JP7072989B2 - 蓄電システム - Google Patents
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Description
しかしながら、複数系統である場合には、地絡検出器が複数必要となる。
この場合、検出に使用する地絡検出器と検出回路が複数必要となり、システム全体のコストになるという問題があった。
このような事象は、ハーネス型の零相変流器でも同様であり、ハーネス4本(往路と復路の2本からなる往復電流配線対が2対)を零相変流器の鉄心内部に貫通させた場合においても、図10に示すようにインバータ電流の増加に伴い正確に地絡を検出することができないことが分かった。
図1から図6を用いて、本発明の実施形態について説明する。
以下、図1を用いて、本実施形態に係る蓄電システム10の構成について説明する。
なお、図1に示すように主幹ブレーカ410の商用電力系統側にエネファーム(登録商標)等の商用系統連系機器500が接続される場合がある。
また、太陽電池モジュール300からの発電電力および/または直流電力に変換された商用電力を充電電力としてコンバータを介して蓄電池ユニット240に充電することが可能となっている。
さらに、パワーコンディショナ200は、連系の安定化を図る機能を有している。
パワーコンディショナ200は、図2に示すように、コンバータ211、212と、インバータ221と、制御装置222と、零相変流器(ZCT)230と、を含んで構成されている。
なお、以下の構成は例示であり、同様の機能を果たすことができるものであれば、他の構成であってもよい。
このようにコンバータ211が本発明の「発電装置用コンバータ」に相当する。
また、コンバータ212は、インバータ221により直流電力に変換された商用電力を所定の直流電圧に変換した直流電力(充電電力)や太陽電池等の他の直流電力を蓄電池ユニット240に供給する双方向コンバータである。
このようにコンバータ212が本発明の「定置型蓄電池用コンバータ」に相当する。
このように双方向コンバータ251が本発明の「車載蓄電池用コンバータ」に相当する。
なお、これらのコンバータとしては、例えば、昇圧または昇降圧チョッパ型コンバータを例示することができる。
また、蓄電池ユニット240における蓄電池および/または電動車260の車載蓄電池を充電するため、商用電力を直流電力に変換する。
零相変流器230は、コンバータ211からの直流電力(太陽電池モジュール300の発電電力に基づく電力)と双方向コンバータ251からの直流電力(車載蓄電池の放電電力に基づく電力)とが共通の電力線を経由してインバータ221に供給される当該共通電力線上に介装される。
具体的には、図2に示すように、2つのコンバータ211、212および双方向コンバータ251からそれぞれインバータ221側に延びる電力線の接続点Pと、インバータ221の直流側端子Qとを結ぶ電力線(共通電力線)L1上に零相変流器230が介装される。
一方で、商用電力に基づいて蓄電池ユニット240およびV2Hスタンド250を充電することができる。
また、パワーコンディショナ200は、例えば、夜間等の商用電力を用いて、蓄電池に充電する制御等を行う。
V2Hスタンド250は、電動車260に搭載される比較的大容量の車載蓄電池からの直流電力をパワーコンディショナ200を介して、負荷に供給する機能および商用電力、太陽電池モジュール300等の発電電力または蓄電池ユニット240からの電力により、電動車260の車載蓄電池を充電する機能を有する。
太陽電池モジュール300は、太陽電池セルが複数配列され、これをガラスや樹脂、フレームで保護したものであり、一般的には、太陽光パネルあるいは太陽電池パネルと呼ばれるものである。
なお、主幹ブレーカ410は、トリップ機能を備えたブレーカである。
通常時(商用電力連系時)には、切替スイッチ430は自立出力側に接続され(図1に示す状態)、重要負荷には蓄電池システム用ブレーカ110およびパワーコンディショナ200を介して商用電力が供給される。
また、一般負荷には主幹ブレーカ410を介して商用電力が供給される。
一方、停電時には、商用電力系統とパワーコンディショナ200とが解列され蓄電池ユニット240、V2Hスタンド250(車載蓄電池)および太陽電池モジュール300の少なくとも1つに基づく電力がパワーコンディショナ200から重要負荷に供給可能となっている。
また、パワーコンディショナ200が故障した場合等、蓄電池システム用ブレーカ110がオフ状態のときには、切替スイッチ430を手動で系統出力側に切り替えることにより、重要負荷には主幹ブレーカ410を介して商用電力が供給される。
図3に、バスバー型零相変流器における配線の配置形態を示す。
具体的には、DC-配線とDC+配線からなる往復電流配線対を2対配置した零相変流器230の横断面の状態を同図に示す。
地絡検出のメカニズムは、基本的には次に示すとおりである。
すなわち、鉄心230aには二次側コイル(図示せず)が巻回されており、正常時には往復電流の磁束は相殺されるが、地絡発生時には磁束のバランスが崩れることにより、二次側コイルに出力され地絡検出される。
本実施形態に係るバスバー型零相変流器230Aにおける配線の配置形態は、往路電流および復路電流が流れるDC-(図3の横線を施した丸印)およびDC+(図3の斜線を施した丸印)の2つの配線(インバータ221は双方向のため、電流の方向によってはDC-配線に往路電流、DC+配線に復路電流が流れる一方、DC-配線に復路電流、DC+配線に往路電流が流れる場合がある)が各々対向して配置され、同一極の配線が対角に位置するようになっている。
本実施形態では、対向配置された配線群DC-、DC+の各々を結ぶ対角線は互いに直交し、対角線の交点は鉄心中心C(図3の×印)に一致している。
つまり、インバータ電流値に関わらず(インバータ電流が増加しても)、正常に地絡電流を検出することが理解できる。
より具体的には、図3に示すような配線形態としたことにより、2つのDC-の配線中心を結んで形成される仮想線分の中点と2つのDC+配線中心を結んで形成される仮想線分の中点とが一致することにより、インバータ電流が増加しても高周波成分が重畳した往復電流の磁束を相殺することが可能になったものと考える。
図5(a)~(c)のハーネス型零相変流器における配線の配置形態が、図3のバスバー型零相変流器と異なる点は、鉄心230aに対する配置が固定されていたバスバーに替えて、ハーネスを用いることにより鉄心230a内部の配線の配置自由度を高めた点である。
より具体的には、図5(a)に示すような配線形態としたことにより、2つのDC-配線中心を結んで形成される仮想線分の中点と2つのDC+配線中心を結んで形成される仮想線分の中点とが一致(図5(a)の×印)することにより、インバータ電流が増加しても高周波成分が重畳した往復電流の磁束を相殺することが可能になったものと考える。
これは、バスバー型零相変流器あるいはハーネス型零相変流器のいずれであっても、上記のような配線形態を遵守すれば、同様の結果が得られることを示している。
図5(b)は、本変形例1に係るDC-配線とDC+配線からなる往復電流配線対が3対であるハーネス型零相変流器における配線の配置形態を示している。
また、中心部の4つの配線を挟んでその左右に鉄心中心Cから等距離の位置にDC+配
とDC-配線とが1つずつ配置されている。
縦方向に並んで配置されたDC-配線の横方向一方側(右側)にはDC+配線が、縦方向に並んで配置されたDC+配線の横方向他方側(左側)にはDC-配線が配置される。
しかしながら、往復電流配線対が3つ以上である場合には、3つ以上のDC-配線を結んで形成される仮想多角形の重心と3つ以上のDC+配線を結んで形成される仮想多角形の重心(図5(b)の×印)とが一致すれば、インバータ電流が増加しても正常に地絡検出することができる。
例えば、図5(b)の配置形態のように、3つのDC-配線を結んで形成される仮想三角形TR1の重心と、3つのDC-配線を結んで形成される仮想三角形TR2の重心とを一致(図5(b)の×印)させることにより、インバータ電流が増加しても正常に地絡検出することができる。
図5(c)は、DC-配線とDC+配線とからなる往復電流配線対が4対であるハーネス型零相変流器における配線の配置形態を示している。
そして、この中心部の配置に対して、DC-の2つの配線がその外側に横に並び、かつ、DC+の2つの配線がその外側に縦に並び、各々対向して配置された配置形態となっている。
このような構成により、インバータ電流が増加しても正常に地絡を検出することができる。
つまり、本発明は、パワーコンディショナ内部のインバータとパワーコンディショナ外部のコンバータとを接続する電力線(インバータに直流電力を入力またはインバータから直流電流を出力する電力線)上に地絡検出器を介装するシステム、またはパワーコンディショナ内部にインバータのほかコンバータを備え、パワーコンディショナ内部のインバータとコンバータとを接続する電力線上に地絡検出器を介装するシステムに適用することができる。
110;蓄電池システム用ブレーカ
130;主幹ブレーカ
200;パワーコンディショナ
211;コンバータ(発電装置用コンバータ)
212;コンバータ(定置型蓄電池用コンバータ)
221;インバータ
222;制御装置
230;零相変流器(ZCT)
230A;バスバー型零相変流器
230B;ハーネス型零相変流器
230a;鉄心
240;蓄電池ユニット
241;蓄電池出力端子(蓄電池側端子台)
242;ジャンクションボックス
250;V2Hスタンド
251;双方向コンバータ(車載蓄電池用コンバータ)
260;電動車
300;太陽電池モジュール(発電装置)
410;主幹ブレーカ
420;分岐ブレーカ
500;商用系統連系機器
Claims (2)
- 直流電力を交流電力に変換するパワーコンディショナと、
再生可能エネルギーを利用して発電する発電装置の発電電力を所定の直流電圧に変換する発電装置用コンバータと、
電動車に搭載された車載蓄電池に対して充放電制御を行う車載蓄電池用コンバータを有するV2Hスタンドとを備えた蓄電システムにおいて、
前記パワーコンディショナは、
前記発電装置用コンバータからの直流電力および前記車載蓄電池用コンバータからの直流電力を交流電力に変換するとともに、交流電力を直流電力に変換して前記車載蓄電池用コンバータを介して前記車載蓄電池を充電可能に構成されたインバータと、
鉄心と、往路電流および復路電流が流れ鉄心内部を貫通するDC+配線とDC-配線とからなる複数の往復電流配線対を有し、前記発電装置用コンバータからの直流電力と前記車載蓄電池用コンバータからの直流電力とが共通の電力線を経由して前記インバータに供給される当該共通の電力線上に介装される地絡検出器とを備え、
前記地絡検出器は、3つ以上の前記往復電流配線対を有し、その横断面において、前記3つ以上のDC+配線中心を結んで形成される仮想多角形の重心と、前記3つ以上のDC-配線中心を結んで形成される仮想多角形の重心とが一致するように前記DC+配線と前記DC-配線が配置されていることを特徴とする蓄電システム。 - 定置型の蓄電池ユニットと、
前記蓄電池ユニットに対して充放電制御を行う定置型蓄電池用コンバータと
をさらに備え、
前記定置型蓄電池用コンバータは前記共通の電力線に導通接続され、
前記蓄電池ユニットから前記インバータへの放電電力の供給および前記インバータから前記蓄電池ユニットへの充電電力の供給が前記共通の電力線を経由して行われることを特徴とする請求項1記載の蓄電システム。
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