲート22の下方に配置された開閉式の第2始動口24と、遊技領域21の右下部に配置された大入賞口25と、遊技領域21の左下部に配置された常時開放の普通入賞口26と、何れの入賞口にも入らなかった遊技球を回収するためのアウト口29と、を備える。また、遊技盤20には、遊技領域21を流下する遊技球をガイドしたり弾いたりする多数の釘21cが植設されている。
第2始動口24は、普通電動役物として構成される可変式の入球口(所定の入賞口)であり、左右一対の開閉羽根(開閉部材)24bと、開閉羽根24bを作動させる第2始動口ソレノイド24c(図3参照)と、を備える。この第2始動口24は、通常は、開閉羽根24bが直立して遊技球の入球が困難な通常状態とされており、普通図柄が当り図柄で停止表示されて当り遊技(普通図柄当り遊技)が実行されるときに、第2始動口ソレノイド24cによって開閉羽根24bが左右に開くことにより、遊技球の入球が容易な開放状態とされる。第2始動口24には、遊技球の入球を検知してその入球数をカウントするための第2始動口スイッチ24a(図3参照)が取り付けられている。第2始動口24は、第2始動口スイッチ24aが遊技球の入球を規定数カウントするか、規定数カウントする前に予め定められた最大開放時間が経過すると閉鎖される。
大入賞口25は、特別電動役物として構成される可変式の入球口であり、開閉板(開閉部材)25bと、開閉板25bを作動させる大入賞口ソレノイド25c(図3参照)と、を備える。この大入賞口25は、通常は、開閉板25bによって塞がれて遊技球の入球が不能な閉鎖状態とされており、特別図柄が大当り図柄で停止表示されて大当り遊技が実行されるときに、大入賞口ソレノイド25cによって開閉板25bが手前に開くことにより、遊技球の入球が可能な開放状態とされる。大入賞口25には、遊技球の入球を検知してその入球数をカウントするための大入賞口スイッチ25a(図3参照)が取り付けられている。大入賞口25は、大入賞口スイッチ25aが遊技球の入球を規定数カウントするか、規定数カウントする前に予め定められた最大開放時間(例えば、28.0秒)が経過すると閉鎖される(ラウンド遊技)。大当り遊技は、上記ラウンド遊技を予め定められた複数回繰り返すことにより行なわれる。
第1始動口23は、遊技者が遊技球を遊技領域21の左側領域(第1遊技領域)に流下させるように発射ハンドル13を回動操作(いわゆる左打ち)することにより遊技球を入球させることができる。一方、第2始動口24と大入賞口25は、左打ちによって遊技球を入球させることは不可能であり、遊技球を遊技領域21の右側領域(第2遊技領域)に流下させるように発射ハンドル13を回動操作(いわゆる右打ち)することにより遊技球を入球させることができる。もっとも、第2始動口24および大入賞口25は、可変式の入賞口であり、それぞれ、普通図柄が当選した場合,特別図柄が大当りで当選した場合に開放されてはじめて遊技球が入球可能となる。
遊技盤20の右下部には、第1特別図柄表示装置(第1特図表示装置)31と、第2特別図柄表示装置(第2特図表示装置)32と、第1特別図柄保留数表示装置(第1特図保留数表示装置)33と、第2特別図柄保留数表示装置(第2特図保留数表示装置)34と、普通図柄表示装置(普図表示装置)35と、普通図柄保留数表示装置(普図保留数表示装置)36と、が配置されている。
第1特図表示装置31および第2特図表示装置32は、本実施例では、7セグメント表示装置として構成されており、各セグメントの点灯と消灯との組み合わせにより複数種類の表示態様を表現する。第1特図表示装置31および第2特図表示装置32は、始動口への遊技球の入球に基づいて表示態様を順次切り替えることにより特別図柄の変動表示を開始し、所定の変動時間が経過したときに予め定められた複数の停止表示態様の何れかで停止表示することにより特別図柄を停止表示する。そして、特別図柄が大当り図柄で停止表示されると、大当り遊技が実行され。また、実施例では、特別図柄が所定の時短図柄で停止表示されると、遊技状態が時短遊技状態となる。第1特図表示装置31は、第1始動口23への遊技球の入球に基づいて特別図柄を変動表示する第1始動口入球用の表示装置であり、第2特図表示装置32は、第2始動口24への遊技球の入球に基づいて特別図柄を変動表示する第2始動口入球用の表示装置である。なお、第1特図表示装置31により表示される特別図柄を第1特別図柄(第1特図)とも呼び、第2特図表示装置32により表示される特別図柄を第2特別図柄(第2特図)とも呼ぶ。
ここで、特別図柄の大当り図柄には、通常大当りとなる通常大当り図柄と、確変大当りとなる確変大当り図柄とが含まれる。確変大当りは、大当り遊技の終了後の遊技状態として、特別図柄の変動表示回数が所定回数(実施例では50回)に達するまで、特別図柄の当選確率(大当り確率)が通常遊技状態よりも高確率に設定されると共に特別図柄の変動時間が通常遊技状態よりも短縮される確変遊技状態が発生し、本実施例では合わせて時短遊技状態が発生する当り態様である。時短遊技状態は、普通図柄の当選確率が通常遊技状態よりも高確率に設定され、普通図柄の変動時間が通常遊技状態よりも短縮され、且つ、普通図柄が当選したときの第2始動口24の開放時間が通常遊技状態よりも延長される状態であり、普通電動役物の作動頻度が通常遊技状態よりも高くなる。この確変遊技状態(時短遊技状態を含む)において、特別図柄の変動表示回数が所定回数に達すると、確変遊技状態は終了し、通常遊技状態に戻る。通常大当りは、大当り遊技の終了後の遊技状態が通常遊技状態となるものであるが、確変遊技状態とならずに時短遊技状態となるものでもよいし、大当り遊技の終了後の遊技状態が時短遊技状態となるものと通常遊技状態となるものとが含まれてもよい。なお、本実施例の時短遊技状態は、普通図柄の当選確率が通常遊技状態よりも高確率に設定される構成を例示したが、これに限らず、通常遊技状態と同じ低確率のまま維持される構成でもよい。また、大当り遊技状態を介して発生する時短遊技状態のみ、高確率に設定され、他の時短遊技状態すなわち時短図柄の確定表示を起因とした大当り遊技状態を介さないで発生する時短遊技状態では、高確率に設定されない構成としてもよい。
また、特別図柄には、大当り図柄の他に、大当りを発生させることなく時短遊技状態を発生させる時短図柄を含む。時短図柄は、特別図柄の変動表示回数が所定回数(例えば10回)に達するまで時短遊技状態が継続し、所定回数に達すると時短遊技状態は終了し、通常遊技状態に戻る。
なお、第1特別図柄の変動表示中や大当り遊技中に、第1始動口23に遊技球が入球した場合、第1特別図柄の変動表示を所定数(実施例では4回)まで保留し、現在の変動表示が終了した後に、保留している第1特別図柄の変動表示を順次開始する。第1特別図柄の保留数は、第1特図保留数表示装置33に表示される。一方、第2特別図柄の変動表示中や大当り遊技中に、第2始動口24に遊技球が入球した場合も、第2特別図柄の変動表示を所定数(例えば、4回)まで保留し、現在の変動表示が終了した後に、保留している第2特別図柄の変動表示を順次開始する。第2特別図柄の保留数は、第2特図保留数表示装置34に表示される。
普図表示装置35は、本実施例では、複数の表示部を有するLED表示装置として構成されている。普図表示装置35は、普通図柄作動ゲート22に設けられたゲートスイッチ22aのいずれかが遊技球を検知したことに基づいて、複数の表示部のそれぞれについて点灯と消灯とを繰り返すことにより普通図柄を変動表示し、所定の変動時間が経過すると、複数の表示部のそれぞれについて点灯あるいは消灯することにより普通図柄を停止表示する。そして、複数の表示部のうち特定の表示部が点灯している場合が当り図柄となり、それ以外の場合が外れ図柄となる。普通図柄が当り図柄で停止表示されると、第2始動口24が開放される。
なお、本実施例では、普通図柄の変動表示中に遊技球が普通図柄作動ゲート22を通過したときには、普通図柄の変動表示を所定数(例えば、4個)まで保留し、現在の変動表示が終了したときに、保留している普通図柄の変動表示を順次開始する。普通図柄の保留数は、普図保留数表示装置36に表示される。
演出表示装置37は、液晶ディスプレイ等により構成される画像表示装置であり、表示画面上で特別図柄に対応する疑似図柄としての演出図柄371L,371C,371Rの表示の他、リーチ演出や予告演出、キャラクタ演出(キャラクタ373の表示)等の様々な演出表示を行なう。図4は、演出表示装置37の演出表示の一例を示す説明図である。図示するように、演出表示装置37の表示画面の中央部には、数字や英字、文字、記号、キャラクタ等からなる左,中,右の3つの演出図柄371L,371C,371Rが表示される。3つの演出図柄371L,371C,371Rは、始動口(第1始動口23または第2始動口24)に遊技球が入球すると、上から下へスクロールするように変動表示され、所定の変動時間が経過すると、左,右,中の順に停止表示される。右の演出図柄371Rが停止表示されたときに当該右の演出図柄371Rが左の演出図柄371Lと一致しなかったときには、外れ(通常外れ)となる。一方、右の演出図柄371Rが左の演出図柄371Lと一致したときには、リーチとなり、リーチ演出に移行する。そして、当該リーチ演出を経て中の演出図柄371Cが停止表示されたときに当該中の演出図柄371Cが左右の演出図柄371L,371Rと一致しなかったときには、外れとなり(リーチ外れ)、中の演出図柄371Cが左右の演出図柄371L,371Rと一致したときには、大当りとなる。また、3つの演出図柄371L,371C,371Rが特定の組み合わせで停止表示されると、時短となる。
更に、演出表示装置37の表示画面内には、図4に示すように、保留図柄372も表示される。保留図柄372は、現在の遊技状態が通常遊技状態のときには、第1特別図柄の保留記憶に対応する図柄となる。すなわち、現在の遊技状態が通常遊技状態のときには、第1特別図柄の変動表示中に第1始動口23に遊技球が入球する毎に右側から順に1つずつ追加表示され、第1特別図柄の変動表示が開始される毎に始動入球時とは逆側から1つずつ消去される。また、保留図柄372は、現在の遊技状態が確変遊技状態または時短遊技状態のときには、第2特別図柄の保留記憶に対応する図柄となる。すなわち、遊技状態が確変遊技状態または時短遊技状態のときには、第2特別図柄の変動表示中に第2始動口24に遊技球が入球する毎に右側から順に1つずつ追加表示され、第2特別図柄の変動表示が開始される毎に始動入球時とは逆側から1つずつ消去される。
[制御回路の構成]
また、パチンコ機1は、図3に示すように、その制御回路として、主制御装置60と、払出制御装置70と、発射制御装置80と、サブ統合制御装置90と、演出表示制御装置91と、図示しない電源基板と、を備える。主制御装置60は、CPU60aを中心としたマイクロプロセッサとして構成され、CPU60aの他に、処理プログラムやテーブルを記憶するROM60b,処理プログラムの実行に際してデータを一時的に記憶するRAM60c,入出力ポート,通信ポートなどを備える。なお、図示しないが、払出制御装置70や発射制御装置80も同様に、CPUを中心としたマイクロプロセッサとして構成され、CPUの他に、ROM,RAM,入出力ポート,通信ポートなどを備える。また、パチンコ機1には外部接続端子板65が設けられており、外部接続端子板65により遊技状態や遊技結果を示す信号がホールコンピュータ100(図3参照)へ送信される。
主制御装置60は、遊技の基本的な進行の制御を行なうものである。図3に示すように、主制御装置60には、前面枠3の開放を検知する前面枠開放スイッチ3aや、内枠5の開放を検知する内枠開放スイッチ5a等からの検知信号が裏配線中継端子板64を介して入力される。また、主制御装置60には、普通図柄作動ゲート22への遊技球の通過を検知するゲートスイッチ22aや第1始動口23への遊技球の入球を検知する第1始動口スイッチ23a、第2始動口24への遊技球の入球を検知する第2始動口スイッチ24a、大入賞口25への遊技球の入球を検知する大入賞口スイッチ25a、普通入賞口26への遊技球の入球を検知する普通入賞口スイッチ26a等からの検知信号が遊技盤中継端子板61を介して入力される。一方、主制御装置60からは、第2始動口ソレノイド24cや大入賞口ソレノイド25c等への駆動信号が遊技盤中継端子板61を介して出力される。また、主制御装置60からは、第1特図表示装置31や第2特図表示装置32、第1特図保留数表示装置33、第2特図保留数表示装置34、普図表示装置35、普図保留数表示装置36等への表示信号が図柄表示装置中継端子板62を介して出力される。更に、主制御装置60からは、ホールコンピュータ100への信号が裏配線中継端子板64および外部接続端子板65を介して出力される。
払出制御装置70は、賞球や貸球の払い出しに関する制御を司るものである。この払出制御装置70には、上受け皿11に払い出す遊技球を貯留するための図示しない球タンクの球切れを検知する球切れスイッチ76からの検知信号が裏配線中継端子板64を介して入力され、上受け皿11に払い出される遊技球を検知する払出スイッチ74からの検知信号が払出中継端子板71および裏配線中継端子板64を介して入力され、下受け皿12の満杯を検知する満杯スイッチ75からの検知信号が直接に入力される。一方、払出制御装置70からは、払出モータ73への駆動信号が裏配線中継端子板64および払出中継端子板71を介して出力される。払出制御装置70は、主制御装置60と双方向通信が可能に構成されており、主制御装置60から送信されるコマンドに従って払出モータ73を駆動して賞球の払い出しを行なう。払出制御装置70は、球切れスイッチ76および満杯スイッチ75の何れかから検知信号を入力すると、その検知の状況が解消して検知信号を入力しなくなるまで、払出モータ73を駆動停止し、賞球の払出動作を中断する。
また、払出制御装置70は、CRユニット端子板51を介してCRユニット50と通信可能に構成されている。CRユニット端子板51は精算表示装置52と双方向通信が可能に構成されており、払出制御装置70には、精算表示装置52に設けられた球貸スイッチ53aや精算スイッチ54aからの検知信号がCRユニット端子板51を介して入力される。なお、球貸スイッチ53aは、球貸ボタン53の操作を検知して検知信号を出力するものであり、精算スイッチ54aは、精算ボタン54の操作を検知して検知信号を出力するものである。払出制御装置70は、球貸コマンドを入力すると、払出モータ73を駆動して貸球の払い出しを行なう。また、払出制御装置70は、発射制御装置80とも双方向通信が可能に構成され、満杯スイッチ75から検知信号を入力する等の所定の発射停止条件が成立したときに、発射制御装置80に対して発射停止コマンドを送信する。
発射制御装置80は、遊技領域21への遊技球の発射に関する制御を司るものである。この発射制御装置80には、発射ハンドル13の回動操作に応じて出力される回動量信号や、発射停止ボタンの操作を検知する発射停止スイッチ81からの発射停止信号、遊技者が発射ハンドル13に触れていることを検知するタッチスイッチ82からのタッチ信号等が入力される。一方、発射制御装置80からは、発射モータ83への駆動信号が出力される。発射制御装置80は、回動量信号に基づいて遊技球が遊技領域21へ発射されるよう発射モータ83を制御する。なお、発射制御装置80は、タッチ信号を入力していないときや発射停止信号を入力しているときには、発射ハンドル13の操作に拘わらず発射モータ83の駆動を停止し、遊技球を発射させない。
サブ統合制御装置90は、遊技の演出に関する制御を司るものである。サブ統合制御装置90は、CPU90aを中心としたマイクロプロセッサとして構成され、CPU90aの他に、ROM90b,RAM90c,入出力ポート,通信ポートなどを備える。このサブ統合制御装置90は、演出中継端子板63を介して主制御装置60から一方向通信により各種コマンドを受信可能となっており、受信したコマンドに応じた演出制御を行なう。サブ統合制御装置90には、演出ボタン16の操作を検知する演出ボタンスイッチ16aからの検知信号が入力される。一方、サブ統合制御装置90からは、スピーカ14への音声信号や各種LEDやランプ15への点灯信号が出力される。また、サブ統合制御装置90からは、演出表示制御装置91への演出表示制御用のコマンドが一方向通信により出力される。演出表示制御装置91は、サブ統合制御装置90からの演出表示制御用のコマンドを受信し、そのコマンドに応じた演出画像が演出表示装置37に表示されるよう当該演出表示装置37の表示制御を行なう。
[パチンコ機1の遊技の概要]
次に、こうして構成されたパチンコ機1における遊技の概要について説明する。図5は、パチンコ機1の仕様を説明する説明図である。本実施例のパチンコ機1では、第1特別図柄には、大当り図柄と時短図柄とが含まれる。一方、第2特別図柄には、大当り図柄が含まれ、時短図柄が含まれない。第1特別図柄の大当り確率と第2特別図柄の大当り確率は、遊技状態が通常遊技状態である場合と確変遊技状態にない時短遊技状態である場合には、1/300であり、遊技状態が確変遊技状態である場合には、1/100である。また、第1特別図柄の時短確率(大当りを介さずに時短遊技状態が発生する確率)は、1/150である。大当りが発生した後に遊技状態が確変遊技状態(時短遊技状態を含む)に移行する確率(大当り図柄のうち確変大当り図柄を引く確率)は、50%であり、当該確変遊技状態は、特別図柄の変動表示回数が50回に達するまで継続する。
また、普通図柄の当選確率は、遊技状態が通常遊技状態である場合には、1/100であり、遊技状態が時短遊技状態である場合には、1/1(100%)である。また、普通図柄の変動時間は、遊技状態が通常遊技状態である場合には、30秒であり、遊技状態が時短遊技状態である場合には、1秒である。そして、普通図柄が当選したときの第2始動口24の開放時間は、遊技状態が通常遊技状態である場合には、最大0.2秒間、1回開放され、遊技状態が時短遊技状態である場合には、最大6.0秒間、1回開放される。
こうした仕様のパチンコ機1において、遊技状態が通常遊技状態である場合には、左打ちにより遊技を進行させ、第1始動口23に遊技球が入球すると、第1特別図柄の変動表示が開始される。第1特別図柄が大当り図柄で確定表示されると、大当りとなり、大入賞口25が開放される大当り遊技が実行される。大入賞口25は、左打ちでは遊技球の入球が不能であり、右打ちすることにより遊技球の入球が可能となる。したがって、大当り遊技が実行されると、遊技者は右打ちすることにより大当り遊技が消化されることになる。
通常遊技状態において第1特別図柄が確変大当り図柄で確定表示されると、大当り遊技の終了後に確変遊技状態へ移行し、時短遊技状態も発生するから、普通図柄の当選確率が高くなると共に普通図柄が当選したときの第2始動口24の開放時間が延長されている。したがって、遊技者は、右打ちすることにより、第2始動口24に容易に遊技球を入球させることができる。第2始動口24に遊技球が入球すると、第2特別図柄の変動表示が開始される。そして、第2特別図柄が確変大当り図柄で確定表示されると、大当り遊技の終了後の遊技状態は、確変遊技状態となるため、大当りを連続して発生させること(連チャン)により、大量の出玉を獲得することができる。一方、確変遊技状態中に第2特別図柄が通常大当り図柄で確定表示されると、大当り遊技の終了後の遊技状態は、通常遊技状態に戻る。
また、実施例では、第1特別図柄に時短図柄が含まれており、第1特別図柄が時短図柄で確定表示されると、大当り遊技が実行されることなく時短遊技状態が発生する。時短遊技状態は、通常遊技状態に比して第2始動口24への遊技球の入球が容易となり、第2特別図柄を頻繁に変動表示させることができるため、遊技者は、持ち球を余り減らすことなく、大当りの発生を期待することができる。なお、時短図柄に限られず、第1特別図柄が特定の外れ図柄で確定表示された場合に時短遊技状態を発生させてもよい。
[主制御処理]
次に、パチンコ機1の動作、特に主制御装置60の動作について更に詳細に説明する。図6は、主制御装置60のCPU60aにより実行される主制御処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、パチンコ機1の電源スイッチが操作されたときに実行される。主制御処理は、パチンコ機1の電源投入に必要な電源投入処理を実行した後(S100)、乱数更新処理(S110)と、入賞確認処理(S120)と、始動入賞処理(S130)と、普通図柄遊技処理(S140)と、普通図柄当り遊技処理(S150)と、第1特別図柄遊技処理(S160)と、第2特別図柄遊技処理(S170)と、大当り遊技処理(S180)と、を繰り返し実行することにより行なわれる。なお、本実施例では、S110~S180の処理に要する時間は約2msecであり、これらの処理は、約2msecの間隔で繰り返し実行される。主制御装置60は、主制御処理の実行により、各種コマンドを担当する制御装置に送信してコマンドに応じた処理を実行させることで、パチンコ機1の全体の遊技を進行させている。
[乱数更新処理]
S110の乱数更新処理は、各種判定用乱数を更新する処理である。判定用乱数としては、例えば、始動口(第1始動口23または第2始動口24)への遊技球の入球に基づいて行なわれる大当り判定に用いる大当り判定用乱数や、始動口への遊技球の入球に基づいて行なわれる時短判定に用いる時短判定用乱数、大当り判定の結果が大当りであった場合に特図表示装置(第1特図表示装置31または第2特図表示装置32)に停止表示させる大当り図柄の決定に用いる大当り図柄決定用乱数、時短判定の結果が時短有り(当り)であった場合に特図表示装置(第1特図表示装置31)に停止表示させる時短図柄の決定に用いる時短図柄決定用乱数、大当り判定および時短判定の結果がいずれも外れであった場合に特図表示装置(第1特図表示装置31または第2特図表示装置32)に停止表示させる外れ図柄の決定に用いる外れ図柄決定用乱数、特別図柄の変動表示パターン(変動時間)の決定に用いる変動パターン決定用乱数、普通図柄作動ゲート22への遊技球の通過に基づいて行なわれる当否判定に用いる普通図柄当否判定用乱数などを挙げることができる。乱数更新処理を終了すると、主制御処理に戻って次の入賞確認処理(S120)に進む。
[入賞確認処理]
S120の入賞確認処理は、各種センサ(ゲートスイッチ22aや第1始動口スイッチ23a、第2始動口スイッチ24a、大入賞口スイッチ25a、普通入賞口スイッチ26aなど)の状態を検出してRAM60cの所定の状態記憶領域に保存する。そして、上述のスイッチのいずれかにより遊技球が検知された否かを判定し、検知されたと判定すると、入球コマンドをサブ統合制御装置90に送信する。また、上述のスイッチのうち賞球に関わるスイッチ(第1始動口スイッチ23a、第2始動口スイッチ24a、大入賞口スイッチ25a、普通入賞口スイッチ26a)により遊技球が検知されたか否かを判定し、検知されたと判定すると、払い出すべき賞球数を演算して賞球情報としてRAM60cの所定の賞球情報記憶領域に保存する。そして、賞球情報が値0でないときには賞球数指定コマンド(賞球情報)を払出制御装置70に送信して入賞確認処理を終了する。払出制御装置70は、賞球数指定コマンドを受信すると、払出モータ73を駆動して遊技球を1球ずつ払い出すと共に払出スイッチ74により払い出した遊技球が検知される度に賞球情報(未払いの遊技球数)を値1ずつデクリメントする賞球払出処理を実行する。この賞球払出処理は、賞球情報が値0となるまで繰り返し実行されるが、遊技球の入球が検知されて主制御装置60から新たな賞球数指定コマンドを受信すると、その賞球情報も値0となるまで処理が繰り返される。入賞確認処理を終了すると、主制御処理に戻って次の始動入賞処理(S130)に進む。
[始動入賞処理]
図7は、始動入賞処理の一例を示すフローチャートである。S130の始動入賞処理では、主制御装置60のCPU60aは、まず、第1始動口スイッチ23aからの検知信号を入力して第1始動口23に遊技球が入球したか否かを判定する(S200)。第1始動口23に遊技球が入球したと判定すると、現在の第1特別図柄の保留数(第1特図保留数)がその上限数(本実施例では、値4)よりも少ないか否かを判定する(S202)。第1特別図柄の保留数が上限数よりも少ないと判定したときには、第1特別図柄の保留数を値1だけインクリメントすると共に第1特図保留数表示装置33の表示を更新し(S204)、第1特別図柄の判定用乱数を取得してRAM60cの所定の判定用乱数記憶領域に格納する(S206)。ここで、S206で取得される判定用乱数としては、上述した大当り判定用乱数や時短判定用乱数、大当り図柄決定用乱数、時短図柄決定用乱数、外れ図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数など第1特別図柄の変動遊技の進行に関する情報を挙げることができる。次に、取得した判定用乱数に基づいて先読み判定処理を実行する(S208)。ここで、先読み判定処理は、S206で取得した判定用乱数に基づいて第1特別図柄を変動表示する直前に行なわれる判定に先立って当該判定用乱数に基づいて行なう処理であり、本実施例では、大当り判定用乱数の確認を行なう。また、確認の結果、大当りに該当するものであった場合には大当り図柄決定用乱数を用いていずれの大当り図柄に該当するかの確認を行なってもよい。また、変動パターン決定用乱数の確認を行なってもよく、いずれの変動パターンに該当するかなどを確認してもよい。そして、第1特別図柄先読み判定コマンドをサブ統合制御装置90に送信すると共に(S210)、第1特別図柄保留数指示コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S212)、S214の処理に進む。第1特別図柄先読み判定コマンドには、S208の先読み判定に係る確認の結果(先読み結果)などが含まれる。なお、遊技状態に応じて先読み判定処理を行なうか否かが異なるものなどとしてもよく、先読み判定処理を行なわない場合には、S208,S210の処理を省略すればよい。また、先読み判定コマンドに確認結果を含むものに限られず、取得した各判定用乱数の情報を含むものとし、そのコマンドを受信したサブ統合制御装置90がS208の先読み判定処理を実行するものなどとしてもよい。また、第1特別図柄保留数指示コマンドには、演出表示装置37に保留図柄372を表示させるための第1特別図柄の保留数に関する情報が含まれる。なお、S200で第1始動口23に遊技球が入球していないと判定したり、S202で第1特別図柄の保留数が上限数に達していると判定したりすると、S204~S212の処理をスキップして次のS214の処理に進む。
なお、判定用乱数記憶領域を当否判定用の記憶領域と先読み判定用の記憶領域とに分け、取得した判定用乱数をそれぞれの記憶領域に記憶する構成を採用することもできるし、判定用乱数記憶領域に記憶した判定用乱数を当否判定と先読み判定とで共用する構成を採用することもできる。また、判定用乱数を取得した際にそのまま先読み判定を実行し、その後に、取得した判定用乱数を当否判定のために判定用乱数記憶領域に記憶する構成を採用することもできる。いずれの構成を採用しても、先読み演出(前兆演出)のための先読み判定を問題なく実行することができる。
次に、第2始動口スイッチ24aからの検知信号を入力して第2始動口24に遊技球が入球したか否かを判定する(S214)。第2始動口24に遊技球が入球したと判定すると、現在の第2特別図柄の保留数(第2特図保留数)がその上限数(本実施例では、値4)よりも少ないか否かを判定する(S216)。第2特別図柄の保留数が上限数よりも少ないと判定したときには、第2特別図柄の保留数を値1だけインクリメントすると共に第2特図保留数表示装置34の表示を更新し(S218)、第2特別図柄の判定用乱数を取得してRAM60cの所定の判定用乱数記憶領域に格納する(S220)。ここで、S220で取得される判定用乱数としては、上述した大当り判定用乱数や大当り図柄決定用乱数、外れ図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数など第2特別図柄の変動遊技の進行に関する情報を挙げることができる。次に、取得した判定用乱数に基づいて先読み判定処理を実行する(S222)。ここで、先読み判定処理は、S220で取得した判定用乱数に基づいて第2特別図柄を変動表示する直前に行なわれる判定に先立って当該判定用乱数に基づいて行なう処理であり、本実施例では、大当り判定用乱数の確認を行なう。また、確認の結果、大当りに該当するものであった場合には大当り図柄決定用乱数を用いていずれの大当り図柄に該当するかの確認を行なってもよい。また、変動パターン決定用乱数の確認を行なってもよく、いずれの変動パターンに該当するかなどを確認してもよい。そして、第2特別図柄先読み判定コマンドをサブ統合制御装置90に送信すると共に(S224)、第2特別図柄保留数指示コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S226)、S228の処理に進む。なお、遊技状態に応じて先読み判定処理を行なうか否かが異なるものなどとしてもよく、先読み判定処理を行なわない場合には、S222,S224の処理を省略すればよい。第2特別図柄先読み判定コマンドには、S222の先読み判定に係る確認の結果(先読み結果)などが含まれる。また、先読み判定コマンドに確認結果を含むものに限られず、取得した各判定用乱数の情報を含むものとし、そのコマンドを受信したサブ統合制御装置90がS222の先読み判定処理を実行するものなどとしてもよい。また、第2特別図柄保留数指示コマンドには、演出表示装置37に保留図柄372を表示させるための第2特別図柄の保留数に関する情報が含まれる。なお、S214で第2始動口24に遊技球が入球していないと判定したり、S216で第2特別図柄の保留数が上限数に達していると判定したりすると、S218~S226の処理をスキップして次のS228の処理に進む。
次に、ゲートスイッチ22aからの検知信号を入力して普通図柄作動ゲート22を遊技球が通過したか否かを判定する(S228)。普通図柄作動ゲート22を遊技球が通過したと判定すると、現在の普通図柄の保留数がその上限数(例えば、値4)よりも少ないか否かを判定する(S230)。普通図柄の保留数が上限数よりも少ないと判定したときには、普通図柄の保留数を値1だけインクリメントすると共に普図保留数表示装置36の表示を更新する(S232)。次に、普通図柄の判定用乱数を取得してRAM60cの所定の判定用乱数記憶領域に格納する(S234)。なお、普通図柄の判定用乱数としては、上述した普通図柄当否判定用乱数などの普通図柄の変動遊技の進行に関する情報を例示することができる。そして、普通図柄保留数指示コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S236)、始動入賞処理を終了する。S228で普通図柄作動ゲート22に遊技球が通過していないと判定したり、S230で普通図柄の保留数が上限値に達していると判定したりすると、S232~S236の処理をスキップして、始動入賞処理を終了する。始動入賞処理を終了すると、主制御処理に戻って次の普通図柄遊技処理(S140)に進む。
[普通図柄遊技処理]
図8は、普通図柄遊技処理の一例を示すフローチャートである。S140の普通図柄遊技処理では、主制御装置60のCPU60aは、まず、普通図柄当りフラグが値1、すなわち普通図柄当り遊技中であるか否かを判定する(S300)。普図当りフラグが値1(普通図柄当り遊技中)であると判定すると、普通図柄遊技処理を終了する。普通図柄遊技処理が終了すると、次のS150の普通図柄当り遊技処理に進む。一方、普図当りフラグが値1でないと判定すると、普通図柄が変動表示中であるか否か(S302)、普通図柄の確定図柄の表示時間中であるか否か(S304)、をそれぞれ判定する。普通図柄が変動表示中でなく、確定図柄の表示時間中でもないと判定すると、普通図柄の保留数が値0よりも多いか否かを判定する(S306)。普通図柄の保留数が値0よりも多くない、すなわち値0であると判定すると、普通図柄遊技処理を終了する。一方、普通図柄の保留数が値0よりも多いと判定すると、判定用乱数記憶領域に記憶されている普通図柄当否判定用乱数のうち最も古いものを読み出し(S308)、普通図柄の変動表示を行なうための普通図柄変動表示関連処理を実行して(S310)、普通図柄遊技処理を終了する。以下、S310の普通図柄変動表示関連処理の詳細について図9のフローチャートを用いて説明する。
普通図柄変動表示関連処理では、時短フラグが値0であるか否か、すなわち現在の遊技状態が時短遊技状態でないかを判定する(S350)。時短フラグは、現在の遊技状態が時短遊技状態であるかを示すフラグである。時短フラグが値0であると判定すると、現在の遊技状態が時短遊技状態でないと判断し、取得した普通図柄当否判定用乱数に基づいて低確率用普通図柄当り判定テーブルを用いて当否判定を行ない(S352)、時短フラグが値0でなく値1であると判定すると、現在の遊技状態が時短遊技状態であると判断し、取得した普通図柄当否判定用乱数に基づいて高確率用普通図柄当り判定テーブルを用いて当否判定を行なう(S354)。普通図柄の当否判定は、普通図柄当否判定用乱数と普通図柄当り判定テーブルに含まれる当り値とを比較することにより行ない、普通図柄当否判定用乱数が当り値と一致したときには当りと判定し、一致しなかったときには外れと判定する。高確率用普通図柄当り判定テーブルは、低確率用普通図柄当り判定テーブルに比して、多くの当り値が定められており、本実施例では、当り確率が100%となるように普通図柄当否判定用乱数と同じ数の当り値が定められている。したがって、本実施例では、時短遊技状態では、当否判定処理が実行されると必ず当りと判定される。当否判定の結果、当りと判定すると(S356の「YES」)、普通図柄の確定図柄に当り図柄を設定し(S358)、普通図柄の変動表示を開始してから当り図柄で確定表示するまでの普通図柄の変動時間(当り変動パターン)を決定する(S360)。また、当否判定の結果、外れと判定すると(S356の「NO」)、普通図柄の確定図柄に外れ図柄を設定し(S362)、普通図柄の変動表示を開始してから外れ図柄で確定表示するまでの普通図柄の変動時間(外れ変動パターン)を決定する(S364)。普通図柄の変動時間は、時短遊技状態の方が通常遊技状態よりも短い時間が設定される。こうして普通図柄の確定図柄と変動時間(変動パターン)とを決定すると、普通図柄の変動表示を開始し(S366)、普通図柄の保留数を値1だけデクリメントすると共に普図保留数表示装置36の表示を更新し(S368)、普通図柄変動開始コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S370)、普通図柄遊技処理を終了する。
図8の普通図柄遊技処理に戻って、普通図柄の変動表示を開始すると、次に普通図柄遊技処理が実行されたときに、主制御装置60のCPU60aは、S302で普通図柄が変動表示中であると判定するため、次に、S360またはS364で決定した普通図柄の変動時間が経過(変動パターンが終了)したか否かを判定する(S312)。普通図柄の変動時間が経過していないと判定すると、普通図柄遊技処理を一旦終了し、普通図柄の変動時間が経過したと判定すると、変動表示中の普通図柄の確定図柄を表示する確定図柄表示処理を行なう(S314)。そして、確定図柄表示時間(例えば0.5秒)が経過したか否かを判定する(S316)。確定図柄表示時間が経過していないと判定すると、普通図柄遊技処理を一旦終了する。普通図柄の確定図柄が表示された後に、普通図柄遊技処理が実行されると、S304で確定図柄の表示時間中であると判定するため、再びS316で確定図柄表示時間が経過したか否かを判定し、確定図柄表示時間が経過したと判定すると、確定図柄の表示を終了する(S318)。
そして、普通図柄の確定図柄が当り図柄であるか否かを判定する(S320)。普通図柄の確定図柄が当り図柄でなく外れ図柄であると判定すると、普通図柄遊技処理を終了する。一方、普通図柄の確定図柄が当り図柄であると判定すると、普通図柄当りフラグ(普図当りフラグ)に値1を設定し(S322)、普通図柄当り遊技開始コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S324)、普通図柄遊技処理を終了する。普通図柄遊技処理を終了すると、次のS150の普通図柄当り遊技処理に進む。
[普通図柄当り遊技処理]
図10は、普通図柄当り遊技処理の一例を示すフローチャートである。S150の普通図柄当り遊技処理では、主制御装置60のCPU60aは、まず、普図当りフラグが値1であるか否かを判定する(S400)。普図当りフラグが値1でなく値0であると判定すると、普通図柄当り遊技処理を終了する。一方、普図当りフラグが値1であると判定すると、第2始動口24が開放中であるか否かを判定する(S402)。第2始動口24が開放中でないと判定すると、開放待ち時間が経過したか否かを判定する(S404)。開放待ち時間が経過していないと判定すると、普通図柄当り遊技処理を終了する。一方、開放待ち時間が経過したと判定すると、第2始動口24の開放パターンを設定すると共に(S406)、設定した開放パターンで第2始動口24が開放するよう第2始動口ソレノイド24cを制御し(S408)、第2始動口開放コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S410)、普通図柄当り遊技処理を一旦終了する。第2始動口24の開放パターンは、遊技状態によって異なる。本実施例では、遊技状態が通常遊技状態である場合には、最大0.2秒間、1回開放される開放パターンが設定され、遊技状態が時短遊技状態である場合には、最大6.0秒間、1回開放される開放パターンが設定される。
第2始動口24を開放すると、次に普通図柄当り遊技処理を実行したときに、S402で第2始動口24が開放中であると判定するため、第2始動口スイッチ24aからの検知信号に基づいて第2始動口24に遊技球が入球したか否かを判定し(S412)、入球したと判定すると、第2始動口入球コマンドをサブ統合制御装置90に送信し(S414)、第2始動口24に遊技球が規定数(例えば4個)入球したか否かを判定する(S416)。また、S412で第2始動口24に遊技球が入球していないと判定すると、第2始動口24の開放を開始してからの経過時間がS406で設定した最大開放時間に達したか否かを判定する(S418)。第2始動口24に遊技球が規定数入球していないと判定するか、第2始動口24の開放を開始してからの経過時間が設定した最大開放時間に達してもいないと判定すると、第2始動口24の開放を維持したまま普通図柄当り遊技処理を一旦終了する。一方、第2始動口24に遊技球が規定数入球したと判定したり、第2始動口24の開放を開始してからの経過時間が設定した最大開放時間に達したと判定すると、第2始動口24を閉鎖する(S420)。そして、普通図柄当り遊技を終了させるために、普図当りフラグに値0を設定し(S422)、普通図柄当り遊技終了コマンド(第2始動口閉鎖コマンド)をサブ統合制御装置90に送信して(S424)、普通図柄当り遊技処理を終了する。普通図柄当り遊技処理を終了すると、次に、S160の第1特別図柄遊技処理に進む。
[第1特別図柄遊技処理]
図11および図12は、第1特別図柄遊技処理の一例を示すフローチャートである。S160の第1特別図柄遊技処理では、主制御装置60のCPU60aは、まず、大当りフラグが値1であるか否かを判定する(S500)。大当りフラグが値1であると判定すると、大当り遊技中であると判断し、第1特別図柄遊技処理を終了する。本実施例では、第1特別遊技処理を終了すると、主制御処理に戻って第2特別図柄遊技処理(S170)に進むが、第2特別図柄遊技処理においても後述するS600で大当りフラグが値1であると判定して第2特別図柄遊技処理を終了するため、次の大当り遊技処理(S180)に進む。なお、第2特別図柄遊技処理をスキップして大当り遊技処理に直接進むものとしてもよい。一方、大当りフラグが値1でないと判定すると、大当り遊技中でないと判断し、第1特別図柄が変動表示中であるか否か(S502)、第1特別図柄の確定図柄の表示時間中であるか否か(S504)、をそれぞれ判定する。第1特別図柄が変動表示中ではなく確定図柄の表示時間中でもないと判定すると、第1特別図柄の保留数が値0よりも多いか否かを判定する(S506)。第1特別図柄の保留数が値0よりも多くない、すなわち値0であると判定すると、第1特別図柄遊技処理を終了する。一方、第1特別図柄の保留数が値0よりも多いと判定すると、第1特別図柄変動表示関連処理を実行して(S508)、第1特別図柄遊技処理を終了する。以下、S508の第1特別図柄変動表示関連処理の詳細について図13のフローチャートを用いて説明する。
第1特別図柄変動表示関連処理では、まず、第2特別図柄が変動表示中であるか否かを判定し(S570)、第2特別図柄が変動表示中であると判定すると、第2特別図柄の確定図柄が大当り図柄であるか否かを判定する(S572)。第2特別図柄が変動表示中でないと判定したり、第2特別図柄が変動表示中であってもその確定図柄が大当り図柄でない(外れ図柄である)と判定すると、判定用乱数記憶領域に記憶されている第1特別図柄の判定用乱数(大当り判定用乱数、時短判定用乱数、大当り図柄決定用乱数、時短図柄決定用乱数、外れ図柄決定用乱数および変動パターン決定用乱数)のうち最も古いものを読み出し(S574)、読み出した大当り判定用乱数に基づいて大当り判定処理を行なう(S576)。大当り判定処理は、読み出した大当り判定用乱数と大当り判定用テーブルに含まれる大当り値とを比較することにより行ない、大当り判定用乱数が何れかの大当り値と一致したときには大当りと判定し、一致しなかったときには大当りでないと判定する。大当り判定用テーブルは、確変フラグが値0(通常遊技状態または時短遊技状態)のときには大当り値の少ない低確率用の大当り判定テーブルが用いられ、確変フラグが値1(確変遊技状態)のときには大当り値の多い高確率用の大当り判定テーブルが用いられる。
大当り判定処理の結果が大当りであると判定すると(S578の「YES」)、大当り図柄決定用乱数に基づいて大当り図柄を決定する大当り図柄決定処理を行なう(S580)。大当り図柄決定処理は、大当り遊技の内容(ラウンド数)と大当り遊技終了後の遊技状態とを決定するための処理であり、大当り図柄決定用乱数と図14(a)に例示する大当り図柄決定テーブルとを用いて行なう。第1特別図柄の大当り図柄は、図示するように、大当り遊技として4R大当り遊技を実行すると共に大当り遊技終了後の遊技状態を通常遊技状態とする特図1_通常大当り図柄と、大当り遊技として10R大当り遊技を実行すると共に大当り遊技終了後の遊技状態を確変遊技状態とする特図1_確変大当り図柄と、を含む。特図1_通常大当り図柄,特図1_確変大当り図柄は、例えばそれぞれ50%,50%の割合で出現する。なお、決定した大当り図柄は、大当り遊技終了後の遊技状態を設定する大当り遊技終了時まで保存される。大当り図柄を決定すると、第1特別図柄の変動表示を開始してから決定した大当り図柄で確定表示するまでの第1特別図柄の変動表示時間(大当り変動パターン)を、読み出した変動パターン決定用乱数と大当り変動パターンテーブルとを用いて決定する(S582)。
一方、大当り判定処理の結果が大当りでないと判定すると(S578の「NO」)、時短フラグおよび確変フラグのいずれもが値0であるか否かを判定する(S584)。時短フラグは、現在の遊技状態が時短遊技状態であれば値1が設定され、時短遊技状態でなければ値0が設定される。確変フラグは、現在の遊技状態が確変遊技状態であれば値1が設定され、確変遊技状態でなければ値0が設定される。したがって、S584の判定は、現在の遊技状態が時短遊技状態でも確変遊技状態でもない、すなわち通常遊技状態であるか否かを判定するものといえる。時短フラグおよび確変フラグのいずれもが値0であると判定すると、S574で読み出した時短判定用乱数に基づいて時短判定処理を行なう(S586)。時短判定処理は、読み出した時短判定用乱数と時短判定用テーブルに含まれる当り値とを比較することにより行ない、時短判定用乱数が何れかの当り値と一致したときには時短有りと判定し、一致しなかったときには時短無しと判定する。なお、時短判定用乱数に代えて大当り判定用乱数を用いて時短判定を行なってもよい。大当り判定用乱数を用いて時短判定を行なう場合、時短判定の当り値は、大当り判定の当り値以外の値の中から定められる。
時短判定処理の結果が時短有りと判定すると(S588の「YES」)、時短図柄決定用乱数に基づいて時短図柄を決定する(S590)。そして、第1特別図柄の変動表示を開始してから決定した時短図柄で確定表示するまでの第1特別図柄の変動表示時間(時短変動パターン)を、読み出した変動パターン決定用乱数と時短変動パターンテーブルとを用いて決定する(S591)。
一方、時短判定処理の結果が時短無しであると判定すると(S588の「NO」)、外れ図柄決定用乱数に基づいて外れ図柄を決定する(S592)。そして、第1特別図柄の変動表示を開始してから決定した外れ図柄で確定表示するまでの第1特別図柄の変動表示時間(外れ変動パターン)を、読み出した変動パターン決定用乱数と外れ変動パターンテーブルとを用いて決定する(S593)。
また、S570,S572において第2特別図柄が変動表示中でありその確定図柄が大当り図柄であると判定すると、大当り判定処理や時短判定処理を行なうことなく、外れ図柄を決定し(S592)、外れ変動パターンを決定する(S593)。本実施例では、第1特別図柄と第2特別図柄は同時変動を許容しているから、両者で大当りが重なったり、大当りと時短遊技状態とが重なったりしないように、一方の特別図柄が大当りの場合には、大当り判定処理も時短判定処理も行なわずに、他方の特別図柄を強制的に外れとする。なお、一方の特別図柄が大当りの場合に、大当り判定処理や時短判定処理を行なうことなく、他方の特別図柄を強制的に外れとする処理に代えて、他方の特別図柄について、大当り判定処理や時短判定処理を行ない、大当りの判定や時短有りの判定がなされたときには、当該判定を無効としてもよい。
さらに、S584において時短フラグおよび確変フラグのいずれかが値1である(現在の遊技状態が時短遊技状態であるか確変遊技状態である)と判定すると、時短判定処理を行なうことなく、外れ図柄を決定し(S592)、外れ変動パターンを決定する(S593)。なお、この処理に代えて、現在の遊技状態が時短遊技状態である場合や確変遊技状態である場合に、時短判定処理を行ない、時短有りの判定がなされたときに当該判定を無効としてもよい。
こうして第1特別図柄の確定図柄と変動時間(変動パターン)とを決定すると、第1特別図柄の変動表示を開始し(S594)、第1特別図柄の保留数を値1だけデクリメントすると共に第1特図保留数表示装置33の表示を更新する(S595)。第1特別図柄の保留数の更新に伴って今回消化する保留に係る判定用乱数をクリアする。そして、第1特別図柄の変動表示開始コマンド(第1特図変動開始コマンド)をサブ統合制御装置90に送信して(S596)、第1特別図柄遊技処理を終了する。変動開始コマンドには、大当り判定の結果や時短判定の結果、第1特別図柄の変動表示時間(変動パターン)、確定図柄(大当り図柄、時短図柄あるいは外れ図柄)などが含まれる。
図11の第1特別図柄遊技処理に戻って、第1特別図柄の変動表示を開始すると、次に第1特別図柄遊技処理が実行されたときに、主制御装置60のCPU60aは、S502で第1特別図柄が変動表示中と判定するため、次に、S582、S591あるいはS593で決定した第1特別図柄の変動表示時間が経過したか否かを判定する(S510)。第1特別図柄の変動表示時間が経過していないと判定すると、第1特別図柄遊技処理を一旦終了し、第1特別図柄の変動表示時間が経過したと判定すると、第1特別図柄の図柄停止コマンド(第1特図図柄停止コマンド)をサブ統合制御装置90に送信すると共に(S512)、変動表示中の第1特別図柄の確定図柄を表示する確定図柄表示処理を行なう(S514)。そして、確定図柄表示時間(例えば0.5秒)が経過したか否かを判定する(S516)。確定図柄表示時間が経過していないと判定すると、第1特別図柄遊技処理を一旦終了する。第1特別図柄の確定図柄が表示された後に、第1特別図柄遊技処理が実行されると、S504で確定図柄の表示時間中であると判定するため、再びS516で確定図柄表示時間が経過したか否かを判定し、確定図柄表示時間が経過したと判定すると、確定図柄の表示を終了し(S518)、第1特別図柄の確定図柄が大当り図柄であるか否かを判定する(S520)。
第1特別図柄の確定図柄が大当り図柄であると判定すると、第2特別図柄が変動表示(同時変動)中であるか否かを判定し(S522)、第2特別図柄が変動表示中であれば、第2特別図柄の変動表示を外れ図柄の確定表示により終了させる(S524)。すなわち、第1特別図柄が大当り図柄で確定表示されると、第1特別図柄の大当りを優先させるために、変動表示中の第2特別図柄を強制的に外れ図柄で確定表示させる。続いて、大当り遊技を開始するために、条件装置の作動を開始すると共に(S526)、役物連続作動装置の作動を開始し(S528)、大当りフラグに値1を設定する(S530)。大当り遊技中には確変機能や時短機能を停止させるために、確変フラグが値1のときには確変フラグを値0とし(S532,S534)、時短フラグが値1のときには時短フラグを値0とする(S536,S538)。また、直行モードフラグが値1であるか否かを判定し(S540)、直行モードフラグが値1のときには直行モードフラグを値0とする(S542)。直行モードフラグは、現在の遊技状態が時短遊技状態の直行モード中であるかを示すフラグであり、直行モードについては後述する。そして、遊技状態指定コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S543)、第1特別図柄遊技処理を終了する。なお、遊技状態指定コマンドには、大当りフラグの値や確変フラグの値、時短フラグの値、直行モードフラグの値が含まれる。第1特別図柄遊技処理を終了すると、主制御処理に戻って次のS170の第2特別図柄遊技処理に進む。
一方、S520で確定図柄が大当り図柄でないと判定すると、第1特別図柄の確定図柄が時短図柄であるか否かを判定する(S544)。確定図柄が時短図柄でないと判定すると、S548の処理に進む。確定図柄が時短図柄であると判定すると、時短フラグに値1を設定すると共に(S545)、直行モードフラグに値1を設定し(S546)、時短カウンタと直行カウンタにそれぞれ所定値(例えば10回)を設定する(S547)。このように、本実施例では、時短図柄で時短遊技状態が発生した場合には、直行モードフラグに値1を設定して直行モードを発生させると共に、時短図柄で時短遊技状態が発生した場合の時短カウンタと同じ所定値(ここでは10回)を直行カウンタに設定するのである。このため、直行モードは、時短遊技状態の終了に伴って終了するものとなる。
次に、確変フラグが値1(確変遊技状態中)であるか否かを判定し(S548)、確変フラグが値1でなく値0であると判定すると、S552の処理に進む。確変フラグが値1であると判定すると、確変カウンタを値1だけデクリメントして(S549)、確変カウンタが値0であるか否かを判定する(S550)。ここで、確変カウンタは、確変遊技状態を維持する特別図柄の残り変動回数を示すものであり、確変カウンタには、第1特別図柄が大当り図柄で確定表示されることで実行された大当り遊技の終了時に予め定められた値がセットされる。本実施例では、確変カウンタに値50がセットされるため、大当り遊技の終了後、特別図柄の変動表示回数が50回に達するまで、確変遊技状態が維持される。確変カウンタが値0でないと判定すると、確変遊技状態を維持したまま次のS552の処理に進み、確変カウンタが値0であると判定すると、確変遊技状態を終了させるために、確変フラグを値0とする(S551)。
次に、時短フラグが値1(時短遊技状態中)であるか否かを判定し(S552)、時短フラグが値1でなく値0であると判定すると、S556の処理に進む。時短フラグが値1であると判定すると、時短カウンタを値1だけデクリメントし(S553)、時短カウンタが値0であるか否かを判定する(S554)。ここで、時短カウンタは、時短遊技状態を維持する特別図柄の残り変動回数を示すものであり、時短カウンタには、特別図柄が大当り図柄で確定表示されることで実行された大当り遊技の終了時に値50がセットされ、第1特別図柄が時短図柄で確定表示されたときに値10がセットされる。時短カウンタが値0でないと判定すると、時短遊技状態を維持したままS556の処理に進み、時短カウンタが値0であると判定すると、時短遊技状態を終了させるために、時短フラグを値0とする(S555)。
続いて、直行モードフラグが値1(直行モード中)であるか否かを判定し(S556)、直行モードフラグが値1でなく値0であると判定すると、遊技状態指定コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S543)、第1特別図柄遊技処理を終了する。直行モードフラグが値1であると判定すると、直行モードカウンタを値1だけデクリメントし(S557)、直行モードカウンタが値0であるか否かを判定する(S558)。ここで、直行モードカウンタは、直行モードを維持する特別図柄の残り変動回数を示すものであり、直行モードカウンタには、上述したように第1特別図柄が時短図柄で確定表示されたときに値10がセットされる。直行モードカウンタが値0でないと判定すると、遊技状態指定コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S543)、第1特別図柄遊技処理を終了する。直行モードカウンタが値0であると判定すると、直行モードを終了させるために、直行モードフラグを値0とし(S559)、遊技状態指定コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S543)、第1特別図柄遊技処理を終了する。
[第2特別図柄遊技処理]
図15および図16は、第2特別図柄遊技処理の一例を示すフローチャートである。S170の第2特別図柄遊技処理では、主制御装置60のCPU60aは、まず、大当りフラグが値1であるか否かを判定する(S600)。大当りフラグが値1であると判定すると、大当り遊技中であると判断し、第2特別図柄遊技処理を終了する。第2特別遊技処理を終了すると、次の大当り遊技処理(S180)に進む。一方、大当りフラグが値1でないと判定すると、大当り遊技中でないと判断し、第2特別図柄が変動表示中であるか否か(S602)、第2特別図柄の確定図柄の表示時間中であるか否か(S604)、をそれぞれ判定する。第2特別図柄が変動表示中ではなく確定図柄の表示時間中でもないと判定すると、第2特別図柄の保留数が値0よりも多いか否かを判定する(S606)。第2特別図柄の保留数が値0よりも多くない、すなわち値0であると判定すると、第2特別図柄遊技処理を終了する。一方、第2特別図柄の保留数が値0よりも多いと判定すると、第2特別図柄変動表示関連処理を実行して(S608)、第2特別図柄遊技処理を終了する。以下、S608の第2特別図柄変動表示関連処理の詳細について図17のフローチャートを用いて説明する。
第2特別図柄変動表示関連処理では、まず、第1特別図柄が変動表示中であるか否かを判定し(S670)、第1特別図柄が変動表示中であると判定すると、第1特別図柄の確定図柄が大当り図柄であるか否かを判定する(S672)。第1特別図柄が変動表示中でないと判定したり、第1特別図柄が変動表示中であってもその確定図柄が大当り図柄でない(時短図柄または外れ図柄である)と判定すると、判定用乱数記憶領域に記憶されている第2特別図柄の判定用乱数(大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数、外れ図柄決定用乱数および変動パターン決定用乱数)のうち最も古いものを読み出し(S674)、読み出した大当り判定用乱数に基づいて大当り判定処理を行なう(S676)。大当り判定処理については、S576と同様の処理により行なわれる。
大当り判定処理の結果が大当りであると判定すると(S678の「YES」)、直行モードフラグが値1である(現在の遊技状態が時短遊技状態の直行モード中である)か否かを判定する(S680)。直行モードフラグが値0すなわち直行モード中でないと判定すると、図18(a)に例示する直行モード以外の他モード用(非直行モード用)の大当り図柄決定テーブルと大当り図柄決定用乱数とに基づいて大当り図柄を決定する大当り図柄決定処理を行なう(S682)。また、直行モードフラグが値1すなわち直行モード中であると判定すると、図18(b)に例示する直行モード用の大当り図柄決定テーブルと大当り図柄決定用乱数とに基づいて大当り図柄を決定する大当り図柄決定処理を行なう(S684)。図18(a)の大当り図柄決定テーブルには、大当り遊技として8R大当り遊技を実行すると共に大当り遊技終了後の遊技状態を通常遊技状態とする特図2_通常大当り図柄と、大当り遊技として10R大当り遊技を実行すると共に大当り遊技終了後の遊技状態を確変遊技状態および時短遊技状態とする特図2_確変大当り図柄と、を含む。また、図18(b)の大当り図柄決定テーブルには、大当り遊技として10R大当り遊技を実行すると共に大当り遊技終了後の遊技状態を確変遊技状態および時短遊技状態とする特図2_確変大当り図柄を含み、通常大当り図柄は含まない。このため、直行モード中に大当り判定処理の結果が大当りになると、必ず確変大当りが出現する。このように、大当りが発生するとその大当り遊技終了時に確変遊技状態に直行する状態であるため、直行モードという。なお、通常大当り図柄と確変大当り図柄は、直行モード以外の他モードと直行モードとを合わせた全体でそれぞれ50%,50%の割合で出現するように設定されている。なお、決定した大当り図柄は、大当り遊技終了後の遊技状態を設定する大当り遊技終了時まで保存される。こうして大当り図柄を決定すると、第2特別図柄の変動表示を開始してから決定した大当り図柄で確定表示するまでの第2特別図柄の変動表示時間(大当り変動パターン)を、読み出した変動パターン決定用乱数と大当り変動パターンテーブルとを用いて決定する(S682)。
一方、大当り判定処理の結果が大当りでないと判定すると(S678の「NO」)、外れ図柄決定用乱数に基づいて外れ図柄を決定する(S688)。そして、第2特別図柄の変動表示を開始してから決定した外れ図柄で確定表示するまでの第2特別図柄の変動表示時間(外れ変動パターン)を、読み出した変動パターン決定用乱数と外れ変動パターンテーブルとを用いて決定する(S690)。
また、S670,S672において第1特別図柄が変動表示中でありその確定図柄が大当り図柄であると判定すると、大当り判定処理を行なうことなく、外れ図柄を決定し(S688)、外れ変動パターンを決定する(S690)。上述したように、第1特別図柄と第2特別図柄とで大当りが重ならないように、一方の特別図柄が大当りの場合には、大当り判定処理を行なわずに、他方の特別図柄を強制的に外れとする。
こうして第2特別図柄の確定図柄と変動時間(変動パターン)とを決定すると、第2特別図柄の変動表示を開始し(S692)、第2特別図柄の保留数を値1だけデクリメントすると共に第2特図保留数表示装置34の表示を更新する(S694)。第2特別図柄の保留数の更新に伴って今回消化する保留に係る判定用乱数をクリアする。そして、第2特別図柄の変動表示開始コマンド(第2特図変動開始コマンド)をサブ統合制御装置90に送信して(S696)、第2特別図柄遊技処理を終了する。変動開始コマンドには、大当り判定の結果や第2特別図柄の変動表示時間(変動パターン)、確定図柄(大当り図柄あるいは外れ図柄)などが含まれる。
図15の第2特別図柄遊技処理に戻って、第2特別図柄の変動表示を開始すると、次に第2特別図柄遊技処理が実行されたときに、主制御装置60のCPU60aは、S602で第2特別図柄が変動表示中と判定するため、次に、S686あるいはS690で決定した第2特別図柄の変動表示時間が経過したか否かを判定する(S610)。第2特別図柄の変動表示時間が経過していないと判定すると、第2特別図柄遊技処理を一旦終了し、第2特別図柄の変動表示時間が経過したと判定すると、第2特別図柄の図柄停止コマンド(第2特図図柄停止コマンド)をサブ統合制御装置90に送信すると共に(S612)、変動表示中の第2特別図柄の確定図柄を表示する確定図柄表示処理を行なう(S614)。そして、確定図柄表示時間(例えば0.5秒)が経過したか否かを判定する(S616)。確定図柄表示時間が経過していないと判定すると、第2特別図柄遊技処理を一旦終了する。第2特別図柄の確定図柄が表示された後に、第2特別図柄遊技処理が実行されると、S604で確定図柄の表示時間中であると判定するため、再びS616で確定図柄表示時間が経過したか否かを判定し、確定図柄表示時間が経過したと判定すると、確定図柄の表示を終了し(S618)、第2特別図柄の確定図柄が大当り図柄であるか否かを判定する(S620)。
第2特別図柄の確定図柄が大当り図柄であると判定すると、第1特別図柄が変動表示(同時変動)中であるか否かを判定し(S622)、第1特別図柄が変動表示中であれば、第1特別図柄の変動表示を外れ図柄の確定表示により終了させる(S624)。すなわち、第2特別図柄が大当り図柄で確定表示されると、変動表示中の第1特別図柄の確定図柄がたとえ時短図柄であっても、第2特別図柄の大当りを優先させるために、第1特別図柄を強制的に外れ図柄で確定表示させる。続いて、大当り遊技を開始するために、条件装置の作動を開始すると共に(S626)、役物連続作動装置の作動を開始し(S628)、大当りフラグに値1を設定する(S630)。大当り遊技中には確変機能や時短機能を停止させるために、確変フラグが値1のときには確変フラグを値0とし(S632,S634)、時短フラグが値1のときには時短フラグを値0とする(S636,S638)。また、直行モードを終了させるために、直行モードフラグが値1のときには直行モードフラグを値0として(S640,S642)、遊技状態指定コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S644)、第2特別図柄遊技処理を終了する。なお、遊技状態指定コマンドには、大当りフラグの値や確変フラグの値、時短フラグの値、直行モードフラグの値が含まれる。第2特別図柄遊技処理を終了すると、主制御処理に戻って次のS180の大当り遊技処理に進む。
一方、S620で確定図柄が大当り図柄でないと判定すると、図12の第1特別図柄遊技処理のS548~S559と同様に、確変フラグが値1であれば、確変カウンタを値1だけデクリメントし、確変カウンタが値0になると、確変フラグを値0として遊技状態を確変遊技状態から通常遊技状態にするS646~S652の処理や、時短フラグが値1であれば、時短カウンタを値1だけデクリメントし、時短カウンタが値0になると、時短フラグを値0として遊技状態を時短遊技状態から通常遊技状態にするS654~S660の処理を実行する。また、直行モードフラグが値1であれば、直行モードカウンタを値1だけデクリメントし、直行モードカウンタが値0になると、直行モードフラグを値0として直行モードを終了させるS662~S668の処理を実行する。なお、上述したように、直行モードは、第1特別図柄が時短図柄で確定表示した場合に発生する時短遊技状態であり、その時短遊技状態の終了と共に終了する。そして、確変フラグの値や時短フラグの値、直行モードフラグの値を含む遊技状態指定コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S644)、第2特別図柄遊技処理を終了する。
[大当り遊技処理]
図19および図20は、大当り遊技処理の一例を示すフローチャートである。S180の大当り遊技処理では、主制御装置60のCPU60aは、まず、大当りフラグが値1(大当り遊技中)であるか否かを判定する(S700)。大当りフラグが値1でなく値0であると判定すると、大当り遊技処理を終了する。一方、大当りフラグが値1であると判定すると、大入賞口25が開放中であるか否か(S702)、大当り遊技開始演出中であるか否か(S704)、大当り遊技終了演出中であるか否か(S706)、開放間インターバル中であるか否か(S708)、をそれぞれ判定する。S702~S708のいずれも否定的な判定がなされると、大当り遊技開始演出コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S710)、大当り遊技処理を終了する。大当り遊技開始演出コマンドを受信したサブ統合制御装置90は、大当り遊技開始演出を開始する。大当り遊技開始演出が開始されると、次に大当り遊技処理が実行されたときに、S704で大当り遊技開始演出中であると判定されるため、大当り遊技開始演出時間が経過したか否を判定する(S712)。大当り遊技開始演出時間が経過していないと判定すると、大当り遊技処理を一旦終了し、大当り遊技開始演出時間が経過したと判定すると、大入賞口ソレノイド25cの駆動により大入賞口25を開放して(S714)、大当り遊技処理を終了する。
大入賞口25を開放すると、次に大当り遊技処理が実行されたときに、S702で大入賞口25が開放中であると判定するため、大入賞口スイッチ25aからの検知信号に基づいて大入賞口25への遊技球の入球数が規定数(実施例では9個)に達したか否か(S716)、大入賞口25を開放してからの経過時間(開放時間)が最大開放時間(実施例では28秒)に達したか否か(S718)、をそれぞれ判定する。大入賞口25への遊技球の入球数が規定数に達しておらず、大入賞口25の開放時間が最大開放時間にも達していないと判定すると、大入賞口25の開放を維持したまま大当り遊技処理を一旦終了する。一方、大入賞口25への遊技球の入球数が規定数に達したと判定したり、当該入球数が規定数に達していなくても大入賞口25の開放時間が最大開放時間に達したと判定したりすると、大入賞口25を閉鎖し(S720)、今回のラウンド遊技が最終ラウンドであるか否かを判定する(S722)。大当り遊技のラウンド数は、大当り図柄(「特図1_4R通常大当り図柄」や「特図1_10R確変大当り図柄」、「特図2_8R通常大当り図柄」、「特図2_10R確変大当り図柄」)によって設定されるため、今回のラウンド遊技が最終ラウンドであるか否かの判定は、ラウンド遊技の繰り返し回数が大当り図柄に応じて定まる回数に達しているか否かを判定することにより行なわれる。今回のラウンド遊技が最終ラウンドでないと判定すると、開放間インターバルを発生させて(S724)、大当り遊技処理を終了する。開放間インターバルが発生すると、次に大当り遊技処理が実行されたときに、S708で開放間インターバル中であると判定されるため、開放間インターバル時間が経過したか否かを判定する(S726)。開放間インターバル時間が経過していないと判定すると、大入賞口25を閉鎖したまま大当り遊技処理を一旦終了し、開放間インターバル時間が経過したと判定すると、再度、大入賞口25を開放して(S714)、大当り遊技処理を終了する。
こうして開放間インターバルを挟んで大入賞口25を開閉するラウンド遊技を繰り返した後、S722で今回のラウンド遊技が最終ラウンドであると判定すると、大当り遊技終了演出コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S728)、大当り遊技処理を終了する。大当り遊技終了演出コマンドを受信したサブ統合制御装置90は大当り遊技終了演出を開始する。大当り遊技終了演出が開始されると、次に大当り遊技処理が開始されたときに、S706で大当り遊技終了演出中であると判定されるため、大当り遊技終了演出時間が経過したか否かを判定する(S730)。大当り遊技終了演出時間が経過していないと判定すると、大当り遊技処理を一旦終了し、大当り遊技終了演出時間が経過したと判定すると、役物連続作動装置の作動を停止すると共に(S732)、条件装置の作動を停止する(S734)。続いて、今回の大当りの発生契機となった大当り図柄が確変大当り図柄であるか否かを判定する(S736)。大当り図柄が確変大当り図柄であると判定すると、確変遊技状態を発生させるために、確変フラグに値1を設定すると共に(S738)、確変カウンタに所定値(実施例では値50)を設定する確変カウンタ設定処理を行ない(S740)、時短遊技状態を発生させるために、時短フラグに値1を設定すると共に(S742)、時短カウンタに所定値(実施例では値50)を設定する時短カウンタ設定処理を行なう(S744)。そして、大当りフラグに値0を設定し(S746)、遊技状態指定コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S748)、大当り遊技処理を終了する。また、S736で大当り図柄が確変大当り図柄でなく通常大当り図柄であると判定すると、大当りフラグに値0を設定し(S746)、遊技状態指定コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S748)、大当り遊技処理を終了する。なお、遊技状態指定コマンドには、確変フラグの値や時短フラグの値、大当りフラグの値が含まれる。
[演出制御処理]
次に、主制御装置60から各種コマンドを受信したサブ統合制御装置90により実行される処理について説明する。サブ統合制御装置90が主制御装置60から受信するコマンドとしては、上述したように、先読み判定コマンド(第1特別図柄,第2特別図柄)、保留数指示コマンド(第1特別図柄,第2特別図柄,普通図柄)、普通図柄変動開始コマンド、普通図柄当り遊技開始コマンド、第2始動口開放コマンド、普通図柄当り遊技終了コマンド、特別図柄変動指示コマンド(第1特別図柄,第2特別図柄)、図柄停止コマンド、遊技状態指定コマンド、大当り開始コマンド、大当り終了コマンド、ラウンドコマンドなどがある。サブ統合制御装置90は、これらのコマンドの受信に基づいて各種演出処理を実行する。図21は、サブ統合制御装置90のCPU90aにより実行される演出制御処理の一例を示すフローチャートである。演出制御処理は、演出モード設定処理(S800)と、普通図柄当り遊技演出処理(S810)と、図柄変動演出処理(S820)と、大当り遊技演出処理(S830)とを繰り返し実行することにより行なわれる。なお、サブ統合制御装置90は、これらの演出処理を所定時間毎(例えば、数msec毎)に繰り返し実行する。また、サブ統合制御装置90は、図柄変動演出処理では、第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示に合わせて演出表示装置37で演出図柄の変動表示を開始して、第1特別図柄や第2特別図柄の停止表示に合わせて演出図柄を停止する処理などを実行する。また、大当り遊技演出処理では、大当り遊技の開始に合わせて演出表示装置37で大当り遊技演出を開始し、大当り遊技の終了に合わせて大当り遊技演出を終了する処理などを実行する。これらの処理は、本発明の要旨をなさないから詳細な説明を省略する。
[演出モード設定処理]
図22は、演出モード設定処理の一例を示すフローチャートである。また、図23は、演出モードの遷移の一例を示す説明図である。本実施例では、通常遊技状態に対応する通常モード(通常演出モード)と、時短遊技状態の直行モードに対応する直行モード(直行演出モード)と、確変遊技状態(時短遊技状態を含む)に対応するST通常モード(ST通常演出モード)およびST特定モード(ST特定演出モード、特定演出状態)との4つの演出モードを有する。なお、各演出モードは、演出表示装置37に表示される演出図柄371L,371C,371Rの表示態様やキャラクタ373の種類や表示態様、背景画像の種類などが異なる他、演出に伴って出力される報知音などが異なるものとする。
S800の演出モード設定処理では、サブ統合制御装置90のCPU90aは、まず、図12の第1特別図柄遊技処理のS543や図16の第2特別図柄遊技処理のS644、図20の大当り遊技処理のS748で主制御装置60により送信される遊技状態指定コマンドを受信したか否かを判定し(S900)、受信していないと判定すると、演出モード設定処理を終了する。一方、遊技状態指定コマンドを受信したと判定すると、遊技状態指定コマンドに含まれる各フラグの値に基づいて、大当りフラグが値0であるか否か(S902)、確変フラグが値0であるか否か(S904)、直行モードフラグが値0であるか否か(S906)、を判定する。大当りフラグが値0でないすなわち大当り遊技中であると判定すると、大当り遊技中は大当り遊技開始時の演出モードを維持するためにそのまま演出モード設定処理を終了する。大当りフラグと確変フラグと直行モードフラグのいずれもが値0であると判定すると、通常モード中であるか否かを判定する(S908)。通常モード中でないと判定すると、通常モードを設定して(S910、図23(a1),(a2),(a3),(a4))、演出モード設定処理を終了し、通常モード中であると判定すると、S910をスキップして、演出モード設定処理を終了する。
また、大当りフラグと確変フラグとが値0であって直行モードフラグが値0でなく値1であると判定すると、時短遊技状態に対応する直行モード中であるか否かを判定する(S912)。そして、直行モード中でないと判定すると、直行モードを設定して(S914、図23(b))、演出モード設定処理を終了し、直行モード中であると判定すると、S914をスキップして、演出モード設定処理を終了する。
また、確変フラグが値0でなく値1であると判定すると、確変遊技状態に対応するSTモード中であるか否かを判定する(S916)。そして、STモード中でないと判定すると、直行モード中であるか否かを判定する(S918)。直行モード中でなければ、ST通常モードを設定して(S920、図23(c1))、演出モード設定処理を終了する。一方、直行モード中であれば、ST特定モード(特定演出状態)を設定して(S922、図23(d1))、演出モード設定処理を終了する。このように、直行モード中に確変大当りが発生した場合には、ST特定モードを設定するのである。また、S916ではST通常モードおよびST特定モードのいずれかのSTモード中であると判定すると、S918~S922をスキップして、演出モード設定処理を終了する。このため、S920またはS922でいずれかのSTモードを一旦設定した以降に確変大当りが発生すると、設定中のSTモードを維持することになる。すなわち、ST通常モード中に確変大当りが発生してもST特定モードを設定することなくST通常モードを維持し(図23(c2))、ST特定モード中に確変大当りが発生してもST通常モードを設定することなくST特定モードを維持することになる(図23(d2))。なお、図23に示すように、第1特別図柄が時短図柄で確定表示した場合に設定される直行モードと、直行モード中に実行された確変大当り遊技の終了後のST特定モード(以降の確変大当り遊技終了後に維持されるST特定モードを含む)とは、第1特別図柄が時短図柄で確定表示されたことを起因として遷移したモードとなる。
[普通図柄当り遊技演出処理]
図24は、普通図柄当り遊技演出処理の一例を示すフローチャートである。普通図柄当り遊技演出処理では、サブ統合制御装置90のCPU90aは、まず、ST特定モード中であるか否かを判定し(S950)、ST特定モード中でないと判定すると、S962に進む。一方、ST特定モード中であると判定すると、図10の普通図柄当り遊技処理のS408で主制御装置60から送信される第2始動口開放コマンドを受信したか否かを判定する(S952)。第2始動口開放コマンドを受信したと判定すると、第2始動口24が開放中であることを示す開放中報知音の出力を開始するようにスピーカ14を制御する(S954)。この開放中報知音は、スピーカ14から所定の音楽や音声が所定の音量で出力されてもよいし、一定の音階の報知音が連続的または断続的に所定の音量で出力されてもよい。また、第2始動口開放コマンドを受信していないと判定すると、S954をスキップする。なお、第2始動口24は、普通電動役物の作動により開放するから、開放中報知音は、普通電動役物の作動を示す作動中報知音ということもできる。
次に、図10の普通図柄当り遊技処理のS414で主制御装置60から送信される第2始動口入球コマンドを受信したか否かを判定し(S956)、第2始動口入球コマンドを受信していないと判定すると、S962に進み、第2始動口入球コマンドを受信したと判定すると、入球数Nを値1だけインクリメントすると共に(S958)、入球報知音パターンのうち第N(N番目の)パターンを選択して入球報知音を出力するようにスピーカ14を制御する(S960)。
ここで、図25は、入球報知音パターンの一例を示す説明図である。図示するように、入球報知音パターンとして4つの報知音パターンが用意されており、それぞれ報知音の音階や報知音の音量、報知音の出力時間が異なる。第1パターンは「ド」の音階を第1音量V1で第1時間T1に亘って出力するように定められ、第2パターンは「レ」の音階を第2音量V2で第2時間T2に亘って出力するように定められ、第3パターンは「ミ」の音階を第3音量V3で第3時間T3に亘って出力するように定められ、第4パターンは「ファ」の音階を第4音量V4で第4時間T4に亘って出力するように定められている。なお、これらはピアノ音源の音により作成されたものがROM90bに記憶されているものとする。また、音量は、第1音量V1、第2音量V2、第3音量V3、第4音量V4の順に大きくなるように定められており、出力時間は、第1時間T1、第2時間T2、第3時間T3、第4時間T4の順に長くなるように定められている。S960では、入球数Nに応じて第Nパターンを選択して入球報知音を出力するから、第2始動口24に遊技球が入球する度に、異なる態様の報知音が出力されることになる。なお、第2始動口24への遊技球の入球タイミングによっては、第2始動口24に5個目の遊技球が入球する場合がある。その場合、「ソ」の音階を、第4音量V4より大きな第5音量v5で、第4時間T4より長い第5時間T5に亘って出力する第5パターンを選択して入球報知音を出力してもよいし、第4パターンを選択して入球報知音を出力してもよい。あるいは、4個以上の場合には、入球報知音を出力しないものとしてもよい。
このように、入球報知音パターンは、第1パターンから第4パターンへと移行するにつれて、音階が高く、音量が大きく、出力時間が長いものとなる。このため、遊技球の入球数Nが増えていくことを遊技者が聴覚的に容易に認識することができるから、入球に基づく当否判定で大当りが発生することへの期待感を高めて遊技興趣を向上させることができる。なお、各音量(V1~V4)は、いずれも開放中報知音の音量よりも大きく、入球報知音が開放中報知音に被せるように出力されるものとする。また、各出力時間(T1~T4)は、遊技球が第2始動口24に入球する通常の時間間隔よりも短い時間に定められているが、先の入球報知音を出力中に次の第2始動口入球コマンドを受信した際には、先の入球報知音の出力を終了して次の入球報知音の出力を開始すればよい。
こうしてS960で入球報知音を出力するか、S950でST特定モード中でないと判定するか、S956で第2始動口入球コマンドを受信していないと判定すると、図10の普通図柄当り遊技処理のS424で主制御装置60から送信される普通図柄当り遊技終了コマンドを受信したか否かを判定し(S962)、普通図柄当り遊技終了コマンドを受信したと判定すると、開放中報知音の出力中であるか否かを判定する(S964)。開放中報知音の出力中であると判定すると、開放中報知音の出力を終了するようにスピーカ14を制御すると共に(S966)、入球数Nを値0にリセットして(S968)、普通図柄当り遊技演出処理を終了する。なお、入球数Nがリセットされるため、次に第2始動口24が開放されて遊技球が入球すると、再び第1パターンで入球報知音が出力されることになる。一方、S962で普通図柄当り遊技終了コマンドを受信していないと判定したり、S964で開放中報知音の出力中でないと判定すると、普通図柄当り遊技演出処理を終了する。本実施例では、ST特定モード中にのみ、開放中報知音を出力したり、入球報知音を出力したりするから、同じ時短遊技状態であっても、ST特定モードと他のモード(ST通常モードや直行モード)との違いを聴覚的にも遊技者に認識させて、ST特定モードにおける演出効果(音声出力効果)を高めて遊技興趣を向上させることができる。なお、普通図柄が当り図柄で確定表示したことに基づいて、普通電動役物の1回の作動により開放される第2始動口24の開放時間は、通じて最大開放時間(6.0秒)を超えないものであればよく、第2始動口24の開閉(開放)を複数回繰り返してもよい。普通電動役物の1回の作動により第2始動口24が複数回開閉する場合、最初の開放で開放中報知音の出力を開始して、最後に閉鎖するまで入球数Nを更新し、最後の閉鎖で開放中報知音の出力を終了すると共に入球数Nをリセットすればよい。
以上説明した本実施例のパチンコ機1は、ST特定モードにおいて普通電動役物の作動中(第2始動口24の開放中)に遊技球が入球したことに基づいて複数の入球報知音パターンのうちいずれかを選択し、選択した入球報知音パターンに基づく入球報知音をスピーカ14から出力する。これにより、第2始動口24への入球の報知音を変化させることが可能となり、同じ報知音が繰り返し出力されるのを抑制することができる。報知音が出力されることで第2始動口24への遊技球の入球を遊技者に聴覚的にも認識させることになるから、第2始動口24への入球に基づく当否判定での大当り発生の期待感を高めて遊技興趣を向上させることができる。したがって、普通電動役物に関する報知音のマンネリ化を抑制して遊技興趣を向上させることができる。
また、ST特定モードは、時短図柄の確定表示を起因に設定された時短遊技状態(直行モード)中に発生した確変大当り遊技の終了後に設定された確変遊技状態(時短遊技状態を含む)である。このため、同じ時短遊技状態であっても、ST特定モードと他のモード(ST通常モードや直行モード)とで、遊技者に与える聴覚的な印象を変化させることができるから、ST特定モードにおける演出効果(報知音出力効果)を高めて遊技興趣を向上させることができる。特に、ST特定モードは、時短遊技状態であり図柄の変動時間が短いから遊技がスピーディーに進行するため、スピーディーな遊技の進行と、高確率状態による大当り発生の期待感と、入球報知音の頻繁な出力とが相まって、遊技者を高揚させることができるから、遊技興趣を一層高めることができる。また、ST特定モードは、第1特別図柄が時短図柄で確定表示しないと設定されないから、第1特別図柄が時短図柄で確定表示するか否かに対する遊技者の関心を高めることもできる。
また、入球報知音パターンは、第2始動口24への遊技球の入球数Nに応じて異なる態様の報知音となるように定められているから、入球数Nが増えていくことを遊技者に聴覚的にはっきりと認識させることができる。
実施例では、第2始動口開放コマンドを受信すると、第2始動口24が開放中であることを示す開放中報知音の出力を開始し、普通図柄当り遊技終了コマンドを受信すると、開放中報知音の出力を終了したが、これに限られるものではない。例えば、所定音階で開放中報知音の出力を開始し、開放中報知音の出力中に第2始動口開放コマンドを受信する度に、開放中報知音の音階を1段階ずつ上げて高音にしていくものなどとしてもよい。このようにすれば、開放中報知音が高音になっていくことで、開放終了時期が近付いていることを遊技者に聴覚的に認識させることができる。さらに、第2始動口24が閉鎖される(普通図柄当り遊技終了コマンドを受信する)か、第2始動口24への入球数Nが上限数(4個)になると、所定音階などへ音階を複数段階一気に下げて低音にするものなどとしてもよい。あるいは、このような開放中報知音(作動中報知音)を出力しないものなどとしてもよい。
実施例では、入球報知音パターンが、第2始動口24への遊技球の入球数Nに応じて異なる態様の報知音となるように定められており、一例として各入球報知音パターンの報知音の音階や音量、出力時間が互いに異なるものとしたが、これに限られるものではない。例えば、報知音の音階や音量、出力時間のうち、少なくともいずれかが異なるものとしてもよい。また、各入球報知音パターンでは、入球数Nが増えるにつれて、音階が上がり音量が大きくなり出力時間が長くなるもの、すなわち入球数Nの増加と音階や音量、出力時間の各値の増減の傾向とが一致する(共に増加する)パターンとしたが、これに限られるものではない。例えば、音階が上がるものの音量が下がったり出力時間が短くなったりするパターンや、音階が下がるものの音量が上がり出力時間が短くなるパターンなど、入球数Nの増加と音階や音量、出力時間の各値の増減の傾向とが一致しないパターンがあってもよい。
実施例では、ST特定モード中に入球報知音を出力したが、これに限られず、他のモード中に入球報知音を出力してもよい。例えば、直行モード中にも入球報知音を出力してもよい。その場合、図23中に点線で囲んだ遊技状態で入球報知音を出力するものとなる。また、直行モード中は入球報知音を出力するが開放中報知音を出力せず、ST特定モード中は入球報知音と開放中報知音とを両方出力してもよいし、直行モード中とST特定モード中とで出力される音の態様(音階や音量、出力時間、音源の種類など)を変更してもよい。なお、音源の種類を変更する際には、ピアノ音源やラッパ音源などの楽器の音源や、カエルなどの生き物の鳴き声の音源、風雨などの自然音の音源、電子音の音源、あるいはそれらの2以上の組合せの音源など、様々な音源のうちから異なる音源を選択すればよい。あるいは、直行モード中でのみ入球報知音を出力し、ST特定モード中は入球報知音を出力しないものとして、ST特定モードとST通常モードを区別しないものとしてもよい。また、直行モード中と、直行モードから最初に遷移したST特定モード中は、入球報知音を出力し、ST特定モード中に確変大当り遊技が実行された後のSTモード中は、入球報知音を出力しないものとしてもよい。同様に、開放中報知音についても、他のモード中に出力してもよい。
また、次の変形例のように入球報知音パターンを選択して入球報知音を出力してもよい。図26は、変形例の普通図柄当り遊技演出処理の一例を示すフローチャートである。変形例では、実施例と同じ処理には同じステップ番号を付してその説明を省略する。変形例の普通図柄当り遊技演出処理では、S952で第2始動口開放コマンドを受信したと判定すると、普通電動役物(第2始動口24)の残り開放時間Tnの計時を開始する(S954a)。上述したように、時短遊技状態中に第2始動口24は、最大6.0秒開放されるから、初期値を6.0秒としてカウントダウンしていくことにより残り開放時間Tnの計時を行なう。そして、S956,S958で第2始動口入球コマンドの受信に基づいて入球数Nを値1だけインクリメントすると、残り開放時間Tnが所定時間Tref(例えば、2秒など)以上であるか否かを判定する(S959)。残り開放時間Tnが所定時間Tref以上であると判定すると、ピアノ音源(第1音源)の報知音パターンのうち第Nパターンを選択して入球報知音を出力する(S960a)。一方、残り開放時間Tnが所定時間Tref未満であると判定すると、ピアノ音源とは異なるラッパ音源(第2音源)の報知音パターンのうち第Nパターンを選択して入球報知音を出力する(S960b)。そして、S962で普通図柄当り遊技終了コマンドを受信したと判定すると、残り開放時間Tnの計時を終了し(S967)、入球数Nを値0にリセットして(S968)、普通図柄当り遊技演出処理を終了する。このように、変形例では、残り開放時間Tn(または開放してからの経過時間)と、入球数Nとに基づいて異なる音源の報知音パターンを選択して入球報知音を出力するのである。このため、遊技者は、大凡の残り開放時間Tnと、入球数Nとを聴覚的に容易に認識することができる。なお、この変形例でも開放中報知音を出力してもよい。
実施例や変形例では、複数の入球報知音パターンのうち入球数Nに基づいて1の入球報知音パターンを選択したが、これに限られず、複数の入球報知音パターンのうち抽選などにより1の入球報知音パターンを選択してもよい。また、各入球数Nに対応する入球報知音パターンを複数設けておき、入球数Nに応じた複数の入球報知音パターンの中から抽選などにより1の入球報知音パターンを選択してもよい
実施例では、第2始動口24への遊技球の入球に基づく入球報知音を出力したが、これに限られず、第2始動口24への遊技球の入球と当該入球に基づく保留の先読み結果とに基づく入球報知音を出力してもよい。そのようにする場合、図7の始動入賞処理のS224で送信される第2特別図柄の先読み判定コマンドに基づいて入球報知音を選択すればよい。例えば、先読み判定の結果が大当りなど遊技者にとって有利な特定結果の場合には、特別な入球報知音を選択して出力してもよい。特別な入球報知音は、例えば、入球数Nに拘わらず第4パターンとしてもよいし、「ラ」や「シ」などの通常は選択されない特定音階のパターンとしてもよい。この特別な入球報知音は、普通図柄の1回の当り遊技中に、1回のみ出力されてもよいし、先読み判定の結果が有利な特定結果である度に出力されてもよい。
実施例では、第2始動口24を普通電動役物の作動により入球可能性が高まる入球口(所定の入賞口)としたが、これに限られず、第1始動口23を普通電動役物の作動により入球可能性が高まる入球口(所定の入賞口)としてもよい。あるいは、普通電動役物は、その作動により始動口を入球容易とするものに限られず、所定の入賞口を入球容易とするものであればよい。
実施例では、第1特別図柄に時短図柄が含まれ、第2特別図柄に時短図柄が含まれないものとしたが、第2特別図柄に時短図柄が含まれ、第1特別図柄に時短図柄が含まれないものとしてもよいし、第1特別図柄と第2特別図柄の両方に時短図柄が含まれてもよい。あるいは、第1特別図柄と第2特別図柄の両方に時短図柄が含まれないものとしてもよく、大当り遊技終了後に設定される時短遊技状態中に特定演出状態を設定して第2始動口24への入球報知音を出力してもよい。
実施例では、同時に変動表示が行なわれた第1特別図柄および第2特別図柄のうちの一方の特別図柄(第1特別図柄)が時短図柄で確定表示されても、変動表示中の他方の特別図柄(第2特別図柄)の変動表示を継続したが、これに限られず、一方の特別図柄が時短図柄で確定表示されたときに変動表示中の他方の特別図柄を強制的に外れ図柄で確定表示してもよいし、一方の特別図柄が時短図柄で確定表示されたときに変動表示中の他方の特別図柄の変動表示(変動時間の計測)を中断し、一方の特別図柄が時短図柄で確定表示されたことに基づいて発生した時短遊技状態が終了すると、当該他方の特別図柄の変動表示を再開してもよい。
実施例では、同時に変動表示が行なわれた第1特別図柄および第2特別図柄のうちの一方の特別図柄が大当り図柄で確定表示されると、変動表示中の他方の特別図柄を強制的に外れ図柄で確定表示したが、これに限られず、一方の特別図柄が大当り図柄で確定表示されたときに他方の特別図柄の変動表示(変動時間の計測)を中断し、一方の特別図柄が大当り図柄で確定表示されたことに基づいて発生した大当り遊技が終了すると、当該他方の特別図柄の変動表示を再開してもよい。
実施例では、現在の遊技状態が通常遊技状態である場合に限り時短判定処理を行なうものとした(図13の第1特別図柄変動表示関連処理のS584)。しかし、現在の遊技状態が時短遊技状態である場合や確変遊技状態である場合にも時短判定処理を行なうものとしてもよい。前者の場合、時短回数(時短カウンタ)が所定回数(例えば5回)残存している状態で時短判定処理において時短有りの判定がなされて新たに時短遊技状態を発生させる場合、新たに発生させる時短遊技状態の時短回数(時短カウンタ)には、本来の回数(例えば10回)に残存している所定回数(5回)を加えた値(15回)が設定されてもよいし、本来の回数(10回)が設定されてもよい。また、時短図柄として、それぞれ時短回数が異なる複数の時短図柄を有し、特別図柄が時短図柄で確定表示されて時短遊技状態を発生させる場合、時短回数(時短カウンタ)には、確定表示された時短図柄に応じた回数が設定されてもよい。
実施例では、時短遊技状態は、第2始動口24に遊技球が入球するのに有利な状態として、普通図柄の変動時間を通常遊技状態よりも短縮させ(変動短縮機能)、普通図柄の当選確率を通常遊技状態よりも高確率にし(高確率当選機能)、且つ、普通図柄が当選したときに開放する第2始動口24の開放時間を通常遊技状態よりも延長する(開放延長機能)ものとした。しかし、時短遊技状態は、第2始動口24に遊技球が入球し易くなればよく、上記3つの機能のうちいずれか1つまたは2つが省略されてもよい。あるいは、時短遊技状態は、少なくとも普通図柄の変動時間を通常遊技状態よりも短縮させるものであればよい。
実施例では、大当り遊技を実行した後に発生する時短遊技状態は、大当り遊技を実行することなく発生する時短遊技状態と、時短遊技状態の継続回数(時短回数)が異なる仕様としたが、これに限られるものではない。例えば、前者の時短遊技状態は、後者の時短遊技状態よりも、普通図柄の変動時間、普通図柄の当選確率および普通図柄が当選したときの第2始動口24の開放時間のうち少なくとも一つを遊技者にとって有利なものとしてもよい。あるいは、両者の時短遊技状態を同じ仕様としてもよい。
[第2実施例]
第1実施例では、本発明を第1種タイプのパチンコ機1に適用したが、第2実施例では、第1種の遊技性と第2種の遊技性とを併せ持ったいわゆる1種2種混合タイプのパチンコ機に適用するものである。1種2種混合タイプのパチンコ機は、通常状態では、左打ちによる第1始動口への遊技球の入球に基づいて大当り(図柄大当り)か否かを抽選するいわゆる1種の遊技性で遊技を進行させ、大当りが発生して時短遊技状態が発生すると、右打ちによる第2始動口への遊技球の入球が容易となり、当該第2始動口への遊技球の入球に基づいて高確率で小当りとなる抽選を行い、小当りが発生すると、大入賞口を開放する小当り遊技を実行し、開放中の大入賞口に入球した遊技球が当該大入賞口内に設けられた特定領域を通過(役物大当り)すると、大当り遊技を実行する、いわゆる2種の遊技性で遊技を進行させるものである。図27は第2実施例のパチンコ機が有する遊技盤120の構成の概略を示す構成図である。
第2実施例の遊技盤120は、第1実施例の遊技盤20と同様に遊技領域21が形成され、演出表示装置37と、センター役物38と、普通図柄作動ゲート22と、第1始動口23と、第2始動口24と、普通入賞口26と、アウト口29と、を備える。また、遊技盤120は、センター役物38の右部に設けられた第1大入賞口125と、第2始動口24の左下方に配置された第2大入賞口126と、を備える。第1大入賞口125は、通常は、開閉羽根125aによって塞がれて遊技球の入球が不能な閉鎖状態とされており、大当り遊技が実行されるときに、開閉羽根125aが右側に開くことで、遊技球を受け入れやすい開放状態とされる。第2大入賞口126は、通常は、開閉板126aが盤面から突き出て遊技球の入球が不能な閉鎖状態とされており、特別図柄が小当り図柄で停止表示されて小当り遊技が実行されるときに、開閉板126aが盤面内に引き込まれることにより、遊技球の入球が可能な開放状態とされる。第2大入賞口126の内部には、振分装置140が設けられている。振分装置140は、第2大入賞口126に入球した遊技球を、左右一対の振分羽根142の作動により、特定領域(V領域)143か非特定領域(外れ領域)かのいずれかに振り分けるものである。
この第2実施例のパチンコ機における遊技の概要について説明する。図28は第2実施例のパチンコ機の仕様を説明する説明図である。第2実施例のパチンコ機では、特別図柄の大当り確率(図柄大当りの確率)は、第1特別図柄,第2特別図柄ともに1/199であり、特別図柄の小当り確率は、第2特別図柄で28/199(約1/7)である。なお、当り確率を複数の設定値のうちから選択可能であってもよい。また、第1特別図柄の小当り確率は0%であり、第1特別図柄で小当りが当選することはない。小当り遊技が実行された場合の特定領域143への入球確率は、約1/1に設定される。例えば、小当り遊技中に第2大入賞口126に入球した遊技球の略全てを特定領域(V領域)143に振り分けるように、振分装置140の振分羽根142の作動パターンが定められている。このため、小当りが発生すると、実質的に役物大当りが確約される。また、普通図柄の当り確率は、通常遊技状態では、1/100であるが、時短遊技状態では、約1/1(100%)である。このパチンコ機では、大当り遊技が実行されると、大当り遊技の終了後に時短遊技状態が発生する。時短遊技状態は、終了条件が成立するまで継続する。時短遊技状態の終了条件は、図柄大当りした場合の大当り図柄や役物大当りした場合の小当り図柄などに応じて設定される。第1特別図柄の図柄大当りの場合、特別図柄の変動表示が1回行なわれると時短遊技状態が終了する。一方、第2特別図柄の図柄大当りと役物大当りの場合、特別図柄の変動表示が7回行なわれると時短遊技状態が終了する。
ここで、第2始動口24の開放パターンは、図29に例示する第2始動口開放パターンテーブルを用いて遊技状態と当り図柄とに基づいて決定される。図示するように、通常遊技状態では、当り図柄が当り図柄Aであれば、決定される開放パターンは、最大5.5秒間、1回開放されるロング開放パターンとなり、当り図柄が当り図柄Bであれば、決定される開放パターンは、最大0.2秒間、1回開放されるショート開放パターンとなる。一方、遊技状態が時短遊技状態である場合、最大6.0秒間、1回開放されるパターンとなる。なお、通常遊技状態では、当り図柄Aよりも当り図柄Bが選択される確率が高くなっており、殆どの場合に当り図柄Bが選択される。このため、第2実施例のパチンコ機では、通常遊技状態では、普通図柄が当り図柄Bで確定表示されることにより通常は最大0.2秒間、第2始動口24に遊技球が入球可能な状態となり、普通図柄が当り図柄Aで確定表示されることにより通常よりも遊技球の入球可能性が高いロング開放パターンで第2始動口24に遊技球が入球可能な遊技状態となる。また、時短遊技状態では、普通図柄が当り図柄Aで確定表示されることにより通常遊技状態の通常の開放(0.2秒間)よりも遊技球の入球可能性が高い開放パターンで第2始動口24に遊技球が入球可能な遊技状態となる。
このような第2実施例のパチンコ機では、ロング開放パターンで第2始動口24に遊技球が入球可能な遊技状態となる際に、主制御装置60によりロング開放コマンドをサブ統合制御装置90に送信し、そのコマンドを受信したサブ統合制御装置90が特定演出状態とする。サブ統合制御装置90は、その特定演出状態では、第2始動口24への遊技球の入球に基づいて複数の入球報知音パターンのうちいずれかを選択し、選択した入球報知音パターンに基づいて入球報知音をスピーカ14から出力する。これにより、第1実施例と同様に、入球報知音を変化させて、同じ入球報知音が繰り返し出力されるのを抑制することが可能となる。また、ロング開放パターンの開放中であることを遊技者に聴覚的に容易に認識させることができる。したがって、普通電動役物に関する報知音のマンネリ化を抑制して遊技興趣を向上させることができる。また、第2実施例のパチンコ機において、開放中報知音を出力してもよいし、時短遊技状態中に特定演出状態を設定して入球報知音を出力してもよい。また、第2始動口24(普通電動役物)の開放が予定されている場合には、開放の所定時間前から開放中報知音を先んじて出力するようにしてもよい。これにより、予め第2始動口24の開放を報知することができるから、遊技球の発射遅れを防止することができる。
実施例では、遊技ホールの島設備から供給される遊技球を賞球や貸球として上受け皿11に払い出す構成としたが、いわゆる封入式のパチンコ機であってもよい。封入式のパチンコ機は、内部に封入した遊技球を循環させることにより遊技を行なうものである。また、実施例や変形例のパチンコ機は、いわゆる管理遊技機に適用されてもよい。管理遊技機は、主制御装置への外部からのアクセスを制限するものであり、枠制御装置(実施例の払出制御装置に相当)から主制御装置へは特定情報(遊技の性能に影響を与える情報や、遊技の結果に影響を及ぼす虞のある情報)以外を送信可能とし、枠制御装置はCRユニットと接続され、枠制御装置を介してのみ外部と通信可能に構成されたものである。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、普通図柄作動ゲート22のゲートスイッチ22aが「検知手段」に相当し、普通図柄遊技処理を実行する主制御装置60のCPU60aと普通図柄表示装置(普図表示装置)35とが「普通図柄変動表示手段」に相当し、第2始動口24に設けられた開閉羽根24bと開閉羽根24bを作動させる第2始動口ソレノイド24cとが「普通電動役物」に相当し、演出モード設定処理のS922を実行するサブ統合制御装置90が「特定演出状態設定手段」に相当し、スピーカ14が「音出力手段」に相当し、普通図柄当り遊技演出処理を実行するサブ統合制御装置90が「報知制御手段」に相当する。また、第1始動口23が「第1始動口」に相当し、第2始動口24が「第2始動口」に相当し、第1特別図柄変動表示関連処理を実行する主制御装置60のCPU60aと第1特別図柄表示装置(第1特図表示装置)31とが「第1特別図柄表示手段」に相当し、第2特別図柄変動表示関連処理を実行する主制御装置60のCPU60aと第2特別図柄表示装置(第2特図表示装置)32とが「第2特別図柄表示手段」に相当し、大当り遊技処理を実行する主制御装置60のCPU60aが「大当り遊技実行手段」に相当し、第1特別図柄遊技処理のS545~S547と大当り遊技処理のS742,S744とを実行する主制御装置60のCPU60aが「遊技状態設定手段」に相当する。なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。すなわち課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明の実施の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。